説明

通路開閉装置

【課題】読取エラーの確率を低下させて通路手前での滞留を防止して、装置の利用効率を高めることができる自動改札機を提供する。
【解決手段】この自動改札機100は、通路を開閉する開閉扉11R、11Lと、開閉扉11R、11Lを開閉駆動する図示しない開閉駆動手段と、通路Pの両測方に配置された自動改札機本体10R、10Lと、自動改札機本体10Rに設置された入口アンテナ2と、入口アンテナ2を介してICカードと電磁結合することにより記録情報を読み書きするリーダライタ本体1と、を備えたリーダライタ4と、入口アンテナ2の通行方向下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナ7と、入口アンテナ2、又は出口アンテナ7を介してリーダライタ本体1がICカードから読み取った記録情報に基づいて開閉駆動手段を制御する制御装置13と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通路開閉装置に関し、さらに詳しくは、ICカード等の非接触情報記録媒体に記録された情報に基づいて通路を開閉する装置において、情報の読み取りエラーによる通路の滞留を改善する通路開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば駅舎への入場、又は駅舎からの退場は、自動改札機により無人で処理されることが一般的になっている。自動改札機は、処理の正確さ、処理スピードの迅速性においては、駅員による従来の方法に比べて比較にならないほど優れているが、その半面、ICカード(定期券、乗車カード等)の情報を正確に読み取ることが前提であり、カード読取部の正しい位置に所定の時間以上近接させる必要がある。しかし、利用者によっては、ICカードをカード読取部の正しい位置に近接しなかったり、或いは、近接距離が必要以上に離間していたり、近接している時間が不足して、改札通路通過中にエラーとなって改札通路が閉止されることが発生する。そのようなときは、利用者は元に戻って再度同じ動作を行わなければならず、混雑時に改札通路手前に利用者が滞留するといった問題が発生する。
この問題を解決するために、特許文献1には、改札通路に沿って自動改札機の本体に設けられた複数の通信エリアと、改札通路を通過する利用者の通過位置を検出する人間検知器と、複数の通信エリアの稼動状態を人間検出器が検出したその利用者の通過位置と対応させるように制御する制御器とを有する自動改札機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−94571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術では、ICカード情報を読み取る複数の通信エリアが、ゲート通路の入口側に集約されているため、利用者の通過速度によっては、通信エリアから利用者が出口側まで離間してしまい、読取エラーが発生した場合は、結局、ゲート入口まで戻ってICカード情報を再度読取らせなければならず、混雑の解消には寄与しないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ICカードの読取部を通路の入口に近い位置と出口に近い位置に夫々配置して、入口側の読取部でエラーとなった場合に、出口側の読取部で再度読取ることにより、読取エラーの確率を低下させて通路手前での滞留を防止して、装置の利用効率を高めることができる自動改札機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、通行対象が通路を通行することの可否を該通行対象が保有する非接触情報記録媒体の記録情報に基づいて判定し、該通路を開閉制御する通路開閉装置であって、少なくとも前記通路の一側方に配置された通路開閉装置本体と、前記通路を開閉する開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する開閉駆動手段と、前記通路開閉装置本体に設置された入口アンテナと、該入口アンテナを介して前記非接触情報記録媒体と電磁結合することにより前記記録情報を読み書きするリーダライタ本体と、を備えたリーダライタと、前記入口アンテナの下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナと、前記入口アンテナ、又は前記出口アンテナを介して前記リーダライタ本体が前記非接触情報記録媒体から読み取った前記記録情報に基づいて前記開閉駆動手段を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
例えば、自動改札機の場合、急いで自動改札機を通過しようとする利用者は、ICカードを読取部に近接する時間が短くなる場合がある。そのような時は、リーダライタは正確なカード情報を読取れない可能性があり、エラーとして警報を発して、扉を閉止する。従来の自動改札機では、このような場合は、再度、入口に戻ってICカードを読取部に近接する必要があった。このようなことが混雑時に頻繁に発生すると、入口に利用者が滞留してしまう。そこで本発明では、ICカードの記録情報を読取るアンテナを入口側と、入口の下流側に少なくとも1つ備え、入口アンテナでエラーとなった場合は、出口アンテナで再度、読み取りを可能とする。これにより、出口側にいる利用者が入口に戻る必要がなくなり、混雑時での利用者の滞留を低減することができる。
【0006】
請求項2は、前記制御部は、前記入口アンテナにより前記記録情報が正しく読取られない場合には警報を発すると共に、前記開閉駆動手段により前記開閉部材を閉止し、その後、前記出口アンテナにより前記記録情報が正しく読取られた場合には、前記警報を解除することを特徴とする。
本発明の入口アンテナ、及び出口アンテナは、常時、磁力線が放射されており、どちらのアンテナを使用してもICカード情報を読み取ることができる。従って、入口アンテナによりエラーが発生したときは、その旨を利用者に報知し、出口アンテナでICカード情報を再度、読み取り、その情報が正しく読取られることにより、エラーを解除する。これにより、エラーが発生しても利用者が入口まで戻る必要がなく、通路開閉装置の利用効率を高めることができる。
【0007】
請求項3は、前記出口アンテナは、前記入口アンテナから放射される磁力線と電磁結合する受電部により誘起された電流により磁力線を発生することを特徴とする。
入口アンテナの他に出口アンテナを設ける場合、リーダライタから直接ケーブルにより出口アンテナを接続しても良い。しかし、この方法の場合、入口アンテナと出口アンテナのそれぞれにリーダライタを用意するか、又はアンテナ出力を2系統備えるリーダライタを用意する必要がある。そこで本発明では、入口アンテナからは、常時、磁力線が放射されていることを利用して、入口アンテナと電磁結合する受電部を設け、出口アンテナに伝達する。これにより、アンテナ出力が1系統のリーダライタ1台で、入口アンテナと出口アンテナの両方に磁力線を放射可能な構成にすることができる。
【0008】
請求項4は、通行対象が通路を通行することの可否を該通行対象が保有する非接触情報記録媒体の記録情報に基づいて判定し、該通路を開閉制御する通路開閉装置であって、少なくとも前記通路の一側方に配置された通路開閉装置本体と、前記通路を開閉する開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する開閉駆動手段と、前記通路内における前記通行対象の位置を検知する通行対象検知手段と、前記通路開閉装置本体に設置された入口アンテナと、前記入口アンテナの下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナと、前記入口アンテナ、又は前記出口アンテナの何れか一方を選択するアンテナ選択手段と、該アンテナ選択手段により選択されたアンテナを介して前記非接触情報記録媒体と電磁結合することにより前記記録情報を読み書きするリーダライタと、前記通行対象検知手段により検知した前記通行対象の位置に基づいて前記アンテナ選択手段を制御すると共に、該アンテナ選択手段により選択されたアンテナを介して前記リーダライタが前記記録情報に基づいて前記開閉駆動手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の上流側にいることを検知した場合は、前記アンテナ選択手段により前記入口アンテナを選択し、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の下流側にいることを検知した場合は、前記アンテナ選択手段により前記出口アンテナを選択することを特徴とする。
通路開閉装置には、利用者の通過位置や、大人、子供を識別するための多くのセンサが備えられている。本発明では、これらのセンサを利用して、利用者が入口側にいるときは、入口アンテナとリーダライタを接続し、利用者が出口側にいるときは、出口アンテナとリーダライタを接続する。これにより、アンテナから不要な磁力線を放射することがなくなり、リーダライタの出力も最小限にすることができる。
【0009】
請求項5は、前記制御部は、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の上流側にいることを検知し、前記アンテナ選択手段により前記入口アンテナを選択したにも拘わらず、該入口アンテナから前記非接触情報記録媒体の記録情報が読み取れない場合は、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の下流側にいることを検知すると、前記アンテナ選択手段により前記出口アンテナを選択するように制御することを特徴とする。
利用者は、入口アンテナにICカードをタッチせずに通路開閉装置を通過する場合がある。そのような場合はエラーにせず、利用者が下流側にいることを検知すると、出口アンテナとリーダライタを接続して、出口アンテナによりICカード情報を読み取るようにする。これにより、利用者が入口アンテナにICカードをタッチしないで入場した場合でも、出口アンテナにより入場を検知して通路開閉装置の利用効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ICカードの記録情報を読取るアンテナを入口側と、入口の下流側に少なくとも1つ備え、入口アンテナでエラーとなった場合は、出口アンテナで再度、読み取りを可能とするので、出口側にいる利用者が入口に戻る必要がなくなり、混雑時での利用者の滞留を低減することができる。
また、入口アンテナによりエラーが発生したときは、その旨を利用者に報知し、出口アンテナでICカード情報を再度、読み取り、その情報が正しく読取られることにより、エラーを解除するので、エラーが発生しても利用者が入口まで戻る必要がなく、通路開閉装置の利用効率を高めることができる。
また、入口アンテナからは、常時、磁力線が放射されていることを利用して、入口アンテナと電磁結合する受電部を設け、出口アンテナに伝達するので、アンテナ出力が1系統のリーダライタ1台で、入口アンテナと出口アンテナの両方に磁力線を放射可能な構成にすることができる。
また、センサを利用して、利用者が入口側にいるときは、入口アンテナとリーダライタを接続し、利用者が出口側にいるときは、出口アンテナとリーダライタを接続するので、アンテナから不要な磁力線を放射することがなくなり、リーダライタの出力も最小限にすることができる。
また、利用者が上流側で検知できず、下流側にいることを検知すると、出口アンテナとリーダライタを接続して、出口アンテナによりICカード情報を読み取るようにするので、利用者が入口アンテナにICカードをタッチしないで入場した場合でも、出口アンテナにより入場を検知して通路開閉装置の利用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る駅務機器のひとつである自動改札機本体の外観構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態に係る自動改札機を上部から見た図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態に係る自動改札機を上部から見た図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る自動改札機の制御装置の内部構成と周辺回路との構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る自動改札機の制御装置の内部構成と周辺回路との構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る自動改札機の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る自動改札機の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駅務機器のひとつである自動改札機本体の外観構成を示す斜視図である。この自動改札機(通路開閉装置)100は、利用者(通行対象)が通路Pを通行することの可否を利用者が保有するICカード(非接触情報記録媒体)の記録情報に基づいて判定し、通路を開閉制御する自動改札機100であって、通路を開閉する開閉扉(開閉部材)11R、11Lと、開閉扉11R、11Lを開閉駆動する図示しない開閉駆動手段と、通路Pの両測方に配置された自動改札機本体(通路開閉装置本体)10R、10Lと、自動改札機本体10Rに設置された入口アンテナ2と、入口アンテナ2を介してICカードと電磁結合することにより記録情報を読み書きするリーダライタ本体1と、を備えたリーダライタ4と、入口アンテナ2の通行方向下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナ7と、入口アンテナ2、又は出口アンテナ7を介してリーダライタ本体1がICカードから読み取った記録情報に基づいて開閉駆動手段を制御する制御装置(制御部)13と、を備え、更に、出口アンテナ7の下流側に配置された表示部9と、筐体10Rの側面上方に設けられたスピーカ6と、一対の筐体10R、10Lの向かい合う側面に配置され、改札通路P内の利用者の位置を検知するフォトセンサ等の人間検知センサ(通行対象検知手段)12と、を備えている。
【0014】
尚、出口アンテナ7は、入口アンテナ2から放射される磁力線と電磁結合する受電部3により誘起された電流をケーブル5を介して流すことにより磁力線を発生する。また、人間検知センサ12は、通路Pの入口側から12a、12b、12c、12dが備えられ、利用者が当該センサを遮ることにより、利用者の位置を検知するものである。また、筐体10L側には、図示を省略するが、人間検知センサ12a、12b、12c、12dから発光された光を受光する受光センサが対向配置されている。
即ち、自動改札機100の場合、急いで自動改札機100を通過しようとする利用者は、ICカードを入口アンテナ2に近接する時間が短くなる場合がある。そのような時は、リーダライタ本体1は正確な記録情報を読取れない可能性があり、エラーとして警報を発して、開閉扉11R、11Lを閉止する。従来の自動改札機では、このような場合は、再度、入口に戻ってICカードを読取部に近接する必要があった。このようなことが混雑時に頻繁に発生すると、入口に利用者が滞留してしまう。そこで本実施形態では、入口側に入口アンテナ2と、入口アンテナ2の下流側に出口アンテナ7を少なくとも1つ備え、入口アンテナ2でエラーとなった場合は、出口アンテナ7で再度、読み取りを可能とする。これにより、出口側にいる利用者が入口に戻る必要がなくなり、混雑時での利用者の滞留を低減することができる。
【0015】
図2(a)は本発明の第1の実施形態に係る自動改札機を上部から見た図であり、図2(b)は、本発明の第2の実施形態に係る自動改札機を上部から見た図である。図2(a)、(b)は共に、開閉扉11R、11Lが閉止した状態を示している。図2(a)の第1の実施形態の動作は重複するので説明を省略し、図2(b)に示す第2の実施形態について説明する。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。
【0016】
この自動改札機110は、利用者が通路Pを通行することの可否を利用者が保有するICカードの記録情報に基づいて判定し、通路Pを開閉制御する自動改札機(通路開閉装置)110であって、通路Pを開閉する開閉扉(開閉部材)10R、10Lと、開閉扉10R、10Lを開閉駆動する図示しない開閉駆動手段と、通路Pの両測方に配置された自動改札機本体(通路開閉装置本体)10R、10Lと、通路内における利用者の位置を検知する人間検知センサ(通行対象検知手段)12と、自動改札機本体10Rに設置された入口アンテナ2と、入口アンテナ2の通行方向下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナ7と、入口アンテナ2、又は出口アンテナ7の何れか一方を選択するスイッチ(アンテナ選択手段)23と、スイッチ23により選択されたアンテナを介してICカードと電磁結合することにより記録情報を読み書きするリーダライタ本体1と、人間検知センサ12により検知した利用者の位置に基づいてスイッチ23を制御すると共に、スイッチ23により選択されたアンテナを介してリーダライタ本体1がICカードから読取った記録情報に基づいてスイッチ23を制御する制御装置(制御部)13と、を備え、制御装置13は、人間検知センサ12a、12bにより利用者が通行方向の上流側にいることを検知した場合は、スイッチ23の接点をc側に倒して中点aと接点cを接続して入口アンテナ2を選択し、人間検知センサ12c、12dにより利用者が通行方向の下流側にいることを検知した場合は、スイッチ23の接点をb側に倒して中点aと接点bを接続して出口アンテナ7を選択する。尚、中点aは図示しないリーダライタ本体1とコネクタ又はリーダライタ本体1が備えるアンテナと中点aに備える受電部とが電磁結合により接続されている。
【0017】
即ち、自動改札機110には、利用者の通過位置や、大人、子供を識別するための多くのセンサが備えられている。本実施形態では、これらのセンサを利用して、利用者が入口側にいるときは、スイッチ23により入口アンテナ2とリーダライタ本体1を接続し、利用者が出口側にいるときは、スイッチ23により出口アンテナ7とリーダライタ本体1を接続する。これにより、各アンテナから不要な磁力線を放射することがなくなり、リーダライタ本体1の出力も最小限にすることができる。
【0018】
図3は本発明の第1の実施形態に係る自動改札機の制御装置の内部構成と周辺回路との構成を示すブロック図である。この制御装置13は、メモリ15に記憶されているシステムプログラム及びワーキングデータを用いて演算処理を行って、自動改札機100を統括的に制御する制御部16と、図示しないI/Oユニットを介して開閉扉11L、11Rを駆動制御する扉駆動ユニット17と、表示部9の表示内容を駆動制御する表示画面駆動ユニット18と、ICカード19と交信してデータを読み書きするリーダライタ1と、駅制御装置20と通信を行う通信制御部14と、を備えて構成される。この制御部16には、I/Oユニットを介してスピーカ6の音声を駆動制御する音声駆動ユニット、及び人間検知センサ12の検知信号を入力するためのセンサアンプ等が接続されているが、ここでは省略されている。また、リーダライタ本体1と接続され、入口アンテナ2により読取られたICカード19の記録情報を読み書きしたり、入口アンテナ2と磁気結合した受電部3により誘起した電流をケーブル5で出口アンテナ7に流すことにより、出口アンテナ7から磁力線が放射される。
また通信制御部14には駅制御装置20が接続されているとともに、その駅制御装置20は、通信回線21を介して本社のホストコンピュータ22に接続されている。更に駅制御装置20には、図示しないが自動改札機100以外に当駅に設置されている他の自動改札機や自動券売機等の他の駅務機器も接続されている。
【0019】
図4は本発明の第2の実施形態に係る自動改札機の制御装置の内部構成と周辺回路との構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、制御部16とリーダライタ本体1が接続され、リーダライタ本体1はスイッチ23の中点aと接続される。また、スイッチ23は、制御部16により中点aが接点b、cの何れかに接続するように制御される。中点aが接点cと接続された場合は、リーダライタ本体1は入口アンテナ2と接続され、中点aが接点bと接続された場合は、リーダライタ本体1は出口アンテナ7と接続される。
【0020】
図5は本発明の第1の実施形態に係る自動改札機の動作を説明するフローチャートである。入口アンテナ2と出口アンテナ7には、常時、リーダライタ本体1から電流が供給されて磁力線を放射している。利用者は自分が保有するICカードを入口アンテナ2に近接すると、磁力線がICカードのループアンテナと電磁結合する。それにより、ICカードは活性化されてリーダライタ本体1とポーリングを開始する(S1でY)。制御部16は、ICカードに記録された記録情報が正しく読み込まれたか否かを判断し、正しく読み込まれた場合は(S2でY)、例えば、Suica(登録商標)等のICカードであれば、ICカードに記憶されている残金に対して今回利用する(減算する)運賃が不足していないかを判断し、定期券であれば正規のルートであるか否かを判断して、運賃の判定の処理を行う(S3)。運賃判定処理で正しい運賃、或いは正規のルートであると判定されると(S4でY)、ICカードに記録された金額から運賃を減算して記録情報を更新し(S5)、開閉扉11R、11Lを開放する(S6)。尚、ステップS4で判定がNGの場合は(S4でN)、ステップS10へ進む。
【0021】
一方、ステップS2で、ICカードの記録情報が正しく読み込まれない場合は(S2でN)、スピーカ6から警報を発して、表示部9にアラーム内容を表示し(S7)、出口アンテナ7とICカードが交信を開始したか否かをチェックする(S8)。出口アンテナ7とICカードが交信を開始しない場合は(S8でN)、ステップS1に戻って入口アンテナ2の状態を監視する。ステップS8で出口アンテナ7がICカードと交信を開始すると(S8でY)、ICカードに記録された記録情報が正しく読み込まれたか否かを判断し(S9)、正しく読み込まれた場合は(S9でY)、警報とアラーム内容をリセットして(S12)、ステップS3に進む。ステップS9でICカードの記録情報が正しく読み込まれない場合は(S9でN)、スピーカ6から警報を発して、表示部9にアラーム内容を表示し(S10)、開閉扉11R、11Lを閉止する(S11)。
【0022】
図6は本発明の第2の実施形態に係る自動改札機の動作を説明するフローチャートである。制御部16は、上流側に配置された人間検知センサ12a又は/及び12bがONになるか否かを監視する(S21)。人間検知センサ12a又は/及び12bがONになると(S21でY)、スイッチ23を駆動して中点aと接点cを接続し入口アンテナ2をリーダライタ本体1と接続する(S22)。利用者は自分が保有するICカードを入口アンテナ2に近接すると、磁力線がICカードのループアンテナと電磁結合する。それにより、ICカードは活性化されてリーダライタ本体1とポーリングを開始する(S23でY)。制御部16は、ICカードに記録された記録情報が正しく読み込まれたか否かを判断し、正しく読み込まれた場合は(S24でY)、例えば、Suica(登録商標)等のICカードであれば、所定の金額がチャージされ、定期券であれば正規のルートであるか否かを判断して、運賃の判定の処理を行う(S25)。運賃判定処理で正しい運賃、或いは正規のルートであると判定されると(S26でY)、ICカードに記録された金額から運賃を減算して記録情報を更新し(S27)、開閉扉11R、11Lを開放する(S28)。尚、ステップS26で判定がNGの場合は(S26でN)、ステップS33へ進む。尚、ステップS23でICカードと交信を開始しない場合(S23でN)や、ステップS24で記録情報が正しく読み込まれない場合(S24でN)は、それぞれステップS29に進む。
【0023】
一方、ステップS21で、上流側センサがONしない場合は(S21でN)、制御部16は、下流側に配置された人間検知センサ12c又は/及び12dがONになるか否かを監視する(S29)。人間検知センサ12c又は/及び12dがONにならない場合は(S29でN)、ステップS21に戻って上流側のサンサの状態を監視する。ステップS29で人間検知センサ12c又は/及び12dがONになると(S29でY)、スイッチ23を駆動して中点aと接点bを接続し出口アンテナ7をリーダライタ本体1と接続する(S30)。利用者は自分が保有するICカードを出口アンテナ7に近接すると、磁力線がICカードのループアンテナと電磁結合する。それにより、ICカードは活性化されてリーダライタ本体1とポーリングを開始する(S31でY)。そして、ICカードに記録された記録情報が正しく読み込まれたか否かを判断し(S32)、正しく読み込まれた場合は(S32でY)、ステップS25に進む。ステップS32でICカードの記録情報が正しく読み込まれない場合は(S32でN)、スピーカ6から警報を発して、表示部9にアラーム内容を表示し(S33)、開閉扉11R、11Lを閉止する(S34)。
【符号の説明】
【0024】
1 リーダライタ本体、2 入口アンテナ、3、4 リーダライタ、5、6 スピーカ、7 出口アンテナ、8、9 表示部、10 自動改札機本体、11 開閉扉、12 人間検知センサ、13 制御装置、14 通信制御部、15 メモリ、16 制御部、17 扉駆動ユニット、18 表示画面駆動ユニット、19 ICカード、20 駅制御装置、21 通信回線、22 ホストコンピュータ、100、110 自動改札機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行対象が通路を通行することの可否を該通行対象が保有する非接触情報記録媒体の記録情報に基づいて判定し、該通路を開閉制御する通路開閉装置であって、
少なくとも前記通路の一側方に配置された通路開閉装置本体と、
前記通路を開閉する開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する開閉駆動手段と、
前記通路開閉装置本体に設置された入口アンテナと、該入口アンテナを介して前記非接触情報記録媒体と電磁結合することにより前記記録情報を読み書きするリーダライタ本体と、を備えたリーダライタと、
前記入口アンテナの下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナと、
前記入口アンテナ、又は前記出口アンテナを介して前記リーダライタ本体が前記非接触情報記録媒体から読み取った前記記録情報に基づいて前記開閉駆動手段を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする通路開閉装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入口アンテナにより前記記録情報が正しく読取られない場合には警報を発すると共に、前記開閉駆動手段により前記開閉部材を閉止し、その後、前記出口アンテナにより前記記録情報が正しく読取られた場合には、前記警報を解除することを特徴とする請求項1に記載の通路開閉装置。
【請求項3】
前記出口アンテナは、前記入口アンテナから放射される磁力線と電磁結合する受電部により誘起された電流により磁力線を発生することを特徴とする請求項1又は2に記載の通路開閉装置。
【請求項4】
通行対象が通路を通行することの可否を該通行対象が保有する非接触情報記録媒体の記録情報に基づいて判定し、該通路を開閉制御する通路開閉装置であって、
少なくとも前記通路の一側方に配置された通路開閉装置本体と、
前記通路を開閉する開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する開閉駆動手段と、
前記通路内における前記通行対象の位置を検知する通行対象検知手段と、
前記通路開閉装置本体に設置された入口アンテナと、
前記入口アンテナの下流側に少なくとも一つ設置された出口アンテナと、
前記入口アンテナ、又は前記出口アンテナの何れか一方を選択するアンテナ選択手段と、
該アンテナ選択手段により選択されたアンテナを介して前記非接触情報記録媒体と電磁結合することにより前記記録情報を読み書きするリーダライタと、
前記通行対象検知手段により検知した前記通行対象の位置に基づいて前記アンテナ選択手段を制御すると共に、該アンテナ選択手段により選択されたアンテナを介して前記リーダライタが前記記録情報に基づいて前記開閉駆動手段を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の上流側にいることを検知した場合は、前記アンテナ選択手段により前記入口アンテナを選択し、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の下流側にいることを検知した場合は、前記アンテナ選択手段により前記出口アンテナを選択することを特徴とする通路開閉装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の上流側にいることを検知し、前記アンテナ選択手段により前記入口アンテナを選択したにも拘わらず、該入口アンテナから前記記録情報が読み取れない場合は、前記通行対象検知手段により前記通行対象が前記通行方向の下流側にいることを検知すると、前記アンテナ選択手段により前記出口アンテナを選択するように制御することを特徴とする請求項4に記載の通路開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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