説明

通行者計数装置、通行者計数方法および通行者計数プログラム

【課題】通行者数を正確に計測する。
【解決手段】最高点選出部によって判断対象画像TG1の最高点HMAが選出される。選出された最高点HMAから所定の高さ(例えば、高さ0の床面)まで鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、閉領域HR1における水平面に平行なスライス画像が保持部によってそれぞれ抽出され保持される。そして、最高点HMAから所定の間隔(例えば、150mm)だけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かが通行者認識部により認識される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行者を計数するための通行者計数装置、通行者計数方法および通行者計数プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の出入り口等における人の通過を監視するための出入管理装置が提案されている。例えば、特許文献1には、許可された者と共に許可されていない者が侵入することを検出するとともに、許可された者がよりスムーズに出入り口を通過できるようにする出入管理装置について開示されている。
【0003】
特許文献1の出入管理装置においては、出入り口の通過を許可するための通過許可情報を入力する通過許可情報入力部と、ドア等の開閉手段の開閉状況を検知する開閉検知部と、上記開閉手段を通過する物体の立体画像をその物体の上方から撮影する立体画像取り込み部と、記憶部と、これら通過許可情報入力部、開閉検知部、立体画像取り込み部および記憶部に接続した処理部とを備え、上記記憶部は、上記立体画像取り込み部から取り込んだ画像における物体の頭部を特定する予め設定した基準点からの頭部特定距離と、上記基準点あるいは上記頭部を基準にして胴部を特定する胴部特定距離と、頭部および胴部の基準大きさと、通過許可情報に対応付けた通過許可人数とを記憶し、上記処理部は、上記通過許可情報入力部から入力された情報に基づいて記憶部が記憶している通過許可人数を特定する機能と、上記開閉検知部から開閉手段の開状態信号が入力されたときに、上記立体画像取り込み部から入力された画像を処理対象画像として特定する機能と、この処理対象画像内の全ての物体を特定する機能と、上記各物体の頂点を特定する機能と、特定した頂点と上記記憶部が記憶している頭部特定距離とに基づいて頭部を特定する機能と、上記頂点あるいは上記頭部と上記記憶部が記憶している胴部特定距離とに基づいて胴部を特定する機能と、特定した頭部と記憶部が記憶している頭部の基準大きさとを対比するとともに、特定した頭部が上記基準大きさ以内か否かを判定する機能と、上記特定した胴部と記憶部が記憶している胴部の基準大きさとを対比するとともに、特定した胴部が上記基準大きさ以内か否かを判定する機能と、上記頭部または胴部の少なくとも一方が上記基準大きさを超えたとき、異常信号を出力する機能 と、上記特定した頭部とそれに対応する胴部のいずれもが上記基準の大きさ以内のとき、その一組の頭部および胴部をもって通過人一人と計数する機能と、上記計数した合計通過人数と上記記憶部が記憶している通過許可人数とを対比し、合計通過人数が上記通過許可人数より多いとき、異常信号を出力する機能とを備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−241682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように特許文献1記載の出入管理装置においては、頭部および胴部を特定するための一つの所定の基準(頭部特定距離、胴部特定距離)を用いて判断することになるので、例えば身長の高い者や低い者が混在して通行する場合には、これらの通行者の数を正確に計測することは困難である。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑み、通行者数を正確に計測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)
第1の発明に係る通行者計数装置は、三次元画像を撮影して三次元画像データを取得する撮像装置と、初期状態の三次元画像データを記録する記録部と、記録部に記録された初期状態の三次元画像データと、撮像装置により取得された三次元画像データとを比較して1または複数の相違点を抽出する抽出部と、1または複数の相違点を含む所定の閉領域を決定する閉領域決定部と、決定された閉領域毎における三次元画像データの最高点を選出する最高点選出部と、閉領域毎に、最高点選出部により選出された各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像を抽出し保持する保持部と、保持部により保持された複数のスライス画像のうち、最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の所定の閉領域である判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを閉領域毎に認識する通行者認識部と、閉領域毎に、通行者認識部により認識された通行者の数を合計する計測部と、を含むものである。
【0008】
第1の発明に係る通行者計数装置においては、撮像装置により三次元画像データが取得され、記録部に初期状態の三次元画像データが記録される。記録部に記録された初期状態の三次元画像データと、撮像装置により取得された三次元画像データとが抽出部により比較されて1または複数の相違点が抽出される。閉領域決定部により1または複数の相違点を含む所定の閉領域が決定され、最高点選出部により閉領域毎における三次元画像データの最高点が選出される。
【0009】
閉領域毎に、各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像が保持部により抽出され保持される。保持部により保持された複数のスライス画像のうち、最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かが閉領域毎に通行者認識部により認識される。通行者認識部により認識された通行者の数が閉領域毎に計測部により合計される。
【0010】
この場合、閉領域毎における最も高い位置を基準として、スライス画像内の判断対象画像の面積がそれぞれ判断されるので、背の高い人または背の低い人であっても、正確に通行者数を計測することができる。
【0011】
(2)
通行者認識部は、保持部により保持された複数のスライス画像のうち、通行者を示す画像と認識した一の判断対象画像と当該一の判断対象画像と異なる他の判断対象画像とが存在するスライス画像において、一の判断対象画像の重心と他の判断対象画像の重心との距離を算出し、当該距離が所定範囲内であると判定した場合に、他の判断対象画像は通行者を示す画像でないと認識してもよい。
【0012】
この場合、通行者認識部は通行者を示す画像でないと認識することができるので、通行者が付属物(荷物)を持っている場合であっても、正確に通行者数を計測することができる。
【0013】
(3)
通行者認識部は、保持部により保持された複数のスライス画像のうち、通行者を示す画像と認識した一の判断対象画像と当該一の判断対象画像と異なる他の判断対象画像とが存在するスライス画像において、一の判断対象画像の重心と他の判断対象画像の重心との距離を算出し、当該距離が所定範囲内にないと判定した場合に、当該スライス画像の三次元画像データにおける位置よりも所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の他の判断対象画像の面積に基づいて、他の判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを認識してもよい。
【0014】
この場合、通行者認識部は一の通行者のみならず他の通行者をも認識することができるので、一の通行者以外に他の通行者がいる場合でも、正確に通行者数を計測することができる。
【0015】
(4)
第2の発明に係る通行者計数方法は、三次元画像を撮影して三次元画像データを取得する撮像ステップと、撮像ステップにより撮像された初期状態の三次元画像データを記録する記録ステップと、記録された初期状態の三次元画像データと、取得された三次元画像データとを比較して1または複数の相違点を抽出する抽出ステップと、1または複数の相違点を含む所定の閉領域を決定する閉領域決定ステップと、決定された閉領域毎における三次元画像データの最高点を選出する最高点選出ステップと、閉領域毎に、最高点選出ステップにより選出された各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像を抽出し保持する保持ステップと、保持ステップにより保持された複数のスライス画像のうち、最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の所定の閉領域である判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを閉領域毎に認識する通行者認識ステップと、閉領域毎に、通行者認識ステップにより認識された通行者の数を合計する計測ステップと、を含むものである。
【0016】
第2の発明に係る通行者計数方法においては、撮像ステップにより三次元画像データが取得され、記録ステップにより初期状態の三次元画像データが記録される。記録された初期状態の三次元画像データと、取得された三次元画像データとが抽出ステップにより比較されて1または複数の相違点が抽出される。閉領域決定ステップにより1または複数の相違点を含む所定の閉領域が決定され、最高点選出ステップにより閉領域毎における三次元画像データの最高点が選出される。
【0017】
閉領域毎に、各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像が保持ステップにより抽出され保持される。保持された複数のスライス画像のうち、最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かが閉領域毎に通行者認識ステップにより認識される。認識された通行者の数が閉領域毎に計測ステップにより合計される。
【0018】
この場合、閉領域毎における最も高い位置を基準として、スライス画像内の判断対象画像の面積がそれぞれ判断されるので、背の高い人または背の低い人であっても、正確に通行者数を計測することができる。
【0019】
(5)
第3の発明に係る通行者計数プログラムは、三次元画像を撮影して三次元画像データを取得する撮像工程と、撮像工程により撮像された初期状態の三次元画像データを記録する記録工程と、記録された初期状態の三次元画像データと、取得された三次元画像データとを比較して1または複数の相違点を抽出する抽出工程と、1または複数の相違点を含む所定の閉領域を決定する閉領域決定工程と、決定された閉領域毎における三次元画像データの最高点を選出する最高点選出工程と、閉領域毎に、最高点選出工程により選出された各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像を抽出し保持する保持工程と、保持工程により保持された複数のスライス画像のうち、最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の所定の閉領域である判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを閉領域毎に認識する通行者認識工程と、閉領域毎に、通行者認識工程により認識された通行者の数を合計する計測工程と、を含むものである。
【0020】
第3の発明に係る通行者計数プログラムにおいては、撮像工程により三次元画像データが取得され、記録工程により初期状態の三次元画像データが記録される。記録された初期状態の三次元画像データと、取得された三次元画像データとが抽出工程により比較されて1または複数の相違点が抽出される。閉領域決定工程により1または複数の相違点を含む所定の閉領域が決定され、最高点選出工程により閉領域毎における三次元画像データの最高点が選出される。
【0021】
閉領域毎に、各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像が保持工程により抽出され保持される。保持された複数のスライス画像のうち、最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かが閉領域毎に通行者認識工程により認識される。認識された通行者の数が閉領域毎に計測工程により合計される。
【0022】
この場合、閉領域毎における最も高い位置を基準として、スライス画像内の判断対象画像の面積がそれぞれ判断されるので、背の高い人または背の低い人であっても、正確に通行者数を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る通行者計数装置の設置状態を示す模式図である。
【図2】通行者計数装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【図3】通行者計数装置の機能的構成の例を示すブロック図である。
【図4】閉領域決定部によって閉領域が決定されるまでの経過を示す模式図である。
【図5】計測部による通行者数の計測方法を説明するための模式図である。
【図6】図4(d)の閉領域における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。
【図7】図4(d)の閉領域における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。
【図8】図4(d)の閉領域における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。
【図9】図4(d)の閉領域における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。
【図10】通行者計数方法のメインフローを示すフローチャートである。
【図11】図10のメインフローにおける計数処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る通行者計数装置、通行者計数方法および通行者計数プログラムについて詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る通行者計数装置100の設置状態を示す模式図であり、図2は通行者計数装置100のハードウェア構成の例を示すブロック図であり、図3は通行者計数装置100の機能的構成の例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、通行者計数装置100は、死角ができるだけ少なくなるように例えば、ビル等の建物200の上方に設置される。当該建物200の出入口201から通行者が入ってきたときに、撮像範囲SHにおいて通行者計数装置100による撮像が行われる。そして、当該通行者計数装置100によって通行者の数が計測される。
【0027】
図2に示すように、通行者計数装置100は、中央演算処理装置(以下、CPUと呼ぶ)1、プログラムを記憶するRead−Only Memory(以下、ROMと呼ぶ)2、演算処理の作業領域であるRandom Access Memory(以下、RAMと呼ぶ)3、各種データファイル等を記憶する記憶部4、計数結果を出力する出力部5、および撮像装置7を含む。本実施例では、撮像装置7として、公知であるTOF(Time of Flight)方式3次元距離測定カメラを用いているが、2台のカメラを用いて距離を測定するステレオビジョンや、投影された特定のパターンを1台のカメラで撮影して距離を測定するものであってもよい。
【0028】
CPU1は、ROM2、RAM3、記憶部4、出力部5、および撮像装置7とそれぞれ通信可能に接続されており、CPU1により、これらの各構成部の個々が制御される。
【0029】
図3に示すように、通行者計数装置100は、機能的構成部としての、記録部10、抽出部11、閉領域決定部12、最高点選出部13、スライス画像保持部14、通行者認識部15、および計測部16等によって構成される。
【0030】
CPU1がROM2に格納されている本実施形態の通行者計数プログラムを実行することによって、上記の記録部10、抽出部11、閉領域決定部12、最高点選出部13、スライス画像保持部14、通行者認識部15、および計測部16が機能的に実現されている。
【0031】
なお、通行者計数プログラムはCPU1、ROM2、RAM3を備えたパーソナルコンピュータ上で実行することもできる。この場合、パーソナルコンピュータが備えるRAM3に、当該プログラムが記録されたCD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体BT1や半導体メモリ等の記録媒体BT2等の可搬型の記録媒体から、通行者計数プログラムが、インストールされる。また、このパーソナルコンピュータがネットワーク接続可能に構成されていれば、ネットワークを介してサーバからプログラムをダウンロードすることも可能である。
【0032】
また、記録部10、抽出部11、閉領域決定部12、最高点選出部13、スライス画像保持部14、通行者認識部15、および計測部16の全体または一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などとしてLSI化され、ファームウェアまたはハードウェアによって実現されることもある。
【0033】
以下、通行者計測方法に関して、上記各構成部の機能ごとに、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図4は閉領域決定部12によって閉領域が決定されるまでの経過を示す模式図であり、図5は計測部16による通行者数の計測方法を説明するための模式図である。
【0035】
図4(a)に示すように、まず、撮像装置7によって初期状態の三次元画像が撮影され、初期状態の三次元画像データSSが取得される。当該初期状態の三次元画像データSSには、例えば花などの背景画像HGが含まれる。記録部10は、この初期状態の三次元画像データSSを記録しておく。なお、床面からの高さを含む三次元画像データは、撮像装置7によって測定された、撮像装置7と被測定物までの距離や角度等を用いてCPU1によって算出される。算出方法については公知の幾何学的な演算であるため省略する。
【0036】
次に、図4(b)に示すように、撮像装置7によって現在の三次元画像が撮影され、現在の三次元画像データSTが取得される。当該三次元画像データSTには、背景画像HGおよび通行者を示す画像であるか否かを判断すべき画像である複数の判断対象画像TG1〜TG4が含まれる。なお、図4(b)では、4つの判断対象画像TG1〜TG4を例示している。
【0037】
次いで、図4(c)に示すように、初期状態の三次元画像データSSと、現在の三次元画像データSTとを比較して1または複数の相違点(差分)が抽出部11によって抽出される。
【0038】
相違点が抽出されて生成された差分三次元画像データSBには、その相違点として、判断対象画像TG1〜TG4が含まれる。なお、図4(c)および後述の図4(d)における斜線領域は、初期状態の三次元画像データSSと現在の三次元画像データSTとの相違点(差分)がない領域を示している。
【0039】
次に、図4(d)に示すように、閉領域決定部12によって、相違点である判断対象画像TG1を含むように外接する矩形状の、所定の閉じた領域である閉領域HR1が決定され、相違点である判断対象画像TG2を含むように外接する矩形状の、所定の閉じた領域である閉領域HR2が決定され、相違点である判断対象画像TG3を含むように外接する矩形状の、所定の閉じた領域である閉領域HR3が決定され、相違点である判断対象画像TG4を含むように外接する矩形状の、所定の閉じた領域である閉領域HR4が決定される。なお、当該閉領域HR1〜HR4を矩形状とせず、判断対象画像TG1〜TG4の外周で切り出された閉領域に対して、後記の処理を行うことも可能であるが、処理を高速化するため、本実施例では矩形状の閉領域に対して処理を行っている。また、当該閉領域HR1〜HR4を含む三次元画像データを閉領域三次元画像データSHと呼ぶ。
【0040】
このように、最初に、通行者であるか否かを判断すべき画像である判断対象画像TG1〜TG4の各閉領域HR1〜HR4を決定する。以下においては、閉領域HR1における通行者を計測する場合について説明し、閉領域HR2〜HR4における通行者を計測する方法については、それぞれ後述の第2〜第4実施形態で詳細に説明する。
【0041】
次に、図5(a)に示す閉領域HR1の閉領域三次元画像データSHの高さ(床面からの高さ)が最高点選出部13によって取得される。図5(b)は、図5(a)のA−A断面の高さデータを示しており、最高点選出部13によって選出された、高さが最大となる点(以下、最高点と呼ぶ)HMAを模式的に示している。なお、HMAが通行者によるものであれば、頭部最頂部の高さにほぼ一致する。
【0042】
続いて、図5(c)に示すように、選出された最高点HMAから所定の高さ(例えば、高さ0の床面)まで鉛直下方に向けて所定の間隔D1毎に、閉領域HR1における水平面に平行なスライス画像がスライス画像保持部14によってそれぞれ抽出され保持される。本実施例では、所定の間隔D1を、大人の頭部標準高さの半分程度である150mm以下とすることで、後記の処理で胴体部を誤検知することなく、頭部のみを抽出できるようにしている。図5(c)では、14個のスライス画像SG1〜SG14が抽出される。
【0043】
図5(d)において、図5(c)の番号1の高さにおけるスライス画像をSG1とし、以下同様に、番号2の高さにおけるスライス画像をSG2とし、番号3の高さにおけるスライス画像をSG3とし、番号4の高さにおけるスライス画像をSG4とし、番号5〜14の高さにおけるスライス画像をSG5〜SG14とする。なお、スライス画像SG5〜SG14はそれぞれ同じであるので、図示を同一化している。
【0044】
ここで、最高点HMAから所定の間隔D2だけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かが通行者認識部15により認識される。本実施例では、所定の間隔D2を、大人の頭部標準高さの半分程度である150mmとしているので、胴体部を誤検知することなく、頭部のみを抽出することができる。
【0045】
すなわち、図5(d)において、最高点HMAから150mmだけ低い位置、つまり、番号2の高さにおけるスライス画像SG3内の判断対象画像TG1の面積が所定範囲内であるときに、当該判断対象画像TG1が通行者を示す画像であると通行者認識部15により認識される。
【0046】
そして、通行者認識部15により認識された通行者の数が計測部16によって閉領域HR1〜HR4毎(閉領域HR2〜HR4については後述する)に計測され、これらが合計される。これにより、通行者の数が正確に計測される。なお、各スライス画像内において判断対象画像TG1以外に他の判断対象画像は存在しないので、閉領域HR1には他に通行者は存在しないと判断される。なお、上記のようにスライス画像を抽出するのは処理を軽減して高速化を図るためであるので、処理速度に問題がなければ、検知制度を高めるため、最高点から連続的に面積を抽出しても良い。
【0047】
(第2実施形態)
図6は図4(d)の閉領域HR2における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。なお、以下においては、上述の第1実施形態の説明と同様の説明は省略する。
【0048】
図6(a)に示す閉領域HR2の閉領域三次元画像データSHの高さが最高点選出部13によって取得される。なお、判断対象画像TG2は、後で述べる判断対象画像TG21、TG22を含む。図6(b)は、図6(a)のB−B断面の高さデータを示しており、最高点選出部13によって選出された最高点HMBを模式的に示している。なお、HMBが通行者によるものであれば、頭部最頂部の高さにほぼ一致する。
【0049】
続いて、図6(c)に示すように、選出された最高点HMBから所定の高さ(例えば、高さ0の床面)まで鉛直下方に向けて所定の間隔D1毎に、閉領域HR2における水平面に平行なスライス画像がスライス画像保持部14によってそれぞれ抽出され保持される。図6(c)では、14個のスライス画像SG1〜SG14が抽出される。
【0050】
第1実施形態と同様に、図6(d)において、最高点HMBから所定の間隔D2だけ低い位置である150mmだけ低い位置、つまり、番号2の高さにおけるスライス画像SG3内の判断対象画像TG21の面積が所定範囲内であるときに、当該判断対象画像TG21が通行者を示す画像であると通行者認識部15により認識される。以下、判断対象画像TG21が通行者の画像と認識された場合の次工程について説明する。
【0051】
次いで、判断対象画像TG21以外に他の判断対象画像が存在するスライス画像、すなわち、新たに現れた判断対象画像TG22を有するスライス画像SG4が通行者認識部15により選出される。
【0052】
そして、このスライス画像SG4において、判断対象画像TG21の重心G1と判断対象画像TG22の重心G2との距離d1が通行者認識部15により算出される。
【0053】
算出された距離d1が所定範囲内である場合に、通行者認識部15により判断対象画像TG22は通行者を示す画像でないと、換言すれば、例えば荷物等の付属物を示す画像であると認識される。
【0054】
すなわち、本実施形態では、一の判断対象画像とこれを除く他の判断対象画像との距離が著しく小さい場合には、著しく近接しながら通行することは通常考え難いので、他の判断対象画像を通行者の画像と認識しないようにする。なお、一の判断対象画像とこれを除く他の判断対象画像との距離が著しく小さいとはいえない場合であっても、他の判断対象画像の面積が所定以上或いは所定以下である場合も、他の判断対象画像を通行者の画像と認識しないようにしている。
【0055】
これにより、通行者が荷物等の付属物を持って通行する場合においても、通行者の数が正確に計測される。なお、各スライス画像内において判断対象画像TG21、TG22以外に他の判断対象画像は存在しないので、閉領域HR2には他に通行者および付属物は存在しないと判断される。
【0056】
(第3実施形態)
図7および図8は図4(d)の閉領域HR3における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。なお、以下においては、上述の第1実施形態の説明と同様の説明は省略する。
【0057】
図7(a)に示す閉領域HR3の閉領域三次元画像データSHの高さが最高点選出部13によって取得される。なお、判断対象画像TG3は、後で述べる判断対象画像TG31、TG32、TG33を含む。図7(b)は、図7(a)のC−C断面の高さデータを示しており、最高点選出部13によって選出された、最高点HMCを模式的に示している。なお、HMCが通行者によるものであれば、頭部最頂部の高さにほぼ一致する。
【0058】
続いて、図7(c)に示すように、選出された最高点HMCから所定の高さ(例えば、高さ0の床面)まで鉛直下方に向けて所定の間隔D1毎に、閉領域HR3における水平面に平行なスライス画像がスライス画像保持部14によってそれぞれ抽出され保持される。図7(c)では、14個のスライス画像SG1〜SG14が抽出される。
【0059】
第1実施形態と同様に、図8(d)において、最高点HMCから所定の間隔D2である150mmだけ低い位置、つまり、番号2の高さにおけるスライス画像SG2内の判断対象画像TG31の面積が所定範囲内であるときに、当該判断対象画像TG31が通行者を示す画像であると通行者認識部15により認識される。以下、判断対象画像TG31が通行者の画像と認識された場合の次工程について説明する。
【0060】
次いで、判断対象画像TG31以外に他の判断対象画像が存在するスライス画像、すなわち、スライス画像SG4が通行者認識部15により選出される。なお、判断対象画像TG31とその周囲の一定範囲を除外した部分について再度、上記と同様に最高点を抽出して、再度スライス画像を作成して後記の処理を行っても良い。
【0061】
そして、このスライス画像SG4において、判断対象画像TG31の重心G3と判断対象画像TG32の重心G4との距離d2が通行者認識部15により算出される。
【0062】
ここで、算出された距離d2が所定範囲内でない場合で、かつ、距離d2を算出したスライス画像(本実施形態では、スライス画像SG4)よりも所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像(例えば、スライス画像SG5)内の判断対象画像TG32の面積が所定の大きさを有する場合に、通行者認識部15により判断対象画像TG32は他の通行者を示す画像であると認識される。
【0063】
続いて、上記と同様に、判断対象画像TG31、TG32以外に他の判断対象画像が存在するスライス画像、すなわち、新たに現れた判断対象画像TG33を有するスライス画像SG8が通行者認識部15により選出される。
【0064】
そして、このスライス画像SG8において、判断対象画像TG31の重心G3と判断対象画像TG33の重心G5との距離d3、および判断対象画像TG32の重心G4と当該判断対象画像TG33の重心G5との距離d4の両方がそれぞれ所定範囲内でない場合で、かつ、距離d3、d4を算出したスライス画像(本実施形態では、スライス画像SG8)よりも所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像(例えば、スライス画像SG9)内の判断対象画像TG33の面積が所定の大きさを有する場合に、通行者認識部15により判断対象画像TG33は他の通行者を示す画像であると認識される。
【0065】
これにより、本実施形態では、複数の通行者(例えば、父親、母親および子供)が通行する場合においても、通行者の数が正確に計測される。なお、各スライス画像内において判断対象画像TG31、TG32、TG33以外に他の判断対象画像は存在しないので、閉領域HR3には他に通行者および付属物は存在しないと判断される。
【0066】
(第4実施形態)
図9は図4(d)の閉領域HR4における通行者を計測する方法を説明するための模式図である。なお、以下においては、上述の第1実施形態の説明と同様の説明は省略する。
【0067】
図9(a)に示す閉領域HR4の閉領域三次元画像データSHの高さが最高点選出部13によって取得される。なお、判断対象画像TG4は、後で述べる判断対象画像TG41、TG42を含む。図9(b)は、図9(a)のD−D断面の高さデータを示しており、最高点選出部13によって選出された、最高点HMDを模式的に示している。なお、HMCが通行者によるものであれば、頭部最頂部の高さにほぼ一致する。
【0068】
続いて、図9(c)に示すように、選出された最高点HMDから所定の高さ(例えば、高さ0の床面)まで鉛直下方に向けて所定の間隔D1毎に、閉領域HR4における水平面に平行なスライス画像がスライス画像保持部14によってそれぞれ抽出され保持される。図9(c)では、14個のスライス画像SG1〜SG14が抽出される。
【0069】
本実施形態では、最初に現れた複数の判断対象画像TG41、TG42を有するスライス画像SG2において、判断対象画像TG41の重心G6と判断対象画像TG42の重心G7との距離d5が通行者認識部15により算出される。
【0070】
算出された距離d5が所定範囲内である場合に、通行者認識部15により判断対象画像TG42は通行者(通行者の頭部)を示す画像でないと認識される。
【0071】
次に、最高点HMDから所定の間隔D2だけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かが通行者認識部15により認識される。
【0072】
すなわち、図9(d)において、最高点HMDから所定の間隔D2である150mmだけ低い位置、つまり、図9(c)の番号2の高さにおけるスライス画像SG2内の判断対象画像TG41の面積が所定範囲内であるときに、当該判断対象画像TG41が通行者を示す画像であると通行者認識部15により認識される。
これにより、本実施形態では、通行者の頭部の近辺に他の判断対象画像が存在する場合でも、通行者の数が正確に計測される。なお、各スライス画像内において判断対象画像TG41、TG42以外に他の判断対象画像は存在しないので、閉領域HR4には他に通行者および付属物は存在しないと判断される。
【0073】
(通行者計数方法のフローチャート)
図10は通行者計数方法のメインフローを示すフローチャートであり、図11は図10のメインフローにおける計数処理を示すフローチャートである。
【0074】
図10に示すように、最初に、撮像装置7によって初期状態の三次元画像データSSが取得される(ステップS1)。次いで、撮像装置7によって現在の三次元画像データSTが取得される(ステップS2)。
【0075】
そして、抽出部11によって三次元画像データSSと三次元画像データSTとの相違点(差分)が抽出されることによって、差分三次元画像データSBが生成される(ステップS3)。
【0076】
続いて、閉領域決定部12によって決定された閉領域HR1〜HR4を含む閉領域三次元画像データSHが生成される(ステップS4)。
【0077】
次いで、後の図11で詳述する計数処理において閉領域HR1〜HR4毎に通行者の数が計測部16によりそれぞれ計測される(ステップS5)。全閉領域で計数処理が完了した場合には(ステップS6でYes)、各閉領域で計測した通行者の数が計測部16により合計され、当該合計結果が例えば建物200の制御システム等に出力される(ステップS7)。一方、全閉領域で計数処理が完了していない場合には、ステップS5に戻り処理を繰返す。
【0078】
なお、必要に応じて、通行者がいないとき等に定期的に初期状態の三次元画像データSSを更新するようにしてもよい。これにより、撮像装置7による撮像時における太陽光や照明の変化による影響を低減することが可能となる。
【0079】
以下、図10のステップS5の計数処理について説明する。図11に示すように、最初に、ある閉領域について最高点選出部13によって最高点が選出される(ステップS11)。なお、最高点を選出するにあたり、最高点から鉛直下方だけ離れた所定の間隔D1におけるスライス画像において、当該最高点の直下にある閉領域が所定の面積を有するか否かも判断される。このようにすることで、ノイズを最高点と誤認識することを回避している。
【0080】
次に、選出された最高点から所定の高さ(例えば、高さ0の床面)まで鉛直下方に向けて所定の間隔D1毎に、一の閉領域における水平面に平行なスライス画像がスライス画像保持部14によってそれぞれ抽出され保持される(ステップS12)。なお、最高点から歩行可能な子供の高さ(例えば、800mm程度)までのスライス画像を抽出することとしてもよい。
【0081】
続いて、最高点から例えば所定の間隔D2である150mmだけ低い位置におけるスライス画像内の判断対象画像の面積が所定範囲内であるか否かが通行者認識部15により判別される(ステップS13)。なお、上記所定範囲は、例えば子供の頭部の断面程度の大きさを基準に設定される。また、上記所定範囲は、通行場所に基づいて変更してもよい。
【0082】
当該判断対象画像の面積が所定範囲内である場合(ステップS13でYes)、当該判断対象画像が通行者を示す画像であると通行者認識部15により認識され、当該通行者の数が計測部16により計測される(ステップS14)。
【0083】
次いで、他のスライス画像を順次確認した後(ステップS15)、別の判断対象画像が存在しない場合には(ステップS16でNo)、図10のメインフローに戻る。一方、あるスライス画像において、別の判断対象画像が存在する場合には(ステップS16でYes)、上記判断対象画像の重心と当該別の判断対象画像の重心との距離が所定範囲内であるか否かが通行者認識部15により判別される(ステップS17)。
【0084】
上記距離が所定範囲内であれば(ステップS17でYes)、上記別の判断対象画像は通行者を示す画像ではないと認識され、通行者としてカウントされない(ステップS18)。その後、ステップS15の処理に戻る。
【0085】
これに対して、上記距離が所定範囲外であれば(ステップS17でNo)、次いで、上記距離を算出したスライス画像よりも所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の上記別の判断対象画像の面積が所定の大きさを有するか否かが判別される(ステップS19)。
【0086】
上記別の判断対象画像の面積が所定の大きさを有する場合には(ステップS19でYes)、当該別の判断対象画像は通行者を示す画像であるとして、閉領域内の通行者の数を加算し(ステップS20)、ステップS15の処理に戻る。一方、上記別の判断対象画像の面積が所定の大きさを有しない場合にも(ステップS19でNo)、ステップS15の処理に戻る。
【0087】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0088】
7 撮像装置
10 記録部
11 抽出部
12 閉領域決定部
13 最高点選出部
14 スライス画像保持部
15 通行者認識部
16 計測部
100 通行者計数装置
BT1、BT2 記録媒体
d1〜d5 距離
G1〜G7 重心
HMA、HMB、HMC、HMD 最高点
HR1〜HR4 閉領域
SB 差分三次元画像データ
SH 閉領域三次元画像データ
SS 初期状態の三次元画像データ
ST 現在の三次元画像データ
SG1〜SG14 スライス画像
TG1〜TG4 判断対象画像


【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元画像を撮影して三次元画像データを取得する撮像装置と、
初期状態の前記三次元画像データを記録する記録部と、
前記記録部に記録された初期状態の三次元画像データと、前記撮像装置により取得された三次元画像データとを比較して1または複数の相違点を抽出する抽出部と、
前記1または複数の相違点を含む所定の閉領域を決定する閉領域決定部と、
前記決定された閉領域毎における三次元画像データの最高点を選出する最高点選出部と、
前記閉領域毎に、前記最高点選出部により選出された各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像を抽出し保持する保持部と、
前記保持部により保持された前記複数のスライス画像のうち、前記最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の所定の閉領域である判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを前記閉領域毎に認識する通行者認識部と、
前記閉領域毎に、前記通行者認識部により認識された通行者の数を合計する計測部と、を含むことを特徴とする通行者計数装置。
【請求項2】
前記通行者認識部は、
前記保持部により保持された複数のスライス画像のうち、通行者を示す画像と認識した一の前記判断対象画像と当該一の判断対象画像と異なる他の判断対象画像とが存在するスライス画像において、前記一の判断対象画像の重心と前記他の判断対象画像の重心との距離を算出し、当該距離が所定範囲内であると判定した場合に、前記他の判断対象画像は通行者を示す画像でないと認識することを特徴とする請求項1記載の通行者計数装置。
【請求項3】
前記通行者認識部は、
前記保持部により保持された複数のスライス画像のうち、通行者を示す画像と認識した一の前記判断対象画像と当該一の判断対象画像と異なる他の判断対象画像とが存在するスライス画像において、前記一の判断対象画像の重心と前記他の判断対象画像の重心との距離を算出し、当該距離が所定範囲内にないと判定した場合に、当該スライス画像の三次元画像データにおける位置よりも所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の前記他の判断対象画像の面積に基づいて、前記他の判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを認識することを特徴とする請求項1または請求項2記載の通行者計数装置。
【請求項4】
三次元画像を撮影して三次元画像データを取得する撮像ステップと、
前記撮像ステップにより撮像された初期状態の三次元画像データを記録する記録ステップと、
前記記録された初期状態の三次元画像データと、取得された三次元画像データとを比較して1または複数の相違点を抽出する抽出ステップと、
前記1または複数の相違点を含む所定の閉領域を決定する閉領域決定ステップと、
前記決定された閉領域毎における三次元画像データの最高点を選出する最高点選出ステップと、
前記閉領域毎に、前記最高点選出ステップにより選出された各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像を抽出し保持する保持ステップと、
前記保持ステップにより保持された前記複数のスライス画像のうち、前記最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の所定の閉領域である判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを前記閉領域毎に認識する通行者認識ステップと、
前記閉領域毎に、前記通行者認識ステップにより認識された通行者の数を合計する計測ステップと、を含むことを特徴とする通行者計数方法。
【請求項5】
三次元画像を撮影して三次元画像データを取得する撮像工程と、
前記撮像工程により撮像された初期状態の三次元画像データを記録する記録工程と、
前記記録された初期状態の三次元画像データと、取得された三次元画像データとを比較して1または複数の相違点を抽出する抽出工程と、
前記1または複数の相違点を含む所定の閉領域を決定する閉領域決定工程と、
前記決定された閉領域毎における三次元画像データの最高点を選出する最高点選出工程と、
前記閉領域毎に、前記最高点選出工程により選出された各最高点から鉛直下方に向けて所定の間隔毎に、水平面に平行な複数のスライス画像を抽出し保持する保持工程と、
前記保持工程により保持された前記複数のスライス画像のうち、前記最高点から所定の間隔だけ低い位置におけるスライス画像内の所定の閉領域である判断対象画像の面積に基づいて、当該判断対象画像が通行者を示す画像であるか否かを前記閉領域毎に認識する通行者認識工程と、
前記閉領域毎に、前記通行者認識工程により認識された通行者の数を合計する計測工程と、を含むことを特徴とする通行者計数プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−262527(P2010−262527A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113722(P2009−113722)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】