説明

遅延放出性を有する耐破壊性の投薬形

本発明は生理学的に有効な物質(A);場合により1種以上の生理学的に許容し得る助剤(B);合成又は天然のポリマー(C);及び場合により天然の、半合成の又は合成のロウ(D)を含む投薬形であって、この投薬形が少なくとも400Nの耐破壊性を有し、生理学的条件下で生理学的に有効な物質(A)を少なくとも部分的に遅延放出する、上記投薬形に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理学的に有効な物質(A)を投与するための投薬形に関し、この場合、この投薬形は機械的に安定化されているため、通常の方法、例えば強打 、粉砕、磨り潰し等によって粉砕できないか、又は少なくとも粉砕するのが極めて困難である。上記物質(A)は、本発明による投薬形から生理学的条件下で少なくとも部分的に遅延されたプロフィールで放出される。
【背景技術】
【0002】
多くの生理学的に有効な物質、例えば栄養補助剤、医薬等は、遅延型製剤として提供されている、つまり通常の製剤(例えば、いわゆる即効型製剤)とは反対に、上記物質は上記製剤から比較的長い期間(この期間はしばしば数時間)を経て遅延されて生体に放出される。一方で上記投薬形からの物質の放出が、及び他方で生体による代謝もしくは排泄が、投与された物質の比較的均一な血漿中濃度を保証する。この結果として、患者にとって一日あたりに摂取すべき用量単位の数を低減することができ、しばしば一日1回か又は2回の摂取が必要なだけである。
【0003】
遅延型製剤は、所定の場合に、物質の副作用の程度を低減させることもできる。血漿中で少なくとも一時的に医薬の所定の限界濃度を上回る場合には、例えばいくつかの医薬の場合に副作用が強く生じてしまう。従って、特に、一日2回又は3回の投与が望ましい場合には、このような医薬は「即効」型の製剤では全く不適当である。従って、このような医薬は通常では遅延型製剤として投与され、それにより有効物質の連続的な放出が保証され、かつ高い濃度の短期間の高潮期が抑制される。
【0004】
遅延型製剤の場合には、通常では生理学的に有効な物質は放出を制御するマトリックス中に埋め込まれ、及び(又は)投薬形は放出を制御するフィルムでコーティングされている。
【0005】
しかしながら、特に高齢の患者は、固体の投薬形、例えば錠剤、ゼラチンカプセル等を摂取する際に困難な場合が多い。高齢の患者はこの場合に気管を詰まらせ、この種の投薬形に対してときおり顕著な嫌悪を示す。
【0006】
この問題に対処するために、固体の投薬形を粉砕するか又は粉末化することができる多様な装置(タブレットクラッシャー(“tablet crusher”))が開発された。このような装置は、例えば老人ホームでの介護スタッフによって使用される。介護を必要とする人には、例えば錠剤を飲み込む際の困難を回避するために、この投薬形は、錠剤などとしてではなく、粉末として投与される。
【0007】
しかしながら、投薬形が遅延型製剤である場合には、この投薬形を上記のような装置で粉砕することは問題がある。つまり通常の場合に、この粉砕により、遅延放出を担う投薬形の内部構造は破壊されてしまい、それにより遅延する作用は失われてしまう。この粉砕のために、含まれる生理学的に有効な物質の拡散経路が短くなり、及び(又は)拡散バリアは除去される。このように、フィルムコーティングによって遅延放出が達成される遅延型製剤は、粉砕後にはその固体表面にわずかなパーセント割合しか上記フィルムコーティングを有していない。その結果として、投与後に頻繁に投薬形中に本来含まれる全体の生理学的に有効な物質は比較的短時間で放出してしまい、それにより比較的短い期間で急激に上記物質の相対的に極めて高い血漿中濃度が達成される。この本来の遅延型製剤から、このようにして、「即効」型の製剤ができてしまう。
【0008】
しかしながら、この物質の生理学的有効性に応じて、重大な副作用が引き起こされてしまうことがあり、それどころか極端な場合には患者を死に至らしめることがある。このような潜在的危険性を有する物質の例は、抗パーキン剤、抗てんかん剤、抗糖尿病剤、抗高血圧薬、抗不整脈剤などである。
【0009】
一般に、この危険性は、この投薬形を自分自身又は他人のために粉砕する人には認識されていない。おそらく看護士もしくは介護士による遅延型製剤の粉砕が原因であるとされる患者の死亡事件は知られていた。更なる詳細に関しては、例えばJ.E. Mitchell著, Oral Dosage Forms That Should Not Be Crushed: 2000 Update. Hospital Pharmacy, 2000; H. Miller et al.著, To Crush or Not to Crush, Nursing 2000; R. Grittith et al.著, Tablet Crushing and the law: the implications for nursing; Prof. Nurse 2003; J.G. Schier et al著, Fatality from administration of labetalol and crushed extended−release nifedipine, Ann. Pharmacotherapy 2003; A. James著, The legal and clinical implications of crushing tablet medication, Nurse Times 2005, 100(50), 28−9;及びP. Cornish著, “Avoid the Crush”: hazards of medication administration in patients with dysphagia or a feeding tube, CMAJ. 2005, 172(7), 871−2を参照することができる。
【0010】
幼児の場合でも、遅延型製剤は問題を引き起こすことがある。小児は固形の投薬形をお菓子と区別することができないことが多い。例えば両親がこの投薬形を不注意から住居内に置いたままにして、小児がこのような投薬形を見つけた場合に、小児はこの投薬形をキャンディーと思いこみ、口に入れ、かみ砕いてしまう危険性がある。これが、大人用に決められた用量で医薬を有する遅延型製剤であると、このような場合に子供にとって既に大量に含まれる医薬によって過剰摂取の危険が生じる。この投薬形の噛み砕き及びそれにより生じる遅延作用の消失により、この危険はさらに増強されてしまう、それというのも既に高い用量に加えてさらにない極め短い期間内で放出され、これは大人にとっても相当な危険を招きかねないのだが、子供にとってはなお激しい結果を招いてしまうためである。
【0011】
遅延型製剤を噛むことにより、大人の場合でもそれに含まれる物質の過剰摂取が生じかねない。大人がこの投薬形を時々噛み砕くことはよく知られている、それというのもこの投薬形は、しばしば遅延型製剤の目的及び種類を知らないことで、この噛み砕きにより急速な作用効果が期待されるためである。
【0012】
遅延型製剤の粉砕から生じるこの危険を低減するための公知の方法は、投薬形にアンタゴニスト、つまり拮抗剤、又は生理学的な防御反応を生じる化合物を添加することにあり、その際、投与前に投薬形が粉砕される場合にだけ、できる限り上記の添加剤の生理学的作用が発揮される。しかしながら、この手段は、生理学的に有効な物質がなおも遅延されない形で投与され、かつ生体は付加的に他の生理学的に有効な物質、例えば拮抗剤による負担があるか又は防御反応、例えば嘔吐を引き起こしてしまうという欠点を有する。
【0013】
従って、遅延放出を示す製剤学的な投薬形の、過剰摂取の危険を回避することで、拮抗剤などの使用を行わなくてもすむような必要性が生じる。
【0014】
本発明の根底をなす課題は、先行技術の投薬形と比べて利点を有する投薬形を提供することである。この投薬形は、生理学的に有効な物質を遅延放出するが、特にこの投薬形の不適切な取扱、例えば噛み砕き、粉砕、磨り潰し等による過剰摂取の危険性は回避されるのが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者は、上記課題が、
− 生理学的に有効な物質(A)(=成分(A));
− 場合により、1種以上の生理学的に許容し得る助剤(B)(=成分(B));
− 合成又は天然のポリマー(C)(=成分(C));及び
− 場合により、天然、半合成又は合成のロウ(D)(=成分(D));
を有する投薬形において、この投薬形は少なくとも400N、好ましくは少なくとも420N、特に少なくとも440N、さらに好ましくは少なくとも460N、さらに好ましくは少なくとも480N、殊に好ましくは少なくとも500Nの耐破壊性を有し、生理学的条件下で生理学的に有効な物質(A)を少なくとも部分的に遅延放出することにより解決されることを驚くべきことに見出した。従って、本発明による投薬形は、少なくとも部分的に遅延放出を有する生理学的に有効な物質(A)を有する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による投薬形は、広い温度範囲にわたり機械的強度を有し、上記の耐破壊性の他に場合による十分な高度及び耐衝撃性をも有するため、噛み砕き、磨り潰し、強打等によっても、並びに慣用の投薬形の粉末化のための市販の装置を用いても実際に粉砕できないか又は粉末化できない。この場合に、このことは、投薬形の硬度によって達成する必要はない。特に、その耐衝撃性により、本発明による投薬形は、例えばハンマーを用いた外部からの機械的作用により変形されるが、その際に複数の破片に崩壊しないようにすることもできる。この投薬形がその脆性を高めるためにまず、例えば−25℃、−40℃より低い温度に、又は例えば液体窒素中で冷却される場合でさえも粉砕は成功しない。
【0017】
この結果として遅延された放出が維持され、投薬形の不適切な取扱による過剰摂取は効果的に抑制される。
【0018】
本発明による投薬形の有利な特性、特にその機械的特性は、この投薬形の慣用の任意の製造方法を用いて、成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の加工により自動的には得られない。むしろ、通常では、製造の際に適切な装置を選択しかつ適当なパラメータ、特に圧力/力、温度及び時間を調節する必要である。上記の成分を投薬形の製造の際に、十分な温度で十分な時間で十分な圧力をかける場合にだけ、所望の特性を有する投薬形を得ることができる。つまり慣用の装置を使用する場合でさえも、通常ではこの製造プロトコルを、必要な基準を満たすために適合させなければならない。
【0019】
遅延放出とは、本発明の場合に好ましくは、延長された治療効果を得る目的で少ない摂取頻度でも生理学的に有効な物質を長期間にわたり放出する放出プロフィールであると解釈される。特にこれは経口投与の場合に達成される。「少なくとも部分的に遅延放出する」との表現は、本発明の場合に、その中に含まれる生理学的に有効な物質の変更された放出を保証するような投薬形を含む。この投薬形は、好ましくはコーティングされた投薬形であるか又はコーティングされていない投薬形であり、この投薬形は放出速度又は放出箇所を適切に変更するために、特別な助剤を用いて特別な方法で製造されるか又は両方の手段を組み合わせることにより製造される。
【0020】
放出の時間的経過に関して、本発明による投薬形の場合には次の種類を有している:遅延型放出(extended release, delayed release)、段階型放出(repeat action release)、延長型放出(prolonged release)及び均一持続型放出(sustained release)。
【0021】
上記記載の目的で、「遅延型放出」とは好ましくは、特定の有限の期間(lag time)の間、生理学的に有効な物質の放出を遅らせ、この期間が終わった後に放出は妨げなしに行われることであると定義される。「段階型放出」とは好ましくは、最初に生理学的に有効な物質の最初の部分量が放出され、この最初の放出に引き続き少なくともそれ以上の部分量が放出されることであると定義される。「延長型放出」とは好ましくは、治療効果を維持するため、毒性作用を低下させるため、又は他の治療的理由から低下された放出速度で放出されることであると定義される。「均一持続型放出」とは好ましくは、投与の頻度を低下させるために、比較的長期間にわたり連続的に放出することであると定義される。更なる詳細に関して、例えば、K.H. Bauer著、Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie、第6版、WVG Stuttgart, 1999;及び欧州薬局方を参照することができる。
【0022】
好ましい実施態様の場合には、本発明による投薬形は生理学的条件下で5時間後に、最高で99%、好ましくは最高で90%、好ましくは最高で75%、さらに好ましくは最高で50%、最も好ましくは最高で40%、特に最高で30%の物質(A)が放出される。この場合、投薬形が、塩酸トラマドールも塩酸オキシコドンも含有せず、さらに好ましくはオピオイド[N02A]を含有しないことが特に有利である(「N02A」の意味は下記参照)。この放出は、この場合、好ましくは欧州薬局方の標準的方法により測定され、好ましくは実施例1に記載された条件下で測定される。
【0023】
好ましくは、本発明による投薬形は、生理学的条件下で、生理学的に有効な物質(A)を30分後に0.1〜75重量%、240分後に0.5〜95重量%、480分後に1.0〜100重量%、720分後に2.5〜100重量%放出する。
【0024】
さらに有利な放出プロフィール1〜5は、次の表中にまとめられている[重量%で表示された放出された成分(A)]:
【0025】
【表1】

【0026】
好ましくは、本発明による投薬形の放出挙動は、放出媒体のpH値にあまり依存せず、つまり、人工腸液中での放出プロフィールは好ましくは人工胃液中での放出プロフィールとほぼ一致する。好ましくは、両方の放出プロフィールの相互の相違は、測定の各時点で、最高で20%、好ましくは最高で15%、さらに好ましくは最高で10%、さらに好ましくは最高で7.5%、最も好ましくは最高で5.0%、特に最高で2.5%である。
【0027】
好ましくは、本発明による投薬形は一貫した放出挙動を有する。この場合、好ましくは、生理学的に有効な物質(A)の放出挙動は、個別間で(つまり同じ方法により製造された投薬形との比較において)及び(又は)個々の投薬形の間で(つまり同じ投薬形の一部分の比較において)一貫しているのが有利である。好ましくは、それぞれ500mgの量(mass)を有する2つの試料を上記のように比較した場合に、測定の各時点での全体で放出された有効物質量は、互いに最高でも20%、好ましくは最高でも15%、さらに好ましくは最高でも10%、さらに好ましくは最高でも7.5%、最も好ましくは最高でも5.0%、特に最高でも2.5%相違する。
【0028】
好ましくは、本発明による投薬形の放出プロフィールは、好ましくは高めた温度で、例えば37℃で、3ヶ月間、密閉された容器中で貯蔵した場合でも貯蔵安定性である。この関連で、「貯蔵安定性」とは、当初の放出プロフィールと貯蔵後の放出プロフィールとを比較した場合に、両方の放出プロフィールが測定の各時点で、互いに最高でも20%、好ましくは最高でも15%、さらに好ましくは最高でも10%、さらに好ましくは最高でも7.5%、最も好ましくは最高でも5.0%、特に最高でも2.5%相違することを意味する。
【0029】
所定のポリマーを適当な量でかつ適切な条件下で使用することにより、本発明の場合に、投薬形が、少なくとも400N、好ましくは少なくとも420N、好ましくは少なくとも440N、さらに好ましくは少なくとも460N、最も好ましくは480N、特に少なくとも500Nの耐破壊性を有することが達成される(この明細書中に記載されたように測定;この耐破壊性の本願発明による有利な測定方法は、欧州薬局方5.0の235頁、2.9.8に記載された方法「Resistance to Crushing of Tablets」の変法である)。それにより、投薬形の通常の手段を用いた粉砕、例えば粉末化は効果的に抑えることができる。
【0030】
粉砕とは、本発明の場合に、粉末化するための通常の手段、例えば乳鉢及び乳棒、ハンマー、槌などの慣用の手段、特にこのために独自に開発された装置(tablet crusher)を用いた力の作用による投薬形の粉末化であると解釈され、その際、場合により生じる微細分(0.3mm以下の粒子サイズ)が5重量%を越えてはならない。
【0031】
本発明による投薬形は、従って、遅延型製剤中に提供された生理学的に有効な物質、特に栄養補助剤及び医薬の過剰摂取を抑えるために適している。拮抗剤、刺激物質等はこの場合使用しなくて良い。過剰摂取を回避し、それに伴う患者のリスクを回避する他に、本発明による投薬形は、さらに遅延型製剤の残りの利点、例えば長期間にわたる均一な放出は維持され、かつこの効果を簡単に解消することができないことが保証される。
【0032】
本発明による投薬形の必要な耐破壊性の達成のために、少なくとも1つの合成の又は天然のポリマー(C)が使用され、このポリマーは投薬形の耐破壊性を高めるために重要である。投薬形の耐破壊性は、少なくとも400N、好ましくは少なくとも420N、好ましくは少なくとも440N、さらに好ましくは少なくとも460N、最も好ましくは少なくとも480N、特に少なくとも500Nであり、その際、この耐破壊性は本願明細書に記載された方法により測定される。好ましい実施態様の場合に、この投薬形の耐破壊性は、少なくとも500N、好ましくは少なくとも600N、好ましくは少なくとも700N、さらに好ましくは少なくとも800N、さらに好ましくは少なくとも900N、最も好ましくは少なくとも1000N、特に少なくとも1100Nである。
【0033】
本願発明による投薬形は、その耐破壊性の他に、好ましくは他の機械的特性、例えば硬度、耐衝撃性、衝突弾性及び(又は)場合による低温(例えば−24℃未満、−40℃未満、又は液体窒素中)でのその弾性率なども優れている。
【0034】
好ましい実施態様の場合には、本発明による投薬形は、少なくとも0.80又は少なくとも0.85g/cm、少なくとも0.90又は少なくとも0.95g/cm、さらに好ましくは少なくとも1.00、少なくとも1.05又は少なくとも1.10g/cm、最も好ましくは0.80〜1.35g/cmの範囲内の、特に0.95〜1.25g/cmの範囲内の密度を有する。
【0035】
本発明による投薬形は、比較的均質な密度分布により優れている。好ましくは、それぞれ1.0mmの容積を有する投薬形の2つの部分の密度は、互いに最高で±10%、好ましくは最高で±7.5%、さらに好ましくは最高で±5.0%、最も好ましくは最高で±2.5%、特に好ましくは最高で±1.0%相違する。
【0036】
本発明による投薬形は、生理学的に有効な物質(A)の比較的均質な分布により優れている。好ましくは、それぞれ1.0mmの容積を有する投薬形の2つの部分での成分(A)の含有量は、互いに最高で±10%、好ましくは最高で±7.5%、さらに好ましくは最高で±5.0%、最も好ましくは最高で±2.5%、特に最高で±1.0%相違する。
【0037】
本発明による投薬形の全重量は、好ましくは0.01g〜1.5g、好ましくは0.05g〜1.2g、さらに好ましくは0.1g〜1.0g、最も好ましくは0.2g〜0.9g、特に0.25g〜0.8gの範囲内にある。
【0038】
好ましくは、本発明による投薬形は、
ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、例えばポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)(Biopol(R))、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、ポリエチレンスクシネート、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリアセタール(例えば多糖類、場合により変性された側鎖を有する)、ポリラクチドグリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリエチレングリコールとポリブチレンテレフタレートとからなるブロックポリマー(Polyactive(R))、ポリ無水物(Polifeprosan)、これらの共重合体、及び上記の少なくとも2種のポリマーからなる混合物より成る群から選ばれる少なくとも1種のポリマー(C)を含有する。
【0039】
高分子量の熱可塑性ポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はそれらの(ブロック−)コポリマーが有利である。高分子量のポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシドが特に有利であり、少なくとも0.5×10g/mol、好ましくは少なくとも1.0×10g/mol、好ましくは少なくとも2.5×10g/mol、さらに好ましくは少なくとも5.0×10g/mol、最も好ましくは少なくとも7.5×10g/mol又は7.5×10g/mol、及び特に少なくとも10×10g/mol、殊に1.0×10g/mol〜15×10g/molの重量平均分子量(M)又は粘度平均分子量(Mη)を有するのが有利である。当業者にはMもしくはMηを測定することができる適当な方法は公知である。好ましくは、Mηの測定は流動学的測定により行い、Mの測定は適当な相でのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により行う。
【0040】
このポリマー(C)は、ブルックフィールド粘度計、モデルRVF(スピンドル番号2/回転速度2Upm)を用いて5重量%の水溶液中で測定して、25℃で好ましくは4,500〜17,600mPa s(cP)の粘度を有し、上記粘度計(スピンドル番号1もしくは3/回転速度10Upm)を用いて2重量%の水溶液中で測定して400〜4,000mPas(cP)、もしくは上記粘度計(スピンドル番号2/回転速度2Upm)を用いて1重量%の水溶液中で測定して1650〜10,000mPa s(cP)を有する。
【0041】
このポリマー(C)は好ましくは粉末として使用される。このポリマーは水中で可溶性であることができる。
【0042】
好ましくは、このポリマー(C)は、投薬形の全重量に対して、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、さらに好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%、特に少なくとも60重量%の量で使用される。好ましい実施態様の場合には、この量は、投薬形の全重量に対して、20〜49重量%の範囲内にある。
【0043】
本発明による投薬形は、1つの投薬形中で複数の生理学的に有効な物質(A)を投与するために適している。この投薬形は、1種の所定の生理学的に有効な物質(A)だけ、好ましくは1種の栄養補助剤又は1種の医薬(=製剤学的有効物質)だけを含有するのが有利である。
【0044】
本発明による投薬形の全重量に対して、この生理学的に有効な物質(A)の量割合は好ましくは0.01〜95重量%、好ましくは0.5〜80重量%、さらに好ましくは1.0〜70重量%、最も好ましくは5.0〜60重量%、殊に10〜50重量%の範囲内にある。好ましい実施態様の場合には、この量割合は20重量%より高い。
【0045】
本発明による投薬形の好ましい実施態様の場合には、この投薬形は向精神性に作用する物質を含有しない。当業者には、どのようなものが向精神性作用を有する物質であるかは公知である。一般に、精神的プロセスに影響を及ぼす物質は、向精神性作用、つまり精神機能に特異的な作用を有する。向精神性作用を有する物質は、従って、躁状態又は鬱状態の気分に影響を及ぼす。本願明細書の目的で、特にオピオイド、刺激物質、トランキライザー(バルビツレート及びベンゾジアゼピン)及び他の麻酔剤も向神経性作用を有する物質に数えられる。好ましくは、向精神性作用を有する物質は、特に規定されていない種類の摂取(特に乱用の意図で)の場合に、規定された経口投与と比べて、乱用者の望ましい結果を伴う有効物質の早められた高潮期、つまりキック(Kick)を引き起こす物質である。このキックは、例えば粉末化された投薬形を鼻に適用する、つまり鼻に吸い込む場合に達成することができる。好ましくは、向精神性作用を有する物質は、(相応する投与量、投薬形及び投与方法で)ヒトの理性的な活動及び(又は)知覚に特定の影響を及ぼすような物質であり、このような物質は基本的に乱用のために適している。
【0046】
次のアヘン剤、オピオイド、トランキライザー又は他の麻酔剤は、向精神性作用を有する物質であり、従って本発明の場合に投薬形中に含まれるのは好ましくない:アルフェンタニル、アロバルビタール、アリルプロジン、アルファプロジン、アルプラゾラム、アンフェプラモン、アンフェタミン、アンフェタミニル、アモバルビタール、アニレリジン、アポコデイン、バルビタール、ベミドン(Bemidon)、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブプレノルフィン、ブトバルビタール、ブトルファノール、カマゼパム、カルフェンタニル、カチン/D−ノルプソイドエフェドリン、クロロジアゼポキシド、クロバザム、クロフェダノール、クロナゼパム、クロニタゼン、クロラゼペート、クロチアゼパム、クロキサゾラム、コカイン、コデイン、シクロバルビタール、シクロルファン(Cyclorphan)、シプレノルフィン(Cyprenorphin)、デロラゼパム、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン(Diamorphon)、ジアゼパム、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジヒドロモルフォン、ジメノキサドール、ジメフェタモール(Dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート(Dioxaphetylbutyrat)、ジピパノン、ドロナビノール、エプタゾシン、エスタゾラム、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルロフラゼペート、エチルモルフィン、エトニタゼン、エトルフィン、フェンカムファミン、フェネチリン、フェンピプラミド、フェンプロポレックス、フェンタニル、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、ケタゾラム、ケトベミドン、レバセチルメタドール(Levacetylmethadol)(LAAM)、レボメタドン(Levomethadon)、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、レボキセマシン(Levoxemacin)、ロフェンタニル、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マジンドール、メダゼパム、メフェノレックス、メペリジン、メプロバメート、メタポン、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルフィン、メタンフェタミン、メタドン、メタクアロン、3−メチルフェンタニル、4−メチルフェンタニル、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール、メチプリロン、メトポン、ミダゾラム、モダフィニル、モルフィン、ミロピン、ナビロン、ナルブフェン、ナロピン、ナルセイン、ニコモルフィン、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキサゼパム、オキサゾラム、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベル ソムニフェルム(Papaver somniferum)、パパベルタム(Papaveretum)、ペルノリン(Pernolin)、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペチジン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェンテルミン、ピナゼパム、ピプラドロール、ピリトラミド、プラゼパム、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、セクブタバルビタール、セコバルビタール、スフェンタニル、テマゼパム、テトラゼパム、チリジン(シス及びトランス)、トラマドール、トリアゾラム、ビニルビタール、N−(1−メチル−2−ピペリジノエチル)−N−(2−ピリジル)プロピオンアミド、(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノール、(1R,2R,4S)−2−(ジメチルアミノ)メチル−4−(p−フルオロベンジルオキシ)−1−(m−メトキシフェニル)シクロヘキサノール、(1R,2R)−3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキシル)−フェノール、(1S,2S)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノール、(2R,3R)−1−ジメチルアミノ−3−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−ペンタン−3−オン、(1RS,3RS,6RS)−6−ジメチルアミノメチル−1−(3−メトキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1,3−ジオール、好ましくはラセミ体として、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル 2−(4−イソブチル−フェニル)−プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル 2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキセ−1−エニル)−フェニル 2−(4−イソブチル−フェニル)−プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキセ−1−エニル)−フェニル 2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオネート、(RR−SS)−2−アセトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル エステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル エステル、(RR−SS)−4−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル エステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メチル−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル−エステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル エステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニル エステル、(RR−SS)−2′,4′−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル エステル並びに相応する立体異性化合物、これらのそれぞれに相応する誘導体、生理学的に適合性のエナンチオマー、立体異性体、ジアステレオマー及びラセミ体、及びそれらの生理学的に適合性の誘導体、例えばエーテル、エステル又はアミド、及びそれらのそれぞれの生理学的に適合性の化合物、特にその塩及び溶媒和物、例えばヒドロクロリド。
【0047】
特に好ましくは、本発明による投薬形は、オピオイド[A07DA, N01AH, N02A, R05DA, R05FA]、バルビツレート[N01AF, N01AG, N03AA]、ベンゾジアゼピン−誘導体[N03AE]、オピエート依存症治療剤[N07BC]、抗不安薬[N05B]、睡眠薬及び鎮静薬[N05C]、精神刺激薬、注意欠乏障害/機能亢進障害(ADHD)の治療薬及び脳機能改善薬[N06B]、抗嘔吐薬[A04A]、ダイエット剤を除く痩身薬[A08A]、中枢に作用する筋弛緩剤[M03B]及び解毒剤[V03AB]からなるグループから選択される物質を含有しない。中括弧内に記載された符号は、この場合、WHOにより医薬の分類のために使用されているATCインデックスに相当する(好ましい版:2005又は2006年1月)。ATCインデックスのための更なる詳細に関しては、例えばU. Fricke, J. Guenther著, Anatomisch−therapeutisch−chemische Klassifikation mit Tagesdosen fuer den deutschen Arzneimittelmarkt: Methodik der ATC−Klassifikation und DDD−Festlegung. ATC−Index mit DDD−Angaben, Wissenschaftliches Institut der AOK; und Swiss Pharmaceutical Society, Index Nominum: International Drug Directory, CRC Press; 18th edition (January 31 , 2004)を参照することができる。
【0048】
好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は、
(1) 鎮痛薬、例えばアスピリン、アセタミノフェン、デフルニサール(Deflunisal)等;
(2) 麻酔剤、例えばリドカイン、プロカイン、ベンゾカイン、キシロカインなど;
(3) 抗関節炎薬及び抗炎症薬、例えばフェニルブタゾン、インドメタシン、スリンダック、デキサメタゾン、イブプロフェン、アロプリノール、オキシフェンブタゾン、プロベネシド、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、プレドニソロン、トリアムキノロン、インドメタシン、スリンダック並びにそれらの塩及び相応する硫化物等;
(4) 抗喘息薬、例えばテオフィリン、エフェドリン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、エピネフリン等;
(5) 尿路殺菌剤、例えばスルファメトキサゾール、トリメトプリム、ニトロフラントイン、ノルフロキシシン(Norfloxicin)等;
(6) 抗血液凝固剤、例えばヘパリン、ビスヒドロキシクマリン、ワルファリン等;
(7) 抗痙攣剤、例えばジフェニルヒダントイン、ジアゼパム等;
(8) 抗鬱剤、例えばアミトリプチリン、クロロジアゼポキシド、ペルフェナジン、プロトリプチリン、イミプラミン、ドキセピン等;
(9) 糖尿病の治療のため及び血糖の調節のために適している物質、例えばインスリン、トルブタミド、トラザミド、ソマトトロピン、アセトヘキサミド、クロロプロパミド等;
(10) 制ガン剤、例えばアドリアマイシン、フルオウラシル、メトトレキセート、アスパラギナーゼ等;
(11) 抗精神病薬、例えばプロクロルペラジン、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、チオリダジン、モリンドン、フルフェナジン、トリフルオペラジン、ペルフェナジン、アミトリプチリン、トリフルプロマジン等;
(12) 抗高血圧症薬、例えばスピロノラクトン、メチルドーパ、ヒドララジン、クロニジン、クロロチアジン、デセルピジン、チモロール、プロパノロール、メタプロトール、塩酸プラゾシン、レセルピン等;
(13) 筋弛緩剤、例えばメファラン、ダンブロレン(Danbrolene)、シクロベンザプリン、メトカルバルノール(Methocarbarnol)、ジアゼパム、塩化スクシノイル(Succinoylchlorid)等;
(14) 抗原虫薬、例えばクロロアンフェニコール、クロロキン、トリメトプリム及びスルファメトキサゾール;
(15) 殺精子剤、例えばノノシキノール(Nonoxynol);
(16) 抗菌性物質、例えばベータラクタム系抗生物質、テトラサイクリン、クロロアンフェニコール、ネオマイシン、セフォキシチン、チエナマイシン、グラミシジン、バシトラシン、スルホンアミド、アミノグリコシド系抗生物質、トブラマイシン、ニトロフラゾン、ナリジキシン酸及び類縁体及びフルダラニン/ペンチジドンの抗菌性の組み合わせ;
(17) 抗ヒスタミン剤及びうっ血除去剤、例えばペリラミン、クロロフェニラミン(例えばマレイン酸クロロフェニラミン)、テトラヒドロゾリン及びアンタゾリン;
(18) 抗寄生虫性物質、例えばイベルメクチン;
(19) 抗ウイルス性物質、例えばアシクロビル及びインターフェロン;
(20) 抗真菌性、抗アメーバ性、抗トリコモナス性の薬剤又は抗原生動物薬、例えばポリオキシエチレンノニルフェノール、アルキルアリールスルホナート、硫酸オキシキノリン、硝酸ミコナゾール、スルファニルアミド、カンジシジン、スルフイソキサゾール、ニサチジン、クロトリマゾール、メトロニダゾール等;及び
(21) ロソキサントロン、テオフィリン又はβ−ヒドロキシメチル−テオフィリン(エトフィリン)、ジフェンヒドラミン並びにその塩酸塩、ジルチアゼム並びにその塩酸塩、及びジフェニルエチル(アデノシン)
からなるグループから選択される化合物を含有しない。
【0049】
好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は、鼻腔及び(又は)咽頭腔を刺激する物質、つまり鼻腔及び(又は)咽頭腔に関する適用の際に身体との反応を引き起こす物質、患者にとってこの適用をもはや続けたくないか又は続けることができないほど不快、例えば焼けるような刺激を引き起こすか、又は相応する有効物質の摂取の生理学的な種類の抵抗、例えば鼻の分泌物形成の増加又はくしゃみを引き起こす物質を含有しない。鼻腔及び(又は)咽頭腔を刺激する物質の他の例は、焼けるような刺激、かゆみ刺激、くしゃみ刺激、分泌物形成の増加又は上記の刺激の少なくとも2つの組み合わせの原因となる物質である。該当する物質及びその通常使用される量は当業者に公知である。鼻腔及び(又は)咽頭腔を刺激するいくつかの物質は、刺激物質薬の1つ又は複数の内容物質又は1つ又は複数の植物部分に基づく。相応する刺激物質薬は当業者に周知であり、例えばProf. Dr. Hildebert Wagner著、“Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe”, 2., 改訂版, Gustav Fischer Verlag, Stuttgart−New York, 1982, Seiten 82 ff.に記載されている。相応する記載は本願明細書に援用され、この開示の一部と見なされる。
【0050】
さらに、本発明による投薬形は、好ましくは生理学的に有効な物質(A)に対するアンタゴニスト、好ましくは抗精神性物質に対するアンタゴニスト、特にオピオイドに対するアンタゴニストを含有しない。所与の生理学的に有効な物質(A)に適したアンタゴニストは当業者に公知であり、それ自体又は相応する誘導体の形で、特にエステル又はエーテル、又はそれぞれの相応する生理学的に適合性の化合物の形で、特にその塩又は溶媒和物の形で存在することができる。好ましくは、本発明による投薬形は、特にそれぞれ場合により相応する生理学的に適合性の化合物の形、特に塩基、塩又は溶媒和物の形の、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド(Nalid)、ナルメキソン(Nalmexon)、ナロルフィン又はナルフィン(Naluphin)を有するグループから選択されるアンタゴニストを含有しない;及び神経弛緩剤、例えばハロペリドール、プロメタシン(Promethacin)、フルフェナジン(フルフェノジン)、ペルフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロロプロマジン、クロロプロチキシン(Chlorprothixin(クロロプロテアキシン(Chlorprotheaxin)))、ズクロペンチキソール(ズクロペンテキソール)、フルペンチキソール(フルペンティソール)、プロチペンジル(プリチペンジル)、ゾテピン、ベンペリドール(ペンペリドール)、ピパンペロン(ピパルメロン)、メルペロン(メルペロール)及びブロモペリドールを有するグループから選択される化合物を含有しない。
【0051】
さらに、本発明による投薬形は好ましくは催吐剤を含有しない。催吐剤は当業者に公知であり、それ自体又は相応する誘導体の形で、特にエステル又はエーテル、又はそれぞれの相応する生理学的に適合性の化合物の形で、特にその塩又は溶媒和物の形で存在することができる。好ましくは、本発明による投薬形は、Radix Ipecacuanhae(吐根)の1つ又は複数の内容物質をベースとする催吐剤、例えば上記内容物質のエメチンをベースとする催吐剤、例えばProf. Dr. Hildebert Wagner著のPharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe“ von , 2., 改訂版, Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, New York 1982に記載されたような催吐剤を含有しない。相応する文献記載は本願明細書に援用され、この開示の一部と見なされる。好ましくは、本発明による投薬形は催吐剤としてアポモルフィンを含有しない。
【0052】
最後に、本発明による投薬形は好ましくは苦味成分も含有しない。苦味成分並びにこの使用のための作用量は、米国特許公開(US−A1)第2003/0064099号明細書に記載されていて、相応する開示は、本願明細書の開示と見なされ、かつ援用される。苦味成分の例は、芳香油、例えばペパーミントオイル、ユーカリオイル、苦扁桃油、メントール、果実芳香油、レモン、オレンジ、リモネン、グレープフルーツの香料又はそれらの混合物、及び(又は)安息香酸デナトニウムである。
【0053】
従って、本発明による投薬形は、好ましくは向精神性作用を有する物質も、鼻腔及び(又は)咽頭腔を刺激する物質も、生理学的に有効な物質(A)に対するアンタゴニストも、催吐剤も、苦味物質も含有しない。
【0054】
好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は、生理学的に有効な物質(A)として栄養補助剤を含有する。栄養補助剤は、好ましくは濃縮された、配量された、食品に典型的でない形の1つ又は複数の栄養素を含有する。栄養補助剤は、毎日の食品を、この食品による供給が不十分であるかもしくは補充が望ましい場合に補うべきである。好ましくは、この栄養補助剤はビタミン、ミネラル、微量元素、酵素、脂肪酸、アミノ酸及び酸化防止剤からなるグループから選択される。特に有利な栄養補助剤は、ビタミン、プロビタミン及びその誘導体、特にレチノール、カルシトリオール、トコフェロール、フィロキノン、チアミン、リボフラビン、葉酸、ナイアシン(特にニコチンアミド)、パントテン酸、ピリドキサール、コバラミン、L−アスコルビン酸、ビオシチン、ビオチン及びカロテノイドである。
【0055】
好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は、生理学的に有効な物質(A)として医薬(=製剤学的有効物質)を含有し、この医薬は医薬としての投薬形の適用を基礎づけ、かつその作用の要因である。医薬として、本発明による投薬形において、原則として全ての公知の医薬が挙げられ、その際、医薬はそれ自体、その誘導体の形、特にエステル又はエーテル、又はそれぞれ相応する生理学的に適合性の化合物の形、特にその相応する塩又は溶媒和物の形、ラセミ体として又は一つ又は複数の立体異性体(エナンチオマー又はジアステレオマー)の濃縮された形で本発明による投薬形中に存在することができる。
【0056】
特に好ましくは、本発明による投薬形は、次の物質からなるグループから選択される1つの物質(A)又は複数の物質(A)を含有する
− 消化器系及び物質代謝の疾患の治療及び予防のための薬剤[A];特に口腔病の治療及び予防のための薬剤[A01]、酸が原因の疾患の治療及び予防のための薬剤[A02]、胃腸機能障害の治療及び予防のための薬剤[A03]、セロトニン−5HT−アンタゴニスト[A04AA]、抗ヒスタミン剤[A04AB]、胆嚢及び肝臓治療薬[A05]、緩下剤[A06]、腸管の抗感染薬[A07A]、腸管の吸収薬[A07B]、炭水化物を有する電解質[A07C]、腸管の消炎剤[A07E]、微生物性下痢止め剤[A07F]、酵素を含めた消化薬[A09]、抗糖尿病薬[A10]、ビタミン[A11]、ミネラル[A12]、全身適用のための同化剤[A14]及び食欲刺激薬[A15];
− 血液及び造血器官の疾患の治療及び予防のための薬剤[B];特に抗血栓薬[B01]、止血薬[B02]、抗貧血薬[B03]及び他の血液作用薬[B06];
− 心臓血管系の疾患の治療及び予防のための薬剤[C];特に心臓治療のための薬剤[C01]、高血圧症薬[C02]、利尿剤[C03]、末梢血管拡張剤[C04]、血管保護剤[C05]、抗低血圧薬[C06A]、β−アドレノセプターアンタゴニスト[C07]、カルシウムチャネルブロッカー[C08]、レニン−アンジオテンシン系に作用する薬剤[C09]及び脂質低下剤[C10];
− 外皮用薬[D];特に全身適用のための抗カビ剤[D01B]、全身適用のための抗乾癬薬[D05B]、全身適用のためのニキビ治療薬[D10B];
− 泌尿生殖系及び性ホルモンの疾患の治療及び予防のための薬剤[G];特に婦人科抗感染症薬及び抗菌剤[G01]、陣痛促進剤[G02A]、陣痛抑制交感神経作用薬[G02CA]、プロラクチン阻害剤[G02CB]、全身適用のためのホルモン避妊薬[G03]及び泌尿器作用薬[G04];
− 性ホルモン及びインスリンを含まない全身ホルモン製剤[H];特に下垂体ホルモン及び視床下部ホルモン及び類似体[H01]、全身適用のためのコルチコステロイド[H02]、甲状腺ホルモン製剤[H03]、膵臓ホルモン[H04]、及びカルシウムホメオスタシスを調節する薬剤[H05];
− 全身適用のための抗感染症剤[J];特に全身適用のための抗生物質[J01]、全身適用のための抗カビ剤[J02]、マイコバクテリアに対する薬剤[J04]、全身適用のための抗ウイルス剤[J05]、免疫血清及び免疫グロブリン[J06]、及びワクチン[J07];
− 抗腫瘍剤及び免疫調節剤[L];特に抗腫瘍剤[L01]、内分泌腺治療用の薬剤[L02]、免疫増進薬[L03]及び免疫抑制薬[L04];
− 筋肉及び骨格系の疾患を治療及び予防するための薬剤[M];特に抗炎症剤及び抗リウマチ剤[M01]、末梢に作用する筋弛緩剤[M03A]、直接作用する筋弛緩剤[M03C]、抗痛風剤[M04]及び骨疾患を治療する薬剤[M05];
− 神経系の疾患を治療及び予防する薬剤[N];特にサリチル酸及びその誘導体[N02BA]、ピラゾロン[N02BB]、アニリデン[N02BE]、麦角アルカロイド[N02CA]、コルチコステロイド誘導体[N02CB]、選択的セロトニン−5HT−アゴニスト[N02CC]、ヒダントイン誘導体[N03AB]、オキサゾリジン誘導体[N03AC]、スクシンイミド誘導体[N03AD]、カルボキサミド誘導体[N03AF]、脂肪酸誘導体[N03AG]、抗パーキンソン病薬[N04]、抗精神病薬[N05A]、抗うつ剤[N06A]、抗痴呆薬[N06D]、副交感神経作用薬[N07A]および抗めまい剤[N07C];
− 駆虫剤、殺虫剤及び防虫剤[P];特に原虫症に対する薬剤[P01]、駆虫薬[P02]及び抗ダニ剤、殺虫剤及び防虫剤を含めた外部寄生虫に対する薬剤[P03];
− 呼吸器系の疾患の治療及び予防のための薬剤[R];特に鼻疾患治療薬[R01]、喉及び咽頭疾患治療薬[R02]、閉塞性気道疾患の場合の薬剤[R03]、鎮咳剤との組み合わせを除く去痰剤[R05C]及び全身適用のための抗ヒスタミン剤[R06];
− 感覚器官の疾患の治療及び予防のための薬剤[S];特に耳疾患治療薬[S02];
− 一般的なダイエット剤[V06]及び放射線治療薬[V10]、
その際、この場合でも中括弧内に記載された符号は、WHOにより医薬の分類のために使用されているATCインデックスに相当する(有利な状態:2005又は2006年1月)。
【0057】
好ましくは、本発明による投薬形は、
4−アミノメチル安息香酸、アバカビル、アバメクチン、アブキシマブ、アビベンダン(Abibendan)、アブリン、アカンプロサート、アカルボス、アセブトロール、アセクリジン、アセクロフェナク、アセジアスルホン、アセメタシン、アセノクマロール、アセタゾールアミド、アセト酢酸、アセチルジゴキシン、アセチルアンドロメドール、アセチルシステイン、β−アセチルジゴキシン、アセチルヒスタミン、アセチルサリチル酸、アセチルチオコリン、アシクロビル、アシピモックス(Acipimox)、アシトレチン、アクラルビシン(Aclarubicin)、アコニチン、塩化アクリフラビニウム、アクリバスチン、アスチノキノール、アシルアミノペニシリン、アダリムマブ、アダパレン、アデフォビル、アデフォビル・ジピボキシル、アデノシン、アデノシンリン酸、アデノシン三リン酸、アジピオドン、アドレナリン、アエスシン、アガルシダーゼ・アルファ、アガルシダーゼ・ベータ、アガリシン酸、アジマリン、アラニン、アルベンダゾール、アルクロニウム、アルデスロイシン、アルドステロン、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アルファカルシドール、アルフゾシン、アルゲルドラートF、アリトレチノイン、アリザプリド、アラントインF、アロプリノール、アリルイソロダナート、アルマシラートF、アルモトリプタン、α−アセチルジゴキシン、アルプレノロール、アルプロスタジル、アルテプラーゼ、アルミニウムグリシナートF、アルミニウムヒドロキシドF、アルミニウムホスファートF、アルミニウムトリホルマート、アマンタジン、アンバゾン、アンブロキソール、臭化アンブトニウム、ギ酸、アミカシン、アミデフリン、アミドトリゾ酸、アミホスチン、アミカシン、アミロリド、アミノ酢酸、アミノグルテチミド、アミノフィリン、アミノキヌリド、アミノダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン(Amitriptylin)、アミトリプチリン(Amitryptilin)、アンロジピン、アモロルフィン、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンピシリン、アンプレナビル、アミルメタクレゾール、アミルニトリル、アナグレリド、アナキンラ、アナストロゾール、アンクロド、アニストレプラーゼ、アンタゾリン、抗トロンビンIII、アポモルフィン、アプラクロニジン、アプレピタント、アプリンジン、アプロチニン、アルシツモマブ(Arcitumomab)、アルギニン、アリピプラゾール(Aripiprazole)、三酸化ヒ素、アルテメテル、アルチカイン、アスコルビン酸、アスパラギン、L−アスパラギナーゼ、アスパラギン酸、アタザナビル、アテノロール、アトモキセチン、アトルバスタチン、アトシバン、アトバキオン(Atovaquon)、アトラクリウム、アトラクリウム・ベシラート(Atracurium Besilat)、アトロピン、アウラノフィン、アザプロパゾン、アザチオプリン、アゼライン酸、アゼラスチン、アジドチミジン、アジトロマイシン、アズロシリン、アズトレオナム、N2−アラニルレボグルタミド、p−アミノサリチル酸、
バカンピシリン、バシトラシン、バクロフェン、バルサラジド、バンブテロール、バメタン、バミピン、バルベキサクロン、硫酸バリウムF、バルニジピン、バシリキシマブ、バトロキソビン、ベカプレルミン、ベクロメタゾン、ベンダムスチン(ベダムスチン(Bedamustin))、ベフノロール、ベミパリン、ベナクチジン、ベナゼプリル、ベンシクラン、ベンダザク、ベンドロフルメチアジド、ベンペリドール(ペンペリドール(Penperidol))、ベンプロペリン、ベンセラジド、ベンザセリド(Benzaserid)、ベンザチン、ベンザトロピン、ペンズブロマロン、ベンゾカイン、過酸化ベンゾイル、ベンジクラン(Benzyclan)、ベンジダミン、ベンジルペニシリン、ベンジルフェニルグリコラート、ベータカロテン、ベータヒスチジン、ベータヒスチン、ベータメタゾン、ベタネコール、ベタキソロール、塩化ベタネコール、ベチアチド、ベバシズマブ、ベキサロテン、ベザフィブラート、臭化ビベンゾニウム、ビカルタミド、ビシザート(Bicisat)、ビフォナゾール、ビマトプロスト、ビペリデン、ビソプロロール、ビバリルジン、ブレオマイシン、血液凝固因子VII、VIII、IX、X、XIII、ボルナピン(Bornapin)、ボルナプリン、ボルテゾミブ、ボセンタン、ボツリヌム毒素タイプB、ブリモニジン、ブリンゾールアミド、ブリブジン、ブロムヘキシン、ブロモクリプチン、ブロムペリドール、ブロムフェニラミン、ブロチゾラム、ブデソニド、ブジピン、ブフェキサマク、ブフロメジル、ブメタニド、ブナゾシン、ブフェニン、ブピバカイン、ブプラノロール、ブプロピオン、ブセレリン、ブスピロン、ブスルファン、ブタラミン、ブタニリカイン、ブテナフィン、ブテタマート、ブチノリン、ブチジド、ブチルスコポラミニウム(Butylscopolaminium)、
5−クロロカルバコール、C1−エステラーゼ阻害剤、カベルコリン、カデキソマーヨウ素、カフェドリン(Cafedrin)、カルシポトリオール、カルシトニン、カルシトロール、カミロフィン、カンデサルタン、シレキセチル、カンレノイン酸(Canrenoinsaeure)、カペシタビン、カプレオマイシン、カプサイシン、カプトプリル、カラゾロール、カルバルドラードF、カルバマゼピン、カルバサラートカルシウム(Carbasalat Calcium)、カルベノキソロン、カルビドパー(Carbidopa)、カルビマゾール、カルビノキサミン、カルボプラチン、カルグルミン酸(Carglumic Acid)、カルグルミン酸(Carglumsaeure)、カルムスチン、カロベリン、カテコール、カルベジロール、カスポフンギン、セファクロル、セファドロキシル、セファキシン、セファロリジン、セファマンドール、セファゾリン、セフジニル、セフェピム、セフェタメトピボチル(Cefetametpivotil)、セフィキシム、セフォジジム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォチアム、セフォキシチン、セフピロム、セフポドキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セレコキシブ、セリプロロール、セルトパリン、セチリジン、セトリミド、臭化セトリモニウム、セトロレィックス(Cetrorelix)、セツキシマブ、セチルピリジニウム、センドデオキシコール酸(Chenodeoxycholsaeure)、チニジン、チニン、クエン酸鉄チニンF(Chinin−Eisen−Citrat F)、タンニン酸チニンF(Chinin−Tannat F)、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロルブチノール、クロルヘキシジン、クロルミダゾール、クロロブタノール、クロロキン、クロロキシレノール、クロルフェナミン、クロルフェネシン、クロルフェノキサミン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン(クロルプロテアキシン(Chlorprotheaxin))、クロルタリドン、クロルテトラサイクリン、クロルゾキサゾン、コリン、硫酸コンドロイチン、コリオゴナドトロピン アルファ、コリオゴナドトロピン、クリサロビン、キモトリプシン、シクレソニド、シクレタニン、シクロピロックス、シクロスポリン、シドフォビル、シラスタチン、シラザプリル(Cilazapril)シメチジン、シナカルセト、シンコカイン、シンナリジン、シノラゼパム、シプロフロキサシン、シスアプリド、ベシル酸シスアトラクリウム、シスプラチン、シタロプラム、シチコリン、クラドリビン、クラリトロマイシン、クラブラン酸、クレマスチン、クレンブテロール、クリンダマイシン、クリオキノール、クロベタソール、クロベタソン、クロブチノール、クロコルトロン、クロドロン酸、クロフィブラート、クロミフェン、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロパミド、クロピドグレル、酢酸クロステボル、クロストリジウム ボツリヌム、クロトリマゾール、クロキシキン、クロザピン、コカルボキシラーゼ、コルチシン、コレカルシフェロール、コレセベラム、コレスチポール、コレスチラミン、パルミチン酸コルフォスセリル、コリスチン、コルリリウム亜鉛F(Collyrium Zinci F)、コルチコレリン、コルチコトロピン、コルチゾン、クレゾール、クロコナゾール、クロモグリシン酸、クロタミトン、クリオフルオラン、クマリン、シアナミド、シアノコバラミン、シクリジン、シクロブチロール、シクロペントレート、シクロホスファミド、シクロセリン、シプロヘプタジン、シプロテロン、システイン、シタラビン(Cytarabin)、シタラビン(Cytarabine)、
2,4−ジクロロベンジルアルコール、2−ジエチルアミノエタノール、ダカルバジン、ダクリズマブ、ダクチノマイシン、ダルフォプリスチン、ダルテパリン、ダナパロイド、ダナゾール、ダントロレン、ダピプラゾール、ダプソン、ダルベポエチン アルファ、ダリフェナシン、ダウノルビシン、デアモール、デアノール(デアノラセ(Deanolace))、デカルバジン、デクタフルルF、デフェリプロン、デフェロキサミン、デラプリル、デメクロサイクリン、デナベリン、デプレオチド(Depreotid)、デキナリニウム(Dequalinium)、デスフルラン、デシプラミン、デシルジン、デスラノシド、デスロラタジン、デスメニノール(Desmeninol)、デスモプレッシン、デソゲストレル、デソキシメタゾン、デソキシリボヌクレアーゼ、デタジミウム、デキサメタゾン、デキシクロルフェニラミン、デキスイブプロフェン、デキスケトプロフェン、デキスラゾキサン、デキストラン、デキストロメトロファン、ジアセレイン、ジアセチルモルフィン、ジベンゼピン、ジボテルミン アルファ、ジクロフェナク、ジクロフェナミド、ジダノシン、ジエネストロール、ジエノゲスト、ジエチルスチルベストロール、ジフロキサシン、ジフルコルトロン、ジフルニサール、ジギトキシン、ジゴキシン、ジヒドララジン、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジヒドロタキステロール、ジイソプロピルアミン、二カリウムクロラゼペート、ジルチアゼム、ジメンヒドリネート、ジメプラノール、ジメルカプロール、ジメチルスルホキシド、ジメチンデン、亜セレン酸二ナトリウム、ジノプロスト、ジノプロストン、ジオスミン、ジフェンヒドラミン、ジフェノキシレート、ジフェニルピラリン、ジピベフリン、ジプロフィリン、ジピリダモール、ジソピラミド、一酸化二窒素、ジスチグミン、ジスルフィラム、ジトラノール、ジキシラジン、D−ノルプソイドエフェドリン、ドベシラートカルシウム(Dobesilat Calcium)、ドブタミン、ドセタキセル、ドフェチリド、ドラセトロン、ドムペリドン、ドネペジル、ドーパミン、ドペキサミン、ドルナーゼ アルファ、ドルゾラミド、ドスレピン、ドキサプラム、ドキサゾシン、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドキシルアミン、ドロフェニン、ドロペリドール、ドロスピレノン、ドロトレコギン アルファ、ズロキセチン、ズタステリド、ジドロゲステロン、N,N′−ジヒドロキシメチル−尿素、
エバスチン、エコナゾール、ヨウ化エコチオパート、エファリズマブ、エファビレンツ、エフロリニチン(Eflornithin)、鉄III−アンモニウムシトレートF、酸化鉄(超常磁性)、エルカトニン、エレトリプタン、エメダスチン、エメプロニウム、エメプロニウム カラゲナート(Emepronium Carragenat)、エメチン、エムトリシタビン、エナラプリル、エナラプリレート、エンフルラン、エンフビルチド、エノキサシン、エノキサパリン、エンタカポン、エフェドリン、エフェドリン ラセフェドリン(Ephedrin Racephedrin)、エピナスチン、エピネフリン、エピルビシン、エプレレノン、エポエチン アルファ、エポエチン ベータ、エポエチン デルタ、エポプロステノール、エプラジノン、エプロサルタン、エプタコグ アルファ、エプチフィバチド、エプトテルミン アルファ、エルドステイン、エルゴカルシフェロール、エルゴメトリン、エルゴタミド、エルタペネム、エリトロマイシン、エスシタロプラム、エスモロール、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エストリオール、エストロン、エタクリン酸、エタミバン、エタネルセプト、エタクリジン、エタムブトール、エタベリン、エチニルエストラジオール、エチステロン、エトスクシミド、エチドロン酸、エチレフリン、エトドラク、エトフェナメート、エトフィブレート、エトフィリン、エトミダート、エトノゲストレル、エトポシド、エトリコキシブ、エベロリムス、エキサメタジム、エキセメスタン、エゼチミブ、
3−フルオロチロシン、ファムシクロビル、ファモチジン、フェルバメート、フェルビナク、フェロジピン、フェンブフェン、フェンジリン、フェノフィブレート、フェノテロール、フェンチコナゾール、フェキソフェナジン、フィブリノーゲン、フィブリノリシン、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボキセート、フレカイニド、フルクロキサシリン、フルコナゾール、フルダラビン、フルデオキシグルコース[18F]、フルドロコスチゾン(Fludrocortison)、フルフェナミン酸、フルマゼニル、フルメタゾン、フルナリジン、フルニソリド、フルオキノロン アセトニド、フルオキノニド(Fluocinonid)、フルオコルトロン、フルフェナジン(フルオフェノジン(Fluophenozin))、フルオレスセイン ジラウレート、フルオレスセイン−ナトリウム、フルオロメトロン、フルオロウラシル、フルオロホスホン酸、フルオロシラン、フルオキセチル(Fluoxetil)、フルオキセチン、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルピルチン、フルプレドニデン、フルルビプロフェン、フルタミド、フルチカソン、フルトリマゾール、フルバスタチン、フルボキサミン、フォリン酸、フォリトロピン アルファ、フォリトロピン ベータ、葉酸、フォメピゾール、フォミビルセン、フォンダパリヌクス、フォルメスタン、フォルモテロール、フォサムプレナビル(Fosamprenavir)、フォスカルネット、フォスフェストロール、フォスフォマイシン、フォシノプリル、フォスフェニトイン、フォテムスチン、フラミセチン、フラミセチン、フロバトリプタン、フルベストラント、フロセミド、フサフンギン、フシジン酸、フィチン酸、
ガバペンチン、ガドベン酸、ガドブトロール、ガドジアミド、ガドペンテト酸、ガドテリドール、ガドテル酸、ガドテル酸メグルミン、ガドキセト酸、ガランタミン、ガロパミル、ガンシクロビル、ガニレリクス、ガチフロキサシン、ゲムシタビン(Gemcitabin)ゲムフィブロジル、ゲンタマイシン、ゲペフリン、ゲストーデン、グラチラマー、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グルカゴン、グルタミン、グルタミン酸、グリコピロニウム、臭化グリコピロニウム、グリシルレチン酸、ゴナドレリン、ゴセレリン、グラミシジン、グラニセトロン、グレパフルオキサシン(Grepafloxacin)、グリセオフルビン、G−ストロファンチン、グアヤコール、グアネチジン、グアンファシン、
13C−尿素、4−ヒドロキシ酪酸、ハルシノニド、ハロファントリン、ハロメタゾン、ハロペリドール、ハロタン、ヘム、ヘマトポルフィリン、ヘパリン、ヘパリチスBバスシン(Hepatitis B Vaccine)、ヘプタミノール、ヘキソバルビタール、ヘキソベンジン、ヘキソプレナリン、ヒスタミン、ヒスチジン、ホマトロピン、ホモフェナジン、ヒトアルブミン、ヒアルロニダーゼ、ヒドララジン、ヒドラスチニン、ヒドロキノン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロタルシトF、ヒドロキソコバラミン、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシシン、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシジン、ヒメクロモン、
イバンドロン酸、イボパミン、イブリツモマブ チウキセタン、イブプロフェン、イブチリド、イダルビシン、イフォスファミド、イロプロスト、イマチニブ、メシル酸イマチニブ、イミダプリル、イミグルセラーゼ、イミペネム、イミプラミン、イミキモド、イムノシアニン、インダナゾリン、インダパミド、インジナビル、塩化インジウム[111In]、インドブフェン、インドメタシン、インドラミン、インフリキシマブ、イノシン、インスリン、インスリン アスパルト、インスリン デテミル、インスリン グラルギン、インスリン グルリシン、インスリン リスプロ、インターフェロン アルファ、インターフェロン アルファ−2b、インターフェロン アルファコン−1、インターフェロン ベータ、インターフェロン ベータ−1a、インターフェロン ベータ−1b、インターフェロン ガンマ、イオビトリドール、ヨウ素、ヨーダミド、イオジキサノール、イオフルパン[123l]、イオヘキソール、イオメプロール、イオパミドール、イオペントール、イオプロミド、イオサルコール、イオトロラン、イオトロキシン酸(Iotroxinsaeure)、イオベルソール、イオキサグリン酸(Ioxaglinsaeure)、イオキシタラミン酸、イパトロピウム(Ipatropium)、イルベサルタン、イリノテカン、イリノテカン、イセパミシン、イソアミニル、イソコナゾール、イソフルラン、イソロイシン、イソニアジド、イソニコチン酸、イソプレナリン、イソソルビド、イソスパグルミン酸(Isospagluminsaeure)、イソトレチノイン、イソクスプリン、イスラジピン、イトラコナゾール、
ジョサマイシン、
過マンガン酸カリウム、カルリドゲナーゼ(Kallidinogenase)、カナマイシン、カバイン、ケブゾン、ケタミン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラク、ケトチフェン、コラゲナーゼ、クレオソート、
ラベタロール、ラシジピン、ラクチトール、ラミブジン、ラモトリギン、ランレオチド、ランソプラゾール、ラロニダーゼ、ラタノプロスト、レフノミド、レノグラスチム、レピルジン、レルカニジピン、レトロゾール、ロイシン、ロイプロレリン、レバロファン、レバミソール、レベチラセタム、レボブノロール、レボブピバカイン、レボカバスチン、レボセチリジン、レボドーパ、レボフロキサシン、レボホリナート カルシウム、レボメプロマジン、レボメタジル、レボノルゲストレル、レボプロピルヘキセドリン、レボシメンダン、レボチロキシン、リドカイン、リンコマイシン、リンダン、リネゾリド、リオチロニン、リシノプリル、リスリド、ロベリン、ロドキサミド、ロフェプラミン、ロメフロキサシン、ロムスチン、ロナゾラク、ロペラミド、ロピナビル、ロラタジン、ロラゼパム オキシド、ロルノキシカム、ロサルタン、ロテプレドノール、ロバスタチン、ルメファントリン、ルトロピン アルファ、リメサイクリン、リネストレノール、リプレッシン、リシン、
マガルドラートF、マグネシウム ピドラート、マグネシウム−L−アスパルタート、マンガホジピル、マニジピン、マプロチリン、メベンダゾール、メベベリン、メクロフェノキサート、メクロキサミン、メクロジン、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、メフェナミン酸、メフロキン、メゲストロール、メラガトラン、メリトラセン、メルペロン(メルペロール(Melperol))、メルファラン、メマンチン、メナジオン、メパクリン、メパルトリシン、メフェニトイン、メピンドロール、メピバカイン、メピラミン、メキノール、メルカプタミン、メルカプトプリン、メロペネム、メサラジン、メスナ、メステロロン、メスキシミド、メタクラゼパム、メタミゾール、メタンフェタミン、メテノロン、酢酸メテノロン、メトホルミン、メタンテリニウム、メタゾラミド、メテナミン、メチオニン、メトヘキシタール、メトトレキサート、5−メトキシプソラレン、8−メトキシプソラレン、メチル5−アミノレブリナート、臭化メチルベナクチジウム、メチルドーパ、メチルエルゴメトリン、メチルプレドニソロン、メチルロサニリニウム(Methylrosanilinium)、メチルテストステロン、塩化メチルチオニウム、メチセルギド、メチルジゴキシン(Metildigoxin)、メチプラノロール、メトクロピラミド、メトプロロール、メチキセン(メトリキセン(Metrixen))、メトロニダゾール、メキシレチン、メズロシリン、ミアンセリン、ミコナゾール、ミドドリン、ミフェプリストン、ミグリトール、ミグルスタット、ミルナシプラン、ミルリノン、ミルテフォシン、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミルタザピン、ミソプロストール、ミトブロニトール(Mitobronitol)、ミトマイシン、ミトタン、ミトキサトロン、塩化ミバクリウム、ミバクロニウム、ミゾラスチン、モクロベミド、モエキシプリル、モルグラモスチン、モルシドミン、モメタソン、モノクロロ酢酸、モンテルカスト、モロクトコグ アルファ(Moroctocog Alfa)、モキサベリン、モキシフロキサシン、モキソニジン、ムピロシン、ミコフェノル酸モフェチル、
ナジフロキサシン、ナドロロンデカノエート(Nadrolondecanonat)、ナドロパリン カルシウム、ナフチドロフリル、ナフチフィン、ナルブフィン、ナリド、ナルメフェン、ナルメキソン(Nalmexon)、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルフィン、ナファゾリン、2−ナフトール、ナプロキセン、ナラトリプタン、ナラトリプタン、ナテグリニド、アウロチオマレイン酸ナトリウム、フェニル酪酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヒアウロン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム[131I]、モリブデン酸ナトリウム[99Mo]、フェニル酪酸ナトリウム、N−ブチル−P−アミノベンゾエート、N−ブチルスコポラミニウムブロミド(N−Butylscopolaminiumbromid)、ネビボロール、ネドクロミル、ネファゾドン、ネフォパム、ネルフィナビル、ネオマイシン、ネオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、ネチルマイシン、ネビラピン、N−ヘプチル−2−フェニルグリシナート、ニカルジピン、ニセロゴリン、ニセタミド、ニクロサミン(Niclosamin)、ニコボキシル、ニコランジル、ニコチン、ニコチンアルデヒド、ニコチンアミド、ニコチンレシナート(Nicotinresinat)、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、ニコチニルアルコール、ニフェジピン、ニフルミン酸、ニフラテル、ニルバジピン、ニメスリド、ニモジピン、ニモラゾール、ニムスチン(ニムスタチン(Nimustatin))、ニソルジピン、ニチシノン、ニトレンジピン、酸化窒素、ニトロフラントイン、ニトログリセリン、ニザチジン、N−メチルエフェドリン、ノナコグ アルファ(Nonacog Alfa)、ノニバミド、ノルアドレナリン、ノルエルゲストロミン、ノルエピネフィリン、ノルエチステロン、ノルフェネフリン、ノルフロキサシン、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルトリプチリン、ノスカピン、ニスタチン、
塩化オビドキシム、オクタフルオロプロパン、オクトコグ アルファ、オクトドリン、オクトレオチド、オダンセトロン(Odansetron)、オフロキサシン、オラフルル F、オランザピン、オルメサルタン メドキソミル、オロパタジン、オルサラジン、オメプラゾール、オモコナゾール、オンダンセトロン、オピプラモール、経口コレラワクチン、オルシプレナリン、オルリスタット、オルニプレッシン、オルフェナドリン、オセルタミビル、骨形成タンパク質−1:Bmp−7、オキサプロジン、オキサトミド、オキシカルバゼピン、酒石酸オキセドリン、オキセタカイン、オキシコナゾール、オキシロフリン、オキシトロピウム、2−オキソ−3−メチル酪酸、2−オキソ−3−メチル吉草酸、2−オキソ−3−フェニルプロピオン酸、2−オキソ−4−メチル吉草酸、オキシプレノロール、オキシブプロカイン、オキシブプロカイン、オキシブチニン、オキシブチニン、オキシフェドリン、オキシメタゾリン、オキシテトラサイクリン、オキシトシン、
パクリタキセル、パリナビル、パリビズマブ、パロノセトロン、パミドロン酸、パンクロニウム(パンクルミウム(Pancurmium))、パントプラゾール、パパベリン、パラセタモール、パルアルデヒド、パレコキシブ、パリカルシトール、パルナパリン、パロモマイシン、パロキセチン、ペフロキサシン、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロン アルファ、ペグビソマント、ペメトレキセド、ペンブトロール、ペンシクロビル、ペンフルリドール、ペニシルアミン、四硝酸ペンタエリスリチル、ペンタミジン、ペンテトラゾール、ペンテトレオチド、多硫酸ペントサンナトリウム、ペントキシフィリン、ペントキシベリン、ペラジン、過塩素酸、ペルフレナペント、ペルフリソペント(Perflisopent)、ペルフルトレン、ペルゴリド、ペリンドプリル、ペルフェナジン、フェナセチン、フェナマジド(Phenamazid)、フェナゾン、フェナゾピリジン、フェニラミン、フェノール、フェノールフタレイン、フェノキシベンザミン、フェノキシメチルペニシリン、フェノクロプモン、フェントラミン、フェニルアラニン、フェニルブタゾン、フェニレプリン、フェニルプロパノールアミン、フェニルトロキサミン、フェニトイン、フロログルシン、ホレドリン、フタリルスルファチアゾール、フィソスチグミン、フィトメナジオン、フィトステリン、ピクリン酸、ピロカルピン、ピメクロリムス、ピモジド、臭化ピナベリウム、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピパムペロン、ピパゼタート、臭化ピペクロニウム、ピペミド酸、ピペンゾラート、ピペラシリン、ピプリンヒドリナート、ピラセタム、ピラルビシン、ピルブテロール、ピレンゼピン、ピリトラミド、ピロキシカム、ピブメシリナム、ピゾチフェン、ポドフィロトキシン、ポリドカノール、ポリカルボフィル、リン酸ポリエストラジオール、ポリミキシンB、ポリミキシン−B、ポリスチレンスルホン酸、ポルフィマー、プラジマリン、二酒石酸プラジマリウム(Prajmalium Bitartrat)、プラミペキソール、プラノプロフェン、プラステロン、プラバスタチン、プラゼパム、プラゾシン、プレドニカルベート、プレドニソロン、プレドニソン、プレガバリン、プログルメタシン(プレグルメタシン(Preglumetacin))、プリジノール、プリロカイン、プリマキン、プリミドン、プロカイン、プロカインアミド、プロカルバジル、プロカルバジン、プロサイクリン、プロゲステロン、プログルメタシン、プログルミド、プログアニル、プロリン、プロメタジン、プロパセタモール、プロパフェノン、プロパノロール、プロピシリン、プロピベリン、プロポフォール、プロパノロール、プロピルチオウラシル、プロピフェナゾン、プロタミン、硫酸プロタミン、プロテインC、プロチペンジル(プリチフェンジル(Prithipendyl))、プロトロンビン、プロチオナミド、プロチレリン、プロキシメタカイン、プロキシフィリン、プソイドエフェドリン、プルモナル(Pulmonal)、ピランテル、ピラジンアミド、ピリドスチグミン、臭化ピリドスチグミン、ピリドキシン、3−ピリジルメタノール、ピリメタミン、ピリチオン−亜鉛、ピリチノール、ピロガロール、ピルビニウム、エンボン酸ピルビニウム、
塩化水銀アミド、ケチアピン、キナゴリド、キナプリル、キヌプリスチン、
ラベプラゾール、ラセカドトリル、ラセフェドリン(Racephedrin)、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラミプリル、ラニチジン、ラサギリン、ラスブリカーゼ、ラウバシン、レボキセチン、レパグリニド、レプロテロール、レセルピン、レゾルシン、レテプラーゼ、レチノール、レビパリン、リバビリン、リボフラビン、リファブチン、リファンピシリン、リファマイシン、リファキシミン、リルメニジン、リルゾール、リメキソロン、リセドロン酸、リスペリドン、リトナビル、リツキシマブ、リバスチグミン、リザトリプタン、臭化ロクロニウム、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロピバカイン、ロピバカイン、ロシグリタゾン、赤色硫化水銀F、ロキサチジン、ロキシトロマイシン、
サルブタモール、サリチル酸、サルメテロール、硝酸、亜硝酸、サルベリン、サマリウム[153Sm]レキシドロナム、サキナビル、六フッ化硫黄、スコポラミン、セレギリン、硫化セレン、セリン、セルモレリン、セルタコナゾール、セルチンドール、セルトラリン、セベラマー、セボフルラン、シブトラミン、塩化銀F、シルデナフィル、シリビニン、シンバスタチン、シロリムス、ソリフェナシン、ソルチオ ホルムアルデヒジ(Solutio Formaldehydi)、ソマトスタチン、ソマトロピン、ソタロール、スパグルミン酸(Spagluminsaeure)、スパルテイン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、スピラプリル、スピロノラクトン、スタブジン、ストレプトドルナーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトマイシン、ストロンチウム ラネレート、塩化ストロンチウム、ストリキニン、スクラルファートF、スルバクタム、スレソマブ、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジメトキシン、スルファグアニジン、スルファメラジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシジアジン、スルファメトロール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルファチアゾール、スルフィソミジン、スリンダク、スロデキシド、六フッ化硫黄、スルピリド、スルプロストン、スルタミシリン、スルチアム、スマトリプタン、スクサメトニウム、
タカルシトール、タクロリムス、タダラフィル、タモキシフェン、タンスロシン、タソネルミン、タウロリジン、タザロテン、タゾバクタム、テガフル、テイコプラニン、テリスロマイシン、テルミサルタン、テモポルフィン、テモゾロミド、テネクテプラーゼ、テニポシド、テノホビル、テノホビル ジソプロキシル、テノキシカム、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルフェナジン、テリパラチド、テリジドン、テルリプレッシン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ウンデカン酸テストステロン、テトラカイン、テトラコサクチド、テトラサイクリン、テトラフルオロボレート−1+、テトロフォスミン、テトリゾリン、
塩化タリウム[201Tl]、テオブロミン、テオドレナリン、テオドレナリン、テオフィリン、チアマゾール、チアミン、チエチルペラジン、チオコルチコシド、チオペンタール、チオリダジン、チオテパ、スレオニン、トロンビン、トロンボキナーゼ、チモール、チロトロピン アルファ、チアガビン、チアネプチン、チアプリド、チボロン、チクロピジン、チルドロン酸、チモロール、チンザパリン、チオコナゾール、チオグアニン、臭化チオトロピウム、チリラザド、チロフィバン、チソプリン、チザミジン(Tizamidin)、チザニジン、トブラマイシン、トカイニド、トラゾリン、トルブタミド、トルカポン、トルフェナミン酸、
トルメチン、トルペリゾン、トルテロジン、トピラマート、トポテカン、トラセミド、トレミフェン、トラマゾリン、トランドラプリル、トラネキサム酸、トラニルシプロミン、トラピジル、トラスツズマブ、トラボプロスト、トラゾドン、トレチノイン、トリアムキノロン、トリアムキノロンアセトニド、トリアムテレン、トリクロロ酢酸、トリエチルペラジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、トリヘキシフェニジル、
トリメブチン、トリメカイン、トリメゲストン、トリメタジジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、トリプトレリン、トリトクアリン、トロホスファミド、トロマンタジン、トロメタモール、トロピカミド、トロピセトロン、トロスピウム、トリプトファン、塩化ツボクラリン、ツルブテロール、チロキサポール、チロシン、チロトリシン、
ウノプロストン、ウラピド(Urapid)、ウラピジル、ウロキナーゼ、ウルソデオキシコール酸
バラシクロビル、バルデコキシブ、バルガンシクロビル、バリン、バルプロイン酸(Valproinsaeure)、バルサルタン、バンコマイシン、バルデナフィル、ベクロニウム(ベクルミウム(Vecurmium))、臭化ベクロニウム、ベンラファキシン、ベラパミル、ベルテポルフィン、ビガバトリン、ビロキサシン(Viloxacin)、ビンブラスチン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンポセチン、ビキジル、ボリコナゾール、ボツムマブ(Votumumab)、
過酸化水素、
ニコチン酸キサンチノール、キメラガトラン、キパミド、キシロメタゾリン、
ヨヒンビン、塩化イットリウム90Y、
ザルシタビン、ザレプロン、ザナミビル、ジドブジン、酢酸亜鉛二水和物、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジプラシドン、ゾフェノプリル、ゾレドロン酸、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、酒石酸ゾルピデム、ゾニサミド、ゾピクロン、ゾテピン及びズクロペンチキソール(ズクロパンテキソール(Zucklopantexol))
からなるグループから選択される1種の物質(A)又は数種の物質(A)を含有する。
【0058】
上記の化合物は、主に国際一般名(INN)により記載されていて、当業者に公知である。更なる詳細に関して、例えば世界保健機関(WHO)の医薬の国際一般名(International Nonproprietary Names (INN) for Pharmaceutical Substances)を参照することができる。
【0059】
好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は、1,1−(3−ジメチルアミノ−3−フェニルペンタメチレン)−6−フルオロ−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にヘミシトラート;1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にシトラート;及び1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]−6−フルオロインドール、特にヘミシトラートからなるグループから選択される1種の物質(A)又は数種の物質(A)を含有する。上記に挙げられた物質は、先行技術において公知である(国際公開(WO)第 2004/043967号パンフレット及び国際公開(WO)第 2005/066183号パンフレット参照)。
【0060】
さらに、本発明による投薬形の必要な耐破壊性を達成するために、さらに少なくとも1種の天然の、半合成の又は合成のロウ(D)を使用することができる(=成分(D))。少なくとも50℃、好ましくは少なくとも55℃、さらに好ましくは少なくとも60℃、最も好ましくは少なくとも65℃、特に少なくとも70℃の軟化温度を有するロウが有利である。特に有利なのは、カルナバロウ及び蜜ろうである。カルナバロウがさらに特に有利である。カルナバロウは天然のロウであり、これはカルナバヤシの葉から得られ、少なくとも80℃の軟化温度を有する。ロウ成分を付加的に使用する場合に、このロウ成分は少なくともポリマー(C)と一緒に、投薬形が少なくとも400N、好ましくは少なくとも500Nの耐破壊性を有するような量で使用される。
【0061】
助剤(B)として、固体の投薬形の調製のために通常公知の助剤を使用することができる。好ましくは、これは、軟化剤、例えばトリアセチン及びポリエチレングリコール、好ましくは低分子量のポリエチレングリコール、助剤、有効物質の放出に影響を及ぼし、好ましくは疎水性又は親水性の、好ましくは疎水性のポリマー、特に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び(又は)酸化防止剤である。親水性マトリックス材料として、ポリマー、特にセルロースエーテル、セルロースエステル及び(又は)アクリル樹脂を使用するのが有利である。マトリックス材料として、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸及び(又は)それらの誘導体、例えばそれらの塩、アミド又はエステルを使用するのがさらに特に有利である。
【0062】
酸化防止剤として、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸の塩、モノチオグリセリン、亜リン酸、ビタミンC、ビタミンE及びそれらの誘導体、亜硫酸水素ナトリウム、特に好ましくはブチルヒドロキシトルエン又はブチルヒドロキシアニソール及びα−トコフェロールが適している。
【0063】
上記酸化防止剤は、投薬形の全重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%の量で使用される。
【0064】
本発明による投薬形は、その耐破壊性に基づき、通常の粉砕手段、例えば乳鉢と乳棒を用いて粉末化することができないことを特徴とする。過剰摂取はそれにより実際に不可能である。しかしながらこの投薬形の耐破壊性をさらに高めるために、本発明による投薬形は助剤(B)としてさらに耐破壊性を高める材料を含有することができる。
【0065】
この本発明による投薬形は好ましくは固体であり、経口投与、膣内投与又は直腸内投与、好ましくは経口投与のために適している。好ましくは、本発明による投薬形はフィルム状ではない。さらに好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は錠剤の形、カプセル剤の形又は経口浸透圧治療システム(OROS)の形で存在する。
【0066】
特に好ましい実施態様の場合に、本発明による投薬形は錠剤として存在する。
【0067】
本発明による投薬形は、好ましくは経口投与のために、多粒子の形で、好ましくはマイクロタブレット、マイクロカプセル、マイクロペレット、顆粒、スフェロイド、ビーズ又はペレットの形で、場合によりカプセル内に充填された形で又は錠剤に圧縮成形された形で存在することができる。この場合、好ましくは、個々の粒子はそれ自体、場合によりこの粒子から製造された錠剤は少なくとも400Nの耐破壊性を有する。
【0068】
好ましくは、この多粒子の形は0.1〜3mmの範囲内の、特に好ましくは0.5〜2mmの範囲内のサイズ及びサイズ分布を有する。所望の投薬形に応じて、場合によりこの投薬形の調製のために通常の助剤(B)も併用される。
【0069】
本発明による投薬形は、次に詳細に説明される多様な方法により製造することができ;本発明は、これらの方法の一つによって得られる投薬形にも関する。
【0070】
本発明による投薬形の製造方法は、好ましくは次の工程を有する:
(a) 成分(A)、場合により(B)、(C)、場合により(D)の混合;
(b) 場合により、工程(a)から得られた混合物を、好ましくは(a)から得られた混合物に熱の作用及び(又は)力の作用をかけて変形させる工程、この場合、供給される熱量は好ましくは成分(C)を軟化温度にまで温めるためには不十分であるのが有利である;
(c) 熱の作用及び力の作用をかけて混合物を硬化させる工程、その際、この熱供給は力の作用中に及び(又は)力の作用前に行うことができ、かつ供給される熱量は成分(C)が少なくとも軟化温度にまで温めるために十分である;
(d) 場合により、硬化された混合物を粉砕する工程;
(e) 場合により投薬形を成形する工程;及び
(f) 場合によりフィルムコーティングでコーティングする工程。
【0071】
この熱は、直接又は超音波を用いて供給することができる。この力の作用及び(又は)投薬形の成形は、例えば直接打錠により、又は適当な押出機を用いて行うことができ、特に二軸スクリュー押出機(二軸ロール押出機)又は遊星型ロール押出機を用いて行うことができる。
【0072】
次の方法バリエーションは特に有利である:
方法バリエーション1:
この実施態様の場合に、本発明による投薬形は、好ましくは押出機を使用せずに、好ましくは成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により存在する成分(D)を混合し、生じた混合物を場合により造粒後に先行する又は同時の熱の作用の下で力の作用により投薬形に成形することにより製造される。
【0073】
投薬形を製造するためのこの加熱及び力の作用は、押出機を使用せずに行われる。
【0074】
成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により(D)の混合は、当業者に公知の混合装置中で行われる。混合装置は、例えば、ロールミキサー、振動ミキサー、剪断ミキサー又は強制ミキサーであることができる。
【0075】
生じる混合物を、好ましくは、本発明による投薬形に、先行する又は同時の熱の作用の下で力の作用により直接成形する。例えば、この混合物は直接打錠によって錠剤に成形することができる。同時の熱の作用下での直接打錠の場合に、打錠工具、つまり下側プランジャ、上側プランジャ及びマトリックスを用いて、圧縮成形すべき混合物を少なくともポリマー成分(C)の軟化温度までに加熱し、かつその際に圧縮成形する。先行する熱の作用のもとでの直接打錠の場合には、圧縮成形すべき物品を打錠の直前に少なくとも成分(C)の軟化温度にまで加熱し、引き続き打錠工具を用いて圧縮成形する。
【0076】
例えば、10mmの直径及び8mmのアーチ型半径を有する錠剤用の上側プランジャ、下側プランジャ及びマトリックスを有する打錠工具の場合には、80℃の温度で、粉末混合物300mgを圧縮成形し、その際、圧縮圧力は例えば2kN又は4kNの力の作用で、例えば15s間維持することができる。
【0077】
成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により成分(D)から生じる混合物は、まず造粒し、引き続き先行する又は同時の熱の作用の下で力の作用により、本発明による投薬形に成形することもできる。
【0078】
それぞれの力の作用の場合に、これは、投薬形が少なくとも400N、420N、440N、460N、480N、好ましくは少なくとも500Nの破壊硬度に達するまで行われる。
【0079】
この造粒は、湿式造粒又は溶融造粒により、公知の造粒機中で実施することができる。
【0080】
本発明による投薬形の製造のための上記の方法工程の全て、特に加熱及び同時の又は後続する力の作用は、押出機を使用せずに行われる。
【0081】
方法バリエーション2:
この方法バリエーションの場合に、本発明による投薬形は押出機を用いた熱成形により製造され、この場合、押出物の変色は観察できない。
【0082】
この熱成形による変色の程度を試験するために、まず、投薬形を構成する出発成分の混合物の色調を、着色性の成分、例えば着色含量又は固有色を有する成分(例えばα−トコフェロール)を添加せずに確認する。この組成物を、次いで、本発明により熱成形し、この場合に全体の製造工程は押出物の冷却を含めて不活性ガス雰囲気下で実施される。これと比較して、同じ組成を同じ方法で、しかしながら不活性ガス雰囲気なしで製造する。本発明により製造された投薬形及び比較のために製造された投薬形の出発組成物について色調を測定した。この測定は、“マンセル・ブック・オブ・カラー(Munsell Book of Colour)”, Munsell Colour Company Baltimore, Maryland, USA, 1966発行を用いて行う。本発明により熱成形された投薬形の色調が、識別番号No.N9.5の色調/しかしながら高くても識別番号No.5Y9/1の色調を有する場合には、この熱成形は「変色なし」であると分類される。この投薬形が、マンセル・ブック・オブ・カラーにより測定して識別番号No.5Y9/2又はそれ以上の色調を有する場合には、この熱成形は「変色あり」であると分類される。
【0083】
意外にも、全体の製造方法が不活性ガス雰囲気下で、好ましくは窒素雰囲気下で、熱成形のために押出機を用いて実施される場合に、本発明による投薬形は、上記のクラス分けにより分類された変色を示さない。
【0084】
この本発明による投薬形を製造するための本発明によるこれらのバリエーションは、
z) 成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により存在する成分(D)を混合し、
y) 生じた混合物を、押出機中で少なくとも成分(C)の軟化温度まで温め、かつ押出機の出口開口部を通して力を作用させながら押し出し、
x) まだ可塑性の押出物を個別化し、投薬形に成形するか、又は
w) 冷却され、かつ場合により再び温められた個別化された押出物を、投薬形に成形し、
その際、上記方法工程y)及びx)及び場合による方法工程z)及びw)は不活性ガス雰囲気下で、好ましくは窒素雰囲気下で実施されることを特徴とする。
【0085】
方法工程z)による上記成分の混合は、同様に既に押出機中で行うことができる。
【0086】
成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により(D)の混合は、当業者に公知の混合装置中でも行うことができる。上記混合装置は、例えば、ロールミキサー、振動ミキサー、剪断ミキサー又は強制ミキサーであることができる。
【0087】
他の成分と混合する前に、成分(C)及び場合により存在する成分(D)に本発明により酸化防止剤が添加されるのが有利である。これは、両方の成分(C)と、酸化防止剤との混合により、好ましくは酸化防止剤を易揮発性溶剤中に溶かすか又は懸濁させ、この溶液又は懸濁液を成分(C)及び場合により存在する成分(D)と均質に混合し、溶剤を乾燥により、好ましくは不活性ガス下で除去することにより行うことができる。
【0088】
押出機中で、少なくとも成分(C)の軟化温度まで温められる、好ましくは融液状の混合物を、押出機から少なくとも1つの穿孔を有するノズルを通して押し出す。
【0089】
本発明による方法を実施するために、適当な押出機、好ましくはスクリュー押出機(ロール押出機)を使用することが必要であり、その際、二軸スクリュー(ロール)を備えている押出機が特に有利である。
【0090】
この押し出しは好ましくは、押し出しストランドの膨張率が押し出しの結果として好ましくは50%以下であるように、つまり例えば6mmの直径を有する押し出しノズルを使用する場合に、押し出されたストランドは9mm以下の直径を有するように実施される。ストランドの膨張率は、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下、最も好ましくは30%以下、特に好ましくは25%以下である。意外にも、押出機中で押し出された材料の機械的応力が強すぎる場合には、ストランドの著しい膨張が行われ、これは押し出されたストランドの特性、特に機械特性の不所望な不均一性を引き起こしてしまうことが確認された。
【0091】
好ましくは、押出機は少なくとも2つの温度区域を有し、この場合、フィード区域及び場合による混合区域に引き続く第1の区域中では、混合物は成分(C)の少なくとも軟化温度まで加熱される。混合物の押し出し量は、好ましくは2.0kg〜8.0kg/時間である。
【0092】
少なくとも成分(C)の軟化温度まで加熱した後に、溶融した混合物をスクリューにより運搬し、さらに均質化、圧縮もしくは緻密化し、その結果、混合物は押出ノズルからの排出の直前に5bar、好ましくは少なくとも10barの最低圧力を有し、ノズルがどのくらい多くの穿孔を有するかに応じて、ノズルを通して一つの押出ストランドとして又は複数の押出ストランドとして押し出される。ノズルの形状寸法もしくは穿孔の形状寸法は自由に選択可能である。ノズルもしくは穿孔は円形、長円形又は楕円形の横断面を有することができ、その場合、円形の横断面は好ましくは0.1mm〜15mmの直径を有し、長円形の横断面は好ましくは21mmの最大長さ及び10mmの横方向長さを有する。好ましくは、上記ノズルもしくは穿孔は円形の横断面を有する。本発明の場合に使用される押出機のジャケットは加熱又は冷却することができる。相応する熱処理、つまり加熱又は冷却は、押し出されるべき混合物が成分(C)の軟化温度に応じて少なくとも1つの平均温度(生成物温度)を有しておりかつ加工すべき生理学的に有効な物質(A)に害を及ぼさない温度を上回らないことに左右される。好ましくは、押し出されるべき混合物の温度は、180℃を下回らず、好ましくは150℃を下回らないが、少なくとも成分(C)の軟化温度に調節される。
【0093】
溶融した混合物の押出及び場合により押し出された1つのストランドもしくは押し出された複数のストランドの冷却後に、好ましくは押出物の個別化が行われる。この個別化は、好ましくは押出物を併走する又は回転するカッター、ウオータージェットカッター、ワイヤー、刃を用いて又はレーザーカッターを用いてカッティングすることにより行うことができる。
【0094】
場合により個別化された押出物もしくは本発明による投薬形の最終形状物の中間貯蔵もしくは最終貯蔵のために、不活性ガス雰囲気は必要ではない。
【0095】
個別化された押出物は、通常の方法を用いてペレット化されるか又は錠剤にプレス成形され、投薬形を最終形状物にすることができる。しかしながら、ストランド状の押出物を個別化せずに、外周面に対峙する凹設部を有する反対方向に回転するカレンダーロールを用いて、好ましくは錠剤に成形し、かつこれを通常の方法を用いて個別化することもできる。
【0096】
場合により個別化された押出物を直ぐに最終形状物にまで成形せず、貯蔵のために冷却するのが好ましい場合には、貯蔵後に不活性ガス雰囲気、好ましくは窒素雰囲気を準備することができ、この雰囲気は貯蔵された押出物を可塑化するまで加熱しかつ最終的に投薬形に成形する際に維持しなければならない。
【0097】
押出機中での少なくとも可塑化された混合物への力の作用は、押出機の搬送装置の回転速度の制御によりかつ上記搬送装置の寸法形状により及び出口開口部の寸法決定によって、押出機中で好ましくは可塑化された混合物の直接の押出の前に、この力の作用のために必要な圧力が印加されるように調節される。簡単な予備試験により、それぞれの組成物に対して、少なくとも400N、好ましくは少なくとも500Nの耐破壊性を有する投薬形を生じさせるために必要な押出パラメータを確認することができる。
【0098】
押出のために、例えばLeistritz社(Nuernberg)のTyp Micro 27 GL 40 Dのスピンドル直径18mmの二軸スクリュー押出機が適している。偏心スクリュー端部を有するスクリューを使用することもできる。ノズルとして、加熱可能な8mmの直径を有する円形ノズルを利用することができる。全体の方法は、N雰囲気下で実施するのが好ましい。押出パラメータは、例えば次の値に調節することができる:スクリュー回転数:100Upm;押出量:4kg/h;生成物温度:125℃;及びジャケット温度:120℃。
【0099】
方法バリエーション3:
本発明による投薬形を製造するこの方法バリエーションの場合に、超音波をこのた熱供給を行う。
【0100】
このために、まず少なくとも成分(A)と成分(C)(=結合剤)とからなる均質な混合物を製造する。この混合物に、なお他の助剤、例えば、充填剤、可塑剤、滑剤又は着色剤を混合することもできる。好ましくは可塑剤として低分子量のポリエチレングリコールが使用される。
【0101】
この混合は通常のミキサーを用いて実施することができる。
【0102】
例えば、ミキサーとしてロールミキサー、これは落下型ミキサー、ドラムミキサー又は回転ミキサーとしても公知である、コンテナミキサー、樽型ミキサー(フープ型ミキサー又は偏心ドラムミキサー)又は振盪ミキサー、剪断ミキサー、強制循環ミキサー、鋤刃ミキサー、遊星型ミキサー、Z型ニーダー、シグマ型ニーダー、流動ミキサー又は強力ミキサーが適している。
【0103】
適当なミキサーの選択は、特に混合物の流動性及び凝集力に依存する。
【0104】
この混合物は引き続き成形される。好ましくは、超音波の作用中に又はその後に、混合物の成形が、好ましくは圧縮によって行われる。
【0105】
超音波の作用の際に、混合物と超音波装置のソノトロードとの間の直接的な接触が存在することが特に有利である。好ましくは、本発明による方法の場合に、図1に示されているような超音波装置が使用される。
【0106】
この図1中で、(1)は必要な力をもたらすプレス装置を表し、(2)はコンバーターを表し、(3)はブースターを表し、(4)はソノトロードを表し、(5)は成形のためのマトリックスを表し、(6)は下側プランジャを表し、(7)はベースプレートを表し、(8)及び(9)は超音波発生器及びこの機器の制御装置を表す。使用された符号は、もっぱら図1にだけに関連する。
【0107】
超音波を作用させる場合に、1kHz〜2MHzの周波数、好ましくは15〜40kHzの周波数を維持するのが好ましい。超音波を作用させる期間は、ポリマー(C)の軟化が達成されるまで行うのが好ましい。これは、好ましくは数秒間、特に好ましくは0.1〜5秒間、好ましくは0.5〜3秒間で達成される。
【0108】
超音波の作用及び力の作用により、均一なエネルギー導入が行われ、それによりより急速でかつ均質な混合物の焼結が達成される。それにより、少なくとも400N、好ましくは少なくとも500Nの耐破壊性を有しそれにより粉末化することができない投薬形が得られる。
【0109】
成形を実施する前に、混合工程の後に混合物の造粒を行うことができ、それにより、造粒により生じる顆粒物は超音波の作用及び力の作用により投薬形、例えば錠剤に成形することができる。
【0110】
この造粒は、当業者に公知の装置及び機器中で実施することができる。
【0111】
造粒を湿式造粒として実施する場合には、造粒液として水又は水溶液、例えばエタノール/水又はイソプロパノール/水を使用することができる。
【0112】
混合物又はその混合物から製造された顆粒物は、更なる成形のために、溶融押出にさらすこともでき、その際に、混合物は超音波の作用及び力の作用により溶融液にされ、引き続きノズルを通して押し出される。こうして得られた複数のストランド又はこうして得られた単数のストランドは、公知の装置を用いて所望の長さに個別化される。こうして個別化された成形品を、さらに場合により超音波の作用及び力の作用により最終形状に加工することができる。
【0113】
投薬形へのこの最終成形は、好ましくは力の作用で相応する型中で行われる。
【0114】
この上記した成形品はカレンダー法により、混合物もしくはその混合物から製造された顆粒物をまず超音波の作用及び力の作用により可塑化し、相応するノズルを通して押し出すことにより製造することもできる。この押出物を、引き続き、反対方向に回転する成形ローラの間で、好ましくは力の作用により最終形状に成形される。
【0115】
既に述べたように、物質(A)及びポリマー(C)を有する混合物の使用による少なくとも400N、好ましくは少なくとも500Nの耐破壊性を有する投薬形の最終形状への成形は、好ましくは粉末の形で、力の作用下で直接圧縮することにより行い、その際、混合物に力の作用の前又はその間に超音波の作用が行われる。この力は、最大で、通常では投薬形、例えば錠剤の成形のために使用されるか、もしくは顆粒物を圧縮して相応する最終形状にするために使用される力である。
【0116】
本発明により製造される錠剤は、多層錠剤であることもできる。
【0117】
多層錠剤の場合に、少なくとも、物質(A)を含有する層が超音波の作用及び力の作用にさらされることができる。
【0118】
相応する必要な力の作用は、押出機ロール、又はカレンダーロールを用いて混合物にもたらすこともできる。好ましくは、この投薬形の成形は、投薬形の成分からなる粉末状の混合物又は相応する上記成分から形成された顆粒を直接圧縮することにより行われ、その際、好ましくは成形の間又はその前に超音波の作用が行われる。この作用は、ポリマー(C)が軟化されるまで行われ、通常では1秒未満〜最大5秒で達成される。
【0119】
プレス装置として、例えば平坦なプレス面を有するBranson WPS, 94−003−A, Pneumatisch (Branson Ultraschall, Dietzenbach, Deutschland)が適していて、ジェネレータ(2000W)として、12mmのソノトロード直径を有するBranson PG−220A, 94−001−A analog (Branson Ultraschall)が適している。この場合、直径12mmのマトリックスを使用することができ、その底部は12mmの直径を有する平坦なプレス面を有する下側プランジャを形成する。可塑化のための適当なパラメータは、周波数:20kHz;振幅:50%;力:250Nである。ソノトロードを用いた超音波の作用及び力の作用は、例えば0.5秒続けることができ、この場合、超音波の作用及び力の作用を好ましくは同時に行う。
【0120】
方法バリエーション4:
本発明による投薬形を製造するためのこの方法バリエーションの場合に、成分(A)、(C)及び場合により(D)及び場合により存在する助剤(B)、例えば酸化防止剤、可塑剤及び(又は)遅延助剤を、遊星ギア押出機(Planetwalzen−Extruders)を用いて本発明による投薬形に加工する。
【0121】
遊星ギア押出機は、公知であり、特に、Handbuch der Kunststoff−Extrusionstechnik I (1989) 第1.2章「押出機の分類(Klassifizierung von Extrudern)の「基礎(Grundlagen)」第4頁〜第6頁に詳細に記載されている。相応する記載は本願明細書に援用され、この開示の一部と見なされる。
【0122】
次に本発明による方法での遊星ギア押出機の使用を図2及び3を用いて説明する。この説明は単なる例示にすぎず、全般的な発明思想を制限するものではない。
【0123】
図2は遊星ギア押出機の断面図を示す。
【0124】
図3は遊星ギア押出機の作用様式を示す。
【0125】
図2中には、本発明による方法により使用することができる遊星ギア押出機が示されている。この押出機は、主に軸1を有し、その軸は上記成分の押し出されるべき混合物の輸送方向に向かって、まずフィードスクリュー5として、更に遊星ギア押出機の中央スピンドル3として構成されている。中央スピンドル3の周囲に、好ましくは3〜7個の遊星スピンドル4が配置されていて、これらの遊星スピンドルは更にジャケットによってハウジング6の形で取り囲まれている。
【0126】
遊星ギア押出機中では、図2との関連で、製剤学的な投薬形の製造のための本発明による方法において使用される組成物の押出が、好ましくは次のように行われる。矢印2で示されているように、押し出されるべき成分はフィードユニット7を通してフィードスクリュー5の領域に供給され、このフィードスクリューの回転(駆動系は図示されていない)により中央スピンドル3の方向へ搬送される。当業者には、フィードスクリューの領域中で出発物質(成分)の混合が可能であることがわかる。しかしながら、投薬形の成分を予備混合し、この混合物をフィードユニット7を介してフィードスクリュー5の範囲内に供給することも可能である。遊星ギア押出機のフィード領域中で、混合物は搬送される。成分(C)の少なくとも軟化温度にまで加熱することにより混合物は溶融し、中央スピンドルの範囲内で、つまり押出領域内でこの溶融した混合物を、中央スピンドル3と遊星スピンドル4との相互作用によって搬送し、更に均質化し、圧縮もしくは緻密化し、ノズル8を通して、1つの押出ストランド又はノズルが複数の穿孔を有する場合には複数の押出ストランドとして押し出される。ノズル寸法もしくは穿孔の寸法は自由に選択可能である。ノズルもしくは穿孔は円形、長円形又は楕円形の横断面を有することができ、その場合、円形の横断面は好ましくは0.1mm〜15mmの直径を有し、長円形の横断面は好ましくは21mmの最大長さ及び10mmの横方向長さを有する。押出ノズルは、スリットノズルとして構成されていてもよい。好ましくは、ノズルもしくは穿孔は円形、楕円形又は長円形の横断面を有する。本発明により使用される遊星ギア押出機のジャケット6も、中央スピンドルも加熱又は冷却することができる。相応する熱処理、つまり加熱又は冷却は、押し出されるべき混合物が成分(C)の軟化温度に応じて少なくとも1つの平均温度を有しておりかつ加工すべき物質(A)に害を及ぼさない温度を上回らないことに依存している。好ましくは、押し出されるべき混合物の温度は、180℃を下回らず、好ましくは150℃を下回らないが、少なくとも成分(C)の軟化温度に調節される。使用された符号は、もっぱら図2及び3にだけ関連する。
【0127】
溶融した混合物の押出及び場合により押し出された1つのストランドもしくは押し出された複数のストランドの冷却後に、図2には図示されていない押出物の個別化が行われる。この個別化は、好ましくは押出物を併走する又は回転するカッター、ウオータージェットカッター、ワイヤー、刃を用いて又はレーザーカッターを用いてカッティングすることにより行うことができる。
【0128】
場合により、好ましくはスライスの形で存在する個別化された押出物の更なる冷却の後に、場合により投薬形の最終形状への成形が行われ、その際、必要の場合に再び熱を作用させる。
【0129】
例えば錠剤への成形は、実際の押出物が、ロール外周部中に好ましくは可塑化のために対峙する凹設部(この凹設部の形状が錠剤の形状を決定する)を有する2つの反対方向に駆動するロールにより加圧下に整形することにより行うことができる。
【0130】
しかしながら、個別化された押出物から、場合により加熱されたマトリックスと少なくとも1つの成形するプランジャとを用いて錠剤を成形することも可能である。このために、好ましくは押し出されたストランドの個別化の後に得られた円柱状の顆粒物を使用することもできる。錠剤に成形する他に、顆粒物又は別に得られた多粒子形状、例えばペレット又はスフェロイドをカプセルに充填して、本発明により製造された投薬形として使用することもできる。
【0131】
更に好ましい実施態様の場合には、押出ノズルの複数の穿孔を通して押し出されたストランドを、場合により冷却後にロープ製造に応じて絡み合わせ又はまき付けにより、個々に押し出されたストランドと比べてより太いストランドにまとめることもできる。このストランドは、場合により、適当な溶剤で表面的に溶解させるか、又はポリマー(C)の軟化温度まで加熱し、かつ場合により溶剤を除去し、上記個別化及び個々のストランドの成形に応じて更に加工することができる。
【0132】
図3は、遊星ギア押出機の横断面図を表す。回転する中央スピンドル3の周囲に、少なくとも3つの、図示された場合に6つの遊星スピンドル4が配置されていて、この歯面41は一方で中央スピンドル4の歯面31と、他方で遊星ギア押出機のジャケット6の歯面61と相互作用する。中央スピンドル3の回転及びそれぞれの歯面の転動により、遊星スピンドル4はそれぞれ矢印42に示すようにそれ自身の軸を中心に互いに回転し、矢印43に明らかにされているように中央スピンドル4を中心として転動する。それにより、本発明により製造される投薬形の本発明の場合に使用される成分混合物の本発明の場合に行われる圧縮もしくは緻密化が行われる。使用された符号は、もっぱら図2及び3にだけ関連する。
【0133】
必要な場合には、使用される遊星ギア押出機は1つの押出領域を有するだけではなく、場合により押し出されるべき混合物を脱気するために少なくともさらに1つの他の押出領域を有することができる。
【0134】
本発明による方法は、不連続的に又は連続的に、好ましくは連続的に実施することができる。
【0135】
押出機として、例えばLBB Bohle社(Ennigerloh,ドイツ国)のTyp BCG 10の4本の遊星スピンドルを有する、8mmの直径を有する押出ノズルを備えた遊星ギア押出機が適している。1時間当たり3.0kgの重量計量する供給が適している。この押出は、例えば28.6Upmの回転数で、約88℃の生成物温度で実施することができる。
【0136】
方法バリエーション5:
本発明による投薬形を製造するためのこの方法バリエーションを実施するために、少なくとも成分(A)、(C)及び場合により(D)及び場合により存在する助剤(B)、例えば酸化防止剤、可塑剤及び(又は)遅延助剤を、成分(C)のための溶剤、つまり1種以上のポリマー(C)のための溶剤を添加しながら加工して、投薬形にする。
【0137】
このために、成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により存在する(D)を混合し、生じる調製混合物を溶剤の添加後に、かつ場合により造粒の後に投薬形に成形する。
【0138】
成分(A)、場合により(B)、(C)及び場合により(D)の混合は、当業者に公知の混合装置中で行われる。混合装置は、例えば、ロールミキサー、振動ミキサー、剪断ミキサー又は強制ミキサーであることができる。
【0139】
ポリマー(C)のための溶剤の添加は、少なくとも、調製混合物が均質に濡れる程度の量で行われる。
【0140】
ポリマー(C)のための溶剤として、好ましくは水性溶剤、例えば水、水と脂肪族アルコール、好ましくはC1〜C6−アルコールとの混合物、エステル、エーテル、炭化水素、特に好ましくは蒸留水、単鎖アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール又はアルコール水溶液が適している。
【0141】
溶剤の添加は、好ましくは撹拌しながら行われる。引き続き、均質に濡れた材料を乾燥する。この乾燥は、好ましくは材料の変色が生じることがない温度で熱の作用下で行われる。簡単な予備試験によってこの温度を確認することができる。
【0142】
乾燥の前又はその後で、材料は部分量に分けられ、この部分量は好ましくはそれぞれ投薬形の単位の材料に相当する。相応する乾燥された材料を、次に投薬形に成形する。
【0143】
好ましくは、この成形はタブレット成形装置を使用して行われる。
【0144】
溶剤の添加の前に、調製混合物を、好ましくは型中で部分量に分け、液体分散剤中で撹拌しながら分散させ、次いで溶剤を添加するようにして調製混合物の湿潤化を行うこともできる。成分(C)は分散剤中では不溶性であり、分散剤は溶剤と混合可能でなければならない。
【0145】
分散剤として、好ましくは親水性の溶剤、例えば脂肪族アルコール、ケトン、エステルが適している。単鎖アルコールが好ましくは使用される。
【0146】
それとは別に、調製混合物を濡らすために、溶剤を発泡体として調製混合物中に混入することにより行うこともできる。好ましくは、このような溶剤の発泡体は、高速回転ミキサーを用いて、好ましくは通常の発泡安定剤を添加して製造される。例えば、安定剤として親水性のポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースが適している。
【0147】
好ましくは、この発泡体も調製混合物中に撹拌しながら混入され、それにより好ましくは顆粒化された材料が得られる。
【0148】
この顆粒化された材料は、この材料を好ましくは投薬形の単位の材料に相当する部分量に分ける前に又は分けた後に乾燥され、引き続き投薬形に成形される。
【0149】
乾燥及び成形は、好ましくは上記したように行うことができる。本発明による方法は、調製混合物に成形可能なペーストが生じる程度の溶剤を添加することでも実施することができる。
【0150】
このようなペーストは、上記したように実施することができる乾燥の前又は後で、部分量に分けることができ、乾燥された材料は、場合により投薬形の単位の材料に相応する材料にそれぞれ更に分けた後に、投薬形に成形されるか又は変形させることができる。
【0151】
この場合、部分量を、スクリーンを用いて又はストランド成型機を用いて製造することができるストランドの形に構成させることができる。この乾燥したストランドを好ましくは個別化し、投薬形に成形させる。この成形は、好ましくはタブレット成形装置を用いて、成形ロール又はロールを供えた成形ベルトを使用して行われる。
【0152】
ペーストを平面状の構造体に加工し、この乾燥された構造体から投薬形を打ち抜き加工することも可能である。
【0153】
好ましくは、ペーストを押出機を用いて加工し、この場合に押出機の構造に応じてストランド又は平面状の構造物が製造され、これは裁断又は切断もしくは打ち抜き加工により個別化される。個別化された部分量は、上記のように投薬形に成形、変形又は打ち抜き加工することができる。相応する装置は当業者に公知である。
【0154】
この場合に、本発明による方法は連続的に又は不連続的に実施することができる。
【0155】
調製混合物に溶剤を、少なくともポリマー成分(C)が溶解する程度に添加することも可能である。このような溶液又は分散液/懸濁液は、好ましくは平面状の構造体に加工され、この場合に好ましくは平面ノズルを有する押出機を使用するか又は溶液を平面状の平らな基材にキャスティングする。
【0156】
上記のように乾燥した後に、平面状の構造体から投薬形を打ち抜き加工又はカレンダー加工により得ることができる。上記溶液をストランドに加工し、これを乾燥後に好ましくは個別化し、投薬形に成形することも可能である。
【0157】
これとは別に、上記溶液を、乾燥後に投薬形の単位の材料に相当するような部分量にそれぞれ分けることができ、この場合、このために好ましくは投薬形の単位の形状に相応する型が使用される。
【0158】
上記溶液を任意の部分量に分ける場合には、部分量を乾燥後に場合により再び合わせ、投薬形に成形する、例えばカプセル中へ充填するか又は錠剤に圧縮成形することができる。
【0159】
好ましくは、溶剤が添加された調製混合物は、20℃〜40℃の温度で加工され、この場合に、溶剤及び場合により存在する分散剤の除去のための乾燥の場合以外に、高い温度は適用されない。乾燥のための温度は、成分の分解温度より低く選択しなければならない。場合により、投薬形へ成形した後に、もう1回、上記の乾燥と同等の乾燥を行うことができる。
【0160】
本発明による投薬形を製造するために、上記の方法バリエーションの個々の方法工程を組み合わせることも可能である。
【0161】
上記方法バリエーション2及び4は、成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)を有する組成の押出を含む。押出機としては、この場合、好ましくは二軸スクリュー押出機又は遊星ギア押出機が使用され、その際に、二軸スクリュー押出機が特に有利である。
【0162】
意外にも、遊星ギア押出機及び二軸スクリュー押出機を用いて、有利なモルホロジーを有する押出物が得られることが見出された。適当な条件下で、この押出物は外皮面により取り囲まれていることが見出され、この外皮面は「押出皮膜」ということができる。これは、スリーブ状の、チューブ状の構造であり、この構造は押出物を縦方向の押出軸に沿って取り囲み、スリーブ状の構造の外側表面が押出物の外周面を形成する。押出物の端面だけは、通常では押出皮膜でカバーされていない。
【0163】
押出皮膜は、そのモルホロジーに関して押出物のコアとは異なり、そしてこの皮膜はコアをスリーブのように取り囲み、皮膜はコアと好ましくはシームレスに結合している。通常では、この押出皮膜は押出物の横断面において肉眼で確認することができ、場合により顕微鏡で確認することができる、それというのもコア及び押出皮膜を形成する材料の異なるモルホロジーはその光学特性が異なるためである。これは、押出プロセスの結果、押出皮膜を形成する材料は、コアを形成する材料とは異なる機械的もしくは熱的影響にさらされ、それにより、環状のノズル横断面の場合に押出ストランドの放射対称状の異種のモルホロジーを生じると考えられる。この場合に、押出皮膜を形成する材料とコアを形成する材料とは、主にそのモルホロジーに関して異なるが、好ましくはしかしながらその組成に関しては異ならず、特に成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の相対的割合に関しては異ならない。
【0164】
押出皮膜は、どのようなノズル形状を選択するかとは無関係に、通常では一体の環状のスリーブの形状で押出物の外周面を覆う。従って、押出物は、円形、楕円形又は他の横断面を有することができる。
【0165】
この押出皮膜は、好ましくは均一な層の厚さを有する。好ましくは押出皮膜の層の厚さは、0.1〜4.0mm、好ましくは0.15〜3.5mm、更に好ましくは0.2〜3.0mm、最も好ましくは0.2〜2.5mm、殊に0.2〜2.0mmの範囲内にある。好ましい実施態様の場合に、この押出皮膜の層の厚さは、対峙する両側について合計で、押出物の直径の0.5〜50%、好ましくは1.0〜40%、更に好ましくは1.5〜35%、最も好ましくは2.0〜30%、殊に2.5〜25%である。
【0166】
図4は、スリーブ状の押出皮膜(72)を有する押出物(71)の概略的に示す図であり、この押出皮膜はコア(73)を縦方向の押出軸(74)に沿って完全に取り囲む。押出皮膜(72)の外側表面は、押出物(71)の外皮面(75)を形成する。
【0167】
意外にも、この種の押出皮膜を有する押出物は有利な機械的特性を有することが見出された。この押出物は、特に良好に、本発明による投薬形の製造の際の中間生成物として適している、それというのも、この押出物は特に個別化及び(又は)成形により好ましくは更に加工することができるためである。
【0168】
本発明による投薬形を押出法によって製造し、その際に中間生成物として好ましくは上記の押出皮膜を特徴とする押出物が得られる場合に、この押出物から製造された投薬形は好ましくは同様に特別なモルホロジーを特徴としている。
【0169】
好ましい実施態様の場合には、押し出された中間生成物中に押出皮膜が形成される領域は、投薬形の横断面において肉眼で、場合により顕微鏡を用いて確認することができる。これは、通常、押出物の継続する加工により、特に個別化及び(又は)成形により、コアと押出皮膜との異なる材料特性及びそれによる異なる光学特性が維持されることに関連している。以後、押出物(中間生成物)を投薬形に継続して加工する過程で、押出皮膜から生じている投薬形のそれぞれの領域は、「スリーブ状の領域」と表す。
【0170】
好ましくは、本発明による投薬形は、スリーブ状の領域と、その中に存在するコアとを有している。この場合、スリーブ状の領域は好ましくはシームレスにコアと結合している。好ましくは、このスリーブ状の領域もコアも、ほぼ同じ化学組成、つまりほぼ同じ相対的割合の成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)を有している。スリーブ状の領域を形成する材料は、この場合、コアを形成する材料のモルホロジーとは異なるモルホロジーを有する。通常では、この異なるモルホロジーは異なる光学特性で現れるため、スリーブ状の領域とコアとは投薬形の横断面において大抵は単に肉眼で確認することができる。
【0171】
本発明による投薬形を、例えばフィルムコーティングでコーティングする場合には、スリーブ状の領域はフィルムコーティングとコアとの間に配置される。
【0172】
押出皮膜を含む押出物(中間生成物)は多様な方法で本発明による投薬形に継続して加工することができるため、このスリーブ状の領域も本発明による投薬形の中に多様な配置及び多様な空間を占めることができる。しかしながら、全ての配置は、スリーブ状の領域が部分的にコアの表面を覆っているが、通常ではコアの全体の表面は覆っていないことが共通している。好ましくは、コアの2つの対峙する表面側は、スリーブ状の領域により覆われていないか又は少なくとも完全には覆われていない。換言すると、このスリーブ状の領域は好ましくは2つの対峙する開口部/開放部を有している。
【0173】
このスリーブ状の領域は、均一な層の厚さを有していてもよい。しかしながら、製造の際に押出物の成形(例えば圧縮成形)の結果、押出皮膜の異なる領域が異なるように著しく圧縮又は伸長され、このスリーブ状の領域の層の厚さが投薬形において変化してしまうこともありえる。
【0174】
好ましくはこのスリーブ状の領域は、0.1〜4.0mm、好ましくは0.15〜3.5mm、更に好ましくは0.2〜3.0mm、最も好ましくは0.2〜2.5、殊に0.2〜2.0mmの範囲内の層の厚さを有する。
【0175】
図5A及び5Bは、本発明による投薬形中でのスリーブ状の領域の2つの概略的な好ましい配置を示す。投薬形(81)は、この場合、スリーブ状の領域(82)を有し、そのスリーブ状の領域がコア(83)を部分的に取り囲む。しかしながら、コア(83)の両方の対峙する表面側(84a)及び(84b)は、スリーブ状の領域(82)により覆われていない。
【0176】
この本発明による投薬形の製造方法は好ましくは連続的に実施される。好ましくは、この方法は、成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の均質な混合物の押出を内容とする。この場合、得られた中間生成物、例えば押出により得られたストランドは均一な特性を有している場合が特に有利である。均一な厚さ、均一な有効物質分布、均一な機械的特性、均一な多孔性、均一な表面特性などが特に望ましい。この前提条件の下でのみ、調剤学的特性の均一性、例えば放出挙動の不変性が保証され、かつ不良品の量も少なく保つことができる。
【0177】
好ましくは、本発明による方法は、不良品の量が25%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは15%未満、特に10%未満で実施することができ、その際、不良品基準は、好ましくは同じロットから取り出した2つの投薬形を比較した場合に成分(A)の含有量の変化性、その放出プロフィール及び(又は)投薬形の密度に関してFDAの標準である。
【0178】
意外にも、上記特性は二軸スクリュー押出機及び遊星ギア押出機を用いて得ることができ、この場合、二軸スクリュー押出機が特に有利であることが見出された。
【0179】
本発明による方法は、好ましくは遊星ギア押出機又は二軸スクリュー押出機を用いた成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の押出を内容とする。押出の後に、この押出物は好ましくは個別化され、成形され及び場合によりコーティングされて、最終的な投薬形が得られる。
【0180】
本発明による方法の好ましい実施態様の場合に、成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の可塑化された状態で成形が実施される。意外にも、所定のポリマー(C)、特に高い分子量を有するポリエチレンオキシドを押出す場合に、所定のメモリー効果、つまり所定の復元挙動を示す中間生成物が得られることが見出された。個別化された押出物を周囲温度で、例えば圧縮成形により成形した場合に、ストレス条件下での貯蔵によりその当初の外形に戻る傾向がある、つまり成形の前に有していた形状に戻る傾向がある投薬形が得られる。
【0181】
ストレス条件、例えば40℃/75%の相対湿度での貯蔵の際の投薬形の形は、他の理由からも不安定であることがある。
【0182】
このメモリー効果は、投薬形の貯蔵安定性に明らかに悪い影響を及ぼす、それというのも、外形の復元の過程において投薬形の多くの特性が変化してしまうためである。同様のことが他の原因からの外形の変化にも通用する。
【0183】
例えば押出条件に依存して、押出物の容積増加を伴い、つまり密度低下を伴う明らかなストランドの膨張が行われることが見出された。この膨張は十分な圧力で個別化された押出物の引き続くプレス成形により相殺することができる、それというのもこの条件下で材料の容積を低下させることができるためである。
【0184】
圧縮成形を周囲温度で実施する場合に、メモリー効果により圧縮された押出物の貯蔵の際に、押出物が膨潤及び膨張し、それにより投薬形の容積が明らかに増大することになる。
【0185】
意外にも、個別化された押出物の成形を比較的高い温度で、つまり成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の可塑化状態で実施する場合に、このようなメモリー効果は抑制できることが見出された。好ましくは、この成形は、少なくとも1kN、好ましくは2kN〜50kNの圧力で、例えばタブレット成形装置を用いて行われる。好ましくは、約40℃、好ましくは約30℃、特に例えば25℃の温度で成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の溶融範囲より低い温度で成形が行われる。所定の混合物の溶融範囲は、慣用の方法を用いて、好ましくはDSC(例えば、DSC Modell 2920(TA Instruments, New Castle)で、150ml/minの流動速度でパージガスとして超純粋窒素を用いて;約10〜20gの試料重量で、密閉されていないアルミニウム皿中で固定して;温度勾配10℃/minで)により決定することができる。
【0186】
好ましい実施態様の場合に、少なくとも12h、好ましくは少なくとも24h、40℃で75%の相対湿度で、好ましくは開放した容器中で貯蔵を行った場合に、投薬形の外形はほとんど変化しない。
【0187】
好ましい実施態様の場合には、投薬形の容積は、成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の溶融温度を20℃よりも低い温度で、場合により40℃で75%の相対湿度で、少なくとも12h、好ましくは少なくとも24hの貯蔵の際に20%又は17.5%より多くは増加しない、好ましくは15%又は12.5%より多くは増加しない、さらに好ましくは10%又は7.5%より多くは増加しない、最も好ましくは6.0%、5.0%又は4.0%より多くは増加しない、殊に3.0%、2.0%又は1.0%より多くは増加しない。
【0188】
本発明による投薬形は、有効物質の制御された放出を示す。この投薬形は、この場合、好ましくは患者に一日2回の投与するために適している。
【0189】
本発明による投薬形は、1種以上の物質(A)を少なくとも部分的にさらに遅延された形で有していることができ、この場合に、遅延は、通常の当業者に公知の材料及び方法を用いて、例えば物質を遅延するマトリックス中に埋め込むことによるか又は1つ以上の遅延するコーティングでコーティングすることにより達成することができる。しかしながらこの物質の放出は、遅延する材料の添加により必要な硬度に悪い影響が及ぼされないように制御されなければならない。
【0190】
本発明による投薬形からのこの制御された放出は、好ましくはマトリクス中での物質の埋め込みにより達成される。このマトリックス材料として用いられる助剤は放出を制御する。マトリックス材料は例えば親水性のゲル形成する材料であることができ、それにより、放出は主に拡散によって行われるか、又は疎水性の材料であることができ、それにより放出は主にマトリックス中の細孔からの拡散によって行われる。
【0191】
マトリックス材料として、当業者に公知の生理学的に許容し得る親水性の材料が使用される。好ましくは親水性マトリックス材料として、ポリマー、特にセルロースエーテル、セルロースエステル及び(又は)アクリル樹脂を使用するのが有利である。マトリックス材料として、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸及び(又は)その誘導体、例えばその塩、アミド又はエステルを使用するのがさらに特に有利である。
【0192】
同様に、疎水性材料、例えば疎水性ポリマー、ロウ、脂肪、長鎖脂肪酸、脂肪アルコール又は相応するエステル又はエーテル又はこれらの混合物からなるマトリックス材料が有利である。特に、疎水性材料として、C12〜C30−脂肪酸のモノグリセリド又はジグリセリド及び(又は)C12〜C30−脂肪アルコール及び(又は)ロウ又はこれらの混合物を使用するのが有利である。
【0193】
上記親水性及び疎水性の材料の混合物をマトリックス材料として使用することも可能である。
【0194】
さらに、本発明の場合に必要な少なくとも400Nの耐破壊性を達成するために用いられる成分(C)及び場合により存在する成分(D)も、既に付加的マトリックス材料として利用することができる。
【0195】
本発明による投薬形が経口投与を考慮されている場合に、この投薬形は好ましくは胃液耐性のコーティングを有していてもよく、コーティングは放出環境のpH値に依存して溶解する。
【0196】
このコーティングにより、本発明による投薬形は胃管を溶解せずに通過しかつ有効物質を腸管中で初めて放出することを達成できる。この胃液耐性のコーティングはpH値5〜7.5で溶解するのが有利である。
【0197】
有効物質を遅延するため並びに胃液耐性コーティングの塗布のための相応する材料及び方法は、当業者には、例えばKurt H. Bauer, K. Lehmann, Hermann P. Osterwald, Rothgang, Gerhart,著、「Coated Pharmaceutical Dosage Forms - Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials」、第1版、1998、Medpharm Scientific Publishersから公知である。相応する文献記載は本願明細書に援用され、この開示の一部と見なされる。
【0198】
本発明の1つの目的は、特に機械的作用にさらすことによる医薬の粉砕の結果として生じる、生理学的に有効な物質(A)の過剰摂取の防止下で疾患の予防及び(又は)治療用の本発明の投薬形の製造に、上記の生理学的に有効な物質(A)及び(又は)上記の合成又は天然のポリマー(C)を使用する方法に関する。
【0199】
本発明は、また本発明は、機械的作用にさらすことによる医薬の粉砕の結果として生じる、生理学的に有効な物質(A)の遅延放出の意図しない妨害、特に中止の防止下で、疾患の予防及び(又は)治療用の本発明の投薬形の製造に、上記生理学的に有効な物質(A)及び(又は)上記合成又は天然のポリマー(C)を使用する方法に関する。
【0200】
更に、本発明は、特に機械的作用にさらすことによる医薬の粉砕の結果として生じる、生理学的に有効な物質(A)の過剰摂取を防止下で、疾患の予防及び(又は)治療用医薬の製造に、本発明による投薬形を使用する方法に関する。
【0201】
最後に、本発明は、機械的作用にさらすことによる医薬の粉砕の結果として生じる、生理学的に有効な物質(A)の遅延放出の意図しない妨害、特に中止の防止下で、疾患の予防及び(又は)治療用医薬の製造に、本発明による投薬形を使用する方法に関する。
【0202】
この場合、機械的作用は、好ましくは噛み砕き、磨り潰し、強打及び慣用の投薬形の粉末化のための装置からなるグループから選択される。
【0203】
本発明により得られる投薬形の場合に、記載された測定方法により耐破壊性が測定され、この場合錠剤とは異なる投薬形も同様に試験される。
【0204】
本発明による投薬形の耐破壊性の測定のために、直径10mm及び高さ5mmの投薬形、好ましくは錠剤が製造される。
【0205】
この投薬形、好ましくは錠剤を用いて、欧州薬局方1997、第143頁、144頁、方法番号2.9.8に開示された錠剤の耐破壊性を測定するための方法に基づき、次に記載する装置を使用して、投薬形の耐破壊性を測定する。この測定のための装置として、締め付け材料試験装置「Zwick Z 2.5」、カラムとスピンドルとを用いる構造により調節されている最大1150mmの横断路を有する材料試験機Fmax 2.5 kN、後方へ100mmのフリーワークスペース及び0.1〜800mm/minに調節可能な試験速度及びソフトウェア:testControlを使用する。測定のために、ねじ止め可能な取り付け部材とシリンダ(直径10mm)を有する加圧プランジャ、力記録装置、Fmax. 1 kN、直径8mm、ISO 7500−1によるクラス0.5 10Nから、クラス1 2Nから、DIN 55350−18による製造元−試験証明書M(Zwick−Bruttokraft Fmax 1,45 kN)を使用する(全ての装置はZwick GmbH & Co. KG社, Ulm, ドイツ国)、試験機用の注文番号BTC−FR 2.5 TH. D09、力記録装置用の注文番号BTC−LC 0050N. P01、センタリング装置用の注文番号BO 70000 S06。
【0206】
図6は、錠剤の耐破壊性の測定を示し、特にこのために使用された測定の前及びその間の錠剤(4)の調整装置(6)を示す。このため、錠剤(4)は、力をかけるための図示されていない装置の上側加圧プレート(1)と下側加圧プレート(3)との間で、2つの部分からなる締め付け装置を用いて固定される、締め付け装置はそれぞれ上側もしくは下側の加圧プレートを用いて、測定すべき錠剤の収容及びセンタリングのために必要な間隔(5)を調節した後に固定される(図示されていない)。間隔(5)の調節のために、2つの部分からなる締め付け装置は、錠剤が置かれている加圧プレートに関して、水平方向に外側又は内側にそれぞれ動かすことができる。使用された符号は、もっぱら図6にだけ関連する。
【0207】
投薬形が多粒子状で存在する場合には、これとは別に、例えば図7に図示されているように、個々の粒子の耐破壊性を2つの加圧プレートを用いて測定することもできる。
【0208】
図7は、上側加圧プレート(10)と下側加圧プレート(11)と、その間に試料(12)、例えばペレットが導入されていることを示す。両方の加圧プレートを用いて、試料への力の作用が行われる。測定結果の評価は、図6との関連で上記方法と同様に行う。
【0209】
所定の力の作用の際に、破壊が確認されないが、場合により力の作用により錠剤の可塑性変形が行われる錠剤も、耐破壊性として分類される。
【0210】
次に、実施例を用いて本発明を説明する。この説明は単なる例示にすぎず、全般的な発明思想を制限するものではない。
【0211】
第1の系列の実施例は、塩酸ジルチアゼム、塩酸ベラパミル、カルバマゼピンを有効物質(物質(A))として使用した。
【0212】
実施例1:
【0213】
【表2】

【0214】
全ての成分を自由落下式ミキサー中で混合した。直径10mm及び曲率半径8mmの錠剤用の上方プランジャ、下方プランジャ及びマトリックスを備えた錠剤化工具を、加熱庫中で80℃に加熱した。この加熱された工具を用いて、粉末混合物を加圧成形し、その際、万力中で錠剤化工具を締め付けることにより圧縮圧を少なくとも15s維持した。
【0215】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。この錠剤は、ハンマーで粉砕することができなかった。この粉砕は乳鉢及び乳棒を用いても不可能であった。
【0216】
調製物からの有効物質のインビトロ放出は、欧州薬局方によるブレード撹拌装置(シンカー付きパドル)中で測定した。放出媒体の温度は37℃であり、撹拌機の回転速度は50min−1であった。この試験の開始時に、それぞれの錠剤をそれぞれ人工胃液(pH1.2)900ml中に入れた。30分後に、アルカリ液の添加によりpH値を2.3に高め、更に90分後にpH6.5に高め、更に60分後にpH7.2に高めた。この時点でそれぞれ溶剤中に存在する有効物質の放出量を、2mmキュベット中で236nmで分光測光分析により測定した。
【0217】
【表3】

【0218】
実施例2:
実施例1と同様に、次の組成を有する直径9mm及び縦方向の長さ20mmの長円形の錠剤を製造した。
【0219】
【表4】

【0220】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。
【0221】
有効物質のインビトロ放出を、実施例1と同様に測定し(279nmでのUV検出)及び次の値が得られた:
【0222】
【表5】

【0223】
実施例3:
【0224】
【表6】

【0225】
実施例1と同様に、次の組成を有する直径20mmの円形錠剤を製造した:
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。
【0226】
有効物質のインビトロ放出を、実施例1と同様に測定し(285nmでのUV検出)及び次の値が得られた:
【0227】
【表7】

【0228】
更なる一連の実施例の場合に、有効物質(物質(A))としてニフェジピンを使用した。
【0229】
実施例4:
次の組成の錠剤を製造した:
【0230】
【表8】

【0231】
ニフェジピンとポリエチレンオキシドとを自由落下式ミキサー中で混合した。この混合物を、偏心錠剤プレス装置(Modell EK 0、Korsch社)で200mgの重量を有する錠剤に圧縮成形した。直径8mm及び曲率半径8mmの円形の錠剤を製造した。マトリックス、上方プランジャ及び下方プランジャからなり、直径10mm及び曲率半径8mmを有するこの錠剤化工具を、加熱区域において100℃に加熱した。熱い工具を用いて、予め製造された錠剤を新たに圧縮成形し、その際にこの圧縮圧は少なくとも15s間維持された。
【0232】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0233】
実施例5:
実施例4と同様に、次の組成の錠剤を製造した:
【0234】
【表9】

【0235】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0236】
実施例6:
実施例4と同様に、次の組成の錠剤を製造した:
【0237】
【表10】

【0238】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0239】
実施例7:
実施例4と同様に、次の組成の錠剤を製造した:
【0240】
【表11】

【0241】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0242】
更なる一連の実施例の場合に、生理学的に有効な物質(A)としてトラマドールHClを有する錠剤を使用した。
【0243】
実施例8:
【0244】
【表12】

【0245】
塩酸トラマドールとポリエチレンオキシド粉末とを、自由落下式ミキサー中で混合した。直径10mm及び曲率半径8mmの錠剤用の上方プランジャ、下方プランジャ及びマトリックスを備えた錠剤化工具を、加熱庫中で80℃に加熱した。この加熱された工具を用いて、それぞれ粉末混合物300mgを加圧成形し、その際、万力中で錠剤化工具を締め付けることにより圧縮圧を少なくとも15s維持した。
【0246】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。
【0247】
この錠剤は、ハンマーで粉砕することができなかった。この粉砕は乳鉢及び乳棒を用いても不可能であった。
【0248】
調製物からの有効物質のインビトロ放出は、欧州薬局方によるブレード撹拌装置中で測定した。放出媒体の温度は37℃であり、撹拌機の回転速度は75分 -1であった。この試験の開始時に、それぞれの錠剤をそれぞれ人工胃液(pH1.2)600ml中に入れた。30分後に、アルカリ液の添加によりpH値を2.3に高め、更に90分後にpH6.5に高め、更に60分後にpH7.2に高めた。それぞれの時点で溶剤中に存在する放出された有効成分量を、分光測光分析により測定した。
【0249】
【表13】

【0250】
実施例9:
実施例8からの粉末混合物を300mgずつに分けて80℃に加熱し、錠剤化工具のマトリックス中に充填した。引き続き、圧縮成形を行った。錠剤は実施例8の錠剤と同様の特性を有していた。
【0251】
実施例10:
【0252】
【表14】

【0253】
塩酸トラマドールと上記成分とを自由落下式ミキサー中で混合した。直径7mmの錠剤用の、上方プランジャ、下方プランジャ及びマトリックスを備えた錠剤化工具を加熱庫中で80℃に加熱した。この加熱された工具を用いて、それぞれ粉末混合物150mgを加圧成形し、その際、万力中で錠剤化工具を締め付けることにより圧縮圧を少なくとも15s維持した。
【0254】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。
【0255】
有効物質のインビトロ放出は、実施例8と同様に測定しかつ次の値が得られた:
【0256】
【表15】

【0257】
実施例11:
【0258】
【表16】

【0259】
塩酸トラマドールと、キサンタンと、ポリエチレンオキシド粉末とを、自由落下式ミキサー中で混合した。直径10mm及び曲率半径8mmの錠剤用の上方プランジャ、下方プランジャ及びマトリックスを備えた錠剤化工具を、加熱庫中で80℃に加熱した。この加熱された工具を用いて、それぞれ粉末混合物300mgを加圧成形し、その際、万力中で錠剤化工具を締め付けることにより圧縮圧を少なくとも15s維持した。
【0260】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。錠剤はいくらか可塑性に変形した。
【0261】
上記配合からなる有効物質のインビトロ放出は、実施例8と同様に測定しかつ次の値が得られた:
【0262】
【表17】

【0263】
実施例12:
【0264】
【表18】

【0265】
塩酸トラマドールと、キサンタンと、ポリエチレンオキシド粉末とを、自由落下式ミキサー中で混合した。長さ10mm及び幅5mmの長円形錠剤用の上方プランジャ、下方プランジャ及びマトリックスを備えた錠剤化工具を加熱庫中で90℃に加熱した。この加熱された工具を用いて、それぞれ粉末混合物150mgを加圧成形し、その際、万力中で錠剤化工具を締め付けることにより圧縮圧を少なくとも15s維持した。
【0266】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。錠剤はいくらか可塑性に変形した。
【0267】
上記配合からなる有効物質のインビトロ放出は、実施例8と同様に測定しかつ次の値が得られた:
【0268】
【表19】

【0269】
実施例13:
実施例8に記載されたのと同様に、次の組成を有する錠剤を製造した:
【0270】
【表20】

【0271】
有効物質の放出特性を次のように測定した:
錠剤からの有効物質のインビトロ放出は、欧州薬局方によるブレード撹拌装置中で測定した。放出媒体の温度は37℃であり、撹拌機の回転速度は75Upmであった。放出媒体として、USPに記載されたリン酸塩緩衝液pH6.8を使用した。それぞれの試験時点で溶剤中に存在する量の有効物質を、分光測光分析により測定した。
【0272】
【表21】

【0273】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、錠剤の破壊は生じなかった。
【0274】
実施例14:
次の組成の錠剤を製造した:
【0275】
【表22】

【0276】
塩酸トラマドールと、ポリエチレンオキシドと、カルナウバロウとを、自由落下式ミキサー中で混合した。この混合物を、偏心錠剤プレス装置(Modell EK 0、Korsch社)で錠剤に圧縮成形し、錠剤の量は500mgであった。直径10mm及び曲率半径8mmの円形の錠剤を製造した。マトリックス、上方プランジャ及び下方プランジャからなり、直径10mm及び曲率半径8mmを有するこの錠剤化工具を、加熱区域において130℃に加熱した。熱い工具を用いて、予め製造された錠剤を新たに圧縮成形し、その際にこの圧縮圧は少なくとも15s間維持された。
【0277】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0278】
実施例15:
実施例14と同様に、次の組成の錠剤を製造した:
【0279】
【表23】

【0280】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0281】
実施例16:
次の組成の錠剤を製造した:
【0282】
【表24】

【0283】
ポリエチレンオキシド50gを、アルファ−トコフェロール及びアエロジル5gと乳鉢中で均質な混合物に加工した。これを、更なる成分と自由落下式ミキサー中で15分間混合した。引き続き、この混合物を、LBB Bohle社(Ennigerloh)のTyp BCG 10の遊星ギア押出機を用いて押し出した。4本の遊星スピンドルを使用した。ノズルの直径は8mmであった。粉末の供給は重量計量的に行い、1時間当たり10kgであった。この押出のために、次の製造パラメータを選択した:回転数:50UpM、ジャケット温度:100℃、中央スピンドルの温度:100℃;ノズル加熱の温度:120℃。この製造の後に、押出物を室温に冷却した。引き続き、押出物を、錠剤の重量を有する薄片に切断した。錠剤の成形は、Korsch社のTyp EKOの偏心プレス機で行った。錠剤化工具として、曲率半径8mmを有する円形プランジャ(直径10mm)を使用した。
【0284】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0285】
調製物からの有効物質のインビトロ放出は、欧州薬局方によるシンカーを備えたブレード撹拌装置中で測定した。放出媒体の温度は37℃であり、撹拌機の回転速度は75分 −1であった。放出媒体として腸液600ml、pH6.8を使用した。それぞれの時点で溶剤中に放出された有効成分量を、分光測光分析により測定した。
【0286】
【表25】

【0287】
実施例17:
実施例16と同様に、次の組成の錠剤を製造した:
【0288】
【表26】

【0289】
錠剤の耐破壊性を、記載された装置を用いて上記方法により測定した。500Nの力の作用の際に、破壊は生じなかった。錠剤はハンマーでも粉砕できず、錠剤は乳鉢及び乳棒を用いても粉砕できなかった。
【0290】
調製物からの有効物質のインビトロ放出は、欧州薬局方によるシンカーを備えたブレード撹拌装置中で測定した。放出媒体の温度は37℃であり、撹拌機の回転速度は75分 -1であった。放出媒体として腸液600ml、pH6.8を使用した。それぞれの時点で溶剤中に放出された有効成分量を、分光測光分析により測定した。
【0291】
【表27】

【図面の簡単な説明】
【0292】
【図1】図1は、超音波装置を示す。
【図2】図2は、遊星ギア押出機の断面図を示す。
【図3】図3は、遊星ギア押出機の作用様式を示す。
【図4】図4は、押出物の概略図を示す。
【図5A】図5Aは、本発明による投薬形中でのスリーブ状の領域の2つの概略的な好ましい配置を示す。
【図5B】図5Bは、本発明による投薬形中でのスリーブ状の領域の2つの概略的な好ましい配置を示す。
【図6】図6は、錠剤の耐破壊性の測定ために使用された測定の前及びその間の錠剤の調整装置を示す。
【図7】図7は、上側加圧プレートと下側加圧プレートとの間に試料が導入されていることを示す。
【符号の説明】
【0293】
図1:
1: プレス装置。
2: コンバーター。
3: ブースター。
4: ソノトロード。
5: 成形のためのマトリックス。
6: 下側プランジャ。
7: ベースプレート。
8: 超音波発生器
9: 超音波発生器の制御装置。
図2−5A及びB:
1:主軸。
2:押し出されるべき成分。
3:中央スピンドル。
4:遊星スピンドル。
5:フィードスクリュー。
6:ジャケット。
7:フィードユニット。
8:ノズル。
31:中央スピンドル3の歯面。
41:遊星スピンドル4の歯面。
42:遊星スピンドル自身の軸を中心に互いに矢印の方向に回転。
43:中央スピンドル4を中心として転動。
61:ジャケット6の歯面。
71:押出物。
72:スリーブ状の押出皮膜。
73:コア。
74:縦方向の押出軸。
75:外皮面。
81:投薬形。
82:スリーブ状の領域。
83:スリーブ状の領域が部分的に取り囲むコア。
84a:表面側。
84b:表面側。
図6:
1:上側加圧プレート。
2:締め付け装置。
3:下側加圧プレート。
4:錠剤。
5:間隔。
図7:
10:上側加圧プレート。
11:下側加圧プレート。
12:試料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分:
− 生理学的に有効な物質(A);
− 場合により1種以上の生理学的に許容し得る助剤(B);
− 合成又は天然のポリマー(C);及び
− 場合により天然の、半合成の又は合成のロウ(D);
を含む投薬形であって、この投薬形が少なくとも400Nの耐破壊性を有し、そして生理学的条件下で生理学的に有効な物質(A)を少なくとも部分的に遅延放出する、上記投薬形。
【請求項2】
向精神性に作用する物質を含有しない、請求項1記載の投薬形。
【請求項3】
少なくとも500Nの耐破壊性を有する、請求項1又は2記載の投薬形。
【請求項4】
錠剤の形で存在する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項5】
多粒子の形で存在し、この場合、個々の粒子が少なくとも400Nの耐破壊性を有する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項6】
粒子を圧縮成形して錠剤にするか、又はカプセル中に充填する、請求項5記載の投薬形。
【請求項7】
ポリマー(C)が、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリラート、それらのコポリマー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項8】
ポリマー(C)が、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、それらのコポリマー、それらのブロックコポリマー、及びそれらの混合物より成る群から選ばれるポリアルキレンオキシドである、請求項1〜7のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項9】
ポリマー(C)が、少なくとも0.5×10g/molの粘度平均分子量を有する、請求項7又は8記載の投薬形。
【請求項10】
投薬形が、スリーブ状の領域(82)及びその中に存在するコア(83)を含み、その際、スリーブ状の領域(82)が上記コアとシームレスに結合し、そしてスリーブ状の領域(82)を形成する材料とコア(83)を形成する材料が、実質上同一の化学的組成を有するが、異なるモルホロジーを有する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項11】
スリーブ状の領域(82)を形成する材料とコア(83)を形成する材料が、異なる光学的特性を有する、請求項10記載の投薬形。
【請求項12】
スリーブ状の領域(82)の層の厚さが、0.1〜4mmの範囲内にある、請求項10又は11記載の投薬形。
【請求項13】
成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の溶融範囲を20℃下回る温度での少なくとも12時間の貯蔵によって、投薬形の容積が20%だけ増加する、請求項1〜12のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項14】
少なくとも50℃の軟化温度を有する少なくとも1種のロウ(D)を含む、請求項1〜13のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項15】
ロウ(D)がカルナウバロウ又は蜜蝋である、請求項14記載の投薬形。
【請求項16】
物質(A)が徐放性マトリックス中に存在する、請求項1〜15のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項17】
徐放性マトリックスが、ポリマー(C)及び(又は)場合により存在するロウ(D)を徐放性マトリックス材料として有する、請求項16記載の投薬形。
【請求項18】
生理学的条件下で5時間後に、物質(A)の多くても99%を放出する、請求項1〜17のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項19】
塩酸トラマドールも塩酸オキシコドンも含有しない、請求項18記載の投薬形。
【請求項20】
物質(A)が、消化器系及び物質代謝の疾患を治療及び予防するための薬剤;血液及び造血器官の疾患を治療及び予防するための薬剤;心臓血管系の疾患を治療及び予防するための薬剤、外皮用薬;泌尿生殖系及び性ホルモンの疾患の治療及び予防のための薬剤;性ホルモン及びインスリンを含まない全身ホルモン製剤;全身適用のための抗感染症剤;抗腫瘍剤及び免疫調節剤;筋肉及び骨格系の疾患を治療及び予防するための薬剤;神経系の疾患を治療及び予防する薬剤;駆虫剤、殺虫剤及び防虫剤;呼吸器系の疾患の治療及び予防のための薬剤;感覚器官の疾患の治療及び予防のための薬剤;一般的なダイエット剤及び放射線治療薬からなる群から選択される医薬である、請求項1〜19のいずれか1つに記載の投薬形。
【請求項21】
次の工程:
(a) 成分(A)、場合により(B)、(C)、場合により(D)を混合し、
(b) 場合により、工程(a)から得られた混合物を予備成形し、好ましくは(a)から得られた混合物を熱の作用及び(又は)力の作用下で予備成形し、この際、供給される熱量は成分(C)を軟化温度にまで暖めるには不十分であるのが好ましく、
(c) 熱の作用及び力の作用下で混合物を硬化させ、その際、この熱供給は力の作用中に及び(又は)力の作用前に行うことができ、そして供給される熱量は成分(C)が少なくとも軟化温度にまで暖めるために十分であり、
(d) 場合により、硬化された混合物を粉砕し、
(e) 場合により投薬形に成形し、ついで
(f) 場合によりフィルムコーティングでコーティングする、
工程を包含する、請求項1〜20のいずれか1つに記載の投薬形の製造方法。
【請求項22】
工程(c)において、二軸スクリュー押出機又は遊星ギア押出機(Planetary-gear extruder)を使用する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
工程(e)を、成分(A)、(C)、場合により(B)及び場合により(D)の混合物の可塑化状態で実施する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
工程(c)を、超音波の作用下で実施する、請求項21〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
請求項21〜24のいずれか1つに記載の方法により製造された生成物。
【請求項26】
特に機械的作用による投薬形の粉砕に起因する、生理学的に有効な物質(A)の過剰摂取の防止下で疾患の予防及び(又は)治療するための、請求項1〜20のいずれか1つに記載の投薬形を製造するために、生理学的に有効な物質(A)及び(又は)合成又は天然のポリマー(C)を使用する方法。
【請求項27】
機械的作用による投薬形の粉砕に起因する、生理学的に有効な物質(A)の遅延放出の意図しない妨害を抑えるための、請求項1〜20のいずれか1つに記載の投薬形を製造するために、生理学的に有効な物質(A)及び(又は)合成又は天然のポリマー(C)を使用する方法。
【請求項28】
特に、機械的作用による医薬の粉砕に起因する、生理学的に有効な物質(A)の過剰摂取の防止下で疾患を予防及び(又は)治療するための医薬を製造するために、請求項1〜20のいずれか1つに記載の投薬形を使用する方法。
【請求項29】
機械的作用による医薬の粉砕に起因する、生理学的に有効な物質(A)の遅延放出の意図しない妨害を抑制下で疾患を予防及び(又は)治療するための医薬を製造するために、請求項1〜20のいずれか1つに記載の投薬形を使用する方法。
【請求項30】
機械的作用が、噛み砕き、磨り潰し、強打(Haemmern)及び慣用の投薬形の粉末化のための装置の適用より成る群から選ばれる、請求項26〜29のいずれか1つに記載の使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−528654(P2008−528654A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553557(P2007−553557)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001027
【国際公開番号】WO2006/082099
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】