説明

連続鋳造機用従動ロール

【課題】ロールの撓みが起こりにくく、かつ、中央付近に位置する軸受が損傷しにくくて、寿命が長い連続鋳造機用従動ロールを提供すること。
【解決手段】中央の少なくとも2個の第1ジャーナル部と、両端の第2および第3ジャーナル部とを有する軸と、上記第1,2,3ジャーナル部の間に位置すると共に、上記軸の外径よりも大きな外径を有する少なくとも3個のロール本体28とを有する一体型のロール21を用いる。第1ジャーナル部の外周上に二分割軸受を配置し、第2ジャーナル部の外周上に略ラジアル荷重のみを負荷する第1軸受を配置する。第3ジャーナル部の外周上に略ラジアル荷重のみを負荷する第2軸受を配置し、第2軸受の上記軸方向の外方の端部を直接的または部材を介して支持してアキシアル荷重を受ける第3軸受を配置する。第3軸受を付勢部材によって軸方向の内側に付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造機用従動ロールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続鋳造機用従動ロールとしては、図6に示すようなものがある。
【0003】
この連続鋳造機用従動ロールは、3つのロール101,102,103を有する。上記各ロール101,102,103は、軸方向の略中央に位置する大径部107,108,109と、その大径部107,108,109の軸方向の両側に位置する小径部(図示しない)とからなる。上記各ロール101,102,103の一方の小径部の外周面には、ラジアル荷重とアキシアル荷重を受ける固定側軸受111,112,113が配置されており、各ロール101,102,103の他方の小径部の外周面には、ラジアル荷重のみを受ける自由側軸受114,115,116が配置されている。各軸受111〜116は、図示しない軸箱(ハウジング)によって覆われている。上記各ロール101,102,103の一方の小径部を、固定することによって、各ロール101,102,103を、位置決めするようになっている。また、各ロール101,102,103の他方の小径部は、固定されておらず、各ロール101,102,103の他方の小径部は、各ロール101,102,103の熱膨張によって伸縮できるようになっている。
【0004】
上記3つのロール101,102,103は、上記ロール101,102,103の小径部がスラブの移動方向に略垂直な方向に所定間隔をもって対向するように、かつ、隣接している2つのロール101,102,103のうちの一方のロール101,102,103の固定側の小径部が他方のロール101,102,103の自由側の小径部に対向するように、一直線上に配置されている。
【0005】
上記従来の連続鋳造機用従動ロールは、一体型の一本のロールでなくて、一直線上に配置された3つのロール101,102,103を使用することによって、3つのロール101,102,103からなるロール部分の配置位置の変動の自由度を増大させて、ロール部分の撓みを抑制して、ロール部分で搬送されるスラブの品質が、ロール部分の撓みに起因して悪化しないようにしている。
【0006】
しかしながら、上記従来の連続鋳造機用従動ロールでは、大きなラジアル荷重が作用して使用条件が厳しい連続鋳造機用従動ロールの軸方向の中央付近に位置する固定側軸受112,113に、上記大きなラジアル荷重に加えてロール101,102,103の熱膨張に起因するアキシアル荷重及びスラブからのアキシアル荷重が作用するので、上記中央付近の固定側軸受112,113が、損傷し易い。したがって、連続鋳造機用従動ロールの寿命が短いという問題がある。
【特許文献1】特開平8−238549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、ロールの撓みが起こりにくく、かつ、中央付近に位置する軸受が損傷しにくくて、寿命が長い連続鋳造機用従動ロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の連続鋳造機用従動ロールは、
中央の少なくとも2個の第1ジャーナル部と、両端の第2および第3ジャーナル部とを有する軸と、上記第1,2,3ジャーナル部の間に位置すると共に、上記軸の外径よりも大きな外径を有する少なくとも3個のロール本体とを有する一体型のロールと、
上記第1ジャーナル部の外周上に配置されると共に、略樋形状の二つの部材を締結ボルトで締結して形成された環状の内輪と、調心機能を有する外輪と、上記内輪と上記外輪との間に配置された円筒ころとを有する二分割軸受と、
上記第2ジャーナル部の外周上に配置されると共に、内輪と、外輪と、上記内輪と上記外輪とのうちの少なくとも一方に対して上記ロールの軸方向に摺動可能な転動体とを有する第1軸受と、
上記第3ジャーナル部の外周上に配置されると共に、内輪と、外輪と、上記内輪と上記外輪とのうちの少なくとも一方に対して上記軸方向に摺動可能な転動体とを有する第2軸受と、
上記第2軸受の上記軸方向の外方の端部を直接的または部材を介して支持してアキシアル荷重を受ける第3軸受と、
上記第3軸受を上記軸方向の内側に付勢する付勢部材と
を備えることを特徴としている。
【0009】
尚、上記樋形状の部材とは、略円筒面の一部からなると共に、周面でない内面部分を有する部材のことをいう。
【0010】
本発明によれは、スラブの搬送中に最も大きな力がかかる中央付近の第1ジャーナル部の外周上に、上記調心機能を有して、スラブからの不均一な力を受けても上記第1ジャーナル部に径方向に不均一な力を作用させにくい二分割軸受を配置しているので、この二分割軸受によって、上記ロールが、上記スラブからの力によって変形して撓むことを抑制できる。したがって、ロールで搬送されて冷却されるスラブの品質が、ロールの撓みに起因して悪化することを略完全に防止できる。
【0011】
また、本発明によれば、第1軸受および第2軸受は、転動体が軌道輪に対して軸方向に摺動可能で、ラジアル荷重のみを受けてアキシアル荷重を受けないようになっている一方、ロールの軸方向の一方の最外方に位置する第3軸受は、ラジアル荷重を受けずアキシアル荷重のみを受けるようになっているので、第1乃至第3軸受のいずれもラジアル荷重とアキシアル荷重の両方を受けることがなくて、第1乃至第3軸受が過酷な環境下で使用されることがない。したがって、二分割軸受は高性能で壊れにくいことから、連続鋳造機用従動ロールの軸受部(二分割軸受、第1乃至第3軸受)の寿命を格段に長くすることができて、連続鋳造機用従動ロールの寿命を格段に長くすることができる。
【0012】
また、本発明によれば、一体型のロールを採用しているので、スラブの荷重を受ける部分の表面積を大きくすることができて、スラブを円滑に搬送することができると共に、複数のロールを一直線に配置してロール部を形成している場合と比して連続鋳造機を整備するときの作業性を格段に向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の連続鋳造機用従動ロールによれば、スラブの搬送中に最も大きな力がかかる中央付近の第1ジャーナル部の外周上に、上記調心機能を有して上記第1ジャーナル部に径方向に不均一な力を生成しにくい二分割軸受を配置しているので、上記ロールが、上記スラブからの力によって変形して撓むことを抑制することができる。したがって、ロールで搬送されて冷却されるスラブの品質が、ロールの撓みに起因して悪化することがない。
【0014】
また、本発明の連続鋳造機用従動ロールによれば、第1軸受および第2軸受は、転動体が軌道輪に対して軸方向に摺動可能で、ラジアル荷重のみを受けてアキシアル荷重を受けないようになっている一方、ロールの軸方向の一方の最外方に位置する第3軸受は、ラジアル荷重を受けずアキシアル荷重のみを受けるようになっているので、第1乃至第3軸受が過酷な環境下で使用されることがなくて、連続鋳造機用従動ロールの寿命を格段に長くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0016】
図1は、連続鋳造機のスラブ鋳造部分を示す拡大模式図である。
【0017】
この連続鋳造機は、レードルおよびタレット(図示せず)と、タンディシュ1と、モールド2と、モータ等を有して自ら回動できる駆動ロール4と、自ら回動できない本発明の一実施形態の連続鋳造機用従動ロール(以下、従動ロールという)5とを有する。駆動ロール4は、所定数従動ロール5の代わりに配設される。
【0018】
上記レードルは、タレットにより支持されるようになっている。溶鋼は、レードルからノズル8を通してタンディシュ1に注がれるようになっており、その後、モールド2において所定形状(帯状)のスラブに成形されるとともに表面を冷却されるようになっている。その後、スラブは、スラブの両側にその軸線がスラブの表面と平行となるように隔設された駆動ロール4および従動ロール5によって鋳造、案内及び搬送され、徐々に冷却されるようになっている。
【0019】
図2は、上記従動ロール5の外観を表す外観図である。
【0020】
この従動ロール5は、一体型のロール21と、三つの第1軸箱23と、第2軸箱24と、第3軸箱25と、第4軸箱26とを備える。
【0021】
上記一体型のロール21は、中央の少なくとも2個の第1ジャーナル部(図示せず)と、両端の第2および第3ジャーナル部(図示せず)とを有する軸と、上記第1,2,3ジャーナル部の間に位置すると共に、上記軸の外径よりも大きな外径を有する少なくとも3個のロール本体27とを有する。正確に言うと、上記ロール21は、三つの第1ジャーナル部と、各第1ジャーナル部の両側に位置すると共に、第1ジャーナル部27の外径よりも大きい外径を有するロール本体27と、第1ジャーナル部の軸方向の一方の最外方に位置するロール本体28の上記軸方向の一方の外方に位置すると共に、ロール本体27の外径よりも小さい外径を有する第2ジャーナル部(図示せず)と、上記軸方向の他方の最外方に位置するロール本体29の上記軸方向の他方の外方に位置すると共に、ロール本体27の外径よりも小さい外径を有する第3ジャーナル部とを有する。
【0022】
上記ロール本体27は、スラブと接触し、回動することによって、スラブを搬送するようになっている。また、上記第1軸箱23は、上記第1ジャーナル部を覆うように配置され、第2軸箱24は、第2ジャーナル部を覆うように配置され、第3軸箱25は、第3ジャーナル部を覆うように配置され、第4軸箱26は、後述するアキシアル荷重をうけるための軸受を覆うように配置されている。
【0023】
図3は、第1軸箱23の内部を詳細に示す図である。
【0024】
上記第1軸箱23の内側には、第1ジャーナル部31が位置している。上記第1ジャーナル部31の両側には、ロール本体27が位置している。上記第1ジャーナル部31上には二分割軸受30が配置されている。上記二分割軸受30は、内輪33と、外輪35と、円筒ころ34とからなる。上記第1ジャーナル部31の外周面上には、内輪33が配置されている。また、上記内輪33の外周軌道面に配置された円筒ころ34を介在して、外輪35およびハウジングとしての第1軸箱23が配置されている。
【0025】
上記内輪33は、環状の部材であり、略樋形状の二つの部材を締結ボルト37,38,39,40で締結して形成されている。また、上記外輪35は、紙面における上方である荷重を受けない側には、設けられておらず、紙面における下方である荷重を受ける側のみに設けられている。図3に示すように、外輪35の外周面は、ロール21の中心軸と鉛直方向を含む断面において、鉛直方向の下方に凸の円弧状の形状を有しており、調心機能を有している。
【0026】
図4は、第2軸箱24の周辺を示す図である。
【0027】
図4に示すように、第2軸箱24は、第2ジャーナル部41を覆うように配置されている。第2ジャーナル部41の外周面には、第1軸受の一例としての円筒ころ軸受42が配置されている。上記円筒ころ軸受42は、内輪44と、外輪45と、内輪44と外輪45との間に配置された円筒ころ46と、外輪45と第2軸箱24の内周面との間に配置された調心座47とを有する。
【0028】
上記内輪44は、第2ジャーナル部41に嵌合固定されている。上記内輪44の径方向外方の外面は、外径が等しい一つの円筒面で構成されており、内輪44は鍔を有さない構造になっている。また、上記外輪45の外周面は、調心面になっている。上記外輪45の内周面には、外輪45に対する円筒ころ46の軸方向の移動を不可にする鍔が形成されている。上記円筒ころ軸受42は、ロール21が、温度変化によって伸縮すると(例えば、熱膨張して軸方向に伸長すると)、内輪44が、円筒ころ46に対して軸方向に摺動する構造になっており、円筒ころ軸受42に、アキシアル荷重が作用しないようになっている。すなわち、上記円筒ころ軸受42は、ロール21の軸方向の伸縮を吸収できるようになっている。上記円筒ころ軸受42は、略ラジアル荷重のみを負荷するようになっている。
【0029】
図5は、上記第3軸箱25および第4軸箱26の周辺を示す図である。
【0030】
図5に示すように、ハウジングである第3軸箱25は、第3ジャーナル部51を覆うように配置されている。上記第3ジャーナル部51の外周面と第3軸箱25の内周面との間には、第2軸受の一例としての円筒ころ軸受52が配置されている。
【0031】
上記円筒ころ軸受52は、内輪54と、外輪55と、内輪54と外輪55との間に配置された円筒ころ56と、外輪55と第3軸箱25の内周面との間に配置された調心座57とを有する。
【0032】
上記内輪54は、第3ジャーナル部51に嵌合固定されている。上記内輪54の径方向外方の外面は、外径が等しい一つの円筒面で構成されており、内輪54は鍔を有さない構造になっている。また、上記外輪55の外周面は、調心面になっている。上記外輪55の内周面には、外輪55に対する円筒ころ56の軸方向の移動を不可にする鍔が形成されている。また、上記調心座57は、外輪55の外周面と第3軸箱25の内周面との間に配置されている。上記円筒ころ軸受52は、ロール21が、温度変化によって伸縮すると(例えば、熱膨張して軸方向に伸長すると)、内輪54が円筒ころ56に対して軸方向に摺動する構造になっており、円筒ころ軸受52に、アキシアル荷重が作用しないようになっている。すなわち、上記円筒ころ軸受52は、ロール21の軸方向の伸縮を吸収できるようになっている。上記円筒ころ軸受52は、略ラジアル荷重のみを負荷するようになっている。
【0033】
上記第4軸箱26の大部分は、第3軸箱25の軸方向の外方に位置している。上記第4軸箱26は、軸方向の外方に径方向に広がる環状の端面部67を有している。上記第4軸箱26は、第3ジャーナル部51の軸方向の外方に位置する第4ジャーナル部61を覆うように配置されている。上記第4ジャーナル部61と第4軸箱26との間には、第3軸受の一例としての円錐ころ軸受64,65が、軸方向に隣接されて配置されている。図5に示すように、上記円錐ころ軸受64の内輪74の大端面(表面積が大きい方の端面)と、円錐ころ軸受65の内輪85の大端面とは、軸方向に当接するように配置されている。
【0034】
上記第4軸箱26は、第3軸箱25側に径方向の内方に延びる環状の突出部68を有し、突出部68の径方向の下端は、軸方向に広がっている。この軸方向に広がっている部分の軸方向の一端は、円筒ころ軸受52の調心座57の軸方向の外方の端面に当接し、この軸方向に広がっている部分の軸方向の他端は、二つの円錐ころ軸受64,65のうちで軸方向の内方に位置している円錐ころ軸受64の外輪76の大端面(表面積が大きい方の端面)に当接している。また、ロール21の外周面における円筒ころ軸受52と円錐ころ軸受64の間には、環状のスペーサ60が配置されている。この環状のスペーサ60の軸方向の一端は、円筒ころ軸受52の内輪54の軸方向の外方の端面に当接し、スペーサ60の軸方向の他端は、円錐ころ軸受64の内輪74の小端面に当接している。また、二つの円錐ころ軸受64,65のうちの軸方向の外方に位置する円錐ころ軸受65の内輪85の軸方向の外方の端面は、その内輪85の外方に位置する環状のスペーサ87を介してロール21に螺合した軸受ナット88により、ロール21に対して位置決めされている。
【0035】
図5において、参照番号90および91は、付勢部材の一例としてのスプリングである。スプリング90は、第4軸箱26に対して円錐ころ軸受64の外輪76の大端面を軸方向の外側に付勢しており、スプリング91は、第4軸箱26の端面部67に対して円錐ころ軸受65の外輪の大端面を軸方向の内側に付勢している。スプリング90とスプリング91で、内輪74,85の大端面同士が当接している円錐ころ軸受64と円錐ころ軸受65とを、軸方向に挟み込むことによって、円錐ころ軸受64と円錐ころ軸受65に、所定の軸方向の初期予圧を付与している。上記円錐ころ軸受64,65のそれぞれの外輪76,86の外輪外径面は、軸箱26の内周面93に所定のすきまをもって嵌合しており、上記円錐ころ軸受64,65は、スラブからのラジアル荷重を負荷せず、ロール21の温度変化に起因するロール21の伸長に起因するアキシアル荷重とスラブから発生するアキシアル荷重とを負荷するようになっている。
【0036】
上記実施形態の従動ロール5によれば、スラブの搬送中に最も大きな力がかかる中央付近の第1ジャーナル部31の外周上に、調心機能を有して、スラブからの不均一な力を受けても第1ジャーナル部31に径方向に不均一な力を作用されにくい二分割軸受30を配置しているので、この二分割軸受30によって、ロール21が、スラブからの力によって変形して撓むことを抑制することができる。したがって、ロール21で搬送されて冷却されるスラブの品質が、ロール21の撓みに起因して悪化することを防止できる。
【0037】
また、上記実施形態の従動ロール5によれば、第1軸受である円筒ころ軸受42と、第2軸受である円筒ころ軸受52が、内輪44,54が円筒ころ46,56に対して軸方向に摺動可能で、ラジアル荷重のみを受けてアキシアル荷重を受けないようになっている一方、ロール21の軸方向の一方の最外方に位置する第3軸受である円錐ころ軸受64,65は、ラジアル荷重を受けずアキシアル荷重のみを受けるようになっているので、第1乃至第3軸受のうちでラジアル荷重とアキシアル荷重の両方を受ける軸受が存在せず、軸受が過酷な環境下で使用されることがない。したがって、二分割軸受30は高性能で壊れにくいことから、連続鋳造機用従動ロール5の軸受部(二分割軸受30、第1乃至第3軸受42,52,64,65)の寿命を格段に長くすることができて、従来と比して連続鋳造機用従動ロール5の寿命を格段に長くすることができる。
【0038】
また、上記実施形態の従動ロール5によれば、一体型のロール21を採用しているので、複数のロールを一直線上に配置してロール部を形成している場合と比較して、スラブと接触する部分の表面積を大きくすることができて、スラブを円滑に搬送することができる。また、複数のロールからなるロール部を用いている場合と比して、連続鋳造機を整備するときの作業性を格段に向上させることができる。
【0039】
尚、上記実施形態の従動ロール5では、アキシアル荷重を負荷する第3軸受として二つの円錐ころ軸受64,65を採用したが、この発明では、アキシアル荷重を負荷する第3軸受として、二つのスラスト自動調心ころ軸受を採用しても良い。また、アキシアル荷重を負荷する第3軸受として、玉軸受、スラストころ軸受、スラスト玉軸受、スラスト円錐ころ軸受等を採用しても良い。また、この発明では、第1軸受および第2軸受のうちの少なくとも一方は、調心座を有さない円筒ころ軸受であっても良い。
【0040】
また、上記実施形態の従動ロール5は、第1ジャーナル部23を3つ有していたが、第1ジャーナル部の数は、3つに限らず、第1ジャーナル部の数は、二つまたは4つ以上でも良い。
【0041】
また、上記実施形態の従動ロール5では、二分割軸受30は、環状でない外輪35を有していたが、この発明では、二分割軸受は、軸方向に二分割した外輪を有していても良く、略樋形状の二つの部材を締結ボルトで締結して形成された環状の外輪を有していても良い。
【0042】
また、上記実施形態の従動ロール5では、第1軸受である円筒ころ軸受42と、第2軸受である円筒ころ軸受52は、内輪44,54が円筒ころ46,56に対して軸方向に摺動可能で、ラジアル荷重のみを受けてアキシアル荷重を受けないようになっていたが、この発明では、第1軸受と第2軸受とのうちの少なくとも一方の軸受は、転動体が外輪に対して軸方向に摺動可能で、ラジアル荷重のみを受けてアキシアル荷重を受けないようになっていても良い。
【0043】
また、上記実施形態の従動ロールでは、円錐ころ軸受64は、円筒ころ軸受52の軸方向の外方の端部を、スペーサ60を介して支持してキシアル荷重を受けるようになっていたが、この発明では、第3軸受は、第2軸受の上記軸方向の外方の端部を、直接支持してアキシアル荷重を受けるようになっていても良い。
【0044】
また、上記実施形態の従動ロール5では、第3軸受に初期予圧を付与する付勢部材としてスプリングを採用したが、スプリングの種類としては、板ばねや、コイルバネ等がある。尚、付勢部材として、スプリング以外の付勢部材を使用しても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】連続鋳造機のスラブ鋳造部分を示す拡大模式図である。
【図2】本発明の一実施形態の連続鋳造機用従動ロールの外観を表す外観図である。
【図3】第1軸箱の内部を詳細に示す図である。
【図4】第2軸箱の周辺を示す図である。
【図5】上記第3軸箱および第4軸箱の周辺を示す図である。
【図6】従来の連続鋳造機用従動ロールを示す図である。
【符号の説明】
【0046】
5 連続鋳造機用従動ロール
21 ロール
27 ロール本体
30 二分割軸受
31 第1ジャーナル部
41 第2ジャーナル部
42 円筒ころ軸受
51 第3ジャーナル部
52 円筒ころ軸受
64,65 円錐ころ軸受
90,91 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の少なくとも2個の第1ジャーナル部と、両端の第2および第3ジャーナル部とを有する軸と、上記第1,2,3ジャーナル部の間に位置すると共に、上記軸の外径よりも大きな外径を有する少なくとも3個のロール本体とを有する一体型のロールと、
上記第1ジャーナル部の外周上に配置されると共に、略樋形状の二つの部材を締結ボルトで締結して形成された環状の内輪と、調心機能を有する外輪と、上記内輪と上記外輪との間に配置された円筒ころとを有する二分割軸受と、
上記第2ジャーナル部の外周上に配置されると共に、内輪と、外輪と、上記内輪と上記外輪とのうちの少なくとも一方に対して上記ロールの軸方向に摺動可能な転動体とを有する第1軸受と、
上記第3ジャーナル部の外周上に配置されると共に、内輪と、外輪と、上記内輪と上記外輪とのうちの少なくとも一方に対して上記軸方向に摺動可能な転動体とを有する第2軸受と、
上記第2軸受の上記軸方向の外方の端部を直接的または部材を介して支持してアキシアル荷重を受ける第3軸受と、
上記第3軸受を上記軸方向の内側に付勢する付勢部材と
を備えることを特徴とする連続鋳造機用従動ロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−253218(P2007−253218A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83401(P2006−83401)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】