説明

通行者監視システムおよびその制御方法

【課題】監視者の監視作業の効率を向上させることができる通行者監視システムを得る。
【解決手段】出入口1を通行する通行者2を撮影する監視カメラ3と、監視カメラ3により撮影された画像から通行者情報を取得する画像処理装置41と、通行者情報を記憶する記憶装置42と、画像処理装置41が取得する通行者情報と画像処理装置41が通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する人物判定装置43と、訪問者がいることを表示するモニタ44と、訪問者がいることをアナウンスするスピーカ45と、モニタ44およびスピーカ45の報知を制御する制御装置46とを備え、制御装置46は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定する場合に、モニタ44およびスピーカ45に報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出入口を通行する通行者を監視する通行者監視システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出入口を通行する通行者を撮影する監視カメラと、監視カメラにより撮影された画像から通行者を特定する通行者情報を取得する画像処理装置と、監視者の注意を喚起するブザーと、ブザーの動作を制御する制御装置と、操作されることにより通行者情報を登録する登録装置とを備えた通行者監視システムが知られている。制御装置は、画像処理装置が取得した通行者情報と登録装置に登録されている通行者情報とを照合し、照合結果に基づいて、ブザーを動作させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−331207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、繰り返して出入口を通行する通行者であっても、その通行者の通行者情報が登録装置に登録されていない場合には、その通行者が出入口の通行を繰り返す度に、ブザーが動作してしまう。監視者は、ブザーがなる度に、通行者を監視しなければならず、監視者の監視作業の効率が悪いという問題点があった。
【0005】
この発明は、監視者の監視作業の効率を向上させることができる通行者監視システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る通行者監視システムは、出入口を通行する通行者を撮影する監視カメラと、前記監視カメラにより撮影された画像から前記通行者を特定する通行者情報を取得する画像処理装置と、前記通行者情報を記憶する記憶装置と、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報と前記画像処理装置が前記通行者情報を取得する以前に前記記憶装置に記憶された前記通行者情報とに基づいて、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者判定装置と、注意を要する前記通行者が前記出入口を通行することを監視者に対して報知する報知装置と、前記報知装置の報知を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがないと前記通行者判定装置が判定する場合に、前記報知装置に報知させる。
【0007】
この発明に係る通行者監視システムの制御方法は、出入口を通行する通行者を撮影する監視カメラと、前記監視カメラにより撮影された画像から前記通行者を特定する通行者情報を取得する画像処理装置と、前記通行者情報を記憶する記憶装置と、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報と前記画像処理装置が前記通行者情報を取得する以前に前記記憶装置に記憶された前記通行者情報とに基づいて、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者判定装置と、注意を要する前記通行者が前記出入口を通行することを監視者に対して報知する報知装置と、前記報知装置の報知を制御する制御装置とを備えた通行者監視システムの制御方法であって、前記通行者判定装置が、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報と前記画像処理装置が前記通行者情報を取得する以前に前記記憶装置に記憶された前記通行者情報とに基づいて、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者情報照合工程と、前記通行者情報照合工程で、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがないと前記通行者判定装置が判定した後に、前記制御装置が前記報知装置に報知させる報知工程と、前記通行者情報照合工程の後に、前記記憶装置が、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報を記憶する記憶工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る通行者監視システムによれば、出入口を通行する通行者を撮影する監視カメラと、監視カメラにより撮影された画像から通行者を特定する通行者情報を取得する画像処理装置と、通行者情報を記憶する記憶装置と、画像処理装置が取得する通行者情報と画像処理装置が通行者情報を取得する以前に記憶装置に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者が出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者判定装置と、注意を要する通行者が出入口を通行することを監視者に対して報知する報知装置と、報知装置の報知を制御する制御装置とを備え、制御装置は、通行者が出入口を過去に通行したことがないと通行者判定装置が判定する場合に、報知装置に報知させるので、通行者が繰り返して出入口を通行する場合には、報知装置は報知しない。その結果、監視者の監視作業の効率を向上させることができる。
【0009】
この発明に係る通行者監視システムの制御方法によれば、通行者判定装置が、画像処理装置が取得する通行者情報と画像処理装置が通行者情報を取得する以前に記憶装置に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者が出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者情報照合工程と、通行者情報照合工程で、通行者が出入口を過去に通行したことがないと通行者判定装置が判定した後に、制御装置が報知装置に報知させる報知工程と、通行者情報照合工程の後に、記憶装置が、画像処理装置が取得する通行者情報を記憶する記憶工程とを備えているので、通行者が繰り返して出入口を通行する場合には、報知装置は報知しない。その結果、監視者の監視作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る通行者監視システムを示す構成図である。
【図2】図1の通行者監視装置を示すブロック図である。
【図3】図1の通行者監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係る通行者監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態3に係る通行者監視システムの通行者監視装置を示すブロック図である。
【図6】図5の通行者監視装置を備えた通行者監視システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る通行者監視システムを示す構成図である。図において、通行者監視システムは、建物の出入口1を通行する通行者2を撮影する監視カメラ3と、監視カメラ3により撮影された画像が入力される通行者監視装置4とを備えている。監視カメラ3は、常時、撮影を行っており、撮影された画像は、連続的に通行者監視装置4に入力されるようになっている。通行者監視システムが設置される建物としては、例えば、病院、幼稚園、小学校または介護施設等が挙げられる。
【0013】
通行者監視装置4は、出入口1から離れた監視室(図示せず)に配置されている。監視室には、監視者が常駐する。なお、図1では、1台の監視カメラ3が通行者監視装置4に接続されている様子を示しているが、複数台の監視カメラ3が通行者監視装置4に接続されている。通行者監視装置4は、入力される画像が、どの監視カメラ3から入力された画像であるのかを区別できるようになっている。
【0014】
図2は図1の通行者監視装置4を示すブロック図である。通行者監視装置4は、デスクトップ型のパソコンから構成されている。通行者監視装置4は、監視カメラ3により撮影された画像が入力されその画像を画像処理することで通行者2(図1)を特定する情報とその通行日付または時刻等を示す撮影日時の情報とを含む通行者情報を取得する画像処理装置41と、画像処理装置41が取得する通行者情報を記憶する記憶装置42と、画像処理装置41が取得する通行者情報と画像処理装置41がその通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とを照合する人物判定装置(通行者判定装置)43と、監視カメラ3により撮影された画像および訪問者がいることを表示するモニタ44と、訪問者がいることをアナウンスするスピーカ45と、モニタ44およびスピーカ45の報知を制御する制御装置46とを有している。
【0015】
モニタ44およびスピーカ45から、注意を要する通行者2が出入口1を通行することを監視者に対して報知する報知装置が構成されている。通行者情報には、通行者2の顔の画像から取得された顔情報など、通行者2を特定することができる個人特定情報が含まれている。また、通行者情報には、通行者情報の取得に用いられた画像が撮影された日時の情報が含まれている。
【0016】
人物判定装置43は、画像処理装置41が取得する通行者情報と、画像処理装置41がその通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する。具体的には、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得する通行者情報の個人特定情報と、画像処理装置41がその通行者情報の個人特定情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報の個人特定情報とを照合し、互いに一致する場合には、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると判定する。
【0017】
一方、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得する通行者情報の個人特定情報と、画像処理装置41がその通行者情報の個人特定情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報の個人特定情報とを照合し、互いに一致しない場合、つまり、画像処理装置41が取得する通行者情報の個人特定情報が、画像処理装置41がその通行者情報の個人特定情報を取得する以前に記憶装置42に記憶されていない場合には、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと判定する。人物判定装置43は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと判定する場合に、出入口1(図1)を通行する通行者2(図1)が訪問者であることを示す訪問者情報を制御装置46に送る。
【0018】
また、人物判定装置43は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると判定する場合に、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であるか否かをさらに判定する。ここで、所定の時間として、例えば、2日間程度が挙げられる。なお、所定の時間として、任意の時間を設定することができる。
【0019】
人物判定装置43は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると判定する場合であって、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であると判定する場合に、訪問者情報を制御装置46に送る。
【0020】
制御装置46は、人物判定装置43から訪問者情報が入力されると、訪問者がいることをモニタ44に表示させ、さらに、訪問者がいることをスピーカ45にアナウンスさせる。これにより、監視者の注意が喚起される。
【0021】
次に、通行者監視システムの動作について説明する。図3は図1の通行者監視システムの動作を示すフローチャートである。まず、監視カメラ3により撮影された画像は、モニタ44に表示される(ステップS101)。
【0022】
その後、画像処理装置41は、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれているか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102で、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれていないと画像処理装置41が判定すると、ステップS101に戻る。
【0023】
一方、ステップS102で、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれていると画像処理装置41が判定すると、画像処理装置41は、監視カメラ3により撮影された画像から出入口1を通行する通行者2を特定する通行者情報を取得する(ステップS103)。
【0024】
その後、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報と画像処理装置41がその通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する(通行者情報照合工程)(ステップS104)。
【0025】
ステップS104で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定すると、人物判定装置43は、訪問者情報を制御装置46に送る。これにより、制御装置46は、訪問者がいることをモニタ44に表示させ、訪問者がいることをスピーカ45にアナウンスさせる(報知工程)(ステップS105)。その後、記憶装置42は、画像処理装置41が取得した通行者情報を記憶し(記憶工程)(ステップS106)、ステップS101に戻る。
【0026】
一方、ステップS104で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定すると、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であるか否かを判定する(時間経過判定工程)(ステップS107)。ステップ107で、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報の日時が、前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した時刻であると人物判定装置43が判定すると、ステップS105に進む。
【0027】
一方、ステップS107で、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報の日時が、前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時ではないと人物判定装置43が判定すると、ステップS106に進む。
【0028】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る通行者監視システムによれば、出入口1を通行する通行者2を撮影する監視カメラ3と、監視カメラ3により撮影された画像から通行者2を特定する通行者情報を取得する画像処理装置41と、通行者情報を記憶する記憶装置42と、画像処理装置41が取得する通行者情報と画像処理装置41が通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する人物判定装置43と、注意を要する通行者2が出入口1を通行することを表示するモニタ44と、注意を要する通行者2が出入口1を通行することをアナウンスするスピーカ45と、モニタ44およびスピーカ45の報知を制御する制御装置46とを備え、制御装置46は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定する場合に、モニタ44およびスピーカ45に報知させるので、通行者2が繰り返して出入口1を通行する場合には、モニタ44およびスピーカ45は報知しない。その結果、監視者の監視作業の効率を向上させることができる
【0029】
また、通行者情報には、画像が撮影された日時が含まれており、制御装置46は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定する場合であって、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時である場合に、モニタ44およびスピーカ45に報知させるので、出入口1を過去に通行したことがある通行者2であっても、前回の通行日時から所定の時間以上が経過した場合には、モニタ44は訪問者がいることを表示し、スピーカ45は訪問者がいることをアナウンスする。これにより、監視者は、出入口1を通行する訪問者を確実に監視することができる。
【0030】
また、この発明の実施の形態1に係る通行者監視システムの制御方法によれば、人物判定装置43が、画像処理装置41が取得する通行者情報と画像処理装置41がその通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者情報照合工程と、通行者情報照合工程で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定した後に、制御装置46がモニタ44およびスピーカ45に報知させる報知工程と、通行者情報照合工程の後に、記憶装置42が、画像処理装置41が取得する通行者情報を記憶する記憶工程とを備えているので、通行者2が繰り返して出入口1を通行する場合には、モニタ44およびスピーカ45は報知しない。その結果、監視者の監視作業の効率を向上させることができる。
【0031】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る通行者監視システムの人物判定装置43は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると判定する場合に、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であるか否かを判定する。ここで、所定の時間として、例えば、2時間程度が挙げられる。なお、所定の時間として、任意の時間を設定することができる。この例では、通行者情報には、個人特定情報と時刻の情報とが含まれている。
【0032】
人物判定装置43は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると判定する場合であって、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であると判定する場合に、訪問者情報を制御装置46に送る。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0033】
次に、通行者監視システムの動作について説明する。図4はこの発明の実施の形態2に係る通行者監視システムの動作を示すフローチャートである。まず、監視カメラ3により撮影された画像は、モニタ44に表示される(ステップS201)。
【0034】
その後、画像処理装置41は、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれているか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202で、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれていないと画像処理装置41が判定すると、ステップS201に戻る。
【0035】
一方、ステップS202で、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれていると画像処理装置41が判定すると、画像処理装置41は、監視カメラ3により撮影された画像から出入口1を通行する通行者2を特定する通行者情報を取得する(ステップS203)。
【0036】
その後、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報と画像処理装置41がその通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する(通行者情報照合工程)(ステップS204)。
【0037】
ステップS204で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定すると、人物判定装置43は、訪問者情報を制御装置46に送る。これにより、制御装置46は、訪問者がいることをモニタ44に表示させ、訪問者がいることをスピーカ45にアナウンスさせる(報知工程)(ステップS205)。その後、記憶装置42は、画像処理装置41が取得した通行者情報を記憶し(記憶工程)(ステップS206)、ステップS201に戻る。
【0038】
一方、ステップS204で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定すると、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であるか否かを判定する(時間帯一致判定工程)(ステップS207)。ステップS207で、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報の時刻が、前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であると人物判定装置43が判定すると、ステップS205に進む。
【0039】
一方、ステップS207で、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報の時刻が、前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻ではないと人物判定装置43が判定すると、ステップS206に進む。
【0040】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る通行者監視システムによれば、通行者情報には、画像が撮影された時刻が含まれており、制御装置46は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定する場合であって、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻である場合に、モニタ44およびスピーカ45に報知させるので、出入口1を過去に通行したことがある通行者2であっても、今回の通行の時刻と前回の通行の時刻とが、所定の時間以上ずれた場合には、モニタ44は訪問者がいることを表示し、スピーカ45は訪問者がいることをアナウンスする。これにより、監視者は、出入口1を通行する訪問者を確実に監視することができる。
【0041】
なお、上記実施の形態2では、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であるか否かに基づいて、モニタ44およびスピーカ45が報知する構成について記載していないが、実施の形態1と同様に、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であるか否かに基づいて、モニタ44およびスピーカ45を報知させてもよい。この場合、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定し、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であると人物判定装置43が判定し、かつ、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であると人物判定装置43が判定した場合に、モニタ44は訪問者がいることを表示し、スピーカ45は訪問者がいることをアナウンスする。
【0042】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3に係る通行者監視システムの通行者監視装置4を示すブロック図である。図において、通行者監視装置4は、通行者情報を登録する登録装置47をさらに有している。この例では、通行者情報には、個人特定情報が含まれている。
【0043】
人物判定装置43は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かに関わり無く、画像処理装置41が取得した通行者情報が登録装置47に登録されている場合に、通行者2が登録者であることを示す登録者情報を制御装置46に送る。
【0044】
制御装置46は、人物判定装置43から登録者情報が入力されると、モニタ44による訪問者がいることを示す表示を停止させ、さらに、スピーカ45による訪問者がいることを示すアナウンスを停止させる。したがって、制御装置46は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定し、かつ、画像処理装置41が取得する通行者情報が登録装置47に登録されていないと人物判定装置43が判定する場合にのみ、モニタ44およびスピーカ45に報知させる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0045】
次に、通行者監視システムの動作について説明する。図6は図5の通行者監視装置4を備えた通行者監視システムの動作を示すフローチャートである。まず、まず、監視カメラ3により撮影された画像は、モニタ44に表示される(ステップS301)。
【0046】
その後、画像処理装置41は、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれているか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302で、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれていないと画像処理装置41が判定すると、ステップS301に戻る。
【0047】
一方、ステップS302で、監視カメラ3により撮影された画像に人物の画像が含まれていると画像処理装置41が判定すると、画像処理装置41は、監視カメラ3により撮影された画像から出入口1を通行する通行者2を特定する通行者情報を取得する(ステップS303)。
【0048】
その後、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報が登録装置47に登録されているか否かを判定する(登録情報照合工程)(ステップS304)。
【0049】
ステップS304で、画像処理装置41が取得した通行者情報が登録装置47に登録されていないと人物判定装置43が判定すると、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得した通行者情報と画像処理装置41がその通行者情報を取得する以前に記憶装置42に記憶された通行者情報とに基づいて、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあるか否かを判定する(通行者情報照合工程)(ステップS305)。
【0050】
ステップS305で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定すると、人物判定装置43は、訪問者情報を制御装置46に送る。これにより、制御装置46は、訪問者がいることをモニタ44に表示させ、訪問者がいることをスピーカ45にアナウンスさせる(報知工程)(ステップS306)。その後、記憶装置42が、通行者情報を記憶し(記憶工程)(ステップS307)、ステップS301に戻る。
【0051】
一方、ステップS304で、画像処理装置41が取得した通行者情報が登録装置47に登録されていると人物判定装置43が判定すると、ステップS307に進む。
【0052】
ステップS305で、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定すると、ステップS307に進む。
【0053】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る通行者監視システムによれば、通行者情報を登録する登録装置47をさらに備え、人物判定装置43は、画像処理装置41が取得する通行者情報が登録装置47に登録されているか否かをさらに判定し、制御装置46は、通行者2が出入口1を過去に通行したことがないと人物判定装置43が判定し、かつ、画像処理装置41が取得する通行者情報が登録装置47に登録されていないと人物判定装置43が判定する場合にのみ、モニタ44およびスピーカ45に報知させるので、出入口1を通行する通行者2の通行者情報が記憶装置42に記憶されていない場合であっても、その通行者2の通行者情報が登録装置47に登録されている場合には、モニタ44は訪問者がいることを表示せず、スピーカ45は訪問者がいることをアナウンスしない。その結果、監視者の監視作業の効率を向上させることができる。
【0054】
なお、上記実施の形態3では、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であるか否かに基づいて、モニタ44およびスピーカ45が報知する構成について記載してないが、実施の形態1と同様に、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であるか否かに基づいて、モニタ44およびスピーカ45を報知させてもよい。この場合、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定し、画像処理装置41が取得した通行者情報が登録装置47に登録されていないと人物判定装置43が判定し、かつ、画像処理装置41が取得する通行者情報の日時が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時であると人物判定装置43が判定した場合に、モニタ44は訪問者がいることを表示し、スピーカ45は訪問者がいることをアナウンスする。
【0055】
また、上記実施の形態3では、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であるか否かに基づいて、モニタ44およびスピーカ45が報知する構成について記載してないが、実施の形態2と同様に、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であるか否かに基づいて、モニタ44およびスピーカ45を報知させてもよい。この場合、通行者2が出入口1を過去に通行したことがあると人物判定装置43が判定し、画像処理装置41が取得した通行者情報が登録装置47に登録されていないと人物判定装置43が判定し、かつ、画像処理装置41が取得する通行者情報の時刻が、その通行者2の前回の通行により記憶装置42に記憶された通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻であると人物判定装置43が判定した場合に、モニタ44は訪問者がいることを表示し、スピーカ45は訪問者がいることをアナウンスする。
【0056】
また、各上記実施の形態では、モニタ44およびスピーカ45から報知装置が構成される例について説明したが、モニタ44およびスピーカ45の何れか一方から報知装置が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 出入口、2 通行者、3 監視カメラ、4 通行者監視装置、41 画像処理装置、42 記憶装置、43 人物判定装置(通行者判定装置)、44 モニタ、45 スピーカ、46 制御装置、47 登録装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口を通行する通行者を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラにより撮影された画像から前記通行者を特定する通行者情報を取得する画像処理装置と、
前記通行者情報を記憶する記憶装置と、
前記画像処理装置が取得する前記通行者情報と前記画像処理装置が前記通行者情報を取得する以前に前記記憶装置に記憶された前記通行者情報とに基づいて、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者判定装置と、
注意を要する前記通行者が前記出入口を通行することを監視者に対して報知する報知装置と、
前記報知装置の報知を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがないと前記通行者判定装置が判定する場合に、前記報知装置に報知させることを特徴とする通行者監視システム。
【請求項2】
前記通行者情報には、前記画像が撮影された日時が含まれており、
前記制御装置は、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあると前記通行者判定装置が判定する場合であって、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報の日時が、前回の通行により前記記憶装置に記憶された前記通行者情報の日時から所定の時間以上が経過した日時である場合に、前記報知装置に報知させることを特徴とする請求項1に記載の通行者監視システム。
【請求項3】
前記通行者情報には、前記画像が撮影された時刻が含まれており、
前記制御装置は、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあると前記通行者判定装置が判定する場合であって、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報の時刻が、前回の通行により前記記憶装置に記憶された前記通行者情報の時刻から所定の時間以上ずれた時刻である場合に、前記報知装置に報知させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通行者監視システム。
【請求項4】
前記通行者情報を登録する登録装置をさらに備え、
前記通行者判定装置は、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報が前記登録装置に登録されているか否かをさらに判定し、
前記制御装置は、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがないと前記通行者判定装置が判定し、かつ、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報が前記登録装置に登録されていないと前記通行者判定装置が判定する場合に、前記報知装置に報知させることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の通行者監視システム。
【請求項5】
出入口を通行する通行者を撮影する監視カメラと、前記監視カメラにより撮影された画像から前記通行者を特定する通行者情報を取得する画像処理装置と、前記通行者情報を記憶する記憶装置と、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報と前記画像処理装置が前記通行者情報を取得する以前に前記記憶装置に記憶された前記通行者情報とに基づいて、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者判定装置と、注意を要する前記通行者が前記出入口を通行することを監視者に対して報知する報知装置と、前記報知装置の報知を制御する制御装置とを備えた通行者監視システムの制御方法であって、
前記通行者判定装置が、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報と前記画像処理装置が前記通行者情報を取得する以前に前記記憶装置に記憶された前記通行者情報とに基づいて、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがあるか否かを判定する通行者情報照合工程と、
前記通行者情報照合工程で、前記通行者が前記出入口を過去に通行したことがないと前記通行者判定装置が判定した後に、前記制御装置が前記報知装置に報知させる報知工程と、
前記通行者情報照合工程の後に、前記記憶装置が、前記画像処理装置が取得する前記通行者情報を記憶する記憶工程と
を備えたことを特徴とする通行者監視システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−256236(P2012−256236A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129427(P2011−129427)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】