説明

連結箱型収納具

【課題】 多種多様な押さえ金具や締め付け金具等を使わず、独立する収納箱を2つ連結させ、簡単な操作で収納物の散逸が無いようにする発明及びその製作方法を示す。
【解決手段】 本発明の連結箱型収納具は、2つの同じ形状、同じ規格の独立した収納箱を帯及び2本の紐で連結し、多種多様な押さえ金具や締め付け金具等を不要としている。
帯に保管ホルダを設けたことや容易に開かないように磁石を組み込む工夫もできる。各自の収納物の散逸が無いように、各々箱状形状の収納部としており、また各々の収納部のフレーム左右端を、表紙となる板材の左右端と合わせることにより、表紙となる板材の形状は自由に設定できる。製作方法は、帯及び2本の紐を各々組み込む方法、枠状のフレームにあらかじめ帯及び2本の紐を固定する方法、枠状のフレームと帯及び2本の紐を一体化する方法、さらに枠状のフレームと帯及び2本の紐と板材を一体化する方法がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類、文書綴、また筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等を収納するための収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでの文書類の一時保管や整理をするためには、文書類を台紙に置きクリップまたは押さえ金具を使うもの、二つ折りのカバー部を開いて文書類は押さえ金具で綴じあるいは複数の袋の中に文書類を差し込み蝶番等でブック状にしてあるもの等がある。
また、小物を収納するためには袋にチャックして開け閉めするもの、袋状のもので上蓋をつけ上蓋が開かないよう締め金具をつけるもの、あるいは箱状のもので収納箱に上箱をつけて蝶番で開閉可能とし、閉じた際には締め金具での施錠または鍵での施錠により開かないようにするもの等が一般的である。また、携行し持ち運ぶことができるものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来のものは、製作するに際して押さえ金具や蝶番等多様な部材の調達及び取り付け加工が必要であり、使用するに際しては押さえ金具、チャック、締め金具及び鍵等の操作に手間がかかり面倒である。
これらに着目して製作に際して使用する押さえ金具や蝶番等部材を少なくして、製作方法を簡略し、押さえ金具、チャック、締め金具及び鍵等の手間のかかる操作を無くし簡単に収納できて、収納物の散逸がなく識別、管理が容易に出来、さらに使用しながら楽しむことが出来、遊び心をくすぐることが出来る収納箱及びその製作方法を発明し提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の実施例として、第一収納部が設けられた第一収納箱と第二収納部が設けられた第二収納箱とから構成され、第一収納箱と第二収納箱は同じ形状及び規格であり、それぞれの収納箱は独立して隣接しており、第一帯、紐第二上部及び第二下部紐の3本の帯及び紐により連結されており、第一収納箱と第二収納箱は二つ折り可能になっている。
【0005】
第一収納箱の表面に第一帯が一本取り付けられており、第一帯の幅は、後述する第二上部紐と第二下部紐の間隔以下であれば良く、第一帯の一方の端部は第一収納部の左端に固定され、さらに第一収納部の上を通り、他方の端部は第二収納部の左端に固定されている。
【0006】
第二収納箱の表面に第二上部紐及び第二下部紐の二本の紐が平行な直線状に取り付けられており、第二上部紐の幅は第二収納部の上横軸の幅以下とし、第二下部紐の幅は第二収納部の下横軸の幅以下である。
図1のように、第二上部紐の一方の端部が第一収納部に固定され、他方の端部は第二収納部に固定されている。
第二下部紐についても図1に示すように同様に固定される。
第一収納部及び第二収納部の裏面には板材が固定される。
【0007】
第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の3本の帯及び紐を使用しており、第一帯は収納物を保持し、さらに第一収納箱と第二収納箱を確実に締め付ける機能を持っている。
第二上部紐、第二下部紐は第一収納箱と第二収納箱を繋げる役目をしている。
これら3本の帯及び紐は、「羽交い絞め」のように構成されている。
【0008】
また、第二の実施例として、第一帯の表面及び裏面少なくとも一方に保管ホルダを設けている。いろいろなカード類や健康保険証等を保管することが出来、使用する人の好みに合うように保管ホルダを設けることが出来る。さらに透明であれば外側から収納物を確認できる。
さらに、第一収納部の上横軸の表面の左右端、第一収納部の下横軸の表面の左右端、第二収納部の上横軸の表面の左右端及び第二収納部の下横軸の表面の左右端に磁石を埋め込み、第一収納箱と第二収納箱が引き合うように、閉じたとき容易に開かないようにしておくことにより、誤って落下等させた場合の衝撃に対して簡単に開かず、収納物の散逸が起こることが無いようにしている。また、引き合うことができれば磁石に限らない。
そして、上横軸、下横軸、左縦軸及び右縦軸の紐及び帯の通過部分は、紐及び帯の厚さ分凹にしておくことにより、第一収納箱の左右側面と第二収納箱の左右側面は、紐及び帯の厚さ分凸になることは無く、平面となるため第一収納箱と第二収納箱は確実に連結して安定して収納具の開閉操作を行うことができる。
【0009】
第三の実施例は、板材がどのような形でも収納具を構成することができることを示す実施例である。
第一収納部及び第二収納部に設けているフレームの左右端を表紙となる板材の左右端と位置を合わせることとなる。
すなわち、第一収納部及び第二収納部の各々の右縦軸、左縦軸を板材の内側に設け、各軸から板材の端まで突起を設けて突起の先の側面を板材の側面と同じ位置とする。この時、突起の高さは各軸の高さとし、収納具を閉じたとき突起が当り、隙間が生じないようにする。あるいは、フレームを構成する各軸の長さや幅を調整して行うことも出来る。
その後、第一収納部及び第二収納部の左右の突起が連結するように第一帯、第二上部紐及び第二下部紐を組み込む。組み込み方法は、第一の実施例(図1参照)のように組み込む。
【0010】
第四の実施例は、上横軸、右縦軸、下横軸及び左縦軸と第一上部紐、第一下部紐及び第一帯を一体化した場合である(図12(b)参照)。
同じものを他に1個作り、対応する各帯、各紐を固定し板材を固定する(図12(a)参照)。
後述の段落[0015]で示す第三の製作方法で製作する。
【0011】
第五の実施例は、上横軸、右縦軸、下横軸及び左縦軸と第一上部紐、第一下部紐及び第一帯、さらに板材を一体化した場合である(図13(b)参照)。
同じものを他に1個作り、対応する各帯、各紐を固定する(図13(a)参照)。
後述の段落[0016]で示す第三の製作方法の他方法で製作する。
【0012】
本発明の収納具の開閉時の状態については、図19(a)に示すように一方の谷折り部を中心として開いた時は、第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の表面を見ることができ、一旦、収納具を閉じ図19(d)に示すように他方の谷折り部を中心として開いた時は、第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の裏面を見ることができる。
第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の表面と裏面に異なるメモやイラスト等を書き込むかあるいは貼り付けることにより、収納具を違う谷折り部を中心として開閉する都度、各帯及び各紐の表面と裏面の異なるメモやイラスト等を交互に見ることができ、興趣に富んだものとなる。
【0013】
次に製作方法として、第一の製作方法から第三の製作方法まで3種類の製作方法を以下に説明する。
各軸同士、各軸と帯及び紐、板材の固定は、糊付け、両面テープ等による圧着、釘等の部材による打ちつけ及び溶接等適宜、最適の方法にて行う。
第一の実施例の連結箱型収納具を作る時の第一の製作方法としては、上横軸、下横軸、右縦軸及び左縦軸を四角形形状に固定し第一フレーム及び第二フレームを製作する。第一フレームと第二フレームは同じ形状、規格である。
第一フレームと第二フレームを帯及び紐で連結させ固定させる。
第一帯の一方の端部が第一収納部の左縦軸に固定され、第一収納部の上を通り、他方の端部は第二収納部の左縦軸に固定されている。
第二上部紐の一方の端部が第一収納部の上横軸裏面に固定され、さらに第一収納部の上横軸の右側面に固定され、他方の内面が第二収納部の上横軸の右側面に固定され、他方の端部は第二収納部の上横軸の裏面に固定されている。
第二下部紐についても図4に示すように同様に固定する。
次に、第一収納部及び第二収納部の裏面に板材を固定する。
【0014】
第二の製作方法として、上横軸、右縦軸、下横軸及び左縦軸をそれぞれ固定し、四角形状の枠を作り、さらにその四角形状の枠に第一帯、第一上部紐及び第一下部紐を固定して第一フレーム(図15(a)参照)を製作した後、同じ要領で同じものを製作し第二フレームとする(図15(b)参照)。
上記の第一フレームの第一上部紐は、左側のほぼ半分を上横軸裏面に固定し、ほぼ中央の内面は上横軸右側面に固定され、他方はほぼ上横軸分の長さだけ遊離している。第一下部紐も同様である。第一帯は、右側端は左縦軸裏面に固定され、さらに左縦軸左側面に固定されていて、他方はほぼ上横軸分あるいは下横軸分の長さだけ遊離している。
また、第二フレームは上記の第一フレームと同じ形状、規格である。
第一フレームの第一帯の遊離部は第一収納部の前に折り返し、第二フレームの第二上部紐及び第二下部紐の遊離部は、それぞれ上横軸の前面及び下横軸の前面に折り返す(図17(a),(b)参照)。
第一フレームと第二フレームのそれぞれの第一上部紐及び第二上部紐を第二上横軸の前面で固定し、さらに第一フレームと第二フレームのそれぞれの第一下部紐及び第二下部紐を第二下横軸の前面で固定し、第一フレームと第二フレームのそれぞれの第一帯及び第二帯を第一収納部の前面で固定する(図18参照)。
その後、第一フレームの裏面及び第二フレームの裏面に板材をそれぞれ固定する(図14参照)。
【0015】
第三の製作方法として、第二の製作方法で作った第一フレームと全く同じものを一体化させて製作する。すなわち上横軸、右縦軸、下横軸及び左縦軸、そして第一帯、第一上部紐及び第一下部紐を一体化して製作する。同じものを他に1個作り、第二フレームとする(図12(b)参照)。
その後の製作方法は、第二の製作方法と同じであり、完成後の外観図を図12(a)に示す。
【0016】
また、第三の製作方法の他方法として、上横軸、右縦軸、下横軸及び左縦軸、そして第一帯、第一上部紐及び第一下部紐、板材を一体的に製作した第一フレームを作り、同じものを他に1個作り第二フレームとする(図13(b)参照)。次に、対応する第一上部紐と第二上部紐、第一下部紐と第二下部紐及び第一帯と第二帯を固定することにより完成する(図13(a)参照)。
【0017】
第一収納部及び第二収納部は、上横軸、下横軸、右縦軸及び左縦軸により溝を形成しており、箱状となっている。
第一収納部及び第二収納部のそれぞれの箱状の形状は同じ形状、規格であり、この箱状の形状により収納物の散逸もなく管理ができる。また、第一収納部及び第二収納部は独立しており、異なる収納物を収納することができ混ざることはない。
また、帯及び紐で第一収納箱と第二収納箱は連結されており、それぞれの収納箱は、独立しており同じ形状、規格である。
【0018】
さらに、帯及び紐は、縦軸あるいは横軸の側面に固定されていることにより第一収納箱と第二収納箱は確実に連結され安定した開閉操作ができる。
すなわち、第一帯は、第一左縦軸の左側面及び第二左縦軸の左側面に固定され、第二上部紐は、第一上横軸の右側面に固定され、また第二上横軸の右側面に固定されており、第二下部紐は、第一下横軸の右側面に固定され、また第二下横軸の右側面に固定されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の連結箱型収納具は、帯及び紐を使用することにより、多種多様な押さえ金具、収納袋、上蓋、上蓋のボタンあるいはチャック及び鍵を取り付ける等々の製作は一切不要であり、手数のかかる余分な多種多様な押さえ金具の操作、収納袋への差込、上蓋の取扱、上蓋のボタンあるいはチャックでの開閉及び鍵の施錠及び開錠等々を省き簡単に収納出来、しかも箱状となっているため収納物の散逸もなく極めて簡単に収納及び管理ができる。
また、板材の形状は任意のもので良く、四角形に限らない。さらに軸、帯、紐及び板材を一体で作ることにより、製作時間を短縮でき安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一の実施例であり第一の製作方法を用いた時の斜視図である。
【図2】図1を構成する第一フレームの図である。
【図3】図1を構成する第二フレームの図である。
【図4】図1を構成するフレームの図である。
【図5】図1を構成する板材の図である。
【図6】(a)は、図1を構成する第一上横軸、第二上横軸、第一下横軸、第二下横軸の図である。(b)は、図1を構成する第一左縦軸、第一右縦軸、第二左縦軸、第二右縦軸の図である。
【図7】(a)は、図1を構成する第二上部紐、第二下部紐の図である。(b)は、図1を構成する第一帯の図である。
【図8】本発明の第二の実施例の斜視図である。
【図9】本発明の第三の実施例の斜視図である。
【図10】図9のフレームの図である。
【図11】本発明の第三の実施例の他の実施例の斜視図である。
【図12】(a)は、本発明の第四の実施例の斜視図である。(b)は、紐及び帯と各軸を一体化した図である。
【図13】(a)は、本発明の第五の実施例の斜視図である。(b)は、紐及び帯と各軸と板材を一体化した図である。
【図14】第二の製作方法で製作した収納箱の斜視図である。
【図15】(a)は、図14を構成する第一フレームの図である。(b)は、図14を構成する第二フレームの図である。
【図16】(a)は、図15(a)及び図15(b)を構成する第一上部紐、第二上部紐及び第一下部紐、第二下部紐の図である。(b)は、図15(a)及び図15(b)を構成する第一帯及び第二帯の図である。
【図17】(a)は、図15(a)の第一フレームにおいて第一帯を折り返した図である。(b)は、図15(b)の第二フレームにおいて第二上部紐及び第二下部紐を折り返した図である。
【図18】図17(a)と図17(b)を接合した図である。
【図19】(a)〜(f)は図1の収納箱の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を、図面を参照して詳細に説明する。図1から図7を参照し、図1は、本発明の第一実施例の収納具1であり、第一収納部2が設けられた第一収納箱3と第二収納部4が設けられた第二収納箱5とから構成され、第一収納箱3と第二収納箱5は、同じ形状、規格である。第一収納箱3と第二収納箱5は連結されており、第一帯7、第二上部紐6及び第二下部紐8の帯及び紐により第一収納箱3と第二収納箱5は二つ折り可能となっており、第一収納箱3の表面に第一帯7が一本取り付けられており、第一帯7の幅は、最大でも第二上部紐6と第二下部紐8の間隔以下であれば良く、使用目的により第一帯7の幅を変更できる。図1から図4、図6(b)及び図7(b)を参照して第一帯は、以下の通り固定される。第一帯7の面ABCDと第一左縦軸15の面109、110、112、113が固定され、次に面CDEFと面110、111、113、114が固定され、次に面GHIJと第二左縦軸17の左側面110a、111a、113a、114aが固定され、さらに面IJKLと面109a、110a、112a、113aが固定される。
第二収納箱5の表面に、第二上部紐6及び第二下部紐8の二本の紐が平行な直線状に取り付けられており、第二上部紐6の幅は、第二上横軸13の幅以下とし、第二下部紐8の幅は、第二下横軸14の幅以下として、図1から図4、図6(a)及び図7(a)を参照して第二上部ベルト6の面abcdと第一上横軸11の裏面101,104、105、108が固定され、次に面cdefと面105、106、107、108が固定され、次に面ghijと第二上横軸13の右側面105a、106a、107a、108aが固定され、さらに面ijklと面101a、104a、105a、108aが固定される。
また、第二下部紐8も同様に図1のように固定される。その後、板材10が固定される。
【0022】
第二の実施例として、図8を参照して、第一帯7の表面及び裏面の少なくとも片面にいろいろなカード類や健康保険証等の保管ホルダ23を設けることが出来、使用する人の好みに合うようにデザインすることも可能である。さらに透明であれば外側から収納物を確認できる。
また、第一上横軸11a、第一下横軸12a、第二上横軸13a、第二下横軸14a、第一左縦軸15a、第一右縦軸16a、第二左縦軸17a及び第二右縦軸18aの帯及び紐の通過部分は帯及び紐の厚さ分凹にしておくことと各横軸と各縦軸を部品種類を少なくするため同じ形とするので、横軸は第一上横軸11aを例にすると24、25、26を紐の厚さ分凹とし、他の横軸も同じ形とする。縦軸については第二右縦軸18aを例にすると27、28、29を帯及び紐の厚さ分凹とし、他の縦軸も同じ形とする。
これらのことにより、第一収納箱3の左右側面と第二収納箱5の左右側面は、帯及び紐の厚さ分凸になることは無く、平面となるため第一収納箱3と第二収納箱5は確実に連結して収納箱の開閉操作を安定して行うことができる。
さらに、第一上横軸11aの表面の左右端34及び35、同様に第一下横軸12aの表面の左右端、第二上横軸13aの表面の左右端及び第二下横軸14aの表面の左右端に第一収納箱3と第二収納箱5が引き合うように磁石を埋め込み、第一収納箱3と第二収納箱5を閉じた時、容易に開かないようにしておくことにより、誤って落下等させた場合の衝撃に対して簡単に開かず、収納物の散逸が起こることが無いようにする。また、一定の力で引き合うことができれば磁石に限らない。
【0023】
第三の実施例としては、板材がどのような形でも収納具を構成することができることを示す実施例である。
第一収納部及び第二収納部に設けているフレームの左右端を表紙となる板材の左右端と位置を合わせることとなる。
図9に示すように板材42が丸形の場合について、第一収納部43及び第二収納部44の第一右縦軸45、第一左縦軸46、第二右縦軸47及び第二左縦軸48は板材42の側面49の内側にあることが必要であり、各軸から板材42の側面49まで突起50を設けて、突起50の先の側面51を板材42の側面49と同じ位置とする。この時、突起の高さは各軸の高さとする。
その後、第一収納部43及び第二収納部44の左右の突起50の表面に接するように第一帯、第二上部紐及び第二下部紐を図9のように位置させて組み込む。帯及び紐は、図1の第一の実施例のように組み込む。図10に、第一収納部43及び第二収納部44のフレーム78の図を示す。板材が六角形の場合も同様に、図11のような外観となり、突起52を設けて第一帯、第二上部紐及び第二下部紐を組み込む。
他の方法としては、フレームを構成する各軸の長さや幅を調整してフレームの左右端を板材の左右端と位置を合わせることも出来る。
このように、どのように変形している板材であっても、板材の内側に正方形または長方形の収納部の各軸を設け、収納部の左右に突起を設けること、あるいはフレームを構成する各軸の長さや幅を調整することでフレームの左右端を表紙となる板材の左右端と位置を合わせることができる。
【0024】
第一の実施例から第三の実施例については、材質として板材14は、紙、プラスチック、木材及び金属等で良い。第一上横軸11、第一下横軸12、第一右縦軸19、第一左縦軸15、第二上横軸13、第二下横軸14、第二右縦軸18及び第二左縦軸17についても、紙、プラスチック、木材及び金属等で良い。また、第一帯7、第二上部紐6及び第二下部紐8等帯及び紐については、紙、紐、布、ビニル、皮革等を用いることができ、さらにテープ状に紐を連続的に連ねたもの、平面の材料を貼りあわす等して袋状のもの及び撚糸状のもの等形状についてもさまざまなものが製作できる。
【0025】
第四の実施例として、図12(a)及び(b)を参照して、第一上横軸53、第一右縦軸54、第一下横軸55及び第一左縦軸56と第一上部紐57、第一下部紐58及び第一帯59を一体化して、第一フレーム60を形成する。
同じ形状となるように、第二上横軸53a、第二右縦軸54a、第二下横軸55a及び第二左縦軸56aと第二上部紐57a、第二下部紐58a及び第二帯59aを一体化して、第二フレーム61を形成する。
第一フレーム60及び第二フレーム61は、対応する第一上部紐57と第二上部紐57a、第一下部紐58と第二下部紐58a、第一帯59と第二帯59aを固定し、板材10を固定する。段落[0030]で後述する第三の製作方法により、収納箱が作られる。
図11(b)は、一体化した第一フレーム60及び第二フレーム61を示す。
【0026】
第五の実施例として、図13(a)及び(b)を参照して、第一上横軸53、第一右縦軸54、第一下横軸55及び第一左縦軸56と第一上部紐57、第一下部紐58及び第一帯59、さらに板材10を一体化して、第一フレーム62を形成する。
同じ形状となるように、第二上横軸53a、第二右縦軸54a、第二下横軸55a及び第二左縦軸56aと第二上部紐57a、第二下部紐58a及び第二帯59a、さらに板材10を一体化して成形し、第二フレーム63を形成する。
第一フレーム62及び第二フレーム63は、対応する第一上部紐57と第二上部紐57a、第一下部紐58と第二下部紐58a、第一帯59と第二帯59aを固定する。
段落[0031]で後述する第三の製作方法の他方法により、収納箱が作られる。
図13(b)は、一体化した第一フレーム62及び第二フレーム63を示す。
【0027】
第四の実施例及び第五の実施例については、一体形成する場合材質として合成樹脂等が良い。
【0028】
製作方法として、第一の製作方法から第三の製作方法まで3種類の製作方法を以下に図を参照して詳細に説明する。
各軸同士、各軸と帯及び紐、フレームと板材の固定は、糊付け、両面テープ等による圧着、釘等の部材による打ちつけ及び溶接等適宜、最適の方法にて行う。
第一の製作方法として、図2に示すように第一上横軸11と第一右縦軸16と第一下横軸12と第一左縦軸15を四角形状枠に固定して第一フレーム19を作る。次に図3に示すように第二上横軸13と第二右縦軸18と第二下横軸14と第二左縦軸17を四角形状枠に固定して第二フレーム20を作る。第一フレーム19と第二フレーム20は同じ形である。
図4に示すように第一フレーム19と第二フレーム20を隣接させ、帯1本及び紐2本で連結する。
第一フレーム19に第一帯7が取り付けられており、第一帯7は図1から図4、図6(b)及び図7(b)を参照して以下の通り固定される。第一ベルト7の面ABCDと第一左縦軸15の面109、110、112、113が固定され、次に面CDEFと面110、111、113、114が固定され、次に面GHIJと第二左縦軸17の左側面110a、111a、113a、114aが固定され、さらに面IJKLと面109a、110a、112a、113aが固定される。
第二フレーム20に第二上部紐6及び第二下部紐8の二本のベルトを平行な直線状として取り付け、図1から図4、図6(a)及び図7(a)を参照して以下の通り固定される。
第二上部紐6の面abcdと第一上横軸11の裏面101、104、105、108が固定され、次に面cdefと面105、106、107、108が固定され、次に面ghijと第二上横軸13の右側面105a、106a、107a、108aが固定され、さらに面ijklと面101a、104a、105a、108aが固定される。また、第二下部紐8も同様に図4のように固定される。
その後、第一フレーム19及び第二フレーム20の裏面より図5に示す板材10を固定する。
【0029】
第二の製作方法として、図15(a)及び(b)を参照して第一上横軸11、第一右縦軸16、第一下横軸12及び第一左縦軸15をそれぞれ固定し四角形状の枠を作り、さらにその四角形状の枠に第一上部紐64、第一下部紐65及び第一帯66を固定して第一フレーム67を製作した後、同じ要領で第二上横軸13、第二右縦軸18、第二下横軸14及び第二左縦軸17をそれぞれ固定し四角形状の枠を作り、さらにその四角形状の枠に第二上部紐68、第二下部紐69及び第二帯70を固定して第二フレーム71を製作する。
第一フレーム67と第二フレーム71は、同じ形である。
第一フレーム67は、図6(a)、図15(a)及び図16(a)を参照して、第一上部ベルト64の面mnopと第一上横軸11の裏面101、104、108、105を固定し、次に面opqrと面105、106、107、108を固定し、他方の面qrstは遊離している。第一下部紐65も同様に図15(a)のように固定する。第一帯66は、図6(b)、図15(a)及び図16(b)を参照して、面NMOPと第一左縦軸15の面109、110、112、113を固定し、次に面OPQRと面110、111、113、114を固定し、他方の面QRSTは遊離している。
同じ要領で図15(b)の第二フレーム71を製作する。
また、第一フレーム67の第一帯66の遊離部面QRSTは第一収納部2側に折り返す。
第二フレーム71の第二上部紐68の遊離部面uvwxは、第二上横軸13の前面に折り返し、第二下部紐69についても同様に図17(b)のように折り返す。
図18を参照して、第一フレーム67の第一上部紐64と第二フレーム71の第二上部紐68を第二上横軸13の前面で固定し固定部72を形成する。同様に第一フレーム67の第一下部紐65と第二フレーム71の第二下部紐69を第二下横軸14の前面で固定し固定部73を形成する。さらに、第一フレーム67の第一帯66と第二フレームの第二帯70を第一収納部2の前面で固定し固定部74を形成する。
これらの作業によりフレーム75を形成する。
その後、第一フレーム67の裏面及び第二フレーム71の裏面の方向から板材10をそれぞれ固定する。
【0030】
第三の製作方法として、図12(a)及び(b)を参照して、第二の製作方法で作った第一フレーム67と全く同じものを一体化させるように製作する。すなわち第一上横軸53、第一右縦軸54、第一下横軸55及び第一左縦軸56、そして第一上部紐57、第一下部紐58及び第一帯59を一体化して製作し第一フレーム60を形成する。同じように、第二の製作方法で作った第二フレーム71と全く同じものを一体化して製作し第二フレーム61を形成する。
その後の製作方法は、前述の第二の製作方法と同じである。
【0031】
また、第三の製作方法の他方法として、図13(b)を参照して、第一上横軸53、第一右縦軸54、第一下横軸55及び第一左縦軸56、そして第一上部紐57、第一下部紐58及び第一帯59、板材10を一体化して製作し第一フレーム62を形成する。また、同じように第二フレーム63を形成する。
次に、前述の第二の製作方法と同じ方法で、対応する第一上部紐57と第二上部紐57a、第一下部紐58と下部第二紐58a及び第一帯59と第二帯59aを固定するのみの作業を行えば完成する。図13(a)に完成した図を示す。
【0032】
本発明の第一実施例の連結箱型収納具1の操作方法の説明を図19を参照しつつ説明する。
図19(a)〜(c)に示すように、連結箱型収納具の第二収納部4に書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等76を挟んで二つ折りして閉じた後に、それまで開かれていた方とは反対側の谷折り部77が中心線となるように谷折り部9側から開くと、図19(d)に示すように、第一収納箱3と第二収納箱5の左右の位置関係が反対になり、左側に第二収納箱5が位置し右側に第一収納箱3が位置する。このとき、第二上部紐6、第二下部紐8及び第一帯7は裏返されて反転した状態になる。
すなわち右側の第一収納箱3の表面に表裏が反転した第二上部紐6a及び第二下部紐8aが位置し、左側の第二収納箱5の表面に表裏が反転した第一帯7aが位置する。
第二上部紐6、第二下部紐8及び第一帯7の表面と裏面に異なるメモやイラスト等を書き込むかあるいは貼り付けることにより、収納箱を違う谷折り部9あるいは77を中心として開閉するたびに、第二上部紐6、第二下部紐8及び第一帯7の表面と裏面の異なるメモやイラスト等を交互に見ることができ、興趣に富んだものとなる。
【0033】
更に図19(d)に示す状態を見ると、図19(a)の第一帯7と第一収納箱3との間に、書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等76が挟まった状態であるかのように、一見すると見える。
実際は次のような状態である。図19(c)に示す状態から谷折り部9側から連結箱型収納具を開くと第一帯7が反転して第二収納箱5側に移動する際に書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等76も一緒に第二ベルト7により第二収納箱5側に押さえられる。
【0034】
図19(d)に示す状態から図19(e)に示すように連結箱型収納具を二つ折りして閉じて、再び反対側の谷折り部77側から連結箱型収納具を開いた場合、図19(f)に示すように反転した第一帯7aが元に戻り、第一帯7が第一収納箱3の表面に位置すると共に、反転していた第二上部紐6aが元に戻り、さらに反転していた第二下部紐8aが元に戻り、第二上部紐6及び第二下部紐8が第二収納箱5の表面に位置する。書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等76は第二収納箱5の表面に存在し、第一帯7は第一収納箱3の表面に位置するので、図19(b)と同じ状態になる。
【0035】
書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等76は、図19(b)の状態で差し入れ、また、取出す時は図19(d)の状態でも取出すことができ、書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等76の端部が現れているため取出し易い。
第一収納部2及び第二収納部4には異なるものを収納でき、収納後、反対側から開いても収納されている収納部は変わらない。
【0036】
二つ折りした連結箱型収納具を開いて書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等を置いて反対側から開くことで、帯と収納箱との間に書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等などが収納することができると共に、更に反対側から開くと初めの状態に戻り、書類、文書綴、筆記具、印鑑類をはじめ生活に必要な小物等を取り出すことができる。このように、収納箱として便利であり、マジックのような挙動を示すことにより、興趣に富んだ収納箱である。
【符号の説明】
【0037】
1 連結箱型収納具
2 第一収納部
3 第一収納箱
4 第二収納部
5 第二収納箱
6 第二上部紐
7 第一帯
8 第二下部紐
9 谷折り部
10 板材
11 第一上横軸
12 第一下横軸
13 第二上横軸
14 第二下横軸
15 第一左縦軸
16 第一右縦軸
17 第二左縦軸
18 第二右縦軸
19 第一フレーム
20 第二フレーム
22 フレーム
23 保管ホルダ
42 板材
50 突起
52 突起
72 接合部
73 接合部
74 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一収納部が設けられた第一収納箱と第二収納部が設けられ前記第一収納箱と同じ大きさ、同じ規格である第二収納箱とから構成され、第一収納箱と第二収納箱とは、隣接し連結するようになっており、第一帯、第二上部紐及び第二下部紐により第一収納部と第二収納部は二つ折り可能になっており、第一収納箱の表面に第一帯が一本取り付けられて、第一帯の一方の端部が第一収納部と第一左縦軸の裏面の間に固定され、次に第一帯の内面が第一左縦軸の左側面に固定され、第一収納部を渡り、他方の端部の表面は第二左縦軸の左側面に固定され、さらに第二左縦軸の裏面と第二収納部の間に固定されており、また第二収納箱の表面に第二上部紐及び第二下部紐の二本の紐が平行な直線状に取り付けられており、第二上部紐の一方の端部が第一収納部と第一上横軸の裏面の間に固定され、次に第二上部紐の内面が第一上横軸の右側面に固定され、他方の端部の内面は、第二上横軸の右側面に固定され、さらに第二上部紐の他方の端部は第二上横軸の裏面と第二収納部の間に固定されて、第二下部紐も第二上部紐と同様に組み込まれている構造を特徴とする収納具。
【請求項2】
第一帯の表面または裏面の少なくとも一方に保管ホルダーを設けることを特徴とする請求項1の収納具。
【請求項3】
二つ折りした時に、内側となる第一収納箱及び第二収納箱の表面に双方が引き合い閉じることができるような引き合う部材を組み込んだことを特徴とする請求項1及び請求項2の収納具。
【請求項4】
第一上横軸、第一下横軸、第二上横軸、第二下横軸、第一左縦軸、第一右縦軸、第二左縦軸及び第二右縦軸の帯及び紐の通過部分について、帯及び紐の厚さ分凹にすることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3の収納具。
【請求項5】
第一収納部及び第二収納部に設けているフレームの左右端を、表紙となる板材の左右端と位置を合わせたことを特徴とした請求項1から請求項4の収納具。
【請求項6】
第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の表面と裏面に異なるメモ、イラスト、写真等を書き込むかあるいは貼り付けたことを特徴とする請求項1から請求項5の収納具。
【請求項7】
第一収納箱及び第二収納箱を繋げる第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の形状は、テープ状に連続的に紐を連ねた形状、平面の材料を貼りあわす等して袋状のもの及び撚糸状のものとしたことを特徴とする請求項1から請求項6の収納具。
【請求項8】
四角形形状の枠状部材の第一フレームを作り、さらに他に四角形形状の枠状部材の第二フレームを作り、第一帯、第二上部紐及び第二下部紐の帯及び紐で第一フレームと第二フレームを連結し、第一フレーム及び第二フレームの帯及び紐の固定方向から板材2枚をそれぞれに固定することを特徴とする製作方法。
【請求項9】
四角形形状の枠状部材を作り、第一帯、第一上部紐及び第一下部紐を固定した第一フレームと、四角形形状の枠状部材を作り、第二帯、第二上部紐及び第二下部紐を固定した第二フレームを作り、それぞれの第一帯と第二帯、第一上部紐と第二上部紐及び第一下部紐と第二下部紐を固定後、第一フレーム及び第二フレームの帯及び紐固定方向から板材2枚をそれぞれに固定することを特徴とする製作方法。
【請求項10】
四角形形状の枠状部材を作り、第一帯、第一上部紐及び第一下部紐を一体化した第一フレームと、四角形形状の枠状部材を作り、第二帯、第二上部紐及び第二下部紐を一体化した第二フレームを作り、それぞれの第一帯と第二帯、第一上部紐と第二上部紐及び第一下部紐と第二下部紐を固定後、板材2枚を第一フレーム及び第二フレームの裏面方向からそれぞれに固定することを特徴とする製作方法。
【請求項11】
四角形形状の枠状部材を作り、第一帯、第一上部紐及び第一下部紐と板材を一体化した第一フレームと、四角形形状の枠状部材を作り、第二帯、第二上部紐及び第二下部紐と板材を一体化した第二フレームを作り、それぞれの第一帯と第二帯、第一上部紐と第二上部紐及び第一下部紐と第二下部紐を固定することを特徴とする製作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−51646(P2012−51646A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208499(P2010−208499)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(510249645)神奈川中央警備保障株式会社 (1)
【Fターム(参考)】