説明

通話録音システム、通信録音方法、サーバ、及び通信端末

【課題】ネットワーク帯域を抑制しながら、より簡単な手順により通話を録音することができるようにする。
【解決手段】本発明は、通話録音サーバが備える1対多通信グループ管理手段が、録音開始要求を送信した第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布する。第1の通信端末は、第1のアドレスを含む呼制御信号を呼制御手段を介して通話相手とする第2の通信端末に送信する。第2の通信端末は、1対多通信グループへの参加を通話録音サーバに対して要求する。1対多通信グループ管理手段は、第2の通信端末が使用可能な第2のアドレスを配布する。第2の通信端末が、第2のアドレスを含む信号を第1の通信端末に送信し、第1の通信端末、第2の通信端末が第1及び第2のアドレスを用いて通話パケットを、通話録音サーバは蓄積して録音する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話録音システム、通信録音方法、サーバ及び通信端末に関する。例えば、本発明は、マルキャスト技術を用いた通話録音システム、通信録音方法、サーバ及び通信端末に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の記載技術は、通話録音システムに関するものであり、以下の技術が開示されている。
【0003】
まず、全ての通話は通話録音サーバに収容され、呼制御サーバがミキシングした後に、通話録音する端末に音声を転送する。
【0004】
次に、例えばスイッチやルータ等のネットワーク機器が、パケットをミラーリングして、通話録音サーバを収容するポートにパケットを転送する。これにより、通話録音サーバは、受信したパケットを音声データにして録音(蓄積)する。
【0005】
また、呼制御サーバが、マルチキャストアドレスを管理している。従って、マルチキャストを要求する通信端末に対して、呼制御サーバがマルチキャストアドレスの配布を行い、呼制御サーバが、音声パケットをマルチキャストで送信する。
【0006】
さらに、サーバ別建したとき、クライアントから録音開始の指示により録音を開始する。また、自動録音をする場合も、クライアントからの録音開始の指示が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2003/056798号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1の記載技術は、全ての通話が呼制御サーバを経由することになる。そのため、呼制御サーバの性能には、相当の高性能なものが要求されるという問題が生じ得る。また、全ての通話に係るパケットを通信するためのネットワークの帯域も相当の帯域が必要となるという問題も生じ得る。
【0009】
また、ネットワーク機器がパケットをミラーリングする必要があるため、ミラーリング機能を有する高性能なネットワーク機器が必要となり、ネットワーク機器におけるミラーリング機能の複雑な設定も必要となり得る。
【0010】
さらに、通話録音を行うときには、ミラーリング機能を有するネットワーク機器を転送させることが必要となるため、特定のネットワーク機器を経由させることになる。つまり、同じネットワーク機器で転送される通話のみしか録音ができないということになり得る。
【0011】
そのため、より簡単な手順により、ネットワーク帯域を抑制することができる通話録音システム、サーバ及び通信端末が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の通話録音システムは、呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバとを備え、(1)通話録音サーバは、第1の通信端末から受信した第1のアドレス配布要求に基づいて、第1の通信端末に対して、第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、第1の通信端末の1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段を備え、(2)第1の通信端末は、第1のアドレス配布要求に基づいて、第1のアドレスを取得する第1のアドレス取得手段と、(3)第1のアドレスを含む第1の呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する送信手段を備え、(4)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段が、第2の通信端末から受信した第2のアドレス配布要求に基づいて、第2の通信端末に対して、第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、(5)第2の通信端末は、第1の呼制御信号を受信し、第2のアドレス配布要求に基づいて、第2のアドレスを取得する第2のアドレス取得手段と、(6)第2のアドレスを含む第1の応答信号を、呼制御手段を介して、第1の通信端末に送信する第1の応答手段と、(7)第2のアドレスを送信元とし、第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段を備え、(8)第2の1対多通信手段が、第2の応答信号を送信し、(9)第1の通信端末は、(10)第1の応答信号を受信する第1の応答信号受信手段と、(11)第2の応答信号を受信する第2の応答信号受信手段と、(12)第1のアドレスを送信元とし、第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段を備え、(13)第1の1対多通信手段が、第1の応答確認信号を送信し、(14)通話録音サーバは、第1のアドレス及び第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第2の本発明の通話録音方法は、呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバとを備えた通話録音システムにおける通話録音方法において、(1)通話録音サーバは、第1の通信端末から受信した第1のアドレス配布要求に基づいて、第1の通信端末に対して、第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、(2)第1の通信端末は、第1のアドレス配布要求に基づいて、第1のアドレスを取得し、(3)第1のアドレスを含む第1の呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信し、(4)通話録音サーバは、第2の通信端末から受信した第2のアドレス配布要求に基づいて、第2の通信端末に対して、第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、(5)第2の通信端末は、第1の呼制御信号を受信し、第2のアドレス配布要求に基づいて、第2のアドレスを取得し、(6)第2のアドレスを含む第1の応答信号を、呼制御手段を介して、第1の通信端末に送信し、(7)第2のアドレスを送信元とし、第1のアドレスを送信先とする第2の応答信号を送信し、(8)第1の通信端末は、第1の応答信号を受信し、(9)第2の応答信号を受信し、(10)第1のアドレスを送信元とし、第2のアドレスを送信先とする第1の応答確認信号を送信し、(11)通話録音サーバは、第2の応答信号と第1の応答確認信号を受信し、(12)第1のアドレス及び第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音することを特徴とする。
【0014】
第3の本発明の通話録音サーバは、呼制御手段により呼接続される複数の通信端末の間でなされる通話を録音する通話録音サーバにおいて、(1)少なくとも、1対多通信用の複数のアドレスと各アドレスを使用可能な通信端末とを対応付けて1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段と、(2)1対多通信グループ管理手段が管理するアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段とを備え、(3)1対多通信グループ管理手段が、第1の通信端末から受信した第1のアドレス配布要求の受信に基づいて、第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、(4)第1の通話相手の第2の通信端末から受信した第2のアドレス配布要求に基づいて、第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、第2の通信端末の1対多通信グループを管理することを特徴とする。
【0015】
第4の本発明の通信端末は、1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、(1)通話録音サーバに対してアドレス配布要求を行う第1のアドレス配布要求手段と、(2)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む第1の呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する送信手段と、(3)第2の通信端末から受信された第1の応答信号に含まれている、第2の通信端末に配布された1対多通信用の第2のアドレスを受け取る第1の応答信号受信手段と、(4)第2の通信端末から第2の応答信号を受信する第2の応答信号受信手段と、(5)第1のアドレスを送信元とし、第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段を備え、(6)第1の1対多通信手段が、第1の応答確認信号を送信し、(7)当該通信端末の通話信号を送信することを特徴とする。
【0016】
第5の本発明の通信端末は、1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、(1)呼制御手段を介して、第1の通信端末が通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む第1の第1の呼制御信号を受信すると、通話録音サーバに対してアドレス配布要求を行う第2のアドレス配布要求手段と、(2)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段により配布された自身が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを含む第1の応答信号を第1の通信端末に送信する第1の応答手段と、(3)第2のアドレスを送信元とし、第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段とを備え、(3)第2の1対多通信手段が、第2の応答信号を送信し、(4)第1の通信端末から第1の応答確認信号を受信して、当該通信端末の通話信号を送信することを特徴とする。
【0017】
第6の本発明の通話録音システムは、呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバとを備え、(1)第1の通信端末が、通話録音サーバに対して録音開始要求を行う録音開始要求手段を備え、(2)通話録音サーバが、録音開始要求の受信に基づいて、第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、第1の通信端末の1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段を備え、(3)第1の通信端末が、配布された第1のアドレスを含む呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する1対多通信指示手段を備え、(4)第2の通信端末が、当該第2の通信端末が参加可能な1対多通信グループへの参加を通話録音サーバに対して要求する1対多通信参加要求手段を備え、(5)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段が、1対多通信参加要求に基づいて、第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、(6)第2の通信端末が、配布された第2のアドレスを含む信号を第1の通信端末に送信する応答手段を備え、(7)第1の通信端末は、第1のアドレスを送信元とし、第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段を備え、(8)第2の通信端末は、第2のアドレスを送信元とし、第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段を備え、(9)通話録音サーバが、第1のアドレス及び第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段を備えることを特徴とする。
【0018】
第7の本発明の通話録音方法は、呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、1対多通信グループ管理手段を備え、複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバとを備えた通話録音システムにおける通話録音方法において、(1)第1の通信端末が、通話録音サーバに対して録音開始要求を行い、(2)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段が、録音開始要求の受信に基づいて、第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、(3)第1の通信端末が、配布された第1のアドレスを含む呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信し、(4)第2の通信端末が、当該第2の通信端末が参加可能な1対多通信グループへの参加を通話録音サーバに対して要求し、(5)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段が、1対多通信参加要求に基づいて、第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、(6)第2の通信端末が、配布された第2のアドレスを含む信号を第1の通信端末に送信し、(7)第1の通信端末は、第1のアドレスを送信元とし、第2のアドレスを送信先としてパケット送信し、(8)第2の通信端末は、第2のアドレスを送信元とし、第1のアドレスを送信先としてパケット送信し、(9)通話録音サーバが、第1のアドレス及び第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音することを特徴とする。
【0019】
第8の本発明の通話録音サーバは、呼制御手段により呼接続される複数の通信端末の間でなされる通話を録音する通話録音サーバにおいて、(1)少なくとも、1対多通信用の複数のアドレスと各アドレスを使用可能な通信端末とを対応付けて1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段と、(2)1対多通信グループ管理手段が管理するアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段とを備え、1対多通信グループ管理手段が、第1の通信端末から受信した録音開始要求の受信に基づいて、第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、第1の通話相手の第2の通信端末からの1対多通信参加要求に基づいて、第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、第2の通信端末の1対多通信グループを管理することを特徴とする。
【0020】
第9の本発明の通信端末は、1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、(1)通話録音サーバに対して録音開始要求を行う録音開始要求手段と、(2)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する1対多通信指示手段と、(3)第2の通信端末から受信された応答信号に含まれている、第2の通信端末に配布された1対多通信用の第2のアドレスを受け取り、第1のアドレスを送信元とし、第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第10の本発明の通信端末は、1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、(1)呼制御手段を介して、録音要求を行う第1の通信端末が通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む呼制御信号受信すると、自身が参加可能な1対多通信グループへの参加を通話録音サーバに対して要求する1対多通信参加要求手段と、(2)通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段により配布された自身が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを含む信号を第1の通信端末に送信する応答手段と、第2のアドレスを送信元とし、第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ネットワーク帯域を抑制しながら、より簡単な手順により通話を録音することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態の通話録音システムの全体構成及び通話録音サーバの内部構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態における通信端末3−1及び通信端末3−2間でなされる通話を録音する通話録音方法の動作を示すシーケンス図である。
【図3】第1の実施形態における通信端末3−1及び通信端末3−2間でなされる通話を録音する通話録音方法の動作を示すシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態の通信端末における通話中の録音処理に関するフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の通信端末における通話中の録音処理に関するフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の通話録音サーバにおけるマルチキャストアドレス配布から録音開始待ちまでのフローチャートである。
【図7】第1の実施形態の通話録音サーバにおける録音開始待ちから録音までのフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の通話録音サーバにおける録音停止処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の通話録音サーバにおける切断処理を示すフローチャートである。
【図10】第1及び第2の実施形態のマルチキャストアドレス管理テーブルの構成を示す構成図である。
【図11】第1及び第2の実施形態の通話録音履歴の構成を示す構成図である。
【図12】第2の実施形態における通信端末3−1及び通信端末3−2間でなされる通話を録音する通話録音方法の動作を示すシーケンス図である。
【図13】第2の実施形態の通信端末における通話中の録音処理に関するフローチャートである。
【図14】第2の実施形態の通信端末における通話中の録音処理に関するフローチャートである。
【図15】第2の実施形態の通話録音サーバにおけるマルチキャストアドレス配布から録音開始待ちまでのフローチャートである。
【図16】第2の実施形態の通話録音サーバにおける録音開始待ちから録音までのフローチャートである。
【図17】第2の実施形態の通話録音サーバにおける録音停止処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態の通話録音サーバにおける切断処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の通話録音システム、サーバ及び通信端末の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
第1の実施形態では、例えばマルチキャスト技術を採用して、通信端末間で通話される音声を録音するシステムに本発明を適用する場合の実施形態を例示する。
【0026】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の通話録音システムの全体構成及び通話録音サーバの内部構成を示す構成図である。
【0027】
図1において、第1の実施形態の通話録音システム10は、通話録音サーバ1、呼制御サーバ2、通信端末3(3−1及び3−2)、ネットワーク機器を少なくとも有して構成される。なお、図1では、説明便宜のため、2台の通信端末を示すが、通信端末の台数は特に限定されるものではない。
【0028】
通話録音サーバ1は、通信端末3−1と通信端末3−2との間で送受信されるパケットを受信し、そのパケットに含まれる音声データを蓄積するものである。通話録音サーバ1は、マルチキャストアドレスを管理しており、通信端末3からの要求に応じてマルチキャストアドレスを通信端末3に配布し、マルチキャストグループを管理するものである。
【0029】
通話録音サーバ1は、図1に示すように、マルチキャストグループ管理部11、録音部13、録音停止部14、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15、通話録音履歴記憶部16、音声データ記憶部17を少なくとも有する。
【0030】
マルチキャストグループ管理部11は、マルチキャストアドレスを管理し、マルチキャストアドレスの配布を行うものである。例えば、マルチキャストグループ管理部11は、最大通話録音可能な通話数分のマルチキャストグループを管理する。
【0031】
また、マルチキャストグループ管理部11は、その機能として、マルチキャストアドレス検索部111、登録部112、配布部113を少なくとも有する。
【0032】
マルチキャストアドレス検索部111は、通信端末3からマルチキャストグループの問い合わせを受けると、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15を参照して、使用可能なマルチキャストアドレスを検索するものである。
【0033】
登録部112は、通信端末3に対してマルチキャストアドレスを配布する際に、当該通信端末3が通信している通話識別情報(例えば、通話ID等)とマルチキャストアドレスとを対応付けて、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15に登録するものである。このとき、登録部112は、マルチキャストグループへの参加を要求元の通信端末3の識別情報(例えばIPアドレス等)や、当該マルチキャストアドレス使用状況等を、マルチキャストアドレスに対応付けて管理するようにしてもよい。
【0034】
配布部113は、マルチキャストグループの問い合わせ元の通信端末3に対して、マルチキャストアドレスを送信するものである。
【0035】
録音部13は、通信端末3−1及び通信端末3−2がマルチキャストで送信するパケットを受信し、その受信したパケットをバッファリングするものである。また、録音部13は、通信端末3−1及び通信端末3−2のマルチキャストグループの離脱後、バッファリングした音声データを音声データ記憶部17に記憶するものである。
【0036】
録音停止部14は、通信端末3−1及び通信端末3−2からの要求に応じて、通話録音を停止するものである。
【0037】
呼制御サーバ2は、通信端末3−1と通信端末3−2との間の呼制御を行うものである。呼制御サーバ2は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ等を適用することができる。
【0038】
通信端末3−1及び3−2は、マルチキャスト機能、ユニキャスト機能を有する音声通信処理部又は装置である。例えば、通信端末3−1及び3−2は、IP電話機、いわゆるソフトフォン等を適用することができる。また、通信端末3−1及び3−2は、固定型のものであってもよいし、携帯型のものであってもよい。
【0039】
ネットワーク機器4は、例えば、スイッチ、ルータなどが該当する。ネットワーク機器4は、マルチキャスト機能、ユニキャスト機能を有する。
【0040】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の通話録音システム10における通話録音方法の動作について図面を参照しながら説明する。
【0041】
以下では、通信端末3−1と通信端末3−2との間でなされる内線通話を録音する場合を例示する。
【0042】
図2及び図3は、通信端末3−1及び通信端末3−2間でなされる通話を録音する通話録音方法の動作を示すシーケンス図である。
【0043】
図4及び図5は、通信端末3における処理を示すフローチャートである。図6〜図9は、通話録音サーバにおける処理を示すフローチャートである。
【0044】
なお、説明便宜上、図4〜図9に示すフローチャートの各処理ステップのステップ番号は、図2及び図3に示すステップ番号に対応するものである。
【0045】
(A−2−1)「通話確立」と「通話」について
まず、通信端末3−1及び通信端末3−2は、例えばSIPを採用して、通信端末3−1と通信端末3−2との間の呼接続を確立して、通話状態となる(ステップS101)。
【0046】
ここで、通信端末3−1及び3−2呼接続の確立には既存の方法を適用することができる。例えば、図2では、3ウェイ・ハンドシェイク(INVITE、200 OK、ACK)と、INVITEに対して対応中であることを示す180 Ringingを用いる場合を例示する。
【0047】
接続確立の手順は、呼制御サーバ2を介して、通信端末3−1と通信端末3−2との間で、INVITE、200 OK、ACKの送受信が行われる。
【0048】
例えば、図2に示すように、通信端末3−1は、呼制御サーバ2を介して、接続要求メッセージとしてINVITEを通信端末3−2に送信する。
【0049】
次に、通信端末3−2は、呼制御サーバ2を介して、電話における着信鳴動メッセージとして180 Ringingを通信端末3−1に送信する。
【0050】
そして、通信端末3−2が、呼制御サーバ2を介して、200OKを通信端末3−1に送信し、通信端末3−1が、呼制御サーバ2を介して、ACKを通信端末3−2に返信する。この手順により、通信端末3−1と通信端末3−2との間の呼接続が確立される。
【0051】
(A−2−2)「通話」と「通話/録音」について
次に、通信端末3−1と通信端末3−2との間の「通話」及び「通話/録音」の処理手順を図面を参照して説明する。
【0052】
上記のようにして、通信端末3−1と通信端末3−2との間で呼接続が確立すると、通信端末3−1と通信端末3−2との間で通話が開始される。通信端末3−1及び通信端末3−2との間の通話は、呼制御サーバ2を介さず、ユニキャストでRTPパケットの送受信によりなされる。
【0053】
その後、通信端末3−1のユーザが通話録音を開始しようとする。通話録音の開始の指示は、例えば、ユーザが、通信端末3−1の有する通話録音ボタン等を押下する。これにより、通信端末3−1は、録音開始指示信号を受け取る(ステップS102)。
【0054】
この録音開始指示の受信を契機に、通信端末3−1は、通話録音サーバ1に対して、マルチキャストグループの問い合わせを行う(ステップS103)。
【0055】
このとき、通信端末3−1は、通信端末3−2との間の通話を識別する通話識別情報(例えば、通話ID)も通話録音サーバ1に対して通知する。
【0056】
ここで、マルチキャストグループの問い合わせは、種々の方法を適用することができるが、例えば、IGMP(Internet Group Management Protocol)を用いてブロードキャストにより行うことができる。
【0057】
通話録音サーバ1では、通信端末3−1からの問い合わせを受けると、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15から、使用可能なマルチキャストアドレスが検索される(ステップS104)。
【0058】
通信端末3−1に使用可能なマルチキャストアドレスが検索されると、通話録音サーバ1は、当該マルチキャストアドレスに通話識別情報等を対応付けて、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15に登録する(ステップS105)。
【0059】
そして、通話録音サーバ1は、検索したマルチキャストアドレスをユニキャストで通信端末3−1に配布し(ステップS106)、通話録音サーバ1は当該マルチグループへ参加する(ステップS107)。
【0060】
なお、使用可能なマルチキャストアドレスがない場合、通話録音サーバ1は、例えば「0,0,0,0」又はエラーを返信する。
【0061】
図10は、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15の構成例を説明する説明図である。図10の例示するように、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15は、「インデックス(index)」、「マルチキャストアドレス」、「配布状態」、「通話ID」、「端末情報(IPアドレス)」を項目に持つ。
【0062】
例えば、通信端末3−1(図10では通信端末3−1と示す)が使用可能なマルチキャストグループ(ここではマルチキャストグループAとする)のマルチキャストアドレスは「224.0.0.a」とする。また、通話IDを「1」とする。
【0063】
この例の場合、通話録音サーバ1は、問い合わせ元の通信端末3−1のIPアドレスに基づいて、使用可能なマルチキャストアドレス「224.0.0.a」を検索することができるので、このアドレスを通信端末3−1に配布する。さらに、通信端末サーバ1は、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15の「通話ID:1」、「配布状態:使用済」を登録する。これにより、通話録音サーバ1はマルチキャストグループAへ参加する。
【0064】
ここで、ステップS107において、通話録音サーバ1がマルチキャストグループAへ参加する際、例えば、通話録音サーバ1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信するようにする。
【0065】
通信端末3−1は、ステップS106において通話録音サーバ1からユニキャストで信号を受信する。通信端末3−1は、受信信号に使用可能なマルチキャストアドレスが含まれているか否かを確認する。なお、受信信号に「0.0.0.0」又はエラーが格納されている場合、通話録音を行わない。例えば、発信エラーとしてもよいし、そのままre−INVITEを発信するようにしてもよい。
【0066】
受信信号にマルチキャストアドレスが含まれている場合、通信端末3−1は、通信端末3−2との間の通話をユニキャストからマルチキャストへの変更要求を示すre−INVITEを、ユニキャストで呼制御サーバ2に送信する(ステップS108)。
【0067】
そして、通信端末3−1では、通話録音の開始準備としてマルチキャストグループAへ参加する(ステップS109)。
【0068】
このre−INVITEには、通話録音で使用されるマルチキャストアドレスを指定する情報が、オプションに含まれている。例えば、通信端末3−1が参加するマルチキャストグループAのマルチキャストアドレス「224.0.0.a」を指定する情報が、re−INVITEのオプションに含まれている。
【0069】
ここで、ステップS109において、通信端末3−1がマルチキャストグループAへ参加する際、例えば、通信端末3−1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、例えばIGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレス「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0070】
呼制御サーバ2は、通信端末3−1からのre−INVITEをユニキャストで通信端末3−2に送信する(ステップS110)。
【0071】
通信端末3−2は、呼制御サーバ2からユニキャストで送信された「re−INVITE」を受信する。通信端末3−2は、当該re−INVITEにマルチキャストアドレスが指定されていることを確認すると、通信端末3−1は通話録音開始と判断する(ステップS130)。
【0072】
次に、通信端末3−2は、マルチキャストグループへの問い合わせを通話録音サーバ1に対して行う(ステップS111)。
【0073】
このマルチキャストグループへの問い合わせは、例えばIGMPを用いてブロードキャストにより行うことができる。また、通信端末3−2によるマルチキャストグループの問い合わせは、通信端末3−2が使用可能なマルチキャストグループである。さらに、通信端末3−2は、通話録音サーバ1に通話IDも通知する。
【0074】
通話録音サーバ1では、通信端末3−2からの問い合わせを受けると、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15から、使用可能なマルチキャストアドレスが検索される(ステップS112)。
【0075】
通信端末3−2に使用可能なマルチキャストアドレスが検索されると、通話録音サーバ1は、当該マルチキャストアドレスに通話識別情報等を対応付けて、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15に登録する(ステップS113)。
【0076】
そして、通話録音サーバ1は、検索したマルチキャストアドレスをユニキャストで通信端末3−2に配布し(ステップS114)、通話録音サーバ1は当該マルチグループへ参加する(S115)。
【0077】
なお、使用可能なマルチキャストアドレスがない場合、通話録音サーバ1は、例えば「0,0,0,0」又はエラーを返信する。
【0078】
例えば、通信端末3−2(図10では通信端末3−2と示す)が使用可能なマルチキャストグループ(ここではマルチキャストグループBとする)のマルチキャストアドレスは「224.0.0.b」とする。また、通話IDを「1」とする。
【0079】
この例の場合、通話録音サーバ1は、問い合わせ元の通信端末3−2のIPアドレスに基づいて、使用可能なマルチキャストアドレス「224.0.0.b」を検索することができるので、このアドレスを通信端末3−2に配布する。さらに、通信端末サーバ1は、マルチキャストアドレス管理テーブル記憶部15の「通話ID:1」、「配布状態:使用済」を登録する。これにより、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループAと同時に、マルチキャストグループBへ参加する。
【0080】
ここで、ステップS115において、通話録音サーバ1がマルチキャストグループBへ参加する際、例えば、通話録音サーバ1にネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、例えばIGMPバージョン3を用い、 マルチキャストアドレス「224.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレス「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0081】
通信端末3−2は、通話録音サーバ1からユニキャストで送信された信号(ステップS114)を受信し、受信信号に使用可能なマルチキャストアドレスが含まれているか否かを確認する。
【0082】
受信信号に使用可能なマルチキャストアドレスが含まれている場合、通信端末3−2は、通信端末3−1に対して、着信鳴動のための「180 Ringing」を送信する。また、受信信号に、例えば「0.0.0.0」等のエラー相当の情報が含まれている場合、通信端末3−2は通信端末3−1に対して着信拒否を行う。
【0083】
また、通信端末3−2が着信応答すると、通信端末3−2は着信応答を示す「200 OK」を通信端末3−1に送信する(ステップS116)。
【0084】
ここで、「200 OK」は、マルチキャストで送信される。このときのマルチキャストアドレスは、「224.0.0.a」である。すなわち、通信端末3−1及び通信端末1が参加しているものである。
【0085】
また、通信端末3−2は、「200 OK」のメッセージ領域に、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレス「224.0.0.b」を指定する情報を含める。
【0086】
従って、通信端末3−1に対してマルチキャストアドレスを通知することができる。さらには、通話録音サーバ1に対しても「200 OK」を送信することができるので、通話録音サーバ1からの応答が正常の場合、通信端末3−2は、マルチキャストグループAとマルチキャストグループBとの参加することになる(ステップS117)。
【0087】
今後、通信端末3−2は、マルチキャストで送信する信号(SIPメッセージ、通話信号など)の送信元アドレスを、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレス「224.0.0.b」に設定する(ステップS118)。
【0088】
ここで、ステップS117において、通信端末3−2がマルチキャストグループA、マルチキャストグループBに参加する際、例えば、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、例えばIGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレス「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0089】
さらに、通信端末3−2は、例えば、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介しマルチキャストネットワークに対して、例えばIGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレス「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0090】
通信端末3−1では、通信端末3−2からのマルチキャストによる「200 OK」を受信する。そして、通信端末3−1は、この「200 OK」のメッセージ領域に含まれるマルチキャストアドレスを指定する情報が含まれていることを確認する。
【0091】
通信端末3−1は、通話相手の通信端末3−2のマルチキャストアドレス「224.0.0.b」を認識することができるので、マルチキャストグループBへ参加する(ステップS119)。
【0092】
ここで、通信端末3−1がマルチキャストグループBへ参加する際、例えば、通信端末3−1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、例えばIGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレス「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0093】
今後、通信端末3−1は、マルチキャストで送信する信号(SIPメッセージ、通話信号など)の送信元アドレスを、通信端末3−1が送信元となるマルチキャストグループAのマルチキャストアドレス「224.0.0.a」に設定する(ステップS121)。
【0094】
その後、通信端末3−1は、マルチキャストでACKを送信する(ステップS122)。マルチキャストで送信するので、ACKは、通信端末3−2と通話録音サーバ1とに送信される。ステップS123では、通話録音サーバ1が通話録音の準備を行う。
【0095】
例えば、通話録音サーバ1は、通信端末3−2からの「200 OK」を受信すると、通話IDから通話録音用のバッファの設定を行う。
【0096】
また、通話録音サーバ1は、通信端末3−2からの「200 OK」を受信すると、通信端末3−1からの「ACK」の受信待ちタイマーの設定等を行う。
【0097】
そして、さらに、通話録音サーバ1が通信端末3−1から「ACK」を受信すると(ステップS122)、通話録音サーバ1は、その後に受信する音声パケットをバッファリングして(ステップS124)、通話録音サーバ1は通話録音を開始する(ステップS126)。
【0098】
このとき、通話録音サーバ1は、通信端末3−1と通信端末3−2との間の通話履歴を、通話履歴記憶部16に登録する(ステップS125)。
【0099】
図11は、通話履歴の一例を説明する説明図である。図11の例では、通話履歴として、「インデックス(index)」、「通話ID」、「着番号」、「発番号」、「録音開始日時」、「録音終了日時」、「保存先ファイル名」、「付加情報」を有する。
【0100】
例えば、図11の例では、「インデックス:1」、「通話ID:1」、「着番号:通信端末3−2」、「発番号:通信端末3−1」、「録音開始日時:2010/10/06 09:00:00」、「録音終了日時:2010/10/06 09:01:00」、「保存先ファイル名:フルパスのファイル名」等を登録する。
【0101】
通信端末3−1は、通信端末3−1から通信端末3−2と通話録音サーバ1に伝送される音声パケットをRTPパケットに変換し、マルチキャストアドレスをマルチキャストアドレス「224.0.0.a」に設定したRTPパケットを、通信端末3−2、通話録音サーバ1へマルチキャストにて送信する。
【0102】
通信端末3−2は、通信端末3−2から通信端末3−1と通話録音サーバ1に伝送される音声パケットをRTPパケットに変換し、マルチキャストアドレスをマルチキャストアドレス「224.0.0.b」に設定したRTPパケットを、通信端末3−1、通話録音サーバ1へマルチキャストにて送信する。
【0103】
通話録音サーバ1は、通信端末3−1と通信端末3−2から送信されたRTPパケットを受信して、通信端末3−1から伝送された音声パケットと通信端末3−2から伝送された音声パケットを該当する通話IDの受信バッファに蓄積(通話録音)する(ステップS126)。
【0104】
なお、呼制御サーバ2は、マルチキャストネットワークに参加していないので、通信端末3−1から送信されたRTPパケットと通信端末3−2から送信されたRTPパケットを受信しない。
【0105】
(A−2−3)「通話中の通話録音停止」について
ここでは、通信端末3−1からの指示により、通話中の通話録音を停止する場合の処理手順を説明する。
【0106】
通信端末3−1のユーザが通話録音を停止しようと、ユーザが通話録音の停止のボタンなどを押下する。通信端末3−1は、押下された信号(録音停止の指示)を取り込む(ステップS201)。
【0107】
通信端末3−1はこれを契機に、通話録音開始前のように、通信端末3−1および通信端末3−2から送信される信号(例えば、SIPのメソッド、通話信号など)を、マルチキャストアドレスからユニキャストアドレスに変更するように指定した情報を含むre−INVITEをマルチキャストにて送信する(ステップS202)。
【0108】
このとき、re−INVITEは、通話録音サーバ1と通信端末3−1へ送信される。また、このre−INVITEは、さらに、通話IDの情報、通信端末3−1が送信元となるマルチキャストグループAのマルチキャストアドレス「224.0.0.a」、通信端末3−1に付与されているIPアドレスを含むものである。
【0109】
次に、通話録音サーバ1は、通信端末3−1からマルチキャストにて送信されたre−INVITEを受信し(ステップS202)、そのre−INVITEの内容を確認し、通話IDとアドレスを確認する。
【0110】
一方、通信端末3−2は、通信端末3−1からマルチキャストにて送信されたre−INVITEを受信すると(ステップS202)、re−INVITEの内容において、マルチキャストアドレスからユニキャストに変更するように指定した情報を含むものであることを確認する。そして、通信端末3−2は、通話録音前のように、マルチキャストアドレスからユニキャストアドレスに変更するように指定した情報を含む「200 OK」を、マルチキャストにて送信する(ステップS203)。
【0111】
このとき、マルチキャストの「200 OK」は、通話録音サーバ1及び通信端末3−1へ送信される。また、このre−INVITEは、さらに、通話IDの情報、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレス「224.0.0.b」、通信端末3−2に付与されているIPアドレスを含むものである。
【0112】
通話録音サーバ1は、通話録音の停止準備を行う。通話録音サーバ1は通信端末3−1からマルチキャストにて送信された「200 OK」を受信し(ステップS203)、受信した「200 OK」にて該当する通話IDの録音を停止し(ステップS204)、通話録音ファイルの保存を開始する(ステップS205)。
【0113】
ここで、通話録音ファイルの保存形式は、種々の方法を広く適用することができる。例えば、通話録音ファイルの保存形式として、WAV形式を適用して保存することができる。
【0114】
通信端末3−1は、通信端末3−2からマルチキャストにて送信された200 OKを受信すると(ステップS203)、マルチキャストにて「ACK」を送信後(ステップS206)、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する(ステップS207)。
【0115】
このとき、マルチキャストの「ACK」は通話録音サーバ1と通信端末3−2へ転送される。
【0116】
また、通信端末3−1は、今後、送信する信号(例えば、SIPのメソッド、通話に用いられRTPパケットなど)をユニキャストに変更し、送信する信号の送信先のアドレスを、各送信先の装置(通信端末3−2、呼制御サーバ2など)のIPアドレスに設定し、送信元のアドレスを通信端末3−1のIPアドレスとする(ステップS208)。
【0117】
マルチキャストの「ACK」は通話録音サーバ1と通信端末3−2へ転送される。
【0118】
ここで、通信端末3−1は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する際(ステップS207)、例えば、通信端末3−1に接続されるネットワーク機器4を介してマルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0119】
通話録音サーバ1は、通話録音の停止するため、通信端末3−1からマルチキャストにて送信されたACKを受信し(ステップS206)、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する(ステップ:S209)。
【0120】
さらに、通話録音サーバ1は、録音終了日時を通話録音履歴へ登録(すなわち、インデックス「1」の欄に録音終了日時を登録)する(ステップ:S210)。
【0121】
通話録音サーバ1は管理テーブルから通話ID、配布したマルチキャストアドレスを開放し、管理テーブルをクリア(インデックス1、2の配布状態を「未使用」、他の項目を削除)する(ステップS211)。
【0122】
ここで、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する際(ステップS209)、例えば、通話録音サーバ1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0123】
さらに、通話録音サーバ1は、通話録音サーバ1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、例えばIGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0124】
通信端末3−2は、通信端末3−1からマルチキャストにて送信された「ACK」受信し(ステップS206)、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する(ステップS212)。
【0125】
通信端末3−2は、今後、送信する信号(例えば、SIPのメソッド、通話に用いられRTPパケットなど)をユニキャストに変更し、送信する信号の送信先のアドレスを各送信先の装置(通信端末3−1、呼制御サーバ2など)のIPアドレスに設定し、送信元のアドレスを通信端末3−2のIPアドレスする(ステップS213)。
【0126】
通信端末3−2は、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、例えば、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0127】
その後、通信端末3−1は、通信端末3−2へ送信する音声信号を変換したRTPパケットを、送信先アドレスを通信端末3−2のIPアドレス、送信元アドレスを通信端末3−1のIPアドレスとして、ユニキャストにて送信する。
【0128】
また、通信端末3−2は、通信端末3−1へ送信する音声信号を変換したRTPパケットを、送信先アドレスを通信端末3−1のIPアドレス、送信元アドレスを通信端末3−2のIPアドレスとして、ユニキャストにて送信する(ステップ:S214)。
【0129】
(A−2−4)「切断」について
通信端末3−1のユーザが通話録音を停止しようと、ユーザが通話録音の停止のボタンなどを押下する。通信端末3−1は、押下された信号(録音停止の指示)を受信する(ステップS215)。
【0130】
通信端末3−1は、呼制御サーバ2を介して、通信端末3−2へ「BYE」をユニキャストにて送信する(ステップS216)。
【0131】
呼制御サーバ2は、通信端末3−1からユニキャストにて送信された「BYE」を受信し(ステップS216)、通信端末3−2へ「BYE」をユニキャストにて送信する(ステップS217)。
【0132】
通信端末3−2は、呼制御サーバ2からユニキャストにて送信された「BYE」を受信する(ステップS217)。これにより、マルチキャストグループから脱退することができる。
【0133】
さらに、通信端末3−2は、呼制御サーバを介して、通信端末3−1へ「200 OK」をユニキャストにて送信する(ステップS218)。
【0134】
呼制御サーバ2は、通信端末3−2からユニキャストにて送信された「200 OK」を受信し(ステップS218)、通信端末3−2へ「200 OK」をユニキャストにて送信する(ステップS219)。
【0135】
通信端末3−1は、呼制御サーバ2からユニキャストにて送信された「200 OK」(ステップS219)を受信する。これにより、マルチキャストグループから脱退することができる。
【0136】
なお、上記の第1の実施形態では、内線通話の実施形態を例示したが、外線通話でも、MGW(メディアゲートウェイ)と内線端末間にて同様の動作にて実現可能となる。
【0137】
通話録音サーバ1では、2つの通信端末へそれぞれ別々のマルチキャストアドレスを配布する場合を例示したが、同一のアドレスも配布可能である。この場合、第1の実施形態のときよりも2倍の呼量が対応できる。
【0138】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、通話録音サーバにて、通話IDと通信端末に配布したマルチキャストアドレスを登録する管理テーブルを有し、通信端末ではマルチキャストにて呼制御を行い、音声パケットを送受信することで、通話録音サーバが通話録音の開始、停止を自ら制御できるようになる。
【0139】
また、第1の実施形態によれば、マルチキャストアドレスを使用することで音声パケットがネットワーク機器にて通話録音サーバへも転送されることで通話録音サーバには、他の端末と同程度の処理にて通話録音が可能となる。
【0140】
さらに、第1の実施形態では、通常のマルチキャスト技術を採用することで、ミラーリングするネットワーク機器を必要としない。
【0141】
また、第1の実施形態によれば、呼制御パケットもマルチキャストにて送信することで、通話録音サーバのみで通話開始、終了が判断できるため、呼制御サーバとの疎結合にてシステムを構築できる。
【0142】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の通話録音システム、通話録音方法、サーバ及び通信端末の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0143】
第1の実施形態では、通話中の通話を録音する場合の処理手順を説明した。これに対して、第2の実施形態は、発信時から通話録音する場合の処理手順の実施形態を例示する。
【0144】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態の構成は、第1の実施形態と同様であるので、第2の実施形態でも図1を用いて説明する。
【0145】
以下では、第2の実施形態の通話録音システム10における通話録音方法の動作について図面を参照しながら説明する。
【0146】
図12は、通信端末3−1及び通信端末3−2間でなされる内線通話を録音する通話録音方法の動作を示すシーケンス図である。
【0147】
図13及び図14は、通信端末3における処理を示すフローチャートである。図15〜図18は、通話録音サーバにおける処理を示すフローチャートである。
【0148】
なお、説明便宜上、図14〜図18に示すフローチャートの各処理ステップのステップ番号は、図12に示すステップ番号に対応するものである。
【0149】
(B−1−1)通信端末3−1から通信端末3−2へ内線発信について
通信端末3−1と通信端末3−2は、これから通話を開始するところである。
【0150】
通信端末3−1のユーザは、オフフックによる発信を実施する。通信端末3−1は、ユーザが発信の実施をすることで、発信信号を取り込む(ステップS301)。
【0151】
通信端末3−1は、通話録音サーバ1に対して、IGMPを送出して、マルチキャストグループを問い合わせる(ステップS302)。このとき、通話を管理する通話IDもGARPに含めて通知する。
【0152】
通信端末3−1が問い合わせるマルチキャストグループは、通信端末3−1が参加するマルチキャストグループAである。
【0153】
通話録音サーバ1は、通信端末3−1からブロードキャストにて送信された信号を受信すると(ステップS302)、使用可能なマルチキャストグループを管理テーブルから検索する(ステップ:S303)。
【0154】
そして、通話録音サーバ1がマルチキャストグループAに対応する使用可能なマルチキャストアドレス(マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」)を発見すると、例えば、「インデックス:1」、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」、「配布状態:使用済」、「通話ID」と「端末情報:通信端末3−1(端末A)」を含む情報を管理テーブルへ登録する(ステップ:S304)する。
【0155】
さらに、通話録音サーバ1は、GARPの応答として、そのマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を通信端末3−1へユニキャストにて送信する(ステップS305)。そして、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループAへ参加する(ステップS306)。
【0156】
一方、ステップS303において、使用可能なアドレスがない場合、通話録音サーバ1は通信端末3−1に対して、例えば「0.0.0.0」やエラーなどのエラーを示す情報を返す。
【0157】
ここで、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループAへ参加する際(ステップS306)、例えば、通話録音サーバ1に接続されるSWを介しマルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0158】
通信端末3−1は、通話録音サーバ1からユニキャストにて送信された信号を受信すると(ステップS305)、受信した信号に使用可能なマルチキャストアドレスが格納されているか否かを確認する。
【0159】
そして、使用可能なアドレスがあれば、呼制御サーバを介して、INVITEを通信端末3−2に対してユニキャストにて送信する(ステップS307)。
【0160】
このINVITEには、通話録音で使用するマルチキャストアドレスであり、通信端末3−1が送信元となるマルチキャストグループAのマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を指定する情報が含まれている。通信端末3−1は、その後、マルチキャストグループAへの参加を行う(ステップ:S308)。
【0161】
なお、通信端末3−1は、受信した信号に格納されるアドレスが「0.0.0.0」か、エラーの場合は、その時の動作を設定している状態に応じて、発信エラーとするかそのまま発信を行う。
【0162】
ここで、通信端末3−1は、マルチキャストグループAへ参加する際(ステップS308)、例えば、通信端末3−1に接続されるSWを介しマルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0163】
呼制御サーバ2は、通信端末3−1からユニキャストにて送信された「INVITE」を受信すると(ステップS307)、通信端末3−2へ「INVITE」をユニキャストにて送信する(ステップS309)。
【0164】
その際、呼制御サーバは、受信した「INVITE」から、通信端末3−1が送信元となるマルチキャストグループAのマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納する。
【0165】
通信端末3−2は、呼制御サーバ2からユニキャストにて送信されたINVITEを受信すると(ステップS309)、IGMPを送出して、通話録音サーバ1に対してマルチキャストグループを問い合わせる(ステップS310)。
【0166】
このときに、問い合わせ信号に通話を管理する通話IDも通知する。通信端末3−2が問い合わせるマルチキャストグループは、通信端末3−2が参加するマルチキャストグループBである。
【0167】
通話録音サーバ1は、通信端末3−2からブロードキャストにて送信された信号を受信すると(ステップS310)、通信端末3−1と同様にマルチキャストグループBに対応する使用可能なマルチキャストドレス(マルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」)を検索する(ステップS311)。
【0168】
使用可能なマルチキャストアドレスがある場合、通話録音サーバ1は、「インデックス:2」、マルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」、「配布状態:使用済」、「通話ID」と「端末情報:通信端末3−2(端末B)」を含む情報を管理テーブルへ登録する(ステップS312)。
【0169】
そして、通話録音サーバ1は、GARPの応答として、検索結果であるマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を、通信端末3−2へユニキャストにて通知する(ステップS313)。通話録音サーバ1は同時にマルチキャストグループBへ参加する(ステップS314)。
【0170】
なお、通話録音サーバ1は、使用可能なアドレスがない場合、通信端末3−2に対して、例えば「0.0.0.0」又はエラーを示す情報を返す。
【0171】
ここで、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループBへ参加する際(ステップS314)、例えば、通話録音サーバ1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0172】
通信端末3−2は、通話録音サーバ1からユニキャストにて送信された信号を受信し(ステップS313)、受信した信号から使用可能なマルチキャストアドレスをもらうと「180 Ringing」を、呼制御サーバ2を介して通信端末3−1へユニキャストにて送信し(ステップS315)、着信鳴動する。
【0173】
この「180 Ringing」には、通話録音で使用するマルチキャストアドレスであり、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレスB:「224.0.0.a」を指定する情報が含まれている。なお、通信端末3−2は、受信した信号に格納されるアドレスが、例えば「0.0.0.0」又はエラーなどのエラーを示す情報の場合はエラーを通信端末3−1へ返し、着信を拒否する。
【0174】
その後、通信端末3−2は、マルチキャストグループAとマルチキャストグループBへの参加後(ステップS316)、今後、マルチキャストにて送信する信号(例えば、SIPのメソッド、通話信号など)の送信元アドレスを、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」に設定する(ステップS317)。
【0175】
ここで、通信端末3−2は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBへ参加する際(ステップ:S316)、例えば、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0176】
さらに、通信端末3−2は、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスB:「2240.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0177】
呼制御サーバ2は、通信端末3−2からユニキャストにて送信された「180 Ringing」を受信し(ステップS315)、通信端末3−1へ「180 Ringing」をユニキャストにて送信する(ステップS318)。
【0178】
その際、呼制御サーバ2は、受信した「INVITE」から、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納する。
【0179】
さらに、呼制御サーバ2は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBへ参加する(ステップS319)。
【0180】
ここで、呼制御サーバ2は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBへ参加する際(ステップS319)、例えば、呼制御サーバ2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0181】
さらに、呼制御サーバ2は、呼制御サーバ2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0182】
通信端末3−1は、呼制御サーバ2からユニキャストにて送信された「180 Ringing」を受信する(ステップS318)。
【0183】
その際、通信端末3−1は、受信した「180 Ringing」から、通信端末3−2が送信元となるマルチキャストグループBのマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納する。
【0184】
さらに、通信端末3−1は、マルチキャストグループBへ参加する(ステップS320)。
【0185】
ここで、通信端末3−1は、マルチキャストグループBへ参加する際(ステップS319)、例えば、通信端末3−1に接続されるSWを介しマルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP Join メッセージを送信する。
【0186】
通信端末3−2は、着信応答を行うと、マルチキャストにて着信応答の「200 OK」を通信端末3−1へ送信する。
【0187】
通信端末3−2が送信した「200 OK」は、マルチキャストにて送信されるので通話録音サーバ1、呼制御サーバへも転送される(ステップS321)。
【0188】
通話録音サーバ1は、通信端末3−2からマルチキャストにて送信されたこの「200 OK」を受信し(ステップS321)、通話開始となる準備として、通信端末3−1と通信端末3−2から送信される音声パケットを録音するための通話録音用のバッファの設定、通信端末3−1からの「ACK」受信待ちのタイマー設定などを行う(ステップS322)。
【0189】
通信端末3−1は、通信端末3−2からマルチキャストにて送信された応答:「200 OK」を受信する(ステップS321)。
【0190】
ここより、通信端末3−1は、マルチキャストにて送信する信号(例えば、SIPメッセージ、通話信号など)の送信元アドレスを、通信端末3−1が送信元となるマルチキャストグループAのマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」に設定し(ステップS323)、通信端末3−2へ「ACK」をマルチキャストにて送信する(ステップS324)。
【0191】
マルチキャストの「ACK」は通話録音サーバ1と通信端末3−2と呼制御サーバに転送される。
【0192】
通話録音サーバ1は、通信端末3−1からマルチキャストにて送信された「ACK」を受信することで(ステップS324)、通話録音を開始する。すなわち、通話録音サーバ1は、その後に受信する音声パケットを録音としてバッファリングする(ステップS325)。
【0193】
通話録音サーバ1は、さらに通話録音履歴として、「インデックス:1」、「通話ID:1」、「着番号:通信端末3−2(端末B)」、「発番号:通信端末3−1(端末A)」、「通話録音開始日時」、「保存先ファイル名」を含む情報をデータベースへ登録する。または、バッファに通話録音履歴を保存(ステップS326)。
【0194】
通信端末3−1は、通信端末3−1から通信端末3−2と通話録音サーバ1に伝送される音声パケットをRTPパケットに変換し、マルチキャストアドレスをマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」に設定したRTPパケットを、通信端末3−2、通話録音サーバ1と呼制御サーバへマルチキャストにて送信する。
【0195】
通信端末3−2は、通信端末3−2から通信端末3−1と通話録音サーバ1に伝送される音声パケットをRTPパケットに変換し、マルチキャストアドレスをマルチキャストアドレスB:「224.0.0.a」に設定したRTPパケットを、通信端末3−1、通話録音サーバ1と呼制御サーバへマルチキャストにて送信する。
【0196】
通話録音サーバ1は、通信端末3−1と通信端末3−2から送信されたRTPパケットを受信して、通信端末3−1から伝送された音声パケットと通信端末3−2から伝送された音声パケットを該当する管理IDの受信バッファに蓄積(通話録音)する(ステップS327)。
【0197】
(B−1−2)切断について
通信端末3−1のユーザがオンフックすることで、通信端末3−1は切断を実施する。通信端末3−1は、ユーザ操作による切断の実施を示す切断信号を取り込む(ステップS401)。
【0198】
通信端末3−1はこれを契機にマルチキャストにて「BYE」を送信する。「BYE」は、通信端末3−2、通話録音サーバ1と呼制御サーバ2に対して送信される(ステップS402)。
【0199】
通話録音サーバ1は、通信端末3−1からマルチキャストにて送信された「BYE」を受信すると(ステップS402)、受信した「BYE」にて該当する通話IDの録音を停止し(ステップS403)、通話録音ファイルの保存を開始する(ステップS404)。なお、通話録音ファイルの保存形式は、特に限定されるものではなく、例えば、WAV形式などにより保存される。
【0200】
通信端末3−2は、通信端末3−1からマルチキャストにて送信された「BYE」を受信すると(ステップS402)、マルチキャストにて「200 OK」を送信する。「200 OK」は、通信端末3−1、通話録音サーバ1と呼制御サーバへ送信される(ステップS405)。
【0201】
通信端末3−2は、「200 OK」を送信後、マルチキャストグループBから脱退する(ステップS406)。
【0202】
ここで、通信端末3−2は、マルチキャストグループBから離脱する際(ステップS212)、例えば、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0203】
さらに、通信端末3−2は、通信端末3−2に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0204】
通信端末3−1は、通信端末3−2からマルチキャストにて送信された「200 OK」を受信すると(ステップS405)、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから脱退する(ステップS407)。
【0205】
ここで、通信端末3−1は、マルチキャストグループAから離脱する際(ステップS407)、例えば、通信端末3−1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0206】
さらに、通信端末3−1は、通信端末3−1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0207】
通話録音サーバ1は、通信端末3−2からマルチキャストにて送信された「200 OK」を受信すると(ステップS405)、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから脱退する(ステップS408)。
【0208】
さらに、通話録音サーバ1は、録音終了日時を通話録音履歴へ登録(「インデックス:1」の欄に録音終了日時を登録)する(ステップS409)。
【0209】
通話録音サーバ1は、管理テーブルから通話ID、配布したマルチキャストアドレスを開放し、管理テーブルをクリア(インデックス1、2の配布状態を「未使用」、他の項目を削除)する(ステップS410)。
【0210】
ここで、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する際(ステップS408)、例えば、通話録音サーバ1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0211】
さらに、通話録音サーバ1は、通話録音サーバ1に接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0212】
呼制御サーバ2は、通信端末3−2からマルチキャストにて送信された「200 OK」を受信すると(ステップS405)、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから脱退する(ステップS411)。
【0213】
ここで、通話録音サーバ1は、マルチキャストグループA、マルチキャストグループBから離脱する際(ステップS411)、例えば、呼制御サーバに接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスA:「224.0.0.a」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0214】
さらに、呼制御サーバは、呼制御サーバに接続されるネットワーク機器4を介して、マルチキャストネットワークに対して、IGMPバージョン3を用い、マルチキャストアドレス:「224.0.0.2」を宛先とし、メッセージ領域にマルチキャストアドレスB:「224.0.0.b」を格納したIGMP leave メッセージを送信する。
【0215】
以上の動作により、通話録音サーバにて通話録音ファイルが保存される。
【0216】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、発信時から通話録音する場合でも第1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0217】
(C)他の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態では、2台の通信端末間が内線通話する通話録音する場合に本発明を適用する場合を例示したが、外線通話を録音する場合にも適用することができる。
【0218】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、2台の通信端末間の通話を録音する場合を例示したが、3台以上の通信端末間の通話を録音する場合にも本発明を適用することができる。例えば、3者通話システム、テレビ電話システムでなされる通話を録音する場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0219】
1…通話録音サーバ、11…マルチキャストグループ管理部、
111…マルチキャストアドレス検索部、112…登録部、113…配布部、
13…録音部、14…録音停止部、15…マルチキャストアドレス管理テーブル、
16…通話録音履歴記憶部、17…音声データ記憶部、2…呼制御サーバ、
3(3−1及び3−2)…通信端末、10…通話録音システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、
上記複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバと
を備え、
上記通話録音サーバは、第1の通信端末から受信した第1のアドレス配布要求に基づいて、上記第1の通信端末に対して、上記第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、上記第1の通信端末の1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段を備え、
上記第1の通信端末は、
上記第1のアドレス配布要求に基づいて、上記第1のアドレスを取得する第1のアドレス取得手段と、
上記第1のアドレスを含む第1の呼制御信号を、上記呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する送信手段を備え、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段が、上記第2の通信端末から受信した第2のアドレス配布要求に基づいて、上記第2の通信端末に対して、上記第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第2の通信端末は、
上記第1の呼制御信号を受信し、上記第2のアドレス配布要求に基づいて、上記第2のアドレスを取得する第2のアドレス取得手段と、
上記第2のアドレスを含む第1の応答信号を、上記呼制御手段を介して、上記第1の通信端末に送信する第1の応答手段と、
上記第2のアドレスを送信元とし、上記第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段を備え、
上記第2の1対多通信手段が、第2の応答信号を送信し、
上記第1の通信端末は、
上記第1の応答信号を受信する第1の応答信号受信手段と、
上記第2の応答信号を受信する第2の応答信号受信手段と、
上記第1のアドレスを送信元とし、上記第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段を備え、
上記第1の1対多通信手段が、第1の応答確認信号を送信し、
上記通話録音サーバは、上記第1のアドレス及び上記第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段を備える
ことを特徴とする通話録音システム。
【請求項2】
上記第1の通信端末は、
上記第1の1対多通信手段が、上記第2の通信端末との通信を終了する第2の呼制御信号を送信し、
上記第2の通信端末は、
上記第2の1対多通信手段が、上記第2の呼制御信号を受信して、第2の応答信号を送信し、
上記通話録音サーバは、
上記録音手段が、上記第2の呼制御信号と上記第2の応答信号を受信して、当該通話の録音を終了する
ことを特徴とする請求項1に記載の通話録音システム。
【請求項3】
呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、
上記複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバと
を備えた通話録音システムにおける通話録音方法において、
上記通話録音サーバは、第1の通信端末から受信した第1のアドレス配布要求に基づいて、上記第1の通信端末に対して、上記第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、上記第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第1の通信端末は、
上記第1のアドレス配布要求に基づいて、上記第1のアドレスを取得し、
上記第1のアドレスを含む第1の呼制御信号を、上記呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信し、
上記通話録音サーバは、
上記第2の通信端末から受信した第2のアドレス配布要求に基づいて、上記第2の通信端末に対して、上記第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第2の通信端末は、
上記第1の呼制御信号を受信し、上記第2のアドレス配布要求に基づいて、上記第2のアドレスを取得し、
上記第2のアドレスを含む第1の応答信号を、上記呼制御手段を介して、上記第1の通信端末に送信し、
上記第2のアドレスを送信元とし、上記第1のアドレスを送信先とする第2の応答信号を送信し、
上記第1の通信端末は、
上記第1の応答信号を受信し、
上記第2の応答信号を受信し、
上記第1のアドレスを送信元とし、上記第2のアドレスを送信先とする第1の応答確認信号を送信し、
上記通話録音サーバは、上記第2の応答信号と上記第1の応答確認信号を受信し、
上記第1のアドレス及び上記第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する
ことを特徴とする通話録音方法。
【請求項4】
呼制御手段により呼接続される複数の通信端末の間でなされる通話を録音する通話録音サーバにおいて、
少なくとも、1対多通信用の複数のアドレスと上記各アドレスを使用可能な上記通信端末とを対応付けて1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段と、
上記1対多通信グループ管理手段が管理するアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段と
を備え、
上記1対多通信グループ管理手段が、
第1の通信端末から受信した第1のアドレス配布要求の受信に基づいて、上記第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、上記第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第1の通話相手の第2の通信端末から受信した第2のアドレス配布要求に基づいて、上記第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理する
ことを特徴とする通話録音サーバ。
【請求項5】
1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、
上記通話録音サーバに対してアドレス配布要求を行う第1のアドレス配布要求手段と、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む第1の呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する送信手段と、
上記第2の通信端末から受信された第1の応答信号に含まれている、上記第2の通信端末に配布された1対多通信用の第2のアドレスを受け取る第1の応答信号受信手段と、
上記第2の通信端末から第2の応答信号を受信する第2の応答信号受信手段と、
上記第1のアドレスを送信元とし、上記第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段を備え、
上記第1の1対多通信手段が、
第1の応答確認信号を送信し、
当該通信端末の通話信号を送信する
ことを特徴とする通信端末。
【請求項6】
1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、
呼制御手段を介して、第1の通信端末が上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む第1の第1の呼制御信号を受信すると、上記通話録音サーバに対してアドレス配布要求を行う第2のアドレス配布要求手段と、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段により配布された自身が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを含む第1の応答信号を上記第1の通信端末に送信する第1の応答手段と、
上記第2のアドレスを送信元とし、上記第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段とを備え、
上記第2の1対多通信手段が、第2の応答信号を送信し、
上記第1の通信端末から第1の応答確認信号を受信して、当該通信端末の通話信号を送信する
ことを特徴とする通信端末。
【請求項7】
呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、
上記複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバと
を備え、
第1の通信端末が、上記通話録音サーバに対して録音開始要求を行う録音開始要求手段を備え、
上記通話録音サーバが、上記録音開始要求の受信に基づいて、上記第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、上記第1の通信端末の1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段を備え、
上記第1の通信端末が、配布された上記第1のアドレスを含む呼制御信号を、上記呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する1対多通信指示手段を備え、
上記第2の通信端末が、当該第2の通信端末が参加可能な1対多通信グループへの参加を上記通話録音サーバに対して要求する1対多通信参加要求手段を備え、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段が、上記1対多通信参加要求に基づいて、上記第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第2の通信端末が、配布された上記第2のアドレスを含む信号を上記第1の通信端末に送信する応答手段を備え、
上記第1の通信端末は、上記第1のアドレスを送信元とし、上記第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段を備え、
上記第2の通信端末は、上記第2のアドレスを送信元とし、上記第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段を備え、
上記通話録音サーバが、上記第1のアドレス及び上記第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段を備える
ことを特徴とする通話録音システム。
【請求項8】
上記第1の通信端末と上記第2の通信端末とが通話中に、上記第1の通信端末が録音開始要求を行う場合、上記1対多通信指示手段が、1対1通信から1対多通信への切替要求を示す呼制御信号を上記呼制御手段に向けて送信することを特徴とする請求項7に記載の通話録音システム。
【請求項9】
上記第2の通信手段の上記応答手段は、上記第2のアドレスを含む信号を、上記第1のアドレスを送信先とした1対多通信で送信するものであることを特徴とする請求項7に記載の通話録音システム。
【請求項10】
呼制御手段により呼接続される複数の通信端末と、
1対多通信グループ管理手段を備え、上記複数の通信端末間の通話を録音する通話録音サーバと
を備えた通話録音システムにおける通話録音方法において、
第1の通信端末が、上記通話録音サーバに対して録音開始要求を行い、
上記通話録音サーバの1対多通信グループ管理手段が、上記録音開始要求の受信に基づいて、上記第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、上記第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第1の通信端末が、配布された上記第1のアドレスを含む呼制御信号を、上記呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信し、
上記第2の通信端末が、当該第2の通信端末が参加可能な1対多通信グループへの参加を上記通話録音サーバに対して要求し、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段が、上記1対多通信参加要求に基づいて、上記第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第2の通信端末が、配布された上記第2のアドレスを含む信号を上記第1の通信端末に送信し、
上記第1の通信端末は、上記第1のアドレスを送信元とし、上記第2のアドレスを送信先としてパケット送信し、
上記第2の通信端末は、上記第2のアドレスを送信元とし、上記第1のアドレスを送信先としてパケット送信し、
上記通話録音サーバが、上記第1のアドレス及び上記第2のアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する
ことを特徴とする通話録音方法。
【請求項11】
呼制御手段により呼接続される複数の通信端末の間でなされる通話を録音する通話録音サーバにおいて、
少なくとも、1対多通信用の複数のアドレスと上記各アドレスを使用可能な上記通信端末とを対応付けて1対多通信グループを管理する1対多通信グループ管理手段と、
上記1対多通信グループ管理手段が管理するアドレスを送信元として受信した通話パケットを蓄積して当該通話を録音する録音手段と
を備え、
上記1対多通信グループ管理手段が、
第1の通信端末から受信した録音開始要求の受信に基づいて、上記第1の通信端末が使用可能な1対多通信用の第1のアドレスを配布し、上記第1の通信端末の1対多通信グループを管理し、
上記第1の通話相手の第2の通信端末からの1対多通信参加要求に基づいて、上記第2の通信端末が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを配布し、上記第2の通信端末の1対多通信グループを管理する
ことを特徴とする通話録音サーバ。
【請求項12】
1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、
上記通話録音サーバに対して録音開始要求を行う録音開始要求手段と、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む呼制御信号を、呼制御手段を介して、通話相手とする第2の通信端末に送信する1対多通信指示手段と、
上記第2の通信端末から受信された応答信号に含まれている、上記第2の通信端末に配布された1対多通信用の第2のアドレスを受け取り、上記第1のアドレスを送信元とし、上記第2のアドレスを送信先とする第1の1対多通信手段と
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項13】
1対多通信グループ管理手段を備えた通話録音サーバが通話を録音する通話録音システムを構成する通信端末において、
呼制御手段を介して、録音要求を行う第1の通信端末が上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段から配布された1対多通信用の第1のアドレスを含む呼制御信号受信すると、自身が参加可能な1対多通信グループへの参加を上記通話録音サーバに対して要求する1対多通信参加要求手段と、
上記通話録音サーバの上記1対多通信グループ管理手段により配布された自身が使用可能な1対多通信用の第2のアドレスを含む信号を上記第1の通信端末に送信する応答手段と、
上記第2のアドレスを送信元とし、上記第1のアドレスを送信先とする第2の1対多通信手段と
を備えることを特徴とする通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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