説明

連結ユニットおよびアーム装置

【課題】手動でアームを回動させることが簡単な連結ユニットおよびアーム装置を提供する。
【解決手段】アーム装置10は、基礎アーム13と、この基礎アーム13の先端に取り付けられた連結ユニット14と、この連結ユニット14を介して基礎アーム13に連結された中間アーム15と、などを備えている。連結ユニット14は、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット14は、基礎アーム13に対する中間アーム15の左方向の回動を許容すると共に、右方向の回動をロックして規制する。連結ユニット14は、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー21を備えている。連結ユニット14は、ロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアームが一列に連結されたアーム装置に関し、特に、二つのアームを相互に回動自在に連結する連結ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や診療所などの医療施設において、人工呼吸器や、手術において手元を照らす照明装置、などの医療装置を所望の位置に保持するアーム装置が用いられている。アーム装置は、一列に配置される二つのアームと、これら二つのアームの間に設けられ、一方のアームを、他方のアームに対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動自在に連結する連結ユニット(ヒンジ)と、上下方向に回動するアームの先端に設けられ、医療装置を保持する保持部と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このアーム装置によれば、手動でアームを回動させることで、アームの先端に保持させた医療装置を簡単に所望の位置に移動させられる。アーム装置から手が離れた後は、連結部のフリクションによりアームの回動が規制され、アームの姿勢が保たれる。ひいては、医療装置が所望の位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−016272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなアーム装置では、不意にアームが回動することのないように、連結部におけるフリクションの力を、医療装置の重力に負けない大きさに設定する必要がある。しかし、重量のある医療装置を保持することに対応させる場合には、連結部におけるフリクションの力を大き目に設定することになるが、この場合、手動でアームを回動させることが困難になるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、手動でアームを回動させることが簡単な連結ユニットおよびアーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、アームを回動自在に連結する連結部と、前記アームの一方向の回動を許容すると共に他方向の回動を規制するロック部と、前記ロック部による規制を解除して前記アームの他方向の回動を許容する解除部と、を備えることを特徴とする、連結ユニットである。
【0008】
本発明によれば、ロック部によりアームの一方向の回動が許容されているから、アームの先端に医療装置を保持している場合には、手動でアームを回動させることで、医療装置を簡単に所望の位置に移動させられる。その一方で、ロック部によりアームの他方向の回動が規制されているから、アームの下方向の回動が規制されている場合には、たとえ重量のある医療装置がアームの先端に保持されているとしても、医療装置の重力によって不意にアームが回動することはない。また、ロック部による規制を解除することで、アームの他方向の回動が許容され、手動でアームを他方向へ回動させることができる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記ロック部として、前記アームの第一の方向の回動を許容すると共に前記第一の方向と反対の第二の方向の回動を規制する第一のロック部と、前記アームの前記第一の方向の回動を規制すると共に前記第二の方向の回動を許容する第二のロック部と、を備え、前記解除部として、前記第一のロック部による規制を解除して前記アームの前記第二の方向の回動を許容する第一の解除部と、前記第二のロック部による規制を解除して前記アームの前記第一の方向の回動を許容する第二の解除部と、を備えることを特徴とする、上記(1)に記載の連結ユニットである。
【0010】
(3)本発明はまた、一列に連結される複数のアームと、前記アームの基端部分にそれぞれ設けられる複数の上記(1)または(2)に記載の連結ユニットと、前記アームに沿って配置されて前記連結ユニット毎の前記解除部を繋ぎ、前記連結ユニット毎の前記解除部を相互に連動させる連動部材と、を備えることを特徴とする、アーム装置である。
【0011】
(4)本発明はまた、前記連結部の回動軸は、水平方向に配置されることを特徴とする、上記(3)に記載のアーム装置である。
【0012】
(5)本発明はまた、前記アームまたは前記連結ユニットに設けられ、医療装置を保持する保持部を備えることを特徴とする、上記(3)または(4)に記載のアーム装置である。
【0013】
(6)本発明はまた、複数の前記連結ユニットのうち前記保持部との距離が最も近い前記連結ユニットに設けられ、前記解除部を操作する操作部を備えることを特徴とする、上記(5)に記載のアーム装置である。
【0014】
(7)本発明はまた、前記アームは、中空に形成され、前記連動部材は、前記アームの内部を通る糸状部材であることを特徴とする、上記(3)〜(6)のいずれかに記載のアーム装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記(1)もしくは(2)に記載の連結ユニット、または上記(3)〜(7)のいずれかに記載のアーム装置によれば、手動でアームを回動させることが簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る第1実施形態のアーム装置の正面図である。
【図2】図1に示すアーム装置における連結ユニットの外観斜視図である。
【図3A】図2に示す連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図3Bと一組の図である。
【図3B】図2に示す連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図3Aと一組の図である。
【図4】図2に示す連結ユニットの断面図であり、アームの回動を規制した状態を示す。
【図5】図2に示す連結ユニットの断面図であり、アームの回動を許容した状態を示す。
【図6】本発明に係る第2実施形態のアーム装置の正面図である。
【図7A】図6に示すアーム装置における連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図7Bと一組の図である。
【図7B】図6に示すアーム装置における連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図7Aと一組の図である。
【図8】図7Aおよび図7Bに示す連結ユニットの断面図であり、アームの回動を規制した状態を示す。
【図9A】図6に示すアーム装置における連結ユニットの分解斜視図の一部であって、図9Bと一組の図であり、図7Aおよび図7Bに示す連結ユニットとは異なる連結ユニットを示す。
【図9B】図6に示すアーム装置における連結ユニットの分解斜視図の一部であって、図9Aと一組の図であり、図7Aおよび図7Bに示す連結ユニットとは異なる連結ユニットを示す。
【図10】図9Aおよび図9Bに示す連結ユニットの断面図であり、アームの回動を規制した状態を示す。
【図11】本発明に係る第3実施形態のアーム装置の正面図である。
【図12】図11に示すアーム装置における連結ユニットの外観斜視図である。
【図13A】図12に示す連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図13Bおよび図13Cと一組の図である。
【図13B】図12に示す連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図13Aおよび図13Cと一組の図である。
【図13C】図12に示す連結ユニットの分解斜視図の一部であり、図13Aおよび図13Cと一組の図である。
【図14】図12に示す連結ユニットの断面図であり、(A)はアームの一方向の回動を規制した状態を示し、(B)はアームの他方向の回動を規制した状態を示す。
【図15】図12に示す連結ユニットの断面図であり、(A)はアームの一方向の回動を許容した状態を示し、(B)はアームの他方向の回動を許容した状態を示す。
【図16】本発明に係る第4実施形態のアーム装置における連結ユニットの断面図であり、アームの回動を規制した状態を示す。
【図17】図16に示す連結ユニットの断面図であり、アームの回動を許容した状態を示す。
【図18】本発明に係る第5実施形態のアーム装置における連結ユニットの断面図であり、アームの回動を規制した状態を示す。
【図19】図18に示す連結ユニットの断面図であり、アームの一方向の回動を許容した状態を示す。
【図20】図18に示す連結ユニットの断面図であり、アームの他方向の回動を許容した状態を示す。
【図21】本発明に係る第6実施形態のアーム装置の正面図である。
【図22】本発明に係る第7実施形態のアーム装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の第1〜第7実施形態に係るアーム装置について詳細に説明する。
【0018】
[第1実施形態]まず、図1〜図3を用いて、第1実施形態に係るアーム装置10の構成について説明する。図1は、アーム装置10の正面図である。図2は、連結ユニット14の外観斜視図である。図3Aおよび図3Bは、連結ユニット14の分解斜視図である。なお、必要に応じて、図4および図5を参照されたい。
【0019】
また、各図において、図面の簡略化のため、説明に不要な構成要素などの図示は適宜省略する。また、以下の説明における右方向および左方向とは、特に説明がない限り、図面における方向をいう。
【0020】
図1に示すアーム装置10は、病院や診療所などの医療施設において、人工呼吸器、手術において手元を照らす照明装置、などの医療装置(図示省略)を所望の位置に保持するものであり、手動で操作される。
【0021】
このアーム装置10は、基礎となる台座11と、この台座11の上面に、鉛直軸を中心に回動自在に取り付けられた回動台12と、この回動台12に取り付けられた基礎アーム13と、この基礎アーム13の先端に取り付けられた連結ユニット14と、この連結ユニット14を介して基礎アーム13に連結された中間アーム15と、この中間アーム15の先端に取り付けられた連結ユニット16と、この連結ユニット16を介して中間アーム15に連結された中間アーム17と、この中間アーム17の先端に取り付けられた連結ユニット18と、この連結ユニット18を介して中間アーム17に連結された先端アーム19と、この先端アーム19に固定され、医療装置(図示省略)を着脱可能に保持する保持部20と、を備えている。以下、各構成要素を説明する。
【0022】
(アーム)基礎アーム13、中間アーム15,17および先端アーム19は、ステンレス製の角管等で中空に形成され、一列に配置されている。これらの基礎アーム13、中間アーム15,17および先端アーム19は、隣り合うアームが、連結ユニット14,16,18のいずれかによって回動自在に連結されている。
【0023】
基礎アーム13は、基端が回動台12に取り付けられている。この基礎アーム13は、回動台12と一体となって、鉛直軸を中心に回動する。
【0024】
中間アーム15は、連結ユニット14を介して基礎アーム13に連結されることによって、基礎アーム13に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動する。この中間アーム15は、回動台12および基礎アーム13と一体となって、鉛直軸を中心に回動する。
【0025】
中間アーム17は、連結ユニット16を介して中間アーム15に連結されることによって、中間アーム15に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動する。この中間アーム17は、回動台12、基礎アーム13および中間アーム15と一体となって、鉛直軸を中心に回動する。
【0026】
先端アーム19は、連結ユニット18を介して中間アーム17に連結されることによって、中間アーム17に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動する。この先端アーム19は、回動台12、基礎アーム13および中間アーム15,17と一体となって、鉛直軸を中心に回動する。
【0027】
(保持部)保持部20は、中間アーム15が基礎アーム13に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動すること、中間アーム17が中間アーム15に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動すること、あるいは、先端アーム19が中間アーム17に対して水平方向の回動軸を中心に上下方向に回動することによって、上下方向に移動する。この保持部20は、回動台12、基礎アーム13、中間アーム15,17および先端アーム19が一体となって鉛直軸を中心に回動することによって、鉛直軸を中心に旋回する。
【0028】
(連結ユニット)連結ユニット14は、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット14は、基礎アーム13に対する中間アーム15の左方向の回動を許容すると共に、右方向の回動をロックして規制する。連結ユニット14は、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー21を備えている。連結ユニット14は、ロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動を許容する。
【0029】
連結ユニット16は、中間アーム15に対して中間アーム17を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット16は、中間アーム15に対する中間アーム17の左方向の回動を許容すると共に、右方向の回動をロックして規制する。連結ユニット16は、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー22を備えている。連結ユニット16は、ロック解除レバー22が所定の方向に操作されることで、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動を許容する。
【0030】
連結ユニット18は、中間アーム17に対して先端アーム19を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット18は、中間アーム17に対する先端アーム19の左方向の回動を許容すると共に、右方向の回動をロックして規制する。連結ユニット18は、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー23を備えている。連結ユニット18は、ロック解除レバー23が所定の方向に操作されることで、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動を許容する。
【0031】
図2、図3Aおよび図3Bに示すように、連結ユニット14は、基礎アーム13に固定される有底円筒25と、中間アーム15に固定される有底円筒26と、これらの有底円筒25,26の間に介在させる円筒27と、有底円筒25を有底円筒26に対して回動自在に取り付ける軸ボルト28と、有底円筒26に固定されるラチェット歯車29と、このラチェット歯車29および有底円筒26の間に介在させる円柱形状のスペーサ30と、ラチェット歯車29と共にラチェットを構成する歯止め31と、この歯止め31をラチェット歯車29に向けて付勢するコイルスプリング32と、歯止め31に固定されるロック解除レバー21と、有底円筒26にスペーサ30を固定する固定ボルト33と、スペーサ30にラチェット歯車29を固定する固定ボルト34と、有底円筒25に歯止め31を取り付ける軸ボルト35と、歯止め31にロック解除レバー21を固定する固定ボルト36と、有底円筒25に基礎アーム13を固定するための固定部材37および固定ボルト38と、有底円筒26に中間アーム15を固定するための固定部材39および固定ボルト40と、を備えている。
【0032】
有底円筒25,26は、円筒27の外径と比較して一回り大きい内径を有している。有底円筒25,26は、円筒27の両側に被さることで、円筒27と共に筐体を構成する。
【0033】
有底円筒25には、軸ボルト28用の軸孔25aと、軸ボルト35用のボルト孔25bと、固定ボルト38用のボルト孔25cと、コイルスプリング32の一端が固定される固定穴25dと、が形成されている。有底円筒26には、固定ボルト33用のボルト孔26aと、固定ボルト40用のボルト孔26bと、が形成されている。円筒27には、ロック解除レバー21を逃がす切欠き27aが形成されている。
【0034】
ラチェット歯車29は、斜めに傾いた歯が全周にわたって形成された歯車である。このラチェット歯車29は、歯止め31が噛み込んでいる場合には、一方向の回動が許容されると共に、他方向の回動が規制される。その一方で、ラチェット歯車29は、歯止め31の噛込みが解除されている場合には、一方向の回動が許容されると共に、他方向の回動も許容される。ラチェット歯車29には、固定ボルト34用のボルト孔29aと、軸ボルト28用のボルト孔29bと、が形成されている。
【0035】
スペーサ30は、有底円筒26側の面に固定ボルト33用のボルト穴30aが形成されていると共に、ラチェット歯車29側の面に固定ボルト34用のボルト穴30bが形成されている。
【0036】
固定ボルト33は、ボルト孔26a、ボルト穴30aの順にねじ込まれることで、スペーサ30を有底円筒26に固定する。固定ボルト34は、ボルト孔29a、ボルト穴30bの順にねじ込まれることで、ラチェット歯車29をスペーサ30に固定する。これにより、ラチェット歯車29が、スペーサ30を介して有底円筒26に固定される。
【0037】
軸ボルト28は、先端部分がねじ切られていると共に、基端部分がねじ切られていない中ボルトである。この軸ボルト28は、軸孔25aに差し込まれてからボルト孔29bにねじ込まれることで、有底円筒25をラチェット歯車29に回動自在に固定する。これにより、有底円筒25が、有底円筒26に対して回動自在に固定される。
【0038】
歯止め31は、ラチェット歯車29に噛み込むことで、ラチェット歯車29の一方向の回動を許容すると共に、他方向の回動をロックして規制する。歯止め31には、軸ボルト35用の軸孔31aと、固定ボルト36用のボルト穴31bと、コイルスプリング32の他端が固定される固定穴31cと、が形成されている。ロック解除レバー21には、固定ボルト36用のボルト孔21aが形成されている。
【0039】
軸ボルト35は、基端部分がねじ切られていると共に、先端部分がねじ切られていない特殊ボルトである。この軸ボルト35は、有底円筒25の外側からボルト孔25bにねじ込まれることで、有底円筒25の内側に先端部分を突出させる。軸ボルト35の先端部分は、歯止め31の回動軸を構成する。歯止め31は、軸孔31aに差し込まれた軸ボルト35を中心に回動する。この歯止め31は、コイルスプリング32の付勢力によって回動し、ラチェット歯車29に噛み込まれる。
【0040】
固定ボルト36は、ボルト孔21a、ボルト穴31bの順にねじ込まれることで、ロック解除レバー21を歯止め31に固定する。これにより、ロック解除レバー21の操作によって、歯止め31がコイルスプリング32の付勢力に抗して回動し、歯止め31のラチェット歯車29への噛込みの解除が可能になる。
【0041】
固定部材37は、第一片(符号省略)と、第一片の一端が90度折り曲げられ、基礎アーム13が固定される第二片(符号省略)と、第一片の他端が第二片とは反対側に90度折り曲げられ、有底円筒25が固定される第三片(符号省略)と、を備え、クランク状に構成される。固定部材37の第二片には、固定ボルト38用のボルト孔37aが形成されている。固定部材37の第三片には、固定ボルト38用のボルト孔37bが形成されている。基礎アーム13には、固定ボルト38用のボルト孔13aが形成されている。
【0042】
固定ボルト38は、ボルト孔37a、ボルト孔13aの順にねじ込まれることで、固定部材37を基礎アーム13に固定すると共に、ボルト孔37b、ボルト孔25cの順にねじ込まれることで、固定部材37を有底円筒25に固定する。これにより、有底円筒25に基礎アーム13が固定される。
【0043】
固定部材39は、第一片(符号省略)と、第一片の一端が90度折り曲げられ、中間アーム15が固定される第二片(符号省略)と、第一片の他端が第二片とは反対側に90度折り曲げられ、有底円筒26が固定される第三片(符号省略)と、を備え、クランク状に構成される。固定部材39の第二片には、固定ボルト40用のボルト孔39aが形成されている。固定部材39の第三片には、固定ボルト40用のボルト孔39bが形成されている。中間アーム15には、固定ボルト40用のボルト孔15aが形成されている。
【0044】
固定ボルト40は、ボルト孔39a、ボルト孔15aの順にねじ込まれることで、固定部材39を中間アーム15に固定すると共に、ボルト孔39b、ボルト孔26bの順にねじ込まれることで、固定部材39を有底円筒26に固定する。これにより、有底円筒26に中間アーム15が固定される。
【0045】
以上の連結ユニット14は、有底円筒25,26および軸ボルト28を主構成として、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する連結部として機能する。また、連結ユニット14は、ラチェット歯車29、歯止め31、コイルスプリング32および軸ボルト35を主構成として、基礎アーム13に対する中間アーム15の一方向の回動を許容すると共に他方向の回動をロックして規制するロック部として機能する。さらに、連結ユニット14は、歯止め31およびロック解除レバー21を主構成として、ロック部による規制を解除して、基礎アーム13に対する中間アーム15の他方向の回動を許容する解除部として機能する。なお、連結ユニット16,18の具体的な構成は、連結ユニット14と同様であり、その説明は省略する。
【0046】
次に、連結ユニット14の動作について、図4および図5に基づいて説明する。図4は、連結ユニット14の断面図であり、中間アーム15の回動を規制した状態を示す。図5は、連結ユニット14の断面図であり、中間アーム15の回動を許容した状態を示す。
【0047】
図4に示すように、歯止め31は、コイルスプリング32によってラチェット歯車29に向けて付勢されており、ラチェット歯車29に噛み込んでいる。これにより、ラチェット歯車29が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒26(図2、図3Aおよび図3B参照)は、歯止め31が取り付けられ、かつ基礎アーム13が固定されている有底円筒25に対し、左方向の回動が許容されると共に、右方向の回動がロックされ規制される。
【0048】
歯止め31がラチェット歯車29に噛み込んでいる図4に示す状態から、図5に示すようにロック解除レバー21が所定の方向に操作されると、歯止め31がコイルスプリング32の付勢力に抗して回動し、歯止め31のラチェット歯車29への噛込みが解除される。これにより、ラチェット歯車29が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒26(図2、図3Aおよび図3B参照)は、歯止め31が取り付けられ、かつ基礎アーム13が固定されている有底円筒25に対し、左方向の回動が許容されると共に、右方向の回動のロックが解除され、右方向の回動も許容される。
【0049】
なお、連結ユニット16,18の具体的な動作は、連結ユニット14の動作と同様であり、その説明は省略する。
【0050】
このように、アーム装置10によれば、基礎アーム13に対する中間アーム15の上方向の回動、中間アーム15に対する中間アーム17の上方向の回動、および中間アーム15に対する先端アーム19の上方向の回動が許容されているから、手動で、中間アーム15,17、および先端アーム19のいずれかを回動させることで、先端アーム19の先端に保持する医療装置(図示省略)を簡単に所望の位置に移動させられる。
【0051】
その一方で、基礎アーム13に対する中間アーム15の下方向の回動、中間アーム15に対する中間アーム17の下方向の回動、および中間アーム17に対する先端アーム19の下方向の回動がロックされて規制されているから、たとえ重量のある医療装置(図示省略)が先端アーム19の先端に保持されているとしても、医療装置の重力によって不意に、中間アーム15,17および先端アーム19のいずれかが回動することはない。
【0052】
また、ロック解除レバー21〜23のいずれかを操作して、基礎アーム13に対する中間アーム15の下方向の回動のロック、中間アーム15に対する中間アーム17の下方向の回動のロック、および中間アーム17に対する先端アーム19の下方向の回動のロックのいずれかを解除することで、手動で、中間アーム15,17、および先端アーム19のいずれかを下方向に回動させることが可能となり、先端アーム19の先端に保持する医療装置(図示省略)を簡単に所望の位置に移動させられる。
【0053】
[第2実施形態]次に、図6〜図10を用いて、第2実施形態に係るアーム装置42の構成について説明する。図6は、アーム装置42の正面図である。図7Aおよび図7Bは、連結ユニット43の分解斜視図である。図8は、連結ユニット43の断面図であり、中間アーム15の回動を規制した状態を示す。図9Aおよび図9Bは、連結ユニット44の分解斜視図である。図10は、連結ユニット44の断面図であり、中間アーム17の回動を規制した状態を示す。
【0054】
なお、第2実施形態に係るアーム装置42の特徴部分のみを説明し、第1実施形態に係るアーム装置10と同様の構成要素、作用、および効果についての説明は省略する。後述する第3〜第5実施形態についても、特徴部分のみを説明し、他の実施形態と同様の構成要素、作用および効果についての説明は省略する。
【0055】
図6に示すように、アーム装置42は、第1実施形態のアーム装置10と比較すると、連結ユニット14,16,18に代えて、連結ユニット43〜45を備えている。また、アーム装置42は、連結ユニット43〜45を連動させる連動部材46をさらに備えている。
【0056】
(連動部材)連動部材46は、釣糸などの糸状部材であり、中間アーム15,17に沿って配置されている。具体的に、連動部材46は、連結ユニット43の内部から中間アーム15の内部を通って連結ユニット44の内部に繋がっていると共に、連結ユニット44の内部から中間アーム17の内部を通って連結ユニット45の内部に繋がっている。連動部材46は、ロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで引っ張られ、連結ユニット44,45によるアームの回動の規制およびその解除を、連結ユニット43によるアームの回動の規制およびその解除に連動させる。
【0057】
(連結ユニット)連結ユニット43は、第1実施形態の連結ユニット14と略同様の構成要素である。
【0058】
連結ユニット44は、第1実施形態の連結ユニット16と比較すると、ロック解除レバー22を備えていない。連結ユニット44は、連結ユニット43におけるロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動を許容する。
【0059】
連結ユニット45は、第1実施形態の連結ユニット18と比較すると、ロック解除レバー23を備えていない。連結ユニット45は、連結ユニット43におけるロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動を許容する。
【0060】
図7A、図7Bおよび図8に示すように、連結ユニット43は、第1実施形態の連結ユニット14と比較すると、円筒27に代えて、円筒47を備えている。また、連結ユニット43は、連動部材46をガイドする略半円板状のガイド部材48をさらに備えている。
【0061】
円筒47は、有底円筒25,26の内径と比較して一回り小さい外径を有する大径部47aと、この大径部47aの外径と比較して一回り小さい外径を有する小径部47bと、から構成される。円筒47には、小径部47bに、ロック解除レバー21を逃がす切欠き47cが形成されている。円筒47は、その両側に有底円筒25,26が被せられることで、有底円筒25,26と共に筐体を構成する。小径部47bの外周面と、有底円筒25の内周面と、の間には、連動部材46が通る隙間(符号省略)が形成される。
【0062】
ガイド部材48には、連動部材46を巻き付ける突起48aが一体に形成されていると共に、その突起48aから円弧の全域に沿って、連動部材46をガイドする溝48bが形成されている。このガイド部材48には、固定ボルト36用のボルト孔48cが形成されている。
【0063】
固定ボルト36は、ボルト孔48c、ボルト孔21a、ボルト穴31bの順にねじ込まれることで、ロック解除レバー21と共にガイド部材48を歯止め31に固定する。これにより、ロック解除レバー21の操作によって、ガイド部材48が回動し、連動部材46を引っ張ることが可能になる。
【0064】
連動部材46は、ガイド部材48の突起48aを基端として、ガイド部材48の溝48bをガイドされ、有底円筒25と円筒47の小径部47bとの隙間を下方から通り、中間アーム15に導かれる。
【0065】
図9A、図9Bおよび図10に示すように、連結ユニット44は、第1実施形態の連結ユニット16と比較すると、円筒27に代えて円筒47を備えている。この連結ユニット44は、連動部材46をガイドする略半円板状のガイド部材49をさらに備えている。さらに、連結ユニット44は、ロック解除レバー22を備えていない。なお、図10において、連動部材46の一部分の図示を省略している。具体的には、ガイド部材49から、有底円筒25と円筒47の小径部47bとの隙間を下方から通り、中間アーム17に導かれる部分の図示を省略している。
【0066】
ガイド部材49には、連動部材46を巻き付ける二つの突起49aが一体に形成されていると共に、一方の突起49aから円弧の全域に沿って他方の突起49aまで、連動部材46をガイドする溝49bが形成されている。このガイド部材49には、固定ボルト36用のボルト孔49cが形成されている。
【0067】
固定ボルト36は、ボルト孔49c、ボルト穴31bの順にねじ込まれることで、ガイド部材49を歯止め31に固定する。これにより、連動部材46が引っ張られることによって、歯止め31がコイルスプリング32の付勢力に抗して回動し、歯止め31のラチェット歯車29への噛込みの解除が可能になる。また、歯止め31と一体となってガイド部材49が回動し、中間アーム17に導かれている連動部材46(図示が省略されている部分)を引っ張ることが可能になる。
【0068】
中間アーム15には、固定ボルト38用のボルト孔15bが形成されている。固定ボルト38は、ボルト孔37a、ボルト孔15bの順にねじ込まれることで、固定部材37を中間アーム15に固定すると共に、ボルト孔37b、ボルト孔25cの順にねじ込まれることで、固定部材37を有底円筒25に固定する。これにより、有底円筒25に中間アーム15が固定される。
【0069】
中間アーム17には、固定ボルト40用のボルト孔17aが形成されている。固定ボルト40は、ボルト孔39a、ボルト孔17aの順にねじ込まれることで、固定部材39を中間アーム17に固定すると共に、ボルト孔39b、ボルト孔26bの順にねじ込まれることで、固定部材39を有底円筒26に固定する。これにより、有底円筒26に中間アーム17が固定される。
【0070】
連動部材46は、中間アーム15から、有底円筒25と円筒47の小径部47bとの隙間を通り、その隙間の上方からガイド部材49に導かれる。そして、連動部材46は、ガイド部材49の溝49bをガイドされ、下方の突起49a、上方の突起49aに順次巻き付く。また、連動部材46は、ガイド部材49の溝49bをガイドされ、有底円筒25と円筒47の小径部47bとの隙間を下方から通り、中間アーム17に導かれる。
【0071】
なお、連結ユニット45の具体的構成は、連結ユニット44と同様であり、その説明は省略する。
【0072】
次に、アーム装置42の動作について、図8および図10に基づいて説明する。
【0073】
図8に示す連結ユニット43の状態は、歯止め31がラチェット歯車29に噛み込み、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動をロックして規制している状態である。また、図10に示す連結ユニット44の状態は、歯止め31がラチェット歯車29に噛み込み、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動をロックして規制している状態である。これらの状態からロック解除レバー21が所定の方向に操作されると、連結ユニット43における歯止め31がコイルスプリング32の付勢力に抗して回動する。ガイド部材48は、歯止め31と一体となって回動し、連動部材46を引っ張る。
【0074】
図8および図10に示すように、連動部材46は、連結ユニット43におけるガイド部材48の突起48aを基端として、連結ユニット43における有底円筒25と円筒47の小径部47bとの隙間、中間アーム15、連結ユニット44における有底円筒25と円筒47の小径部47bとの隙間の順に通り、連結ユニット44におけるガイド部材49に導かれている。そして、連結部材46は、連結ユニット44までの流れと同様、連結ユニット44から中間アーム17を通り、連結ユニット45に導かれている。
【0075】
このため、ガイド部材48が連動部材46を引っ張ると、ガイド部材49が回動する。連結ユニット44における歯止め31は、ガイド部材49と一体となって回動し、連結ユニット44における歯止め31のラチェット歯車29への噛込みが解除される。同様に、連結ユニット45における歯止め31のラチェット歯車29への噛込みが解除される。
【0076】
このように、アーム装置42によれば、連動部材46を備えているから、一か所のロック解除レバー21の操作によって、全ての連結ユニット43〜45における歯止め31のラチェット歯車29への噛込みを一斉に解除できる。
【0077】
[第3実施形態]次に、図11〜図13を用いて、第3実施形態に係るアーム装置51の構成について説明する。図11は、アーム装置51の正面図である。図12は、連結ユニット52の外観斜視図である。図13A、図13Bおよび図13Cは、連結ユニット52の分解斜視図である。
【0078】
図11に示すように、アーム装置51は、第1実施形態のアーム装置10と比較すると、連結ユニット14,16,18に代えて、連結ユニット52〜54を備えている。
【0079】
(連結ユニット)連結ユニット52は、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット52は、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動をロックして規制すると共に、左方向の回動をロックして規制する。連結ユニット52は、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー21と、左方向の回動のロックを解除するロック解除レバー55と、を備えている。連結ユニット52は、ロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動を許容する。また、連結ユニット52は、ロック解除レバー55が所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の左方向の回動を許容する。
【0080】
連結ユニット53は、中間アーム15に対して中間アーム17を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット53は、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動をロックして規制すると共に、左方向の回動をロックして規制する。連結ユニット53は、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー22と、左方向の回動のロックを解除するロック解除レバー56と、を備えている。連結ユニット53は、ロック解除レバー22が所定の方向に操作されることで、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動を許容する。また、連結ユニット53は、ロック解除レバー56が所定の方向に操作されることで、中間アーム15に対する中間アーム17の左方向の回動を許容する。
【0081】
連結ユニット54は、中間アーム17に対して先端アーム19を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット54は、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動をロックして規制すると共に、左方向の回動をロックして規制する。連結ユニット54は、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー23と、左方向の回動のロックを解除するロック解除レバー57と、を備えている。連結ユニット54は、ロック解除レバー23が所定の方向に操作されることで、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動を許容する。また、連結ユニット54は、ロック解除レバー57が所定の方向に操作されることで、中間アーム17に対する先端アーム19の左方向の回動を許容する。
【0082】
図12および図13に示すように、連結ユニット52は、第1実施形態の連結ユニット14と比較すると、円筒27に代えて、円筒58を備えている。また、連結ユニット52は、有底円筒26に固定されるラチェット歯車59と、このラチェット歯車59と共にラチェットを構成する歯止め60と、この歯止め60をラチェット歯車59に向けて付勢するコイルスプリング61と、有底円筒25に歯止め60を取り付ける軸ボルト62と、歯止め60にロック解除レバー55を固定する固定ボルト63と、をさらに備えている。
【0083】
有底円筒25,26は、円筒58の外径と比較して一回り大きい内径を有している。有底円筒25,26は、円筒58の両側に被さることで、円筒58と共に筐体を構成する。
【0084】
有底円筒25には、軸ボルト62用のボルト孔25eと、コイルスプリング61の一端が固定される固定穴25fと、がさらに形成されている。円筒58には、ロック解除レバー21,55を逃がす切欠き58aが形成されている。
【0085】
ラチェット歯車59は、斜めに傾いた歯が全周にわたって形成された歯車である。ラチェット歯車59の歯は、対となるラチェット歯車29の歯と比較して、傾く方向が逆となるように形成されている。このラチェット歯車59は、歯止め60が噛み込んでいる場合には、他方向の回動が許容されると共に、一方向の回動が規制される。その一方で、ラチェット歯車59は、歯止め60の噛込みが解除されている場合には、一方向の回動が許容されると共に、他方向の回動も許容される。ラチェット歯車59には、固定ボルト34用のボルト孔59aが形成されている。
【0086】
固定ボルト34は、ボルト孔29a、ボルト孔59a、ボルト穴30bの順にねじ込まれることで、ラチェット歯車29,59をスペーサ30に固定する。これにより、ラチェット歯車29,59が、スペーサ30を介して有底円筒26に固定される。
【0087】
歯止め60は、ラチェット歯車59に噛み込むことで、ラチェット歯車59の他方向の回動を許容すると共に、一方向の回動をロックして規制する。歯止め60には、軸ボルト62用の軸孔60aと、固定ボルト63用のボルト穴60bと、コイルスプリング61の他端が固定される固定穴60cと、が形成されている。ロック解除レバー55には、固定ボルト63用のボルト孔55aが形成されている。
【0088】
軸ボルト62は、基端部分がねじ切られていると共に、先端部分がねじ切られていない特殊ボルトである。この軸ボルト62は、軸ボルト35と対となって、有底円筒25の外側からボルト孔25eにねじ込まれることで、有底円筒25の内側に先端部分を突出させる。軸ボルト62の先端部分は、歯止め60の回動軸を構成する。歯止め60は、軸孔60aに差し込まれた軸ボルト62を中心に回動する。この歯止め60は、コイルスプリング61の付勢力によって回動し、ラチェット歯車59に噛み込まれる。
【0089】
固定ボルト63は、ボルト孔55a、ボルト穴60bの順にねじ込まれることで、ロック解除レバー55を歯止め60に固定する。これにより、ロック解除レバー55の操作によって、歯止め60がコイルスプリング61の付勢力に抗して回動し、歯止め60のラチェット歯車59への噛込みの解除が可能になる。
【0090】
以上の連結ユニット52は、第1実施形態の連結ユニット14を双方向の回動に対応させたものである。具体的に、連結ユニット52は、有底円筒25,26および軸ボルト28を主構成として、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する連結部として機能する。また、連結ユニット52は、ラチェット歯車29,59、歯止め31,60、コイルスプリング32,61および軸ボルト35,62を主構成として、基礎アーム13に対する中間アーム15の双方向の回動を規制する第一および第二のロック部として機能する。さらに、連結ユニット52は、歯止め31,60およびロック解除レバー21,55を主構成として、一方の歯止め31,60が動作することで、対応するロック部による規制を解除して、基礎アーム13に対する中間アーム15の一方向または他方向の回動を許容する第一および第二の解除部として機能する。なお、連結ユニット53,54の具体的な構成は、連結ユニット52と同様であり、その説明は省略する。
【0091】
次に、連結ユニット52の動作について、図14および図15に基づいて説明する。図14は、連結ユニット52の断面図であり、(A)は中間アーム15の一方向の回動を規制した状態を示し、(B)は中間アーム15の他方向の回動を規制した状態を示す。図15は、連結ユニット52の断面図であり、(A)は中間アーム15の一方向の回動を許容した状態を示し、(B)は中間アーム15の他方向の回動を許容した状態を示す。
【0092】
図14(A)に示すように、歯止め31は、コイルスプリング32によってラチェット歯車29に向けて付勢されており、ラチェット歯車29に噛み込んでいる。これにより、ラチェット歯車29が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒26(図12、図13A、図13Bおよび図13C参照)は、歯止め31が取り付けられ、かつ基礎アーム13が固定されている有底円筒25に対し、右方向の回動がロックされ規制される。
【0093】
また、図14(B)に示すように、歯止め60は、コイルスプリング61によってラチェット歯車59に向けて付勢されており、ラチェット歯車59に噛み込んでいる。これにより、ラチェット歯車59が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒26(図12、図13A、図13Bおよび図13C参照)は、歯止め60が取り付けられ、かつ基礎アーム13が固定されている有底円筒25に対し、左方向の回動がロックされ規制される。
【0094】
すなわち、歯止め31のラチェット歯車29への噛込み、および、歯止め60のラチェット歯車59への噛込みにより、基礎アーム13に対する中間アーム15の双方向の回動がロックされ規制される。
【0095】
歯止め31がラチェット歯車29に噛み込んでおり、かつ、歯止め60がラチェット歯車59に噛み込んでいる図14(A)および図14(B)に示す状態から、図15(A)に示すようにロック解除レバー21が所定の方向に操作されると、歯止め31がコイルスプリング32の付勢力に抗して回動し、歯止め31のラチェット歯車29への噛込みが解除される。これにより、ラチェット歯車29が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒26(図12、図13A、図13Bおよび図13C参照)は、歯止め31が取り付けられ、かつ基礎アーム13が固定されている有底円筒25に対し、右方向の回動のロックが解除され、右方向の回動が許容される。
【0096】
一方、歯止め31がラチェット歯車29に噛み込んでおり、かつ、歯止め60がラチェット歯車59に噛み込んでいる図14(A)および図14(B)に示す状態から、図15(B)に示すようにロック解除レバー55が所定の方向に操作されると、歯止め60がコイルスプリング61の付勢力に抗して回動し、歯止め60のラチェット歯車59への噛込みが解除される。これにより、ラチェット歯車59が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒26(図12、図13A、図13Bおよび図13C参照)は、歯止め60が取り付けられ、かつ基礎アーム13が固定されている有底円筒25に対し、左方向の回動のロックが解除され、左方向の回動が許容される。
【0097】
なお、連結ユニット53,54の具体的な動作は、連結ユニット52と同様であり、その説明は省略する。
【0098】
このように、アーム装置51によれば、基礎アーム13に対する中間アーム15の双方向の回動、中間アーム15に対する中間アーム17の双方向の回動、および中間アーム17に対する先端アーム19の双方向の回動がロックされて規制されているから、アーム装置51、あるいはアーム装置51が保持する医療装置(図示省略)に対して外力が加わった場合であっても、不意に、中間アーム15,17および先端アーム19のいずれかが回動することはない。
【0099】
また、ロック解除レバー55〜57のいずれかを操作して、基礎アーム13に対する中間アーム15の上方向の回動のロック、中間アーム15に対する中間アーム17の上方向の回動のロック、および中間アーム17に対する先端アーム19の上方向の回動のロックのいずれかを解除することで、手動で、中間アーム15,17、および先端アーム19のいずれかを上方向に回動させることが可能となり、先端アーム19の先端に保持する医療装置(図示省略)を簡単に所望の位置に移動させられる。
【0100】
[第4実施形態]次に、図16および図17を用いて、第4実施形態に係るアーム装置の構成について説明する。図16は、連結ユニット65の断面図であり、中間アーム15の回動を規制した状態を示す。図17は、連結ユニット65の断面図であり、中間アーム15の回動を許容した状態を示す。
【0101】
第4実施形態のアーム装置(図示省略)は、第1実施形態のアーム装置10と比較すると、連結ユニット14に代えて、図16および図17に示す連結ユニット65を備えている。また、第4実施形態のアーム装置は、連結ユニット16,18に代えて、連結ユニット65と同様の連結ユニット(図示省略)をそれぞれ備えている。
【0102】
(連結ユニット)連結ユニット65は、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット65は、基礎アーム13に対する中間アーム15の左方向の回動を許容すると共に、右方向の回動をロックして規制する。連結ユニット65は、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー(図示省略)を備えている。連結ユニット65は、ロック解除レバーが所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動を許容する。
【0103】
連結ユニット65は、基礎アーム13に固定される有底円筒66と、中間アーム15に固定される有底円筒(図示省略)と、この有底円筒に対して、有底円筒66を回動自在に取り付ける軸ボルト67と、中間アーム15に固定される有底円筒(図示省略)に固定される回動規制ローラ68と、を備えている。
【0104】
有底円筒66、および中間アーム15に固定される有底円筒は、連結ユニット65の筐体を構成する。有底円筒66には、軸ボルト67用の軸孔(図示省略)が形成されている。
【0105】
回動規制ローラ68は、円柱形状のローラ本体69と、有底円筒66の内周面に沿って配置されるボール70と、このボール70を有底円筒66の内周面に向けて付勢するコイルスプリング71と、このコイルスプリング71の基端に固定されたスプリング固定部72と、このスプリング固定部72を、上記のロック解除レバー(図示省略)に連動させる連動機構(図示省略)と、を備えている。
【0106】
ローラ本体69は、有底円筒66の内径と比較して一回り小さい外径を有している。ローラ本体69には、ボール70、コイルスプリング71、およびスプリング固定部72を収容する溝69aと、軸ボルト67用のボルト孔(符号省略)と、が形成されている。
【0107】
溝69aは、ローラ本体69の外周面から内側に向かって狭小となるように延び、さらに内側に向かって真っすぐに延びるY字形状を有する。この溝69aには、ローラ本体69の外周面から内側に向かって、ボール70、コイルスプリング71、スプリング固定部72がこの順に配置されている。
【0108】
溝69aを構成する側面の一方は、有底円筒66の内周面に略直交するように当たり、有底円筒66との間に、直角の空間を形成する。溝69aを構成する側面の他方は、有底円筒66の内周面に斜めに当たり、有底円筒66との間に、鋭角の空間を形成する。
【0109】
ボール70は、コイルスプリング71の先端に固定されている。このボール70は、コイルスプリング71によって、有底円筒66の内周面に向けて付勢される場合、有底円筒66の内周面に当接する。コイルスプリング71は、ボール70とスプリング固定部72とを連結する。スプリング固定部72は、溝69aの奥から離れた図16に示す位置を初期位置とする。初期位置において、コイルスプリング71は、ボール70を有底円筒66の内周面に向けて付勢する。スプリング固定部72は、上記のロック解除レバー(図示省略)に連動して溝69aの奥に当接する図17に示す位置に移動する。これにより、ボール70の有底円筒66の内周面への当接が解除される。
【0110】
以上の回動規制ローラ68は、ボール70が有底円筒66の内周面に当接している場合には、一方向の回動が許容されると共に、他方向の回動が規制される。その一方で、回動規制ローラ68は、ボール70の有底円筒66の内周面への当接が解除されている場合には、一方向の回動が許容されると共に、他方向の回動も許容される。
【0111】
軸ボルト67は、先端部分がねじ切られていると共に、基端部分がねじ切られていない中ボルトである。この軸ボルト67は、有底円筒66の軸孔(図示省略)に差し込まれてから、ローラ本体69のボルト孔(符号省略)にねじ込まれることで、有底円筒66をローラ本体69に回動自在に固定する。これにより、有底円筒66が、中間アーム15に固定される有底円筒(図示省略)に対して回動自在に固定される。
【0112】
以上の連結ユニット65は、有底円筒66、中間アーム15に固定される有底円筒(図示省略)、および軸ボルト67を主構成として、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する連結部として機能する。また、連結ユニット65は、ボール70、コイルスプリング71およびスプリング固定部72を主構成として、基礎アーム13に対する中間アーム15の一方向の回動を許容すると共に他方向の回動をロックして規制するロック部として機能する。さらに、連結ユニット65は、ボール70、コイルスプリング71、スプリング固定部72、連動機構(図示省略)およびロック解除レバー(図示省略)を主構成として、ロック部による規制を解除して、基礎アーム13に対する中間アーム15の他方向の回動を許容する解除部として機能する。なお、連結ユニット16,18に代わる連結ユニット(図示省略)の具体的な構成は、連結ユニット65と同様であり、その説明は省略する。
【0113】
次に、連結ユニット65の動作について、図16および図17に基づいて説明する。
【0114】
図16に示すように、ボール70は、コイルスプリング71によって有底円筒66の内周面に付勢されており、有底円筒66の内周面に当接している。これにより、回動規制ローラ68が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒(図示省略)は、基礎アーム13が固定されている有底円筒66に対し、左方向の回動が許容されると共に、右方向の回動がロックされ規制される。
【0115】
ボール70が有底円筒66の内周面に当接している図16に示す状態から、上記のロック解除レバー(図示省略)が操作されると、図17に示すように、ボール70がスプリング固定部72と一体となって溝69aの奥に移動し、ボール70の有底円筒66の内周面への当接が解除される。これにより、回動規制ローラ68が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒(図示省略)は、基礎アーム13が固定されている有底円筒66に対し、左方向の回動が許容されると共に、右方向の回動のロックが解除され、右方向の回動も許容される。
【0116】
なお、連結ユニット16,18に代わる連結ユニット(図示省略)の動作は、連結ユニット65の動作と同様であり、その説明は省略する。
【0117】
[第5実施形態]次に、図18〜図20を用いて、第5実施形態に係るアーム装置の構成について説明する。図18は、連結ユニット74の断面図であり、中間アーム15の回動を規制した状態を示す。図19は、連結ユニット74の断面図であり、中間アーム15の一方向の回動を許容した状態を示す。図20は、連結ユニット74の断面図であり、中間アーム15の他方向の回動を許容した状態を示す。
【0118】
第5実施形態のアーム装置(図示省略)は、第4実施形態のアーム装置(図示省略)と比較すると、連結ユニット65に代えて、図18〜図20に示す連結ユニット74を備えている。また、第5実施形態のアーム装置は、他の連結ユニットについても、連結ユニット74と同様の連結ユニット(図示省略)をそれぞれ備えている。
【0119】
(連結ユニット)連結ユニット74は、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット74は、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動をロックして規制すると共に、左方向の稼働をロックして規制する。連結ユニット74は、操作する方向に応じて、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動のロック、あるいは左方向の回動のロックを解除するロック解除レバー(図示省略)と、を備えている。連結ユニット74は、ロック解除レバーが所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動、あるいは左方向の回動を許容する。
【0120】
連結ユニット74は、第4実施形態の連結ユニット65と比較すると、回動規制ローラ68に代えて、回動規制ローラ75を備えている。
【0121】
回動規制ローラ75は、円柱形状のローラ本体76と、ボール70と、コイルスプリング71と、スプリング固定部72と、このスプリング固定部72を、上記のロック解除レバー(図示省略)に連動させる連動機構(図示省略)と、を備えている。
【0122】
ローラ本体76は、有底円筒66の内径と比較して一回り小さい外径を有している。ローラ本体76には、ボール70、コイルスプリング71、およびスプリング固定部72を収容する溝76aと、軸ボルト67用のボルト孔(符号省略)と、が形成されている。
【0123】
溝76aは、ローラ本体76の外周面から内側に向かって狭小となるように延び、そして内側に向かって真っすぐに延び、さらに外周面に向かって広大となるように延びる形状を有する。この溝76aには、ボール70、コイルスプリング71、スプリング固定部72、コイルスプリング71、ボール70がこの順に配置されている。
【0124】
溝76aを構成する側面の一方は、有底円筒66の内周面に略直交するように当たり、有底円筒66との間に、直角の空間を形成する。溝76aを構成する側面の他方は、有底円筒66の内周面に斜めに当たり、有底円筒66との間に、鋭角の空間を形成する。
【0125】
スプリング固定部72は、第4実施形態とは異なり、図18に示すように、溝76aの中央を初期位置とする。初期位置において、各コイルスプリング71は、ボール70を有底円筒66の内周面に向けて付勢する。スプリング固定部72は、上記のロック解除レバー(図示省略)に連動して、図19または図20に示す所定の方向に移動する。これにより、一方または他方のボール70の有底円筒66の内周面への当接が解除される。
【0126】
以上の回転規制ローラ75は、双方のボール70が有底円筒66の内周面に当接している場合には、双方向の回動が規制される。その一方で、回動規制ローラ75は、一方または他方のボール70の有底円筒66の内周面への当接が解除されている場合には、一方向または他方向の回動が規制されると共に、他方向または一方向の回動が許容される。
【0127】
軸ボルト67は、有底円筒66の軸孔(図示省略)に差し込まれてから、ローラ本体76のボルト孔(符号省略)にねじ込まれることで、有底円筒66をローラ本体76に回動自在に固定する。これにより、有底円筒66が、中間アーム15に固定される有底円筒(図示省略)に対して回動自在に固定される。
【0128】
以上の連結ユニット74は、第4実施形態の連結ユニット65を双方向の回動に対応させたものである。具体的に、連結ユニット74は、有底円筒66、中間アーム15が固定される有底円筒(図示省略)および軸ボルト67を主構成として、基礎アーム13に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する連結部として機能する。また、連結ユニット74は、ボール70、コイルスプリング71およびスプリング固定部72を主構成として、基礎アーム13に対する中間アーム15の双方向の回動を規制するロック部として機能する。さらに、連結ユニット74は、ボール70、コイルスプリング71、スプリング固定部72、連動機構(図示省略)およびロック解除レバー(図示省略)を主構成として、ロック部による規制を解除して、基礎アーム13に対する中間アーム15の一方向または他方向の回動を許容する解除部として機能する。なお、連結ユニット16,18に代わる連結ユニット(図示省略)の具体的な構成は、連結ユニット74と同様であり、その説明は省略する。
【0129】
次に、連結ユニット74の動作について、図18〜図20に基づいて説明する。
【0130】
図18に示すように、各ボール70は、コイルスプリング71によって有底円筒66の内周面に付勢されており、有底円筒66の内周面に当接している。これにより、回動規制ローラ75が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒(図示省略)は、基礎アーム13が固定されている有底円筒66に対し、双方向の回動がロックされ、規制される。
【0131】
各ボール70が有底円筒66の内周面に当接している図18に示す状態から、上記のロック解除レバー(図示省略)が操作されると、図19または図20に示すように、一方または他方のボール70がスプリング固定部72と一体となって溝76aの奥に移動し、ボール70の有底円筒66の内周面への当接が解除される。これにより、回動規制ローラ75が取り付けられ、かつ中間アーム15が固定されている有底円筒(図示省略)は、基礎アーム13が固定されている有底円筒66に対し、左方向または右方向の回動のロックが解除され、その方向の回動が許容される。
【0132】
[第6実施形態]次に、図21を用いて第6実施形態に係るアーム装置78の構成について説明する。図21は、アーム装置78の正面図である。
【0133】
図21に示すように、アーム装置78は、第1実施形態のアーム装置10と比較すると、回動台12、基礎アーム13および連結ユニット14に代えて、回動台79を備えている。
【0134】
回動台79は、回動台12と同様、鉛直軸を中心に回動自在に取り付けられている。この回動台79は、連結ユニット14と同様の連結ユニット80を備えている。連結ユニット80は、回動台79に対して中間アーム15を、水平方向の回動軸を中心に回動自在に連結する。この連結ユニット80は、回動台79に対する中間アーム15の左方向の回動を許容すると共に、右方向の回動をロックして規制する。連結ユニット80は、回動台79に対する中間アーム15の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー21を備えている。連結ユニット80は、ロック解除レバー21が所定の方向に操作されることで、回動台79に対する中間アーム15の右方向の回動を許容する。
【0135】
[第7実施形態]次に、図22を用いて第7実施形態に係るアーム装置82の構成について説明する。図22は、アーム装置82の正面図である。
【0136】
図22に示すように、アーム装置82は、第2実施形態のアーム装置42と比較すると、連結ユニット43〜45および連動部材46に代えて、連結ユニット83〜85および連動部材86を備えている。
【0137】
連結ユニット83は、第2実施形態の連結ユニット43と比較すると、ロック解除レバー21を備えていない。連結ユニット83は、連結ユニット85におけるロック解除レバー87(後述)が所定の方向に操作されることで、基礎アーム13に対する中間アーム15の右方向の回動を許容する。
【0138】
連結ユニット84は、連結ユニット85におけるロック解除レバー87(後述)が所定の方向に操作されることで、中間アーム15に対する中間アーム17の右方向の回動を許容する。
【0139】
連結ユニット85は、第2実施形態の連結ユニット45と比較すると、中間アーム17に対する先端アーム19の右方向の回動のロックを解除するロック解除レバー87を備えている。
【0140】
連動部材86は、第2実施形態の連動部材46と同様、中間アーム17,15に沿って配置される。具体的に、連動部材86は、連結ユニット85の内部から中間アーム17の内部を通って連結ユニット84の内部に繋がっていると共に、連結ユニット84の内部から中間アーム15の内部を通って連結ユニット83の内部に繋がっている。連動部材86は、ロック解除レバー87が所定の方向に操作されることで引っ張られ、連結ユニット84,83によるアームの回動の規制およびその解除を、連結ユニット85によるアームの回動の規制およびその解除に連動させる。
【0141】
このように、アーム装置82によれば、複数の連結ユニット83〜85のうち保持部20との距離が最も近い連結ユニット85に、ロック解除レバー87を備えたから、先端アーム19の先端に保持された医療装置(図示省略)を操作しながら、あるいは医療装置を操作するに先立ってロック解除レバー87を操作することができる。これにより、医療装置を操作しながら、あるいは医療装置を操作するに先立って医療装置を所望の位置に移動させられる。
【0142】
本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0143】
すなわち、上記各実施形態において、医療装置を着脱可能に保持する保持部20を備えずに、医療装置を着脱不能に保持する保持部を備えるようにしてもよい。また、保持部は、連結ユニットに設けられるようにしてもよい。
【0144】
あるいは、上記各実施形態において、各構成要素の数量は適宜変更できる。例えば、中間アーム、連結ユニットなどの数量が挙げられる。
【0145】
あるいは、上記第3〜第6実施形態において、第2実施形態のように連動部材を設け、各連結ユニットを連動させるようにしてもよい。
【0146】
あるいは、上記各実施形態の構成要素を、可能な範囲で他の実施形態に適用してもよい。
【符号の説明】
【0147】
10 アーム装置
11 台座
12 回動台
13 基礎アーム
13a ボルト孔
14 連結ユニット
15 中間アーム
15a ボルト孔
16 連結ユニット
17 中間アーム
18 連結ユニット
19 先端アーム
20 保持部
21 ロック解除レバー
21a ボルト孔
22 ロック解除レバー
23 ロック解除レバー
25 有底円筒
25a 軸孔
25b ボルト孔
25c ボルト孔
25d 固定穴
26 有底円筒
26a ボルト孔
26b ボルト孔
27 円筒
27a 切欠き
28 軸ボルト
29 ラチェット歯車
29a ボルト孔
29b ボルト孔
30 スペーサ
30a ボルト孔
30b ボルト孔
31 歯止め
31a 軸孔
31b ボルト穴
31c 固定穴
32 コイルスプリング
33 固定ボルト
34 固定ボルト
35 軸ボルト
36 固定ボルト
37 固定部材
37a ボルト孔
37b ボルト孔
38 固定ボルト
38a ボルト孔
38b ボルト孔
39 固定部材
39a ボルト孔
39b ボルト孔
40 固定ボルト
42 アーム装置
43〜45 連結ユニット
46 連動部材
47 円筒
47a 大径部
47b 小径部
47c 切欠き
48 ガイド部材
48a 突起
48b 溝
48c ボルト孔
49 ガイド部材
49a 突起
49b 溝
49c ボルト孔
51 アーム装置
52〜54 連結ユニット
55〜57 ロック解除レバー
58 円筒
58a 切欠き
59 ラチェット歯車
59a ボルト孔
60 歯止め
60a 軸孔
60b ボルト穴
60c 固定穴
61 コイルスプリング
62 軸ボルト
63 固定ボルト
65 連結ユニット
66 有底円筒
67 軸ボルト
68 回動規制ローラ
69 ローラ本体
69a 溝
70 ボール
71 コイルスプリング
72 スプリング固定部
74 連結ユニット
75 回転規制ローラ
76 ローラ本体
76a 溝
78 アーム装置
79 回動台
80 連結ユニット
82 アーム装置
83〜85 連結ユニット
86 連動部材
87 ロック解除レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームを回動自在に連結する連結部と、
前記アームの一方向の回動を許容すると共に他方向の回動を規制するロック部と、
前記ロック部による規制を解除して前記アームの他方向の回動を許容する解除部と、を備えることを特徴とする、
連結ユニット。
【請求項2】
前記ロック部として、前記アームの第一の方向の回動を許容すると共に前記第一の方向と反対の第二の方向の回動を規制する第一のロック部と、前記アームの前記第一の方向の回動を規制すると共に前記第二の方向の回動を許容する第二のロック部と、を備え、
前記解除部として、前記第一のロック部による規制を解除して前記アームの前記第二の方向の回動を許容する第一の解除部と、前記第二のロック部による規制を解除して前記アームの前記第一の方向の回動を許容する第二の解除部と、を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項3】
一列に連結される複数のアームと、
前記アームの基端部分にそれぞれ設けられる複数の請求項1または2に記載の連結ユニットと、
前記アームに沿って配置されて前記連結ユニット毎の前記解除部を繋ぎ、前記連結ユニット毎の前記解除部を相互に連動させる連動部材と、を備えることを特徴とする、
アーム装置。
【請求項4】
前記連結部の回動軸は、水平方向に配置されることを特徴とする、
請求項3に記載のアーム装置。
【請求項5】
前記アームまたは前記連結ユニットに設けられ、医療装置を保持する保持部を備えることを特徴とする、
請求項3または4に記載のアーム装置。
【請求項6】
複数の前記連結ユニットのうち前記保持部との距離が最も近い前記連結ユニットに設けられ、前記解除部を操作する操作部を備えることを特徴とする、
請求項5に記載のアーム装置。
【請求項7】
前記アームは、中空に形成され、
前記連動部材は、前記アームの内部を通る糸状部材であることを特徴とする、
請求項3〜6のいずれかに記載のアーム装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−120661(P2012−120661A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273177(P2010−273177)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000138060)株式会社メトラン (23)