説明

連続紙用印刷システム

【課題】ロール状連続紙を用いた印刷時には、画像形成前に紙に付着した異物を取り除くことができる連続紙印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷装置100にロール状連続紙を供給するロール紙供給装置200と、印刷装置100に折り畳み連続紙を供給する折り畳み紙供給装置400と、印刷装置100の画像形成部10に案内されるロール状連続紙P2の一方主面に当接する第1ブラシ部材31と、他方主面に当接する第2ブラシ部材32と、第1ブラシ部材31に付着した異物を吸引する第1吸引機構33と、第2ブラシ部材32に付着した異物を吸引する第2吸引機構34とを有する除塵装置300と、を備え、折り畳み連続紙P4を用いて印刷する際には、画像形成部10の下方に形成された収容スペース11に折り畳み紙供給装置400を配置し、ロール状連続紙P1を用いて印刷する際には、収容スペース11に除塵装置300を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙に印刷をする連続紙用印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロール状の連続紙又は折り畳まれた連続紙の何れか一方に印刷することができる印刷装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−89167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の印刷装置において、折り畳み連続紙に印刷する場合には、折り畳み連続紙を印刷装置内に配置されたホッパ部から供給し、ロール状連続紙に印刷する場合には、ロール状連続紙を印刷装置外に配置された供給装置から供給するものが知られている。
【0005】
しかしながら、印刷装置の外部に配置されているロール紙供給装置から印刷装置までの搬送中に塵やゴミ等の異物がロール状連続紙に付着するという不都合がある。ロール状連続紙に付着した異物が印刷装置の感光ドラムや帯電器に転移すると印字障害が発生し、高電圧の帯電器と異物との間でスパークが起きると感光ドラムに傷がつき印刷物に黒点を生じさせるという問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ロール状連続紙又は折り畳み連続紙の何れか一方を用いて印刷することができる連続紙用印刷システムを大型化あるいは複雑な構成とさせることなく、ロール状連続紙に印刷する際には、ロール状連続紙に付着した異物を画像形成前に取り除くことができる連続紙印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、折り畳み連続紙を用いて印刷する際には、印刷装置のハウジング内に形成された収容スペースに折り畳み紙供給装置を配置し、ロール状連続紙を用いて印刷する際には、折り畳み紙供給装置に代えて除塵装置を印刷装置の収容スペースに配置することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、印刷装置のハウジング内の画像形成部より連続紙搬送路上流に、折り畳み紙供給装置又は除塵装置のいずれか一方を配置し、稼働させることができる収容スペースを設けたので、ロール状連続紙を用いる場合のように、ロール紙供給装置から印刷装置までの搬送中に塵やゴミ等の異物がロール状連続紙に付着する可能性が高い使用態様においては、ロール状連続紙に付着した異物を収容スペースに配置された除塵装置によって画像形成前に取り除くことができる。
【0009】
他方、折り畳み連続紙を用いる場合のように、印刷装置内部から印刷用紙を供給できる使用態様においては、除塵装置を配置することなく、印刷装置のハウジング内の収容スペースに折り畳み紙供給装置を配置することができる。
【0010】
この結果、ロール状連続紙又は折り畳み連続紙の何れか一方を用いて印刷することができる連続紙用印刷システムを大型化させることなく、ロール状連続紙に付着した異物を画像形成前に取り除くことができ、印字障害や印刷時の汚れの発生を効率的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る連続紙用印刷システムを示す正面図である。
【図2】図1に示す連続紙用印刷システムの平面図である。
【図3】ロール状連続紙を用いて印刷する使用態様に係る印刷装置を示す正面図である。
【図4】折り畳み連続紙を用いて印刷する使用態様に係る印刷装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る本実施形態の連続紙用印刷システムについて、図面に基づいて説明する。本実施形態では、ロール状に巻回されたロール状連続紙又はZ字状に折り畳まれた折り畳み連続紙に画像を形成することができる連続紙用印刷システムに本発明を適用した例を説明する。なお、本実施形態では、説明を簡易にするため、一台の印刷装置を備える連続紙印刷システムについて説明するが、二台の印刷装置を備えた両面印刷が可能な連続紙印刷システムに適用することも可能である。
【0013】
図1は本実施形態の連続紙用印刷システム1を示す正面図であり、図2はその平面図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、連続紙用印刷システム1の中央には連続紙に画像を形成する印刷装置100が配置されている。印刷装置100の一方端側(図中右側)には、ロール状連続紙P1を印刷装置100へ供給するロール紙供給装置200が、印刷装置100から所定距離だけ離隔して配置されている。また、他方端側(図中左側)には、印刷装置100により画像が形成されたロール状連続紙P3を巻き取るロール紙巻き取り装置500が配置されている。本実施形態では、安定した搬送を行う観点から、ロール紙供給装置200から供給されたロール状連続紙P2が、その一方主面が鉛直上向きの状態で印刷装置100へ搬送される。また、本実施形態では、ロール状連続紙P2は、印刷装置100の底面に沿って搬送される。
【0015】
さらに、ロール紙供給装置200と印刷装置100との間には、ロール紙供給装置200から送り出されたロール状連続紙P1を印刷装置100に案内する用紙搬送補助装置600が配置され、印刷装置100とロール紙巻き取り装置500との間には、印刷装置100から排出されたロール状連続紙P2を下から吸引し搬送中のロール状連続紙P2を安定させるバキュームユニット700が配置されている。
【0016】
なお、連続紙用印刷システム1を構成する装置は特に限定されず、必要に応じて追加又は除去が可能である。たとえば、折り畳み連続紙を用いて印刷する場合には、図1及び2に示す連続紙印刷システム1から、ロール紙供給装置200、用紙搬送補助装置600、バキュームユニット700、及びロール紙巻き取り装置500を取り除くことができる。
【0017】
次に、印刷装置100について説明する。図3は、ロール状連続紙P1を用いて印刷する使用態様に係る印刷装置100を示す正面図であり、図4は折り畳み連続紙P4を用いて印刷する使用態様に係る印刷装置100である。
【0018】
図3及び図4に示すように、本実施形態の印刷装置100は、画像形成部10を備えている。この画像形成部10では、前帯電器104が感光ドラム102の全表面を均一に帯電させた後、レーザービームやLED光を照射する光学部103が帯電した感光ドラム102に印刷データのパターンを照射し、感光ドラム102に潜像を形成する。そして、現像器101が、感光ドラム102に形成された潜像をトナーで可視像化し、転写帯電器105が可視像を連続紙に転写する。最後に、連続紙に転写された可視像は定着器106において定着される。これにより、連続紙に画像を形成することができる。画像形成後には、感光ドラム102の表面は、ブレードや除電LEDを有するクリーニングユニット107により清浄化される。なお、画像形成部10の構成は特に限定されず、出願時に知られたものを用いることができる。
【0019】
さらに、本実施形態の印刷装置100は、図外のコントローラの指令に基づいて、1頁ごとの印刷データを画像形成部10へ送出するページバッファ12、及び光学部103、センサ用の低圧電源13aや定着器106用の高圧電源13bを備えている。
【0020】
また、図3及び図4に示すように、画像形成部10の下方(工程的には連続紙搬送路の上流)には、所定領域の収容スペース11が形成されている。この収容スペース11の内部には、後述する除塵装置300又は折り畳み紙供給装置400の何れか一方を配置することができる。図示はしないが、除塵装置300又は折り畳み紙供給装置400には、収容スペース11に設けられた係止部材と係合する被係止部材を備えている。除塵装置300又は折り畳み紙供給装置400は、収容スペース11の開口部から投入し、所定位置に配置され、被係止部材が係止部材に係合される。投入の便宜のために、印刷装置100にレール機構を設けてもよいし、除塵装置300又は折り畳み紙供給装置400に台車機構を設けてもよい。
【0021】
本実施形態では、収容スペース11を画像形成部10の下方に形成したので、折り畳み紙供給装置400を稼働したときに発生する塵やゴミが画像形成部10へ落下し、印字障害を発生させるような事態を防止することができる。
【0022】
本実施形態の連続紙用印刷システム1では、使用する用紙の態様に応じた印刷モードが設けられており、ロール状連続紙P1を用いて印刷する際には「ロール紙印刷モード」が選択・実行され、折り畳み連続紙P4を用いて印刷する際には「折り畳み紙印刷モード」が選択・実行される。ロール紙印刷モードと折り畳み紙印刷モードとは択一的に選択され、各モードの制御は独立して実行される。
【0023】
具体的に、ロール紙印刷モードを選択する場合には、収容スペース11に除塵装置300を収容し、除塵装置300の被係止部材を収容スペース11の係止部材に係止してから、ロール状連続紙P1をフィードし、印刷を開始する。他方、折り畳み紙印刷モードを選択する場合には、収容スペース11に折り畳み紙供給装置400を収容し、折り畳み紙供給装置400の被係止部材を収容スペース11の係止部材に係止してから、折り畳み連続紙P4をフィードし、印刷を開始する。
【0024】
図3は、印刷装置100の収容スペース11に除塵装置300が配置された状態を示している。
【0025】
ところで、上述したように、ロール状連続紙は、画像を形成する印刷装置100の外部に配置されたロール紙供給装置200から水平状態で搬送される。このため、ゴミやホコリなどの異物が搬送中のロール状連続紙に付着する可能性がある。特に、ロール状連続紙P1,P2の一方主面が鉛直上向きとなる状態で印刷装置100へ搬送すると、自然落下してくる異物が印刷面に付着しやすく、しかも、一旦付着した異物は搬送中に除去することが難しいため、印刷面に異物が付着したままのロール状連続紙P1,P2が印刷装置100に搬送される場合がある。
【0026】
さらに、本実施形態の連続紙用印刷システム1においては、ロール状連続紙P1,P2を印刷装置100の底面に沿って搬送するので、床に落下しているゴミやホコリ等の異物が搬送中のロール状連続紙P1,P2に付着しやすい。
なお、ロール状連続紙P1,P2は、搬送中にロール給紙装置200や用紙搬送補助装置600のガイドなどとの接触で静電気が発生し易いため、ゴミやホコリ等の異物を静電的に吸着させている場合が多い。
【0027】
このように、印刷面に異物が付着したままのロール状連続紙P2が、画像形成部10に案内されると印字障害が発生してしまう。また、異物と帯電器との間でスパークが起きると、感光ドラムが傷つくので印刷物に黒点を生じさせてしまう。傷ついた感光ドラムは交換しなければならず、システム運用にかかるコストが増えてしまうという問題が生じる。
【0028】
これに対し、本実施形態では、ロール状連続紙を用いて印刷する際には、印刷装置100のハウジングH内の画像形成部10の下方に形成された収容スペース11に除塵装置300を配置することにより、外部から搬送されてくるロール状連続紙P2に付着した異物を画像形成前に取り除くことにより、印字不良及び感光ドラムの損傷を防止する。
【0029】
以下、本実施形態の除塵装置300の具体的な構成を説明する。本実施形態の除塵装置300は、図3に示すように、ロール紙供給装置200から供給され、印刷装置100の底面に沿ってハウジングH内に搬送されてきたロール状連続紙P2を、印刷装置100の上方に設けられた画像形成部10へ案内する案内機構30を備えている。この案内機構30は、印刷装置100の底面側に設けられた第1ローラ30aと印刷装置100の上方側(画像形成部10側)に設けられた第2ローラ30bと、第1ローラ30aと後述する第1ブラシ部材31の中間に設けられた静電気除去機構(図示せず)を有し、印刷装置100のハウジングH内を略鉛直方向(重力方向)に沿って、ロール状連続紙P2を画像形成部10へ搬送する。このように、水平方向(連続紙用印刷システム1の載置面)に沿ってハウジングH内に搬送されてきたロール状連続紙P2を鉛直方向に向けるので、印刷面に付着したゴミやホコリを印刷面から離脱しやすい状態にすることができる。これにより、後述するブラシ部材と吸引機構による除塵を効率的に行うことができる。なお、案内機構30の態様は特に限定されず、ローラの態様、ローラの数、ローラの設置位置、静電気除去機構の設置位置は適宜に設計することができる。
前記静電気除去機構は、ロール状連続紙P2に静電的に付着している異物を剥離し易くするためのものである。
【0030】
また、同図に示すように、本実施形態の除塵装置300は、案内機構30によって画像形成部10へ搬送されるロール状連続紙P2の一方主面に当接する第1ブラシ部材31と、ロール状連続紙P2の他方主面に当接する第2ブラシ部材32と、第1ブラシ部材31に付着した異物を吸引する第1吸引機構33と、第2ブラシ部材32に付着した異物を吸引する第2吸引機構34とを備えている。この除塵装置300は、画像形成処理が行われる直前にロール状連続紙P2が通過するハウジングHに設けられるので、画像形成の直前にロール状連続紙P2の異物を除去することができる。しかも、ハウジングH内で異物を除去し、ハウジングH内で画像形成をすることができるので、異物除去後に他の異物が付着することを防止することができる。
【0031】
このように、本実施形態では、除塵装置300を画像形成部10よりロール状連続紙P2の搬送路の上流に設けているので、ロール状連続紙P2の一方主面に当接する第1ブラシ部材31と他方主面に当接する第2ブラシ部材32とにより、ロール状連続紙P2の表裏両方の異物を画像形成の直前に除去することができる。また、第1ブラシ部材31が一方主面側からロール状連続紙P2を押さえ、第2ブラシ部材32画他方主面側からロール状連続紙P2を押さえるので、長尺のロール状連続紙P2を表裏からバランスよく押さえることが出来る。ちなみに、第1ブラシ部材31及び第2ブラシ部材32は、ロール状連続紙P2の幅方向(搬送方向に対して直角方向)に沿う回転軸を中心に回転可能なように構成されている。
【0032】
また、第1ブラシ部材31と第2ブラシ部材32とは、異なる高さに配置されている。本例では、同図に示すように、ロール状連続紙P2の一方主面に当接する第1ブラシ部材31が、ロール状連続紙P2の他方主面に当接する第2ブラシ部材32よりも低い位置に配置されている。図3に示す配置とは逆に、第1ブラシ部材31を第2ブラシ部材32よりも高い位置に配置することもできる。なお、一方主面は印刷面であってもよいし、印刷がされない面であってもよい。
【0033】
このように、第1ブラシ部材31と第2ブラシ部材32とを異なる高さに配置し、両ブラシ部材31,32の水平方向の位置を接近させると、ロール状連続紙P2が第1ブラシ部材31と第2ブラシ部材32とで屈曲してZ字状の経路で搬送することができる。こうすると、ロール状連続紙P2と第1ブラシ部材31及び第2ブラシ部材32との接触面積(巻き付き量)を大きくすることができるので、異物除去の効果を高めることが出来る。
【0034】
さらに、第1ブラシ部材31により掻き取られた異物は第1吸引機構33を介して装置外の吸引装置800により吸引される。第1吸引機構33は、第1ブラシ31がロール状連続紙P2と当接する部分を除いて第1ブラシ31を覆うカバー部材33aと、このカバー部材33aに一方の端部において連なる管部材33bと、この管部材33bの他方の端部に設けられた、吸引装置800と連なる接続管33cとを有する。吸引装置800は吸気ファンFを備えており、第1ブラシ31に付着した異物を第1ブラシ31から離脱させ、吸引し、回収する。同様に、第2ブラシ部材32により掻きとられた異物は第2吸引機構34を介して吸引装置800により吸引される。第2吸引機構34は、第1吸引機構33と同様に、カバー部材34aと、管部材34bと、接続管34cとを有する。
【0035】
また、本実施形態において、第1ブラシ部材31及び/又は第2ブラシ部材32は、回転可能にロール状連続紙P2の搬送路から離隔可能な移動機構を備えている。この移動機構により、清掃、交換又は点検などの作業時には第1ブラシ部材31及び/又は第2ブラシ部材32をロール状連続紙P2の搬送路から離隔させ、清掃等の作業を容易に行うことができる。
【0036】
異物の除去は、印刷時だけではなく、ロール状連続紙P2のロード時、及びロール状連続紙P2のフィード(空送り)時にも行うことが望ましい。つまり、本実施形態では、ロール紙印刷モードが選択され、印刷準備が開始された場合には、第1ブラシ部材31及び/又は第2ブラシ部材32がロール状連続紙P2に当接し、除塵装置300が稼働可能である状態を保つ。
【0037】
このため、ロール紙印刷モードが選択されたときに、除塵装置300の電源が入っていない、除塵装置300が固定されていないなどの動作不可状態である場合に、印刷開始命令、ロード開始命令、フィード(空送り)開始命令が入力されたときには、動作開始不可と判断し、警報の出力や、除塵装置300の電源投入を促すエラー処理を実行する。同様に、第1ブラシ部材31及び/又は第2ブラシ部材32がロール状連続紙P2の搬送路から離隔した状態にあるときも、同様にエラー処理を実行する。
【0038】
このような動作制御によれば、常に、画像形成部10に案内されるロール状連続紙P2の異物を除去することができるので、感光ドラム102や前帯電器104、転写帯電器105に異物が転移する不都合を防止することができる。
【0039】
次に、折り畳み連続紙を用いて印刷する際の印刷装置100の態様について説明する。図4は、印刷装置100の収容スペース11に、除塵装置300に代えて、折り畳み紙供給装置400が配置された状態を示している。
【0040】
図4に示すように、本実施形態の折り畳み紙供給装置400は、印刷装置100の画像形成部10の下方に形成された収容スペース11内に収容され、折り畳み連続紙P4は画像形成部10で印刷された後、スタッカ410に送られる。スタッカ410は、画像形成が完了したミシン目付きの折り畳み連続紙P5をスタッカテーブル上にミシン目に沿って折り畳んでスタックする。印刷後の折り畳み連続紙P5が所定量以上になったら、印刷装置100はスタッカフルとなって自動停止する。ちなみに、折り畳み連続紙P4を用いる場合は、印刷装置内部から印刷用紙を供給するので、装置外部から供給されるロール状連続紙P1に比べて、折り畳み連続紙P4に異物が付着する可能性が非常に低いため、ロール状連続紙P1を用いる場合のように、除塵装置300を別途設ける必要性がない。
なお、収容スペース11に収容しきれないほど折り畳み連続紙P4の量が多い場合は、印刷装置100の外部に折り畳み紙供給装置400等を設けて供給することも可能であり、この場合には、収容スペース11に除塵装置300を配置することで、ロール状連続紙P1のときと同様の効果を得られる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、異物が付着する可能性の高いロール状連続紙P1に印刷する場合には、印刷装置100の収容スペース11に除塵装置300を配置する一方で、搬送のための距離を持たせる必要のない折り畳み連続紙に印刷する場合には、印刷装置100の収容スペース11に折り畳み紙供給装置400を配置できるように構成した。
【0042】
この本実施形態の連続紙用印刷システム1によれば、印刷用紙が外部から印刷装置に供給され、異物が印刷用紙に付着する可能性が高いロール紙印刷モードにおいては、収容スペースに除塵装置300を配置するので、外部から搬送されてくるロール状連続紙P2に付着した異物を画像形成前に取り除くことができる。
【0043】
この結果、ロール状連続紙P1又は折り畳み連続紙P4の何れか一方を用いて印刷することができるとともに、印字障害や印刷時の汚れの発生を効率的に防止できる連続紙用印刷システム1を提供することができる。
【0044】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0045】
1…連続紙用印刷システム
100…印刷装置
10…画像形成部
101…現像器
102…感光ドラム
103…光学部
104…前帯電器
105…転写帯電器
106…定着器
107…クリーニングユニット
11…収容スペース
12…ページバッファ
13…電源
200…ロール紙供給装置
300…除塵装置
30…案内機構
30a…第1ローラ
30b…第2ローラ
31…第1ブラシ部材
32…第2ブラシ部材
33…第1吸引機構
33a…カバー部材
33b…管部材
33c…接続管
34…第2吸引機構
34a…カバー部材
34b…管部材
34c…接続管
400…折り畳み紙供給装置
410…スタッカ
500…ロール紙巻き取り装置
600…用紙搬送補助装置
700…バキュームユニット
800…吸引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状連続紙又は折り畳み連続紙に画像を形成する画像形成部を有する印刷装置と、
前記印刷装置の外部に配置され、巻回されたロール状連続紙を前記印刷装置へ供給するロール紙供給装置と、
前記印刷装置の内部に配置され、Z字状に折り畳まれた折り畳み連続紙を前記画像形成部へ供給する折り畳み紙供給装置と、
前記画像形成部に案内される前記ロール状連続紙の一方主面に当接する第1ブラシ部材と、前記ロール状連続紙の他方主面に当接する第2ブラシ部材と、前記第1ブラシ部材に付着した異物を吸引する第1吸引機構と、前記第2ブラシ部材に付着した異物を吸引する第2吸引機構とを有する除塵装置と、を備え、
前記印刷装置は、前記画像形成部より連続紙搬送路上流に、前記折り畳み紙供給装置又は前記除塵装置の一方が配置される収容スペースを有し、前記折り畳み連続紙を用いて印刷する際には、前記収容スペースに前記折り畳み紙供給装置を配置し、前記ロール状連続紙を用いて印刷する際には、前記収容スペースに前記折り畳み紙供給装置に代えて、前記除塵装置を配置する連続紙用印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の連続紙用印刷システムにおいて、
前記ロール状連続紙は、一方主面が鉛直上向きの状態で前記ロール紙供給装置から前記印刷装置へ搬送されることを特徴とする連続紙用印刷システム。
【請求項3】
請求項1に記載の連続紙用印刷システムにおいて、
前記ロール状連続紙は、前記印刷装置の底面に沿って搬送されることを特徴とする連続紙用印刷システム。
【請求項4】
請求項1に記載の連続紙用印刷システムにおいて、
前記第1ブラシ部材と前記第2ブラシ部材とは鉛直方向に沿う高さが異なる位置に配置されていることを特徴とする連続紙用印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−66458(P2012−66458A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212468(P2010−212468)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(591089877)昭和情報機器株式会社 (8)
【Fターム(参考)】