説明

速乾性石膏製品

水と、少なくとも50重量%の硫酸カルシウム半水和物と、少なくとも3種の繰返し単位を用いて調製される特定のポリカルボキシレート分散剤と、を含むスラリーが作製される。第1の繰返し単位はビニルエーテル型繰返し単位である。第2の繰返し単位はマレイン酸型繰返し単位を含む。第3の繰返し単位はアクリル酸型繰返し単位を含む。このポリマー分散剤は、約20000〜約80000ダルトンの分子量を有する。この組成から作製されるスラリーは、作製時の水量を減少させて、乾燥速度を速め、乾燥コストを抑えることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、同時係属中の米国特許出願第11/152317号明細書(“Modifiers for Gypsum Products and Method of Using Them”)、米国特許出願第11/152323号明細書(“Method of Making a Gypsum Slurry with Modifiers and Dispersants”)及び米国特許第11/152404号明細書(“Effective Use of Dispersants in Wallboard Containing Foam”)(これらはすべて、参照されることにより本明細書に組み込まれる。)に関連する。
【発明の背景】
【0002】
本発明は、速乾性石膏製品に関する。より具体的には、従来の製品よりも短い乾燥時間で済む、石膏スラリー及びウォールボードに関する。
【0003】
石膏系建材は、建築において一般に用いられている。石膏で作製されたウォールボードは難燃性であり、ほとんどあらゆる形状の壁の構築に用いることができる。これは、主として内壁材及び天井材として用いられる。石膏は防音性を有する。また、損傷した場合、比較的容易に修繕又は交換することができる。ウォールボードには、塗装、染色及び壁紙を始めとする様々な装飾仕上げを適用することができる。これだけの利点があっても、なお比較的安価な建材である。
【0004】
ウォールボードパネルが低価格である1つの理由は、それらが、短時間で効率的なプロセスで製造されることである。硫酸カルシウム半水和物及び水を含むスラリーを用いてコアが形成されるが、スラリーは、攪拌機の下を移動する紙のカバーシート上に次々と堆積していく。第2の紙のカバーシートがその上に張りつけられ、得られる組立て品は、パネルの形状に形成される。硫酸カルシウム半水和物は十分な水と反応して、半水和物を、硫酸カルシウム二水和物結晶が絡み合ったマトリックスに変換し、それによって半水和物を硬化させ、堅固なものにする。こうして形成された連続ストリップは、焼き石膏が硬化するまでベルト上で運搬され、その後、ストリップは切断されて所望の長さのボードが形成される。そして、このボードは乾燥窯中を運搬され、過剰の水分が除去される。これらの工程の各々は数分しかかからないので、いずれかの工程の小さな変化は、製造プロセス全体の効率を低下させる可能性がある。
【0005】
スラリーを形成するために加えられる水の量は、水和反応を完了するのに必要な量より過剰である。過剰な水により、スラリーに十分な流動性が与えられ、スラリーが攪拌機から表装材上へ流出して、適切な幅及び厚さに成型されることが可能になる。製品が湿っている間は、非常に重くて動かしにくく、また、比較的壊れやすい。過剰な水は、蒸発させてボードから除去する。過剰な水を室温で蒸発させる場合、空気乾燥させる間、ウォールボードを積み重ね、保管するために、或いは、十分な乾燥時間を提供するのに十分な長さのコンベヤーを備えるために、かなり多くの空間が必要となるであろう。ボードが硬化して、ある程度乾燥するまでは、幾分壊れやすいので、押しつぶされたり、損傷したりしないようにボードを保護しなければならない。
【0006】
比較的短時間でボードを乾燥させるために、ウォールボード製品は通常、余分な水を高温で(例えば、乾燥器又は窯内で)蒸発させることによって乾燥させる。窯を建設し、高温で稼働させることは、特に化石燃料の価格が上昇している場合には比較的費用がかかる。製造コストの低減は、硬化石膏ボード中に存在する過剰な水(これは、後に蒸発によって除去される。)の量を減らすことによって実現することができると思われる。
【0007】
分散剤は、水及び硫酸カルシウム半水和物の混合物を流動化して、流動性を有するスラリーを作製するのに必要な水をより少なくするのに役立つものであり、石膏に使用されることが知られている。ナフタレンスルホネート分散剤はよく知られているが、効果が限られている。ポリカルボキシレート分散剤は、セメントではよく使用されるが、石膏ではそれほど使用されていない。「ポリカルボキシレート分散剤」という語によって表される化合物の種類は非常に多く、個々の化合物が、異なる媒質中でどのように反応するかを予測することは非常に困難である。
【0008】
ポリカルボキシレート分散剤に関する先行技術は多いが、どの化合物についても、それを用いて製造する製品に対する効果を予測することは困難である。ポリカルボキシレートは、一般に、セメントの流動性を改善することが知られている。このことは、必ずしも、ポリカルボキシレートが石膏製品に同様の結果をもたらすということを意味しない。石膏及びセメントは、ポリカルボキシレート溶液中で異なった分散の仕方をする可能性がある、異なった結晶形態を形成する。これらの水硬性材料の硬化時間は非常に異なり、そのため、セメントでは無視できるポリカルボキシレートの遅延効果が、石膏ウォールボードの硬化にとっては重大なものとなる。石膏製品の範囲内でもばらつきが存在し、ある石膏供給源に対して有効なポリカルボキシレートもあれば、そうでないものもある。石膏又はセメントにおけるポリカルボキシレートの効果が予測できないことは、製造プロセスの制約を前提とすると、低水分ウォールボード製品の作製を困難にする。
【0009】
ポリカルボキシレートは、分散剤として作用することに加えて、水硬性スラリーの硬化を遅らせることが知られている。セメントスラリーの硬化における数分の遅延は、ほとんど又は全く影響がないであろう。しかし、高速のウォールボード生産ラインでは、硬化の数分の遅れにより、柔らかすぎて切断できないボード、脆すぎて窯まで移動させられないボード、或いはさらに、コンベヤーの開口部からしみ出て、床上で硬化する石膏スラリーが生じる可能性がある。ウォールボードは、ナイフで切断される際、その後の取扱いに持ちこたえられるように、少なくとも50%硬化していることが好ましい。高用量のポリカルボキシレートを用いて、漆喰に対する水の比率が低い、流動性を有するスラリーを作製する場合、硬化時間が、ボード製造ラインの速度を遅くしなければならないほど遅れる可能性があり、効率を大幅に低下させる。
【0010】
さらに、ポリカルボキシレート分散剤の使用による硬化時間の遅れは、従来の硬化促進剤の添加によっては必ずしも克服できない。攪拌機への硬化促進剤の添加により硬化時間は減少するが、他方、スラリーが攪拌機を出る前に、二水和物結晶が形成され、スラリーの時期尚早な濃縮、流動性の低減、ひいては石膏ボードの強度の損失がもたらされる。したがって、硬化の遅延を克服するために硬化促進剤を使用することは、先ず第1に、ポリカルボキシレート分散剤を添加して流動性を増加させるという目的を無効にする恐れがある。
【0011】
窯での乾燥又は長い乾燥時間を要せずにウォールボードを作製可能な石膏スラリーが開発されれば、改善となるであろう。さらに、改善されたスラリーは、ポリカルボキシレート分散剤の使用に伴う硬化時間の増加なしに、速く乾燥するであろう。
【発明の概要】
【0012】
ポリカルボキシレート分散剤の使用に伴うこのような諸々の問題は、水と、少なくとも50重量%の硫酸カルシウム半水和物と、少なくとも3種の繰返し単位を用いて調製した特定のポリカルボキシレート分散剤と、を含むスラリーを対象とする本発明によって改善される。第1の繰返し単位はビニルエーテル型繰返し単位である。第2の繰返し単位はマレイン酸型繰返し単位を含む。第3の繰返し単位はアクリル酸型繰返し単位を含む。この組成から作製されるスラリーは、作製時の水量を減少させて、乾燥速度を速め、乾燥コストを抑えることを可能とする。このポリマー分散剤は、約20000〜約80000ダルトンの分子量を有する。
【0013】
本発明の石膏スラリーは、同じ分散剤濃度で比較して、従来のポリカルボキシレート分散剤を用いて作製した石膏スラリーよりも硬化時間の遅れが少ない。これは、硬化促進剤の必要性を減らすことによって、また、スラリー中の過剰水分量を減少させて乾燥コストを低減させることによって、石膏ウォールボードパネルの低価格化に貢献する。この分散剤はまた、他のポリカルボキシレート組成物よりも有効である。ポリカルボキシレートの量を減少させ、なおかつ、流動性を有するスラリーを得ることを可能とする。分散剤は、多くの場合、組成物中の比較的高価な部分であるので、製造コストを顕著に低減させることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【0014】
本発明の石膏スラリー及びウォールボードは、水と、硫酸カルシウム半水和物を含む水硬性材料と、特定のポリカルボキシレート分散剤と、の混合物から作製される。分散剤は、アクリル酸型繰返し単位と、マレイン酸型繰返し単位と、ポリオキシアルキルエーテル繰返し単位を含む繰返し単位と、を含むコポリマーである。
【0015】
水硬性材料は、硫酸カルシウム半水和物(漆喰又は焼き石膏としても知られる。)を少なくとも50%の量で含む。硫酸カルシウム半水和物の量は、好ましくは、少なくとも80%である。多くのウォールボード配合物において、水硬性材料は、実質的にすべて硫酸カルシウム半水和物である。硫酸カルシウム無水物の使用も意図されているが、20%未満の少量で用いることが好ましい。
【0016】
本発明の石膏スラリー又はウォールボードのもう一つの主要成分は、特定の分散剤である。当該分散剤は、米国特許第6777517号明細書(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)にさらに記載されている化合物クラスのサブクラスである。分散剤は、少なくとも3種の繰返し単位からの繰返し単位を含むコポリマーであり、好ましくは約20000〜約80000ダルトンの分子量を有する。コポリマーの分子量は、より好ましくは約30000〜約50000ダルトンである。繰返し単位は、任意の順序で(例えば、ポリマー骨格に沿ってランダムに配列した状態で)コポリマー中に存在することができる。
【0017】
第1の繰返し単位は、式Iに示される、アクリル酸型繰返し単位又はその誘導体である。Rは、水素原子、又は1〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基である。Xは、−OM、−O−(C2mO)−R、−NH−(C2mO)−Rであり、式中、Mは、水素、一価又は二価の金属陽イオン、アンモニウムイオン又は有機アミン基であり、aは、Mが一価又は二価の陽イオンであるかどうかに応じて、1/2又は1であり、mは2〜4であり、nは0〜200であり、Rは、水素原子、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、5〜8個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基、6〜14個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基である。好ましい第1の繰返し単位としては、アクリル酸及びメタクリル酸、又はその一価若しくは二価の金属塩が挙げられる。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、カルシウム又はアンモニウムである。
【0018】
【化1】

【0019】
第2の繰返し単位は、式IIに示されるビニルエーテル型繰返し単位である。Rは上述した通りであり、Rは、水素原子、又は1〜5個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基である。pは0〜3であり、mは2〜4であり、nは0〜200である。好ましくは、Rは、水素原子、又は1〜5個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、pは0〜3である。ポリエチレングリコールモノビニルエーテル(p=0及びm=2)の使用は特に有利であり、ここで、nは、好ましくは1〜50である。
【0020】
【化2】

【0021】
第3の繰返し単位は、式IIIに示される、マレイン酸型繰返し単位又はそのエステルである。式IIIにおいて、Rは、水素、又は1〜5個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基である。Sは、水素原子;カルボン酸;一価若しくは二価の金属陽イオン、アンモニウムイオン又は有機アミン基を含む酸性塩;或いは、3〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、5〜8個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基、又は6〜14個の炭素原子を有するアリール基、の酸エステルである。Tは、3〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基、5〜8個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基、又は6〜14個の炭素原子を有するアリール基、の酸エステルである。好ましいエステル化合物の例としては、ジ−n−ブチルマレイン酸若しくはフマル酸エステル、又はモノ−n−ブチルマレイン酸若しくはフマル酸エステルが挙げられる。
【0022】
【化3】

【0023】
モノマーの重合は、任意の通常の共重合法によって実施する。ポリマーを作製する好ましい方法は、米国特許第6777517号明細書(参照されることにより既に本明細書に組み込まれている。)に教示されている。いくつかの市販のポリカルボキシレート分散剤は、本発明に有用である。MELFLUX 2641Fは、Degussa Construction Polymers、GmbH(Trostberg Germany)の製品であり、Degussa Corp.(Kennesaw、GA)(以下、“Degussa”という。)によって2641 Dispersantシリーズとして供給されている(MELFLUXは、Degussa Construction Polymers GmbHの登録商標である)。これは、修飾ポリエーテルカルボキシレートを噴霧乾燥することによって作製された自由流動性粉末である。
【0024】
このシリーズの好ましいポリカルボキシレート分散剤としては他に、DegussaのMELFLUX 2651F分散剤及びMELFLUX 2500L分散剤、並びにオキシアルキレンアルキルエーテル、マレイン酸及びアクリル酸の繰返し単位をベースとする他のポリカルボキシレート分散剤が挙げられる。MELFLUX 2500Lは、一般に水性懸濁液中に43〜45重量%の固体を含む液体分散剤である。液体分散剤の計量において、分散剤の用量の計算の際はポリマー固体のみを考慮し、分散剤中の水は、使用する水の全量を決定する場合に考慮する。
【0025】
多くのポリマーは、同じ3種の繰返し単位を用いて、それらの配分を変化させて作製することができる。酸含有繰返し単位とビニルエーテル含有繰返し単位との比は、電荷密度に直接関係する。コポリマーの電荷密度は、好ましくは約300〜約3000μeq(μequiv. charges)/gコポリマーである。このクラスの分散剤のうち、試験した分散剤の中で水の低減について最も有効であった分散剤、2651は、最も高い電荷密度を有することが判明している。
【0026】
しかし、電荷密度の増加は、さらに分散剤の遅延効果の増大をもたらすことも判明している。低電荷密度の分散剤(例えば、MELFLUX 2500L)は、高電荷密度を有する2651分散剤よりも硬化時間の遅延が小さい。硬化時間の遅延は、高電荷密度の分散剤で得られる効果の増大とともに増加するので、少ない水、良好な流動性、及び妥当な硬化時間でスラリーを作製するには、電荷密度を中間範囲に維持することが必要となる。コポリマーの電荷密度は、約600〜約2000μeq/gコポリマーの範囲にあることがより好ましい。
【0027】
本発明のポリカルボキシレート分散剤は十分に有効であり、他の分散剤と組み合わせる必要がないことも注目される。ウォールボード、及びウォールボードが作製されるスラリーは、ナフタレン型分散剤を含んでも含まなくてもよい。しかし、分散剤の効果は、攪拌機中の計量水に分散剤の一部を加え、泡(石膏スラリー中に混合される。)の形成に使用されるセッケン水中に分散剤の一部を加えることによって、さらに改善されることが判明している。本発明のいくつかの実施形態では、2種の異なる分散剤が攪拌機中及び泡中で用いられる。例えば、攪拌機中ではMELFLUX 2500Lが、泡中ではナフタレンスルホネート分散剤が用いられる。この方法により、泡のサイズ及び分散剤の効果の制御が可能となる。この方法は、同時係属中の米国特許第11/152404号明細書(“Effective Use of Dispersants in Wallboard Containing Foam”)(参照されることにより既に本明細書に組み込まれている。)の請求の範囲に記載されている。
【0028】
水は、石膏ボードパネルを作製するのに有用な任意の量で存在する。流動性を有するスラリーを作製するのに十分な水が乾燥成分に加えられる。適切な水の量は、すべての焼き石膏を水和させて硫酸カルシウム二水和物を形成するのに必要な量、の75%を超える量である。正確な水の量は、少なくともある程度は、製品が使用される用途、並びに使用する添加剤の量及び種類によって決定される。水の含有量は、ある程度は、使用される焼き石膏の種類によって決定される。α−焼成漆喰は、β−焼成漆喰と同じ流動性を実現するのに、より少ない水で済む。水及び漆喰の比は、乾燥した焼き石膏の重量と比較した水の重量に基づいて計算される。好ましい比は約0.2:1〜約1:1である。本発明のいくつかの実施形態で用いることが意図されている水の使用量は、水硬性成分を水和するのに理論的に必要な水の使用量、すなわち漆喰1ポンド当たり水約0.19ポンド、よりも少ない量である。
【0029】
スラリーの作製に用いる水は、スラリー及び硬化プラスターの両方の特性を最善に制御するために、できるだけ純粋なものが好ましい。塩及び有機化合物は、促進剤から硬化阻害剤まで幅広く変化して、スラリーの硬化時間を調整することがよく知られている。不純物の中には、二水和物結晶形態のインターロッキングマトリックスのような構造に不規則性をもたらし、硬化した製品の強度を低下させるものがある。したがって、製品の強度及び硬度は、できるだけ混入物のない水を使用することによって高められる。
【0030】
本発明のポリマーは、任意選択の調整剤の存在下で効果が増大する。石膏製品における調整剤の使用は、同時係属中の米国特許出願第11/152317号明細書(“Modifiers for Gypsum Products and Method of Using Them”)(参照されることにより既に本明細書に組み込まれている。)に開示されている。調整剤の正確な機能は未知であるが、同量の水の要求量において、ポリカルボキシレートを減量させ、それによって、コスト及び硬化遅延を減少させる。石灰は任意選択の調整剤であり、約0.05〜約0.5重量%の量で使用される。好ましい調整剤の他の例は、炭酸ナトリウム又はソーダ灰、炭酸カリウム、及びpHを著しく上昇させないでポリカルボキシレートとともに良好に機能する他の調整剤である。他のカーボネート、水酸化物、シリケート、ホスホネート、ホスフェート及びセメントも調整剤として有用である。現時点では、調整剤がどのように作用してポリカルボキシレートの効果を高めるのかは正確には知られていない。調整剤及び分散剤は、半水和物の添加の前に、攪拌機の水に加えることが好ましい。調整剤及び分散剤の両方が乾燥形態である場合、それらは、予め互いにブレンドし、漆喰とともに加えることができる。調整剤は、分散剤が焼き石膏と接触した後にスラリーに加えると、効果が弱まる。同時係属中の米国特許出願第11/152323号明細書(“Method of Making a Gypsum Slurry with Modifiers and Dispersants”)(参照されることにより既に本明細書に組み込まれている。)に開示されているように、調整剤は、焼き石膏の添加の前に、水及び分散剤と実質的に混合されていることが好ましい。
【0031】
別の好ましい方法は、調整剤及び分散剤を乾燥形態で入手し、それらを乾燥漆喰とともに予め混合することである。
【0032】
基本的な石膏スラリーに加えて、石膏組成物は、石膏に特定の性質を与える添加剤を任意選択で含む。硬化遅延剤(最大約2lb./MSF(9.8g/m))又は乾燥促進剤(最大約35lb./MSF(170g/m))を加えることによって、水和反応が起こる速度が調整される。“CSA”は、95%の硫酸カルシウム二水和物を5%の糖とともに粉砕し、250°F(121℃)まで加熱して糖をカラメル化させた硬化促進剤である。CSAは、United States Gypsum Company(Southard、OK)の工場から入手可能であり、米国特許第3573947号明細書(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)に従って製造される。硫酸カリウムは、別の好ましい促進剤である。HRAは、硫酸カルシウム二水和物100ポンド当たり糖5〜25ポンドの比率で糖とともに粉砕した直後の硫酸カルシウム二水和物である。これは、米国特許第2078199号明細書(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)にさらに説明されている。これらはいずれも好ましい促進剤である。
【0033】
湿式石膏促進剤(wet gypsum accelerator)として知られる別の促進剤も、好ましい促進剤である。湿式石膏促進剤の使用及び製造方法の説明は、米国特許第6409825号明細書(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)に開示されている。この促進剤は、有機ホスホン酸化合物、ホスフェート含有化合物又はそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む。この促進剤はかなりの長寿命を示し、使用前に当該湿式石膏促進剤の製造、保管、さらに長距離の輸送が可能な程度に長期間、効果を持続する。この湿式石膏促進剤は、ボード製品1000平方フィート当たり約5〜約80ポンド(24.3〜390g/m)の範囲の量で使用される。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、最終製品の1つ又は複数の特性を改変するために、石膏スラリー中に添加剤を含有させる。添加剤は、当分野で既知の方法及び量で用いられる。濃度は、完成したボードパネル1000平方フィート(“MSF”)当たりの量で表される。デンプンは、密度を増加させ、製品を強固にするために、約3〜約20lbs./MSF(14.6〜97.6g/m)の量で用いられる。ガラス繊維は、任意選択で、少なくとも11lb./MSF(54g/m)の量でスラリーに加えられる。紙繊維も、最大15lb./MSF(73.2g/m)の量でスラリーに加えられる。ワックスエマルジョンは、完成した石膏ボードパネルの耐水性を改善するために、最大90lbs./MSF(0.4kg/m)の量で石膏スラリーに加えられる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、起泡剤を用いて硬化石膏含有製品中に空隙を生じさせて、その重量を軽くするが、ここでは、発泡硬化石膏製品の調製に有用であることが知られている任意の起泡剤を使用することができる。このような起泡剤の多くは周知であり、市場で容易に入手可能である。例としては、GEO Specialty Chemicals(Ambler、PA)のHYONICセッケン製品ラインが挙げられる。泡及び発泡石膏製品の好ましい作製方法は、米国特許第5683635号明細書(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)に開示されている。泡が製品に加えられる場合、米国特許出願第11/152404号明細書(“Effective Use of Dispersants in Wallboard Containing Foam”)(参照されることにより既に本明細書に組み込まれている。)に教示されているように、攪拌機に加えられる分散剤に加えて、任意選択で、第2の分散剤が泡水に加えられる。
【0036】
トリメタホスフェート化合物は、いくつかの実施形態において、製品の強度を高め、硬化石膏の耐たわみ性を低減するために、石膏スラリーに加えられる。このトリメタホスフェート化合物の濃度は、好ましくは、焼き石膏の重量に対して約0.07〜約2.0%である。トリメタホスフェート化合物を含む石膏組成物は、米国特許第6342284号明細書及び第6632550号明細書(いずれも、参照されることにより本明細書に組み込まれる。)に開示されている。代表的なトリメタホスフェート塩としては、トリメタホスフェートのナトリウム塩、カリウム塩又はリチウム塩(例えば、Astaris、LLC(St.Louis、MO)から入手可能なもの)が挙げられる。トリメタホスフェートを、石灰、又はスラリーのpHを上昇させる他の調整剤とともに使用する場合は、注意が必要である。約9.5より高いpHでは、トリメタホスフェートは、製品を強化する能力を失い、スラリーは、遅延性の大きなものとなる。
【0037】
ウォールボードへの他の可能な添加剤は、カビ、白カビ又は菌類の成長を低減するための殺生物剤である。選択される殺生物剤及びウォールボードの使用目的に応じて、殺生物剤は、外被、石膏コア又は両方に加えることができる。殺生物剤の例としては、ホウ酸、ピリチオン塩及び銅塩が挙げられる。殺生物剤は、外被又は石膏コアのいずれにも加えることができる。殺生物剤を用いる場合、殺生物剤は、500ppm未満の量で外被中に使用される。
【0038】
さらに、石膏組成物は、任意選択で、デンプン(例えば、アルファ化デンプン及び/又は酸修飾デンプン)を含むことができる。アルファ化デンプンを含めることにより、硬化乾燥した石膏成型体の強度が増大し、水分の増加した条件下(例えば、焼き石膏に対する水の比率が上昇した場合)の紙の剥離のリスクが最小化又は回避される。当業者であれば、生デンプンをアルファ化する方法(例えば、生デンプンを少なくとも約185°F(85℃)の温度の水で調理する、等)が分かるであろう。アルファ化デンプンの適当な例としては、これらに限られないが、Lauhoff Grain Companyから市販されているPCF 1000デンプン、並びにArcher Daniels Midland Companyから市販されている、AMERIKOR 818デンプン及びHQM PREGELデンプンが挙げられる。アルファ化デンプンを含める場合、アルファ化デンプンは、任意の適当な量で存在する。例えば、アルファ化デンプンを含める場合、アルファ化デンプンは、硬化石膏組成物の約0.5〜約10重量%の量で存在するように、硬化石膏組成物の形成に用いられる混合物に加えることができる。USG95(United States Gypsum Company、Chicago、IL)等のデンプンを、コア強度のために加えてもよい。
【0039】
製品の特定の性質を改変するために、必要に応じて、他の既知の添加剤を用いることができる。糖(デキストロース等)は、ボードの端部での紙の接着を改善するために用いられる。ワックスエマルジョン又はポリシロキサンは、耐水性のために用いられる。剛性が必要な場合は、一般にホウ酸が加えられる。難燃性は、バーミキュライトを添加することによって改善することができる。このような既知の添加剤は、本発明のスラリー及びウォールボード配合物中において有用である。
【0040】
個々のウォールボードパネルは、当分野で知られているように、バッチプロセスで作製することができるが、より一般的には、石膏ボードは、連続的なプロセスで、長いパネルに形成され、所望の長さのパネルに切断される。形成された表装材が得られると、石膏スラリーを受ける場所に置かれる。表装材は、所望の仕上がり寸法のパネルを作製するのに2回の切断のみを必要とする連続した長さのパネルを形成可能な幅のものであることが好ましい。紙、ガラスマット及びプラスチックシートを始めとする任意の既知の表装材が、ウォールボードパネルの作製に有用である。表装は、多層紙表装であることが好ましい。表装材は、連続的にボードの製造ラインに送られる。
【0041】
スラリーは、乾燥成分及び湿潤成分を一緒に混合することによって形成される。スラリーの乾燥成分である、焼き石膏及び乾燥した添加剤は、攪拌機に入れる前に一緒にブレンドされる。水は計量して攪拌機中に直接注がれる。液体の添加剤が水に加えられ、これらは、攪拌機を短時間稼働してブレンドされる。この配合物に1種又は複数種の調整剤を用いる場合、調整剤は、漆喰を添加する前に、分散剤とともに攪拌機に加えるのが好ましい。乾燥成分が、攪拌機中の液体に加えられ、乾燥成分が濡れるまでブレンドされる。
【0042】
漆喰に対する水の比率を低下させる場合は、攪拌機にかかる負荷に注意を払う必要がある。スラリーの水が減少すると、混合中に、組成物の粘性が増加する。流動性を有する混合物を生成させるのに十分な量の分散剤を加える場合でも、分散剤が石膏粒子を分散させる前の初期の混合中に、最も重い負荷が発生する。混合時間を長くしても、最終製品への有害な影響はない。
【0043】
次いで、スラリーは、均一なスラリーを実現するために混合される。通常、得られるコア材の密度を制御するために、水性泡がスラリー中に混合される。このような水性泡は、通常、適切な起泡剤、水及び空気の高剪断混合によって生成され、その後、スラリー中に導入される。泡は、攪拌機内のスラリー中に挿入するか、或いは、好ましくは、スラリーが放出管で攪拌機を出る際に、スラリー中に挿入することができる。例えば、米国特許第5683635号明細書(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)を参照されたい。石膏ボード工場では、固体及び液体が頻繁に攪拌機に連続的に加えられ、他方、得られるスラリーは攪拌機から連続的に放出され、攪拌機内の平均滞留時間は30秒未満である。
【0044】
スラリーは、放出管を通じて攪拌機から1つ又は複数の放出口に連続的に分配され、表装材を運搬している移動中のコンベヤー上に堆積され、パネルに形成される。場合により、別の紙のカバーシートが、得られる石膏パネルの表装部となる移動中の2枚のカバーシートの間にスラリーが挟まれるように、スラリーの上面に配置される。得られるボードの厚さは成型板によって制御され、ボードの縁部は、重なっている紙の縁部に、連続的に折り目をつけ、折りたたみ、それを接着剤で接着させる適切な機械装置によって形成される。追加のガイドは、硬化中のスラリーが移動中のベルト上を移動する際、厚さ及び幅を維持する。形状が維持されている間、焼き石膏は、十分な条件下(すなわち約120°F未満)に維持されることによって、水の一部と反応して硬化し、石膏結晶のインターロッキングマトリックスを形成する。次いで、ボードパネルは切断され、形を整えられ、乾燥器に送られて、まだ幾分湿った硬化ボードを乾燥させる。
【0045】
2段階乾燥プロセスを利用することが好ましい。パネルは先ず高温の窯に曝し、これによって、ボードが急速に加熱され、過剰の水が追い出され始める。窯の温度及びボードの滞留時間は、パネルの厚さで変動する。例えば、1/2インチ(12.7mm)のボードは、300°F(149℃)を超える温度で、約20〜50分間乾燥させることが好ましい。表面の水が蒸発するにつれて、毛管作用によってパネルの内部から水が引き出され、表面の水と置き換わる。比較的急速な水の移動は、デンプン及びピリチオン塩の紙への移動を助ける。第2段階の乾燥器の温度は、ボードの焼成を制限するために300°F(149℃)未満である。
【0046】
下記実施例では、スランプ試験を用いて試料の流動性を測定し、また、硬化及びビカー硬化時間を用いて、様々な組成物の硬化時間を比較した。すべての乾燥成分は、計量し、一緒に乾燥ブレンドした。乾燥成分は、正確を期すために、ロスインウェイトフィーダーを介して攪拌機に送出した。液体成分は、正確な配合のために計量し、蠕動ポンプで連続攪拌機中に供給した。
【0047】
スラリー試料は、プラスチックシート上に置いた2”×4”(5cm×10cm)のシリンダーに、シリンダーよりわずかに過剰にして注いだ。過剰の材料は上面からスクリードで平らにし、次いで、シリンダーを滑らかに持ち上げ、スラリーを底部から流出させ、パテを作製した。パテは、90°離れた2方向で測定し(±1/8”)、その平均をパテの直径として報告した。
【0048】
300gのビカー針を垂直な位置でスラリーパテに通す。針が塊を通される際に、スラリーが針の後方の溝をふさがなくなるまで、この作業を続ける。スラリーが攪拌機の放出管から最初に採取された時点からの硬化時間を報告する。
【0049】
硬化時間の基準については、ASTM C−472(参照されることにより本明細書に組み込まれる。)でビカー硬化時間を参照する。ビカー硬化時間は、スラリーが攪拌機の放出管から最初に採取された時点を起点とした。
【0050】
〔実施例1(比較例)〕
各試料について、400グラムのSouthard PST漆喰を計り取った。本発明によって規定されるクラスの範囲外の分散剤を、流動性及び遅延性について試験した。水を加える前に、表Iに示す量のMELFLUX 1641F分散剤及びCSA促進剤を漆喰に加え、一緒に回転ドラムに掛けて混合した。この漆喰混合物に、表Iに示す量の水を加えた。この組成物を、上記の指示に従って混合した。各用量について、パテサイズ及びビカー硬化時間の試験を実施した。結果を表Iに示す。
【0051】
【表1】

【0052】
上記に示されるように、分散剤の濃度が増加するにつれて、流動性及び硬化時間のいずれもが減少した。
【0053】
〔実施例2〕
上記実施例1と同様の方法を用いて、本発明の3種の分散剤を試験した。MELFLUX 2500L分散剤に関する結果を含めて、結果を表IIに示す。
【0054】
【表2】

【0055】
上記に示したように、2641及び2651分散剤は、硬化時間を著しく増加させずに高流動性の混合物を作製する能力において、基剤のMELFLUX 2500L分散剤と同程度に、又はこれよりも良好であり、比較例のMELFLUX 1641F分散剤よりも良好である。
【0056】
〔実施例3〕
以下の表IIIは、本発明の3種の繰返し単位の分散剤を用いて、又はこの分散剤なしで形成される石膏ウォールボードパネルの配合を示す。分散剤ありの場合及び分散剤なしの場合の1/2”ボードの配合が示されている。特に断らない限り、成分の量は、ボード製品1000平方フィート(“MSF”)当たりのポンドで記載されている。1平方メートル当たりのグラムで表したメートル法換算値は、英国単位の横の括弧内に報告している。
【0057】
【表3】

【0058】
上記の配合に示されるように、3繰返し単位系の使用により、水の要求量を低減させてウォールボードを形成することが可能となり、それによって、乾燥のためのエネルギー費用が低減される。
【0059】
〔実施例4〕
ポリカルボキシレートの効果は、用いる漆喰によって変動する。表IVは、様々な石膏供給源からの石膏スラリーと本発明のポリカルボキシレートとの反応を示す。MELFLUX 2500Lを種々の石膏とともに用いることによって、パテ試験で測定される所与の流動性を有するスラリーを作製するのに必要なWSRを決定した。
【0060】
各試験について、400グラムの漆喰をCSA及びMELFLUX 2500L分散剤と混合した。直径20cmのパテを作製するのに十分な水を加えた。添加後、タイマーを始動し、水及び乾燥成分を実験室用ブレンダー中で15秒間浸漬させ、次いで、15秒間混合した。ビカー硬化判定用のワックス裏打ちカップとともに、自動試験装置中の2”×4”のスランプシリンダーを、試料で満たした。
【0061】
シリンダーの上面を、スクリードを用いて平らにし、シリンダーを持ち上げて、スラリーを滑らかな表面上に自由に流出させた。パテの流れが止まった時点で、直径を2方向で測定し、0.1cm未満を四捨五入した平均値を結果として記録した。他方、針が塊を通される際に、スラリーが針の後方の溝をふさがなくなるまで、ビカー針をスラリーに通した。プラスター及び水が最初に接触した時点から、スラリーが溝を満たさなくなるまでの硬化時間を報告する。上述したように、ビカー硬化時間に到達するまで、スラリーのモニタリングを続ける。
【0062】
各漆喰供給源について、乾燥重量ベースで0%、0.1%、0.3%及び0.5%の分散剤で試験を行った。各分散剤濃度において、水及びCSAの量を変化させて、一定のパテサイズ(±1/8”)、及び2分±15秒の硬化時間を維持した。
【0063】
結果を表IVに示す。
【表4】

【0064】
上記のデータから分かるように、種々の漆喰と1種の分散剤との反応には、大きな予測不可能性が存在する。試験した6種の漆喰供給源のうち、2種は、本発明の分散剤を0.1%加えることにより、WSRを約25%減少させた。試験した漆喰のうちの2種、Detroit及びRanierは、0.1%のMELFLUX 2500L分散剤の添加に対してほとんど反応を示さなかった。Detroitの漆喰は、0.1%及び0.3%の分散剤の間で最大のWSRの変動を生じ、また、最大の総変動(0%及び0.3%の分散剤の間)を生じた。0.3%のMELFLUX 2500L分散剤の添加により、Detroitの漆喰ではWSRを0.34減少させることができるが、East Chicagoの漆喰では0.24しかWSRを減少させることができない。
【0065】
石膏スラリー及びこれを用いて作製されるウォールボードの組成に関する特定の実施形態を示し、説明してきたが、より広い態様における、また、特許請求の範囲に示される本発明から逸脱することなく、上記実施形態に変更及び修飾を加えることができることは、当業者に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、
少なくとも50%の硫酸カルシウム半水和物を含む水硬性材料と、
20000〜80000ダルトンの範囲の分子量を有し、ビニルエーテル型繰返し単位、アクリル酸型繰返し単位及びマレイン酸型繰返し単位を含むポリカルボキシレート分散剤と、
を含む石膏スラリー。
【請求項2】
前記水硬性材料が、少なくとも80重量%の硫酸カルシウム半水和物を含む、請求項1に記載のスラリー。
【請求項3】
前記水硬性材料が本質的に硫酸カルシウム半水和物からなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項4】
前記スラリーが湿式石膏促進剤をさらに含む、請求項1に記載のスラリー。
【請求項5】
前記繰返し単位がランダムな順序で一緒に結合して、前記ポリカルボキシレート分散剤を形成している、請求項1に記載のスラリー。
【請求項6】
前記ポリカルボキシレート分散剤の電荷密度が、300〜3000μeq/gコポリマーの範囲にある、請求項1に記載のスラリー。
【請求項7】
前記電荷密度が、600〜2000μeq/gコポリマーの範囲にある、請求項6に記載のスラリー。
【請求項8】
前記スラリーがナフタレン分散剤を含まない、請求項1に記載のスラリー。
【請求項9】
前記分子量が、好ましくは30000〜50000ダルトンの範囲にある、請求項1に記載のスラリー。
【請求項10】
少なくとも一片の表装材が石膏コアに付着したウォールボードパネルであって、
前記コアが、
水と、
少なくとも50%の硫酸カルシウム半水和物を含む水硬性材料と、
ビニルエーテル型繰返し単位、アクリル酸型繰返し単位及びマレイン酸型繰返し単位を含むポリカルボキシレート分散剤と、
を含むスラリーから作製されているウォールボードパネル。
【請求項11】
前記水硬性材料が、少なくとも80%の硫酸カルシウム半水和物を含む、請求項10に記載のウォールボード。
【請求項12】
前記水硬性材料が本質的に硫酸カルシウム半水和物からなる、請求項11に記載のウォールボード。
【請求項13】
前記ポリカルボキシレート分散剤の電荷密度が、300〜3000μeq/gコポリマーの範囲にある、請求項10に記載のウォールボード。
【請求項14】
前記スラリーがナフタレン分散剤を含まない、請求項10に記載のウォールボード。
【請求項15】
前記コアがトリメタホスフェート化合物をさらに含む、請求項10に記載のウォールボード。
【請求項16】
石灰、コンクリート、シリケート、ホスフェート、ホスホネート及びカーボネートからなる群のうちの少なくとも1種を含む調整剤をさらに含む、請求項11に記載のウォールボード。
【請求項17】
前記調整剤が、ソーダ灰、炭酸カリウム、石灰及びセメントからなる群のうちの少なくとも1種を含む、請求項16に記載のウォールボード。

【公表番号】特表2008−543715(P2008−543715A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516877(P2008−516877)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/018123
【国際公開番号】WO2006/137997
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(596172325)ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー (100)
【Fターム(参考)】