説明

造血成長因子での、神経状態を処置する方法

本発明は、顆粒球−コロニー刺激因子(GCSF)および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)のような造血因子を投与することによって、哺乳動物における神経状態を処置する方法に関する。本発明はまた、神経細胞の表面上にみられるGCSFまたはGMCSFレセプターに結合し、神経保護、神経増殖および/またはSTAT遺伝子活性化活性を提供する、化合物に対するスクリーニングの方法も提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の神経状態を処置する方法であって、前記哺乳動物に、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子を、前記神経状態を処置するのに十分な量で、投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に伴う神経系の疾患からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記神経状態が、虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記、虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患が、脳梗塞である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つまたはそれ以上のさらなる造血因子を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記神経状態が、精神状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記精神状態が、うつである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記神経状態が、痴呆または多発性硬化症である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポイエチンからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
GCSFおよびエリスロポイエチンを、哺乳動物に投与する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記神経状態が、脳梗塞、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、神経外傷、心臓停止による脳虚血、または手術の間の脳虚血である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記造血因子が、GCSFまたはGCSF誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記造血因子が、GMCSFまたはGMCSF誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
血行動態的に活性な化合物を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
組織プラスミノーゲン活性剤を哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
血液脳関門の通過を促進する薬剤を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
抗アポトーシス剤を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記神経状態が脳梗塞である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
組織プラスミノーゲン活性剤を、哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項10に
記載の方法。
【請求項20】
前記造血因子が、ヒト因子であるか、またはヒト因子由来である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記造血因子を、直接脳内注入、静脈内、動脈内、経口および皮下からなる群より選択される1つまたはそれ以上の投与形式によって投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記造血因子を投与することに、ポリヌクレオチドを投与することが含まれ、哺乳動物に投与する時に、神経状態を処置するのに十分な量で、造血因子が発現される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリヌクレオチドが、ウイルスベクターまたはリポソームとともに投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
哺乳動物における神経状態を処置する方法であって、神経幹細胞組成物を、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびその組み合わせから選択される造血因子と接触させること、およびつづいて、前記神経幹細胞を、必要としている哺乳動物に投与すること、を含む方法。
【請求項26】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に伴う神経系の疾患からなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
神経状態が、虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患が、脳梗塞である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記神経状態が、精神状態である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記精神状態が、うつである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記神経状態が、痴呆または多発性硬化症である、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
神経幹細胞組成物を、1つまたはそれ以上のさらなる造血因子と接触させること、をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポイエチンからなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記神経幹細胞組成物を、GCSFおよびエリスロポイエチンと接触させる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記神経状態が、脳梗塞、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、神経外傷、心臓停止による脳虚血、または手術の間の脳虚血である、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記造血因子が、GCSFまたはGCSF誘導体である、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記造血因子が、GMCSFまたはGMCSF誘導体である、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
前記造血因子が、ヒト因子であるか、またはヒト因子から由来したものである、請求項25に記載の方法。
【請求項39】
前記動物がヒトである、請求項25に記載の方法。
【請求項40】
神経幹細胞組成物が、ヒト神経幹細胞を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項41】
神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターに結合し、神経細胞中でSTATを活性化する、化合物を同定するための方法であって、神経細胞を化合物と接触させること、および化合物に接触させなかった神経細胞中のSTAT活性化と比較して、STAT活性化の増加を測定することを含み、そこで、STAT活性化の増加が、神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターに結合する化合物の指標である、方法。
【請求項42】
STAT遺伝子が、STAT−3である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
STAT遺伝子が、STAT−5である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
請求項41の方法にしたがって同定された化合物。
【請求項45】
哺乳動物における神経状態を処置する方法であって、哺乳動物に、神経状態を処置するために十分な量で、請求項44の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項46】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に伴う神経系の疾患からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記神経状態が、虚血に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患が、脳梗塞である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記神経状態が、精神状態である、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記精神状態が、うつである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記神経状態が、痴呆または多発性硬化症である、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
組織プラスミノーゲン活性剤を哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
1つまたはそれ以上のさらなる造血因子を投与すること、をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロ
ポイエチンからなる群より選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
血行動態的に活性な化合物を投与することをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項56】
血液脳関門の通過を促進する薬剤を投与することをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項57】
抗アポトーシス剤を投与することをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項58】
前記哺乳動物がヒトである、請求項45に記載の方法。
【請求項59】
前記化合物を、直接脳内注入、静脈内、動脈内、経口および皮下からなる群より選択される1つまたはそれ以上の投与形式によって投与する、請求項45に記載の方法。
【請求項60】
前記神経状態が、脳梗塞、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、神経外傷、心臓停止による脳虚血、または手術の間の脳虚血である、請求項45に記載の方法。
【請求項61】
神経細胞上の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子レセプターに結合し、および/または神経細胞中でSTAT遺伝子発現を活性化する、化合物を同定するための方法であって、神経細胞を化合物と接触させること、および化合物に接触させなかった神経細胞中のSTAT遺伝子活性化と比較して、STAT活性化の増加を測定することを含み、そこで、STAT活性化の増加が、神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターに結合する化合物の指標である、方法。
【請求項62】
STAT遺伝子が、STAT−3である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
STAT遺伝子が、STAT−5である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
請求項61の方法にしたがって同定された化合物。
【請求項65】
哺乳動物における神経状態を処置する方法であって、哺乳動物に、神経状態を処置するために十分な量で、請求項64の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項66】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に伴う神経系の疾患からなる群より選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記神経状態が、虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記虚血に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患が、脳梗塞である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記神経状態が、精神状態である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記精神状態が、うつである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記神経状態が、痴呆または多発性硬化症である、請求項57に記載の方法。
【請求項72】
組織プラスミノーゲン活性剤を哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項68に記
載の方法。
【請求項73】
1つまたはそれ以上のさらなる造血因子を投与することをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項74】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポイエチンからなる群より選択される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記哺乳動物がヒトである、請求項65に記載の方法。
【請求項76】
前記化合物を、直接脳内注入、静脈内、動脈内、経口および皮下からなる群より選択される1つまたはそれ以上の投与形式によって投与する、請求項65に記載の方法。
【請求項77】
GCSFレセプターアゴニスト活性が改善された化合物を同定するための方法であって、化合物をGCSFレセプターを持つ神経細胞と接触させること、神経細胞に対する化合物の神経保護効果を測定すること、GCSFの効果に対して、化合物の効果を比較すること、を含み、そこで、GCSFの効果に対して、化合物での神経保護効果がより高い場合に、前記化合物のGCSFレセプターアゴニスト活性が改善されていることを示唆する、方法。
【請求項78】
請求項77の方法にしたがって同定された化合物。
【請求項79】
哺乳動物における神経状態を処置する方法であって、哺乳動物に、神経状態を処置するために十分な量で、請求項78の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項80】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に伴う神経系の疾患からなる群より選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記神経状態が、虚血に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患である、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記虚血に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患が、脳梗塞である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記神経状態が、精神状態である、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記精神状態が、うつである、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記神経状態が、痴呆または多発性硬化症である、請求項79に記載の方法。
【請求項86】
組織プラスミノーゲン活性剤を哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
1つまたはそれ以上のさらなる造血因子を投与することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポイエチンからなる群より選択される、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記哺乳動物がヒトである、請求項79に記載の方法。
【請求項90】
前記化合物を、直接脳内注入、静脈内、動脈内、経口および皮下からなる群より選択される1つまたはそれ以上の投与形式によって投与する、請求項79に記載の方法。
【請求項91】
前記神経状態が、脳梗塞、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、神経外傷、心臓停止による脳虚血、または手術の間の脳虚血である、請求項79に記載の方法。
【請求項92】
GCSFレセプターアゴニスト活性が改善された化合物を同定する方法であって、該化合物を、GCSFレセプターを有する神経細胞と接触させること、神経細胞中のSTAT遺伝子発現のレベルを、GCSFと接触させた第2神経細胞と比較することを含み、そこで、第2神経細胞中のSTAT活性化と比較して、化合物と接触させた神経細胞中のSTAT活性化の増加が、その化合物が、GCSFレセプターアゴニスト活性を改善したことを示唆する、方法。
【請求項93】
前記STAT活性化が、STAT3およびSTAT5活性化の1つまたは両方である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
請求項92の方法にしたがって同定した化合物。
【請求項95】
哺乳動物における神経状態を処置する方法であって、哺乳動物に、神経状態を処置するために十分な量で、請求項94の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項96】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に伴う神経系の疾患からなる群より選択される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記神経状態が、虚血または低血圧症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患である、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記虚血または低酸素症に関わる病態生理学的機構を伴う神経疾患が、脳梗塞である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記神経状態が、精神状態である、請求項95に記載の方法。
【請求項100】
前記精神状態が、うつである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記神経状態が、痴呆または多発性硬化症である、請求項95に記載の方法。
【請求項102】
組織プラスミノーゲン活性剤を哺乳動物に投与することをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項103】
1つまたはそれ以上のさらなる造血因子を投与すること、をさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項104】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポイエチンからなる群より選択される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記哺乳動物がヒトである、請求項95記載の方法。
【請求項106】
前記化合物を、直接脳内注入、静脈内、動脈内、経口および皮下からなる群より選択される1つまたはそれ以上の投与形式によって投与する、請求項95記載の方法。
【請求項107】
前記神経状態が、脳梗塞、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、神経外傷、心臓停止による脳虚血、または手術の間の脳虚血である、請求項95に記載の方法。
【請求項108】
哺乳動物に移植した細胞の生存を増強する方法であって、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子をコードしている1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを細胞内に導入することを含み、そこで、該細胞が、前記1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを導入する前の細胞生存と比較して、細胞の生存を増強するために十分な量で、造血因子を発現する、方法。
【請求項109】
前記細胞がさらに、1つまたはそれ以上のさらなる造血因子を発現および分泌する、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記さらなる造血因子が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポイエチンからなる群より選択される、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記造血因子が、GCSFまたはGCSF誘導体である、請求項108に記載の方法。
【請求項112】
前記造血因子が、GMCSFまたはGMCSF誘導体である、請求項108に記載の方法。
【請求項113】
哺乳動物がヒトである、請求項108に記載の方法。
【請求項114】
細胞が神経細胞である、請求項108に記載の方法。
【請求項115】
前記神経細胞が神経幹細胞である、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記細胞が幹細胞である、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
前記細胞がさらに、GCSFレセプターおよびGMCSFレセプターの1つまたは両方を発現する、請求項108に記載の方法。
【請求項118】
前記細胞を、哺乳動物の神経組織に移植する、請求項108に記載の方法。
【請求項119】
神経細胞培養の生存力を増強する方法であって、神経細胞培養を、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびそれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子と接触させ、これらの造血因子と接触させる前の培養と比較して、神経細胞培養の生存力が増強するのに十分な量である、ことを含む方法。
【請求項120】
前記神経細胞培養が、神経幹細胞を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
神経細胞培養の生存力を増強する方法であって、1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを、神経細胞培養の細胞中に導入することを含み、そこで、前記ポリヌクレオチドが、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびそれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子を発現し、前記ポリヌクレオチドは、造血因子と接触させる前の培養と比較して、神経細胞培養の生存力を増強するのに十分な量で、造血因子を発現する、方法。
【請求項122】
前記ポリヌクレオチドを、ウイルスベクターまたはリポソームと投与する、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
必要としている哺乳動物の認知能力を増強するための方法であって、投与する前の哺乳動物と比較して、哺乳動物の認知能力を増強するのに十分な量で、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびこれらの組み合わせからなる群より選択した造血因子を投与することを含む、方法。
【請求項124】
哺乳動物がヒトである、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
脳内の少なくとも1つの顆粒球刺激因子および顆粒球マクロファージ刺激因子の内因性レベルを増強する化合物を同定する方法であって、神経細胞を化合物と接触させること、化合物と接触させていない神経細胞におけるレベルと比較した、顆粒球刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子、または両方のレベルの増加を測定すること、を含み、そこで、顆粒球刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子または両方の増加が、神経細胞内の顆粒球刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子または両方の内因性レベルを増加させる化合物の指標である、方法。
【請求項126】
請求項125の方法にしたがって同定された化合物。
【請求項127】
神経状態を処置する方法であって、哺乳動物に、神経状態を処置するために十分な量で、請求項126の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項128】
哺乳動物がヒトである、請求項127に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における神経状態の処置のための、医薬組成物の調製のために、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子を使用する方法であって、GCSFおよびGCSF誘導体が、神経細胞上の同族レセプターをアゴナイズする場合に、それぞれ個々での使用において、除外されるという条件下で、前記造血因子が、神経細胞および/または神経幹細胞上の、その同族レセプターをアゴナイズする方法。
【請求項2】
前記造血因子が、GMCSFまたはGMSCF誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記神経状態が、虚血に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、低酸素症に関与する病態生理学的機構を伴う神経疾患、神経変性疾患、および神経細胞死に付随する心液系の疾患からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記神経状態が、脳梗塞、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄外傷または脳外傷のような神経外傷、痴呆、多発性硬化症、うつ、心臓停止による脳虚血、または手術手順の間の脳虚血からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記医薬組成物が、マクロファージ刺激因子、インターロイキンおよびエリスロポエチンからなる群より選択される、さらなる造血因子を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記医薬組成物が、さらに、組織プラスミノーゲン活性剤、血液脳関門を介する通過を促進する薬剤、および抗アポトーシス薬剤からなる群から選択される物質を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記造血因子が、ヒト因子であるか、またはヒト因子から由来する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
哺乳動物がヒトである、請求項1〜7の任意に記載の方法。
【請求項9】
哺乳動物における神経状態の処置のための、医薬組成物の調製のために、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子をコードしているポリヌクレオチドを用いる方法であって、GCSFおよびGCSF誘導体が、神経細胞上の同族レセプターをアゴナイズする場合に、それぞれ個々での使用において、除外されるという条件下で、前記造血因子が、神経細胞および/または神経幹細胞上の、その同族レセプターをアゴナイズする方法。
【請求項10】
前記ポリヌクレオチドを、ウイルスベクターまたはリポソームによって運搬する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物における神経状態の処置のための、医薬組成物の調製のために、神経幹細胞を、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子と接触させる方法。
【請求項12】
前記神経幹細胞が、ヒト神経幹細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターに結合し、神経細胞中で、STATを活性化する化合物を同定するための方法であって、神経細胞を化合物と接触させること、化合物と接触させなかった神経細胞中のSTAT活性化と比較して、STAT活性化の増加を測定すること、を含む方法であって、STAT活性化の増加が、神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターへ結合した化合物の指標である、方法。
【請求項14】
STAT活性化が、STAT3およびSTAT5活性化の1つ、または両方である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項13または14の方法にしたがって同定された化合物。
【請求項16】
神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターに結合する、および/または神経細胞中でSTAT遺伝子発現を活性化する化合物を同定するための方法であって、神経細胞を化合物と接触させること、化合物と接触させなかった神経細胞中のSTAT遺伝子活性化と比較して、STAT遺伝子活性化の増加を測定すること、を含む方法であって、STAT活性化の増加が、神経細胞上の顆粒球コロニー刺激因子レセプターへ結合した化合物の指標である、方法。
【請求項17】
前記STAT遺伝子が、STAT−3またはSTAT−5である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項16または17にて請求されたような方法にしたがって同定された化合物。
【請求項19】
改善されたGCSFレセプターアゴニスト活性を持つ化合物を同定するための方法であって、化合物を、GCSFレセプターを持つ神経細胞と接触させること、化合物の神経細胞への神経保護効果を測定すること、およびGCSFの効果に対して、化合物の効果を比較することを含む、方法であって、GCSFの効果と比較して、化合物での神経保護効果がより大きい場合に、前記化合物が、改善されたGCSFレセプターアゴニスト活性をもつことを示す、方法。
【請求項20】
請求項19にて請求されたような方法にしたがって同定された化合物。
【請求項21】
改善されたGCSFレセプターアゴニスト活性を持つ化合物を同定するための方法であって、化合物を、GCSFレセプターを持つ神経細胞と接触させること、GCSFと接触させた第2神経細胞に対して、神経細胞内でのSTAT遺伝子発現のレベルを比較すること、を含む方法であって、第2神経細胞内でのSTAT活性化と比較して、化合物と接触させた神経細胞でのSTAT活性化の増加が、前記化合物が、改善されたGCSFレセプターアゴニスト活性をもつことを示す、方法。
【請求項22】
前記STAT活性化が、STAT3およびSTAT5活性化の1つまたは両方である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項21または22にて請求されたような方法にしたがって同定された化合物。
【請求項24】
神経細胞培養物を、造血因子と接触させる前の培養物と比較して、神経細胞培養物の生存が増強されるために十分な量で、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子と接触させることを含む、神経細胞培養物の生存を増強する方法。
【請求項25】
前記神経細胞培養物が、神経幹細胞を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
神経細胞培養物の生存を増強する方法であって、神経細胞培養物の細胞内に、1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを導入することを含む方法であって、そこで、前記ポリヌクレオチドが、GMCSF、GMCSF誘導体、GCSF、GCSF誘導体およびこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子を発現し、そこでポリヌクレオチドが、造血因子と接触させる前の培養物と比較して、神経細胞培養物の生存が増強されるために十分な量で、前記造血因子を発現する、方法。
【請求項27】
前記ポリヌクレオチドが、ウイルスベクターまたはリポソームによって運搬する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
脳内で、少なくとも1つの顆粒球刺激因子および顆粒球マクロファージ刺激因子の内因性レベルを増加させる化合物を同定するための方法であって、神経細胞を化合物と接触させること、および、化合物と接触させない神経細胞内のレベルと比較して、顆粒球刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子、または両方のレベルの増加を測定すること、を含む方法であって、顆粒球刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子、または両方のレベルの増加が、神経細胞内での顆粒球刺激因子、顆粒球マクロファージ刺激因子、または両方の内因性レベルを増加させる化合物の指標である、方法。
【請求項29】
請求項28にて請求されたような方法にしたがって同定された化合物。
【請求項30】
哺乳動物における神経状態の処置のための、医薬組成物の調製のために、GMCSF、GMCSF誘導体、あるいはGCSFおよび/またはGCSF誘導体とのこれらの組み合わせからなる群より選択される造血因子を使用する方法であって、前記造血因子が、神経幹細胞上の、その同族レセプターをアゴナイズする方法。
【請求項31】
哺乳動物における神経状態の処置のための医薬組成物の調製のために、GCSFおよび/またはGCSF誘導体を用いる方法であって、GCSFおよび/またはGCSF誘導体が、神経幹細胞上の、その同族レセプターをアゴナイズする方法。
【請求項32】
哺乳動物における神経状態の処置のための医薬組成物の調製のために、GMCSF、GMCSF誘導体、あるいはGCSFおよび/またはGCSF誘導体とのこれらの組み合わ
せからなる群より選択される造血因子をコードしているポリヌクレオチドを使用する方法であって、前記発現造血因子が、神経幹細胞上の、その同族レセプターをアゴナイズする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27−1】
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【図27−2】
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【図27−3】
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【図27−4】
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【図27−5】
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【図27−6】
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【図28−1】
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【図28−2】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33−1】
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【図33−2】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40−1】
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【図40−2】
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【図40−3】
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【図40−4】
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【図41−1】
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【図41−2】
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【公表番号】特表2006−512419(P2006−512419A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509731(P2005−509731)
【出願日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006446
【国際公開番号】WO2004/058287
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(503299929)アクサロン バイオサイエンス アクチェンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】