通気性・保水性・吸着性・pH調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法とその使用方法
【課題】廃棄物を有効利用しながら、安全で生育の良い植物の育成と年単位の長期の水の防腐・浄化材として高い効果を期待出来る形状維持能力と再利用可能な木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を提供する。
【解決手段】樹脂と、植物性材料と塩化合物とを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練し、該混練物を粉砕して木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を製造する。300℃以上400℃以内の高温下の混練により、植物性材料が炭化し、その部分に通気性と保水性と吸着性と水のpHの調整機能を持たせることが出来るなどの利点がある。混練物を破砕・粉砕することで、植物や水棲生物の生育環境に好ましい資材となり、混練物を5mm以下に粉砕することが出来る。樹脂には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ペットを代表とする合成樹脂、植物性材料には、麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑を代表とする植物性材料を用いることができる。
【解決手段】樹脂と、植物性材料と塩化合物とを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練し、該混練物を粉砕して木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を製造する。300℃以上400℃以内の高温下の混練により、植物性材料が炭化し、その部分に通気性と保水性と吸着性と水のpHの調整機能を持たせることが出来るなどの利点がある。混練物を破砕・粉砕することで、植物や水棲生物の生育環境に好ましい資材となり、混練物を5mm以下に粉砕することが出来る。樹脂には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ペットを代表とする合成樹脂、植物性材料には、麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑を代表とする植物性材料を用いることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の育成用・病害虫予防人工土壌と水の浄化・亜硝酸体窒素の低域安定・pH緩衝調整基材と地熱再生エネルギー用水防腐防止浄化基材等として利用できる、ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂と麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑等の植物性材料と塩化合物の混連物で構成される通気・保水性・pH緩衝調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂とその使用方法と製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭や事業所等から排出される樹脂廃棄物は、ペットボトル等その一部をリサイクルしているが、そのほとんどが埋め立て処分場にて廃棄処理されている。また、稲作に伴って発生する稲藁、籾殻についても、また木屑や大鋸屑についても、近年バイオマス燃料として利用する試みがなされているものの、現状ではそのほとんどを廃棄処理している。
【0003】
一方、近年、都市部の高層住居のベランダ等で鉢植え植物を育成することやレストランで顧客に店で栽培している野菜を選ばして料理に載せていることが流行しているが、ベランダや中庭或いはショールーム等で植物の育成を行うことは容易ではない。
その為、ベランダや屋上や中庭等にて植物の育成を効率よく行うための植物育成容器や、植物育成用土壌等の開発がなされている。(例えば、特許文献1から4参照)
【0004】
また、地球規模の人口増加と都市化による緑化の減少と水の汚染と空気中の炭酸ガス濃度の上昇とにより気温上昇と人類以外の動植物種の絶滅速度が高まり、地球の気象や海洋に大きな変換が起き自然の猛威が吹き荒れ始めている。
【0005】
更に、人間の生活排水や工場廃液の今までの直接放流は河川・湖沼・海洋の汚染を招き、その結果は海の汚染と地下水の汚染を引き起こし、現在は水の浄化に努めてはいるが人類の存在意義と将来に疑問と不安を突き付けられて、現代の社会人の心に闇が広がって来ている。
【0006】
また、河川のダム建設や工場や生活廃液を含む人類による河川と海の汚染はそこに棲息する魚介類の生活循環を脅かして来ている。そこで、現代社会では多くの水棲生物の生息が可能な水の循環浄化の技術開発は人類にとって最重要課題に成ってきている。(例えば、特許文献5から11参照)
【0007】
全住宅や商店・ビルでの現在の空調設備の設置は日本の消費電力を非常に拡大するのみでなく、室外機の存在によって、夏の都市外気気温を更に高めている矛盾を生じている。
【0008】
また、2011年3月11日の東日本大震災と津波による多くの住民被害と大地の塩害と原子力発電所の反応炉の破壊による放射能漏れでの大地と河川・海域の放射能汚染及びその風聞は、広範囲の住民、特に農民や漁民に深刻な損害被害を与え、市町村の存続の危機問題にまでおよび、日本全国家的な大問題に成っている。この日本の原発事故は世界に原発エネルギー利用に対する疑問と不安を投げかけている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−103702号公報
【特許文献2】特開2005−137363号公報
【特許文献3】特開2007−124989号公報
【特許文献4】特開2008−307013号公報
【特許文献5】特開平8−141594号公報
【特許文献6】特開平9−299957号公報
【特許文献7】特開2000−116273号公報
【特許文献8】特開2000−157101号公報
【特許文献9】特開2003−265071号公報
【特許文献10】特開2004−81109号公報
【特許文献11】特開2007−50363号公報
【特許文献12】特開2002−179452号公報
【特許文献13】特開2008−281266号公報
【特許文献14】特開2010−197016号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】久馬一剛(編)(1997):最新土壌学.朝倉書店、216p.
【非特許文献2】一國雅巳(1989):ケイ酸塩の風化とその生成物.土の化学 2章、季刊化学総説 No.4、6-18.
【0011】
しかし、上記先行特許文献において、
特許文献1では人工土壌が多孔性セラミックから製造されておりその製造コストが高価であり、
特許文献2では人工土壌が複雑な構造になっておりコスト高になり実用的ではなく、
特許文献3は人工土壌ではなくて植物育成具であり、土壌は天然土壌を使用していて、
特許文献4では人工土壌と記載しているが事実は鉢状の支持体に土壌を収納した複合体を人工土壌と述べているが、土壌自体には人工土壌の具体的な工夫考案がなく上記全ての先願特許文献には水耕栽培の具体的実施例が不明瞭である。
【0012】
更に、上記先行特許文献において、
特許文献5と特許文献10では閉鎖系循環水の浄化方法に関する提案は、閉鎖系循環水の浄化に寄与する硝酸菌のうち亜硝酸菌の高濃度培養法に関する考案であり、
特許文献6では循環水流路の水浄化装置器具に関する考案であり、
特許文献7では活魚介類の輸送タンク、輸送装置、輸送方法を用いた循環水の浄化システムに関する考案であり、濾過手段としてはフィルターマットを提案していて、
特許文献8と特許文献9では蛍の飼育養殖の装置に関する考案であり、循環水の浄化に関しては「細粒体層の記載と多孔体層としては、ガラス、煉瓦等を粉砕した無機系粉体を炭化珪素等の発泡剤と混合して加熱し溶融発泡して形成した発泡ガラス等の無機系発泡体、塊状に形成された木炭等の塊状炭、牡蠣殻等の貝殻、軽石、ラシヒリング状に形成された合成樹脂製やセラミック製の多孔体やそれらの混合物で単層や複数層の層状に形成されたもの等が用いられる。なかでも、無機系発泡体は、表面積が大きく微細孔も有しているので、アンモニア、有機物、藻類等を吸着して若しくはろ過して除去することができるとともにバクテリアが生息する生物膜を形成し、吸着されたアンモニアや有機物等は硝化細菌等のバクテリアによって分解することができ水の浄化性に優れるため好適に用いられる。」の記載のみで、従来の熱帯魚の濾過方法と大差なく、
特許文献11ではセラミックを用いた浄化装置を提案しておりコスト高になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題の1つは、低コスト化な再生可能で、従来できなかった作物が連作のできる地球環境に優しく安全で土壌pHの調整可能な人工土壌の製造をすることである。
【0014】
また、合成樹脂の産業廃棄物や木屑、大鋸屑、稲藁、籾殻等の多くを廃棄されているバイオマスと塩化合物を再利用して地球環境に優しいエコアート形状物と上記の土壌pHの調整可能な人工土壌を利用して、大地土壌以外の都市部の高層住居のベランダや家庭菜園のみならず、室内やビルの屋上または地下での種々の動植物の育成を可能にすることである。このことは、空気中の炭酸ガスの濃度削減や気温上昇の抑制と人間社会の心の安らぎにも寄与する。
【0015】
また、本発明が解決しようとする課題は、粘土質の土壌や砂漠状の砂地土壌に、該土壌pHの調整可能な人工土壌を適度に混入することによって、該土壌に通気性と保水性と作物に合った適度の土壌pHを持たせることである。
【0016】
更にまた本発明が解決しようとする課題は、従来の水耕栽培では生育しなかったメロンやスイカやトウモロコシや種々の豆類やお茶の木等種々の植物種の育成と稲作をも可能な水陸併用型の水耕鉢を成形して、このシステムで多くの作物を生育可能にすることである。
【0017】
また更に、本発明が解決しようとする課題は、閉鎖系循環水の浄化の為の循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材を製造して、閉鎖系循環水の単純で安価で、水の窒素化合物(亜硝酸体窒素)濃度の上昇による富栄養化を抑えることで植物プランクトンの異常発生を抑えて、窒素系肥料(N)とリン系肥料(P)との濃度比が7:1のバランス域に近づくことを抑制し、水のpHを7.0前後に安定させて、水の腐敗を抑制する浄化基材システムを構築することである。
【0018】
更にまた、この水の浄化システムは、窒素(N)とリン(P)肥料の比率を調整して水の富栄養化による植物プランクトンの異常発生に続く動物プランクトンの発生を適度に抑えて水を透明に保ち、その水中に生息する水棲生物の生息を適度に快適な状態に保つことを保証して水の酸欠と腐敗を抑制することである。
【0019】
更にまた、前記循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材で酸欠と腐敗を抑制した水を用いて、種々の水棲生物が快適に生息・生育・養殖できる閉鎖系循環水浄化(槽)池を創ることである。
【0020】
更にまた、前記循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材で酸欠と腐敗を抑制した水を用いて、地球環境に優しい再生エネルギーを用いた住宅・建造物用の空調システムを創ることである。
【0021】
更にまた、前記循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材で酸欠と腐敗を抑制した水を用いて、現在の人間社会で汚染されてきた河川・湖沼の水の浄化施設システムを提案して創ることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、前記樹脂廃棄物と前記植物性廃棄物とに塩化合物を添加して有効利用した混練物(木炭・pH調整剤混練樹脂塊)である。該木炭・pH調整剤混練樹脂塊は植物を効率よく育成することの出来る植物育成用粒状資材用にも有効に加工出来、前記植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻等と前記ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性樹脂と塩化合物を一緒に混入して300℃から400℃の熱処理で炭化した該植物性バイオマス樹脂である。
【0023】
該木炭・pH調整剤混練樹脂塊は前記300℃から400℃の熱処理で炭化した木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻等の植物材料と前記300℃から400℃の熱処理で軽度に分解して小分子化した該ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性樹脂と塩化合物との混練物である。先ず、通気性・保水性・吸着性とpH調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊を製造することである。
【0024】
更に、本発明は、前記樹脂廃棄物と前記植物性廃棄物を有効利用した該樹脂廃棄物と該植物性廃棄物とpH調整剤である塩化合物の混練物である木炭・pH調整剤混練樹脂塊から造られ、植物を効率よく育成することの出来る植物育成用粒状資材にも有効に加工使用できる通気性・保水性・吸着性・pH緩衝調整機能を有する炭化バイオバス粒状樹脂を製造するために、前記樹脂とバイオマスである前記植物性廃棄物にpH緩衝調整剤である塩化合物の粉末を添加混連した混練物である前記木炭・pH調整混練樹脂塊を5mm以下程度の粒子状に破砕機で破砕・粉砕して、通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能を有する炭化バイオバスを含む木炭・pH調整剤混練粒状資材を製造することである。
【0025】
更にまた、本発明は、前記樹脂廃棄物と前記植物性廃棄物を有効利用した該樹脂廃棄物と該植物性廃棄物と塩化合物の混練物である前記木炭・pH調整剤混練樹脂塊を破砕機で5mm以下程度の粒子状に破砕・粉砕して木炭・pH調整剤混練粒子の木炭と塩化合物の表在面積を広げて通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能を向上した。
炭化した前記植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻と塩化合物粉末粒子は300℃から400℃の熱処理で軽度に分解して小分子化した樹脂から露出していて、その性質は木炭と同様な吸着性・通気性を保持しており、脱臭性も保持した保水性木炭・pH調整剤混練粒状資材粒子であり、pH緩衝調整機能を有している。該木炭・pH調整剤混練粒状資材粒子は炭化粒子と塩化合物粉末粒子を、熱処理で軽度に分解して小分子化した樹脂で、相互に接着させた粒状形状維持強度の高い木炭・pH調整剤混練粒状資材であり、該木炭・pH調整剤混練粒状資材を前記植物育成用粒状資材或いは閉鎖系循環水の浄化・吸着・pH緩衝調整基材として利用することである。
【発明の効果】
【0026】
上述したように本発明の木炭・pH調整剤混練粒状資材は、図1に示す様にバイオマスである前記植物性木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻(図1のP)と前記ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性樹脂(図1のR)とpH緩衝調整剤(塩化合物)粉末(図1のα)を一緒に混入して熱処理で炭化したバイオマス・塩化合物混練樹脂である。
該植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは稲藁・籾殻(図1のP)と該ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂(図1のR)と塩化合物(図1のα)を圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の条件下で混練機(ルーダー)(図1の1)を用いて混練してあるので植物バイオマス材は炭化され、該炭化バイオマスは熱可塑性樹脂が軽度に分解して小分子化して炭化粒子や塩化合物粉末同士を相互接着した混練物である。
通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)から破砕機(図1の2)で5mm以下程度の粒子状に破砕・粉砕製造された木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は製造コストが安価であり、合成樹脂の分解毒素も無く、粒状形状維持強度も高くリサイクル使用も可能である。
【0027】
また、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、木炭の性格である通気性・吸着性を保持しており、炭化粒子が低分子化された熱可塑性樹脂(図1のR)で相互に接着された構造になっているので保水性も高まり、水のpH緩衝調整機能も持っている。
【0028】
更にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、従来のセラミックス性粒状資材より軽く安価で、木炭より形状維持強度が高く安価で再生使用できる。
【0029】
故に、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、粘土質が多く含まれる土壌に適度に混ぜると図示いてはいないが粘土質土壌の性質である通気性・水捌けが悪い性質が改善され土壌pHも適度に調整される。
【0030】
故にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、砂地の多い土壌の30cm程度の下層に敷き詰めるとその砂地に保水性と土壌pHが調整できる。
【0031】
更にまた、本発明の前記木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)を5mm以下程度の粒子状に粉砕した木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)の内の3mm以下程度の粒状資材(MS)は、一般的には該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS):ピートモス:発酵肥料=6:3:1の割合に有機肥料(Y)を混ぜて植物育成用人工土壌(MSa)を造ると水耕栽培に最適な植物育成用人工土壌(図2、3、4、6、7のMSa)ができ、従来の水耕栽培では生育しなかったメロン(図6のP4)やスイカやトウモロコシやジャガイモ(図7のP5)や種々の豆類やお茶の木等の種々の植物種の育成も可能になった(メロン・スイカの場合は、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS):ピートモス:発酵肥料=5:3:2が最適)。即ち、本発明で用いる水耕鉢(Wp)は図3と図7に示すようにネット状有底枠体(Wp1)と水盤箱(Wp2)とから構成されており、ネット状有底枠体(Wp1)の深さは15〜20cm程ありので、メロンやスイカやトウモロコシやジャガイモやアスパラ、ブルーベリー、お茶の木等も生育できる。この時、確実に根付くと水やりを数日しなくても植物は生育しているので、若夫婦がマンションのベランダ等で家庭菜園として栽培するのにも向いている。
【0032】
更に、農耕用土壌のみを用いたプランター鉢と木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を5mm以下程の粒子状に粉砕した該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)を用いた水耕栽培鉢(WP)でゴーヤ(ニガウリ)を同時栽培したところ、該木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を5mm以下程度の粒子状に粉砕した該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の内の3mm以下程度の粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)で水耕栽培したゴーヤ(ニガウリ)の方が、農耕用土壌のみを用いたプランター鉢のゴーヤ(ニガウリ)よりも成長が早く約2倍の速さで成長してその大きさも約2倍に成長した。
木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)のみを植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)として使用する場合には、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)自体は本来、植物の栄養素は含まれていないんので肥料の配合が必要である。
【0033】
本来土壌とは、『生物が進出する前にも、陸地を形成していた岩石は原始大気の中に含まれていた強い酸性物質を溶かしこんだ雨に打たれ、風に吹かれて風化し、粘土や砂のような細粒の物質、レゴリス(regolith)とか砕屑物(clastic materials)といわれるものを地表に形成していたと思われる。しかし、ここには生命はなく有機物も含まれていなかった。陸地に生物が出現して初めて、レゴリスは土壌に転化する契機を得たのである。レゴリスから土壌への変化の過程を類推させるのは、火山噴出物の上に土壌が形づくられていく様子であろう。伊豆大島で過去いろいろな年代に噴き出した溶岩の上で、土壌が形成され植生が発達していく過程を噴出年次に従って追跡した手塚の研究(1961)がある。それによると、溶岩の上に、風化した砂質の砕屑物がたまって砂漠的な景観を作り出すまでにほぼ200年かかっているが、一度そこにイタドリやスゲのような植物がとりつくと、枯れた植物遺体が砂に入り、有機物がたまり始め、それを利用する動物や微生物が住み着き、少しずつ生物の住処としてより好適な培地につくり変えていく。その結果、次の段階では新しい培地によりよく適応した生物種が優占するようになり、いわゆる遷移の階梯が進むことになる。そして、1,000年以上もの時間の中で、植物の遷移に伴ってレゴリスはより深くまで土壌に変わり、その中に有機物や養分を蓄えることによって、大島の気候に適応した常緑広葉樹(ツバキ、シイ、タブなど)主体の森林を育てるまでになるのである。・・・土壌は生物によって育まれ、その結果として生物を支え養う能力をもつようになったものである。このように生物との関係で土壌を考える時には、温度、光、空気、水など、生物の生存のためのすべての条件が満たされていることが前提となっている。そして、この前提が成り立つのは、地球の表面だけであるというのが、前節で強調された点である。』(非特許文献1)
【0034】
更に、『土といえば何となく俗っぽく、土壌といえば学問的な感じがする。けれども土という表現にはある種の親しみやすさがあることも事実である。それは土がわれわれの身近な存在であるためであろう。土がどのように定義されているかを調べてみると、ほとんどの場合、次の3項目は共通していることに気がつくであろう。
1. 地表を薄く覆っている、ゆるく結合した天然の物質である。
2. 岩石の風化生成物と植物の分解残留物の混合物である。
3. 植物の生育を支えることができる物質である。
土が生成するためには岩石の風化が起こらなければならない。風化生成物のなかには物理的に、たとえば機械的に破砕されて生じた粒子も含まれるが、多くは化学反応の産物である。風化生成物は、風化の起こった物理的・化学的条件によって異なっている。このため、土の種類は地球上の場所によって著しく異なっている。土の分類というのは土壌学において重要かつ困難な課題となっている。
土の構成成分は、粗粒の無機物、コロイド状の無機物、有機物、生物体、土壌溶液、土壌空気に分けることができる。
土が植物の生命を維持するためにはさまざまな条件が必要である。気温、降水量などは植物が生育しうるか否かを決定する基本的条件であるが、これは土に対して要求される物理的・化学的因子ではなく、気候的因子であるから、議論からは除外する。土の物理的・化学的因子として考えられるものは、水と養分(N,P,Kのほか各種の必須微量元素)を保持する能力である。しかしこれが極端になっても具合いが悪い。透水性の小さい土では、土の中の水の流動が悪く、溶存酸素が土の中の有機物と反応して消費しつくされてしまうと、植物の根は無酸素水中に浸された状態となり、呼吸がさまたげられてついには窒息してしまう。水の保持能力とともに、これとは正反対の透水性、通気性も要求されることになる。養分となる元素の場合も、これが土の粒子と強く結合してしまえば、植物がそれを吸収することは不可能となる。
土が岩石の風化でつくられた無機物微粒子の集合体であって、有機物をまったく含まなかったとしよう。これらの微粒子はその多くが粘土鉱物と呼ばれるアルミノケイ酸塩と、Fe2O3・nH2O、Al2O3・nH2Oに代表される水和酸化物である。水分が共存する状態では、これらの粒子はたがいに付着し、ついには全体が一つの塊になってしまい、植物の生育には不適当な環境をつくり出してしまう。有機物はこれらの無機粒子の表面に吸着され、無機粒子どうしの直接的接触が起こらないように防ぐ役割をしている。このような有機物は植物の分解で生じたOH基、COOH基を含む高分子物質であって、イオン交換性もあり、植物の生育に必要な元素をゆるく保持することにも寄与している。
土壌の構成する粒子の毛管中に保持されている水が土壌溶液である。土壌溶液と粒子との間にはイオン交換や吸着に基づくある種の平衡が存在し、これが土壌溶液中の溶存種の濃度を制御する働きをしている。湧水は希薄溶液であるが、溶存種の濃度が雨ごとに異なるのはもちろん、一続きの雨においてさえも一定ではない。このような雨が降るにもかかわらず、湧水の組成は一定である。これは上に述べたように、土の中で溶液−粒子間の平衡によって濃度の調節が行われた結果であろう。
土は植物を育てることによって大気の組成を制御するとともに、繁茂した植物(森林)と協力して降水の流出を調整する役割を果たしている。別の表現をすれば、土は地球表層の環境調節器である。土が人類にとって重要な資源といわれるのは、それが食糧生産の場ということだけに基づいているのではないことを銘記すべきである。』(非特許文献2)とあり、
【0035】
即ち元来、土壌の元は『原始地球の岩石が風化・破砕・細塵化した無機質なレゴリス(regolith)とか砕屑物(clastic materials)といわれるものを地表に形成したものにバクテリア・植物・動物の排泄物や死骸の有機質(栄養肥料)が付着・吸着・混和成長したものである。』
【0036】
本発明の人工土壌の元に相当する木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は、地球上の土壌の元である『岩石が風化・破砕・細塵化した無機質なレゴリス(regolith)とか砕屑物(clastic materials)』同様にその中に有機肥料分は含まれておらず、含まれている有機質は人間によって合成された熱可塑性合成樹脂とバイオマス(植物性材料)が圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の条件下で混練機(ルーダー)(図1の1)を用いて混練する工程で植物バイオマス材は炭化され、該炭化バイオマスは熱可塑性樹脂が軽度に分解して小分子化して炭化粒子を相互接着した熱可塑性合成樹脂と一部炭化されずに残った植物材料のみで、その他は細菌類も熱で殆ど死滅・分解しており、有機肥料分に相当するものは存在していない。
【0037】
更にまた、段落(0030)に記載されている様に、『土壌(土)は岩石の風化・破砕・細塵化した微粒子はその多くが粘土鉱物と呼ばれるアルミノケイ酸塩と、Fe2O3・nH2O、Al2O3・nH2Oに代表される水和酸化物』であり、殆ど金属イオン等が結合した化合物塩である。
【0038】
それに対して本発明の植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)は植物性材料(P)と熱可塑性合成樹脂(R)と塩化合物(α)を圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の条件下で加熱混連した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を5mm以下程の粒子状に粉砕した該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の内の3mm以下程度の粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)であり、該混連粒状資材(MS)には塩化合物(炭酸塩化合物・リン酸塩化合物、蛎殻粉砕粉、石灰岩(方解石・大理石)である炭酸塩鉱物の粉砕粉、ゼオライトであるアルミノケイ酸塩鉱物の粉砕粉、トルマリン(tourmaline)であるホウケイ酸塩鉱物の粉砕粉、硼砂(borax)であるホウ酸塩鉱物の粉砕粉等)のpH緩衝調整材が混連・含有されている。これは、自然土壌の構成体と酷似しており、段落(0030)の肥料分に相当する『・・・有機物はこれらの無機粒子の表面に吸着され、無機粒子どうしの直接的接触が起こらないように防ぐ役割をしている。このような有機物は植物の分解で生じたOH基、COOH基を含む高分子物質であって、イオン交換性もあり、植物の生育に必要な元素をゆるく保持することにも寄与している。』と本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)の有機肥料(Y)分の有機物も同様な働きをしている。この植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)の粒状径の大きさは3mm以下程度にすることが望ましい。
【0039】
即ち、本発明の人工土壌は育成植物の種類によって土壌の肥料バランスやpH域を調整できる本来の自然土壌が出来上がる工程を踏まえた人工土壌である。
【0040】
現在の土壌は農薬や化成肥料で土壌が酸性域に傾き、或いは塩害や酸性雨・都市化・放射能等での汚染土壌が増加してきて、地下水の汚染や枯渇も問題になっており、若手の農業従事者は土壌作ることに努力し始めていることにも、その土壌作製確認実験の『モデル作り』としても使える。
【0041】
一方、人工土壌の中には安価土壌として浄化槽の汚泥を乾燥させたものを発表・販売し始めている業者も出て来ているが、水の汚染問題や生活排水・産業排水の浄化技術やルールが完成していない現代社会において非常に危険な土壌代用品であると考える。
【0042】
更に、前述段落(0030)の様に一般的植物・動物が育成・生息している『土壌とは
1. 地表を薄く覆っている、ゆるく結合した天然の物質である。
2. 岩石の風化生成物と植物の分解残留物の混合物である。
3. 植物の生育を支えることができる物質である。
であり、』 例えばブナ等の広葉樹林や自然界の密林の土壌には、多くの生物が生息しており落葉や排泄等生物の生活サイクルで栄養分と水分とが粗粒の無機物、コロイド状の無機物、有機物、生物体、土壌溶液、土壌空気の構成体として蓄えられ、これら『土壌の構成する粒子の毛管中に保持されている水が土壌溶液であり、土壌溶液と粒子との間にはイオン交換や吸着に基づくある種の平衡が存在し、これが土壌溶液中の溶存種の濃度を制御する働きをしている。湧水は希薄溶液であるが、溶存種の濃度が雨ごとに異なるのはもちろん、一続きの雨においてさえも一定ではない。このような雨が降るにもかかわらず、湧水の組成は一定である。これは上に述べたように、土の中で溶液−粒子間の平衡によって濃度の調節が行われた結果であろう。』とある。
【0043】
本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)には、通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能があり、この性格を利用して閉鎖系循環水(図13、図14、図15、図16)の浄化材として効果的に使用できる。これは該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)の前記植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻等の炭化構成部分がアンモニア、有機物、藻類等を吸着して若しくはろ過して除去するとともに、バクテリアが生息する生物膜を形成し、吸着されたアンモニアや有機物等は亜硝酸体窒素の酸化浄化バクテリア(亜硝酸菌)によって分解することができる水の浄化システムを積極的に構築することを助けるからであると共に、該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)中に一緒に混連されている塩化合物が水のpH緩衝調整の働きを担うからである。この時、該木炭混練粒状資材(図1のS)の粒状径は3mmから5mm程度の大きさに統一することが望ましい。炭酸カルシウム塩とリン酸カルシウム塩を添加混連した木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(浄化基材MS)を用いて、水棲生物が生息している閉鎖型循環浄化槽(池)の水をpH7.2、亜硝酸体窒素含有濃度0.12ppm前後に一年以上安定維持できている。
【0044】
図14と図16は閉鎖系循環水浄化池(槽)の平面図13と断面図15の実施例写真図であるが、図14内の動植物は浄化材である木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は一年以上交換することなく健全に生息・生育しており、図16内で元気に泳いでいる魚は、従来公的水産試験場でも不可能とされている白鮭の閉鎖系循環水浄化池(槽)での孵卵・飼育に100%成功した放流直前の稚魚の写真である。大きな魚(鮭)の卵内には漿液蛋白質が多く含まれているが、孵卵時に水中へ溶出した該漿液蛋白質を該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は確実に浄化している証拠である。
【0045】
現在の温暖化等の天候不順と原発事故による電力不足の中で、電気エネルギー等の倹約が叫ばれている。現在、住宅・建造物(図18の16)の空調システムは冷媒(ガスG:以前はフロンガス)の熱交換機による室内機27と室外機38の間の圧縮加熱・揮発冷却の循環システムを利用しているが、この冷媒ガス循環システムの消費電気量は扇風機の消費電気量に比較すると非常に大きな電気量を消費する。そこで、特許文献13と特許文献14に示すように室外機の放出・廃棄熱エネルギー41の再利用のシステム(図18のヒートポンプユニット38)が開発されてきていて、環境に優しい従来のエアコンシステムの消費電気量の3分の1程度を目指しているシステムが存在している。
【0046】
しかし、この前記エアコンシステム(図18)は室外機38の放出・廃棄熱エネルギー41の再利用はしているが、自然エネルギーを使用した再生エネルギーではない。そこで、本発明の循環水を木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)を用いて浄化・循環する冷媒水を図17の深く(h2:8m以上程、L2:30cm)掘られた地熱エネルギー交換装置1(23)で循環・冷媒水(Wt6)を地熱まで冷やし、逆に温水にするためには太陽熱温水器(太陽エネルギー交換装置2)10を通過させる空調システムを構築すると、循環・冷媒水(Wt6)の腐食がない。循環水の流路は切り替え装置(19)で切り替える。この空調システムの使用電気量は該循環水浄化装置(Wt1〜4 )と該循環・冷媒水(Wt6)を地熱エネルギー交換装置1(23)と太陽熱温水器(太陽エネルギー交換装置2)(10)の間を循環させる為のポンプ25(Wt4)とラジエーター(放熱器)18で作られた空気を送るファンを動かす電気量のみあり、従来のエアコンシステムの消費電気量の5分の1以下であり、より環境に優しい自然再生エネルギーを利用した住宅・建造物用空調システムを構築できる。
【0047】
図19は二層循環型閉鎖循環水浄化池の実施写真であるが、構築構造は図13(平面図)と図15(断面図)の応用である。この二層循環池は上部池45(Wt1)と下部池46(Wt5)とで構築されていて、該下部池46(Wt5)から該上部池45(Wt1)にマグネットポンプ(水車、図13〜16のWt4)で循環水(W2)を汲み上げて、該上部池45(Wt1)の大きなゴミやフロックを濾過槽(Wt2)のナイロンマット(図15・16の8)で濾過除去して浄化槽(Wt3)の浄化材(木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材)(図1のMSb)で浄化再生した循環浄化水44(Wt15・W1)を循環水循環管(Wt13)を通し溶岩石状肌岩(Md)の表面(Mb1)を滝状にして再度前記下部池46(Wt5)上に落下投入後、該下部池46(Wt5)内の玉砂利の下に隠れている水棲生物或いは大ゴミ除去ネット(St1or St2)内の前記マグネットポンプ(水車、図13〜16のWt4)で前記上部池45(Wt1)内に汲み上げて循環している。該二層循環型閉鎖系循環水浄化池装置(Wt)は浄化材(木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材)(図1のMSb)を一年以上交換することなく蒸発した水量を加えるのみで一年以上循環水(W2)は腐敗することなく、この水中で生息している水棲生物(植物・魚・蛍等)が飼育できている。
【0048】
この事は、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)には、図17の住宅・建造物用空調システムの循環・冷媒水(Wt6)に用いても該循環水は腐敗せずに、少なくとも一年以上循環使用することができる事を証明している。
【0049】
更にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)には、図20に記載した如く、汚染河川・湖沼の浄化を自然浸透水法との併用で循環浄化ができる能力がある。
【0050】
更にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)を用いて図21(全体平面概念図)と図22(浄化回転循環連結部の断面概念図)に示す様に庭園或いは中庭やショールーム用閉鎖系水棲生物循環浄化池(Wt)を施工することができる。構築構造は図13(平面図)と図15(断面図)の応用である。
【0051】
破砕・粉砕する前の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)の段階で、図8・図9・図10・図11・図12・図14の様に溶岩状岩肌エコアート形状物ができる。これは溶岩状パネルMb(図8・図9・図12・図14・図19)溶岩風園芸鉢Mc(図10・図11)溶岩風岩石Md(図19)として園芸や都市の緑化、アトラクションの外装等に有用である。溶岩粒体を含んだ園芸鉢の先行技術として特許文献12があるが、これは溶岩粒体とセメント粒体との合成加工品であり重量も重い。本願発明の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)段階で造られる形状は自然界の溶岩石の様に同じ形状の鉢やパネル板は出来ないが、非常に趣のある恰も溶岩肌表面(Mb1)の様であり重量も軽く、苔(P7)の生えるパネルや園芸用植木鉢や溶岩風岩石として使えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に関わる木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明に関わる樹脂廃棄物(R)と植物性材料(P)にpH緩衝調整材(α)を添加混連作製した木炭・pH緩衝調整剤混樹脂塊(M)を徐冷・破砕作製した木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を添加混和してできるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)の模式イメージ図である。
【図3】図2を用いた植物の木炭・pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いた育成方法を説明するための概略断面図である。図Aは種植えで図Bはその成長した植物イメージ図である。
【図4】図3の実施写真図(トマト)である。
【図5】図4とは別の実施写真図(ゴーヤ)で、プランター自然土壌5と木炭・pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)用水耕鉢(Wp)との成長の差を比較している。
【図6】図5とは別の実施写真図(メロン)である。
【図7】図6とは異なる実施写真図(ジャガイモ)である。
【図8】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練樹脂塊(M)で成形されたエコアート形状物(溶岩状パネルMb)のイメージ図である。
【図9】図8の溶岩状パネル(Mb)の溶岩状表面の実施写真図である。
【図10】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練樹脂塊(M)で成形されたエコアート形状物(植物育成用溶岩風園芸鉢Mc)のイメージ図である。
【図11】図10の溶岩風園芸鉢(Mc)の実施写真図である。植えられ生育植物(P11・12)と溶岩状表面に生えた苔類(P7)、水受け皿6である。
【図12】図9の溶岩状パネル(Mb)の実施例の写真図である。パネルの溶岩状表面に生えた苔類(P7)と閉鎖循環水浄化池の循環水(W2)と白糸の滝状循環曝気水(W1)である。
【図13】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した閉鎖型循環水浄化池(Wt)の説明概念平面図である。
【図14】本発明に関わる図13の実施例の写真図である。
【図15】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した閉鎖型循環水浄化池(Wt)の説明概念断面図である。
【図16】図14とは異なる実施写真図(白鮭の孵卵から放流直前稚魚の飼育)である。図Aは木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した孵卵飼育用閉鎖循環水浄化池(Wt)で図Bは木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した汎用観賞用閉鎖循環水浄化水槽である。
【図17】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を用いて深層地熱利用再生エネルギーで雨水循環水利用使用した住宅・建造物用空調装置のシステム説明概念図である。
【図18】図17の空調システム装置ではない現在使用されている冷媒ガス型エアコン装置の概念説明図である。
【図19】図16とは異なる実施写真図(二層型閉鎖循環水浄化池)でのメダカ・カワニナ・蛍飼育槽の一例の実施写真図である。
【図20】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製の水の浄化材(MSb)を用いて大型浸透水自然深層地熱再生エネルギー併用型の河川・湖沼水循環浄化施設の概念断面説明図である。
【図21】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製の水の浄化材(MSb)を用いての庭園用閉鎖型円形回転循環水浄化池の実施例概念図である。
【図22】図21の回転循環浄化水の浄化回転循環連結部の断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明を実施するための形態について、図面1から22に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明においては、まず、本発明にかかる木炭・pH調整剤混練粒状資材の製造方法について説明し、その後、製造した木炭・pH調整剤混練粒状資材の利用方法について説明する。
【実施例】
【0054】
(製造方法の実施例)
図1はポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂の新材も使用できますが、リサイクル材(R)を主に用いる。植物材としてはバイオマスであるがまだ多くが廃棄されている麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑等の植物性材料(P)を用いてこの合成樹脂(R)と植物性材料(P)と塩化合物(pH緩衝調整材)αを圧力約50kg/平方センチメートル、300℃以上400℃以内の条件下で混練機(ルーダー)(図1の1)を用いて混練後徐冷した混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mを破砕機(図1に2)で破砕・粉砕して木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)を製造することを特徴とする。そして、本発明によれば、樹脂(R)と植物性材料(P)と塩化合物(pH緩衝調整材)αを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練するため、植物性材料が炭化し、その部分に通気性・保水性とpH緩衝調整機能を持たせることが出来て混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mの通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能が向上するので該混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mの岩肌状表面には苔が生える。また前記混連時の素材混入比率例としては、熱可塑性合成樹脂(R)20〜30%、植物性材料40〜50%、塩化合物約25%(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)で実施した。
【0055】
また、混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mを破砕機(図1の2)で、5mm以下程度の粒子状に破砕・粉砕することで、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)の木炭と塩化合物の表在面積が広がり通気性、保水性、吸着性とpH緩衝調整機能が向上して、図2のA は図1Aの樹脂廃棄物(R)と植物性材料(P)のみを混連した木炭混連樹脂塊(Ma)に塩化合物(α)を加えて一緒に混連して製造したことに因って機能性がより広く高く向上した炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を図2Bで表現し、図2Cで該炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)の破砕・粉砕物である肥料含有率0%の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)、図2Dで土壌肥料含有率0%の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)と有機肥料(Y)との配合物であるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)の作製工程を示している。故に、pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)は通気性、保水性、吸着性とpH緩衝調整機能と土壌肥料配分量を植物の生育環境に好ましい条件に調節することが出来る。
【0056】
また、図1に示すように、まず、本発明にかかる木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の材料として、樹脂廃棄物(R)と、植物性材料(P)と塩化合物(α)を用意する。樹脂廃棄物(R)は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ペット等の熱可塑性樹脂であって、一般成型工場よりスクラップ等から受け入れられ、植物性材料(P)は、稲作に伴って発生する稲藁、籾殻、製材に伴って発生するチップ、木屑、大鋸屑等であって、一般農家、製材所等から受け入れ、また塩化合物は例えば海辺の蛎加工場の蛎殻廃棄物やゼオライト等の鉱物塩を破砕・粉砕して手に入れることができる。
【0057】
次に、受け入れた樹脂廃棄物(R)および植物性材料(P)と塩化合物(α)を混練機(図1の1)に投入し、圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の高圧高温下で混練する。これによって、植物性材料(P)が炭化するとともに、樹脂廃棄物(R)と植物材料(P)炭化物と塩化合物(α)の粉砕粉とが均一に混合されて塊状となった混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mが生成される。尚、混練機(1)内の圧力は、混練機(1)から粘性を有する樹脂混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mが押し出し排出可能であれば50kg/cm2程度に限定されない。また、混練機(1)内の温度は、300℃以上400℃以内に設定するが、この温度が高すぎるとエネルギー損失が大きくなるので、熱可塑性樹脂(R)の融点以上で完全分解しない300℃を僅かに超えた値に維持することが望ましい。
【0058】
次に、上記混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mを、徐冷した後、粉砕機(2)(13mmメッシュ)、粉砕機(2)(8mmメッシュ)で 5mm以下に破砕・粉砕して木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を得ることが出来る。
【0059】
尚、上記実施の形態においては、ポリプロピレンやポリエチレンやペット等の樹脂廃棄物(R)を用いる場合について説明したが、廃棄物ではない樹脂を用いることも出来、植物性材料(P)に付いても、稲藁、籾殻、麦藁、チップ、木屑、大鋸屑等通常廃棄される物を用いたが、廃棄物ではない植物性材料を用いることも出来ることは勿論であるし、塩化合物(α)も種々の鉱物塩の破砕・粉砕粉を用いることができる。
【0060】
以上のように、本発明によれば、廃棄物を有効利用しながら混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mから木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を製造することができる。
【0061】
上述のようにして得られた木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は、保水性が少なくとも30%以上と高く、5mm以下に粉砕しているため木炭と塩化合物の表面積が広がり通気性・保水性や吸着性とpH緩衝調整機能も高く、
該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の機能的性格は木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂であるので、
1) 保水性が高い性格。
2) 通気性が高い性格。
3) 吸着性が高い性格。
4) 水の安定したpH調整能力が高い性格。
5) 種々の塩化合物を添加でき、水のpH調整域を変更できる。
6) 木炭単品より硬度があり粒状形状維持強度が高く、資材(MS)の接触面積が広く保てる。
7) 形状維持能力が高く、リサイクル性が高い。
上記1)2)3)4)5)6)7)記載の性格により、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)には水や空気の浄化性能力が高い機能的性格があり、
1〕 水耕栽培に適した植物育成用粒状資材(pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌MSa)(使用方法の実施例1)のみならず、
2〕 水の浄化に適した水浄化粒状資材(浄化基材 MSb)を用いた循環浄化池(使用方法の実施例2)や
3〕 水の高い浄化力と形状維持能力とリサイクル性用いた(使用方法の実施例3)に使用出来る。
また、木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)は、通常の素焼き鉢やプラスチック鉢より通気性と保水性と殺菌性とpH緩衝調整機能があり、
4〕 苔の生える溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)や溶岩風岩石(Md)(使用方法の実施例4)として機能性の高い木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂製エコアート形状物になる。
【0062】
(使用方法の実施例1)
次に、本発明の上記木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の利用方法について、図3から図22を参照しながら説明する。
【0063】
本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は植物育成用粒状資材(pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌 MSa)として使用できる。
【0064】
図2は木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)と有機肥料(Y)との配合で出来上がるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を表現しているが、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は約300℃の高熱処理されているため、元来の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)自体には植物に必要な栄養素は含まれていないので天然土壌との配合をするか、或いは木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)と有機肥料(Y)を混ぜる必要がある。図3Aはネット状有底枠体(WP1)であり、Cは水盤箱(WP2)であり、ネット状有底枠体(WP1)は水盤箱(WP2)上部に重なり嵌合して、二重構造の水耕栽培用植木箱(WP)である。この場合、栽培植物の根は背光性の性格であるので、ネット状有底枠体(WP1)と水盤箱(WP2)上部の重なり嵌合部から外の光が二重構造の水耕栽培用植木箱(WP)の内部に差し込まないように設置しなければ成らない。
【0065】
図3Aは水盤箱(WP2)に水(W)を張り、その上方の網目状の底を有するネット状有底枠体(WP1)に上記pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を10〜15cm程度の厚さに敷き詰め、その中に植物の種子(Se)を蒔く。木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)そのものには肥料分がないため、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)のみを植物育成用粒状資材として使用する場合には、肥料を木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に混ぜる必要がある。
【0066】
また上記状態で水耕栽培を行う時、事前に水を十分補給しておくとpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)は保水率が高いため、種子(Se)の発芽に要する水分と、上記肥料による養分を種子(Se)に与えることが出来、種子(Se)の発芽を促し、発芽後の生育に寄与する。そして、図3Bに示すように、植物(P1)が生育して根が水(W)に達すると、水(W)から直接水分を補給することが出来、順調に育成する。
【0067】
上記種子(Se)の発芽及び植物(P1)が生育の際には、上記植物育成用粒状資材であるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)が炭化物と塩化合物を含むため、水の浄化作用があり、前記木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を浸した水のサンプルを採取して化学分析を行ったところ特性の元素は検出されず、20℃でpHが7.0の中性域であった。また、下の水盤箱(WP2)の水がある限り蒸発した水分がその上のネットを通して保水性の樹脂の性質上、人工土壌(MSa)の水分が保たれる。
【0068】
図4は、トマト桃太郎福征(P2)の前記pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いた水耕栽培の実施写真図である。P2a はトマト桃太郎福征(P2)の葉を示し、WPは水耕鉢、WP3 は育成植物トマト桃太郎福征(P2)の支え棒、MSaはpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌を示している。
【0069】
図5は、ゴーヤ(イガウリ P3)の実施栽培の写真図である。WPは水耕鉢、3はゴーヤの支持棒、4は自然土壌で同時栽培したゴーヤ、5はその自然土壌を入れたプランターであり、生育状態は自然土壌でのゴーヤの生長がX-Xラインの時、本発明の pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)での水耕栽培のゴーヤ(P3)の成長は約2倍近く建物の屋根まで達していた。
【0070】
また図6は、本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いたメロン(P4)の栽培実施写真で、水耕鉢(WP)、支持棒(WP3)である。
【0071】
更にまた、図7Aは本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いたジャガイモ(P5)の栽培実施写真図で、図7Bは説明図である。茎(P51)、葉(P52)、水耕鉢(WP)、ネット状有底枠体(WP1)、水盤箱(WP2)、水盤箱の水(W)であり、水盤箱(WP2)深さh1は15〜20cmで人工土壌層の厚さ10〜15cmである。
【0072】
図示はしていないが、本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)は種々の土壌(水捌けの悪い粘土質土壌や砂漠状土壌や水質の悪い土壌等)の通気性・保水性・土壌pH・土壌水の浄化改善に役立つ。
【0073】
(使用方法の実施例2)
また、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は水の浄化粒状資材(浄化基材 MSb)として使用出来る。
【0074】
上記木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の水の浄化基材(MSb)として使用する利用方法について説明する。図13は閉鎖系循環水の浄化槽付き水性生物飼育水槽(Wt)の平面概念図で図15はその浄化機能部断面図である。沈澱槽(Wt1)、ナイロンマット(8)濾過槽(Wt2)、吸着・通液濾過槽(Wt3)で浄化粒状資材(浄化基材MSb)が収納設置されている。Wt4は水車・ポンプ・曝気、Wt6は循環水流路、Wt5は飼育槽、Wt7は循環水循環流出口、Wt8は循環水の浄化機能部入路口、7は循環水温度調節器(チラー)、Wt10金網金属板、Wt12は洗浄用バルブ、Wt9は水の補充通路、Wt16は浄化機能部下部仕切板、Wt11は浄化機能部の上部仕切板、Wt13は循環水循環管、Wt14は空気抜き孔、Wt15(W1)は浄化・曝気循環水を示している。
本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)はこの循環水の浄化機能槽の中で最も重要な機能を担当する吸着・通液濾過槽(Wt3)に浄化粒状資材(浄化基材 MSb)として収納設置されて汚水のナイロンマット濾過槽(Wt2)では取り除けなかった細かい汚れの吸着と亜硝酸体窒素の酸化分解無毒化するバクテリア(亜硝酸菌)の繁殖を助ける重要な水の浄化基材(MSb)としての機能を司る。
【0075】
また、図14、図16は本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を用いた閉鎖型循環水浄化槽(Wt)の実施写真図であり、Wt1〜4は浄化槽、Wt4は循環水チューブ、8はナイロンマット、MSbは水の浄化粒状資材(浄化基材)、St1、St2は水棲生物或いは大ゴミ除去ネット、Wt4はマグネットポンプ、Wt13循環水循環管、Wt14は空気抜き孔、P7は苔、P13は溶岩風園芸鉢の植物、Mcは溶岩風園芸鉢、W2は循環水、W1(Wt15)は(滝型)曝気循環浄化水、Mbは溶岩状パネル、F1は白鮭の孵卵飼育した放流直前の稚魚である。閉鎖型循環水浄化槽(Wt)での白鮭の孵卵飼育の成功は本発明が最初である。水棲生物である魚が生育できる水の亜硝酸体窒素濃度は0.26 ppm以下である。本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を用いた閉鎖型循環水浄化槽(Wt)での水棲生物が一年以上生息している水の亜硝酸体窒素濃度は0.12ppmでpH7.2であった。図19も本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を用いた閉鎖型循環水浄化槽(Wt)の実施写真図であるが水槽(池)は上(45Wt1)下(46Wt5)二段式である。
【0076】
(使用方法の実施例3)
次に、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を循環水の浄化基材としての能力と粒状形状維持強度とを合わせって考えると、図17に説明する様に住宅・建造物用空調装置を、雨水貯留水の循環浄化システムを利用して、冷媒循環水・自然エネルギー利用型システムとして構築できる。そのことを以下に説明する。
図17の9は雨水、10は太陽熱(約30℃程)温水器、11は太陽熱温水器への循環水配管、12は雨水を受ける軒樋、13は雨水流入配管、14は蛇口、15は給水ポンプ、16は住宅、17はエアコン室内機、18は放熱器、19は水路切り替え装置、20は地下貯留槽(予備タンク)、21は深々ブロック(貯留槽補強部)、22は庭用蛇口用配水路、23は地熱(約16℃程)エネルギー利用槽、h2は約8m程、L2は約30cm、24は地下大地断面、25(Wt4)は地熱再生循環水汲み上げポンプ、26は砂利層、32は空調空気の流れ、Wt1〜4は循環水浄化装置、St3はストレーナー、L1は約10cm、Wt6は(冷媒)空調循環水流路である。本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)である水の浄化粒状資材(浄化基材MSb)を用いれば、地熱と太陽熱の自然再生エネルギーを自然循環水を媒体にした地球環境に優しく消費電気量の少ない住宅・建造物用空調システムができる。
【0077】
図18は既に多くの住宅で普及使用されている従来の冷媒ガス(G)を用いた空調装置(エアコン)の概念断面図である。16は住宅、27は室外機、28は室温空気、29は室内機熱変換器、30はフィルター、31はシッロクファン、32は空調気流、33は結露・除湿装置、34は室内温排出媒体通路管、Gは媒体の流れ、35は結露・除湿水排出管、36は排出液、37は室内温度排出後の媒体通路管、38は室外機、39は室外機熱変換器、40は室外機熱放出ファン、41は室外放出熱、42はヒートポンプユニット、43は貯湯タンクユニットである。ヒートポンプユニット(42)と貯湯タンクユニットのシステムは環境と消費電気量の面で改善されてはいるが、これら従来の冷媒ガス(G)を用いた空調装置では、消費電気量がまだ多く、真の再生エネルギーを使用してはいない。
【0078】
更に、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を循環水の浄化基材としての能力と粒状形状維持の高い機能を利用して考えると、該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は0.5kgから1.0kgで約50L以上の水を一年間以上繰り返し浄化できた。また該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は形状維持能力が高くリサイクル交換がし易い。以上の浄化基材としての性格と砂利層通過浸透法と地熱再生エネルギーとを併用すると汚染河川や汚染湖沼の水の浄化再生が可能と思われ、図20に示す。24は地中大地断面、48は汚染湖沼、48aは富栄養化での湖面の泡、49湖沼からの浸透水、50は第一砂利層、51は湖沼浸透水の流れ、52は第二砂利層、53は縦の溝孔、St4はストレーナー、54は第一次自然浄化地熱冷却湖沼浸透水、55は湖沼浸透水第一次自然浄化地熱冷却槽の密閉蓋、25(Wt4)は汲み上げポンプ、56は第一次自然浄化地熱冷却湖沼浸透水汲み上げ通路、57は湖沼浸透水浄化水流路、〔Wt1は沈澱槽、Wt2はナイロンマット濾過槽、Wt3は吸着・通液濾過槽浄化粒状資材(浄化基材MSb)〕の第二次人工浄化槽、58は第二次濾過浄化水地熱冷却貯留槽、59は濾過浄化水流路、60は濾過浄化水汲み上げ管、61(Wi4)は濾過浄化水汲み上げポンプ、62湖沼浄化水の湖沼返還水路、63(Wt15)は浄化・曝気返還水、63aは浄化・曝気返還水の拡散浄化を表す。
【0079】
(使用方法の実施例4)
更にまた、木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)は、通気性と保水性と殺菌性とpH緩衝調整機能があり、図8、図9、図10、図11、図12、図14、図19に示す様に苔の生える溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩石状肌岩(Md)として機能性の高い木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂製エコアート形状物を成形できる。
【0080】
図8は、通気性と保水性と殺菌性とpH緩衝調整機能を有した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)で創られたエコアート形状物である溶岩状パネル(Mb)である。Mb1は溶岩パネルの表面に突状に突出成形した棚状構造で、その上に植物P8が生育した苔玉(P6)が乗せられている。該苔玉(P6)は棚状構造(Mb1)に根付いていて、P7は苔植物、P3〜6とP8〜14は他の生育植物を示している。図9の溶岩状パネル(Mb)の溶岩肌表面(Mb1)と図11の溶岩風園芸鉢(Mc)と該溶岩風園芸鉢(Mc)の表面に生えた苔(P7)と図12の溶岩状パネル(Mb)の溶岩肌表面(Mb1)上に生えた苔(P7)と図14の植物(P13)が植えられた溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩状パネル(Mb)の溶岩肌表面(Mb1)上に生えた苔(P7)と図19の苔(P7)と生育植物(P14)が生えた溶岩状パネル(Mb)の突状に突出成形した棚状構造(Mb1)と溶岩石状肌岩(Md)と滝状循環水44(Wt15・W1)が落下している溶岩石状肌岩(Md)はエコアート形状物である溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩石状肌岩(Md)の実施写真図である。
【0081】
本発明のポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂(R)と麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑を代表とする植物性材料(P)と塩化合物(α)を300℃以上の温度条件下で混練することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)は、木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂であるので、通常の鉢より通気性と殺菌性とpH緩衝調整機能があり、他の園芸鉢より植物園芸用鉢としてアート性と機能性の高い。該木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂製のエコアート形状物である溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩石状肌岩(Md)に成形でき、該エコアート形状物の溶岩風表面である溶岩肌(Mb1)には苔(P7)が生え、生育植物(図19のP14)の根が張る。
【0082】
この時、植物生育土壌として本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いると生育植物に病気や害虫が着くことが少なく思われる。また、この該エコアート形状物(Mb・Mc・Md)は同一形状に成形することは難しいが、その方が一見自然界の溶岩石で製造したように見えて溶岩石様風情がでる。
【0083】
上記、使用法の実施例の1〜4の(実施例1)木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)粒状径3mm以下から創られた植物育成用粒状資材(pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌MSa)と(実施例2)木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)粒状径3mm〜5mm以下から創られた水の浄化粒状資材(浄化基材 MSb)と(実施例3)水の浄化粒状資材(浄化基材 MSb)としての性格と砂利層通過浸透水と地熱再生エネルギーとを併用して汚染河川や汚染湖沼の水の浄化再生と〔実施例4〕木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)で創られたエコアート形状物とそれらの技術を統合すると、庭園或いは中庭やショールーム用閉鎖系循環水浄化池(Wt)を施工できる。図21は閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)であり、水の流れ(62)は曝気投入水61(Wt15)の落下池部(65)から閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)を円形に流れて、循環水浸透地熱再生エネルギー汲み上げ池(64)まで流れて、汲み上げポンプ25(Wt4)で浄化水地熱再生エネルギー水循環管60(Wt13)を通して、再度落下池部(65)に戻り循環している。図22は図21の閉鎖系循環水の浸透地熱再生エネルギー汲み上げ池(64)まで流れて、汲み上げポンプ25(Wt4)で浄化水地熱再生エネルギー水循環管60(Wt13)を通して、再度落下池部(65)に戻る循環水再生浄化部の従断面図である。ストレーナー1(63)、砂利浸透濾過層(66)、ストレーナー2(St4)、立て溝孔(67)、砂利(68)、大地地下断面(69)、浸透地熱再生エネルギー水汲み上げ循環水(70)、閉鎖系循環浄化槽(Wt1〜3)、岩(71)、橋(72)、テーブル(73)、水辺の植物(P17・18・19・20)、木(P15・16)である。該閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)はその大きさは里山・公園・庭園・中庭・ショールーム内によって閉鎖系循環水浄化池(Wt)の大きさ規模を変えることができる。また、室内での閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)を施工する場合には、浸透地熱再生エネルギー装置を設置しない代わりに、室温の空調設備か循環池にチラーを設置すればよい。即ち、大規模の閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)は本発明の全ての実施例とその技術を用いれば施工できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
河川・湖沼の浄化、陸地での魚の養殖・飼育、都市や高層ビルの屋上緑化で空気の浄化と炭酸ガスの削減、加熱都市の冷却と上昇気流の減少、自然の回復、天候の影響のない、無農薬農業の工業化と多次元の耕地面積の拡大等に利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 混練機
2 粉砕機
P 植物性材料
R 樹脂廃棄物
α pH緩衝調整材
M 混練物(木炭・pH調整剤混練樹脂塊)
MS 木炭・pH調整剤混練粒状資材
MSa 木炭・pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌
MSb 木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材
Wp 水耕鉢
WP1 ネット状有底枠体
WP2 水盤箱
Se 種子
P1 植物
W 水
Wt 閉鎖型循環水浄化池
St ストレーナー
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の育成用・病害虫予防人工土壌と水の浄化・亜硝酸体窒素の低域安定・pH緩衝調整基材と地熱再生エネルギー用水防腐防止浄化基材等として利用できる、ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂と麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑等の植物性材料と塩化合物の混連物で構成される通気・保水性・pH緩衝調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂とその使用方法と製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭や事業所等から排出される樹脂廃棄物は、ペットボトル等その一部をリサイクルしているが、そのほとんどが埋め立て処分場にて廃棄処理されている。また、稲作に伴って発生する稲藁、籾殻についても、また木屑や大鋸屑についても、近年バイオマス燃料として利用する試みがなされているものの、現状ではそのほとんどを廃棄処理している。
【0003】
一方、近年、都市部の高層住居のベランダ等で鉢植え植物を育成することやレストランで顧客に店で栽培している野菜を選ばして料理に載せていることが流行しているが、ベランダや中庭或いはショールーム等で植物の育成を行うことは容易ではない。
その為、ベランダや屋上や中庭等にて植物の育成を効率よく行うための植物育成容器や、植物育成用土壌等の開発がなされている。(例えば、特許文献1から4参照)
【0004】
また、地球規模の人口増加と都市化による緑化の減少と水の汚染と空気中の炭酸ガス濃度の上昇とにより気温上昇と人類以外の動植物種の絶滅速度が高まり、地球の気象や海洋に大きな変換が起き自然の猛威が吹き荒れ始めている。
【0005】
更に、人間の生活排水や工場廃液の今までの直接放流は河川・湖沼・海洋の汚染を招き、その結果は海の汚染と地下水の汚染を引き起こし、現在は水の浄化に努めてはいるが人類の存在意義と将来に疑問と不安を突き付けられて、現代の社会人の心に闇が広がって来ている。
【0006】
また、河川のダム建設や工場や生活廃液を含む人類による河川と海の汚染はそこに棲息する魚介類の生活循環を脅かして来ている。そこで、現代社会では多くの水棲生物の生息が可能な水の循環浄化の技術開発は人類にとって最重要課題に成ってきている。(例えば、特許文献5から11参照)
【0007】
全住宅や商店・ビルでの現在の空調設備の設置は日本の消費電力を非常に拡大するのみでなく、室外機の存在によって、夏の都市外気気温を更に高めている矛盾を生じている。
【0008】
また、2011年3月11日の東日本大震災と津波による多くの住民被害と大地の塩害と原子力発電所の反応炉の破壊による放射能漏れでの大地と河川・海域の放射能汚染及びその風聞は、広範囲の住民、特に農民や漁民に深刻な損害被害を与え、市町村の存続の危機問題にまでおよび、日本全国家的な大問題に成っている。この日本の原発事故は世界に原発エネルギー利用に対する疑問と不安を投げかけている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−103702号公報
【特許文献2】特開2005−137363号公報
【特許文献3】特開2007−124989号公報
【特許文献4】特開2008−307013号公報
【特許文献5】特開平8−141594号公報
【特許文献6】特開平9−299957号公報
【特許文献7】特開2000−116273号公報
【特許文献8】特開2000−157101号公報
【特許文献9】特開2003−265071号公報
【特許文献10】特開2004−81109号公報
【特許文献11】特開2007−50363号公報
【特許文献12】特開2002−179452号公報
【特許文献13】特開2008−281266号公報
【特許文献14】特開2010−197016号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】久馬一剛(編)(1997):最新土壌学.朝倉書店、216p.
【非特許文献2】一國雅巳(1989):ケイ酸塩の風化とその生成物.土の化学 2章、季刊化学総説 No.4、6-18.
【0011】
しかし、上記先行特許文献において、
特許文献1では人工土壌が多孔性セラミックから製造されておりその製造コストが高価であり、
特許文献2では人工土壌が複雑な構造になっておりコスト高になり実用的ではなく、
特許文献3は人工土壌ではなくて植物育成具であり、土壌は天然土壌を使用していて、
特許文献4では人工土壌と記載しているが事実は鉢状の支持体に土壌を収納した複合体を人工土壌と述べているが、土壌自体には人工土壌の具体的な工夫考案がなく上記全ての先願特許文献には水耕栽培の具体的実施例が不明瞭である。
【0012】
更に、上記先行特許文献において、
特許文献5と特許文献10では閉鎖系循環水の浄化方法に関する提案は、閉鎖系循環水の浄化に寄与する硝酸菌のうち亜硝酸菌の高濃度培養法に関する考案であり、
特許文献6では循環水流路の水浄化装置器具に関する考案であり、
特許文献7では活魚介類の輸送タンク、輸送装置、輸送方法を用いた循環水の浄化システムに関する考案であり、濾過手段としてはフィルターマットを提案していて、
特許文献8と特許文献9では蛍の飼育養殖の装置に関する考案であり、循環水の浄化に関しては「細粒体層の記載と多孔体層としては、ガラス、煉瓦等を粉砕した無機系粉体を炭化珪素等の発泡剤と混合して加熱し溶融発泡して形成した発泡ガラス等の無機系発泡体、塊状に形成された木炭等の塊状炭、牡蠣殻等の貝殻、軽石、ラシヒリング状に形成された合成樹脂製やセラミック製の多孔体やそれらの混合物で単層や複数層の層状に形成されたもの等が用いられる。なかでも、無機系発泡体は、表面積が大きく微細孔も有しているので、アンモニア、有機物、藻類等を吸着して若しくはろ過して除去することができるとともにバクテリアが生息する生物膜を形成し、吸着されたアンモニアや有機物等は硝化細菌等のバクテリアによって分解することができ水の浄化性に優れるため好適に用いられる。」の記載のみで、従来の熱帯魚の濾過方法と大差なく、
特許文献11ではセラミックを用いた浄化装置を提案しておりコスト高になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題の1つは、低コスト化な再生可能で、従来できなかった作物が連作のできる地球環境に優しく安全で土壌pHの調整可能な人工土壌の製造をすることである。
【0014】
また、合成樹脂の産業廃棄物や木屑、大鋸屑、稲藁、籾殻等の多くを廃棄されているバイオマスと塩化合物を再利用して地球環境に優しいエコアート形状物と上記の土壌pHの調整可能な人工土壌を利用して、大地土壌以外の都市部の高層住居のベランダや家庭菜園のみならず、室内やビルの屋上または地下での種々の動植物の育成を可能にすることである。このことは、空気中の炭酸ガスの濃度削減や気温上昇の抑制と人間社会の心の安らぎにも寄与する。
【0015】
また、本発明が解決しようとする課題は、粘土質の土壌や砂漠状の砂地土壌に、該土壌pHの調整可能な人工土壌を適度に混入することによって、該土壌に通気性と保水性と作物に合った適度の土壌pHを持たせることである。
【0016】
更にまた本発明が解決しようとする課題は、従来の水耕栽培では生育しなかったメロンやスイカやトウモロコシや種々の豆類やお茶の木等種々の植物種の育成と稲作をも可能な水陸併用型の水耕鉢を成形して、このシステムで多くの作物を生育可能にすることである。
【0017】
また更に、本発明が解決しようとする課題は、閉鎖系循環水の浄化の為の循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材を製造して、閉鎖系循環水の単純で安価で、水の窒素化合物(亜硝酸体窒素)濃度の上昇による富栄養化を抑えることで植物プランクトンの異常発生を抑えて、窒素系肥料(N)とリン系肥料(P)との濃度比が7:1のバランス域に近づくことを抑制し、水のpHを7.0前後に安定させて、水の腐敗を抑制する浄化基材システムを構築することである。
【0018】
更にまた、この水の浄化システムは、窒素(N)とリン(P)肥料の比率を調整して水の富栄養化による植物プランクトンの異常発生に続く動物プランクトンの発生を適度に抑えて水を透明に保ち、その水中に生息する水棲生物の生息を適度に快適な状態に保つことを保証して水の酸欠と腐敗を抑制することである。
【0019】
更にまた、前記循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材で酸欠と腐敗を抑制した水を用いて、種々の水棲生物が快適に生息・生育・養殖できる閉鎖系循環水浄化(槽)池を創ることである。
【0020】
更にまた、前記循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材で酸欠と腐敗を抑制した水を用いて、地球環境に優しい再生エネルギーを用いた住宅・建造物用の空調システムを創ることである。
【0021】
更にまた、前記循環水の安価な浄化・吸着・pH調整基材で酸欠と腐敗を抑制した水を用いて、現在の人間社会で汚染されてきた河川・湖沼の水の浄化施設システムを提案して創ることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、前記樹脂廃棄物と前記植物性廃棄物とに塩化合物を添加して有効利用した混練物(木炭・pH調整剤混練樹脂塊)である。該木炭・pH調整剤混練樹脂塊は植物を効率よく育成することの出来る植物育成用粒状資材用にも有効に加工出来、前記植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻等と前記ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性樹脂と塩化合物を一緒に混入して300℃から400℃の熱処理で炭化した該植物性バイオマス樹脂である。
【0023】
該木炭・pH調整剤混練樹脂塊は前記300℃から400℃の熱処理で炭化した木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻等の植物材料と前記300℃から400℃の熱処理で軽度に分解して小分子化した該ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性樹脂と塩化合物との混練物である。先ず、通気性・保水性・吸着性とpH調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊を製造することである。
【0024】
更に、本発明は、前記樹脂廃棄物と前記植物性廃棄物を有効利用した該樹脂廃棄物と該植物性廃棄物とpH調整剤である塩化合物の混練物である木炭・pH調整剤混練樹脂塊から造られ、植物を効率よく育成することの出来る植物育成用粒状資材にも有効に加工使用できる通気性・保水性・吸着性・pH緩衝調整機能を有する炭化バイオバス粒状樹脂を製造するために、前記樹脂とバイオマスである前記植物性廃棄物にpH緩衝調整剤である塩化合物の粉末を添加混連した混練物である前記木炭・pH調整混練樹脂塊を5mm以下程度の粒子状に破砕機で破砕・粉砕して、通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能を有する炭化バイオバスを含む木炭・pH調整剤混練粒状資材を製造することである。
【0025】
更にまた、本発明は、前記樹脂廃棄物と前記植物性廃棄物を有効利用した該樹脂廃棄物と該植物性廃棄物と塩化合物の混練物である前記木炭・pH調整剤混練樹脂塊を破砕機で5mm以下程度の粒子状に破砕・粉砕して木炭・pH調整剤混練粒子の木炭と塩化合物の表在面積を広げて通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能を向上した。
炭化した前記植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻と塩化合物粉末粒子は300℃から400℃の熱処理で軽度に分解して小分子化した樹脂から露出していて、その性質は木炭と同様な吸着性・通気性を保持しており、脱臭性も保持した保水性木炭・pH調整剤混練粒状資材粒子であり、pH緩衝調整機能を有している。該木炭・pH調整剤混練粒状資材粒子は炭化粒子と塩化合物粉末粒子を、熱処理で軽度に分解して小分子化した樹脂で、相互に接着させた粒状形状維持強度の高い木炭・pH調整剤混練粒状資材であり、該木炭・pH調整剤混練粒状資材を前記植物育成用粒状資材或いは閉鎖系循環水の浄化・吸着・pH緩衝調整基材として利用することである。
【発明の効果】
【0026】
上述したように本発明の木炭・pH調整剤混練粒状資材は、図1に示す様にバイオマスである前記植物性木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻(図1のP)と前記ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性樹脂(図1のR)とpH緩衝調整剤(塩化合物)粉末(図1のα)を一緒に混入して熱処理で炭化したバイオマス・塩化合物混練樹脂である。
該植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは稲藁・籾殻(図1のP)と該ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂(図1のR)と塩化合物(図1のα)を圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の条件下で混練機(ルーダー)(図1の1)を用いて混練してあるので植物バイオマス材は炭化され、該炭化バイオマスは熱可塑性樹脂が軽度に分解して小分子化して炭化粒子や塩化合物粉末同士を相互接着した混練物である。
通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)から破砕機(図1の2)で5mm以下程度の粒子状に破砕・粉砕製造された木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は製造コストが安価であり、合成樹脂の分解毒素も無く、粒状形状維持強度も高くリサイクル使用も可能である。
【0027】
また、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、木炭の性格である通気性・吸着性を保持しており、炭化粒子が低分子化された熱可塑性樹脂(図1のR)で相互に接着された構造になっているので保水性も高まり、水のpH緩衝調整機能も持っている。
【0028】
更にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、従来のセラミックス性粒状資材より軽く安価で、木炭より形状維持強度が高く安価で再生使用できる。
【0029】
故に、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、粘土質が多く含まれる土壌に適度に混ぜると図示いてはいないが粘土質土壌の性質である通気性・水捌けが悪い性質が改善され土壌pHも適度に調整される。
【0030】
故にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は、砂地の多い土壌の30cm程度の下層に敷き詰めるとその砂地に保水性と土壌pHが調整できる。
【0031】
更にまた、本発明の前記木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)を5mm以下程度の粒子状に粉砕した木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)の内の3mm以下程度の粒状資材(MS)は、一般的には該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS):ピートモス:発酵肥料=6:3:1の割合に有機肥料(Y)を混ぜて植物育成用人工土壌(MSa)を造ると水耕栽培に最適な植物育成用人工土壌(図2、3、4、6、7のMSa)ができ、従来の水耕栽培では生育しなかったメロン(図6のP4)やスイカやトウモロコシやジャガイモ(図7のP5)や種々の豆類やお茶の木等の種々の植物種の育成も可能になった(メロン・スイカの場合は、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS):ピートモス:発酵肥料=5:3:2が最適)。即ち、本発明で用いる水耕鉢(Wp)は図3と図7に示すようにネット状有底枠体(Wp1)と水盤箱(Wp2)とから構成されており、ネット状有底枠体(Wp1)の深さは15〜20cm程ありので、メロンやスイカやトウモロコシやジャガイモやアスパラ、ブルーベリー、お茶の木等も生育できる。この時、確実に根付くと水やりを数日しなくても植物は生育しているので、若夫婦がマンションのベランダ等で家庭菜園として栽培するのにも向いている。
【0032】
更に、農耕用土壌のみを用いたプランター鉢と木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を5mm以下程の粒子状に粉砕した該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)を用いた水耕栽培鉢(WP)でゴーヤ(ニガウリ)を同時栽培したところ、該木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を5mm以下程度の粒子状に粉砕した該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の内の3mm以下程度の粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)で水耕栽培したゴーヤ(ニガウリ)の方が、農耕用土壌のみを用いたプランター鉢のゴーヤ(ニガウリ)よりも成長が早く約2倍の速さで成長してその大きさも約2倍に成長した。
木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)のみを植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)として使用する場合には、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)自体は本来、植物の栄養素は含まれていないんので肥料の配合が必要である。
【0033】
本来土壌とは、『生物が進出する前にも、陸地を形成していた岩石は原始大気の中に含まれていた強い酸性物質を溶かしこんだ雨に打たれ、風に吹かれて風化し、粘土や砂のような細粒の物質、レゴリス(regolith)とか砕屑物(clastic materials)といわれるものを地表に形成していたと思われる。しかし、ここには生命はなく有機物も含まれていなかった。陸地に生物が出現して初めて、レゴリスは土壌に転化する契機を得たのである。レゴリスから土壌への変化の過程を類推させるのは、火山噴出物の上に土壌が形づくられていく様子であろう。伊豆大島で過去いろいろな年代に噴き出した溶岩の上で、土壌が形成され植生が発達していく過程を噴出年次に従って追跡した手塚の研究(1961)がある。それによると、溶岩の上に、風化した砂質の砕屑物がたまって砂漠的な景観を作り出すまでにほぼ200年かかっているが、一度そこにイタドリやスゲのような植物がとりつくと、枯れた植物遺体が砂に入り、有機物がたまり始め、それを利用する動物や微生物が住み着き、少しずつ生物の住処としてより好適な培地につくり変えていく。その結果、次の段階では新しい培地によりよく適応した生物種が優占するようになり、いわゆる遷移の階梯が進むことになる。そして、1,000年以上もの時間の中で、植物の遷移に伴ってレゴリスはより深くまで土壌に変わり、その中に有機物や養分を蓄えることによって、大島の気候に適応した常緑広葉樹(ツバキ、シイ、タブなど)主体の森林を育てるまでになるのである。・・・土壌は生物によって育まれ、その結果として生物を支え養う能力をもつようになったものである。このように生物との関係で土壌を考える時には、温度、光、空気、水など、生物の生存のためのすべての条件が満たされていることが前提となっている。そして、この前提が成り立つのは、地球の表面だけであるというのが、前節で強調された点である。』(非特許文献1)
【0034】
更に、『土といえば何となく俗っぽく、土壌といえば学問的な感じがする。けれども土という表現にはある種の親しみやすさがあることも事実である。それは土がわれわれの身近な存在であるためであろう。土がどのように定義されているかを調べてみると、ほとんどの場合、次の3項目は共通していることに気がつくであろう。
1. 地表を薄く覆っている、ゆるく結合した天然の物質である。
2. 岩石の風化生成物と植物の分解残留物の混合物である。
3. 植物の生育を支えることができる物質である。
土が生成するためには岩石の風化が起こらなければならない。風化生成物のなかには物理的に、たとえば機械的に破砕されて生じた粒子も含まれるが、多くは化学反応の産物である。風化生成物は、風化の起こった物理的・化学的条件によって異なっている。このため、土の種類は地球上の場所によって著しく異なっている。土の分類というのは土壌学において重要かつ困難な課題となっている。
土の構成成分は、粗粒の無機物、コロイド状の無機物、有機物、生物体、土壌溶液、土壌空気に分けることができる。
土が植物の生命を維持するためにはさまざまな条件が必要である。気温、降水量などは植物が生育しうるか否かを決定する基本的条件であるが、これは土に対して要求される物理的・化学的因子ではなく、気候的因子であるから、議論からは除外する。土の物理的・化学的因子として考えられるものは、水と養分(N,P,Kのほか各種の必須微量元素)を保持する能力である。しかしこれが極端になっても具合いが悪い。透水性の小さい土では、土の中の水の流動が悪く、溶存酸素が土の中の有機物と反応して消費しつくされてしまうと、植物の根は無酸素水中に浸された状態となり、呼吸がさまたげられてついには窒息してしまう。水の保持能力とともに、これとは正反対の透水性、通気性も要求されることになる。養分となる元素の場合も、これが土の粒子と強く結合してしまえば、植物がそれを吸収することは不可能となる。
土が岩石の風化でつくられた無機物微粒子の集合体であって、有機物をまったく含まなかったとしよう。これらの微粒子はその多くが粘土鉱物と呼ばれるアルミノケイ酸塩と、Fe2O3・nH2O、Al2O3・nH2Oに代表される水和酸化物である。水分が共存する状態では、これらの粒子はたがいに付着し、ついには全体が一つの塊になってしまい、植物の生育には不適当な環境をつくり出してしまう。有機物はこれらの無機粒子の表面に吸着され、無機粒子どうしの直接的接触が起こらないように防ぐ役割をしている。このような有機物は植物の分解で生じたOH基、COOH基を含む高分子物質であって、イオン交換性もあり、植物の生育に必要な元素をゆるく保持することにも寄与している。
土壌の構成する粒子の毛管中に保持されている水が土壌溶液である。土壌溶液と粒子との間にはイオン交換や吸着に基づくある種の平衡が存在し、これが土壌溶液中の溶存種の濃度を制御する働きをしている。湧水は希薄溶液であるが、溶存種の濃度が雨ごとに異なるのはもちろん、一続きの雨においてさえも一定ではない。このような雨が降るにもかかわらず、湧水の組成は一定である。これは上に述べたように、土の中で溶液−粒子間の平衡によって濃度の調節が行われた結果であろう。
土は植物を育てることによって大気の組成を制御するとともに、繁茂した植物(森林)と協力して降水の流出を調整する役割を果たしている。別の表現をすれば、土は地球表層の環境調節器である。土が人類にとって重要な資源といわれるのは、それが食糧生産の場ということだけに基づいているのではないことを銘記すべきである。』(非特許文献2)とあり、
【0035】
即ち元来、土壌の元は『原始地球の岩石が風化・破砕・細塵化した無機質なレゴリス(regolith)とか砕屑物(clastic materials)といわれるものを地表に形成したものにバクテリア・植物・動物の排泄物や死骸の有機質(栄養肥料)が付着・吸着・混和成長したものである。』
【0036】
本発明の人工土壌の元に相当する木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は、地球上の土壌の元である『岩石が風化・破砕・細塵化した無機質なレゴリス(regolith)とか砕屑物(clastic materials)』同様にその中に有機肥料分は含まれておらず、含まれている有機質は人間によって合成された熱可塑性合成樹脂とバイオマス(植物性材料)が圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の条件下で混練機(ルーダー)(図1の1)を用いて混練する工程で植物バイオマス材は炭化され、該炭化バイオマスは熱可塑性樹脂が軽度に分解して小分子化して炭化粒子を相互接着した熱可塑性合成樹脂と一部炭化されずに残った植物材料のみで、その他は細菌類も熱で殆ど死滅・分解しており、有機肥料分に相当するものは存在していない。
【0037】
更にまた、段落(0030)に記載されている様に、『土壌(土)は岩石の風化・破砕・細塵化した微粒子はその多くが粘土鉱物と呼ばれるアルミノケイ酸塩と、Fe2O3・nH2O、Al2O3・nH2Oに代表される水和酸化物』であり、殆ど金属イオン等が結合した化合物塩である。
【0038】
それに対して本発明の植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)は植物性材料(P)と熱可塑性合成樹脂(R)と塩化合物(α)を圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の条件下で加熱混連した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を5mm以下程の粒子状に粉砕した該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の内の3mm以下程度の粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)であり、該混連粒状資材(MS)には塩化合物(炭酸塩化合物・リン酸塩化合物、蛎殻粉砕粉、石灰岩(方解石・大理石)である炭酸塩鉱物の粉砕粉、ゼオライトであるアルミノケイ酸塩鉱物の粉砕粉、トルマリン(tourmaline)であるホウケイ酸塩鉱物の粉砕粉、硼砂(borax)であるホウ酸塩鉱物の粉砕粉等)のpH緩衝調整材が混連・含有されている。これは、自然土壌の構成体と酷似しており、段落(0030)の肥料分に相当する『・・・有機物はこれらの無機粒子の表面に吸着され、無機粒子どうしの直接的接触が起こらないように防ぐ役割をしている。このような有機物は植物の分解で生じたOH基、COOH基を含む高分子物質であって、イオン交換性もあり、植物の生育に必要な元素をゆるく保持することにも寄与している。』と本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を混和して造った植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)の有機肥料(Y)分の有機物も同様な働きをしている。この植物育成用粒状資材(人工土壌MSa)の粒状径の大きさは3mm以下程度にすることが望ましい。
【0039】
即ち、本発明の人工土壌は育成植物の種類によって土壌の肥料バランスやpH域を調整できる本来の自然土壌が出来上がる工程を踏まえた人工土壌である。
【0040】
現在の土壌は農薬や化成肥料で土壌が酸性域に傾き、或いは塩害や酸性雨・都市化・放射能等での汚染土壌が増加してきて、地下水の汚染や枯渇も問題になっており、若手の農業従事者は土壌作ることに努力し始めていることにも、その土壌作製確認実験の『モデル作り』としても使える。
【0041】
一方、人工土壌の中には安価土壌として浄化槽の汚泥を乾燥させたものを発表・販売し始めている業者も出て来ているが、水の汚染問題や生活排水・産業排水の浄化技術やルールが完成していない現代社会において非常に危険な土壌代用品であると考える。
【0042】
更に、前述段落(0030)の様に一般的植物・動物が育成・生息している『土壌とは
1. 地表を薄く覆っている、ゆるく結合した天然の物質である。
2. 岩石の風化生成物と植物の分解残留物の混合物である。
3. 植物の生育を支えることができる物質である。
であり、』 例えばブナ等の広葉樹林や自然界の密林の土壌には、多くの生物が生息しており落葉や排泄等生物の生活サイクルで栄養分と水分とが粗粒の無機物、コロイド状の無機物、有機物、生物体、土壌溶液、土壌空気の構成体として蓄えられ、これら『土壌の構成する粒子の毛管中に保持されている水が土壌溶液であり、土壌溶液と粒子との間にはイオン交換や吸着に基づくある種の平衡が存在し、これが土壌溶液中の溶存種の濃度を制御する働きをしている。湧水は希薄溶液であるが、溶存種の濃度が雨ごとに異なるのはもちろん、一続きの雨においてさえも一定ではない。このような雨が降るにもかかわらず、湧水の組成は一定である。これは上に述べたように、土の中で溶液−粒子間の平衡によって濃度の調節が行われた結果であろう。』とある。
【0043】
本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)には、通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能があり、この性格を利用して閉鎖系循環水(図13、図14、図15、図16)の浄化材として効果的に使用できる。これは該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)の前記植物性バイオマスである木屑・大鋸屑或いは麦藁・稲藁・籾殻等の炭化構成部分がアンモニア、有機物、藻類等を吸着して若しくはろ過して除去するとともに、バクテリアが生息する生物膜を形成し、吸着されたアンモニアや有機物等は亜硝酸体窒素の酸化浄化バクテリア(亜硝酸菌)によって分解することができる水の浄化システムを積極的に構築することを助けるからであると共に、該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)中に一緒に混連されている塩化合物が水のpH緩衝調整の働きを担うからである。この時、該木炭混練粒状資材(図1のS)の粒状径は3mmから5mm程度の大きさに統一することが望ましい。炭酸カルシウム塩とリン酸カルシウム塩を添加混連した木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(浄化基材MS)を用いて、水棲生物が生息している閉鎖型循環浄化槽(池)の水をpH7.2、亜硝酸体窒素含有濃度0.12ppm前後に一年以上安定維持できている。
【0044】
図14と図16は閉鎖系循環水浄化池(槽)の平面図13と断面図15の実施例写真図であるが、図14内の動植物は浄化材である木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は一年以上交換することなく健全に生息・生育しており、図16内で元気に泳いでいる魚は、従来公的水産試験場でも不可能とされている白鮭の閉鎖系循環水浄化池(槽)での孵卵・飼育に100%成功した放流直前の稚魚の写真である。大きな魚(鮭)の卵内には漿液蛋白質が多く含まれているが、孵卵時に水中へ溶出した該漿液蛋白質を該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)は確実に浄化している証拠である。
【0045】
現在の温暖化等の天候不順と原発事故による電力不足の中で、電気エネルギー等の倹約が叫ばれている。現在、住宅・建造物(図18の16)の空調システムは冷媒(ガスG:以前はフロンガス)の熱交換機による室内機27と室外機38の間の圧縮加熱・揮発冷却の循環システムを利用しているが、この冷媒ガス循環システムの消費電気量は扇風機の消費電気量に比較すると非常に大きな電気量を消費する。そこで、特許文献13と特許文献14に示すように室外機の放出・廃棄熱エネルギー41の再利用のシステム(図18のヒートポンプユニット38)が開発されてきていて、環境に優しい従来のエアコンシステムの消費電気量の3分の1程度を目指しているシステムが存在している。
【0046】
しかし、この前記エアコンシステム(図18)は室外機38の放出・廃棄熱エネルギー41の再利用はしているが、自然エネルギーを使用した再生エネルギーではない。そこで、本発明の循環水を木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)を用いて浄化・循環する冷媒水を図17の深く(h2:8m以上程、L2:30cm)掘られた地熱エネルギー交換装置1(23)で循環・冷媒水(Wt6)を地熱まで冷やし、逆に温水にするためには太陽熱温水器(太陽エネルギー交換装置2)10を通過させる空調システムを構築すると、循環・冷媒水(Wt6)の腐食がない。循環水の流路は切り替え装置(19)で切り替える。この空調システムの使用電気量は該循環水浄化装置(Wt1〜4 )と該循環・冷媒水(Wt6)を地熱エネルギー交換装置1(23)と太陽熱温水器(太陽エネルギー交換装置2)(10)の間を循環させる為のポンプ25(Wt4)とラジエーター(放熱器)18で作られた空気を送るファンを動かす電気量のみあり、従来のエアコンシステムの消費電気量の5分の1以下であり、より環境に優しい自然再生エネルギーを利用した住宅・建造物用空調システムを構築できる。
【0047】
図19は二層循環型閉鎖循環水浄化池の実施写真であるが、構築構造は図13(平面図)と図15(断面図)の応用である。この二層循環池は上部池45(Wt1)と下部池46(Wt5)とで構築されていて、該下部池46(Wt5)から該上部池45(Wt1)にマグネットポンプ(水車、図13〜16のWt4)で循環水(W2)を汲み上げて、該上部池45(Wt1)の大きなゴミやフロックを濾過槽(Wt2)のナイロンマット(図15・16の8)で濾過除去して浄化槽(Wt3)の浄化材(木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材)(図1のMSb)で浄化再生した循環浄化水44(Wt15・W1)を循環水循環管(Wt13)を通し溶岩石状肌岩(Md)の表面(Mb1)を滝状にして再度前記下部池46(Wt5)上に落下投入後、該下部池46(Wt5)内の玉砂利の下に隠れている水棲生物或いは大ゴミ除去ネット(St1or St2)内の前記マグネットポンプ(水車、図13〜16のWt4)で前記上部池45(Wt1)内に汲み上げて循環している。該二層循環型閉鎖系循環水浄化池装置(Wt)は浄化材(木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材)(図1のMSb)を一年以上交換することなく蒸発した水量を加えるのみで一年以上循環水(W2)は腐敗することなく、この水中で生息している水棲生物(植物・魚・蛍等)が飼育できている。
【0048】
この事は、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)には、図17の住宅・建造物用空調システムの循環・冷媒水(Wt6)に用いても該循環水は腐敗せずに、少なくとも一年以上循環使用することができる事を証明している。
【0049】
更にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)には、図20に記載した如く、汚染河川・湖沼の浄化を自然浸透水法との併用で循環浄化ができる能力がある。
【0050】
更にまた、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)を用いて図21(全体平面概念図)と図22(浄化回転循環連結部の断面概念図)に示す様に庭園或いは中庭やショールーム用閉鎖系水棲生物循環浄化池(Wt)を施工することができる。構築構造は図13(平面図)と図15(断面図)の応用である。
【0051】
破砕・粉砕する前の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)の段階で、図8・図9・図10・図11・図12・図14の様に溶岩状岩肌エコアート形状物ができる。これは溶岩状パネルMb(図8・図9・図12・図14・図19)溶岩風園芸鉢Mc(図10・図11)溶岩風岩石Md(図19)として園芸や都市の緑化、アトラクションの外装等に有用である。溶岩粒体を含んだ園芸鉢の先行技術として特許文献12があるが、これは溶岩粒体とセメント粒体との合成加工品であり重量も重い。本願発明の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(図1のM)段階で造られる形状は自然界の溶岩石の様に同じ形状の鉢やパネル板は出来ないが、非常に趣のある恰も溶岩肌表面(Mb1)の様であり重量も軽く、苔(P7)の生えるパネルや園芸用植木鉢や溶岩風岩石として使えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に関わる木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明に関わる樹脂廃棄物(R)と植物性材料(P)にpH緩衝調整材(α)を添加混連作製した木炭・pH緩衝調整剤混樹脂塊(M)を徐冷・破砕作製した木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に有機肥料(Y)を添加混和してできるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)の模式イメージ図である。
【図3】図2を用いた植物の木炭・pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いた育成方法を説明するための概略断面図である。図Aは種植えで図Bはその成長した植物イメージ図である。
【図4】図3の実施写真図(トマト)である。
【図5】図4とは別の実施写真図(ゴーヤ)で、プランター自然土壌5と木炭・pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)用水耕鉢(Wp)との成長の差を比較している。
【図6】図5とは別の実施写真図(メロン)である。
【図7】図6とは異なる実施写真図(ジャガイモ)である。
【図8】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練樹脂塊(M)で成形されたエコアート形状物(溶岩状パネルMb)のイメージ図である。
【図9】図8の溶岩状パネル(Mb)の溶岩状表面の実施写真図である。
【図10】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練樹脂塊(M)で成形されたエコアート形状物(植物育成用溶岩風園芸鉢Mc)のイメージ図である。
【図11】図10の溶岩風園芸鉢(Mc)の実施写真図である。植えられ生育植物(P11・12)と溶岩状表面に生えた苔類(P7)、水受け皿6である。
【図12】図9の溶岩状パネル(Mb)の実施例の写真図である。パネルの溶岩状表面に生えた苔類(P7)と閉鎖循環水浄化池の循環水(W2)と白糸の滝状循環曝気水(W1)である。
【図13】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した閉鎖型循環水浄化池(Wt)の説明概念平面図である。
【図14】本発明に関わる図13の実施例の写真図である。
【図15】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した閉鎖型循環水浄化池(Wt)の説明概念断面図である。
【図16】図14とは異なる実施写真図(白鮭の孵卵から放流直前稚魚の飼育)である。図Aは木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した孵卵飼育用閉鎖循環水浄化池(Wt)で図Bは木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を利用使用した汎用観賞用閉鎖循環水浄化水槽である。
【図17】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材(MSb)を用いて深層地熱利用再生エネルギーで雨水循環水利用使用した住宅・建造物用空調装置のシステム説明概念図である。
【図18】図17の空調システム装置ではない現在使用されている冷媒ガス型エアコン装置の概念説明図である。
【図19】図16とは異なる実施写真図(二層型閉鎖循環水浄化池)でのメダカ・カワニナ・蛍飼育槽の一例の実施写真図である。
【図20】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製の水の浄化材(MSb)を用いて大型浸透水自然深層地熱再生エネルギー併用型の河川・湖沼水循環浄化施設の概念断面説明図である。
【図21】本発明に関わる木炭・pH調整剤混練粒状資材製の水の浄化材(MSb)を用いての庭園用閉鎖型円形回転循環水浄化池の実施例概念図である。
【図22】図21の回転循環浄化水の浄化回転循環連結部の断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明を実施するための形態について、図面1から22に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明においては、まず、本発明にかかる木炭・pH調整剤混練粒状資材の製造方法について説明し、その後、製造した木炭・pH調整剤混練粒状資材の利用方法について説明する。
【実施例】
【0054】
(製造方法の実施例)
図1はポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂の新材も使用できますが、リサイクル材(R)を主に用いる。植物材としてはバイオマスであるがまだ多くが廃棄されている麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑等の植物性材料(P)を用いてこの合成樹脂(R)と植物性材料(P)と塩化合物(pH緩衝調整材)αを圧力約50kg/平方センチメートル、300℃以上400℃以内の条件下で混練機(ルーダー)(図1の1)を用いて混練後徐冷した混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mを破砕機(図1に2)で破砕・粉砕して木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)を製造することを特徴とする。そして、本発明によれば、樹脂(R)と植物性材料(P)と塩化合物(pH緩衝調整材)αを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練するため、植物性材料が炭化し、その部分に通気性・保水性とpH緩衝調整機能を持たせることが出来て混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mの通気性・保水性・吸着性とpH緩衝調整機能が向上するので該混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mの岩肌状表面には苔が生える。また前記混連時の素材混入比率例としては、熱可塑性合成樹脂(R)20〜30%、植物性材料40〜50%、塩化合物約25%(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)で実施した。
【0055】
また、混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mを破砕機(図1の2)で、5mm以下程度の粒子状に破砕・粉砕することで、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(図1のMS)の木炭と塩化合物の表在面積が広がり通気性、保水性、吸着性とpH緩衝調整機能が向上して、図2のA は図1Aの樹脂廃棄物(R)と植物性材料(P)のみを混連した木炭混連樹脂塊(Ma)に塩化合物(α)を加えて一緒に混連して製造したことに因って機能性がより広く高く向上した炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)を図2Bで表現し、図2Cで該炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)の破砕・粉砕物である肥料含有率0%の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)、図2Dで土壌肥料含有率0%の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)と有機肥料(Y)との配合物であるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)の作製工程を示している。故に、pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)は通気性、保水性、吸着性とpH緩衝調整機能と土壌肥料配分量を植物の生育環境に好ましい条件に調節することが出来る。
【0056】
また、図1に示すように、まず、本発明にかかる木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の材料として、樹脂廃棄物(R)と、植物性材料(P)と塩化合物(α)を用意する。樹脂廃棄物(R)は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ペット等の熱可塑性樹脂であって、一般成型工場よりスクラップ等から受け入れられ、植物性材料(P)は、稲作に伴って発生する稲藁、籾殻、製材に伴って発生するチップ、木屑、大鋸屑等であって、一般農家、製材所等から受け入れ、また塩化合物は例えば海辺の蛎加工場の蛎殻廃棄物やゼオライト等の鉱物塩を破砕・粉砕して手に入れることができる。
【0057】
次に、受け入れた樹脂廃棄物(R)および植物性材料(P)と塩化合物(α)を混練機(図1の1)に投入し、圧力約50kg/cm2、300℃以上400℃以内の高圧高温下で混練する。これによって、植物性材料(P)が炭化するとともに、樹脂廃棄物(R)と植物材料(P)炭化物と塩化合物(α)の粉砕粉とが均一に混合されて塊状となった混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mが生成される。尚、混練機(1)内の圧力は、混練機(1)から粘性を有する樹脂混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mが押し出し排出可能であれば50kg/cm2程度に限定されない。また、混練機(1)内の温度は、300℃以上400℃以内に設定するが、この温度が高すぎるとエネルギー損失が大きくなるので、熱可塑性樹脂(R)の融点以上で完全分解しない300℃を僅かに超えた値に維持することが望ましい。
【0058】
次に、上記混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mを、徐冷した後、粉砕機(2)(13mmメッシュ)、粉砕機(2)(8mmメッシュ)で 5mm以下に破砕・粉砕して木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を得ることが出来る。
【0059】
尚、上記実施の形態においては、ポリプロピレンやポリエチレンやペット等の樹脂廃棄物(R)を用いる場合について説明したが、廃棄物ではない樹脂を用いることも出来、植物性材料(P)に付いても、稲藁、籾殻、麦藁、チップ、木屑、大鋸屑等通常廃棄される物を用いたが、廃棄物ではない植物性材料を用いることも出来ることは勿論であるし、塩化合物(α)も種々の鉱物塩の破砕・粉砕粉を用いることができる。
【0060】
以上のように、本発明によれば、廃棄物を有効利用しながら混練物(木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊)Mから木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を製造することができる。
【0061】
上述のようにして得られた木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は、保水性が少なくとも30%以上と高く、5mm以下に粉砕しているため木炭と塩化合物の表面積が広がり通気性・保水性や吸着性とpH緩衝調整機能も高く、
該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の機能的性格は木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂であるので、
1) 保水性が高い性格。
2) 通気性が高い性格。
3) 吸着性が高い性格。
4) 水の安定したpH調整能力が高い性格。
5) 種々の塩化合物を添加でき、水のpH調整域を変更できる。
6) 木炭単品より硬度があり粒状形状維持強度が高く、資材(MS)の接触面積が広く保てる。
7) 形状維持能力が高く、リサイクル性が高い。
上記1)2)3)4)5)6)7)記載の性格により、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)には水や空気の浄化性能力が高い機能的性格があり、
1〕 水耕栽培に適した植物育成用粒状資材(pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌MSa)(使用方法の実施例1)のみならず、
2〕 水の浄化に適した水浄化粒状資材(浄化基材 MSb)を用いた循環浄化池(使用方法の実施例2)や
3〕 水の高い浄化力と形状維持能力とリサイクル性用いた(使用方法の実施例3)に使用出来る。
また、木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)は、通常の素焼き鉢やプラスチック鉢より通気性と保水性と殺菌性とpH緩衝調整機能があり、
4〕 苔の生える溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)や溶岩風岩石(Md)(使用方法の実施例4)として機能性の高い木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂製エコアート形状物になる。
【0062】
(使用方法の実施例1)
次に、本発明の上記木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の利用方法について、図3から図22を参照しながら説明する。
【0063】
本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は植物育成用粒状資材(pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌 MSa)として使用できる。
【0064】
図2は木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)と有機肥料(Y)との配合で出来上がるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を表現しているが、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は約300℃の高熱処理されているため、元来の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)自体には植物に必要な栄養素は含まれていないので天然土壌との配合をするか、或いは木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)と有機肥料(Y)を混ぜる必要がある。図3Aはネット状有底枠体(WP1)であり、Cは水盤箱(WP2)であり、ネット状有底枠体(WP1)は水盤箱(WP2)上部に重なり嵌合して、二重構造の水耕栽培用植木箱(WP)である。この場合、栽培植物の根は背光性の性格であるので、ネット状有底枠体(WP1)と水盤箱(WP2)上部の重なり嵌合部から外の光が二重構造の水耕栽培用植木箱(WP)の内部に差し込まないように設置しなければ成らない。
【0065】
図3Aは水盤箱(WP2)に水(W)を張り、その上方の網目状の底を有するネット状有底枠体(WP1)に上記pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を10〜15cm程度の厚さに敷き詰め、その中に植物の種子(Se)を蒔く。木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)そのものには肥料分がないため、木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)のみを植物育成用粒状資材として使用する場合には、肥料を木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)に混ぜる必要がある。
【0066】
また上記状態で水耕栽培を行う時、事前に水を十分補給しておくとpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)は保水率が高いため、種子(Se)の発芽に要する水分と、上記肥料による養分を種子(Se)に与えることが出来、種子(Se)の発芽を促し、発芽後の生育に寄与する。そして、図3Bに示すように、植物(P1)が生育して根が水(W)に達すると、水(W)から直接水分を補給することが出来、順調に育成する。
【0067】
上記種子(Se)の発芽及び植物(P1)が生育の際には、上記植物育成用粒状資材であるpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)が炭化物と塩化合物を含むため、水の浄化作用があり、前記木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を浸した水のサンプルを採取して化学分析を行ったところ特性の元素は検出されず、20℃でpHが7.0の中性域であった。また、下の水盤箱(WP2)の水がある限り蒸発した水分がその上のネットを通して保水性の樹脂の性質上、人工土壌(MSa)の水分が保たれる。
【0068】
図4は、トマト桃太郎福征(P2)の前記pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いた水耕栽培の実施写真図である。P2a はトマト桃太郎福征(P2)の葉を示し、WPは水耕鉢、WP3 は育成植物トマト桃太郎福征(P2)の支え棒、MSaはpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌を示している。
【0069】
図5は、ゴーヤ(イガウリ P3)の実施栽培の写真図である。WPは水耕鉢、3はゴーヤの支持棒、4は自然土壌で同時栽培したゴーヤ、5はその自然土壌を入れたプランターであり、生育状態は自然土壌でのゴーヤの生長がX-Xラインの時、本発明の pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)での水耕栽培のゴーヤ(P3)の成長は約2倍近く建物の屋根まで達していた。
【0070】
また図6は、本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いたメロン(P4)の栽培実施写真で、水耕鉢(WP)、支持棒(WP3)である。
【0071】
更にまた、図7Aは本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いたジャガイモ(P5)の栽培実施写真図で、図7Bは説明図である。茎(P51)、葉(P52)、水耕鉢(WP)、ネット状有底枠体(WP1)、水盤箱(WP2)、水盤箱の水(W)であり、水盤箱(WP2)深さh1は15〜20cmで人工土壌層の厚さ10〜15cmである。
【0072】
図示はしていないが、本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)は種々の土壌(水捌けの悪い粘土質土壌や砂漠状土壌や水質の悪い土壌等)の通気性・保水性・土壌pH・土壌水の浄化改善に役立つ。
【0073】
(使用方法の実施例2)
また、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は水の浄化粒状資材(浄化基材 MSb)として使用出来る。
【0074】
上記木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)の水の浄化基材(MSb)として使用する利用方法について説明する。図13は閉鎖系循環水の浄化槽付き水性生物飼育水槽(Wt)の平面概念図で図15はその浄化機能部断面図である。沈澱槽(Wt1)、ナイロンマット(8)濾過槽(Wt2)、吸着・通液濾過槽(Wt3)で浄化粒状資材(浄化基材MSb)が収納設置されている。Wt4は水車・ポンプ・曝気、Wt6は循環水流路、Wt5は飼育槽、Wt7は循環水循環流出口、Wt8は循環水の浄化機能部入路口、7は循環水温度調節器(チラー)、Wt10金網金属板、Wt12は洗浄用バルブ、Wt9は水の補充通路、Wt16は浄化機能部下部仕切板、Wt11は浄化機能部の上部仕切板、Wt13は循環水循環管、Wt14は空気抜き孔、Wt15(W1)は浄化・曝気循環水を示している。
本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)はこの循環水の浄化機能槽の中で最も重要な機能を担当する吸着・通液濾過槽(Wt3)に浄化粒状資材(浄化基材 MSb)として収納設置されて汚水のナイロンマット濾過槽(Wt2)では取り除けなかった細かい汚れの吸着と亜硝酸体窒素の酸化分解無毒化するバクテリア(亜硝酸菌)の繁殖を助ける重要な水の浄化基材(MSb)としての機能を司る。
【0075】
また、図14、図16は本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を用いた閉鎖型循環水浄化槽(Wt)の実施写真図であり、Wt1〜4は浄化槽、Wt4は循環水チューブ、8はナイロンマット、MSbは水の浄化粒状資材(浄化基材)、St1、St2は水棲生物或いは大ゴミ除去ネット、Wt4はマグネットポンプ、Wt13循環水循環管、Wt14は空気抜き孔、P7は苔、P13は溶岩風園芸鉢の植物、Mcは溶岩風園芸鉢、W2は循環水、W1(Wt15)は(滝型)曝気循環浄化水、Mbは溶岩状パネル、F1は白鮭の孵卵飼育した放流直前の稚魚である。閉鎖型循環水浄化槽(Wt)での白鮭の孵卵飼育の成功は本発明が最初である。水棲生物である魚が生育できる水の亜硝酸体窒素濃度は0.26 ppm以下である。本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を用いた閉鎖型循環水浄化槽(Wt)での水棲生物が一年以上生息している水の亜硝酸体窒素濃度は0.12ppmでpH7.2であった。図19も本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を用いた閉鎖型循環水浄化槽(Wt)の実施写真図であるが水槽(池)は上(45Wt1)下(46Wt5)二段式である。
【0076】
(使用方法の実施例3)
次に、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を循環水の浄化基材としての能力と粒状形状維持強度とを合わせって考えると、図17に説明する様に住宅・建造物用空調装置を、雨水貯留水の循環浄化システムを利用して、冷媒循環水・自然エネルギー利用型システムとして構築できる。そのことを以下に説明する。
図17の9は雨水、10は太陽熱(約30℃程)温水器、11は太陽熱温水器への循環水配管、12は雨水を受ける軒樋、13は雨水流入配管、14は蛇口、15は給水ポンプ、16は住宅、17はエアコン室内機、18は放熱器、19は水路切り替え装置、20は地下貯留槽(予備タンク)、21は深々ブロック(貯留槽補強部)、22は庭用蛇口用配水路、23は地熱(約16℃程)エネルギー利用槽、h2は約8m程、L2は約30cm、24は地下大地断面、25(Wt4)は地熱再生循環水汲み上げポンプ、26は砂利層、32は空調空気の流れ、Wt1〜4は循環水浄化装置、St3はストレーナー、L1は約10cm、Wt6は(冷媒)空調循環水流路である。本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)である水の浄化粒状資材(浄化基材MSb)を用いれば、地熱と太陽熱の自然再生エネルギーを自然循環水を媒体にした地球環境に優しく消費電気量の少ない住宅・建造物用空調システムができる。
【0077】
図18は既に多くの住宅で普及使用されている従来の冷媒ガス(G)を用いた空調装置(エアコン)の概念断面図である。16は住宅、27は室外機、28は室温空気、29は室内機熱変換器、30はフィルター、31はシッロクファン、32は空調気流、33は結露・除湿装置、34は室内温排出媒体通路管、Gは媒体の流れ、35は結露・除湿水排出管、36は排出液、37は室内温度排出後の媒体通路管、38は室外機、39は室外機熱変換器、40は室外機熱放出ファン、41は室外放出熱、42はヒートポンプユニット、43は貯湯タンクユニットである。ヒートポンプユニット(42)と貯湯タンクユニットのシステムは環境と消費電気量の面で改善されてはいるが、これら従来の冷媒ガス(G)を用いた空調装置では、消費電気量がまだ多く、真の再生エネルギーを使用してはいない。
【0078】
更に、本発明の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)を循環水の浄化基材としての能力と粒状形状維持の高い機能を利用して考えると、該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は0.5kgから1.0kgで約50L以上の水を一年間以上繰り返し浄化できた。また該木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)は形状維持能力が高くリサイクル交換がし易い。以上の浄化基材としての性格と砂利層通過浸透法と地熱再生エネルギーとを併用すると汚染河川や汚染湖沼の水の浄化再生が可能と思われ、図20に示す。24は地中大地断面、48は汚染湖沼、48aは富栄養化での湖面の泡、49湖沼からの浸透水、50は第一砂利層、51は湖沼浸透水の流れ、52は第二砂利層、53は縦の溝孔、St4はストレーナー、54は第一次自然浄化地熱冷却湖沼浸透水、55は湖沼浸透水第一次自然浄化地熱冷却槽の密閉蓋、25(Wt4)は汲み上げポンプ、56は第一次自然浄化地熱冷却湖沼浸透水汲み上げ通路、57は湖沼浸透水浄化水流路、〔Wt1は沈澱槽、Wt2はナイロンマット濾過槽、Wt3は吸着・通液濾過槽浄化粒状資材(浄化基材MSb)〕の第二次人工浄化槽、58は第二次濾過浄化水地熱冷却貯留槽、59は濾過浄化水流路、60は濾過浄化水汲み上げ管、61(Wi4)は濾過浄化水汲み上げポンプ、62湖沼浄化水の湖沼返還水路、63(Wt15)は浄化・曝気返還水、63aは浄化・曝気返還水の拡散浄化を表す。
【0079】
(使用方法の実施例4)
更にまた、木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)は、通気性と保水性と殺菌性とpH緩衝調整機能があり、図8、図9、図10、図11、図12、図14、図19に示す様に苔の生える溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩石状肌岩(Md)として機能性の高い木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂製エコアート形状物を成形できる。
【0080】
図8は、通気性と保水性と殺菌性とpH緩衝調整機能を有した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)で創られたエコアート形状物である溶岩状パネル(Mb)である。Mb1は溶岩パネルの表面に突状に突出成形した棚状構造で、その上に植物P8が生育した苔玉(P6)が乗せられている。該苔玉(P6)は棚状構造(Mb1)に根付いていて、P7は苔植物、P3〜6とP8〜14は他の生育植物を示している。図9の溶岩状パネル(Mb)の溶岩肌表面(Mb1)と図11の溶岩風園芸鉢(Mc)と該溶岩風園芸鉢(Mc)の表面に生えた苔(P7)と図12の溶岩状パネル(Mb)の溶岩肌表面(Mb1)上に生えた苔(P7)と図14の植物(P13)が植えられた溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩状パネル(Mb)の溶岩肌表面(Mb1)上に生えた苔(P7)と図19の苔(P7)と生育植物(P14)が生えた溶岩状パネル(Mb)の突状に突出成形した棚状構造(Mb1)と溶岩石状肌岩(Md)と滝状循環水44(Wt15・W1)が落下している溶岩石状肌岩(Md)はエコアート形状物である溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩石状肌岩(Md)の実施写真図である。
【0081】
本発明のポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂(R)と麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑を代表とする植物性材料(P)と塩化合物(α)を300℃以上の温度条件下で混練することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)は、木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂であるので、通常の鉢より通気性と殺菌性とpH緩衝調整機能があり、他の園芸鉢より植物園芸用鉢としてアート性と機能性の高い。該木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂製のエコアート形状物である溶岩状パネル(Mb)と溶岩風園芸鉢(Mc)と溶岩石状肌岩(Md)に成形でき、該エコアート形状物の溶岩風表面である溶岩肌(Mb1)には苔(P7)が生え、生育植物(図19のP14)の根が張る。
【0082】
この時、植物生育土壌として本発明のpH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌(MSa)を用いると生育植物に病気や害虫が着くことが少なく思われる。また、この該エコアート形状物(Mb・Mc・Md)は同一形状に成形することは難しいが、その方が一見自然界の溶岩石で製造したように見えて溶岩石様風情がでる。
【0083】
上記、使用法の実施例の1〜4の(実施例1)木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)粒状径3mm以下から創られた植物育成用粒状資材(pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌MSa)と(実施例2)木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材(MS)粒状径3mm〜5mm以下から創られた水の浄化粒状資材(浄化基材 MSb)と(実施例3)水の浄化粒状資材(浄化基材 MSb)としての性格と砂利層通過浸透水と地熱再生エネルギーとを併用して汚染河川や汚染湖沼の水の浄化再生と〔実施例4〕木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊(M)で創られたエコアート形状物とそれらの技術を統合すると、庭園或いは中庭やショールーム用閉鎖系循環水浄化池(Wt)を施工できる。図21は閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)であり、水の流れ(62)は曝気投入水61(Wt15)の落下池部(65)から閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)を円形に流れて、循環水浸透地熱再生エネルギー汲み上げ池(64)まで流れて、汲み上げポンプ25(Wt4)で浄化水地熱再生エネルギー水循環管60(Wt13)を通して、再度落下池部(65)に戻り循環している。図22は図21の閉鎖系循環水の浸透地熱再生エネルギー汲み上げ池(64)まで流れて、汲み上げポンプ25(Wt4)で浄化水地熱再生エネルギー水循環管60(Wt13)を通して、再度落下池部(65)に戻る循環水再生浄化部の従断面図である。ストレーナー1(63)、砂利浸透濾過層(66)、ストレーナー2(St4)、立て溝孔(67)、砂利(68)、大地地下断面(69)、浸透地熱再生エネルギー水汲み上げ循環水(70)、閉鎖系循環浄化槽(Wt1〜3)、岩(71)、橋(72)、テーブル(73)、水辺の植物(P17・18・19・20)、木(P15・16)である。該閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)はその大きさは里山・公園・庭園・中庭・ショールーム内によって閉鎖系循環水浄化池(Wt)の大きさ規模を変えることができる。また、室内での閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)を施工する場合には、浸透地熱再生エネルギー装置を設置しない代わりに、室温の空調設備か循環池にチラーを設置すればよい。即ち、大規模の閉鎖系円形循環水浄化池(Wt)は本発明の全ての実施例とその技術を用いれば施工できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
河川・湖沼の浄化、陸地での魚の養殖・飼育、都市や高層ビルの屋上緑化で空気の浄化と炭酸ガスの削減、加熱都市の冷却と上昇気流の減少、自然の回復、天候の影響のない、無農薬農業の工業化と多次元の耕地面積の拡大等に利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 混練機
2 粉砕機
P 植物性材料
R 樹脂廃棄物
α pH緩衝調整材
M 混練物(木炭・pH調整剤混練樹脂塊)
MS 木炭・pH調整剤混練粒状資材
MSa 木炭・pH緩衝調整剤混連植物育成用人工土壌
MSb 木炭・pH調整剤混練粒状資材製水の浄化材
Wp 水耕鉢
WP1 ネット状有底枠体
WP2 水盤箱
Se 種子
P1 植物
W 水
Wt 閉鎖型循環水浄化池
St ストレーナー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性合成樹脂と植物性材料と塩化合物を300℃以上400℃以内の温度条件下で混練することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項2】
前記塩化合物が炭酸塩化合物とリン酸塩化合物の単体或いは混合体から構成されることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項3】
前記塩化合物が蛎殻を代表とする貝殻の破砕・粉砕粉から構成することを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項4】
前記塩化合物が石灰岩(方解石・大理石)である炭酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項5】
前記塩化合物がゼオライトであるアルミノケイ酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項6】
前記塩化合物がトルマリン(tourmaline)であるホウケイ酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項7】
前記塩化合物が硼砂(borax)であるホウ酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混連物の製造方法。
【請求項9】
前記植物性材料は、麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑を代表とする植物性材料であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混連物の製造方法
【請求項10】
前記熱可塑性合成樹脂と前記植物性材料と前記塩化合物とを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物を破砕粉砕することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法。
【請求項11】
前記熱可塑性合成樹脂と前記植物性材料と前記塩化合物とを混練した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物を5mm以下に破砕・粉砕することを特徴とする請求項10に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法。
【請求項12】
前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする合成樹脂と前記植物性材料と前記塩化合物との混連物である木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊を破砕・粉砕することを特徴とする請求項10又は11に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法。
【請求項13】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物とを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の混練物をエコアート形状物(植物育成用パネル・植物育成用鉢)として使用する成型物。
【請求項14】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を5mm以下に破砕・粉砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を植物育成用として使用する人工土壌粒状資材。
【請求項15】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を水の浄化目的で使用する水の粒状浄化材。
【請求項16】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を循環浄化池の循環水の防腐・浄化材として使用する方法。
【請求項17】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を住宅・建造物の地熱と太陽熱を利用した再生エネルギー空調装置温度調整水(冷媒)の防腐・浄化材として使用する方法。
【請求項18】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を下水浄化槽と河川・湖沼の地熱再生エネルギーとバクテリア分解能と吸着性を利用した浄化剤として使用する方法。
【請求項19】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を地熱再生エネルギー利用で放射能汚染水の浄化剤として使用する方法。
【請求項1】
熱可塑性合成樹脂と植物性材料と塩化合物を300℃以上400℃以内の温度条件下で混練することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項2】
前記塩化合物が炭酸塩化合物とリン酸塩化合物の単体或いは混合体から構成されることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項3】
前記塩化合物が蛎殻を代表とする貝殻の破砕・粉砕粉から構成することを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項4】
前記塩化合物が石灰岩(方解石・大理石)である炭酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項5】
前記塩化合物がゼオライトであるアルミノケイ酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項6】
前記塩化合物がトルマリン(tourmaline)であるホウケイ酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項7】
前記塩化合物が硼砂(borax)であるホウ酸塩鉱物の破砕・粉砕粉であることを特徴とする請求項1に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする熱可塑性合成樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混連物の製造方法。
【請求項9】
前記植物性材料は、麦藁、稲藁、籾殻、木屑、大鋸屑を代表とする植物性材料であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混連物の製造方法
【請求項10】
前記熱可塑性合成樹脂と前記植物性材料と前記塩化合物とを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物を破砕粉砕することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法。
【請求項11】
前記熱可塑性合成樹脂と前記植物性材料と前記塩化合物とを混練した木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である混練物を5mm以下に破砕・粉砕することを特徴とする請求項10に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法。
【請求項12】
前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリエチレン又はペットを代表とする合成樹脂と前記植物性材料と前記塩化合物との混連物である木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊を破砕・粉砕することを特徴とする請求項10又は11に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法。
【請求項13】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物とを300℃以上400℃以内の温度条件下で混練することを特徴とする木炭・pH緩衝調整剤混練樹脂塊である請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の混練物をエコアート形状物(植物育成用パネル・植物育成用鉢)として使用する成型物。
【請求項14】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を5mm以下に破砕・粉砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を植物育成用として使用する人工土壌粒状資材。
【請求項15】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を水の浄化目的で使用する水の粒状浄化材。
【請求項16】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を循環浄化池の循環水の防腐・浄化材として使用する方法。
【請求項17】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を住宅・建造物の地熱と太陽熱を利用した再生エネルギー空調装置温度調整水(冷媒)の防腐・浄化材として使用する方法。
【請求項18】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を下水浄化槽と河川・湖沼の地熱再生エネルギーとバクテリア分解能と吸着性を利用した浄化剤として使用する方法。
【請求項19】
前記樹脂と、前記植物性材料と前記塩化合物との混練物を3mm以上5mm以下に破砕することを特徴とする請求項10、11又は12に記載の木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材を地熱再生エネルギー利用で放射能汚染水の浄化剤として使用する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【公開番号】特開2013−34950(P2013−34950A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173750(P2011−173750)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(511194407)
【出願人】(595017665)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(511194407)
【出願人】(595017665)
【Fターム(参考)】
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