説明

通気性植物コンテナ

開口部を有する中空容器(10)を含む通気性植物コンテナが提供され、該開口部から植栽土壌(18)を容器の中空部分に挿入することができ、土壌中で成長する植物は、該開口部を通って容器から外へ成長することができる。中空容器は、フラッシュ紡糸プレキシフィラメント布、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(「SMS」)布、および微細孔性フィルム積層体の群から選択される合成微細孔性シート材料を含んでなる壁を有する。中空容器の壁は、好ましくは、200秒/100cm未満の気孔率、少なくとも300g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも20cmの静水頭を有する。中空容器は、水の通過を阻止する合成水蒸気浸透性膜(30)により第2の区画室(23)から隔てられた第1の区画室(22)を有することができるので、第2の区画室に添加された水は、第1の区画室に添加された土壌を湿った状態に保つことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気性植物コンテナに関する。さらに詳細には、本発明は、防水性であるが空気および水蒸気浸透性でもある、微細孔性不織布または微細孔性フィルム積層体などの合成微細孔性シートを含んでなる植物コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
植物は、一般に、クレーおよびプラスチック製の鉢を含む様々なタイプのコンテナ中で成長される。鉛直な表面から吊り下げることができるフレキシブル材料を含んでなる植物コンテナも知られている。特許文献1は、個々の注水管を備えた植物コンテナの鉛直な配列を開示しており、該コンテナはPVCシーティングから製造される。特許文献2は、重ね合わせて密封されたビニルプラスチックシートを含んでなる吊り下げ植物ホルダーを開示しており、該ビニルプラスチックシートは互いに密封されて、上部植物入れおよび下部貯水器を形成する。特許文献3は、注水管および排水孔をそれぞれが有する植物入れを備えた、ポリエチレンシートを含んでなる吊り下げ植物ホルダーを開示している。残念ながら、空気、水蒸気および水に対するプラスチックビニルおよびポリエチレンシートの不浸透性のために、特にコンテナにより保持される土壌の量が少ない場合には、このようなコンテナは長期にわたる植物の健康を損なうことになる。
【0003】
特許文献4は、空気浸透性および保水性材料が好ましいプラスチックシート、積層体、もしくは防水剤が被覆された織布または不織布を含んでなる吊り下げプランタ袋体を開示している。プランタ袋体の対向する側面は密封されて、別個の土壌用区画室と、水路内の水が土壌用区画室内の土壌中に移行できるようにする流路を有する水路とを形成してもよい。袋体底部の排水孔は、過剰の水が袋体から流出できるようにする。
【0004】
【特許文献1】仏国特許出願第2,680,626号明細書
【特許文献2】米国特許第4,149,339号明細書
【特許文献3】英国特許出願GB2,070,403号明細書
【特許文献4】特開2000−69854号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
屋内空間および屋外空間の両方で使用できるように、水が漏れないフレキシブルな植物コンテナが依然として必要とされている。さらに、コンテナ内の植栽土壌が、植物の健康に有益である通気条件に保持されるように、空気および水蒸気を通過させる材料で製造された植物コンテナが必要とされている。さらに、コンテナ内に含有される土壌を湿った状態に保持するが、したたる程湿った状態には保持しない自己調節注水システムを有するフレキシブル植物コンテナが必要とされている。また、従来の鉛直または水平製袋装置を用いて様々な形状に形成することができる、強固であるがフレキシブルな材料で製造された植物コンテナも必要とされている。
【0006】
本発明のより完全な説明は、以下の図面が参照される本発明の好ましい実施形態の詳細な説明において提供されるであろう。
【0007】
試験方法
以下の記載および特許請求の範囲では、次の試験方法を用いて、報告された様々な特徴および特性を決定した。ASTMは米国材料試験協会を指し、TAPPIは紙パルプ技術協会を指し、DINはドイツ規格協会を指し、そしてISOは国際標準化機構を指す。
【0008】
「気孔率(Air Porosity)」は、気体物質に対するシート材料の浸透性の尺度である。特に、特定の圧力勾配が存在する材料領域を多量の気体が通過するのにどのくらいかかるかの尺度である。気孔率は、ローレンツェン・アンド・ベットレー(Lorentzen & Wettre)モデル121Dデンソメータを用いて、TAPPI T−460OM−88に従って測定される。この試験は、約1.21kPa(水12cmまたは4.9インチ)の圧力下で、100立方センチメートルの空気が直径2.87cmのサンプル(6.45cmの面積を有する)を通過するのに必要とされる時間を測定する。この方法は、一般に、ガーリー・ヒル(Gurley Hill)気孔率法と呼ばれ、結果は、秒または秒/100cmで表され、これはガーリー秒と呼ばれることが多い。
【0009】
「水蒸気透過速度(MVTR)」は、ASTM E398−83(その後、廃止された)により決定した。これは参照によって本明細書に援用される。MVTRは、g/m/24時間で報告される。ASTM E398−83(「リッシー(LYSSY)」法)は、23℃の温度において、85%の相対湿度(「湿潤空間」)対15%の相対湿度(「乾燥空間」)の圧力勾配に基づく。LYSSY法は、一定の湿度変化量の下、ほんの数分間の水蒸気の拡散速度を測定し、この測定値は次に24時間にわたって外挿される。
【0010】
「静水頭(Hydrostatic Head)」は、静的な負荷の下で、液体の水による浸透に対するシートの耐性の尺度である。7インチ×7インチ(17.78cm×17.78cm)のサンプルがテクステスト(Textest)FX3000静水頭試験機(スイスのテクストテスト・インストルメンツ(Texttest Instruments,Switzerland)により製造される)に取り付けられる。水は、60+/−3cm/分の速度で、サンプルの100cm部分の一方の面に対して、サンプルの3つの領域が水により浸透されるまでポンプで送られる。静水圧はインチで測定され、SI単位に変換されて、水のセンチメートルで与えられる。試験は、通常、DIN−EN20811に従う。
【0011】
「引張強さ」は、以下の点を変更してDIN EN ISO1924−2により決定した。これは、参照によって本明細書に援用される。試験では、2.54cm×20.32cm(1インチ×8インチ)のサンプルをその両端部においてクランプで固定した。クランプは、互いに12.7cm(5インチ)でサンプル上に取り付けた。サンプルが破断するまで、5.08cm/分(2インチ/分)の速度で間断なくサンプルを引っ張った。破断時の力を、破断引張強さとしてニュートン/cmで記録した。
【0012】
「継ぎ目の引張強さ」は、ISO13935−2:1999(E)パート2により決定した。これは、参照によって本明細書に援用され、ニュートン単位で報告される。該方法は、グラブ引張試験法を用いて、継ぎ目の破裂に対する最大の力を決定する。グラブ引張試験では、布の寸法クランピング領域は、25mm×25mmであり、布のサンプルは幅100mmおよび長さ250mmを有し、クランプ間の距離は100mmである。継ぎ目のグラブ引張強さは、50mm/分の伸長速度で測定される。
【0013】
定義
「ポリマー」という用語は、本明細書における使用では、一般に、ホモポリマー、コポリマー(例えば、ブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマーなど)、ターポリマー、ならびにこれらのブレンドおよび変形を含む。さらに、別途特に限定されない限りは、「ポリマー」という用語は、材料の全ての可能な幾何学的形状を含むべきである。これらの形状には、アイソタクチック、シンジオタクチックおよびランダムな対称性が含まれる。
【0014】
「ポリオレフィン」という用語は、本明細書における使用では、炭素および水素原子のみで構成される、大部分は飽和した一連のどの開鎖状高分子炭化水素をも意味することが意図される。典型的なポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ならびにエチレン、プロピレンおよびメチルペンテンモノマーの様々な組み合わせがあげられる。
【0015】
「ポリエチレン」という用語は、本明細書における使用では、エチレンのホモポリマーだけでなく、少なくとも85%の繰返し単位がエチレン単位であるコポリマーも包含することが意図される。
【0016】
「ポリプロピレン」という用語は、本明細書における使用では、プロピレンのホモポリマーだけでなく、少なくとも85%の繰返し単位がプロピレン単位であるコポリマーも包含することが意図される。
【0017】
「PTFE」という用語は、本明細書における使用では、ポリテトラフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマーならびにその他のフッ素化ポリマーを包含することが意図される。
【0018】
「プレキシフィラメント(plexifilamentary)」という用語は、ランダムな長さで、約4ミクロン未満の平均フィルム厚および約25ミクロン未満の中間フィブリル幅を有する多数の薄いリボン状のフィルム−フィブリル要素の三次元の一体化した編織物を意味する。プレキシフィラメント構造において、フィルム−フィブリル要素は、一般に、同一の広がりを持って構造の長手軸と位置合わせされ、そしてこれらは、構造の長さ、幅および厚さの全体にわたって様々な場所で不規則的な間隔で断続的に結合および分離して、連続的な三次元網織物を形成する。
【0019】
「フラッシュ紡糸プレキシフィラメント布」という用語は、フラッシュ紡糸プレキシフィラメントフルム−フィブリルの熱接着ウェブを意味し、布の一方の表面から他方の表面まで延在するサブミクロンサイズの通路を有する。
【0020】
「メルトブローン繊維」という用語は、本明細書における使用では、溶融した熱可塑性ポリマーを溶融スレッドまたはフィラメントとして、通常は円形である複数の細いキャピラリーから、高速の気体(例えば、空気)の流れの中に押出して形成される繊維を意味する。高速の気体の流れは、溶融した熱可塑性ポリマー材料のフィラメントを細くして、その直径を約0.5〜10ミクロンの間まで減少させる。メルトブローン繊維は、一般に、不連続な繊維である。高速の気体の流れにより運ばれるメルトブローン繊維は、通常は、捕集表面に堆積されて、ランダムに分散した繊維のウェブを形成する。
【0021】
「スパンボンド」という用語は、本明細書における使用では、溶融した熱可塑性ポリマー材料をフィラメントとして、紡糸口金の通常は円形の複数の細いキャピラリーから押出して形成される溶融紡糸繊維の結合シートを意味する。溶融紡糸繊維は、通常、連続的であり、約5ミクロンより大きい平均直径を有する。
【0022】
「不織布、シートまたはウェブ」という用語は、本明細書における使用では、ランダムな方法で配置されて、編み物の場合のように特定可能なパターンを持たずに平面的な材料を形成する個々の繊維またはスレッドの構造を意味する。
【0023】
「微細孔性フィルム」という用語は、本明細書における使用では、水蒸気を通過させるが、水滴はシャットアウトするミクロンサイズの細孔(肉眼では見えない)によって特徴
付けられるポリマーフィルムを意味する。微細孔性フィルムは、通常、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィンを含んでなるが、PTFEなどのより耐久性のあるポリマーを含んでなってもよい。浸透性を改善し、そして細孔サイズをより大きく制御するために、ポリオレフィンフィルムは両方向(縦方向および横方向)に延伸される。二軸延伸プロセスは、一軸延伸されたフィルムよりも、大きい横断方向の引張強さと、大きい引裂強さとをフィルムに与える。多くの微細孔性フィルムが、炭酸カルシウムなどの細かい充填剤材料と共にポリオレフィンから製造され、これらは、フィルムの押出およびフィルムの延伸によって、通気性の微細孔性フィルムになる。微細孔性フィルムは水蒸気に対して浸透性であるが、水滴に対しては実質的に不浸透性である。微細孔性フィルムは、空気、気体および蒸気を透過させるが、それでも、水に対するバリヤの機能を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ここで、本発明の現在好ましい実施形態を詳細に参照し、その実施例は以下で説明され得る。本発明は、通気性植物コンテナに関する。本発明の通気性植物コンテナは、開口部を有する中空容器を含んでなり、該開口部から植栽土壌を容器の中空部分に挿入することができ、土壌中で成長する植物は、該開口部を通って容器から外へ成長することができる。中空容器は、空気および水蒸気の通過を可能にするが水の通過を阻止するサイズの微細孔を有する合成微細孔性シート材料を含んでなる壁を有する。微細孔性シート材料は、フラッシュ紡糸プレキシフィラメント布、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(「SMS」)布、および微細孔性フィルム積層体の群から選択される。
【0025】
図1に示される本発明の実施形態によると、通気性植物コンテナは、合成微細孔性シート材料を含んでなる中空容器10を含んでなる。図1に示される本発明の実施形態では、中空容器は、コンテナの前面、底面、および背面を形成するパネル12と、継ぎ目16に沿ってパネル12に接合された、対向する側面パネル14とを有する。継ぎ目16は水を通さず、好ましくは、熱接着、音波溶着、粘着性接着、またはその他の既知の手段により形成される。パネル12および16の重なり合う部分を熱溶融して形成される継ぎ目が好ましい。容器10は、その上半分の部分、好ましくはその最上部または最上部付近に開口部を有し、該開口部から土壌18を容器内に導入することができる。単一のパネルを折り重ね、対向する側面の継ぎ目を密封して形成される容器や、水を通さない継ぎ目に沿って互いに接合された多数のパネルから形成される多面容器など、本発明の範囲内である中空容器10の代替構成が存在する。
【0026】
合成微細孔性シート材料は、空気および水蒸気の通過を可能にするが水の通過を阻止する微細孔を有する。合成材料を用いることによって、容器の腐敗が回避される。容器10の合成微細孔性シート材料は、水の通過を阻止し、通常の動作条件下で防水性の材料である。大気中の動作条件では、合成微細孔性シート材料は、含有される気体と周囲の空気環境との交換を連続的に可能にすることによって、圧力均等化の保持を助ける。中空容器10の壁を形成する合成微細孔性シート材料は、好ましくは、200秒/100cm未満の気孔率値、少なくとも300g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも20cmの静水頭を有する。さらに好ましくは、中空容器10の壁を形成する合成微細孔性シート材料は、25秒/100cm未満の気孔率値、少なくとも1200g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも30cmの静水頭を有する。このような特性を示す合成微細孔性シート材料を含んでなる容器は、酸素がコンテナを通ってコンテナ内に保持された土壌内に拡散できるようにし、そしてコンテナ内に保持された土壌中の二酸化炭素が、コンテナから外に拡散することも可能にする。このコンテナによる「呼吸(breathing)」は、特に土壌の体積が成長中の植物のサイズに比べて大きくない場合には、コンテナ内に保持される土壌中で成長される植物の健康に大きく寄与する。上記の特性を示す合成微細孔性シート材料を含んでなる容器は、容器の壁を通って水が漏れ出さないようにもする。これは、植物コンテナが屋内で使用される場合に特に重要である。
【0027】
本発明の植物コンテナの中空容器の壁を形成する合成微細孔性シート材料は、フラッシュ紡糸プレキシフィラメント布、SMSシート材料または微細孔性フィルム積層体である。好ましくは、フラッシュ紡糸プレキシフィラメント布は、ポリオレフィンポリマーのプレキシフィラメントフィルムフィブリルの熱接着ウェブを含んでなり、より好ましくは、ポリオレフィンポリマーはポリエチレンである。接着されたフラッシュ紡糸ポリオレフィンプレキシフィラメント布は、微細孔性ウェブの特徴と、一体構造を有する不織布の機械強度との独特の組み合わせを提供する。好ましいポリオレフィンプレキシフィラメントシート材料は、E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)により製造されるタイベック(Tyvek(登録商標))フラッシュ紡糸ポリエチレン布である。好ましい型はタイベック(Tyvek)3562Bであり、これは、60g/mの坪量、110秒/100cmの気孔率、1260g/m/24時間のMVTR、170cmの静水頭、および33N/cmの引張強さを有する。
【0028】
好ましくは、SMSシート材料は、ポリプロピレンまたはポリエステルのメルトブローン繊維またはこれらの組み合わせを含んでなるメルトブローン層を有し、該メルトブローン層は2つのスパンボンド層の間に挟持され、各スパンボンド層はポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエステルの溶融紡糸繊維またはこれらの組み合わせを含んでなる。あるいは、SMS布は、2つのスパンボンド層の間に挟持された2つのメルトブトーン層を含むSMMSでもよいし、またはスパンボンド層の間に1つもしくはそれ以上のメルトブローン繊維層を含むその他の組み合わせでもよい。好ましいSMS布は、英国パースシャーのプロクター・グループ(Proctor Group of Perthshire、United Kingdom)により販売されているダルテックス・ルーフシールド(Daltex Roofshield)であり、これは、250g/mの坪量、6秒/100cmの気孔率、1935g/m/24時間のMVTR、220cmの静水頭、および47N/cmの引張強さを有する。
【0029】
好ましい微細孔性フィルム積層体は、良好な機械強度および耐久性を示す微細孔性フィルムおよび不織布の積層体である。微細孔性フィルム積層体は、優れた空気および水蒸気浸透性、ならびに非常に良好な耐水性を提供する。好ましくは、積層体の微細孔性フィルムは、ポリプロピレン微細孔性フィルムなどの二軸配向されたポリオレフィン微細孔性フィルムであるが、PTFE微細孔性フィルムなどのその他の微細孔性フィルムが用いられてもよい。積層体の不織布層(単数または複数)は、好ましくは、スパンボンドポリプロピレンまたはポリエステルなどのスパンボンド不織布であるが、スパンレース不織布、カード式不織布、エアレイド不織布およびニードルフェルトなどのその他の不織布が用いられてもよい。好ましい微細孔性積層体は、微細孔性フィルムの各面に低坪量ポリプロピレン不織布を2層有する微細孔性ポリプロピレンフィルムなどの、スパンボンド不織布/微細孔性フィルム/スパンボンド不織布の積層体である。本発明で使用することができる1つの微細孔性積層体は、タイベック・ユニバーサル(Tyvek(登録商標)Universal)5806Xであり、これは、135g/mの坪量、24秒/100cmの平均気孔率、1875g/m/24時間のMVTR、600cmの静水頭、および25N/cmの引張強さを有するスパンボンドポリプロピレン/微細孔性ポリプロピレンフィルム/スパンボンドポリプロピレン積層体である。
【0030】
植物コンテナの中空容器の壁を形成する合成微細孔性シート材料は、1つもしくはそれ以上の他の織布、不織布、または微細孔性フィルム層に積層されてもよい。例えば、微細孔性シート材料は、互いに積層された2つもしくはそれ以上の上記の微細孔性シート材料を含んでなってもよい。合成微細孔性シート材料が、異なる融点を有する異なるポリマーで製造された2つもしくはそれ以上の層を含有する場合、中空容器の継ぎ目は、熱溶着ま
たは接着によって、より容易に形成することができる。使用することができる積層体の例としては、ポリオレフィンまたはポリエステルSMSまたはスパンボンド布の層に取り付けられたポリオレフィン微細孔性フィルムの積層体と、ポリオレフィンまたはポリエステルスパンボンドまたはSMS布の層の間に挟持されたポリオレフィン微細孔性フィルムの積層体と、ポリオレフィンフラッシュ紡糸プレキシフィラメント不織布およびポリプロピレンスパンボンド布の積層体と、ポリオレフィンフラッシュ紡糸プレキシフィラメント不織布およびポリオレフィンまたはポリエステルスパンボンドまたはSMS布の積層体とがあげられる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によると、合成微細孔性シート材料は、少なくとも10N/cmの引張強さを有する。このような引張強さを有するシート材料は、湿った土壌と、このような土壌から成長する植物とを支持するために十分に強固である。より好ましくは、合成微細孔性シート材料は、少なくとも30N/cmの引張強さを有する。さらに、重なり合う熱溶融した継ぎ目部分は、少なくとも10Nの密封強度を有することが好ましく、より好ましくは、少なくとも30Nの密封強度を有する。この密封強度は、容器がプランタ内に保持される湿った土壌の重量を負って破裂しないようにする。上記で議論したタイベック(Tyvek(登録商標))3562のポリエチレンフラッシュ紡糸プレキシフィラメント布は、33N/cmの引張強さを有し、125〜130℃の間の温度で3mm幅の溶接ワイヤを用いて熱的に接着された1cm幅の重なり合った継ぎ目は、約70Nの平均密封強度を有する。
【0032】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によると、本発明の通気性植物コンテナの中空容器は第1の区画室および第2の区画室を有し、第1の区画室は、水の通過を阻止する合成水蒸気浸透性膜によって第2の区画室から隔てられている。第1の区画室は、植栽土壌を前記第1の区画室内の容器の中空部分に挿入することができる開口部と連通しており、第2の区画室は、水を第2の区画室に添加することができる開口部を有する。水が第2の区画室に添加されると、水蒸気は、水蒸気浸透性膜を通過して、前記第1の区画室に挿入された土壌内に移行することができる。
【0033】
図2に示される本発明の実施形態では、コンテナ20は、植栽土壌18を挿入することができる第1の区画室22を有する。またコンテナ20は、水を保持するための第2の区画室23も有する。第1の区画室は、水蒸気浸透性で液体不浸透性の膜30によって第2の区画室から隔てられ、水蒸気32は、第2の区画室23の貯蔵器から膜30を通過して、第1の区画室22内の土壌18内に移行することができる。水蒸気浸透性で液体不浸透性の膜は、好ましくは、水蒸気の通過を可能にするように十分に大きいが、液体の水の通過を阻止するように十分に小さい微細孔を有する合成微細孔性不織布シート材料である。あるいは、膜30は、スパンボンド不織布などの支持材料に積層された微細孔性フィルムを含んでなってもよいし、もしくは親水性の熱可塑性ポリウレタンフィルム、ポリエーテルエステルブロックコポリマーフィルム、またはポリエーテルポリアミドブロックコポリマーフィルムなどの水蒸気浸透性および液体不浸透性の一体化フィルムを含んでなってもよい。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によると、中空容器の第1の区画室と第2の区画室の間の水蒸気浸透性膜は、少なくとも800g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも10cmの静水頭を示す。本発明の好ましい実施形態では、水蒸気浸透性で液体不浸透性の膜は、デュポン(DuPont)により製造され、61g/mの坪量、155cmの静水頭、および1750g/m/24時間の水蒸気透過速度を有するタイベック(Tyvek(登録商標))1060Bのフラッシュ紡糸ポリエチレン布である。図2に示される本発明の実施形態では、二酸化炭素28は土壌18からコンテナ20の第1の区画室22の外壁を通って出て行くことができ、酸素26はコンテナ20の第1の区画室22の外壁を通って土壌に入ることができ、そして水蒸気32は水蒸気浸透性膜30を通って土壌に入ることができるので、土壌18は成長のための最適条件に保持される。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明の通気性植物コンテナは、中空容器を保持および包囲する支持袋体を有する。支持袋体は中空容器の開口部と位置合わせされた開口部を有し、支持袋体は好ましくは、本質的に合成繊維不織布材料からなる。支持袋体は、中空容器の壁と接触する内部表面と、反対側の外部表面とを有する。支持袋体は、中空容器の壁と支持袋体の外部表面との間で空気および水蒸気の通過を可能にする空気通路を有する。
【0036】
図3に示される本発明の実施形態では、支持袋体40は、図1に示される容器10のような中空容器を包囲および保持する。図3に示される本発明の実施形態では、支持袋体40は、コンテナの前面、底面および背面を形成するパネル42と、継ぎ目46に沿ってパネル12に接合された対向する側面パネル44とを有する。継ぎ目46は、好ましくは、熱接着、音波溶着、粘着性接着、縫い合わせ、またはその他の既知の手段により形成される。パネル42および46の重なり合う部分を熱溶融して形成される継ぎ目が好ましい。袋体40はその最上部または最上部付近に開口部を有し、該開口部から、中空容器10を挿入したり袋体40から取り出したりすることができると共に、土壌および水を中空容器10内に供給することができる。支持袋体内に保持された中空容器10内へ、および中空容器10からの空気の通過を容易にするように、支持袋体の前面、背面、側面または底面に孔48が付け加えられてもよい。支持袋体40はハンドル49を含有してもよく、そこから支持袋体を保持したり、あるいはフックから吊り下げたりすることができる。単一のパネルを折り重ね、対向する側面の継ぎ目を密封して形成された袋体や、多面袋体など、本発明の範囲内である支持袋体40の代替構成が存在する。
【0037】
支持袋体のための多数の代替構成は、図5に示される。袋体84は円錐形状の袋体であり、フック92または他の留め具に吊り下げることができる固定用の孔56を有する。袋体86、88および90は、支持袋体の別の3つの代替構成である。支持袋体は、ロッド82から掛けられた布パネル80、フェンスまたは壁などの傾斜または鉛直表面から吊り下げられ得ることが予想される。また、支持袋体84、86、88および90はどれも、図1を参照して上記した容器10のような中空の土壌保持容器を収容できることも予想される。好ましい支持袋体および中空の土壌保持容器は互いに分離されて、植物のより容易な挿入および除去を可能にする。しかしながら、熱溶着、音波接着、粘着性接着などにより、中空容器および支持袋体は互いに接続され得ることも予想される。上記で議論したように、スパンボンドポリオレフィンまたはポリエステルなどの支持布と積層された微細孔性シート材料から容器を製造することによって、中空容器および支持袋体を結合することができる。
【0038】
支持袋体は、好ましくは、支持袋体の空気通路を含んでなる細孔を有する布を含んでなる。本発明の好ましい実施形態によると、支持袋体は、空気の通過が自由であり、少なくとも15N/cmの引張強さを有する合成不織布材料を含んでなる。合成不織布は、好ましくはスパンボンドポリオレフィンであり、より好ましくはスパンボンドポリプロピレンである。好ましいスパンボンドポリプロピレンは、デュポン(DuPont)により製造され、90g/mの坪量、39N/cmの引張強さ、および非常にオープンな構造を有するタイパー(Typar(登録商標))3276−Bスパンボンドポリプロピレンである。
【0039】
図4に示される本発明の代替の実施形態では、第1の土壌保持用の区画室54と、区画室54の側面および底面の第2の水保持用の区画室53とを有する中空容器52が形成される。この配列は、容器52の水保持用区画室と土壌保持用区画室との間に、図2に示さ
れる本発明の実施形態よりも大きい表面積を有する水蒸気浸透性で水不浸透性の膜を提供する。中空容器52は、孔56により鉛直または傾斜表面に配置されるフックに吊り下げることができる支持袋体50により保持される。図4に示される本発明の実施形態では、中空容器52は、透明パネル58を含有し、そこから、水保持用区画室53内の水のレベルを観察することができる。支持袋体50の対応の透明パネル59は、中空容器52内の水のレベルが支持袋体の外側から観察できるようにする。あるいは、土壌中の水蒸気レベルは、従来の土壌水蒸気センサを用いて監視されてもよい。
【0040】
上記のような本発明の植物コンテナの中空容器部分および支持袋体部分は両方とも、既知のフレキシブル包装水平製袋機械(flexible packaging horizontal pouch making machinery)を用いて製造することができる。例えば、中空容器および支持袋体は両方とも、スペインのバルセロナのボサール(Bossar of Barcelona,Spain)により製造されるB−1600またはB−2500水平製袋機を用いて製造することができる。その他の適切な高速製袋機は、オーストラリアのメルボルンのアムコア・リミティッド(Amcor Limited of Melbourne,Australia)、および日本国京都のトタニ技研工業株式会社(Totani Corporation of Kyoto,Japan)から入手可能である。
【0041】
以下の非限定的な実施例は本発明を説明することが意図され、いかなる形でも本発明を制限することは意図されない。
【実施例】
【0042】
60g/mの坪量を有するタイベック(Tyvek)3562Bフラッシュ紡糸プレキシフィラメント布シートから、通気性植物コンテナの中空容器部分を作製した。長さ25.5cmの底縁部、高さ38cm、および底縁部に平行な長さ19cmの上縁部を有する台形形状の布の断片を切断した。台形形状断片を底縁部および上縁部に平行な線で半分に折畳んだ。布の2つの三角形状の側面部分(折畳んだ断片の広いほうの半分部分の反対の側面に沿った重ね合わせのないところ)を、断片の重なり部分の縁部に沿ってそれぞれ折畳んだ。折畳んだ台形形状の断片をわずかに開き、2つの折畳んだ三角形状の側面部分のそれぞれの横方向に自由な縁部を、台形形状断片の狭いほうの半分部分のそれぞれの側面縁部と約1cm重ね合わせた。ポーランドのウッチのZEMATにより製造されるタイプZI−400プラスチック材料用熱溶接機の3mm幅の溶接ワイヤを用いて、重ね合わせたそれぞれの部分を125°〜130℃の間の温度で3秒間熱溶着させた。24時間水を完全に充満させることによって、溶着された中空容器の耐水性を検査し、水は全く漏れ出さなかった。
【0043】
支持袋体は、90g/mの坪量を有するタイパー(Typar)3267−Bスパンボンドポリプロピレンの2つの断片から製造した。袋体の前面、側面および底面を形成する第1の断片を、袋体の背面を形成する第2の矩形断片に熱溶着させて縫い付けた。袋体のポケットは、幅190mm、深さ約160mmであり、背面から外に約50mm延在される。支持袋体および中空容器は、中空容器および支持袋体ポケットの最上部の開口部の近くで一緒に縫い付けた。
【0044】
緑の室内植物を中空容器内に移植し、次にもろい土壌を空いた部分に充填した。植物コンテナを家の鉛直の内壁から吊り下げた後、1週間に一度、開口部から植物に給水した。土壌は湿ったままであり、植物は1年にわたってよく成長した。
【0045】
本発明の特定の実施形態が上記の説明において記載されたが、本発明の精神または本質的な特性から逸脱することなく本発明には多数の修正、代用および再配置が可能であるこ
とは、当業者により理解されるであろう。本発明の範囲を示すには、上記の明細書ではなく、特許請求の範囲が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の1つの好ましい実施形態に従う通気性植物コンテナの斜視図である。
【図2】本発明のもう1つの実施形態に従う通気性植物コンテナの斜視図である。
【図3】本発明のもう1つの実施形態に従う通気性植物コンテナの斜視図である。
【図4】本発明のもう1つの実施形態に従う通気性植物コンテナの分解斜視図である。
【図5】本発明に従う多数の鉛直に吊り下げられた通気性植物コンテナを示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する中空容器を含んでなる通気性植物コンテナであって、
開口部から植栽土壌を容器の中空部分に挿入することができ、土壌中で成長する植物は開口部を通って容器から外へ成長することができ、前記容器は、空気および水蒸気の通過を可能にするが水の通過は阻止するサイズの微細孔を有する合成微細孔性シート材料を含んでなる壁を有し、前記合成微細孔性シート材料が、フラッシュ紡糸プレキシフィラメント布、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(「SMS」)布、および微細孔性フィルム積層体の群から選択される通気性植物コンテナ。
【請求項2】
合成微細孔性シート材料が、ポリオレフィンポリマーのプレキシフィラメントフィルムフィブリルを含んでなるフラッシュ紡糸プレキシフィラメント布である請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項3】
ポリオレフィンポリマーが、ポリエチレンである請求項2に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項4】
合成微細孔性シート材料が、SMS布である請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項5】
SMS布が、ポリプロピレンまたはポリエステルのメルトブローン繊維もしくはこれらの組み合わせを含んでなるメルトブローン層を有し、前記メルトブローン層が、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエステルの溶融紡糸繊維またはこれらの組み合わせをそれぞれ含んでなる2つのスパンボンド層の間に挟持される請求項4に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項6】
前記容器の壁が、200秒/100cm未満の気孔率、少なくとも300g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも20cmの静水頭を有する請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項7】
前記容器の壁が、25秒/100cm未満の気孔率、少なくとも1200g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも30cmの静水頭を有する請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項8】
前記容器の壁が、重なり合う熱溶融された継ぎ目部分により互いに接合される、熱溶融可能な合成微細孔性シート材料の多数の断片を含んでなる請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項9】
合成微細孔性シート材料が少なくとも10N/cmの引張強さを有し、重なり合う熱溶融された継ぎ目部分が、少なくとも10N/cmの密封強度を有する請求項8に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項10】
前記中空容器は第1の区画室および第2の区画室を有し、前記第1の区画室は、水の通過を阻止する合成水蒸気浸透性膜により前記第2の区画室から隔てられ、前記第1の区画室は、植栽土壌を前記第1の区画室内の容器の中空部分に挿入することができる開口部と連通し、前記第2の区画室は、水を第2の区画室に添加することができる開口部を有するので、水が第2の区画室に添加されると、水蒸気が水蒸気浸透性膜を通過して、前記第1の区画室に挿入された土壌中に移行することができる請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項11】
前記中空容器の第1の区画室と第2の区画室の間の合成水蒸気浸透性膜が、少なくとも
800g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも10cmの静水頭を示す合成微細孔性シート材料を含んでなる請求項10に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項12】
前記中空容器を保持および包囲する支持袋体をさらに含んでなり、前記支持袋体が、前記中空容器の開口部と位置合わせされた開口部を有し、前記支持袋体が布材料を含んでなり、前記支持袋体が、中空容器の壁と接触する内部表面および反対側の外部表面を有し、前記支持袋体が、中空容器の壁と支持袋体の外部表面との間の空気および水蒸気の通過を可能にする空気通路を有する請求項1に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項13】
支持袋体が、支持袋体の空気通路を含んでなる細孔を有する合成不織布で作製され、前記合成不織布は空気の通過が自由であり、少なくとも15N/cmの引張強さを有する請求項12に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項14】
中空容器および支持袋体が、微細孔性シート材料と別の布材料との積層体から一体化して形成される請求項12に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項15】
支持袋体が、植物コンテナを鉛直表面から吊り下げるための少なくとも1つの留め具を有する請求項12に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項16】
開口部を有する中空容器を含んでなる通気性植物コンテナであって、
開口部から植栽土壌を容器の中空部分に挿入することができ、土壌中で成長する植物は開口部を通って容器から外へ成長することができ、前記容器は、空気および水蒸気の通過を可能にするが水の通過は阻止するサイズの微細孔を有する合成微細孔性シート材料を含んでなる壁を有し、
前記中空容器は第1の区画室および第2の区画室を有し、前記第1の区画室は、水の通過を阻止する合成水蒸気浸透性膜により前記第2の区画室から隔てられ、前記第1の区画室は、植栽土壌を前記第1の区画室内の容器の中空部分に挿入することができる開口部と連通し、前記第2の区画室は、水を第2の区画室に添加することができる開口部を有するので、水が第2の区画室に添加されると、水蒸気が水蒸気浸透性膜を通過して、前記第1の区画室に挿入された土壌中に移行することができる通気性植物コンテナ。
【請求項17】
前記中空容器の第1の区画室と第2の区画室の間の合成水蒸気浸透性膜が、不織布材料を含んでなり、少なくとも800g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも10cmの静水頭を示す請求項16に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項18】
開口部を有する中空容器と、前記中空容器を保持および包囲する支持袋体とを含んでなる通気性植物コンテナであって、
開口部から植栽土壌を容器の中空部分に挿入することができ、土壌中で成長する植物は開口部を通って容器から外へ成長することができ、前記中空容器は、本質的に、空気および水蒸気の通過を可能にするが水の通過は阻止するサイズの微細孔を有する合成微細孔性シート材料からなる壁を有し、前記容器の壁が、20秒/100cmより大きい気孔率、少なくとも600g/m/日の水蒸気透過速度、および少なくとも20cmの静水頭を有し、
前記中空容器は第1の区画室および第2の区画室を有し、前記第1の区画室は、水の通過を阻止する合成水蒸気浸透性膜により前記第2の区画室から隔てられ、前記第1の区画室は、植栽土壌を容器の中空部分および前記第1の区画室内に挿入することができる開口部と連通し、前記第2の区画室は、水を第2の区画室に添加することができる開口部を有するので、水が第2の区画室に添加されると、第2の区画室は貯蔵器の機能を果たし、水蒸気は水蒸気浸透性膜を通過して、前記第1の区画室内に置かれた土壌中に移行することができ、
前記支持袋体は、前記中空容器の開口部と位置合わせされた1つもしくはそれ以上の開口部を有し、開口部から土壌および水を中空容器中の第1および第2の区画室に添加することができ、前記支持袋体が繊維布材料を含んでなり、前記支持袋体が、中空容器の壁と接触する内部表面および反対側の外部表面を有し、前記支持袋体が、中空容器の壁と支持袋体の外部表面との間の空気および水蒸気の通過を可能にする空気通路を有する通気性植物コンテナ。
【請求項19】
支持袋体が、本質的に、支持袋体の空気通路を含んでなる細孔を有するスパンボンドポリオレフィン布からなり、前記スパンボンドポリオレフィン布は、少なくとも15N/cmの引張強さを有し、空気の通過が自由であり、前記支持袋体が、植物コンテナを鉛直表面から吊り下げるための少なくとも1つの留め具を有する請求項18に記載の通気性植物コンテナ。
【請求項20】
中空容器の壁が、ポリオレフィンポリマーのプレキシフィラメントフィルムフィブリルを含んでなるフラッシュ紡糸プレキシフィラメント布からなる請求項19に記載の通気性植物コンテナ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−534299(P2007−534299A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518979(P2006−518979)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/022558
【国際公開番号】WO2005/004582
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】