説明

遅延蛍光材料および有機エレクトロルミネッセンス素子

【課題】発光効率が高いエキサイプレックスからなる遅延蛍光材料を提供すること。
【解決手段】式(1)〜(4)の条件を満たすアクセプター化合物とドナー化合物の混合物を含む遅延蛍光材料。
式(1) T1A−S1 > 0.2eV
式(2) T1D−S1 ≧ 0.2eV
式(3) |LUMOA| > 2.0eV
式(4) |HOMOD| ≦ 5.3eV
[T1Aはアクセプター化合物の励起三重項エネルギー;T1Dはドナー化合物の励起三重項エネルギー;S1はエキサイプレックスの励起一重項エネルギー;LUMOAはアクセプター化合物のLUMOのエネルギー準位;HOMODはドナー化合物のHOMOのエネルギー準位を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な遅延蛍光材料とその遅延蛍光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の発光効率を高める研究が盛んに行われている。特に、新しい発光材料を開発することにより効率良く発光させる研究が種々行われている。その中で、遅延発光を行う遅延蛍光材料は、発光効率を飛躍的に高めうる可能性を秘めた材料として期待されている。これまでに、Cu、Pt、In、Pd、Sn、Znなどの金属を含む遅延蛍光化合物が幾つか提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
他方、アクセプター化合物とドナー化合物を組み合わせたエキサイプレックスを用いた遅延蛍光材料については、研究報告がわずかしかなされていない。非特許文献1には、N,N’−ジフェニル−N,N’−(2−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)と2,5−ジ(3−ビフェニル)−1,1’−ジメチル−3,4−ジフェニルシラシクロペンタジエン(PPSPP)からなるエキサイプレックスを用いて、外部量子効率3.4%を達成したことが記載されている。その一方で、特許文献4および特許文献5には、エキサイプレックスを形成すると発光効率の低下を引き起こすことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−241374号公報
【特許文献2】特開2006−24830号公報
【特許文献3】特開2010−114425号公報
【特許文献4】特開2008−247810号公報(段落番号0059)
【特許文献5】特開2010−235708号公報(段落番号0078)
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】L.C.Palilis et.al., Applied Physics Letters, Vol.24, No.14, 2209 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の研究ではエキサイプレックスを用いても高い発光効率を実現することはできず、エキサイプレックスは発光効率を低下させる要因になるという報告もなされていた。このような状況下において、本発明者らはエキサイプレックスを用いた新たな遅延蛍光材料を開発して、発光効率を改善することを課題として鋭意検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、特定の条件を満たすアクセプター化合物とドナー化合物の混合物が優れた遅延蛍光材料となることを見出した。本発明者らは、この知見に基づいて、上記の課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
【0008】
[1] 下記の式(1)〜(4)で表される条件を満たすアクセプター化合物とドナー化合物の混合物を含むことを特徴とする遅延蛍光材料。
式(1) T1A−S1 > 0.2eV
式(2) T1D−S1 ≧ 0.2eV
式(3) |LUMOA| > 2.0eV
式(4) |HOMOD| ≦ 5.3eV
[上式において、T1Aはアクセプター化合物のリン光スペクトルにおける短波長側のピーク波長で規定される励起三重項エネルギーを表し、T1Dはドナー化合物のリン光スペクトルにおける短波長側のピーク波長で規定される励起三重項エネルギーを表し、S1は発光層で観測されるエキサイプレックス発光のピーク波長で規定されるエキサイプレックスの励起一重項エネルギーを表し、LUMOAはアクセプター化合物のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表し、HOMODはドナー化合物のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表す。]
[2] 前記ドナー化合物のモル含有率が下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の遅延蛍光材料。
式(5) 0.2 < D/(A+D) < 0.6
[上式において、Dはドナー化合物の含有量(単位モル)を表し、Aはアクセプター化合物の含有量(単位モル)を表す。]
[3] 前記アクセプター化合物がホウ素原子またはリン原子を含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の遅延蛍光材料。
【0009】
[4] 前記アクセプター化合物が下記の一般式[1]〜[4]のいずれかで表される構造を有することを特徴とする[3]に記載の遅延蛍光材料。
【化1】

[一般式[1]において、Ar1、Ar2およびAr3は、各々独立に芳香族炭化水素環を表し;R1、R2およびR3は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;Py1、Py2およびPy3は、各々独立に、置換もしくは無置換ピリジル基を表し;m1、m2およびm3は、各々独立に、0〜4のいずれかの整数を表し;n1、n2およびn3は、各々独立に、1〜3のいずれかの整数を表す。]
【化2】

[一般式[2]において、Yは
【化3】


、SまたはSO2を表す。*印は結合位置を表す。R11、R12、R13およびR14は、各々独立に、
【化4】

を表し;Ar11およびAr12は、各々独立に、置換もしくは無置換のアリール基を表し;n11、n12、n13およびn14は、各々独立に、0〜2のいずれかの整数を表し、n11、n12、n13およびn14の総和は1以上である。]
【化5】

[一般式[3]において、Z21は下記のいずれかの構造:
【化6】

を表し;X1およびX2は、ともに−CH−であるか、X1が単結合でX2が−CH=CH−であるか、X1が−CH=CH−でX2が単結合であり;pは0〜3のいずれかの整数を表し;qは0〜3のいずれかの整数を表し;L21は置換もしくは無置換のアリーレン基を表し;Py21は置換もしくは無置換ピリジル基を表し;n21は2〜6のいずれかの整数を表す。]
【化7】

[一般式[4]において、L31、L32およびL33は、各々独立に、単結合または置換もしくは無置換のアリーレン基を表し;Py31、Py32およびPy33は、各々独立に、置換もしくは無置換ピリジル基を表し;n31、n32およびn33は、各々独立に、1〜3のいずれかの整数を表す。]
[5] 前記ドナー化合物が窒素素原子を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の遅延蛍光材料。
【0010】
[6] 前記ドナー化合物が下記の一般式[11]〜[15]のいずれかで表される構造を有することを特徴とする[5]に記載の遅延蛍光材料。
【化8】

[一般式[11]において、R51、R52、R53、R54、R55、R56は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;n51、n52、n53、n54、n55およびn56は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR51が結合しているとき、当該2つのR51は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR52が結合しているとき、当該2つのR52は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR53が結合しているとき、当該2つのR53は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR54が結合しているとき、当該2つのR54は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR55が結合しているとき、当該2つのR55は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR56が結合しているとき、当該2つのR56は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化9】

[一般式[12]において、R61、R62、R63、R64、R65およびR66は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;m61、m62およびm63は、各々独立に、1または2のいずれかを表し;n61、n62、n63、n64、n65およびn66は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR61が結合しているとき、当該2つのR61は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR62が結合しているとき、当該2つのR62は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR63が結合しているとき、当該2つのR63は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR64が結合しているとき、当該2つのR64は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR65が結合しているとき、当該2つのR65は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR66が結合しているとき、当該2つのR66は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化10】

[一般式[13]において、R71、R72、R73およびR74は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または
【化11】

を表し;R75およびR76は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;m71は、0または1を表し;n71、n72、n73、n74、n75およびn76は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR71が結合しているとき、当該2つのR71は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR72が結合しているとき、当該2つのR72は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR73が結合しているとき、当該2つのR73は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR74が結合しているとき、当該2つのR74は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR75が結合しているとき、当該2つのR75は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR76が結合しているとき、当該2つのR76は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化12】

[一般式[14]において、Qは、環状構造を形成するために必要な原子団を表し;R81、R82、R83およびR84は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;n81、n82、n83およびn84は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR81が結合しているとき、当該2つのR81は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR82が結合しているとき、当該2つのR82は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR83が結合しているとき、当該2つのR83は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR84が結合しているとき、当該2つのR84は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化13】

[一般式[15]におけるR91およびR92は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。]
【0011】
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の遅延蛍光材料を発光層に用いたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[8] 前記発光層を、前記アクセプター化合物を含む層と前記ドナー化合物を含む層の間に積層した構造を有することを特徴とする[7]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遅延蛍光材料は、特定の条件を満たすアクセプター化合物とドナー化合物を混合してエキサイプレックスを形成しているため、発光効率が極めて高いという特徴を有する。本発明の遅延蛍光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は、励起子生成効率や外部量子効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1の試料3のPLスペクトルである。
【図2】実施例1の試料3の時間分解PLスペクトルである。
【図3】実施例2と比較例1の時間分解PLスペクトルである。
【図4】実施例3の時間分解PLスペクトルである。
【図5】実施例4の時間分解PLスペクトルである。
【図6】実施例5の時間分解PLスペクトルである。
【図7】実施例6の時間分解PLスペクトルである。
【図8】実施例7の有機EL素子の層構成を示す概略断面図である。
【図9】実施例7の有機EL素子の外部EL量子効率を示すグラフである。
【図10】実施例8の有機EL素子の外部EL量子効率と発光層の組成との関係を示すグラフである。
【図11】実施例9の有機EL素子の電力−光変換効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0015】
[アクセプター化合物]
本発明のエキサイプレックスを構成するアクセプター化合物は、式(1)と式(3)の条件を満たす化合物である。すなわち、アクセプター化合物のリン光スペクトルにおける短波長側のピーク波長で規定される励起三重項エネルギー(T1A)が、エキサイプレックス発光のピーク波長で規定されるエキサイプレックスの励起一重項エネルギー(S1)よりも大きくて、その差が0.2eV超であることが必要とされる。アクセプター化合物の励起三重項エネルギー(T1A)とエキサイプレックスの励起一重項エネルギー(S1)の差は、0.3eV超であることが好ましく、0.4eV超であることがより好ましい。また、アクセプター化合物のLUMOのエネルギー準位(|LUMOA|)は2.0eV超であることが必要であり、2.5eV超であることが好ましく、3.0eV超であることがより好ましい。
式(1) T1A−S1 > 0.2eV
式(3) |LUMOA| > 1.9eV
【0016】
アクセプター化合物の構造は、上記の条件を満たす限り特に制限されないが、好ましいアクセプター化合物として以下の一般式[1]〜[4]で表される化合物を例示することができる。
【化14】

【0017】
一般式[1]におけるAr1、Ar2およびAr3は、各々独立に芳香族炭化水素環を表す。Ar1、Ar2およびAr3は同一であっても異なっていてもよいが、好ましいのは同一である場合である。Ar1、Ar2およびAr3がとりうる芳香族炭化水素環は、炭素数1〜22であることが好ましく、炭素数1〜14であることがより好ましく、炭素数1〜10であることがさらに好ましい。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環などを挙げることができ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がさらに好ましい。
一般式[1]におけるR1、R2およびR3は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。R1、R2およびR3は同一であっても異なっていてもよいが、好ましいのは同一である場合である。R1、R2およびR3は、それぞれAr1、Ar2およびAr3の芳香族炭化水素環の置換基として環に結合するものである。
1、R2およびR3がとりうるアルキル基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。好ましいのは直鎖状または分枝状のアルキル基である。アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜3であること(すなわちメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基)がさらにより好ましい。環状のアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。R1、R2およびR3がとりうるアルキル基は置換されていてもよく、その場合の置換基としてはアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができる。ここでいうアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、下記のR1、R2およびR3がとりうるアルコキシ基の記載を参照することができる。ここでいうアリール基は、1つの芳香環からなるものであってもよいし、2以上の芳香環が融合した構造を有するものであってもよい。アリール基の炭素数は、6〜22であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であること(すなわちフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基)がさらにより好ましい。また、ここでいうアリールオキシ基は、1つの芳香環からなるものであってもよいし、2以上の芳香環が融合した構造を有するものであってもよい。アリールオキシ基の炭素数は、6〜22であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であること(すなわちフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基)がさらにより好ましい。
【0018】
1、R2およびR3がとりうるアルコキシ基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。好ましいのは直鎖状または分枝状のアルコキシ基である。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜3であること(すなわちメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基)がさらにより好ましい。環状のアルコキシ基としては、例えばシクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基を挙げることができる。R1、R2およびR3がとりうるアルコキシ基は置換されていてもよく、その場合の置換基としてはアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができる。ここでいうアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基の説明と好ましい範囲については、上記の記載を参照することができる。
【0019】
一般式[1]におけるm1、m2およびm3は、各々独立に、0〜4のいずれかの整数を表す。好ましくは、0〜3のいずれかの整数である。例えばAr1、Ar2およびAr3がベンゼン環であるとき、2,4,6位の3置換体、3,5位の2置換体、2位の1置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。m1、m2およびm3は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。m1が2以上であるとき、分子内に存在する複数のR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。m2およびm3についても同じである。
【0020】
一般式[1]におけるPy1、Py2およびPy3は、各々独立に、置換もしくは無置換ピリジル基を表す。Py1、Py2およびPy3は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。Py1、Py2およびPy3は、それぞれAr1、Ar2およびAr3の芳香族炭化水素環の置換基として環に結合するものである。Py1、Py2およびPy3がとりうるピリジル基としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基を挙げることができ、いずれも好ましいが、中でも3−ピリジル基がより好ましい。ピリジル基はさらに置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。ピリジル基が置換されている場合の置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基を挙げることができ、その説明と好ましい範囲についてはR1、R2およびR3の対応する記載を参照することができる。
【0021】
一般式[1]におけるn1、n2およびn3は、各々独立に、1〜3のいずれかの整数を表す。好ましくは、1または2である、例えばAr1、Ar2およびAr3がベンゼン環であるとき、3位の1置換体や3,5位の2置換体を挙げることができる。n1、n2およびn3は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。n1が2以上であるとき、分子内に存在する複数のPy1は互いに同一であっても異なっていてもよい。n2およびn3についても同じである。
【0022】
【化15】

【0023】
一般式[2]におけるYは
【化16】

S(硫黄原子)またはSO2(スルホニル基)を表す。*印は結合位置を表す。すなわち、一般式[2]は以下の一般式[2−1]と一般式[2−2]と一般式[2−3]の3つの構造を包含するものである。好ましいのは一般式[2−2]で表される構造である。
【化17】

【0024】
11、R12、R13およびR14は、各々独立に、
【化18】

を表す。Ar11およびAr12は、各々独立に、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar11とAr12は同一であっても異なっていてもよいが、好ましいのは同一である場合である。ここでいう置換もしくは無置換のアリール基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]における対応する記載を参照することができる。Ar11およびAr12として、例えばフェニル基を好ましい例として挙げることができる。R11、R12、R13およびR14は同一であっても異なっていてもよいが、好ましいのは同一である場合である。
【0025】
一般式[2]におけるn11、n12、n13およびn14は、各々独立に、0〜2のいずれかの整数を表す。好ましいのは、0または1である。ただし、n11、n12、n13およびn14の総和は1以上であり、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1または2である。総和が2以上であるとき、分子内に存在する複数の
【化19】

は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。
【0026】
【化20】

【0027】
一般式[3]におけるZ21は下記のいずれかの構造:
【化21】

を表す。X1およびX2は、ともに−CH=であるか、X1が単結合でX2が−CH=CH−であるか、X1が−CH=CH−でX2が単結合である。X1およびX2を含む環骨格はベンゼン環を構成する。pは0〜3のいずれかの整数を表し、例えば0または1とすることができる。qは0〜3のいずれかの整数を表し、例えば0または1とすることができる。
【0028】
一般式[3]におけるL21は置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。ここでいうアリーレン基は、1つの芳香環からなるものであってもよいし、2以上の芳香環が融合した構造を有するものであってもよい。アリーレン基の炭素数は、6〜22であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であることがさらにより好ましく、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基がさらにより好ましく、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が特に好ましい。アリ−レン基が置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができ、これらの説明と好ましい範囲については一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
【0029】
一般式[3]におけるPy21は置換もしくは無置換ピリジル基を表す。ここでいう置換もしくは無置換ピリジル基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
【0030】
一般式[3]におけるn21は2〜6のいずれかの整数を表す。好ましくは2〜4のいずれかの整数であり、より好ましくは3または4である。分子内に存在する複数の(L21−Py21)は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。
【0031】
【化22】

【0032】
一般式[4]におけるL31、L32およびL33は、各々独立に、単結合または置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。L31、L32およびL33は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。ここでいう置換もしくは無置換のアリーレン基の説明と好ましい範囲については、一般式[3]の対応する記載を参照することができる。例えば、1,3−フェニレン基を採用することができる。
一般式[4]におけるPy31、Py32およびPy33は、各々独立に、置換もしくは無置換ピリジル基を表す。Py31、Py32およびPy33は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。ここでいう置換もしくは無置換ピリジル基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
一般式[4]におけるn31、n32およびn33は、各々独立に、1〜3のいずれかの整数を表し、1または2であることが好ましい。例えば2,4,6位の3置換体、3,5位の2置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。n31、n32およびn33は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。n31が2以上であるとき、分子内に存在する複数の(L31−Py31)は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。n32およびn33についても同じである。
【0033】
本発明で用いるアクセプター化合物は、商業的に入手可能であるか、または既知の合成法を必要に応じて組み合わせることにより合成することができる。
【0034】
以下に、本発明のアクセプター化合物として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。以下の例示化合物の中では、化合物1、化合物2、化合物3、化合物4、化合物7および化合物8がより好ましく、化合物1、化合物2および化合物3がさらに好ましく、化合物1および化合物3がさらにより好ましい。なお、本発明で用いることができるアクセプター化合物の範囲は、以下の具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
【0035】
【化23】

【0036】
【化24】

【0037】
[ドナー化合物]
本発明のエキサイプレックスを構成するドナー化合物は、式(2)と式(4)の条件を満たす化合物である。すなわち、ドナー化合物のリン光スペクトルにおける短波長側のピーク波長で規定される励起三重項エネルギー(T1D)が、エキサイプレックス発光のピーク波長で規定されるエキサイプレックスの励起一重項エネルギー(S1)よりも大きくて、その差が0.2eV以上であることが必要とされる。ドナー化合物の励起三重項エネルギー(T1D)とエキサイプレックスの励起一重項エネルギー(S1)の差は、0.3eV超であることが好ましく、0.4eV超であることがより好ましい。また、ドナー化合物のHOMOのエネルギー準位(|HOMOD|)は5.3eV以下であることが必要であり、5.2eV未満であることが好ましく、5.1eV未満であることがより好ましい。
式(2) T1D−S1 ≧ 0.2eV
式(4) |HOMOD| ≦ 5.3eV
【0038】
ドナー化合物の構造は、上記の条件を満たす限り特に制限されないが、好ましいドナー化合物として以下の一般式[11]〜[15]で表される化合物を例示することができる。
【化25】

【0039】
一般式[11]におけるR51、R52、R53、R54、R55、R56は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。R51、R52、R53、R54、R55、R56は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。ここでいう置換もしくは無置換のアルキル基と置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
【0040】
一般式[11]におけるn51、n52、n53、n54、n55およびn56は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0〜2のいずれかの整数である。n51、n52、n53、n54、n55およびn56は同一であっても異なっていてもよいが、n51、n53およびn55は同一であって、n52、n54およびn56は同一であることが好ましい。例えばn51、n53およびn55が1または2であって、n52、n54およびn56が0である例を好ましく挙げることができる。置換形式については、例えば2,4,6位の3置換体、3,5位の2置換体、2位の1置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。n51が2以上であるとき、分子内に存在する複数のR51は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。また、分子内に存在する複数のR51のうちの2つのR51がベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているとき、当該2つのR51は互いに結合して連結基を形成していてもよい。当該2つのR51が互いに結合して連結基を形成することにより、ベンゼン環に融合した環が形成される。2つのR51が互いに結合して形成する連結基の連結鎖原子数は3〜5であることが好ましく、3または4であることがより好ましい。連結基としては、例えばアルキレン基、アルケニレン基を例示することができる。好ましい具体例として−CH=CH−CH=CH−や、その4つの水素原子の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基で置換された連結基を挙げることができる。ここでいう置換もしくは無置換のアルキル基と、置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。n51に関する上記説明は、n52、n53、n54、n55およびn56についても同じである。
【0041】
【化26】

【0042】
一般式[12]におけるR61、R62、R63、R64、R65およびR66は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。R61、R62、R63、R64、R65およびR66は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。ここでいう置換もしくは無置換のアルキル基と置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
一般式[12]におけるm61、m62およびm63は、各々独立に、1または2のいずれかを表す。例えば、3,5位の2置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。m61が2以上であるとき、分子内に存在する複数の
【化27】

は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。m62およびm63についても同じである。m61、m62およびm63は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
一般式[12]におけるn61、n62、n63、n64、n65およびn66は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。好ましいのは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましいのは0〜2のいずれかの整数である。例えば、2,4,6位の3置換体、3,5位の2置換体、2位の1置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。n61が2以上であるとき、分子内に存在する複数のR61は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。また、分子内に存在する複数のR61のうちの2つのR61がベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているとき、当該2つのR61は互いに結合して連結基を形成していてもよい。当該2つのR61が互いに結合して連結基を形成することにより、ベンゼン環に融合した環が形成される。2つのR61が互いに結合して形成する連結基の連結鎖原子数は3〜5であることが好ましく、3または4であることがより好ましい。連結基としては、例えばアルキレン基、アルケニレン基を例示することができる。好ましい具体例として−CH=CH−CH=CH−や、その4つの水素原子の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基で置換された連結基を挙げることができる。ここでいう置換もしくは無置換のアルキル基と、置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。n61に関する上記説明は、n62、n63、n64、n65およびn66についても同じである。n61、n62、n63、n64、n65およびn66は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0043】
【化28】

【0044】
一般式[13]におけるR71、R72、R73およびR74は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または
【化29】

を表す。R75およびR76は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。R71、R72、R73、R74、R75およびR76がとりうる置換もしくは無置換のアルキル基と置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。R71、R72、R73およびR74は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0045】
一般式[13]におけるm71は、0または1を表し、いずれも好ましい。
一般式[13]におけるn71、n72、n73、n74、n75およびn76は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0〜2のいずれかの整数である。例えば、2,4,6位の3置換体、3,5位の2置換体、2位の1置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。n71が2以上であるとき、分子内に存在する複数のR71は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。また、分子内に存在する複数のR71のうちの2つのR71がベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているとき、当該2つのR71は互いに結合して連結基を形成していてもよい。当該2つのR71が互いに結合して連結基を形成することにより、ベンゼン環に融合した環が形成される。2つのR71が互いに結合して形成する連結基の連結鎖原子数は3〜5であることが好ましく、3または4であることがより好ましい。連結基としては、例えばアルキレン基、アルケニレン基を例示することができる。好ましい具体例として−CH=CH−CH=CH−や、その4つの水素原子の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基で置換された連結基を挙げることができる。ここでいう置換もしくは無置換のアルキル基と、置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。n71に関する上記説明は、n72、n73、n74、n75およびn76についても同じである。n71、n72、n73およびn74は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。また、n75およびn76は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0046】
【化30】

【0047】
一般式[14]におけるQは、環状構造を形成するために必要な原子団を表す。Qは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアルキニレン基であることが好ましく、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基であることがより好ましく、置換もしくは無置換のアルキレン基であることがさらに好ましい。Qの炭素数は4〜10であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、5〜7であることがさらに好ましい。Qの具体例として、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ブタジエニレン基を例示することができる。Qがとりうるアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができる。これらの置換基の説明と好ましい範囲については、上記のR1、R2およびR3における対応する記載を参照することができる。Qがとりうるアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基は無置換であることも好ましい。
【0048】
一般式[14]におけるR81、R82、R83およびR84は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。R81、R82、R83およびR84がとりうる置換もしくは無置換のアルキル基と置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
【0049】
一般式[14]におけるn81、n82、n83およびn84は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0〜2のいずれかの整数である。例えば、2,4,6位の3置換体、3,5位の2置換体、2位の1置換体、3位の1置換体、4位の1置換体を挙げることができる。n81が2以上であるとき、分子内に存在する複数のR81は互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。また、分子内に存在する複数のR81のうちの2つのR81がベンゼン環の隣り合う炭素原子に結合しているとき、当該2つのR81は互いに結合して連結基を形成していてもよい。当該2つのR81が互いに結合して連結基を形成することにより、ベンゼン環に融合した環が形成される。2つのR71が互いに結合して形成する連結基の連結鎖原子数は3〜5であることが好ましく、3または4であることがより好ましい。連結基としては、例えばアルキレン基、アルケニレン基を例示することができる。好ましい具体例として−CH=CH−CH=CH−や、その4つの水素原子の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基で置換された連結基を挙げることができる。ここでいう置換もしくは無置換のアルキル基と、置換もしくは無置換のアルコキシ基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。n81に関する上記説明は、n82、n83およびn84についても同じである。n81、n82、n83およびn84は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0050】
【化31】

【0051】
一般式[15]におけるR91およびR92は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R91およびR92がとりうるアルキル基およびアリール基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する記載を参照することができる。
【0052】
本発明で用いるドナー化合物は、商業的に入手可能であるか、または既知の合成法を必要に応じて組み合わせることにより合成することができる。
【0053】
以下に、本発明のドナー化合物として用いることができる化合物の具体例を挙げる(Meはメチル基、Etはエチル基を表す)。以下の例示化合物の中では、化合物11、化合物12および化合物13がより好ましく、化合物11および化合物12がより好ましく、化合物11がさらにより好ましい。なお、本発明で用いることができるドナー化合物の範囲は、以下の具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
【0054】
【化32】



【0055】
【化33】

【0056】
[アクセプター化合物とドナー化合物の混合物]
本発明では、アクセプター化合物とドナー化合物を混合して混合物とする。混合物中のドナー化合物のモル含有率(ドナー化合物/アクセプター化合物とドナー化合物の和)は、0.2超0.6未満であることが好ましく、0.3超0.6未満であることがより好ましく、0.4超0.6未満であることがさらにより好ましい。
アクセプター化合物とドナー化合物の組み合わせは、エキサイプレックスを形成することができるものであって式(1)〜(4)の条件を満たすものであれば特に制限されない。以下の表にアクセプター化合物とドナー化合物の好ましい組み合わせを例示する。特に好ましい組み合わせ例として、下記の1、3、8、11、18を挙げることができる。
【0057】
【表1】

【0058】
アクセプター化合物とドナー化合物の混合物は、混合物の用途や使用態様を考慮した形状にすることができる。典型的な形状は膜状である。遅延蛍光材料(発光層)として用いる場合の厚みは、通常は20〜200nmの範囲内とし、好ましくは20〜100nmの範囲内とし、より好ましくは20〜80nmの範囲内とする。形成方法は特に制限されないが、例えば共蒸着法などを挙げることができる。
【0059】
本発明の条件を満たすアクセプター化合物とドナー化合物の混合物は、遅延蛍光材料として有用である。上記の式(1)〜(4)の条件を満たすために、エキサイプレックスからの遅延蛍光が強く観測される。本発明の遅延蛍光材料は、逆項間交差過程を用いて効率良く遅延蛍光を発生させることができるため、励起子生成効率25〜100%で、外部量子効率5%超を可能にするものである。
【0060】
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
本発明のアクセプター化合物とドナー化合物の混合物は、遅延蛍光材料として有用であることから、本発明のアクセプター化合物とドナー化合物の混合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に効果的に用いることができる。
典型的な有機エレクトロルミネッセンス素子は、ガラスなどの透明基板上にITOなどの陽極、
ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極が積層された構造を有する。電極と発光層を除く層の一部については形成されないことがある。発光層以外の各層や電極に用いる材料は、既知のものの中から適宜選択して最適化することができる。また本発明では、発光層を、発光層に用いるアクセプター化合物を含む層と発光層に用いるドナー化合物を含む層の間に積層することが好ましい。有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する各層や電極の製造方法は、既知の方法を適宜選択して採用することができる。また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子には、公知の技術や公知の技術から容易に想到しうる様々な改変を必要に応じて加えることができる。
【実施例】
【0061】
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0062】
(実施例1)
(1)試料1〜3の作製
試料1〜3を以下の方法にしたがって作製した。
[試料1]
シリコン基板上に4,4′,4”−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA:化合物8c)を100nm真空蒸着して試料1とした。
[試料2]
シリコン基板上にトリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン(3TPYMB:化合物1b)を100nm真空蒸着して試料2とした。
[試料3]
シリコン基板上にm−MTDATAを50mol%ドープした3TPYMBを100nm共蒸着して試料3とした。
【0063】
(2)試料1および試料2の測定
[励起三重項エネルギーの測定]
ストリークカメラを用いて試料1と試料2のリン光スペクトルを測定した。励起光源として波長337nmの窒素ガスレーザーを用い、試料をクライオスタットを用いて温度10Kまで冷却して測定した。測定したリン光スペクトルにおいて、最も短波長に観測されたピーク波長のエネルギーをその試料の三重項エネルギーとした。
[HOMOのエネルギー準位の測定]
光電子分光装置を用いて試料1と試料2のHOMOのエネルギー準位を測定した。
[LUMOのエネルギー準位の測定]
分光光度計を用いて試料1と試料2の吸収端エネルギーを測定し、これをエネルギーギャップと規定した。測定されたエネルギーギャップだけHOMOのエネルギー準位より高い位置をLUMOのエネルギー準位とした。
[測定結果]
表2に各測定結果を示す。
【0064】
【表2】

【0065】
(3)試料3の測定
[エキサイプレックスの励起一重項エネルギーの測定と結果]
蛍光スペクトルメータ−を用いて試料3の発光スペクトルを測定した。
図1に結果を示す。試料3の共蒸着膜においては、試料1や試料2の各単層膜とは異なる長波長側の発光が観測された。m−MTDATAと3TPYMB間のエキサイプレックス形成により観測された発光のピーク波長は537nmを示したことから、エキサイプレックスの励起一重項エネルギーは2.3eVと見積られる。
[遅延蛍光の確認と結果]
試料3の遅延蛍光の確認を、ストリークカメラを用いて時間分解フォトルミネッセンス(PL)スペクトルより行った。励起光源としては波長337nmの窒素ガスレーザーを用いた。
図2に結果を示す。時間0μs付近においてエキサイプレックスの蛍光成分である強い発光が認められるとともに、励起三重項状態から励起一重項状態へのアップコンバージョンによる遅延蛍光が遅れて発光している成分として観測された。
【0066】
(実施例2)
3TPYMB(化合物1b)の代わりにアクセプター化合物としてSPPO1(化合物2a)を用いた点を変更して、実施例1と同じ工程にしたがって試料を作製して測定を行った。試料2(SPPO1)の励起三重項エネルギーは2.9eV、HOMOのエネルギー準位は6.5eV、LUMOのエネルギー準位は2.7eVであった。試料3のエキサイプレックスの励起一重項エネルギーは2.4eVであった。図3に時間分解PLスペクトルを示す。
【0067】
(比較例1)
3TPYMB(化合物1b)の代わりにアクセプター化合物として下記のt−BuPBDを用いた点を変更して、実施例1と同じ工程にしたがって試料を作製して測定を行った。試料2(t−BuPBD)の励起三重項エネルギーは2.4eV、HOMOのエネルギー準位は6.1eV、LUMOのエネルギー準位は2.4eVであった。試料3のエキサイプレックスの励起一重項エネルギーは2.3eVであった。図3に時間分解PLスペクトルを示す。
【化34】

【0068】
(実施例3〜6)
表3に示すアクセプター化合物とドナー化合物を用いて、実施例1と同じ工程にしたがって試料を作製して測定を行った。結果を表3と図4〜7に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
(実施例7)
本実施例において、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製して発光効率を測定した。
(1)有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
インジウム・スズ酸化物(ITO)をおよそ100nmの厚さで製膜したガラス1に、ホール注入層2としてm−MTDATAを20nm真空蒸着した。次いで、発光層3として50mol%m−MTDATAをドープした3TPYMBを60nm共蒸着した。さらに、電子輸送層4として3TPYMBを20nm真空蒸着した。最後に、金属電極5としてフッ化リチウム(LiF)を0.5nm真空蒸着し、次いでアルミニウム6を50nmの厚さに蒸着して、図8に示す層構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
【0071】
(2)発光効率の評価
半導体パラメータ−アナライザーおよびパワーメータを用いて、電流−電圧−輝度(J-V-L)特性を測定した。ELスペクトルはマルチチャンネル分光器を用いて測定した。これらの結果より、外部EL量子効率の算出を行った。
図9にその結果を示す。蛍光材料を発光層として用いた素子における外部EL量子効率の理論限界値5%に比べて、本実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子は約7%の高い発光効率を示した。
【0072】
(実施例8)
本実施例において、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層の組成と発光効率の関係を調べた。
実施例7の発光層3のm−MTDATAのドープ量を10mol%、30mol%、70mol%、90mol%に変更して、実施例7と同じ工程にしたがって有機エレクトロルミネッセンス素子を作製して外部EL量子効率を測定した。結果を図10に示す。
【0073】
(実施例9)
実施例7の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層と電子輸送層に用いた3TPYMBの代わりにPPT(化合物3b)を用いた点を変更して、実施例7と同じ工程にしたがって試料を作成して、外部EL量子効率と電力−光変換効率を測定した結果を図11に示す。本実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子は約10%の高い発光効率を示し、約46%の高い電力−光変換効率を示した。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の遅延蛍光材料は、発光効率が高いことから様々な工業製品に応用することが可能である。例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子などの表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリアの分野への応用が期待される。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0075】
1 ガラス
2 ホール注入層
3 発光層
4 電子輸送層
5 金属電極
6 アルミニウム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(1)〜(4)で表される条件を満たすアクセプター化合物とドナー化合物の混合物を含むことを特徴とする遅延蛍光材料。
式(1) T1A−S1 > 0.2eV
式(2) T1D−S1 ≧ 0.2eV
式(3) |LUMOA| > 2.0eV
式(4) |HOMOD| ≦ 5.3eV
[上式において、T1Aはアクセプター化合物のリン光スペクトルにおける短波長側のピーク波長で規定される励起三重項エネルギーを表し、T1Dはドナー化合物のリン光スペクトルにおける短波長側のピーク波長で規定される励起三重項エネルギーを表し、S1は発光層で観測されるエキサイプレックス発光のピーク波長で規定されるエキサイプレックスの励起一重項エネルギーを表し、LUMOAはアクセプター化合物のLUMOのエネルギー準位を表し、HOMODはドナー化合物のHOMOのエネルギー準位を表す。]
【請求項2】
前記ドナー化合物のモル含有率が下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の遅延蛍光材料。
式(5) 0.2 < D/(A+D) < 0.6
[上式において、Dはドナー化合物の含有量(単位モル)を表し、Aはアクセプター化合物の含有量(単位モル)を表す。]
【請求項3】
前記アクセプター化合物がホウ素原子またはリン原子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の遅延蛍光材料。
【請求項4】
前記アクセプター化合物が下記の一般式[1]〜[4]のいずれかで表される構造を有することを特徴とする請求項3に記載の遅延蛍光材料。
【化1】

[一般式[1]において、Ar1、Ar2およびAr3は、各々独立に芳香族炭化水素環を表し;R1、R2およびR3は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;Py1、Py2およびPy3は、各々独立に、置換もしくは無置換ピリジル基を表し;m1、m2およびm3は、各々独立に、0〜4のいずれかの整数を表し;n1、n2およびn3は、各々独立に、1〜3のいずれかの整数を表す。]
【化2】

[一般式[2]において、Yは
【化3】


SまたはSO2を表す。*印は結合位置を表す。R11、R12、R13およびR14は、各々独立に、
【化4】

を表し;Ar11およびAr12は、各々独立に、置換もしくは無置換のアリール基を表し;n11、n12、n13およびn14は、各々独立に、0〜2のいずれかの整数を表し、n11、n12、n13およびn14の総和は1以上である。]
【化5】

[一般式[3]において、Z21は下記のいずれかの構造:
【化6】

を表し;X1およびX2は、ともに−CH−であるか、X1が単結合でX2が−CH=CH−であるか、X1が−CH=CH−でX2が単結合であり;pは0〜3のいずれかの整数を表し;qは0〜3のいずれかの整数を表し;L21は置換もしくは無置換のアリーレン基を表し;Py21は置換もしくは無置換ピリジル基を表し;n21は2〜6のいずれかの整数を表す。]
【化7】

[一般式[4]において、L31、L32およびL33は、各々独立に、単結合または置換もしくは無置換のアリーレン基を表し;Py31、Py32およびPy33は、各々独立に、置換もしくは無置換ピリジル基を表し;n31、n32およびn33は、各々独立に、1〜3のいずれかの整数を表す。]
【請求項5】
前記ドナー化合物が窒素素原子を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遅延蛍光材料。
【請求項6】
前記ドナー化合物が下記の一般式[11]〜[15]のいずれかで表される構造を有することを特徴とする請求項5に記載の遅延蛍光材料。
【化8】

[一般式[11]において、R51、R52、R53、R54、R55、R56は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;n51、n52、n53、n54、n55およびn56は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR51が結合しているとき、当該2つのR51は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR52が結合しているとき、当該2つのR52は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR53が結合しているとき、当該2つのR53は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR54が結合しているとき、当該2つのR54は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR55が結合しているとき、当該2つのR55は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR56が結合しているとき、当該2つのR56は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化9】

[一般式[12]において、R61、R62、R63、R64、R65およびR66は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;m61、m62およびm63は、各々独立に、1または2のいずれかを表し;n61、n62、n63、n64、n65およびn66は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR61が結合しているとき、当該2つのR61は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR62が結合しているとき、当該2つのR62は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR63が結合しているとき、当該2つのR63は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR64が結合しているとき、当該2つのR64は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR65が結合しているとき、当該2つのR65は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR66が結合しているとき、当該2つのR66は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化10】

[一般式[13]において、R71、R72、R73およびR74は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または
【化11】

を表し;R75およびR76は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;m71は、0または1を表し;n71、n72、n73、n74、n75およびn76は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR71が結合しているとき、当該2つのR71は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR72が結合しているとき、当該2つのR72は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR73が結合しているとき、当該2つのR73は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR74が結合しているとき、当該2つのR74は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR75が結合しているとき、当該2つのR75は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR76が結合しているとき、当該2つのR76は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化12】

[一般式[14]において、Qは、環状構造を形成するために必要な原子団を表し;R81、R82、R83およびR84は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し;n81、n82、n83およびn84は、各々独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR81が結合しているとき、当該2つのR81は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR82が結合しているとき、当該2つのR82は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR83が結合しているとき、当該2つのR83は互いに結合して連結基を形成していてもよく;ベンゼン環の隣り合う炭素原子にそれぞれR84が結合しているとき、当該2つのR84は互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
【化13】

[一般式[15]におけるR91およびR92は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。]
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の遅延蛍光材料を発光層に用いたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記発光層を、前記アクセプター化合物を含む層と前記ドナー化合物を含む層の間に積層した構造を有することを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−193352(P2012−193352A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40308(P2012−40308)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「2010年秋季 第71回応用物理学会学術講演会「講演予稿集」」のCD−ROMのラベル面のコピー及び該当箇所「エキサイプレックス状態の高い逆項間交差確率の検証」(17p−ZK−8)のコピー
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】