通話制御装置
【課題】最初に確立した通話状態を、上位機の簡単な操作によって、他の通話状態に変化させ、更に最初の通話状態に復帰させる通話制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】通信部11により第1通話機および第2通話機の少なくとも一方からの呼信号を受けて第1・第2通話機の間の第1通話状態を確立し、第3通話機からの指示信号を受けると、第1通話状態を記憶部14に格納し、第1・第2・第3通話機との間に第1通話状態とは異なる第2通話状態を確立し、第3通話機からの通話停止信号を受けると第2通話状態を終了し、記憶部に格納された第1通話状態を読み出して、第1・第2通話機の間の第1通話状態を再度確立するべく制御する制御部12をもつ通話制御装置。
【解決手段】通信部11により第1通話機および第2通話機の少なくとも一方からの呼信号を受けて第1・第2通話機の間の第1通話状態を確立し、第3通話機からの指示信号を受けると、第1通話状態を記憶部14に格納し、第1・第2・第3通話機との間に第1通話状態とは異なる第2通話状態を確立し、第3通話機からの通話停止信号を受けると第2通話状態を終了し、記憶部に格納された第1通話状態を読み出して、第1・第2通話機の間の第1通話状態を再度確立するべく制御する制御部12をもつ通話制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、PBX(Private Branch Exchange)やPHS(Personal Handyphone System)システム等の携帯型通話機を対象とする構内通話システムや交換機等の通話制御装置に関し、特に、上位機からの働きかけに応じて複数のグループ通話間の携帯機同士の会話を一時的に接続し、その後の上位機のオフにより複数のグループ通話を自動的に分離して再現する通話制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、PBXやPHSシステム等の携帯型通話機において、複数のユーザの間で同時に通話が可能な参加型グループ会議を行なう機能が知られている。このような参加型グループ会議を設定すると、例えば5人〜10人の間のPHS間において、あたかも会議室で会議を行なっているかのように同時に通話が可能となる。これにより、会社組織における通話コミュニケーションの可能性を向上させることができる。
【0003】
特許文献1は、複数のPHS等の端末の間に参加型グループ会議を設定することで、ユーザ同士が会議室で会議を行なっているかのように同時に通話が可能となる電話システムを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−290571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においては、このような参加型グループ会議を複数、設定した場合、これらの参加型グループ会議の間で、さらにどのように通話が可能となるか、また、その後、複数の参加型グループ会議の通話形態がどのように操作されていくかの詳細な技術が開示されていない。
【0006】
本発明は、最初に確立した通話状態を、上位機の簡単な操作によって、他の通話状態に変化させ、更に最初の通話状態に復帰させる通話制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決する一実施形態は、
外部の通話機と通信を行なう通信部(11)と、
通話状態の情報を記憶する記憶部(13)と、
前記通信部を介して、第1通話機および第2通話機の少なくとも一方からの呼信号を受けて、前記第1通話機および第2通話機の間の第1通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、第3通話機からの指示信号を伴う呼信号を受けると、前記第1通話状態を記憶部に格納し、前記第1通話機、前記第2通話機、前記第3通話機との間に前記第1通話状態とは異なる第2通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、前記第3通話機からの通話停止信号を受けると、前記第2通話状態を終了し、前記記憶部に格納された前記第1通話状態を読み出し、これに基づき、前記第1通話機および前記第2通話機の間の前記第1通話状態を再度、確立するべく制御する制御部(11)と、を具備することを特徴とする通話制御装置である。
また、他の課題を解決する一実施形態は、
外部の通話機と通信を行なう通信部と、
前記通信部を介して、複数の通話機からの呼信号を受けて、複数のグループ通話を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、他の通話機からの指示信号を伴う呼信号を受けると、複数のグループ通話の音声と、他の通話機からの音声を合成した一つのグループ通話を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、前記他の通話機からの通話停止信号を受けると、前記他の通話機からの音声を停止し、前記複数のグループ通話を分離して再度、各々、確立するべく制御する制御部と、
を具備することを特徴とする通話制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
PHS等の携帯型通話機の構内通話システム等の通話制御装置において、上位機の操作によって、第1の通話状態(二つのグループ通話が独立して行われる)から第2の通話状態(上位機と二つのグループ通話が合成される)に遷移する。その後の上位機のオフ操作により、再び第1の通話状態(上位機が不通となり二つのグループ通話が分離する)に自動的に復帰させる通話制御装置を提供する。これにより、従来は必要だった初めの通話状態に戻すための煩雑な操作が不要となる。
さらに具体的には、PHS等の携帯型通話機の構内通話システム等の通話制御装置において、二つのグループ通話をそれぞれ独立して行っている際に、上位機の操作によって二つのグループが合成されて上位機と供に通話状態とした場合、その後、上位機が終話ボタンをオフすることで、二つのグループが自動的に分離して、上位機の通話がオフとなるべく制御する。このような自動的な制御を行なうことにより、従来のように、上位機がオフした後にグループを分離する特別な操作はユーザは必要がなくなるため、使用上の便宜を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る通話制御装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯型通話機の構成の一例を示すブロック図。
【図3】同じく通話制御装置の動作状態の遷移の一例を説明する説明図。
【図4】同じく通話制御装置の動作状態の遷移の一例を説明する説明図。
【図5】同じく通話制御装置における複数のグループ会議通話と上位機の通話変遷処理の一例を示すフローチャート。
【図6】同じく通話制御装置における上位機と複数の一般機との間の通話変遷処理の一例を示すフローチャート。
【図7】同じく通話制御装置における上位機と複数の一般機との間の通話形態の一例を模した説明図。
【図8】同じく通話制御装置における通話状態を格納する通話テーブルの一例を示した説明図。
【図9】同じく通話制御装置における上位機と複数の一般機との間の通話変遷処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、本発明の一実施形態である通話制御装置の構成の一例を図1を用いて詳細に説明する。通話制御装置1は、例えば構内のPHS等の携帯型通話機100と通信を行なうアンテナ10に接続された通信部11と、全体の動作を制御する制御部12と、複数の通話信号を仕様に応じて合成する音声合成処理部13と、合併特番等の仕様情報、動作プログラム等の各種の制御情報、および現在通話中の通話状態情報(通話テーブル)や、先に通話中であった通話状態情報(通話テーブル)等を格納するRAM14と、一例としてRAM14の作業領域に一時的に形成される第1グループ通話トランク15、第2グループ通話トランク16を有している。
【0011】
また、このような構成の通話制御装置1に対して、例えば、PHS等の携帯型通話機100は、図2に示すような構成を有しており、アンテナ101と、デュプレクサ102と、RF受信利得可変増幅器103と、RF帯域制限フィルタ104と、周波数変換器105と、IF帯域制限フィルタ106と、IF受信利得可変増幅器107と、変調・復調部108と、IF送信利得可変増幅器111と、周波数変換器112と、RF帯域制限フィルタ113と、RF送信利得可変増幅器114と、電力増幅器115と、アイソレータ116と、ボコーダ123と、スピーカ124を有している。
【0012】
また、さらに、携帯型通話機100は、全体の動作および後述する通話状態遷移処理に働きかける制御部131と、これに接続され操作情報や写真画像等を表示する表示部133と、この携帯型通話機100の操作を行うための複数のスイッチを有する操作部134と、一例として後述する合併特番等の番号を格納する記憶部132を有している。
なお、グループ通話や通話の合併等を行なう場合には、記憶部132に記憶されている番号を呼び出して、通話や合併の処理を行なってもよく、直接操作部134を操作して番号を入力し、グループ通話や通話の合併等の処理を行なってもよい。
【0013】
また、変調・復調部108は、例えば直交復調部181と、A/D変換部182と、信号復調部183と、復号化部192とからなり、さらに、ボコーダ123からの信号を暗号化する暗号化部189と、信号変調部184と、D/A変換部185と、直交変調部186とにより構成される。この構成において、直交復調部181で直交復調された信号はA/D変換部182でA/D変換され、信号復調部183で信号復調されて、復号化部192により復号されて出力される。
【0014】
このような構成をもつ携帯型通話機100は、表示部133の操作情報の表示に対して、操作部134から与えられるユーザによる操作情報に応じて、制御部131の動作制御に従って、以下のように受信処理が行なわれる。すなわち、基地局から送信されるフォワードリンク信号をアンテナ101で受信し、受信されたフォワードリンク信号をデュプレクサ102で受信信号帯域内の成分だけフィルタリングし、RF受信利得可変増幅器103で増幅あるいは減衰し、RF帯域制限フィルタ104で不要成分をフィルタリングし、周波数変換器105でRF帯からIF帯へ周波数変換し、IF帯域制限フィルタ106で不要成分をフィルタリングし、IF受信利得可変増幅器107で増幅あるいは減衰して、変調・復調部108へ入力する。変調・復調部108では、直交復調部181で直交復調された信号をA/D変換部182でA/D変換され、信号復調部183で信号復調されて、復号化部192により復号されて出力される。
【0015】
(動作)
次に、このような構成をもつPHS等の携帯型通話機に対応する通話制御装置1の間における通話変遷処理の一例を、図3および図4と、図5のフローチャートを用いて以下に詳細に説明する。すなわち、例えば、携帯機K11,K12,K13からグループ通話の要求信号を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、第1グループ会議のための第1グループ通話トランク15をRAM14上に形成する。同様に、携帯機K21,K22,K23からグループ通話の要求信号を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、第2グループ会議のための第2グループ通話トランク16をRAM14上に形成する(ステップS11)。この状態では、携帯機K11,K12,K13を介して複数のユーザは、第1グループ会議として相互に通話が可能となり、同様に、携帯機K21,K22,K23を介して複数のユーザが、第2グループ会議として相互に通話が可能となる。
【0016】
このような通話状態において、上位機能をもった携帯機である上位機K1(例えば会社組織の管理者等が利用する)から、合併特番(例♯1234)を伴う呼信号を送信して複数のグループ会議への参加を希望すると(ステップS12、図3のステップS1)、通話制御装置1の制御部12が通信部11を介してこの合併特番(例♯1234)を受信し、ここで、一旦、第1グループ会議と第2グループ会議の通話状態を示す通話情報として通話テーブル(後に図8として説明する)をRAM14等に保存する(ステップS13)。その後、制御部12は、音声合成処理部13を用いて例えばRAM14上に音声合成領域17を設けて、第1グループ会議と第2グループ会議が合併した一つのグループ会議を生成する(ステップS14、図3のステップS2)。すなわち、携帯機K11〜K13、携帯機K21〜K23、および、上位機K1の音声は全て合成され、各携帯機のユーザ達は、あたかも一つの会議室で同時に会議を行なうかのように全員が通話可能となる。
【0017】
しかし、その後、通話制御装置1の制御部12が、上位機K1の図示しない終話ボタンが押下(オフ)されたことを検出すると(ステップS15、図4のステップS3)、制御部12は、第1グループ会議と第2グループ会議の合併状態を解消し、上位機の音声の合成処理も中止する(ステップS16、図4のステップS4)。そして、通話制御装置1の制御部12は、RAM14等に保存された図8に後述する通話状態情報である通話テーブルに基づいて、第1グループ会議と第2グループ会議を再現する。
【0018】
なお、この通話テーブルには、一例として各グループを形成する複数の携帯機番号と、各複数の携帯機が通話している基地局番号が格納されており、この通話テーブルの通話状態情報に基づいて、制御部12は、第1グループ会議と第2グループ会議を迅速および確実に再現することができる。なお、基地局番号については、初めに通話テーブルが保存された時点から一定時間経過している場合は、制御部12は、最新の基地局番号を取得することが望ましい。
【0019】
以上、詳細に述べたように、本発明の一実施形態における通話制御装置1によれば、PHS等の携帯型通話機の構内通話システム等の通話制御装置において、はじめに、第1の通話状態(例えば二つのグループ通話を行なっている)が成立して通話している状況で、上位機の操作によって第2の通話状態(例えば上位機と二つのグループ通話が合成される)に遷移し、その後の上位機の終話ボタンのオフ操作により、再び第1の通話状態(上位機が不通となり二つのグループ通話が分離する)に自動的に復帰させることができる。これにより、従来は上位機から二つのグループ通話の分離操作が必要であったが、本実施形態では終話ボタンのオフ操作のみで、初めの通話状態に戻すために行なわれる煩雑な操作が不要となる。
【0020】
すなわち、具体的な例を上げると、従来においては、上位機等の電話機などから特番操作(ダイヤル操作)で動作状態を制御する場合、合併用の特番(例:1234)と解除用の特番(例:5678)に分かれており、上位機等から合併操作と解除操作が必要であった。
一時的に複数グループを合併して通話し、用件が終わった後に、この複数グループを独立したグループに分離したい場合、上位機等を操作する合併者が一時的にグループ間の操作を行い、連絡事項を伝えて分離する場合もこれらの2動作(合併・分離)が必要となるために操作が面倒である、また、合併者が分離操作を忘れると合併したままになる、との不具合があった。しかし、上述した本発明の一実施形態に係る通話制御装置1によれば、自動的に初めの通話状態に戻されるので、このような不具合は解消される。
また、従来は、上位機から分離操作が行なわれると上位機から合併の指示があった前の第1の通話状態へ戻すことはできなかった。本実施形態では、通話テーブルを備えることにより、第1の通話状態へ容易に復帰させることができる。
【0021】
(他の通話形態における通話変遷処理)
次に、本発明の一実施形態である通話制御装置1における他の通話形態における通話変遷処理の実施形態を、図6および図9のフローチャートと、図7および図8の説明図を用いて説明する。本発明の一実施形態である通話制御装置1における通話変遷処理においては、図3乃至図5を用いて説明したように、必ずしも2つのグループ会議を合併し分離することだけに限定されるわけではなく、3つ以上のグループ会議や、他の1対1の通話が複数含まれる場合であってもよく、また、単に、第1通話状態から、上位機により第2通話状態に変更し、次に、再び第1通話状態に戻るものであっても良い。
【0022】
すなわち、例えば、図7に示すようなフィールドにおいて、複数の携帯機からグループ通話の要求信号を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、グループA〜グループD等の二つ以上の通話トランクをRAM14上に形成する。同様に、複数の携帯機K31、K32等から、1対1の通話要求を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、複数の携帯機による1対1の通話状態をRAM14上に形成する(ステップS21)。この状態においては、二つ以上のグループ会議、二つ以上の1対1の通話が確立している。
【0023】
このような通話状態において、上位機能をもった携帯機である上位機K1(例えば会社組織の管理者等が利用する)から、所定の合併特番を伴う呼信号を送信して複数のグループ会議への参加を希望すると(ステップS22)、通話制御装置1の制御部12が通信部11を介して所定の合併特番を受信し、ここで、図8に示すような上述した通話状態を示す通話情報として通話テーブルをRAM14等に保存する(ステップS23)。
【0024】
その後、制御部12は、音声合成処理部13を用いて例えばRAM14上に音声合成領域17を設けて、第2の通話状態として、任意の複数のグループ会議を合併したりする(ステップS24)。ここでは、3つのグループ会議を合併してもよいし、上位機が一つのグループ会議に合併するものであってもよく、また、他の1対1の通話がこのグループ会議に合併するものでもよい。
【0025】
その後、通話制御装置1の制御部12が、上位機K1の図示しない終話ボタンが押下(オフ)されたことを検出すると(ステップS25)、制御部12は、上述した第2の通話状態を全て解消し、上位機の音声の合成処理も中止する(ステップS26)。そして、通話制御装置1の制御部12は、ユーザの特別の操作を必要とすることなく、RAM14等に保存された図8に後述する通話状態情報である通話テーブルに基づいて第1の通話状態を再現するものである。
【0026】
図8の通話テーブルには、各グループを形成する複数の携帯機番号、各複数の携帯機が通話している基地局番号、また、1対1の通話における複数の携帯機番号と基地局番号が示されている。更に、図9のフローチャートにおいては、上位機による一斉通話が実施された場合について説明されている。
すなわち、例えば、図7に示すようなフィールドにおいて、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12は、複数の携帯機からグループ通話の要求信号を伴う呼信号や、1対1の通話要求を伴う呼信号を受信すると、グループ通話や、1対1の通話状態をRAM14上に形成し確立させる(ステップS31)。
【0027】
このような通話状態において、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12は、上位機能をもった携帯機である管理者等が利用する上位機K1から、一斉通話の要求信号を受信するとする(ステップS32)。通話制御装置1の制御部12は、これに対して、図8に示すような上述した現在の通話状態を示す通話情報である通話テーブルをRAM14等に保存する(ステップS33)。
【0028】
その後、制御部12は、音声合成処理部13を用いて例えばRAM14上に音声合成領域17を設けて、全ての通話可能な携帯機に対して、一斉通話を確立する(ステップS34)。この通話状態においては、上位機K1から全ての通話可能な携帯機に対して、一方的な通話状態が確立しており、この場合、上述した通話状態は必ずしも維持されていない(しかし、仕様に応じて、グループ通話や1対1通話を維持することも可能である)。
【0029】
その後、一斉通話が終了し通話制御装置1の制御部12が、上位機K1の図示しない終話ボタンが押下(オフ)されたことを検出すると(ステップS35)、制御部12は、上述した一斉通話である第2の通話状態を全て解消し、上位機の音声の合成処理も中止する(ステップS36)。そして、通話制御装置1の制御部12は、ユーザの特別の操作を必要とすることなく、RAM14等に保存された図8に後述する通話状態情報である通話テーブルから第1の通話状態を再現するものである。
【0030】
図8の通話テーブルには、各グループを形成する複数の携帯機番号、各複数の携帯機が通話している基地局番号、また、1対1の通話における複数の携帯機番号と基地局番号が示されている。これにより、通話制御装置1の制御部12は、ユーザの煩雑な操作がなくとも、図8の通話テーブルの通話状態情報を用いて、上位機K1の一斉通話が行なわれる以前の通話状態を忠実に再現することができる。
【0031】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1…通話制御装置、11…通信部、12…制御部、13…音声合成処理部、14…RAM、15…第1グループ通話トランク、16…第2グループ通話トランク、17…音声合成、K1…上位機、K11〜K32…携帯型通話機、100…携帯型通話機。
【技術分野】
【0001】
この発明は、PBX(Private Branch Exchange)やPHS(Personal Handyphone System)システム等の携帯型通話機を対象とする構内通話システムや交換機等の通話制御装置に関し、特に、上位機からの働きかけに応じて複数のグループ通話間の携帯機同士の会話を一時的に接続し、その後の上位機のオフにより複数のグループ通話を自動的に分離して再現する通話制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、PBXやPHSシステム等の携帯型通話機において、複数のユーザの間で同時に通話が可能な参加型グループ会議を行なう機能が知られている。このような参加型グループ会議を設定すると、例えば5人〜10人の間のPHS間において、あたかも会議室で会議を行なっているかのように同時に通話が可能となる。これにより、会社組織における通話コミュニケーションの可能性を向上させることができる。
【0003】
特許文献1は、複数のPHS等の端末の間に参加型グループ会議を設定することで、ユーザ同士が会議室で会議を行なっているかのように同時に通話が可能となる電話システムを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−290571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においては、このような参加型グループ会議を複数、設定した場合、これらの参加型グループ会議の間で、さらにどのように通話が可能となるか、また、その後、複数の参加型グループ会議の通話形態がどのように操作されていくかの詳細な技術が開示されていない。
【0006】
本発明は、最初に確立した通話状態を、上位機の簡単な操作によって、他の通話状態に変化させ、更に最初の通話状態に復帰させる通話制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決する一実施形態は、
外部の通話機と通信を行なう通信部(11)と、
通話状態の情報を記憶する記憶部(13)と、
前記通信部を介して、第1通話機および第2通話機の少なくとも一方からの呼信号を受けて、前記第1通話機および第2通話機の間の第1通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、第3通話機からの指示信号を伴う呼信号を受けると、前記第1通話状態を記憶部に格納し、前記第1通話機、前記第2通話機、前記第3通話機との間に前記第1通話状態とは異なる第2通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、前記第3通話機からの通話停止信号を受けると、前記第2通話状態を終了し、前記記憶部に格納された前記第1通話状態を読み出し、これに基づき、前記第1通話機および前記第2通話機の間の前記第1通話状態を再度、確立するべく制御する制御部(11)と、を具備することを特徴とする通話制御装置である。
また、他の課題を解決する一実施形態は、
外部の通話機と通信を行なう通信部と、
前記通信部を介して、複数の通話機からの呼信号を受けて、複数のグループ通話を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、他の通話機からの指示信号を伴う呼信号を受けると、複数のグループ通話の音声と、他の通話機からの音声を合成した一つのグループ通話を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、前記他の通話機からの通話停止信号を受けると、前記他の通話機からの音声を停止し、前記複数のグループ通話を分離して再度、各々、確立するべく制御する制御部と、
を具備することを特徴とする通話制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
PHS等の携帯型通話機の構内通話システム等の通話制御装置において、上位機の操作によって、第1の通話状態(二つのグループ通話が独立して行われる)から第2の通話状態(上位機と二つのグループ通話が合成される)に遷移する。その後の上位機のオフ操作により、再び第1の通話状態(上位機が不通となり二つのグループ通話が分離する)に自動的に復帰させる通話制御装置を提供する。これにより、従来は必要だった初めの通話状態に戻すための煩雑な操作が不要となる。
さらに具体的には、PHS等の携帯型通話機の構内通話システム等の通話制御装置において、二つのグループ通話をそれぞれ独立して行っている際に、上位機の操作によって二つのグループが合成されて上位機と供に通話状態とした場合、その後、上位機が終話ボタンをオフすることで、二つのグループが自動的に分離して、上位機の通話がオフとなるべく制御する。このような自動的な制御を行なうことにより、従来のように、上位機がオフした後にグループを分離する特別な操作はユーザは必要がなくなるため、使用上の便宜を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る通話制御装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯型通話機の構成の一例を示すブロック図。
【図3】同じく通話制御装置の動作状態の遷移の一例を説明する説明図。
【図4】同じく通話制御装置の動作状態の遷移の一例を説明する説明図。
【図5】同じく通話制御装置における複数のグループ会議通話と上位機の通話変遷処理の一例を示すフローチャート。
【図6】同じく通話制御装置における上位機と複数の一般機との間の通話変遷処理の一例を示すフローチャート。
【図7】同じく通話制御装置における上位機と複数の一般機との間の通話形態の一例を模した説明図。
【図8】同じく通話制御装置における通話状態を格納する通話テーブルの一例を示した説明図。
【図9】同じく通話制御装置における上位機と複数の一般機との間の通話変遷処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、本発明の一実施形態である通話制御装置の構成の一例を図1を用いて詳細に説明する。通話制御装置1は、例えば構内のPHS等の携帯型通話機100と通信を行なうアンテナ10に接続された通信部11と、全体の動作を制御する制御部12と、複数の通話信号を仕様に応じて合成する音声合成処理部13と、合併特番等の仕様情報、動作プログラム等の各種の制御情報、および現在通話中の通話状態情報(通話テーブル)や、先に通話中であった通話状態情報(通話テーブル)等を格納するRAM14と、一例としてRAM14の作業領域に一時的に形成される第1グループ通話トランク15、第2グループ通話トランク16を有している。
【0011】
また、このような構成の通話制御装置1に対して、例えば、PHS等の携帯型通話機100は、図2に示すような構成を有しており、アンテナ101と、デュプレクサ102と、RF受信利得可変増幅器103と、RF帯域制限フィルタ104と、周波数変換器105と、IF帯域制限フィルタ106と、IF受信利得可変増幅器107と、変調・復調部108と、IF送信利得可変増幅器111と、周波数変換器112と、RF帯域制限フィルタ113と、RF送信利得可変増幅器114と、電力増幅器115と、アイソレータ116と、ボコーダ123と、スピーカ124を有している。
【0012】
また、さらに、携帯型通話機100は、全体の動作および後述する通話状態遷移処理に働きかける制御部131と、これに接続され操作情報や写真画像等を表示する表示部133と、この携帯型通話機100の操作を行うための複数のスイッチを有する操作部134と、一例として後述する合併特番等の番号を格納する記憶部132を有している。
なお、グループ通話や通話の合併等を行なう場合には、記憶部132に記憶されている番号を呼び出して、通話や合併の処理を行なってもよく、直接操作部134を操作して番号を入力し、グループ通話や通話の合併等の処理を行なってもよい。
【0013】
また、変調・復調部108は、例えば直交復調部181と、A/D変換部182と、信号復調部183と、復号化部192とからなり、さらに、ボコーダ123からの信号を暗号化する暗号化部189と、信号変調部184と、D/A変換部185と、直交変調部186とにより構成される。この構成において、直交復調部181で直交復調された信号はA/D変換部182でA/D変換され、信号復調部183で信号復調されて、復号化部192により復号されて出力される。
【0014】
このような構成をもつ携帯型通話機100は、表示部133の操作情報の表示に対して、操作部134から与えられるユーザによる操作情報に応じて、制御部131の動作制御に従って、以下のように受信処理が行なわれる。すなわち、基地局から送信されるフォワードリンク信号をアンテナ101で受信し、受信されたフォワードリンク信号をデュプレクサ102で受信信号帯域内の成分だけフィルタリングし、RF受信利得可変増幅器103で増幅あるいは減衰し、RF帯域制限フィルタ104で不要成分をフィルタリングし、周波数変換器105でRF帯からIF帯へ周波数変換し、IF帯域制限フィルタ106で不要成分をフィルタリングし、IF受信利得可変増幅器107で増幅あるいは減衰して、変調・復調部108へ入力する。変調・復調部108では、直交復調部181で直交復調された信号をA/D変換部182でA/D変換され、信号復調部183で信号復調されて、復号化部192により復号されて出力される。
【0015】
(動作)
次に、このような構成をもつPHS等の携帯型通話機に対応する通話制御装置1の間における通話変遷処理の一例を、図3および図4と、図5のフローチャートを用いて以下に詳細に説明する。すなわち、例えば、携帯機K11,K12,K13からグループ通話の要求信号を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、第1グループ会議のための第1グループ通話トランク15をRAM14上に形成する。同様に、携帯機K21,K22,K23からグループ通話の要求信号を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、第2グループ会議のための第2グループ通話トランク16をRAM14上に形成する(ステップS11)。この状態では、携帯機K11,K12,K13を介して複数のユーザは、第1グループ会議として相互に通話が可能となり、同様に、携帯機K21,K22,K23を介して複数のユーザが、第2グループ会議として相互に通話が可能となる。
【0016】
このような通話状態において、上位機能をもった携帯機である上位機K1(例えば会社組織の管理者等が利用する)から、合併特番(例♯1234)を伴う呼信号を送信して複数のグループ会議への参加を希望すると(ステップS12、図3のステップS1)、通話制御装置1の制御部12が通信部11を介してこの合併特番(例♯1234)を受信し、ここで、一旦、第1グループ会議と第2グループ会議の通話状態を示す通話情報として通話テーブル(後に図8として説明する)をRAM14等に保存する(ステップS13)。その後、制御部12は、音声合成処理部13を用いて例えばRAM14上に音声合成領域17を設けて、第1グループ会議と第2グループ会議が合併した一つのグループ会議を生成する(ステップS14、図3のステップS2)。すなわち、携帯機K11〜K13、携帯機K21〜K23、および、上位機K1の音声は全て合成され、各携帯機のユーザ達は、あたかも一つの会議室で同時に会議を行なうかのように全員が通話可能となる。
【0017】
しかし、その後、通話制御装置1の制御部12が、上位機K1の図示しない終話ボタンが押下(オフ)されたことを検出すると(ステップS15、図4のステップS3)、制御部12は、第1グループ会議と第2グループ会議の合併状態を解消し、上位機の音声の合成処理も中止する(ステップS16、図4のステップS4)。そして、通話制御装置1の制御部12は、RAM14等に保存された図8に後述する通話状態情報である通話テーブルに基づいて、第1グループ会議と第2グループ会議を再現する。
【0018】
なお、この通話テーブルには、一例として各グループを形成する複数の携帯機番号と、各複数の携帯機が通話している基地局番号が格納されており、この通話テーブルの通話状態情報に基づいて、制御部12は、第1グループ会議と第2グループ会議を迅速および確実に再現することができる。なお、基地局番号については、初めに通話テーブルが保存された時点から一定時間経過している場合は、制御部12は、最新の基地局番号を取得することが望ましい。
【0019】
以上、詳細に述べたように、本発明の一実施形態における通話制御装置1によれば、PHS等の携帯型通話機の構内通話システム等の通話制御装置において、はじめに、第1の通話状態(例えば二つのグループ通話を行なっている)が成立して通話している状況で、上位機の操作によって第2の通話状態(例えば上位機と二つのグループ通話が合成される)に遷移し、その後の上位機の終話ボタンのオフ操作により、再び第1の通話状態(上位機が不通となり二つのグループ通話が分離する)に自動的に復帰させることができる。これにより、従来は上位機から二つのグループ通話の分離操作が必要であったが、本実施形態では終話ボタンのオフ操作のみで、初めの通話状態に戻すために行なわれる煩雑な操作が不要となる。
【0020】
すなわち、具体的な例を上げると、従来においては、上位機等の電話機などから特番操作(ダイヤル操作)で動作状態を制御する場合、合併用の特番(例:1234)と解除用の特番(例:5678)に分かれており、上位機等から合併操作と解除操作が必要であった。
一時的に複数グループを合併して通話し、用件が終わった後に、この複数グループを独立したグループに分離したい場合、上位機等を操作する合併者が一時的にグループ間の操作を行い、連絡事項を伝えて分離する場合もこれらの2動作(合併・分離)が必要となるために操作が面倒である、また、合併者が分離操作を忘れると合併したままになる、との不具合があった。しかし、上述した本発明の一実施形態に係る通話制御装置1によれば、自動的に初めの通話状態に戻されるので、このような不具合は解消される。
また、従来は、上位機から分離操作が行なわれると上位機から合併の指示があった前の第1の通話状態へ戻すことはできなかった。本実施形態では、通話テーブルを備えることにより、第1の通話状態へ容易に復帰させることができる。
【0021】
(他の通話形態における通話変遷処理)
次に、本発明の一実施形態である通話制御装置1における他の通話形態における通話変遷処理の実施形態を、図6および図9のフローチャートと、図7および図8の説明図を用いて説明する。本発明の一実施形態である通話制御装置1における通話変遷処理においては、図3乃至図5を用いて説明したように、必ずしも2つのグループ会議を合併し分離することだけに限定されるわけではなく、3つ以上のグループ会議や、他の1対1の通話が複数含まれる場合であってもよく、また、単に、第1通話状態から、上位機により第2通話状態に変更し、次に、再び第1通話状態に戻るものであっても良い。
【0022】
すなわち、例えば、図7に示すようなフィールドにおいて、複数の携帯機からグループ通話の要求信号を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、グループA〜グループD等の二つ以上の通話トランクをRAM14上に形成する。同様に、複数の携帯機K31、K32等から、1対1の通話要求を伴う呼信号を送信すると、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12が要求信号を伴う呼信号を受信し、複数の携帯機による1対1の通話状態をRAM14上に形成する(ステップS21)。この状態においては、二つ以上のグループ会議、二つ以上の1対1の通話が確立している。
【0023】
このような通話状態において、上位機能をもった携帯機である上位機K1(例えば会社組織の管理者等が利用する)から、所定の合併特番を伴う呼信号を送信して複数のグループ会議への参加を希望すると(ステップS22)、通話制御装置1の制御部12が通信部11を介して所定の合併特番を受信し、ここで、図8に示すような上述した通話状態を示す通話情報として通話テーブルをRAM14等に保存する(ステップS23)。
【0024】
その後、制御部12は、音声合成処理部13を用いて例えばRAM14上に音声合成領域17を設けて、第2の通話状態として、任意の複数のグループ会議を合併したりする(ステップS24)。ここでは、3つのグループ会議を合併してもよいし、上位機が一つのグループ会議に合併するものであってもよく、また、他の1対1の通話がこのグループ会議に合併するものでもよい。
【0025】
その後、通話制御装置1の制御部12が、上位機K1の図示しない終話ボタンが押下(オフ)されたことを検出すると(ステップS25)、制御部12は、上述した第2の通話状態を全て解消し、上位機の音声の合成処理も中止する(ステップS26)。そして、通話制御装置1の制御部12は、ユーザの特別の操作を必要とすることなく、RAM14等に保存された図8に後述する通話状態情報である通話テーブルに基づいて第1の通話状態を再現するものである。
【0026】
図8の通話テーブルには、各グループを形成する複数の携帯機番号、各複数の携帯機が通話している基地局番号、また、1対1の通話における複数の携帯機番号と基地局番号が示されている。更に、図9のフローチャートにおいては、上位機による一斉通話が実施された場合について説明されている。
すなわち、例えば、図7に示すようなフィールドにおいて、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12は、複数の携帯機からグループ通話の要求信号を伴う呼信号や、1対1の通話要求を伴う呼信号を受信すると、グループ通話や、1対1の通話状態をRAM14上に形成し確立させる(ステップS31)。
【0027】
このような通話状態において、通話制御装置1の通信部11を介して制御部12は、上位機能をもった携帯機である管理者等が利用する上位機K1から、一斉通話の要求信号を受信するとする(ステップS32)。通話制御装置1の制御部12は、これに対して、図8に示すような上述した現在の通話状態を示す通話情報である通話テーブルをRAM14等に保存する(ステップS33)。
【0028】
その後、制御部12は、音声合成処理部13を用いて例えばRAM14上に音声合成領域17を設けて、全ての通話可能な携帯機に対して、一斉通話を確立する(ステップS34)。この通話状態においては、上位機K1から全ての通話可能な携帯機に対して、一方的な通話状態が確立しており、この場合、上述した通話状態は必ずしも維持されていない(しかし、仕様に応じて、グループ通話や1対1通話を維持することも可能である)。
【0029】
その後、一斉通話が終了し通話制御装置1の制御部12が、上位機K1の図示しない終話ボタンが押下(オフ)されたことを検出すると(ステップS35)、制御部12は、上述した一斉通話である第2の通話状態を全て解消し、上位機の音声の合成処理も中止する(ステップS36)。そして、通話制御装置1の制御部12は、ユーザの特別の操作を必要とすることなく、RAM14等に保存された図8に後述する通話状態情報である通話テーブルから第1の通話状態を再現するものである。
【0030】
図8の通話テーブルには、各グループを形成する複数の携帯機番号、各複数の携帯機が通話している基地局番号、また、1対1の通話における複数の携帯機番号と基地局番号が示されている。これにより、通話制御装置1の制御部12は、ユーザの煩雑な操作がなくとも、図8の通話テーブルの通話状態情報を用いて、上位機K1の一斉通話が行なわれる以前の通話状態を忠実に再現することができる。
【0031】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1…通話制御装置、11…通信部、12…制御部、13…音声合成処理部、14…RAM、15…第1グループ通話トランク、16…第2グループ通話トランク、17…音声合成、K1…上位機、K11〜K32…携帯型通話機、100…携帯型通話機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の通話機と通信を行なう通信部と、
通話状態の情報を記憶する記憶部と、
前記通信部を介して、第1通話機および第2通話機の少なくとも一方からの呼信号を受けて、前記第1通話機および第2通話機の間の第1通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、第3通話機からの指示信号を伴う呼信号を受けると、前記第1通話状態を前記記憶部に格納し、前記第1通話機、前記第2通話機、前記第3通話機との間に前記第1通話状態とは異なる第2通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、前記第3通話機からの通話停止信号を受けると、前記第2通話状態を終了し、前記記憶部に格納された前記第1通話状態を読み出し、これに基づき、前記第1通話機および前記第2通話機の間の前記第1通話状態を再度、各々を確立するべく制御する制御部と、
を具備することを特徴とする通話制御装置。
【請求項1】
外部の通話機と通信を行なう通信部と、
通話状態の情報を記憶する記憶部と、
前記通信部を介して、第1通話機および第2通話機の少なくとも一方からの呼信号を受けて、前記第1通話機および第2通話機の間の第1通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、第3通話機からの指示信号を伴う呼信号を受けると、前記第1通話状態を前記記憶部に格納し、前記第1通話機、前記第2通話機、前記第3通話機との間に前記第1通話状態とは異なる第2通話状態を確立するべく制御し、
前記通信部を介して、前記第3通話機からの通話停止信号を受けると、前記第2通話状態を終了し、前記記憶部に格納された前記第1通話状態を読み出し、これに基づき、前記第1通話機および前記第2通話機の間の前記第1通話状態を再度、各々を確立するべく制御する制御部と、
を具備することを特徴とする通話制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−109182(P2011−109182A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259161(P2009−259161)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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