説明

連続帳票の加工装置、連続帳票の印刷加工システム

【課題】印刷装置との接続の汎用性を向上できる連続帳票の加工装置、連続帳票の印刷加工システムを提供する。
【解決手段】プリンタ50,250,350の駆動ローラ51,52によって送り方向X2に送られ連続帳票に加工される加工用紙Wに対して加工を行う加工装置20であって、
加工用紙の送り速度に応じて基準位置から移動する内部ダンサーローラ25と、内部ダンサーローラ25の移動量を検出する内部移動量検出センサ25aと、加工用紙の送り速度に応じて基準位置から移動する装置間ダンサーローラ24と、装置間ダンサーローラ24の移動量を検出する装置間移動量検出センサ24aと、内部移動量検出センサ25a及び装置間移動量検出センサ24aの出力に基づいて、内部ダンサーローラ25及び装置間ダンサーローラ24が基準位置を維持するよう加工用紙Wの送り速度を調整する速度調整制御をする加工装置制御部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工及び印刷により製造される連続帳票の加工装置、連続帳票の印刷加工システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、帳票印刷の分野では、オフセット方式やグラビア方式に代表される輪転印刷機で固定絵柄の印刷及び穴開けやトライアングルカット、ミシン、ハーフカット等の帳票加工を実施し、その後、別工程で連帳プリンタを使用し可変絵柄や可変文字等の印刷工程を実施していた。つまり、帳票加工及び可変印刷工程をオフラインで実施していたため、工程が多岐に亘れば亘る程、人件費や設備管理費、調整用紙のロス等のランニングコストが高くなり、製造原価の値上がりに繋がっていた。
また、現状では刃物を使用した機械式の装置で帳票加工を実施していることから、毎ページ可変する図形パターンを高速に加工することが難しく、さらに、加工する図形パターンの位置により加工装置の位置を変更する必要が生じるため、効率が悪かった。
【0003】
帳票加工と印刷工程とをインラインで実施する場合には、印刷部と帳票加工部の駆動が機械的に繋がっており(各駆動部がギア等で連結されている等)、装置毎に厳密に計算された張力で用紙搬送するよう設計されているため、印刷部に合わせた帳票加工部を同一メーカーが設計、製造する必要があり、帳票加工部の汎用性が低かった。
加えて、帳票加工部の駆動は機械式であり、加工方法は刃物を用いる方式であるため、毎シート可変する図形パターン等を高速に加工することは難しく、さらに、加工する図形パターンの位置により加工装置の位置を変更する作業が必要であり、また、要求される図形パターン用の刃物を準備する必要が生じるため、効率が悪かった。
【0004】
上記課題を解決するために、印字部とレーザ加工部を内部に備えたプリンタがあった(例えば特許文献1)。このプリンタは、印字部で印字すると共にレーザ加工部で真正マークを形成する。
しかし、このプリンタは、内部に印字部とレーザ加工部を配置しているため、各種プリンタに対してインラインで加工部を接続することによる汎用性を得ることができない。つまり、プリンタの能力により製造可能な製品が限定されてしまう。
【0005】
また、移動する連帳用紙をレーザビームにより加工する装置であり、用紙移動量検出機構を備えたレーザ加工装置があった(例えば特許文献2)。このレーザ加工装置は、搬送系に取り付けたロータリーエンコーダーからのパルスにより、レーザビームの発振タイミングを制御する。
しかし、このレーザ加工装置は、ピントラクタ等の用紙送り機構がない搬送系の場合、用紙の滑りやフィードローラーの空回り等の要因により、正確な紙搬送速度を検出することが難しくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−39773号公報
【特許文献2】特開平9−38789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、印刷装置との接続の汎用性を向上できる連続帳票の加工装置、連続帳票の印刷加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0009】
・第1の発明は、印刷装置(50,250,350)の駆動部(51,52)によって送り方向(X2)に送られ連続帳票に加工される加工用紙(W)に対して加工を行う加工装置(20,220,320,420)であって、前記加工用紙を前記送り方向に送る送り駆動部(21,22)と、この加工装置内部に設けられ、前記加工用紙が巻き掛けられて、前記加工用紙の送り速度に応じて基準位置から移動する装置内移動軸体(25)と、前記装置内移動軸体の移動量を検出する装置内検出部(25a)と、前記送り駆動部及び印刷装置の間の前記加工用紙が巻き掛けられて、前記加工用紙の送り速度に応じて基準位置から移動する装置間移動軸体(24)と、前記装置間移動軸体の移動量を検出する装置間検出部(24a)と、前記装置内検出部及び前記装置間検出部の出力に基づいて、前記装置内移動軸体及び前記装置間移動軸体が基準位置を維持するよう前記加工用紙の送り速度を調整する速度調整制御をする制御部(31,231,431)とを備えること、を特徴とする連続帳票の加工装置である。
・第2の発明は、第1の発明の連続帳票の加工装置において、制御部(31,231,431)は、前記印刷装置(50,250,350)から前記印刷装置の送り速度に対応した情報を受け付けて、前記印刷装置(20,220,320,420)の送り速度と同一の送り速度で、この加工装置内の前記加工用紙(W)を送るように送り駆動部を制御し、前記装置内検出部(25a)及び前記装置間検出部(24a)の出力に基づいて、前記装置内移動軸体及び前記装置間移動軸体が基準位置を維持するよう前記加工用紙の送り速度を調整する速度調整制御をすること、を特徴とする連続帳票の加工装置である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明の連続帳票の加工装置において、レーザ加工により前記加工用紙を加工するレーザ加工部(23)を備えること、を特徴とする連続帳票の加工装置である。
・第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の連続帳票の加工装置において、この加工装置(20,320)は、前記印刷装置(50,350)よりも送り方向上流側に配置されていること、を特徴とする連続帳票の加工装置である。
・第5の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の連続帳票の加工装置において、この加工装置(220,420)は、前記印刷装置(50,350)よりも送り方向下流側に配置されていること、を特徴とする連続帳票の加工装置である。
・第6の発明は、第5の発明の連続帳票の加工装置において、前記印刷装置(250,350)によって前記加工用紙(W)に印刷された加工内容情報(Wa,Wb)を検出する加工内容情報検出部(226)と、前記加工用紙に加工を行う加工部(23)とを備え、前記制御部(231,431)は、前記加工内容情報検出部の出力に基づいて、前記加工部を制御して、前記加工用紙に加工を行うこと、を特徴とする連続帳票の加工装置である。
【0010】
・第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明の前記印刷装置(50,250,350)と、第1から第6までのいずれかの発明の前記加工装置(20,220,320,420)と、を備える連続帳票の印刷加工システムである。
・第8の発明は、第1から第6までのいずれかの発明の前記印刷装置(50,250,350)と、第4の発明の前記印刷装置よりも送り方向上流側に配置された前記加工装置(20,320)と、第5又は第6の発明の前記印刷装置よりも送り方向下流側に配置された前記加工装置(220,420)と、を備える連続帳票の印刷加工システムである。
・第9の発明は、第8の発明の印刷加工システムにおいて、送り方向上流側に配置された前記加工装置(320)と、送り方向下流側に配置された前記加工装置(420)とは、前記制御部(431)を兼用し、前記制御部は、前記印刷装置(350)の送り速度に対応した情報に基づいて、送り方向上流側に配置された前記加工装置と、送り方向下流側に配置された前記加工装置との両方を、前記速度調整制御をすること、を特徴とする連続帳票の印刷加工システムである。
・第10の発明は、第7から第9までのいずれかの発明の連続帳票の印刷加工システムにおいて、前記制御部は、前記装置内移動軸体及び前記装置間移動軸体のいずれか一方が所定の移動量以上になった場合に、前記速度調整制御を行い、作業者が操作し、前記加工用紙の加工精度を選択する操作部(227,427)と、前記操作部の操作に応じて、前記所定の移動量閾値を切り替える切替部(431)とを備えること、を特徴とする連続帳票の印刷加工システムである。
・第11の発明は、第7から第10までのいずれかの発明の連続帳票の印刷加工システムにおいて、前記印刷装置(50,250,350)及び前記加工装置(20,220,320,420)に接続された管理サーバ(10,210,310)を備え、前記管理サーバは、前記印刷装置で印刷する印刷内容の情報である印刷情報と、前記加工装置で加工する加工内容の情報である加工情報とを記憶する記憶部(11,211,311)と、前記記憶部の前記印刷情報を前記印刷装置に送信し、前記記憶部の前記加工情報を前記加工装置に送信する制御部(10,210,310)とを備えること、を特徴とする連続帳票の印刷加工システムである。
・第12の発明は、第11の発明の連続帳票の印刷加工システムにおいて、前記印刷装置(50,250,350)は、印刷した情報である印刷済み情報を前記管理サーバに送信(10,210,310)し、前記加工装置(20,220,320,420)は、加工した情報である加工済み情報を前記管理サーバに送信し、前記管理サーバの前記記憶部(11,211,311)は、前記印刷装置が送信した情報と、前記加工装置が加工した情報とを関連付けて記憶すること、を特徴とする連続帳票の印刷加工システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
・第1の発明は、装置内移動軸体の移動量を検出する装置内検出部及び装置間移動軸体の移動量を検出する装置間検出部の出力に基づいて制御するので、加工装置及び印刷装置間の加工用紙の弛み、加工装置内の加工用紙の弛みを確実に防止できるため、加工装置内の加工用紙の送り速度を、簡単な制御によって、印刷装置内の送り速度に合わせることができる。また、加工用紙の送り速度を増減すると、装置内移動軸体及び装置間移動軸体が移動して、加工用紙に強い張力が働くことを防止できるため、加工用紙の破損を防止できる。これにより、加工装置及び印刷装置を接続して、加工及び印刷を同一工程内で行うインライン加工機として利用できる。
さらに、加工装置及び印刷装置をギア等の機械的な接続部品等を用いずに接続できるので、簡単に接続でき、かつ、接続部品等の制約が少なくなるため、加工装置を接続できる印刷装置のメーカ、機種等の選択の幅が広がり、加工装置の汎用性を向上できる。また、簡単な構成で、例えば、装置間の加工用紙の経路を短くできるため、加工装置及び印刷装置を組み合わせた装置全体を小型にできる。
さらにまた、印刷装置としてインクジェットプリンタ等を用いれば、製造する帳票の品種を変更する場合に、版(オフセット版等)の変更が不要であり、変更作業を短時間で行えるので、多品種、多ロットの帳票製造に容易に対応できる。
・第2の発明は、通常時には、印刷装置の搬送系からの送り速度の情報に基づいて、加工装置内の加工用紙を送り、加工装置及び印刷装置間の加工装置内の張力、加工装置内の加工用紙の張力が所定の範囲外になったと判定した場合には、加工装置内の送り速度を調整できる。このように、加工用紙の張力の情報を、送り駆動部への補正信号として利用することで、精度のよい送り制御をすることができる。
・第3の発明は、レーザ加工により加工用紙を加工するので、機械式の刃物を使用せず、毎シート可変する図形パターンを連続で高速に加工できる。また、機械式の刃物とは異なり、加工用紙の張力が変化しないので、加工用紙の内部張力及び装置間張力への影響がなく、加工用紙の安定した送り制御をすることができる。
・第4の発明は、加工装置が、印刷装置よりも送り方向上流側に配置されているので、例えば、ローラの滑り等の影響を受けにくいため、加工精度を向上できる。
・第5の発明は、加工装置が、印刷装置よりも送り方向下流側に配置されているので、例えば、加工用紙に印刷された情報を利用して、加工用紙に加工を行うことができる。
・第6の発明は、印刷装置によって加工用紙に印刷された加工内容情報の検出に基づいて加工用紙に加工を行うので、加工内容情報を利用して、例えば、帳票毎に異なる加工を行うことができる。
【0012】
・第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明の印刷装置、加工装置を備える印刷加工システムであるので、第1から第6までの発明と同様な効果を奏する。
・第8の発明は、第1から第6までのいずれかの発明の印刷装置と、第4の発明の加工装置と、第5又は第6の発明の加工装置とを備える印刷加工システムであるので、第1から第6までの発明等と同様な効果を奏する。
・第9の発明は、送り方向上流側に配置された加工装置と、送り方向下流側に配置された加工装置とが、制御部を兼用し、印刷装置の送り速度に対応した情報に基づいて、これら両方を、速度調整制御をするので、構成を簡単にすることができる。
・第10の発明は、操作部の操作に応じて、速度調整制御の所定の範囲の閾値を切り替えるので、加工精度に対応した閾値に容易に設定できる。
・第11の発明は、管理サーバが、印刷情報を印刷装置に送信し、加工情報を加工装置に送信するので、印刷及び加工する情報を管理サーバで管理でき、また、インライン加工の準備時間を削減できる。
・第12の発明は、管理サーバの記憶部が、印刷装置が送信した情報と、加工装置が加工した情報とを関連付けて記憶するので、インラインで接続した装置のログ情報を関連付けて一括して管理できるため、システム全体でのトレーサビリティを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態のインライン帳票加工システム1の構成を説明する図である。
【図2】第1実施形態の装置間ダンサーローラ24、内部ダンサーローラ25の構成を説明する図である。
【図3】第1実施形態の加工印刷処理を説明するフローチャートである。
【図4】第2実施形態のインライン帳票加工システム201の構成を説明する図である。
【図5】第2実施形態のコード−加工内容テーブル230a及び加工精度−移動量テーブル230dを示す図である。
【図6−1】第2実施形態の加工印刷処理を説明するフローチャートである。
【図6−2】第2実施形態の加工印刷処理を説明するフローチャートである。
【図7】第2実施形態の加工用紙Wへの加工内容を説明する図である。
【図8】第3実施形態のインライン帳票加工システム301の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のインライン帳票加工システム1の構成を説明する図である。図2は、第1実施形態の装置間ダンサーローラ24、内部ダンサーローラ25の構成を説明する図である。
インライン帳票加工システム1(レーザ加工システム)は、加工用紙Wに対して、レーザ加工、印刷を行って、連続帳票を製造する装置である。
インライン帳票加工システム1は、送りローラ2、巻き取りローラ3、管理サーバ10、レーザ加工装置20、プリンタ50(印刷装置)を備える。
送りローラ2は、加工前の加工用紙W(ワーク)が巻かれたローラであり、送り方向Xの上流側X1に設けられている。
巻き取りローラ3は、加工後の加工用紙Wを巻き取るローラであり、送り方向Xの下流側X2に設けられている。
【0015】
管理サーバ10は、レーザ加工装置20及びプリンタ50に対して、電気ケーブルや無線等によって接続され、レーザ加工装置20及びプリンタ50との間で情報の送受信をすることができる。管理サーバ10は、サーバ記憶部11、サーバ制御部12を備える。
サーバ記憶部11は、管理サーバ10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。サーバ記憶部11は、加工情報記憶部11a、印刷情報記憶部11b、ログデータ記憶部11cを備える。
加工情報記憶部11aは、レーザ加工装置20で加工する加工内容の情報である加工情報を記憶する記憶領域である。
印刷情報記憶部11bは、プリンタ50で印刷する印刷内容の情報である印刷情報を記憶する記憶領域である。
ログデータ記憶部11cは、レーザ加工装置20から送信された加工ログ(加工済み情報)と、プリンタ50から送信された印刷ログ(印刷済み情報)とを関連付けて記憶する記憶領域である。
【0016】
サーバ制御部12は、管理サーバ10を統括的に制御する制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。サーバ制御部12は、サーバ記憶部11に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
サーバ制御部12は、サーバ記憶部11の情報をレーザ加工装置20、プリンタ50に送信したり、レーザ加工装置20、プリンタ50から情報を受信して、加工ログ、印刷ログをサーバ記憶部11に記憶する。
【0017】
レーザ加工装置20は、加工用紙Wに対してレーザ加工を行う装置である。レーザ加工装置20は、プリンタ50よりも上流側X1に、プリンタ50に連設されている。
なお、実施形態では、連設とは、プリンタとレーザ加工装置が直接的につなげて配置された形態(プリンタとレーザ加工装置との間に他の装置が配置されていない形態等)、又は間接的につなげて配置された形態(プリンタとレーザ加工装置との間に他の装置が配置された形態等)の両方を含む概念である。
レーザ加工装置20は、上流側X1に設けられた孔部20aに、送りローラ2によって送られた加工用紙Wが挿通され、下流側X2に設けられた孔部20bから、加工済みの加工用紙Wをプリンタ50に向けて送り出す。
レーザ加工装置20は、前ローラ21(送り駆動部)、後ローラ22(送り駆動部)、レーザ加工部23、装置間ダンサーローラ24(装置間移動軸体)、装置間移動量検出センサ24a(装置間検出部)、内部ダンサーローラ25(装置内移動軸体)、内部移動量検出センサ25a(装置内検出部)、加工装置記憶部30、加工装置制御部31を備える。
【0018】
前ローラ21、後ローラ22は、加工用紙Wを下流側X2に送るローラである。
レーザ加工部23は、各ローラ21,22が送る加工用紙Wに対して、レーザ光Lを発する装置である。レーザ加工の種類は、マーキング、孔開け加工、ミシン目加工、ハーフカット等である。
インライン帳票加工システム1は、レーザ加工部23を用いることにより、刃物を利用した機械駆動のような加工位置の制限が少ないので、図形パターンの自由度の高い帳票加工をすることができ、シート毎に可変する図形パターンを連続で高速に加工できる。
なお、図形パターンは、レーザ加工部23によって加工できるものであればいずれの形態でもよく、図形の他に例えば線等も含む概念である。
また、レーザ加工は、機械式の刃物とは異なり、加工用紙Wの張力が変化しない。後述するように、インライン帳票加工システム1は、装置間ダンサーローラ24及び内部ダンサーローラ25を利用して、加工用紙Wの送り制御をするので、加工用紙Wの張力に影響がないことにより、加工用紙Wの安定した送り制御をすることができる。
【0019】
装置間ダンサーローラ24には、後ローラ22(送り駆動部)及びプリンタ50の間の加工用紙Wが巻き掛けられている。装置間ダンサーローラ24は、後ローラ22及びプリンタ50の間に配置されている。
【0020】
装置間ダンサーローラ24は、例えば、図2(a)に示すように、加工用紙Wの経路において、送り方向Xに2つ並んだローラ24c,24dの間において、ローラ24c,24dよりも下側Z1に配置される。加工用紙Wは、上流側X1のローラ24cの上側Z2に接触してローラ24cの上側Z2を通り、装置間ダンサーローラ24の下側Z1に巻き掛けられて装置間ダンサーローラ24の下側Z1を通り、下流側X2のローラ24dの上側Z2に接触してローラ24dの上側Z2を通る。
【0021】
装置間ダンサーローラ24の端部は、不図示の軸受に支持されている。この軸受は、エアシリンダ等により上下方向Zに移動可能に支持される。これにより、装置間ダンサーローラ24は、装置間ダンサーローラ24よりも上流側X1の加工用紙Wの速度と、下流側X2の加工用紙Wの速度とに差がある場合に、加工用紙Wの送り速度に応じて、基準位置から上下方向Z(プラス側Z2及びマイナス側Z1)に移動する。また、後述するように、基準位置から上下方向Zに移動した装置間ダンサーローラ24は、基準位置を維持するように制御される。
【0022】
具体的には、図2(a)に示すように、装置間ダンサーローラ24は、通常時において、基準位置に位置している。そして、装置間ダンサーローラ24は、加工用紙Wの下流側X2の速度(A)が上流側X1の速度(B)よりも遅い場合(A<B)には、図2(b)に示すように、基準位置から下側Z1に移動する。一方、装置間ダンサーローラ24は、加工用紙Wの下流側X2の速度(A)が上流側X1の速度(B)よりも速い場合には、図2(c)に示すように、基準位置から上側Z2に移動する。基準位置から上下方向Zに移動した装置間ダンサーローラ24は、基準位置を維持するように前ローラ21及び後ローラ22の回転速度が調整される。
【0023】
装置間移動量検出センサ24aは、装置間ダンサーローラ24の基準位置からの移動量を検出する光学センサである。装置間移動量検出センサ24aは、装置間ダンサーローラ24の基準位置からの移動量の情報(基準位置からの位置情報)を後述する加工装置制御部31に送信する。
【0024】
内部ダンサーローラ25は、装置間ダンサーローラ24と同様なローラである。内部ダンサーローラ25には、加工用紙Wが巻き掛けられている。内部ダンサーローラ25は、前ローラ21及び後ローラ22の間に配置されている。
【0025】
内部ダンサーローラ25は、例えば、図2に示すように、加工用紙Wの経路において、送り方向Xに2つ並んだローラ25c,25dの間において、ローラ25c,25dよりも下側Z1に配置される。内部ダンサーローラ25は、装置間ダンサーローラ24と同様に、加工用紙Wの送り速度に応じて、基準位置から上下方向Z(プラス側Z2及びマイナス側Z1)に移動する。また、基準位置から上下方向Zに移動した内部ダンサーローラ25は、装置間ダンサーローラ24と同様に、基準位置を維持するように制御される。
【0026】
内部移動量検出センサ25aは、装置間移動量検出センサ24aと同様な光学センサであり、内部ダンサーローラ25の基準位置からの移動量を検出する。内部移動量検出センサ25aは、内部ダンサーローラ25の基準位置からの移動量の情報(基準位置からの位置情報)を後述する加工装置制御部31に送信する。
【0027】
図1に示すように、加工装置記憶部30は、レーザ加工装置20の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。加工装置記憶部30は、管理サーバ10から送信された加工情報を記憶したり、加工用紙Wの加工精度の設定情報を記憶する。
加工装置制御部31は、レーザ加工装置20を統括的に制御する制御部であり、例えば、CPU等から構成される。加工装置制御部31は、管理サーバ10との間で情報の送受信をしたり、装置間移動量検出センサ24a、内部移動量検出センサ25aの出力に基づいて、前ローラ21、後ローラ22を制御する。加工装置制御部31の処理は、後述する。
【0028】
プリンタ50は、レーザ加工装置20よりも下流側X2に連設され、レーザ加工部23によって加工された加工用紙Wに対して、印刷する装置である。プリンタ50は、上流側X1に設けられた孔部50aに、レーザ加工装置20によって送られた加工済みの加工用紙Wが挿通され、下流側X2に設けられた孔部50bから、印刷済みの加工用紙Wを巻き取りローラ3に向けて送り出す。
プリンタ50は、プリンタ駆動ローラ51,52、インクジェットヘッド53、プリンタ制御部55を備える。
プリンタ駆動ローラ51,52は、プリンタ50内部において、加工用紙Wを送り方向Xに送る駆動部である。プリンタ駆動ローラ51は、プリンタ50内の上流側X1に配置され、プリンタ駆動ローラ52は、下流側X2に配置されている。
【0029】
プリンタ駆動ローラ51,52の回転速度の情報である回転速度情報は、レーザ加工装置20に出力される。回転速度情報は、プリンタ駆動ローラ51,52の回転速度に関するものであればいずれの形態でもよく、例えば、プリンタ駆動ローラ51,52の回転速度を検出するロータリエンコーダ(図示せず)の出力情報、プリンタ駆動ローラ51,52を駆動するパルスモータ(図示せず)のパルス信号等の情報を利用できる。
また、出力の方法は、レーザ加工装置20に出力できればいずれの形態でもよく、例えば、回転速度情報を伝達する電気ケーブル等に、出力用の電気ケーブルを新たに接続してもよく、プリンタ50がメンテナンス等のために、回転速度情報を出力するインタフェースを備えている場合には、その出力を利用してもよい。
【0030】
インクジェットヘッド53は、インクジェット方式により、加工用紙Wに対してインクを射出して印刷する装置である。
プリンタ制御部55は、プリンタ50を統括的に制御する制御部である。プリンタ制御部55は、管理サーバ10から印刷情報を受信して、その印刷情報に基づいて、プリンタ駆動ローラ、インクジェットヘッド53を制御して、加工用紙Wに印刷したり、印刷した情報を管理サーバ10に随時送信する。
【0031】
次に、インライン帳票加工システム1の動作について説明する。
図3は、第1実施形態の加工印刷処理を説明するフローチャートである。
ステップS(以下、単に「S」という)1において、管理サーバ10のサーバ制御部12は、作業者の操作部(図示せず)の操作に応じて、レーザ加工装置20に加工情報記憶部11aの加工情報及び加工数量を送信し、プリンタ50に印刷情報記憶部11bの印刷情報及び印刷数量を送信する。なお、作業者は、複数の加工情報及び印刷情報のなかから選択して組み合わせて、所望の帳票の形態を合成できる。
【0032】
S2において、レーザ加工装置20の加工装置制御部31は、管理サーバ10が送信した加工情報を受信する。
S3において、加工装置制御部31は、プリンタ50からプリンタ駆動ローラ51,52の回転速度情報を取得する。
S4において、加工装置制御部31は、取得した回転速度情報に基づいて、レーザ加工装置20内の加工用紙Wの送り速度が、プリンタ50内の送り速度と同一になるように、前ローラ21、後ローラ22を制御する。プリンタ駆動ローラ51,52の回転速度は、プリンタ50内の送り速度に対応した情報であるので、回転速度情報を取得することにより、加工装置制御部31は、レーザ加工装置20内の加工用紙Wの送り速度が、プリンタ50内の送り速度と同一の送り速度になるように、前ローラ21、後ローラ22を制御できる。
例えば、加工装置制御部31は、プリンタ駆動ローラ51,52の径と、前ローラ21及び後ローラ22の径との比率に基づいて、前ローラ21及び後ローラ22を制御すればよい。例えば、プリンタ駆動ローラ51,52の径が前ローラ21及び後ローラ22の径の2倍である場合には、加工装置制御部31は、プリンタ駆動ローラ51,52の2倍の回転速度で前ローラ21及び後ローラ22を回転すればよい。
なお、プリンタ駆動ローラ51,52の径と、前ローラ21及び後ローラ22の径の情報は、管理サーバ10に予め入力しておき、管理サーバ10からレーザ加工装置20に送信してもよいし、又は作業者がレーザ加工装置20に直接入力してもよい。
【0033】
S5において、加工装置制御部31は、装置間移動量検出センサ24aの出力に基づいて、装置間ダンサーローラ24の基準位置からの移動量の情報を取得する。
S6において、加工装置制御部31は、取得した装置間ダンサーローラ24の移動量が設定範囲内であるか否かを判定する。加工装置制御部31は、装置間ダンサーローラ24の移動量が設定範囲内であると判定した場合には(S6:YES)、S7に進み、一方、設定範囲外であると判定した場合には(S6:NO)、S6aに進む。
【0034】
S6aにおいて、加工装置制御部31は、装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置からマイナス側Z1であるか否かを判定する。加工装置制御部31は、装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置よりもマイナス側Z1であると判断した場合には(S6a:YES)、S6bに進んで、前ローラ21及び後ローラ22の回転速度を減少させると共に、装置間ダンサーローラ24が基準位置を維持するように前ローラ21及び後ローラ22の速度を調整して、S7に進む。これにより、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一(A=B)になるように調整される(図2(b)参照)と共に、装置間ダンサーローラ24が基準位置に戻る方向U(図2(b)参照)に移動する。
一方、S6aにおいて、加工装置制御部31は、装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置よりもプラス側Z2であると判断した場合には(S6a:NO)、S6cに進んで、前ローラ21及び後ローラ22の回転速度を増加させると共に、装置間ダンサーローラ24を基準位置に移動させて、S7に進む。これにより、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一(A=B)になるように調整される(図2(c)参照)と共に、装置間ダンサーローラ24が基準位置に戻る方向D(図2(c)参照)に移動する。
【0035】
インライン帳票加工システム1は、S5、S6、S6a〜S6cの処理により、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一になるように制御できるので、レーザ加工装置20及びプリンタ50間の加工用紙Wの弛みや損傷を防止できる。
また、装置間ダンサーローラ24が移動することにより、加工用紙Wのパス長を変えることができるので、例えば、センサにより加工用紙Wの張力を検知してから張力を調整するような制御に比べると、加工用紙Wに掛かる負荷を軽減して、加工用紙Wの破損を防止できる。
また、加工用紙Wの張力を調整するための応答時間が必要な場合でも、装置間ダンサーローラ24が移動するため、加工用紙Wに掛かる負荷を軽減できる。
【0036】
S7において、加工装置制御部31は、内部移動量検出センサ25aの出力に基づいて、レーザ加工装置20内の加工用紙Wが巻き掛けられている内部ダンサーローラ25の基準位置からの移動量の情報を取得する。
S8において、加工装置制御部31は、内部移動量検出センサ25aの出力に基づいて、内部移動量検出センサ25aの移動量が設定範囲内であるか否かを判定する。加工装置制御部31は、内部移動量検出センサ25aの移動量が設定範囲内であると判定した場合には(S8:YES)、S9に進み、一方、設定範囲外であると判定した場合には(S8:NO)、S8aに進む。
【0037】
S8aにおいて、加工装置制御部31は、内部移動量検出センサ25aの位置が基準位置からマイナス側Z1であるか否かを判定する。加工装置制御部31は、内部移動量検出センサ25aの位置が基準位置よりもマイナス側Z1であると判断した場合には(S8a:YES)、S8bに進んで、前ローラ21の回転速度を減少させ、かつ、後ローラ22の回転速度を増加させて、S10に進む。これにより、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一(A=B)になるように調整される(図2(b)参照)と共に、内部ダンサーローラ25が基準位置に戻る方向U(図2(b)参照)に移動する。なお、この場合には、加工用紙Wの装置間ダンサーローラ24の変動を抑制するために、前ローラ21の回転速度の減少のみを行ってもよい。
【0038】
一方、S8aにおいて、加工装置制御部31は、内部移動量検出センサ25aの位置が基準位置よりもプラス側Z2であると判断した場合には(S8a:NO)、S8cに進んで、前ローラ21の回転速度を増加させ、かつ、後ローラ22の回転速度を減少させて、S10に進む。これにより、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一(A=B)になるように調整される(図2(c)参照)と共に、内部ダンサーローラ25が基準位置に戻る方向D(図2(c)参照)に移動する。
【0039】
インライン帳票加工システム1は、S7、S8、S8a〜S8cの処理により、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一になるように制御できるので、レーザ加工装置20内の加工用紙Wの弛みや損傷を防止できる。
【0040】
S9において、加工装置制御部31は、加工用紙Wに対してレーザ加工を行い、加工ログを管理サーバ10に送信する。
【0041】
S10において、サーバ制御部12は、レーザ加工装置20から加工ログを受信し、一方、プリンタ50から印刷ログを受信する。
S11において、サーバ制御部12は、加工ログ及び印刷ログを関連付けて、ログデータ記憶部11cに記憶する。
【0042】
S12において、加工装置制御部31は、全数量の帳票を加工したか否かを判定する。加工装置制御部31は、全数量の帳票の加工が終了したと判定した場合には(S12:YES)、S13に進んで処理を終了し、一方、終了していないと判定した場合には(S12:NO)、S3からの処理を繰り返す。
【0043】
S14において、サーバ制御部12は、ログ情報に基づいて、全数量の帳票の加工及び印刷が終了したか否かを判定する。サーバ制御部12は、全数量の帳票の加工及び印刷が終了したと判定した場合には(S14:YES)、S15に進んで処理を終了し、一方、終了していないと判定した場合には(S14:NO)、S10からの処理を繰り返す。
【0044】
このように、インライン帳票加工システム1は、インラインで接続したレーザ加工装置20及びプリンタ50のログを関連付けて、一括してログデータ記憶部11cに記憶するので、作業者は、ログデータ記憶部11cの情報を参照すれば、過去に製造した帳票の確認ができ、システム全体でのトレーサビリティを向上できる。
【0045】
なお、レーザ加工位置と印刷位置の位置合わせは、種々の手法を用いることができる。
例えば、インライン帳票加工システム1は、全送り過程において加工用紙Wに弛みが発生しないので、プリンタ50の回転速度情報を、レーザ加工部のレーザの発振タイミング信号として利用しても、レーザ加工位置と印刷位置の位置合わせをできる。
また、レーザ加工装置20において、レーザ加工部によって印刷基準位置をマーキングしておき、プリンタ50において、このマーキングを光学センサで読みって、印刷位置を調整してもよい。
【0046】
以上説明したように、第1実施形態のインライン帳票加工システム1は、以下の効果を奏することができる。
(1)レーザ加工装置20及びプリンタ50間及びレーザ加工装置20内の加工用紙Wの弛みを防止して加工用紙Wを送ることにより、レーザ加工装置20内において、加工用紙Wの滑り等で発生するズレを補正し、プリンタ50と同一の送り速度で加工用紙Wを送ることができ、加工精度を確保できる。これにより、レーザ加工装置20及びプリンタ50間をギア等を用いずに接続できるので、レーザ加工装置20の汎用性を向上できる。つまり、他のプリンタ50であっても、容易にレーザ加工装置20に接続できる。
(2)通常時には、プリンタ50の回転速度情報に基づいて、レーザ加工装置20内の加工用紙Wを送り、装置間ダンサーローラ24の移動量及び内部ダンサーローラ25の移動量が設定範囲外になったと判定した場合には、レーザ加工装置20内の送り速度を調整できる。このように、装置間ダンサーローラ24の移動量及び内部ダンサーローラ25の移動量の情報を、レーザ加工装置20内の加工用紙Wの送り速度の補正信号として利用することで、精度のよい送り制御をすることができる。
また、装置間ダンサーローラ24の移動量及び内部ダンサーローラ25の移動量をリアルタイムで検出し、送り速度を補正するので、加工準備時の厳密なテンション設定等が不要である。
(3)管理サーバ10が、印刷情報をプリンタ50に送信し、加工情報をレーザ加工装置20に送信するので、印刷及び加工する情報を管理サーバ10で管理でき、また、インライン加工の準備時間を削減できる。
【0047】
(4)管理サーバ10が加工、印刷に必要な情報、各種パラメーター等を、デジタルデータでレーザ加工装置20及びプリンタ50に受け渡すことができるので、レーザ加工装置20、プリンタ50装置を管理サーバ10で一括して操作できる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能、処理を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図4は、第2実施形態のインライン帳票加工システム201の構成を説明する図である。
図5は、第2実施形態のコード−加工内容テーブル230a及び加工精度−移動量テーブル230dを示す図である。
第2実施形態のインライン帳票加工システム201は、第1実施形態とは異なり、レーザ加工装置220がプリンタ250よりも下流側X2に配置されている。つまり、インライン帳票加工システム201は、プリンタ250によって印刷した加工用紙Wに対して、レーザ加工装置220がレーザ加工する形態である。
【0049】
レーザ加工装置220は、光学センサ226(加工内容情報検出部)、操作部227、加工装置記憶部230内に記憶されたコード−加工内容テーブル230a及び加工精度−移動量テーブル230dを備える。
光学センサ226は、後述するように、プリンタ250が印刷したバーコードWa、タイミングマークWb(図7に示すバーコードWa−1、タイミングマークWb−1等参照)の加工内容情報を検出する検出部である。光学センサ226は、前ローラ21と、レーザ加工部23との間に配置されている。
操作部227は、作業者が操作可能なスイッチ、キーボード等の操作装置である。操作部227は、加工用紙Wの加工精度についての選択操作を受け付ける。操作部227は、操作情報を加工装置制御部231に出力する。
【0050】
図5に示すように、コード−加工内容テーブル230aには、コード230bと、加工内容230cとを対応付けて記憶するテーブルである。
コード230bは、加工用紙Wに印刷されたバーコードWa(図7に示すバーコードWa−1等参照)のデコード情報である。
加工内容230cは、レーザ加工の加工内容に関する情報である。
例えば、コード−加工内容テーブル230aには、1行目に、バーコードのデコード情報であるコード「A」と加工内容「○形状のレーザ加工」とが対応付けて記憶されている。
【0051】
加工精度−移動量テーブル230dは、加工用紙Wの加工精度230eと、送り制御時の装置間ダンサーローラ24及び内部ダンサーローラ25の移動量の下限値及び上限値の移動量範囲230f(所定の範囲の閾値)とを対応付けて記憶するテーブルである。
例えば、加工精度−移動量テーブル230dは、1行目に、加工精度「高」と、移動量範囲「−5mm〜+5mm」とが対応付けて記憶されている。
ここで、加工精度は、加工用紙Wへ加工位置の許容範囲に応じて異なる。例えば、加工する文字や図形が大きい場合には、加工精度が低くても加工用紙Wへの加工位置の許容範囲内に加工できることがある。また、例えば、加工用紙Wの送り速度が遅い場合には、加工精度が低くても加工用紙Wへの加工位置の許容範囲内に加工できることがある。
加工用紙Wの加工精度を高くする場合には、駆動系の制御が厳密になったり駆動系への負荷が大きくなったり、装置間ダンサーローラ24又は内部ダンサーローラ25の駆動頻度を上げて移動量の範囲を狭くすることで、加工用紙Wへの負荷(張力)が大きくなるという問題があった。一方、加工用紙Wの設定加工精度を低くする場合には、駆動系の制御が緩やかになったり駆動系への負荷が低減されたり、装置間ダンサーローラ24又は内部ダンサーローラ25の移動量の範囲が広くなることで、加工用紙Wへの負荷を軽減できる利点がある。
【0052】
このため、インライン帳票加工システム201は、操作部227の操作及び加工精度−移動量テーブル230dに基づいて、加工精度230eに応じて、送り制御時の装置間ダンサーローラ24及び内部ダンサーローラ25の移動量範囲230fを変更できるようにしている。
なお、装置間ダンサーローラ24及び内部ダンサーローラ25の移動量に関するテーブルは、内部ダンサーローラ25の移動量、装置間ダンサーローラ24の移動量毎に異なるものを設けて、それぞれ異なる移動量の範囲を設定できるようにしてもよい。
【0053】
次に、インライン帳票加工システム201の動作について説明する。
図6(図6−1、図6−2)は、第2実施形態の加工印刷処理を説明するフローチャートである。
図7は、第2実施形態の加工用紙Wへの加工内容を説明する図である。
S201において、作業者が加工用紙Wの加工精度に応じて、操作部227を操作すると、加工装置制御部231は、操作部227からの操作情報、つまり、選択した加工用紙Wの加工精度230eを受け付ける。
S202において、加工装置制御部231(切替部)は、加工用紙Wの加工精度230eに基づいて、加工精度−移動量テーブル230dを参照して、加工精度230eに対応した移動量範囲230fを読み出して、加工時の移動量範囲を設定する。
【0054】
そして、作業者は、各装置を駆動させて、加工開始をする。
図6では、図示を省略するが、プリンタ250は、加工開始に応じて、印刷情報記憶部211bに基づいて、加工用紙Wに対して、帳票の印刷内容の他に、バーコードWa、タイミングマークWb(図7参照)を、順次印刷する。バーコードWa、タイミングマークWbの印刷情報は、印刷情報記憶部211b(図4参照)に記憶されている。
【0055】
S6において、加工装置制御部231は、S201で設定した装置間ダンサーローラ24の移動量範囲230fに基づいて、装置間ダンサーローラ24の移動量が設定範囲内であるか否かを判定する。
装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置よりもマイナス側Z1であると判断した場合には(S6a:YES)、S206bにおいて、加工装置制御部231は、第1実施形態とは異なり、前ローラ21及び後ローラ22の回転速度を増加させる。これは、第2実施形態では、レーザ加工装置220がプリンタ250よりも下流側X2に設けられているからである。つまり、装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置よりもマイナス側Z1にある場合に、レーザ加工装置220の加工用紙Wの送り速度を速くして、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一になるように調整すると共に、装置間ダンサーローラ24を基準位置に戻る方向に移動させて装置間ダンサーローラ24が基準位置を維持するように調整するためである。
【0056】
一方、装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置よりもプラス側Z2であると判断した場合には(S6a:NO)、S206cにおいて、加工装置制御部231は、第1実施形態とは異なり、前ローラ21及び後ローラ22の回転速度を減少させる。これは、S206bと同様な理由により、装置間ダンサーローラ24の位置が基準位置よりもプラス側Z2にある場合に、レーザ加工装置220の加工用紙Wの送り速度を遅くして、レーザ加工装置20の送り速度がプリンタ50の送り速度と同一になるように調整すると共に、装置間ダンサーローラ24を基準位置に戻る方向に移動させて装置間ダンサーローラ24が基準位置を維持するように調整するためである。
【0057】
S8において、加工装置制御部231は、S201で設定した移動量範囲230fに基づいて、内部ダンサーローラ25の移動量が設定範囲内であるか否かを判定する。
S8bにおいて、加工装置制御部231は、第1実施形態と同様に、前ローラ21の回転速度を減少させ、かつ、後ローラ22の回転速度を増加させて、レーザ加工装置20の送り速度をプリンタ50の送り速度と同一になるように調整すると共に、内部ダンサーローラ25が基準位置を維持するように前ローラ21及び後ローラ22の速度を調整する。なお、この場合には、装置間ダンサーローラ24の変動を抑制するために、後ローラ22の回転速度の増加のみを行ってもよい。
【0058】
一方、S8cにおいて、加工装置制御部231は、第1実施形態と同様に、前ローラ21の回転速度を増加させ、かつ、後ローラ22の回転速度を減少させて、レーザ加工装置20の送り速度をプリンタ50の送り速度と同一になるように調整すると共に、内部ダンサーローラ25が基準位置を維持するように前ローラ21及び後ローラ22の速度を調整する。なお、この場合には、装置間ダンサーローラ24の変動を抑制するために、後ローラ22の回転速度の減少のみを行ってもよい。
【0059】
S6a〜S6c、S8a〜S8cでは、第1実施形態と同様に、レーザ加工装置20の送り速度をプリンタ50の送り速度と同一になるように制御できるので、レーザ加工装置220内の加工用紙Wの弛みや損傷を防止できる。
【0060】
S207において、光学センサ226は、加工用紙Wに印刷されたバーコードWaを読み取ると、読み取り情報を加工装置制御部231に出力する。加工装置制御部231は、この読み取り情報を受け付ける。
S208において、加工装置制御部231は、バーコードWaの読み取り情報に基づいて、コード−加工内容テーブル230aを参照して、バーコードWaに対応した加工内容230cを読み出す。
図7は、加工装置制御部231が、帳票W−1のバーコードWa−1に基づいて、「○」形状の加工内容230cを読み出して、帳票W−1にレーザ加工を行い、また、帳票W−2のバーコードWa−2に基づいて、「△」形状の加工内容230cを読み出して、帳票W−2にレーザ加工を行った例である。
【0061】
なお、バーコードWaは、加工形状に加えて、加工位置に関する情報を記憶してもよい。図7は、帳票W−1のバーコードWa−1にタイミングマークWb−1からの加工開始位置Wc−1、ミシン目We−1の加工位置Wd−1を記憶させて、加工を行った例である。同様に、帳票W−2のバーコードWa−2にタイミングマークWb−2からの加工開始位置Wc−2、ミシン目We−2の加工位置Wd−2を記憶させている。
このように、インライン帳票加工システム201は、帳票毎に異なる加工を行えるので例えば、帳票の宛先毎に異なる帳票を製造できる。
【0062】
S209において、加工装置制御部231は、光学センサ226の出力に基づいて、タイミングマークWbを検出したか否かを判定する。加工装置制御部231は、タイミングマークWbを検出したと判定した場合には(S209:YES)、S210に進み、一方、検出していないと判定した場合には(S209:NO)、検出するまで待機する。
【0063】
S210において、加工装置制御部231は、光学センサ226がタイミングマークWbを出力した位置、時点を基準にして、レーザ加工位置の位置合わせを行う。前述したように、インライン帳票加工システム201は、全送り過程において加工用紙Wに弛みが発生しない。このため、加工装置制御部231は、例えば、タイミングマークWbを検出してからのプリンタ250の回転速度情報や、前ローラ21及び後ローラ22の回転情報を利用して、レーザ加工の加工開始位置Wc、ミシン目Weの加工位置Wdの位置合わせをできる。
S9以降の処理は、第1実施形態と同様である。
【0064】
以上説明したように、第2実施形態のインライン帳票加工システム201は、加工用紙Wに印刷されたバーコードWaを利用して、帳票毎に異なる加工を行うことができる。また、加工用紙Wの加工精度に対応した閾値に容易に設定できる。
【0065】
なお、本実施形態において、加工精度−移動量テーブル230dは、移動量の下限値及び上限値の移動量範囲230fを記憶する例を示したが、これに限定されない。加工精度−移動量テーブル230dは、下限値及び上限値の一方を記憶しておいてもよい。
【0066】
また、本実施形態において、操作部227、コード−加工内容テーブル230a、加工精度−移動量テーブル230dは、レーザ加工装置220に設けられている例を示したが、これに限定されない。これらは、管理サーバ210に設けてもよい。この場合には、操作部の操作に応じて、サーバ制御部212が加工精度−移動量テーブル230dを参照して、移動量範囲を加工装置制御部231に出力し、加工装置制御部231がその移動量範囲を設定すればよい。また、加工内容についても、光学センサ226の出力に基づいて、サーバ制御部212がコード−加工内容テーブルを参照して、加工内容を加工装置制御部231に出力すればよい。この場合には、レーザ加工装置を交換するときに、管理サーバ210の各テーブル等をそのまま利用できるので、交換作業が容易である。
【0067】
さらに、本実施形態において、移動量範囲230fの切替は、操作部227、加工精度−移動量テーブル230dに基づいて行う例を示したが、これに限定されない。例えば、移動量範囲230fを電気的に切り替える回路を有するスイッチ(切替部)等を設け、このスイッチ等の操作によって、移動量範囲を切り替えてもよい。
【0068】
なお、本実施形態の移動量範囲230fを切り替える操作部227、加工精度−移動量テーブル230d等の構成は、第1実施形態に対して適用してもよい。
【0069】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態のインライン帳票加工システム301の構成を説明する図である。
第3実施形態のインライン帳票加工システム301は、プリンタ350の上流側X1にレーザ加工装置320を配置し、下流側X2にレーザ加工装置420を配置した構成である。
なお、図8には簡略して示すが、レーザ加工装置320は、第1実施形態と同様な構成であり、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
同様に、プリンタ350、レーザ加工装置420は、第2実施形態と同様な構成であり、第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付す。
【0070】
レーザ加工装置320,420は、加工装置制御部431を兼用している。つまり、加工装置制御部431は、1系統のプリンタ駆動ローラの回転速度情報に基づいて、レーザ加工装置420に加えレーザ加工装置320を制御し、かつ、これらを独立して送り制御できるようになっている。
また、加工装置制御部431は、操作部427の操作に応じて、装置内テンション、装置間テンションを、レーザ加工装置320,420毎に独立して設定する。
管理サーバ310は、レーザ加工装置320,420、プリンタ350に接続され、これら3つの装置の加工情報、印刷情報、加工ログ、印刷ログを総括して制御、管理する。
【0071】
インライン帳票加工システム301の処理は、第1及び第2実施形態と同様である。
つまり、加工装置制御部431は、レーザ加工装置320の処理を、プリンタ駆動ローラの回転速度情報に基づいて、第1実施形態と同様に行う(図3参照)。また、加工装置制御部431は、レーザ加工装置420の処理を、プリンタ駆動ローラの回転速度情報に基づいて、第2実施形態と同様に行う(図6参照)。
【0072】
上記構成により、インライン帳票加工システム301は、加工用紙Wに対して、「レーザ加工装置320によるレーザ加工→プリンタ350による印刷→レーザ加工装置420によるレーザ加工」の順に加工を行う。これにより、多様なレーザ加工を行うことができ、より多品種の帳票製造に対応できる。
また、加工装置制御部431は、プリンタ駆動ローラの回転速度情報に基づいて、レーザ加工装置320,420を送り制御するので、全工程の加工用紙Wの送り速度を、プリンタ350の送り速度に合わせて、一定にすることができる。このため、インライン帳票加工システム301は、全工程において、加工用紙Wの送り時における破損、弛み等を抑制でき、高精度な加工、印刷をすることができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のインライン帳票加工システム301は、印刷及び多様なレーザ加工を、高精度に行うことができる。また、加工装置制御部431がプリンタ駆動ローラの回転速度情報に基づいてレーザ加工装置320,420を独立して制御するので、制御が簡単であり、かつ、レーザ加工装置320,420をプリンタ350に簡単に接続できる。さらに、この場合でも、管理サーバ310が、レーザ加工装置320,420、プリンタ350を総括して制御、管理するので、加工情報等を一括して管理することができ、システム全体でのトレーサビリティを確保できる。
さらにまた、インライン帳票加工システム301は、プリンタ350の回転速度情報に基づいて、加工用紙Wの送り制御をできるため、レーザ加工装置320,420毎に加工位置調整等を実施することなく、同期制御できる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0075】
(変形形態)
(1)実施形態において、プリンタ50は、プリンタ駆動ローラ51,52によって加工用紙Wを送る例を示したが、これに限定されない。例えば、プリンタは、ピントラクタで加工用紙Wを送ってもよい。この場合には、レーザ加工装置20が加工用紙Wにピントラクタ用の孔を加工した上で、加工用紙Wをプリンタ50に送ればよい。
【0076】
(2)実施形態において、加工装置制御部、加工装置記憶部は、レーザ加工装置に設けられている例を示したが、これに限定されない。例えば、これらを管理サーバに設けて、これらと、サーバ制御部及びサーバ記憶部とを兼用してもよい。
【0077】
(3)実施形態において、加工装置は、レーザ加工装置である例を示したが、これに限定されない。例えば、ミシン目加工装置等、機械的な加工を行うものでもよい。この場合には、タイミングマーク等を利用しないミシン目加工装置等をプリンタよりも上流側に配置すれば、加工精度の向上を期待できる。その理由は、ミシン刃等を等速で回転して一定の間隔でミシン目加工等する場合に、加工用紙とローラとの滑りの影響が少ないため、また、タイミングマーク等を利用しないので、読み取り誤差やシーケンスのディレイタイムの影響が少ないため等である。
例えば、第3実施形態において、上流側のみをミシン目加工装置に変更すれば、上流側のみをミシン目加工装置で、帳票の折り線等を精度よくミシン目加工で行い、その後、下流側のレーザ加工装置で、加工内容が帳票毎に異なるようにレーザ加工できる。
【0078】
(4)実施形態において、装置間移動軸体及び装置内移動軸体がダンサーローラ(回転体)で構成されているが、これに限定されない。例えば、装置間移動軸体及び装置内移動軸体と加工用紙との摩擦が少ない場合には、装置間移動軸体及び装置内移動軸体は、回転体で構成されていなくてもよい。この場合には、軸受等が不要であるので、構成を簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1,201,301 インライン帳票加工システム
10,210,310 管理サーバ
11,211,311 サーバ記憶部
11a,211a,311a データ記憶部
11b,211b,311b 印刷情報記憶部
11c,311c ログデータ記憶部
12,212,312 サーバ制御部
20,220,320,420 レーザ加工装置
21 前ローラ
22 後ローラ
23 レーザ加工部
24 装置間ダンサーローラ
24a 装置間移動量検出センサ
25 内部ダンサーローラ
25a 内部移動量検出センサ
31,231,431 加工装置制御部
50,250,350 プリンタ
51,52 プリンタ駆動ローラ
53 インクジェットヘッド
55 プリンタ制御部
227,427 操作部
230a,430a コード−加工内容テーブル
230d,430d 加工精度−移動量テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置の駆動部によって送り方向に送られ連続帳票に加工される加工用紙に対して加工を行う加工装置であって、
前記加工用紙を前記送り方向に送る送り駆動部と、
この加工装置内部に設けられ、前記加工用紙が巻き掛けられて、前記加工用紙の送り速度に応じて基準位置から移動する装置内移動軸体と、
前記装置内移動軸体の移動量を検出する装置内検出部と、
前記送り駆動部及び印刷装置の間の前記加工用紙が巻き掛けられて、前記加工用紙の送り速度に応じて基準位置から移動する装置間移動軸体と、
前記装置間移動軸体の移動量を検出する装置間検出部と、
前記装置内検出部及び前記装置間検出部の出力に基づいて、前記装置内移動軸体及び前記装置間移動軸体が基準位置を維持するよう前記加工用紙の送り速度を調整する速度調整制御をする制御部とを備えること、
を特徴とする連続帳票の加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載の連続帳票の加工装置において、
制御部は、
前記印刷装置から前記印刷装置の送り速度に対応した情報を受け付けて、前記印刷装置の送り速度と同一の送り速度で、この加工装置内の前記加工用紙を送るように送り駆動部を制御し、
前記装置内検出部及び前記装置間検出部の出力に基づいて、前記装置内移動軸体及び前記装置間移動軸体が基準位置を維持するよう前記加工用紙の送り速度を調整する速度調整制御をすること、
を特徴とする連続帳票の加工装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の連続帳票の加工装置において、
レーザ加工により前記加工用紙を加工するレーザ加工部を備えること、
を特徴とする連続帳票の加工装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の連続帳票の加工装置において、
この加工装置は、前記印刷装置よりも送り方向上流側に配置されていること、
を特徴とする連続帳票の加工装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の連続帳票の加工装置において、
この加工装置は、前記印刷装置よりも送り方向下流側に配置されていること、
を特徴とする連続帳票の加工装置。
【請求項6】
請求項5に記載の連続帳票の加工装置において、
前記印刷装置によって前記加工用紙に印刷された加工内容情報を検出する加工内容情報検出部と、
前記加工用紙に加工を行う加工部とを備え、
前記制御部は、前記加工内容情報検出部の出力に基づいて、前記加工部を制御して、前記加工用紙に加工を行うこと、
を特徴とする連続帳票の加工装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の前記印刷装置と、
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の前記加工装置と、
を備える連続帳票の印刷加工システム。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の前記印刷装置と、
請求項4に記載の前記印刷装置よりも送り方向上流側に配置された前記加工装置と、
請求項5又は請求項6に記載の前記印刷装置よりも送り方向下流側に配置された前記加工装置と、
を備える連続帳票の印刷加工システム。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷加工システムにおいて、
送り方向上流側に配置された前記加工装置と、送り方向下流側に配置された前記加工装置とは、前記制御部を兼用し、
前記制御部は、前記印刷装置の送り速度に対応した情報に基づいて、送り方向上流側に配置された前記加工装置と、送り方向下流側に配置された前記加工装置との両方を、前記速度調整制御をすること、
を特徴とする連続帳票の印刷加工システム。
【請求項10】
請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の連続帳票の印刷加工システムにおいて、
前記制御部は、前記装置内移動軸体及び前記装置間移動軸体のいずれか一方が所定の移動量以上になった場合に、前記速度調整制御を行い、
作業者が操作し、前記加工用紙の加工精度を選択する操作部と、
前記操作部の操作に応じて、前記所定の移動量の閾値を切り替える切替部とを備えること、
を特徴とする連続帳票の印刷加工システム。
【請求項11】
請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載の連続帳票の印刷加工システムにおいて、
前記印刷装置及び前記加工装置に接続された管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
前記印刷装置で印刷する印刷内容の情報である印刷情報と、前記加工装置で加工する加工内容の情報である加工情報とを記憶する記憶部と、
前記記憶部の前記印刷情報を前記印刷装置に送信し、前記記憶部の前記加工情報を前記加工装置に送信する制御部とを備えること、
を特徴とする連続帳票の印刷加工システム。
【請求項12】
請求項11に記載の連続帳票の印刷加工システムにおいて、
前記印刷装置は、印刷した情報である印刷済み情報を前記管理サーバに送信し、
前記加工装置は、加工した情報である加工済み情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバの前記記憶部は、前記印刷装置が送信した情報と、前記加工装置が加工した情報とを関連付けて記憶すること、
を特徴とする連続帳票の印刷加工システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−107712(P2013−107712A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251592(P2011−251592)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】