連結構造
【課題】燃料電池全体の外形寸法を過度に増大させない連結構造を提供する。
【解決手段】燃料電池スタック100のエンドプレート120に設けられた配管口124と、配管220とを連結する連結構造であって、前記エンドプレート120の配管口124の周囲と前記配管220の端部とにそれぞれ設けられたシール面122、222であって、前記燃料電池スタック100の積層方向に対して斜めに傾いたシール面122、222と、前記配管の端部を前記積層方向とは垂直な方向に貫通する固定部材224であって、前記配管220の端部を前記エンドプレート120に固定して前記シール面同士に押圧を加える固定部材224とを備える。
【解決手段】燃料電池スタック100のエンドプレート120に設けられた配管口124と、配管220とを連結する連結構造であって、前記エンドプレート120の配管口124の周囲と前記配管220の端部とにそれぞれ設けられたシール面122、222であって、前記燃料電池スタック100の積層方向に対して斜めに傾いたシール面122、222と、前記配管の端部を前記積層方向とは垂直な方向に貫通する固定部材224であって、前記配管220の端部を前記エンドプレート120に固定して前記シール面同士に押圧を加える固定部材224とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池における燃料電池と配管との連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池と、反応ガス等を供給・排出するための配管とを連結する構造については、従来から種々の構造が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−343410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構造では、連結に用いるフランジ等によって燃料電池全体の外形寸法が増大することについて、十分に考慮されていなかった。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、燃料電池全体の外形寸法を過度に増大させない連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の態様をとる。
【0007】
本発明の第1の態様は、燃料電池スタックのエンドプレートに設けられた配管口と、配管とを連結する連結構造であって、前記エンドプレートの配管口の周囲と前記配管の端部とにそれぞれ設けられたシール面であって、前記燃料電池スタックの積層方向に対して斜めに傾いたシール面と、前記配管の端部を前記積層方向とは垂直な方向に貫通する固定部材であって、前記配管の端部を前記エンドプレートに固定して前記シール面同士に押圧を加える固定部材とを備える。この態様によれば、シール面が燃料電池スタックの積層方向に対して傾いているので、シール面を構成する部分が燃料電池スタックの外縁から過度の突出することを防止することが可能である。
【0008】
本発明の第1の態様において、前記配管の端部は末広がり構造を有し、前記エンドプレートは前記末広がり構造と勘合する蟻溝構造を有していてもよい。この態様によれば、配管とエンドプレートとは、蟻型で連結されるので、配管がエンドプレートから抜けにくい。
【0009】
本発明の第1の態様において、前記配管の端部は、前記配管内の流路を複数の流路に分離するための仕切構造を有し、前記固定部材は、前記仕切構造部において前記配管と前記エンドプレートに固定する部材を含んでいてもよい。この態様によれば、仕切構造により流路の剛性を高めることが可能となる。また、固定部材による媒体の流れへの影響を抑制することが可能となる。
【0010】
本発明の第1の態様において、さらに、前記固定部材の延びる方向に垂直な方向に延びるキーであって、前記エンドプレートと前記配管の端部とにわたって配置されるキーを備えていてもよい。この態様によれば、固定部材による連結が緩んでも、配管がエンドプレートから抜けにくくすることが可能である。
【0011】
本発明の第1の態様において、さらに、前記配管の端部の少なくとも一部と前記エンドプレートの少なくとも一部とを覆い、前記配管の端部の前記エンドプレートからの抜けを抑制するための蓋を備えていてもよい。配管は、エンドプレートの所定方向にしか抜けないので、蓋で覆って押さえることにより、エンドプレートからの配管の抜けを抑制することが可能となる。
【0012】
本発明の第1の態様において、前記燃料電池スタックは前記燃料電池スタックを積層方向に締結するためのテンションプレートを備え、前記テンションプレートが前記蓋の機能を有していてもよい。
【0013】
本発明の第1の態様において、前記燃料電池スタックは防水プレートを備え、前記防水プレートが前記蓋の機能を有していてもよい。
【0014】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池と配管との連結構造の他、燃料電池システム、燃料電池と配管との連結方法等、様々な形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る燃料電池システムを模式的に示す説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池スタック100と、燃料ガスタンク200と、空気取入部300を備える。燃料電池スタック100は、複数の発電ユニット110とエンドプレート120を備える。エンドプレート120は、発電ユニット110の積層方向両端に配置されている。燃料電池スタック100には、発電ユニット110とエンドプレート120を貫通している燃料ガスマニホールド230と酸化ガスマニホールド330が形成されている。
【0016】
燃料ガスタンク200は、配管220により燃料ガスマニホールド230の一方の端部に接続されている。燃料ガスマニホールド230の他方の端部には、排気管240が接続されている。空気取入部300は、配管320により、酸化ガスマニホールド330の一方の端部に接続されている。配管320上には、空気を圧縮するためのコンプレッサ310が設けられている。酸化ガスマニホールド330の他方の端部には、排気管340が接続されている。
【0017】
図2は、配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをy方向から見た説明図である。図3は、図2に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。ここでは、エンドプレート120の上部、発電ユニット110の一部、配管220の端部が見えている。図3に示すように、エンドプレート120の上部には、シール面122を有する台形型の切り欠き部121が形成されている。シール面122は、燃料電池スタックの積層方向(x方向)に対して傾いた斜面である。このシール面122は、エンドプレート120の端部に設けられている。また、シール面122は、その法線122aの方向が燃料電池スタックの外側に向かう方向を指すように形成されている。シール面122の中央部には、燃料ガスマニホールド230に繋がる開口部124(「配管口」ともいう。)が形成されている。図2に示すように、配管220は、台形型の切り欠き部121においてエンドプレート120と接続される。ここで、配管220の端部は、台形のシール面122と連結するシール面222を有している。配管220内部に形成されている反応ガス流路221は、開口部124を介して燃料ガスマニホールド230に接続されている。
【0018】
配管220とエンドプレート120とは、ボルト224によりz方向に結合されている。なお、エンドプレート120には、ボルト224を受けるためのネジ穴126が形成されている。このようにz方向に締結力が加わると、シール面122に垂直な方向に垂直抗力が発生し、配管220とエンドプレート120との間には、シール面122、222の法線方向に力が加わる。ここで、ボルト224による締結力をF、シール面122とx方向との成す角度をΘとすると、配管220とエンドプレート120は、N=F・COSΘの力で連結される。配管220のシール面222には、シール部材(ガスケット)を収納するためのシール溝228が設けられている。これにより、シール面222からの反応ガスの漏れを抑制している。発電ユニット110、エンドプレート120、配管220の上部には、テンションプレート130が配置されている。テンションプレート130は、燃料電池スタック100を所定の締結荷重で締結するために用いられる。テンションプレート130は、ボルト224により止められている。
【0019】
図4は、配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをz方向から見た説明図である。図5は、図4に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。配管220をz方向から見ると、配管220は、端部側が末広がりとなる、所謂括れのない蟻型(鳩尾型)の構造となっている。一方、エンドプレート120の切り欠き部121は、z切り欠き部方向から見ると、発電ユニット110側が広がっている蟻溝構造となっている。このような構成では、配管220は、z方向からエンドプレート120に嵌め込まれ、エンドプレート120と連結する。一旦配管220がエンドプレート120に嵌め込まれると、蟻型構造のため、配管220がx方向に抜けることはない。すなわち、配管220が抜ける方向は、嵌め込み方向であるz方向に限られる。
【0020】
配管220の端部両側にはxy平面と平行なフランジ223が形成されている。ボルト224は、フランジ223において、配管220とエンドプレート120とを固定する。エンドプレート120のy方向からは、キー226が差し込まれている。キー226は、ボルト224の延びる方向と垂直な方向に延び、エンドプレート120と前記配管220の端部とにわたって配置されている。キー226を設けることにより、ボルト224が緩んでも、キー226が配管220のz方向への移動を抑制するので、配管220がエンドプレート120から抜け難くすることが可能となる。また、テンションプレート130は、上述したように燃料電池スタック100を所定の締結荷重で締結するために用いられる他、配管220及エンドプレート120の少なくとも一部を覆っており、z方向から配管220を押さえるためにも用いられる。すなわち、テンションプレート130を備えることにより、配管220をz方向に押さえ、配管220のz方向への抜けを抑制することが可能となる。
【0021】
配管220の反応ガス流路221には、島状部229が設けられている。島状部229は、反応ガス流路221を分割する非流路部分であり、反応ガス流路221の剛性を高めている。島状部229にはボルト224が貫通している。これにより、反応ガス流路221の反応ガスの流れに過度に影響を与えることなく、配管220とエンドプレート120とを連結することが可能となる。なお、図5に示すように、エンドプレート120の開口部124にも島状部129が形成されている。
【0022】
図6は、配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをx方向から見た説明図である。エンドプレート120と、配管220と、テンションプレート130と、ボルト224と、キー226が見えている。この例では、配管220の外形は円形であるが、外形は、他の形状、例えば矩形であってもよい。
【0023】
以上、本実施例によれば、配管220とエンドプレート120の境界面を斜め方向にとり、z方向からボルト224により連結している。そのため、z方向の高さを過度に高くすることなく配管220とエンドプレート120とを連結することが可能となる。
【0024】
また、本実施例では、配管220とエンドプレート120の連結部は、所謂、蟻構造(鳩尾構造)となっているため、配管220をx方向に抜け難くすることが可能となる。
【0025】
また、本実施例では、配管220が抜けることが可能なz方向への配管220の抜けを抑制するためのキー226あるいは、蓋としてのテンションプレート130を備えている。したがって、配管220のz方向への抜けを抑制することが可能となる。なお、キー226は、ボルト224が緩んだときに機能する予備機能であるので、備えていなくてもよい。テンションプレート130の蓋としての機能についても同様である。本実施例では、テンションプレート130を配管220の抜け抑制のための蓋として用いているが、テンションプレート130以外に、例えば防水プレートを蓋として用いてもよい。配管220をz方向に押さえることが可能なものであれば、蓋として採用することが可能である。
【0026】
以上、本実施例では、燃料ガスの供給系を例に取り説明したが、同様の構成は、燃料ガスの排気系、酸化ガスの供給系・排気系、冷媒の供給系・排出系に採用することが可能である。
【0027】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例に係る燃料電池システムを模式的に示す説明図である。
【図2】配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをy方向から見た説明図である。
【図3】図2に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。
【図4】配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをz方向から見た説明図である。
【図5】図4に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。
【図6】配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをx方向から見た説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10…燃料電池システム
100…燃料電池
110…発電ユニット
120…エンドプレート
121…切り欠き部
122…シール面
124…開口部
126…ネジ穴
129…島状部
130…テンションプレート
200…燃料ガスタンク
220…配管
221…反応ガス流路
222…シール面
223…フランジ
224…ボルト
226…キー
228…シール溝
229…島状部
230…燃料ガスマニホールド
240…排気管
300…空気取入部
310…コンプレッサ
320…配管
330…酸化ガスマニホールド
340…排気管
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池における燃料電池と配管との連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池と、反応ガス等を供給・排出するための配管とを連結する構造については、従来から種々の構造が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−343410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構造では、連結に用いるフランジ等によって燃料電池全体の外形寸法が増大することについて、十分に考慮されていなかった。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、燃料電池全体の外形寸法を過度に増大させない連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の態様をとる。
【0007】
本発明の第1の態様は、燃料電池スタックのエンドプレートに設けられた配管口と、配管とを連結する連結構造であって、前記エンドプレートの配管口の周囲と前記配管の端部とにそれぞれ設けられたシール面であって、前記燃料電池スタックの積層方向に対して斜めに傾いたシール面と、前記配管の端部を前記積層方向とは垂直な方向に貫通する固定部材であって、前記配管の端部を前記エンドプレートに固定して前記シール面同士に押圧を加える固定部材とを備える。この態様によれば、シール面が燃料電池スタックの積層方向に対して傾いているので、シール面を構成する部分が燃料電池スタックの外縁から過度の突出することを防止することが可能である。
【0008】
本発明の第1の態様において、前記配管の端部は末広がり構造を有し、前記エンドプレートは前記末広がり構造と勘合する蟻溝構造を有していてもよい。この態様によれば、配管とエンドプレートとは、蟻型で連結されるので、配管がエンドプレートから抜けにくい。
【0009】
本発明の第1の態様において、前記配管の端部は、前記配管内の流路を複数の流路に分離するための仕切構造を有し、前記固定部材は、前記仕切構造部において前記配管と前記エンドプレートに固定する部材を含んでいてもよい。この態様によれば、仕切構造により流路の剛性を高めることが可能となる。また、固定部材による媒体の流れへの影響を抑制することが可能となる。
【0010】
本発明の第1の態様において、さらに、前記固定部材の延びる方向に垂直な方向に延びるキーであって、前記エンドプレートと前記配管の端部とにわたって配置されるキーを備えていてもよい。この態様によれば、固定部材による連結が緩んでも、配管がエンドプレートから抜けにくくすることが可能である。
【0011】
本発明の第1の態様において、さらに、前記配管の端部の少なくとも一部と前記エンドプレートの少なくとも一部とを覆い、前記配管の端部の前記エンドプレートからの抜けを抑制するための蓋を備えていてもよい。配管は、エンドプレートの所定方向にしか抜けないので、蓋で覆って押さえることにより、エンドプレートからの配管の抜けを抑制することが可能となる。
【0012】
本発明の第1の態様において、前記燃料電池スタックは前記燃料電池スタックを積層方向に締結するためのテンションプレートを備え、前記テンションプレートが前記蓋の機能を有していてもよい。
【0013】
本発明の第1の態様において、前記燃料電池スタックは防水プレートを備え、前記防水プレートが前記蓋の機能を有していてもよい。
【0014】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池と配管との連結構造の他、燃料電池システム、燃料電池と配管との連結方法等、様々な形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る燃料電池システムを模式的に示す説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池スタック100と、燃料ガスタンク200と、空気取入部300を備える。燃料電池スタック100は、複数の発電ユニット110とエンドプレート120を備える。エンドプレート120は、発電ユニット110の積層方向両端に配置されている。燃料電池スタック100には、発電ユニット110とエンドプレート120を貫通している燃料ガスマニホールド230と酸化ガスマニホールド330が形成されている。
【0016】
燃料ガスタンク200は、配管220により燃料ガスマニホールド230の一方の端部に接続されている。燃料ガスマニホールド230の他方の端部には、排気管240が接続されている。空気取入部300は、配管320により、酸化ガスマニホールド330の一方の端部に接続されている。配管320上には、空気を圧縮するためのコンプレッサ310が設けられている。酸化ガスマニホールド330の他方の端部には、排気管340が接続されている。
【0017】
図2は、配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをy方向から見た説明図である。図3は、図2に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。ここでは、エンドプレート120の上部、発電ユニット110の一部、配管220の端部が見えている。図3に示すように、エンドプレート120の上部には、シール面122を有する台形型の切り欠き部121が形成されている。シール面122は、燃料電池スタックの積層方向(x方向)に対して傾いた斜面である。このシール面122は、エンドプレート120の端部に設けられている。また、シール面122は、その法線122aの方向が燃料電池スタックの外側に向かう方向を指すように形成されている。シール面122の中央部には、燃料ガスマニホールド230に繋がる開口部124(「配管口」ともいう。)が形成されている。図2に示すように、配管220は、台形型の切り欠き部121においてエンドプレート120と接続される。ここで、配管220の端部は、台形のシール面122と連結するシール面222を有している。配管220内部に形成されている反応ガス流路221は、開口部124を介して燃料ガスマニホールド230に接続されている。
【0018】
配管220とエンドプレート120とは、ボルト224によりz方向に結合されている。なお、エンドプレート120には、ボルト224を受けるためのネジ穴126が形成されている。このようにz方向に締結力が加わると、シール面122に垂直な方向に垂直抗力が発生し、配管220とエンドプレート120との間には、シール面122、222の法線方向に力が加わる。ここで、ボルト224による締結力をF、シール面122とx方向との成す角度をΘとすると、配管220とエンドプレート120は、N=F・COSΘの力で連結される。配管220のシール面222には、シール部材(ガスケット)を収納するためのシール溝228が設けられている。これにより、シール面222からの反応ガスの漏れを抑制している。発電ユニット110、エンドプレート120、配管220の上部には、テンションプレート130が配置されている。テンションプレート130は、燃料電池スタック100を所定の締結荷重で締結するために用いられる。テンションプレート130は、ボルト224により止められている。
【0019】
図4は、配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをz方向から見た説明図である。図5は、図4に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。配管220をz方向から見ると、配管220は、端部側が末広がりとなる、所謂括れのない蟻型(鳩尾型)の構造となっている。一方、エンドプレート120の切り欠き部121は、z切り欠き部方向から見ると、発電ユニット110側が広がっている蟻溝構造となっている。このような構成では、配管220は、z方向からエンドプレート120に嵌め込まれ、エンドプレート120と連結する。一旦配管220がエンドプレート120に嵌め込まれると、蟻型構造のため、配管220がx方向に抜けることはない。すなわち、配管220が抜ける方向は、嵌め込み方向であるz方向に限られる。
【0020】
配管220の端部両側にはxy平面と平行なフランジ223が形成されている。ボルト224は、フランジ223において、配管220とエンドプレート120とを固定する。エンドプレート120のy方向からは、キー226が差し込まれている。キー226は、ボルト224の延びる方向と垂直な方向に延び、エンドプレート120と前記配管220の端部とにわたって配置されている。キー226を設けることにより、ボルト224が緩んでも、キー226が配管220のz方向への移動を抑制するので、配管220がエンドプレート120から抜け難くすることが可能となる。また、テンションプレート130は、上述したように燃料電池スタック100を所定の締結荷重で締結するために用いられる他、配管220及エンドプレート120の少なくとも一部を覆っており、z方向から配管220を押さえるためにも用いられる。すなわち、テンションプレート130を備えることにより、配管220をz方向に押さえ、配管220のz方向への抜けを抑制することが可能となる。
【0021】
配管220の反応ガス流路221には、島状部229が設けられている。島状部229は、反応ガス流路221を分割する非流路部分であり、反応ガス流路221の剛性を高めている。島状部229にはボルト224が貫通している。これにより、反応ガス流路221の反応ガスの流れに過度に影響を与えることなく、配管220とエンドプレート120とを連結することが可能となる。なお、図5に示すように、エンドプレート120の開口部124にも島状部129が形成されている。
【0022】
図6は、配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをx方向から見た説明図である。エンドプレート120と、配管220と、テンションプレート130と、ボルト224と、キー226が見えている。この例では、配管220の外形は円形であるが、外形は、他の形状、例えば矩形であってもよい。
【0023】
以上、本実施例によれば、配管220とエンドプレート120の境界面を斜め方向にとり、z方向からボルト224により連結している。そのため、z方向の高さを過度に高くすることなく配管220とエンドプレート120とを連結することが可能となる。
【0024】
また、本実施例では、配管220とエンドプレート120の連結部は、所謂、蟻構造(鳩尾構造)となっているため、配管220をx方向に抜け難くすることが可能となる。
【0025】
また、本実施例では、配管220が抜けることが可能なz方向への配管220の抜けを抑制するためのキー226あるいは、蓋としてのテンションプレート130を備えている。したがって、配管220のz方向への抜けを抑制することが可能となる。なお、キー226は、ボルト224が緩んだときに機能する予備機能であるので、備えていなくてもよい。テンションプレート130の蓋としての機能についても同様である。本実施例では、テンションプレート130を配管220の抜け抑制のための蓋として用いているが、テンションプレート130以外に、例えば防水プレートを蓋として用いてもよい。配管220をz方向に押さえることが可能なものであれば、蓋として採用することが可能である。
【0026】
以上、本実施例では、燃料ガスの供給系を例に取り説明したが、同様の構成は、燃料ガスの排気系、酸化ガスの供給系・排気系、冷媒の供給系・排出系に採用することが可能である。
【0027】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例に係る燃料電池システムを模式的に示す説明図である。
【図2】配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをy方向から見た説明図である。
【図3】図2に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。
【図4】配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをz方向から見た説明図である。
【図5】図4に示す配管220とエンドプレート120とが分離した状態を示す説明図である。
【図6】配管220と燃料ガスマニホールド230の連結部Xをx方向から見た説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10…燃料電池システム
100…燃料電池
110…発電ユニット
120…エンドプレート
121…切り欠き部
122…シール面
124…開口部
126…ネジ穴
129…島状部
130…テンションプレート
200…燃料ガスタンク
220…配管
221…反応ガス流路
222…シール面
223…フランジ
224…ボルト
226…キー
228…シール溝
229…島状部
230…燃料ガスマニホールド
240…排気管
300…空気取入部
310…コンプレッサ
320…配管
330…酸化ガスマニホールド
340…排気管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックのエンドプレートに設けられた配管口と、配管とを連結する連結構造であって、
前記エンドプレートの配管口の周囲と前記配管の端部とにそれぞれ設けられたシール面であって、前記燃料電池スタックの積層方向に対して斜めに傾いたシール面と、
前記配管の端部を前記積層方向とは垂直な方向に貫通する固定部材であって、前記配管の端部を前記エンドプレートに固定して前記シール面同士に押圧を加える固定部材と、
を備える連結構造。
【請求項2】
請求項1に記載の連結構造において、
前記配管の端部は末広がり構造を有し、
前記エンドプレートは前記末広がり構造と勘合する蟻溝構造を有する、連結構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の連結構造において、
前記配管の端部は、前記配管内の流路を複数の流路に分離するための仕切構造を有し、
前記固定部材は、前記仕切構造部において前記配管と前記エンドプレートに固定する部材を含む、連結構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の連結構造において、さらに、
前記固定部材の延びる方向に垂直な方向に延びるキーであって、前記エンドプレートと前記配管の端部とにわたって配置されるキーを備える、連結構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の連結構造において、さらに、
前記配管の端部の少なくとも一部と前記エンドプレートの少なくとも一部とを覆い、前記配管の端部の前記エンドプレートからの抜けを抑制するための蓋を備える、連結構造。
【請求項6】
請求項5に記載の連結構造において、
前記燃料電池スタックは前記燃料電池スタックを積層方向に締結するためのテンションプレートを備え、
前記テンションプレートが前記蓋の機能を有する、連結構造。
【請求項7】
請求項5に記載の連結構造において、
前記燃料電池スタックは防水プレートを備え、
前記防水プレートが前記蓋の機能を有する、連結構造。
【請求項1】
燃料電池スタックのエンドプレートに設けられた配管口と、配管とを連結する連結構造であって、
前記エンドプレートの配管口の周囲と前記配管の端部とにそれぞれ設けられたシール面であって、前記燃料電池スタックの積層方向に対して斜めに傾いたシール面と、
前記配管の端部を前記積層方向とは垂直な方向に貫通する固定部材であって、前記配管の端部を前記エンドプレートに固定して前記シール面同士に押圧を加える固定部材と、
を備える連結構造。
【請求項2】
請求項1に記載の連結構造において、
前記配管の端部は末広がり構造を有し、
前記エンドプレートは前記末広がり構造と勘合する蟻溝構造を有する、連結構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の連結構造において、
前記配管の端部は、前記配管内の流路を複数の流路に分離するための仕切構造を有し、
前記固定部材は、前記仕切構造部において前記配管と前記エンドプレートに固定する部材を含む、連結構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の連結構造において、さらに、
前記固定部材の延びる方向に垂直な方向に延びるキーであって、前記エンドプレートと前記配管の端部とにわたって配置されるキーを備える、連結構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の連結構造において、さらに、
前記配管の端部の少なくとも一部と前記エンドプレートの少なくとも一部とを覆い、前記配管の端部の前記エンドプレートからの抜けを抑制するための蓋を備える、連結構造。
【請求項6】
請求項5に記載の連結構造において、
前記燃料電池スタックは前記燃料電池スタックを積層方向に締結するためのテンションプレートを備え、
前記テンションプレートが前記蓋の機能を有する、連結構造。
【請求項7】
請求項5に記載の連結構造において、
前記燃料電池スタックは防水プレートを備え、
前記防水プレートが前記蓋の機能を有する、連結構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−259729(P2009−259729A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109858(P2008−109858)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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