説明

連続するロールの給紙装置におけるベルトの継ぎ目のスキップの簡素化

【課題】連続給紙方式のプリンタにおいて全ての停止又はロール方向の反転を回避し、速度PRベルト継ぎ目の通過を通してロールの速度を周期的に落としたり、上げたりするだけで一貫した処理速度を維持するシステムを提供する。
【解決手段】ロールループを形成し、次いで交互に転送動作を行い短い時間だけ同時に転送を行う2つの転送BTRロール22,24を含む転送ゾーンを継ぎ目が通過した後素早くループを平坦にすることで実現する。2つ真空補助ロール26,28のうちの、1つが2つのバイアス転送ロール22,24の間に配置され、この真空補助ロール26がロールループの形成を制御する。第1転送ステーションの上流のニップを形成する一対のローラ16,18及び第2転送ステーション制御の下流の第2真空補助ローラ28により、ループのサイズが制御される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来技術では、ベルトの継ぎ目を避けるためにベルトの継ぎ目が転送ステーションを通過するとき、ロール動作を停止させ、その方向を反転させ、そしてもう一度ロールを逆方向に反転させてPRベルトと連続するロールとの同期を維持させなければならなかった。このペーパロールの大きな塊を動かすためには、複雑な工程が必要であるためプリントシステムの動作速度を抑え、ロールの誤作動といった不必要なリスクを伴っていた。
【0002】
米国特許第5,970,304号では、ロール速度の変化を緩衝し、ロールをニップから分離させて感光体ベルトとロールの関係を調整する、ベルトからロールへの画像の転送を容易にするための周知の緩衝器及びダンサーローラが開示されている。また現時点では、PRベルトの継ぎ目をスキップするために、一般に連続ロールを分離、停止、後退、そして再反転させ、PRベルトと再度合わせる設計が必要となる。本実施形態によって、感光体ベルトが継ぎ目をスキップしている間に、媒体上に連続し途切れることのない、例えば、ラベル等の画像を本開示により提供することができる。このように、交互に配置される一対のバイアス転送ローラの転送ゾーンを有する連続ペーパロールの給紙システムを提供する。PRベルトの継ぎ目等の障害を相殺するために、本開示では、ロールは、反転することなく絶えず前進し、継ぎ目を通過させる。具体的には、ロールのループをバイアス転送ロール間で変更することにより、PRベルトの全周期を伸ばし、又は短縮することができる。このように、ロールループを変更することによって、バイアス転送ロールを選択して起動させることで、ロールを前進方向に連続して動作させ、ベルト上の画像とロールとを同期させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】図1は、ロールループを形成した、統合された2つの転送ゾーンを通過しようとするベルトの継ぎ目の様子を示す説明図である。
【図2】図2は、統合された2つの転送ゾーン領域を通過した後のベルト継ぎ目の様子を示す説明図である。
【図3】図3は、ベルトの継ぎ目がベルト構成の上端に達し、ロールループが引っ張られて平らになったときの、統合された2つの転送ゾーン領域及びロールループの状態を示す説明図である。
【図4】図4は、継ぎ目が統合された2つの転送ゾーン領域に再度接近し、ロールループが再度形成される様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1を参照して、プリントシステムにおいて継ぎ目を相殺する技術を説明する。この技術では矢印12の方向に進む感光体(PR)ベルト10が用いられる。なお、ベルト10の継ぎ目は14を示す。一対のローラ16、18はニップ1を形成して、20で示すペーパロールを矢印30の方向に搬送する。ペーパロールは、真空補助ローラ28(図示せず)を通過して定着器へと搬送される。
【0005】
図1では、第1画像転送ゾーンが、22で示された転送ローラBTR1により形成され、第2画像転送ゾーンが、24で示されたバイアス転送ローラBTR2により形成されている。第1真空補助ローラVac1が、転送ローラ22と転送ローラ24の間に26に示され、第2真空補助ローラVac2が28で示されている。
【0006】
図1では、Vac1は、ロールループの制御を維持するために設けられた、全体として32で示される真空補助ローラであり、ループ32の形成を補助する。ニップ1、ロール16、18及びVac2は、ループ32のサイズの制御を実行する。図示する通り、実際にはVac1はPRベルト10から離れて、ペーパロール内にループ32のためのスペースを形成する。これにより、継ぎ目14が転送ステーションを通過するときの準備が行われる。
【0007】
なお、PRベルト10の継ぎ目14が循環するPRベルト10の全周期の間、このループ32が形成され、又は消滅することに留意されたい。これにより、継ぎ目が通過してもなお、BTR1及びBTR2で、しっかりと画像の転送が行われ、ベルト10の画像とロール20の動作とを同期させることができる。ループのサイズは選択をでき、プリントシステムの構成により調整することが可能である。
【0008】
なお、従来の転送システムでは、ロールを停止させ、ロールの方向を反転させ、ロールを後退させ、そして最初の方向でロール20の動作を再度スタートさせなければならなかったことに留意されたい。従来技術では、PRベルトの継ぎ目に対処するためにベルト動作に関連して転送の動作をロール動作に対して同期させるためにこれらの動作が全て必要であった。
【0009】
このシステムでは、継ぎ目に対処するために方向の反転する必要はなく、図示する通り、継ぎ目が通過する毎に、ループをロール内に形成するだけである。
【0010】
さらに図1を参照すると、BTR1がロール20に接触、係合し、継ぎ目14より前方のベルト10上の画像の転送がBTR1の転送ゾーンで行われる。第2転送ゾーンではBTR2はオフになっており、図示されている通り、ロール20から離れている。しかし、BTR2がオフの状態でロール20と係合し、画像転送が行われないよう構成することも可能である。
【0011】
図2を参照すると、継ぎ目14の前の最後の画像の転送後、BTR1はオフとなり、BTR1はベルト10から離れ、ベルト継ぎ目14が通過するときBTR2がオンとなる。この時点でBTR2の転送ゾーンでは、継ぎ目14の後方の画像の転送が行われる。ロール20内のループ32により、ロールはPRベルト10より長い距離を移動するため、継ぎ目14及びPRベルトの全ての非画像部をスキップすることができる。また、ベルトの周囲と完全には一致しないラベルの幅もループ32により対処する必要がある。ループ32を用いてロール20の移動距離を長くすることにより、PRベルトの継ぎ目14及びPRベルトの非画像部の長さに対応することができる。
【0012】
BTR2の転送ゾーンで継ぎ目14の後方の第1画像が転送された後、制御ローラ16及びローラ18のスピードを落とし、BTR1によりロール20を平坦にする制御が行われる。この動作は約1.5秒で行われることが好ましい。図3に示す通り、ロール20は、継ぎ目が感光体の上部に到達する前に平坦になる必要がある。BRT2の転送ゾーンでの画像転送に問題がないように、Vac1及びVac2は処理速度を維持する。この1.5秒の間に、継ぎ目14はPRベルト10構成の上部の位置に向かって縦に移動することになる(図示せず)。
【0013】
図3を参照すると、ロール20が平坦になった後、継ぎ目14がPRベルト10の上部に到達する前に、BTR1がPRベルト10と係合し、Vac1が動作してPRベルト10と接触する。BTR1は素早く付勢され、この時点ではBTR1及びBTR2の両方で画像の転送が行われる。ベルト10がBTR1とBTR2の間の距離と同じ距離を移動した後、BTR2はオフとなりPRベルト10から離れる。次いで継ぎ目は、約1.5秒内でベルト構成の底部に移動し、BTR1転送ゾーンに接近する。但し、好ましい実施形態では、定着器が転送動作のより遅い速度で動作して、ロールループを形成し平坦にする必要がある。
【0014】
図4では、Vac1、Vac2、及びBTR2の速度を調整し、スローダウンしてループ32を約1.5秒かけて再形成している。次いで、BTR2が図1と同様に.PRベルト10に接近する。継ぎ目14がBTR1に近づくと、同じ処理を繰り返すように構成部品が準備される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
継ぎ目を有する感光体ベルトと、第1バイアス転送ローラ及び第2バイアス転送ローラを有する画像転送ゾーンと、前記第1バイアス転送ローラと前記第2バイアス転送ローラの間に配置された真空補助ローラと、とを含む連続ロール式プリントシステム内で、前記転送ゾーンを通過する前記ベルトの前記継ぎ目の動作を相殺する方法であって、
前記転送ゾーンを通過する前記ロール内にループを形成することにより、前記連続ロールを前記ベルトの前記継ぎ目の部分より長く移動できるようにする工程と、
前記ロールループを平坦にする工程と、
前記継ぎ目が前記転送ゾーンを通過した後、前記ロールループを形成する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記継ぎ目が前記転送ゾーンを通過するときに前記第1バイアス転送ローラと前記第2バイアス転送ローラの動作とを交互に行う工程には、前記継ぎ目が前記第1バイアス転送ローラに到達する前に転送される画像に関し、前記第1バイアス転送ローラを起動させ、前記第2バイアス転送ローラを停止させる工程が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベルトの前記継ぎ目及びその他の非画像部が前記第2バイアス転送ローラを通過するとき、前記第1バイアス転送ローラを停止し、前記第2バイアス転送ローラを起動することで、前記ベルトの前記継ぎ目及びその他の非画像領域の後方の画像転送を可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1バイアス転送ローラの係合を解除しニップのローラの速度を落として、前記ロールを平坦にし、前記ループを緩める工程を含む請求項3に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−252330(P2012−252330A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108091(P2012−108091)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】