説明

通話装置

【課題】受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができる通話装置を提供すること。
【解決手段】A領域側に第1スピーカと、第2マイクとが内蔵され、B領域側に第2スピーカと、第1マイクとが内蔵されている。そして、A領域に配置されている第1静電センサによって耳が検出された場合には、A領域側を受話側、B領域側を送話側に設定する。また、B領域に配置されている第2静電センサによって耳が検出された場合には、B領域側を受話側、A領域側を送話側に設定する。よって、A領域側を耳に当てB領域側を口元にして通話する場合であっても、B領域側を耳に当てB領域側を口元にして通話する場合であっても通話することができる。従って、受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの顔側に向けらる操作面の上側にスピーカ、下側にマイクロホンが設けられている通話装置が知られている。この種の通話装置に関し、特許文献1には、上部筐体2の上側にスピーカ6、下部筐体4の下側に2つのマイクロホン8a、8bが左右並列に設けられている携帯電話機1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−227775
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した携帯電話機1を含め、操作面の上側にスピーカ、下側にマイクロホンが設けられている通話装置では、特に、上下のデザインが対称である場合や、暗闇で使用する場合には、どちらが上側(スピーカ側、受話側)で、どちらが下側(マイクロホン側、送話側)であるかを特定するのが困難であり、上下を逆にした状態で通話が開始されてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができる通話装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本願発明の通話装置は、ユーザの顔側に向けらる操作面と、その操作面の一端側から音声を放音する第1放音手段と、前記操作面の他端側から音声を集音する第1集音手段とを備えたものであって、前記操作面の一端側から音声を集音する第2集音手段と、前記操作面の他端側から音声を放音する第2放音手段と、前記操作面の一端側または他端側を検出領域として、その検出領域に検出対象が接近または接触したかを検出する検出手段と、その検出手段によって検出される検出結果に応じて、前記第1放音手段と前記第2集音手段とを有効、または、前記第2放音手段と前記第2集音手段とを有効に設定する設定手段とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の通話装置によれば、例えば、操作面の一端側を検出領域とし、その検出領域に検出対象が接近または接触したことが検出された場合には、一端側が受話側、他端側が送話側になるように、第1放音手段と第2集音手段とを有効に設定し、一端側に検出対象が検出されない場合には、他端側が受話側、一端側が送話側になるように、第2放音手段と第2集音手段とを有効に設定する。これにより、受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができるという効果がある。また、これは、特に、操作面のデザインが上下対象である場合や、暗闇で使用する場合のように、どちらが受話側で、どちらが送話側かを認識するのが困難である場合に効果的である。
【0008】
請求項2記載の通話装置によれば、請求項1に記載の通話装置の奏する効果に加え、耳を検出し、耳が検出された方を受話側にすることで、受話側、送話側を正しく設定することができるという効果がある。
【0009】
請求項3記載の通話装置によれば、請求項2に記載の通話装置の奏する効果に加え、耳が検出されない場合でも、一般的には、送話側よりも受話側の検出パターンが大きいので、検出パターンが大きい方を受話側とすることで、受話側、送話側を正しく設定することができるという効果がある。
【0010】
請求項4記載の通話装置によれば、請求項3に記載の通話装置の奏する効果に加え、例えば「耳をしっかりと当てて通話して下さい」という情報をユーザに報知することで、受話側、送話側を正しく設定することができるという効果がある。
【0011】
請求項5記載の通話装置によれば、請求項2に記載の通話装置の奏する効果に加え、例えば「耳をしっかりと当てて通話して下さい」という情報をユーザに報知することで、受話側、送話側を正しく設定することができるという効果がある。
【0012】
請求項6記載の通話装置によれば、請求項2に記載の通話装置の奏する効果に加え、耳が検出されない場合でも、一般的には所定大きさ以上の検出パターンが受話側に検出されるので、かかる検出領域を受話側とすることで、受話側、送話側を正しく設定することができるという効果がある。
【0013】
請求項7記載の通話装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載の通話装置の奏する効果に加え、通話装置を把持する姿勢は通話中に変化するので、かかる通話中は繰り返して検出を行うことで、通話中に、受話側、送話側が逆にされることがあったとしても通話することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は携帯電話の外観斜視図であり、(b)は携帯電話の外観正面図である。
【図2】携帯電話の電気的構成を示すブロック図である
【図3】受話側/送話側切換処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である携帯電話1の外観斜視図であり、(b)携帯電話1の外観正面図である。携帯電話1は、電話回線網を介して接続された相手側装置と通話可能な装置であり、特に、受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができるものである。
【0016】
携帯電話1の筐体は偏平な箱状に形成されており、その一側面はユーザの顔側に向けらる操作面1aとして構成されている。操作面1aには、その中央部にLCD2が設けられ、その一端側(図中上側)に第1孔3、第1孔3との間にLCD2を挟む他端側(図中下側)に第2孔4が穿設されている。尚、LCD2、第1孔3、第2孔4を含む操作面1aは、上下、左右対象にデザインされている。
【0017】
LCD2は、各種画像を表示するものであり、各種画像として、例えば、「0」〜「9」の数字ボタン、電源ボタン、着信ボタン、発信ボタン等を表示する。また、このLCD2の表示面には、入力装置の一種であるタッチパネル5が配設されている。LCD2に表示されている画像がユーザによって指で触られると、その位置に表示されている画像に対応する各処理が実行される。
【0018】
第1孔3は、音声を放音または集音する孔であり、携帯電話1の内部には、第1孔3に向けて音声を放音するスピーカである第1スピーカ6a(図2参照)と、第1孔3から音声を集音するマイクロフォンである第2マイク7a(図2参照)とが内蔵されている。
【0019】
第2孔4は、音声を放音または集音する孔であり、携帯電話1の内部には、第2孔4に向けて音声を放音するスピーカである第2スピーカ6b(図2参照)と、第1孔4から音声を集音するマイクロフォンである第1マイク7b(図2参照)とが内蔵されている。
【0020】
また、第1孔3を含む操作面1aの一端側の所定領域(以下「A領域」と称す)には、第1静電センサ8(図2参照)が配置され、第2孔4を含む操作面1aの他端側の所定領域(以下「B領域」と称す)には第2静電センサ9(図2参照)が配置されている。
【0021】
第1静電センサ8はA領域、第2静電センサ9はB領域に検出対象が接近(又は接触)したかを検出するセンサであり、各領域内には碁盤の目のように各領域を区画する電極パターンが配置され、この電極パターンと検出対象との間の静電容量の変化を利用して、A領域、B領域に検出対象が接近(又は接触)したかを検出する。
【0022】
例えば、図1(b)に示すように、ユーザが携帯電話1を把持してA領域に右耳を接近(又は接触)させると、第1静電センサ8によって検出パターンE1が検出され、B領域に右耳を接近(又は接触)させると、第2静電センサ9によって検出パターンE2が検出される。
【0023】
一方、携帯電話1には、後述するように、A領域とB領域との各領域に右耳、または、左耳が接近(又は接触)した場合における一以上の耳パターンが記憶されており、この耳パターンと、実際に第1、第2静電センサ8,9によって検出される検出パターンとを比較することで、A領域、または、B領域に耳が接近(又は接触)したかを検出することができる。
【0024】
そして、A領域に耳が接近(又は接触)したことを検出すると、第1スピーカ6aと、第1マイク7bとを有効にし、操作面1aの一端側(図中上側)を受話側、他端側(図中下側)を送話側として設定する。尚、本実施形態において、第1スピーカ6aと、第1マイク7bとを有効にするとは、第2スピーカ6bと、第2マイク7aとを無効とし、第1スピーカ6aだけから音声を放音し、第1マイク7bだけから音声を集音することを言う。
【0025】
一方、B領域に耳が接近(又は接触)したことを検出すると、第2スピーカ6bと、第2マイク7aとを有効にし、操作面1aの一端側(図中上側)を送話側、他端側(図中下側)を受話側として設定する。これにより、携帯電話1を使用するユーザは、受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができる。尚、本実施形態において、第2スピーカ6bと、第2マイク7aとを有効にするとは、第1スピーカ6aと、第1マイク7bとを無効とし、第2スピーカ6bだけから音声を放音し、第2マイク7aだけから音声を集音することを言う。
【0026】
図2は、携帯電話1の電気的構成を示すブロック図である。携帯電話1は、CPU11、ROM12、RAM13、表示制御部14、タッチ検出部15、NCU16、モデム10、静電センサ検出部17、第1音声信号制御部18、第2音声信号制御部19、第3スピーカ20が入出力ポート21を介して互いに接続されている。
【0027】
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU16を介して送受信される各種信号に従って、携帯電話1が有している各機能の制御や、入出力ポートと接続された各部を制御するものである。
【0028】
ROM12は、携帯電話1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、耳パターンメモリ12aが割り当てられている。
【0029】
耳パターンメモリ12aには、ユーザの耳パターンが記憶されている。即ち、初期設定として、ユーザがA領域とB領域との各領域に右耳または左耳を接近(又は接触)させた場合に、第1、第2静電センサ8,9によって検出される検出パターンが、ユーザの耳パターンとして記憶されている。
【0030】
RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、携帯電話1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、ディフォルトフラグ13a、A領域フラグ13bが記憶されている。
【0031】
ディフォルトフラグ13aは、第1スピーカ6a、第1マイク7bとが有効に設定されている場合に「ON」に設定されるフラグである。A領域フラグ13bはA領域に何らかの検出対象が接近(又は接触)したことが第1静電センサ8によって検出された場合にONに設定されるフラグである。
【0032】
NCU16は、電話回線網100と接続されており、電話回線網100へのダイヤル信号の送出や、電話回線網100からの呼出信号の応答などの制御を行うものであり、モデム10と接続されている。
【0033】
静電センサ検出部17は、第1静電センサ8、第2静電センサ9と接続されており、第1静電センサ8、第2静電センサ9から出力される信号に基づいて、A領域の検出パターン、B領域の検出パターンを検出する。
【0034】
第1音声信号制御部18は、切換部22を介して第1スピーカ6aと、第2スピーカ6bとに接続されており、入出力ポート21から入力される音声信号をD/A変換する。変換された音声信号は、切換部22によって第1スピーカ6a、または、第2スピーカ6bから放音される。
【0035】
切換部22は、第1音声信号制御部18から出力される音声信号を、第1スピーカ6aと第2スピーカ6bとのいずれに出力するかを切換えるリレー回路であり、バスライン22aを介して入出力ポート21に接続され、入出力ポート21からバスライン22aを介して入力される制御信号によって制御される。
【0036】
第2音声信号制御部19は、切換部23を介して第1マイク7bと、第2マイク7aとに接続されており、第1マイク7a、または、第2マイク7bから入力される音声信号をA/D変換する。
【0037】
切換部23は、第1マイク7aと第2マイク7bとのいずれからの音声信号を第2音声信号制御部19に入力するかを切換えるリレー回路であり、バスライン23aを介して入出力ポート21に接続され、入出力ポート21からバスライン23aを介して入力される制御信号によって制御される。
【0038】
第3スピーカ20は、操作面1a(図1参照)と対向する側面に設置されており、予め定められた所定の情報を放音するものである。
【0039】
図3は、受話側/送話側切換処理を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが耳をA領域またはB領域に接近(又は接触)させたかに応じて、携帯電話1の受話側/送話側を切換える処理であり、携帯電話1に着信があった場合、または、携帯電話1から発呼する場合に実行される。
【0040】
この処理では、まず、初期化処理を行う(S301)。具体的には、ディフォルトフラグ13aを「ON」に設定し、A領域側を受話側、B領域側を送話側に設定する。また、A領域フラグを「OFF」に設定する。
【0041】
その後、回線が閉結されるまでは待機し(S302:No)、回線が閉結された場合には(S302:Yes)、A領域、B領域の各領域で検出される検出パターンを取得する(S303)。
【0042】
そして、A領域で検出パターンを検出したかを判断し(S304)、検出した場合には(S304:Yes)、A領域フラグを「ON」に設定し(S305)、A領域の検出パターンと、耳パターンメモリ12aに記憶されている耳パターンとを比較し(S306)、A領域の検出パターンが耳パターンかを判断する(S307)。
【0043】
A領域の検出パターンが耳パターンであれば(S307:Yes)、A領域側を受話側、B領域側を送話側に設定する。即ち、ディフォルトフラグ13aが「ON」か判断し(S308)、「ON」であれば(S308:Yes)、A領域側が受話側、B領域側が送話側に設定されているので、そのままS311の処理に移行する。
【0044】
一方、ディフォルトフラグが「OFF」であれば(S308:No)、切換部22,23を制御して、第1スピーカ6a、第1マイク7bを有効に設定し(S308)、ディフォルトフラグ13aを「ON」に設定して(S310)、S311の処理に移行する。
【0045】
こうして、A領域の検出パターンが耳パターンであると判断された場合にはA領域側を受話側、B領域側を送話側に設定することができる。
【0046】
一方、S304の判断処理で、A領域の検出パターンが検出されなかった場合(S304:No)、および、S307の判断処理で、A領域の検出パターンが耳パターンでなかった場合には(S307:No)、B領域で検出パターンを検出したかを判断し(S312)、検出した場合には(S312:Yes)、B領域での検出パターンと、耳パターンメモリ12aに記憶されている耳パターンとを比較し(S313)、B領域の検出パターンが耳パターンかを判断する(S314)。
【0047】
B領域の検出パターンが耳パターンであれば(S314:Yes)、B領域側を受話側、A領域側を送話側に設定する。即ち、ディフォルトフラグ13aが「ON」か判断し(S315)、「ON」でない、「OFF」であれば(S315:No)、既に、B領域側が受話側、A領域側が送話側に設定されているので、そのままS311の処理に移行する。
【0048】
一方、ディフォルトフラグ13aが「ON」であれば(S315:Yes)、切換部22,23を制御して、第2スピーカ6b、第2マイク7aを有効に設定し(S316)、ディフォルトフラグ13aを「OFF」に設定して(S317)、S311の処理に移行する。
【0049】
こうして、B領域の検出パターンが耳パターンであると判断された場合にはB領域側を受話側、A領域側を送話側に設定することができる。
【0050】
一方、S314の判断処理で、B領域での検出パターンが耳パターンでないと判断された場合には(S314:No)、A領域フラグ13bが「ON」か判断し(S318)、「ON」であれば(S318:Yes)、A領域の検出パターンと、B領域の検出パターンとを比較し(S320)、A領域の検出パターンがB領域での検出パターンよりも大きいかを判断する(S321)。
【0051】
A領域の検出パターンがB領域の検出パターンよりも小さければ(S321:No)、B領域側を受話側、A領域側を送話側に設定する。即ち、上述したS315,S316,S317の処理を実行する。
【0052】
一方、S321の判断処理で、A領域での検出パターンがB領域での検出パターンよりも大きければ(S321:Yes)、A領域側を受話側、B領域側を送話側に設定する。即ち、上述したS308,S309,S310と同様の処理であるS322,S323,S324の処理を実行する。
【0053】
こうして、A領域およびB領域の検出パターンが何れも耳パターンでなかった場合には、検出パターンが大きい方を受話側、小さい方を送話側に設定することができる。これは、一般的に、送話側よりも受話側の検出パターンが大きいので、検出パターンが大きい方を受話側とすることで、受話側、送話側を正しく設定することができる。
【0054】
また、S312の判断処理において、B領域の検出パターンが検出されなかった場合(S312:No)、換言すれば、A領域と、B領域とで検出パターンが検出されなかった場合と、B領域で検出パターンが検出されず、A領域で耳パターンではないが、何らかの検出対象(例えば、口、頬、顎等)が検出された場合には、第3スピーカ20から、例えば、「しっかりと耳を当てて下さい」というアナウンスを流し(S319)、S311の処理に移行する。
【0055】
同様に、S318の判断処理において、A領域フラグ13bがONでない場合(S318:No)、換言すれば、A領域で検出パターンが検出されず、B領域で耳パターンではないが、何らかの検出対象(例えば、口、頬、顎等)が検出された場合は、S319の処理を実行し、S311の処理に移行する。こうして、かかるアナウンスをすることで、耳を正しく検出することができ、受話側、送話側を正しく設定することができる。
【0056】
そして、S311処理では、回線が開放されたかを判断し(S311)、開放されていなれば(S311:No)、再び、S303からの処理に移行する。即ち、通話中(回線閉結中)において携帯電話1を把持する姿勢は変化するので、かかる通話中は繰り返して検出を行うことで、通話中に、受話側、送話側が逆にされることがあったとしても正常に通話することができる。一方、S311の判断で、回線が開放されていれば(S311:Yes)、本処理を終了する。
【0057】
このように、本処理によれば、A領域の検出パターンが耳パターンであれば(S307:Yes)、A領域側を受話側、B領域側を送話側に設定する。また、B領域の検出パターンが耳パターンであれば(S314:Yes)、B領域側を受話側、A領域側を送話側に設定する。よって、A領域側を耳に当てB領域側を口元にして通話する場合であっても、B領域側を耳に当てB領域側を口元にして通話する場合であっても通話することができる。よって、受話側と送話側との向きを気にすることなく通話することができる。また、特に、携帯電話1のように、操作面のデザインが上下、左右対象である場合や、暗闇で使用する場合のように、どちらが受話側で、どちらが送話側かを認識するのが困難である場合に効果的である。
【0058】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0059】
本実施形態では、A領域に第1静電センサ8、B領域に第2静電センサ9を配置する場合について説明したが、B領域に第2静電センサ9を配置せず、A領域に第1静電センサ8だけを配置、または、A領域に第1静電センサ8を配置せずB領域に第2静電センサ9だけを配置するように構成しても良い。かかる場合には、例えば、一方の領域で検出される検出パターンが耳パターンかを判断し、検出された場合には、その一方の領域側を受話側、他方を送話側に設定し、一方の領域で検出パターンが検出されなかった場合には、一方の領域側を送話側、他方を受話側に設定するように構成しても良い。
【0060】
また、一方の領域だけに静電センサを配置した場合に、一方の領域から検出パターンは検出されたものの、その検出パターンが耳パターンでない場合に、その検出パターンが所定の大きさ以上かを判断し、所定の大きさ以上であれば、それは耳であると仮定して、その一方の領域側を受話側、他方を送話側に設定するように構成しても良い。
【0061】
また、第1,第2静電センサ8,9の大きさは、図1に示す大きさに限定されるものではなく、例えば、一端側から全体の1/3の領域、他端側から全体の1/3の領域に第1,第2静電センサ8,9を配置するようにしても良い。かかる場合には、検出可能範囲が広がり、より正確な耳の検出を行うことができる。
【0062】
また、本実施形態では、本発明の通話装置として、携帯電話1について説明したが、本発明の通話装置としては、携帯電話1に限られず、固定電話機、子機等であっても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 携帯電話(通話装置の一例)
1a 操作面
6a 第1スピーカ(第1放音手段の一例)
6b 第2スピーカ(第2集音手段の一例)
7a 第1マイク(第2放音手段の一例)
7b 第1マイク(第1集音手段の一例)
8 第1静電センサ(検出手段の一例)
9 第2静電センサ(検出手段の一例)
12a 耳パターンメモリ(記憶手段)
S303 取得手段の一例
S307 第1判断手段の一例
S308 設定手段の一例
S309 設定手段の一例
S311 通話中判断手段の一例
S314 第1判断手段の一例
S315 設定手段の一例
S316 設定手段の一例
S319 報知手段の一例
S321 第2判断手段の一例
S322 設定手段の一例
S323 設定手段の一例



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔側に向けらる操作面と、その操作面の一端側から音声を放音する第1放音手段と、前記操作面の他端側から音声を集音する第1集音手段とを備えた通話装置において、
前記操作面の一端側から音声を集音する第2集音手段と、
前記操作面の他端側から音声を放音する第2放音手段と、
前記操作面の一端側または他端側を検出領域として、その検出領域に検出対象が接近または接触したかを検出する検出手段と、
その検出手段によって検出される検出結果に応じて、前記第1放音手段と前記第2集音手段とを有効、または、前記第2放音手段と前記第2集音手段とを有効に設定する設定手段とを備えていることを特徴とする通話装置。
【請求項2】
前記検出領域に耳が接近または接触した場合のパターンを示す耳パターンを記憶する記憶手段を備え、
前記検出手段は、
前記検出領域に前記検出対象が接近または接触した場合に検出される検出パターンを取得する取得手段と、
その取得手段によって取得した検出パターンが前記記憶手段に記憶されている耳パターンと一致するかを判断する第1判断手段とを備え、
前記設定手段は、前記第1判断手段によって両パターンが一致すると判断された場合に、前記検出領域から音声を放音する第1放音手段または前記第2放音手段を有効に設定すると共に、その有効に設定する第1放音手段または前記第2放音手段に対応する前記第1集音手段または第2集音手段を有効に設定することを特徴とする請求項1に記載の通話装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
前記操作面の一端側と前記操作面の他端側との両方を前記検出領域とし、
前記取得手段によって両方の検出領域から検出パターンを取得し、且つ、その両方の検出パターンの各々が前記耳パターンと不一致であると前記第1判断手段によって判断された場合に、前記両方の検出パターンのうち、どちらの検出パターンが大きいかを判断する第2判断手段を備え、
前記設定手段は、
前記第2判断手段によって検出パターンが大きいと判断された検出領域から音声を放音する第1放音手段または前記第2放音手段を有効に設定すると共に、その有効に設定する第1放音手段または前記第2放音手段に対応する前記第1集音手段または第2集音手段を有効に設定することを特徴とする請求項2に記載の通話装置。
【請求項4】
前記取得手段によって両方の検出領域から検出パターンを取得できず、または、前記取得手段によって両方の検出領域のうち一方の検出領域から検出パターンを取得し、且つ、その取得した検出パターンが前記耳パターンと不一致であると前記第1判断手段によって判断された場合に、所定の情報を報知する報知手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の通話装置。
【請求項5】
前記取得手段によって取得した検出パターンが前記第1判断手段によって前記耳パターンと不一致であると判断された場合に、所定の情報を報知する報知手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の通話装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記取得手段によって取得した検出パターンが前記第1判断手段によって前記耳パターンと不一致であると判断された場合に、前記取得手段によって取得した検出パターンの大きさが所定の大きさ以上かを判断する第3判断手段を備え、
前記設定手段は、
前記第3判断手段によって所定の大きさ以上であると判断された場合に、前記検出領域から音声を放音する第1放音手段または前記第2放音手段を有効に設定すると共に、その有効に設定する第1放音手段または前記第2放音手段に対応する前記第1集音手段または第2集音手段を有効に設定することを特徴とする請求項2に記載の通話装置。
【請求項7】
通話中かを判断する通話中判断手段を備え、
前記検出手段は、前記通話中判断手段によって通話中であると判断された場合に繰り返し検出を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通話装置。
























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−239530(P2010−239530A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87154(P2009−87154)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】