説明

通気性のヒートシール可能な複合ポリマーフィルム

ポリマー材料の第1および第2の層を含み、(i)第1の層のポリマー材料が、1種または複数のジオール、1種または複数のジカルボン酸、および1種または複数のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから得られたモノマー単位を含有するコポリエステルを含み、(ii)第2の層が、ヒートシール可能なポリマー層であることを特徴とする通気性のヒートシール可能な複合フィルムおよび、その製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気性ポリマーフィルム、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーフィルム、特にポリオレフィンフィルムは、新鮮な切花およびカット野菜の包装に長い間使用されてきた。そのような包装フィルムの主な機能は、昆虫、細菌、および空気媒介性の汚染物質に対して保護密封を行うことである。
【0003】
それにもかかわらず、新鮮な切花およびカット野菜は、その生化学的性質の根本的な変化が原因で、その貯蔵寿命に限りがある。一方、土の中では、光合成によって植物が成長し、酸素が吐き出される。しかし収穫後は、植物はもはや日光および二酸化炭素を炭水化物および酸素に変換せず、植物が貯蔵している炭水化物を使用して、水および二酸化炭素を排出する。プラスチックの包装で包まれている植物の場合、包装内に閉じ込められた水の蓄積によって、カビが生育し、新鮮な食物の腐敗が生じる。果物および野菜によって生成される揮発性物質の研究は、P.M.A.Tovivonenによって行われている(例えば、非特許文献1参照)。プラスチック包装フィルム、特にポリオレフィンフィルムは、水の障壁として働き、実際に、排出された水をこの包装内に閉じ込めることによって、この状況を悪化させる可能性がある。ブロッコリーやマッシュルームなどの高含水量を有する野菜が、特に影響を受けやすい。昆虫、細菌、および空気媒介性の汚染物質に対する障壁を提供するだけでなく、水分を通しやすいものでもある包装(言い換えれば、水を包装から外に自由に通すことが可能なフィルム)を提供し、それにより、微生物およびカビの生育の発生を遅らせることによって内容物の貯蔵寿命を延ばすことが望ましいと考えられる。
【0004】
既に、いくつかの市販されている通気性フィルムが存在する。いくつかの会社は、無機充填剤の使用をなくしてより容易に水を通すことが可能なポリオレフィンフィルムを販売している。しかし、そのようなフィルムは通常透明ではなく、したがって販売の観点からすると、欠点を有している。熱可塑性エラストマー(TPE)を基にしたその他の市販されているフィルムは、優れた通気性をもたらすが、包装に用いるには費用がかかる。
【0005】
通気性の包装を製造する別の手法は、排出されたガスを逃がすために、フィルムに穿孔することである。単位面積当たりの穿孔の数および穿孔の直径は、包装される物品およびその呼吸速度に応じて調節することができる。この手法の欠点は、穿孔によって、包装される物品が昆虫、細菌、および空気媒介性の汚染物質に曝されることである。任意選択で穿孔層を含むヒートシール可能な複合フィルムが、特許文献1、2、3、4、5、6、7、および8に開示されている。特許文献9は、穿孔ポリマー基材層と、この基材の表面に被覆された非穿孔障壁層とを含む、通気性のヒートシール可能な複合フィルムについて記述している。
【0006】
【特許文献1】国際公開第01/92000号パンフレット
【特許文献2】英国特許出願公開第2355956号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0358461号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0178218号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0187694号明細書
【特許文献6】特開平06−219465号明細書
【特許文献7】特開平06−165636号明細書
【特許文献8】特開昭54−117582号明細書
【特許文献9】同時係属出願PCT/GB2004/003119号明細書
【特許文献10】英国特許出願公開第838708号明細書
【非特許文献1】"Non-ethylene, non-respiratory volatiles in harvested fruits and vegetables; their occurrence, biological activity and control", Postharvest Biology and Technology 12 (1997) 109-125
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、水分および排出されたガス、特に水分を、包装された製品から逃がし、しかし昆虫、細菌、および空気媒介性の汚染物質に対する物理的障壁をもたらす、通気性のヒートシール可能な包装フィルムであって、特に任意選択で透明であり、特にフィルムの製造をより効率的にかつ経済的に実現することができるフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、ポリマー材料の第1および第2の層を含む、通気性のヒートシール可能な複合フィルムであって、
(i)第1の層のポリマー材料が、1種または複数のジオール;1種または複数のジカルボン酸;および1種または複数のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから得られたモノマー単位を含んだコポリエステルを含み、
(ii)第2の層が、ヒートシール可能なポリマー層である
フィルムが提供される。
【0009】
本明細書で使用する「通気性」という用語は、本発明の複合フィルムが、特に水蒸気に対して、また特に酸素に対しても、ガス透過性であることを意味する。
【0010】
好ましくは、複合フィルムの水蒸気透過速度(WVTR)が少なくとも60g/m/日であり、好ましくは少なくとも80g/m/日、好ましくは少なくとも90g/m/日、好ましくは少なくとも100g/m/日、好ましくは少なくとも115g/m/日、好ましくは少なくとも130g/m/日、好ましくは少なくとも140g/m/日、およびより好ましくは少なくとも150g/m/日である。WVTRは、包装される物品およびその呼吸速度に応じて、フィルム組成の変更により調節することができる。
【0011】
好ましい実施形態では、複合フィルムは共押出しによって形成され、このとき第1および第2の層は、当技術分野における従来の技法に従って共押出しされる。代替の実施形態では、ヒートシール可能な(第2の)層を、本明細書で定義される第1の層の基材上に被覆する。
【0012】
複合フィルムは、自己支持性のフィルムまたはシートであり、即ち支持ベースが存在しない状態で、独立して存在することが可能なフィルムまたはシートであることを意味する。複合フィルムは、一軸または二軸配向であることが好ましく、二軸配向であることが好ましい。
【0013】
第1の層のポリマー材料は、好ましくは非エラストマー性であり、即ち天然ゴムにより示される弾性(変形力を取り除いたときの、元の形状の回復など)がないことを意味する。第1の層は、好ましくは破断伸びが250%未満であり、好ましくは200%未満である。
【0014】
第1の層のコポリエステルに適切なジカルボン酸には、テレフタル酸やイソフタル酸、フタル酸、および2,5−、2,6−、または2,7−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族酸、ならびにコハク酸やセバシン酸、アジピン酸、およびアゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸が含まれる。脂環式ジカルボン酸を使用してもよい。その他の適切なジカルボン酸には、4,4’−ジフェニルジカルボン酸およびヘキサヒドロ−テレフタル酸が含まれる。スルホン酸基が芳香族核に結合しているスルホン化芳香族ジカルボン酸を使用してもよく、好ましくはそのようなスルホモノマーのスルホン酸基がスルホン酸塩であり、好ましくはI族またはII族の金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、またはカリウム、より好ましくはナトリウムのスルホン酸塩である。アンモニウム塩を使用してもよい。スルホン化芳香族ジカルボン酸は、任意の適切な芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−、または2,7−ナフタレンジカルボン酸から選択することができる。しかし、スルホモノマーの芳香族ジカルボン酸は、イソフタル酸であることが好ましい。好ましいスルホモノマーは、5−ナトリウムスルホ−イソフタル酸および4−ナトリウムスルホ−イソフタル酸である。本明細書で使用する「ジカルボン酸」という用語には、酸ハロゲン化物や無水物など、エステルおよびエステル形成誘導体を含めたコポリエステルを形成する際の、グリコールおよびジオールとの反応において、実質的にジカルボン酸のように機能する、2個の官能性カルボキシル基を有するジカルボン酸の酸均等物が含まれる。ジカルボン酸は、低分子量(即ち、約300未満の分子量、これは酸の分子量を指し、これと均等なエステルまたはエステル形成誘導体を指すものではない。)を有することが好ましい。
【0015】
第1の層のコポリエステルは、少なくとも1種の芳香族酸、特にテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸、特にテレフタル酸を含むことが好ましい。第1の実施形態では、ジカルボン酸成分が、1種のジカルボン酸しか含まない。第2の実施形態では、ジカルボン酸成分が、第1の芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸)および第2のジカルボン酸を含む。第2のジカルボン酸は、コハク酸やセバシン酸、アジピン酸、またはアゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸から選択することができ、一実施形態では、第2のジカルボン酸がアゼライン酸である。代わりに第2のカルボン酸は、ナトリウムスルホ−イソフタル酸などのスルホン化芳香族ジカルボン酸から選択することができる。これらの実施形態では、第1のジカルボン酸は、全酸成分の50から100%の量(好ましくは60から99モル%、好ましくは70から95モル%、好ましくは80から90モル%)で存在することが好ましく、第2のジカルボン酸は、全酸成分の0から50モル%の量(好ましくは1から40モル%、好ましくは5から30モル%、好ましくは5から15モル%)で存在することが好ましい。第2のジカルボン酸がスルホン化芳香族ジカルボン酸である場合、全酸成分の0から15%の量(好ましくは0から10%、好ましくは1から10%、好ましくは2から6モル%)で存在することが好ましい。好ましくは、第1の層のコポリエステルは、1つのタイプの非スルホン化芳香族ジカルボン酸残基しか含まず、一実施形態では、1つのタイプの芳香族ジカルボン酸残基しか含まない。一実施形態では、ジカルボン酸部分の少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%、好ましくは少なくとも98モル%、好ましくは少なくとも99モル%が、ただ1つのタイプの非スルホン化芳香族ジカルボン酸で構成される。
【0016】
第1の層のコポリエステルに適切なジオールは、非環式、脂環式、および芳香族ジヒドロキシ化合物を含む低分子量の(即ち、約250よりも低い分子量を有する)ジオールである。好ましい化合物は、エチレンやプロピレン、イソブチレン、テトラメチレン、1,4−ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレンおよびデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレンなど、2〜15個の炭素原子を有するジオールである。脂肪族ジオールが好ましく、特に、2〜8個の炭素原子を含有する非環式脂肪族ジオール、好ましくはエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオール、より好ましくはエチレングリコールである。1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)などの脂環式グリコールを使用することもできる。ジオールと均等なエステル形成誘導体を、ジオールの代わりに使用することができる。本明細書で使用する「低分子量ジオール」という用語は、そのような均等なエステル形成誘導体を包含するが、分子量の要件がジオールに適するものであり、かつその誘導体に適するものではないことを条件とする。第1の層のコポリエステルは、1つのタイプの低分子量ジオール残基のみを含むことが好ましい。一実施形態では、低分子量ジオール部分の少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%、好ましくは少なくとも98モル%、好ましくは少なくとも99モル%が、1つのタイプの低分子量ジオールで構成される。好ましくは、コポリエステル中に存在する低分子量ジオール部分は、コポリエステルの全グリコール部分の50モル%以上の範囲、好ましくは55モル%以上の範囲、好ましくは60から90モル%の範囲内にあり、一実施形態では、60から80モル%の範囲内にある。
【0017】
第1の層のコポリエステルに適切なポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、好ましくはCからC15、好ましくはCからC10、好ましくはCからCアルキレン鎖から選択され、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、およびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(PTMO)から、好ましくはポリエチレングリコールから選択される。エチレンオキシド末端ポリ(プロピレンオキシド)セグメントを使用してもよい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの混合物を使用することができるが、好ましい実施形態では、第1の層のコポリエステルが、1つのタイプのポリ(アルキレンオキシド)グリコール残基のみを含む。本発明で使用されるポリ(アルキレンオキシド)グリコールの平均分子量は、好ましくは少なくとも400(典型的には少なくとも約1000)であり、好ましくは10000以下であり、好ましくは4500以下であり、一実施形態では2500以下である。コポリエステル中に存在するポリ(アルキレンオキシド)グリコールの量は、好ましくはコポリエステルのグリコール部分の50モル%以下であり、好ましくは45モル%以下であり、好ましくは10から40モル%の範囲内であり、一実施形態では20から40モル%の範囲内である。
【0018】
このように、一実施形態では、第1の層のコポリエステルが、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール(好ましくはPEG)から得られたモノマー単位と、低分子量脂肪族ジオール(好ましくはエチレングリコール)と、芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸)と、脂肪族ジカルボン酸およびスルホン化芳香族ジカルボン酸から選択された第2の追加のジカルボン酸とを含む。
【0019】
本発明で使用されるコポリエステルは、一般式Iを有する、エステル結合によって結合された交互ランダム長配列を含むブロック(セグメント化)コポリマーと記述することができる
【0020】
【化1】

【0021】
(式中、Rは、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール(好ましくはポリ(エチレンオキシド)グリコール)からのアルキレン鎖であり;
は、低分子量ジオール(好ましくはエチレングリコール)から得られ;
Aは、芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸(TA)、イソフタル酸(IPA)、または2,6−ナフタレンジカルボン酸、より好ましくはTA)から得られた芳香族環(好ましくはフェニルまたはナフチル、より好ましくはフェニル)であり;
比率x:yは、約3:1から約80:1の範囲内にあり(一実施形態では40:1よりも大きく約80:1までである);
yは、好ましくは1〜3の範囲内であり;
nは、上記にて列挙された分子量を与えるのに必要とされる重合度であり、典型的には14〜28の範囲内である)。
【0022】
一実施形態では、xが3〜80の範囲内であり、一実施形態では40よりも大きく約200までであり、別の実施形態では40よりも大きく約80までである。
【0023】
複数の低分子量ジオールおよび/またはジカルボン酸が存在する場合、交互に異なるブロックの数は増加する。
【0024】
本発明の第1の層に使用するのに適切なコポリエステルは、好ましくは少なくとも0℃のガラス転移温度(Tg)を有し、好ましくは少なくとも15℃であり、好ましくは少なくとも30℃であり、そして好ましくは60℃以下であり、好ましくは55℃以下である。このように、好ましい実施形態では、コポリエステルのTgが約30℃から約60℃の範囲内にある。
【0025】
コポリエステルの調製は、当技術分野で周知の従来の方法によって容易に実現される。典型的な場合、ジカルボン酸のエステル、例えばテレフタル酸のジメチルエステルを、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよびモル過剰の低分子量ジオールと共に、触媒の存在下高温で(典型的には約150から260℃の範囲内で)加熱し、その後、交換反応により形成されたアルコール(例えばメタノール)を留去することを含む、従来のエステル交換反応が利用される。代わりに、少なくとも1種の芳香族酸、例えばテレフタル酸を、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよびモル過剰の低分子量ジオールと共に、触媒の存在下高温で(典型的には約150から260℃で)加熱し、その後、エステル化反応によって形成された水を留去することを含む、直接エステル化経路を使用することができる。合成の次のステップは、ポリマーの分子量を所望のレベルに増加させるための、従来の重縮合ステップである。オートクレーブがプレポリマーで塞がれるようになる危険性を低下させるために、消泡剤(シリコーン油など、例えばDow CorningのDC1510)を、合成に利用することが好ましい。
【0026】
第1の層のポリマー材料は、前述のコポリエステルを50%よりも多く含むことが好ましく、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%であり、示されるコポリエステルの重量は、第1の層内のポリマー材料の総量に対する重量%である。第1の層のポリマー材料は、本質的に前述のコポリエステルからなることが好ましい。
【0027】
第1の層の厚さは、典型的には約0.5から300μmであり、好ましくは12から約200μm、特に約12から約100μmである。
【0028】
第2の層のポリマー材料は、ヒートシール可能である。第2の層のポリマー材料は、この材料が結合される表面に対してこの材料が接着するのに適した濡れが可能になるように、その粘度が十分低くなるよう十分な程度にまで軟化すべきである。複合フィルムは、それ自体が(即ちそのヒートシール可能な第2の層を接触させることによって)少なくとも300g/25mmのヒートシール強度を示すことが好ましく、好ましくは約400g/25mmから約1000g/25mmであり、より好ましくは約500から約850g/25mmである。第1の層のポリマー材料は、効果的なヒートシール特性を提供せず、少なくとも300g/25mmのヒートシール強度をそれ自体が示さない。 下記において実施形態Aと呼ばれる一実施形態では、第2の層は、任意の適切な、従来のヒートシール可能なポリマー材料を含むことができ、第1の層の通気特性を著しく損なわないような厚さを有する。本明細書で定義される第1および第2の層を含む複合フィルムのWVTRは、単離された第1の層のWVTRよりも50%以下低いものであるべきことが好ましく、好ましくは35%以下、好ましくは20%以下、好ましくは10%以下だけ低い。実施形態Aの、ヒートシール可能な層の厚さに関して、複合フィルムの層の厚さとWVTRとの間には逆相関があり、一般に、第2の層の厚さが倍になると複合フィルムのWVTRが半分になる。実施形態Aに適切なポリマー材料には、ヒートシール可能なポリエステルが含まれる。ポリエステルは、典型的にはコポリエステルであり、第1のジカルボン酸および第1の低分子量ジオール、および任意選択で第2のジカルボン酸および/または第2の低分子量ジオールから得られる。コポリエステルは、第2のジカルボン酸残基または第2の低分子量ジオール残基を含むことが好ましい。
【0029】
下記において実施形態Bと呼ばれる代替の実施形態では、第2の層のポリマー材料は、第1の層の場合と同様のコポリエステルを含むが、この第2の層のコポリエステルは、第1の層のコポリエステル中に存在しない追加のコモノマーであって第2の層にヒートシール性(本明細書で定義される)を与えるコモノマーを組込むことが異なる。2種のコポリエステル中のポリ(アルキレンオキシド)グリコールのモル分率は、同じでも異なってもよいが、実質的に同じであることが好ましい。追加のコモノマーは、ジカルボン酸分および/または低分子量ジオール分を犠牲にしてコポリエステルに組み込まれるが、好ましい実施形態では、ジカルボン酸部分または低分子量ジオール部分のどちらかが犠牲になる。一実施形態では、追加のコモノマーを、ジカルボン酸分を犠牲にしてコポリエステルに組み込む。適切なコモノマーには、イソフタル酸および低分子量脂肪族ジオール(特にCHDMなどの脂環式ジオール)が含まれる。
【0030】
下記において実施形態A1と呼ばれる一実施形態では、第2の層は、脂肪族グリコール(好ましくはエチレングリコール)、第1の芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸)、および第2のジカルボン酸(好ましくはイソフタル酸)から得られるコポリエステルを含む。このように、好ましいコポリエステルは、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から得られる。第1のジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸)と第2のジカルボン酸(好ましくはイソフタル酸)との好ましいモル比は、50:50から90:10の範囲内であり、好ましくは65:35から85:15の範囲内、好ましくは約82:18である。
【0031】
下記において実施形態A2と呼ばれる別の実施形態では、第2の層は、第1のジオール(好ましくは脂肪族ジオール、好ましくはエチレングリコールまたはブタンジオール、より好ましくはエチレングリコール)および第2のジオール(好ましくは脂環式ジオール、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)と、1種または複数の、好ましくは1種のジカルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸から得られるコポリエステルを含む。具体例には、テレフタル酸と脂肪族ジオールおよび脂環式ジオール、特にエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリエステルが含まれる。第2のジオール(好ましくは脂環式)と第1のジオール(好ましくは脂肪族)との好ましいモル比は、10:90から60:40の範囲内、好ましくは20:80から40:60の範囲内、より好ましくは30:70から35:65の範囲内である。好ましい実施形態では、このコポリエステルは、テレフタル酸と約33モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび約67%のエチレングリコールとのコポリエステルである。そのようなポリマーの例は、テレフタル酸、約33%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、および約67%のエチレングリコールのコポリエステルを含み、かつ常に非晶質である、PETG(商標)6763(Eastman)である。本発明の代替の実施形態では、第2の層のポリマーは、エチレングリコールの代わりにブタンジオールを含むことができる。
【0032】
下記において実施形態A3と呼ばれる別の実施形態では、第2の層が、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸を含む。好ましい芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸である。好ましい脂肪族ジカルボン酸は、セバシン酸、アジピン酸、およびアゼライン酸から選択される。コポリエステル中に存在する脂肪族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に対して20から55モル%の範囲内が好ましく、より好ましくは30から50モル%、特に35から45モル%の範囲内である。そのようなコポリエステルの特に好ましい例は、(i)アゼライン酸およびテレフタル酸と脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル;(ii)アジピン酸およびテレフタル酸と脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル;(iii)セバシン酸およびテレフタル酸と脂肪族グリコール、好ましくはブチレングリコールとのコポリエステルである。好ましいポリマーには、ガラス転移点(T)が−40℃でありかつ融点(T)が117℃であるセバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコール(好ましくは、これら成分を45〜55/55〜45/100、より好ましくは50/50/100の相対的モル比で有する)のコポリエステル、およびTが−15℃でありかつTが150℃であるアゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコール(好ましくは、これら成分を40〜50/60〜50/100、より好ましくは45/55/100の相対的モル比で有する)コポリエステルが含まれる。
【0033】
下記において実施形態A4と呼ばれる別の代替の実施形態では、追加のヒートシール可能な層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。適切なEVAポリマーは、Elvax(商標)樹脂としてDuPontから得ることができる。典型的な場合、これらの樹脂は、その酢酸ビニル含量が9%から40%の範囲内であり、典型的には15%から30%である。
【0034】
下記において実施形態B1と呼ばれる一実施形態では、第2の層は、第1の芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸)、低分子量脂肪族ジオール(好ましくはエチレングリコール)およびポリ(アルキレンオキシド)グリコール、およびヒートシール性を付与する別のジカルボン酸(好ましくは、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸)から得られるコポリエステルを含む。この実施形態では、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、第1の層のコポリエステルに関して上記にて記述される量で存在する。第1のジカルボン酸は、全酸成分の50から90モル%の量で存在することが好ましい。ヒートシールジカルボン酸(好ましくはイソフタル酸)は、全ジカルボン酸成分の約10から約50モル%(好ましくは約15から35モル%、好ましくは約18%)の量で存在することが好ましい。実施形態B1のヒートシール可能なコポリエステルに好ましいコポリエステルは、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から得られる。任意選択で、実施形態B1の第2の層のコポリエスルは、別のジカルボン酸モノマー単位を含んでもよく、これは、第1の層のコポリエステルに関して上記にて定義された「第2のジカルボン酸」から選択される。実施形態B1のヒートシール可能なコポリエステル中に存在する場合、この「第2のジカルボン酸」は、上記にて定義されたスルホン化芳香族ジカルボン酸(好ましくはナトリウムスルホ−イソフタル酸)から選択されることが好ましい。このように、コポリエステルは、好ましくは本明細書で定義されるポリ(アルキレンオキシド)グリコール、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、およびスルホン化芳香族ジカルボン酸(好ましくはナトリウムスルホ−イソフタル酸)から得られることになり、但しこのスルホン化した酸は、全酸成分の約1から約10モル%(より典型的には約1から6%)の量で存在するものであり、イソフタル酸は、全酸成分の約10から約50モル%の量で存在するものである。しかし典型的な場合、前記「第2のジカルボン酸」は、実施形態B1のヒートシール可能なコポリエステル中に存在しない。
【0035】
下記において実施形態B2と呼ばれる別の実施形態では、第2の層は、第1のジカルボン酸(好ましくは芳香族)、第1の低分子量ジオール(好ましくは脂肪族ジオール、好ましくはエチレングリコールまたはブタンジオール、より好ましくはエチレングリコール)、およびポリ(アルキレンオキシド)グリコール、およびヒートシール性を付与する第2の低分子量ジオール(好ましくは脂環式ジオール、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)から得られたコポリエステルを含む。任意選択で、上記にて定義された「第2のジカルボン酸」は、コポリエステル中に存在してもよいが、1つのジカルボン酸残基のみ存在することが好ましい。実施形態B2の具体例は、芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸)とポリ(アルキレンオキシド)グリコール、脂肪族ジオール、および脂環式ジオール、特にエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールとのコポリエステルを含む。第1の低分子量ジオールは、全グリコール分の40から90モル%の量で存在することが好ましく、50から80モル%の範囲内であることが好ましい。第2の低分子量ジオールは、全グリコール分の10から40モル%の量で存在することが好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、全グリコール部分の10から40モル%の量で存在することが好ましい。
【0036】
第2の層の厚さは、好ましくは12μm以下であり、好ましくは10μm以下、好ましくは6μm以下、好ましくは2μm以下である。厚さの下限は、典型的には0.05μmであり、より典型的には0.5μmである。第2の層の厚さは、特にこの第2の層が共押出しによって形成される場合、第1の層の厚さの15%以下(好ましくは10%以下、好ましくは5%以下)であることが好ましい。
【0037】
複合フィルムの形成は、当技術分野で周知の従来の技法によって行われる。一般には、その方法は、溶融ポリマー材料の1つまたは複数の層を押し出すステップと、押出し物を急冷するステップと、急冷した押出し物を少なくとも一方向に配向するステップとを含む。
【0038】
複合フィルムは一軸配向でよいが、機械的性質と物理的性質の満足のいく組合せを実現するために、フィルムの平面内で2つの相互に直交する方向に引き出した二軸配向であることが好ましい。配向は、配向フィルムを製造するための、当技術分野で知られている任意の方法によって、例えばチューブラーまたはフラットフィルム法によって行うことができる。好ましいフラットフィルム法では、フィルム形成ポリマー材料をスロットダイに通して押し出し、冷却した流延ドラムで素早く急冷して、ポリマーが確実に非晶質状態まで急冷されるようにする。次いで急冷された押出し物を、ポリマー材料のガラス転移温度よりも高い温度で少なくとも一方向に引き伸ばすことによって、配向を行う。平らな急冷済みの押出し物を、最初に一方向に、通常は縦方向に、即ちフィルム延伸機内で順方向に引き伸ばし、次いで横方向に引き伸ばすことによって、逐次配向を行うことができる。押出し物の順方向の延伸は、従来、一組の回転ロール上で、または二対のニップロール間で行われ、次いでステンタ装置で横方向の延伸を行う。代わりに流延フィルムは、二軸ステンタにおいて、順方向と横方向の両方に同時に引き伸ばすことができる。延伸は、ポリマー材料の性質によって決定される程度まで行われ、例えばポリエチレンテレフタレートは、通常、配向フィルムの寸法が各延伸方向においてその元の寸法の2から5倍、より好ましくは2.5から4.5倍になるように引き伸ばされる。典型的な場合、延伸は50から125℃の範囲内の温度で行われる。配向が、一方向でしか必要とされない場合は、より高い延伸比(例えば約8倍まで)を使用することができる。機械内でかつ横方向に均等に延伸することは、必ずしも必要ではないが、これは、バランスのとれた性質が望まれる場合に好ましい。
【0039】
延伸フィルムは、ポリマーの結晶化を誘発するために、ポリマー材料のガラス転移温度よりも高い温度であるがその溶融温度よりも低い温度での、寸法制限下での熱硬化によって、寸法安定にすることができ、また寸法安定にすることが好ましい。フィルムの収縮が大きな問題にならない用途では、フィルムを比較的低い温度で熱硬化させることができ、またはまったく行わなくてよい。一方、フィルムが熱硬化する温度が上昇するにつれ、フィルムの引裂き抵抗が変化する可能性がある。したがって、実際の熱硬化温度および時間は、フィルムの組成に応じて変えることになるが、フィルムの引裂き抵抗性が実質的に低下するようには選択すべきでない。これらの制約内では、特許文献10に記載されるように、約135°から250℃の熱硬化温度が一般に望ましい。 ヒートシール可能な(第2の)層の形成、および第1の層へのその適用は、従来の技法によって行うことができ、典型的にはヒートシール可能な層の本性に依存する。従来の技法は、ヒートシール可能な第2の層を、予備形成した第1の層上に流延しもしくは被覆すること、または第1および第2の層を共押出しすることを含む。一実施形態では、ヒートシール可能な(第2の)層および第1の層の形成が、共押出しによって行われるが、これは上述の実施形態A1、A2、B1、およびB2に適切と考えられるものである。ヒートシール可能な(第2)の層の、その他の形成方法は、ヒートシール可能なポリマーを第1の層上に被覆することを含み、この技法は、上述の実施形態A3およびA4に適切と考えられる。被覆は、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ディップコーティング、ビードコーティング、押出しコーティング、溶融コーティング、または静電スプレーコーティングを含む、任意の適切な被覆技法を使用して行うことができる。被覆は、「オフライン」で、即ち第1の層の製造中に用いられる任意の延伸および後続の熱硬化の後に実施することができ、あるいは「インライン」で、即ちこの場合は、被覆ステップが、用いられる任意の延伸操作の前、操作中、または操作の間に行われる。被覆はインラインで行われることが好ましく、二軸延伸操作の順方向延伸と横方向延伸の間で行うのが好ましい(「インタードロー」コーティング)。ヒートシール可能な(第2の)層を第1の層上に適用する前に、第1の層の露出面を、必要に応じて化学的または物理的に表面改質処理にかけ、それによって、この表面と後で適用される層との結合を改善することができる。例えば露出面は、コロナ放電を伴う高圧電気ストレスにかけることができる。代わりに第1の層は、一般的な有機溶媒、例えばp−クロロ−m−クレゾール、2,4−ジクロロフェノール、2,4,5−または2,4,6−トリクロロフェノール、または4−クロロレゾルシノールをアセトンまたはメタノールに溶かした溶液に溶解したハロゲン化フェノールなど、基材に対して溶媒または膨潤作用が発揮されるように、当技術分野で知られる薬剤で前処理することができる。
【0040】
本発明の複合フィルムは、250%未満、好ましくは200%未満の、破断伸びを有することが好ましい。
【0041】
本発明の別の態様によれば、通気性のヒートシール可能な複合フィルムを製造するための方法が提供され、前記方法は、
(i)1種または複数のジオール;1種または複数のジカルボン酸;および1種または複数のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから得られたモノマー単位を含有するコポリエステルを含むポリマー材料の第1の層を提供するステップと、
(ii)第1の層の表面に、ヒートシール可能な第2のポリマー層を提供するステップと
を含む。
【0042】
ポリマーフィルムの層の1つまたは複数は、ポリマーフィルムの製造にこれまで用いられてきた添加剤のいずれかを、都合良く含有させることができる。したがって、架橋剤や染料、顔料、ボイド形成剤、潤滑剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、UV吸収剤、熱安定剤、ブロッキング防止剤、表面活性剤、スリップ助剤、蛍光増白剤、光沢向上剤、分解防止剤、粘度改質剤、および分散安定剤などの薬剤を、必要に応じて組み込むことができる。特に、複合フィルムは、例えば粒状無機充填剤または非相溶性樹脂充填剤、または2種以上のこれらの充填剤の混合物でよい、特定の充填剤を含むことができる。そのような充填剤は、当技術分野で周知である。粒状無機充填剤には、従来の無機充填剤、特に金属またはメタロイド酸化物、例えばアルミナやシリカ、およびチタニアなど、焼結チャイナクレー、アルカリ金属塩、例えばカルシウムおよびバリウムの炭酸塩および硫酸塩などが含まれる。好ましい粒状無機充填剤には、二酸化チタンおよびシリカが含まれる。無機充填剤は、細粒であることが好ましい。層の組成物の成分は、従来の手法で一緒に混合することができる。例えば、層のポリマーが得られるモノマー反応物質と混合することによって、または成分を、タンブルまたはドライブレンドすることによって、あるいは押出し機内で配合することによって、ポリマーと混合することができ、その後、冷却し、通常は顆粒またはチップに粉砕する。マスターバッチ処理技術を用いてもよい。
【0043】
好ましい実施形態では、本発明のフィルムは光学的に透明であり、好ましくは散乱可視光の%(ヘーズ)が、標準的なASTM D1003に従って測定したときに、<10%、好ましくは<6%、より好ましくは<5%、特に<2%である。好ましくは、400〜800nmの範囲での全光透過率(TLT)が、標準的なASTM D1003に従って測定したときに少なくとも75%であり、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%である。この実施形態では、充填剤(存在する場合)は、典型的には少量でしか存在せず、一般に所与の層のポリマーの0.5重量%を超えず、好ましくは0.2重量%未満である。
【0044】
本発明のフィルムの主な用途は、花や野菜、果物、およびサラダなど、新鮮にカットされた植物を包装するための通気性フィルムとしてのものである。本明細書に記述されるフィルムは、輸送および貯蔵中に包装内に含まれる物質を腐らせる可能性のある、昆虫や細菌、および空気媒介性の汚染物質など、外部汚染物質の進入に対する物理的な障壁を提供し、それと同時に水蒸気を逃がすことを可能にする。フィルムは、そのような製品の包装のすべて、または実質的にすべてを構成することができ、あるいは全包装の一部のみ構成することができる。例えばフィルムは、その内部または上部に食物が配置された容器に、ヒートシールした蓋を形成することができる。容器は、熱形成したトレイまたはボウルなどのトレイでよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルで、またはポリプロピレン、ポリスチレンで形成することができ、あるいはPVDCで被覆することができる。本発明によるフィルムは、例えばポリエステル、ポリスチレン、またはポリプロピレンから作製された容器の蓋として使用するのに、特に適切である。容器の密閉は、当業者に周知の技法によって行うことができる。包装される内容物を容器内に導入したら、ヒートシール可能なフィルムの蓋を容器上に配置して、ヒートシール可能なフィルム層が容器に接触するようにし、従来の技法および装置を使用する温度および/または圧力を使用して固定する。代替の実施形態では、包装の実質的にすべてが形成されるように、フィルムをそれ自体にヒートシールする。
【0045】
代替の実施形態では、包装の実質的にすべてが形成されるように、フィルムをそれ自体にヒートシールする。この実施形態では、封止は、フィルムの第1の部分をフィルムの第2の部分にヒートシールすることによって、提供される。そのような封止は従来の技法によって行われ、「フィンシール」および「オーバーラップシール」が含まれ、フィンシールが好ましい。製品をフィルム内に配置したら、一緒に結合されることになるフィルムの2つの部分を1つに合わせ、一方のフィルム部分のヒートシール可能な面を、他方のフィルム部分のヒートシール可能な面に接触させた状態にし、従来の装置を使用した温度および任意選択の圧力を加えることによって、ヒートシール結合を形成する。ヒートシール結合は、典型的には約120から約200℃の範囲内の温度、好ましくは約140から約200℃の範囲内の温度で形成される。
【0046】
基材の第1の面は、フィルムがそのような包装として使用されるときに最も外側になる面であり、第2の面は、最も内側の面であり、かつ包装される食物と向き合う面である。
【0047】
別の態様では、本発明は、カットした植物、例えば花または食材(野菜、果物、およびサラダを含む)を包装する際の通気性フィルムとしての、本明細書に記述されるフィルムの使用を提供し、特に前記包装が、蓋を閉めるフィルムとしてこのフィルムを含み、かつ容器をさらに含む場合での使用を提供する。
【0048】
別の態様では、本発明は、カットした植物、例えば花または食材(野菜、果物、およびサラダを含む)の包装としての、本明細書に記述されるフィルムの使用を提供し、特に前記包装が、前記包装の通気性を改善しかつ/または前記カットした植物の貯蔵寿命を延ばす目的で、蓋を閉めるフィルムとしてこのフィルムを含み、かつ容器をさらに含む場合での使用を提供する。
【0049】
別の態様では、本発明は、カットした植物、例えば花または食材(野菜、果物、およびサラダを含む)を包装する方法を提供し、前記方法は、前記包装の少なくとも一部として本明細書に記述されるフィルムを提供するステップを含むものであり、特に前記包装が、蓋を閉めるフィルムとして前記フィルムを含み、かつ容器をさらに含む場合の方法を提供する。
【0050】
別の態様では、本発明は、カットした植物の包装の通気性を改善し、かつ/または前記カットした植物の貯蔵寿命を延ばす方法であって、例えば前記カットした植物が花または食材(野菜、果物、およびサラダを含む)である方法を提供し、前記方法は、前記包装の少なくとも一部として本明細書に記述されるフィルムを提供するステップを含み、特に、前記包装が、蓋を閉めるフィルムとして前記フィルムを含み、かつ容器をさらに含む場合の方法を提供する。
【0051】
別の態様では、本発明は、カットした植物、例えば花または食材(野菜、果物、およびサラダ)が入っている容器と、本明細書で定義されたポリマーフィルムから成型された蓋とを含む、密閉容器を提供する。
【0052】
別の態様では、本発明は、カットした植物、例えば花または食材(野菜、果物、およびサラダを含む)を含む、包装された密閉製品であって、食品の周りの密閉を達成し、かつ成型する包装は、フィルム自体にヒートシールされる本明細書で定義された複合フィルムである製品を提供する。
【0053】
下記の試験方法は、ポリマーフィルムを特徴付けるのに使用することができる。
【0054】
(i)フィルムの透明度は、ASTM D−1003−61に従ってGardner XL 211視程計を使用し、フィルムの全厚を通した全光透過率(TLT)およびヘーズ(散乱透過可視光%)を測定することによって評価する。
【0055】
(ii)ヒートシール可能な層のそれ自体に対するヒートシール強度は、ポリエステルフィルムの2つのサンプルのヒートシール可能な(第2の)層を、一緒に配置し、そして140℃で1秒間、275kPa(40psi)の圧力下で加熱することによって測定する。シールされたフィルムを室温に冷却し、シールされた複合体を、25mm幅のストリップに切断する。ヒートシール強度は、4.23mm/秒の一定速度でフィルム層を引き剥がすために、シールの単位幅当たりの線形張力下で必要とされる力を測定することによって決定する。
【0056】
(iii)標準的なAPET/CPETトレイに対するヒートシール強度は、下記の手順によって測定する。被覆されたフィルムを、Microseal PA 201(Packaging Automation Ltd.、英国)トレイ密封機を使用して、温度180℃および圧力80psiで1秒間、被覆層を用いて標準的なAPET/CPETトレイ(Faerchplast製)に密封する。密封フィルムのストリップ(25mm)およびトレイを、シールに対して90°で切り出し、このシールを引っ張るのに必要な負荷を、0.2m/分のクロスヘッド速度で作動させるInstron Model 4301を使用して測定する。この手順を繰り返し、5回の結果の平均値を計算する。
【0057】
(iv)層間剥離結合強度は、下記の手順によって測定する。直定規および較正サンプルカッタ(25mm±0.5mm)を使用して、最小の長さが100mmである、積層体の5つのストリップを切断する。積層された層同士の剥離を、各サンプルの一端から開始し、この積層体を、長さ約40mmの距離にわたって引き剥がす。次いで各サンプルを、ラバージョーフェースを備えた空気圧アクショングリップを使用する、Instronモデル4464材料試験機を使用して試験する。クロスヘッド速度は50mm/分である。サンプルをInstronジョーに挿入するが、このとき、一方の層を固定ジョーにクランプ留めし、あとの半分を可動ジョーにクランプ留めして、確実に各層の同じ量が各ジョーに保持されるようにし、積層体が均等に引き剥がされるようにする。装置は、10mmから50mmの間の各サンプルの平均剥離強度を記録し、積層体の結合強度は、g/25mmを単位として表した5つのサンプルの平均として示される。
【0058】
(v)水蒸気透過速度は、Lyssy Water Vapour Permeation Testerモデル番号L80 4000Jを使用して測定する。試験サンプルを、鋳型(100×110mm)の周りを切断することによって作製する。サイズに切断したら、サンプルを、約5分間、2トンの圧力で、水圧プレス内に配置することによって、標準的なLyssyサンプルホルダカード内に密封する。
【0059】
試験前に、標準的な19ミクロンおよび36ミクロンのPETフィルム(Melinex(登録商標)S;DuPont Teijin Films;融点248℃;相対密度23℃で1.40)を使用して、装置を較正する。調整および測定チャンバを別々に離すために、不透過性ホイル積層体を、サンプルの試験の間に使用する。サンプルの交換中、試験片およびホイル層を互いの上に配置して、確実に、測定チャンバが調整チャンバに決して直接曝されないようにする。
【0060】
試験は、38℃および90%の相対湿度で実施する。連続する結果が、装置のプリントアウト上に星印で示される2%以下変化したときに、平衡に達する。g/m/日で示される水蒸気透過率を、連続して5つの星印がプリントアウト上に見られたときに記録する。
【0061】
(vi)破断点伸びは、試験方法ASTM D882に従って測定する。直定規および較正サンプルカッタ(25mm±0.5mm)を使用して、フィルム長の5つのストリップ(長さ100mm)を、機械の方向に沿って切断する。各サンプルを、ラバージョーフェースを備えた空気圧アクショングリップを使用する、Instronモデル3111材料試験機を使用して試験する。温度および相対湿度(23℃、50%rh)を制御する。クロスヘッド速度(分離速度)は25mm/分である。歪み率は50%である。これは、分離速度をグリップ間の初期間隔(サンプル長)で割ることによって計算される。装置は、各サンプルの破断点伸びを記録する。破断点伸び(ε(%))は、
ε(%)=(破断点伸長/L)×100
と定義される(式中、Lは、グリップ間でのサンプルの元の長さである)。
【0062】
本発明を、下記の実施例によってさらに例示する。これらの実施例は単なる例示を目的とし、上述の本発明を限定するものではないことが理解されよう。詳細の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
実験
(単層フィルム)
一連のコポリエステルを、表1に示されるテレフタル酸、エチレングリコール、および第3の成分を使用して作製した。第3の成分(ポリ(アルキレンオキシド)グリコールまたは第2のジカルボン酸)のモル%は、最終的なコポリエステル中のジオールおよび/または2価酸部分のモル%としてそれぞれ表1に示す。コポリエステルは、(テレフタル酸のジメチルエステルを使用する)エステル交換経路を介し、または直接エステル交換を介した従来の技法を使用して作製した。
【0064】
次いでこれらのコポリエステルを、フィルム成形ダイを通して、水冷回転急冷ドラム上に様々な線速度で押し出すことにより、非晶質流延複合押出し物を得た。流延押出し物を、約70から105℃の間の温度に加熱し(使用される実際の温度は、ポリマーの材料に依存し、即ちより軟質のポリマー(即ち、より低いTgを有するもの)に対してはより低い温度が使用される)、次いで約3:1の順方向の延伸比で縦方向に延伸した。このポリマーフィルムを、約100℃の温度でステンタオーブン内に通し、そこでシートを横方向に、その元の寸法の約4倍に延伸した。二軸延伸ポリマーフィルムを、任意選択で、以下の表1に示す温度で熱硬化したが、この表は、フィルムの最終的な厚さおよびWVTRも示している。フィルムは透明であり、例えば実施例1のフィルムは、ヘーズが1.5%であった。比較のため、標準的なPET単層(19μm)フィルムは、20g/m/日のWVTRを有している。
【0065】
【表1】

【0066】
表1のデータは、PETポリマーフィルムに通気性を与える際の、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの有用性を実証している。
【0067】
(複合フィルム)
複合フィルムも、共押出しによって製造し、この場合、第1の層は、上記にて示された通気性コポリエステルであり、第2の層は、通気性のヒートシール可能なポリマー層であった。コポリマー材料は、以下に示すコポリマーP1、P2、P3、P4、HS1、およびHS2を成形するために、テレフタル酸、エチレングリコール、および第3および任意選択で第4の成分を反応させることによって得られた。モル%の値は、最終的なポリマーで測定されたものである。
【0068】
P1:グリコール部分の26%のレベルにあるPEG 1000
P2:グリコール部分の37%のレベルにあるPEG 1000
P3:グリコール部分の31%のレベルにあるPEG 3350
P4:グリコール部分の33.5%のレベルにあるPEG 3350;および酸部分の1.4%のレベルにあるスルホ−イソフタル酸
HS1:酸部分の18%のレベルにあるイソフタル酸
HS2:グリコール部分の10%のレベルにあるPEG 400;および酸部分の18%のレベルにあるイソフタル酸
コポリエステルを、別々の押出し機から供給された別々の流れを用いて一つのチャネルの共押出しアセンブリに共押出した。ポリマー層を、フィルム成形ダイに通して、水冷回転急冷ドラム上に様々なライン速度で押し出すことにより、非晶質流延複合押出し物が得られた。流延押出し物を、約50から80℃の範囲の温度に加熱し、次いで約3:1の順方向の延伸比で縦方向に延伸した。このポリマーフィルムを、約110℃の温度でステンタオーブン内に通し、そこでシートを横方向に、その元の寸法の約4倍に延伸し、次いで210から225℃の間の温度で熱硬化した。フィルムの最終的な厚さは23μmであり、この場合、第2の(ヒートシール可能な)層は、第1の層の厚さの10〜15%であった。フィルムは透明であり、例えば実施例6は、ヘーズが4.5%であった。フィルムのWVTRを表2に示す。
【0069】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー材料の第1および第2の層を含み、通気性のヒートシール可能な複合フィルムであって、
(i)前記第1の層のポリマー材料が、1種または複数のジオール、1種または複数のジカルボン酸、および1種または複数のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから得られたモノマー単位を含有するコポリエステルを含み、
(ii)前記第2の層が、ヒートシール可能なポリマー層である
ことを特徴とする複合フィルム。
【請求項2】
ガス状態の水に対して透過性があることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記ポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、およびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(PTMO)から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記ポリ(アルキレンオキシド)グリコールはポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
【請求項5】
前記ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの平均分子量は、約400から約10000であることを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載のフィルム。
【請求項6】
前記ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの平均分子量は、約400から約4500であることを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載のフィルム。
【請求項7】
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの量は、前記コポリエステルのグリコール部分の45モル%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項8】
前記コポリエステル中に存在するポリ(アルキレンオキシド)グリコールの量は、10から40モル%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項9】
前記第1の層のコポリエステルは、芳香族酸を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項10】
前記第1の層のコポリエステルは、テレフタル酸を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項11】
前記第1の層のコポリエステルは、脂肪族ジオールを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項12】
前記第1の層のコポリエステルは、エチレングリコールを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項13】
前記第1の層のコポリエステルは、第1の芳香族ジカルボン酸および第2のジカルボン酸を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項14】
前記第1の芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸であることを特徴とする請求項13に記載のフィルム。
【請求項15】
前記第2のジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸であることを特徴とする請求項13または14に記載のフィルム。
【請求項16】
前記第2のジカルボン酸は、アジピン酸またはアゼライン酸から選択されることを特徴とする請求項15に記載のフィルム。
【請求項17】
前記第2のジカルボン酸は、スルホン化芳香族ジカルボン酸であることを特徴とする請求項13または14に記載のフィルム。
【請求項18】
前記第2のジカルボン酸は、ナトリウムスルホ−イソフタル酸であることを特徴とする請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
前記第1のジカルボン酸は、全酸成分の50から100%の量で存在し、前記第2のジカルボン酸は、全酸成分の0から50モル%の量で存在することを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項20】
前記第1の層の厚さは、約0.5から約300μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項21】
前記ヒートシール可能な第2の層は、第1のジカルボン酸、および第1の低分子量ジオール、および第2のジカルボン酸または第2の低分子量ジオールから得られることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項22】
前記ヒートシール可能な第2の層は、エチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸から得られたコポリエステルであることを特徴とする請求項21に記載のフィルム。
【請求項23】
前記ヒートシール可能な第2の層は、テレフタル酸、エチレングリコール、および1,4−シクロヘキサンジメタノールから得られたコポリエステルであることを特徴とする請求項21に記載のフィルム。
【請求項24】
前記ヒートシール可能な第2の層のポリマー材料は、第1の芳香族ジカルボン酸、低分子量脂肪族ジオール、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール、およびその他のヒートシール性を付与するジカルボン酸から得られることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項25】
前記第1の芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸であり、かつ/または前記低分子量脂肪族ジオールはエチレングリコールであり、かつ/または前記その他のヒートシール性を付与するジカルボン酸はイソフタル酸であることを特徴とする請求項24に記載のフィルム。
【請求項26】
前記第1のジカルボン酸は、全酸成分の50から90モル%の量で存在することを特徴とする請求項24または25に記載のフィルム。
【請求項27】
前記低分子量ジオールは、全グリコール成分の60から90モル%の量で存在することを特徴とする請求項24、25、または26に記載のフィルム。
【請求項28】
前記ポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、ポリ(エチレンオキシド)グリコールであることを特徴とする請求項24から27のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項29】
共押出しされた複合フィルムであることを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載のフィルム。
【請求項30】
前記ヒートシール可能な第2の層は、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸から得られたコポリエステルを含むことを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項31】
前記ヒートシール可能な第2の層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)を含むことを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項32】
前記第2の層の厚さは、約0.05から約20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項33】
前記複合フィルムは、6%未満のヘーズを示すことを特徴とする請求項1〜32のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項34】
前記複合フィルムは、少なくとも60g/m/日の水蒸気透過率(WVTR)を示すことを特徴とする請求項1〜33のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項35】
前記複合フィルムは、250%未満の破断伸びを有することを特徴とする請求項1〜34のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項36】
前記第1の層のコポリエステルは、少なくとも0℃であり60℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする請求項1〜35のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項37】
カットした植物を包装する際の通気性フィルムとして請求項1から36のいずれか1項に記載のフィルムを使用する方法。
【請求項38】
前記包装中で蓋をするフィルムとして請求項37に記載のフィルムを使用する方法であって、前記包装は蓋をするフィルムおよび容器を含むことを特徴とする方法。
【請求項39】
カットした植物を入れた容器、および請求項1から36のいずれか1項に記載のポリマーフィルムから成形された蓋を含むことを特徴とする密閉容器。

【公表番号】特表2008−526570(P2008−526570A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550837(P2007−550837)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000086
【国際公開番号】WO2006/075151
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(300038826)デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ (36)
【Fターム(参考)】