説明

通報装置における通報方法、通報装置、および通報プログラム

【課題】通報装置の通報の精度を上げ、安定性を高める。
【解決手段】外部に接続されたセンサの入出力を検知し、メールを用いてあらかじめ登録されている通報先に各種監視状態を通知する通報装置において、通報メールを定期的に複数の通報先に一括送信し、それぞれの応答時間を計測し、応答時間が最短の通報先を第1通報先に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部に接続されたセンサ等の入出力を検知し、メールを用いてあらかじめ登録されている通報先に各種監視状態を通知する通報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通報装置では、メールサーバから送信されてくるエラーメールも各個人で確認しなければ、エラーメールを気がつくまでに時間を要していた。そのため、通報漏れなどが生じてしまう可能性があった。
【0003】
また、従来の通報装置では、各種監視状態を通知する通報先が複数登録されている場合、通報先には登録されている順番で通報が行われる。そのため、通報の伝達速度、通報のエラー頻度などが考慮されず、通報先の宛先を一度設定した後は、変更することはあまりなかった。
【0004】
なお、特許文献1では、電子メールとして送信した通報メッセージが、ネットワーク等の問題で通知先に届いていないとき、送信した通報メッセージと同内容のメッセージを従通知先に送信する監視情報通知方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−282655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、通報装置の通報の精度を上げ、安定性を高める通報方法、通報装置、および通報プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、通報メールを定期的に複数の通報先に一括送信し、それぞれの応答時間を計測し、応答時間が最短の通報先を第1通報先に設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は下記の効果がある。
【0009】
通報メールを定期的に複数の通報先に一括送信し、それぞれの応答時間を計測し、応答時間が最短の通報先を第1通報先に設定することにより、通報が通知しにくい、接続しにくい通報先をマークすることができ、通報の精度を高めることができる
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態による通報装置のブロック図である。
【図2】第1の実施形態の通報装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】メール受信画面の例を示す図である。
【図4】再通報および転送メールの例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による通報装置のブロック図である。
【図6】第2の実施形態の通報装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】優先通報先リストの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態の通報装置はデータベース部1と制御部2Aと回線I/F部3とLANI/F部4とセンサ入出力部5から構成されている。
【0012】
データベース部1は通報履歴のログ管理や、通報先のデータ管理を行う。センサ入出力部5は、外部に接続されたセンサ等の入出力を検知する。制御部2はデータベース部1からの情報に基づいて、例えばエラーメール処理、通報先設定を行い、センサ入出力部5からの出力により、各種インタフェース部(回線I/F部3、LANI/F部4、センサ入出力部5)の制御を行い、あらかじめ登録されている通報先に各種監視状態を通知するように回線I/F部3に回線に指示を出す。同様に、LANI/F部4ではLANを用いて、メール通報を行う。
【0013】
次に、本通報装置のメールサーバからのエラーメールを装置側で認識し、第2通報先にエラーメールのメール内容を添付し、再通報兼転送を行う、本実施形態の動作を、図2を参照して説明する。なお、図2の動作は制御部2Aで行われる。
【0014】
外部に接続されたセンサ等の入出力を検知し、あらかじめ登録されている第1通報先にメールを用いて、各種監視状態を通知する (ステップ100)。受信メールBOXの中にエラーメールを受信しているか否か判断を行う(ステップ101)。メール受信画面を図3に示す。件名および文章中にある(1)の部分にソートをかけ、エラーメールを受信したかどうかを随時確認する。(1)の部分のソートは、メールサーバで共通エラーメールとしてあげられる表1に挙げたエラーメッセージについて行うものとする。
【0015】
【表1】

【0016】
(1)の部分に、表1にあるエラーメッセージがある場合、または宛先である@の前後でソートをかけ通報先リストに該当した場合、第2通報先宛のメールを作成する(ステップ102)。再通報および転送メールを図4に示す。第1宛先に送信するはずである通報メールとエラーメールの転送を行う(ステップ103)。再び、エラーメールを受信していれば第3宛先に送信を行い、エラーメールを受信しなくなるまで、図2の処理を繰り返す。
【0017】
[第2の実施形態]
図5を参照すると、本発明の第2の実施形態の通報装置はデータベース部1と制御部2Bと回線I/F部3とLANI/F部4とセンサ入出力部5から構成されている。第1の通報装置とは制御部2Bの処理のみ異なる。
【0018】
次に、定期的に複数の通報先に一括送信をし、応答時間を計測し、最短の通報先を第1通報先に設定する、本実施形態の動作方法について、図6により説明する。
【0019】
通報宛先が複数宛先ある場合に適用するものし、定期的(月一回など)に行うものとする。まず、登録されている全通報先にメールを送信する(ステップ200)。任意時間のタイマーを起動させ(ステップ201)、設定した通報接続時間(任意時間)を超過してもメールが接続できない場合、現在の通報先リストの一番下にし、優先順位を下げ(ステップ202、206)、接続失敗回数に1を加算する(ステップ207)。そして、登録されている全通報先に再びメールを送信する(ステップ200)。また、通報接続時間(任意時間)内に接続できた場合、応答時間計測をし、図7に示す「応答時間(累計)」に合計する(ステップ202,ステップ203)。接続回数が3回になるまで、ステップ201〜ステップ203の処理を繰り返し(ステップ204)、定期調査を3回行った時に、あらかじめ登録されていた通報先リストの再作成を行う(ステップ205)。
【0020】
図7に、登録されている通報先のリストの例を示す。各通報先において、通報接続失敗回数が少なければ上位へ、また応答時間の累計が少なければ上位へ移動し、優先通報先リストの再作成が行われ、応答速度が一番よい通報先を第1通報先に設定し、処理を終了する。
【0021】
なお、通報装置の機能は、その機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行するものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM等の記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク装置等の記憶装置を指す。さらに、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネットを介してプログラムを送信する場合のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体もしくは伝送波)、その場合のサーバとなるコンピュータ内の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含む。
【符号の説明】
【0022】
1 データベース部
2A、2B 制御部
3 回線I/F部
4 LANI/F部
5 センサ入出力部
100〜103、200〜207 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に接続されたセンサの入出力を検知し、メールを用いてあらかじめ登録されている通報先に各種監視状態を通知する通報装置において、
通報メールを定期的に複数の通報先に一括送信し、それぞれの応答時間を計測し、応答時間が最短の通報先を第1通報先に設定する、通報方法。
【請求項2】
外部に接続されたセンサの入出力を検知し、メールを用いてあらかじめ登録されている通報先に各種監視状態を通知する通報装置において、
通報メールを定期的に複数の通報先に一括送信する手段と、
それぞれの応答時間を計測する手段と、
応答時間が最短の通報先を第1通報先に設定する手段と、
を有することを特徴とする通報装置。
【請求項3】
外部に接続されたセンサの入出力を検知し、メールを用いてあらかじめ登録されている通報先に各種監視状態を通知する通報装置の機能をコンピュータに実行させるための通報プログラムであって、
通報メールを定期的に複数の通報先に一括送信する手順と、
それぞれの応答時間を計測する手順と、
応答時間が最短の通報先を第1通報先に設定する手順と、
をコンピュータに実行させるための通報プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−239227(P2012−239227A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−186440(P2012−186440)
【出願日】平成24年8月27日(2012.8.27)
【分割の表示】特願2008−47590(P2008−47590)の分割
【原出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】