説明

連絡システム、情報管理サーバ装置、連絡方法

【課題】保護者などの第三者が救助者と連絡をとることを可能とし、また、従来と比較してより効率良く無線端末の位置を特定することを可能とする連絡システムを提供する。
【解決手段】自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、移動体端末と、移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を備えた連絡システムであって、情報管理サーバ装置は、移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、通信宛先情報とを対応付けて記憶し、無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成し、生成した範囲内端末情報を、情報通信端末に送信し、情報通信端末は、情報管理サーバ装置から受信する範囲内端末情報を表示する表示手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連絡システム、情報管理サーバ装置、連絡方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)などの移動体端末や、インターネットによるネットワークが発達している。また、近年、登下校中の児童への不審者による声かけや、不審者による児童の連れ去り事件等が多発している。このような状況において、児童が危険を感じて助けを必要とした場合、携帯電話やPHSなどの移動体端末によって緊急信号を発信する連絡システムが提案されている。
例えば、特許文献1に示す技術では、無線端末が自端末の識別情報とともに無線基地局に送信する緊急救助通報信号に基づいて、緊急連絡センタが、緊急救助通報信号を発信した端末の識別情報に対応して予め記憶された利用者情報を読み出し、利用者情報を含む緊急救助指示信号を送出すると、無線基地局が、予め位置登録された無線端末に緊急救助指示信号を送信する。このようにして、緊急救助通報信号を送信した無線端末の近隣の住民に、緊急事態の発生を報知している。
【0003】
また、特許文献2に示す技術では、事件・事故に巻き込まれた通報者が、携帯端末を用いて緊急事態であることを示す緊急メールを緊急センタに送信すると、緊急センタは、緊急メールを発信した携帯端末の緯度、経度を割り出し、GPS(Global Positioning System)情報を用いて緊急メールを発信した携帯端末の周辺にある携帯端末を特定して、その携帯端末に緊急メールを送信する。このようにして、緊急メールを送信した携帯端末の近隣の住民に、緊急事態の発生を報知している。
【特許文献1】特開2001−148083号公報
【特許文献2】特開2005−222373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に示される方法は、通報者の無線端末から送出される緊急救助指示信号を近隣の無線端末に送信するだけなので、信号を受信した近隣の住民が、無線端末が緊急救助指示信号を受信したことに気づかなかったり、気づいても何もしなかったりする場合がある。すなわち、緊急救助指示信号を受信する近隣の住民が、自主的に救助行動をとる方法であるため、緊急救助指示信号を受信した近隣の住民が、通報者に連絡をとったり、通報者のところへ駆けつけたりするかどうかはわからない。
【0005】
また、通報者が誘拐等の事件に巻き込まれた子どもであるような場合は、電話での連絡ができない可能性がある。また、無線基地局が管理する携帯電話やPHSの通信エリアは広範囲であり、管理する端末数も多数であるため、無線端末からの緊急救助指示信号によってその発信位置を特定することは難しい。さらに、緊急救助指示信号を受信した近隣の住民も、緊急救助通報信号を発信した端末の位置を正確に特定することはできない。このような場合、緊急信号の通報者である子どもの、例えば保護者などが、緊急信号の発信地点の近隣住民と電話などで連絡をとれるようにすることが望ましい。
【0006】
また、特許文献2に示される方法も、通報者の携帯端末から送出される緊急救助指示信号を近隣の携帯端末に送信するだけなので、信号を受信した近隣の住民が、無線端末が緊急救助指示信号を受信したことに気づくかどうかはわからないし、通報者に連絡をとったり、通報者のところへ駆けつけたりするかどうかはわからない。
【0007】
また、特許文献2に示される方法では、GPS情報により位置を特定するため、より正確な通報者の位置と、近隣の携帯端末の位置を特定することが可能となっているが、該当基地局または隣接基地局に在圏する携帯端末の数が多いと、それらの位置をGPSで取得するのには長い時間がかかる。すなわち、緊急通報を行った携帯端末や、その周辺の携帯端末の位置情報は、より効率良く、速やかに収集されることが望ましい。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、保護者などの第三者が救助者と連絡をとることを可能とし、また、従来と比較してより効率良く無線端末の位置を特定することを可能とする連絡システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明は、自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、無線通信可能な移動体端末と、移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を備えた連絡システムであって、情報管理サーバ装置は、移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、移動体端末と通信を行うための通信宛先情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、移動体端末に対応付けられた通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成する情報生成手段と、情報生成手段が生成した範囲内端末情報を、情報通信端末に送信する送信手段と、を備え、情報通信端末は、情報管理サーバ装置から受信する範囲内端末情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、上述の情報管理サーバ装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、予め定められた位置範囲内の地図情報を地図情報から読み出し、地図上の、無線信号に含まれる位置情報が示す位置と、情報生成手段が生成する範囲内端末情報に含まれる移動体端末位置情報が示す位置とに目印が表示される目印付地図情報を生成する地図情報生成手段と、を備え、送信手段は、目印付地図情報を情報通信端末に送信し、情報通信端末の表示手段は、目印付位置情報を表示することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上述の情報管理サーバ装置は、移動体端末から、予め定められた時間間隔で受信する移動体端末の位置情報を、記憶手段に記憶させる位置情報定期収集手段と、無線信号に含まれる位置情報が示す位置から予め定められた範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられた移動体端末に、位置情報を問い合わせて取得し、記憶手段に記憶させる位置情報再収集手段と、生成手段は、位置情報再収集手段が動作した後に、範囲内端末情報を生成することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上述の情報管理サーバ装置の、記憶手段は、移動体端末ごとに、移動体端末の保持者の属性情報を記憶し、情報生成手段が生成する範囲内端末情報は、保持者の属性情報を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明は、上述の情報通信端末は、移動体端末と通信可能であり、表示手段に表示された移動体端末位置情報のうち、いずれかが利用者に選択されたことを示す入力を受け付けると、移動体端末位置情報に対応する移動体端末の通信宛先情報を宛先として、通信要求を送信する通信手段を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上述の情報通信端末は、表示手段に表示された移動体端末位置情報のうち、いずれかが利用者に選択されたことを示す入力を受け付けると、選択された記移動体端末位置情報に対応する移動端末の通信宛先情報を、情報管理サーバ装置に送信する送信指示手段を備え、情報管理サーバ装置の、送信手段は、情報通信端末の送信指示手段から送信される通信宛先情報に対応する移動体端末に、目印付地図情報を送信することを特徴とする。
【0015】
本発明は、自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、無線通信可能な移動体端末と、移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を備えた連絡システムにおける情報管理サーバ装置であって、移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、移動体端末と通信を行うための通信宛先情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、移動体端末に対応付けられた通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成する情報生成手段と、情報生成手段が生成した範囲内端末情報を、情報通信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明は、自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、無線通信可能な移動体端末と、移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を用いる連絡方法であって、情報管理サーバ装置の、記憶手段が、移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、移動体端末と通信を行うための通信宛先情報とを対応付けて記憶するステップと、情報生成手段が、無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、移動体端末に対応付けられた通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成するステップと、送信手段が、情報生成手段が生成した範囲内端末情報を、情報通信端末に送信するステップと、情報通信端末は、表示手段が、情報管理サーバ装置から受信する範囲内端末情報を表示するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、情報管理サーバが、無線信号発信端末から発信される無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置にある移動体通信端末の通信宛先情報を情報通信端末に送信するようにしたので、情報通信端末の利用者に、無線信号が発信された無線信号発信端末の近隣の移動体端末の通信宛先情報を知らせる連絡システムを提供することができる。
これによれば、情報通信端末の利用者は、情報通信端末が受信する通信宛先情報に基づいて通信を行って、移動体端末の利用者が無線信号に対応する行動をとるかどうかの意思確認をすることができる。このようにすれば、無線信号発信端末から無線信号は発信したけれども受信者が誰も気が付かなかった、または救助を行わなかったという事態の発生を防ぐことができる。
【0018】
また、本発明によれば、情報通信端末は、無線信号発信端末と移動体通信端末との位置情報を示す地図情報を取得して表示するので、情報通信端末の利用者は、無線信号発信端末と移動体端末との位置関係を、視覚的、直感的に効率良く知ることができる。
【0019】
また、本発明によれば、記情報管理サーバ装置は、前記移動体端末から、予め定められた時間間隔で受信する前記移動体端末の位置情報を記憶しておき、無線信号を受信した際には、既に記憶された位置情報のうち、無線信号の発信地に近い移動体端末のみ、その位置情報を再収集するようにしたので、無線信号を受信した際に再収集が必要な移動体端末の数が、全ての移動体端末の位置情報を取得するのに比べて少なくて済み、移動体端末の位置情報を収集する時間を短縮することができる。
【0020】
また、本発明によれば、情報通信端末に、移動体端末の保持者の属性情報を送信するようにしたので、情報通信端末の利用者は、無線信号発信端末の近隣の移動体通信端末のうち、いずれの移動体端末の保持者に連絡をとるのが最適かを判断するために有効な判断材料を得ることができる。
【0021】
また、本発明によれば、表示手段に表示された移動体端末位置情報のうち、いずれかが利用者に選択されたことを示す入力を受け付けると、移動体端末位置情報に対応する移動体端末の通信宛先情報を宛先として、通信要求を送信するようにしたので、利用者は、通信を行いたい移動体端末の通信宛先情報を知らなくとも、効率良くその移動体端末と通信を行うことができる。
【0022】
また、本発明によれば、地図情報を、移動体端末に送信するようにしたので、移動体端末の利用者は、無線信号発信端末の発信位置を、視覚的、直感的に効率良く知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<概要>
まず、図1を参照して、本実施形態による緊急連絡システムの概要を説明する。本実施形態による緊急連絡システムは、子どもの保護者などによって利用される情報通信端末100と、情報通信端末100と接続されたネットワーク10と、ネットワーク10に接続され、緊急連絡の防犯協力者である利用者が保持する移動体端末300と、移動体端末300の利用者の個人情報などを記憶して管理する情報管理サーバ装置400を備える情報センタ30と、子どもが保持し、自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末200と、各端末が自端末の位置情報を算出するためのGPS電波信号を送出するGPS衛星20とを備えている。
【0024】
情報管理サーバ装置400は、移動体端末300の位置情報である移動体端末位置情報と、移動体端末300と通信を行うための通信宛先情報である電話番号情報とを対応付けて予め記憶部に記憶する。無線信号発信端末200が発信する無線信号を、情報通信端末100が受信すると、無線信号に含まれる無線信号発信端末200の位置情報を検出し、情報通信端末100が、無線信号発信端末200の位置情報を情報管理サーバ装置400に送信する。
【0025】
そして、情報管理サーバ装置400が、情報通信端末100から送信される位置情報を受信し、受信した位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の地図情報であって、位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて記憶部に記憶された移動体端末300の移動体端末位置情報と、電話番号情報とが地図情報にマッピングされたマッピング地図情報を生成する。そして、情報管理サーバ装置400は、生成したマッピング地図情報を情報通信端末100に送信する。
【0026】
情報通信端末100は、表示部に、情報管理サーバ装置400から受信するマッピング地図情報を表示する。情報通信端末100は、表示されたマッピング地図情報から、そのマッピング地図情報が示す位置範囲内に存在する移動体端末300と、その移動体端末300の電話番号とを知ることができるので、情報通信端末100の利用者である保護者は、移動体端末300の電話番号に電話し、移動体端末300の利用者が緊急対応を行えるか否かを確認することができる。
【0027】
<構成>
次に、図面を参照して、本実施形態による緊急連絡システムの構成を詳細に説明する。
上述の移動体端末300は、登下校する児童の場所に駆けつける防犯協力者である利用者が使用する。本実施形態において、移動体端末300は、GPS衛星20または携帯電話基地局からの電波を受信し、自端末の緯度・経度を算出する機能を持つ携帯電話である。移動体端末300は、GPS衛星20から送信されるGPS信号の届きにくいビル内や地下街においても、携帯電話基地局からの電波を利用して緯度と経度を算出可能である。
【0028】
移動体端末300は、携帯電話としての通話機能、インターネット等とネットワーク接続を行う機能、電子メールの送受信機能、ウェブブラウザによるウェブアクセス機能などの機能を持つ。移動体端末300は、防犯協力者である利用者が、自己の個人情報(プロフィール)を情報管理サーバ装置400に送信して登録する際にも利用される。防犯協力者は、協力して防犯を行うことを承諾した移動体端末300の利用者であり、例えば、地域住民のボランティアなどである。防犯協力者は、移動体端末300とは別のPCなどを利用して情報管理サーバ装置400にプロフィールを登録しても良い。また、図1には、1台の移動体端末300を図示しているが、本システムは複数の移動体端末300を備えて良い。
【0029】
本実施形態においては、無線信号発信端末200は、携帯電話であり、移動体端末300と同様の構成を有している。無線信号発信端末200は、上述の移動体端末300の機能に加えて、緊急メール送信機能を持つ。無線信号発信端末200は、例えば、携帯電話の本体にひもが備えられており、このひもを引っ張ると、緊急メールが送信される。緊急メールは、無線信号として発信される情報であり、上述のGPS機能によって取得した自端末の位置情報を含んでいる。
【0030】
本実施形態においては、このような無線信号は、電子メールの形式によって送信される。無線信号発信端末200が送信する緊急メールに含まれる位置情報は、予め定められたURL(Uniform Resource Locator)文字列に、パラメータとして緯度と経度との数値を示す文字列が連結された文字列情報である。予め定められたURL文字列とは、情報管理サーバ装置400が提供する地図情報を取得するためのURLである。
ネットワーク10は、固定電話網、携帯電話網、インターネット等の通信ネットワークである。
【0031】
図2は、本実施形態による情報管理サーバ装置400の構成を示すブロック図である。
情報管理サーバ装置400は、地図情報や移動体端末300の利用者などの情報を管理し、情報通信端末100や移動体端末300に情報を提供する。情報管理サーバ装置400は、ウェブサーバ機能やメール送受信機能を持つ。情報管理サーバ装置400は、個人情報受信部401と、ネットワーク接続部402と、マッピング地図作成部403と、テーブル送信部404と、URLメール送信部405と、個人情報テーブル406と、位置情報テーブル407と、位置情報収集部408と、地図データ記憶部409とを備えている。
【0032】
ネットワーク接続部402は、ネットワーク10に接続し、移動体端末300や情報通信端末100と通信を行う。個人情報受信部401は、移動体端末300から送信される防犯協力者の個人情報を受信し、個人情報テーブル406に記憶させる。図3は、個人情報テーブル406が記憶するデータ例を示す図である。個人情報テーブル406は、携帯電話番号に対応付けて、メールアドレス、氏名、年齢、性別、職業、住所などの項目を記憶する。
【0033】
位置情報収集部408は、防犯協力者の移動体端末300に、位置情報の問い合わせを行い、移動体端末300がGPS信号によって算出した位置情報を受信し、位置情報テーブル407に記憶させる。図4は、位置情報テーブル407が記憶するデータ例を示す図である、位置情報テーブル407は、携帯電話番号に対応付けて、経度、緯度、位置更新日時などの項目を記憶する。位置情報収集部408は、上述のような位置情報収集処理を定期的に(例えば、1時間に1回)行う。また、位置情報収集部408は、マッピング地図作成部403からの位置情報収集要求を受信した際には、無線信号発信端末200の位置情報から予め定められた範囲内(例えば、300m)の位置を示す位置情報を有する移動体端末のみの位置情報を収集する。
【0034】
マッピング地図作成部403は、情報通信端末100から地図情報参照要求を受信すると、地図データ記憶部409から読み出した地図上に、無線信号発信端末200の位置をマッピングしてマッピング地図情報を生成し、情報通信端末100に送信する。マッピング地図作成部403は、情報通信端末100から、情報通信端末100のマッピング地図表示部103に表示された地図上でクリックされた無線信号発信端末200の場所の座標データを受信し、その座標データに対応する場所の緯度・経度を算出する。
【0035】
また、マッピング地図作成部403は、無線信号発信端末200の近くにある移動体端末300の位置情報を収集するよう位置情報収集部408へ位置情報収集要求を行う。また、マッピング地図作成部403は、無線信号発信端末200の位置と移動体端末300の位置とを地図上にマッピングし、情報通信端末100へ送信する。
【0036】
テーブル送信部404は、無線信号発信端末200の近くにある移動体端末300に対応する位置情報と個人情報とを個人情報テーブル406と位置情報テーブル407とから読み出し、マッピング情報として情報通信端末100へ送信する。
URLメール送信部405は、情報通信端末100から、無線信号発信端末200と移動体端末300との位置をマッピングした地図を参照するためのURLを、無線信号発信端末200を保持する子どもの場所へかけつけてほしい防犯協力者が保持する移動体端末300へ電子メールで送るよう依頼を受けると、そのURLを含む電子メールを移動体端末300へ送信する。
地図データ記憶部409は、緯度、経度情報を含む画像である地図情報を記憶する。
【0037】
図5は、本実施形態における情報通信端末100の構成を示すブロック図である。本実施形態における情報通信端末100は、ユーザインタフェース101と、地図URL送受信部102と、マッピング地図表示部103と、座標データ取得部104と、カーソル位置検出部105と、個人情報表示部106と、個人情報テーブル107と、マッピング情報テーブル108と、マッピング地図要求部109と、テーブル受信部110と、電話発呼部111と、URLメール送信指示部112と、ネットワーク接続部113とを備えている。
【0038】
ネットワーク接続部113は、ネットワーク10に接続し、情報管理サーバ装置400または移動体端末300、無線信号発信端末200と通信を行う。
ユーザインタフェース101は、利用者とのインタフェースであり、画面などの表示部や、マウスやスタイラスペン、キーボードなどの入力部を含む。
地図URL送受信部102は、無線信号に含まれている地図を参照するためのURLを受信し、情報管理サーバ400へ送信する。
【0039】
マッピング地図表示部103は、情報通信端末100や無線信号発信端末200の位置情報をマッピングした地図情報を情報管理サーバ装置400から受信し、表示する。
座標データ取得部104は、マウスやスタイラスペンなどのポインティングデバイスのカーソルの表示部上の位置を座標データとして取得する。
【0040】
マッピング地図要求部109は、座標データ取得部104から、表示部に表示された地図上でクリックされた無線信号発信端末200の現在地の座標データを受け取り、無線信号発信端末200の現在地と無線信号発信端末200から予め定められた範囲内にある移動体端末300の場所とをマッピングした地図情報をサーバへ要求する。
【0041】
テーブル受信部110は、無線信号発信端末200の予め定められた範囲内にある移動体端末300の防犯協力者の個人情報と位置情報とを含むマッピング情報を情報管理サーバ装置400から受信する。
カーソル位置検出部105は、座標データ取得部104により取得されたカーソルの座標位置が、表示部上の移動体端末300の位置にあることを検出する。また、表示部上に表示される移動体端末300を示す目印がクリックされたことを認識し、クリックされた移動体端末300を示す目印に対応する携帯電話番号をマッピング情報テーブル108より取得し、電話発呼部111へ発呼を依頼する。
【0042】
個人情報表示部106は、表示部上に表示される移動体端末300を示す目印の上にカーソルがあることを検知すると、その移動体端末300に対応する防犯協力者の個人情報や、無線信号発信端末200との距離などを算出して画面に表示する。
【0043】
電話発呼部111は、カーソル位置検出部105から携帯電話番号を受け取り、その電話番号に発呼する。
URLメール送信指示部112は、無線信号発信端末200と移動体端末300との場所を示した地図情報を参照するためのURLを、その移動体端末300へメールで送るよう、情報管理サーバ装置400へマッピング地図情報送信要求を送信する。
【0044】
なお、本実施形態において、情報通信端末100は、いわゆるPC(Personal Computer)を想定するが、上述の機能を備える携帯電話端末でも良いし、その双方でも良い。情報通信端末100は、保護者が緊急メールを受信して、子どもや防犯協力者の位置を確認したりするときに使用される。
【0045】
<動作>
次に、図面を参照して、本実施形態における緊急連絡システムの動作例について説明する。図6と図7とは、本実施形態における緊急連絡システムの動作例を示すフローチャートである。図6は、情報通信端末100の動作例を示すフローチャートであり、図7は、情報管理サーバ装置400の動作例を示すフローチャートである。
【0046】
まず、防犯協力者が、移動体端末300に自身の個人情報を入力すると、移動体端末300が、防犯協力者の個人情報を情報管理サーバ装置400に送信する。ここで、個人情報とは、図3に挙げられた、携帯電話番号、メールアドレス、氏名、性別、年齢、職業、住所などの情報である。情報管理サーバ装置400の個人情報受信部401が、ネットワーク接続部402を介して移動体端末300から送信される個人情報を受信する(ステップS201)。
【0047】
そして、情報管理サーバ装置400の個人情報受信部401は、受信した個人情報を個人情報テーブル406に記憶させる(ステップS202)。また、情報管理サーバ装置400の位置情報収集部408は、予め定められた時間間隔(例えば、1時間)ごとに、定期的に移動体端末300の位置情報を取得して位置情報テーブル407に記憶させる収集処理を行う(ステップS203)。ここで、位置情報の取得は、情報管理サーバ装置400の位置情報収集部408が移動体端末300に、位置情報要求を送信し、移動体端末300が、GPS衛星20から送信されるGPS信号を受信して算出した自端末の位置情報を、情報管理サーバ装置400に応答して送信し、情報管理サーバ装置400が位置情報を受信することによって行う。
【0048】
無線信号発信端末200を利用する子どもは、事故に巻き込まれたときに、無線信号発信端末200に備えられたひもを引っ張る。すると、無線信号発信端末200は、自端末の位置情報と、本メールを送信する時刻情報とを含む緊急メールを、情報通信端末100を宛先として送信する。ここで、無線信号発信端末200が送信する緊急メールに含まれる位置情報は、予め定められたURL文字列に、パラメータとして緯度と経度との数値を示す文字列が連結された文字列情報である。
【0049】
情報通信端末100の地図URL送受信部102が、緊急メールを受信すると、画面に位置情報としてのURL情報を表示させる。情報通信端末100の利用者が、マウスを用いてそのURLをクリックすると、情報通信端末100の地図URL送受信部102は、クリックされたURLに対応するウェブページを取得する要求を、情報管理サーバ装置400に送信する(ステップS101)。
【0050】
そして、情報管理サーバ装置400のマッピング地図作成部403は、ネットワーク接続部402を介してネットワーク10から送信されるウェブページ取得要求を受信すると、ウェブページ取得要求に含まれる緯度と経度との位置情報に基づいて、地図データ記憶部409から、ウェブページ取得要求に含まれる位置情報を中心にして予め定められた範囲内(例えば、500m以内)の地図情報を読み出す。
【0051】
マッピング地図作成部403は、読み出した地図情報に基づいて、図8に示すような、ウェブページ取得要求に含まれる位置情報が示す位置(子どもの現在地)に丸印を付加したマッピング地図情報(目印付地図情報)を生成する(ステップS204)。情報管理サーバ装置400のマッピング地図作成部403は、生成したマッピング地図情報を、情報通信端末100に送信する(ステップS205)。
【0052】
情報通信端末100のマッピング地図表示部103は、無線信号発信端末200の現在地をマッピングしたマッピング地図情報を情報管理サーバ装置400から受信し、画面に表示する(ステップS102)。ここで、情報通信端末100の利用者である子どもの保護者は、すぐに子どもと連絡を取るため、子どもが保持する無線信号発信端末200である携帯電話に電話をかける。
【0053】
そして、子どもが電話に出たときには、子どもと話をし、様子を聞く。誤報や特に問題ない場合には、電話を切り終了する。ここで、緊急メールが子どものいたずらによって送られることが多いため、誤報でないことを電話で確認するプロセスは、実運用上では重要である。そして、子どもが電話に出なかった場合、または子どもと話しをした結果、子どものところへ防犯協力者に駆けつけてほしい場合には、以降の処理を実施する。
【0054】
情報通信端末100の利用者は、図8に示されるように、ステップS102で画面に表示された地図上の、無線信号発信端末200の現在地として丸印が示される箇所に、マウスを用いてカーソルを合わせてクリックする。情報通信端末100の座標データ取得部104が、クリックされた箇所の画面上の座標データを取得すると、当該座標データに対応する防犯協力者の位置情報を含むマッピング地図情報を要求する情報を情報管理サーバ装置400に送信する(ステップS103)。
【0055】
そして、情報管理サーバ装置400のマッピング地図作成部403は、情報通信端末100から送信される座標データに基づいて、クリックされた場所の緯度、経度を、無線信号発信端末200の現在位置情報として算出する(ステップS206)。マッピング地図作成部403は、位置情報テーブル407を参照して、ステップS206で算出した無線信号発信端末200の現在位置情報から予め決められた範囲内であることを示す位置情報に対応付いた移動体端末300を検索する(ステップS207)。すなわち、マッピング地図作成部403は、直近(例えば1時間以内)に無線信号発信端末200の経度±α以内、緯度±β以内にいた防犯協力者を位置情報テーブル407より検索する。
【0056】
位置情報収集部408は、ステップS207で検索された移動体端末300のみを対象として、位置情報の収集処理を再度行って、位置情報テーブル407に記憶された位置情報を最新の位置情報に更新して記憶させる(ステップS208)。このようにすれば、無線信号発信端末200から予め定められた範囲内にある移動体端末300の位置情報のみを、効率良く最新状態に更新することができる。
【0057】
そして、マッピング地図作成部403は、更新された位置情報テーブル407を参照して、無線信号発信端末200の位置情報と近いことを示す位置情報に対応付いた移動体端末300を検索する(ステップS209)。すなわち、マッピング地図作成部403は、無線信号発信端末200の経度±α以内、緯度±β以内にいる防犯協力者を再度位置情報テーブル407より検索する。
【0058】
そして、マッピング地図作成部403は、図9に示すような、無線信号発信端末200の現在位置情報とともに、移動体端末300(防犯協力者)の場所を四角印でマッピングした地図情報を生成する。そして、マッピング地図作成部403は、ネットワーク接続部402を介して、生成したマッピング地図情報を情報通信端末100に送信する(ステップS210)。
【0059】
さらに、情報管理サーバ装置400のテーブル送信部404は、ステップS210でマッピングした移動体端末300に対応する個人情報を個人情報テーブル406から読み出し、位置情報を位置情報テーブル407から読み出して、マッピング情報として情報通信端末100に送信する(ステップS211)。
【0060】
そして、情報通信端末100のマッピング地図表示部103は、ステップS211で情報管理サーバ装置400から送信されたマッピング地図情報を受信し、画面に表示する(
ステップS104)。
また、テーブル受信部110は、ステップS211で送信されるマッピング情報を受信し、マッピング情報テーブル108に記憶させる(ステップS105)。
【0061】
情報通信端末100の利用者が、マウスを用いて、画面に表示されたマッピング地図情報の、移動体端末300の位置情報を示す四角印の上にカーソルをのせると、カーソル位置検出部105は、マッピング地図上に置かれたカーソルの位置を検出する(ステップS106)。
【0062】
そして、個人情報表示部106は、カーソル位置検出部105が検出したカーソル位置に対応する移動体端末300に対応する個人情報を、マッピング情報テーブル108から検出し、図10のように画面に表示する(ステップS107)。このように、情報通信端末100の利用者である保護者は、表示された個人情報をみることで、移動体端末300を保持する防犯協力者のプロフィールを確認することができる。個人情報表示部106が行う処理は、専用のアプリケーションプログラムを予め情報通信端末100にインストールしておき、その専用のアプリケーションプログラムによって行っても良いし、クライアントサイドで動作するスクリプトを用いてウェブブラウザで行っても良い。
【0063】
情報通信端末100の利用者である保護者は、マッピング地図表示部103によって画面に表示されたマッピング地図から、連絡を取りたい防犯協力者を決めると、その防犯ボタンティアに対応するマッピング地図上の位置をクリックする。すると、座標データ取得部104が、クリックされた座標データを検出し、カーソル位置検出部105が、その座標データに対応する移動体端末300の情報をマッピング情報テーブル108から読み出す(ステップS108)。
【0064】
そして、情報通信端末100の電話発呼部111は、ステップS108でクリックされた防犯協力者に対応する移動体端末300の携帯電話番号をマッピング情報テーブル108から取得し、発呼する(ステップS109)。
そして、ステップS109で情報通信端末100が発呼した相手側である移動体端末300が、発呼に応答しなければ(ステップS110:NO)、ステップS106にもどり、他の移動体端末300をクリックし、電話をかける。以下、電話がつながる相手が見つかるまで同様のことを繰り返す。
【0065】
そして、ステップS109で情報通信端末100が発呼した相手側である移動体端末300が、発呼に応答すれば(ステップS110:YES)、情報通信端末100の利用者である保護者は、緊急対応の旨を、移動体端末300の利用者である防犯協力者に電話で依頼する。そして、情報通信端末100のURLメール送信指示部112は、マッピング地図情報を、移動体端末300に送信するように情報管理サーバ装置400に指示要求を行う(ステップS111)。保護者が複数の防犯協力者に対応を依頼する場合には、連絡システムは、ステップS106からステップS111の処理を繰り返す。
【0066】
情報管理サーバ装置400のURLメール送信部405は、情報通信端末100から、マッピング地図情報送信要求を受信する(ステップS212)。
そして、情報管理サーバ装置400のURLメール送信部405は、ステップS111で指定された移動体端末300に対応する防犯協力者のメールアドレスを個人情報テーブル406より取得し、そのメールアドレスに、無線信号発信端末200の現在地とその防犯協力者が保持する移動体端末300の場所を示したマッピング地図を参照するためのURLを電子メールで送信する(ステップS213)。
【0067】
移動体端末300は、URLメール送信部405より送信された電子メールを受信すると、画面に電子メール内容を表示する。移動体端末300の利用者が、電子メール中のURLをクリックしてマッピング地図情報取得要求を情報管理サーバ装置400に送信する。マッピング地図作成部403は、マッピング地図情報取得要求を受信すると、無線信号発信端末200の現在地とその防犯協力者が保持する移動体端末300の場所を示したマッピング地図情報を生成して、移動体端末300に送信する。防犯協力者は、移動体端末300の画面上に表示されるマッピング地図を参照して自分の居場所と子どもの居場所を確認し、子どものところへ駆けつける。
【0068】
なお、本実施形態において、ステップS213などでは、マッピング地図情報を参照するためのURLを送信するが、生成したマッピング地図情報を電子メールに添付して送信するようにしても良い。
【0069】
また、ステップS203で情報管理サーバ装置400の位置情報収集部408が行う位置情報収集処理には、以下の方法がある。第1の位置情報収集処理方法は、防犯協力者が移動体端末300を操作して、移動体端末300の位置情報を情報管理サーバ装置400に通知する方法である。この方法は、ボランティアが手動で位置情報を登録する方法なので、こまめに位置を登録してもらわないと最新の位置であるか否かが保障されない。
【0070】
第2の位置情報収集処理方法は、移動体端末300に、自端末の位置情報を定期的に情報管理サーバ装置400に送信するアプリケーションプログラムを予めインストールしておき、動作させる。ここで、アプリケーションプログラムが位置情報を送信する時間間隔は、設定によって変えることができる。この方法は、アプリケーションの位置通知間隔が短い、例えば1〜2分程度の場合、移動体端末300の数(位置検索対象者の数)が多い(例えば、1000〜2000人)と、サーバの負荷が大きくなってしまう。
【0071】
第3の位置情報収集処理方法は、情報管理サーバ装置400から、定期的に移動体端末300に位置情報の問い合わせを行い、取得する方法である。この方法では、屋外の移動体端末300の位置情報をGPS電波によって収集するのに通常15〜30秒程度かかり、屋内の移動体端末300の位置を無線基地局との通信によって収集するのには2〜3分程度の処理時間を必要とする。そのため、位置検索対象の移動体端末300の数が多くなると(例えば1000〜2000人)、全員分の位置を収集するまでにかなりの時間がかかってしまう。さらにそれを短い間隔(例えば1〜2分程度)で繰り返すとサーバの負荷が大きくなってしまう。
【0072】
第4の位置情報収集処理方法は、なんらかのトリガー(例えば、子どもからの緊急メール受信)に基づいて、情報管理サーバ装置400から移動体端末300に位置情報の問い合わせを行い、取得する方法である。また、このような第1から第4の位置情報収集処理のいずれかまたは複数の組み合わせによって位置情報収集を行っても良い。この方法は、トリガーを受けてから情報管理サーバ装置400が移動体端末300の位置情報を収集し始めるので、位置検索対象の移動体端末300の数が多くなると(例えば1000〜2000人)、全員分の位置を収集するまでに時間がかかってしまい、リアルタイム性を損なう。
【0073】
このように、第1から第4までのいずれかの方法では、それぞれに長短があるため、本実施形態では、第3の方法と第4の方法との組み合わせで位置情報収集処理を行う例を説明した。第3の方法と第4の方法との組み合わせによれば、例えば、第3の方法によって30分に1回定期的に位置情報を収集しておき、トリガーがあったときだけ前回の位置収集で無線信号発信端末200のそばにあった移動体端末300だけを対象にして位置収集を行うことにより、位置情報収集対象の移動体端末300を削減して、位置情報のリアルタイム性を確保することができる。なお、本実施形態において第4の方法のトリガーに相当するものは、図7のステップS206において、「情報通信端末100から、地図上でクリックされた場所の座標データを受け取る」ことである。
【0074】
なお、ステップS201の個人情報登録処理は、情報管理サーバ装置400の個人情報受信部401が、個人情報登録のためのウェブページを、ネットワーク10を介して公開し、移動体端末300はこのウェブページにアクセスして登録することにより行っても良い。この際、情報管理サーバ装置400が提供する個人情報登録のためのウェブページには、不審者が防犯協力者に登録できないようにするため、信頼できる人からの紹介が得られた人だけしか登録できないようにしてもよい。また、防犯協力者の信頼度をシステム管理者が入力できるようにしてもよい。
【0075】
また、情報通信端末100のマッピング地図表示部103によって表示されるマッピング地図上の無線信号発信端末200の現在地がクリックされたときに、情報通信端末100は、無線信号発信端末200の位置から最も近い移動体端末300に直ちに電話をかけるようにしてもよい。ただし、話中や呼び出しても出ないときは、別の人に電話をかけられるようにする。
【0076】
また、デフォルトエリア内(例えば、無線信号発信端末200から300m以内等と予め決めておく)に移動体端末300が存在せず、防犯協力者が誰もいない場合には、探索エリアを広げるようなインタフェース(例えば、500m以内、750m以内等)を設けてもよい。
【0077】
また、ステップS109にて、マッピング地図上のポイントをクリックすると電話がかかるのではなく、防犯協力者に駆けつけ依頼の電子メールが送信されるようにしてもよい。メールには、無線信号発信端末200の現在地を表示したマッピング地図を添付する。子どもの近くに防犯協力者が複数いる場合には、メールがすぐに読まれない可能性もあるので、複数人にメールを送ることが望ましい。
【0078】
また、無線信号発信端末200と移動体端末300との距離を計算する際、単純に無線信号発信端末200と移動体端末300との緯度・経度から計算するのではなく、途中に川や山がある等の地理情報を考慮して距離を計算したり、歩行者や自動車が通行できる経路を考慮して距離を計算するようにしてもよい。
【0079】
また、本実施形態において、ステップS101の無線信号発信端末200の緊急メール送信処理は、無線信号発信端末200に備えられたひもを引っ張ることで緊急メールが送信されることとしたが、例えば、無線信号発信端末200に備えられた緊急メール送信用のボタンを押下することによって緊急メールが送信されるようにしても良いし、無線信号発信端末200に備えられた特定のボタンを一定時間押し続ける(長押しする)と、緊急メールが送信されるようにしても良い。
【0080】
以上説明したように、本発明によれば、防犯協力者が持つ移動体端末300の位置情報を情報管理サーバ装置400が効率的に収集し、管理することができる。また、情報通信端末100の利用者である保護者により、マッピング地図表示部103に表示された地図に表示された移動体端末300の位置ポイントをクリックすると、防犯協力者が保持する移動体端末300の電話番号を予め知らなくても、移動体端末300に電話をかけることができる。また、子どもが保持し、緊急信号を発信した無線信号発信端末200のそばに移動体端末300を持つ防犯協力者が複数人いる場合には、その人たちの大まかなプロフィールを個人情報表示部106に表示する。このようにすれば、情報通信端末100の利用者は、移動体端末300に電話をかける前に、移動体端末300を利用する人がどんな人かあるいは適任者かを考えることができる。
【0081】
このように、従来、ネットワーク上にあるサーバから携帯電話の位置を収集する場合、位置検索対象の携帯電話の数が多くなると(例えば1000〜2000人)、全員分の位置を収集するまでに時間がかかってしまうという問題点があったが、本システムでは、例えば30分に1回定期的にサーバが位置を収集しておき、トリガーがあったときだけ前回の位置収集で子どものそばにいた人だけ対象にして位置収集を行うことにより、効率的に子どものそばにいるボランティアの位置を収集することが可能である。
【0082】
また、子どものそばにいる防犯協力者を特定して、直接保護者が電話をかける方式なので、保護者は防犯協力者に子どもの所へ駆けつけてもらえるかどうかの意思確認ができ、緊急救助指示信号を受信した人が駆けつけてくらなかった、あるいは、駆けつけ依頼メールを送ったが誰も駆けつけてくれなかったという不具合の発生を抑えられる。
【0083】
また、保護者は、地図上のポイントをクリックすることで、防犯協力者の電話番号がわからなくても電話をかけることができる。
また、児童のそばに防犯協力者が複数人いる場合には、その人たちの大まかなプロフィールを表示し、電話をかける前にどんな人かあるいは適任者かを考えられる。
このように、本発明によれば、子どもが危険を感じたことを保護者に通知することが可能であるとともに、保護者が子どものそばにいる防犯協力者に電話をかけ、駆けつけを依頼することができる。
【0084】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより緊急連絡を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0085】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態による連絡システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による情報管理サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による個人情報テーブルが記憶するデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による位置情報テーブルが記憶するデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による情報通信端末の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による情報通信端末の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態による情報管理サーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態により無線信号発信端末の目印が示されたマッピング地図の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態により無線信号発信端末と移動体端末との目印が示されたマッピング地図の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態により移動体端末の目印にカーソルがのせられたマッピング地図の例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
10 ネットワーク
20 GPS衛星
30 情報センタ
100 情報通信端末
101 ユーザインタフェース
102 地図URL送受信部
103 マッピング地図表示部
104 座標データ取得部
105 カーソル位置検出部
106 個人情報表示部
107 個人情報テーブル
108 マッピング情報テーブル
109 マッピング地図要求部
110 テーブル受信部
111 電話発呼部
112 URLメール送信指示部
113 ネットワーク接続部
200 無線信号発信端末
300 移動体端末
400 情報管理サーバ装置
401 個人情報受信部
402 ネットワーク接続部
403 マッピング地図作成部
404 テーブル送信部
405 URLメール送信部
406 個人情報テーブル
407 位置情報テーブル
408 位置情報収集部
409 地図データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、無線通信可能な移動体端末と、前記移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、前記情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を備えた連絡システムであって、
前記情報管理サーバ装置は、
前記移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、当該移動体端末と通信を行うための通信宛先情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて前記記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、当該移動体端末に対応付けられた前記通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段が生成した前記範囲内端末情報を、前記情報通信端末に送信する送信手段と、を備え、
前記情報通信端末は、
前記情報管理サーバ装置から受信する前記範囲内端末情報を表示する表示手段を備える
ことを特徴とする連絡システム。
【請求項2】
前記情報管理サーバ装置は、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記予め定められた位置範囲内の地図情報を前記地図情報から読み出し、前記地図上の、前記無線信号に含まれる位置情報が示す位置と、前記情報生成手段が生成する前記範囲内端末情報に含まれる移動体端末位置情報が示す位置とに目印が表示される目印付地図情報を生成する地図情報生成手段と、を備え、
前記送信手段は、前記目印付地図情報を前記情報通信端末に送信し、
前記情報通信端末の前記表示手段は、
前記目印付位置情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の連絡システム。
【請求項3】
前記情報管理サーバ装置は、
前記移動体端末から、予め定められた時間間隔で受信する前記移動体端末の位置情報を、前記記憶手段に記憶させる位置情報定期収集手段と、
前記無線信号に含まれる位置情報が示す位置から予め定められた範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられた移動体端末に、位置情報を問い合わせて取得し、前記記憶手段に記憶させる位置情報再収集手段と、
前記生成手段は、前記位置情報再収集手段が動作した後に、前記範囲内端末情報を生成すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の連絡システム。
【請求項4】
前記情報管理サーバ装置の、
前記記憶手段は、前記移動体端末ごとに、当該移動体端末の保持者の属性情報を記憶し、
前記情報生成手段が生成する範囲内端末情報は、前記保持者の属性情報を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項3までのいずれか1項に記載の連絡システム。
【請求項5】
前記情報通信端末は、前記移動体端末と通信可能であり、
前記表示手段に表示された移動体端末位置情報のうち、いずれかが利用者に選択されたことを示す入力を受け付けると、前記移動体端末位置情報に対応する移動体端末の通信宛先情報を宛先として、通信要求を送信する通信手段
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の連絡システム。
【請求項6】
前記情報通信端末は、
前記表示手段に表示された移動体端末位置情報のうち、いずれかが利用者に選択されたことを示す入力を受け付けると、選択された記移動体端末位置情報に対応する移動端末の通信宛先情報を、前記情報管理サーバ装置に送信する送信指示手段を備え、
前記情報管理サーバ装置の、
前記送信手段は、前記情報通信端末の送信指示手段から送信される通信宛先情報に対応する前記移動体端末に、前記目印付地図情報を送信すること
を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の連絡システム。
【請求項7】
自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、無線通信可能な移動体端末と、前記移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、前記情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を備えた連絡システムにおける前記情報管理サーバ装置であって、
前記移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、当該移動体端末と通信を行うための通信宛先情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて前記記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、当該移動体端末に対応付けられた前記通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段が生成した前記範囲内端末情報を、前記情報通信端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報管理サーバ装置。
【請求項8】
自端末の位置情報を含む無線信号を発信する無線信号発信端末と、無線通信可能な移動体端末と、前記移動体端末の情報を管理する情報管理サーバ装置と、前記情報管理サーバ装置と通信可能な情報通信端末と、を用いる連絡方法であって、
前記情報管理サーバ装置の、
記憶手段が、前記移動体端末の位置情報である移動体端末位置情報と、当該移動体端末と通信を行うための通信宛先情報とを対応付けて記憶するステップと、
情報生成手段が、前記無線信号に含まれる位置情報が示す位置から、予め定められた位置範囲内の位置を示す位置情報に対応付けられて前記記憶手段に記憶された移動体端末位置情報と、当該移動体端末に対応付けられた前記通信宛先情報とを含む範囲内端末情報を生成するステップと、
送信手段が、前記情報生成手段が生成した前記範囲内端末情報を、前記情報通信端末に送信するステップと、
前記情報通信端末の、
表示手段が、前記情報管理サーバ装置から受信する前記範囲内端末情報を表示するステップと、
を備えることを特徴とする連絡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−65340(P2009−65340A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230234(P2007−230234)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】