説明

連結装置、連結装置を備えたアッセンブリ、連結装置を備えたアッセンブリを製造するための方法

本発明は、電気的/電子的な構成素子(16)、特にセンサ(17)を基板、特にプリント配線板に接続するための連結装置(1)であって、該連結装置(1)が、電気的な接続のために、少なくとも1つの電気的な接続部(25)を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメント(12)を有している連結装置に関する。本発明によれば、電気的な接続部(25)が、打抜き格子体(3)によって形成されており、該打抜き格子体(3)が、ダンパエレメント(12)としての減衰材料(11)の射出成形により該減衰材料(11)で部分的に取り囲まれている。さらに、本発明は、連結装置を備えたアッセンブリならびにこのようなアッセンブリを製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的/電子的な構成素子、特にセンサを基板、特にプリント配線板に接続するための連結装置であって、該連結装置が、電気的な接続のために、少なくとも1つの電気的な接続部を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメントを有している連結装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、基板、特にプリント配線板に配置可能な少なくとも1つの電気的/電子的な構成素子、特にセンサと、該構成素子を前記基板に接続するための連結装置とを備えたアッセンブリであって、連結装置が、電気的な接続のために、少なくとも1つの電気的な接続部を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメントを有しているアッセンブリに関する。
【0003】
さらに、本発明は、特に前述したアッセンブリを製造するための方法であって、前記アッセンブリが、基板、特にプリント配線板に配置可能な少なくとも1つの電気的/電子的な構成素子、特にセンサと、該構成素子を前記基板に接続するための連結装置とを有しており、該連結装置が、電気的な接触のために、少なくとも1つの電気的な接続部を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメントを有している、アッセンブリを製造するための方法に関する。
【0004】
背景技術
冒頭で述べた連結装置、連結装置を備えたアッセンブリならびに連結装置を備えたアッセンブリを製造するための方法は、公知先行技術に基づき公知である。振動に対して敏感な構成素子、たとえばセンサ、特にマイクロマシニング型のセンサの場合、この構成素子を、運動絶縁された連結装置を介して基板に取り付けることが公知である。「運動絶縁」とは、本願の範囲内では、まず、生じた振動の絶縁(振動絶縁)のために働き、さらに、誤差を補償する、特に運転中に生じる歪みを補償するためにも働くことができる機械的な絶縁を意味している。たとえば、構成素子と基板との間にそれぞれ異なる熱膨張率に起因した応力が生じ、これによって、加熱時に構成素子と基板とが互いに異なる量で膨張させられ/運動させられ、ひいては、相互の取付け箇所に歪みが生じるという問題がしばしば存在する。これは、最悪の場合、結合箇所の破損ひいては構成素子の故障に繋がることがある。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006002350号明細書に基づき、慣性センサアッセンブリが公知である。この公知の慣性センサアッセンブリでは、センサモジュールが、弾性変形可能な連結エレメントを介在させて支持基板に配置されている。センサモジュールをフレーム状に取り囲むように、このセンサモジュールと支持基板との間に存在するギャップ内にダンパの材料が射出される。その後、センサモジュールが、支持基板に配置された回路にボンディングワイヤによって接続される。すなわち、連結装置は、公知の通り、2つの部分から形成されている。
【0006】
発明の開示
本発明に係る連結装置によれば、電気的な接続部が、打抜き格子体によって形成されており、該打抜き格子体が、ダンパエレメントとしての減衰材料の射出成形により該減衰材料で部分的に取り囲まれている。
【0007】
本発明に係る連結装置の有利な態様によれば、打抜き格子体が、少なくとも部分的に少なくとも1つのばねエレメントを形成している。
【0008】
本発明に係る連結装置の有利な態様によれば、打抜き格子体が、少なくとも片面で露出したコンタクトパッドを有している。
【0009】
本発明に係る連結装置の有利な態様によれば、減衰材料が、シリコーンである。
【0010】
本発明に係るアッセンブリによれば、本発明に係る連結装置が形成されている。
【0011】
本発明に係るアッセンブリの有利な態様によれば、構成素子が、パッケージ、特にモールドパッケージを有しており、該パッケージが、少なくとも1つの電気的なコンタクトを備えており、該コンタクトが、打抜き格子体のコンタクトパッドに載置されている。
【0012】
本発明に係るアッセンブリの有利な態様によれば、前記コンタクトが、コンタクトパッドにろう接されている。
【0013】
本発明に係るアッセンブリの有利な態様によれば、ダンパエレメントに構成素子の少なくとも1つの電気的/電子的なコンポーネントが配置されている。
【0014】
本発明に係るアッセンブリの有利な態様によれば、コンポーネントが、コンタクトパッドに少なくとも1つのボンディング接続部によって電気的に接続されている。
【0015】
本発明に係るアッセンブリの有利な態様によれば、連結装置が、少なくとも部分的にコンポーネントならびにコンタクトパッドと共に1つのモールドパッケージ内に組み込まれている。
【0016】
本発明に係る方法によれば、前記接続部を打抜き格子体によって形成し、該打抜き格子体を、前記ダンパエレメントの形成のために、減衰材料の射出成形により該減衰材料で部分的に取り囲む。
【0017】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、前記構成素子のパッケージを前記打抜き格子体にろう接する。
【0018】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、前記ダンパエレメントに前記構成素子の少なくとも1つの電気的/電子的なコンポーネントを配置し、前記打抜き格子体に電気的に接続する。
【0019】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、前記連結装置を少なくとも部分的に1回のモールド工程によってパッケージングする。
【0020】
本発明によれば、電気的な接続部が、打抜き格子体によって形成されており、この打抜き格子体が、ダンパエレメントとしての減衰材料の射出成形によりこの減衰材料で少なくとも部分的に取り囲まれていることが提案されている。すなわち、基板と構成素子との間の連結装置の電気的な接続部が打抜き格子体によって形成されることが提案されている。打抜き格子体は当業者に一般的に周知であり、安定した電気的な接続を簡単に可能にする。本発明によれば、打抜き格子体が、減衰材料の射出成形によりこの減衰材料で少なくとも部分的に取り囲まれており、こうして、ダンパエレメントが形成されるようになっている。これによって、打抜き格子体とダンパエレメントとが、1つのユニットもしくは、いわば一体のコンパクトな連結装置を形成している。減衰材料の射出成形によるこの減衰材料での打抜き格子体の取囲みによって、1つには、打抜き格子体がより高い安定性を獲得し、もう1つには、減衰作用が提供される。この場合、1つには、打抜き格子体それ自体が、この打抜き格子体を取り囲む減衰材料によって減衰作用し、もう1つには、減衰エレメントとして成形された減衰材料それ自体、すなわち、有利には少なくとも部分的に減衰材料それ自体が、基板と構成素子とに直接接触し、基板と構成素子とを運動絶縁する。
【0021】
有利には、打抜き格子体が、少なくとも部分的に少なくとも1つのばねエレメントを形成している。このために、有利には、打抜き格子体が少なくとも部分的に三次元の(立体的な)構造を有している。ばねエレメントは、たとえば、残りの打抜き格子体に対して斜めに延びるウェブもしくは一端で露出した折り曲げられたばね舌片によって形成することができる。有利な構成によって、基板と構成素子との間に配置可能である減衰式のばね・質量系が提供される。
【0022】
有利には、打抜き格子体が、少なくとも片面で露出したコンタクトパッドを有している。すなわち、少なくともコンタクトパッドは、減衰材料の射出成形によりこの減衰材料で全面的に取り囲まれていない。むしろ、コンタクト面が減衰エレメントもしくは減衰材料に載置されている。一方の側、つまり、1つのコンタクト面を有する側が露出している。
【0023】
有利には、減衰材料が、シリコーンまたは類似の特性を有する別の材料である。
【0024】
本発明に係るアッセンブリは、上述したような連結装置の点で優れている。したがって、アッセンブリが連結装置を有しており、この連結装置によって、構成素子が基板に配置可能となる。これによって、アッセンブリの機能性を永続的に保証する特に有利な運動絶縁が提供される。
【0025】
有利な改良態様によれば、構成素子が、パッケージ、特に打抜き格子体のコンタクトパッドもしくはコンタクト面に載置される少なくとも1つの電気的なコンタクトを備えたLGAパッケージ(ランドグリッドエリアパッケージ)を有していることが提案されている。打抜き格子体のコンタクト面への電気的なコンタクトの載置によって、構成素子と基板との間に電気的な接続部が形成される。
【0026】
有利には、コンタクトがコンタクト面にろう接されている。これによって、構成素子が連結エレメントにろう接されていて、固く結合されている。相応して、連結装置が、有利には同じく基板、特にプリント配線板に、有利にはろう接によって結合可能である。有利な連結装置に基づき、発生した振動および/または応力が補償されるかもしくは消去される。これによって、ろう接部に作用した力がろう接部を破壊しないようになっている。
【0027】
さらに、ダンパエレメントに構成素子の少なくとも1つの電気的/電子的なコンポーネントが配置されていることが提案されている。したがって、この態様では、連結装置がもはやアッセンブリの別個の構成エレメントとしてではなく、むしろ、組み込まれた/統合的なエレメントとして設けられている。連結装置のダンパエレメントは、構成素子のコンポーネントに対する支持体として働き、したがって、構成素子の構成要素を成している。ダンパエレメントへのコンポーネントの直接的な配置によって、特にコンパクトなアッセンブリが提供される。
【0028】
有利には、コンポーネントが、打抜き格子体のコンタクト面/コンタクトパッドに少なくとも1つのボンディング接続部によって電気的に接続されているかもしくは作用接続されている。したがって、構成素子に対する電気的なコンタクトを、もはや構成素子のパッケージを介して形成する必要はなく、打抜き格子体に対する構成素子の相応のコンポーネントによって直接形成することができる。有利には、複数のコンタクトパッドが設けられている。
【0029】
最後に、連結装置が、少なくとも部分的にコンポーネントならびにコンタクトパッドと共に1つのモールドパッケージ内に組み込まれていることが提案されている。言い換えると、この態様では、構成素子のパッケージが連結装置もしくは減衰エレメントおよび/またはコンポーネントに直接、たとえば射出成形による取囲みおよび/または注型による取囲みによって付与される。これによって、振動および/または温度に起因した応力に対して安定した特にコンパクトで簡単に取扱い可能なユニットを提供することが可能となる。
【0030】
本発明に係る方法は、電気的な接続部が、打抜き格子体によって形成され、この打抜き格子体が、ダンパエレメントの形成のために、減衰材料の射出成形によりこの減衰材料で少なくとも部分的に取り囲まれる点で優れている。まず、打抜き格子体が1回の打抜き加工工程によって基材から打抜き加工され、同時にまたは次いで、1回の型押し加工工程および/または曲げ加工工程によって所望の形状にもたらされる。次いで、打抜き格子体が、形成したいダンパエレメントの雌型を成す型内に配置される。この型内に打抜き格子体を取り囲むように減衰材料が少なくとも部分的に射出される。この場合、型がダンパエレメントにのちの輪郭を付与する。
【0031】
有利な改良態様によれば、構成素子のパッケージが、打抜き格子体にろう接されることが提案されている。この態様では、当然ながら、パッケージに設けられた相応の電気的なコンタクトが打抜き格子体、特に打抜き格子体の露出したコンタクトパッドにろう接される。これによって、1つには、構成素子と打抜き格子体との間に電気的な接触が実現され、もう1つには、パッケージひいては構成素子が打抜き格子体もしくは連結装置に取り付けられる。相応して、打抜き格子体が別の箇所で基板、有利には基板の相応の対応コンタクトにろう接される。これによって、構成素子と基板との間に耐荷性の結合部が形成される。
【0032】
有利には、ダンパエレメントに構成素子の少なくとも1つの電気的/電子的なコンポーネントが配置され、打抜き格子体に電気的に接続される。接続のためには、有利にはボンディング接続部が形成される。この態様では、有利には、パッケージと打抜き格子体との間の電気的な接続部が省略される。なぜならば、コンポーネントが直接打抜き格子体に電気的に接続されている/接続されるからである。
【0033】
コンポーネントとボンディング接続部とを防護しかつ構成素子を完成させるために、有利には最後に1つのパッケージが1回のモールド工程によって形成され、これによって、少なくともコンポーネントと、ボンディング接続部と、有利にはダンパエレメントもしくは連結装置の別の範囲もパッケージングされる。有利には、連結装置の、コンポーネントを有する側が、モールドパッケージによって完全に覆われる。
【0034】
したがって、全体的に特に有利なかつ簡単に行うことができる機械的な運動絶縁もしくは振動・応力絶縁が、構成素子と基板との間に保証される。連結装置は、有利には構成素子の統合的な構成要素を成しているかもしくは自体製造される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1A】有利な連結装置を製造するための第1のステップを示す図である。
【図1B】有利な連結装置を製造するための第2のステップを示す図である。
【図1C】有利な連結装置を製造するための第3のステップを示す図である。
【図1D】有利な連結装置を製造するための第4のステップを示す図である。
【図2A】電気的/電子的な構成素子を備えた連結装置の側面図である。
【図2B】図2Aに示した側面図を90゜だけ回動した側面図である。
【図3】連結装置の択一的な実施の形態を示す図である。
【図4】構成素子の統合的な構成要素としての連結装置を示す図である。
【図5】有利な連結装置を備えた構成素子の斜視図である。
【0036】
以下に、本発明を実施の形態につき詳しく説明する。
【0037】
図1A〜図1Dには、有利な連結装置1を製造するための種々異なるステップが示してある。まず、銅薄板2から打抜き加工によって打抜き格子体3が製造される。この打抜き格子体3は、本実施の形態では、ほぼ正方形のフレーム4を有している。このフレーム4の内側には、正方形に成形された多数のコンタクトパッド5と、打抜き格子体3のほぼ全幅にわたって延びる1つのウェブ6とが配置されていて、フレーム4に結合ウェブ7によって結合されている。ウェブ6が中間に配置されているのに対して、コンタクトパッド5はウェブ6の両側にそれぞれ二列でウェブ6に対して平行に延びて配置されている。それぞれウェブ6に近い方に位置するコンタクトパッド5の列を以下に全般的に符号8で示し、それぞれ遠く外側に位置するコンタクトパッド5の列を符号9で示す。
【0038】
第2のステップでは、図1Bに示したように、打抜き格子体3が曲げ加工プロセスによって変形加工され、これによって、外側に位置する列9のコンタクトパッド5が、内側に位置する列8のコンタクトパッド5とウェブ6とに対して間隔を置いて配置された平面に位置している。言い換えると、打抜き格子体3には、本実施の形態において、ほぼU字形の横断面が付与される。当然ながら、打抜き加工工程と曲げ加工工程とを1回の打抜き・曲げ加工ステップで同時にもしくはほぼ同時に実施することも可能である。有利には、打抜き格子体3のU字形状は、互いに垂直に延びる脚部ではなく、斜めに延びる脚部を有している。この脚部は、外側に位置するコンタクトパッド5の列9と、内側に位置するコンタクトパッド5の列8との間の結合ウェブ7によって形成されている。この斜めの構成によって、打抜き格子体3がばね特性を獲得する。前述した結合ウェブ7は、両列8,9の間にそれぞれ打抜き格子体3のばねエレメント10を形成している。
【0039】
これに続くステップでは、打抜き格子体3が、減衰材料11の射出成形によりこの減衰材料11で部分的に取り囲まれ、これによって、この減衰材料11がダンパエレメント12を形成している。特にばねエレメント10は、減衰材料11の射出成形によりこの減衰材料11で少なくともほぼ完全に取り囲まれる。ダンパエレメント12も同じく正方形の輪郭を有している。外側に位置する列9のコンタクトパッド5は、ダンパエレメント12の上面13に載置されており、これによって、コンタクトパッド5の、ダンパエレメント12から離れる方向に向けられた各露出面が、コンタクト面14を形成している。相応して、ダンパエレメント12の下面15には、ウェブ6と、内側に位置する列8のコンタクトパッド5とが載置される。有利には、ダンパエレメント12もしくは減衰材料11は、少なくともほぼシリコーンから成っている。
【0040】
図1Dに示した最後のステップでは、互いに平行な平面に延びる結合ウェブ7と、フレーム4とが分離され、これによって、打抜き格子体3が個別化される。ばねエレメント10を形成する結合ウェブ7だけが維持され続ける。この結合ウェブ7は、のちに、上面13に配置された電気的/電子的な構成素子から、連結装置1を下面15で配置することができる基板への電気的な接続部25を成している。
【0041】
有利な連結装置1は、図1Dに示したように、電気的な接続部25だけでなく、ダンパを備えたばね・質量系も簡単に提供する。
【0042】
打抜き格子体3の個別化は、有利には1回またはそれ以上の回数の打抜き加工工程によって行われる。この打抜き加工工程時には、上面13もしくは下面15に対して、有利にはほぼ垂直に打抜き加工工具が運動させられる。これによって、分離したい結合ウェブ7にそれぞれ減衰材料11の方向で所定の力が加えられる。コンタクトパッド5ひいては分離したい結合ウェブ7は、それぞれ減衰材料11の外側に配置されているので、打抜き加工工具は結合ウェブ7を直接所定の力で減衰材料11の方向に加圧する。有利には、打抜き加工工具の力と送り速度とは、減衰材料11が打抜き加工工程時に単に弾性変形させられるように選択される。これによって、次いで、分離された結合ウェブ7を特に簡単に減衰材料11から除去することができるかまたは結合ウェブ7が自動的に解離される。場合により、力および/または送り速度は、結合ウェブ7が打抜き加工工程時に減衰材料11内に打ち込まれ、これによって、この減衰材料11が塑性変形させられるように選択されることが提案されていてもよい。後者の形態では、次いで、解離された結合ウェブ7が減衰材料11内に残される。これによって、連結装置1の減衰特性に全体的にさらに変化もしくは影響が与えられるようになっている。減衰材料11内に位置する電気的な接続部25は存在し続けるべきものであり、したがって、打抜き加工工程時に考慮される必要もない。
【0043】
有利には、打抜き格子体マトリックスを形成する多数の打抜き格子体3が設けられている。これらの打抜き格子体3は、有利には1つの共通のフレームによって保持され、1回の別個の打抜き加工工程によって互いに分離されるかまたは各打抜き格子体3の個別化のために働く上述した打抜き加工工程の間に互いに分離され、図1Dに例示したような個々の打抜き格子体3に分割される。したがって、図1Dの実施の形態に係る多数の有利な連結装置1を簡単に製造することができる。製造時にただ1つの打抜き格子体3が減衰材料11の射出成形によりこの減衰材料11で取り囲まれるのではなく、1つの打抜き格子体マトリックス(打抜き格子体アレイとも呼ばれる)の複数の打抜き格子体3が減衰材料11の射出成形によりこの減衰材料11で取り囲まれ、次いで、個別化されると特に有利である。
【0044】
電気的/電子的な構成素子を特に簡単に連結装置1に結合するかもしくは取り付けるために、コンタクト面14には、有利には、それぞれはんだペーストが塗布される。これによって、連結装置1への相応の構成素子の迅速な組付けが保証される。
【0045】
図2Aには、連結装置1が、ウェブ6の長手方向に向かって見た側面図で示してあり、図2Bには、これに対して垂直な方向に向かって見た側面図で示してある。図2Aおよび図2Bでは、図1Dに示した連結装置1に電気的/電子的な構成素子16が被着されている。この構成素子16は、運動に対して敏感なマイクロマシニング型のセンサ17として形成されている。このセンサ17のうち、図面には、パッケージ18だけが示してある。このパッケージ18はモールドパッケージ19として形成されていて、連結装置1に向けられた面に電気的なコンタクトを有している。このコンタクトは、連結装置1のコンタクト面14に載置されている。パッケージ18は、有利にはダンパエレメント12に接着される。これにより形成された、連結装置1と構成素子16とから成るアッセンブリ20は、たとえば基板、特にプリント配線板にろう接することができる。同じステップにおいて、連結装置1とパッケージ18との間の結合が、はんだペースト21を用いてろう接によって行われる。プリント配線板への連結装置1を介した構成素子16の有利な結合によって、この構成素子16が振動絶縁されており、これによって、敏感なマイクロマシニング型のセンサ17に振動によって望ましくない形式で影響が与えられないようになっている。さらに、センサ17とプリント配線板との間に、たとえば組付け時の誤差に基づきまたは温度に起因した材料変化によって、ろう接部を破壊する恐れがある歪みが生じないように、機能性が保証される。
【0046】
図3には、打抜き格子体3の個別化前の連結装置1の別の実施の形態が例示してある。図1Cに示した実施の形態と異なり、打抜き格子体3はウェブ6を有していない。むしろ、複数の列のそれぞれ5つのコンタクトパッド5が設けられている。これらのコンタクトパッド5は打抜き格子体3の幅にわたって延びていて、各列でのみ結合ウェブ7を介して互いに結合されている。当然ながら、打抜き格子体3の任意に多種の構成が可能である。
【0047】
図4には、改良されたアッセンブリ20の有利な実施の形態が示してある。この実施の形態によれば、連結装置1が、構成素子16もしくはセンサ17の統合的な構成要素を成している。このために、この実施の形態では、ダンパエレメント12の上面13において、外側に位置する列9のコンタクトパッド5の間にセンサ17の2つのコンポーネント22,23が配置されている。
【0048】
次いで、両コンポーネント22,23が、有利にはボンディング接続部によって打抜き格子体3のコンタクト面14に電気的にコンタクティングされるかもしくは接続される。これに続くステップでは、連結装置1と、この連結装置1に位置するコンポーネント22,23と、コンタクトパッド5とが、1回のモールドプロセスによってパッケージングされる。これによって、1つのモールドパッケージ24が形成される。最後に、望ましくない結合ウェブ7が除去され、打抜き格子体3が個別化され、フレーム4が除去される。これによって、1つには、コンポーネント22,23とボンディング接続部とが外的な影響に対して防護され、もう1つには、特にコンパクトで簡単に取り扱うことができるアッセンブリ20が提供される。
【0049】
モールドパッケージ24が、1回の射出成形工程および/または注型工程により連結装置1に直接形成されることによって、この連結装置1がアッセンブリ20内に組み込まれている。このように形成されたアッセンブリ20は、たとえばろう接によって基板(図示せず)に取り付けられさえすればよい。別の実施の形態(図示せず)では、プリント配線板もしくは基板が同じくアッセンブリ20の1つの構成要素を成しており、これによって、アッセンブリ20をプリント配線板によって1つの構成ユニットとして製造することができ、提供することができる。
【0050】
原理的には、コンポーネント22,23をダンパエレメント12の下面15、特に銅ウェブ6に配置し、これによって、ボンディング接続部の形成を容易にすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 連結装置
2 銅薄板
3 打抜き格子体
4 フレーム
5 コンタクトパッド
6 ウェブ
7 結合ウェブ
8 列
9 列
10 ばねエレメント
11 減衰材料
12 ダンパエレメント
13 上面
14 コンタクト面
15 下面
16 構成素子
17 センサ
18 パッケージ
19 モールドパッケージ
20 アッセンブリ
21 はんだペースト
22 コンポーネント
23 コンポーネント
24 モールドパッケージ
25 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的/電子的な構成素子(16)、特にセンサ(17)を基板、特にプリント配線板に接続するための連結装置(1)であって、該連結装置(1)が、電気的な接続のために、少なくとも1つの電気的な接続部(25)を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメント(12)を有している連結装置において、電気的な接続部(25)が、打抜き格子体(3)によって形成されており、該打抜き格子体(3)が、ダンパエレメント(12)としての減衰材料(11)の射出成形により該減衰材料(11)で部分的に取り囲まれていることを特徴とする、電気的/電子的な構成素子を基板に接続するための連結装置。
【請求項2】
打抜き格子体(3)が、少なくとも部分的に少なくとも1つのばねエレメント(10)を形成している、請求項1記載の連結装置。
【請求項3】
打抜き格子体(3)が、少なくとも片面で露出したコンタクトパッド(5)を有している、請求項1または2記載の連結装置。
【請求項4】
減衰材料(11)が、シリコーンである、請求項1から3までのいずれか1項記載の連結装置。
【請求項5】
基板、特にプリント配線板に配置可能な少なくとも1つの電気的/電子的な構成素子(16)、特にセンサ(17)と、該構成素子(16)を前記基板に接続するための連結装置(1)とを備えたアッセンブリであって、連結装置(1)が、電気的な接続のために、少なくとも1つの電気的な接続部(25)を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメント(12)を有しているアッセンブリにおいて、請求項1から4までのいずれか1項記載の連結装置(1)が形成されていることを特徴とする、アッセンブリ。
【請求項6】
構成素子(16)が、パッケージ(18)、特にモールドパッケージ(19)を有しており、該パッケージ(18)が、少なくとも1つの電気的なコンタクトを備えており、該コンタクトが、打抜き格子体(3)のコンタクトパッド(5)に載置されている、請求項5記載のアッセンブリ。
【請求項7】
前記コンタクトが、コンタクトパッド(5)にろう接されている、請求項5または6記載のアッセンブリ。
【請求項8】
ダンパエレメント(12)に構成素子(16)の少なくとも1つの電気的/電子的なコンポーネント(22,23)が配置されている、請求項5から7までのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項9】
コンポーネント(22,23)が、コンタクトパッド(5)に少なくとも1つのボンディング接続部によって電気的に接続されている、請求項5から8までのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項10】
連結装置(1)が、少なくとも部分的にコンポーネント(22,23)ならびにコンタクトパッド(5)と共に1つのモールドパッケージ(24)内に組み込まれている、請求項5から9までのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項11】
特に請求項5から10までのいずれか1項記載のアッセンブリを製造するための方法であって、前記アッセンブリが、基板、特にプリント配線板に配置可能な少なくとも1つの電気的/電子的な構成素子、特にセンサと、該構成素子を前記基板に接続するための連結装置とを有しており、該連結装置が、電気的な接触のために、少なくとも1つの電気的な接続部を有していて、運動絶縁のために、少なくとも1つのダンパエレメントを有している、アッセンブリを製造するための方法において、前記接続部を打抜き格子体によって形成し、該打抜き格子体を、前記ダンパエレメントの形成のために、減衰材料の射出成形により該減衰材料で部分的に取り囲むことを特徴とする、アッセンブリを製造するための方法。
【請求項12】
前記構成素子のパッケージを前記打抜き格子体にろう接する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ダンパエレメントに前記構成素子の少なくとも1つの電気的/電子的なコンポーネントを配置し、前記打抜き格子体に電気的に接続する、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記連結装置を少なくとも部分的に1回のモールド工程によってパッケージングする、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−508959(P2013−508959A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534613(P2012−534613)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064806
【国際公開番号】WO2011/047955
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】