説明

通話端末装置、表示制御方法、表示制御プログラム

【課題】ユーザに不快感を与えることなく、通話端末装置の状態を示す情報を確実にユーザに対して通知することが可能な通話端末装置、表示方法、表示プログラムを提供する。
【解決手段】通話端末装置は、ユーザによって通話が開始された場合(S121:YES)、複数の第一画像を順次切り替えながらディスプレイに表示させるスライドショー表示を行う(S123、S129)。ここで、通話中の通話の通話料金が所定の閾値以上となった場合や、電池残量が所定の閾値以下となった場合であって、ユーザがディスプレイに視線を向けたことが検出された場合(S125:YES)、これらの状態情報をユーザに対して通知する為の第二画像をスライドショー表示の間に挿入させる(S131)。これによって、ユーザに対して確実に状態情報を認識させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話端末装置、表示制御方法、表示制御プログラムに関する。より詳細には、通話端末装置の状態を示す情報をディスプレイに表示させることによってユーザに通知する通話端末装置、表示制御方法、表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、通話端末装置の状態を示す各種情報をユーザに通知するために、各種情報をディスプレイに表示したり、音を出力したりする通話端末装置が知られている。例えば特許文献1に記載の通話端末装置は、電池残量をディスプレイに表示させる。ユーザは、ディスプレイに表示される電池残量を視認し、通話端末装置を充電する必要があるかを認識する。また、例えば特許文献2に記載の通話端末装置は、通話料金をディスプレイに表示するとともに、ブザーを鳴らす。ユーザは、ディスプレイに表示される通話料金を視認したり、ブザー音を聞いたりすることによって、通話料金を認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−233711号公報
【特許文献2】特開平5−41754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の通話端末装置のディスプレイには、通話時において、ユーザの興味を惹く画像が表示されないので、通話中のユーザは、常時ディスプレイを視認しない。従って、ユーザがディスプレイに表示される各種情報を見落としてしまう場合があるという問題点がある。また、ブザー音によって各種情報が通知される場合は、ブザー音が通話先のユーザにも聞こえてしまう。このため、通話先のユーザに不快感を与えてしまうという問題点がある。
【0005】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、ユーザに不快感を与えることなく、通話端末装置の状態を示す情報を確実にユーザに対して通知することが可能な通話端末装置、表示制御方法、表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の問題点を解決するために、請求項1に係る発明の通話端末装置は、他の通話端末装置との通話を行う通話手段と、画像データが表示される表示手段と、複数の前記画像データが記憶される第一記憶手段と、前記通話手段によって前記他の通話端末装置との通話が行われている場合に、前記第一記憶手段に記憶された前記画像データである第一画像データを所定の周期で順次切り替えながら前記表示手段に表示させる制御を行う第一表示制御手段と、前記通話端末装置の状態を示す情報である状態情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得される前記状態情報に関連付けられた画像データである第二画像データが記憶される第二記憶手段と、前記情報取得手段によって前記状態情報が取得された場合に、前記第一表示制御手段によって切り替えて表示される一の前記第一画像データと他の前記第一画像データとの間に、前記状態情報に関連付けられた前記第二画像データであって前記第二記憶手段に記憶された前記第二画像データを所定時間表示させる制御を行う第二表示制御手段とを備えている。
【0007】
また、請求項2に係る発明の通話端末装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記通話手段によって前記他の通話端末装置との通話が行われている場合の通話時間に基づいて、通話中の通話により発生する通話料金を算出する料金算出手段、又は、前記通話端末装置を駆動する電池の電圧に基づいて、前記電池の残量を特定する残量特定手段のうち少なくとも一方を備え、前記情報取得手段は、前記料金算出手段によって前記通話料金が算出された場合であって、前記通話料金の値が、第一閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第一閾値以上である場合に、算出された前記通話料金を前記状態情報として取得し、前記残量特定手段によって前記残量が特定された場合であって、前記残量の値が、第二閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第二閾値以下である場合に、特定された前記残量を前記状態情報として取得することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記通話端末装置のユーザを撮影する第一撮影手段と、前記第一撮影手段によって撮影された撮影データに基づき、前記ユーザの視線方向を特定する視線特定手段と、前記視線特定手段によって特定された前記ユーザの視線方向から、前記ユーザが前記表示手段を視認しているかを判断する視認判断手段とを備え、前記第二表示制御手段は、前記視認判断手段において前記ユーザが前記表示手段を視認していると判断された場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記通話手段によって前記他の通話端末装置と通話が行われている場合の通話音声を検出する音声検出手段と、前記音声検出手段において前記通話音声が連続して検出されない場合に、検出されない状態となってからの経過時間を計測する第一時間計測手段とを備え、前記第二表示制御手段は、前記第一時間計測手段によって計測された前記経過時間の値が、第三閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第三閾値以上であった場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、情報が入力される入力手段を備え、前記第二表示制御手段は、前記入力手段によって前記情報が入力された場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記情報取得手段が前記状態情報を取得してからの経過時間を計測する第二時間計測手段を備え、前記第二表示制御手段は、前記第二時間計測手段によって計測された前記経過時間の値が、第四閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第四閾値以上となった場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記料金算出手段によって前記通話料金が算出された場合であって、前記通話料金の値が、第五閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第五閾値以上である場合に、前記通話料金に関連付けられた前記第二画像データを継続して前記表示手段に表示させる制御を行う第三表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記残量特定手段によって前記残量が特定された場合であって、前記残量の値が、第六閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第六閾値以下である場合に、前記残量に関連付けられた前記第二画像データを継続して前記表示手段に表示させる制御を行う第四表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る発明の通話端末装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記第二画像データは、前記ユーザを特定するユーザ特定情報に対応付けられて前記第二記憶手段に記憶されており、前記通話端末装置のユーザを撮影する第二撮影手段と、前記第二撮影手段によって撮影された撮影データに基づいて、前記ユーザを特定する第一ユーザ特定手段とを備え、前記第二表示制御手段は、前記第一ユーザ特定手段によって特定された前記ユーザのユーザ特定情報に対応付けられた前記第二画像データを表示させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る発明の通話端末装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記第二画像データは、前記ユーザを特定するユーザ特定情報に対応付けられて前記第二記憶手段に記憶されており、前記通話端末装置のユーザの音声を取得する音声取得手段と、前記音声取得手段によって取得された前記音声に基づいて、前記ユーザを特定する第二ユーザ特定手段とを備え、前記第二表示制御手段は、前記第二ユーザ特定手段によって特定された前記ユーザのユーザ特定情報に対応付けられた前記第二画像データを表示させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記通話料金と前記残量との両方に関連付けられた画像データである第三画像データが記憶される第三記憶手段を備え、前記情報取得手段は、前記料金算出手段及び前記残量特定手段の両方を備えている場合であって、前記料金算出手段によって算出された前記通話料金の値が前記第一閾値以上であり、且つ、前記残量特定手段によって特定された前記残量が前記第二閾値以下である場合に、前記通話料金と前記残量とを前記状態情報として取得し、前記第二表示制御手段は、前記情報取得手段によって前記通話料金と前記残量とが前記状態情報として取得された場合には、前記通話料金と前記残量との両方に関連付けられた前記第三画像データであって前記第三記憶手段に記憶されている前記第三画像データを表示させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記第一閾値記憶手段には、第二画像データを表示させる回数の情報である第一表示回数と、前記第二画像データを表示させる周期である第一表示周期とが、前記第一閾値に対応付けられて記憶されており、第二表示制御手段は、前記情報取得手段において、前記通話料金が前記第一閾値以上であるとして前記状態情報が取得された場合には、前記第二画像データを前記第一表示周期で前記第一表示回数分繰り返し表示させる制御を行うことを特徴とする。
【0018】
また、請求項13に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記第二閾値記憶手段には、第二画像データを表示させる回数の情報である第二表示回数と、前記第二画像データを表示させる周期である第二表示周期とが、前記第二閾値に対応付けられて記憶されており、第二表示制御手段は、前記情報取得手段において、前記残量が前記第二閾値以下であるとして前記状態情報が取得された場合には、前記第二画像データを前記第二表示周期で前記第二表示回数分繰り返し表示させる制御を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項14に係る発明の表示制御方法は、他の通話端末装置との通話を行う通話ステップと、前記通話ステップによって前記他の通話端末装置との通話が行われている場合に、第一記憶手段に記憶された画像データである第一画像データを所定の周期で順次切り替えながら表示手段に表示させる制御を行う第一表示制御ステップと、前記通話端末装置の状態を示す情報である状態情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップによって前記状態情報が取得された場合に、前記第一表示制御ステップによって切り替えて表示される一の前記第一画像データと他の前記第一画像データとの間に、前記状態情報に関連付けられた画像データであって第二記憶手段に記憶された画像データである前記第二画像データを所定時間表示させる制御を行う第二表示制御ステップとを備えている。
【0020】
また、請求項15に係る発明の表示制御プログラムは、請求項1乃至13のいずれかに記載の通話端末装置の各処理手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る発明の通話端末装置は、表示手段を備えている。通話中において、第一画像データが所定の周期で順次切り替えられながら表示手段に表示される。通話端末装置の状態を示す状態情報が取得された場合には、一の第一画像データと他の第一画像データとの間に、状態情報をユーザに通知する為の第二画像データが所定時間表示される。表示手段には第一画像データが順次表示されているので、ユーザは通話中であっても表示手段を視認するようになる。ユーザは、第二画像データを視認することによって、状態情報を認識することが可能となる。
【0022】
また、請求項2に係る発明の通話端末装置は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、通話料金が第一閾値以上となった場合に、通話料金が状態情報として取得される。取得された通話料金を通知する為の状態情報に関連づけられた第二画像データが表示手段に表示される。ユーザは、第二画像データを視認することによって、通話料金を認識することが可能となる。電池残量が第二閾値以下となった場合に、電池残量が状態情報として取得される。取得された電池残量を通知する為の状態情報に関連づけられた第二画像データが表示手段に表示される。ユーザは、第二画像データを視認することによって、電池残量を認識することが可能となる。
【0023】
また、請求項3に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、ユーザが表示手段を視認している場合に、取得された状態情報を通知する為の第二画像データが表示手段に表示される。通話端末装置は、表示手段を視認しているユーザに対して、確実に第二画像データを視認させることが可能となる。
【0024】
また、請求項4に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、通話音声が途切れた場合に、取得された状態情報を通知する為の第二画像データが表示手段に表示される。ユーザは表示手段を視認している可能性が高いので、通話端末装置は、ユーザに対してより効果的に第二画像データを視認させることが可能となる。
【0025】
また、請求項5に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、ユーザが何らかの入力操作を行った場合に、取得された状態情報を通知する為の第二画像データが表示手段に表示される。ユーザは表示手段を視認している可能性が高いので、通話端末装置は、ユーザに対してより効果的に第二画像データを視認させることが可能となる。
【0026】
また、請求項6に係る発明の通話端末装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、状態情報が取得されてからの経過時間が第四閾値以上となった状態で、未だ表示手段に第二画像データが表示されていない場合には、第二画像データを表示手段に表示させる。通話端末装置は、第二画像データが表示手段に表示されない状態を防止できる。
【0027】
また、請求項7に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、通話料金が第五閾値以上である場合には、通話料金をユーザに通知する為の第二画像データを継続して表示手段に表示させる。通話端末装置は、ユーザに対して確実に第二画像データを視認させることが可能となる。
【0028】
また、請求項8に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、電池残量が第六閾値以下である場合に、電池残量をユーザに通知する為の第二画像データを継続して表示手段に表示させる。通話端末装置は、ユーザに対して確実に第二画像データを視認させることが可能となる。
【0029】
また、請求項9に係る発明の通話端末装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第二撮影手段によって撮影された撮影データに基づいて、ユーザが特定される。特定されたユーザに対応付けられている第二画像データが、表示手段に表示される。通話端末装置は、ユーザに最適な第二画像データを選択して表示手段に表示させることができる。
【0030】
また、請求項10に係る発明の通話端末装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、音声取得手段によって取得された音声に基づいて、ユーザが特定される。特定されたユーザに対応付けられている第二画像データが、表示手段に表示される。通話端末装置は、ユーザに最適な第二画像データを選択して表示手段に表示させることが可能となる。
【0031】
また、請求項11に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、通話料金が第一閾値以上となり、且つ電池残量が第二閾値以下となった場合に、両方を通知する為の第三画像データが表示手段に表示される。ユーザは、第三画像データを視認することによって、通話料金と電池残量とを認識することが可能となる。
【0032】
また、請求項12に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、通話料金に対して設定される閾値に応じて、第二画像データを表示させる回数や周期を変化させることが可能となる。これによって、ユーザに対する通知の程度を変化させ、より確実にユーザに通話料金を認識させることが可能となる。
【0033】
また、請求項13に係る発明の通話端末装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、残量に対して設定される閾値に応じて、第二画像データを表示させる回数や周期を変化させることが可能となる。これによって、ユーザに対する通知の程度を変化させ、より確実にユーザに電池残量を認識させることが可能となる。
【0034】
また、請求項14に係る発明の表示制御方法では、通話中において、第一画像データが所定の周期で順次切り替えられながら表示手段に表示される。通話端末装置の状態を示す状態情報が取得された場合には、一の第一画像データと他の第一画像データとの間に、状態情報をユーザに通知する為の第二画像データが所定時間表示される。表示手段には第一画像データが順次表示されているので、ユーザは通話中であっても表示手段を視認するようになる。ユーザは、第二画像データを視認することによって、状態情報を認識することが可能となる。
【0035】
また、請求項15に係る発明の表示制御プログラムは、請求項1乃至13のいずれかに記載の通話端末装置の各処理手段としてコンピュータを機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】通話端末装置1の物理的構成を示す模式図である。
【図2】通話端末子機2の物理的構成を示す模式図である。
【図3】通話端末装置1の電気的構成を示す模式図である。
【図4】フラッシュメモリ25の記憶領域を示す模式図である。
【図5】第一画像テーブル2521を示す模式図である。
【図6】第二画像テーブル2541を示す模式図である。
【図7】通話端末子機2の電気的構成を示す模式図である。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】通話処理を示すフローチャートである。
【図10】通話処理を示すフローチャートである。
【図11】ユーザ認識処理を示すフローチャートである。
【図12】表示タイミング処理を示すフローチャートである。
【図13】表示処理を示すフローチャートである。
【図14】子機間通信処理を示すフローチャートである。
【図15】装置間通信処理を示すフローチャートである。
【図16】ディスプレイ14に表示される画像の一例を示す図である。
【図17】ディスプレイ14に表示される画像の一例を示す図である。
【図18】ディスプレイ14に表示される画像の一例を示す図である。
【図19】ディスプレイ14に表示される画像の一例を示す図である。
【図20】ディスプレイ14に表示される画像の一例を示す図である。
【図21】ディスプレイ14に表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る通話端末装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なおこれらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0038】
図1及び図2を参照し、通話端末装置1及び通話端末子機2の概要について説明する。通話端末装置1及び通話端末子機2は、公衆回線網やインターネット網を介して他者と音声通話を行うための通話端末装置である。通話端末装置1は据置型の機器であり、公衆回線網やインターネット網と直接接続している。通話端末装置1は、例えば壁等に掛けられる。通話端末子機2はモバイル型の機器であり、通話端末装置1との間で無線通信を行う。
【0039】
図1を参照し、通話端末装置1について説明する。通話端末装置1は、左右方向を長手方向とする正面視略長方形を有しており、略中央にディスプレイ14を備えている。ディスプレイ14の上側に、ユーザを撮影可能なカメラ13を備えている。ディスプレイ14の下側に、マイク11、スピーカ12、及び操作ボタン15を備えている。ユーザは、マイク11やスピーカ12を介して、他のユーザと音声通話を行うことができる。またユーザは、ディスプレイ14に表示される様々な情報を視認することができる。カメラ13の使用形態については後述する。通話端末装置1は、内蔵された電池によって駆動する。
【0040】
ディスプレイ14には、通話時において、複数の画像や写真が順番に切り替えられて表示される(以下、このような表示を「スライドショー表示」という。)。これによって通話端末装置1は、通話中のユーザの注意をディスプレイ14に向けさせる。さらに、ユーザがディスプレイ14を視認している可能性が高い場合には、通話時の通話料金や電池の残量等、通話端末装置1や通話端末子機2の状態を示す情報(以下「状態情報」という。)がスライドショー表示に挿入され表示される。これによって、通話料金や電池の残量等を確実にユーザに認識させる。
【0041】
図2を参照し、通話端末子機2について説明する。通話端末子機2は、上下方向を長手方向とする正面視略長方形状を有している。通話端末子機2は、スピーカ32、ディスプレイ33、操作ボタン34、及びマイク31を備えている。ユーザは、例えば通話端末装置1に近づいて音声通話を行うことができない場合に、通話端末子機2のマイク31及びスピーカ32を介して、他のユーザと音声通話を行うことができる。
【0042】
通話端末子機2は、通話端末装置1と無線によって通信を行う。通話端末子機2によって通話が行われる場合、通話端末装置1は、公衆回線網やインターネット網を介して受信した音声のデータを通話端末子機2に対して無線送信する。通話端末子機2は、通話端末装置1から受信した音声のデータを、スピーカ32から出力する。また通話端末子機2は、マイク31から入力された音声のデータを通話端末装置1に対して無線送信する。通話端末装置1は、通話端末子機2から受信した音声のデータを、公衆回線網やインターネット網を介して通話相手先の通話端末装置1に送信する。以上のようにして、通話端末子機2を使用した場合の音声通話は行われる。
【0043】
図3を参照し、通話端末装置1の電気的構成について説明する。通話端末装置1は、通話制御処理や表示制御処理等を司るCPU26、CPU26が実行する処理のプログラムが記憶されるROM23、フラグやカウンタ、タイマ等が記憶されるRAM24、及び、ディスプレイ14に表示させる画像のデータや各種設定情報等が記憶されるフラッシュメモリ25を備えている。CPU26は、ROM23、RAM24、及びフラッシュメモリ25と電気的に接続している。CPU26は、RO23、RAM24、及びフラッシュメモリ25の記憶領域にアクセスできる。
【0044】
通話端末装置1は、公衆回線網やインターネット網に接続して通信を行う有線通信部21を備えている。CPU26は有線通信部21と電気的に接続している。CPU26は、公衆回線網やインターネット網を介して通信データの送受信を行うことができる。また通話端末装置1は、通話端末子機2と無線通信を行う無線通信部22を備えている。CPU26は、無線通信部22と電気的に接続している。CPU26は、通話端末子機2と無線によって通信を行うことができる。
【0045】
通話端末装置1は、音声が入力されるマイク11、音声が出力されるスピーカ12、音声信号と電気信号との間の変換制御を司る音声ドライバ17を備えている。CPU26は音声ドライバ17と電気的に接続している。音声ドライバ17は、マイク11及びスピーカ12と電気的に接続している。CPU26は、マイク11を介して入力された音声を認識することができる。CPU26は、スピーカ12から所望の音声を出力させることができる。
【0046】
通話端末装置1は、画像を撮影するカメラ13と、カメラ13の駆動制御を司るカメラドライバ18とを備えている。CPU26はカメラドライバ18と電気的に接続している。カメラドライバ18とカメラ13とは電気的に接続している。CPU26は、カメラ13によって撮影された画像を認識することができる。
【0047】
通話端末装置1は、ディスプレイ14と、ディスプレイ14の表示駆動制御を司る表示ドライバ19を備えている。CPU26は表示ドライバ19と電気的に接続している。表示ドライバ19とディスプレイ14とは電気的に接続している。CPU26は、ディスプレイ14に所望の画像を表示させることができる。
【0048】
通話端末装置1は、情報が入力される操作ボタン15を備えている。CPU26は操作ボタン15と電気的に接続している。CPU26は、操作ボタン15を介して入力された情報を認識することができる。
【0049】
通話端末装置1は、電池16を備えている。上述の各種デバイスは、電池16によって駆動する。また、電池16の電圧をCPU26が検出可能なように、CPU26は電池16と電気的に接続している。CPU26は、電池16の電圧に基づいて電池の残量を特定する。
【0050】
フラッシュメモリ25の記憶領域について、図4を参照して説明する。フラッシュメモリ25は、第一画像記憶領域251、第一画像情報記憶領域252、第二画像記憶領域253、第二画像情報記憶領域254、ユーザ画像記憶領域255、ユーザ音声記憶領域256、撮影画像記憶領域257、入力音声記憶領域258、閾値情報記憶領域259、及びその他の情報記憶領域260を少なくとも備えている。以下、其々の領域に記憶されている情報について説明する。
【0051】
第一画像記憶領域251には、通話時においてディスプレイ14にスライドショー表示される画像や写真(以下「第一画像」という。)が複数記憶される。第一画像情報記憶領域252には第一画像テーブル2521が記憶されている。第一画像テーブル2521には、第一画像記憶領域251に記憶されている第一画像を順番に切り替えながらディスプレイ14に表示させる場合の、第一画像の順番及び切替周期の情報が記憶される。第一画像テーブル2521の詳細については、図5を参照して後述する。
【0052】
第二画像記憶領域253には、通話料金や電池残量をユーザに通知するための画像であって、スライドショー表示される第一画像の間に挿入される画像(以下「第二画像」という。)が複数記憶される。第二画像情報記憶領域254には第二画像テーブル2541が記憶されている。第二画像テーブル2541には、第二画像の表示タイミングや表示回数、切替周期等の情報が記憶される。第二画像テーブル2541の詳細については、図6を参照して後述する。
【0053】
ユーザ画像記憶領域255には、カメラ13によって撮影されたユーザの画像(以下「ユーザ画像」という。)が記憶される。通話端末装置1及び通話端末子機2を使用するユーザのユーザ画像が予め撮影される。撮影されたユーザ画像は、各ユーザを特定するための情報に対応付けられ、ユーザ画像記憶領域255に記憶される。ユーザ画像は、カメラ13によって撮影された撮影画像に含まれる者がどのユーザに相当するかを認識する場合に使用される。
【0054】
ユーザ音声記憶領域256には、マイク11を介して入力されたユーザの音声データ(以下「ユーザ音声」という。)が記憶される。通話端末装置1及び通話端末子機2を使用するユーザのユーザ音声が予め取得される。取得されたユーザ音声は、各ユーザを特定する為の情報に対応付けられ、ユーザ音声記憶領域256に記憶される。ユーザ音声は、マイク11を介して入力された音声を発声した者がどのユーザに相当するかを認識する場合に使用される。
【0055】
撮影画像記憶領域257には、カメラ13によって撮影された撮影画像が記憶される。入力音声記憶領域258には、マイク11(通話端末装置1)又はマイク31(通話端末子機2)を介して入力された音声データが記憶される。閾値情報記憶領域259には、後述する第三閾値、第四閾値、第五閾値、及び第六閾値が記憶される。
【0056】
図5を参照し、第一画像テーブル2521について説明する。第一画像テーブル2521には、複数の第一画像の名称が順番に記憶される。また、第一画像を切り替えてディスプレイ14に表示させる場合の周期が切替周期として記憶される。図5に示す例では、第一画像の名称が「画像a」「画像b」「画像c」の順番で記憶されている。また切替周期として「10秒」が記憶されている。なお、「画像a」「画像b」「画像c」の名称に対応する第一画像自体は、第一画像記憶領域251に記憶される。
【0057】
本実施の形態では、ユーザによって通話が開始されると、第一画像テーブル2521に記憶されている第一画像の名称及び順番に基づき、第一画像記憶領域251に記憶されている第一画像が順次選択される。また、第一画像テーブル2521に記憶されている切替周期に基づいて、選択された第一画像が周期的に順次切り替えられディスプレイ14に表示される。これによって通話端末装置1はスライドショー表示を実現している。
【0058】
図6を参照し、第二画像テーブル2541について説明する。本実施の形態では、通話中の通話料金が所定の閾値(以下「第一閾値」という。)以上となった場合、又は、通話中に通話端末装置1や通話端末子機2の電池残量が所定の閾値(以下「第二閾値」という。)以下となった場合であって、所定の条件(詳細は後述する。)を満たした場合に、第二画像を第一画像間に挿入して表示する。これによって、通話料金や電池残量を通話中のユーザに通知する。第二画像テーブル2541には、上述の第一閾値及び第二閾値に第二画像が対応付けられ記憶される。また第一閾値及び第二閾値に、表示回数や切替周期(表示時間、待機時間)、チェックフラグの情報が対応付けられ記憶される。なおこれらの情報は、通話端末装置1を使用するユーザ毎に記憶される。
【0059】
チェックフラグは、閾値による判断の結果、第二画像が既に表示対象と判断されたか否かを示す。通話料金が一旦第一閾値以上であると判断された場合や、電池残量が一旦第二閾値以下であると判断された場合、既に判断済みの情報であることを示すために、判断済みである旨の情報がチェックフラグとして記憶される。チェックフラグを参照することによって、最初に通話料金が第一閾値以上となった場合、又は、最初に電池残量が第二閾値以下となった場合にのみ、対応する第二画像を表示させる。以下、判断済みである旨の情報がチェックフラグとして記憶される場合、「チェックフラグがONされる」という。判断が行われていない旨の情報がチェックフラグとして記憶される場合、「チェックフラグがOFFされる」という。
【0060】
図6に示す例では、第二画像テーブル2541には、「ユーザA」「ユーザB」「その他」及び「複合」に対応する各種情報が記憶される。例えば、通話中のユーザが「ユーザA」であると特定された場合、テーブルのうち「ユーザA」に対応する各種情報が参照される。通話中のユーザが特定できなかった場合は、「その他」に対応する各種情報が参照される。通話中の通話料金が第一閾値以上となった場合であり、且つ、通話中に電池残量が第二閾値以下となった場合には、「複合」に対応する各種情報が参照される。
【0061】
上述の各種情報として、「第一閾値」「第二閾値」「表示時間」「待機時間」「表示回数」「第二画像」「チェックフラグ」が記憶されている。「表示時間」は、第二画像をスライドショー表示の間に挿入させて表示させる(以下「挿入表示させる」という。)場合の、第二画像の表示時間を示す。「待機時間」は、一の第二画像を挿入表示させてから、他の第二画像を挿入表示させるまでの間の時間を示す。「表示回数」は、第二画像を挿入表示させる回数を示す。「第二画像」は、挿入表示させる第二画像の名称を示す。なお、第二画像自体は第二画像記憶領域253に記憶されている。
【0062】
図6に示す例では、例えば「ユーザA」には、第一閾値として「200円」「900円」「1500円」が記憶されている。通話中の通話料金が「900円」を超えた場合に表示される第二画像の表示回数は「2回」であり、表示される第二画像は「画像B」「画像C」である。表示時間はそれぞれ「3秒」であり、「画像B」の表示が終了した後、「画像C」の表示が開始されるまでの待機時間は「6秒」である。従って、ユーザAの通話中に、通話料金が「900円」を超えた場合であって、所定の条件(詳細は後述する。)を満たした場合、表示中の第一画像に代わって「画像B」を3秒間表示させる。「画像B」の表示終了後、第一画像が6秒間表示される。その後、「画像C」が3秒間表示される。
【0063】
また例えば、通話中の通話料金が「1500円」を超えた場合に表示される第二画像は「画像D」である。図6に示す例では、表示時間、待機時間及び表示回数にはそれぞれ「×」が示されている。このように、表示時間、待機時間及び表示回数に有効な値が記憶されていない場合、通話端末装置1は、一旦「画像D」を挿入表示させた以降、第一画像に切り替えることなく継続して「画像D」を表示させる。これによって、通話料金が非常に高くなっている場合や、電池残量が非常に小さくなっている場合に、確実にユーザに第二画像を視認させる。
【0064】
図7を参照し、通話端末子機2の電気的構成について説明する。通話端末子機2は、通話制御処理や通信制御処理等を司るCPU43、CPU43が実行する処理のプログラムが記憶されるROM40、フラグやカウンタ、タイマ情報等が記憶されるRAM41、及び、各種設定情報等が記憶されるフラッシュメモリ42を備えている。CPU43は、ROM40、RAM41、及びフラッシュメモリ42と電気的に接続している。CPU43は、RO40、RAM41、及びフラッシュメモリ42の記憶領域にアクセスできる。
【0065】
通話端末子機2は、通話端末装置1と無線通信を行う無線通信部39を備えている。CPU43は無線通信部39と電気的に接続している。CPU43は、通話端末装置1と無線によって通信を行うことができる。
【0066】
通話端末子機2は、音声が入力されるマイク31、音声が出力されるスピーカ32、音声信号と電気信号との間の変換制御を司る音声ドライバ36を備えている。CPU43は音声ドライバ36と電気的に接続している。音声ドライバ36は、マイク31及びスピーカ32とは電気的に接続している。CPU43は、マイク31を介して入力された音声を認識することができる。CPU43は、スピーカ32から所望の音声を出力させることができる。
【0067】
通話端末子機2は、ディスプレイ33と、ディスプレイ33の表示駆動制御を司る表示ドライバ37とを備えている。CPU43は表示ドライバ37と電気的に接続している。表示ドライバ37とディスプレイ33とは電気的に接続している。CPU43は、ディスプレイ33に所望の画像を表示させることができる。
【0068】
通話端末装置1は、情報が入力される操作ボタン34を備えている。CPU43は操作ボタン34と電気的に接続している。CPU43は、操作ボタン34を介して入力された情報を認識することができる。
【0069】
通話端末子機2は、電池35を備えている。上述の各種デバイスは、電池35によって駆動する。また、電池35の電圧をCPU43が検出可能なように、CPU43は電池35と電気的に接続している。CPU43は、電池35の電圧に基づいて電池残量を特定する。
【0070】
図8〜14を参照し、通話端末装置1のCPU26において実行される各種処理(メイン処理、表示処理、子機間通信処理)について説明する。其々の処理は、通話端末装置1に電源が投入されてCPU26が駆動開始した場合に、CPU26によって実行開始される。なおこれらの処理は、其々所定の周期で繰り返し起動され実行される。一の処理が処理を実行中に、他の処理の起動タイミングが到来した場合、実行中の処理は中断され、起動タイミングが到来した他の処理の実行が開始される。中断された処理は、次の起動タイミングまで待機する。次の起動タイミングが到来した場合、中断時点から処理を再開する。
【0071】
各処理において使用されるフラグ情報について説明する。「表示フラグ」は、スライドショー表示の実行の許否を示す。スライドショー表示が許可された場合に「1」が記憶される。スライドショー表示が禁止された場合に「0」が記憶される。「開始フラグ」は、第二画像の挿入表示の実行の許否を示す。第二画像の挿入表示が許可された場合に「1」が記憶される。第二画像の挿入表示が禁止された場合に「0」が記憶される。「音声フラグ」は、通話端末子機2から音声データを受信したか否かを示す。音声データを受信した場合に「1」が記憶される。音声のデータを受信していない場合に「0」が記憶される。以下、上述のフラグに「1」が記憶されることを「ONされる」といい、「0」が記憶されることを「OFF」されるという。上述のフラグは、RAM24に記憶される。
【0072】
図8を参照し、メイン処理について説明する。メイン処理が起動されると、図8に示すように、はじめに、接続している公衆回線網又はインターネット網を介して他の通話端末装置1から、通話の開始を要求するための信号(通話要求信号)を受信することによって着信したかが判断される(S11)。着信した場合(S11:YES)、通話要求信号を送信した他の通話端末装置1との通話を開始させるために必要な処理(呼び出し音出力、通話応答信号送信など、以下「着信処理」という。)が実行される(S17)。着信処理が行われた後、通話要求信号を送信した他の通話端末装置1との通話を行う為の処理(通話処理)が実行される(S21)。通話処理では、通話を実行させる処理と併せて、ディスプレイ14への表示制御が行われる。通話処理の詳細は後述する。通話が終了した場合、S11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0073】
他の通話端末装置1から通話要求信号を受信していない場合(S11:NO)、他の通話端末装置1との通話を開始させるための操作がユーザによってなされたかが判断される(S13)。通話開始のための操作がなされた場合(S13:YES)、他の通話端末装置1との通話を開始させるために必要な処理(通話要求信号送信など、以下「発信処理」という。)が実行される(S19)。発信処理が行われた後、通話を望む他の通話端末装置1と通話を行う通話処理が実行される(S21)。通話処理の詳細は後述する。通話が終了した後、S11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0074】
通話開始のための操作がなされていない場合(S13:NO)、各種情報の登録、設定、変更等を行うための操作がユーザによってなされたかが判断される(S15)。各種情報とは、例えば第一画像テーブル2521に記憶される各種情報や、第二画像テーブル2541に記憶される各種情報が該当する。登録、設定、変更等を行うための操作がなされた場合(S15:YES)、操作ボタン15を介して入力された情報が、フラッシュメモリ25の該当領域に記憶される(S23)。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。一方、登録、設定、変更等を行うための操作がなされていない場合(S15:NO)、なんら処理を行うことなくS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0075】
図9及び図10を参照し、メイン処理のS21(図8参照)において呼び出される通話処理について説明する。通話処理では、図9に示すように、はじめに、他の通話端末装置1との通話を開始させる(S30)。通話状態では、マイク11を介して受信した音声データが、公衆回線網又はインターネット網を介して他の通話端末装置1に対して送信される。また、公衆回線網又はインターネット網を介して他の通話端末装置1から音声データを受信した場合には、受信した音声データがスピーカ12から出力される。また、ユーザが通話端末子機2を使用して通話を行っている場合には、無線によって通話端末子機2から受信した音声データが、公衆回線網又はインターネット網を介して他の通話端末装置1に対して送信される。公衆回線網又はインターネット網を介して他の通話端末装置1から受信した音声データが、無線によって通話端末子機2に対して送信される。
【0076】
次いで、第二画像テーブル2541に記憶されているチェックフラグがOFFされ初期化される。また、表示フラグ、開始フラグ、及び音声フラグがOFFされ初期化される(S31)。次いで、スライドショー表示を開始させるために、表示フラグがONされる(S33)。これによって、スライドショー表示が開始される(図13参照、後述)。次いで、通話中のユーザを認識して特定する為の処理(ユーザ認識処理、S35、図11参照)が実行される。
【0077】
図11を参照し、ユーザ認識処理について説明する。ユーザ認識処理では、はじめに、カメラ13による撮影が開始される(S61)。撮影された撮影画像は、フラッシュメモリ25の撮影画像記憶領域257に記憶される。撮影画像が撮影された場合(S63:YES)、次いで、撮影された撮影画像に基づき、通話中のユーザを認識する為の処理が実行される(S71)。必要に応じて、ユーザ画像記憶領域255に記憶されているユーザ画像が参照される。
【0078】
撮影画像に基づいてユーザを認識する方法としては、顔認識処理として知られている従来周知の様々な方法が使用可能である。例えば以下に示す方法が使用可能である。撮影画像に含まれるユーザの顔部分の画像から、目・鼻・口などの顔を構成する部品の形状やそれらの配置が特徴点として抽出される。ユーザ画像記憶領域255に記憶されているユーザ画像に含まれるユーザの顔部分の画像からも、同様に特徴点が抽出される。そして、抽出された特徴点のパターンマッチングが行われる。なお、パターンを情報圧縮することによって、条件の変動に対して誤差の少ない認識結果を得ることができる。撮影画像に基づく特徴点と、ユーザ画像に基づく特徴点とが良好にマッチングした場合のユーザ画像に対応付けられているユーザが、通話中のユーザとして特定される。そしてS77に移行される。
【0079】
一方、カメラ13が稼働しておらず、撮影画像が取得されなかった場合(S63:NO)、マイク11を介して入力される音声の録音が開始される(S65)。録音された音声は、フラッシュメモリ25の入力音声記憶領域258に記憶される。音声が録音された場合(S67:YES)、次いで、録音された音声に基づき、通話中のユーザを認識する為の処理が実行される(S73)。必要に応じて、ユーザ音声記憶領域256に記憶されているユーザ音声が参照される。
【0080】
音声に基づいてユーザを認識する方法としては、従来周知の様々な方法が使用可能である。例えば以下に示す方法が使用可能である。録音した音声からいくつかの特徴を抽出し、「声紋」「テンプレート」「モデル」等が構築される。ユーザ音声記憶領域256に記憶されているユーザ音声からも同様に、「声紋」「テンプレート」「モデル」等が構築される。そして双方の「声紋」「テンプレート」及び「モデル」のマッチングが行われる。録音した音声に基づくパラメータと、ユーザ音声に基づくパラメータとが良好にマッチングした場合のユーザ音声に対応付けられているユーザが、通話中のユーザとして特定される。そしてS77に移行される。
【0081】
S77では、撮影画像又は録音音声に基づいて、通話中のユーザが特定されたかが判断される(S77)。通話中のユーザが特定された場合(S77:YES)、第二画像情報記憶領域254に記憶されている第二画像テーブル2541のうち、特定されたユーザに対応する第一閾値及び第二閾値が特定される(S79)。特定された第一閾値及び第二閾値のうち、対応するチェックフラグがOFFとなっている第一閾値及び第二閾値が選択される。選択された第一閾値が複数存在する場合には、最も小さい第一閾値が選択される。選択された第二閾値が複数存在する場合には、最も大きい第二閾値が選択される。選択された第一閾値及び第二閾値は、特定されたユーザの情報とともにRAM24に一時的に記憶される。
【0082】
次いで、通話中にユーザが変更されたかが判断される(S81)。前回特定されたユーザの情報は、RAM24に記憶されている。今回特定されたユーザの情報と、RAM24に記憶された状態の前回のユーザの情報とが比較される。双方が相違する場合(S81:YES)通話中にユーザが変更されているので、ユーザが変更となった旨を示すフラグ情報がRAM24に一時的に記憶される(S83)。そしてユーザ認識処理は終了し、通話処理(図9参照)に戻る。一方、前回特定されたユーザの情報と、今回特定されたユーザの情報とが一致する場合(S81:NO)、通話中のユーザは変更されていないので、なんら処理を行うことなくユーザ認識処理は終了し、通話処理(図9参照)に戻る。
【0083】
一方、音声が録音できなかった場合や(S67:NO)、S77において、通話中のユーザが特定できなかった場合(S77:NO)、第二画像テーブル2541のうち「その他」に対応する第一閾値及び第二閾値が特定される(S75)。特定された第一閾値及び第二閾値のうち、対応するチェックフラグがOFFとなっている第一閾値及び第二閾値が選択される。選択された第一閾値が複数存在する場合には、最も小さい第一閾値が選択される。選択された第二閾値が複数存在する場合には、最も大きい第二閾値が選択される。選択された第一閾値及び第二閾値は、特定されたユーザの情報とともにRAM24に一時的に記憶される。そしてユーザ認識処理は終了し、通話処理(図9参照)に戻る。
【0084】
図9において、ユーザ認識処理(S35)が終了した後、通話中の通話によって発生した通話料金が算出される(S37)。通話料金は、例えば、通話が開始してからの経過時間に所定の料金を乗算することによって算出される。次いで、電池残量が特定される(S39)。電池残量は、例えば、現在の電池16の電圧を、十分充電された状態の電池電圧によって除算することによって算出される。
【0085】
次いで図10に示すように、ユーザ認識処理のS75及びS79(図11参照)においてRAM24に記憶された第一閾値及び第二閾値に基づいて、通話料金及び電池残量が判断される。はじめに、第一閾値と、S37(図9参照)にて算出された通話料金とが比較される(S41)。算出された通話料金が第一閾値未満である場合(S41:NO)、次いで、第二閾値と、S39にて特定された電池残量、及び、通話端末子機2から受信した電池残量(S165、図14参照、後述)とが比較される(S43)。両方の電池残量が第二閾値より大きい場合(S43:NO)、S55に移行される。
【0086】
一方、S39において特定された電池残量、及び、通話端末子機2から受信した電池残量のうち少なくともいずれかが第二閾値以下となっていた場合(S43:YES)、第二画像テーブル2541のうち、比較対象とされた第二閾値に対応付けられている表示時間、待機時間、表示回数、第二画像の情報が、比較対象とされた電池残量とともに取得され(S47)、RAM24に一時的に記憶される。そしてS53に移行される。
【0087】
一方、S37において算出された通話料金が第一閾値以上であり(S41:YES)、電池残量が第二閾値よりも大きい場合(S45:NO)、比較対象とされた第一閾値に対応付けられている表示時間、待機時間、表示回数、第二画像の情報が、比較対象とされた通話料金とともに取得され(S49)、RAM24に一時的に記憶される。そしてS53に移行される。
【0088】
また、S37において算出された通話料金が第一閾値以上であって(S41:YES)、且つ、S39にて特定された電池残量、及び、通話端末子機2から受信した電池残量のうち少なくともいずれかが第二閾値以下である場合(S45:YES)、第二画像テーブル2541に含まれる情報のうち、「複合」に対応付する表示時間、待機時間、表示回数、及び第二画像の情報が、比較対象とした通話料金及び電池残量とともに取得され(S51)、RAM24に一時的に記憶される。そしてS53に移行される。
【0089】
次いで、第二画像の表示タイミングを判断する表示タイミング処理が実行される(S53)。図12を参照し、表示タイミング処理について説明する。表示タイミング処理では、ユーザがディスプレイ14を視認している可能性が高い状態が検出される。検出された場合、スライドショー表示されている第一画像に第二画像を挿入表示させる。これによって、ユーザに対して確実に通話料金や電池残量を通知する。
【0090】
図12に示すように、初めに、表示タイミングの判断を開始してからの経過時間を判断するために、経過時間の監視処理が開始される(S91)。次いで、マイク11から入力される音声を取得する処理が開始される(S93)。次いで、カメラ13によって撮影された撮影画像が、フラッシュメモリ25の撮影画像記憶領域257から取得される(S95)。
【0091】
撮影された撮影画像に含まれているユーザの視線方向を特定するために、取得された撮影画像の認識処理が行われる(S97)。撮影画像から人の視線方向を特定する方法としては、従来周知の様々な方法が使用可能である。例えば、撮影画像中において目の器官の特徴点を検出し、眼球の三次元モデルを利用して視線方向を計測する方法が使用可能である。また、目画像の画素値の分布を利用することにより、視線方向を推定する方法が使用可能である。
【0092】
特定された視線方向にディスプレイ14が存在するかが判断される(S99)。ユーザの視線方向にディスプレイ14が存在すると判断された場合(S99:YES)、S109に移行する。
【0093】
特定された視線方向にディスプレイ14が存在しないと判断された場合(S99:NO)、次いで、入力される音声の有無が判断される。そして、入力される音声のレベルが非常に小さい(無音である)状態が連続して継続した場合の継続時間が特定される(S101)。具体的には、無音である状態となった場合に、RAM24に記憶されたタイマをスタートさせる。タイマは、所定の周期(例えば1ms)で更新される。この状態で、マイク11から所定レベル以上の音声が入力された場合や、通話端末子機2から音声のデータを受信し、音声フラグがONされた(図14参照)場合、タイマはリセットされる。タイマの値が、無音状態の経過時間とされる。無音状態の経過時間が、所定の時間の値である第三閾値(例えば4秒)以上となったと判断された場合(S103:YES)、S109に移行する。
【0094】
無音状態が第三閾値以上継続していない場合(S103:NO)、操作ボタン15を介してユーザによって何らかの操作がなされたかが判断される(S105)。何らかの操作が検出された場合(S105:YES)、S109に移行する。一方、ユーザによって何ら操作がなされていない場合(S105:NO)、S91において監視が開始された経過時間が、所定の時間の値である第四閾値(例えば30秒)以上となったかが判断される(S107)。経過時間が第四閾値以上となった場合(S107:YES)、S109に移行する。経過時間が第四閾値未満である場合(S109:NO)、S95に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0095】
S109では、ユーザがディスプレイ14を視認している可能性が高い状態であるので、第二画像の挿入表示を開始させるために開始フラグがONされる(S109)。そして表示タイミング処理は終了し、通話処理(図10参照)に戻る。
【0096】
図10に示すように、表示タイミング処理(S53)が終了した後の通話処理では、通話が継続して行われているかが判断される(S55)。通話が継続して行われている場合(S55:YES)、S35(図9参照)に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。一方、通話を終了させるための処理がユーザによってなされている場合には(S55:NO)、通話を終了させるための所定の通信を行った後、スライドショー表示を停止させるために表示フラグをOFFする(S57)。そして通話処理は終了し、メイン処理に戻る。
【0097】
CPU26が実行する表示処理について、図13を参照して説明する。表示処理では、表示フラグ及び開始フラグの状態に基づいて、ディスプレイ14に所望の画像を表示させる処理が実行される。図13に示すように、はじめに、表示フラグがONであるかが判断される(S121)。表示フラグがOFFとなっている場合(S121:NO)、スライドショー表示は禁止されているので、表示処理では何ら処理を行うことなくS121に戻る。そして継続して表示フラグが監視される。
【0098】
通話が開始されて表示フラグがONされた場合(S121:YES)、スライドショー表示を行うための処理が実行される。第一画像テーブル2521(図5参照)の情報に基づき、第一画像記憶領域251に記憶されている第一画像のうち一が選択される。選択された第一画像がディスプレイ14に表示される(S123)。次いで、開始フラグの状態が判断される(S125)。開始フラグがOFFとなっている場合(S125:NO)、第一画像テーブル2521に記憶されている切替周期に基づき、表示中の第一画像を次の第一画像に切り替えるタイミングが監視される(S127)。切替タイミングが到来していない状態では(S127:NO)、S125に戻り、継続して開始フラグと切替タイミングが監視される。
【0099】
一方、切替タイミングが到来した場合(S127:YES)、第一画像テーブル2521に記憶されている第一画像の順番に基づいて、表示中の第一画像を次の第一画像に切り替える(S129)。そしてS125に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。以上の処理によって、第一画像を順番に切り替えて表示させるスライドショー表示が実行される。
【0100】
一方、開始フラグがONとなった場合(S125:YES)、第二画像を挿入表示させる必要がある。S47、S49、S51(図10参照)においてRAM24に記憶された表示時間、待機時間、表示回数、及び第二画像の情報が参照される。そして、ディスプレイ14に表示中の第一画像を第二画像に切り替える(S131)。なお、ユーザが変更となった旨を示すフラグ情報がRAM24に記憶されている(S83、図11参照)場合には、ユーザが変更となった情報を第二画像に付加してディスプレイ14に表示させる。
【0101】
次いで、表示回数が「−1」され更新される(S133)。次いで、更新された後の表示回数が「0」となっているかが判断される(S135)。「0」となった場合(S135:YES)、既定の回数分第二画像を表示させているので、第二画像の挿入表示を終了させるために開始フラグをOFFする(S137)。また、第二画像テーブル2541のチェックフラグのうち、表示させた第二画像に対応付けられているチェックフラグをONする。そしてS121に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0102】
一方、表示回数が「0」となっていない場合(S135:NO)、表示させるべき第二画像が残存している。そこで、第二画像を表示開始してからの経過時間が監視される(S139)。第二画像を表示開始してからの経過時間が、RAM24に記憶されている表示時間未満である場合(S139:NO)、S139に戻り、継続して経過時間が監視される。第二画像を表示開始してからの経過時間が表示時間以上となった場合(S139:YES)、表示中の第二画像を第一画像に切り替える(S141)。
【0103】
なお、表示時間として有効な値がRAM24に記憶されていない場合には、第一画像に切り替えることなく、表示中の第二画像を継続してディスプレイ14に表示させる。これによって、確実にユーザに対して通話料金及び電池残量を視認させることができる。
【0104】
次いで、第一画像を表示開始してからの待機時間が監視される(S143)。第一表示画像を表示開始してからの経過時間が、RAM24に記憶されている待機時間未満である場合(S143:NO)、S143に戻り、継続して経過時間が監視される。第一画像を表示させてからの経過時間が待機時間以上となった場合(S143:YES)、S131に戻る。そして、RAM24に記憶されている第二画像のうち、次に表示させる第二画像が選択される。そして表示中の第一画像が、選択された第二画像に切り替えられる(S131)。そして上述の処理が繰り返し実行される。これによって、第二画像が挿入表示される。
【0105】
以上のようにして、通話料金の情報、電池残量の情報、及び両方の情報を通話中のユーザに対して通知する第二画像が挿入表示される。通話中のユーザがディスプレイ14を視認している可能性が高い状態で、第二画像が挿入表示されるので、確実にユーザに対して通話料金や電池残量の情報を通知することが可能となる。
【0106】
図14を参照し、CPU26において実行される子機間通信処理について説明する。子機間通信処理では、はじめに、通話端末子機2から何らかの通信データを受信したかが判断される(S151)。なんら通信データを受信していない場合には(S151:NO)、S151に戻り、通信データの受信監視が継続して実行される。
【0107】
何らかの通信データを受信した場合(S151:YES)、受信した通信データに、各種情報の登録、設定、変更等の情報が含まれているかが判断される(S153)。各種情報の登録、設定、変更等の情報が含まれている場合(S153:YES)、通話端末子機2の操作ボタン34を介し、ユーザによって各種情報の登録、設定、変更等がなされている。そこで、受信した各種情報の登録、設定、変更等の情報が、フラッシュメモリ25の該当領域に記憶される(S159)。そしてS151に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0108】
受信した通信データが、通話音声データであるかが判断される(S153:NO、S155)。通話音声データである場合(S155:YES)、受信した通話音声データを、公衆回線網又はインターネット網を介して他の通話端末装置1に対して送信する(S161)。これによって、他の通話端末装置1との間の通話を実現させる。また、音声通話が行われたことを示すために、音声フラグがONされる(S163)。そしてS151に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0109】
受信した通信データが、通話端末子機2の電池残量であるかが判断される(155:NO、S165)。電池残量である場合(S165:YES)、第二閾値との比較対象のデータとするために、受信した電池残量をRAM24に記憶する(S167)。そしてS151に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0110】
一方、受信した通信データが上述のいずれのデータでもない場合には(S165:NO)、特段処理を行うことなくS151に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0111】
以上の処理を行うことによって、通話端末子機2からの通話音声データの受信の有無に基づいて、無音状態の経過時間を判断することが可能となる。また、通話端末子機2の電池残量が小さくなっている場合には、電池残量が小さくなっている旨を通知する第二画像をディスプレイ14に表示させることが可能となる。
【0112】
図15を参照し、通話端末子機2のCPU43において実行される装置間通信処理について説明する。通話端末子機2に電源が投入されてCPU43が駆動開始した場合に、CPU43によって起動され実行される。
【0113】
図15に示すように、装置間通信処理が起動されると、はじめに、操作ボタン34を介してユーザによって各種情報の登録、設定、変更等の情報が入力されたかが判断される(S171)。各種情報の登録、設定、変更等の情報が入力された場合(S171:YES)、入力された情報を含む通信データが、無線通信部39を介して通話端末装置1に対して送信される(S177)。そしてS183に移行される。
【0114】
各種情報の登録、設定、変更等の情報が入力されていない場合(S171:NO)、次いで、マイク31を介して通話音声が入力されたかが判断される(S173)。通話音声が入力された場合には(S173:YES)、通話音声はデータ化されて通話音声データとされ、無線通信部39を介して通話端末装置1に対して送信される(S179)。そしてS183に移行される。
【0115】
通話音声が入力されていない場合(S173:NO)、通話端末装置1から通話音声データを受信したかが判断される(S175)。通話音声データを受信した場合(S175:YES)、通話音声データはスピーカ32を介して音声出力される(S181)。そしてS183に移行する。一方、通話音声データを受信していない場合(S175:NO)、特段処理を行うことなくS183に移行される。
【0116】
S183では、所定の周期(例えば5秒)が監視される(S183)。所定の周期が到来した場合(S183:YES)、電池35の電圧に基づいて電池残量が特定される(S185)。特定された電池残量は、無線通信部39を介して通話端末装置1に対して送信される(S187)。そしてS171に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。所定の周期が到来していない場合には(S183:NO)、なんら処理を行うことなくS171に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0117】
以上のようにして、通話音声が入力された場合には、通話音声データを通話端末装置1に対して送信する。なお通話端末装置1では、受信した通話音声データに基づいて無音時間の判断が行われる(S101、図12参照)。また通話端末装置1では、受信した電池残量と第二閾値とが比較されることによって、第二画像の表示の有無が判断される(S43、S45、図10参照)。
【0118】
図16〜図21を参照し、上述の処理の結果通話端末装置1のディスプレイ14に表示される画像の一例について説明する。通話端末装置1を使用するユーザAによって通話が開始されると(S21、図8参照)、スライドショー表示が開始される(S33、図9参照)。ディスプレイ14には、図16の100にて示される第一画像「画像a」の他、図17の101にて示される第一画像「画像b」や「画像c」など(図5参照)が順次切り替わりながら表示される(S123〜S129、図13参照)。
【0119】
通話中のユーザA(図17中110)が撮影され(S61、図11参照)、身元が特定される(S77:YES、図11参照)。特定されたユーザに対応する第二画像テーブル2541が抽出される(S79、図11参照)。また、通話中の通話の通話料金、及び電池残量が取得される(S37、S39、図9参照)。ここで、取得された通話料金が、抽出された第二画像テーブル2541に含まれている第一閾値(例えば900円)以上となった場合(S41:YES、S45:NO、図10参照)、第二画像を挿入表示させるタイミングが監視される。ここで図17にて示されるように、ユーザAの視線がディスプレイ14を向いていることが検出された場合(S99:YES、図12参照)、第二画像の挿入処理が開始される(S109、図12参照)。
【0120】
挿入表示が開始されると、図18の102にて示されるように、表示中の第一画像に代わって第二画像「画像B」がディスプレイ14に表示される(S131、図13参照)。ユーザAはディスプレイ14を視認している状態であるため、通話料金が高い状態となっていることを認識する。ユーザAが通話を続けた場合、図19の103にて示されるように、一旦第一画像が表示される(S141、図13参照)。所定の時間が経過した後(S143、図13参照)、図20の104にて示されるように、第二画像「画像C」がディスプレイ14に表示される(S131、図13参照)。以上のようにして、通話料金が高い状態である旨をユーザAに対して通知することができる。
【0121】
ここで例えば、通話中の通話料金が第一閾値以上であり、且つ、通話端末装置1又は通話端末子機2のうち少なくともいずれかの電池残量が第二閾値以下であった場合には(S41:YES、S45:YES、図10参照)、図21の105に示すように、通話料金と電池残量との両方を通知する為の第二画像「画像X」(図6参照)が選択される(S51、図10参照)。選択された第二画像「画像X」が挿入表示される。これによって、通話料金が高く且つ電池残量が僅かとなっている旨をユーザAに対して通知することができる。
【0122】
以上説明したように、通話端末装置1では、通話中においてスライドショー表示を行うことによって、ユーザの注意をディスプレイ14に向けさせることができる。このような状態で、通話料金や電池残量を通知する為の第二画像をスライドショー表示に挿入表示させる。これによって、これらの状態情報を確実にユーザに対して通知することが可能となる。
【0123】
また、ユーザがディスプレイ14を視認している可能性が高い状態を検出し、この状態時に第二画像を表示させる。具体的には、ユーザの視線がディスプレイ14に向かっている場合、入力音声が無音である状態が所定(第三閾値)以上連続した場合、何らかの操作がなされた場合に、ユーザがディスプレイ14を視認している可能性が高いと判断し、第二画像を挿入表示させる。これによって、ユーザに対して確実に通話料金や電池残量を認識させることができる。また、これらの条件に合致しない場合であっても、所定時間(第四閾値)経過後には第二画像を挿入表示させるので、第二画像が長時間挿入表示されない状態を防止できる。
【0124】
通話端末装置1は、カメラ13によって撮影された画像や、マイク11によって入力された音声から、通話中のユーザを特定する。そして、ユーザに対応する第二画像、表示回数及び表示周期(待機時間)に基づいて、ユーザに対応する第二画像を表示させることができる。このようにして、ユーザにとって最適な画像内容や頻度に基づいて第二画像を表示させることができる。
【0125】
また第二画像及びその表示態様(表示回数、表示時間、待機時間)は、第一閾値及び第二閾値毎に対応付けて記憶される。これによって、第二画像及びその表示態様を閾値に応じて変化させることができる。例えば、電池残量が0%に近付くに従い、第二画像の表示時間や表示回数を大きく設定することができる。これによって、通話料金や電池残量の通知を効果的に行うことができる。
【0126】
図9のS30の処理を行うCPU26が本発明の「通話手段」に相当する。図1のディスプレイ14が本発明の「表示手段」に相当する。第一画像記憶領域251を備えたフラッシュメモリ25が本発明の「第一記憶手段」に相当する。図13のS123〜S129の処理を行うCPU26が本発明の「第一表示制御手段」に相当する。図10のS47、S49、S51の処理を行うCPU26が本発明の「情報取得手段」に相当する。第二画像記憶領域253を備えたフラッシュメモリ25が本発明の「第二記憶手段」に相当する。図13のS131〜S143の処理を行うCPU26が本発明の「第二表示制御手段」に相当する。図9のS37の処理を行うCPU26が本発明の「料金算出手段」に相当する。図9のS39の処理を行うCPU26が本発明の「残量特定手段」に相当する。
【0127】
図12のS95の処理を行うCPU26が本発明の「第一撮影手段」に相当し、S97の処理を行うCPU26が本発明の「視線特定手段」に相当し、S99の処理を行うCPU26が本発明の「視認判断手段」に相当する。図12のS93の処理を行うCPU26が本発明の「音声検出手段」に相当し、S103の処理を行うCPU26が本発明の「第一時間計測手段」に相当する。図1の操作ボタン15が本発明の「入力手段」に相当する。図12のS107の処理を行うCPU26が本発明の「第二時間計測手段」に相当する。「表示時間」「待機時間」「表示回数」に有効な値が記憶されていない情報に基づき、図13のS131〜S139の処理を行うCPU26が本発明の「第三表示制御手段」「第四表示制御手段」に相当する。
【0128】
図11のS61の処理を行うCPU26が本発明の「第二撮影手段」に相当し、S71の処理を行うCPU26が本発明の「第一ユーザ特定手段」に相当し、S65の処理を行うCPU26が本発明の「音声取得手段」に相当し、S73の処理を行うCPU26が本発明の「第二ユーザ特定手段」に相当する。「画像X」が記憶される第二画像記憶領域253を備えたフラッシュメモリ25が本発明の「第三記憶手段」に相当する。
【0129】
図9のS30の処理が本発明の「通話ステップ」に相当する。図13のS123〜S129の処理が本発明の「第一表示制御ステップ」に相当する。図10のS47、S49、S51の処理が本発明の「情報取得ステップ」に相当する。図13のS131〜S143の処理が本発明の「第二表示制御ステップ」に相当する。
【0130】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述の実施の形態では、通話端末装置1には通話端末子機2が附属されていたが、本発明はこの構成に限定されない。通話端末装置1のみの構成であってもよい。
【0131】
上述の実施の形態では、通話料金と電池残量とが閾値と比較され、必要に応じて第二画像を表示させていたが、本発明はこの構成に限定されない。従って、通話端末装置1に例えばAC100V電源が接続されている場合には、電池残量は通知対象外としてもかまわない。
【0132】
上述の実施の形態では、第二画像をディスプレイ14に表示させる場合に、異なる第二画像が順次選択され表示されていた。しかしながら本発明はこの構成に限定されず、例えば、第一閾値及び第二閾値の其々に対応付けられた一の第二画像を所定回数繰り返し表示させてもかまわない。
【符号の説明】
【0133】
1 通話端末装置
11 マイク
12 スピーカ
13 カメラ
14 ディスプレイ
15 操作ボタン
16 電池
25 フラッシュメモリ
26 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通話端末装置との通話を行う通話手段と、
画像データが表示される表示手段と、
複数の前記画像データが記憶される第一記憶手段と、
前記通話手段によって前記他の通話端末装置との通話が行われている場合に、前記第一記憶手段に記憶された前記画像データである第一画像データを所定の周期で順次切り替えながら前記表示手段に表示させる制御を行う第一表示制御手段と、
前記通話端末装置の状態を示す情報である状態情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得される前記状態情報に関連付けられた画像データである第二画像データが記憶される第二記憶手段と、
前記情報取得手段によって前記状態情報が取得された場合に、前記第一表示制御手段によって切り替えて表示される一の前記第一画像データと他の前記第一画像データとの間に、前記状態情報に関連付けられた前記第二画像データであって前記第二記憶手段に記憶された前記第二画像データを所定時間表示させる制御を行う第二表示制御手段と
を備えたことを特徴とする通話端末装置。
【請求項2】
前記通話手段によって前記他の通話端末装置との通話が行われている場合の通話時間に基づいて、通話中の通話により発生する通話料金を算出する料金算出手段、又は、前記通話端末装置を駆動する電池の電圧に基づいて、前記電池の残量を特定する残量特定手段のうち少なくとも一方を備え、
前記情報取得手段は、
前記料金算出手段によって前記通話料金が算出された場合であって、前記通話料金の値が、第一閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第一閾値以上である場合に、算出された前記通話料金を前記状態情報として取得し、
前記残量特定手段によって前記残量が特定された場合であって、前記残量の値が、第二閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第二閾値以下である場合に、特定された前記残量を前記状態情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の通話端末装置。
【請求項3】
前記通話端末装置のユーザを撮影する第一撮影手段と、
前記第一撮影手段によって撮影された撮影データに基づき、前記ユーザの視線方向を特定する視線特定手段と、
前記視線特定手段によって特定された前記ユーザの視線方向から、前記ユーザが前記表示手段を視認しているかを判断する視認判断手段と
を備え、
前記第二表示制御手段は、
前記視認判断手段において前記ユーザが前記表示手段を視認していると判断された場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の通話端末装置。
【請求項4】
前記通話手段によって前記他の通話端末装置と通話が行われている場合の通話音声を検出する音声検出手段と、
前記音声検出手段において前記通話音声が連続して検出されない場合に、検出されない状態となってからの経過時間を計測する第一時間計測手段と
を備え、
前記第二表示制御手段は、
前記第一時間計測手段によって計測された前記経過時間の値が、第三閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第三閾値以上であった場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の通話端末装置。
【請求項5】
情報が入力される入力手段を備え、
前記第二表示制御手段は、
前記入力手段によって前記情報が入力された場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の通話端末装置。
【請求項6】
前記情報取得手段が前記状態情報を取得してからの経過時間を計測する第二時間計測手段を備え、
前記第二表示制御手段は、
前記第二時間計測手段によって計測された前記経過時間の値が、第四閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第四閾値以上となった場合に、前記第二画像データを表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の通話端末装置。
【請求項7】
前記料金算出手段によって前記通話料金が算出された場合であって、前記通話料金の値が、第五閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第五閾値以上である場合に、前記通話料金に関連付けられた前記第二画像データを継続して前記表示手段に表示させる制御を行う第三表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の通話端末装置。
【請求項8】
前記残量特定手段によって前記残量が特定された場合であって、前記残量の値が、第六閾値記憶手段に記憶された所定の閾値である第六閾値以下である場合に、前記残量に関連付けられた前記第二画像データを継続して前記表示手段に表示させる制御を行う第四表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の通話端末装置。
【請求項9】
前記第二画像データは、前記ユーザを特定するユーザ特定情報に対応付けられて前記第二記憶手段に記憶されており、
前記通話端末装置のユーザを撮影する第二撮影手段と、
前記第二撮影手段によって撮影された撮影データに基づいて、前記ユーザを特定する第一ユーザ特定手段と
を備え、
前記第二表示制御手段は、
前記第一ユーザ特定手段によって特定された前記ユーザのユーザ特定情報に対応付けられた前記第二画像データを表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の通話端末装置。
【請求項10】
前記第二画像データは、前記ユーザを特定するユーザ特定情報に対応付けられて前記第二記憶手段に記憶されており、
前記通話端末装置のユーザの音声を取得する音声取得手段と、
前記音声取得手段によって取得された前記音声に基づいて、前記ユーザを特定する第二ユーザ特定手段と
を備え、
前記第二表示制御手段は、
前記第二ユーザ特定手段によって特定された前記ユーザのユーザ特定情報に対応付けられた前記第二画像データを表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の通話端末装置。
【請求項11】
前記通話料金と前記残量との両方に関連付けられた画像データである第三画像データが記憶される第三記憶手段を備え、
前記情報取得手段は、
前記料金算出手段及び前記残量特定手段の両方を備えている場合であって、前記料金算出手段によって算出された前記通話料金の値が前記第一閾値以上であり、且つ、前記残量特定手段によって特定された前記残量が前記第二閾値以下である場合に、前記通話料金と前記残量とを前記状態情報として取得し、
前記第二表示制御手段は、
前記情報取得手段によって前記通話料金と前記残量とが前記状態情報として取得された場合には、前記通話料金と前記残量との両方に関連付けられた前記第三画像データであって前記第三記憶手段に記憶されている前記第三画像データを表示させることを特徴とする請求項2に記載の通話端末装置。
【請求項12】
前記第一閾値記憶手段には、前記第二画像データを表示させる回数の情報である第一表示回数と、前記第二画像データを表示させる周期である第一表示周期とが、前記第一閾値に対応付けられて記憶されており、
前記第二表示制御手段は、
前記情報取得手段において、前記通話料金が前記第一閾値以上であるとして前記状態情報が取得された場合には、前記第二画像データを前記第一表示周期で前記第一表示回数分繰り返し表示させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の通話端末装置。
【請求項13】
前記第二閾値記憶手段には、前記第二画像データを表示させる回数の情報である第二表示回数と、前記第二画像データを表示させる周期である第二表示周期とが、前記第二閾値に対応付けられて記憶されており、
前記第二表示制御手段は、
前記情報取得手段において、前記残量が前記第二閾値以下であるとして前記状態情報が取得された場合には、前記第二画像データを前記第二表示周期で前記第二表示回数分繰り返し表示させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の通話端末装置。
【請求項14】
他の通話端末装置との通話を行う通話ステップと、
前記通話ステップによって前記他の通話端末装置との通話が行われている場合に、第一記憶手段に記憶された画像データである第一画像データを所定の周期で順次切り替えながら表示手段に表示させる制御を行う第一表示制御ステップと、
前記通話端末装置の状態を示す情報である状態情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップによって前記状態情報が取得された場合に、前記第一表示制御ステップによって切り替えて表示される一の前記第一画像データと他の前記第一画像データとの間に、前記状態情報に関連付けられた画像データであって第二記憶手段に記憶された画像データである第二画像データを所定時間表示させる制御を行う第二表示制御ステップと
を備えたことを特徴とする表示制御方法。
【請求項15】
請求項1乃至13のいずれかに記載の通話端末装置の各処理手段としてコンピュータを機能させるための表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−245801(P2010−245801A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91772(P2009−91772)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】