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造影イメージング用の気体封入マイクロベシクル・アセンブリー
説明

造影イメージング用の気体封入マイクロベシクル・アセンブリー

本発明は、気体封入マイクロベシクルおよび該マイクロベシクルの外面に静電相互作用によって会合でき、これによってマイクロベシクルの物理化学的性質を変性する構造実体(マイクロベシクルの会合成分,MCA)から成るアセンブリーを提供する。該MCAは必要に応じて、標的配位子、対生物活性剤、診断剤またはこれらの組合せを含有してもよい。本発明のアセンブリーは、気体封入マイクロバブルまたはマイクロバルーンおよび100nm以下の直径を有するMCA(特にミセル)から形成でき、かつ診断上および/または治療上活性な配合物の活性成分として、特に標的超音波イメージングを含む超音波造影イメージング、超音波−仲介薬物デリバリーおよび他のイメージング技法、たとえば分子共鳴イメージング(MRI)または核イメージングの分野でのイメージングを高めるのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1成分として気体封入マイクロベシクル(微小胞)(gas−filled microvesicle)および第2成分としてマイクロベシクルの外面に会合でき、これによってマイクロベシクルの物理化学的性質を変性する構造実体(structural entity)から成るアセンブリーに関する。該第2成分は必要に応じて、標的配位子、対生物活性剤(生体活性物質)、診断剤またはこれらのいずれかの組合せを含有してもよい。さらに本発明は、該アセンブリーを含有する配合物、該配合物の使用、該アセンブリーや配合物の製造法、および該アセンブリーを含有する診断キットに関する。本発明のアセンブリーは、診断上および/または治療上活性な配合物(製剤)の活性成分として、特に標的超音波イメージングを含む超音波造影イメージング(contrast imaging)および/または超音波−仲介薬物デリバリーおよび他のイメージング技法、たとえば分子共鳴イメージング(MRI)または核イメージングの分野でのイメージングを高めるのに使用することができる。
【背景技術】
【0002】
近年の超音波造影剤の急速な開発は、人体あるいは動物体の器官や組織の超音波イメージングに有用な、種々幾つかの配合物(製剤)をもたらしている。これらの造影剤は主に、たとえばB−モード画像形成(後方散乱組織特性の空間的分布に基づく)またはドップラー・シグナルプロセシング(血液もしくは液体流パラメーターを測定する超音波エコーの持続波またはパルス処理ドップラープロセシングに基づく)を用いる、医療超音波検査装置の使用と共に、静脈内または動脈内への注射可能物質として使用できるようになっている。
超音波造影剤として有用な注射可能配合物の種類としては、数ミクロンの直径を有する気泡が水性媒体に分散した懸濁液が挙げられる。
【0003】
有効な超音波レフレクターとして、担体液体中の気泡懸濁液の使用は、当該分野で周知である。超音波イメージングの向上のための超音波製剤(echopharmaceuticals)としてマイクロバブル懸濁液の開発は、水溶液の急静脈内注射によって溶解した気体がバブル形成により溶液から出てこれることの早期観測に追随した。血液との音響インピーダンスにおける実質的な差に基づき、これらの血管内気泡は超音波の優れたレフレクターであることがわかった。担体液体中の気泡懸濁液の、生きた生体の血流への注射は、超音波検査イメージングを強力に補強せしめ、これによって内部器官の可視化が高まる。器官や根深い組織のイメージングは、医療診断の確立が困難となりうるので、高濃度の気泡を有する安定な懸濁液(これは同時に調製や投与が簡単で、最小限の不活性種を含有し、かつ長期保存や簡素投与ができるものである)の開発に対し、多大な努力が払われている。
【0004】
しかしながら、水性媒体中の自由気泡の単純な分散液は、実用的な重要性に限界があり、何故なら、これらの気泡は一般に、超音波造影剤として有用となるのに十分な安定性がないからである。
従って、超音波検査や他の超音波実験用の気泡をたとえば乳化剤、オイル、増粘剤もしくは糖を用いて安定化する方法、あるいは気体もしくはその前駆体を種々の系に閉じ込めもしくは封入による方法に対し、関心が示されるようになった。これらの安定化された気泡は一般に、当該分野において“マイクロベシクル(微小胞)”と称せられ、2つの主なカテゴリーに分けることができる。
【0005】
安定化気泡もしくはマイクロベシクルの第1カテゴリーは一般に、当該分野において、“マイクロバブル(microbubbles)”と称せられ、気体と液体界面に位置する安定化両親媒性物質を必要とする非常に薄いエンベロープ(envelope、囲い)(薄膜)によって、気体/液体界面で気体のバブルとバブルの結合している水性懸濁液が挙げられる。マイクロバブル懸濁液は典型例として、粉末の両親媒性物質、たとえば凍結乾燥した予備形成リポソームまたは凍結乾燥もしくは噴霧乾燥リン脂質溶液を、空気または他の気体と接触、次いで水性担体と接触させ、その間攪拌しながらマイクロバブル懸濁液を生成することによって製造され、次いでこれを好ましくはその製造のすぐあとに投与することができる。
【0006】
気体マイクロバブルの水性懸濁液の具体例およびその製法は、たとえばUS5271928、US5445813、US5413774、US5556610、5597549、US5827504およびWO04/069284に開示されている。
マイクロベシクルの第2カテゴリーは一般に、当該分野において、“マイクロバルーン(microballoons)”または“マイクロカプセル(microcapsules)”と称せられ、気体のバブルが脂質または天然もしくは合成ポリマーの固体物質エンベロープで包囲されている懸濁液が挙げられる。マイクロバルーンの具体例およびその製法は、たとえばUS5711933およびUS6333021に開示されている。
【0007】
全正味電荷(overall net charges)を帯びているマイクロベシクルも公知であり(たとえば国際特許出願WO97/29783参照);これらのマイクロベシクルの外部エンベロープは、最終マイクロベシクルに所望の全電荷を付与しうるイオン性化合物を含有する。
これらの気体封入マイクロベシクルの配合物に加えて、より最近では、診断効果の改善および/または治療目的のため、気体封入マイクロベシクルの変性配合物の方への関心も示されている。
【0008】
たとえば、マイクロベシクルは、患者の体内の限定標的、たとえば特定病原部位に結合しうる特定成分(“標的配位子”として公知)と会合することができる(たとえばその境界エンベロープにおける混入により)。これらの配合物は一般に、当該分野において、“標的マイクロベシクル”として知られている。標的マイクロベシクルの具体例、標的配位子の具体例およびそれらの製法は、たとえば国際特許出願WO98/18051に開示されている。
【0009】
変性配合物の別の具体例は、治療剤がマイクロベシクルと会合しているものである。マイクロベシクルを含有する配合物が病原部位に到達すると、たとえば該マイクロベシクルを破裂しうる制御音響エネルギーを加えることによって、薬物を有利に放出させることができ、このようにして治療剤は局所放出される。この技法は一般に、当該分野において、“超音波−仲介薬物放出”として知られている。治療剤を含有するマイクロベシクル配合物の具体例は、たとえば国際特許出願WO94/28873に開示されている。
【0010】
当該分野でのさらなる発展は、マイクロベシクルが、所望の治療剤あるいは標的化合物を有する第2成分と会合しているアセンブリーの製造に導いた。
たとえばWO99/39738に、気体封入マイクロベシクルおよび該マイクロベシクルと会合する液体封入リポソームから成るアセンブリーが開示され、この場合のリポソームは、中に治療上活性な物質を含有する。リポソームは、マイクロベシクルとの単なる混合によって、あるいは結合対間の結合を介してマイクロベシクルと会合し、マイクロベシクルおよびリポソームのそれぞれに、上記対の各相補部分(たとえばビオチンとアビジンまたはストレプトアビジン),2つの内1つを有する成分が備えられている。
【0011】
WO03/015831に、気体封入マイクロベシクル(この出願では“微小球”)がリポソームに会合して成る配合物(微小球−リポソーム複合物と称す)が開示されている。該複合物のリポソームは、薬物および/または標的部分を含有しうる。複合物を形成するマイクロベシクルとリポソームは、同じ出発物質から作られ;複合物は、脂質混合物を含有する水溶液を調製し、該水溶液を所望の気体を有する密封バイアルに入れ、最後に水溶液をかきまぜることにより得られる。すなわち、このようにして得られる複合物は、同じ化学的性質を有するマイクロベシクルとリポソームの単純な混合物である。特にこの出願明細書には、マイクロベシクルとリポソーム間の特異的な化学的または物理的相互作用の開示はない。
【0012】
さらに、国際特許出願WO99/53963に、水性媒体に分散しかつある物質で安定化された気体封入マイクロベシクルを含有する第1組成物と、エマルジョンを安定化する物質を含有する油/水型エマルジョンである第2組成物から成る組合せ配合物が開示されている。マイクロベシクルと分散油相を安定化する表面物質は、相互の親和力を有する。1つの実施態様において、上記親和力は反対電荷を持つ表面物質の使用によって得られ、この結果、両表面物質は相互作用し、かつ互いに静電気で結合する。
【0013】
別法として、会合(association)の各表面物質は、化学的または生物学的結合による相互作用の可能な化合物を包含しうる。エマルジョンのオイルは、インビボで気体または蒸気圧を生成しうる物質であり、“拡散可能成分”と称せられる。上記乳化物質の液体粒子とマイクロベシクルの会合は、該物質からの気体または蒸気分子の内方拡散を介して、マイクロベシクルにおける分散気相の制御可能な生長を決定することができる。
【発明の開示】
【0014】
そこで本発明者らは、医薬的に活性な配合物に用いる新規なアセンブリーを見出したが、該アセンブリーは、実質的な静電相互作用によって第2成分に会合している気体封入マイクロベシクルを含有し、該第2成分は必要に応じて、標的配位子、対生物活性剤、診断剤またはこれらのいずれかの組合せを含有する。
【0015】
本発明の1つの側面は、第1全正味電荷を帯びている気体封入マイクロベシクルおよび該マイクロベシクルに会合している成分から成るアセンブリーであって、上記会合成分は第1全正味電荷と反対符号の第2全正味電荷を帯び、かつ生物学的適合性界面活性剤からなり、かつ100nm以下の直径を有することを特徴とするアセンブリーに関する。
【0016】
好ましい実施態様によれば、上記会合成分は標的配位子、対生物活性剤、診断剤またはこれらの組合せを含有する。
好ましくは、上記界面活性剤は乳化剤、分散剤またはこれらの組合せであって、特に好ましいのは両親媒性物質である。
【0017】
本明細書の以下の説明で、アセンブリーの第2成分はマイクロベシクルの会合成分(“MAC”)と称せられる。
本発明の実施態様によれば、超音波造影剤は、複数のアセンブリーが医薬的に許容しうる水性担体に分散した懸濁液の形状にある。
本発明の他の実施態様によれば、超音波造影剤は、凍結乾燥した組成物の形状にある。
【0018】
本発明の別の側面は、上記アセンブリーを製造する方法であって、気体封入マイクロベシクルもしくはその前駆体を含有する調製品を、上記第2成分もしくはその前駆体を含有する調製品と混合することを特徴とするアセンブリーの製造法に関する。
【0019】
本願の目的のため、語句“気体封入マイクロベシクルの前駆体”とは、その意義の範囲内で、気体封入マイクロベシクルの懸濁液を形成しうる、中間体物質、組成物、配合物または構造物のいずれかを包含し、たとえば、水性媒体で再組成されて上記マイクロベシクル懸濁液を形成しうる凍結乾燥配合物、あるいは凍結乾燥プロセスに付されて凍結乾燥生成物を得、次いで水性担体で再組成されて上記マイクロベシクル懸濁液を形成しうるミクロエマルジョンが挙げられる。
【0020】
同様に、語句“第2成分の前駆体”とは、第2成分を形成しうる、中間体物質、組成物、配合物または構造物のいずれかを包含し、たとえば上記MACを含有する水性懸濁液に再組成可能な凍結乾燥組成物が挙げられる。
【0021】
本発明の実施態様によれば、本発明のアセンブリーは、
1)気体封入マイクロベシクルを含有する第1水性懸濁液を調製し;
2)上記気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する第2水性懸濁液を調製し;次いで
3)該2つの懸濁液を混合して、該アセンブリーを含有する水性懸濁液を得る
ことにより得ることができる。
【0022】
必要に応じて、第1および/または第2懸濁液の調製後に、洗浄工程を含ませることができる。最終懸濁液の洗浄工程も、必要に応じて行なうことができる。語句“洗浄工程”とは、その意義の範囲内で、所望化合物(たとえばマイクロベシクル、MACまたはアセンブリー)の懸濁液から、過剰の非会合物質、成分、粒子等を分離および/または少なくとも部分的に除去する目的に向けられる方法またはプロセスのいずれかを包含する。適当な分離法としては、たとえばデカンテーション、遠心分離、限外濾過またはマイクロ濾過が挙げられる。
【0023】
別の実施態様によれば、本発明のアセンブリーは、
1)気体封入マイクロベシクルを含有する第1水性懸濁液を調製し;
2)該第1懸濁液を凍結乾燥して、第1凍結乾燥物を得;
3)上記気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する第2懸濁液を調製し;
4)該第2懸濁液を凍結乾燥して、第2凍結乾燥物を得;次いで
5)該第1および第2凍結乾燥物を気体の存在下、生理的に許容しうる水性担体で再組成して、該アセンブリーを含有する水性懸濁液を得る
ことにより得ることができる。
【0024】
必要に応じて、第1および/または第2懸濁液の調製後に、洗浄工程を含ませることができる。最終懸濁液の洗浄工程も、必要に応じて行なうことができる。
好ましい実施態様によれば、該製造プロセスの最終工程5)は、a)第2凍結乾燥物を生理的に許容しうる水性担体で再組成して、気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する懸濁液を得;次いでb)第1凍結乾燥物を気体の存在下、該懸濁液で再組成する工程からなる。
【0025】
さらに好ましい実施態様によれば、該アセンブリーは、
1)水不混和性有機溶剤、リン脂質および分散保護剤(lyoprotecting agent)を含有する水性エマルジョンを調製し;
2)気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する水性懸濁液を調製し;
3)該水性懸濁液を上記エマルジョンと混合し;次いで
4)該混合物を凍結乾燥して水および有機溶剤を除去し、該アセンブリーを含有する凍結乾燥物を得る
ことにより、凍結乾燥組成物として得られる。
【0026】
得られる凍結乾燥物は、再組成して本発明のアセンブリーを含有する水性懸濁液とすることができるが、これは、該凍結乾燥物を気体および水性担体の存在下でかきまぜることによる。
本発明の他の側面は、必要に応じて標的配位子を含有する上述のアセンブリーの水性懸濁液の造影を高める量を投与することから成る超音波診断イメージング法に関する。
【0027】
さらに本発明の他の側面は、対生物活性剤を含有する上述のアセンブリーの水性懸濁液の治療上有効量を投与することから成る治療法に関する。
さらにまた本発明の他の側面は、上記アセンブリーの各成分を以下に示す形態で含有する製薬キットに関する:
a)マイクロベシクルとMACsの2つの別々の懸濁液で;
b)必要に応じて再組成用の水性担体と共に、2つの成分の別々の凍結乾燥調製品で;または
c)再組成用の水性担体と共に、アセンブリーの凍結乾燥調製品で。
【0028】
本発明に係るアセンブリーの利点は、マイクロベシクルのエンベロープの形成に一般に用いられる通常の成分を使用してMACを得ることができ、しかも、上記エンベロープに追加の成分もしくは部分を導入する必要がなく、さもないと、マイクロベシクルの安定性を害しうることになる。
【0029】
得られるアセンブリーは、これをいったん患者の体に投与すれば、気体封入マイクロベシクルの挙動(たとえば血流循環からのクリアランス速度など)を有利に改変または調節することができる。たとえば、正荷電マイクロベシクルと負荷電MACsを含有するアセンブリーを用いて、正荷電マイクロベシクルの調製品を投与することができ、しかし、これはいったん体内では、負荷電マイクロベシクルと同じ挙動を示すだろう。
【0030】
別法として、負荷電マイクロベシクルと正荷電MACsを含有するアセンブリーを用いて、負荷電マイクロベシクルの調製品を投与することができ、しかし、これはいったん体内では、正荷電マイクロベシクルと同じ挙動を示すだろう。加えて、所望の標的化合物または医薬活性剤をマイクロベシクルに対し、その安定性(特に気体を包囲する境界層の安定性)を害せずに会合することができ、現実に、標的化合物または医薬活性剤は、アセンブリーの第2成分に会合しており、安定性は標的化合物または医薬活性剤の存在によって実質的に影響されない。
【0031】
本発明の他の利点は、異なる目的用の種々アセンブリーの製造における非常な柔軟性である。実際、単一基本調製品の荷電マイクロベシクルは、特定の診断/治療ニーズに応じて、異なる反対電荷のMACsに対し、必要ならば同時に2回以上会合することができる。たとえば、マイクロベシクルの調製品に対し、標的配位子(たとえばアセンブリーを特定の病原部位に結合させるため)を有する第1調製品のMACと、対生物活性剤(いったんこれにアセンブリーが結合すると、特定病原部位で放出されうる)を含む第2調製品のMACを会合させることができる。
【0032】
加えて、本発明者らは、本発明のアセンブリーが、該マイクロベシクル単独に比し高い耐圧性を示しうることを認識した。
添付図面において、図1は、同じ物質(材料)からなるが量が異なる、マイクロベシクルとMACsで形成される種々アセンブリーの組成を示すグラフである。図2および3は、荷電マイクロベシクルのインビボ挙動および該マイクロベシクルと反対電荷のMACsを持つ対応アセンブリーのインビボ挙動を示す。
【0033】
(発明の詳細)
本発明に係るアセンブリーは典型例として、全正味電荷を帯びている気体封入マイクロベシクルの形状の第1成分(“担体”成分ともみなす)および該担体成分(MAC)と会合し100nm以下の直径を有し、第1成分と反対符号の全正味電荷を帯び、かつ界面活性剤、特に乳化剤および/または分散剤、より好ましくは両親媒性化合物の少なくとも1種からなる第2成分から成る。
好ましくは、MACは所望の標的配位子、対生物活性剤、診断剤またはこれらの組合せを含有する。
【0034】
マイクロベシクルの会合成分(MAC)は好ましくは、界面活性剤1種以上の複数分子の会合によって形成される安定な超分子構造の形状にある。好ましくは、上記超分子構造物は、正味電荷を帯びている界面活性剤、より好ましくはイオン性界面活性剤の少なくとも1種からなる。上記安定な超分子構造はたとえば、上記各分子の疎水性部間の疎水性相互作用によって決定することができる。特に好ましい実施態様によれば、MACはミセルの形状にある。別法として、MACは、必要に応じて適当な標的、対生物活性および/または診断成分を含有するのに官能化された、高分子イオン性界面活性物質の単一分子によって形成することができる。
【0035】
本発明のアセンブリーは、診断および/または治療法に用いる医薬的に活性な配合物の製造に有用である。
語句“医薬的に活性な配合物”とは、その意義の範囲内において、患者に有効量を投与すると医薬効果(たとえば診断、生体活性および/または治療効果)を発揮しうる、診断活性、生体活性および/または治療活性な配合物を含むまたはその前駆体のいずれをも包含する。同様に、化合物、作用物質(剤)またはキットに対して称するときの語句“医薬的に活性なもの”とは、その意義の範囲内において、診断、生体活性および/または治療化合物、作用物質またはキットを包含する。
【0036】
語句“標的配位子”とは、その意義の範囲内において、生きている体内の生物学または病理学部位への本発明アセンブリーの標的活性を有するまたは該標的活性を促進しうる化合物、成分(部分)また残余(残基)のいずれをも包含する。標的配位子が会合しうる標的としては、たとえば心筋組織(心筋細胞を含む)、膜様組織(内皮および上皮を含む)、板、結合組織(間隙組織を含む)または腫瘍などの組織;血餅;およびペプチドホルモン、神経伝達物質、抗原、補体フラグメントおよび免疫グロブリンの細胞表面レセプタやステロイドホルモンの細胞質レセプタなどのレセプタが挙げられる。
【0037】
語句“対生物活性剤”とは、その意義の範囲内において、いずれかの治療用途、たとえば患者の病気の処置のための方法で使用しうる物質、組成物または粒子のいずれも、並びにインビトロおよび/またはインビボで生物学的効果を発揮しうるまたは発揮能力がある物質のいずれも包含する。対生物活性剤の具体例は、薬物、製薬、たん白質、天然もしくは合成ペプチド(オリゴペプチドおよびポリペプチドを含む)、ビタミン、ステロイドおよび遺伝子物質(ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含む)である。患者の治療法または処置としては、たとえば対生物活性剤の使用が挙げられる。
【0038】
語句“診断剤”とは、その意義の範囲内において、患者の内部領域のイメージングおよび/または患者の病気の有無の診断を含む診断法と共に使用しうる化合物、組成物または粒子のいずれも包含する。診断剤の具体例としては、たとえば磁気共鳴イメージング、X線イメージング、特に患者のコンピューター使用X線断層撮影法、光学イメージングまたは分子イメージングと共に用いる造影剤を包含し、たとえば磁気ナノ粒子が挙げられる。
【0039】
“生物学的適合性”または“生理的に許容しうる”とは、患者に対し選択した量で、その生体の健康なまたは正常な機能に消極的な影響を及ぼしたりあるいは該機能を少し変えたりすることなく(たとえば許容できない毒性のいずれかの状態を決定したり、極度のもしくは手に負えないアレルギー性レスポンスを起こしたりあるいはいずれかの異常な病的症状もしくは疾患状態を決定したりすることなく)、投与できる化合物、物質または配合物のいずれも指称する。
【0040】
語句“界面活性剤”とは、そうでなければ一般に混和しない物質の混合物、たとえば2つの不混和性液体(たとえば水と油)の混合物、気体を有する液体混合物(たとえば水中の気体マイクロバブル)または不溶粒子を有する液体混合物(たとえば水中の金属ナノ粒子)を安定化しうる化合物のいずれをも指称する。これらの化合物は概して、当該分野で“乳化剤”または“分散剤”とも称せられる。該化合物は好ましくは、“両親媒性化合物”、すなわち、親水性極性頭部(たとえば極性もしくはイオン性基)と疎水性有機尾部(たとえば炭化水素鎖)を持つ分子を有する化合物である。
【0041】
界面活性剤、特に乳化剤および/または分散剤の具体例は、(C−C10)有機酸、(C12−C24)、好ましくは(C14−C22)脂肪族鎖を有する有機脂肪酸、その医薬的に許容しうる(アルカリ)塩、ポリオキシエチレンとのそのエステル、たとえばパルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレイン酸、ドデカン酸ナトリウム、シュウ酸もしくは酒石酸ナトリウムまたはポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート;ポリイオン性(アルカリ)塩、たとえばクエン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム;好ましくは(C−C22)炭化水素鎖(そのポリオキシエチル化誘導体を含む)を含有する、有機アミン、アミド、第四級アミン(ハライド)塩、たとえばエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルキルアミン、アルカノールアミド、トリメチルアルキルアミンクロリド、ポリオキシエチル化アルキルアミン、ポリオキシエチル化アルカノールアミド;
【0042】
アミノ酸;リン脂質、たとえばホスファチジルコリン,エチルホスファチジルコリン,ホスファチジルグリセロール,ホスファチジン酸,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンもしくはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステル;モノもしくはオリゴサッカリドと(C12−C24)、好ましくは(C14−C22)有機脂肪酸のエステル、たとえばソルビタンラウレート;高分子界面活性物質、すなわち、疎水性および親水性部分を含有するブロックコポリマー、たとえばエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー;有機スルホネート、たとえばアルカリ(たとえばナトリウム)(C12−C24)アルキル、好ましくは(C14−C22)アルキルスルホネート;パーフルオロ有機酸、たとえばパーフルオロオクタン酸;およびこれらの混合物である。
【0043】
またMACは、そのナノメートル寸法のため、ミクロメートル寸法を有するマイクロベシクルとは対照的に、該アセンブリーのナノ成分と呼ばれることもある。マイクロベシクルは典型例として、少なくとも0.5μm、好ましくは0.8〜20μm、より好ましくは約1〜8μmの寸法を有し;たとえばコウルター・カウンター(Coulter Counter)で測定した、マイクロベシクルの数平均直径(D)は、好ましくは少なくとも0.8μm、より好ましくは少なくとも1μm(約8μm以下)、さらにより好ましくは約1〜5μmである。
【0044】
一般に、製造のそれぞれの方法に応じて、マイクロベシクルおよびMACsは、幾分狭い寸法分布を持つ粒子の母集団で得られる。従って、異なる母集団のマイクロベシクルやMACsを比較する場合、通常、上記分布の平均値を用いる。当業者によって知られているように、ミクロ/ナノ粒子の寸法およびその各粒度分布は、幾つかのパラメーターで特性決定することができ、最も頻繁に用いられているパラメーターは、数平均直径D、数中央直径DN50、容量平均直径Dおよび容量中央直径DV50である。
【0045】
数の上での寸法は、粒子の平均数寸法を表示するが、容量における直径は、総容量の粒子が母集団全体の中でどのように分布しているかを知らせる。小容量粒子の母集団におけるそうでない大容量粒子の極くわずかな存在は、対応するD値を高値へシフトさせるので、粒子母集団の分布を評価するのに、DV50値の使用が時としてより好都合なことがある。
【0046】
V50は、粒子の総内部容量の半分がDV50より低い直径を有する粒子に存在していることを示す計算値であり;これは粒度分布の評価において、偶然に形成した大容量粒子の効果を減少せしめる。単一の大きさを持つ粒子は明らかに、同一のD、DN50、DおよびDV50値を示す。一方、粒子分布の幅が広くなると、これらの各種値に大きな差が生じ、これに対応してこれらのそれぞれの比が変化するだろう(たとえばD/D比の増加)。たとえば、主として小粒子(たとえば直径約2μmの粒子)を含有し、大粒子(たとえば直径約8μmの粒子)の割合が小さい粒子母集団は、D値と比べて高いDまたはDV50値を示し、これに対応してD/DまたはDV50/D比が高くなる。
【0047】
アセンブリーの2成分間の静電相互作用は、第1正味電荷を帯びている第1分子化合物(マイクロベシクルのエンベロープに含まれる)と、第1分子化合物と反対符号の第2正味電荷を帯びている第2分子化合物(MACの構造に含まれる)の使用によって得られる。そして、第1全正味電荷を有するマイクロベシクルと、第1電荷と反対符号の第2全正味電荷を有するMACとが、静電相互作用を介して、相互に会合して、本発明に係るアセンブリーが得られる。
【0048】
本発明に係るアセンブリーの第1成分を構成する気体封入マイクロベシクルは、全正味電荷を帯びている当該分野で公知のいずれのマイクロベシクルであってもよい。マイクロベシクルの好ましい具体例は、マイクロバブルおよびマイクロバルーン(またはマイクロカプセル)である。
【0049】
マイクロバブル
適当な気体封入マイクロベシクルの第1例を、以下、“気体封入マイクロバブル”
と称する。
本発明に係るアセンブリーの製造に有用な気体封入マイクロバブルは一般に、気体が水性懸濁液に分散したバブルであって、気体/液体界面に位置する、両親媒性(薄膜形成)化合物からなる(非常に薄い)エンベロープで安定化されている。上記安定化のエンベロープは、当該分野で時々“きゃしゃな(evanescent)エンベロープ”と呼ばれているが、これは一般に、5nm以下、たとえば約2〜3nmの厚みを有し、このため、多くの場合実質的な単分子層となる。エンベロープに含まれる両親媒性物質の少なくとも一部は、マイクロベシクルのエンベロープに所望の全正味電荷を付与できるように、荷電分子からなる。
【0050】
マイクロベシクルのエンベロープに含まれる両親媒性化合物は、合成または天然産出の生物学的適合性化合物であってよく、たとえば薄膜形成脂質、特にリン脂質を包含しうる。両親媒性化合物の具体例としては、リン脂質;リゾ脂質;脂肪酸、たとえばパルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸またはオレイン酸;たとえばキチン、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー含有の脂質(“ペジル化(pegylated)脂質”とも呼ばれる);スルホン化モノ、ジ、オリゴまたはポリサッカリド含有の脂質;コレステロール、コレステロール・スルフェートまたはコレステロール・ヘミスクシネート;トコフェロール・ヘミスクシネート;エーテルまたはエステルを持つ脂質−結合脂肪酸;重合脂質;ジアセチルホスフェート;ジセチルホスフェート;ステアリルアミン;セラミド;
【0051】
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(たとえばポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート)、ポリオキシエチレン脂肪アルコール、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチル化ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコール・リシノールエート、エトキシル化大豆ステロール、エトキシル化ヒマシ油またはエチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)ブロックコポリマー;ステロール脂肪族酸エステル(コレステロールブチレート、コレステロールイソブチレート、コレステロールパルミテート、コレステロールステアレート、ラノステロールアセテート、エルゴステロールパルミテート、またはフィトステロールn−ブチレート;糖酸のステロールエステル(コレステロールグルクロニド、ラノステロールグルクロニド、7−デヒドロコレステロールグルクロニド、エルゴステロールグルクロニド、コレステロールグルコネート、ラノステロールグルコネート、またはエルゴステロールグルコネートを含む);
【0052】
糖酸およびアルコールのエステル(ラウリルグルクロニド、ステアロイルグルクロニド、ミリストイルグルクロニド、ラウリルグルコネート、ミリストイルグルコネート、またはステアロイルグルコネートを含む);糖と脂肪族酸のエステル(スクロースラウレート、フラクトースラウレート、スクロースパルミテート、スクロースステアレート、グルクロン酸、グルコン酸またはポリウロン酸を含む);サポニン(サルササポゲニン、スミラゲニン、ヘデラゲニン、オレアノール酸、またはジギトキシゲニンを含む);グリセロールまたはグリセロールエステル(グリセロールトリパルミテート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、グリセロールジミリステート、グリセロールトリミリステート、グリセロールジラウレート、グリセロールトリラウレート、グリセロールジパルミテートを含む);
【0053】
長鎖アルコール(n−デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、またはn−オクタデシルアルコールを含む);6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド;ジガラクトシルジグリセリド;6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド;6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−β−D−マンノピラノシド;12−(((7'−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカン酸;N−[12−(((7'−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカノイル]−2−アミノパルミチン酸;
【0054】
N−スクシニル−ジオレイルホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレイル−sn−グリセロール;1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセロール;1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミンまたはパルミトイルホモシステイン;少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩、たとえばステアリルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB);
【0055】
1または好ましくは2つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖が(C−C)アルキレン橋を介してN原子に結合している第三または第四級アンモニウム塩、たとえば1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、1,2−オレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、1,2−ジステアロイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DSDAP);およびこれらの混合物もしくは組合せ
が挙げられる。
【0056】
成分の組合せやマイクロベシクルの製造プロセスに基づき、マイクロベシクルのエンベロープを形成する主な化合物として、あるいは単なる添加成分(すなわち、ほんの少量で存在)として、上記列挙した具体的な化合物を使用することができる。
【0057】
好ましい実施態様によれば、マイクロベシクルのエンベロープを形成する化合物の少なくとも1つは、必要に応じて他の上記薄膜形成物質と混合してもよいリン脂質である。本明細書の記載によれば、語句リン脂質とは、その分子が最終のマイクロバブル懸濁液において気体−水境界界面で物質(材料)の安定化薄膜(典型例として単分子層の形状で)を形成しうる、両親媒性リン脂質化合物のいずれも包含することが意図される。
【0058】
従って、これらの物質も当該分野において、“薄膜形成リン脂質”と称せられる。
両親媒性リン脂質化合物は典型例として、少なくとも1つのホスフェート基と少なくとも1つ、好ましくは2つの脂肪親和性長鎖炭化水素基を含有する。
【0059】
適当なリン脂質の具体例としては、グリセロールと、脂肪酸の1つまたは好ましくは2つ(同一または異なる)残基とのエステルおよびリン酸とのエステル[ここで、リン酸残基は順次、親水性基、たとえばコリン(ホスファチジルコリン,PC)基、セリン(ホスファチジルセリン,PS)基、グリセロール(ホスファチジルグリセロール,PG)基、エタノールアミン(ホスファチジルエタノールアミン,PE)基、イノシトール(ホスファチジルイノシトール)基等に結合する]が挙げられる。
【0060】
リン脂質と脂肪酸のたった1つの残基とのエステルは一般に、当該分野でリン脂質の“リゾ”体と呼ばれる。リン脂質に存在する脂肪酸残基は一般に、たとえば12〜24の炭素原子、好ましくは14〜22の炭素原子を含有する長鎖脂肪族酸であり;脂肪族鎖は1つ以上の不飽和を含有してもよく、あるいは完全飽和が好ましい。
【0061】
リン脂質に含まれる適当な脂肪酸の具体例は、たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸である。好ましくは、飽和脂肪酸、たとえばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびアラキドン酸が使用される。
【0062】
リン脂質のさらなる具体例は、ホスファチジン酸、すなわち、グリセロール−リン酸と脂肪酸のジエステル;スフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質、すなわち、脂肪酸によるグリセロールジエステルの残基がセラミド鎖で置換されたホスファチジルコリン誘導体;カルジオリピン、すなわち、1,3−ジホスファチジルグリセロールと脂肪酸のエステル;グリコ脂質、たとえばガングリオシドGM1(またはGM2)またはセレブロシド;グルコ脂質;スルファチドおよびグリコスフィンゴ脂質である。
【0063】
本明細書で用いる語句リン脂質とは、単独または混合物で使用できる、天然産出生成物、半合成または合成の製造生成物のいずれも包含する。
天然産出リン脂質の具体例は、たとえば大豆または卵黄レシチンなどの天然レシチン(ホスファチジルコリン(PC)誘導体)である。
【0064】
半合成リン脂質の具体例は、天然産出レシチンの部分または完全水素化誘導体である。好ましいリン脂質は、ホスファチジルコリン,エチルホスファチジルコリン,ホスファチジルグリセロール,ホスファチジン酸,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンまたはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルである。
【0065】
好ましいリン脂質の具体例は、ジラウロイル−ホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイル−ホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイル−ホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイル−ホスファチジルコリン(DAPC)、ジステアロイル−ホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスフォコリン(エチル−DSPC)、ジペンタデカノイル−ホスファチジルコリン(DPDPC)、1−ミリストイル−2−パルミトイル−ホスファチジルコリン(MPPC)、1−パルミトイル−2−ミリストイル−ホスファチジルコリン(PMPC)、1−パルミトイル−2−ステアロイル−ホスファチジルコリン(PSPC)、1−ステアロイル−2−パルミトイル−ホスファチジルコリン(SPPC)、1−パルミトイル−2−オレイル−ホスファチジルコリン(POPC)、1−オレイル−2−パルミトイル−ホスファチジルコリン(OPPC)、ジラウロイル−ホスファチジルグリセロール(DLPG)およびそのアルカリ金属塩、
【0066】
ジアラキドイルホスファチジルグリセロール(DAPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびそのアルカリ金属塩、ジオレオイル−ホスファチジルグリセロール(DOPG)およびそのアルカリ金属塩、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)およびそのアルカリ金属塩、ジパルミトイルホスファチジン(DPPA)およびそのアルカリ金属塩、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジアラキドイルホスファチジン酸(DAPA)およびそのアルカリ金属塩、
【0067】
ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、ジオレイルホスファチジル−エタノールアミン(DOPE)、ジアラキドイルホスファチジルエタノールアミン(DAPE)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジアラキドイルホスファチジルセリン(DAPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(DPSP)、およびジステアロイルスフィンゴミエリン(DSSP)である。
【0068】
語句リン脂質はさらに、修飾リン脂質、たとえば親水性基が順次別の親水性基に結合するリン脂質を包含する。修飾リン脂質の具体例は、ポリエチレングリコール(PEG)で修飾したホスファチジルエタノールアミン、すなわち、親水性エタノールアミン成分が可変分子量たとえば300〜5000ダルトンのPEG分子に結合したホスファチジルエタノールアミン、たとえばDPPE−PEGまたはDSPE−PEG、すなわち、PEGポリマーが付加したDPPE(またはDSPE)である。たとえば、DPPE−PEG2000とは、平均分子量約2000のPEGポリマーが付加したDPPEを指称する。
【0069】
特に好ましいリン脂質は、DAPC、DSPC、DPPA、DSPA、DMPS、DPPS、DSPSおよびエチル−DSPCである。最も好ましいのは、DAPCまたはDSPCである。
またリン脂質の混合物、たとえばDPPC、DSPCおよび/またはDAPCと、DSPS、DPPS、DSPA、DPPA、DSPG、DPPG、エチル−DSPCおよび/またはエチル−DPPCの混合物も使用できる。
【0070】
幾つかの実施態様において、リン脂質はマイクロベシクルの安定化エンベロープの主成分であって、気体封入マイクロベシクルのエンベロープを構成する成分の総量の少なくとも50%(W/W)にも及ぶ。幾つかの好ましい実施態様において、エンベロープの全体は実質上(すなわち、少なくとも90重量%で100重量%以下)、リン脂質で形成することができる。
【0071】
リン脂質は便宜上、上記列挙した両親媒性化合物のいずれかと混合して使用できる。このようにたとえば、上述のリン脂質の1種以上に対し、0〜50重量%、好ましくは25重量%以下の割合で、コレステロール、エルゴステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、トコフエロール、没食子酸プロピルまたはアスコルビルパルミテートなどの脂質、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびこれらの誘導体などの脂肪酸またはブチル化ヒドロキシトルエンおよび/または他の非リン脂質化合物を必要に応じて加えることができる。特にパルミチン酸が好ましい。
【0072】
マイクロベシクルに所望の全正味電荷を付与するため、エンベロープは全正味電荷を帯びている少なくとも1種の成分、特に荷電両親媒性物質、好ましくは脂質またはリン脂質を含有するだろう。
全負電荷を帯びているリン脂質の具体例は、DMPS、DPPS、DSPSなどのホスファチジルセリンの;DMPA、DPPA、DSPAなどのホスファチジン酸の;DMPG、DPPGおよびDSPGなどのホスファチジルグリセロールの誘導体、特に脂肪酸ジエステルである。
【0073】
また修飾リン脂質、特にPEG−修飾ホスファチジルエタノールアミン、たとえばDMPE−PEG2000、DMPE−PEG3000、DMPE−PEG4000、DMPE−PEG5000、DPPE−PEG2000、DPPE−PEG3000、DPPE−PEG4000、DPPE−PEG5000、DSPE−PEG2000、DSPE−PEG3000、DSPE−PEG4000、DSPE−PEG5000、DAPE−PEG2000、DAPE−PEG3000、DAPE−PEG4000またはDAPE−PEG5000も、負荷電分子として使用できる。また上記リン脂質のリゾ体、たとえばリゾホスファチジルセリン誘導体(たとえばリゾ−DMPS、−DPPSまたは−DSPS)、リゾホスファチジン酸誘導体(たとえばリゾ−DMPA、−DPPAまたは−DSPA)およびリゾホスファチジルグリセロール誘導体(たとえばリゾ−DMPG、−DPPGまたは−DSPG)も、負荷電化合物として有利に使用できる。
【0074】
負(陰)荷電脂質の具体例は、胆汁酸塩、たとえばコリン酸塩、デオキシコリン酸塩またはグリココール酸塩;および(C12−C24)、好ましくは(C14−C22)脂肪酸塩、たとえばパルミチン酸塩、ステアリン酸塩、1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセロール塩または1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール塩である。
【0075】
好ましくは、負荷電化合物はDPPA、DPPS、DSPG、DSPE−PEG2000、DSPE−PEG5000またはこれらの混合物の中で選ばれる。
負荷電成分は典型例として、対応する正(陽)反対イオン[これは1価(たとえばアルカリ金属またはアンモニウム)、2価(たとえばアルカリ土類金属)または3価(たとえばアルミニウム)であってよい]と会合する。反対イオンは好ましくは、アルカリ金属カチオン、たとえばLi、NaまたはK、より好ましくはNaの中で選ばれる。
【0076】
全正電荷を帯びているリン脂質の具体例は、エチルホスファチジルコリンの誘導体、特にエチルホスファチジルコリンと脂肪酸のエステル、たとえば1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DSPCまたはDSEPC)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DPPCまたはDPEPC)である。負反対イオンは好ましくは、ハロゲンイオン、特に塩素または臭素である。正荷電脂質の具体例は、少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アルキル鎖を含有しハロゲン反対イオン(たとえば塩素または臭素)を持つアルキルアンモニウム塩、たとえばステアリルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)などである。
【0077】
さらに正荷電脂質の具体例は、(C−C)アルキレン橋を介してN原子に結合した1または好ましくは2つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖を有し、ハロゲン反対イオン(たとえば塩素または臭素)を持つ第三または第四アンモニウム塩、たとえば1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、1,2−ジステアロイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DSDAP)などである。
【0078】
マイクロベシクルのエンベロープの正荷電化合物として、DSEPC、DPEPCおよび/またはDSTAPが好ましく使用される。
正荷電成分は典型例として、対応する負反対イオン[これは1価(たとえばハロゲン)、2価(たとえばスルフェート)または3価(たとえばホスフェート)であってよい]と会合する。この反対イオンは好ましくは、ハロゲンイオン、たとえばF(フッ素)、Cl(塩素)またはBr(臭素)の中で選ばれる。
【0079】
MACとの有効な静電作用を可能にするため、マイクロベシクルのエンベロープ中の荷電化合物の総量は、該エンベロープを形成する物質の総量に対し少なくとも1モル%、好ましくは少なくとも5モル%、より好ましくは少なくとも10モル%にすべきである。マイクロベシクルとMACsの幾つかの好ましい組合せにおいて、マイクロベシクルのエンベロープ中少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%量の荷電化合物が、上記マイクロベシクルへの比較的多量のMACsの結合を可能にすることが認められた。
【0080】
幾つか実施態様において、マイクロベシクルのエンベロープ全体は荷電化合物によって形成されうるが、該エンベープを形成する配合物に少なくとも最小限量の中性化合物の添加が有利となりうることが認められた。すなわち、好ましくは、荷電成分の総量はマイクロベシクルのエンベロープを形成する成分の総量に対し約95モル%に匹敵もしくはそれより低い量、より好ましくは90モル%に匹敵もしくはそれより低い量から、特に好ましい80モル%に匹敵もしくはそれより低い量までであってもよい。
【0081】
中性および荷電リン脂質および/または荷電脂質の混合物を用いて、本発明アセンブリーのマイクロベシクルを満足に形成することができる。好ましくは、2種以上の脂質もしくはリン脂質、すなわち、中性電荷を持つ少なくとも1種と全正味電荷を持つ少なくとも1種の混合物が使用される。より好ましくは、2種以上の脂質もしくはリン脂質、すなわち、中性の少なくとも1種と正電荷を持つ少なくとも1種の混合物を用いることにより、全正電荷を持つマイクロベシクルが得られる。
【0082】
荷電脂質もしくはリン脂質の量は、脂質とリン脂質の総量に対し約95〜1モル%、好ましくは80〜20モル%の範囲で適宜に変化させてよい。
中性リン脂質と荷電脂質またはリン脂質の好ましい混合物は、たとえばDPPG/DSPC、DSTAP/DAPC、DPPS/DSPC、DPPS/DAPC、DSPA/DAPC、DSPA/DSPCおよびDSPG/DSPCである。
【0083】
マイクロベシクルの安定化エンベロープの配合物において、必ずしも必要でないが(もしくは部分的にのみ必要)、他に賦形剤もしくは添加剤を乾燥配合物に存在させるか、または再組成に用いる水性担体といっしょに加えられてよい。これらの物質としては、pH調整剤、浸透度調整剤、増粘剤、乳化剤、増量剤等が挙げられ、通常の量で使用されてよい。たとえば、ポリオキシプロピレングリコールやポリオキシエチレングリコール並びにそのコポリマーのような化合物が使用できる。増粘剤もしくは安定化剤の具体例は、線状および架橋ポリおよびオリゴサッカリド、糖、ポリエチレングリコールのような親水性ポリマーから選ばれる化合物である。
【0084】
気体封入マイクロベシクルの製造には凍結乾燥あるいは噴霧乾燥工程が必要となりうるので、配合物に凍結防止および/または分散保護効果を持つ作用物質の1種以上および/または増量剤の1種以上、たとえばグリシンなどのアミノ酸;炭水化物、たとえばスクロース、マンニトール、マルトース、トレハロース、グルコース、ラクトースもしくはシクロデキストリンなどの糖、またはデキストランなどのポリサッカリド;またはポリエチレングリコールなどのポリグリコールを含ませることが有利かもしれない。
【0085】
本発明に係るアセンブリーに使用しうるマイクロバブルは、当該分野で公知の方法に従って製造することができる。典型例として、製造法は、上記の両親媒性物質からなる乾燥粉末物質の、好ましくは該両親媒性物質を含有する水性または有機懸濁液の凍結乾燥による製造を要する。
【0086】
たとえば、WO91/15244に記載の如く、薄膜形成両親媒性化合物を先ず、リポソーム形成法により、ラメラ形状に変えることができる。たとえば、薄膜形成脂質および必要に応じて他の添加剤(たとえば増粘剤、非薄膜形成界面活性物質、電解質等)を含有する水溶液を高速機械式均質化、または音波もしくは超音波振動数下の音波処理に付し、次いで凍結乾燥して自由流動性粉末を形成することができ、これを気体の存在下に貯蔵する。凍結乾燥の前に必要に応じて、たとえばUS特許5597549に開示の洗浄工程を行なうことができる。
【0087】
他の実施態様によれば(たとえば上記US特許5597549に記載)、薄膜形成化合物および親水性安定剤(たとえばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グリコール酸、リンゴ酸またはマルトール)を、有機溶剤(たとえばt−ブタノール、2−メチル−2−ブタノールまたはCCl)に溶解でき、該溶液を凍結乾燥して乾燥粉末を形成することができる。
【0088】
別法として、上記WO04/069284に開示の如く、リン脂質(上記のものから選択および同じ荷電リン脂質の少なくとも1種を含む)および分散保護剤(たとえば前記のもの、特に炭水化物、糖アルコール、ポリグリコールおよびこれらの混合物)を、水不混和性有機溶剤(たとえば分枝または線状のアルカン、アルケン、シクロアルカン、芳香族炭化水素、アルキルエーテル、ケトン、ハロゲン化炭化水素、パーフルオロ化炭化水素またはこれらの混合物)と共に、水のエマルジョンに分散させることができる。
【0089】
このようにして得られるエマルジョンは、溶剤で包囲されかつリン脂質物質(および必要に応じて他の両親媒性薄膜形成化合物)で安定化された微小液滴(microdroplets)を含有し、次いでこれを通常の技法に従って凍結乾燥し、これを貯蔵し(たとえば適当な気体存在下のバイアルにて)、また最後に水性担体で再組成して、気体封入マイクロバブル懸濁液を得ることができる。
【0090】
気体封入マイクロバブルを製造するさらなる方法は、リン脂質(および必要に応じて他の両親媒性薄膜形成化合物および/または添加剤)を含有する水性媒体を、所望の気体存在下、制御高撹拌エネルギーに付して(たとえば回転固定子ミキサーで)気体マイクロバブル分散液を生成せしめ、次いで得られる分散液を凍結乾燥に付し、乾燥した再組成しうる生成物を得ることから成る。
【0091】
この方法の一例は、たとえばWO97/29782に示されている。
また噴霧乾燥技法(たとえばUS特許5605673に開示)を用いても、本発明アセンブリーのマイクロベシクルを含有する乾燥粉末を得ることができる。
【0092】
上記技法のいずれかで得られる乾燥または凍結乾燥生成物は概して、粉末またはケークの形状を有し、所望の気体と接触させて貯蔵できる(たとえばバイアルにて)。生成物を、生理的に許容でき無菌かつ注射しうる適当な水性液体担体中で容易に再組成が可能で、気体封入マイクロベシクルが形成される。適当な液体担体は水、食塩水(これは注射用の最終生成物が低張性を示さないように有利にバランスをとることができる)などの水溶液、または塩もしくは糖、糖アルコール、グリコールまたは他の非イオン性ポリオール物質(たとえばグルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)などの張度調整物質1種以上の溶液である。
【0093】
マイクロバルーン
本発明に係るアセンブリーに適する他の気体封入マイクロベシクルは、当該分野において、“マイクロバルーン”と称されている。一般に、これらの気体封入マイクロベシクルは有形のエンベロープ(material envelope)を有し、その厚みはマイクロベシクルの安定化薄膜−エンベロープの厚みより大きい。該エンベロープを形成する物質(たとえば、ポリマー物質、蛋白様物質、水不溶性脂質、またはこれらの組合せであってよい)に基づき、厚みは一般に、少なくとも50nm、典型例として少なくとも100nmから数百ナノメーター(たとえば300nm)までである。
【0094】
またマイクロバルーンは概して、超音波処理に対する音波レスポンスの点でマイクロバブルと相違する。マイクロバブルの超音波挙動は実際に“自由な”気泡の挙動に近いが、マイクロバルーンは一般に(多分、エンベロープの剛性が高いため)、低レベルの音波加圧エネルギー(acoustic pressure energy)(たとえば約0.1のメカニカルインデックス)で照射すると、反応が少ない(反射エコーシグナルの強度の点で)。
【0095】
本発明に係るアセンブリーの製造に有用なマイクロバルーンの具体例は好ましくは、生分解性ポリマーからなるポリマーエンベロープ、または生分解性水不溶性脂質、たとえばUS特許5711933および6333021に記載のものをベースとするエンベロープを有するマイクロバルーンである。また蛋白様エンベロープを有する、すなわち、US−A−4276885またはEP−A−0324938に記載のものなどの天然蛋白質(アルブミン、ヘモグロビン)で作ったマイクロバルーンも使用することができる。
【0096】
注射可能なマイクロバルーンのエンベロープを形成するポリマーは好ましくは、親水性、生分解性の生理的に適合しうるポリマーである。かかるポリマーの具体例は、天然または合成のものであってよく、実質的不溶性のポリサッカリド(たとえばキトサンまたはキチン)、ポリシアノアクリレート、ポリアクチドおよびポリグリコリドおよびそれらのコポリマー、ラクチドとラクトン(たとえばγ−カプロラクトンまたはδ−バレロラクトン)のコポリマー、エチレンオキシドとラクチドのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリペプチド、および蛋白質、たとえばゼラチン、コラーゲン、グロブリンまたはアルブミンである。
【0097】
上記のUS特許5711933に記載の他の適当なポリマーとしては、ポリ−(オルト)エステル、ポリ乳酸およびポリグリコール酸およびそれらのコポリマー(たとえばDEXON(登録商標)、カナダ、モントリオールの Davis & Geck);ポリ(DL−ラクチド−co−γ−カプロラクトン)、ポリ(DL−ラクチド−co−δ−バレロラクトン)、ポリ(DL−ラクチド−co−γ−ブチロラクトン)、ポリアルキルシアノアクリレート;ポリアミド;ポリヒドロキシブチレート;ポリジオキサノン;ポリ−β−アミノケトン;ポリホスファゼン;およびポリアンヒドリドが包含される。またポリアミノ酸、たとえばポリグルタミン酸やポリアスパラギン酸、並びにそれらの誘導体、たとえば低級アルコールもしくはグリコールによる部分エステルも使用できる。
【0098】
また他のアミノ酸、たとえばメチオニン、ロイシン、バリン、プロリン、グリシン、アラニン等とのコポリマーも使用できる。制御生分解性を持つポリグルタミン酸やポリアスパラギン酸の誘導体(たとえばWO87/03891、US特許4888398またはEP130935に記載のもの)も使用できる。
【0099】
これらのポリマー(および他のアミノ酸とのコポリマー)は、下記タイプの式を有する:
−(NH−CHA−CO)−(NH−CHX−CO)
式中、Xはアミノ酸残基の側鎖(たとえばメチル、イソプロピル、イソブチルまたはベンジル)を表わし;Aは式:−(CHCOOR−OCOR、−(CHCOO−CHRCOOR、−(CHCO(NH−CHX−CO)NH−CH(COOH)−(CHCOOH、またはこれらそれぞれの無水物の基、ここで、RおよびRはHまたは低級アルキル、またはRとRは置換もしくは非置換結合部で共に合して、5または6員環を形成し、n,mおよびpは低級整数(但し、5を越えない);およびwおよびyは分子量が5000より小さくならないように選ばれる整数である。
【0100】
非生分解性ポリマー(たとえば消化管で使用すべきマイクロバルーンを作る場合の)は、ポリオレフィン(ポリスチレン)、アクリル樹脂(ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル)、ポリエステル(ポリカーボネート)、ポリウレタン、ポリウレアおよびそれらのコポリマーを含む、非常に水不溶性の生理的に許容しうる生抵抗性(bioresistant)ポリマーから選ぶことができる。ABS(アクリル−ブタジエン−スチレン)が好ましいコポリマーである。
【0101】
本発明に係るアセンブリーのマイクロバルーンの形成に有用な生分解性で水不溶性の脂質はたとえば、水不溶性固体のモノ、ジもしくはトリ−グリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、コレステロールなどのステロール、ワックスおよびこれらの混合物を包含する。モノ、ジおよびトリ−グリセリドとしては、主にモノ、ジおよびトリ−ラウリン化合物、並びに対応する−ミリスチン、−パルミチン、−ステアリン、−アラキジンおよび−ベヘニン誘導体が挙げられる。モノ、ジおよびトリ−ミリスチン、−パルミチン、−ステアリン、およびジパルミトイルモノオレイルグリセリドなどの混合トリグリセリドが特に有用で;トリパルミチンおよびトリステアリンが好ましい。
【0102】
脂肪酸としては、固体の(室温,約18〜25℃にて)炭素数12以上の脂肪酸(好ましくは飽和)が含まれ、たとえばラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、セバシン酸、ミリスチン酸、セロチン酸、メリシン酸(melissic acid)およびエルカ酸およびこれらの脂肪酸エステルが挙げられる。好ましくは、脂肪酸およびそのエステルは、他のグリセリドと混合して使用される。
【0103】
ステロールは好ましくは、他のグリセリドおよび/または脂肪酸と混合して使用され、かつコレステロール、フイトステロール、ラノステロール、エルゴステロール等、および上記脂肪酸によるステロールのエステルから選ばれ;しかしながら、コレステロールが好ましい。
好ましい生分解性脂質はトリグリセリド、たとえばトリパルミチン、トリステアリンまたは上記トリグリセリドの混合物である。
【0104】
必要に応じて、75重量%以下の生分解性ポリマー、たとえば上記列挙したポリマーを、マイクロバルーンのエンベロープを形成する生分解性水不溶性脂質といっしょに混合することができる。
有利には、イオン性ポリマー(すなわち、その構造にイオン性部分を有するポリマー)、好ましくは生分解性イオン性ポリマーも使用して、マイクロバルーンの安定化エンベロープを形成することができ、このように所望の全正味電荷が付与される。イオン性ポリマーは、安定化エンベロープの主成分として使用するか、あるいは非イオン性ポリマーといっしょに種々の量(たとえば2〜80重量%)で混合することができる。適当なイオン性ポリマーは、たとえば第四級化アミンなどの第四級化窒素原子を含有するポリマーまたはカルボキシル、スルフェート、スルホネートまたはホスホネート部分を含有するポリマーである。
【0105】
適当なイオン性ポリマーの具体例としては、これらに限定されないが、ポリエチレンイミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、第四級化ポリ{ビス(2−クロロエチル)エーテル−a/t−1,3−ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア}(Polyquaternium(登録商標)−2)、ポリ(4−ビニルピリジニウムトリブロミド)、第四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシラート(Polyquaternium−4)、ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフエニウムクロリド)、ポリ(L−リシン)、キチン、ジエチレンアミノエチルデキストラン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(スチレン−a/t−マレイン酸)、ポリ(アミノ酸)、アルギン酸、ポリ(ウリジン酸)、ヒアルロン酸、すなわち、ポリ(β−グルクロン酸−a/t−β−N−アセチルクルコサミド)、ポリ(ガラクツロン酸)、ポリ(酢酸ビニル−コ−クロトン酸)、DNA、ポリ(3,3’,4,4’−ベンゾフエノンテトラカルボン酸ジ無水物−コ−4,4’−オキシジアニリン)、ポリ(イソプレン−グラフト−マレイン酸モノメチルエーテル)、グルタミン酸とグルタミン酸アルキルのコポリマー、ヘパリン、ポリ(スチレンスルホネート)、スルホン化ポリ(イソフタル酸)、ポリ(ビニルスルホン酸カリウム塩)、ポリ(ビニル硫酸カリウム塩)、コンドロイチン硫酸A、硫酸デキストラン、フコイダン(fucoidan)、ポリリン酸、ポリリン酸ナトリウム、ポリビニルリン酸ナトリウム、ポリ−L−リシン臭酸塩、キトサン、硫酸キトサン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸およびリグニンスルホネートが挙げられる。
【0106】
またマイクロバルーンのエンベロープに、通常の添加剤を入れて、その物理的性質、たとえば分散性、弾性および水透過性を改変することもできる。特に、上記マイクロバルーンの製造で調製したエマルジョンに、有効量の両親媒性物質を安定性を高めるのに加えることができる。かかる物質は、上述の列挙した脂質、リン脂質および変性リン脂質などの両親媒性化合物から有利に選ぶことができる。
【0107】
加える両親媒性化合物は有利には、全正味電荷を帯びている化合物であってよい。好ましい荷電脂質、リン脂質および変性リン脂質は、上記列挙のものである。
MACとの有効な静電相互作用を可能にするため、マイクロバルーンのエンベロープにおける荷電添加剤の総量は、該エンベロープを形成する物質の総量に対して少なくとも1モル%にすべきである。しかしながら、荷電成分の総量はマイクロバルーンのエンベロープを形成する物質の総量に対し約70モル%以下が好ましい。荷電化合物の量は約2〜40%が好ましい。
特にマイクロバルーンの製造に用いる他の賦形剤もしくは添加剤、たとえば再分散剤や増粘剤をエンベロープの中に加えることができる。
【0108】
生分解性ポリマー含有のマイクロバルーンは、たとえばUS特許5711933に開示の方法に従って製造することができ、該方法は、(a)疎水性有機相を水相の中で、該疎水性相の液滴が水相中の油/水エマルジョンとして得られるように乳化せしめ;(b)水相に不溶性の揮発性溶剤中のポリマー少なくとも1種の溶液を、上記エマルジョンに加えることにより、該ポリマーは上記液滴のまわりに層を形成し;(c)該揮発性溶剤を蒸発することにより、ポリマーは液滴のまわりの界面沈澱によって沈着し、次いでポリマーの膜で包まれた疎水性相のコアを持つビーズが形成され(該ビーズは水相中懸濁状態にあり);(d)該懸濁液を減圧に付して蒸発させ、包まれた疎水性相を除去し;次いで(e)蒸発する疎水性相を適当な気体に取り替えることから成る。
【0109】
生分解性脂質含有のマイクロバルーンは、たとえばUS特許6333021に開示の方法に従い、以下の手順で製造することができる。すなわち、有機溶剤に溶解したマイクロカプセルエンベロープの固体成分の1種以上の混合物を水担体相に、油/水エマルジョンが生成するように分散させる。エマルジョン水相は、エマルジョンの安定化に用いる両親媒性物質の有効量を含有しうる。
【0110】
次いで水相中の有機溶液の小液滴のエマルジョンに、前記で示したような一定量の再分散剤および/または凍結防止剤もしくは分散保護剤を加えた後、−30℃以下の温度で凍結させる。便利な再分散剤であればいずれも使用でき;糖、アルブミン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)およびエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー(たとえば Pluronic(登録商標)または Synperonic(登録商標))またはこれらの混合物から選ばれる再分散剤が好ましい。粒子凝集の防止に加える再分散剤は特に、マイクロカプセルが非融合性で乾燥しかつ即座に分散しうる粉末の形状にあるときに有用である。次に凍結エマルジョンを減圧に付して、凍結乾燥を行い、すなわち、昇華によって液滴からの有機溶剤および担体相の水の除去を行い、次いで凍結乾燥した生成物を所望の気体と接触させる。
【0111】
生物学的適合性の気体
上記マイクロベシクルに充填するのに、生物学的適合性の気体、気体前駆体またはこれらの混合物のいずれかを使用しうる。気体は選定したモダリティーに応じて選ばれる。
気体としては、たとえば空気;窒素;酸素;二酸化炭素;水素;亜酸化窒素;ヘリウム、アルゴン、キセノンまたはクリプトンなどの貴もしくは不活性ガス;Xe133またはKr81などの放射性ガス;超分極ヘリウム、超分極キセノンまたは超分極ネオンなどの超分極貴ガス;低分子量炭化水素(たとえば7個以下の炭素原子含有)、たとえばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタンまたはイソペンタンなどのアルカン、シクロブタンまたはシクロペンタンなどのシクロアルカン、プロペン、ブテンまたはイソブテンなどのアルケン、またはアセチレンなどのアルキン;エーテル;ケトン;エステル;ハロゲン化ガス、好ましくはフッ素化ガス、たとえばハロゲン化、フッ素化またはパーフッ素化低分子量炭化水素(たとえば7個以下の炭素原子含有);またはこれらのいずれかの混合物が包含される。ハロゲン化炭化水素を用いる場合、上記化合物中のハロゲン原子の、好ましくは少なくとも幾つか、より好ましくは全てがフッ素原子である。
【0112】
特に超音波イメージングの分野で、フッ素化ガス、特にパーフッ素化ガスが好ましい。フッ素化ガスは少なくとも1個のフッ素原子を含有する物質を包含し、たとえばフッ素化炭化水素(1個以上の炭素原子とフッ素を含有する有機化合物);六フッ化イオウ;フッ素化、好ましくはパーフッ素化ケトン、たとえばパーフルオロアセトン;およびフッ素化、好ましくはパーフッ素化エーテル、たとえばパーフルオロジエチルエーテルなどが挙げられる。
【0113】
好ましい化合物はパーフッ素化ガス、たとえばSFまたはパーフルオロカーボン(パーフッ素化炭化水素)、すなわち、全ての水素原子がフッ素原子で置換された炭化水素であって、これらは、たとえばEP0554213に開示の如く、特に安定なマイクロバブル懸濁液を形成することが知られている。
【0114】
語句パーフルオロカーボンとは、飽和、不飽和および環式のパーフルオロカーボンを包含する。生物学的適合性の生理的に許容しうるパーフルオロカーボンの具体例は、パーフルオロアルカン、たとえばパーフルオロメタン、パーフルオロエタン、ハーフルオロプロパン、パーフルオロブタン(たとえばパーフルオロ−n−ブタン、必要に応じて他の異性体、たとえばパーフルオロ−イソブタンと混合)、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサンまたはパーフルオロヘプタン;パーフルオロアルケン、たとえばパーフルオロプロペン、パーフルオロブテン(たとえばパーフルオロブト−2−エン)またはパーフルオロブタジエン;パーフルオロアルキン(たとえばパーフルオロブト−2−イン);および
【0115】
パーフルオロシクロアルカン(たとえばパーフルオロシクロブタン、パーフルオロメチルシクロブタン、パーフルオロジメチルシクロブタン、パーフルオロトリメチルシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロジメチルシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロシクロヘプタン)である。
【0116】
好ましい飽和パーフルオロカーボンは、式:Cn+2(ここで、nは1〜12、好ましくは2〜10、最も好ましくは3〜8、より一層好ましくは3〜6である)を有する。適当なパーフルオロカーボンとしては、たとえばCF、C、C、C、C10、C12、C12、C14、C14、C16、C18、およびC20が挙げられる。
特に好ましい気体は、SF、またはCF、C、C、C、C10またはこれらの混合物から選ばれるパーフルオロカーボンであり;SF、CまたはC10が特に好ましい。
【0117】
また上記気体のいずれかの割合の混合物の使用も、有利となりうる。たとえば混合物は、通常の気体、たとえば窒素、空気または二酸化炭素と、安定なマイクロバブル懸濁液を形成する気体、たとえば六フッ化イオウまたは上述のパーフルオロカーボンからなる。
【0118】
以下の組合せ、すなわち、気体(A)および(B)の混合物が特に好ましく、ここで、気体(B)は好ましくはSF、CF、C、C、C、C、C、C10、C10、C12またはこれらの混合物から選ばれるフッ素化ガスで、気体(A)は空気、酸素、窒素、二酸化炭素またはこれらの混合物から選ばれる。気体(B)の量は、該混合物総量の約0.5〜95V/V%、好ましくは約5〜80%であってよい。
【0119】
一定の情況下で、気体物質への前駆体(すなわち、インビボで気体に変換されうる物質)を含ませることが望まれるかもしれない。気体前駆体およびそれから得られる気体は、生理的に許容しうることが好ましい。気体前駆体はpH賦活、光賦活、温度賦活等のものであってよい。たとえば、温度賦活の気体前駆体として、一定のパーフルオロカーボンを使用しうる。これらのパーフルオロカーボン、たとえばパーフルオロペンタンまたはパーフルオロヘキサンは、室温(または該作用剤の製造および/または貯蔵温度)を越えるが体温より低い液体/気体相の転移温度を有し、従って、それらは液体/気体相転移をうけ、かつ人体内で気体に変換する。
【0120】
超音波検査の場合、生物学的適合性気体または気体混合物は好ましくは、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、キリプトン、キセノン、アルゴン、メタン、ハロゲン化炭化水素(パーフルオロカーボンや六フッ化イオウなどのフッ素化ガスを包含)またはこれらの混合物から選ばれる。有利には、パーフルオロカーボン(特にC10またはC)またはSFは、必要に応じて空気または窒素との混合物で使用できる。
【0121】
MRIにおけるアセンブリーの使用の場合、マイクロベシクルは好ましくは、超分極ネオン、超分極ヘリウム、超分極キセノンもしくはこれらの混合物などの超分極貴ガス、またはこれと必要に応じて空気、CO、酸素、窒素、ヘリウム、キセノン、あるいは上述のハロゲン化炭化水素のいずれかとの混合物を含有する。
【0122】
シンチグラム造影での使用の場合、本発明に係るアセンブリーのマイクロベシクルは好ましくは、Xe133、Kr81もしくはこれらの混合物などの放射性ガス、またはこれと必要に応じて空気、CO、酸素、窒素、ヘリウム、クリプトン、あるいは上述のハロゲン化炭化水素との混合物を含有する。
【0123】
マイクロベシクルの会合成分(MAC)
アセンブリーのマイクロベシクルに会合する第2成分(MAC)は、全正味電荷を帯びている生物学的適合性界面活性剤からなる構造実体(structural entity)のいずれであってもよい。特に、該構造実体は、複数の好ましく両親媒性の分子の会合によって形成される超分子構造が好ましい。幾つかの実施態様において、荷電化合物は他の界面活性剤および/または中性の添加剤と混合される。
【0124】
MACはさらに、アセンブリーの特別な用途に応じて、所望の標的配位子、対生物活性剤および/または診断剤を包含してもよい。
【0125】
本発明に係るアセンブリーのMACを調製するのに適する生物学的適合性界面活性物質は、前記列挙した化合物、たとえば(C−C10)有機酸、(C12−C24)、好ましくは(C14−C22)脂肪族鎖を有する有機脂肪酸、その医薬的に許容しうる(アルカリ)塩、ポリオキシエチレンとのそのエステル、たとえばパルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレイン酸、ドデカン酸ナトリウム、シュウ酸もしくは酒石酸ナトリウムまたはポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート;
【0126】
ポリイオン性(アルカリ)塩、たとえばクエン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム;好ましくは(C−C22)炭化水素鎖(そのポリオキシエチル化誘導体を含む)を含有する、有機アミン、アミド、第四級アミン(ハライド)塩、たとえばエタノールアミン、トリエタノールアミン、アルキルアミン、アルカノールアミド、トリメチルアルキルアミンクロリド、ポリオキシエチル化アルキルアミン、ポリオキシエチル化アルカノールアミド;アミノ酸;
【0127】
リン脂質、たとえばホスファチジルコリン,エチルホスファチジルコリン,ホスファチジルグリセロール,ホスファチジン酸,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンもしくはスフインゴミエリンの脂肪酸ジエステル;モノもしくはオリゴサッカリドと(C12−C24)、好ましくは(C14−C22)有機脂肪酸のエステル、たとえばソルビタンラウレート;高分子界面活性物質、すなわち、疎水性および親水性部分を含有するブロックコポリマー、たとえばエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー;
【0128】
有機スルホネート、たとえばアルカリ(たとえばナトリウム)(C12−C24)アルキル、好ましくは(C14−C22)アルキルスルホネート;パーフルオロ有機酸、たとえばパーフルオロオクタン酸;およびこれらの混合物の中から選ぶことができる。好ましい化合物は、マイクロベシクルの適当な成分の中で前記列挙した、脂質、リン脂質および修飾リン脂質を含む、中性のまたは荷電両親媒性物質である。好ましいMACは、ミセルの形状にある。
【0129】
MACの配合物は、通常の技法に従って、たとえばMACを形成する関連成分を水性担体に分散し、次いで必要に応じ過剰物質を除去するため、得られる懸濁液を洗浄することにより得ることができる。
【0130】
上記第2成分はナノ成分であって、すなわち、その相対寸法は約100nmもしくはそれ以下、好ましくは約80nmもしくはそれ以下、より好ましくは約50nmもしくはそれ以下のものである。MACの寸法、特にその数平均直径は、通常の技法に従いたとえば光子相関分光分析などにより測定することができる。たとえば、ZetaSizer3000Has(Malvern Instruments Gmbh)を使用できる。特にMACがその構造の中に、所望の標的配位子、対生物活性剤および/または診断剤を取入れているとき、その寸法は好ましくは、少なくとも0.1nm、より好ましくは少なくとも1nmのものである。
【0131】
好ましくはMACは、MACが会合するマイクロベシクルの平均寸法より少なくとも10倍小もしくはそれより小さい(at least 10 times less or smeller than)、より好ましくは少なくとも50倍小もしくはそれより小さい平均寸法を有する。上記平均寸法は概して、1000倍以上、好ましくは500倍以上である。
【0132】
正しく認識されうるように、気体封入マイクロベシクルに対するMACの比較的小さい寸法故に、比較的多量のMACsをマイクロベシクルに会合させることができ、従って、より大きな数の結合標的配位子および/またはMACに取入れられる放出可能な治療剤もしくは診断剤の量によって、アセンブリーの有効性が増大する。さらに、上記MACの比較的小さな寸法は、マイクロベシクルの寸法に匹敵する寸法を持つアセンブリーを得るのを可能ならしめる。実際に、本発明に係るアセンブリーの数平均直径は、組立(assembling)前に測定したマイクロベシクルの平均直径の約30%以下が好ましく、より好ましくは20%以下、より一層好ましくは10%以下である。
【0133】
本発明の幾つかの実施態様において、荷電物質がMACの実質的全体、すなわち、90モル%もしくはそれ以上を構成しうる。他の幾つかの実施態様において、MACの構造を形成する荷電分子は、該構造を形成する化合物の全体に相当せず、一定量の中性化合物と混合されているのが好ましい。一方、本発明者は、荷電マイクロベシクルとの有効な相互作用を可能にするため、MAC中の荷電分子の量は好ましくは、上記エンベロープを形成する物質の総量に対し少なくとも0.5モル%のものにすべきことを認識した。好ましくは、上記量は少なくとも1モル%、より好ましくは少なくとも2モル%である。本発明の幾つかの好ましい実施態様において、MACの構造を形成する荷電分子の量は好ましくは、約50%以下、より好ましくは約20%以下である。
【0134】
ミセル
前述の如く、本発明のアセンブリーにおいてマイクロベシクルと会合すべき好ましい成分は、ミセルである。本明細書で用いる語句“ミセル”とは、ミセルと混合ミセルの両方を包含し、ここで、語句混合ミセルとは、2種以上の化合物(その少なくとも1種は、ミセル構造を形成しうる両親媒性化合物である)の混合物によって形成されるミセル構造を指称する。すなわち、語句混合ミセルは、その意義の範囲内において、それ自体が水性担体に分散したとき概してミセル構造を形成できないが、適量のミセル形成両親媒性化合物と組合せて使用するとミセル構造を形成しうる、少なくとも1種の化合物、好ましくは両親媒性化合物によって形成されるミセルをも包含する。
【0135】
混合ミセルの具体例は、未修飾のリン脂質(一般に、単独物質で水性担体に分散したときミセルを形成することができない)と、ミセル形成化合物(たとえばPEG−修飾リン脂質または脂肪酸塩)とで形成されるミセルである。当該分野で公知の如く、ミセルは水に分散した両親媒性分子により、これらの分子の濃度がCMC(臨界ミセル濃度)として公知の所定の値を越えたときに形成される。CMC以下の濃度では、かかる分子は単一分子として水溶液に分散する。
【0136】
CMCより高いと、両親媒性分子は、溶液中自由分子と平衡状態で、超分子構造に組織化する傾向にあり、該構造は、分子の疎水性(脂質)尾部(tail)が構造の内部の方に配置し、一方、分子の親水性(極性またはイオン性)頭部基(headgroup)が構造の外部に配置するという事実によって特性決定される。両親媒性分子のCMCは実験的に、当該分野の標準技法を用いて測定することができる。たとえば、界面活性剤のCMCは、1つの特性(性質)を界面活性剤の濃度の関数としてプロットすることにより、測定することができる。
【0137】
特性は通常、界面活性剤濃度のCMCまでの上昇に伴なって直線的に変化し、CMCを越えると、線(または特性)は非直線となる。CMCの測定に使用できる適当な特性としては、屈折率、光散乱、表面張力、導電率、浸透圧等が挙げられる。本発明の目的のため、好ましいミセル形成物質は、たとえば約10mMもしくはそれ以下の比較的低いCMCを持つものである。
【0138】
ミセルは典型例として、約0.1〜100nm、好ましくは約1〜50nmの寸法を有する。数平均直径(D)は、約50nmもしくはそれ以下、好ましくは約20nmもしくはそれ以下、より一層好ましくは10nmもしくはそれ以下で、たとえば1nm、好ましくは約2nm以上である。
【0139】
ミセル、ミセル系およびこれらの製造法の再検討はたとえば、参考文献:“Surfactants and Polymers in Drug Delivery”, by M. Malmsten, Ch. 2, pp. 19-50, Marcel Dekker Inc. Ed., 2002で見ることができる。
【0140】
本発明のアセンブリーにおいてマイクロベシクルと会合すべきミセルを形成するのに有用な適当な物質は、先に列挙した脂質およびリン脂質物質の中から選ぶことができる。
【0141】
ミセル形成化合物の具体例は、特にPEG−修飾ホスファチジルエタノールアミンを含むPEG−修飾リン脂質、たとえばDMPE−PEG2000、DMPE−PEG3000、DMPE−PEG4000、DMPE−PEG5000、DPPE−PEG2000、DPPE−PEG3000、DPPE−PEG4000、DPPE−PEG5000、DSPE−PEG2000、DSPE−PEG3000、DSPE−PEG4000、DSPE−PEG5000、DAPE−PEG2000、DAPE−PEG3000、DAPE−PEG4000またはDAPE−PEG5000;少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩、たとえばステアリルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB);
【0142】
(C−C)アルキレン橋を介してN原子に結合した、1または好ましくは2つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖を有する第三または第四アンモニウム塩、たとえば1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、1,2−ジステアロイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DSDAP);脂肪酸塩、好ましくはアルカリ、特にナトリウム塩、たとえばパルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセリン酸ナトリウム塩または1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロールナトリウム塩である。
【0143】
またミセル懸濁液の調製に、中に疎水性部と親水性部分を含有するポリマー(“高分子界面活性物質”としても公知)も使用できる。適当な高分子界面活性物質の具体例としては、これらに限定されないが、ポリエチレンオキシド(PEO)、たとえば(C−C16)n−アルキルPEOモノエーテル、(C−C10)n−アルキルフェニルPEO、テトラメチルブチルフェニルPEO、PEOポリソルベート(これらのPEOはBrij、Lubrol、Triton、NonidetまたはTween(これらは全て登録商標)の商品名で売られている);ブロックコポリマー、たとえば好ましくは、約3000〜20000ダルトン、好ましくは5000〜15000ダルトンのMWを有するエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー(たとえばPluronicまたはSynperonic(いずれも登録商標));糖誘導体、たとえば(C−C10)アルキル−β−D−グルコピラノシド、(C−C12)アルキル−β−D−マルトシド;(C−C16)アルキルジメチルアンモニウムプロパン−スルホネート;および胆汁酸およびその誘導体、たとえばコール酸ナトリウムまたはデオキシコール酸ナトリウムが挙げられる。
【0144】
本発明のアセンブリーに含ませるべきミセルの製造に使用できる追加の脂質としては、たとえば未修飾リン脂質、たとえば上述のホスファチジルコリン,エチルホスファチジルコリン,ホスファチジルグリセロール,ホスファチジン酸,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンまたはスフィンゴミエリンの脂肪酸ジエステルが挙げられる。これらの未修飾リン脂質は一般に、水性担体に分散したときミセル構造を形成できないので(これらの化合物はむしろ、水溶液に分散したときにリポソームとして会合する傾向にあるので)、未修飾リン脂質は好ましくは、上述のミセル形成化合物のいずれかと混合して使用される。
【0145】
特にそれらの量は好ましくは、ミセル構造を形成する化合物混合物の総重量の約80%以下、より好ましくは約70%もしくはそれ以下とする。好ましい実施態様によれば、ミセル成分は、約30〜70重量%、好ましくは約40〜60重量%の未修飾リン脂質を含有する混合物から形成される。混合物の残りは、上記列挙したミセル形成界面活性物質のいずれであってもよい。
【0146】
所望の全正味電荷は、上記列挙した負または正荷電化合物、特に脂質またはリン脂質(修飾リン脂質を含む)のいずれかによってミセルに付与される。
すなわち、全負電荷をミセルに付与するのに適当なリン脂質の具体例は、ホスファチジルセリン誘導体、たとえばDMPS、DPPS、DSPS;ホスファチジン酸誘導体、たとえばDMPA、DPPA、DSPA;ホスファチジルグリセロール誘導体、たとえばDMPG、DPPGおよびDSPGである。
【0147】
また修飾リン脂質、特にPEG−修飾ホスファチジルエタノールアミンも有利に使用でき、たとえばDMPE−PEG750、−PEG1000、−PEG2000、−PEG3000または−PEG5000;DPPE−PEG750、−PEG1000、−PEG2000、−PEG3000または−PEG5000;DSPE−PEG750、−PEG1000、−PEG2000、−PEG3000または−PEG5000;DAPE−PEG750、−PEG1000、−PEG2000、−PEG3000または−PEG5000;および上記リン脂質の各リゾ体、たとえばリゾホスファチジルセリン誘導体、リゾホスファチジン酸誘導体(たとえばリゾ−DMPA、−DPPAまたは−DSPA)およびリゾホスファチジルグリセロール誘導体(たとえばリゾ−DMPG、−DPPGまたは−DSPG)が挙げられる。
【0148】
負荷電脂質の具体例は、胆汁酸塩、たとえばコール酸塩、デオキシコール酸塩またはグリココール酸塩;および脂肪酸塩、たとえばパルミチン酸塩、ステアリン酸塩、1,2−ジパルミトイル−sn−3−スクシニルグリセロール塩または1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール塩である。
好ましくは、負荷電化合物はDPPA、DPPS、DSPG、DSPE−PEG2000、DSPE−PEG5000またはこれらの混合物から選ばれる。
【0149】
負荷電成分は典型例として、対応する正の反対イオンと会合し、該反対イオンは、一価(たとえばアルカリ金属)、二価(たとえばアルカリ土類金属)または三価(たとえばアルミニウム)であってよい。かかる反対イオンは好ましくは、アルカリ金属カチオン、たとえばLi、NaまたはK、より好ましくはNaから選ばれる。
【0150】
マイクロベシクルに全正電荷を付与するのに適するリン脂質の具体例は、ホスファチジルコリンのエステル、たとえば1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DSPC)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチル−DPPC)である。負反対イオンは好ましくは、ハロゲンイオン、特に塩素または臭素である。正荷電脂質の具体例は、上記で列挙したような、少なくとも1つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩、または(C−C)アルキレン橋を介してN−原子に結合した1または好ましくは2つの(C10−C20)、好ましくは(C14−C18)アシル鎖を有する第三または第四アンモニウムである。
【0151】
正荷電化合物として、エチル−DPPC、エチル−DSPC、DSTAPまたはこれらの混合物が使用される。
正荷電成分は典型例として、対応する負の反対イオンと会合し、該反対イオンは、一価(たとえばハロゲン)、二価(たとえばスルフェート)または三価(たとえばホスフェート)であってよい。かかる反対イオンは好ましくは、ハロゲンイオン、たとえばF(フッ素)、Cl(塩素)またはBr(臭素)から選ばれる。
さらに、全(負または正)正味電荷を有するミセルの形成に、上記マイクロバルーン形成物質の中で列挙したものなどのイオン性ポリマーを有利に使用することができる。
【0152】
上記の如く幾つかの実施態様において、所望のミセル構造を形成するのに、荷電分子を上記列挙したものなどの中性両親媒性化合物(中性リン脂質を含む)と有利に混合することができる。上記列挙の荷電化合物と混合すべき好ましい中性化合物は、高分子界面活性物質、たとえばPluronic F68、Pluronic F108、Pluronic F-127(USAミズーリ州のSigma Aldrich)などのエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー;ポリオキシエチル化アルキルエーテル、たとえばBrij(登録商標)78(USAミズーリ州のSigma Aldrich);ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、たとえばMyrj(登録商標)53またはMyrj 59(USAミズーリ州のSigma Aldrich);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、たとえばTween(登録商標)60(USAミズーリ州のSigma Aldrich);ポリエチレングリコールt−オクチルフェニルエーテル、たとえばTriton(登録商標)X-100(USAミズーリ州のSigma Aldrich);ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。本発明の1実施態様によれば、ミセルは、荷電両親媒性化合物と中性リン脂質および1種以上の上記列挙中性化合物の混合物によって形成される。
【0153】
本発明の幾つかの好ましい実施態様において、荷電界面活性物質の量は、ミセルの実質的全体を構成しうる(すなわち、ミセル形成物の総重量の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは約100%を構成)。幾つかの他の好ましい実施態様において、特にミセルを形成する化合物の少なくとも1種が未修飾リン脂質であるとき、ミセルを形成する荷電界面活性物質の総量は好ましくは、約1〜80%、より好ましくは約2〜50%である。
【0154】
ミセルは当該分野で公知の手順により、上記化合物を水性液体担体に分散し、次いで必要に応じて混合物をかきまぜることによって製造することができる。適当な液体担体の具体例は、水、食塩水(塩化ナトリウム0.9%)、リン酸塩緩衝食塩水(10mM、pH7.4)、HEPES緩衝液(20mM、pH7.4)、水中グルコース5%w/wである。たとえば、上記化合物を水性液体中約1〜100mg/mLの濃度で分散させ、次いで攪拌または音波破砕(音波処理)で溶解させることができる。
【0155】
次いでミセルを水性分散液(たとえばその調製に用いた水性担体中)として貯蔵してから、マイクロベシクル含有の懸濁液とあるいは(以下に詳細に説明するように)水性−有機エマルジョンに混ぜることができ、これによってマイクロベシクルを製造する。別法として、ミセル懸濁液を通常の技法に従い凍結乾燥して、液体を除去し、次いで最終乾燥生成物を次の使用のため貯蔵することができる。
【0156】
リポソーム
本発明に係るアセンブリーにおいてマイクロベシクルにMACと同様に会合させることができる別の超分子構造は、リポソーム、特に小さな一枚膜の(unilamella)ベシクル(SUV)リポソームである。
語句リポソームとは、概して1以上の同心層(concentric)形状の、脂質化合物を含む両親媒性化合物の実質上球状の凝集を包含する。一般的にリポソームは、水性懸濁液中で形成され、かつ両親媒性化合物の少なくとも1つの二層構造を有する。
【0157】
二層構造の外面層を形成する両親媒性化合物の親水性頭部は、球状構造の外部の方に向き、一方、二層構造の内面層を形成する両親媒性化合物の親水性頭部は、球状構造の内部の方に向いている。リポソームの球状構造の内部には一般に、外側の水性懸濁液には存在しない(あるいは存在してもほんのわずかな)追加の化合物を必要に応じて含有する、水性懸濁液の同じ液体が充填される。
【0158】
リポソームを製造する好ましい物質は、上記列挙したものなどのリン脂質であって、必要に応じて他の上記列挙の両親媒性化合物のいずれかと混合されてよい。
SUVリポソームは、通常の技法に従いたとえば、超音波処理、エクストルージョン法または微小流動化により、MLV(多重層ベシクル(Multilamellar large vesicles))懸濁液を適切に加工することによって、形成することができる。MLVはたとえば、リン脂質を有機溶剤に溶解し、有機溶剤を減圧蒸発して、リン脂質薄膜を得、最後にリン脂質の転移温度を越える温度で薄膜を水和することによって、得ることができる。
【0159】
すなわち、得られるMLVを超音波放射にさらすことにより、所望のSUVリポソームが得られる。別法として、MLVを、減少孔径を持つ(たとえば1.0、0.8、0.6、0.4および0.2μm)多数の膜(たとえばポリカーボネートの)で押出し、次いでより小さな孔寸法を持つ押出機(たとえばLIPEX Biomembranes(登録商標)、カナダ)で押出して、最終SUVを得ることができる。さらにSUVの他の製造加工として、MLVを微小流動化装置(たとえばMicrofluidics Corporation製)にて、該微小流動化装置内のリポソームの再循環の量に応じて高圧下で均質化し、リポソームのサイズを約100nmもしくはそれ以下に縮小することができる。
【0160】
これらおよび他のSUV製造法はたとえば、参考文献“Liposomes, a practical approach”, edited by Roger R.C. New, Oxford University Press, 1989に開示されている。
SUVリポソームの寸法は典型例として、約25〜100nm、好ましくは約30〜100nmである。数平均直径は、約30〜60nm、好ましくは約30〜50nmで変化しうる。
リポソームの再検討およびその製造法も、上記引用の参考文献“Surfactants and Polymers in Drug Delivery”, by M. Malmsten, Ch. 4, pp. 87-131, Marcel Dekker Inc. Ed., 2002に記載されている。
【0161】
MACとして本発明のアセンブリーのマイクロベシクルに会合しうる他の構造としては、コロイドナノ粒子、たとえばコロイド金ナノ粒子が挙げられる。これらのナノ粒子は典型例として、実質的不溶の固体ナノ粒子を含有する水溶液に、適当な分散剤を加えて、コロイドナノ粒子(すなわち、分散剤で被覆された固体ナノ粒子)の水性懸濁液を形成することによって得られる。
【0162】
たとえば、コロイド金ナノ粒子は、金ナノ粒子(約2〜50nmの直径を持つ)を水溶液中クエン酸ナトリウムで分散することによって、得ることができる(たとえば、Grabarの“Preparation and Characterization of Au colloid monolayers”, Analytical Chemistry, Vol. 67, p.735, 1995参照)。気体封入マイクロベシクルと会合するコロイド金ナノ粒子を用いることにより、上記マイクロベシクルが崩壊を起こすとき(たとえば制御高エネルギー超音波照射によって誘発)、選択組織における浸透深さを大きくすることができる。
【0163】
すなわち、コロイド金ナノ粒子からなるアセンブリーはたとえば、対生物活性剤からなる他のMACと会合して、該対生物活性剤の選択組織への浸透深さを大きくすることができ、これによって治療処置の有効性を高めることができる。
【0164】
他のMACsは、固体ポリマーナノ粒子によって形成することができる。これらの固体ポリマーナノ粒子は、気体封入マイクロベシクルの製法に関して前記列挙したポリマー物質のいずれかで形成でき、かかるポリマー物質としては、生分解性の生理的に許容しうるポリマー、たとえば実質的に水不溶性のポリサッカリド(たとえばキトサンまたはキチン)、ラクチドとラクトン、たとえばγ−カプロラクトンまたはδ−バレロラクトンのコポリマー、エチレンオキシドとラクチド、ポリエチレンイミン、ポリペプチド、およびたん白、たとえばゼラチン、コラーゲン、グロブリンまたはアルブミンのコポリマーが挙げられる。
【0165】
他の適当なポリマーは、上記US特許5711933に記載および上記列挙のポリマーである。非生分解性ポリマー、特に水不溶性の生理的に許容性および生体抵抗性ポリマーも使用でき、好ましくは上記生分解性ポリマーのいずれかと混合される。かかる非生分解性ポリマーはたとえば、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリアクリレートあるいはポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂、ポリカーボネートなどのポリエステル、ポリウレタン、ポリウレアおよびこれらのコポリマーであってよい。ABS(アクリル−ブタジエン−スチレン)が好ましいコポリマーである。
【0166】
標的配位子および対生物活性/診断剤
本発明に係るアセンブリーの、特にミセル形状のMACは、その構造内に、標的、診断および/または生物学的活性を有する化合物を有利に包含しうる。
MACに含まれる標的配位子は、合成、半合成または天然産出のものであってよい。標的配位子として役立ちうる材料もしくは物質としては、たとえば、これらに限定されないが、抗体、抗体フラグメント、レセプタ分子、レセプタ結合分子、糖たん白およびレクチンを含むたん白;オリゴペプチドおよびポリペプチドを含むペプチド;ペプチド擬似体;モノおよびポリサッカリドを含むサッカリド;ビタミン;ステロイド、ステロイド類縁体、ホルモン、補因子、対生物活性剤、およびヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含む遺伝子物質が挙げられる。
【0167】
適当な標的や標的配位子の具体例は、たとえばUS特許6139819に開示されている。
標的配位子は、MACの最終構造に含ませるべきMAC組成物の他の成分と混合される化合物そのもの、あるいはMACの形成に用いる両親媒性分子に結合する化合物であってよい。
【0168】
1の好ましい実施態様において、標的配位子は共有結合を介してMACの両親媒性化合物に結合しうる。このような場合、両親媒性分子上に存在させる必要がある特定の反応性部分は、これにカップリングさせる個々の標的配位子に依存するだろう。一例として、標的配位子がアミノ基を介して両親媒性分子に結合しうる場合、両親媒性分子の適当な反応性部分は、イソシアネート基(チオ尿素結合を形成する)、反応性エステル(アミド結合を形成)、アルデヒド基(アルキルアミン結合に還元すべきイミン結合の形成のため)等であってよく;標的配位子がチオール基を介して両親媒性分子に結合しうる場合、両親媒性分子の適当な相補反応性部分は、ハロアセチル誘導体またはマレイミド(maleimides)(チオエーテル結合を形成)を包含し;および標的配位子がカルボキシル基を介して両親媒性分子に結合しうる場合、両親媒性分子の適当な反応性部分は、アミンやヒドラジド(アミドまたはアルキルアミド結合を形成)であってよい。
【0169】
所望の標的配位子を共有結合させるためには、MACを形成する両親媒性化合物の少なくとも一部は、適当な反応性部分を含有するだろうし、また相補性官能基を含有する標的配位子は、公知の技法に従い、たとえばそれをMACの両親媒性成分を有する水性分散液に加えることによって、上記反応性部分に結合するだろう。MACの調製前に、両親媒性化合物を所望標的配位子とコンバインでき、そして得られる併用物をMACの調製プロセスで使用できる。別法として、標的配位子はMACの調製プロセス中にそれぞれの両親媒性化合物に結合することができ、あるいはミセル構造の前に両親媒性化合物に直接結合することができる。
【0170】
他の実施態様によれば、標的配位子は物理的および/または静電相互作用を介してMACに適宜会合してもよい。一例として、相補部分に対し高い親和性と選択性を有する官能部分を、両親媒性分子に導入することができ、同時に相補部分が標的配位子に結合するだろう。たとえば、アビジン(またはストレプトアビジン)部分(ビオチンに対し高い親和性を有する)は、リン脂質に共有結合が可能で、同時に相補性ビオチン部分を、適当な標的配位子、たとえばペプチドまたは抗体に導入することができる。
【0171】
すなわち、ビオチン−標識標的配位子は、アビジン−ビオチンカップリングシステムにより、MACのアビジン−標識リン脂質に会合するだろう。別法として、リン脂質と標的配位子の両方にビオチン部分を付与した後、アビジン(2つのビオチン部分をブリッジしうる二官能性成分)で互いにカップリングさせることもできる。またリン脂質とペプチドのビオチン/アビジンカップリングの具体例も、上記US特許6139819に開示されている。別法として、ファンデルヴァールス相互作用、静電相互作用および他の会合法により、標的配位子を両親媒性分子に会合もしくは結合させることができる。
【0172】
他の実施態様によれば、標的配位子は、結果的にMAC構造に取込むべき、MAC形成成分と混合される化合物、たとえば国際特許出願WO98/18501または99/55383に開示のリポペプチドなどであってよい。
【0173】
別法として、最初に、標的配位子の対応する相補部分と相互作用しうる適当な部分を有する化合物からなるMACを製造し;その後に該MAC懸濁液に所望の標的配位子を加えて、MACの対応相補部分に結合させることができる。さらに別法として、標的配位子の対応する相補部分と相互作用しうる適当な部分を有する化合物を包含するMACからなるアセンブリーを製造し;その後に該アセンブリー懸濁液に所望の標的配位子を加えて、MACの対応部分に結合させることができる。
【0174】
アセンブリーが指向されうる適当な特定標的の具体例は、フィブリンおよび賦活した血小板のGPIIbIIIa結合レセプタである。フィブリンや血小板は実際には概して“血栓”、すなわち、血流中に形成して、血管閉塞を起しうる凝塊に存在する。適当な結合ペプチドは、たとえば上記のUS特許6139819に開示されている。フィブリン−ターゲティングに対し特異的な他の結合ペプチドは、たとえば国際特許出願WO02/055544に開示されている。
【0175】
重要な標的の他の具体例としては、傷つきやすいプラクのレセプタや腫瘍特異性レセプタ、たとえばキナーゼ・ドメイン領域(KDR)およびVEGF(血管内皮成長因子)/KDR複合体が挙げられる。KDRまたはVEGF/KDR複合体に適する結合ペプチドは、たとえば国際特許出願WO03/74005およびWO03/084574に開示されている。
【0176】
対生物活性剤としては、患者の病的状態(疾患、心身苦悩、病気、外傷または損傷)のいずれかの処置(診断、予防、軽減、苦痛除去または治癒を含む)で使用できる化合物または物質のいずれをも包含する。対生物活性剤の具体例は、前記列挙のものである。これらの中で、薬物または製薬、特に実質的に疎水性であるか、あるいは実質的疎水性の関連部分を含有する有機分子(典型例として合成分子)からなる薬物が好ましい。これらの分子は実際に、MAC形成両親媒性物質の親油性(または疎水性)との親和力故に、MAC、特にミセルの構造に比較的容易に取込むことができる。
【0177】
たとえば、MAC、特にミセルを形成する両親媒性物質含有の水性担体に、有機分子を分散させることができ、この場合、親和力によってMACの疎水性部の中へ取込まれるだろう。別法として、親水性薬物または有機分子も、特にMACがリポソームの形状にあるとき、該MACの中に取込むことができる。この場合、親水性化合物はリポソームの内部水性部に入れられているのが好ましい。
【0178】
MACの構造に取込むかあるい会合できる薬物の具体例はたとえば、上記WO99/53963に記載のものであって、抗腫瘍剤、たとえばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ブスルファン、クロラムブシル、スピロプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキサート、アドリアマイシン、ミトマイシン、ブレオマイシン、アラビノシルシトシン、アラビノシルアデニン、メルカプトプリン、ミトーテン、プロカルバジン、ダクチノマイシン(アンチノマイシンD)、ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、タキソール、プリカマイシン、アミノグルテチミド、エストラマスチン、フルタミド、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、タモキシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(m−AMSA)、アスパラギナーゼ(ラスパラギナーゼ)、エトポシド、インターフェロンα−2Aおよび2B、ヘマトポルフィリンまたはその誘導体などの血液生成物;
【0179】
生物学的レスポンス変性剤、たとえばムラミルペプチド;抗真菌剤、たとえばケトコナゾール、ナイスタチン、グリセオフルビン、フルシトシン、ミコナゾールまたはアンホテリシンB;ホルモンまたはホルモン類縁体、たとえば成長ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン、エストラジオール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンまたは酢酸フルドロコルチゾン;ビタミン、たとえばシアノコバラミンまたはレチノイド;酵素、たとえばアルカリ性ホスファターゼまたはマンガンスーパーオキシドジスムターゼ;抗アレルギー剤、たとえばアメレキサノックス;
【0180】
抗凝固剤、たとえばワルファリン、フェンプロクーモンまたはヘパリン;抗血栓剤;血液運搬薬、たとえばプロプラノロール;代謝増強剤、たとえばグルタチオン;抗結核薬、たとえばp−アミノサリチル酸、イソニアジド、硫酸カプレオマイシン、サイクロセキシン、エタンブトール、エチオナミド、ピラジナミド、リファンピンまたは硫酸ストレプトマイシン;抗ウイルス薬、たとえばアシクロビル、アマンタジン、アジドチミジン、リバビリンまたはビダラビン;血管拡張剤、たとえばジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、四硝酸エリトリトール、イソソルビドジニトレート、ニトログリセリンまたは四硝酸ペンタエリトリトール;
【0181】
抗生物質、たとえばダプソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフラジン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、アモキシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン、ヘタシリン、メチシリン、ナフシリン、ペニシリンまたはテトラサイクリン;抗炎症薬、たとえばジフルニサル、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナメート、メフェナム酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、トルメチン、アスピリンまたはサリチル酸塩;抗原生動物薬、たとえばクロロキン、メトロニダゾール、キニンまたはメグルミン・アンチモネート;
【0182】
抗リウマチ薬、たとえばペニシラミン;麻酔薬、たとえばアヘン安息香チンキ;アヘン剤、たとえばコデイン、モルヒネまたはオピウム;強心薬グリコシド、たとえばデスラノシド、ジギトキシン、ジゴキシン、ジギタリンまたはジギタリス;神経筋遮断薬、たとえばアトラクリウム・メシレート、ガラミントリエチオライド、臭化ヘキサフルオレニウム、沃化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化スクシニルコリン、塩化ツボクラリンまたは臭化ベクロニウム;鎮静薬、たとえばアモバルビタール、アモバルビタール・ナトリウム、アプロバルビタール、ブタバルビタール・ナトリウム、抱水クロラール、エトクロルビノール、エチナメート、塩酸フルラゼパム、グルテチミド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラム、パラアルデヒド、ペントバルビタール、セコバルビタール・ナトリウム、タルブタール、テマゼパムまたはトリアゾラム;
【0183】
局所麻酔薬、たとえばブピバカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカインまたはテトラカイン;全身麻酔薬、たとえばドロペリドール、エトミデート、クエン酸フェンタニールとドロペリドール、塩酸ケタミン、メトヘキシタール・ナトリウムまたはチオペンタールおよびこれらの医薬的に許容しうる塩(たとえば塩酸塩あるいは臭酸塩などの酸付加塩、またはナトリウム、カルシウムあるいはマグネシウム塩などの塩基塩)または誘導体(たとえば酢酸塩);および放射化学薬品、たとえば177Lu、90Yまたは131Iなどのアルファ、ベータまたはガンマ−エミッター含有薬品が挙げられる。
【0184】
特別に重要なものは、ヘパリンなどの抗血栓剤やヘパリン様活性を持つ作用物質、たとえばアンチトロンビンIII、ダルテパリンおよびエノキサパリン(enoxaparin);血小板凝集インヒビター、たとえばチクロピジン、アスピリン、ジピリダモール、イロプロスト(iloprost)およびアブシキシマブ(abciximab);および血栓崩壊酵素、たとえばストレプトキナーゼおよびプラスミノゲン・アクチベーターである。対生物活性剤の他の具体例としては、組換えRNAおよびDNAを含む、核酸、RNA、および天然もしくは合成オリジンのDNAなどの遺伝物質が挙げられる。
【0185】
上記特許に記載の如く、一定たん白質をコード化するDNAを、多種にわたる多くの病気の処置に使用しうる。たとえば、前進性癌の処置には腫瘍壊死因子あるいはインターロイキン−2を用い;卵巣癌や脳腫瘍の処置にはチミジンキナーゼを用い;神経芽腫、悪性黒色腫または腎臓癌の処置にはインターロイキン−2を用い;および癌の処置にはインターロイキン−4を用いることができる。
【0186】
本発明のアセンブリーにおいてMACに取込むまたは会合させる診断剤は、診断技法に関してイメージング向上を可能ならしめるいずれかの化合物、組成物または粒子であって、上記イメージングとして磁気共鳴イメージング、X線、特にコンピューター使用X線断層撮影、光学イメージング、核イメージングまたは分子イメージングが包含される。適当な診断剤の具体例は、磁鉄鉱ナノ粒子、沃素化化合物、たとえばIomeprol(登録商標)、または常磁性イオン複合体、たとえば疎水性ガドリニウム複合体である。
【0187】
たとえば、磁鉄鉱ナノ粒子を上述の負荷電両親媒性物質(および必要に応じて中性物質)と混合して、該粒子を安定化し、かつ水溶液に分散保持することができる。US特許5545395には、上記磁鉄鉱粒子を安定化するのにDPPAとPluronic(登録商標)の混合物の使用による、安定化した磁鉄鉱粒子の幾つかの製造例が示されている。別法として、たとえばヨーロッパ特許EP804251に開示の如く、ガドリニウム複合体を適当なミセル形成化合物と混合して、ガドリニウム含有MACを形成することができる。
【0188】
アセンブリー
本発明アセンブリーの相対組成を評価するため、本発明者は、マイクロベシクルおよびMAC中の荷電化合物の量(“電荷当量”で表示)と、マイクロベシクルおよびアセンブリーの懸濁液のζ−電位を参照することが有用であることがわかった。
語句“電荷当量”(EC)とは、化合物1モル当りの電荷の数を示す。すなわち、1モルのモノイオン性化合物は1つのECを含有し、1モルのジイオン性化合物は2つのECを含有する等々である。
【0189】
ζ−電位(ゼータ電位)は、界面動電電位とも呼ばれているが、これは長い距離をおいて、内部媒体(bulk medium)中の電位とコロイド粒子の表面電位の差である。それは通常のマイクロ電気泳動分析法に従って、たとえばレーザー−ドップラー−アネモメトリー(Laser−Doppler−Anemometry)によるドライビング電場内の粒子速度の測定によって測定するとができる。
【0190】
たとえば、ZetaSizer 3000 Has(Malvern Instrument GmbH)を有利に使用できる。実際には、マイクロベシクルの初期懸濁液のζ−電位を最初に測定し、該電位はマイクロベシクルがそれぞれ、正または負の荷電化合物を含有するかどうかに基づき、正または負の値を有することができる。次に、アセンブリーを含有する最終懸濁液のζ−電位を測定する(すなわち、ひょっとして未結合のMACsを除去する必要な洗浄工程後に)。
【0191】
一般に、マイクロベシクルに対し反対符号のMACsの添加は、懸濁液のζ−電位の絶対値の多少の明らかな減少を決定する。特に、正荷電マイクロベシクルを有する懸濁液は、負荷電MACsの懸濁液を加えるとζ−電位の減少を示し、一方、負荷電マイクロベシクルを有する懸濁液は、正荷電MACsの懸濁液を加えるとζ−電位の相対的増加(すなわち、絶対値の減少)を示すだろう。
【0192】
本発明者が認めるように、好ましいアセンブリーは、初期のマイクロベシクル懸濁液に対して絶対値の実質的な減少、すなわち、初期値の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%の減少を示す懸濁液である。特に好ましいアセンブリーの懸濁液は、実質的中性電位(すなわち、0±10mV、マイクロベシクル懸濁液の初期電位に対し約100%の絶対減少に相当)または初期のマイクロベシクル懸濁液のζ−電位に対し反対符号のζ−電位を示すものである。
【0193】
本発明者が認めるように、アセンブリー懸濁液のζ−電位が同じ符号のままで、初期マイクロベシクル懸濁液のζ−電位に対して50%以下の絶対減少を有するとき、これは、マイクロベシクルに会合するMACsの数が不十分であることの表示となりうる。
【0194】
好ましい実施態様によれば、アセンブリーにおける荷電MACsの量は、該アセンブリーに実質的中性ζ−電位またはマイクロベシクルのζ−電位に対し反対符号のζ−電位を付与するような量である。しかしながら、本発明者が認めるように、上記中性または反対符号のζ−電位のアセンブリーを得るのに、アセンブリーがMACからの過剰な電荷当量を含有する必要はない。
【0195】
実を言うと、それにもかかわらず、正のマイクロベシクルと負のMACsからなり、かつMACのECとマイクロベシクルの反対電荷の当量との比が約1:5(すなわち、マイクロベシクル上の正電荷約5倍過剰)であるアセンブリーは、実質上中性または負のζ−電位を示しうることが認められた。いずれかの個々の理論に拘束されることを望まないが、MACsに含まれる(負)電荷は、アセンブリーの外面に配置し;マイクロベシクルに会合するMACsの数が十分に大きければ、マイクロベシクル上の過剰の(正)電荷は結果的にMACsによって、少なくとも部分的に遮蔽される(screened)ことが推測される。
【0196】
すなわち、粒子に関して測定したζ−電位は、該粒子の外境界に存在する電荷によって強く影響されるので、マイクロベシクルから由来する過剰の(正)電荷当量を有するアセンブリーでさえも、(負)荷電MACsの量が、マイクロベシクルの(正)電荷を部分的に遮蔽するのに十分であれば、負のζ−電位を示しうる。これらの事項の全ては勿論、負荷電マイクロベシクルと正荷電MACsによって形成されるアセンブリーにも適用可能である。
【0197】
一般に、アセンブリーの最終懸濁液におけるマイクロベシクルのECとMACの電荷のECとの比は、約10:1〜1:10の範囲で変化しうる。好ましい実施態様によれば、形成したアセンブリーのマイクロベシクル/MACのEC比は、好ましくは約3:1もしくはそれ以下、より好ましくは約2:1もしくはそれ以下、より一層好ましくは約3:2もしくはそれ以下である。マイクロベシクルとMACsを形成する荷電化合物の量に左右されるが、その比は勿論、小さく、たとえば約1:1から約1:4もしくはそれ以下まで下がってもよい。
【0198】
MACの比較的小さな寸法を考慮して、アセンブリーの寸法(数平均直径)は典型例として、約10μmもしくはそれ以下で一般に約1μmもしくはそれ以上のものである。本発明に係るアセンブリーの好ましい寸法は、約1〜8μm、より好ましくは約2〜5μmである。
【0199】
さらに本発明の実施態様によれば、多層アセンブリーは、気体封入マイクロベシクルを、交番電荷(alternate charge)を有する複数の成分層に会合させることによって、形成することができる。すなわち、たとえば、正電荷を有する第1成分層(たとえばミセル)を負荷電マイクロベシクルに会合させることは可能で;次いでこのアセンブリーに、負電荷を有する第2成分層(たとえば再度ミセルまたはリポソーム)を会合させるとができる等々である。
【0200】
第1成分層のマイクロベシクルへの会合は、ζ−電位の絶対値の減少(マイクロベシクル単独懸濁液について測定したζ−電位に対して)を引き起すだろうが、さらに第2成分層(第1成分と反対電荷を有する)の会合によって、ζ−電位が再びマイクロベシクル単独懸濁液のζ−電位に近い値へ変化することになるだろう。
【0201】
第1製造法によれば、マイクロベシクルを有する水性懸濁液(上記引用の製造法のいずれかに従って得る)を、アセンブリーの第2成分を有する水性懸濁液(上記引用の製造法のいずれかに従って得る)と混合することにより、アセンブリーを得ることができる。
【0202】
このようにして得られる混合物を必要に応じて、過剰の非会合成分を除去するため、1以上の洗浄工程に付すことができる。洗浄は、通常の洗浄技法により、適当な洗浄液、たとえば蒸留水、リン酸塩緩衝食塩水、Tris/グリセロール緩衝液、食塩水または5%グルコース溶液を用いて行なうことができる。洗浄混合物の相(一般に、上澄み相)は、本発明のアセンブリーを有することから、これを分離し、収集し;必要に応じて使用前に、回収したアセンブリー含有懸濁液を最終的に、たとえば上記の生理的に許容しうる担体のいずれかで希釈する。
【0203】
本発明のアセンブリーを有する懸濁液が形成すれば、これを後の投与のため貯蔵するか、あるいはそのまま投与することができる。所望ならば、懸濁液の液体担体を除去して(たとえば凍結乾燥により)、アセンブリーの乾燥粉末を得ることができ、これを再組成する前に、比較的長期間にわたって貯蔵することができる(好ましくは再組成時に気体封入マイクロベシクルを形成するのに適当な気体の存在下で)。
【0204】
別法として、アセンブリーの2つの成分を乾燥形状(たとえば凍結乾燥)の別々の組成物で貯蔵し、投与の前に懸濁液に再組成することができる。貯蔵の場合、乾燥成分は、水で再組成したときにマイクロベシクルを形成する気体の雰囲気中に保持することが好ましい。アセンブリーの各成分を有する2つの乾燥組成物について別々に、水性液体担体による再組成を行なうことができ、このようにして2つの別々の懸濁液が得られ、次いでこれらを混合して、所望のアセンブリー懸濁液を得る。
【0205】
別法として、2つの乾燥組成物をいっしょに混合し、次いで水性液体担体により単一の懸濁液として再組成しうる。この後者の場合、アセンブリーの混合成分は、水性液体担体で再組成したときにマイクロベシクルを形成する気体の存在下で貯蔵される。好ましい実施態様によれば、最初に乾燥MAC組成物を生理的に許容しうる水性担体で再組成し、次いで得られる懸濁液を、乾燥マイクロベシクル組成物の再組成に用いて、最終的にアセンブリーの懸濁液を得る。
【0206】
また上記製造法のいずれかを用いて、上述の多層アセンブリーを製造することができ、すなわち、最初に荷電気体封入マイクロベシクルを、反対電荷を有する第1成分と混合し、次いで形成したアセンブリーを、マイクロベシクルと同じ電荷を有する第2成分と混合することによる。
【0207】
マイクロベシクルとMACsの別々の2配合物からのアセンブリーの製造の場合、最終アセンブリーに望まれるMACsの相対量に対して過剰量のMACsを加えることが有利となりうるが、それは特に、アセンブリー懸濁液の任意の洗浄工程中に一定量のMACsを除去できるからである。一般に、MACの製造に用いる組成物中のECの量は、マイクロベシクルの製造に用いる組成物中のECと少なくとも実質的に等しいこと(すなわち、EC比が約1:1)が好ましい。好ましくは上記EC比は約2:1もしくはそれ以上、より好ましくは少なくとも約3:1もしくはそれ以上でたとえば30:1までの比である。
【0208】
好ましい実施態様によれば、上記引用のWO04/069284に開示の方法に従って製造した、リン脂質と分散保護剤を有する水性/有機エマルジョンに、MAC(特に上記規定のミセル)の水性懸濁液を加える。この場合、荷電MACsは、エマルジョンの微小液滴を包囲する両親媒性物質の反対荷電層と会合するだろう。
【0209】
MACは一般に、MACの電荷当量と懸濁液のマイクロベシクルのECとの比が、少なくとも約1:2もしくはそれ以上、好ましくは2:3もしくはそれ以上、より一層好ましくは少なくとも1:1もしくはそれ以上でたとえば10:1までの比となるような量で加えられる。同様に、前述の如く、リン脂質(および必要に応じて他の両親媒性薄膜形成化合物および/または添加剤)を有する水性媒体を所望気体の存在下で、制御高撹拌エネルギーに付すことにより得られた気体マイクロバブル分散液に、MACの水性懸濁液を加えることができる。
【0210】
混合物の凍結乾燥により、所望のアセンブリーが凍結乾燥粉末で得られ、これを所望の気体と接触させて貯蔵し、次いで水性担体の添加により生理的懸濁液に再組成することができる。
貯蔵凍結乾燥物(アセンブリー、マイクロベシクルおよび/またはMACs)と接触する気体は、相当な大気圧(すなわち、約1020mバール±5%)で、またはヨーロッパ特許出願EP1228770に開示の大気圧より低い圧力(たとえば900mバールもしくはそれ以下)で貯蔵容器に存在しうる。
【0211】
凍結乾燥した造影剤の再組成後の注射可能組成物は、血液との等張性をできるだけ大きくすべきである。このため、注射の前に、本発明アセンブリーを有する懸濁液に、少量の等張剤を加えてもよい。等張剤は薬に普通に用いられる生理的溶液であって、たとえば食塩水(0.9%のNaCl)、2.6%グリセロール溶液または5%デキストロース溶液などが挙げられる。水性懸濁液の再組成は一般に、気体−貯蔵し乾燥した薄膜形成界面活性剤の簡単な溶解と穏やかな撹拌によって達成される。
【0212】
再組成液体の容量と濃度は、得られてすぐに使用できる配合物を等張性とするようにバランスをとることが望まれる。このため、再組成液体の選ばれる容量および濃度は、凍結乾燥生成物に存在する安定化剤(および他の増量剤)の種類や量に左右されるだろう。
【0213】
当業者によって認識されるように、本発明に係るアセンブリーは、種々の目的に合った異なるアセンブリーの製造において非常な順応性を可能ならしめる。実を言うと、超音波診断/治療方法に使用される基本担体成分(すなわち、マイクロベシクル)の構造は、いずれの特別な改変にも付す必要がなく、従って、上記成分の安定性の点で可能な欠点が回避される。かかる成分は、そのエンベロープに全正味電荷を有することのみが必要で、その結果は、上記エンベロープの形成に普通に用いられる通常の物質の使用によって、容易に達成することができる。
【0214】
実際に、マイクロベシクルとMACの静電相互作用は、両2成分の有効な会合を可能ならしめ、しかも、マイクロベシクルの構造を改変する必要がない。他方、アセンブリーの第2成分は、その安定性のその組成物の可能な改変に対する感受性が極めて少ないが、所望の標的配位子および/または生体活性化合物をそれに会合させることにより、アセンブリーに要求される特定目的に容易に適合しうる。さらに、マイクロベシクルに対するMACの比較的小さな寸法に基づき、比較的多数のMACsを各マイクロベシクルに会合させることが可能で、これによってシステムの効率が高まる。
【0215】
加えて、アセンブリーのマイクロベシクルは、2種以上の異なるナノ成分と容易に会合することができ、これによって、“多目的”アセンブリーが得られる。特に、荷電マイクロベシクル(たとえば正荷電)の1つの単一配合物を、反対電荷(たとえば負)を帯びている所望タイプのMACと会合させるべき担体として使用することができる。別法として、多目的アセンブリーは、前記の多層アセンブリーの製造において、反対電荷の異なる成分を交互に層としてマイクロベシクルのまわりに配置させることによっても、得ることができる。
【0216】
マイクロベシクルに会合させる種々のMACsは、それらの化学的組成または超分子構造(たとえばミセル対リポソーム)、並びにそれらに含まれる標的配位子、診断剤および/または対生物活性剤が異なってよく;多目的アセンブリーはこれらMCSsのいずれかの組合せを含有することが有利であろう。
【0217】
たとえば、マイクロベシクル成分は、その構造に少なくとも1種の標的配位子(病的状態または病気に付随する特定レセプタへの結合が可能な)を有する第1ナノ成分(たとえばミセル形状の)と、および第2標的配位子または生体活性化合物(たとえば上記の病的状態または病気を処置する治療化合物)を有する第2ナノ成分(たとえばミセル形状またはリポソームとしてのいずれか)とコンバイン(組合せ)することができる。
【0218】
“標的配位子含有成分”と“生体活性化合物含有成分”の組合せを有するアセンブリーを使用するとき、特に“多層”アセンブリーを製造するとき、アセンブリーの有効な標的活性を可能にするために、標的配位子含有成分は好ましくは、気体封入マイクロベシクルへの最後の成分として別々に会合される。
【0219】
多目的アセンブリーの一例は、気体封入マイクロベシクル、腫瘍特異性レセプタに結合する標的配位子を有するミセル形状の第1成分、および腫瘍の治療処置のための放射化学薬品(ミセル形成化合物に結合またはリポソームに取込められる)を有する第2成分から成るアセンブリーである。
このように本発明のアセンブリーは、様々な診断および/または治療方法に使用できる。
【0220】
たとえば、適当な標的配位子を持つMACを有するアセンブリーは、特定の器官または組織を標的にするのに使用でき、次いでこれを通常の超音波イメージング技法に従って選択的にイメージング(画像形成)することができるが、それは、上記器官または組織に結合する気体封入マイクロベシクルによって決定されるイメージング増強によるものである。さらに該アセンブリーに診断剤(たとえばMRI用)が含まれれば、診断技法の併用使用が可能となる。さらに、対生物活性剤がアセンブリーに(たとえばリポソームに)含まれれば、たとえばWO99/39738に開示の如く、気体封入マイクロベシクルを破壊しうる制御音波力の適用によって、選択標的(たとえば標的配位子が結合する場所)で、上記対生物活性剤の超音波−仲介放出をひき起こすことが可能である。
【0221】
勿論、本発明のアセンブリーは、標的配位子または医薬活性剤を有する成分といっしょに、たとえばアセンブリーの全電荷のバランスのために、使用される上記化合物の無い成分も含有しうる。
前述の通り、本発明に係るアセンブリーを形成する、特に複数ミセルの成分と気体封入マイクロベシクルの会合は、該マイクロベシクルの耐圧性を高めることがわかった。たとえば、本発明のアセンブリーを形成するため種々のミセルに会合するとき、約500mmHgのPc50(すなわち、マイクロベシクル母集郡の50%以上が破壊する限界圧)を示すマイクロベシクルは、該Pc50値を少なくとも600mmHgから約800mmHgまでに増加しうることが認められた。
【0222】
キット
本発明の別の側面は、本発明のアセンブリーまたはその別々の各成分を包含し、さらに必要に応じて水性液体担体を包含する診断キットに関係する。
第1実施態様によれば、水性液体担体といっしょに本発明アセンブリーを包含する2成分キットである。該2成分キットは、2つの別々の容器または二室容器を有することができる。
【0223】
前者の場合、第1容器は好ましくは、通常の隔壁−封鎖バイアルであって、ここで、バイアルはアセンブリーを凍結乾燥残留物(上述の方法のいずれかに従って得られる)として所望の気体に接触させて含有し、隔壁で封鎖されており、該隔壁を通じて、気体封入マイクロベシクル/MACsアセンブリーの懸濁液を再組成するため、担体液体を注射できるようになっている。担体液体は、好ましくは注射器の形状をとる第2容器に入れられる。注射器は好ましくは、再組成した懸濁液が補充された後に、造影剤を注射で投与するために使用される。
【0224】
形成アセンブリーの代わりに、第1容器は別法として、別々に凍結乾燥したMACおよびマイクロベシクル組成物の混合物を含有することができ、これを水性担体で再組成すると、所望のアセンブリーが形成される。一般に容器の手振動により、懸濁液の再組成に所望のエネルギーが得られるが、アセンブリー懸濁液の適切な再組成を確実にするために、容器への十分なエネルギーの作用を指示または可能にする手段を備えることができる(たとえば Vortex ミキサー)。
【0225】
二室容器は好ましくは、二室注射器であって、この場合、各成分はたとえば移動できる隔壁で別々に保持され、いったん凍結乾燥物が穏やかな振動で再組成されると、造影剤の注射に該容器を直接使用することができる。前のとおり、容器への十分なエネルギーの作用を指示または可能にする手段を備えることができる。
【0226】
乾燥粉末と水溶液を無菌状態でコンバインしうる他の二室再組成システムも、本発明の技術的範囲に属することは、当業者が認識できるところである。かかるシステムにおいて、水不溶性気体と周囲間に水性相を介在できれば、生成物の保存寿命の増加に特に有利である。
別の実施態様によれば、本発明に係るキットは、MAC組成物、マイクロベシクル組成物および必要に応じて水性担体を包含する、少なくとも2成分キットである。
【0227】
これらは好ましくは、少なくとも2つの別々の容器で表わされ、第1の容器は凍結乾燥したマイクロベシクル組成物を含有し(たとえば所望気体に接触させて)、第2の容器は所望の凍結乾燥したMAC組成物を含有する(必要に応じて所望の気体に接触または減圧下)。任意の第3の容器は、再組成のための水性担体を含有し、キットの中に有利に含ませることができる。要すれば、さらに凍結乾燥したMAC組成物を含有する追加の容器も、キットの中に含ませることができる。投与に際し、先ずMAC組成物を水性担体中で再組成し、次いで得られる懸濁液をマイクロベシクル組成物の再組成に用い、このようにして所望のアセンブリー懸濁液を形成する。
【0228】
特殊な、容器やバイアルあるいは接続システムの必要は全くなく;本発明は通常の容器、バイアルおよびアダプターを使用しうる。唯一の要件は、ストッパーと容器の良好なシールである。従って、シールの質は、主な関心の事項であり;シール保全性のいずれの低下も、望ましくない物質のバイアルへの侵入を可能ならしめるだろう。無菌状態の確実化以外に、安全かつ正確な再組成を確実にするため、製品を大気圧または減圧で栓をするのに、真空保持が必要である。容器の気体−シールを構成するストッパーの材料は好ましくは、ポリ(イソブチレン)またはブチルゴムなどのエラストマーをベースとする、エラストマーンコンパウンドまたは多成分配合物である。便宜上、Daiko Seiko Ltd.のブチルゴムストッパーが使用できる。
【実施例】
【0229】
各実施例で、以下に示す物質を使用する。
PBS:リン酸塩緩衝食塩水,10mMリン酸塩ナトリウム、NaCl0.9%W/W、pH=7.4
Tris緩衝液:Tris緩衝食塩水,10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、NaCl0.9%、pH=7.4
HEPES緩衝液:4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(20mM)およびNaCl(150mM)、pH=7.4
Trisグリセロール緩衝液:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン1g/Lおよび0.3Mグリセロール、pH=7.2
DIO18マーカー:3,3’−ジオクタデシルオキサカルボシアニン(Molecular Probes Inc.,U.S.A.)
Gd−DTPA−(SE):ガドリニウム−ジエチレントリアミンペンタ酢酸複合体のジステアロイルエステル(G.W.Kabalkaらの Magnetic Resonance in Medicine 8(1988),89-95の記載に従って製造)
【0230】
DSPG:ジステアロイルホスファチジルグリセロール・ナトリウム塩(Genzyme)IUPAC1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(1−グリセロール)]
DAPC:ジアラキドイルホスファチジルコリン(Avanti Polar Lipids)IUPAC1,2−ジアラキドイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン
DSTAP:1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパンクロリド(Avanti Polar Lipids)
DSPC:ジステアロイルホスファチジルコリン(Genzyme) IUPAC1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン
DPPG:ジパルミトイルホスファチジルグリセロール・ナトリウム塩(Genzyme)
IUPAC1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(1−グリセロール)]
【0231】
DPPA:ジパルミトイルホスファチジン酸ナトリウム塩(Genzyme) IUPAC1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DPPC:ジパルミトイルホスファチジルコリン(Genzyme) IUPAC1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン
DSEPC:ジステアロイルエチルホスファチジルコリン(Avanti Polar Lipids) IUPAC1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン
NaDOC:デオキシコール酸ナトリウム(Fluka)
DSPE−PEG2000:PEG2000修飾ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン・ナトリウム塩(Nektar Therapeutics)
【0232】
エチル−SPC3:大豆エチルホスホコリン,エチル−DSPCとエチル−DPPCの4:1(W/W)混合物
DPPE−キャップ−ビオチン:1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(キャップビオチニル)ナトリウム塩(Avanti Polar Lipids)
PEG4000:ポリエチレングリコール,MW=4000(Fluka)
Pluronic 68:エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー(Fluka)
10:パーフルオロブタン
【0233】
マイクロベシクルの寸法および濃度は、Coulter counter Multisizer(口径:30μm)を用いて測定する。
マイクロベシクル懸濁液のζ−電位は、NaCl(1mM)中 Malvern Zetasizer 3000 Hsa を用いて測定する。
ミセル調製物の寸法は、Malvern Zetasizer 3000 Hsa を用いて測定する。
【0234】
実施例1
正荷電マイクロバルーンの製造:
トリパルミチン(60mg)を40℃で、シクロヘキサン(0.6mL)に溶解する。この有機相を乳化するまで、40℃で保持する。40mgのエチル−SPC3(カチオン性リン脂質)を65℃で30mLの蒸留水に15分間分散し、次いで分散液を40℃に冷却せしめる。
有機相を水性相にて、Polytron(登録商標)ホモジナイザーPT3000(10000rpm、1分)を用いて乳化する。
【0235】
次いでエマルジョンを、5mLのPVA(200mg、MW=9000、Aldrich)/蒸留水で希釈し、次いで5℃に冷却し、−45℃で10分間凍結させ、次いで凍結乾燥する(0.2mバール、24h)。
凍結乾燥物を空気の存在下、蒸留水(20mL)に再分散し、マイクロバルーンをリン酸塩緩衝食塩水を用いて遠心分離(600g、10分)で2回洗い、マイクロバルーンの最終懸濁液を得る。この調製物のサイズ特性決定の結果は、以下の通りである:DV50=2.54μm;D=1.57μm。
【0236】
実施例1a
蛍光標識した正荷電マイクロバルーンの製造:
マイクロバルーンを蛍光標識するため、有機相に5重量%(トリパルミチンの総重量に対して)の親油性蛍光プローブDIO18を加えて、実施例1を繰返す。この調製物のサイズ特性決定の結果は、以下の通りである:DV50=2.38μm;D=1.45μm。
【0237】
実施例2a−2e
DSTAP−含有正荷電マイクロバブルの製造:
DAPCとカチオン性脂質DSTAPの混合物(下記表1の相対比参照)15mgおよび985mgのPEG4000を、50℃でt−ブタノール(10mL)に溶解する。溶液を10mLバイアルにサンプリングし(1バイアル当り50mgの乾燥物)、次いでChrist Epsilon 2−12DS冷凍乾燥機(−30℃、0.56mバール、24h)で凍結乾燥する。さらに乾燥(25℃、0.1mバール、5時間)後、エラストマーストッパーでバイアルに栓をし、アルミニウムフリップで封鎖する。
【0238】
得られる凍結乾燥物を所望の気体(C10/N=50:50V/V)にさらし、次いで5mLのPBS緩衝溶液に再分散して、正荷電マイクロバブルの懸濁液を得る。懸濁マイクロバブルのサイズ特性決定を表1に示す。
表1:DSTAP−含有マイクロバブル
【表1】

【0239】
実施例3a−3c
負荷電マイクロバブルの製造:
DAPC/DSTAP混合物の代わりに、同じ合計量(15mg)のDPPG/DSPC混合物を表2に示す種々の相対量を用いて、実施例2a−2eの製法を繰返す、懸濁マイクロバブルのサイズ特性決定を表2に示す。
表2:DPPG−含有マイクロバブル
【表2】

【0240】
実施例4
正荷電マイクロバブルの製造:
プロピレングリコールとグリセロール(3:10W/W)の混合物5.4%(W/W)を含有する100mLの水に、DSTAP(200mg)を80℃で5分間分散し、次いで室温まで冷却する。
分散液をC10雰囲気下の反応器に移し、20000rpm(Polytron PT3000)で10分間均質化し、その間、反応器口が液面より少し上になるように、回転固定子ミキシングシャフトを保持する。
【0241】
得られるマイクロバブルを、水を用い遠心分離で2回洗い、次いでデキストラン7.5%溶液に再分散する。
懸濁液を10mLバイアルにサンプリングする(1バイアル当り2mL)。バイアルを−45℃に冷却し、24時間凍結乾燥し、次いで栓をし、封鎖し、室温保持する。蒸留水に再懸濁したマイクロバブルのサイズ特性決定は、以下の通りである:D=4.04;D=1.75。
【0242】
実施例5a−5d
負荷電ミセルの製造:
50mgのGd−DTPA−(SE)(痕跡量の放射性153Gdを含有)および10mgのNaDOCを、3mm音波処理プローブを取付けた Branson250音波発生器(出力:30%、10分)を用いて、5%水性グルコース(10mL)に分散して、アニオン性ミセルの水性懸濁液を得る。下記表3で示されるように、異なる量の種々の化合物を同容量の水性グルコース溶液に分散して、同製法を繰返す。
【0243】
表3:負荷電ミセル
【表3】

【0244】
実施例6a−6f
DPPA−含有負荷電ミセルの製造:
異なる量のアニオン性リン脂質DPPAおよび中性リン脂質DPPCを(下記表4に示す)、16mgのPluronic F68と共に、3mm音波処理プローブ(Branson 250音波発生器、出力30%、10分)を用いて、10mLのPBSに分散する。少量のDPPC−H(10mLの最終懸濁液に対し約2.5μCi)を、放射性マーカーとしてミセル調製物に加える。
【0245】
音波処理後、溶液を0.2μmフィルター(ミリポア)で濾過する。室温に冷却後、ミセルサイズを Malvern Zetasizer 3000HSAで測定し、10mLのLSCカクテルHionic Fluor (Packard Bioscience) に希釈する50μLの溶液を用いて、比放射能を測定し、次いで Tricarb 2200A液体シンチレーション分析器(Packard Bioscience)でカウントする。
【0246】
表4:DPPA−含有負電荷ミセル
【表4】

【0247】
実施例7a−7b
DSPE−PEG含有負荷電ミセルの製造:
20mgのDSPE−PEG2000を丸底フラスコにて、60℃で1mLのクロロホルム/エタノール(1/1,V/V)に溶解し、溶剤混合物を減圧下で蒸発し、フラスコの内壁に薄膜を形成する。次にこの脂質薄膜を60℃にて10mLの Hepes 緩衝液で30分間水和する。次いで溶液を0.2μmフィルターで濾過し、室温に冷却せしめてから特性決定に付す。濾過した溶液を水に希釈し(希釈比1:3)、Malvern Zetasizer 3000HSAでサイズ分布を分析する。
【0248】
上記手順による2種調製物の結果を、下記表5に要約する。
表5
【表5】

【0249】
実施例8
エチル−SPC3含有正荷電ミセルの製造:
16mgのエチル−SPC3および16mgの Pluronic F68を、3mm音波処理プローブを取付けたBranson 250音波発生器(出力:30%、10分)を用いて、5%水性グルコース(10mL)に分散して、カチオン性ミセルの水性懸濁液を得る。
【0250】
実施例9a−9e
DSTAP−含有正荷電ミセルの製造:
負荷電DPPAの代わりに正荷電DSTAPを用いて、実施例6a−6fの製法を繰返す。各種調製物の脂質およびリン脂質の相対量を、下記表6に示す。
【0251】
表6:DSTAP−含有正荷電ミセル
【表6】

【0252】
実施例10a−10b
カチオン性マイクロバルーンとアニオン性ミセルによるアセンブリーの製造:
実施例1のマイクロバルーン懸濁液(1mL)を、それぞれ実施例5aまたは実施例5bの、異なる容量(下記表7に示す)のミセル調製物と混合する。1時間後、懸濁液をPBSを用い遠心分離(600g、5分間)で2回洗い、PBS(1.2mL)に再分散する。懸濁液のGd153放射能(ガンマ計数)を測定することにより(Cobra II Autogamma計器(Packard Bioscience)を使用)、結合ミセルの量(初期ミセル調製物で測定した放射能に対する、アセンブリー懸濁液で測定した放射能の%で表示)を測定する。
【0253】
結果を表7に示す。
表7
【表7】

【0254】
上記表7から推論できるように、結合ミセルの相対量(すなわち、添加ミセルの総量に対する結合ミセルの%)は、マイクロベシクル懸濁液に加えたミセルの総量(すなわち、ミセル懸濁液の容量)の増加によって減少するが、それにもかかわらず、結合ミセルの絶対量(表7の最初と最後の欄の積(product)によって示される)は増加する。
実施例1のマイクロバルーンと実施例5cまたは5dのミセル調製物によるアセンブリーを製造することにより、実質的に同じ結果が得られる。
【0255】
実施例11
実施例10a−10bのアセンブリーの結合活性の測定:
実施例10aおよび10bのアセンブリー(10μLおよび100μLの各ミセル懸濁液調製物)の結合活性を試験するため、中性アビジン被覆面を以下の手順で準備する。
12ウェルプレート(Nunc ,登録商標)の各ウェルに、カーボネート緩衝液(carbonate Buffer)(pH9.5、300μL)および中性アビジン(Neutr Avidin,登録商標)(Pierce、1mg/mL、50μL)を加える。インキューベーション(−4℃、一夜)後、ウェルを Tween20(0.1%)含有のPBSで2回およびPBSで2回洗う。ウシ血清アルブミン(PBS中2%、350μL)を加え、インキューベーション(25℃、1h)後、ウェルを Tween20(0.1%)含有のPBSで2回およびPBSで2回洗う。
【0256】
実施例10aおよび10bに従って製造した2・10アセンブリーの一部を、各ウェルに加え、次いでウェルをPBSで満たし、密封し、プレートをひっくり返す。反転インキューベーション(25℃、2h)後、ウェルをPBSで2回洗い、40×倍率レンズの光学顕微鏡で表面を観察する。実施例10bの2つのアセンブリーは共にビオチン化ミセルを有し、中性アビジン被覆面に対し親和力を示し、100μL/mL調製物は10μL/mL調製物に対し、より高い有効範囲(coverage)の表面を付与する。その代わりに、実施例10aの対応する非ビオチン化調製物は、中性アビジン被覆面への結合活性を全く示さない。
【0257】
実施例1のマイクロバルーンおよび実施例5cの非ビオチン化ミセルからなるアセンブリーの結合活性を、実施例1のマイクロバルーンおよび実施例5dのビオチン化ミセルからなる対応アセンブリーのそれと比較することにより、実質的に同じ結果が得られる。
【0258】
実施例12a−12b
カチオン性マイクロバブルとアニオン性ミセルによるアセンブリーの製造:
実施例2dのマイクロバブル懸濁液(1mL)を、それぞれ実施例5aまたは5bの異なる容量(下記表8に示す)のミセル調製物と混合する。懸濁液を緩やかに1時間攪拌し、次いでTrisグリセロール緩衝液を用い、遠心分離(180g、5分)で2回洗う。下層液を捨て、残留物をTrisグリセロール緩衝液(1mL)に分散する。得られるアセンブリーのサイズ、濃度およびζ−電位を、表8に示す。
【0259】
表8
【表8】

【0260】
両方の場合に、ミセル懸濁液の容量増加は、得られるそれぞれのアセンブリー懸濁液のζ−電位の減少を決定する。
実施例2dのマイクロバブル懸濁液の代わりに実施例2cまたは2eのマイクロバブル懸濁液を使用し、または実施例5aおよび5bのミセル調製物のそれぞれの代わりに実施例5cおよび5dのミセル調製物を使用することにより、実質的に同じ結果が得られる。
【0261】
実施例13
実施例12a−12bのアセンブリーの結合活性の測定:
実施例12a−12bのアセンブリーの結合活性を試験するため、実施例11の記載に準じて、中性アビジン被覆面を準備し、次いで実施例12aおよび12bの調製物について、異なる量(300、100、30および10μL)で試験する。
100μL/mLおよび300μL/mLの実施例12bの調製物について、光学顕微鏡で標識結合活性を観察する。30μL/mLの調製物の場合結合の低下が見られるが、10μL/mL混合物では粗末な結合を示す。実施例12aの全てのアセンブリー(ビオチン化ミセルを含有せず)は、結合活性を全く示さない。
【0262】
実施例14a−14b
カチオン性マイクロバブルとアニオン性ミセルによるアセンブリーの製造:
実施例4に従って得たバイアルの凍結乾燥内容物を、C10にさらし、2mLの蒸留水に再分散する。懸濁液を、PBSを用い遠心分離(180g、10分)で2回洗い、2mLのPBSに再分散する。
実施例5aまたは5bに従って製造した50μLのミセル調製物をそれぞれ加え、混合物をC10雰囲気下、回転攪拌器で一夜攪拌し、次いでPBSを用い遠心分離(180g、10分)で2回洗い、最後に2mLのPBSに再分散する。
下記表9に、実施例14aおよび14bのアセンブリーの特性決定を示す。
【0263】
表9
【表9】

上記表9から推論できるように、形成したアセンブリーにおいてミセルの実質的全体がマイクロバブルに会合し、そして該アセンブリーは初期のマイクロバブルと実質上同じ平均直径を有している。
【0264】
実施例15
アニオン性マイクロバブルとカチオン性ミセルによるアセンブリーの製造:
実施例3bに従って製造したマイクロバブル懸濁液(1mL)を、実施例8の異なる容量(下記表10に示す)のミセル調製物と混合する。懸濁液を緩やかに1時間攪拌し、次いでTrisグリセロール緩衝液を用い、遠心分離(180g、5分)で2回洗う。下層液を捨て、得られるアセンブリーをTrisグリセロール緩衝液(1mL)に分散する。表10にアセンブリーの特性決定を示す。
【0265】
表10
【表10】

マイクロバブル懸濁液の初期ζ−電位の符号の逆転を決定しうるミセルの量において、アセンブリーの平均寸法は、初期マイクロバブルの寸法に近づくことが観察される。
【0266】
実施例16
カチオン性マイクロバブルとアニオン性ミセルを包含するアセンブリー調製物における荷電化合物量の関数として結合ミセル量の測定:
トータル30のアセンブリー調製物を得るため、5mLガラスチューブにて、実施例2a−2eに従って製造したPBS中の1mLのマイクロバブル懸濁液に、実施例6a−6fに従って製造した300μLのミセル溶液を混合して、各種アセンブリー懸濁液を製造する。混合した懸濁液を30分間穏やかに攪拌し、次いで遠心分離(180g、10分)で2回洗って、未結合物質を除去する。ミセル内に組込まれる放射性標識分子DPPC−Hを投与して、マイクロバブルに結合するミセルの脂質分子の量を求める。
【0267】
図1は測定結果を示し、ここで、線A〜Eはそれぞれ、実施例2a−2eに従って製造した各マイクロベシクルを有するアセンブリーの、上記ミセル中の荷電化合物の量の関数として、マイクロベシクルに結合するミセルの量を表示する。実施例6a(荷電界面活性剤なし)のミセルを有するアセンブリー調製物の場合、結合ミセルが実質的に見られないことに注目することができる。さらに、マイクロベシクルに結合するミセルの量は、マイクロベシクルに含まれる荷電化合物の量の増加に伴なって増加する。結局、この特定組合せのミセル/マイクロベシクルアセンブリーの場合、ミセル中の荷電化合物の相対量が総重量の約1〜5%(w/w)であるとき、マイクロベシクルに結合するミセルの量が高くなることを認めることができる。
【0268】
実施例17
アニオン性マイクロバブルとカチオン性ミセルを包含するアセンブリー調製物における荷電化合物量の関数として結合ミセル量の測定:
トータル15のアセンブリー調製物を得るため、それぞれ5mLガラスチューブにて、実施例3a−3cに従って製造したマイクロバブル懸濁液各1mLに、実施例9a−9eに従って製造したミセル溶液各300μLを混合して、各種アセンブリー懸濁液を製造する。混合した懸濁液を30分間穏やかに攪拌し、次いで遠心分離(180g、10分)で2回洗って、未結合物質を除去する。ミセル内に組込まれる放射性標識分子DPPC−Hを投与して、マイクロバブルに結合するミセルの脂質分子の量を求める。
【0269】
実施例16のアセンブリー調製物の場合と同様な結果が認められ、すなわち、マイクロベシクルに含まれる荷電化合物の量を増加することにより、マイクロベシクルに結合するミセルの量を増加でき、特にマイクロベシクルが低量の荷電化合物を含有するアセンブリーの場合、ミセル中の荷電成分の相対量が約1〜5%(w/w)のとき、マイクロベシクルに結合するミセルの量が高くなる。
【0270】
実施例18
異なる量の荷電化合物を有するマイクロバブル懸濁液に加えるミセル量の関数として結合ミセル量の測定:
トータル12のアセンブリー調製物を得るため、実施例7aまたは7bに従って製造した異なる量(50、100、250および500μL)のミセル調製物を、実施例2b、2dおよび2eに従って製造した1mLのマイクロバブル調製物とコンバインする(特に2bおよび2dは7aとコンバインし、2eは7bとコンバインする)。混合物を30分間穏やかに攪拌し、水中の遠心分離(180g/10分)で2回洗って、未結合物質を除去する。
【0271】
得られる懸濁液について、サイズ分布の測定にはCoulter Counterにより、およびζ−電位測定にはMalvern Zetasizerにより特性決定する。サンプルの一部を0.2mバールで24時間凍結乾燥し、凍結乾燥物をHPLCで分析して、アセンブリー中のDSPE−PEGの量(PE−PEGμg/バブルmL)を測定する。結果を下記表11で要約するが、表11において、アセンブリーを形成する混合物に含まれるDSPE−PEGの初期量、アセンブリー中のDSPE−PEGの最終量(結合ミセルの量に相当)、最終アセンブリーの正電荷と負電荷の比(電荷当量で表示)および最終懸濁液のそれぞれのζ−電位が示されている。
【0272】
表11:カチオン性マイクロバブルとアニオン性ミセル
【表11】

【0273】
上記表11から、一般に、マイクロベシクル中の荷電化合物の量が高くなればなる程、最終アセンブリー中の結合ミセルの量が高くなることが認められる。加えて、同じマイクロバブル調製物に関して、結合DSPE−PEGの量が高くなればなる程、EC比は高くなり、かつ各ζ−電位値は低くなる。
【0274】
実施例19
カチオン性マイクロベシクルとアニオン性ミセルのアセンブリーおよびアニオン性マイクロベシクルとアニオン性ミセルの比較混合物:
20mgのDSPE−PEG2000を計量し、丸底フラスコ中60℃にてクロロホルム/メタノール(1/1、v/v)に溶解し、該溶剤混合物を減圧蒸発させて、フラスコの内壁に薄膜を沈着させる。この膜をさらに減圧室で一夜乾燥する。
脂質薄膜を60℃にて5%グルコース10mLで30分間水和し、溶液を0.2μmフィルターで濾過し、次いで室温まで冷却してから、特性決定を行なう。
【0275】
この製造を2回繰返す。
実施例2e(正荷電)および3b(負荷電)の記載に準じ、DAPCとDSTAPの混合物(50/50、w/w)またはDSPCとDPPGの混合物(50/50、w/w)を用いて、マイクロバブルを製造する。バイアルをC10/N(50:50、v/v)にさらしてから、再組成する。
2.5mLのミセル溶液を2.5mLの5%グルコースで希釈する。ミセルの希釈溶液を用いて、凍結乾燥したマイクロバブルを再組成し、2分間渦攪拌し、次いで30分間穏やかに混合する。
得られる懸濁液を5%グルコースを用いて2回洗い(遠心分離,180g/10分)、上層液を2.5mLの5%グルコースに再分散する。各懸濁液のζ−電位を、Malvern Zetasizer 3000 Hsaで測定する(50μL/NaCl 10mL、1mM)。各懸濁液のDSPE−PEG2000量をHPLCで測定する。結果を下記表12に示す。
【0276】
表12:アニオン性ミセルとアニオン性またはカチオン性マイクロバブルの混合物
【表12】

上記表12から、アニオン性マイクロバブルでのアニオン性ミセルの結合は実質的に得られず、すなわち、最終混合物においてごくわずかな量のDSPE−PEGが見つけられるにすぎず、一方、ζ−電位は実質的に負のままであることが認められる。
【0277】
実施例20
カチオン性マイクロバルーン−コロイド金アセンブリー:
実施例1に従って製造したカチオン性マイクロバルーンの懸濁液を、クエン酸ナトリウムで安定化した金粒子のコロイド懸濁液(Polysciences、60nm)と、各種の比(金粒子の数/マイクロバルーンの数で表示、下記表13参照)で混合する。2時間後、浮遊する粒子を分離し、蒸留水に再分散する。表13は、マイクロバルン1個当り約200金粒子の比でζ−電位の中性値が得られることを示す。
【0278】
表13
【表13】

【0279】
実施例21
カチオン性マイクロバブル−磁鉄鉱アセンブリー:
US特許5545395の記載に従って、DPPA/Pluronic F108(FE/DPPA/Pluronic F108比=3:15:15、mg/mL)で被覆した磁鉄鉱を製造する。溶液をTris(1g/L)/グリセロール(0.3M)緩衝液(pH7.05)で100倍に希釈する。5mLの磁鉄鉱溶液を用い、SF雰囲気下で、カチオン性マイクロバブル(実施例2dに従って製造、但し、使用する気体はC10/N混合物の代わりにSFである)を再分散する。2分の渦攪拌後、懸濁液を1時間穏やかに混合する。次いで浮遊粒子を、Tris/グリセロール緩衝液を用い遠心分離(180g/10分)で2回洗う。サイズと濃度は、Coulter counter Multisizerで測定する。ζ−電位は、Malvern Zetasizer 3000 Hsaで測定する(希釈:50μL/10mL水)。
【0280】
磁鉄鉱結合は、緩和時間(T2)測定法(Bruecker:Minispec MQ20)で評価し、磁鉄鉱粒子を有さないマイクロバブルの同じ製造で実施した対照と比較する。結果を下記表14に示す。
表14
【表14】

上記表14に示されるように、対照懸濁液に関してζ−電位の減少に加えて、T2の実質的な減少も見られ、このことから、磁鉄鉱含有ミセルのマイクロバブルに対する実質的な結合が確認される。
【0281】
実施例22
インビボ投与での荷電マイクロバブル表面に対する反対荷電ミセルの効果:
DAPCとDSTAPの混合物(80/20、w/w)を用い、実施例2dの記載に準じて正荷電マイクロバブルを製造する。DSPCとDPPGの混合物(50/50、w/w)を用い、実施例3bの記載に準じて負荷電マイクロバブルを製造する。バイアルをC10/N(50/50、v/v)にさらしてから、Tris/グリセロール緩衝液(5mL)で再組成する。
【0282】
実施例6f(負荷電)および実施例8(正荷電)に従って、各ミセルを製造する。その後、以下に示すマイクロバブルまたはアセンブリーの懸濁液を製造する。
懸濁液A:600μLのTris/グリセロール緩衝液を2mLのマイクロバブル(実施例2d−正荷電)と混合し、30分間穏やかに混合する。
懸濁液B:実施例6g(負荷電)に係る600μLのミセルを、2mLのマイクロバブル(実施例2d−正荷電)と混合し、30分間穏やかに混合する。
【0283】
懸濁液C:600μLのTris/グリセロール緩衝液を2mLのマイクロバブル(実施例3b−負荷電)と混合し、30分間穏やかに混合する。
懸濁液D:実施例8(正荷電)に係る600μLのミセルを2mLのマイクロバブル(実施例3b−負荷電)と混合し、30分間穏やかに混合する。
【0284】
全ての懸濁液を、Tris/グリセロール緩衝液を用い(遠心分離で、180g/10分)2回洗い、上層液を2mLの緩衝液に再分散する。サイズおよび濃度は、Coulter カウンターで測定する。各懸濁液のζ−電位は、Malvern Zetasizer 3000 Hsaで測定し(50μL/10mL NaCl,1mM)、下記表15に示す。
表15
【表15】

【0285】
ウサギの耳静脈に、懸濁液を体重1kg当りマイクロバブル5E+06の用量で注射する。Coherent Contrast Imaging(CCI)にて、断続イメージング(2フレーム/s)の4C1−Sトランスデューサーを備えたAcuson Sequoia 512および高いメカニカルインデックス(mechanical index)(MI)を用いて、二次元超音波検査を行なう。腎臓の映像を3分間ビデオレコーダーで記録し、一連の画面を分析して、皮質の選定した関心領域(ROI)の時間の関数として、平均ピクセル強さを測定する(図2および3)。
【0286】
図2および3で明らかなように、マイクロバブルに対する反対電荷のミセルの添加は、マイクロバブルのインビボ挙動を劇的に変える。すなわち、正荷電バブルは腎臓の皮質ではほとんど検出できない(懸濁液A)。しかし、負荷電ミセルとのインキュベーション後、同じマイクロバブルはROIで強いシグナルを示す(懸濁液B)。同様に、負荷電マイクロバブル(懸濁液C)は腎臓で強いシグナルを示す。しかし、正荷電ミセルとの混合後では、ROIで検出できるシグナルはほとんどない。
【0287】
実施例23
カチオン性マイクロバブルと、薬物を有するアニオン性ミセルのアセンブリー:
2mLのマイクロバブル懸濁液(実施例(Ex.)2aに従ってPBSに分散して製造)を、下記表16に示す異なる量のFungizone(登録商標)溶液(アンフォテリシンBのPBS中デオキシコール酸ナトリウムによるミセル懸濁液,Bristol Myers Squibb)と混合する。懸濁液を1時間穏やかに攪拌し、次いでPBS緩衝液を用い遠心分離(180g/5分)で2回洗う。下層液を捨て、得られるアセンブリーを緩衝液(1mL)に分散する。
【0288】
サイズおよび濃度は、Coulter Counter Multisizer で測定する(孔:30μm、50μL/0.9%NaCl(100mL))。ζ−電位はMalvern Zetasizer 3000 Hsaで測定する(50μL/蒸留水10mL)。マイクロバブル上のアンフォテリシンB量を、吸光分光分析で測定し(409nm、CHCl/MeOH(1:1)2mL中50μLのアセンブリー)、Fungizone(登録商標)の検量線と比較する。表16で例証される結果は、ミセルの添加量を増加することにより、アセンブリー中に薬物の増量を含ませうることを示す。
【0289】
表16:薬物を持つアセンブリー
【表16】

【0290】
実施例24
二重層ミセルを持つアセンブリー:
Ex.24a:負荷電バブルの製造
US特許No.5830435の実施例3に記載の方法に類似する方法を用い、DPPC/DPPS−含有マイクロバブルを製造する。簡単に、1gのプロピレングリコールを含有する100mLの蒸留水に、59.2mgのDPPCおよび40.8mgのDPPSを分散することにより、多重層リポソーム(MLVs)が得られる。このリポソームを攪拌下70℃で30分間インキュベーションする。リポソームの平均直径は、Dで約1.4μmおよびDで2.7μmである。
高速機械式乳化器(Megatron MT3000、Kinematica、スイス)を備えた気密ガラス反応容器に、上記リポソーム懸濁液を入れる。乳化器の混合室に、C10含有気体袋を接続する。
【0291】
均質化(10000rpm、1分)の後に、マイクロバブルの乳白色懸濁液を得る。下層液(大部分リポソーム含有、約90mL)を、デカンテーションで除去する。上層液(マイクロバブル含有)を回収し、蒸留水に再懸濁して総容量100mLとする。デカンテーション工程を繰返し、最終のバブル懸濁液を10%マルトースに再懸濁する。懸濁液のアリコートを10mLガラスバイアルに集め(バイアル1個当り1mLの懸濁液)、該サンプルを−45℃で冷凍し、凍結乾燥する。
凍結乾燥後、バイアルをゴム栓で閉鎖し、排気し、C10/空気(1:1、v/v)混合物を含有する気体混合物を充填する。バイアルに栓を介して2mLの蒸留水を注入し、ハンドシェイク(手振動)によって、マイクロバブルが生成する。
【0292】
Ex.24b:カチオン性およびアニオン性ミセルの製造
Ex.24b1
3.73mg/mLのDSPE−PTE020(マルチアームPEG−リン脂質、NOF Corporation、日本)および1.27mgのカチオン性リン脂質DPEPC(ジパルミトイル・グリセロ−3−エチルホスホコリン、Avanti(登録商標)、Polar Lipids Inc. USA)を用い、カチオン性ミセルを製造する。
Ex.24b2
4.1mg/mLのDSPE−PEG2000および0.9mg/mLのGPIIbIIIa結合リポペプチド(DPPE−PEG2000−Lys−Gln−Ala−Gly−Asp−Val、US特許6139819の実施例3に従って製造)を用い、アニオン性および官能化ミセルを製造する。
正および負荷電ミセルは共に、5%グルコース溶液中で製造する。
【0293】
Ex.24c:負荷電バブルと反対電荷を有するマルチ−MACs層によるアセンブリーの製造
Ex.24aに従って製造した約1×10負荷電マイクロバブルを含有する2つの調製物に、Ex.24b1に従って製造した50μLまたは500μLのカチオン性ミセルをそれぞれ加える。混合物を30分間穏やかに攪拌し、次いで遠心分離(1000rpm、10分)で2回洗い、5%グルコース溶液に再懸濁する。得られるアセンブリー(Assembly)の測定したサイズおよびゼータ電位を、下記表17に示す(“Assembly 1”)。結果から、負荷電マイクロバブルをカチオン性ミセルの層で被覆した後、アセンブリー懸濁液の測定ゼータ電位は正になることが示される。
【0294】
次に、50μLのカチオン性ミセルを含有するアセンブリーおよび500μLのカチオン性ミセルを含有するアセンブリーにそれぞれ、100μLおよび250μLのアニオン性ミセル懸濁液(Ex.24b2に従って製造)を加える。2つの混合物を30分間穏やかに攪拌し、遠心分離(1000rpm、10分)で2回洗い、5%グルコース溶液に再懸濁する。得られる二重層アセンブリーの直径およびゼータ電位値を、表17に示す(“Assembly 2”)。第二層の負ミセルの存在は、ゼータ電位の対応する負の値を決定する。
【0295】
表17
【表17】

また、他のタイプのMACs、たとえばリポソームおよびナノ粒子を用いて、複数の交番荷電層からなる同様なアセンブリーも製造することができる。たとえば、負荷電マイクロバブルを、カチオン性および薬物含有のリポソームで被覆し、次いで第二層の標的成分を有するアニオン性ミセルを被覆することができる。
【0296】
実施例25
エマルジョンからアセンブリーの製造:
DAPC/DSTAP(80:20、2mg/mL)を含有する50mLの蒸留水を、70℃で30分間加熱し、次いで室温で冷却する。この水性相において、高速ホモジナイザー(Polytron、10000rpm、1分)を用い4mLのパーフルオロヘキサンを乳化する。得られるエマルジョンは、Malvern Mastersizerで測定して、容量平均直径(DV50)5.0μmおよび数平均直径(D)2.7μmを示す。エマルジョンを遠心分離で洗い、水に再懸濁する。該カチオン性エマルジョンの3アリコートのそれぞれに、実施例24b2に従って製造した異なる量のアニオン性ミセルを加え、この場合の各濃度はエマルジョン1mL当り135μL、270μLおよび540μLである。インキュベーション(穏やかな攪拌下、室温で30分)および遠心分離による過剰ミセルの除去後、ミセル−被覆エマルジョンを20%(w/w)PEG4000水溶液に再分散する。
【0297】
エマルジョン−ミセルアセンブリーをバイアルに分配し(2mL/バイアル)、次いで冷凍し、バイアル中で凍結乾燥する。凍結乾燥物バイアルの空気を排出し、C10に取り替える。2mLの5%グルコース溶液で再組成後、乳白色のマイクロバブル−ミセルアセンブリー懸濁液を得る。Coulterカウンターおよびゼータ電位(Z−pot.)分析を行ない、その結果を下記表18に示す。
表18
【表18】

アニオン性ミセルを増量した製造は、マイクロバブルの増量をもたらす。さらに、表面電荷特性も要求に応じて調節しうる(ゼータ電位値が正から負に変化する)。
【0298】
実施例26
気体エマルジョンからアセンブリーの製造:
実施例24aに従い、気相としてC10およびリン脂質としてDPPS(2mg/mL)を用いて負荷電マイクロバブルを得、安定したマイクロバブルとする。DPPSリポソーム懸濁液の高速機械乳化(Megatron(登録商標)MT3000、Kinematica、スイス)によるバブル発生後、マイクロバブルを、1μmポリカーボネート膜(Nuclepore(登録商標))を用いる30分の濾過で洗って、バブル懸濁液中の過剰リン脂質を除去する。P−セレクチン(selectin)に反してラットの抗マウスモノクローナルIgG1に結合するDPEPCおよびDSPE−PEG2000含有のカチオン性ミセル(モル比70:30、5mg/mL)を、バブル懸濁液に加える(1mLのマイクロバブル(約5×10バブル/mL)の場合、50μLのミセル)。
【0299】
混合物を室温で30分間穏やかに攪拌し、次いで遠心分離する。アセンブリー(上層液)を10%マルトース溶液に再懸濁し、冷凍し、凍結乾燥する(2mL/バイアル)。凍結乾燥後、凍結乾燥物をC10で処理し、2mLの蒸留水で再組成する。Coulter分析により、凍結乾燥後に、90%以上のバブル−ミセルアセンブリーがなお無傷のままであることがわかった。これらのマイクロバブルは、D1.3μmおよびD2.9μmを示した。流動血球計算測定により、アセンブリー表面の生化学活性IgG1抗体の存在を確認した。
【図面の簡単な説明】
【0300】
【図1】実施例16で測定した、カチオン性マイクロバブルとアニオン性ミセルを有するアセンブリーにおけるミセルの荷電化合物量と結合ミセル量の関係を示すグラフである。
【図2】実施例22で製造した懸濁液AとBに関して、マイクロバブルに対する反対荷電ミセル添加によるインビボ挙動の変化を示すグラフである。
【図3】実施例22で製造した懸濁液CとDに関して、マイクロバブルに対する反対荷電ミセル添加によるインビボ挙動の変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1全正味電荷を帯びている気体封入マイクロベシクルおよびマイクロベシクルに会合している成分から成るアセンブリーであって、上記会合成分は第1全正味電荷と反対符号の第2全正味電荷を帯び、かつ生物学的適合性界面活性剤からなり、かつ100nm以下の直径を有することを特徴とするアセンブリー。
【請求項2】
会合成分が80nm以下の直径を有する請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項3】
会合成分が50nm以下の直径を有する請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項4】
会合成分が標的配位子、対生物活性剤、診断剤またはこれらの組合せを含有する請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項5】
さらに、全正味電荷を帯び、かつ必要に応じて別の標的配位子、対生物活性剤、診断剤またはこれらの組合せを含有する第2成分を包含する請求項4に記載のアセンブリー。
【請求項6】
第2成分が、マイクロベシクルの電荷と同じ符号の全正味電荷を帯びている請求項5に記載のアセンブリー。
【請求項7】
生物学的適合性界面活性剤が両親媒性物質である請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項8】
生物学的適合性界面活性剤が、(C−C10)有機酸、(C12−C24)脂肪族鎖を有する有機脂肪酸、その医薬的に許容しうる塩、ポリオキシエチレンとのそのエステル;ポリイオン性(アルカリ)塩;有機アミン;アミド;第四級アミン塩;アミノ酸;リン脂質;モノもしくはオリゴサッカリドと(C12−C24)有機脂肪酸のエステル;有機スルホネート;パーフルオロ有機酸;高分子界面活性物質;およびこれらの混合物の中から選ばれる請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項9】
マイクロベシクルの1モル当りの電荷数と会合成分の1モル当りの電荷数の比が、約10:1〜1:10である請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項10】
上記比が約3:1以下である請求項9に記載のアセンブリー。
【請求項11】
上記比が約2:1以下である請求項9に記載のアセンブリー。
【請求項12】
マイクロベシクルが、両親媒性薄膜形成化合物からなるエンベロープで安定化したマイクロバブルまたは有形のエンベロープを有するマイクロバルーンである請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項13】
マイクロベシクルを安定化するエンベロープに含まれる両親媒性薄膜形成化合物が、リン脂質である請求項12に記載のアセンブリー。
【請求項14】
エンベロープが、正または負の正味電荷を帯びているリン脂質もしくは脂質からなる請求項13に記載のアセンブリー。
【請求項15】
リン脂質もしくは脂質が、ホスファチジルセリン誘導体、ホスファチジン酸誘導体、ホスファチジルグリセロール誘導体、ポリエチレングリコール修飾ホスファチジルエタノールアミン、エチルホスファチジルコリン誘導体およびそれぞれのリゾ体;コリン酸塩;デオキシコリン酸塩;グリココリン酸塩;その(C12−C24)脂肪酸塩;少なくとも1つの(C10−C20)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩;(C−C)アルキレン橋を介して窒素原子に結合した少なくとも1つの(C10−C20)アシル鎖を有する第三または第四級アンモニウム塩;およびこれらの混合物から選ばれる請求項14に記載のアセンブリー。
【請求項16】
マイクロバルーンの有形のエンベロープが、ポリマー物質、蛋白様物質、水不溶性脂質またはこれらの混合物からなる請求項12に記載のアセンブリー。
【請求項17】
マイクロバルーンの有形のエンベロープが、イオン性生分解性ポリマーからなる請求項12または13に記載のアセンブリー。
【請求項18】
マイクロバルーンの有形のエンベロープがさらに、正または負の正味電荷を帯びているリン脂質もしくは脂質を含有する請求項13に記載のアセンブリー。
【請求項19】
リン脂質もしくは脂質が、ホスファチジルセリン誘導体、ホスファチジン酸誘導体、ホスファチジルグリセロール誘導体、ポリエチレングリコール修飾ホスファチジルエタノールアミン、エチルホスファチジルコリン誘導体およびそれぞれのリゾ体;コリン酸塩;デオキシコリン酸塩;グリココリン酸塩;その(C12−C24)脂肪酸塩;少なくとも1つの(C10−C20)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩;(C−C)アルキレン橋を介して窒素原子に結合した少なくとも1つの(C10−C20)アシル鎖を有する第三または第四級アンモニウム塩;およびこれらの混合物から選ばれる請求項18に記載のアセンブリー。
【請求項20】
マイクロベシクルに会合している成分がミセルである請求項1乃至6のいずれか1に記載のアセンブリー。
【請求項21】
ミセルが、ポリエチレングリコール修飾リン脂質;少なくとも1つの(C10−C20)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩;(C−C)アルキレン橋を介して窒素原子に結合した少なくとも1つの(C10−C20)アシル鎖を有する第三または第四アンモニウム塩;(C12−C24)脂肪酸塩:高分子界面活性物質:またはこれらの混合物からなる請求項20に記載のアセンブリー。
【請求項22】
ミセルが、ホスファチジルコリン,エチルホスファチジルコリン,ホスファチジルグリセロール,ホスファチジン酸,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンまたはスフィンゴミエリンの(C12−C24)脂肪酸ジエステルからなる請求項20に記載のアセンブリー。
【請求項23】
ミセルが、正または負の正味電荷を帯びているリン脂質もしくは脂質、または高分子イオン性界面活性物質からなる請求項20に記載のアセンブリー。
【請求項24】
リン脂質もしくは脂質が、ホスファチジルセリン誘導体、ホスファチジン酸誘導体、ホスファチジルグリセロール誘導体、ポリエチレングリコール修飾ホスファチジルエタノールアミン、エチルホスファチジルコリン誘導体およびそれぞれのリゾ体;コリン酸塩;デオキシコリン酸塩;グリココリン酸塩;その(C12−C24)脂肪酸塩;少なくとも1つの(C10−C20)アルキル鎖を有するアルキルアンモニウム塩;(C−C)アルキレン橋を介して窒素原子に結合した少なくとも1つの(C10−C20)アシル鎖を有する第三または第四級アンモニウム塩;およびこれらの混合物から選ばれる請求項23に記載のアセンブリー。
【請求項25】
マイクロベシクルに会合している成分が、コロイドナノ粒子である請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項26】
マイクロベシクルに会合している成分が、固体のポリマーナノ粒子である請求項1に記載のアセンブリー。
【請求項27】
請求項1乃至26のいずれか1に記載のアセンブリーを含有する生理的に許容しうる液体の水性懸濁液。
【請求項28】
該アセンブリーの医薬的に許容しうる担体の水性懸濁液が、該アセンブリーを形成する気体封入マイクロベシクルの同じ担体中の水性懸濁液のζ−電位に対し絶対値で少なくとも50%減少のζ(ゼータ)−電位を示す請求項1乃至26のいずれか1に記載のアセンブリー。
【請求項29】
該ζ−電位が、絶対値で少なくとも75%の減少である請求項28に記載のアセンブリー。
【請求項30】
該ζ−電位が、絶対値で約100%以上の減少である請求項28に記載のアセンブリー。
【請求項31】
a)第1成分として、第1全正味電荷を帯びている気体封入マイクロベシクル、もしくはその前駆体と、
b)上記第1全正味電荷と反対符号の第2全正味電荷を帯び、上記マイクロベシクルに会合しうる第2成分、もしくはその前駆体
を別々に包含する製薬キットであって、上記成分は100nm以下の直径を有することを特徴とする製薬キット。
【請求項32】
さらに、医薬的に許容しうる液体担体を包含する請求項31に記載の製薬キット。
【請求項33】
第1および第2成分が、別々に凍結乾燥した調製品の形状にある請求項32に記載の製薬キット。
【請求項34】
a)第1成分として、第1全正味電荷を帯びている気体封入マイクロベシクル、もしくはその前駆体と、
b)上記第1全正味電荷と反対符号の第2全正味電荷を帯び、上記マイクロベシクルに会合しうる第2成分、もしくはその前駆体
を含有する製薬キットであって、上記会合成分は生物学的適合性界面活性剤からなり、かつ100nm以下の直径を有することを特徴とする製薬キット。
【請求項35】
請求項1乃至26のいずれか1に記載のアセンブリーを製造する方法であって、気体封入マイクロベシクルもしくはその前駆体を含有する調製品を、上記マイクロベシクルに会合すべき成分もしくはその前駆体を含有する調製品と混合することを特徴とするアセンブリーの製造法。
【請求項36】
1)気体封入マイクロベシクルを含有する第1水性懸濁液を調製し;
2)上記気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する第2水性懸濁液を調製し;次いで
3)該2つの懸濁液を混合して、該アセンブリーを含有する水性懸濁液を得る
ことから成る請求項35に記載の製造法。
【請求項37】
1)気体封入マイクロベシクルを含有する第1水性懸濁液を調製し;
2)該第一懸濁液を凍結乾燥して、第1凍結乾燥物を得;
3)上記気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する第2懸濁液を調製し;
4)該第2懸濁液を凍結乾燥して、第2凍結乾燥物を得;次いで
5)該第1および第2凍結乾燥物を気体の存在下、生理的に許容しうる水性担体で再組成して、該アセンブリーを含有する水性懸濁液を得る
ことから成る請求項35に記載の製造法。
【請求項38】
工程5)が、
a)第2凍結乾燥物を生理的に許容しうる水性担体で再組成して、気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する懸濁液を得;次いで
b)第1凍結乾燥物を気体の存在下、該懸濁液で再組成する
工程からなる請求項37に記載の製造法。
【請求項39】
1)有機溶剤、リン脂質および分散保護剤を含有する水性エマルジョンを調製し;
2)気体封入マイクロベシクルに会合すべき成分を含有する水性懸濁液を調製し;
3)該水性懸濁液を上記水性エマルジョンと混合し;次いで
4)該混合物を凍結乾燥して水および有機溶剤を除去し、該アセンブリーを含有する凍結乾燥物を得る
ことから成る請求項35に記載の製造法。
【請求項40】
請求項6に記載のアセンブリーを製造する方法であって、請求項35乃至39のいずれか1に記載の製造法によって得られるアセンブリーに、気体封入マイクロベシクルの電荷と同じ符号の全正味電荷を帯びている第2成分を混合することを特徴とするアセンブリーの製造法。
【請求項41】
医薬的に活性な配合物を製造するための、請求項1乃至29のいずれか1に記載のアセンブリーの使用。
【請求項42】
超音波診断イメージングの方法であって、請求項1乃至26のいずれか1に記載のアセンブリーの水性懸濁液の造影増強量を投与することから成るイメージング法。
【請求項43】
請求項1乃至26のいずれか1に記載のアセンブリーのさらに対生物活性剤を含有する水性懸濁液の治療上有効量を投与することから成る治療処置の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−515470(P2007−515470A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546389(P2006−546389)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004230
【国際公開番号】WO2005/063305
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(398063065)ブラッコ・リサーチ・ソシエテ・アノニム (13)
【氏名又は名称原語表記】BRACCO RESEARCH S.A.
【Fターム(参考)】