説明

通気性弾性複合体

本発明は、通気性の非弾性フィルム層およびスパンボンド布などの弾性不織布層を含んでなる弾性多層複合体に関する。本発明は、また、通気性非弾性フィルム層と弾性不織布層を用いてこの複合体を形成することを含んでなる、弾性多層複合体を製造する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2004年8月3日に出願され、そして引用により本明細書に組み込まれている米国特許暫定出願No.60/598,319への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
通気性フィルムと不織材料の積層物は、良好な手触りをもたらす水分透過性液体バリアとして普通使用される。通常の用途はおむつ(バックシート、サイドパネルおよび耳部分)、保護用アパレル医療用衣およびドレープである。このような積層物を製造するのに異なる技術が確立されている。例えば、モノリシックあるいはミクロ細孔性のフィルムであり得る通気性フィルムは、ホットメルト接着剤積層およびサーマルボンド法のような結合技術を用いて標準の非弾性不織材料と積層される。もう一つの例は、モノリシック通気性ポリマーにより押し出し被覆されている非弾性不織布である。水分は溶解/拡散過程によりこのようなモノリシックフィルムを通って移送され、空気透過性の不足を生じる開放空隙を通してではない。もう一つの例は、無機充填剤を含有する非弾性フィルムに積層され、引き続いて増分延伸/リング−ローリングまたは幅出し機のような手段により延伸され、無機充填剤の隣に微小空隙を生じる非弾性不織布である。これらの微小空隙はこの積層物に水分透過性と空気透過性をもたらす。もう一つの例は、炭酸カルシウムのような無機充填剤を含むポリマーにより押し出し被覆されている非弾性不織布である。生成する複合体は、増分延伸/リング−ローリングまたは幅出し機などの手段により延伸されて、無機充填剤の隣に微小空隙を生じる。これらの微小空隙はこの積層物に水分および空気透過性をもたらす。特許文献1は、このような通気性積層物を製造するための方法を開示している。
【0003】
上述のすべてのフィルム/不織布積層物は通気性であるが、使用されるフィルムと不織材料の性状により弾性でない。それゆえ、これらは市場で現れつつある改善されたボディフィットの要求に合致しない。今日まで、弾性の通気性フィルム/不織布積層物に対する唯一の実施の例は、標準の不織材料に積層された弾性の通気性フィルムを使用することである。このようなフィルムは特定の樹脂設計を必要とし、そして非弾性フィルムを無機充填剤により活性化することにより製造される通気性フィルムよりも著しく高価である。更には、このようなモノリシック弾性フィルムは空気透過性と同一レベルの水分透過性をもたらさない。
【特許文献1】米国特許第5,865,926号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、比較的安価な非弾性フィルム層と安価な弾性不織布層から形成される通気性の弾性複合体に対する必要性が存在するということを認識している。このように、本発明は、上述の難点および欠点の一つ以上に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、本発明は、スパンボンド布などの弾性不織布と通気性フィルムの積層物を提供する。一つの態様においては、この弾性不織布(例えば、スパンボンド布)は無機充填剤または非混和性相を含有するフィルムに積層される。このフィルムは非弾性であることができる。次に、この積層物は延伸(増分的あるいは積分的に)され、解除されて、微小空隙を生成することにより通気性構造をもたらす。もう一つの態様においては、この弾性不織布は、無機充填剤または非混和性相を含有するポリマー型フィルムにより押し出し被覆される。次に、この積層物は延伸(増分的あるいは積分的に)され、解除されて、微小空
隙を生成することにより通気性構造をもたらす。同様に、もう一つの態様においては、この弾性不織布は通気性の非弾性フィルムに対して積層する前に延伸することができる。積層物を緩和した後、このフィルムは弾性不織布の収縮力によりバルク/ギャザー化される。
【0006】
本発明は、通気性の非弾性フィルムと弾性スパンボンド布層を含む製品を述べている。この非弾性フィルム層は複合体の形成前に通気性であるか、あるいは複合体の形成後の延伸により通気性にすることができる。
【0007】
有利なこととしては、本発明は、確立済みで、かつ費用対効果の高い通気性フィルム技術を用いる真に弾性の通気性フィルム/不織物複合体を提供する。ミクロ細孔性フィルムを使用することによって、現行の通気性の弾性フィルムによっては得られない空気透過性および水分透過性の弾性フィルム不織布複合体を製造することが可能になる。弾性積層布の活性化のために活性化される必要のある通気性の弾性フィルムと非弾性不織布の組み合わせ物と比較して、本発明は、弾性不織布が機械的延伸により損傷を受けず、そして耐摩耗性、引っ張り特性、触覚特性および弾性などの固有の性質を保持、あるいは改善するというメリットを提供する。
【0008】
一つの広い観点では、本発明は、通気性の非弾性フィルム層と弾性不織布層を含んでなる通気性の弾性多層複合体である。この弾性不織布層はスパンボンド布であることができる。
【0009】
もう一つの広い観点では、本発明は、非弾性フィルム層と延伸あるいは緩和された弾性不織布層の第1の複合体を形成し;第1の複合体を延伸および緩和して、最終の通気性多層複合体を形成することを含んでなる多層複合体を製造する方法である。この複合体は、この層を積層あるいは押し出し被覆することにより形成可能である。
【0010】
この非弾性フィルムは、多層化されたフィルム、モノリシックフィルム、キャストフィルム、ネット、フォーム、スクリム、織布または編布の形のものであることができる。
【0011】
この明細書で使用されるように、この弾性不織布は任意の不織布法により形成され得る。好ましくは、この不織布は弾性スパンボンド不織布である。この弾性スパンボンド不織布は二成分繊維から構成され得る。二成分弾性スパンボンドは、加熱カレンダーロールによる標準のサーマルボンド段階時あるいは標準の接着剤法でのみこの繊維の結合が著しく行われるような方法で製造可能である。本発明は、複合体の上での高温エアナイフの使用など当分野で時に使用されるいわゆる安定化段階が存在しなくとも実施可能である。好ましくは、著しい結合が起こる温度(すなわち、ウエブのサーマルボンドに使用され得る結合温度)以下であるが、加熱プレスロール(当分野でよく知られているように圧縮ロール)を使用し得る。一つの態様においては、ウエブポイントボンドの前に全面的な繊維間結合が起こらないほど低い温度/圧力で任意の後ウエブ加工あるいは処理が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の複合体に追加の層を付加することができるが、この複合体の基本構造は、「A」が弾性不織布層であり、「B」が通気性の非弾性フィルム層である、A−B構造として参照可能である。別法として、この複合体はA−B−AあるいはB−A−B構造、または非Aあるいは非B層を有する構造(接着層を除いて)を含む他の多層複合体構造を有することができる。接着剤はAおよびB層を一緒に積層するのに使用し得るということを理解すべきである。同様に、三層以上を有する多層複合体は、AとB以外の1層以上からできた複合体を含めて本発明の範囲内のものである。
【0013】
このフィルム−不織布複合体はこのフィルムを弾性不織布上に押し出し積層するか、あるいは1つ以上の弾性不織布に対して/間に接着剤積層することにより製造可能である。別法として、この複合体は、特に水性分散液により注型(直接あるいはオフラインで)することにより製造可能である。もう一つの代替の方法は、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,683,787号に述べられている方法などのサーマルボンドを行って、サーマルボンド積層物を形成することによるものである。上記の積層法はすべてフィルムと不織布間の中立の張力(neutral tension)下で実施可能である。複合体を結合した後、積層物を延伸および緩和することができる。また、弾性不織布を積層の前あるいは後で活性化することができて、活性化を必要としないこともある。このように、積層の前、あるいは後で弾性不織布を予備活性化する必要性は必ずしもない。経時的にそして多数の延伸にわたって、この弾性複合体の全体の完全性は、弾性フィルムと非弾性不織布から製造される複合体のそれよりも優れていると期待される。このことは、全体の耐摩耗性、持続的な不織布完全性および全体の一般的な外観の改善に結びつく。
【0014】
図1は、非弾性フィルム層を弾性不織布層に積層する複合体を形成する、押し出し積層を図示する。図1においては、第1の弾性不織布層6を巻き戻しロール2から巻き戻すか、あるいはスパンボンド法により直接に製造する。第1の弾性不織布層6は、非弾性フィルムメルト押し出し機1により堆積され、そして冷却時、内側の非弾性フィルム層を形成する溶融した非弾性ポリマー7と接触する。次に、第2のロール3からの第2の随意の弾性不織布層8を巻き戻して、非弾性フィルム層と接触させ、これによって三層体を形成し、これを圧力ニップ4により一緒に積層する。次に、生成する複合体9を延伸10(増分的あるいは積分的に)して、フィルムに通気性を付与し、次に張力を解除し、次に生成する複合体を積層物巻き返しロール5上に巻き取る。
【0015】
図2においては、接着積層法を示す。非弾性フィルム107(通気性あるいは無機充填剤または非混和性相を含有する)をフィルムロール101から巻き戻し、そして積層物巻き返しロール105に移動させる。接着層108aと場合によっては108bをメルト接着剤散布装置106により非弾性フィルムの各側に塗布する。この接着剤はホットメルト接着剤であることができる。市販のホットメルト接着剤の代表的な、非限定的な例は、Ato Findley H9282F、Ato Findley H2120およびHP
Fuller HL−1470を含む。接着剤を散布した非弾性フィルム109を圧力ニップ104に移動させ、ここで不織物ロール102および103から巻き戻された第1および随意の第2の弾性不織布層110および111をフィルム109の各々のそれぞれの側と接触させる。層110および111をニップ104からの圧力によりフィルム109に積層させ、生成する複合体112をニップ104から出す。次に、複合体112を延伸113(増分的あるいは積分的に)して、必要ならば、このフィルムに通気性を付与し、次に積層物巻き返しロール105に巻き付ける。
【0016】
更に図2を参照すると、加熱積層の場合には、非弾性フィルム107(通気性あるいは無機充填剤または非混和性相を含有する)をフィルムロール1から巻き戻し、そして積層物巻き返しロール105に移動させる。層110および111をニップ104での温度および圧力の過程によりフィルム107に積層させ、生成する複合体112をニップ104から出す。次に、この複合体を延伸113(増分的あるいは積分的に)して、必要ならば、このフィルムに通気性を付与し、次に積層物巻き返しロール105に巻き付ける。加熱積層法においては、ホットメルト接着剤108a、108bをフィルム107に塗布しない。
【0017】
図3においては、もう一つの接着積層法を図示する。非弾性フィルム107(通気性あるいは無機充填剤または非混和性相を含有する)をフィルムロール101から巻き戻し、
そして積層物巻き返しロール105に移動させる。接着層108aと場合によっては108bをメルト接着剤散布装置106によりこの非弾性フィルムの各側に塗布する。この接着剤はホットメルト接着剤であることができる。接着剤を散布した非弾性フィルム109を圧力ニップ104に移動させる。ここで、このフィルムを不織物ロール102および103から巻き戻された第1および随意の第2の弾性不織布層110および111と継ぎ合わせて、MD、CDまたは両方の方向で積分的に延伸113し、そして張力下でフィルム109の各々のそれぞれの側と接触させる。層110および111をニップ104からの圧力によりフィルム109に積層させ、生成する複合体112をニップ104から出す。ニップを出たならば、張力を解除し、そして必要ならばこの複合体を更に延伸(増分的あるいは積分的に)して、通気性を付与する。次に、この複合体を積層物巻き返しロール105上に巻き取る。
【0018】
更に図3を参照すると、加熱積層の場合には、通気性の非弾性フィルム107をフィルムロール101から巻き戻し、そして積層物巻き返しロール105に移動させる。ここでは、このフィルムを不織物ロール102および103から巻き戻された第1および随意の第2の弾性不織布層110および111と継ぎ合わせて、延伸113し、そして張力下でフィルム109の各々のそれぞれの側と接触させる。層110および111をニップ104での温度および圧力の過程によりフィルム107に積層させ、生成する複合体112をニップ104から出す。ニップを出たならば、張力を解除し、そしてこの複合体を積層物巻き返しロール105上に巻き取る。加熱積層法においては、ホットメルト接着剤108a、108bをフィルム107に塗布しない。
【0019】
温度、製造速度、フィルムの選択、接着剤の選択、弾性不織布の選択などが容易に選択および/または決定可能である。
【0020】
この通気性の非弾性フィルムは一層あるいは多層フィルムを含んでなり得る。加えて、ミクロ細孔性フィルムは本発明での使用に好適であると考えられる。通気性は、フィルムを製造する材料の選択、細孔性であることにより、フィルムを貫通して形成される穴を有すること、等により付与可能である。別法として、通気性は延伸活性化によるなど本発明の複合体の製造時に付与可能である。このフィルムは水分透過性あるいは水分不透過性材料から製造可能である。あるフィルムは、フィルム形成工程時にミクロ細孔発現性充填剤粒子をフィルムに添加することにより、通気性とされる。ミクロ細孔発現性充填剤とは、ポリマーに添加可能であり、このポリマーから製造される押し出しフィルムに化学的に妨害あるいは悪影響を与えないが、フィルム中に均一に分散可能である粒子状物質および他の形の材料を含むという意味である。一般に、このミクロ細孔発現性充填剤は粒子状物質の形のものであり、そして通常約0.5〜約8ミクロンの範囲の平均粒子サイズの球形の形状を有する。このフィルムは、通常、フィルム層の全重量基準で少なくとも約30パーセントのミクロ細孔発現性充填剤を含有する。有機および無機の両方のミクロ細孔発現性充填剤は、フィルム形成工程、生成するフィルムの通気性または繊維弾性不織布ウエブに結合する能力を妨害しない限り、本発明の範囲内のものであると考えられる。ミクロ細孔発現性充填剤の例は、炭酸カルシウム、種々の種類のクレー、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸ナトリウム、タルク、硫酸マグネシウム、二酸化チタン、ゼオライト、硫酸アルミニウム、セルロース−タイプ粉末、珪藻土、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、カオリン、マイカ、カーボン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粒子、パルプ粉末、木材粉末、セルロース誘導体、ポリマー粒子、キチンおよびキチン誘導体を含む。このミクロ細孔発現性充填剤粒子は、粒子(バルクでの)の自由流れとポリマーマトリックスの中への分散の容易性を促進し得るステアリン酸などの脂肪酸、またはベヘン酸などの長鎖脂肪酸により場合によっては被覆され得る。シリカ含有充填剤は、また、ブロッキング防止性をもたらすのに有効な量でも存在し得る。
【0021】
この粒子を充填したフィルムを形成したならば、これを延伸あるいは破砕して、フィルムを貫通する通路を作り出す。一般に、本発明のために「通気性」であるという等級を与えるためには、生成する積層物は、下記の試験方法により測定して少なくとも約250g/m/24時間の水蒸気透過速度(WVTR)を有しなければならない。更には、このフィルムに開口をもうけることができる。このフィルムの形成においては、このフィルムを共押し出しして、結合を増加させ、そしてダイリップの蓄積(die lip build−up)を軽減させ得る。フィルムおよび多層フィルムの成形方法は一般的に知られている。フィルム15は注型あるいはブローフィルム装置から製造可能であり、所望ならば共押し出し可能であり、そしてエンボス可能である。加えて、フィルム15は、フィルムをフィルム延伸ユニットに通すことにより延伸あるいは配向可能である。この延伸はフィルムゲージあるいは厚さを低下させ得る。一般に、この延伸はCDまたはMDまたはこの両方で行われ得る。この非弾性フィルムはバリア層を含んでなり得、または良好なドレープ性も呈し得る。この非弾性フィルムは1平方メートル当たり約15グラムと1平方メートル当たり100グラムの間の、そして一つの態様においては1平方メートル当たり約20グラムと1平方メートル当たり60グラムの間の坪量を有し得る。用語「フィルム」は、この明細書で使用されるとき、薄い物品を指し、種々の幅、長さおよび厚さの細片、テープおよびリボンを含む。このフィルムは、通常、平坦であり、約50ミルまでの、更に通常約10ミルまでの厚さを有する。この通気性非弾性フィルムの加工で使用される熱可塑性ポリマーは、限定ではないが、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーおよびこれらのブレンドを含むポリオレフィンを含む。このポリマーはメルトインデックスと非弾性フィルムを生成する他の性質を有する。このような非弾性ポリオレフィンの代表的な例は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテンおよびオクテンのポリマー、ならびにコポリマー、ターポリマーおよびこれらのブレンドを含む。この非弾性フィルムは、また、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンアクリル酸エチル(EEA)、エチレンアクリル酸(EAA)、エチレンアクリル酸メチル(EMA)、エチレンアクリル酸ブチル、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)およびポリ(アミド−エーテル)ブロックコポリマーおよび1つ以上のポリオレフィンとの組み合わせ物を含む任意のこれらの組み合わせ物によっても作製され得る。
【0022】
不織布は熱可塑性材料を溶融紡糸することにより普通作製される。このような不織布は、「スパンボンド」あるいは「メルトブロー」材料と呼ばれ、そしてこれらのポリマー材料を製造する方法も当分野でよく知られている。経済性が有利であることによって、スパンボンド布が本発明で使用される。物理的性質の望ましい組み合わせ、特に柔軟性、強度および耐久性の組み合わせのスパンボンド材料が製造される一方で、著しい問題に遭遇してきた。本発明で使用される不織布は、通常、コンジュゲート繊維であり、通常、二成分繊維である。一つの態様においては、この不織布はシース/コア構造を有する二成分繊維から作製される。本発明に好適な代表的な二成分の弾性不織布およびこれらの製造方法がAustinによりWO00/08243で示され、引用によりこの明細書にその全体が組み込まれている。
【0023】
通気性ならびに弾性の制限された布よりも身体の運動の自由度を与える能力があるために、弾性不織布は、包帯材料、作業着および医療用衣などの衣類、おむつ、サポーター衣類、失禁用製品、おむつ、トレーニングパンツおよび他の個人用衛生用製品などの多様な環境において使用可能である。おむつのバックシート、保護用アパレル、医療用衣およびドレープを形成する物品が本発明に特に関連する。
【0024】
この明細書で使用されるとき、用語「ストランド」は「繊維」と「フィラメント」の両方に総称的な用語として使用される。この関連で、「フィラメント」は材料の連続なストランドを指し、「繊維」は有限な長さを有する切断されたあるいは不連続なストランドを
意味する。このように、以下の説明は「ストランド」または「繊維」または「フィラメント」を使用する一方で、この説明は3つの用語すべてに等しく適用可能である。
【0025】
特に、弾性不織布に対してこの明細書中下記で述べようとしていることは「化学的」に弾性の繊維として定義されるものである。当分野の熟練者には、これらの繊維と、さもなければ本質的に非弾性の不織布の熱延伸により製造される低弾性の一次元的に弾性の「物理的」あるいは「機械的」に弾性の不織布との区別は容易に明白であろう。
【0026】
手短に言えば、この弾性不織布の作製に使用される二成分ストランドは、通常、第1の成分と第2の成分から構成される。この第1の成分は「弾性」ポリマーであり、これは伸張すると、弾性限界内で変形あるいは延伸する(すなわち、解除されると収縮する)ポリマーを指す。多数の繊維形成性熱可塑性エラストマーが当分野で既知であり、そしてポリウレタン、ブロックコポリエステル、ブロックコポリアミド、スチレン系ブロックポリマー、およびポリオレフィンコポリマーを含むポリオレフィンエラストマーを含む。第1の(内側の)成分用の市販のエラストマーの代表的な例は、以前はKraton Corpにより販売されていたKRATONポリマー;ENGAGEエラストマー(Dupont Dow Elastomersより販売されている)、VERSIFYエラストマー(Dow Chemicalにより製造されている)またはVISTAMAXX(Exxon−MobileCorp.により製造されている)ポリオレフィンエラストマー;およびDEXCOより販売されているVECTORポリマーを含む。他の弾性熱可塑性ポリマーは、Dow Chemicalより販売されているPELLETHANE、BASFより販売されているELASTOLLAN、B.F.Goodrich Companyより販売されているESTANEなどのポリウレタン弾性材料(「TPU」);E.I.Du Pont De Nemours Companyより販売されているHYTRELなどのポリエステルエラストマー;Akzo Plasticsより販売されているARNITELなどのポリエーテルエステル弾性材料;およびElf Atochem Companyより販売されているPEBAXなどのポリエーテルアミド材料を含む。有利なこととしては、商品名CATALLOYによりMontelより販売されているものなどの異相ブロックコポリマーも本発明で使用される。米国特許第5,594,080号に述べられているポリプロピレンポリマーおよびコポリマーも本発明に好適である。
【0027】
第2の成分もポリマー、好ましくは伸張性であるポリマーである。用途に依って、いかなる熱可塑性の繊維形成性弾性ポリマーも第2の成分として可能である。コスト、剛性、メルト強度、紡糸速度、安定性などが考慮事項である。第2の成分は、第1の成分の形成に使用されるポリマーまたはポリマー組成物と比較して劣った弾性を呈するいかなるポリマーまたはポリマー組成物からも形成され得る。例示の非弾性の繊維形成性熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(LLDPEを含む)、ポリプロピレンおよびポリブテン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンおよびこれらのブレンドを含む。第2の成分ポリマーは弾性回復を有し、そしてこの二成分ストランドを延伸したときに弾性限界内で延伸し得る。しかしながら、この第2の成分は、第1の成分ポリマーよりも劣った弾性回復をもたらすように選択される。第2の成分は、また、弾性限界を超えて延伸され、そして引っ張り応力の印加により永久的に伸びるポリマーでもあり得る。例えば、第2の成分をこれらの表面において有する長い二成分フィラメントが収縮する場合には、第2の成分は、通常、圧縮された形をとり、フィラメントの表面に粗い外観をもたらす。
【0028】
最良の弾性を有するためには、弾性の第1の成分がフィラメント断面の最大部分を占めるようにすることが有利である。一つの態様においては、このストランドを結合されたウエブ環境において使用する場合、この結合されたウエブは、マシン方向基準で少なくとも約65%の二乗平均の回復可能な伸びと、50%伸びおよび一回の引っ張りの後の交差方
向の回復可能な伸び値を有する。二乗平均の回復可能な伸びは、(マシン方向のパーセント回復)+交差マシン方向のパーセント回復)の和の平方根である。
【0029】
第2の成分として使用される具体的なポリマーに依って、第2の成分は、通常、ストランドの約50重量パーセント未満の量で、一つの態様においては約1と約20パーセントの間およびもう一つの態様においては約5〜10パーセントの量で存在する。
【0030】
一つの観点においては、第2の成分が実質的に弾性でなく、結果としてこのストランドが全体として弾性でない場合、一つの態様においては、第2の成分はこのストランドの延伸時にこのストランドが第2の成分の長さを不可逆的に変えるのに充分な量により弾性となるような量で存在する。
【0031】
第1および第2の成分としての使用に好適な材料は、ストランドの所望の機能に基づいて選択される。好ましくは、本発明の成分中で使用されるポリマーは約5〜約1000のメルトフローを有する。一般に、メルトブロー法は、スパンボンド法よりも高いメルトフローのポリマーを使用する。
【0032】
これらの二成分ストランドは加工用添加物を使用することにより、あるいは使用せずに作製可能である。本発明の実施において、2つ以上のポリマーのブレンドが第1の成分または第2の成分のいずれか、または両方に使用可能である。
【0033】
繊維の特定の形状と最終用途の所望の性質に依って、第1(本発明の弾性成分)および第2の成分は、多成分ストランド内で任意の好適な量で存在し得る。有利な態様においては、第1の成分は繊維の大部分、すなわちストランドの重量基準(「bos」)で約50重量パーセント以上を形成する。例えば、メリットのあることとしては、第1の成分は、多成分ストランド中に約80〜99重量パーセントbosの範囲の量で、例えば約85〜95重量パーセントbosの範囲の量で存在し得る。このような有利な態様においては、非弾性成分は、約50重量パーセントbos未満の量、例えば約1と約20重量パーセントbosの間の量で存在する。このような有利な態様のメリットのある局面においては、第2の成分は、第2の成分として使用される具体的なポリマーに依るが、約5〜15重量パーセントbosの範囲の量で存在し得る。一つの有利な態様においては、約85:15以上あるいはそれに等しいコア:シース重量比、例えば95:5の比を有するシース/コア構造が提供される。
【0034】
この繊維の形状は広く変わることができる。例えば、通常の繊維は円形の断面形状を有するが、時には繊維は三葉状の形状または平らな(すなわち、「リボン」様の)形状などの異なる形状を有する。また、特に延伸および解除される場合には、この繊維は、円形断面のものであっても、非円筒形の3次元形状をとり得る(らせん状あるいはスプリング様繊維を形成する自己バルク化あるいは自己縮れ性)。
【0035】
この明細書中で開示された本発明の弾性繊維に対しては、この直径は広く変わることができる。この繊維デニールは仕上がった物品の性能に適合するように調整可能である。予期される繊維直径値は、メルトブロー品に対しては約5〜約20ミクロン/フィラメント;スパンボンド品に対しては約10〜約50ミクロン/フィラメント;そして約20〜約200ミクロン/フィラメントである。
【0036】
坪量は、通常、g/mまたはoz/ydの形の不織布の面積密度を指す。不織布に対する受け入れ可能な坪量は製品における用途により決定される。一般に、与えられた製品により決定される性質に合致する最低の坪量(最低のコスト)が選ばれる。弾性不織布に対しては、一つの問題はある伸びにおける収縮力、あるいはしかるべき伸張での緩和の
後布がどの程度の力を加えることができるかである。坪量を規定するもう一つの問題は被覆性であり、ここでは通常、比較的不透明な布を有することが望ましく、あるいは半透明であるならば、布中の見掛け上の穴は小サイズで均一な分布のものでなければならない。使い捨て製品用の不織布業界における最も有用な坪量は1/2〜3oz/yd(17〜100g/mあるいはgsm)の範囲である。耐久性あるいは半耐久性製品などの一部の用途は更に大きい坪量を許容し得ることもある。付随的なこととしては、低い坪量材料はマルチビーム構造で偶然に製造され得るということを理解すべきである。すなわち、各々の個別の層が17gsm未満もの坪量を有する、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)複合体布を製造することが有利であり得るが、好ましい最終坪量は少なくとも17gsmであるということが予期される。
【0037】
不織布組成物あるいは物品は、通常、ランダムに中間挿入されているが、織布または編布の場合のように識別可能な方法でランダムに中間挿入されていない個別の繊維またはトレッドの構造を有するウエブまたは布である。
【0038】
第1および第2のポリマー型成分は、限定ではないが、顔料、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、ワックス、流動促進剤、固形溶剤、粒子状物質およびこの組成物の加工性の増進のために添加される材料を場合によっては含む。
【0039】
不織布ウエブは当分野で認められている方法により製造可能である。スパンボンド法として知られている類の方法はスパンボンドウエブを形成するための最も普通の方法である。種々のタイプのスパンボンド法の例がKinneyへの米国特許第3,338,992号、Dorschnerへの米国特許第3,692,613号、Matsukiへの米国特許第3,802,817号、Appelへの米国特許第4,405,297号、Balkへの米国特許第4,812,112号およびBrignolaらへの米国特許第5,665,300号で述べられている。一般に、これらのスパンボンド法は、
a)紡糸口金からストランドを押し出し;
b)溶融ストランドの固化を急速に行うためにおおむね冷却されている空気の流れによりこのストランドを急冷し;
c)このフィラメントを空気流中で空気圧により引っ張ることによるか、あるいはテキスタイル繊維業界で普通に使用されるタイプの機械的延伸ロールのまわりに巻き付けることにより印加可能である引っ張り張力により急冷域からこれらを進行させることにより、このフィラメントを細線化し;
d)穴のあいた表面上でこの延伸ストランドをウエブとして捕集し;そして
e)ゆるいストランドのウエブを結合して布とする
ことを含む。
段階(d)および(e)の間でのこのウエブのいかなる加工あるいは取り扱いも本発明によれば繊維間結合が著しく起こらない低い温度で行われなければならない。
【0040】
この結合(段階(e))は任意のサーマルボンドあるいはケミカルボンド処理であることができ、そして凝集性のウエブ構造が生じるように、複数の間欠的結合の形成に使用され得る。サーマルポイントボンドが最も好ましい。種々のサーマルポイントボンド法が既知であり、最も好ましいのはポイントボンドパターンの付いたカレンダーロールの使用である。連続あるいは不連続パターンを使用する通常の態様によっては当分野で既知のいかなるパターンも使用し得る。好ましくは、この結合は6と30パーセントの間を被覆し、最も好ましくは、この層の16パーセントが被覆される。これらのパーセント範囲にしたがってこのウエブを結合することによって、このフィラメントは、布の強度と完全性を維持しながら、延伸の全範囲にわたって延びるようにされる。
【0041】
弾性フィラメント、特に二成分フィラメントの製造が可能な紡糸口金と押し出し系を備
えれば、このタイプまたは他のタイプのスパンボンド法がすべて本発明の弾性布の作製に使用可能である。
【0042】
メルトブロー法として知られるもう一つの類の方法も本発明の不織布の製造に使用可能である。ウエブ形成へのこのアプローチがNRL Report 4364「Manufacture of Superfine Organic Fibers」 by V.A.Wendt,E.L.Boone,and C.D.FluhartyおよびBuntinらへの米国特許第3,849,241号で述べられている。メルトブロー法は以下のことを一般に含む。
a)紡糸口金からストランドを押し出す。
b)高速の空気流を用いて、紡糸口金の直下でこのポリマー流を同時に急冷および細線化する。一般に、このストランドをこの手段により極めて小さい直径まで延伸する。しかしながら、空気容積と速度を低下させることにより、普通のテキスタイル繊維に類似のデニールのストランドを製造することが可能である。
c)穴のあいた表面上で延伸ストランドをウエブに捕集する。メルトブローウエブは種々の手段により結合可能であるが、しばしばこのウエブ中のフィラメントの絡み合いは、ウエブを巻き取ってロールとすることができるように充分な引っ張り強さをもたらす。
【0043】
米国特許第5,290,626号に述べられているものなどの二成分フィラメントの押し出しを提供するいかなるメルトブロー法も本発明の実施に使用可能である。
【0044】
本発明の複合体は種々の用途に有用性を有する。好適な用途は、限定ではないが、例えば、使い捨て個人用衛生用製品(例えば、トレーニングパンツ、おむつ、吸収性パンツ、失禁用製品、女性用衛生品目など);使い捨て衣類(例えば、工業用アパレル、カバーオール、ヘッドカバー、ズボン下、パンツ、シャッツ、手袋、靴下など);感染コントロール/クリーンルーム製品(例えば、手術衣およびドレープ、フェースマスク、ヘッドカバー、手術用キャップおよびフード、靴カバー、ブーツスリッパ、創傷包帯、包帯、滅菌ラップ、ワイパー、白衣、カバーオール、パンツ、エプロン、ジャケット)および寝具類およびシーツ、家具用ダストカバー、アパレル芯地、車カバーおよびスポーツあるいは汎用アパレルなどの耐久性および半耐久性用途を含む。
【0045】
本発明に適用可能である弾性材料または弾性様不織布は、通常、マシン方向基準で約65%以上の二乗平均の回復可能な伸びおよびウエブの50%伸びおよび一回の引っ張りの後の交差−方向の回復可能な伸び値を有するいかなる材料も指すということを認識すべきである。延伸し、直ちに解除した後に材料が最初の寸法に戻らない程度がパーセント永久歪みである。ASTM試験方法によれば、残留歪および回復は足して100%となる。残留歪は伸張後の残留緩和長さを伸張(伸び)の長さで割ったものと定義される。例えば、200%伸び(起点の1インチゲージから更に2インチ伸張)まで引っ張られ、そして解除された1インチゲージ(長さ)試料は、a)まったく収縮せず、試料は3インチの長さであり、そして100%残留歪((3”終点−1”起点)/2”伸張)を有するか、あるいはb)最初の1インチゲージまで完全に収縮し、そして0%残留歪((1”終点−1”起点)/2”伸張)を有するか、あるいはc)この間のいずれかの値を示す。頻用され、そして実用的な残留歪の測定方法は、伸張から解除した後に回復力または荷重がゼロに達した時の試料上の残存歪(回復)を観察することである。この方法および上記の方法は試料を100%に伸張した時に同一の結果を生じるのみである。例えば、上記の場合におけるように、この試料が200%伸びの後にまったく収縮しないならば、解除時のゼロ荷重における残存歪は200%である。明らかに、この場合には残留歪と回復は足して100%とならない。
【0046】
それに反して、非弾性フィルムはこれらの基準に合致しない。特に、非弾性フィルムは
、最初の長さの50%まで伸張すると50%未満の、更にあり得ることとしては25%未満の回復を示すと予期される。更に、非弾性フィルムは、通常、破断前に前面的な降伏を示す引っ張り曲線により記述される。この関連において、このフィルムは、小さな伸張において応力の急速な増加と、それに続く降伏点における、そしてフィルム破断までの継続した伸張時における最大に近い、ほぼ一定の応力を示す。破断の前に、試料のいかなる解除も大部分前面的に延ばされた非収縮フィルムを生じる。
【0047】
この弾性不織布および非弾性フィルムを別々に活性化にかけることができる。この弾性不織布を活性化して、それにより引っ張り強さを低下させ、そして/あるいは積層の前に弾性を改善し得る。この非弾性フィルムを活性化して、通気性を付与し得る。別法として、この複合体それ自体を活性化することができ、このような場合には、必要ではないが、この不織布あるいはフィルムを積層の前に活性化し得る。活性化をよく知られた方法により行うことができる。一つの態様においては、活性化を所望する場合には、この不織布を活性化して、引っ張り強さを低下させ、引っ張り強さがフィルムの強度以下であるようにおおむね低下させる(不織布が活性化の前にフィルムの強度以下の引っ張り強さを有するか、否かにかかわらず)。活性化を最初の引っ張りあるいは延伸工程により行い得る。幅広のウエブ製品に関連する在来の延伸装置は慣用の延伸ロールおよび幅出し機を含む。増分延伸、幅出し、ロール引っ張りを含む当分野で既知の任意の引っ張りあるいは延伸方法により、この活性化方法を行い得る。成形前に行ってもよいが、ストランドを不織ウエブあるいは布に成形した後に、この活性化方法を一般に行う。この活性化方法は、一般に、不織ウエブあるいは布を約1.1〜10.0倍に延伸する。有利な態様においては、この繊維あるいは布を最初の長さの少なくとも約2.5倍まで延伸あるいは引っ張る。この増分延伸段階は、このウエブをマシン方向および交差マシン方向の両方で増分的に延伸することを含み得る。有利なこととしては、このウエブを少なくとも一対の相互嵌合形延伸ローラーに通すことにより、増分延伸を行い得る。WO2004/038085はこのタイプの方法を開示している。このような態様の一つの局面においては、この相互嵌合形延伸ローラーは、実質的に低弾性である介在する長手方向に延びた非活性化域により隔てられた、布内で狭い間隔のあいた長手方向に延びた延伸活性化された弾性域を生じる。増分延伸されたウエブを第2の対の相互嵌合形延伸ローラーに通して、このウエブ内の非活性化ストランドの第2の部分を延伸活性化することにより、増分延伸を行い得る。ウエブの表面に向けられた衝突流体(例えば、空気または水)と一緒にして、機械的増分延伸を行い得る。
【0048】
当分野の熟練者には本発明の更なる改変および代替的態様はこの説明を鑑みれば明白であろう。したがって、この説明は単なる例示として見なされるべきであり、当分野の熟練者に本発明の実施方法を教示する目的のものである。この明細書において示され、説明された本発明の形は例示の態様としてとられるべきであるということを理解すべきである。本発明のこの説明のメリットを有した後には当分野の熟練者には明白であるので、同等の要素あるいは材料はこの明細書において例示され、説明されたものに対して置換され得、そして本発明のしかるべき特徴は他の特徴の使用とは無関係に使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は本発明の実施で使用され得る押し出し積層法を示す。
【図2】図2は本発明の実施で使用され得るメルト接着積層法を示す。
【図3】図3は本発明の実施で使用され得る接着積層法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性不織布層に隣接する通気性非弾性フィルム層を含んでなる弾性多層複合体。
【請求項2】
接着剤が通気性非弾性フィルム層と弾性不織布層の間にある請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
この層が多数の点において相互に接着し、そしてこれらの接合点が熱および圧力により形成される請求項1〜2のいずれかに記載の複合体。
【請求項4】
この弾性不織布層がスパンボンド布である請求項1〜3のいずれかに記載の複合体。
【請求項5】
この弾性不織布層が二成分繊維から形成され、二成分繊維が内側の第1の成分と外側の第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分よりも低弾性であり、第1の成分が熱可塑性エラストマーであり、第1の成分がこの繊維の少なくとも50%を占め、そして第2の成分がポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンとポリプロピレンのブレンドである請求項1〜4のいずれかに記載の複合体。
【請求項6】
この不織布層がシース/コア、多葉状、あるいはチップ付き多葉状構造を有する二成分繊維からなる請求項1〜5のいずれかに記載の複合体。
【請求項7】
この不織布層が活性化されていない二成分繊維から構成される請求項1〜6のいずれかに記載の複合体。
【請求項8】
この不織布層が延伸活性化された二成分繊維から構成される請求項1〜7のいずれかに記載の複合体。
【請求項9】
この複合体が二層構造を有する請求項1〜8のいずれかに記載の複合体。
【請求項10】
この複合体が三層構造を有する請求項1〜8のいずれかに記載の複合体。
【請求項11】
この全複合体が延伸活性化される請求項1〜10のいずれかに記載の複合体。
【請求項12】
この非弾性フィルムがエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテンおよびオクテンのポリマー、ならびにこれらのコポリマー、ターポリマーおよびブレンド、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンアクリル酸エチル(EEA)、エチレンアクリル酸(EAA)、エチレンアクリル酸メチル(EMA)、エチレンアクリル酸ブチル、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)およびポリ(アミド−エーテル)ブロックコポリマーおよび任意のこれらの組み合わせ物から形成される請求項1〜11のいずれかに記載の複合体。
【請求項13】
この弾性不織布層が二成分繊維から形成され、二成分繊維が内側の第1の成分と外側の第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分よりも低弾性であり、第1の成分が熱可塑性エラストマーであり、第2の成分が約1と約20パーセントの間で二成分繊維中に存在する請求項1〜12のいずれかに記載の複合体。
【請求項14】
この弾性不織布層が二成分繊維から形成され、二成分繊維が内側の第1の成分と外側の第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分よりも低弾性であり、第1の成分が熱可塑性エラストマーであり、第1の成分がポリウレタン、ブロックコポリエステル、ブロックコポリアミド、スチレン系ブロックポリマー、ポリオレフィンエラストマーおよびこれらの組み合わせ物から形成される請求項1〜13のいずれかに記載の複合体。
【請求項15】
この通気性の非弾性フィルムが多層化フィルム、モノリフィルム、キャストフィルム、ネット、フォーム、スクリム、織布または編布である請求項1〜14のいずれかに記載の複合体。
【請求項16】
少なくとも通気性非弾性フィルム層および少なくとも一つの弾性不織布層の複合体を形成することを含んでなる弾性多層複合体の製造方法。
【請求項17】
この積層物がサーモポイントボンディング法を用いて形成される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
この層が押し出し積層を用いて形成される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
接着剤が通気性非弾性フィルム層と弾性不織布層の間にある請求項16に記載の方法。
【請求項20】
この弾性不織布がスパンボンド不織布である請求項16〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
この弾性不織布層が二成分繊維から形成され、二成分繊維が内側の第1の成分と外側の第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分よりも低弾性であり、第1の成分が熱可塑性エラストマーであり、第1の成分がこの繊維の少なくとも50%を占め、そして第2の成分がポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンとポリプロピレンのブレンドである請求項16〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
この不織布層がシース/コア、多葉状、あるいはチップ付き多葉状構造を有する二成分繊維からなる請求項16〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
この不織布層が活性化されていない二成分繊維から構成される請求項16〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
この不織布層が延伸活性化された二成分繊維から構成される請求項16〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
この複合体が随意の接着層を入れないで二層構造を有する請求項16〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
この複合体が2つの随意の接着層を入れないで三層構造を有する請求項16〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
この全複合体が延伸活性化される請求項16〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
積層がメルト接着剤積層を用いて行われる請求項16〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
積層が押し出し積層を用いて行われる請求項16〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
積層がサーマルボンド法を用いて複数の間隔をあけた点で行われる請求項16〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
この弾性不織布層が非弾性フィルムの引っ張り強さ未満の引っ張り強さを有する請求項16〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
この非弾性フィルムがエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテンおよびオクテンのポリマー、ならびにこれらのコポリマー、ターポリマーおよびブレンド、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンアクリル酸エチル(EEA)、エチレンアクリル酸(EAA)、エチレンアクリル酸メチル(EMA)、エチレンアクリル酸ブチル、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)およびポリ(アミド−エーテル)ブロックコポリマーおよび任意のこれらの組み合わせ物から形成される請求項16〜31のいずれかに記載の複合体。
【請求項33】
この弾性不織布層が二成分繊維から形成され、二成分繊維が内側の第1の成分と外側の第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分よりも低弾性であり、第1の成分が熱可塑性エラストマーであり、第2の成分が約1と約20パーセントの間で二成分繊維中に存在する請求項16〜32のいずれかに記載の複合体。
【請求項34】
この弾性不織布層が二成分繊維から形成され、二成分繊維が内側の第1の成分と外側の第2の成分を含み、第2の成分が第1の成分よりも低弾性であり、第1の成分が熱可塑性エラストマーであり、第1の成分がポリウレタン、ブロックコポリエステル、ブロックコポリアミド、スチレン系ブロックポリマー、ポリオレフィンエラストマーおよびこれらの組み合わせ物から形成される請求項16〜33のいずれかに記載の複合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−509020(P2008−509020A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524920(P2007−524920)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/027445
【国際公開番号】WO2006/017518
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(505141565)アドバンスド・デザイン・コンセプト・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (5)
【Fターム(参考)】