説明

通話方法及び通話システム

【課題】 ネットワークを通じてVoIP通話を行う場合に、予めサーバーに登録された送信端末及び受信端末の認証を確認してから接続確立を行う通話方法を提供する。
【解決手段】 送信端末Bにおいて、予め認証登録された受信端末Aの電話番号を基にIPアドレスを検索し、当該IPアドレスにサーバー3を通じて接続要求を促すステップと、接続要求を受けた受信端末Aが、送信端末Bの電話番号を基に当該送信端末Bの認証登録を確認するステップと、受信端末Aが送信端末BのIPアドレスを検索し、当該IPアドレスに接続してVoIP通話の接続確立を図るステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明はネットワークを通じて通信端末間で接続確立を図ってVoIP(Voice・over・IP)通話を行う通話方法及び通話システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通信ネットワークの普及発展に伴い、例えばISDN回線を利用してダイヤルアップ接続によるインターネットの利用と回線交換接続による通話とが併用できる環境が整備されてきている。
【0003】このような環境下で、インターネットのTCP/IPの元で音声通信を行うVoIP(Voice・over・IP)技術を用いたインターネット電話がある。インターネット電話は、遠距離通話や複数回通話を行う場合、定額料金で利用できるため、回線交換接続する場合に比べて安価に利用できる利点がある。代表例をあげれば、インターネット網(若しくは専用回線網)との常時接続若しくはダイヤルアップ接続を利用して送信側通信端末(送信側パソコン等)からサーバ、ルーターを通じて受信側通信端末(受信側パソコン等)へ接続して音声データを通信するものである。
【0004】インターネットの接続形態としてはダイヤルアップ接続が主流であり、ダイヤルアップ接続下で常時利用できるものは少ない。したがって、受信側通信端末がインターネット網にダイヤルアップ接続されていない状態では、送信側通信端末より電話機のようにダイヤル(発呼)すれば接続(着呼)するわけではない。そこで、送信側通信端末によるダイヤルアップ接続時に通話先の受信側通信端末の接続状態を確認して電話機による回線交換接続かVoIP通話に自動的に切りかえる通話方式が提案されている(特開2001−251440号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】送信側通信端末及び受信側通信端末よりインターネットにダイヤルアップ接続する場合に、インターネットサービスプロバイダー若しくはその管理下にあるサーバー(アクセスサーバー)よりIPアドレスの割り当てをVoIP通話前に受ける必要がある。そこでIPアドレスとユーザー名を予めサーバー、ダイヤルアップルーター、TA(ターミナルアダプタ)などに登録しておく必要がある。
【0006】しかしながら、IPアドレスは、インターネットサービスプロバイダーに高価な利用料を支払って専用のIPアドレスを確保した場合を除いて、ダイヤルアップ接続を一旦中断して新たに接続確立するたびにランダムに割り当てられる。このため、IPアドレスを検索して希望する相手先に通話しようとしても、通話先のIPアドレスが変わっていれば間違った相手とダイヤルアップ接続されることが繰り返されることになる。特に、相手先の受信端末がダイヤルアップ接続されていない場合には回線交換接続を行って電話機による呼出しを行うため、多数の間違い電話が頻繁にかかるおそれがあった。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、ネットワークを通じてVoIP通話を行う場合に、予めサーバーに登録された送信端末及び受信端末の認証を確認してから接続確立を行う通話方法及び通話システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。即ち、ネットワークを通じて通信端末間で接続確立を図ってVoIP(Voice・over・IP)通話を行う通話方法において、各通信端末よりネットワークを通じてサーバーに接続し、各通信端末の電話番号及び端末IDを暗号化してサーバーへ送信し、サーバーで復号化して認証登録するステップと、サーバーから認証登録された通信端末の電話番号へ公衆電話回線を通じて電話をかけて、当該通信端末よりサーバーへ認証登録されたデータの入力を促して認証確認するステップと、各通信端末よりサーバーへ接続し、IPアドレスが割り当てられる度に当該IPアドレスを前記サーバーに登録し、当該通信端末の電話番号及び端末IDを暗号化して前記サーバーへ送信して予め認証登録された通信端末であることを確認するIPアドレス登録ステップと、送信端末において、受信端末の電話番号を基に当該受信端末のIPアドレスを検索し、当該IPアドレスにサーバーを通じて接続要求を促すステップと、接続要求を受けた受信端末が、送信端末の電話番号を基に当該送信端末の認証登録を確認するステップと、受信端末において、送信端末のIPアドレスを検索し、当該IPアドレスに接続してVoIP通話の接続確立を図るステップとを含むことを特徴とする。
【0009】ネットワークを通じて通信端末間で接続確立を図ってVoIP(Voice・over・IP)通話を行う通話システムにおいて、予め各通信端末とサーバーとで共通鍵を共有し、各通信端末で生成された端末側公開鍵、電話番号、端末IDが前記共通鍵を用いて暗号化されてサーバーに送信され、前記サーバーに各通信端末毎に端末側公開鍵、電話番号、IPアドレス、端末ID、登録日、有効期限(支払期限)が認証登録されており、送信端末において、受信端末の電話番号を基にして当該受信端末のIPアドレス、受信端末側公開鍵及び有効期限を確認し、受信端末のIPアドレスへサーバーを通じて受信端末側公開鍵を用いて暗号化された送信端末の電話番号を送信して接続要求を行い、接続要求された受信端末は暗号化された送信端末の電話番号を復号化し、当該送信端末のIPアドレス、送信端末側公開鍵及び有効期限を確認した後、送信端末のIPアドレスへ接続してVoIP通話の接続確立が図られることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。図1は通信端末のサーバーへの認証登録からVoIP通話の接続確立するまでのシーケンスを示す説明図、図2及び図3は通信端末間のダイヤルアップ接続によるVoIP通話動作を示すフローチャート、図4は通話システムの概略説明図である。
【0011】先ず、通話システムの概略構成について図4R>4を参照して説明する。1はインターネット接続業者が管理するインターネット網である。パーソナルコンピュータ、携帯電話などの通信端末A,B(以下、単に「端末A」、「B」という)は、公衆回線網2を通じてインターネット網1と接続されている。端末Aと端末Bとは電話による公衆回線接続とインターネット接続とを交互に若しくはISDN回線などを利用して同時に利用できるようになっている。3はサーバーであり、インターネット接続業者若しくはその管理下に配置され、端末A,Bと主としてダイヤルアップ接続(若しくは常時接続)によりデータの送受信を行う。端末A,Bは公衆回線網2とDSU(デジタルサービスユニット)、TA(ターミナルアダプタ)、ダイヤルアップルータなどを介して接続されている。ネットワークとしては、インターネットが代表例であるが、会員制の専用回線網であっても良い。
【0012】本実施の態様では、端末A,B間でインターネットを通じて、公衆回線接続による通話とサーバー3を通じたダイヤルアップ接続によるVoIP(Voice・over・IP)通話を行う通話方法及び通話システムについて説明する。端末はA,Bのほかに更に複数想定されるが、説明上端末A,B間で接続確立をしてVoIP通話を行う場合について説明する。
【0013】本通話システムでは端末A,B間の認証確認する方法として、公開鍵暗号方式(公開鍵/秘密鍵使用)と秘密鍵暗号方式(共通鍵使用)とを併用して認証確認を行うようになっている。公開鍵暗号方式は、公開鍵で暗号化したデータを秘密鍵で復号化する方式、若しくは秘密鍵で暗号化したデータを公開鍵で復号化する方式であり、秘密鍵暗号方式は、データの暗号化及び復号化を同一の共通鍵で行う方式である。本通話システムにおいては、端末A,Bとサーバー3とは通信する毎に共通鍵を共有し、この共通鍵は通信毎に変えるものとする。端末A,B間で通話が確立している間だけ、その共通鍵が使えるものとする。次回通信するときは、新たに共通鍵を生成するものとする。端末A,Bで生成された端末側公開鍵、電話番号、端末IDが共通鍵を用いて暗号化されてサーバー3に送信され、サーバー3に端末A,B毎に端末側公開鍵、電話番号、IPアドレス、端末ID、登録日、有効期限(支払期限)が認証登録されている。以下、端末Bを送信端末B、端末Aを受信端末AとしてVoIP通話を行う場合の通話システムの概要について説明する。
【0014】送信端末Bにおいて、受信端末Aの電話番号を基にして当該受信端末AのIPアドレス、受信端末A側公開鍵及び有効期限(支払期限)を確認する。そして、サーバー3を通じて受信端末AのIPアドレスへ受信端末A側公開鍵を用いて暗号化された送信端末Bの電話番号を送信して接続要求を行う。接続要求された受信端末Aは暗号化された送信端末Bの電話番号を受信端末A側秘密鍵を用いて復号化し、当該送信端末BのIPアドレス、送信端末B側公開鍵及び有効期限(支払期限)を確認した後、送信端末BのIPアドレスへサーバーを通じてダイヤルアップ接続してVoIP通話の接続確立が図られる。本通話システムでは、端末A,Bよりインターネットに接続するたびにサーバー3により割り当てられるIPアドレスが変わることから、端末A,Bよりサーバー3へダイヤルアップ接続し、IPアドレスが割り当てられる度に当該IPアドレスがサーバー3に登録され、端末A,Bの電話番号及び端末IDが暗号化されてサーバー3へ送信されてからVoIP通話の接続確立動作が行なわれる。
【0015】以下、通話方法について具体的に説明する。図1に示す端末A,Bのサーバー3への認証登録からVoIP通話の接続確立するまでのシーケンスにしたがって、図2及び図3の端末A,B間のダイヤルアップ接続によるVoIP(Voice・over・IP)通話動作を示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0016】先ず、図1において、端末A,Bより最寄のインターネット接続業者(ISP)を通じてインターネットに接続して端末A,Bの電話番号及び端末IDを暗号化してサーバー3へ送信し、サーバー3で復号化して認証登録する(図2、S1〜S3参照)。この認証登録する手順を具体的に説明する。端末A,Bよりインターネット接続してサーバー3に接続した際に、サーバー3で生成されたサーバー側公開鍵が端末A,Bへ受け渡される。端末A,Bではサーバー側公開鍵を用いて端末A,Bで生成した共通鍵を暗号化して再度サーバー3へ送信する。これにより、端末A,Bとサーバー3とで共通鍵を共有する。次に、端末A,Bで端末側公開鍵及び端末側秘密鍵を各々生成し、当該端末A,Bの電話番号、端末側公開鍵及び端末IDを共通鍵で暗号化してサーバー3へ送信する。端末IDは、端末A,B毎にランダムに生成された固有のID番号(例えば製造番号等)である。サーバー3は、端末A,Bより送信された電話番号、端末側公開鍵及び端末IDを共通鍵で復号化し、端末A,B毎に端末公開鍵、電話番号、IPアドレス、端末ID、登録日、有効期限(支払期限)を登録管理する。
【0017】次に、サーバー3から認証登録された端末A,Bの電話番号へ公衆電話回線を通じて電話をかけて、サーバー3で自動生成したデータの入力を促して認証確認行う。即ち、サーバー3から登録された端末A,Bの電話番号へ公衆回線接続して音声で指示されたデータを端末A,Bの入力画面を通じて入力を促す。
【0018】次に、端末A,Bより各々サーバー3へダイヤルアップ接続し、IPアドレスが割り当てられる度に当該IPアドレスをサーバー3に登録し、当該端末A,Bの電話番号及び端末IDを暗号化してサーバー3へ送信して予め認証登録された通信端末であることを確認する(IPアドレス登録ステップ)。
【0019】具体的には、IPアドレス登録ステップにおいて、端末A,BよりIPアドレスをサーバー3に登録する際に、サーバー3よりサーバー側公開鍵とハッシュキーとが端末A,Bに受け渡される。そして、端末A,Bにおいてハッシュキーによりハッシュ化された端末IDと電話番号をサーバー側公開鍵で暗号化してサーバー3へ送信する。また、サーバー3には予め端末A,Bの端末IDと電話番号が登録されていることから、サーバー3でこの端末IDと電話番号をハッシュキーによりハッシュ化されたデータと各端末A,Bより送信されたデータと比較して認証登録された端末A,Bであることを確認する。このとき、端末A,Bからのダイヤルアップ接続が中断されてIPアドレスが変更されても、或いは転居により電話番号が変わったとしても、不変情報である端末IDにより認証登録された本人確認を行うことができる。
【0020】次に、図1において、送信端末Bより受信端末Aの電話番号に電話をかける(図3、S11参照)。そして、送信端末Bのデータベース内で受信端末Aの電話番号を基に受信側IPアドレスを検索し(図3、S12〜S15参照)、当該IPアドレスに直接送信端末Bが受信端末Aと話す接続要求を促す(図3、S16参照)。
【0021】具体的には、受信端末Aの電話番号から当該受信端末AのIPアドレス、受信端末側公開鍵を送信端末Bのデータベースより検索する(図3、S12参照)。検索しても見つからない場合にはサーバー3に問い合わせる(図3、S13参照)。受信端末AのIPアドレス、受信端末側公開鍵が確認できたら、受信端末A側の回線使用有効期限内か否かを確認し(図3、S14参照)、有効期限を過ぎている場合に、再度サーバー3に問い合わせる(図3、S15参照)。サーバー3は、送信端末Bの問い合わせに応じて送信端末側公開鍵で暗号化して受信端末AのIPアドレス及び受信端末側公開鍵を送信し、回線使用有効期限を再確認する。また、送信端末Bから受信端末Aの電話番号を基にしてサーバー3に照会したが確認できない場合(図3、S13参照)、若しくは回線使用有効期限を過ぎておりサーバー3のデータベースにも確認できない場合、ダイヤルアップ接続回線より公衆回線接続に切り換えて受信端末Aへ電話をかける(図3、S20参照)。
【0022】次に、図1において、接続要求を受けた受信端末Aは、送信端末Bが受信端末Aの公開鍵で暗号化した確認データを受け取る。この確認データには、送信端末Bの電話番号、受信端末Aの電話番号及び送信端末Bの公開鍵が含まれる。受信端末Aは、受け取った確認データを自分の秘密鍵で復号化し、自局の電話番号と相手局(送信局)の電話番号を取り出す。この時点で、受信端末Aは、取り出した自局の電話番号が間違っている場合には、相手(送信端末B)が間違って自分と通信しようとしていないかを確認する。その結果を送信端末Bの公開鍵で暗号化して送信端末Bへ返信する(図3、S22、S23参照)。
【0023】送信端末Bは、受信端末Aからの回答によりIPアドレス違いを確認すると、送信端末B内の受信端末Aに関するデータを消去し、サーバー3に再度受信端末の電話番号を基に受信端末AのIPアドレス及び受信端末側公開鍵を照会する(図3、S17〜S19)。この照会動作を複数回(N回)繰り返し行う。このサーバー3への照会動作を複数回行うのは、受信端末Aが、サーバー3へのダイヤルアップ接続を一旦中断して再度接続を行っている場合には、IPアドレスが変更されている可能性が高いためである。また、本通話システムでは、IPアドレスが変わるたびにサーバー3へ当該アドレスが電話番号と共に登録されているので、IPアドレスを複数回検索することで希望する相手のIPアドレスに接続できる可能性が高い。尚、送信端末Bから受信端末Aの電話番号を基にしてサーバー3に照会したが確認できない場合(図3、S13参照)には、ダイヤルアップ接続回線より公衆回線接続に切り換えて受信端末Aへ電話をかけることになる(図3、S20参照)。
【0024】また、接続要求を受けた受信端末Aが、送信端末Bの電話番号を受信端末側秘密鍵で復号化できた場合には、該復号化された送信端末Bの電話番号を基にIPアドレス及び送信端末側公開鍵を受信端末Aのデータベースより検索し、見つからない場合或いは送られてきた送信端末Bの公開鍵がデータベース内に登録されていた公開鍵と異なる場合にサーバー3に問い合わせる(図3、S25、S26)。サーバー3は、受信端末A及び送信端末Bが有効期限内である場合、受信端末Aの問い合わせに応じて受信端末側公開鍵で暗号化して送信端末BのIPアドレス及び送信端末側公開鍵を送信する(図3、S27参照)。また、サーバー3は、受信端末A及び送信端末Bの有効期限が過ぎている場合には接続拒否を行い、その旨を端末A,Bに返信する(図3、S28参照)。受信端末Aはサーバー3より送信されたデータを受信すると受信端末側秘密鍵で復号化して確認する。この場合、仮に送信端末Bが、サーバー3へのダイヤルアップ接続を一旦中断して再度接続を行っている場合にはIPアドレスが変更されているが、予めIPアドレスが変わるたびにサーバー3へ当該アドレスが電話番号と共に登録されているので、IPアドレスを検索することで接続要求している送信側のIPアドレスに接続できる可能性が高い。
【0025】次に、受信端末Aが送信端末BのIPアドレスにダイヤルアップ接続すると、受信端末Aの電話のベルを鳴らしてVoIP通話の接続確立を図る(図3、S29参照)。尚、VoIP通話確立後の送信端末Bと受信端末A間の通話データ(音声データ)のパケット交換は、各通信端末で生成された共通鍵を用いた暗号化/復号化により行う。
【0026】本発明に係る通話方法及び通話システムによれば、VoIP通話を行う場合に各端末A,Bよりサーバー3へ予め認証登録を行うと共にダイヤルアップ接続に応じてIPアドレスデータを電話番号や不変情報である端末IDと共に登録されているので、仮にダイヤルアップ接続が中断されてIPアドレスが変更されても、或いは転居により電話番号が変わったとしても、端末IDにより認証登録された本人確認を行うことができるので、送信端末Bよりダイヤルアップ接続により偶然に接続確立された相手と通話することを繰り返すことはなく、希望する受信端末のみと可能な範囲で確実に接続確立を行ってVoIP通話を行うことができる。よって、インターネットの接続料金のみで、遠距離通話や通話頻度の高い利用形態の場合に通話料金が安価になるうえに、接続信頼性を高めることができる。また、各端末A、Bとサーバー3との認証確認やIPアドレスの登録には、公開鍵暗号方式と秘密鍵暗号方式を併用してデータ交換が行なわれるので、セキュリティは確立されており、通話システムの安全性、確実性を保証できる。
【0027】以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明は上述した各実施例に限定されるのものではなく、各端末とインタネット網1との接続は、ダイヤルアップ接続により接続確立する場合について説明したが、送信端末及び受信端末の一方又は双方が常時接続している場合にも適用可能である。また、ネットワークはインターネット網1に限らず会員制の専用回線網であっても良い等、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る通話方法及び通話システムを用いると、通信端末間でVoIP通話を行う場合に各通信端末よりサーバーへ予め認証登録を行うと共にネットワークへの接続に応じてIPアドレスデータを電話番号や不変情報である端末IDと共に登録されているので、仮にダイヤルアップ接続が中断されてIPアドレスが変更されても、或いは転居により電話番号が変わったとしても、端末IDにより認証登録された本人確認を行うことができるので、送信端末よりダイヤルアップ接続により偶然に接続確立された受信端末と通話することを繰り返すことはなく、希望する受信端末のみと可能な範囲で確実に接続確立を行ってVoIP通話を行うことができる。よって、ネットワークへの接続料金のみで、遠距離通話や通話頻度の高い利用形態の場合に通話料金が安価になるうえに、接続信頼性を高めることができる。また、各通信端末とサーバーとの認証確認やIPアドレスの登録には、公開鍵暗号方式と秘密鍵暗号方式を併用してデータ交換が行なわれるので、セキュリティは確立されており、通話システムの安全性、確実性を保証できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信端末のサーバーへの認証登録からVoIP通話の接続確立するまでのシーケンスを示す説明図である。
【図2】通信端末間のダイヤルアップ接続によるVoIP通話動作を示すフローチャートである。
【図3】通信端末間のダイヤルアップ接続によるVoIP通話動作を示すフローチャートである。
【図4】通話システムの概略説明図である。
【符号の説明】
A、B 端末
1 インターネット網
2 公衆回線網
3 サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークを通じて通信端末間で接続確立を図ってVoIP(Voice・over・IP)通話を行う通話方法において、各通信端末よりネットワークを通じてサーバーに接続し、各通信端末の電話番号及び端末IDを暗号化してサーバーへ送信し、サーバーで復号化して認証登録するステップと、前記サーバーから認証登録された通信端末の電話番号へ公衆電話回線を通じて電話をかけて、当該通信端末より認証登録されたデータの入力を促してサーバーで認証確認するステップと、各通信端末よりサーバーへ接続し、IPアドレスが割り当てられる度に当該IPアドレスを前記サーバーに登録し、当該通信端末の電話番号及び端末IDを暗号化して前記サーバーへ送信して予め認証登録された通信端末であることを確認するIPアドレス登録ステップと、送信端末において、受信端末の電話番号を基に当該受信端末のIPアドレスを検索し、当該IPアドレスにサーバーを通じて接続要求を促すステップと、接続要求を受けた受信端末が、送信端末の電話番号を基に当該送信端末の認証登録を確認するステップと、前記受信端末において送信端末のIPアドレスを検索し、当該IPアドレスに接続してVoIP通話の接続確立を図るステップとを含むことを特徴とする通話方法。
【請求項2】 認証登録するステップにおいて、各通信端末よりネットワークを通じてサーバーに接続した際に、サーバーで生成されたサーバー側公開鍵が受け渡され、該サーバー側公開鍵を用いて各通信端末で生成した共通鍵を暗号化してサーバーへ送信するステップと、各通信端末で端末側公開鍵及び端末側秘密鍵を生成し、当該通信端末の電話番号、端末側公開鍵及び端末IDを前記共通鍵で暗号化してサーバーへ送信するステップと、前記サーバーは、送信された電話番号、端末側公開鍵及び端末IDを前記共通鍵で復号化し、各通信端末毎に当該通信端末で生成された公開鍵、電話番号、IPアドレス、端末ID、登録日、有効期限(支払期限)を登録管理するステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の通話方法。
【請求項3】 前記各通信端末からサーバーへの認証確認は、該サーバーから登録された各通信端末の電話番号へ公衆回線接続して音声で指示されたデータを各通信端末の入力画面を通じて入力を促すことを特徴とする請求項1記載の通話方法。
【請求項4】 IPアドレス登録ステップにおいて、各通信端末よりIPアドレスをサーバーに登録する際に、サーバーよりサーバー側公開鍵とハッシュキーとが受け渡されて、ハッシュキーによりハッシュ化された端末IDと電話番号をサーバー側公開鍵で暗号化してサーバーへ送信し、該サーバーに登録されている端末IDと電話番号をハッシュキーによりハッシュ化されたデータと比較して認証登録された通信端末であることを確認することを特徴とする請求項1記載の通話方法。
【請求項5】 送信端末から受信端末へ接続要求するステップにおいて、受信端末の電話番号から当該受信端末のIPアドレス、受信端末側公開鍵を当該送信端末で検索して見つからない場合若しくは回線使用有効期限を過ぎている場合に、サーバーに問い合わせるステップと、前記サーバーは、送信端末の問い合わせに応じて送信端末側公開鍵で暗号化して受信端末のIPアドレス及び受信端末側公開鍵を送信し、回線使用有効期限を再確認するステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の通話方法。
【請求項6】 送信端末から受信端末の電話番号を基にして受信端末側公開鍵を検索したが確認できない場合に、ネットワーク接続回線より公衆回線接続に切り換えて受信端末へ電話をかけるステップを含むことを特徴とした請求項5記載の通話方法。
【請求項7】 受信端末において接続要求があった送信端末の認証登録を確認するステップにおいて、前記受信端末のIPアドレスに送信された当該受信端末側公開鍵で暗号化された送信端末側電話番号を受信端末側秘密鍵で復号化し、復号化できない場合にIPアドレスが違う旨をサーバーへ返信するステップと、前記送信端末は、サーバーからの回答によりIPアドレス違いを確認すると、当該サーバーに再度受信端末の電話番号を基に受信端末のIPアドレス及び受信端末側公開鍵を照会するステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の通話方法。
【請求項8】 受信端末において、復号化された送信端末の電話番号を基に当該送信端末のIPアドレス及び送信端末側公開鍵を検索し、見つからない場合にサーバーに問い合わせるステップと、前記サーバーは、前記送信端末が回線使用有効期限内である場合に限り、受信端末の問い合わせに応じて受信端末側公開鍵で暗号化して送信端末のIPアドレス及び送信端末側公開鍵を送信するステップと、前記送信端末のIPアドレスに接続してVoIP通話の接続確立を図るステップとを含むことを特徴とする請求項7記載の通話方法。
【請求項9】 VoIP通話確立後の送受信端末間のパケット交換は、各通信端末で生成された共通鍵を用いた暗号化/復号化により行うことを特徴とする請求項1記載の通話方法。
【請求項10】 ネットワークを通じて通信端末間で接続確立を図ってVoIP(Voice・over・IP)通話を行う通話システムにおいて、予め各通信端末とサーバーとで共通鍵を共有し、各通信端末で生成された端末側公開鍵、電話番号、端末IDが前記共通鍵を用いて暗号化されてサーバーに送信され、前記サーバーに各通信端末毎に端末側公開鍵、電話番号、IPアドレス、端末ID、登録日、有効期限(支払期限)が認証登録されており、送信端末において、受信端末の電話番号を基にして当該受信端末のIPアドレス、受信端末側公開鍵及び有効期限を確認し、前記受信端末のIPアドレスへサーバーを通じて受信端末側公開鍵を用いて暗号化された送信端末の電話番号を送信して接続要求を行い、前記接続要求された受信端末は暗号化された前記送信端末の電話番号を復号化し、当該送信端末のIPアドレス、送信端末側公開鍵及び有効期限を確認した後、前記送信端末のIPアドレスへ接続してVoIP通話の接続確立が図られることを特徴とする通話システム。
【請求項11】 各通信端末よりサーバーへ接続し、IPアドレスが割り当てられる度に当該IPアドレスがサーバーに登録され、当該通信端末の電話番号及び端末IDが暗号化されて前記サーバーへ送信されることを特徴とする請求項10記載の通話システム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−229955(P2003−229955A)
【公開日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−29087(P2002−29087)
【出願日】平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】