説明

通行券発行装置

【課題】通行券の繰返し再利用が可能となり、かつ、繰返し再利用可能な通行券の長寿命化が図れる通行券発行装置を提供する。
【解決手段】有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有するRFIDカードからなる通行券を発行する通行券発行装置において、通行券を発行する際、利用回数および印字品質を確認し、再利用可能と判断した場合には通行券の再利用を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有する非接触型通信媒体からなる通行券を発行する通行券発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、印加される熱エネルギに応じて文字情報の印字/消去が繰返し可能なリライタブル印字面を有するリライタブルカード(ストアードフェアカード)は、交通機関で乗車券や定期券として利用されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなリライタブルカードは、そのリライタブル印字面に対する印字はサーマル印字であり、印字方式の特性上、印字/消去の繰り返し回数に制限があり、一般的に300回程度となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−150706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなリライタブルカードを有料道路などの通行券に使用した場合、有料道路を利用するごとに1回の印字が必要となるため、カードリサイクル回数の制限がリライトの回数によって制限されることになる。そのため、環境面、コスト面から媒体の寿命を延ばすことが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、通行券の繰返し再利用が可能となり、かつ、繰返し再利用可能な通行券の長寿命化が図れる通行券発行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通行券発行装置は、有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する通行券発行装置であって、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには当該通行券の利用回数および少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、この通行券供給手段により供給される通行券の前記メモリから利用回数を読取る利用回数読取手段と、前記通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、この印字手段により印字された印字部分の画像を撮影する撮影手段と、この撮影手段により撮影された画像に基づき前記印字部分の印字品質を確認する印字品質確認手段と、この印字品質確認手段による確認結果と前記利用回数読取手段により読取られた利用回数とに基づき当該通行券は再利用可能か否かを判定する再利用判定手段と、この再利用判定手段により再利用可能と判定された場合、前記印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録するとともに当該メモリ内の利用回数を更新する記録手段と、前記再利用判定手段により再利用不可能と判定された場合、当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段とを具備している。
【0008】
また、本発明の通行券発行装置は、有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する通行券発行装置であって、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには当該通行券の利用回数および少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、この通行券供給手段により供給される通行券の前記メモリから利用回数を読取る利用回数読取手段と、この利用回数読取手段により読取られた利用回数があらかじめ定められた規定回数以下であるか否かを判定する第1の判定手段と、この第1の判定手段による判定の結果、利用回数が規定回数以下である場合、前記利用回数読取手段により読取られた利用回数に基づき、あらかじめ利用回数に応じた前記リライタブル印字面に対する印字位置が格納された印字位置テーブルを参照することにより、当該利用回数に対応する印字位置を決定する印字位置決定手段と、前記通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面の前記印字位置決定手段により決定された印字位置に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録するとともに当該メモリ内の利用回数を更新する記録手段と、前記第1の判定手段による判定の結果、利用回数が規定回数以上である場合、当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段とを具備している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通行券の繰返し再利用が可能となり、かつ、繰返し再利用可能な通行券の長寿命化が図れる通行券発行装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通行券発行装置の構成を模式的に示す構成図。
【図2】第1の実施の形態に係る通行券の一例を模式的に示す平面図。
【図3】第1の実施の形態に係る通行券発行処理の流れについて説明するフローチャート。
【図4】閾値テーブルの一例を示す図。
【図5】第2の実施の形態に係る通行券の一例を模式的に示す平面図。
【図6】第2の実施の形態に係る通行券発行処理の流れについて説明するフローチャート。
【図7】印字位置テーブルの一例を示す図。
【図8】通行券に対する印字例を模式的に示す平面図。
【図9】通行券に対する印字例を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る通行券発行装置の構成を模式的に示すものである。この通行券発行装置は、たとえば、有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有する非接触型通信媒体からなる通行券を発行するものである。
【0013】
図1において、通行券供給手段としての通行券供給部11は、使用済あるいは未使用状態の通行券12を多数枚積層状態に収納するホッパ13およびホッパ13から通行券12を1枚ずつ取出して搬送路15へ供給する取出部14から構成されている。
【0014】
ここに、通行券12は、たとえば、図2に示すようなRFID(Radio Frequency IDentification)カードと称される非接触型通信媒体で、外部機器(後述する読取部16)から電磁誘導結合により供給される電力で動作するパッシブタイプのものであり、内部のICチップ(メモリ)31には、少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報(たとえば、入口料金所名、年月日、時刻など)が記録されるとともに、当該通行券12の利用回数をカウントする利用回数カウンタ32(図示しない)が設けられている。
【0015】
また、通行券12の一方の表面には、図2に示すように、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面(印字エリア)33を有している。リライタブル印字面33は、たとえば、1行分の印字エリアを有していて、ここには1行に収まる情報量の入口情報(たとえば、入口料金所名、年月日、時刻など)が印字される。
【0016】
搬送路15の通行券供給部11の下流側には、搬送路15に沿って、搬送される通行券12に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ31内の利用回数カウンタ32から利用回数を読取る読取部(利用回数読取手段)16、搬送される通行券12のリライタブル印字面33に対し入口情報を印字する印字部(印字手段)17、搬送される通行券12のリライタブル印字面33に印字された印字部分の画像を撮影するカメラ(撮影手段)18、廃棄する通行券12を収納するリジェクト部19、搬送される通行券12に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ31に対し入口情報を記録するとともに利用回数カウンタ32の値を加算更新する記録部(記録手段)20が順次設けられている。
【0017】
読取部16、印字部17、カメラ18、記録部20は、それぞれ主制御部21に接続されている。また、主制御部21には、画像保存部22が接続されている。主制御部21は、全体的な制御を司るとともに後述するような各種処理を行なう。
【0018】
次に、このような構成において、第1の実施の形態に係る通行券発行処理の流れについて図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0019】
有料道路を利用する車両が入口料金所へ進入すると、通行券に印字する入口情報が収集される(ステップS1)。この入口情報は、たとえば、入口料金所名や年月日、時刻などなどであるが、通行券の発行は短時間で行なう必要があるため、入口情報は文字高さが3mm程度の場合、1行に収まる情報量とする。
【0020】
次に、取出部14が動作し、ホッパ13から通行券12を1枚取出して搬送路15へ供給する(ステップS2)。搬送路15は、供給された通行券12を読取部16、印字部17、カメラ18、記録部20へと順次搬送するが、まず、読取部16において、搬送される通行券12のICチップ31内の利用回数カウンタ32から利用回数を読取り(ステップS3)、主制御部21へ送る。
【0021】
次に、印字部17において、搬送される通行券12のリライタブル印字面33に対しステップS1で収集された入口情報(入口料金所名、年月日、時刻など)が印字される(ステップS4)。図2にその印字例を示す。
【0022】
次に、カメラ18において、印字部17で印字されたリライタブル印字面33の印字部分の画像を撮影し(ステップS5)、主制御部21へ送る。この場合、印字範囲は毎回固定のため、一定位置(リライタブル印字面33のエリア)の画像のみ撮影すればよい。撮影された画像は、主制御部21の制御により画像保存部22へ保存される。
【0023】
次に、主制御部21は、以下に説明するような画像処理を行なう。まず、画像保存部22に保存された画像に対し2値化処理などを用いて背景部分と文字部分との分離を行なうことで、文字画像(背景分離画像)を抽出し(ステップS6)、画像保存部22へ保存する。
【0024】
次に、ステップS6の文字画像抽出処理にあらかじめ定められた所定時間かかったか否かをチェックし(ステップS7)、所定時間かかった場合、たとえば、撮影画像にノイズ成分が多いものと判断し、画像保存部22から文字画像を取込み、取込んだ文字画像に対して平滑化処理などのノイズ除去処理を行なう(ステップS8)。
【0025】
次に、ノイズ除去処理を行なった文字画像と、あらかじめ登録された文字認識用の辞書情報とを比較し両者の一致度を算出する(ステップS9)。すなわち、主制御部21内に辞書情報としての基準文字パターンが格納されている文字テーブル34(図示しない)が設けられていて、この文字テーブル34の基準文字パターンと文字画像との比較を行なう。比較する方法としては、テンプレートマッチングなどが考えられ、その比較結果は一致度という数値として算出する。
【0026】
なお、ステップS7におけるチェックの結果、所定時間かからなかった場合、たとえば、撮影画像にノイズ成分が少ないものと判断し、ステップS8のノイズ除去処理をジャンプしてステップS9に進む。
【0027】
次に、ステップS3で読取った利用回数カウンタ32の値に基づき、あらかじめ利用回数ごとに異なる閾値が格納された閾値テーブルを参照することにより、当該利用回数に対応する閾値を決定する(ステップS10)。
【0028】
すなわち、主制御部21内には、たとえば、図4に示すように、利用回数ごとに異なるマッチング閾値が格納された閾値テーブル35が設けられていて、読取った利用回数カウンタ32の値に基づき当該閾値テーブル35を参照することにより、当該利用回数に対応するマッチング閾値を決定する。
【0029】
ここに、閾値テーブル35は、たとえば、利用回数カウンタ32の値が小さい、すなわち再利用回数が少ない通行券の場合はマッチング閾値を小さくしておき、逆に、利用回数カウンタ32の値が大きい、すなわち再利用回数が多い通行券の場合、マッチング閾値を大きくしておく。
【0030】
次に、求めたマッチング閾値とステップS9で求めた一致度とを比較し(ステップS11)、一致度の方がマッチング閾値よりも大きい場合、一定の印字品質をクリアしていると考え、記録部20により、搬送される通行券12のICチップ31に対し前記入口情報と同様な電子情報を記録するとともに利用回数カウンタ32の値を加算更新することで通行券12を発行し、図示しない券取出口へ排出する(ステップS12)。
【0031】
ステップS11における比較の結果、一致度の方がマッチング閾値よりも小さい場合、印字品質に問題があると考え、当該通行券12を廃棄処分するためリジェクト部19へ回収する(ステップS13)。
【0032】
これにより、利用回数カウンタ32の値が小さい場合でも著しく印字品質に問題のある通行券を廃棄できるとともに、利用回数カウンタ32の値が大きい場合でも印字品質が問題なければ再利用可能となる。
【0033】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、通行券を発行する際、利用回数および印字品質を確認し、再利用可能と判断した場合には通行券の再利用を行なうことにより、利用回数のみで判断するのではなく、利用回数が多い場合でも印字品質に問題がなければ再利用可能であるため、リサイクル通行券としての長寿命化が可能である。
【0034】
次に、第2の実施の形態について説明する。
なお、第2の実施の形態に係る通行券発行装置の構成は、上述した第1の実施の形態に係る通行券発行装置(図1)と基本的には同様であるので、その説明は省略する。
【0035】
図5は、第2の実施の形態に係る通行券12を概略的に示している。この通行券12は、第1の実施の形態と同様、RFID(Radio Frequency IDentification)カードと称される非接触型通信媒体で、外部機器(読取部16)から電磁誘導結合により供給される電力で動作するパッシブタイプのものであり、内部のICチップ(メモリ)41には、少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報(たとえば、入口料金所名、通行日時、車種、車番など)が記録されるとともに、当該通行券12の利用回数をカウントする利用回数カウンタ42(図示しない)が設けられている。
【0036】
また、通行券12の一方の表面には、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面(印字エリア)43を有している。リライタブル印字面43は、たとえば、複数行分の印字エリアを有していて、ここには1行に収まる情報量の入口情報(たとえば、入口料金所名、通行日時、車種、車番など)が1行ごとに印字される。
【0037】
次に、このような構成において、第2の実施の形態に係る通行券発行処理の流れについて図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0038】
有料道路を利用する車両が入口料金所へ進入すると、通行券に印字する入口情報が収集される(ステップS21)。この入口情報は、たとえば、入口料金所名や通行日時、車種、車番などであるが、通行券の発行は短時間で行なう必要があるため、入口情報は文字高さが3mm程度の場合、1行に収まる情報量とする。
【0039】
次に、取出部14が動作し、ホッパ13から通行券12を1枚取出して搬送路15へ供給する(ステップS22)。搬送路15は、供給された通行券12を読取部16、印字部17、カメラ18、記録部20へと順次搬送するが、まず、読取部16において、搬送される通行券12のICチップ41内の利用回数カウンタ42から利用回数を読取り(ステップS23)、主制御部21へ送る。
【0040】
主制御部21は、読取られた利用回数カウンタ42の値があらかじめ定められた規定回数以下であるか否かを判定し(ステップS24)、規定回数以上である場合、利用回数の上限に達しており、印字品質が劣化していると考え、当該通行券12を廃棄処分するためリジェクト部19へ回収する(ステップS25)。
【0041】
ステップS24における判定の結果、規定回数以下である場合、ステップS3で読取った利用回数カウンタ42の値に基づき、あらかじめ利用回数に応じた印字位置が格納された印字位置テーブルを参照することにより、当該利用回数に対応する印字位置を決定する(ステップS26)。
【0042】
すなわち、主制御部21内には、たとえば、図7に示すように、あらかじめ利用回数ごとに異なるリライタブル印字面43に対する印字位置(印字行)が格納された印字位置テーブル44が設けられていて、読取った利用回数カウンタ32の値に基づき当該印字位置テーブル44を参照することにより、当該利用回数に対応する印字位置(N)を決定する。
【0043】
次に、主制御部21は、決定した印字位置(N)が「2(2行目)」以上か否かを判定し(ステップS27)、「2」以上の場合、1〜(N−1)行目に対し塗り潰し処理を行ない(ステップS28)、ステップS29に進む。塗り潰し処理を行なう理由は、一定位置に規定回数以上印字が繰り返された場合、リライタブル印字面43の寿命による残留印字が発生している可能性が高いためである。
なお、ステップS27における判定の結果、「2」以上でない場合、ステップS28の塗り潰し処理をジャンプしてステップS29に進む。
【0044】
ステップS29では、印字部17により、搬送される通行券12のリライタブル印字面33に対しステップS21で収集された入口情報(入口料金所名、通行日時、車種、車番など)が印字される。図8、図9にその印字例を示す。図8は、図7の例における利用回数が「0≦利用回数<300」の場合の印字位置を示し、図9は、図7の例における利用回数が「300≦利用回数≦600」の場合の印字位置を示し、この場合は1行目に対し塗り潰し処理(図中の*印部分)が行なわれる。
【0045】
次に、主制御部21は、記録部20により、搬送される通行券12のICチップ41に対し前記入口情報と同様な電子情報を記録するとともに利用回数カウンタ42の値を加算更新することで通行券12を発行し、図示しない券取出口へ排出する(ステップS30)。
【0046】
以上説明したように第2の実施の形態によれば、通行券を発行する際、通行券の利用回数に応じて印字エリアを変更することにより、印字可能エリアを広くとることができ、リサイクル通行券としての寿命を飛躍的に延ばすことが可能である。
【0047】
なお、前記実施の形態では、非接触通信媒体としてRFIDカードを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、RFIDカードと同様な機能を備えていれば、外部機器との間で無線通信によりデータの授受を行なう非接触型ICカード(無線カード)を用いても同様に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
11…通行券供給部(通行券供給手段)、12…通行券、13…ホッパ、14…取出部、15…搬送路、16…読取部(利用回数読取手段)、17…印字部(印字手段)、18…カメラ(撮影手段)、19…リジェクト部、20…記録部(記録手段)、21…主制御部、22…画像保存部、31…ICチップ(メモリ)、32…利用回数カウンタ、33…リライタブル印字面(印字エリア)、34…文字テーブル、35…閾値テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する通行券発行装置であって、
繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには当該通行券の利用回数および少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、
この通行券供給手段により供給される通行券の前記メモリから利用回数を読取る利用回数読取手段と、
前記通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、
この印字手段により印字された印字部分の画像を撮影する撮影手段と、
この撮影手段により撮影された画像に基づき前記印字部分の印字品質を確認する印字品質確認手段と、
この印字品質確認手段による確認結果と前記利用回数読取手段により読取られた利用回数とに基づき当該通行券は再利用可能か否かを判定する再利用判定手段と、
この再利用判定手段により再利用可能と判定された場合、前記印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録するとともに当該メモリ内の利用回数を更新する記録手段と、
前記再利用判定手段により再利用不可能と判定された場合、当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする通行券発行装置。
【請求項2】
前記印字品質確認手段は、前記撮影手段により撮影された画像から画像処理により背景部分と文字部分との分離を行なうことで文字画像を抽出する文字画像抽出手段と、この文字画像抽出手段により抽出された文字画像とあらかじめ登録された文字認識用の辞書情報とを比較し両者の一致度を算出する一致度算出手段とを具備し、
前記再利用判定手段は、前記利用回数読取手段により読取られた利用回数に基づき、あらかじめ利用回数ごとに異なる閾値が格納された閾値テーブルを参照することにより、当該利用回数に対応する閾値を決定する閾値決定手段と、前記一致度算出手段により算出された一致度と前記閾値決定手段により決定された閾値とを比較することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する判定手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載の通行券発行装置。
【請求項3】
前記文字画像抽出手段における文字画像の抽出処理時間があらかじめ定められた一定時間以上経過した場合、抽出された文字画像に対しノイズ除去処理を行なうノイズ除去手段をさらに具備し、
前記一致度算出手段は、前記ノイズ除去手段によりノイズ除去処理された文字画像とあらかじめ登録された文字認識用の辞書情報とを比較し両者の一致度を算出することを特徴とする請求項2記載の通行券発行装置。
【請求項4】
有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する通行券発行装置であって、
繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには当該通行券の利用回数および少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、
この通行券供給手段により供給される通行券の前記メモリから利用回数を読取る利用回数読取手段と、
この利用回数読取手段により読取られた利用回数があらかじめ定められた規定回数以下であるか否かを判定する第1の判定手段と、
この第1の判定手段による判定の結果、利用回数が規定回数以下である場合、前記利用回数読取手段により読取られた利用回数に基づき、あらかじめ利用回数に応じた前記リライタブル印字面に対する印字位置が格納された印字位置テーブルを参照することにより、当該利用回数に対応する印字位置を決定する印字位置決定手段と、
前記通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面の前記印字位置決定手段により決定された印字位置に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、
この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録するとともに当該メモリ内の利用回数を更新する記録手段と、
前記第1の判定手段による判定の結果、利用回数が規定回数以上である場合、当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする通行券発行装置。
【請求項5】
前記リライタブル印字に印字する入口情報が1行に収まる情報量とすると、前記印字位置決定手段により決定された印字位置が2行目以上か否かを判定する第2の判定手段と、この第2の判定手段による判定の結果、決定された印字位置が2行目以上である場合、前記通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面における当該印字位置の直前までの印字位置に対し塗り潰し処理を行なう塗り潰し処理手段とを更に具備し、
前記印字手段は、前記第2の判定手段による判定の結果、決定された印字位置が2行目以上でない場合、あるいは、前記塗り潰し処理手段による塗り潰し処理後、前記通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面の前記印字位置決定手段により決定された印字位置に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字することを特徴とする請求項4記載の通行券発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−211729(P2010−211729A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59736(P2009−59736)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】