説明

通気緩衝フロアマット

【課題】本発明は、通気性、快適性、緩衝性を向上させるとともに、滑り止めの効果も達成する通気緩衝フロアマットを提供する。
【解決手段】上方に配置された表面層と、中間に配置された通気層と、下方に配置された滑り止め層とによって構成される。上層である表面層には、様々な材質、例えばカーペット類の素材、布材、可塑性素材、を用いることができる。その内、布材は、例えばニット生地や起毛ニット生地の素材であり、可塑性素材は、例えば熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、或いはポリ塩化ビニル(PVC)等の材質である。表面層と中間層である通気層を結合し、通気層に上、下の編地部を設け、更に、二つの上下編地部の間に複数の微小高剛性合成繊維糸を設け、最後に、通気層下方に滑り止め層を結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフロアマットに関し、特に、車や家の絨毯上に敷いた時は、優れた通気性によりカビ防止効果があり、室内の絨毯上に敷いた時は、快適、弾性緩衝、疲労解消といった効果をもつとともに、マットの底部の滑り止め材料により踏んだ時に滑るのを防ぐ効果をもち、ペットの睡眠マットとして用いた時は、快適、緩衝効果をもつとともに、ペットの汗の臭いをにおいにくくさせる通気性の効果ももつフロアマットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なフロアマットは、マットの底部に、スパイク状のプラスチック材質などによる滑り止め構造が設けられているが、スパイク状のプラスチック材質は通気性がない。
【0003】
フロアマットを自動車内の床に敷く場合、フロアマットとフロアカーペットの間には、足の底に付着した雨水により水蒸気の水分が溜まりやすく、それによりマットの底部の湿気が多くなると、カビの臭いが発生しやすくなるという欠点がある。
【0004】
また、ペットが寝転ぶための睡眠マットとして使用する際、ペットは汗をかくため、その体液がマットの布材に染み込む。従って、マットの通気性が不足している時、その汗がだんだん異臭を放つようになり、ペットを飼っている環境の空気が異臭で充満する。
【0005】
従来のフロアマットが直面する上述の問題を解決するために、本発明は、三層の材質でマット体を形成させる。表面層は、繊維材質或いは可塑性材質によってなり、中間層は通気、緩衝層であり、最下層は滑り止め層である。以上の構造により、本発明は、通気、弾性緩衝、及び滑り止めの効果を達成する。
【0006】
また、主婦が家で料理をする際、長い間立ちっぱなしの状態が続き、全身の重量が足の底にかかる。本発明は、マットの厚さを大きくすることができ、中間の通気層は弾性、緩衝作用に富むため、長い間立った時の負担を和らげる効果を提供し、疲労感を軽減させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、通気性、快適性、緩衝性を向上させるとともに、滑り止めの効果も達成する通気緩衝フロアマットを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、各種絨毯を傷つけたり、起毛を損傷させたりせず、また、構成部材がシンプル、加工が容易、製造コストが低い、耐久性と適用度が高いという利点を具え、しかも、実際に足で踏んだ時の、足の裏にかかる負担を和らげて、長時間立つ際の疲労を解消し、さらには、高い通気性と弾性緩衝性を兼ね備える、通気緩衝フロアマットを提供することをもう一つの目的とする。
【0009】
本発明は、ペット用の睡眠マットとして用いることができ、適度な厚みにより快適性と通気性の効果をもち、ペットが寝転んだ時に快適感を与えるとともに、ペットの汗がマットに付着することによる臭いを軽減させることが可能な、通気緩衝フロアマットを提供することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達するために、本発明による通気緩衝フロアマットは、少なくとも、上方に配置された表面層と、中間に配置された通気層と、下方に配置された滑り止め層とによって構成され、全体として、通気性の優れたマット体を形成する。中間の通気層には、上編地部と、下編地部と、二つの上下編地部の間に連結された高剛性合成繊維糸とが設けられる。高剛性合成繊維糸の高さは任意に設定することができ、その高さにより、本発明のマットは弾性を有する。また、下層である滑り止め層には、複数の微小な高剛性合成繊維糸である掛着滑止材料が設けられ、簡単に、各種絨毯に滑り止めのための掛着をすることができ、しかも、取り外す時に、絨毯を損傷することがないため、本発明による通気緩衝フロアマットは優れた滑り止め効果をもつ。また中間の通気層は、厚みをもつ材料からなるため、その弾性緩衝により、踏んだ際の足の裏にかかる圧力を和らげ、快適感を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態のマットの構造を示した分解図である。
【図2】本発明のマットの通気層の構造を示した拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態のマットの外観を示した斜視図である。
【図4】本発明の図3のマットの断面図である。
【図5】本発明の図4の構造の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、本発明の通気緩衝フロアマット1は、上方に配置される表面層10と、中間に配置される通気層20と、下方に配置される滑り止め層30との三層によって構成する。その内、上層である表面層10には、様々な材質(カーペット類の素材、布材、可塑性素材)を用いることができる。表面層にカーペット類の素材を使用する際は、需要に応じてニードルパンチ‐カーペット(Needle Punched Carpet)やタフテッドカーペット(Tufted Carpet)等の素材を用いることができる。また、表面層に布材を使用する際は、ニット生地や起毛ニット生地の素材を用いることができる。また、表面層に可塑性素材を使用する際は、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、或いはポリ塩化ビニル(PVC)等の材質を用いることができる。熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、或いはポリ塩化ビニル(PVC)を用いる時は、押出ラミネートによって成形、或いは表面層を薄板状にして、中間層である通気層20と相互に貼りあわせる後続の加工をしやすいようにする。表面層に可塑性材料を用いる時は、薄板状にした後、さらにその薄板上に穴をあける。表面層10に通気層20を貼り合せた後、通気層20の底部に接着剤を塗布し、下層の滑り止め層30と相互に貼りあわせる。
【0013】
図2に示すように、中間層である通気層20には、上編地部21と、下編地部22と、二つの上下編地部の間に連結された単繊維の高剛性合成繊維糸23とが設けられている。下編地部22の編地の編目は、その密度の大きさを自由に設定でき、通気層20は様々な通気性の需要に応えることができる。例えば、編目を大きくした時は、垂直方向と水平方向に大きな通気性をもち、また、下編地部22の編目を小さくした時は、水平方向に大きな通気性をもつ。以上の構造により、通気層20は、全体として、表面層10底部に湿気防止のための通気性を提供し、さらに、弾性緩衝の特性を提供する。
【0014】
図3、図4に示すように、上層である表面層10と中間層である通気層20を貼り合せた後、巻軸に巻き、さらに、塗布設備で通気層20底部に接着剤を塗布して滑り止め層30に貼り合わせることで、滑り止め層30は下編地部22上に貼り合わされ、通気緩衝フロアマット1は、通気層20に設けられた上編地部21と、下編地部22と、二つの編地部の間の高剛性合成繊維糸23とにより、弾性、緩衝、及び通気の優れた特性を具えることができる。また、先に、中間層である通気層20と滑り止め層30の両者を、裁縫機で機械縫いして相互に結合し、その後、通気層20上方に上層である表面層10を貼り合せ、三層の材質を一体に結合させることもできる。
【0015】
図5に示すように、本実施例の通気緩衝フロアマット1は三つの層からなり、その三つの層は、上方に配置された表面層10と、中間層である通気層20と、下方に配置された滑り止め層30である。その内、表面層10は、カーペット類の素材や布材や可塑性素材によってなる。表面層10にカーペット類を使用する時は、カーペット類には、ニードルパンチ‐カーペット(Needle Punched Carpet)やタフテッドカーペット(Tufted Carpet)等の素材を用いることができる。布材を使用する時は、ニット生地や起毛ニット生地の素材を用いることができる。可塑性素材を使用する時は、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ゴム(TPR)、或いはポリ塩化ビニル(PVC)等の材質を用いることができる。本発明を家庭用のフロアマットとして使用する際は、家の絨毯に対して高い滑り止め効果が要求されるため、本実施例の滑り止め層30には掛着滑止材料を設ける。この掛着滑止材料は、上編地部31と、下方へ延伸する高剛性合成繊維糸32とによってなり、掛着滑止材料底部の下方へ延伸する高剛性合成繊維糸32を用いることで、絨毯に対して滑り止めのための掛着をすることができ、しかも、各種絨毯を傷つけたり、起毛を損傷させたりしない。
【0016】
また、表面層10の素材にニット生地や起毛ニット生地を採用する場合、表面層10は通気層20と滑り止め層30の最上端に結合され、ペットの睡眠マットとして用いることができ、起毛ニット生地などの柔らかい布材面がペットの皮膚と接触し、ペットは心地よく休むことができる。また、下方の通気層20は、適度な高さをもつ高剛性合成繊維糸23を具えているため、弾性をもち柔らかく厚いマット面が形成され、長い時間立つ際の、足の裏にかかる圧力が適度に緩和され、ひいては足の疲労を解消させることができる。また、最下方に設けられた滑り止め層30は、家や車の絨毯に対して滑り止めの効果がある。以上の構造により、ペットがマットに寝転んだ際に、高い快適性と通気性が得られ、マットの下方の通気層の高い通気性により、ペットの汗を臭いにくくさせ、ペットを飼う環境を大幅に改善させることができる。
【符号の説明】
【0017】
1 通気緩衝フロアマット
10 表面層
20 通気層
21 上編地部
22 下編地部
23 高剛性合成繊維糸
30 滑り止め層
31 上編地部
32 高剛性合成繊維糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に配置された表面層と、中間に配置された通気層と、下方に配置された滑り止め層とによって構成し、
該表面層は、最上方に連結され足の裏で踏まれ、
該通気層は、弾性、緩衝、及び通気作用を具えるとともに、該通気層には、上編地部と、下編地部とが設けられ、該上、下編地部の間には高剛性合成繊維糸が設けられ、該上編地部は該表面層に連結され、該下編地部は該滑り止め層に連結され、
該滑り止め層は滑り止めの作用を具えるとともに、該滑り止め層は該通気層の下編地部に連結されることを特徴とする、通気緩衝フロアマット。
【請求項2】
該表面層はカーペット類の素材によってなることを特徴とする、請求項1に記載の通気緩衝フロアマット。
【請求項3】
該表面層は布材によってなることを特徴とする、請求項1に記載の通気緩衝フロアマット。
【請求項4】
該表面層は可塑性エラストマー(TPE)によってなることを特徴とする、請求項1に記載の通気緩衝フロアマット。
【請求項5】
該表面層は熱可塑性ゴム(TPR)によってなることを特徴とする、請求項1に記載の通気緩衝フロアマット。
【請求項6】
該表面層はポリ塩化ビニル(PVC)によってなることを特徴とする、請求項1に記載の通気緩衝フロアマット。
【請求項7】
該滑り止め層は、上編地部と、下方に延伸する高剛性合成繊維糸とが設けられた掛着滑止材料によってなることを特徴とする、請求項1に記載の通気緩衝フロアマット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−212413(P2011−212413A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109262(P2010−109262)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(595084276)聖州企業股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】