説明

連結具

【課題】同一平面内で入口側と出口側との角度を任意に調整できるようにする。
【解決手段】メス型の連結体本体61内に開口部63があり、その一方が係止用凹部62、他方が開閉弁65を備えた空室61aである。開閉弁はバネ66で付勢される。バネには付着防止用のカバー体67がかけられる。係止用凹部に設けられた球体68はスライドリング69によってその動きが規制される。取り付け口64は、対となる連結体60Bの連結方向とは直交する面内に形成される。オス型の連結体60Bは、対となるように構成される。係止用凸部162を係止用凹部に嵌合させると、凸条部65a,165a同士が衝合して開口部が開く。係止溝部175に球体が嵌合して両者はロックされるが、その周方向への動きは規制されていないので、取り付け口64に対する取り付け口164の向きを自在に設定でき、配設の屈曲が90度であるときでも90度の方向転換が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は既設トイレ装置と簡易トイレ装置からなるトイレシステムなどに適用できる連結具に関する。詳しくは、対となる連結体同士を回動自在に連結すると共に、これら連結体の連結方向に対して直交する方向に取り付け口を設けることで、同一面内であれば、連結方向を自在に選定できるようにして、屈曲するような箇所であっても大曲がりすることなくコンパクトに設置できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
介護を必要とする老人や、身体が不自由で家屋内の既設トイレまで出向くことが困難な人のために、特許文献1に知られるような可搬型の簡易トイレ装置を、既設トイレ装置に連結して使用できるようにしたトイレシステムの開発が待たれる。
【0003】
可搬型の簡易トイレ装置は、居室内に設置できるように椅子型に構成され、この椅子に座って用を足すことができるようにしたもので、既設トイレ装置との間は、ビニルホースなどによって連結される。図17にこのトイレシステムの一例を示す。
【0004】
図17に示す例は、家屋1の廊下2に面して既設トイレ装置3が設置された例である。既設トイレ装置3内には便器(便器本体)4と注水タンク5が設置されている。廊下2に沿ってこの例では居室兼寝室としての部屋6が位置し、部屋6内には例えばベッド7が置かれている。
【0005】
部屋6内で使用できる簡易トイレ装置10として水洗式のトイレ装置を使用する場合には、この簡易トイレ装置10に給水手段と排出手段が設けられる。給水手段は給水ホース12を介して既設トイレ装置3内の給水手段例えば注水タンク5に連結される。排出手段は排出ホース14によって既設トイレ装置3の便器本体4と連結され、汚物などが直接この便器本体4内に排出される。
【0006】
このようなトイレシステムを構築する場合には、上述したように既設トイレ装置3と簡易トイレ装置10との間を給水ホース12や排出ホース14を使用して連結する必要がある。給水ホース12や排出ホース14は何れも軟質で、曲げやすいビニルホースなどが使用される。そして、廊下の床面に沿って配設する関係で、できるだけ歩行の邪魔にならないように配設する必要がある。しかし、廊下が90度に曲がっているようなところに沿わせて給水ホース12や排出ホース14を配設しなければならないような場合、廊下の屈曲部では、給水ホース12や排出ホース14を廊下の隅部に沿わせて配設することが困難で、どうしても大曲がりにならざるを得ない。無理にこの屈曲部の壁面に沿わせて配設しようとすると、屈曲部分で給水ホース12や排出ホース14が潰れてしまい、両ホース内の通水を妨げてしまう虞がある。
【0007】
また、簡易トイレ装置10から既設トイレ装置3までの距離が比較的長いような場合には、継ぎ足しなしの1本のビニルホースでトイレ装置3と10との間を連結することが困難になることが考えられる。そのような場合にはどうしても数本のビニルホースを連結して使用することになる。ビニルホースの連結具(ホース継ぎ手)としては特許文献2などが知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−308404号公報
【特許文献2】実開平6−14681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、給水ホース12や排出ホース14としてビニルホースを使用した場合には、上述したように壁などの屈曲部において管径の潰れが生じ易く、結果として通水を阻害する虞がある。特に排出ホース14の場合、その内部を汚水だけでなく、汚物などの流状物も流れるため、管径が潰れると、潰れたところで流状物が滞留し易くなり、詰まりの原因となることが考えられる。さらには、圧送手段を備えた簡易トイレ装置の場合には、管径が潰れると流状物を圧送するための圧送手段における圧送力も強くせざるを得なくなってしまう。ビニルホースに代えて硬質プラスチック製給排出管を使用する場合でも、鋭角に曲げて配設できないので、同様な問題を有する。
【0010】
そのため、連結具を備えた複数本のビニルホースを給水ホース12や排出ホース14として使用することが得策と言える。しかし、特許文献2に開示されているようなホース継ぎ手を連結具として使用して給水ホース12や排出ホース14を構成した場合でも、壁などの屈曲部でのビニルホースの潰れは依然として解消することができない。
【0011】
特に、特許文献2に開示されているような連結具の場合には、連結具自身の連結方向と、この連結具に連結されたホースの延長方向(導出方向)が同じであるため、直線的な連結とならざるを得ない。そのため、この連結具を使用する場合には、壁などの屈曲部や、その近傍を避けて配設しなければならず、却って配設設計の自由度を制限してしまう嫌いがある。このような観点から、屈曲部でも適用できるように、ホースの連結方向を自在に変えることのできる連結具の開発が望まれている。
【0012】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特に対をなす連結具同士を回動自在に連結できるようにすると共に、同一面内でホースの連結方向を自在に選択できるようにすることで、屈曲部などでも使用できるようにした連結具を提案するものである。このような連結具を給水ホースや排出ホースに適用することによって、給水ホースや排出ホースの配設経路の途中に屈曲部があってもホースの潰れを解消して、壁に沿った配設を可能にしたトイレシステムを構築できる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る連結具は、連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部を閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられ、対となる連結体を回動自在に係止する係止用凹部と、
上記係止用凹部の周上の一部に設けられた回動係止部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体本体に設けられた取り付け口とからなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載したこの発明に係わる連結具は、連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部と閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられた係止用凸部と、
上記係止用凸部の周上の一部に設けられて、対となる連結体に設けられた上記回動係止部が回動自在に係止する回動係止溝部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体に設けられた取り付け口と
からなることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載したこの発明に係る連結具は、対の連結体によって構成される連結具であって、
一方の連結体は、
連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部を閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられた係止用凹部と、
上記係止用凹部の周上の一部に設けられた回動係止部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体本体に設けられた取り付け口とからなり、
他方の連結体は、
連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部を閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられた係止用凸部と、
上記係止用凸部の周上の一部に設けられた回動係止溝部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体本体に設けられた取り付け口とからなり、
上記一方の連結体の係止用凹部に、上記他方の連結体に設けられた係止用凸部を嵌合させることで、上記開閉弁同士の相互作用によって上記開口部が開口されると共に、上記対の連結体同士が回動自在に連結されることを特徴とする。
【0016】
この発明では、対の連結体によって連結具が構成される。一方の連結体はメス型(ソケット)であり、他方の連結体はオス型(プラグ)である。メス型の連結体は円盤状をなす連結体本体(筐体としてのハウジング)であって、この連結体本体内部のほぼ中央部には比較的大きな開口面積を有するフランジ状の開口部が設けられており、この開口部に連なってその一端側が開放された係止用凹部となっている。開口面積を大きくすることで、流状物でも淀みなく通過できる。開口部の他端側は開閉弁を備えた空室(チャンバー)である。
【0017】
開口部は開閉弁の開閉動作によってその開口が開放および閉塞される。常時は開口部を閉塞するように開閉弁が付勢手段によって付勢されている。開放されるのは、対となるオス型の連結体が連結されたときである。
【0018】
付勢手段はバネが使用され、このバネを覆うようなカバー体が設けられる。カバー体はバネの伸縮に応じて伸縮できるように蛇腹状となっている。流状物がこのチャンバーを通過する際、流状物がバネに付着するのを防止するためにカバー体が設けられている。
【0019】
開閉弁の中央部には係止用凹部側に突出する凸条部が設けられている。凸条部は、対となる連結体に設けられた同じような凸条部と対峙し、両凸条部が当接(衝合)することによる相互への押圧力によって、開口部が強制開放される。
【0020】
係止用凹部の周上の一部には回動係止部が設けられる。回動係止部はその周上に点在する球体(ボールベアリング用鋼球など)によって構成され、球体の一部は係止用凹部の内面に突出するように進退自在に取り付けられる。球体は、係止用凹部の外周面に設けられたスライドリングによってその動き(係止用凹部内面側への進退)が規制される。スライドリングはバネによって球体を押圧する方向に付勢される。スライドリングを後退させることでこの付勢が解除される。
【0021】
チャンバーに連通して取り付け口が設けられる。この取り付け口は対となる連結体の連結方向とは直交する面内に形成される。取り付け口にはビニルホースなどの管体が連結されるので、市販されているビニルホースなどの管体の内径に合わせた外径となっている。
【0022】
オス型の連結体も同様に構成されている。ただし、対の構成であるので、係止用凹部に対応するのが係止用凸部であり、回動係止部に対応するのが係止溝部である。係止用凸部は係止用凹部に嵌合できるような外径と長さに選定されている。係止溝部は球体の円弧とほぼ同一円弧を持った環状溝部である。取り付け口は、メス型の連結体と同じく、連結体の連結方向(開口方向)と直交する面内に形成される。連結体の連結方向と直交する面内に取り付け口を形成することで、2つの連結体に形成された取り付け口同士は同一面内に形成されたこととなり、互いに並行するように設けられている。スライドリングはない。
【0023】
メス型の連結体にオス型の連結体を連結させるときは、スライドリングを後退させた状態で、係止用凸部を係止用凹部に嵌合させる。両者が完全に嵌合すると係止溝部に球体が嵌合した状態となる。この状態のとき、スライドリングから手を離すと、スライドリングは元の位置に戻る。この原位置への復帰によって球体はスライドリングの内周面(凸条内周面)によって押圧されるため、両者の連結状態がロックされる。
【0024】
オス型の連結体は球体によってその嵌合状態がロックされるので、係止用凸部を係止用凹部から脱着できないが、周方向への動きは規制されていない。その結果、一方の取り付け口に対する他方の取り付け口の向きを自在に設定できる。また、一方の取り付け口と他方の取り付け口とは同じ面内に存在することから、屈曲部が90度であるときは、90度の方向転換が可能になる。つまりホースの管径を潰さないで、この連結具を介してホースを90度屈曲させることができる。したがって屈曲部があるような場所にこの発明に係る連結具を使用する場合には、屈曲部の位置に連結具を配置するのが好ましい。そのため、連結具をトイレシステムに使用される給水ホースや排出ホースに取り付けたときには、室内の壁に沿って給水ホースや排出ホースを配設できる。
簡易トイレ装置は水洗式であれば、その他の構成には拘泥されない。例えば便器本体に汚物の粉砕手段や、粉砕した汚物を圧送するための圧送手段を設けたトイレ装置を使用することができる。
【0025】
また、トイレシステムにあっては、トイレ装置の使用状態を検知し、使用状態が検知されたときは、使用状態信号を例えば応答端末装置に送信できる機能が備えられていれば、非常に便利である。使用状態信号によって応答端末装置内の報知手段を作動させることで、応答端末装置を携帯している者(介護者や介助者など)に、簡易トイレ装置が使用されていることを報知できる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る連結具は、対をなす連結体同士を回動自在に連結できるようにすると共に、同一面内でホースの連結方向を自在に選択できるように構成したものである。
【0027】
こうすることで、屈曲部などでも使用できるようにした連結具を提供できる。このような連結具を給水ホースや排出ホースに適用することによって、給水ホースや排出ホースの配設経路の途中に屈曲部があってもホースの潰れを解消して、壁に沿った配設を可能にしたトイレシステムを構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
続いて、この発明に係る連結具をトイレシステムに適用した例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0029】
図1はこの発明の一例を示す要部の断面図である。この発明に係る連結具60はメス型の連結体(ソケット)60Aと、オス型の連結体(プラグ)60Bとで構成される。メス型の連結体60Aから説明する。
【0030】
メス型の連結体60Aは、円盤状をなす扁平な連結部本体(筐体)61を有し、連結部本体内部は、そのほぼ中央部には形成された開口部63によって前室と後室に分離され、前室は係止用凹部62として機能し、後室は空室(チャンバー)61aとして機能する。
【0031】
開口部63は、連結部本体内部に突出するように設けられた比較的大きな開口(円形状開口)を有するフランジである。開口面積を大きくすることで、流体、特に流状物であっても淀みなくこの開口部63を通過できる。
【0032】
開口部63によって仕切られた後室は、開閉弁65を備えた空室61aである。開閉弁65の開閉動作によって開口部63が開放されたり、閉塞される。常時は、この開口部63を閉塞するように開閉弁65が付勢手段66によって付勢されている。開口部63が開放されるのは、対となるオス型の連結体60Bが連結されたときである。
【0033】
付勢手段66としては、弦巻状のバネを使用することができる。そのため、空室61a内にはバネ66の一端を係止するための凹部61bが設けられ、この凹部61bと対峙する開閉弁65にもバネ66の他端を係止するための凹部65bが設けられ、これら凹部61b,65b間に差し亘るようにバネ66が装着される。
【0034】
バネ66の外周面はカバー体67によってカバーされ、バネ66が外部に露呈しないようになっている。カバー体67はバネ66の伸縮に応じて伸縮できるような蛇腹状に構成されている。カバー体67の内部にはバネ力の弱い弦巻バネ(図示はしない)が介挿され、カバー体67の両端部が凹部61b,65bから離れないようになされている。
【0035】
開閉弁65のうち前室側に位置する部分には、図示するような凸条部65aが設けられている。凸条部65aは開口部63から前室側に突出するように開閉弁65の中央部に設けられたものであって、開閉弁65の開閉子として機能する作動桿である。この凸条部65aは後述する係止用凸部165aによって開閉弁65を開放するような作用を受ける。
【0036】
開口部63に連なる前室側は、その一端が開放された係止用凹部62となされる。係止用凹部62は、後述する係止用凸部162を嵌合固定するための筒状部材であって、その周上の一部にはテーパー状をなす透孔62aが所定の間隔を保持して複数個穿設されている。これら複数の透孔62aが回動係止部68の一部として機能する。つまり、係止用凹部62と回動係止部68とによって玉軸受けが構成される。透孔62aの個数は、連結体の大きさによっても相違するが、4〜8個位が適当である。
【0037】
回動係止部68はその周上に点在する透孔62aに対応した球体によって構成される。球体68は透孔62aを通して係止用凹部62内に落下しないように、換言すれば係止用凹部62内に球体68の球面の一部のみが露出するように、テーパー状透孔となされると共に相互の内径が選定されているものとする。球体68は透孔62a内を自在に進退できる。球体68としては、玉軸受け(ボールベアリング)用の鋼球や、それに類したプラスチック球などを利用できる。
【0038】
球体68は係止用凹部62の外周面に設けられたスライドリング69によってその動き(係止用凹部62の内面側への進退動作)が規制される。スライドリング69は、その先端部の内面側に突出するように設けられた環状の突出部69aと、この環状突出部69aに連なるように設けられた環状をなす押圧解除用の凹部(押圧解除凹部)69bとさらに、この押圧解除凹部69bに連なって設けられた環状押圧部69cとで構成される。
【0039】
スライドリング69のスライド長は環状突出部69aと、係止用凹部62に形成されたストッパ用凹部62bとによって規制される。環状突出部69aはストッパ用凹部62b内を摺動するようになされているためである。
【0040】
環状凹部69bと環状押圧部69cとによって、球体68に対する進退動作の規制と解除が行われる。そのため、このスライドリング69は、連結体本体61の外周面に形成された環状凹部70とスライドリング69の環状押圧部69cとの間に介挿された押圧バネ(弦巻バネ)71によって矢印a方向へのスライド力が常時付与されている。
【0041】
スライドリング69が矢印a方向にスライドした状態のとき、環状押圧部69cによって球体68が押圧されて、球体68の進退動作が規制されるようになされている。したがって、スライドリング69を矢印b方向にスライドさせて、球体68が押圧解除凹部69b内に臨むようにすることで、球体68に対する押圧力が解除されて、球体68は自由に進退できるようになる。
【0042】
空室61aの外周面の一部、すなわち、オス型の連結体60Bとの連結方向と直交する方向であって、空室61aの外周面の一部には、この空室61aと連通する取り付け口64がこの空室61aを構成する連結体本体61と一体に形成される。取り付け口64にはホースなど管体の端部が装着固定される。そのため、この取り付け口64の外径は、ビニルホースなど既存の管体の管径に合った外径に選定されている。
【0043】
上述した開口部63と開閉弁65とが接触する面のそれぞれには、漏水防止用の環状パッキング材72がそれぞれ装着され、また開口部63の係止用凹部62に面する面にも漏水防止用の環状パッキング材73が装着されている。
【0044】
このように構成されたメス型の連結体60Aに対して、これに嵌合するオス型の連結体60Bは、対をなす構造となっている。そのため、オス型の連結体60Bは以下のような部材で構成される。
【0045】
(1)連結体本体161
メス型の連結体本体61に対応する筐体(ハウジング)である。連結体本体161の前室側が係止用凸部162であり、後室側が空室(チャンバー)161aである。
【0046】
(2)係止用凸部162
係止用凸部162はその内部が空孔となされた筒状体(環状筒体)であって、係止用凹部62の内周面に嵌合できるような外径となされている。その内径の大きさは特に規制されないが、その基部側に設けられた開口部163は、メス型の開口部63と同じ開口となるようにその大きさが選定されている。係止用凸部162の長さは、係止用凹部62の深さとほぼ同一である。係止用凸部162の先端部であって、係止用凹部62に設けられた環状パッキング材73と対向する位置には、同じくこの環状パッキング材73と対をなす環状パッキング材173が取着され、両者の衝合によって係止用凸部162からの漏水を防止している。
【0047】
(3)係止溝部175
係止用凸部162の外周面の一部であって、回動係止部として機能する球体68と対峙する位置には、球体68の周面の一部と係合する、所定の深さを有した環状の溝部175が形成される。球体68はその進退位置が規制されていても、球体68の半径方向は全く規制されていないので、係止溝部175を環状とすることによって、後述するように嵌合された係止用凸部162をその円周方向には自由に動き得る状態で係止用凹部62に嵌着できる。
【0048】
(4)空室161aと開閉弁165
連結体本体161の空室(チャンバー)161a内には、開口部163の開閉を司る開閉弁165が設けられている。開閉弁165も、断面凸条をなす弁体であって、その中央部から係止用凸部162内に向かって突出した凸条部165aは、メス型の連結体60Aに設けられた凸条部65aと対峙した位置にある。その長さも凸条部65aと同じ長さである。
【0049】
開閉弁165と空室161aの底部との間には、開閉弁165を付勢するための弦巻状をなすバネ(付勢手段)166が介在され、常時はこのバネ166の付勢力によって開口部163側に押しつけられているので、この開口部163が閉塞された状態となっている。バネ166の外周は伸縮自在な蛇腹状をなすカバー体167で覆われている。連結体60A,60Bを通過する流状物がバネ166に付着しないようにするためである。
【0050】
バネ166を係止し、固定するため、空室161aの底部には係止用の凹部161bが形成され、対する開閉弁165にも係止用の凹部165bが設けられている。
【0051】
上述した開口部163と開閉弁165とが接触する面のそれぞれには、漏水防止用の環状パッキング材172がそれぞれ装着されている。
【0052】
(5)取り付け口164
空室161aの外周面の一部、すなわち、メス型の連結体60Aとの連結方向(開口部163の開口方向)と直交する方向であって、空室161aの外周面の一部には、この空室161aと連通する取り付け口164がこの空室161aを構成する連結体本体161と一体に形成される。これによって、一対の取り付け口64,164の取り付け方向は互いに並行となる。取り付け口164にはホースなど管体の端部が装着固定されるため、その外径は、メス型のそれと同じく、ビニルホースなど既存の管体の管径に合った外径に選定されている。
【0053】
以上のように構成された対をなす連結体60A,60Bによって連結具60が構成される。図2は両者の連結状態を示す。メス型の連結体60Aにオス型の連結体60Bを連結するには、スライドリング69を図中矢印b方向へ戻して球体68をフリーにした状態で、係止用凸部162を係止用凹部62に差し込み、両者を嵌合させる。その状態でスライドリング69から手を離せば、スライドリング69が図中矢印a方向へ移動して元の位置に戻り、そのとき球体68が係止溝部175側に押圧されるので係止用凸部162が係止用凹部62にロックされる。
【0054】
このロック状態では、開閉弁65,165の凸条部65a,165a同士は互いに対峙した状態で、かつ互いにその先端部が衝合した状態となっているので、この衝合による互いの押圧力によって、開閉弁65は開口部63から離間し、同じく他方の開閉弁165も対応する開口部163から離間する。これによって、連結体60Aと60Bとは互いに連通するから、例えば取り付け口64,164同士を同じ側に位置させた状態で連結体60Aと60Bとを合体させると、矢印cあるいは矢印dのように流体を流通させることがきる。
【0055】
ここで、連結体60Aと60Bとはその連結方向に対してはロックされた状態となっているが、係止用凸部162の円周方向に対しては回転自在な状態となるから、取り付け口64と164との連結角度は自由に選ぶことができる。したがって、例えば図3のようにオス型の連結体60Bをメス型の連結体60Aに対して180度回転させれば、流体を紙面の下から上へ、あるいは上から下へと流すことができる。
【0056】
このようにこの発明に係る連結具60は、同一平面内であれば、入口に対する出口の方向を自在に調整できるから、流体の流れる方向を自在に選定できる。そのため、この連結具60は屈曲部の多い箇所に適用して好適である。その適用例を図4以下を参照して説明する。
【0057】
図4はトイレシステムの概念図である。このように既設トイレ装置3と簡易トイレ装置10とがほぼ同一平面内にありながら、これらを結ぶ給水ホース12や排出ホース14は、何度か屈曲させなければ、これらによって既設トイレ装置3と簡易トイレ装置10とを連結できない。図4の場合には少なくとも2箇所に屈曲部がある。1つ目は部屋6から廊下2に出るとき、廊下2に沿ってホースを配設しなければならないからである。2つ目としては、廊下2が90度曲がっているので、この屈曲部の前後をその壁に沿って配設しなければならないからである。
【0058】
今までの給水ホースや排出ホースを使用すると、これらの屈曲部のそれぞれでホースの潰れが発生してしまう。給水ホースや排出ホースを連結して使用する場合、従来の連結具ではホースとホースを直線的に連結するため、連結する場所での角度調整ができないし、ホースの潰れも解消しない。
【0059】
この発明に係る連結具を使用すると、同一平面内に屈曲部が何箇所あろうとも、その屈曲部に応じて連結具を用意すれば、屈曲部に沿った配設が可能になる。図4の例では、少なくとも3本のホースを連結することで2つの屈曲部に沿った配設を実現できる。つまり、第1〜第3の給水ホース12(12A〜12C)と、第1〜第3の排出ホース14(14A〜14C)を使用して、既設トイレ装置3と簡易トイレ装置10との間が連結される。これら給水ホース12および排出ホース14の一例を図5に示す。
【0060】
この発明に係る連結具をホースに連結するときは、ホースの用途に拘わらず何れにも適用できるので、便宜的に共用ホース300として以下説明する。
【0061】
この発明では、少なくとも2種類の共用ホース300が用意される。図5Aに示す共用ホース300Aは、ホース302の一端、例えば左端に周知の連結具(オス型又はメス型)304が連結され、右端にこの発明に係る連結具60のうち、メス型の連結体60A又はオス型の連結体60Bが連結される。図5Aでは、メス型の連結具304とメス型の連結体60Aが装着固定された場合を示す。
【0062】
また、図5Bに示す共用ホース300Bでは、両端ともこの発明に係る連結具60が連結される。この例では、ホース306の両端にオス型の連結体60Bが装着固定される。
【0063】
図4に示すように、簡易トイレ装置10と連結される給水ホース12A、排出ホース14Aおよび既設トイレ装置3と連結される給水ホース12C、排出ホース14Cは、何れも図5Aに示した共用ホース300Aが使用される。簡易トイレ装置10との間の連結は周知の連結具304が使用されるためである。同じく既設トイレ装置3との間の連結も周知の連結具304が使用されるためである。
【0064】
これに対し、中間に位置する給水ホース12Bおよび排出ホース14Bは、共に図5Bに示す共用ホース300Bが使用される。何れもこの発明に係る連結具60を使用するからである。
【0065】
図6は廊下2が90度曲がっている箇所に適用した場合の拡大図であって、矢印p方向から見た図7にも示すように、一方の共用ホース300Aに設けられたメス型の連結体60Aと、他方の共用ホース300Bに設けられたオス型の連結体60Bとが床面330に対して垂直方向に連結される。何れの取り付け口64も164もその連結方向に対して直交する方向に伸びているので、ホース302もホース306も共に床面330に対して並行な方向に導出することができる。図6のように、取り付け口64,164同士は90度の連結角度となる。
【0066】
このように90度の連結角度となるように調整することで、廊下2の壁312に沿ってホースを潰すことなく共用ホース300A,300Bを配設できる。上述した適用例はあくまで一例である。
【0067】
図5に示す共用ホース300Aと300Bは、同一管径のホース302,306を使用しているが、用途に応じた管径のホースを使用することもできる。上述したように排出ホース14は汚物などの流状物が流れるものであるから、給水ホース12よりも排出ホース14の方が太い管径のホースを使用した方が好ましいからである。その場合には、これら管径に合ったサイズの異なる2種類の連結具60が使用される。
【0068】
続いて、上述したトイレシステムに適用できる簡易トイレ装置10と既設トイレ装置3について、図8以下を参照して説明する。簡易トイレ装置としては、居室内で使用できるように工夫された可搬型装置を例示するが、お尻洗浄機能の付いたいわゆる温水洗浄便座の設備が付いた簡易トイレ装置が好適である。以下の説明はこの温水洗浄便座の設備についての説明は省いてある。可搬型簡易トイレ装置は洋式トイレタイプのものに適用した場合である。
【0069】
図8は簡易トイレ装置10の一例を示す要部断面図である。簡易トイレ装置10を構成する便器本体20は通常の水洗式トイレ(洋式トイレ)とほぼ同じ漏斗状の断面形状をなすが、その全体形状は箱型として構成される。箱形だけではなく、肘掛けのある椅子型のような構成でもよい。便器本体20を軽量化するため、この例では便器本体20はプラスチックによる成型品である。陶器等の他の素材を使用して成形してもよい。便器本体20の上部開口部側には便座21が位置すると共に、この便座21および上部開口部を閉塞するような便蓋23が設けられている。
【0070】
便器本体20の底部がトラップ水(溜まり水)や汚物の溜まり部18となる。
溜まり部18に連通して断面がほぼ「へ」の字状をなす排出部22が設けられ、排出口27に排出ホース14が連結される。そのため、この例では便器本体20の背面部20bに連結体26が設けられると共に、便器本体20の内部であって、開閉弁として機能する電磁弁24が連結体26に近接して設けられている。溜まり部18に連通する排出部22の形状は、図示の形状の他にP型、U型、椀型などが考えられる。断面がほぼ「へ」の字状をなす排出部22は、一般にS字トラップと呼称される。
【0071】
電磁弁24は、溜まり部18内のトラップ水(汚物を含んだ水)を便器外に排出するときだけ開くように制御され、トイレを使用していないときは閉じられている。漏水を防止するためである。また、同時にエアコンプレッサの圧力により効果的に汚物を排出するためである。
【0072】
便器本体20の上部近辺で、排出部側の壁面18aには洗浄水の給水口28が設けられている。本体背面部20bに設けられた連結体34とこの給水口28との間には連結管30が配されると共に、連結体34の近傍には電磁弁32が取り付けられている。連結体34に連結される給水ホース12からの給水をこの電磁弁32によって制御できるようにするためである。
【0073】
なお、給水口28と壁面18aとの間にはゴム状の漏水防止管29が介挿され、便器本体20の背面空間部20a側に漏水しないようにしている。
【0074】
溜まり部18の底部には粉砕手段40が設けられる。粉砕手段40は溜まり部18内に溜まった汚物やトイレットペーパー(以下汚物と総称する)を砕くためのもので、粉砕した流状物をトラップ水と混合して排出するようにしている。
【0075】
粉砕手段40はモータ42と粉砕羽根44とで構成することができ、図8ではそのうち粉砕羽根44のみ溜まり部18内に臨むように取り付けられる。そのため、モータ42は溜まり部18の底部外壁19側に配置され、ボルトやナットによる支持具46によって便器本体20に取り付け固定される。モータ42の回転軸は溜まり部18の底部と水密的に結合されている。モータ42は溜まり部18の底部外壁側ではなく、便器本体20の底面板20cに固定するようにしてもよい。
【0076】
この底面板20cにはCPUなどで構成された制御部50が配される。上述した排出用電磁弁24、給水用電磁弁32、モータ42などの各駆動が、制御部50によって所定のタイミングで所定の時間だけ制御される。さらに、後述するようにこの制御部50では簡易トイレ装置10の使用状態を検知したときには、使用状態を示す信号を送信したり、応答端末装置(後述する)からの応答信号を受信したときは対応する処理を行うような機能が付加されている。
【0077】
制御部50用の電源スイッチ52は本体背面部20bに設けられ、本体上面部であって、便蓋23の下面には便蓋23の開閉を検知する開閉検知スイッチ55が設けられている。
【0078】
便器本体20の上面であって、この例では便蓋23の後面側には制御部50によって制御される報知手段250が設置されている。この例では、ブザー252と報知用の表示灯254とで報知手段250が構成されている(図11参照)。
【0079】
簡易トイレ装置10はさらに以下の構造を有する。図8に示すように、便器本体20における溜まり部18の背面上部であって、給水口28よりも下側の所定位置には、溜まり部18に所定の圧縮空気を送給するための粉砕物圧送手段200と、溜まり部18を密閉する開閉蓋機構245が設けられる。
【0080】
圧送手段200はエアコンプレッサで構成することができ、このエアコンプレッサ200の送給管204が取り付け手段206を介して壁面18aより溜まり部18側に導出される。取り付け手段206は溜まり部18のトラップ水の水面より上部に設けられる。エアコンプレッサ200は便器本体20の背面空間部20a内に設けられた取り付け板202に固定される。圧送手段200の代わりに簡易トイレ装置本体の外部より圧縮空気を取り入れることもできる。
【0081】
溜まり部18の上部であって、圧送手段200の取り付け位置よりも若干上部内周壁に縮径部240が設けられる。そしてこの縮径部240を閉塞し、溜まり部18を密閉できるように、縮径部240の下面には開閉蓋機構245が設けられる。
【0082】
縮径部240は環状フランジ部として構成され、その全体は多少排出部22側に傾斜するように設けられている。縮径部240の下面側には、この縮径部240を閉塞できるような回動式の開閉蓋機構245が設けられる。
【0083】
この例では、開閉蓋機構245を構成する蓋本体246を有し、この蓋本体246の一端、図の例では右端部が回動軸部247となされ、この回動軸部247が縮径部240の下面部241に位置するように、便器本体20に対して回動自在に軸支される。この軸支部は便器本体20に対して水密的に軸支されている。
【0084】
蓋本体246は、その周面が縮径部240の下面縁部242と当接する方向に付勢される。つまり蓋本体246は下面縁部242に沿った形状をなすと共に、通常はこの下面縁部242に接触して溜まり部18内を密閉できるように、回動軸部247と下面部241の壁面との間には付勢用のバネ248が巻き付けられている。
【0085】
簡易型トイレ装置10をこのように構成した場合、排泄物が蓋本体246に落下すると、その自重によって蓋本体246の先端部側が開くので(図9参照)、排泄物は溜まり部18内に落下する。また、排泄物が落下すると蓋本体246はバネ248の作用で原位置(図8参照)に自動復帰して溜まり部18の上部が閉塞される。
【0086】
縮径部240は排出部22側に多少傾斜するように設けられているので、開閉蓋機構245を構成する蓋本体246自体も、排出部22側に傾いて取り付けられる。このように蓋本体246を傾けて取り付けるようにすれば、蓋本体246の上面に落下した排泄物を残らず、溜まり部18内に落とし込むことができる。
【0087】
このように溜まり部18は蓋本体212によって密閉されているので、圧縮空気は溜まり部18側に効果的に作用する。粉砕された汚物は流状物となっているため、圧縮空気を溜まり部18に作用させれば、流状物を容易に洗浄水と共に排出ホース14を通して排出できる。
【0088】
したがって排出ホース14(共用ホース300A,300B)内に流状物が滞留することはない。共用ホース300A,300Bに設けられた連結具60を構成する対の連結体60A,60B内のバネ66,166は何れもカバー体67,167によってカバーされているので、流状物が通過する際、流状物がバネ66,166などに付着して、滞留や詰まりの原因となることはない。
【0089】
溜まり部18内を密閉した状態で流状物を圧送するものであるから、圧送手段200として使用されるエアコンプレッサとしては比較的小型のコンプレッサを使用できる。開閉蓋機構245を用いているため、汚物の粉砕時、汚物が便器本体20内に飛散するのを防止できるから、便器本体20が不衛生状態となることはない。
【0090】
図10は既設のトイレ装置3の説明である。簡易トイレ装置10への洗浄水の供給は便器本体108(4)に供給する洗浄水を分流させて使用する。簡易トイレ装置10からの汚物(屎尿等)は便器本体108内に直接排出できるように便器本体108を改良する。
【0091】
便器本体108には排出管110が連結され、その溜まり部109よりも上部側に排出導出口112が設けられる。排出導出口112には排出管113が連結され、排出管113は便器本体108の背面側に設けられた連結体114に連結される。この連結体114に上述した排出ホース14(実際は共用ホース300A)の連結体304が連結される。排出導出口112を設けるのではなく、排出部110側に直接排出管113を連結するようにしてもよい。
【0092】
なお、このように既設の便器本体108を改良する場合には、簡易トイレ装置10とこの便器本体108には高低差が生ずる。連結体114が簡易トイレ装置10の便器本体20よりも高い場所に位置するときには、排出ホース14内に汚物の流状物が滞留するおそれがある。しかし、このように高低差がある場合でも、上述したエアコンプレッサ200からの圧縮空気によって流状物を圧送すれば、流状物が排出ホース14内に残留することなく、確実に便器本体108側に排出できる。
【0093】
既設のトイレ装置3の壁260には温水洗浄のための操作部270が設けられている。この例では、この操作部270の近くにフック280が設けられており、ここに応答端末装置290が装着できるようになされている。
【0094】
応答端末装置290は携帯できるような大きさであって、その操作パネル側には電源スイッチ292、報知手段310としてのブザー293の他に、この例では使用状態信号を受信したメッセージを表示するための報知灯としての表示部294および応答用の操作部(操作スイッチ)296が設けられている。詳細は後述する。
【0095】
図11は簡易トイレ装置10の制御系の一例を示す。この制御部50は簡易トイレ装置10自体の制御と、簡易トイレ装置10の使用状態に関連した制御を行う。したがって、上述した電源スイッチ52および開閉検知スイッチ55のオンオフ信号が制御部50に供給される。電源スイッチ52は簡易トイレ装置10を使用するときの電源スイッチである。
【0096】
便器本体20に関連してトイレ装置の使用状態を検知する検知手段が設けられる。使用状態の検知は、トイレ使用前(トイレ使用のために接近)、使用中、使用後の何れのタイミングであってもよい。トイレ使用前を検知するには、トイレに接近している時間が計測される。単なる通過を排除するためである。
【0097】
以下の例は、トイレ使用中を検知する例であって、検知手段としては便蓋23に対する開閉検知スイッチ55が兼用される。開閉検知スイッチ55は便座21の上部を閉蓋するための便蓋23の開閉に関連してオンオフするスイッチであり、図8に示すように便蓋23と対向するように便蓋23の下面に開閉検知スイッチ55が取り付けられる。なお、便蓋23はトイレが使用されていないときは閉蓋されているものとする。
【0098】
CPUで構成されたこの制御部50からの制御信号によって上述した排出用電磁弁24、給水用電磁弁32粉砕用モータ42およびエアコンプレッサ200の各駆動状態が制御される。
【0099】
図12はその制御タイミング例を示す。
簡易トイレ装置10は便蓋23を開けて使用する。便蓋23の開操作は開閉検知スイッチ55(開閉検知センサスイッチなど)によって検出される(図12A,B)。便蓋23が開状態のとき排便・排尿が行われる。再び便蓋23が閉じられたあとで、粉砕スイッチ56(図8参照)を操作することで、給水用の電磁弁32が所定時間Tdだけ駆動されて洗浄水が供給される(図12C,E)。この洗浄は、蓋本体246の表面側に付着した汚物を洗浄するためのものであって、汚物を溜まり部18から流下することを意図したものではなく、供給した洗浄水が溜まり部18から溢れ出すことのない比較的少量の洗浄水によって行われる。
【0100】
次いで、モータ42が駆動されて汚物などの粉砕処理が所定時間Taだけ行われる(図12D)。粉砕処理時間Taは、汚物やトイレットペーパーを充分粉砕できる時間に選定される。その時間としては例えば、20秒以下に選定される。
【0101】
所定時間Taだけ粉砕処理が行われると、次にはエアコンプレッサ200が通電されて圧縮空気が溜まり部18内に送給され、この圧縮空気による内圧がある程度の値まで昇圧した段階(エアコンプレッサ200の通電よりΔTbだけ遅れたタイミング)で、排出用の電磁弁24が駆動される(図12F,G)。
【0102】
こうすることで、溜まり部18内の圧力がある程度の値まで昇圧した段階で流状物の排出路が形成されるため、溜まり部18内の流状物が排出ホース14内へ圧送される。これによって流状物は排出ホース14内に滞留することなくその全てが排出ホース14を通って便器本体108内へ排出される。
【0103】
流状物の圧送時間(排出処理時間)Tbとしては、排出ホース14の設置長によっても相違するが、排出ホース14内に流状物が残留しないようにするため、通常の場合には比較的長めの時間、例えば10〜30秒程度に設定することができる。
【0104】
圧送時間Tbが経過すると排出用の電磁弁24が閉じる。それとほぼ同時に給水用の電磁弁32が所定時間Tcだけ駆動されて洗浄水が再び供給される(図12E,F)。これにより、溜まり部18内に洗浄水がトラップされて、初期状態に戻る。
【0105】
なお、簡易トイレ装置10を持ち運ぶときなどのために、図示はしないが排出スイッチを設け、これを手動操作することで電磁弁24を開けてトラップ水を排出することができる。上述した電磁弁などの開閉タイミングなどはあくまでも一例である。適宜変更することができる。
【0106】
上述した電磁弁などの開閉タイミングなどはあくまでも一例である。適宜変更することができる。
【0107】
再び図11の構成を説明する。この制御部50は上述した簡易トイレ装置10自体の制御の他に、トイレ使用状態を検知したことに係わる制御が行われる。そのため、制御部50には送受信部264が設けられると共に、この送受信部264にはアンテナ266が接続される。送受信部264は送信手段および応答受信手段として機能する。また、応答信号を受信したときには制御部50からの制御信号によって報知手段250が作動する。報知手段250としてこの例では、ブザー252と報知用の報知灯としての表示灯254が設けられている。また、表示灯254はランプ(LED等)自体が点灯する構成でもよいが、文字や図形等を表示することによって報知するようにしてもよい。
【0108】
図13はトイレシステムを構築する他方の装置、つまり応答端末装置290の概略の系統図を示す。応答端末装置290は状態信号の受信部を有する。この例では、送信機能も備えた送受信部320が使用され、アンテナ298で使用状態信号が受信されると、報知手段310が駆動される。この例では、ブザー293とLCDなどで構成された報知灯としての表示部294とで報知手段310を構成した場合を示す。使用状態信号が受信されると、ブザー293が駆動されて介護者などに簡易トイレ装置10が使用状態にあることが聴覚的に報知される。これと同時にこの例では、表示部294に受信メッセージが表示され、視覚的にも簡易トイレ装置が使用状態にあることが報知される。受信メッセージはこの表示部294に記憶された固定メッセージであって、例えば「トイレ使用中」などのメッセージが表示される。なお、表示部294に代えて、ランプが点灯する構成としてもよい。これらに加えて振動子などを追加して振動によって報知するようにしても差し支えない。
【0109】
図13に示す応答端末装置290は、これらの報知機能の他にさらに簡易トイレ装置10に対して応答信号を返信できる機能が備えられている。そのため、送受信部320に関連して応答操作信号を出力できる機能を備えた操作部(応答ボタン)296が設けられて、アンテナ298によって通信できるように構成されている。
【0110】
簡易トイレ装置側から送信された使用状態信号を応答端末装置290によって受信したときは、介護者などはこの操作部296を操作することで、簡易トイレ装置10側に対して使用状態信号に対する応答信号を返信できる。簡易トイレ装置10側では上述したように応答信号の受信に併せて、備え付けのブザー252が駆動されると共に、表示灯254が点滅又は点灯表示される。この報知手段250の作動によって、簡易トイレ装置10の使用者(被介護者など)は、自分がトイレ使用中であることを介護者などに確実に伝達できたことを認識できる。
【0111】
この簡易トイレ装置10と応答端末装置290との通信処理を図12を参照して説明する。簡易トイレ装置10の使用状態が使用状態検知手段によって自動的に検知されると、送受信部264から使用状態信号が送信される(図12H)。使用状態検知手段として開閉検知スイッチ55を使用した場合には、便蓋23が開けられることで、トイレ使用と判断されるから、この開閉タイミングに併せて使用状態信号が送信される。
【0112】
この使用状態信号を応答端末装置290が受信すると、ブザー293が駆動されるから(図12I,J)、介護者はトイレ使用中であることを遠隔から認識できる。報知音を鳴らすことで、介護者が用事中であってもトイレ使用中であることを確実に認識できるから、介護者などは使用状態信号を受信してから適当な時間を置いて被介護者の部屋に出向けばよい。ブザーと同時に表示部294によってもそのことを確認できる。
【0113】
応答用の操作部296を操作することで、応答用のブザー252などが駆動されるため、被介護者は、介護者に自分のメッセージが伝わったことを認知できるので、安心して用を足すことができる。
【0114】
一方、応答端末装置290を携帯して既設のトイレ装置3を使用することで、既設のトイレ装置3を使用しているとき、あるいはトイレ装置3を使用しようとしているときに、使用状態信号を受信した場合には、トイレ装置3の使用を一時中断するか、トイレ使用をそのまま続行しても、特に違和感は生じない。簡易トイレ装置10から汚物の排出があることを予想できるからである。
【0115】
応答端末装置290は複数台用意すると便利である。そのうち、1台は既設のトイレ装置3に備え付けて置く。こうすると、既設のトイレ装置3を使用するとき、応答端末装置290を携行しなければならない煩わしさを解消できるからである。
【0116】
上述では、トイレの使用状態検知手段として開閉検知スイッチ55を例示した。この使用状態検知手段としてはこの他に様々なスイッチを利用できる。例えば、開閉検知スイッチ55とは別に重量センサを便器本体20の開口上面部であって、便座21の下面側に取り付けることで、使用者の重量を検知できる。
【0117】
被介護者が便座21に座ることでその重量を、便座21を介して重量センサで検知する。数10kg以上の重量であるとき重量センサがオンするようにその検知閾値を設定しておけば、被介護者の座位を確実に誤動作なく検知できる。そしてこの重量センサがオンしたときの信号を制御部50に導くことで、トイレの使用状態を検知できる。
【0118】
トイレの使用状態検知手段としては、この他に様々な検知センサやそれに類似した手段を利用できる。その代表例を以下に示す。
【0119】
(1)臭気センサ
臭気センサを便器本体2に取り付ける。取り付け場所は任意であるが、できるだけ臭気を感知し易い便器本体20の開口端部、例えば重量センサと同じ場所に取り付ける。こうすることで、汚物の臭気を感知できるから、これによってトイレの使用状態を検知できる。
【0120】
(2)洗浄操作スイッチ
お尻を洗浄するために使用される洗浄操作スイッチ(図示はしないが、温水洗浄操作部に設けられている)を検知センサとして利用する。洗浄操作スイッチが操作されるとトイレ使用状態信号が送信される。なお、洗浄処理が終了した段階で、実際の粉砕および排出処理が行われる。
【0121】
(3)人感センサ
人感センサを便器本体20に取り付けることで、簡易トイレ装置10の使用状態を検知する。簡易トイレ装置10付近を通過する場合には人感センサが人の接近を感知しないように工夫されている。
【実施例2】
【0122】
図14は簡易トイレ装置の他の例を示す。図14の例は開閉蓋機構がスライド式に構成されている。図8と同様な構成部分についてはその説明を割愛する。
【0123】
図14に示す開閉蓋機構210は、圧送手段200と少許の間隔を隔ててこの圧送手段200の上部に配置される。開閉蓋機構210は溜まり部18を密閉する蓋本体212と、この蓋本体212を進退させるなどして溜まり部18を開閉する開閉駆動部213とで構成される。
【0124】
開閉駆動部213としては電磁ソレノイド218を使用することができる。電磁ソレノイド218内を進退するピストン216の先端部が、蓋本体212の一部に設けられた連結体214に取り付けられる。
【0125】
蓋本体212は図15にその一例を示すように、溜まり部18の内周形状に沿った平板状の形体であって、この例ではほぼ茄子状若しくは苺状のような形体となっている。この例では、抗菌剤がコーティングされたプラスチック成型品が使用されている。
【0126】
蓋本体212の一部が連結体214となるように、この例では両者が一体成形されている。連結体214は矩形状をなす。この連結体214の反対側には上述したピストン216の先端部が圧入などによって嵌合固定される。ピストン216は電磁ソレノイド218に通電することによって電磁ソレノイド218内を進退する柱状をなす作動桿である。この他に、エアシリンダやギアの組み合わせ等々により同様な開閉進退動作をさせることができる。
【0127】
図14は開閉蓋としての蓋本体212を閉じた状態を示し、この蓋本体212によって溜まり部18の内部が密閉される。これに対して図16は蓋本体212を退かせて溜まり部18を開放した状態を示す。
【0128】
このような蓋本体212に対する進退動作は電磁ソレノイド218への通電およびその解除によって行い、そのストロークは電磁ソレノイド218の蓋本体212側に設けられた第1のスイッチ222と、便器本体20の壁面18a側に設けられた第2のスイッチ224によって検出される。第1および第2のスイッチ222,224への連結体214の当接によって、蓋本体212のストローク終了が検出される。
【0129】
蓋本体212の溜まり部18上面への摺接によって、溜まり部18内が密閉状態となる。完全な密閉は必要ではない。この閉蓋状態でエアコンプレッサ200を作動させるとその圧縮空気が溜まり部18内に送給され、トラップ水に対して押圧力が作用する。この状態で電磁弁24を開くことにより、溜まり部18内の粉砕物が排出ホース14側に圧送されるので、上述したと同様な排出が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
この発明は、介護施設や在宅介護などの介護補助装置として機能するトイレシステムなどに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】この発明に係る連結具の一例を示す断面図である。
【図2】連結状態を示す断面図である(その1)。
【図3】連結状態を示す断面図である(その2)。
【図4】この発明を適用できるトイレシステムの概念図である。
【図5】このトイレシステムに使用できるホースと連結具との関係を示す図である。
【図6】この発明に係る連結具の使用状態を示す要部の平面図である。
【図7】その側面図である。
【図8】この発明に係るトイレ装置を簡易トイレ装置に適用した場合の一例を示す要部の断面図である(その1)。
【図9】この発明に係るトイレ装置を簡易トイレ装置に適用した場合の一例を示す要部の断面図である(その2)。
【図10】この発明に係るトイレシステムを使用するときの既設のトイレ装置の構成例を示す要部の断面図である。
【図11】簡易トイレ装置に装備された制御部の一例を示す要部の系統図である。
【図12】その制御例を示すタイミングチャートである。
【図13】応答端末装置の一例を示す系統図である。
【図14】簡易トイレ装置の他の例を示す断面図である。
【図15】開閉蓋を構成する蓋本体の一例を示す平面図である。
【図16】蓋本体が開いた状態を示す断面図である。
【図17】簡易トイレ装置と既設のトイレ装置を使用したトイレシステムの一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0132】
10・・・簡易トイレ装置
12・・・給水ホース
14・・・排出ホース
18・・・溜まり部
20・・・便器本体
40・・・粉砕手段
42・・・モータ
60・・・連結具
60A,60B・・・連結体
62・・・係止用凹部
162・・・係止用凸部
63,163・・・開口部
65,165・・・開閉弁
66,166・・・バネ
67,167・・・カバー体
68・・・回動係止部(球体))
175・・・係止溝部
69・・・スライドリング
64,164・・・取り付け口
210、245・・・開閉蓋機構
250,310・・・報知手段
290・・・応答端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部を閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられ、対となる連結体を回動自在に係止する係止用凹部と、
上記係止用凹部の周上の一部に設けられた回動係止部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体本体に設けられた取り付け口と
からなることを特徴とする連結具。
【請求項2】
連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部と閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられた係止用凸部と、
上記係止用凸部の周上の一部に設けられて、対となる連結体に設けられた上記回動係止部が回動自在に係止する回動係止溝部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体に設けられた取り付け口と
からなることを特徴とする連結具。
【請求項3】
上記開閉弁には、対となる開閉弁の凸条部によって押圧される凸条部が設けられ、
上記連結体同士を連結することによって上記開口部が開口される
ことを特徴とする請求項1、2記載の連結具。
【請求項4】
上記回動係止部は、周上に点在すると共に、その一部が上記係止用凹部の内面側に突出するように取り付けられた回動自在な球体で構成された、
ことを特徴とする請求項1記載の連結具。
【請求項5】
上記開閉弁には、これを付勢する付勢手段を覆う伸縮自在なカバー体が設けられた
ことを特徴とする請求項1、2記載の連結具。
【請求項6】
上記開口部は、円形状の開口となされた
ことを特徴とする請求項1、2記載の連結具。
【請求項7】
対の連結体によって構成される連結具であって、
一方の連結体は、
連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部を閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられた係止用凹部と、
上記係止用凹部の周上の一部に設けられた回動係止部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体本体に設けられた取り付け口とからなり、
他方の連結体は、
連結体本体に設けられた開口部と、
常時は上記開口部を閉塞するように付勢された開閉弁と、
上記連結体本体に設けられた係止用凸部と、
上記係止用凸部の周上の一部に設けられた回動係止溝部と、
上記開口部の開口方向と直交する方向に面した上記連結体本体に設けられた取り付け口とからなり、
上記一方の連結体の係止用凹部に、上記他方の連結体に設けられた係止用凸部を嵌合させることで、上記開閉弁同士の相互作用によって上記開口部が開口されると共に、上記対の連結体同士が回動自在に連結される
ことを特徴とする連結具。
【請求項8】
上記対の連結体に設けられた開閉弁には、それぞれ互いに対峙する位置に凸条部が設けられた
ことを特徴とする請求項7記載の連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−16871(P2007−16871A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198099(P2005−198099)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】