説明

連続部分めっき装置及びそれを用いた連続部分めっき方法

【課題】 長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用フィルムキャリアテープを連続搬送しつつ、めっき必要部分に連続してめっき処理を施すための連続部分めっき装置及びそれを用いた連続部分めっき方法を提供。
【解決手段】 長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープを搬送しつつ、めっき必要部分にめっき処理を施すための連続部分めっき装置であって、広いアノード面積を有する側板に多数の電極ノズル孔が形成され、放射状にめっき液を噴出する電極構造体と、前記テープを搬送しながら回転するマスク回転体とを具備し、該マスク回転体は、前記テープのめっき不要部分にめっき液を接触させないためのマスキング材となり、前記電極構造体の外側に同心円状に配置することを特徴とする連続部分めっき装置などによって提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続部分めっき装置及びそれを用いた連続部分めっき方法に関し、より詳しくは、連続搬送される長尺で広幅の電子部品実装用フィルムキャリアテープの必要部分のみにめっき液を噴出することができる電極構造体とマスキング材を具備し、高精度で部分めっき処理を安定的に行える連続部分めっき装置及びそれを用いた連続部分めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
TAB(Tape Automated Bonding)テープ、COF(Chip On Film)テープ、T−BGA(Tape Ball Grid Array)テープ、テープCSP(Chip Size Package)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)テープなどの電子部品実装用テープは、ファイン、軽量薄型で、フレキシビリティがあり、回路設計の自由度が高い等の特徴を持ち、携帯電話、携帯ゲーム機、サーマルヘッド、LCDドライバあるいはメインフレームなどのアプリケーションにて採用されている。
【0003】
例えば、TABテープ用基板は、連続したポリイミドフィルム等の絶縁フィルム支持体上に極めて薄い導電層を有しており、この導電層は、金属箔を接着するかスパッタリングや真空蒸着法あるいは無電解めっきにより設け、この導電層を所定形状にパターニングしたものに電気めっきを施すことにより所定の厚みで配線パターンが形成されている。このTABテープのポリイミドフィルムには、搬送用のスプロケットホールや半導体素子配設用のデバイスホール等の開口部が開けられている。
【0004】
LSI等の半導体素子のバンプが金バンプである場合は、ポリイミドフィルムに複数形成されている銅箔リードのインナーリードにおいて、この金バンプと熱圧着される部分に金めっきが施される。このように金めっきが施されることで、該金めっきと金バンプに含まれる金とが互いに溶融し合い、インナーリードと金バンプとの接続信頼性が向上する。しかし金は高価な金属材料なので、使用量は減らしたい。そのため、ポリイミドフィルムに銅箔リードを形成後、銅箔リードの一部にのみ金めっきが施される。
【0005】
このような部分めっきを行うには、TABテープのめっき不要部分に、絶縁性のマスキング材を接着することが一般的であり、マスキング材は、めっき後にTABテープから引き剥がされる(特許文献1参照)。しかしながら、使用されたマスキング材は、再使用できないので廃棄するしかなく、資源の無駄になっていた。これを解消するために、マスキング材をループ状として、めっき時にTABテープに押し付け、使用後はマスキング材から引き離して、洗浄・乾燥することにより繰り返し使用することも提案されている(特許文献2参照)。ただし、このような方式では、生産性は上がるものの、徐々にマスキング材が変形したり、破損したりすることにより、めっき精度が低下する問題がある。
【0006】
ところで、半導体装置は、小型化が進み大量生産されるようになり、前記TABテープのような配線テープの需要も増加している。そのため、前記配線テープを効率良く大量に生産できるように、幅の広い絶縁性基材に複数本(複数条)の配線テープを同時に製造する多条取りの配線テープが開発されている。この多条取りの配線テープによれば、例えば、幅が70mmの広い絶縁性基材を用いることで、35mm幅の配線テープを2本まとめて製造することができ、幅が105mmの広い絶縁性基材を用いれば、同じく3本まとめて製造することができる。
【0007】
ところが、これにより得られる広幅の多条取りの配線テープには、各条の間に荷電用の細長い帯状部分(給電線、スリット)が存在するわけで、その面積は従来のものの数倍以上になることから、この部分への金めっきを省略できれば、さらに低コスト化が可能となる。しかし、配線テープが広幅であるために、従来の方法では、テープを安定して搬送できず、この様な部分めっきは極めて困難とされている。
【0008】
本出願人は、先にリード付き端子部材の一部にめっきを施すための部分めっき装置を開発し提案している(特許文献3参照)。この部分めっき装置は、リード付き端子部材の一部にめっきを施す専用装置であるから、これを用いても広幅で大面積な配線テープの一部に精度良く金めっきを施すことはできない。
【0009】
このような状況下、多条取り配線テープの荷電用の細長い帯状部分に金めっきを施さずに、多箇所にある銅箔インナーリードに精度よく部分めっきを施すことができ、めっき品質のバラツキが発生せず、低コストで生産性を向上できる連続部分めっき装置及びそれを用いた連続部分めっき方法の出現が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−288406号公報
【特許文献2】特開2004−315916号公報
【特許文献3】特開2009−13466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記従来の課題に鑑み、長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用フィルムキャリアテープ(以下、電子部品実装用テープ、または単にテープともいう)を連続搬送しつつ、めっき必要部分にのみ安定してめっき処理を施すための連続部分めっき装置及びそれを用いた連続部分めっき方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、電子部品実装用テープの部分めっきが必要とされる多箇所の銅箔インナーリード部分に対応する様に多数の電極ノズルを配置した電極構造体の外側に、部分めっきが不要とされる部分以外にはめっき液が当らない様に特定材質かつ特定構造のマスキング材を配置することで、広幅の多条取り配線テープでも、上下両端部および各条の間に存在する荷電用の細長い帯状部分への金めっきを省略でき、しかも、めっき品質のバラツキが発生せず、低コストで生産性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープを連続搬送しつつ、めっき必要部分に連続してめっき処理を施すための連続部分めっき装置であって、広いアノード面積を有する側板に多数の電極ノズル孔が形成され、放射状にめっき液を噴出する電極構造体と、それ自体がカソード電極となる前記テープを搬送しながら回転するマスク回転体とを具備し、該マスク回転体は、前記テープのめっき不要部分にめっき液を接触させないためのマスキング材となり、前記電極構造体の外側に同心円状に配置されていることを特徴とする連続部分めっき装置が提供される。
【0014】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記マスキング材は、シリコンゴム膜をガラスエポキシ複合材製支持体の表面に被覆していることを特徴とする連続部分めっき装置が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記マスキング材は、前記テープに接触する側の表面が平滑に研磨されていることを特徴とする連続部分めっき装置が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記マスク回転体の近傍に、さらにマスク回転体の表面に前記テープを密着させるテープ圧接用回転体を有することを特徴とする連続部分めっき装置が提供される。
【0015】
一方、本発明の第5の発明によれば、第1〜4の発明のいずれかに係る連続部分めっき装置を用いて、長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープの必要部分のみに金めっきを施す部分めっき方法であって、前記テープの搬送速度に対応する速度で回転するマスク回転体の外周面にテープを当接しながら、給電状態にある電極構造体の電極ノズルからマスキング部材に向けてめっき液を噴出させ、その際、テープをマスク回転体の表面に密着させた状態で搬送することにより、連続搬送中のテープに部分金めっきを施すことを特徴とする部分めっき方法が提供される。
【0016】
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、電子部品実装用テープは、銅箔リードが複数形成されているポリイミドフィルムであることを特徴とする連続部分めっき方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第5の発明において、電子部品実装用テープは、幅が100〜300mmであることを特徴とする連続部分めっき方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第5の発明において、電子部品実装用テープの搬送速度は、3〜80mm/secであることを特徴とする連続部分めっき方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の連続部分めっき装置は、アノード面積を広く採り、めっき部分に対応してめっき液を噴出しうる特定の電極構造体を採用しているので、めっき面積が広く分布する事により、めっき液の循環や電流密度分布に片寄りが生じやすい幅広のテープに対して、めっき膜厚の偏りをなくすことができる。
また、本発明の連続部分めっき装置によれば、広幅の電子部品実装用テープの上下及び左右の広い範囲にわたる部分めっきの必要箇所に、均一にめっき液を噴射することができるので、電流密度分布に高低が生じなくなり、めっき膜厚が一定するという効果がある。
【0018】
さらに、本発明の連続部分めっき装置は、マスキング材に特定形状の窓を多数設け、広幅の電子部品実装用テープの給電用配線部分を覆っているので、この部分以外には、めっき液が接触しないので、金めっき液の節約(省金)効果がある。
また、本発明の連続部分めっき装置を用いれば、マスキング材がマスク回転体となって、外周面側に広幅の電子部品実装用テープと密着するので、めっき時にテープにたわみが生じにくく、均一な平面状態でテープ送りができ、生産性が著しく高められ、製造コストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の連続部分めっき装置の主要部である電極構造体(ドラム)とマスク回転体の断面図である。
【図2】(A)は本発明に係る電極構造体(ドラム)の斜視図であり、(B)は、電極ノズルの配設角度を示す断面図である。
【図3】(A)は本発明に係るマスク回転体(マスキング材)の斜視図であり、(B)は縦断面図と一部側面図である。
【図4】(A)は本発明に係るテープ圧接用回転体の平面図、(B)はテープ速度調節用回転体を含む側面図である。
【図5】本発明に係るマスク回転体(マスキング材)にテープが当接した状態を示す斜視図である。
【図6】(A)一般的なTABテープの平面図、(B)他の広幅(2条並び)TABテープの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の連続部分めっき装置およびそれを用いた連続部分めっき方法について、図1〜6を用いて詳細に説明する。
【0021】
本発明の連続部分めっき装置は、長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープを搬送しつつ、めっき必要部分にのみめっき処理を施すための連続部分めっき装置であって、広いアノード面積を有する側板に多数の電極ノズル孔が形成され、放射状にめっき液を噴出する電極構造体と、それ自体がカソード電極となる前記テープを搬送しながら回転するマスク回転体とを具備し、該マスク回転体は、前記テープのめっき不要部分にめっき液を接触させないためのマスキング材として、前記電極構造体の外側に同心円状に配置したことを特徴とする。
【0022】
1.電極構造体
本発明において電極構造体は、広幅の電子部品実装用テープの部分めっきが必要な部分にめっき液を供給する装置部品であり、めっき液貯留タンクとなるドラムの広いアノード面積を有する側板に多数の電極ノズルが形成されている。
【0023】
すなわち、本発明において電極構造体は、図1、図2に示したように、広いアノード面積を有する側板13の上下を円板131、132で囲んだドラムであり、その内部空間が供給されためっき液の貯留部となり、側板13に多数の電極ノズル孔133を有し、連続搬送される広幅の電子部品実装用テープに向かって、電極ノズル孔133から正確にめっき液を噴射するものである。
【0024】
本発明において電極構造体(ドラム)は、円筒状側板と上蓋(円板)131、下蓋(円板)132、パイプ(棒状体)134から構成されている。側板、上蓋、下蓋などの材質は、電気的良導体であるチタン、チタン合金、又はステンレス鋼などの金属材料から適宜選ばれ、耐食性のある機械的強度が高いチタン製又はチタン合金製が好ましい。
【0025】
この電極構造体は、金属材料を鋳造、鍛造、切断、研磨などの金属加工技術を採用して作製される。側板13は、所定サイズの1枚の板状体を曲げて円筒状に加工されている。側板13の縦の長さ(高さ)は、電子部品実装用テープの幅と同等以上でなければならず、例えば100〜330mmであることが好ましい。
【0026】
本発明においては、上記側板13には、多数の電極ノズル133が多段に配設されている。
電極構造体の各電極ノズル孔133は、広幅の電子部品実装用テープめっきパターン中心部高さの水平面に、仮想円軌跡の法線方向に延びる形態で水平に、かつテープめっきパターン数に相当する段数だけ配設されている。水平でなく千鳥状のように配設されると、連続して搬送されてくる電子部品実装用テープへのめっきが不揃いになるので好ましくない。各電極ノズル133の縦断面形状は、特に制限されるわけではないが、円形又は四角形以上の多角形とする。加工性、保守性などの観点から特に円形が好ましい。
【0027】
電極ノズル133の直径は、テープの幅、めっき必要部分の大きさなどにもよるが、通常、0.1mm〜2.5mmとする。直径は、0.2mm〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.3mm〜1.5mmとする。2.5mmを超える大きな直径にすると、噴射めっき液の液流が一直線になりにくい。それは各電極ノズルの製作精度上の問題でノズル直径に数%程度のバラツキが生じ得るため、直径が大きくなるほど、噴射液流の横断面積(直径)のバラツキも大きくなるからである。他方、0.1mm未満の極小径にすると、ノズル内流路抵抗が非常に大きくなるので、電極構造体への供給めっき液の圧力を過大にしなければならず、装置構築上、技術的・経済的に不利となる。
【0028】
また、電極ノズル133の個数は、電極構造体のサイズなどによっても異なるが、通常、1段当たり10〜200個である。ノズルの個数が10個未満では十分なめっき液を噴射できず、個数を増やすほど給電能率を向上できるが、200個より多くするのは加工技術上困難を伴う。
【0029】
電極構造体のドラム内に貯留されためっき液は、最上部が最も位置エネルギーが小さく、最下部が最も位置エネルギーが大きい。これにより、ノズルの直径が同じであれば、めっき液は、最上部に位置する電極ノズルからの噴射速度が小さく、最下部に位置する電極ノズルからの噴射速度が最も大きくなる。そこで、電極ノズル133の個数は、電極構造体のドラム内のめっき液が上下方向で不均一にならないように、ノズルを設ける電極構造体の高さによって、変えることが望ましい。例えば、電極構造体側板13の下方部分(下段)のノズルの個数は少なく、上方部分(上段)のノズルの個数を多くすることが好ましい。これにより、テープ下方部分のめっきパターン部分は、ノズルからの噴射量は少ないが、上方部分のめっきパターン部分からめっき液が流下することによって、十分な量のめっき液が供給されることになる。
【0030】
具体的には、3段の場合、上部に位置する電極ノズルでは20〜80個、中間部に位置する電極ノズルでは10〜50個、最下部に位置する電極ノズルでは8〜20個とすることが好ましい。また、図2のように、6段の場合、最上部に位置する電極ノズルでは30〜100個、中間部に位置する電極ノズルでは20〜80個、最下部に位置する電極ノズルでは10〜30個とすることが好ましい。
【0031】
電極ノズル133の配置間隔(ピッチ)は、上記した電極ノズルの個数に関係するが、通常、1mm〜30mmであり、好ましくは2mm〜20mmの範囲となる。この間隔範囲内であればよいが、横方向に等間隔であることが望ましい。ピッチが30mmを超えると、めっき液がテープのパターンに精度よく噴射できなくなるので好ましくなく、一方、ピッチを小さくするほどめっき液の単位量当りの実質給電面積を増大することができるが、1mm未満とするのは加工技術上困難を伴う。
電極ノズル133のピッチは、上記の理由により、ノズルの高さ位置に応じて変わり、例えば、低い部分(下段)のピッチは広く、高い部分(上段)のピッチは狭くなる。
【0032】
電極ノズルは、前記の側板となる板状体にドリルなどで孔を開けて形成する。本発明においては、図2(A)にノズル孔が6段に形成された場合を示したが、これに限定されるものではなく、被処理物(広幅の電子部品実装用テープ)の幅に応じて、増減する。
【0033】
電極構造体(アノード)は、側板13、すなわち側面の広い部分が給電面となるが、その側板に形成された電極ノズル孔133の内面(小径孔内周全壁面)も給電面となる。各電極ノズル孔を酸化及び腐食から保護するために、その孔内面へ白金系金属化合物のような酸化安定性、耐蝕性の材料による被膜を有することが望ましい。
本発明において、白金系金属化合物としては、例えば白金、パラジウム、イリジュウム、ルテニウム、これらの酸化物、窒化物等が挙げられる。中でも好ましいのは、白金である。被膜の形成手段は、特に制限されないが、めっき、スパッタリング、CVDなどが採用される。膜厚は、3μm以上とし、特に5〜10μmが好ましい。膜厚が3μm未満では、十分な耐酸化性、耐腐食性を期待することができず、その結果、所望の供給電流量を得ることができない。
【0034】
円筒状側板13の外周に横一列に配設される電極ノズル133の配設角度範囲(θ)は、テープが回転体の搬送ガイド面に当接する角度範囲よりも、小さな角度範囲(θ)で選択決定される。
ドラム内では、発生するめっき液の乱流や拡散に起因して、めっき液の噴射量に変動が生じやすいだけでなく、テープが搬送ガイド面に密着していないと、めっき必要部分の上下近傍に不必要で劣悪なめっき皮膜が析出されやすいが、上記電極ノズルの配設角度範囲(θ)とすれば、このような現象が一掃される。
【0035】
電極ノズルが配設される角度範囲θは、100〜280度であり、150〜250度であることが好ましく、180〜230度がより好ましい。この角度範囲θであれば、めっき液をテープのパターン部に対して均一かつ十分な量で噴出することができる。
【0036】
電極構造体の側板13は、前記のとおり、その上部に円板状の上蓋131、下部に下蓋132を配置し、ビス135で連結し一体化する。側板13は、パイプ(棒状体)134によって互いの距離を一定に保った状態でボルト136により上蓋、下蓋と連結固定することが好ましい。パイプ(棒状体)134は、複数箇所に設けることが好ましい。
【0037】
2.マスキング材
本発明においてマスキング材とは、電子部品実装用テープのめっき不要部分にめっき液が接触しないようにする円筒状の治具であり、図1のように、前記電極構造体側板13の外側に同心円状に配置される。
【0038】
マスキング材21は、図3(B)に示すように、支持体211と絶縁皮膜212からなり、例えばガラスエポキシの支持体表面にシリコンゴム膜が被覆されているガラスエポキシ製の複合材が好ましい。
ガラスエポキシ複合材は、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めたFRPであり、その表面はシリコーン塗料を塗布したシリコンゴム膜である。ガラス繊維の他に炭素繊維等の無機繊維、或いはアラミド繊維等の有機繊維を強化材としてもよく、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等をマトリックスとして用いても良い。エポキシ樹脂は、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性、寸法安定性等の観点から密着性が良いのでマトリックスとして好ましいものである。ガラス繊維は、エポキシ樹脂を含浸し金型内で硬化するか、或いは、引き抜き又は押出し等によりパイプ成形し、支持体とすることができる。
【0039】
ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸し、B−ステージ化(液状の熱硬化性樹脂を乾燥させて、ある程度重合させた状態)したプリプレグが市販されているので、これを用いて所定のマンドレルに巻回し、加熱硬化すれば容易に円筒状に成形することができる。また、繊維束(ストランド又はフィラメント)をエポキシ樹脂に含浸して、そのままマンドレルに或る角度でフィラメントワインデイングし、その後硬化して成形することもできる。
これらの方法によって成形された円筒状物は、そのままでは、表面の平滑性が十分でないので、高速回転体の用途に要求される真円度を出すために、成形後に表面研磨を施し、さらに架橋性シリコンゴム液を塗布し、シリコンゴム膜を形成させる。シリコンゴム膜を形成後も表面研磨を施すことが好ましい。すなわち、本発明において、マスキング材は、前記テープと接する側の表面が研磨され平滑とされている。
【0040】
マスキング材21の表面にシリコンゴム膜212が形成されているので、表面の摩擦係数が低くなり、テープとの摩擦が少なくなり、テープがスムースに搬送されるので、的確にめっき液を電子部品実装用テープの所定部分に命中させることができる。また、シリコンゴム膜は、めっき液によって腐食しないので、マスキング材の寸法安定性が維持される。
マスキング材21の厚さは、0.6〜5mmとする。表面のシリコンゴム膜212の厚さ、支持体となるガラスエポキシ複合材211の厚さは、電子部品実装用テープの種類や、テープめっきパターンの配置などにより適宜設定する。例えば、いずれも同程度の0.3〜1mmとし、0.4〜0.8mmが好ましい。テープめっきパターンの間隔が狭い場合は、機械的強度を保ちながら、テープを密着して安定的に搬送できるように、支持体となるガラスエポキシ複合材211の厚さを1〜5mmとすることが好ましい。
【0041】
マスキング材21には、電子部品実装用テープのめっき必要部分にめっき液を供給できるように、めっき液が通過できるトンネル通路213(以後、窓という)が開いていなければならない。窓の形状、大きさは、めっきパターンの形状、大きさと略同じで、マスキング材21からなる円筒状物の全周に存在することが望ましい。
この窓213は、ガラス繊維とエポキシ樹脂を混合して成形された円筒状物の所定位置に、プレス加工やレーザー加工により開設する。この作業で、切断される個所に凹凸が生じて粗雑になるので、表面研磨を施して、この凸部を除去する。窓231の部分に凸部があるとテープがマスキング材に密着しないので、めっき液がめっき不要部分にまで流れてしまう。
なお、図3は、広幅(2条並び)TABテープを連続部分めっきするための電マスク回転体であるために、上段、下段にそれぞれ3個の窓が接近しており、その中間水平方向に広めのスペースを設けるようにしている。本発明では、このような場合、各列に6個ある窓のそれぞれの間に広めのスペースを設けるようにすることもでき、これにより、めっき不要部分を拡大でき、省金効果は一層高められる。
【0042】
マスキング材21は、上下を円板214で挟み、互いにボルト215で連結固定して、中空円筒体を構成する。この円板214は、耐食性があり機械的強度が高いチタン製又はチタン合金製が好ましい。なお、マスキング材21は、位置決めピン215を用いて、テープの荷電用の給電線が接触することになる中央部分で固定することができる。
マスキング材21は、前記電極構造体の側板13の外側に同心円状に配置され、マスク回転体となる。マスキング材21の縦の長さは、電子部品実装用テープの幅と同等であれば、テープの部分めっき部分をカバーすることができるので十分であるが、その内周半径は、電極構造体の側板13の外周半径より少し大きい寸法が必要である。
【0043】
すなわち中空円筒体(マスキング材21)が電極構造体の側板13と接触しないように、内周半径は、電極構造体の側板13の外周半径よりも0.1〜3mm程度大きくして、両者の間に隙間ができなければならない。隙間が0.1mm以下であると、電子部品実装用テープの搬送が困難になり、3mmを超えると、側板の外周にある電極ノズル133の噴射口から、電子部品実装用テープまでの距離が大きくなり、噴射されためっき液が分散しすぎて、部分めっきが不十分になる。
【0044】
3.マスク回転体
本発明においてマスク回転体18とは、その表面をガイド面として広幅の電子部品実装用テープを当接させながら搬送するものである。本発明では上記中空円筒体(マスキング材)の全体に相当し、これが所定の速度で回転することでテープの搬送動力の供給源となる。
【0045】
このマスク回転体18は、Z軸線を中心とする回転軸の上部にベアリング25を介して、回転可能に装着されている。なお、装着はこれに限らず、下部のめっき液供給管15にベアリングを介して、回転可能にしてもよい。これによりシリコンゴム膜212を有するマスク回転体(マスキング材)18の外周面が搬送ガイド面とされ、電子部品実装用テープTを円滑に搬送することができる。
【0046】
また、マスク回転体(マスキング材)18は、軸部材に対してボルト216で固定することにより緊締弛緩して着脱でき、これにより仕様等が異なる別のマスク回転体(マスキング材)を簡単に交換することができる。
【0047】
本発明で部分めっきされる電子部品実装用テープは、従来のものとは異なり、幅が広いために、多数の電極ノズル133から噴出されるめっき液によってテープがより大きな衝撃力を受ける。マスキング材21の表面にあるシリコンゴム膜212によって、浮き上がることはないが、めっき液の当たる場所が不正確になり、不均一に供給される恐れがある。
【0048】
そのため本発明においては、図4(A)のように、前記マスク回転体18の近傍に、該マスク回転体18の表面へ前記テープを密着させるためのテープ圧接用回転体181を設けることが望ましい。
テープ圧接用回転体181は、マスク回転体21に当接したテープTが、めっき液噴射の衝撃力に負けない力でテープを電極ノズル側に引っ張り、マスク回転体21に密着させる機能を有するものである。したがって、テープ圧接用回転体181は、マスク回転体18の両側でマスク回転体18を挟む形態になる。3つの回転体の位置関係は、マスク回転体18の回転軸を頂点として他のテープ圧接用回転体181の回転軸を結ぶと正三角形または二等辺三角形になるようにすることが好ましい。
【0049】
本発明で部分めっきされる電子部品実装用テープは、従来のものと比べ幅が広いために、垂直に起立した状態で搬送速度を一定に保つことが難しく、搬送速度が遅くなるとテープがたるみ、逆に搬送速度が速くなるとテープに強い力がかかって傷付きやすい。また、テープへ当たるめっき液の衝撃力が上下でアンバランスになると、テープ位置が上下に変動することもある。上記テープ圧接用回転体181には、めっきされるテープが上下、左右に振れないで、マスク回転体18によって安定して搬送されるように前記テープの位置の変動を修正する機能をもたせることが望ましい。
【0050】
また、このテープ圧接用回転体181のさらに手前に、テープ搬送速度が設定範囲を超えて変動したことを検知したら、マスク回転体の回転速度を自動的に調整できるように、別途回転体を配置することが好ましい。図4(B)には、このためにテープ速度検知用回転体182が3点配置され、うち中間の回転体がテープの弛みなどに応じて首振りできる支点183を備えた形態としている。テープの搬送方向をX方向とすれば、テープ速度検知用回転体182がスライドする方向はY方向となる。
これらテープ圧接用回転体181やテープ速度検知用回転体182は、いずれもテープの搬送機能を必要とするわけではないが、アルミニウムやポリプロピレンなどの回転体の表面にシリコンゴムなどのライニングが形成されているものが好ましい。
【0051】
本発明の連続部分めっき装置は、上記めっき液を噴出する電極構造体と、テープを搬送するマスキング材(回転体)とを具備し、この他に、電極構造体の内部にめっき液を供給するめっき液供給手段と、電極構造体の電極ノズルに給電する給電装置とを備えている。めっき液供給手段は、図示しない加圧循環ポンプ、配管、弁類を含んでいる。
【0052】
4.連続部分めっき方法
本発明の連続部分めっき方法は、前記連続部分めっき装置を用いて、長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープの必要部分のみに金めっきを施す部分めっき方法であって、前記テープの搬送速度に対応する速度で回転するマスク回転体の外周面にテープを当接しながら、給電状態にある電極構造体の電極ノズルからマスキング部材に向けてめっき液を噴出させ、その際、テープをマスク回転体の表面に密着させた状態で搬送させることにより、連続搬送中のテープのめっき必要領域に部分金めっきを施すことを特徴とする。
【0053】
本発明において、部分めっきされる電子部品実装フィルム用テープは、銅箔リードが複数形成されているポリイミドフィルムである。これには、TABテープをはじめ、COF(Chip On Film)テープ、T−BGA(Tape Ball Grid Array)テープ、テープCSP(Chip Size Package)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)テープなどがある。
この電子部品実装フィルム用テープには、図6(B)に示すように、搬送用のスプロケットホール161や半導体素子配設用のデバイスホール165等の開口部が開けられ、荷電用の細長い帯状の給電線164が設けられている。また、図6(A)に示すTABテープと同様に、金めっきされるインターリード163a、金めっきを必要としないアウターリード163b、テストパッド163cなどが集合している。
【0054】
電子部品実装フィルム用テープの幅は、従来のテープよりも広幅であり、100〜300mmである。これは、従来の単一条のものより幅が3倍以上も広いものである。テープは、洗浄、めっき、後処理を含む一連の処理を施すために長い距離を搬送しなければならないが、このように幅が広いと安定的に搬送しにくい。しかし、上記範囲のテープ幅であれば、本発明の上記連続部分めっき装置を用いることで、めっきの精度や生産性を悪化させずに搬送できる。
【0055】
電極構造体の電極ノズル先端は、搬送ガイド面に当接されたテープTのめっき必要部分と極めて接近した位置に配置されている。両者を近づけるほど、給電効率を向上できるが、電極構造体と、前記テープを搬送しながら回転するマスク回転体のいずれかのサイズを調整して、0.3mm〜3.0mmとすることが好ましい。この電極間距離であれば、電極ノズル先端がマスク回転体と接触する恐れがなく、しかも十分なめっき精度を得ることができる。
【0056】
マスク回転体および電極構造体のZ軸線方向の相対位置は、各電極ノズルから噴射されためっき液が連続搬送中のテープの各めっき必要部分に吹き付けることができる状態で予め調整しておく。
連続搬送手段は、マスク回転体であり、予め、繰出ドラムに巻かれているテープTを設定搬送速度でX方向に連続搬送する。テープTの設定搬送速度は、特に制限されるわけではないが、3〜80mm/secであり、5〜60mm/secとすることが好ましい。この範囲のテープ搬送速度であれば、めっきの精度や生産性を悪化させることはない。テープTは、図5のように垂直に起立した状態で連続部分めっき装置のマスク回転体表面に当接して搬送される。連続部分めっき装置では、引き続き、連続めっき液供給手段から、めっき液が電極構造体(めっき液供給口)に所定圧力に加圧されて連続供給される。
【0057】
めっき液は、電極ノズルから噴射され、マスキング材の窓を通過してテープのパターン部分に当たり、部分めっき処理がなされる。電極ノズルから噴射されるめっき液の流速は、規定しにくいが、5m/sec〜20m/secとするのが好ましい。この範囲であれば、噴射めっき液の液流が一直線となり、テープのめっきパターン部分にめっき液を接触させることができる。
なお、実際のめっき処理では、めっき液の流速は、電極ノズルの直径、めっき液の種類・粘度や、テープの材質・サイズ等との関係においても、見直しつつ最適値が決定される。本発明では、めっき液は、広い面積に集中して配設された多数の電極ノズルから一斉に噴射されるので、その噴射力によって幅が広いテープは少なからぬ衝撃をうけることになる。ところが、前記マスク回転体の近傍にテープ圧接用回転体が配置されているので、テープを電極構造体側に引っ張ることができ、テープはマスク回転体に密着した状態を保つことになる。
【0058】
マスキング材の窓をくぐりテープに当たっためっき液は、下方に流れ落ち、タンクに回収される。マスキング材の窓を通過しなかっためっき液も、同様に回収され、ゴミなどが除去された後、再循環使用される。
以上、本発明の方法を、テープが垂直に起立した状態で搬送されるタイプの装置に適用した場合を示したが、テープが水平に横たわった状態で搬送されるタイプの装置にも同様に適用できる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は、この実施例に限定して解釈されるものではない。
【0060】
(第1の実施の形態)
本発明の連続部分めっき装置は、図1に示す如く、基軸線(Z軸線)を中心に回転可能なマスク回転体18と、めっき液を給電しながら電極ノズル133から径方向に噴射可能に形成された静止型の電極構造体13とを装置本体に取り付けている。
そして、各電極ノズル133から噴射されためっき液を、X方向に連続搬送中のテープの各めっき必要部分に吹き付けて、一方、マスク回転体18を構成するマスキング材21でテープのめっき不要部分にめっき液を当てないようにしている。
【0061】
このX方向に、めっき液貯留タンクとめっき液回収タンクと洗浄タンクとが配列され、めっき液貯留タンクには、連続給電手段の一部を構成する給電ローラーが配設されている。この給電ローラーは、めっき電源装置(図示省略)の陰極端子に接続され、めっき電源装置(図示省略)の陽極端子は、電極構造体に接続されている。かくして、連続搬送中のテープTに給電(例えば、1.5A/dm)することができる。めっき液貯留タンク内には複数の液切り手段が設けられ、洗浄タンク内にはテープ洗浄手段が設けられている。
【0062】
電極ノズルが3段の電極構造体、マスクの窓が3列のマスキング材を回転体とした本発明の連続部分めっき装置を用いて、例えば幅が105mmの広幅テープを30mm/secの速度で連続搬送すると、マスク回転体の近傍に設置したテープ圧接用回転体によって、テープTが回転体に密着し、かつめっき液噴射の衝撃力に負けない力でテープが電極構造体側に引っ張られる。
また、3段の電極ノズルからめっき液を噴射すると、噴射されためっき液の液流は一直線となる。この実施の形態では、電極ノズルの直径を0.3mmに選択した場合には、めっき液の流速を5〜15m/secにすることでテープのパターン部分にめっきされるが、各段の間に帯状に設けられたテープの給電用配線部分がマスキング材によって覆われているので、この部分にはめっき液が当たらないので、金めっきが節約される。
また、めっきされるテープが上下、左右に振れると、テープ速度検知用回転体が機能し、テープがたるんだり、逆に強い力で引かれて傷付いたりせずに電極構造体側に搬送される。
【0063】
(第2の実施の形態)
この実施の形態では、上記第1の実施の形態に示した連続部分めっき装置の電極構造体、マスキング材を外して、代わりに電極ノズルが6段の電極構造体、マスクの窓が6つのマスキング材を取り付けて、より広幅のテープをめっきするものである。
【0064】
幅が320mmの広幅テープを用いて、搬送速度(25mm/sec)で連続部分めっき装置をX方向に連続搬送する。テープの幅が広くなったため、搬送状態が不安定になるが、搬送速度を落として25mm/secで連続搬送すると、マスク回転体の近傍に設置したテープ圧接用回転体によって、めっきされるテープTがマスク回転体に密着し、かつめっき液噴射の衝撃力に負けない力でテープが電極構造体側に引っ張られることになり、また、テープ速度検知用回転体によって、テープがめっきされながら上下、左右に振れないで搬送される。これにより、テープがたるんだり、逆に強い力で引かれて傷付いたりせず、こうして上記第1の実施の形態に示したと同様に高い精度でテープに金めっきを施すことができる。しかも、各段の間に帯状に設けられたテープの給電用配線個所をめっきせずに、耐腐食性、伝導性のよいTABを得ることができる。
【符号の説明】
【0065】
10 連続部分めっき装置
13 電極構造体
133 電極ノズル
15 めっき液供給口
16 電子部品実装用テープ
18 マスク回転体
181 テープ圧接用回転体
21 マスキング材
211 支持体
212 シリコンゴム膜
213 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープを搬送しつつ、めっき必要部分にのみめっき処理を施すための連続部分めっき装置であって、
広いアノード面積を有する側板に多数の電極ノズル孔が形成され、放射状にめっき液を噴出する電極構造体と、それ自体がカソード電極となる前記テープを搬送しながら回転するマスク回転体とを具備し、
該マスク回転体は、前記テープのめっき不要部分にめっき液を接触させないためのマスキング材として、前記電極構造体の外側に同心円状に配置したことを特徴とする連続部分めっき装置。
【請求項2】
前記マスキング材は、シリコンゴム膜をガラスエポキシ複合材製支持体の表面に被覆していることを特徴とする請求項1に記載の連続部分めっき装置。
【請求項3】
前記マスキング材は、前記テープに接触する側の表面が平滑に研磨されていることを特徴とする請求項1に記載の連続部分めっき装置。
【請求項4】
前記マスク回転体の近傍に、さらにマスク回転体の表面に前記テープを密着させるテープ圧接用回転体を有することを特徴とする請求項1に記載の連続部分めっき装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の連続部分めっき装置を用いて、長手方向に連続する長尺で広幅の電子部品実装用テープの必要部分のみに金めっきを施す連続部分めっき方法であって、
前記テープの搬送速度に対応する速度で回転するマスク回転体の外周面に該テープを当接しながら、給電状態にある電極構造体の電極ノズルからマスキング材に向けてめっき液を噴出させ、その際、テープをマスク回転体の表面に密着させた状態で搬送することにより、連続搬送中のテープに部分金めっきを施すことを特徴とする連続部分めっき方法。
【請求項6】
電子部品実装用テープは、銅箔リードが複数形成されているポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項5に記載の連続部分めっき方法。
【請求項7】
電子部品実装用テープは、幅が100〜300mmであることを特徴とする請求項5に記載の連続部分めっき方法。
【請求項8】
電子部品実装用テープの搬送速度は、3〜80mm/secであることを特徴とする請求項5に記載の連続部分めっき方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−21226(P2011−21226A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166620(P2009−166620)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(593103021)三友セミコンエンジニアリング株式会社 (3)
【Fターム(参考)】