説明

連結部材積層体、連結部材モジュール、キャリアテープ連結方法、キャリアテープ連結装置

【課題】2つのキャリアテープの終端部と始端部とを容易に連結可能な連結部材積層体、連結部材モジュール、キャリアテープ連結方法、及びキャリアテープ連結装置を提供する。
【解決手段】本連結部材積層体は、一方の最外層に剥離層が形成され他方の最外層に粘着層が形成された構造を有し、第1キャリアテープの終端部と第2キャリアテープの始端部とを合致させた状態で、前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて両者を連結する連結部材が、剥離可能な状態で同一方向に複数積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのキャリアテープの終端部と始端部とを連結する連結部材積層体、連結部材モジュール、キャリアテープ連結方法、及びキャリアテープ連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の実装機は、例えば、多数の電子部品をテープ状部材に収納した電子部品供給用テープ(以降、キャリアテープとする)により電子部品を一つずつ順番に実装方向に搬送し、搬送された電子部品を実装部において基板に順次実装する構成とされている。電子部品はキャリアテープに多数個収納されているため、実装機は電子部品を連続的に実装することができる。キャリアテープに収納された電子部品が全て実装された場合には、新たなキャリアテープに交換することで実装を継続できる。
【0003】
又、キャリアテープの交換作業を回避して実装機の生産性を向上するため、キャリアテープの終端部に新たなキャリアテープの始端部を連結することにより、実装を途中で止めることなく継続することが行われている。キャリアテープの終端部に新たなキャリアテープの始端部を連結するためには、例えば、リール状に巻かれた連結用のテープを準備し、終端部と始端部とを合致させた状態で、終端部及び始端部近傍に両側からテープを貼り付ければよい(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−187210号公報
【特許文献2】特開2010−120344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2つのキャリアテープの終端部と始端部とを合致させた状態で、終端部及び始端部近傍に両側からテープを貼り付けることは容易ではない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、2つのキャリアテープの終端部と始端部とを容易に連結可能な連結部材積層体、連結部材モジュール、キャリアテープ連結方法、及びキャリアテープ連結装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本連結部材積層体は、一方の最外層に剥離層が形成され他方の最外層に粘着層が形成された構造を有し、第1キャリアテープの終端部と第2キャリアテープの始端部とを合致させた状態で、前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて両者を連結する連結部材が、剥離可能な状態で同一方向に複数積層されていることを要件とする。
【0008】
本連結部材モジュールは、一方の最外層に剥離層が形成され他方の最外層に粘着層が形成された構造を有し、第1キャリアテープの終端部と第2キャリアテープの始端部とを合致させた状態で、前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて両者を連結する連結部材が、剥離可能な状態で同一方向に複数積層された連結部材積層体と、前記連結部材積層体の最外層の剥離層と接するように、前記連結部材積層体を載置する載置面が設けられた載置部と、前記連結部材積層体を前記載置面上に保持する保持部と、を有することを要件とする。
【0009】
本キャリアテープ連結方法は、第1キャリアテープと第2キャリアテープとを、終端部と始端部とが合致するように配置する第1工程と、本発明に係る連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの裏面と接するように配置する第2工程と、本発明に係る他の連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの表面と接するように配置する第3工程と、前記保持ピンを除く前記連結部材モジュール及び前記保持ピンを除く前記他の連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープ側に押圧する第4工程と、前記連結部材モジュール及び前記他の連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープから引き離し、前記連結部材モジュール及び前記他の連結部材モジュールのそれぞれの1層目の前記連結部材のみを前記裏面及び前記表面に前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて前記終端部と前記始端部とを連結する第5工程と、を有することを要件とする。
【0010】
本キャリアテープ連結装置は、第1キャリアテープ及び第2キャリアテープのそれぞれの表面及び裏面の連結部材を貼り付ける領域を露出するように、前記第1キャリアテープを載置する第1キャリアテープ載置面及び前記第2キャリアテープを載置する第2キャリアテープ載置面が設けられたキャリアテープ載置部と、前記第1キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に摺動可能に構成され、前記第1キャリアテープ載置面に載置された前記第1キャリアテープを、前記第1キャリアテープ載置面との間に挟持する第1キャリアテープ押さえ部と、前記第2キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に前記第1キャリアテープ押さえ部とは独立して摺動可能に構成され、前記第2キャリアテープ載置面に載置された前記第2キャリアテープを、前記第2キャリアテープ載置面との間に挟持する第2キャリアテープ押さえ部と、前記第1キャリアテープが前記第1キャリアテープ載置面と第1キャリアテープ押さえ部との間に挟持され、かつ、前記第2キャリアテープが前記第2キャリアテープ載置面と第2キャリアテープ押さえ部との間に挟持された状態で、前記第1キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に摺動可能に構成され、本発明に係る連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの裏面と接するように配置し、更に前記保持ピンを除く前記連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープ側に押圧する第1摺動部と、前記第1キャリアテープが前記第1キャリアテープ載置面と第1キャリアテープ押さえ部との間に挟持され、かつ、前記第2キャリアテープが前記第2キャリアテープ載置面と第2キャリアテープ押さえ部との間に挟持された状態で、前記第1キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に摺動可能に構成され、本発明に係る他の連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの表面と接するように配置し、更に前記保持ピンを除く前記他の連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープ側に押圧する第2摺動部と、を有することを要件とする。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、2つのキャリアテープの終端部と始端部とを容易に連結可能な連結部材積層体、連結部材モジュール、キャリアテープ連結方法、及びキャリアテープ連結装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールを例示する上方斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールを例示する下方斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿う縦断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う横断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図(その1)である。
【図6】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図(その2)である。
【図7】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図(その3)である。
【図8】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図(その4)である。
【図9】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図(その5)である。
【図10】第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図(その6)である。
【図11】基材層の他方の面に形成する粘着層のパターンを例示する図(その1)である。
【図12】基材層の他方の面に形成する粘着層のパターンを例示する図(その2)である。
【図13】基材層の他方の面に形成する粘着層のパターンを例示する図(その3)である。
【図14】基材層の他方の面に形成する粘着層のパターンを例示する図(その4)である。
【図15】連結するキャリアテープの一部分を例示する平面図である。
【図16】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結方法を例示する図(その1)である。
【図17】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結方法を例示する図(その2)である。
【図18】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結方法を例示する図(その3)である。
【図19】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結方法を例示する図(その4)である。
【図20】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結方法を例示する図(その5)である。
【図21】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置を例示する前方斜視図である。
【図22】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置を例示する後方斜視図である。
【図23】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の本体を例示する前方斜視図である。
【図24】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の本体を例示する後方斜視図である。
【図25】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その1)である。
【図26】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その2)である。
【図27】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その3)である。
【図28】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その4)である。
【図29】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その5)である。
【図30】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その6)である。
【図31】第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図(その7)である。
【図32】第1の実施の形態の変形例1に係る保持ピン固定部を例示する図である。
【図33】第1の実施の形態の変形例2に係る保持ピン固定部を例示する図である。
【図34】第1の実施の形態の変形例3に係る保持ピン固定部を例示する図である。
【図35】第1の実施の形態の変形例4に係る保持ピンを例示する側面図(その1)である。
【図36】第1の実施の形態の変形例4に係る保持ピンを例示する側面図(その2)である。
【図37】第1の実施の形態の変形例5に係るキャリアテープ連結装置を例示する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0014】
〈第1の実施の形態〉
[連結部材モジュールの構造]
まず、第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの構造について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る連結部材モジュールを例示する上方斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る連結部材モジュールを例示する下方斜視図である。図3は、図1のA−A線に沿う縦断面図である。図4は、図1のB−B線に沿う横断面図である。
【0015】
図1〜図4を参照するに、連結部材モジュール10は、大略すると、連結部材積層体20と、載置部40と、保持ピン50と、保持ピン固定部60とを有する。連結部材モジュール10において、連結部材積層体20は載置部40上に載置され、保持ピン50及び保持ピン固定部60により保持されている。以下、連結部材モジュール10の各構成要素について詳説する。
【0016】
連結部材積層体20は、連結部材30が剥離可能な状態で同一方向に複数積層された構造を有する。図1〜図4の例では、便宜上、連結部材積層体20は連結部材30を6層積層しているが、連結部材30は200層程度まで積層することが可能である。連結部材積層体20の外形寸法は、例えば、縦(短手方向)4〜60mm×横(長手方向)20〜80mm×厚さ10〜30mm程度とすることができるが、縦(短手方向)8mm×横(長手方向)40mm×厚さ20mm程度とすることが好ましい(連結部材30を200層程度積層した場合)。
【0017】
連結部材30は、一方のキャリアテープの終端部と他方のキャリアテープの始端部とを合致させた状態で、終端部と始端部とを跨ぐように貼り付けて両者を連結するテープ状の部材であり、その外形寸法は、例えば、縦(短手方向)4〜60mm×横(長手方向)20〜80mm×厚さ20〜200μm程度とすることができるが、縦(短手方向)8mm×横(長手方向)40mm×厚さ100μm程度とすることが好ましい。各連結部材30は、一方の最外層に剥離層31が形成され他方の最外層に粘着層33が形成された構造を有する。第1の実施の形態では、基材層32の一方の側に剥離層31が形成され他方の側に粘着層33が形成された3層構造を例示するが、例えば、基材層32の部分を複数層から形成してもよい。又、剥離層31や粘着層33の部分を複数層から形成してもよい。なお、連結部材30は、プラスチック製キャリアテープや紙製キャリアテープを含む様々なキャリアテープに貼り付けることができる。
【0018】
各連結部材30には、各連結部材30を貫通する貫通孔30xが長手方向に沿って一列に10個ずつ形成されている。貫通孔30xは、連結部材30が一方のキャリアテープの終端部と他方のキャリアテープの始端部とに貼り付けられて両者を連結する際に、キャリアテープに形成されたスプロケットホール(後述の図15参照)を露出するために設けられている。従って、貫通孔30xのピッチは、スプロケットホールのピッチに対応している。又、貫通孔30xの平面形状は例えば円形とすることができ、その直径はスプロケットホールの直径と同等以上とすることができる。貫通孔30xの直径は、例えば2.0mm程度とすることができる。10個の貫通孔30xのうちの4個には、保持ピン50が挿入されている。なお、貫通孔30xの数量は、必ずしも10個としなくても構わない。
【0019】
各連結部材30には、貫通孔30xが形成されている領域と、貫通孔30xが形成されていない領域とを分離するスリット列34(ミシン目)が形成されている。但し、スリット列34は形成しなくてもよい。スリット列34を形成しない場合には、基材層32として一軸延伸の材料を用いて一方向(連結部材30の長手方向)のみに引き裂き性能を持たせることで、スリット列34を形成した場合と同等の機能を実現できる。ここで、一軸延伸の材料とは、一方向に引き伸ばすことにより面配向を起こし性質を改良した材料を指し、延伸方向の機械的強度が高まる、延伸直角方向の引き裂き性能(易引裂性)が高まる等の特長を有する。なお、基材層32として一軸延伸の材料を用いて一方向(連結部材30の長手方向)のみに引き裂き性能を持たせ、更にスリット列34を形成してもよい。
【0020】
各連結部材30において、剥離層31としては、例えば、シリコーンフィルム等を用いることができる。剥離層31の厚さは、例えば、0.05〜50μm程度とすることができるが、剥離効果をより高めるためには0.1〜20μm程度とすることが好ましい。剥離層31を設けることにより、各連結部材30を他の各連結部材30と容易に剥離できる。
【0021】
基材層32としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、オレフィン系フィルム等を用いることができる。但し、前述のように、基材層32として一軸延伸の材料を用いてもよい。基材層32の厚さは、例えば、10〜150μm程度とすることができる。但し、連結対象であるキャリアテープへの追従性等を考慮すると、基材層32の厚さは薄い方がよいため、基材層32の厚さは10〜70μm程度とすることが好ましい。又、作業性も考慮すると、基材層32の厚さは50〜70μm程度とすることが更に好ましい。
【0022】
粘着層33としては、銀(Ag)や銅(Cu)等の導電フィラーをエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等でバインドした導電性粘着剤、酢酸ビニルやアクリル等の合成樹脂ポリマーを水中に均一に分散させた水性粘着剤(エマルジョン粘着剤)、合成樹脂や合成ゴムなどを有機溶剤に溶かした粘着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分としたホットメルト粘着剤、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等を主成分とする紫外線硬化型粘着剤等を用いることができる。粘着層33の厚さは、例えば、10〜100μm程度とすることができる。
【0023】
載置部40は、平面形状が略矩形状の部材である。載置部40の上面は略平坦であり、載置部40の上面の一部の領域には連結部材積層体20が載置されている。載置部40には、載置部40を貫通する貫通孔40xが長手方向に沿って一列に4個形成されている。貫通孔40xの直径は、例えば、貫通孔30xの直径と同一とすることができる。貫通孔40xは、各連結部材30に形成された貫通孔30xのうちの4個に対応する位置に形成されており、4個の貫通孔40xにはそれぞれ保持ピン50が挿入されている。
【0024】
載置部40の短辺側の両側面下方には、凸部41が設けられている。又、載置部40の下面側には、中空部40yが設けられている。中空部40yには、各貫通孔40xを1つずつ含むように、4つの凹部40zが形成されている。各凹部40z内には、それぞれ保持ピン固定部60が固定されている。載置部40は、例えば、アルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料や、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)等の樹脂材料等により形成できる。載置部40の外形寸法は、例えば、縦(短手方向)4〜60mm×横(長手方向)20〜80mm×厚さ5〜20mm程度とすることができるが、縦(短手方向)8mm×横(長手方向)40mm×厚さ10mm程度とすることが好ましい(凸部41を除く)。
【0025】
保持ピン50は、各連結部材30の貫通孔30xのうちの4個、及びそれらに連通する載置部40の貫通孔40xに、1本ずつ挿入されている。保持ピン50は、例えば、アルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料や、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)等の樹脂材料等により形成できる。保持ピン50は、連結部材積層体20の厚さと載置部40の厚さの合計よりも十分に長く、保持ピン50の一部は載置部40の下面側から突出している。保持ピン50の長さは、例えば、20〜40mm程度とすることができる。保持ピン50は、棒状部51と、棒状部51の一端側に設けられた逆テーパー状の頭部52とを有する。ここで、逆テーパー状とは、頭部52の先端側から棒状部51側に向かって、径が次第に減少していく形状を意味する。但し、逆テーパー状部分の断面形状において、傾斜部分は直線状には限定されず、曲線部分を含んでもよい。
【0026】
棒状部51には、環状の溝51xが複数個形成されている。溝51xの深さは、例えば、0.45mm程度とすることができる。棒状部51の最大径は、貫通孔30x及び40xの直径よりも小さく形成されており、例えば1.9mm程度とすることができる(貫通孔30x及び40xの直径が2.0mm程度の場合)。頭部52の最大径は貫通孔30xの直径よりも大きく形成されており、例えば2.1mm程度とすることができる(貫通孔30xの直径が2.0mm程度の場合)。頭部52の最小径は貫通孔30xの直径よりも小さく形成されており、例えば1.9mm程度とすることができる(貫通孔30xの直径が2.0mm程度の場合)。その結果、頭部52の最大径部近傍は連結部材積層体20の最表面から突出し、貫通孔30xの内壁面の最表面近傍は頭部52のテーパー状の傾斜面の何れかの部分と接している。頭部52の連結部材積層体20の最表面からの突出量は、例えば、0.05〜0.15μm程度とすることができる。頭部52のテーパー角は、例えば、30〜60度程度とすることができる。上下に隣接する溝51xのピッチは、例えば、10〜200μm程度とすることができる。
【0027】
保持ピン固定部60は、載置部40の各凹部40z内に固定されている。保持ピン固定部60は、略平板状の部材であり、枠部61と、枠部61に対して所定角傾斜した状態で対向する2つの板ばね部62とを有する。対向する板ばね部62が形成する隙間は、棒状部51の最大径より小さくされている。保持ピン固定部60は、例えば、アルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料により形成できる。保持ピン固定部60の枠部61及び板ばね部62の厚さは、例えば、0.1〜0.2mm程度とすることができる。
【0028】
対向する板ばね部62の先端部は、保持ピン50の溝51xに両側から係合している。これにより、保持ピン50は連結部材積層体20側から載置部40側に付勢されるため、保持ピン50を載置部40側から連結部材積層体20側に動き難く(抜け難く)することができる。対向する板ばね部62の先端部と係合可能であれば、溝51xの形状は任意として構わない。このように、保持ピン50の頭部52のテーパー状の傾斜面が貫通孔30xの内壁面の最表面近傍と接し、かつ、保持ピン固定部60により保持ピン50が連結部材積層体20側から載置部40側に付勢されているため、連結部材積層体20は載置部40上に保持される。なお、保持ピン50及び保持ピン固定部60は、本発明に係る保持部の代表的な一例である。
【0029】
なお、保持ピン固定部60は、載置部40に設けず、キャリアテープ連結装置側に設けてもよい。又、載置部40、保持ピン50、及び保持ピン固定部60をキャリアテープ連結装置側に設け、連結部材積層体20のみをキャリアテープ連結装置に着脱可能としてもよい。例えば、後述のキャリアテープ連結装置100において、保持ピン固定部60や載置部40、保持ピン50等は、第1連結部材モジュール載置部252や第2連結部材モジュール載置部262近傍に設けることができる。
【0030】
[連結部材モジュールの製造方法]
次に、第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造方法について説明する。図5〜図10は、第1の実施の形態に係る連結部材モジュールの製造工程を例示する図である。なお、図5〜図7において、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。
【0031】
まず、図5に示す工程では、基材層32を準備する。基材層32の平面形状は、例えば、A2サイズやA3サイズ等とすることができる。基材層32としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、オレフィン系フィルム等を用いることができる。但し、前述のように、基材層32として一軸延伸の材料を用いてもよい。基材層32の厚さは、例えば、10〜100μm程度とすることができるが、前述のように、20〜70μm程度とすることが好ましく、20〜50μm程度とすると、更に好ましい。
【0032】
次に、図6に示す工程では、基材層32の一方の面に剥離層31を形成し、他方の面に粘着層33を形成して、連結部材30を作製する。剥離層31は、例えば、基材層32の一方の面にシリコーンフィルム等をラミネートすることにより形成できる。基材層32の一方の面に液状のシリコーン等を塗布しても構わない。剥離層31の厚さは、例えば、0.05〜50μm程度とすることができるが、剥離効果をより高めるためには0.1〜20μm程度とすることが好ましい。粘着層33は、例えば、基材層32の他方の面に前述の導電性粘着剤等を印刷等することにより形成できる。粘着層33の厚さは、例えば、10〜100μm程度とすることができる。
【0033】
次に、図7に示す工程では、図5及び図6に示す工程を繰り返して、複数の連結部材30を作製した後、各連結部材30を積層し、更に、各連結部材30を貫通する貫通孔30xを形成する。貫通孔30xの平面形状は、例えば円形状であり、その直径は、例えば2.0mm程度とすることができる。貫通孔30xは、例えば、貫通孔30xに対応する凸部を有する金型を用いてプレス加工することにより形成できる。なお、貫通孔30xは、全ての連結部材30を積層してから形成してもよいし、連結部材30の一部を積層して貫通孔30xを形成した部材を複数個作製し、それらの貫通孔30xの孔位置を合わせて更に積層しても構わない。例えば、連結部材30を200層積層してから一気に貫通孔30xを形成してもよいし、連結部材30を50層積層して貫通孔30xを形成した部材を4個作製し、それらの貫通孔30xの孔位置を合わせて更に積層して200層としても構わない。
【0034】
次に、図8に示す工程では、各連結部材30に、貫通孔30xが形成されている領域と、貫通孔30xが形成されていない領域とを分離するスリット列34(ミシン目)を形成する。スリット列34は、例えば、スリット列34に対応する刃を有する金型を用いてプレス加工することにより形成できる。なお、基材層32として一軸延伸の材料を用いて一方向(連結部材30の長手方向)のみに引き裂き性能を持たせた場合には、スリット列34を形成しなくてもよいため、この工程は省略できる。
【0035】
次に、図9に示す工程では、図8に示す構造体を個片化し、連結部材積層体20を作製する。連結部材積層体20は、例えば、連結部材積層体20の外形形状に対応する金型を用いてプレス加工することにより形成できる。なお、図8に示す工程と図9に示す工程とを、一の金型を用いて同一工程としても構わない。
【0036】
次に、図10に示す工程では、所定形状の金型を用いたプレス加工や樹脂成形等により、載置部40、保持ピン50、及び保持ピン固定部60を作製する。そして、載置部40の各凹部40z内に、圧入や接着等により、それぞれ保持ピン固定部60を固定する。そして、連結部材積層体20の貫通孔30xと、載置部40の貫通孔40xとを位置合わせしながら、連結部材積層体20を載置部40に載置し、貫通孔30x及び40xのうちの所定の4カ所に保持ピン50を挿入する。これにより、連結部材積層体20が載置部40に載置され、保持ピン50の頭部52のテーパー状の傾斜面が貫通孔30xの内壁面の最上部と接し、かつ、保持ピン固定部60により保持ピン50が連結部材積層体20側から載置部40側に付勢された連結部材モジュール10(図1〜図4参照)が完成する。
【0037】
なお、第1の実施の形態では、図6に示す工程において、基材層32の他方の面の全面をほぼ完全に覆うように粘着層33を形成する例を示した。しかしながら、粘着層33は、基材層32の他方の面の全面をほぼ完全に覆うように形成しなくてもよく、所定のパターンを有するように形成してもよい。図11〜図14は、基材層の他方の面に形成する粘着層のパターンを例示する図である。なお、図11〜図14において、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。又、図11〜図14の各平面図において、便宜上、粘着層33の部分を梨地で示している。
【0038】
図11に示すように、基材層32の他方の面に平面形状が円形や楕円形等の多数の凸部を水玉模様状に点在させて粘着層33としてもよい。又、図12に示すように、基材層32の他方の面に平面形状が矩形の多数の凸部を升目模様状に点在させて粘着層33としてもよい。又、図13に示すように、基材層32の他方の面に平面形状が線状の多数の凸部を縦横に(格子状に)交差させて粘着層33としてもよい。図11〜図13において、粘着層33は、例えば、基材層32の他方の面に粘着層33を形成する領域のみを露出するマスクを配置し、マスクを介して前述の導電性粘着剤等を印刷することにより形成できる。
【0039】
又、図14に示すように、基材層32をエンボス加工して、基材層32の他方の面に平面形状が円形や楕円形等の多数の凸部を形成し、基材層32の他方の面の凸部が形成されていない領域に粘着層33を形成しても良い。この場合には、基材層32の他方の面にマスクを配置することなく、基材層32の他方の面の凸部が形成されていない領域に前述の導電性粘着剤等を印刷することにより粘着層33を形成できる。
【0040】
図11〜図14に示すように、基材層32の他方の面に所定のパターンを有するように部分的に粘着層33を形成することにより、粘着層33を基材層32の他方の面の全面をほぼ完全に覆うように形成した場合(図6の例)に比べて、隣接する連結部材30の剥離層31との剥離性を向上できる。なお、平面視において、基材層32の他方の面の面積に対する粘着層33の面積の比率は、50%以上とすることが好ましい。
【0041】
[連結部材モジュールを用いたキャリアテープの連結方法]
次に、第1の実施の形態に係る連結部材モジュールを用いたキャリアテープの連結方法について説明する。始めに、連結の対象となるキャリアテープについて説明する。図15は、連結するキャリアテープの一部分を例示する平面図である。図15を参照するに、キャリアテープ90A及び90Bは、それぞれ紙製やプラスチック製のベースフィルム91に、部品収納部92及びスプロケットホール93が設けられた部材であり、実装機に装着されて電子部品を実装するためにリール(図示せず)に巻き付けられている。
【0042】
部品収納部92は、抵抗やコンデンサ、半導体等の電子部品が収納される凹部であり、ベースフィルム91の長手方向に沿った所定領域に所定ピッチで連続的に設けられている。スプロケットホール93は、キャリアテープ90A及び90Bが実装機に装着された際に、モータにより駆動されるスプロケットのピンと噛み合って、キャリアテープ90A及び90Bをピッチ送りするための貫通孔であり、ベースフィルム91の長手方向に沿った部品収納部92とは異なる領域に所定ピッチで連続的に設けられている。
【0043】
キャリアテープ90A及び90Bのそれぞれのベースフィルム91上には、各部品収納部92を覆うようにカバーテープ94が貼り付けられている。キャリアテープ90Aの終端部90x及びキャリアテープ90Bの始端部90yの近傍に配置された部品収納部92には部品は収納されてなく、他の部分には収納されている。キャリアテープ90A及び90Bが実装機に装着されて部品を実装する際には、カバーテープ94をベースフィルム91から剥離し、部品収納部92内に収納した部品を順次露出させて供給することができる。なお、カバーテープ94は透明であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0044】
ところで、キャリアテープ90Aの部品収納部92に収納された全部品の実装が終了した際に、更に実装を継続するためには、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとを連結する必要がある。連結することで、キャリアテープ90Bは、キャリアテープ90Aと連続的に実装機に装着されるため、部品収納部92に収納された部品の実装を継続することができる。なお、キャリアテープ90Aの終端部90x及びキャリアテープ90Bの始端部90yは、連結されたときに部品収納部92及びスプロケットホール93が所定のピッチで連続するような相補的な形状に切断されている。
【0045】
次に、図16〜図20を参照しながら、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとを連結する方法について説明する。なお、図20において、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。
【0046】
まず、図16に示すように、2つの連結部材モジュール10を準備する。そして、各連結部材モジュール10の最表面側(載置部40の反対側)の連結部材30(以降、1層目の連結部材30と称する場合がある)同士を対向させ、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとを合致させた状態で、各連結部材モジュール10の1層目の連結部材30間に配置する。この際、キャリアテープ90A及び90Bのそれぞれのスプロケットホール93と、キャリアテープ90A及び90Bを挟持する各連結部材モジュール10の貫通孔30xとを位置合わせする。なお、前述のように、各保持ピン50の頭部52の最大径部近傍は各連結部材積層体20の最表面から突出しているため、この時点では、各連結部材積層体20の最表面はキャリアテープ90A及び90Bの表面及び裏面と全く接していないか、ほとんど接していない。
【0047】
次に、図17に示すように、各保持ピン50を除く各連結部材モジュール10を、両側からキャリアテープ90A及び90B側(図17の矢印方向)に押圧する。これにより、柔軟性を有する各連結部材積層体20の最表面はキャリアテープ90A及び90Bの表面及び裏面と接するため、各連結部材積層体20は最表面の粘着層33によりキャリアテープ90A及び90Bの表面及び裏面に接着される。
【0048】
次に、図18に示すように、キャリアテープ90A及び90Bを挟持する各連結部材モジュール10を、キャリアテープ90A及び90Bから引き離す(図18の矢印方向)。ここで、各連結部材積層体20の1層目の連結部材30の粘着層33は、キャリアテープ90A及び90Bの表面及び裏面と強力に接着されている。そのため、頭部52の最大径が貫通孔30xの直径よりも大きくても、図19に示すように、各連結部材積層体20の1層目の連結部材30の粘着層33とキャリアテープ90A及び90Bの表面及び裏面との接着が剥がれることはなく、各連結部材積層体20の保持ピン50の頭部52は1層目の連結部材30を抜けてキャリアテープ90A及び90Bから更に引き離される。
【0049】
続いて、頭部52のテーパー状の傾斜面が1層目の連結部材30に隣接する2層目の連結部材30に接するが、1層目の連結部材30と2層目の連結部材30とは、1層目の連結部材30の剥離層31と2層目の連結部材30の粘着層33との弱い接着力のみにより固定されている。そのため、図19に示すように、各連結部材積層体20の保持ピン50の頭部52は2層目の連結部材30を抜けることなく、各連結部材積層体20の1層目の連結部材30の剥離層31と2層目の連結部材30の粘着層33との界面が剥離して、2層目以降の連結部材30は保持ピン50と共に引き離される。
【0050】
このようにして、各連結部材積層体20の1層目の連結部材30のみがキャリアテープ90A及び90Bの表面及び裏面に接着され、図20に示すように、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとが連結される。ここで、スリット列34(ミシン目)は、部品収納部92の列とスプロケットホール93の列との間(例えば、カバーテープ94のスプロケットホール93側の端部上)に位置するように、予め設計されている。つまり、スリット列34により、連結部材30のベースフィルム91に貼り付けられる部分とカバーテープ94に貼り付けられる部分とを分離可能である。
【0051】
前述のように、カバーテープ94は、部品収納部92内に収納した部品を順次露出させて供給するために部品実装時に剥離される。その際、終端部90xと始端部90yとを連結する連結部材30はスリット列34で分離され、連結部材30のカバーテープ94上に貼り付けられた部分はカバーテープ94と共に剥離される。そのため、連結部材30の存在により実装に支障が生じることはない。
【0052】
なお、剥離層31及び基材層32に透明材料を用いると、図20の状態において、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとの連結状態を確認でき好適である。又、粘着層33に色つきの材料を用いると、図20の状態において、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとの連結部分を容易に検知でき好適である。
【0053】
[キャリアテープ連結装置の構造]
次に、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の構造について説明する。図21は、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置を例示する前方斜視図である。図22は、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置を例示する後方斜視図である。図21及び図22を参照するに、キャリアテープ連結装置100は、大略すると、本体200と、正面側カバー300と、背面側カバー310とを有する。正面側カバー300及び背面側カバー310は、本体200の大部分を収容するように、本体200にねじ等により固定されている。
【0054】
正面側カバー300は開口部を有し、開口部からは本体200のキャリアテープ載置部240、第1連結部材モジュール載置部252、第1連結部材モジュール保持部253、第2連結部材モジュール載置部262、第2連結部材モジュール保持部263、第1キャリアテープ押さえ部264、及び第2キャリアテープ押さえ部265が突出している。背面側カバー310は開口部を有し、開口部からは本体200の第1把持部281、及び第2把持部282が突出している。
【0055】
図23は、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の本体を例示する前方斜視図である。図24は、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の本体を例示する後方斜視図である。図23及び図24は、図21及び図22において正面側カバー300及び背面側カバー310を取り外した状態を示している。図23及び図24を参照するに、本体200は、大略すると、底板210と、天板220と、第1支柱230と、第2支柱231と、キャリアテープ載置部240と、第1摺動部250と、第2摺動部260と、回動機構270とを有する。
【0056】
底板210及び天板220は、略平板状の部材であり、第1支柱230及び第2支柱231を介して互いに略平行に固定されている。第1支柱230及び第2支柱231は、底板210と天板220との間に互いに略平行に立設された略円柱状の部材である。第1支柱230及び第2支柱231は、底板210及び天板220と略垂直である。
【0057】
キャリアテープ載置部240は、第1支柱230及び第2支柱231に挿通された状態で底板210と天板220の中央部近傍に固定されている。キャリアテープ載置部240は、第1キャリアテープ押さえ部264及び第2キャリアテープ押さえ部265と当接する略平坦な当接面241と、一方のキャリアテープを載置する略平坦な載置面242と、他方のキャリアテープを載置する略平坦な載置面243とを有する。
【0058】
載置面242及び243は、当接面241よりも正面側カバー300(図21及び図22参照)方向に突出し、当接面241よりも一段下がった位置に設けられている。なお、載置面242及び243は同一平面に位置している。載置面242には、一方のキャリアテープのスプロケットホールに挿入されて一方のキャリアテープを位置決めする凸部242a及び242bが設けられている。載置面243には、他方のキャリアテープのスプロケットホールに挿入されて他方のキャリアテープを位置決めする凸部243a及び243bが設けられている。
【0059】
載置面242と載置面243とは横方向に所定の間隔を有するため、載置面242及び243に一方のキャリアテープ及び他方のキャリアテープを載置すると、一方のキャリアテープ及び他方のキャリアテープのそれぞれの表面及び裏面の連結部材を貼り付ける領域が露出される。キャリアテープ載置部240と天板220との間には、第1支柱230及び第2支柱231と略平行に立設された略円柱状の部材である第3支柱245及び第4支柱246が設けられている。
【0060】
第1摺動部250は、摺動部本体251と、第1連結部材モジュール載置部252と、第1連結部材モジュール保持部253と、第1把持部281とを有する。摺動部本体251は、摺動可能な状態で第1支柱230及び第2支柱231に挿通されている。第1連結部材モジュール載置部252は、摺動部本体251の正面上部から正面側カバー300(図21及び図22参照)方向に延在している。第1把持部281は、摺動部本体251の背面上部から背面側カバー310(図21及び図22参照)方向に延在している。
【0061】
第1連結部材モジュール載置部252は、連結部材モジュール10を1層目の連結部材30を上側に向けた状態で載置する略平坦な載置面252aを有する。載置面252aには、連結部材モジュール10を位置決めする位置決め部252bが載置面252aから突起するように設けられている。第1連結部材モジュール載置部252には、第1連結部材モジュール載置部252を貫通する貫通孔252xが設けられている。貫通孔252xは、連結部材モジュール10の保持ピン50を挿入するため孔である。
【0062】
第1連結部材モジュール保持部253は、軸253aを中心に回動可能な状態で第1連結部材モジュール載置部252に固定されており、第1連結部材モジュール載置部252の側面から上側に突出する一対の保持部材253bを有する。第1連結部材モジュール保持部253は、一対の保持部材253bの上側が正面側カバー300に近づく方向に傾斜するようにばね(図示せず)で付勢されており、ばね(図示せず)の力に逆らって、一対の保持部材253bの上側が正面側カバー300から離れる方向に軸253aを中心に回動可能である。
【0063】
第2摺動部260は、摺動部本体261と、第2連結部材モジュール載置部262と、第2連結部材モジュール保持部263と、第1キャリアテープ押さえ部264と、第2キャリアテープ押さえ部265と、第2把持部282とを有する。摺動部本体261には、第1側面突起部261a、第2側面突起部261b、第3側面突起部261c、及び第4側面突起部261dが設けられている。
【0064】
摺動部本体261は、摺動可能な状態で第1支柱230及び第2支柱231に挿通されている。又、第1側面突起部261aは摺動可能な状態で第3支柱245に挿通され、第3側面突起部261cは摺動可能な状態で第4支柱246に挿通されている。第2連結部材モジュール載置部262は、摺動部本体261の正面下部から正面側カバー300(図21及び図22参照)方向に延在している。第2把持部282は、摺動部本体261の背面下部から背面側カバー310(図21及び図22参照)方向に延在している。
【0065】
第2連結部材モジュール載置部262は、第1連結部材モジュール載置部252が載置する連結部材モジュール10とは異なる連結部材モジュール10を、1層目の連結部材30を下側に向けた状態で載置する略平坦な載置面を有する。載置面262aには、連結部材モジュール10を位置決めする位置決め部262bが載置面262aから突起するように設けられている。第2連結部材モジュール載置部262には、第2連結部材モジュール載置部262を貫通する貫通孔262x(図示せず)が設けられている。貫通孔262xは、連結部材モジュール10の保持ピン50を挿入するため孔である。
【0066】
第2連結部材モジュール保持部263は、軸263aを中心に回動可能な状態で第2連結部材モジュール載置部262に固定されており、第2連結部材モジュール載置部262の側面から下側に突出する一対の保持部材263bを有する。第2連結部材モジュール保持部263は、一対の保持部材263bの下側が正面側カバー300に近づく方向に傾斜するようにばね(図示せず)で付勢されており、ばね(図示せず)の力に逆らって、一対の保持部材263bの下側が正面側カバー300から離れる方向に軸263aを中心に回動可能である。
【0067】
なお、第1把持部281と第2把持部282とは、後述する第1付勢部272及び第2付勢部273に付勢されて所定の間隔(最大間隔)に保たれており、人間の手等で力を加えて第1把持部281と第2把持部282との間隔を狭くすることにより、第1摺動部250及び第2摺動部260を第1支柱230及び第2支柱231方向に摺動させることができる。
【0068】
第1キャリアテープ押さえ部264は、摺動可能な状態で第1支柱230及び第3支柱245に挿通されている。第1キャリアテープ押さえ部264と第1側面突起部261aとの間に位置する第3支柱245の周囲には圧縮ばね247が設けられている。第3支柱245は、圧縮ばね247を位置決めするため、部分的に拡径されている。第1キャリアテープ押さえ部264には、第1間隔規定部264aが立設されている。第1間隔規定部264aは、第2側面突起部261bに設けられた貫通孔よりも小径の略円柱状の柱状部264bの一端に、第2側面突起部261bに設けられた貫通孔よりも大径のストッパー部264cが形成された部材である。柱状部264bは、第2側面突起部261bの貫通孔に挿入され、第1キャリアテープ押さえ部264に固定されている。ストッパー部264cは、初期状態(キャリアテープ連結装置100が動作していない状態)では、第2側面突起部261bの上面に接している。第1間隔規定部264aは、第1キャリアテープ押さえ部264と第2側面突起部261bとの最大間隔を規定する機能を有する。第1キャリアテープ押さえ部264の下面には、キャリアテープ載置部240の凸部242a及び242bに対応する貫通孔264e及び264f(図示せず)が設けられている。
【0069】
第2キャリアテープ押さえ部265は、摺動可能な状態で第2支柱231及び第4支柱246に挿通されている。第2キャリアテープ押さえ部265と第3側面突起部261cとの間に位置する第4支柱246の周囲には圧縮ばね248が設けられている。第4支柱246は、圧縮ばね248を位置決めするため、部分的に拡径されている。第2キャリアテープ押さえ部265には、第2間隔規定部265aが立設されている。第2間隔規定部265aは、第4側面突起部261dに設けられた貫通孔よりも小径の略円柱状の柱状部265bの一端に、第4側面突起部261dに設けられた貫通孔よりも大径のストッパー部265cが形成された部材である。柱状部265bは、第4側面突起部261dの貫通孔に挿入され、第2キャリアテープ押さえ部265に固定されている。ストッパー部265cは、初期状態では、第4側面突起部261dの上面に接している。第2間隔規定部265aは、第2キャリアテープ押さえ部265と第4側面突起部261dとの最大間隔を規定する機能を有する。第2キャリアテープ押さえ部265の下面には、キャリアテープ載置部240の凸部243a及び243bに対応する貫通孔265e及び265f(図示せず)が設けられている。
【0070】
初期状態では、第1キャリアテープ押さえ部264と第2側面突起部261bとの間隔、及び第2キャリアテープ押さえ部265と第4側面突起部261dとの間隔は、圧縮ばね247及び248により付勢され、それぞれ最大間隔となっている。なお、第1キャリアテープ押さえ部264と第2側面突起部261bとの最大間隔は、第2キャリアテープ押さえ部265と第4側面突起部261dとの最大間隔よりも数mm程度広くされている。換言すれば、第1キャリアテープ押さえ部264の下面とキャリアテープ載置部240の載置面242との間隔は、第2キャリアテープ押さえ部265の下面とキャリアテープ載置部240の載置面243との間隔よりも数mm程度狭くされている。
【0071】
回動機構270は、回動部271と、第1付勢部272と、第2付勢部273とを有する。回動部271は、キャリアテープ載置部240の背面に設けられた軸271aを中心にして回動可能な状態で固定されている略S字状の部材である。回動部271の一端にはR状に湾曲した第1貫通孔271bが形成され、他端にはR状に湾曲した第2貫通孔271cが形成されている。第1貫通孔271bには、摺動部本体251の裏面右側端部に設けられた凸部251xが嵌合している。第2貫通孔271cには、摺動部本体261の裏面左側端部に設けられた凸部261xが嵌合している。第1摺動部250は第1付勢部272により底板210側に付勢され、第2摺動部260は第2付勢部273により天板220側に付勢されている。その結果、第1摺動部250及び第2摺動部260は所定の間隔(最大間隔)に保たれており、人間の手等で力を加えて第1摺動部250に含まれる第1把持部281と第2摺動部260に含まれる第2把持部282との間隔を狭くすることにより第1支柱230及び第2支柱231方向に摺動可能とされている。
【0072】
[キャリアテープ連結装置の動作]
次に、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作について説明する。図25〜図31は、第1の実施の形態に係るキャリアテープ連結装置の動作を例示する図である。なお、各図において、(a)は正面図、(b)は背面図である。但し、便宜上、(a)の正面図及び(b)の背面図において、図23及び図24で図示した部材の一部は省略されている。
【0073】
まず、図25に示すように、保持ピン50を第1連結部材モジュール載置部252の4つの貫通孔252xに挿入しながら、連結部材モジュール10(以降、第1の連結部材モジュール10Aとする)を第1連結部材モジュール載置部252に載置し、2つの凸部41を一対の保持部材253bに係合させて第1連結部材モジュール保持部253で保持する。第1の連結部材モジュール10Aは、1層目の連結部材30を上側に向けた状態で載置面252aに載置され、位置決め部252bが第1の連結部材モジュール10Aの載置部40に設けられた中空部40yと嵌合して位置決めされる。
【0074】
同様に、保持ピン50を第2連結部材モジュール載置部262の4つの貫通孔262xに挿入しながら、他の連結部材モジュール10(以降、第2の連結部材モジュール10Bとする)を第2連結部材モジュール載置部262に載置し、2つの凸部41を一対の保持部材263bに係合させて第2連結部材モジュール保持部263で保持する。第2の連結部材モジュール10Bは、1層目の連結部材30を下側に向けた状態で載置面262aに載置され、位置決め部262bが第2の連結部材モジュール10Bの載置部40に設けられた中空部40yと嵌合して位置決めされる。
【0075】
次に、図26に示すように、キャリアテープ載置部240の載置面242に、キャリアテープ90Bを載置する。具体的には、キャリアテープ載置部240の凸部242a及び242bにキャリアテープ90Bのスプロケットホール93のうちの2個を挿入しながら、キャリアテープ90Bの始端部90yがキャリアテープ載置部240の中央部近傍に位置するように載置する。なお、凸部242aと凸部242bのピッチは、キャリアテープ90Bのスプロケットホール93のピッチの整数倍とされている。
【0076】
次に、図27に示すように、第1把持部281及び第2把持部282に人間の手等で力を加え、第1把持部281と第2把持部282とを互いに接近する方向に摺動させて、第1キャリアテープ押さえ部264の下面をキャリアテープ90Bの上面と当接させる。第1把持部281と第2把持部282とを互いに接近する方向に摺動させると、それに伴って、第1摺動部250はキャリアテープ載置部240に接近する方向に摺動する。又、第2摺動部260、第1キャリアテープ押さえ部264、及び第2キャリアテープ押さえ部265は、互いに所定の間隔に保たれた状態でキャリアテープ載置部240に接近する方向に摺動し、第1キャリアテープ押さえ部264の下面がキャリアテープ90Bの上面と当接する。これにより、キャリアテープ90Bはキャリアテープ載置部240の載置面242と第1キャリアテープ押さえ部264の下面との間に挟持された状態で保持される。なお、この状態では、キャリアテープ載置部240の載置面243と第2キャリアテープ押さえ部265との間には数mm程度の隙間が形成されている。
【0077】
次に、図28に示すように、キャリアテープ載置部240の載置面243に、キャリアテープ90Aを載置する。具体的には、キャリアテープ載置部240の凸部243a及び243bにキャリアテープ90Aのスプロケットホール93のうちの2個を挿入しながら、キャリアテープ90Aの終端部90xがキャリアテープ90Bの始端部90yと合致するように載置する。なお、凸部243a及び243bのピッチは、キャリアテープ90Aのスプロケットホール93のピッチの整数倍とされている。
【0078】
次に、図29に示すように、第1把持部281及び第2把持部282に人間の手等で力を加え、第1把持部281と第2把持部282とを更に接近する方向に摺動させて、第2キャリアテープ押さえ部265の下面をキャリアテープ90Aの上面と当接させる。第1把持部281と第2把持部282とを更に接近する方向に摺動させると、それに伴って、第1摺動部250はキャリアテープ載置部240に更に接近する方向に摺動する。又、第2摺動部260及び第2キャリアテープ押さえ部265は、互いに所定の間隔に保たれた状態でキャリアテープ載置部240に接近する方向に摺動し、第2キャリアテープ押さえ部265の下面がキャリアテープ90Aの上面と当接する。これにより、キャリアテープ90Aはキャリアテープ載置部240の載置面243と第2キャリアテープ押さえ部265の下面との間に挟持された状態で保持される。つまり、キャリアテープ90Aの終端部90xがキャリアテープ90Bの始端部90yと合致した状態で、キャリアテープ90Aとキャリアテープ90Bとがキャリアテープ載置部240上に保持される。
【0079】
次に、図30に示すように、第1把持部281及び第2把持部282に人間の手等で力を加え、第1把持部281と第2把持部282とを更に接近する方向に摺動させて、第1の連結部材モジュール10Aの1層目の連結部材30をキャリアテープ90A及び90Bのそれぞれの裏面と当接させ、第2の連結部材モジュール10Bの1層目の連結部材30をキャリアテープ90A及び90Bのそれぞれの表面と当接させる。そして、第1把持部281と第2把持部282とを更に接近する方向に摺動させて、第1の連結部材モジュール10A及び第2の連結部材モジュール10Bをそれぞれキャリアテープ90A及び90B側に押圧する。この際、第1の連結部材モジュール10A及び第2の連結部材モジュール10Bの各保持ピン50は各貫通孔30x、40x、及び252x(262x)に摺動自在に挿入されているため、各保持ピン50を除く部分のみがキャリアテープ90A及び90B側に押圧される。
【0080】
次に、図31に示すように、第1把持部281及び第2把持部282に力を加えることを停止し、初期状態に戻す。これにより、第1の連結部材モジュール10Aの1層目の連結部材30は終端部90x及び始端部90yを跨ぐようにキャリアテープ90A及び90Bの裏面に貼り付けられる。又、第2の連結部材モジュール10Bの1層目の連結部材30は終端部90x及び始端部90yを跨ぐようにキャリアテープ90A及び90Bの表面に貼り付けられる。なお、前述の図19で説明したように、各連結部材積層体20の保持ピン50の頭部52は2層目の連結部材30を抜けることなく、各連結部材積層体20の1層目の連結部材30の剥離層31と2層目の連結部材30の粘着層33との界面が剥離して、2層目以降の連結部材30は保持ピン50と共に引き離される。このようにして、キャリアテープ90Aの終端部90xとキャリアテープ90Bの始端部90yとを各1層目の連結部材30のみで両側から連結することができる。
【0081】
なお、キャリアテープ連結装置100は、第1支柱230や第2支柱231を鉛直方向に向けた状態のみでなく、第1支柱230や第2支柱231を水平方向や斜め方向に向けた状態でも動作可能である。
【0082】
このように、第1の実施の形態に係る連結部材積層体を用いることにより、2つのキャリアテープの終端部と始端部とを容易に連結可能となる。又、第1の実施の形態に係る連結部材モジュール、キャリアテープ連結方法、及びキャリアテープ連結装置を用いることにより、連結部材積層体の1層目の連結部材30のみを確実に2つのキャリアテープの終端部と始端部とを跨ぐように貼り付けることが可能となる。
【0083】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、保持ピン固定部を載置部と一体的に形成する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0084】
図32は、第1の実施の形態の変形例1に係る保持ピン固定部を例示する図である。なお、図32において、(a)は下方部分斜視図、(b)は部分底面図、(c)は(b)のE−E線に沿う断面図である。図32を参照するに、保持ピン固定部43は、載置部40と一体的に形成されている。
【0085】
載置部40には、4個の保持ピン固定部43が形成されている。各保持ピン固定部43は、連結部材積層体20と反対側に所定角傾斜して対向する1組の戻り止め爪43aから構成されており、載置部40の下面側から突出している保持ピン50を固定している。各保持ピン固定部43の各戻り止め爪43aは、可撓性を有する。
【0086】
各保持ピン固定部43において、対向する戻り止め爪43aの先端部間には隙間が形成されている。各保持ピン固定部43において、対向する戻り止め爪43aの先端部の形成する隙間は、各連結部材30に形成された貫通孔30xのうちの4個に対応する位置に形成されており、それぞれに保持ピン50が挿入されている。対向する戻り止め爪43aの先端部の形成する隙間は、棒状部51の最大径より小さくされている。
【0087】
対向する戻り止め爪43aの先端部は、保持ピン50の溝51xに両側から係合している。各保持ピン固定部43の対向する戻り止め爪43aは連結部材積層体20の反対側に所定角傾斜しているため、対向する戻り止め爪43a間に保持ピン50が挿入されると、戻り止め爪43aは連結部材積層体20の反対側には変形し易いが連結部材積層体20側には変形し難い。つまり、保持ピン50を連結部材積層体20の貫通孔30x及び各保持ピン固定部43の対向する戻り止め爪43a間に挿入し易く、載置部40側から連結部材積層体20側には抜け難くすることができる。
【0088】
なお、各戻り止め爪43aの先端部は、溝51xのうちの1つに係合可能な形状としてもよいし、複数個の溝51xと係合可能な形状としてもよい。載置部40及び保持ピン固定部43は、例えば、アルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料や、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)等の樹脂材料等により形成できる。なお、保持ピン50及び保持ピン固定部43は、本発明に係る保持部の代表的な一例である。
【0089】
なお、保持ピン固定部43を含む載置部40及び保持ピン50を何れも樹脂材料から形成する場合には、保持ピン固定部43を含む載置部40の形成に用いる樹脂材料の硬度を保持ピン50の形成に用いる樹脂材料の硬度よりも固くすることが好ましい。保持ピン50を保持ピン固定部43で容易に保持できるようにするためである。
【0090】
このように、保持ピン固定部を載置部と一体的に形成することにより、連結部材モジュールの構成部品点数を削減できるため、第1の実施の形態よりも連結部材モジュールの製造コストを低減可能となる。
【0091】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態の変形例2では、保持ピン固定部を載置部と一体的に形成する他の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0092】
図33は、第1の実施の形態の変形例2に係る保持ピン固定部を例示する図である。なお、図33において、(a)は下方部分斜視図、(b)は部分底面図、(c)は(b)のF−F線に沿う断面図である。図33を参照するに、保持ピン固定部44は、載置部40と一体的に形成されている。
【0093】
載置部40には、4個の保持ピン固定部44が形成されている。各保持ピン固定部44は、連結部材積層体20と反対側に所定角傾斜して対向する2組の戻り止め爪44a及び2組の保持ピンガイド44bから構成されており、載置部40の下面側から突出している保持ピン50を固定している。各保持ピン固定部44において、戻り止め爪44aと保持ピンガイド44bとは交互に配置されている。各保持ピン固定部44の各戻り止め爪44aは、可撓性を有する。
【0094】
各保持ピン固定部44において、対向する2組の戻り止め爪44aの先端部間及び対向する2組の保持ピンガイド44bの先端部間には隙間が形成されている。対向する2組の戻り止め爪44aの先端部及び対向する2組の保持ピンガイド44bの先端部の形成する隙間は、各連結部材30に形成された貫通孔30xのうちの4個に対応する位置に形成されており、それぞれに保持ピン50が挿入されている。対向する2組の戻り止め爪44aの先端部間の隙間は、棒状部51の最大径より小さくされている。又、対向する保持ピンガイド44bの先端部間の隙間は、棒状部51の最大径と同等以上とされている。
【0095】
対向する戻り止め爪44aの先端部は、保持ピン50の溝51xに両側から係合している。各保持ピンガイド44bは保持ピン50の挿入をガイドする目的で設けられているため、各保持ピンガイド44bの先端部は比較的広い面とされており、保持ピン50の溝51xとは係合していない。各保持ピン固定部44の対向する戻り止め爪44aは連結部材積層体20の反対側に所定角傾斜しているため、対向する戻り止め爪44a間に保持ピン50が挿入されると、戻り止め爪44aは連結部材積層体20の反対側には変形し易いが連結部材積層体20側には変形し難い。つまり、保持ピン50を連結部材積層体20の貫通孔30x及び各保持ピン固定部44の対向する戻り止め爪44a間に挿入し易く、載置部40側から連結部材積層体20側には抜け難くすることができる。
【0096】
なお、各戻り止め爪44aの先端部は、溝51xのうちの1つに係合可能な形状としてもよいし、複数個の溝51xと係合可能な形状としてもよい。載置部40及び保持ピン固定部44は、例えば、アルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料や、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)等の樹脂材料等により形成できる。なお、保持ピン50及び保持ピン固定部44は、本発明に係る保持部の代表的な一例である。
【0097】
なお、保持ピン固定部44を含む載置部40及び保持ピン50を何れも樹脂材料から形成する場合には、保持ピン固定部44を含む載置部40の形成に用いる樹脂材料の硬度を保持ピン50の形成に用いる樹脂材料の硬度よりも固くすることが好ましい。保持ピン50を保持ピン固定部44で容易に保持できるようにするためである。
【0098】
このように、保持ピン固定部を載置部と一体的に形成することにより、連結部材モジュールの構成部品点数を削減できるため、第1の実施の形態よりも連結部材モジュールの製造コストを低減可能となる。
【0099】
〈第1の実施の形態の変形例3〉
第1の実施の形態の変形例3では、保持ピン固定部を載置部と一体的に形成する他の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例3において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0100】
図34は、第1の実施の形態の変形例3に係る保持ピン固定部を例示する図である。なお、図33において、(a)は下方部分斜視図、(b)は部分底面図、(c)は(b)のG−G線に沿う断面図である。図34を参照するに、保持ピン固定部45は、載置部40と一体的に形成されている。
【0101】
載置部40には、4個の保持ピン固定部45が形成されている。各保持ピン固定部45は、載置部40を貫通する貫通孔45a及び貫通孔45a周辺部に複数個設けられたスリット45bから構成されており、載置部40の下面側から突出している保持ピン50を固定している。各保持ピン固定部45において、各貫通孔45aは、各連結部材30に形成された貫通孔30xのうちの4個に対応する位置に形成されており、それぞれに保持ピン50が挿入されている。各貫通孔45aの直径は、棒状部51の最大径より小さくされている。なお、スリット45bは、例えば、貫通孔45aの半径方向に形成することができる。
【0102】
載置部40の各貫通孔45a周辺部の断面形状において、連結部材積層体20側は各貫通孔45aの内壁に向かって傾斜している。つまり、各貫通孔45a周辺部(棒状部51と係合する側)は尖っており、保持ピン50の溝51xに係合している。なお、各貫通孔45aの内壁は、溝51xのうちの1つに係合可能な形状としてもよいし、複数個の溝51xと係合可能な形状としてもよい。
【0103】
貫通孔45a周辺部に所定間隔で複数のスリット45bを設け、かつ、各貫通孔45a周辺部の連結部材積層体20側を薄くしているため、各貫通孔45a周辺部の隣接するスリット45b間の部分がそれぞれ可撓性を有し、貫通孔45aに保持ピン50が挿入されると、隣接するスリット45b間の部分は連結部材積層体20の反対側には変形し易いが連結部材積層体20側には変形し難い。つまり、保持ピン50を連結部材積層体20の貫通孔30x及び各貫通孔45aに挿入し易く、載置部40側から連結部材積層体20側には抜け難くすることができる。なお、図34の例ではスリット45bは各貫通孔45a周辺部に略90度間隔で設けられているが、スリット45bは略90度以外の間隔で設けてもよく、又、4個以外の個数としてもよい。
【0104】
載置部40及び保持ピン固定部45は、例えば、アルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料や、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)等の樹脂材料等により形成できる。なお、保持ピン50及び保持ピン固定部45は、本発明に係る保持部の代表的な一例である。
【0105】
なお、保持ピン固定部45を含む載置部40及び保持ピン50を何れも樹脂材料から形成する場合には、保持ピン固定部45を含む載置部40の形成に用いる樹脂材料の硬度を保持ピン50の形成に用いる樹脂材料の硬度よりも固くすることが好ましい。保持ピン50を保持ピン固定部45で容易に保持できるようにするためである。
【0106】
このように、保持ピン固定部を載置部と一体的に形成することにより、連結部材モジュールの構成部品点数を削減できるため、第1の実施の形態よりも連結部材モジュールの製造コストを低減可能となる。
【0107】
〈第1の実施の形態の変形例4〉
第1の実施の形態の変形例4では、第1の実施の形態とは形状の異なる保持ピンの例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例4において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0108】
図35は、第1の実施の形態の変形例4に係る保持ピンを例示する側面図(その1)である。図36は、第1の実施の形態の変形例4に係る保持ピンを例示する側面図(その2)である。図3等に示す保持ピン50に代えて、図35及び図36に示す保持ピン50A〜50Eを用いてもよい。
【0109】
図3等に示す保持ピン50の棒状部51の側面には、断面形状が直角三角形状の凸部が略一定間隔で環状に設けられて溝51xが形成されていた。図35(a)に示す保持ピン50Aの棒状部51Aの側面には、断面形状が二等辺三角形状の凸部が略一定間隔で環状に設けられて溝51yが形成されている。又、図35(b)に示す保持ピン50Bの棒状部51Bの側面には、断面形状がドーム状(先端が丸みをもって膨らんだ形状)の凸部が略一定間隔で環状に設けられて溝51zが形成されている。このように、棒状部の側面に形成される凸部の形状は任意とすることができる。
【0110】
図35(c)に示す保持ピン50Cの頭部52上には、更に第2頭部53及び第3頭部54が同心的に設けられている。第2頭部53の最大径は頭部52の最大径よりも大きく形成されており、第3頭部54の最大径は第2頭部53の最大径よりも大きく形成されている。頭部52の最大径が例えば2.1mmであれば、第2頭部53の最大径は例えば2.2mm程度、第3頭部54の最大径は例えば2.3mm程度とすることができる。このように、端部側に行くに従って徐々に最大径が大きくなる複数の頭部を設けることにより、連結部材積層体20の1層目の連結部材30のみをより確実に2つのキャリアテープの終端部と始端部とを跨ぐように貼り付けることが可能となる。なお、頭部の個数は1個や3個には限定されず、2個や4個以上でもよい。
【0111】
図36(a)に示す保持ピン50Dの棒状部51Dの側面には溝が形成されていない。又、図36(b)に示す保持ピン50Eの棒状部51Eの側面には溝が形成されていなく、逆テーパー状の頭部52Eの傾斜部分は曲線状(凹型R形状)である。このように、保持ピンの棒状部の側面には必ずしも溝が形成されていなくても構わない。保持ピンの棒状部は、側面側から保持ピン固定部により押さえられるため、棒状部の側面に溝が形成されていなくても、保持ピンを載置部40側から連結部材積層体20側に動き難く(抜け難く)することができる。又、保持ピンの頭部の傾斜部分は直線状であってもよく、曲線状であってもよく、両者を組み合わせた形状であってもよい。
【0112】
〈第1の実施の形態の変形例5〉
第1の実施の形態のキャリアテープ連結装置100では、第1摺動部250及び第2摺動部260を手動で摺動させる例を示したが、第1の実施の形態の変形例5では、第1摺動部250及び第2摺動部260を電動で摺動させる例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例5において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0113】
図37は、第1の実施の形態の変形例5に係るキャリアテープ連結装置を例示する背面図である。なお、第1の実施の形態の変形例5に係るキャリアテープ連結装置を例示する正面図は、図25(a)等と同様であるため、図示は省略する。
【0114】
図37を参照するに、キャリアテープ連結装置100Aは、回動機構270(回動部271、第1付勢部272、第2付勢部273等)が削除され、モータ291、第1ギア292、第2ギア293、第3ギア294、及び制御装置(図示せず)やモータ駆動回路等(図示せず)を含む駆動手段が追加された点がキャリアテープ連結装置100(図23、図24等参照)と相違する。なお、図37は、第1摺動部250及び第2摺動部260を電動で摺動させる駆動手段の一例を示しており、駆動手段は図37の例には限定されず、様々な機構を採用することができる。
【0115】
第1ギア292はモータ291に軸支されており、モータ291により回転駆動される。第2ギア293は、第1摺動部250にねじ等により固定されており、第1ギア292の回転運動を並進運動に変換する。第3ギア294は第2摺動部260にねじ等により固定されており、第1ギア292の回転運動を並進運動に変換する。
【0116】
制御装置(図示せず)の指令に従ってモータ駆動回路(図示せず)が動作すると、モータ291に軸支されている第1ギア292が回転する。第1ギア292が所定方向に回転すると、第2ギア293が固定されている第1摺動部250と、第3ギア294が固定されている第2摺動部260とが、互いに接近する方向に摺動する。又、第1ギア292が所定方向と反対方向に回転すると、第2ギア293が固定されている第1摺動部250と、第3ギア294が固定されている第2摺動部260とが、互いに離間する方向に摺動する。
【0117】
制御装置(図示せず)は、例えばCPU、ROM、メインメモリ等を含み、制御装置(図示せず)の各種機能は、ROM等に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。但し、制御装置(図示せず)の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、制御装置(図示せず)は、物理的に複数の装置により構成されてもよい。又、制御装置(図示せず)は、キャリアテープ連結装置100A内に設けてもよいし、キャリアテープ連結装置100A外に設けてもよい。
【0118】
制御装置(図示せず)は、モータ291を制御する機能等を有する。制御装置(図示せず)は、例えば、モータ291を所定時間だけ一定方向に回転させ、所定時間停止させた後、所定時間だけ反対方向に回転させることができる。又、制御装置(図示せず)は、例えば、スイッチ(図示せず)が押されたことを検出してモータ291を所定時間だけ一定方向に回転させ、他のスイッチ(図示せず)が押されたことを検出してモータ291を停止させることができる。
【0119】
連結部材積層体を用いて、2つのキャリアテープの終端部と始端部とを連結させる場合には、まず、図25と同様にして、第1の連結部材モジュール10A及び第2の連結部材モジュール10Bをセットする。そして、キャリアテープ載置部240の載置面243にキャリアテープ90Aを載置し、キャリアテープ載置部240の載置面242にキャリアテープ90Bを載置する。
【0120】
この状態で、モータ291を所定時間だけ一定方向に回転させた後に所定時間停止させると、第1摺動部250と第2摺動部260とが互いに接近する方向に摺動して停止する。その結果、図30と同様に、第1の連結部材モジュール10Aの1層目の連結部材30がキャリアテープ90A及び90Bのそれぞれの裏面と当接し、第2の連結部材モジュール10Bの1層目の連結部材30をキャリアテープ90A及び90Bのそれぞれの表面と当接し、第1の連結部材モジュール10A及び第2の連結部材モジュール10Bはそれぞれキャリアテープ90A及び90B側に押圧される。
【0121】
その後、モータ291を所定時間だけ反対方向に回転させた後に停止させると、第1摺動部250と第2摺動部260とが互いに離間する方向に摺動して停止する。その結果、図31と同様に、第1の連結部材モジュール10Aの1層目の連結部材30は終端部90x及び始端部90yを跨ぐようにキャリアテープ90A及び90Bの裏面に貼り付けられる。又、第2の連結部材モジュール10Bの1層目の連結部材30は終端部90x及び始端部90yを跨ぐようにキャリアテープ90A及び90Bの表面に貼り付けられる。
【0122】
なお、図30や図31の状態でモータ291を停止させるために、所定位置に位置検出スイッチ(センサ)等を設けてもよい。又、所定位置に複数の位置検出スイッチ(センサ)等を設け、時間管理と組み合わせることにより、図25〜図31に示した手動の動作と同様の動作を自動で実現することが可能である。更に、画像認識装置等と組み合わせてキャリアテープの載置状態等を監視し、制御装置(図示せず)の動作にフィードバックさせることが可能である。
【0123】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0124】
例えば、連結部材モジュール10において、保持ピン50は、キャリアテープのスプロケットホールを露出するために設けられた貫通孔30xの一部に挿入しているが、貫通孔30xとは別に保持ピン50を挿入するための専用の貫通孔を設けても構わない。
【0125】
又、保持ピンは、第1の実施の形態や第1の実施の形態の変形例4で例示した形状には限定されない。例えば、図3、図35(a)、図35(b)、図36(a)、図36(b)に示す各保持ピンにおいて、図35(c)のように複数の頭部を設けてもよい。又、図3、図35(a)、図35(b)、図35(c)、図36(a)に示す各保持ピンにおいて、図36(b)のように頭部の傾斜部分を曲線状としてもよい。又、図3、図35(a)、図35(b)、図35(c)、図36(a)、図36(b)に示す各保持ピンにおいて、各保持ピンを貫通孔に挿入し易くするために、各保持ピンの先端部分を細くしてもよい(細くした先端部分には凸部を設けない)。又、保持ピンの棒状部の側面に、環状の凸部に代えて、螺旋状の凸部(凸部の形状は任意)を設けてもよい。
【符号の説明】
【0126】
10 連結部材モジュール
10A 第1の連結部材モジュール
10B 第2の連結部材モジュール
20 連結部材積層体
30 連結部材
30x 貫通孔
31 剥離層
32 基材層
33 粘着層
34 スリット列
40 載置部
40x、45a 貫通孔
40y 中空部
40z 凹部
41 凸部
43、44、45、60 保持ピン固定部
43a、44a 戻り止め爪
44b 保持ピンガイド
45b スリット
50、50A、50B、50C、50D、50E 保持ピン
51、51A、51B、51D、51E 棒状部
51x 溝
52、52E 頭部
53 第2頭部
54 第3頭部
61 枠部
62 板ばね部
90A、90B キャリアテープ
90x 終端部
90y 始端部
91 ベースフィルム
92 部品収納部
93 スプロケットホール
94 カバーテープ
100、100A キャリアテープ連結装置
200 本体
210 底板
220 天板
230 第1支柱
231 第2支柱
240 キャリアテープ載置部
241 当接面
242、243 載置面
242a、242b、243a、243b、251x、261x 凸部
245 第3支柱
246 第4支柱
247、248 圧縮ばね
250 第1摺動部
251、261 摺動部本体
252 第1連結部材モジュール載置部
252a、262a 載置面
252b、262b 位置決め部
252x、262x 貫通孔
253 第1連結部材モジュール保持部
253a、263a、271a 軸
253b、263b 保持部材
260 第2摺動部
261a 第1側面突起部
261b 第2側面突起部
261c 第3側面突起部
261d 第4側面突起部
262 第2連結部材モジュール載置部
263 第2連結部材モジュール保持部
264 第1キャリアテープ押さえ部
264a 第1間隔規定部
264b、265b 柱状部
264c、265c ストッパー部
264e、264f、265e、265f 貫通孔
265 第2キャリアテープ押さえ部
265a 第2間隔規定部
270 回動機構
271 回動部
272 第1付勢部
273 第2付勢部
281 第1把持部
282 第2把持部
291 モータ
292 第1ギア
293 第2ギア
294 第3ギア
300 正面側カバー
310 背面側カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の最外層に剥離層が形成され他方の最外層に粘着層が形成された構造を有し、第1キャリアテープの終端部と第2キャリアテープの始端部とを合致させた状態で、前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて両者を連結する連結部材が、剥離可能な状態で同一方向に複数積層されている連結部材積層体。
【請求項2】
前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープは、それぞれベースフィルムと、前記ベースフィルムの長手方向に沿った第1領域に所定ピッチで連続的に設けられたスプロケットホールと、を備え、
各連結部材は、前記終端部と前記始端部とを連結する際に、前記スプロケットホールを露出する貫通孔を有する請求項1記載の連結部材積層体。
【請求項3】
前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープは、それぞれ前記ベースフィルムの長手方向に沿った第2領域に所定ピッチで連続的に設けられた部品収納部と、前記部品収納部を覆うカバーテープと、を更に備え、
各連結部材は、前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープのそれぞれの前記ベースフィルムの一部及び前記カバーテープの一部を覆うように貼り付け可能に構成され、
前記連結部材の前記ベースフィルムに貼り付けられる部分と前記カバーテープに貼り付けられる部分とは、スリット列により分離可能に構成されている請求項1又は2記載の連結部材積層体。
【請求項4】
前記粘着層は、前記粘着層に隣接する層の表面に所定のパターンを有するように部分的に形成されている請求項1乃至3の何れか一項記載の連結部材積層体。
【請求項5】
一方の最外層に剥離層が形成され他方の最外層に粘着層が形成された構造を有し、第1キャリアテープの終端部と第2キャリアテープの始端部とを合致させた状態で、前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて両者を連結する連結部材が、剥離可能な状態で同一方向に複数積層された連結部材積層体と、
前記連結部材積層体の最外層の剥離層と接するように、前記連結部材積層体を載置する載置面が設けられた載置部と、
前記連結部材積層体を前記載置面上に保持する保持部と、を有する連結部材モジュール。
【請求項6】
前記保持部は、保持ピンと、保持ピン固定部と、を備え、
前記保持ピンは、棒状部と、前記棒状部の一端に設けられた頭部と、を備え、
前記棒状部は、前記連結部材積層体を厚さ方向に貫通する貫通孔に挿入されて、前記頭部の反対側が前記載置面の反対面側から突出しており、
前記頭部の少なくとも一部は、前記貫通孔よりも平面形状が大きく形成されて、前記貫通孔から突出しており、
前記保持ピン固定部は、前記棒状部の側面を押さえている請求項5記載の連結部材モジュール。
【請求項7】
前記保持ピン固定部は、前記載置部と一体的に形成されている請求項6記載の連結部材モジュール。
【請求項8】
前記棒状部の側面には溝部が設けられ、前記溝部は前記保持ピン固定部と係合している請求項6又は7記載の連結部材モジュール。
【請求項9】
第1キャリアテープと第2キャリアテープとを、終端部と始端部とが合致するように配置する第1工程と、
請求項6記載の連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの裏面と接するように配置する第2工程と、
請求項6記載の他の連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの表面と接するように配置する第3工程と、
前記保持ピンを除く前記連結部材モジュール及び前記保持ピンを除く前記他の連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープ側に押圧する第4工程と、
前記連結部材モジュール及び前記他の連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープから引き離し、前記連結部材モジュール及び前記他の連結部材モジュールのそれぞれの1層目の前記連結部材のみを前記裏面及び前記表面に前記終端部と前記始端部とを跨ぐように貼り付けて前記終端部と前記始端部とを連結する第5工程と、を有するキャリアテープ連結方法。
【請求項10】
第1キャリアテープ及び第2キャリアテープのそれぞれの表面及び裏面の連結部材を貼り付ける領域を露出するように、前記第1キャリアテープを載置する第1キャリアテープ載置面及び前記第2キャリアテープを載置する第2キャリアテープ載置面が設けられたキャリアテープ載置部と、
前記第1キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に摺動可能に構成され、前記第1キャリアテープ載置面に載置された前記第1キャリアテープを、前記第1キャリアテープ載置面との間に挟持する第1キャリアテープ押さえ部と、
前記第2キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に前記第1キャリアテープ押さえ部とは独立して摺動可能に構成され、前記第2キャリアテープ載置面に載置された前記第2キャリアテープを、前記第2キャリアテープ載置面との間に挟持する第2キャリアテープ押さえ部と、
前記第1キャリアテープが前記第1キャリアテープ載置面と第1キャリアテープ押さえ部との間に挟持され、かつ、前記第2キャリアテープが前記第2キャリアテープ載置面と第2キャリアテープ押さえ部との間に挟持された状態で、前記第1キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に摺動可能に構成され、請求項6記載の連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの裏面と接するように配置し、更に前記保持ピンを除く前記連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープ側に押圧する第1摺動部と、
前記第1キャリアテープが前記第1キャリアテープ載置面と第1キャリアテープ押さえ部との間に挟持され、かつ、前記第2キャリアテープが前記第2キャリアテープ載置面と第2キャリアテープ押さえ部との間に挟持された状態で、前記第1キャリアテープ載置面に対して略垂直方向に摺動可能に構成され、請求項6記載の他の連結部材モジュールを、前記連結部材積層体が前記終端部及び前記始端部を跨ぎ、かつ、前記頭部が前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープの表面と接するように配置し、更に前記保持ピンを除く前記他の連結部材モジュールを前記第1キャリアテープ及び前記第2キャリアテープ側に押圧する第2摺動部と、を有するキャリアテープ連結装置。
【請求項11】
前記第1摺動部及び前記第2摺動部を互いに接近する方向又は互いに離間する方向に電動で摺動させる駆動手段を有する請求項10記載のキャリアテープ連結装置。
【請求項12】
前記駆動手段は、
モータと、
前記モータに軸支されて回転する第1ギアと、
前記第1摺動部に固定され、前記第1ギアの回転運動を並進運動に変換する第2ギアと、
前記第2摺動部に固定され、前記第1ギアの回転運動を並進運動に変換する第3ギアと、を含む請求項11記載のキャリアテープ連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2013−28367(P2013−28367A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165806(P2011−165806)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(591035508)桜井株式会社 (4)
【出願人】(504116009)三愛株式会社 (1)
【出願人】(598131650)株式会社アポロ技研 (4)
【Fターム(参考)】