説明

進行方向表示装置

【課題】セグメント型の表示器を用いて進行方向や方向転換の表示を分かり易く表示することのできる進行方向表示装置を提供する。
【解決手段】垂直セグメント(32,33,35,36)および水平セグメント(31,34,37)が日の字型に配置されてなる日の字型セグメント群と、2つの垂直セグメント(32,35)の間から斜めに四方にそれぞれ延びる第1〜第4の斜めセグメント(38〜41)と、2つの垂直セグメント(32,35)の間から水平セグメント(34)の反対の方向に延びる外側水平セグメント(42)とを備え、2つの垂直セグメント(32,35)、2つの水平セグメント(34,42)、第1〜第4の斜めセグメント(38〜41)を点灯、点滅または消灯させることで進行方向を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、進行方向を表示する進行方向表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在地点の情報や目的地までの経路情報を地図とともに表示するナビゲーション装置が一般的に知られている。また、移動中に各地点で方向転換や進行方向の表示を行うナビゲーション装置もある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−239085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナビゲーション装置では、進行方向や方向転換の表示をドット表示により行っており、同様の表示をセグメント型の表示器によって実現することは困難であった。
【0005】
この発明の目的は、セグメント型の表示器によって進行方向や方向転換の表示を分かり易く表示することのできる進行方向表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
現在位置の情報、地図情報および経路情報に基づいて進行方向を表示する進行方向表示装置において、
上下方向に延びる4つの垂直セグメント、および、左右方向に延びる3つの水平セグメントが日の字型に配置されてなる日の字型セグメント群と、
該日の字型セグメント群の左上の垂直セグメントと左下の垂直セグメントとの間から斜め右上に延びる線分、斜め左上に延びる線分、斜め右下に延びる線分、斜め左下に延びる線分の各々に沿って設けられた第1〜第4の斜めセグメントと、
前記日の字型セグメント群の左上の垂直セグメントと左下の垂直セグメントとの間から、当該日の字型セグメント群の中央の水平セグメントの反対の方向に延びる線分に沿って設けられた外側水平セグメントと、
を備え、
前記4つの垂直セグメント、前記3つの水平セグメント、前記第1〜第4の斜めセグメント、および前記外側水平セグメントがそれぞれ点灯または点滅可能に構成され、
前記日の字型セグメント群の左上および左下の2つの垂直セグメント、該日の字型セグメント群の中央の水平セグメント、前記第1〜第4の斜めセグメント、および、前記外側水平セグメントを点灯、点滅または消灯させることで進行方向を表示することを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の進行方向表示装置において、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記左上の垂直セグメントとにより直進を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記中央の水平セグメントとにより右折を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記外側水平セグメントとにより左折を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第1の斜めセグメントとにより斜め右方向を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第2の斜めセグメントとにより斜め左方向を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第3の斜めセグメントとにより鋭角の右折を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第4の斜めセグメントとにより鋭角の左折を表示する表示制御手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の進行方向表示装置において、
前記表示制御手段は、
さらに、前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメント、中央の水平セグメント、および右下の垂直セグメントによりUターンを表示することを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載の進行方向表示装置において、
点灯又は点滅可能な複数のセグメントが並列されてなるバーグラフ表示器を備え、
前記表示制御手段は、
前記日の字型セグメント群、前記第1〜第4斜めセグメント、および前記外側水平セグメントによる方向転換の表示に伴って、該方向転換の地点までの長さを前記バーグラフ表示器により表示することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項2又は3に記載の進行方向表示装置において、
数字表示が可能な複数の7セグメント表示器を備え、
前記表示制御手段は、
前記日の字型セグメント群、前記第1〜第4斜めセグメント、および前記外側水平セグメントによる方向転換の表示に伴って、該方向転換の地点までの長さを前記複数の7セグメント表示器により表示することを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の進行方向表示装置において、
測位を行って前記現在位置の情報を供給する測位手段と、
前記地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記経路情報を算出する経路情報算出手段と、
を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従うと、一般的な日の字型セグメント群の表示器に、僅かな表示セグメントを追加するだけで、進行方向や方向転換の内容を分かり易く表示できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の表示器の具体的な構成を示す平面図である。
【図3】CPUにより実行されるナビゲーション装置の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態のナビゲーション表示の一例を示す平面図である。
【図5】本実施形態の表示器による進行方向や方向転換の表示パターンの第1〜第4例を示す平面図である。
【図6】本実施形態の表示器による進行方向や方向転換の表示パターンの第5〜第8例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の進行方向表示装置の実施形態であるナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。
【0016】
この実施形態に係るナビゲーション装置1は、特に制限されるものでないが腕時計型の形態をしており、目的地へ向けた経路に沿って進行方向や方向転換の表示を行ってユーザを誘導するナビゲーション機能を有するものである。
【0017】
このナビゲーション装置1は、図1に示すように、ナビゲーション情報や時刻情報などを表示する表示器5と、複数のスイッチを有し外部から指令や各種情報の入力操作を受ける入力部9と、時計処理やナビゲーション処理などの各種制御処理を行うCPU4と、CPU4が実行するプログラムやデータなどの情報を格納したROM(Read Only Memory)8と、CPU4に作業用メモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)7と、GPS衛星から受信された航法データなどを記憶する衛星データ記憶部10と、GPS衛星からの電波を受信するアンテナ2と、受信電波の復調や受信データのデータ処理を行うGPS処理部3と、ナビゲーション処理に使用する地図情報を記憶する地図情報記憶手段としての地図データ記憶部11と、時刻を計時する計時部12と、各部の動作電圧を供給する電源回路6等を備えている。
【0018】
GPS処理部3は、CPU4からの動作指令に基づいて、アンテナ2を介して受信される信号の復調処理を行って、GPS衛星からの各種受信データをCPU4に送る。CPU4は、このGPS衛星からの受信データに基づいて所定の測位演算を行うことで、現在位置の位置データを取得することができる。また、受信された航法データは衛星データ記憶部10に記憶させておき、測位演算の際に再利用する。上記のアンテナ2およびGPS処理部3によって測位手段が構成される。
【0019】
地図データ記憶部11は、例えばフラッシュメモリなどから構成され、CPU4により読み出し可能なように地図情報が記憶されている。地図情報は、主に道路の位置や交差点の位置の情報を含んだものであり、この地図情報から現在位置と目的地とを結ぶ経路や方向転換地点の情報を算出することが可能になっている。
【0020】
図2には、表示器5の具体的な構成を表わした平面図を示す。
【0021】
表示器5は、例えば液晶などを用いたセグメント表示器であり、所定形状に形成されたセグメントごとに点灯、点滅、消灯等が可能になっている。この表示器5は、第1〜第4のセグメントブロック21〜24と、時刻の区切りマーク(例えば「:」)を表示するコロン表示部53と、距離の単位を表示する単位表示部52と、バーグラフ表示部(バーグラフ表示器)51とを有している。
【0022】
第1〜第4のセグメントブロック21〜24は横方向に並列した配置に形成されている。これらのうち右側3つの第2〜第4のセグメントブロック22〜24は、一般的な7セグメント表示器と同様のもので、日の字型の7つのセグメントを有するブロックである。
【0023】
また、一番左に配置された第1のセグメントブロック21は、12個のセグメントを有するブロックであり、そのうち7個のセグメント31〜37により他のセグメントブロック22〜24と同様の日の字型のセグメント群が構成されている。上部の水平セグメント31、左上の垂直セグメント32、右上の垂直セグメント33、中央の水平セグメント34、左下の垂直セグメント35、右下の垂直セグメント36、下部の水平セグメント37である。
【0024】
また、第1のセグメントブロック21には、上記7つのセグメント31〜37に加えて5つのセグメント38〜42が追加されている。左上垂直セグメント32および左下垂直セグメント35の中間部位の周辺を起点として、この起点から斜め右上へ延びる第1斜めセグメント38と、上記起点から斜め左上へ延びる第2斜めセグメント39と、上記起点から斜め右下へ延びる第3斜めセグメント40と、上記起点から斜め左下へ延びる第4斜めセグメント41と、上記起点から左へ延びる外側水平セグメント42とである。
【0025】
これら第1〜第4のセグメントブロック21〜24によれば、第1のセグメントブロックの日の字型のセグメント群(31〜37)が使用されることで、例えば、4桁の数字などが表示可能になっている。また、第1のセグメントブロック21の追加された5つのセグメント38〜42や、日の字型セグメント群(31〜37)の一部を使用することで、後述するように、進行方向や方向転換の内容を示す表示を行うことが可能になっている。
【0026】
上記のコロン表示部53は、第2セグメントブロック22と第3セグメントブロック23との間に設けられており、第1〜第4のセグメントブロック21〜24で時刻を表示する際に、時桁と分桁との区切りを表わす。
【0027】
単位表示部52は、距離の単位を示す“km”のセグメント52aと、“m”のセグメント52bとを選択的に点灯可能としたもので、第4セグメントブロック24の右、下半分の範囲に設けられている。
【0028】
バーグラフ表示部51は、特に制限されるものではないが、互いに同じ長さの複数(例えば10個)のセグメント51aが左右方向に10個設けられたものである。そして、一端からその途中までの1個又は複数のセグメント51aを点灯(または点滅)させ、他のセグメント51aを消灯させることで、点灯された一連のセグメント51aの長さを変えて、距離や時間などの長さを表示することが可能になっている。
【0029】
上記表示器5に設けられた各セグメントは、CPU4からのオン又はオフの表示制御信号に基づいてそれぞれ独立的に点灯と消灯させることが可能になっている。すなわち、CPU4により表示器5の表示制御手段が構成されている。
【0030】
上記構成のナビゲーション装置1によれば、次に示すように、入力部9を介したユーザからの指令入力に基づき、CPU4が、ナビゲーション装置1を時計モードとして表示器5に時刻表示を行ったり、或いは、ナビゲーション装置1をナビゲーションモードに切り換えてナビゲーション処理を行ったりするようになっている。
【0031】
図3には、CPU4により実行されるナビゲーション装置1の制御処理のフローチャートを示す。
【0032】
ナビゲーション装置1が起動されると、CPU4は、入力部9を介した操作入力の確認処理(ステップS1,S2)と、表示器5に時刻表示を行う時計処理(ステップS3)とからなるループ処理を実行する。そして、ユーザから目的地入力モードへ移行する操作入力や、ナビゲーションモードへ移行する操作入力がなければ、ステップS3の時計処理が繰り返し実行される。
【0033】
一方、上記のループ処理中、ユーザから目的地入力モードへ移行する操作入力があったら、ステップS1の判別処理で“YES”と判別されてステップS4に移行する。ステップS4では、例えば、表示器5の数値表示と入力部9を介した操作入力とにより目的地の情報をユーザに入力させる処理を行う。例えば、目的地の情報を緯度と経度の数値によって入力したりする。入力が完了したら再びステップS1〜S3のループ処理に戻る。
【0034】
また、上記のループ処理中、ユーザからナビゲーションモードへ移行する操作入力があったら、ステップS2の判別処理で“YES”と判別されてステップS5に移行する。ステップS5では、CPU4は、GPS処理部3にGPS衛星からのデータ受信を行わせ、この受信データを入力して測位演算を行う。それにより、ナビゲーション装置1の現在位置の情報が求められる。
【0035】
次いで、CPU4は、ステップS6で、現在位置と目的地とを結ぶ範囲の地図情報を地図データ記憶部11から読み込んで、現在位置から目的地までのルート設定を行って経路情報として保持する。このステップS6の処理により、経路情報算出手段が構成される。さらに、続くステップS7で、この経路情報と地図情報の道路および交差点の情報から、次の方向転換地点までの距離や方向転換の方向を求める。
【0036】
方向転換地点までの情報を求めたら、次に、CPU4は、ステップS8で、表示器5に表示制御信号を出力してナビゲーション情報を表示出力する。
【0037】
図4には、表示器5に表示されるナビゲーション情報の一例を表わした平面図を、図5と図6には、第1セグメントブロック21によって表示される方向を示す。図4〜図6において、セグメントの黒塗り表示は点灯状態を、白抜き表示は消灯状態を、ハッチ塗り表示は点滅状態をそれぞれ示している。
【0038】
本実施形態におけるナビゲーション情報は、図4に示すように、第1のセグメントブロック21によって表示される進行方向あるいは次の方向転換地点における転換方向を表わす方向情報と、第2〜第4のセグメントブロック22〜24と単位表示部52により表示される次の方向転換地点までの距離を表わす文字情報と、バーグラフ表示部51により表示される次の方向転換地点までの距離を表わすバーグラフ情報とからなる。図4の例では、約30m先に方向転換地点があり、そこで右折というナビゲーション情報になっている。また、ナビゲーション情報の表示中にはコロン表示部53が消灯される。
【0039】
図5と図6に示すように、第1のセグメントブロック21により表示される方向情報の表示パターンには8通りのパターンがある。すなわち、2つの垂直セグメント32,35により直進を表わすパターン(図5(a))、垂直セグメント35と水平セグメント34により右折を表わすパターン(図5(b))、垂直セグメント35と外側水平セグメント42により左折を表わすパターン(図5(c))、垂直セグメント35と第1斜めセグメント38による斜め右方向を表わすパターン(図5(d))、垂直セグメント35と第2斜めセグメント39による斜め左方向を表わすパターン(図6(a))、垂直セグメント35と第3斜めセグメント40による鋭角な右折を表わすパターン(図6(b))、垂直セグメント35と第4斜めセグメント41による鋭角な左折を表わすパターン(図6(c))、垂直セグメント35,36と水平セグメント34によるUターンを表わすパターン(図6(d))である。
【0040】
これらの方向情報の表示パターンでは、現在の進行方向が垂直セグメント35の点滅により表わされ、その後の進行方向が他のセグメントの点灯により表わされるようになっている。なお、この点灯と点滅とを逆にしたり、両者とも点灯あるいは点滅にするようにしても良い。
【0041】
上記の方向情報の表示パターンのうち、例えば図5(a)の直進のパターンにより、暫くの間直進が続くことや、次の交差点で直進することを表示することが可能である。また、図5(b),(c)や図6(b),(c)の左折や右折のパターンによって、次の方向転換地点でどの方向に曲がるのかを示すことが可能であり、図5(d)や図6(a)の斜め右方向や斜め左方向のパターンにより、緩やかにカーブした道路を進行することや交差点で斜め右方向や斜め左方向の進路を行くことを示すことが可能になっている。
【0042】
図3のステップS8で上記のようなナビゲーション情報の表示出力を行ったら、次に、ステップS9で、現在位置が目的地とほぼ一致したか判別し、一致していなければステップS5に戻って、ステップS5〜S9の処理を繰り返す。
【0043】
すなわち、ユーザが目的地に向けた経路を進んでいる間、ステップS5〜S9のループ処理によって、GPS処理部3を用いた測位処理や地図情報に基づく経路確認、並びに、上述のナビゲーション情報の表示出力が繰り返される。このステップS5〜S9の繰り返しの処理により、例えば、ユーザが方向転換地点に近づくごとに、図4のナビゲーション情報の距離を表わす表示数が小さくなったり、点灯されるバーグラフが短くなって、それがユーザに伝えられる。そして、方向転換地点になったら、第1のセグメントブロック21で表示されている方向に曲がることで、次の方向転換地点までの距離や進行方向の表示が更新される。そして、このようなナビゲーション表示に従った移動を継続していくことで、ユーザは目的地に到達することができる。
【0044】
目的地に到達したら、ステップS9の判別処理で“YES”と判別されて、再び、ステップS1からの処理に戻る。
【0045】
以上のように、この実施の形態のナビゲーション装置1によれば、第1のセグメントブロック21において、4つの垂直セグメント32,33,35,36と3つの水平セグメント31,34,37からなる日の字型セグメント群に、第1〜第4の斜めセグメント38〜41と外側水平セグメント42とを追加することで、これらによって進行方向や転換方向の表示を簡単に分かり易く行うことができる。
【0046】
また、日の字型セグメント群の垂直セグメント35を点滅させることによって現在の進行方向を表わし、これに加えて、垂直セグメント32を点灯させることによって直進を、水平セグメント34を点灯させることによって右折を、外側水平セグメント42を点灯させることによって左折を、第1〜第4斜めセグメント38〜41の何れか1つを点灯させることによって、左右斜めの進行方向や鋭角の左折や右折をユーザに分かり易く表示することができる。
【0047】
また、日の字型セグメント群の垂直セグメント35を点滅させるとともに、水平セグメント34と垂直セグメント36の2本のセグメントを点灯させることにより、Uターンをユーザに分かり易く表示することもできる。
【0048】
また、複数の点灯または点滅可能なセグメントを並列することによってなるバーグラフ表示部51を備えることによって、第1セグメントブロック21による方向転換の表示に伴って、方向転換地点までの長さの変化を刻々と変化させながら表示することができる。
【0049】
また、第2〜第4のセグメントブロック22〜24に距離を数値で表示することによって、方向転換地点までの長さを具体的にユーザに伝えることができる。
【0050】
また、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、アンテナ2およびGPS処理部3からなる測位手段と、地図情報を記憶した地図データ記憶部11を備えているので、ナビゲーション装置1が単独で、現在位置の測位や経路情報の算出を行って、この経路情報に基づき進行すべき方向を表示器5に出力してユーザを目的地まで誘導することが可能になっている。
【0051】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では表示器5として液晶を使用したセグメント表示器を例示したが、発光ダイオードを用いたセグメント表示器など、様々なセグメント表示器を適用できる。また、上記実施形態では、CPU4が直接に表示器5の表示制御を行う構成を示したが、表示器5の表示制御を専用に行う表示制御回路を別途設けるようにしても良い。
【0052】
また、上記実施形態では、測位手段として、GPSを利用して測位を行う構成を例示したが、例えば、携帯電話の基地局との通信により測位を行う構成や、RFID(Radio Frequency Identification)などを用いて位置情報を外部から受信したり入力することで現在位置を確定する構成など、その他の種々の構成を適用することができる。
【0053】
また、方向転換地点までの距離を表示する数値表示とバーグラフ表示とは、何れか一方のみ行うようにしても良いし、両方とも省略するようにしても良い。両方とも省略した場合には、方向転換地点の少し前に方向表示のパターンを直進パターンから何れかのパターンへ切り換えることで、ユーザに方向転換するよう導くようにすることができる。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 腕時計
2 アンテナ
3 GPS処理部
4 CPU
5 表示器
10 衛星データ記憶部
11 地図データ記憶部
12 計時部
21 第1のセグメントブロック
22〜24 第2〜第4のセグメントブロック
32,33,35,36 垂直セグメント
31,34,37 水平セグメント
38 第1斜めセグメント
39 第2斜めセグメント
40 第3斜めセグメント
41 第4斜めセグメント
42 外側水平セグメント
51 バーグラフ表示部
52 単位表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置の情報、地図情報および経路情報に基づいて進行方向を表示する進行方向表示装置において、
上下方向に延びる4つの垂直セグメント、および、左右方向に延びる3つの水平セグメントが日の字型に配置されてなる日の字型セグメント群と、
該日の字型セグメント群の左上の垂直セグメントと左下の垂直セグメントとの間から斜め右上に延びる線分、斜め左上に延びる線分、斜め右下に延びる線分、斜め左下に延びる線分の各々に沿って設けられた第1〜第4の斜めセグメントと、
前記日の字型セグメント群の左上の垂直セグメントと左下の垂直セグメントとの間から、当該日の字型セグメント群の中央の水平セグメントの反対の方向に延びる線分に沿って設けられた外側水平セグメントと、
を備え、
前記4つの垂直セグメント、前記3つの水平セグメント、前記第1〜第4の斜めセグメント、および前記外側水平セグメントがそれぞれ点灯または点滅可能に構成され、
前記日の字型セグメント群の左上および左下の2つの垂直セグメント、該日の字型セグメント群の中央の水平セグメント、前記第1〜第4の斜めセグメント、および、前記外側水平セグメントを点灯、点滅または消灯させることで進行方向を表示することを特徴とする進行方向表示装置。
【請求項2】
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記左上の垂直セグメントとにより直進を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記中央の水平セグメントとにより右折を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記外側水平セグメントとにより左折を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第1の斜めセグメントとにより斜め右方向を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第2の斜めセグメントとにより斜め左方向を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第3の斜めセグメントとにより鋭角の右折を表示し、
前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメントと前記第4の斜めセグメントとにより鋭角の左折を表示する表示制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の進行方向表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
さらに、前記日の字型セグメント群の左下の垂直セグメント、中央の水平セグメント、および右下の垂直セグメントによりUターンを表示することを特徴とする請求項2記載の進行方向表示装置。
【請求項4】
点灯又は点滅可能な複数のセグメントが並列されてなるバーグラフ表示器を備え、
前記表示制御手段は、
前記日の字型セグメント群、前記第1〜第4斜めセグメント、および前記外側水平セグメントによる方向転換の表示に伴って、該方向転換の地点までの長さを前記バーグラフ表示器により表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の進行方向表示装置。
【請求項5】
数字表示が可能な複数の7セグメント表示器を備え、
前記表示制御手段は、
前記日の字型セグメント群、前記第1〜第4斜めセグメント、および前記外側水平セグメントによる方向転換の表示に伴って、該方向転換の地点までの長さを前記複数の7セグメント表示器により表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の進行方向表示装置。
【請求項6】
測位を行って前記現在位置の情報を供給する測位手段と、
前記地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記経路情報を算出する経路情報算出手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の進行方向表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−27517(P2011−27517A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172629(P2009−172629)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】