説明

遊具診断システム、遊具診断方法、遊具診断装置、遊具診断プログラム、留め具および遊具

【課題】定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価をすることの可能な遊具診断システムを提供する。
【解決手段】1または複数の振動発生装置2および振動検知装置3と、遊具診断装置4とを備える。振動発生装置2は、固定柱51および梁52などを備えた遊具5における固定柱51および梁52などに振動を与え、振動検知装置3は、固定柱51および梁52などの振動に応じた電気信号を出力するようになっている。遊具診断装置4は、電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データ42Bとを対比して固定柱51および梁52などの状態を診断し、その診断結果を出力するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非破壊で遊具の状態を診断する遊具診断システム、遊具診断方法、遊具診断装置および遊具診断プログラム、ならびに非破壊で遊具の状態を診断する遊具診断に際して好適に適用可能な留め具および遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、少子化、都市化に伴い、子供の発育に対する「遊びの価値」が見直されつつある。子供は遊びを通じて自らの限界に挑戦し、これにより身体的、精神的、社会的な面などを成長させ、自らの創造性や主体性を向上させていくものと考えられている。
【0003】
子供らの遊びには欠かせないブランコや滑り台などの遊具は、日本工業規格などの諸規格に沿った材料および加工がなされている。しかし、最近では、遊具による事故が頻繁に起こっており、神奈川県内だけでも緊急点検の必要がある遊具を設置している箇所が6600を超えていると言われている。遊具による事故が生じる原因の一つとして、日頃行われる遊具の点検方法や点検結果を踏まえたメンテナンスなど、遊具設置後の一貫した管理体制が確立されていないことが考えられる。
【0004】
現在、遊具の日常的な安全評価方法としては、材料の腐食度合いを目視、触診、聴診などで確認する主観的なものが一般的である(非特許文献1参照)。一方で、場当たり的に不定期に行われる安全評価方法としては、例えば、遊具の部材を分解したり削ったりし、腐食割れの深さや強度などを高度な精密機器を用いて詳細に検査する定量的かつ客観的なものがある。
【0005】
【非特許文献1】文部科学省“学校に設置している遊具の安全確保について”http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20021111001/t20021111001.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した主観的な方法では、検査者の過去の診断経験に基づいて検査が行われるので、安全評価基準が検査者の能力や経験に左右され易く、診断結果がばらつき易いという問題があった。また、上記した定量的かつ客観的な方法では、コストや手間がかかり過ぎて、日常的に検査を行うことができないという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価をすることの可能な遊具診断システム、遊具診断方法、遊具診断装置および遊具診断プログラム、ならびに定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価をすることの可能な遊具診断に際して好適に適用可能な留め具および遊具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊具診断システムは、1または複数の振動検知装置と、遊具診断装置とを備えたものである。ここで、振動検知装置は、1または複数の柱を少なくとも備えた遊具における柱の振動に応じた電気信号を出力するようになっている。また、遊具診断装置は、電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して柱の状態を診断し、その診断結果を出力するようになっている。
【0009】
本発明の遊具診断方法は、1または複数の柱を少なくとも備えた遊具を診断する方法である。この方法では、入力された振動に応じた電気信号を出力する1または複数の振動検知装置を柱に接して配置したのち、柱に刺激を与えて柱を振動させ、柱のうち振動検知装置の配置された部位の振動に応じて振動検知装置から出力された電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して前記柱の状態を診断する。
【0010】
本発明の遊具診断装置は、1または複数の柱を少なくとも備えた遊具の柱に接して配置された1または複数の振動検知装置から出力された柱の振動に応じた電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して柱の状態を診断し、その診断結果を出力する遊具診断部を備えている。
【0011】
本発明の遊具診断プログラムは、1または複数の柱を少なくとも備えた遊具の柱に接して配置された1または複数の振動検知装置から出力された柱の振動に応じた電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して柱の状態を診断する診断ステップと、診断ステップでの診断結果を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させるようにしたものである。
【0012】
本発明の遊具診断システム、遊具診断方法、遊具診断装置および遊具診断プログラムでは、振動検知装置から出力される、柱の振動に応じた電気信号に対して周波数分析が行われ、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して柱の状態が診断される。つまり、本発明では、遊具の部材を分解したり削る必要がなく、高度な精密機器を用いる必要もない。また、主観的な判断を必要とせず、だれでも簡単に検査を行うことができる。
【0013】
本発明の第1の留め具は、頂面を有する頭部と、頭部のうち頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に頂面と交差する方向に延在する軸部とを備えたものである。ここで、頭部および軸部のいずれか一方に、または頭部および軸部の双方にまたがって、当該軸部の延在方向および当該軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方に振動する振動発生部と、振動発生部の振動を制御する振動制御部と、振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信する受信部とを有している。
【0014】
本発明の第1の留め具では、頭部および軸部のいずれか一方に、または頭部および軸部の双方にまたがって振動発生部、振動制御部および受信部が設けられている。これにより、第1の留め具を例えば遊具の部材同士(例えば柱と梁)を固定するボルトやネジとして用いた場合には、振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信部に送信するだけで、遊具の部材に振動を与えることができる。
【0015】
本発明の第2の留め具は、頂面を有する頭部と、頭部のうち頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に頂面と交差する方向に延在する軸部とを備えたものである。ここで、頭部および軸部のいずれか一方に、または頭部および軸部の双方にまたがって、当該軸部の延在方向および当該軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方からの振動に応じた電気信号を出力する振動検知部と、振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置に送信する送信部とを有している。
【0016】
本発明の第2の留め具では、頭部および軸部のいずれか一方に、または頭部および軸部の双方にまたがって振動検知部および送信部が設けられている。これにより、第2の留め具を例えば遊具の部材同士(例えば柱と梁)を固定するボルトやネジとして用いた場合には、振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置で受信するだけで、遊具の部材の振動を検知することができる。
【0017】
本発明の第1の遊具は、1または複数の柱と、柱に固定された複数の留め具とを備えたものである。複数の留め具のうち一の留め具は、第1頂面を有する第1頭部と、第1頭部のうち第1頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に第1頂面と交差する方向に延在する第1軸部とを有している。ここで、第1頭部および第1軸部のいずれか一方に、または第1頭部および第1軸部の双方にまたがって、当該第1軸部の延在方向および当該第1軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方に振動する振動発生部と、振動発生部の振動を制御する振動制御部と、振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信する受信部とを有している。
【0018】
本発明の第1の遊具では、一の留め具において、第1頭部および第1軸部のいずれか一方に、または第1頭部および第1軸部の双方にまたがって振動発生部、振動制御部および受信部が設けられている。これにより、一の留め具を例えば遊具の部材同士(例えば柱と梁)を固定するボルトやネジとして用いた場合には、振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信部に送信するだけで、遊具の部材に振動を与えることができる。
【0019】
本発明の第2の遊具は、1または複数の柱と、柱に固定された複数の留め具とを備えたものである。複数の留め具のうち一の留め具は、頂面を有する頭部と、頭部のうち頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に頂面と交差する方向に延在する軸部とを有している。ここで、頭部および軸部のいずれか一方に、または頭部および軸部の双方にまたがって、当該軸部の延在方向および当該軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方からの振動に応じた電気信号を出力する振動検知部と、振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置に送信する送信部とを有している。
【0020】
本発明の第2の遊具では、一の留め具において、頭部および軸部のいずれか一方に、または頭部および軸部の双方にまたがって振動検知部および送信部が設けられている。これにより、第2の留め具を例えば遊具の部材同士(例えば柱と梁)を固定するボルトやネジとして用いた場合には、振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置で受信するだけで、遊具の部材の振動を検知することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の遊具診断装置および遊具診断方法によれば、振動検知装置から出力される、柱の振動に応じた電気信号に対して周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して柱の状態を診断するようにしたので、定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価をすることができる。
【0022】
本発明の第1の留め具および第1の遊具によれば、振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信部に送信するだけで、遊具の部材に振動を与えることができるようにしたので、遊具の部材に振動を与えることにより遊具診断を行う度に振動発生装置の設置作業を行う必要がなくなる。これにより、定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価を簡単に行うことが可能となる。
【0023】
本発明の第2の留め具および第2の遊具によれば、振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置で受信するだけで、遊具の部材の振動を検知することができるようにしたので、遊具の部材に振動を与えることにより遊具診断を行う度に振動検知装置の設置作業を行う必要がなくなる。これにより、定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価を簡単に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態に係る遊具診断システム1の概略構成を表したものである。本実施の形態の遊具診断システム1は、振動発生装置2、振動検知装置3および遊具診断装置4を備えている。
【0026】
振動発生装置2は、通信部21、振動制御部22および振動発生部23を有している。
【0027】
ここで、通信部21は、遊具診断装置4からの振動発生信号(後述)を受信するためのものであり、例えばアンテナおよび通信用ICなどを含んでいる。
【0028】
振動制御部22は、受信した振動発生信号に対応した振動条件で振動発生部23を振動させる制御を行うためのものであり、例えば制御用ICなどを含んでいる。この振動制御部22は、例えば、振動発生部12の振動周波数を所定の周波数帯内で連続的にまたは飛び飛びに変化させる制御を行うようになっている。
【0029】
振動発生部23は、振動源および固定部を含んで構成されている。この振動源は、振動制御部22からの制御信号に応じて所定の周波数帯内の任意の振動周波数で振動することが可能となっており、少なくとも振動発生装置2の取付面(被診断対象と固定部とが互いに接する面)と交差する方向に振動し、被診断対象に振動源の振動を与えることができるようになっている。このような振動源として、例えば、数100Hzから数10kHzまで振動可能なモータが挙げられる。また、固定部は、振動源の振動を最小限のロスで被診断対象に伝達すると共に振動源を被診断対象に固定するためのものであり、振動発生装置2の取付面を被診断対象と密着させることの可能な材料、例えば、両面テープや、(被診断対象が金属の場合には)マグネットなどからなる。
【0030】
振動検知装置3は、通信部31、信号処理部32および振動検知部33を有している。
【0031】
ここで、通信部31は、遊具診断装置4へ電気信号(後述)を送信するためのものであり、例えばアンテナおよび通信用ICなどを含んでいる。
【0032】
信号処理部32は、電気信号に対して所定の信号処理を施すためのものであり、例えば信号処理用ICなどを含んでいる。
【0033】
振動検知部33は、振動検知素子および固定部を含んで構成されている。この振動検知素子は、振動発生装置2が被診断対象に与えた振動のうち振動検知部33にまで伝播してきた振動を検知するためのものであり、少なくとも振動検知装置3の取付面(被診断対象と固定部とが互いに接する面)と交差する方向の振動を検知することができるようになっている。振動検知素子は、例えば、圧電型の加速度センサ、心音センサ、コンデンサマイクロフォンからなり、振動検知部33にまで伝播してきた振動を、振動の伝播方向や大きさに応じた電気信号に変換するようになっている。また、固定部は、被診断対象の振動を最小限のロスで振動検知素子に伝達すると共に振動検知素子を被診断対象に固定するためのものであり、振動検知装置3の取付面を被診断対象と密着させることの可能な材料、例えば、両面テープや、(被診断対象が金属の場合には)マグネットなどからなる。
【0034】
遊具診断装置4は、制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44および入力部45を有している。
【0035】
ここで、制御部41は、プログラムの命令を解釈し、実行するためのもので、例えばCPU(Central Processing Unit )を含んで構成されている。
【0036】
記憶部42は、遊具診断プログラム42Aおよび基準データ42Bを記憶している。遊具診断プログラム42Aは、遊具診断のための一連の手順を制御部41に実行させるためのものである。なお、この一連の手順の詳細については後述する。基準データ42Bは、所定の安全基準を満たす遊具の部材(例えば柱)から得られた計測データ(レファレンスデータ)と、遊具の部材の交換の要否の判断に用いる閾値データとを含んでいる。この計測データには、遊具の種類(例えば、滑り台、ブランコ)、遊具の材料(例えば、木材、金属、樹脂、コンクリート)、遊具の部位(例えば、柱、梁)ごとのデータが含まれている。閾値データについても、遊具の種類、材料、部位ごとのデータが含まれている。
【0037】
通信部43は、振動発生装置2および振動検知装置3と通信を行うためのものであり、振動発生装置2に振動発生信号を送信したり、振動検知装置3からの電気信号を受信したりすることが可能となっている。
【0038】
表示部44は、例えば、制御部41におけるプログラムの実行結果(例えば診断結果)を表示したり、制御部41におけるプログラムの実行に際して情報入力を支援するための表示をするためのものであり、例えば液晶ディスプレイからなる。
【0039】
入力部45は、制御部41におけるプログラムの実行に際して情報を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウスからなる。
【0040】
図2は、図1の遊具診断システム1を遊具5の診断に用いた際の様子を模式的に表したものである。図3は、図2の破線で囲まれた部分を拡大して表したものである。
【0041】
図2、図3では、振動発生装置2および振動検知装置3は、取り扱いの容易性および計測の安定性を確保するなどの目的で、帯状の固定ベルト6に取り付けられており、固定ベルト6と共に診断ベルト7を構成している。ここで、固定ベルト6は、振動発生装置2および振動検知装置3を被診断対象である柱51(後述)に密着固定した際に、振動発生装置2および振動検知装置3が柱51を間にして互いに対向するように調整可能な構造となっている。
【0042】
被診断対象である遊具5は、図2に示したように、所定の部材で構成された椅子50と、遊具5を地面に固定する複数の固定柱51と、椅子50を中空に支持する梁52と、固定柱51および梁52のぐらつきを防止する小梁53,54と、固定柱51、梁52および小梁53,54を連結する留め具55と、椅子50を揺動可能に梁52と連結する鎖56とを備えた木製のブランコである。
【0043】
この遊具5では、固定柱51の両端部(上端部51Aおよび下端部51C)や、梁52および小梁53,54の両端部が外部に露出しており、さらに、固定柱51の下端51Cは地面と接している。また、留め具55が固定柱51、梁52および小梁53,54に打ち込まれており、椅子50を揺動可能に支持する鎖56を固定する部材(図示せず)が梁52に打ち込まれている。
【0044】
ここで、固定柱51、梁52および小梁53,54の両端部や、これらに留め具55や固定部材が打ち込まれている箇所は、通常、外部環境の影響を受けて劣化し易く、長年の使用により、これらの箇所には、遊具5の強度を低下させる不良(ひび、割れ、腐敗など)が生じ易い。特に、固定柱51の下端部51Cは地面と接しているので、遊具5の中で最も不良の生じやすい部位と言える。また、図4に例示したように、例えば固定柱51には、一般的に節51Dが存在しており、節51Dの周囲51Eには水が溜まりやすく、節51Dの周囲51Eが腐り易い。また、図示しないが、シロアリなどによる虫食いによって遊具51のいたるところに空洞が生じている可能性がある。
【0045】
このように、遊具5には、遊具5の強度を低下させる様々な不良が様々な部位に生じる可能性があり、遊具5の日常的な点検において、目視、触診、聴診などで確認する主観的な手法を用いていたのでは、遊具5による事故が起こる前に遊具5の危険性を的確に把握することは極めて困難であると言える。そこで、遊具5に少しでも危険の兆候が見られたら、すぐに遊具5の使用を中止したり、撤去したりするという手法も考えられる。しかし、そのようにした場合には、実際には、遊具5による事故が発生する可能性が全くないか、ほとんどないにも拘わらず、遊具5の使用中止や撤去を行ってしまっている可能性が高く、極めて不経済である。また、遊具5の部材を分解したり削ったりし、腐食割れの深さや強度などを高度な精密機器を用いて詳細に検査することも考えられる。しかし、そのようにした場合には、検査の度に、遊具5の部材を分解したり削ったりするので、検査によって遊具5に不良の原因を与えてしまう虞があるだけでなく、コストや手間がかかり過ぎて、日常的に検査を行うことができないという問題がある。また、検査の度に遊具5が長期間使えなくなり、遊具5としての役割を十分に果たすことができなくなる虞がある。
【0046】
一方、本実施の形態の遊具診断システム1では、これらの問題を一挙に解決することが可能であり、有用性の極めて高いものであると言える。以下、この遊具診断システム1の動作について詳細に説明する。
【0047】
図5は、本実施の形態の遊具診断システム1おける遊具診断の手順を表したものである。この図では、遊具診断システム1を用いるユーザ8、遊具診断装置4、振動発生装置2および振動検知装置3の相互間のやり取りをわかりやすくするために、ユーザ8、遊具診断装置4、振動発生装置2および振動検知装置3ごとに流れを示した。
【0048】
遊具診断を行うにあたって、まず、ユーザ8が診断ベルト7を遊具5に設置する(ステップS101)。例えば、図2に示したように、固定柱51の上端部51A、中央部51B、下端部51Cに診断ベルト7を巻き付ける。このとき、振動発生装置2と振動検知装置3が固定柱51にしっかりと密着するように診断ベルト7を巻き付ける。
【0049】
次に、ユーザ8が遊具診断プログラム42Aの起動を遊具診断装置4に要求する(ステップS101)。例えば、表示部44に表示されているアイコンをマウスでクリックする。すると、遊具診断プログラム42Aが起動され(ステップS103)、遊具5の情報入力が要求される(ステップS104)。例えば、表示部44に入力フォームが表示される。
【0050】
次に、ユーザ8は遊具5の情報(例えば、遊具5の種類、材料、診断ベルト7の設置部位など)を入力し、診断実行を要求する(ステップS105)。例えば、マウスやキーボードを用いて表示部44に表示された入力フォーム内の各項目(例えば、遊具5の種類、材料、診断ベルト7の設置部位など)を埋めたのち、診断実行ボタンをマウスでクリックする。
【0051】
すると、遊具診断装置4において、遊具5の入力情報に基づいて振動発生装置2の振動条件が決定され、その条件に対応する振動発生信号が出力される(ステップS106)。例えば、遊具5の種類としてブランコを、材料としてひのきを、診断ベルト7の設置部位として固定柱51の上端部51A、中央部51B、下端部51Cが入力された場合には、1500Hzを中心とする所定の周波数帯内を連続的に掃印する動作を、上端部51A、中央部51B、下端部51Cの順に順次実行することを要求する振動発生信号が生成され、その振動発生信号が振動発生装置2に送信される。
【0052】
遊具診断装置4から送信された振動発生信号は振動発生装置2で受信され、その受信された振動発生信号に対応した振動条件で振動発信部21が振動させられる(ステップS107)。例えば、1500Hzを中心とする所定の周波数帯内を連続的に変化する振動が、上端部51A、中央部51B、下端部51Cの順に発生する。
【0053】
この振動発信部21での振動は、固定柱51の内部を伝播し、固定柱51の上端部51A、中央部51B、下端部51Cに設置されたそれぞれの振動検知部33において検知され、振動検知部33の配置された部位における振動の向きや大きさに応じた電気信号が振動検知装置3から出力される(ステップS108)。
【0054】
このとき、固定柱51の内部の伝播経路中に、遊具5の強度を低下させる不良が存在する場合には、そのような不良が無い場合とは異なる周波数分布の振動が振動検知部33において検知される。また、振動検知部33から電気信号に対して信号処理部32によって何らかの信号処理がなされたものが振動検知装置3から出力されてもよい。
【0055】
振動検知装置3から送信された電気信号は遊具診断装置4で受信され、その受信された電気信号に対して周波数分析(例えばウェーブレット変換)が行われ、計測データが導出される(ステップS109)。その後、得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データ42Bとが対比され、固定柱51の状態が診断され、その診断結果が表示部44に出力される(ステップS110)。
【0056】
例えば、下端部51Cの振動発信部21を振動させたときに下端部51Cの振動検知部33で得られた電気信号に対して周波数分析をかけたときに得られた計測データが基準データから大きくずれている一方で、他の計測データが基準データとほぼ一致していた場合に、そのずれ量が所定の閾値を超えていなかったときには、固定柱51の下端部51Cに何らかの不良が発生しているものの、固定柱51を交換するほどの不良ではないと遊具診断装置4によって判断され、固定柱51の下端部51Cに何らかの不良が発生しているが、固定柱51の交換は今のところ不要との診断結果が表示部44に表示される。その逆に、そのずれ量が所定の閾値を超えていたときには、固定柱51の下端部51Cに重大な不良が発生しており、固定柱51を交換する必要があると遊具診断装置4によって判断され、固定柱51の下端部51Cに生じた重大な不良により固定柱51の交換が必要との診断結果が表示部44に表示される。
【0057】
また、例えば、下端部51Cの振動発信部21を振動させたときに下端部51Cの振動検知部33で得られた電気信号に対して周波数分析をかけたときに得られた計測データが基準データから大きくずれている一方で、他の計測データが基準データとほぼ一致していた場合に、計測データを基準データで規格化し、規格化した後の計測データが所定の閾値を超えていなかったときには、固定柱51の下端部51Cに何らかの不良が発生しているものの、固定柱51を交換するほどの不良ではないと遊具診断装置4によって判断され、固定柱51の下端部51Cに何らかの不良が発生しているが、固定柱51の交換は今のところ不要との診断結果が表示部44に表示される。その逆に、規格化した後の計測データが所定の閾値を超えていたときには、固定柱51の下端部51Cに重大な不良が発生しており、固定柱51を交換する必要があると遊具診断装置4によって判断され、固定柱51の下端部51Cに生じた重大な不良により固定柱51の交換が必要との診断結果が表示部44に表示される。
【0058】
このように、本実施の形態の遊具診断システム1では、振動検知装置3から出力される、遊具5の所定の部位(固定柱51)の振動に応じた電気信号に対して周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データ42Bとを対比して遊具5の所定の部位(固定柱51)の状態が診断される。つまり、本実施の形態では、遊具5の部材を分解したり削る必要がなく、高度な精密機器を用いる必要もない。また、主観的な判断を必要とせず、だれでも簡単に検査を行うことができる。これにより、定量的かつ客観的に遊具の日常的な安全評価をすることができる。
【0059】
[変形例]
上記実施の形態では、振動発生装置2を固定柱51の上端部51A、中央部51B、下端部51Cに設置した場合について説明したが、その他の部位、例えば、固定柱51の節51Dや、固定柱51の節51Dの周囲51Eに設置してもよい。固定柱51の節51Dに設置した場合には、硬い節51Dを介して固定柱51全体に大きな振動を与えることができるので、ノイズの影響を低減するができる。また、固定柱51の節51Dの周囲51Eに設置した場合には、腐敗しやすい周囲51Eの不良の有無を確実に発見することができる。
【0060】
また、上記実施の形態では、振動発生装置2および振動検知装置3を固定ベルト6と共に一体に設けていたが、独立して設けてもよい。このように、振動発生装置2および振動検知装置3を独立して設けた場合には、振動発生装置2や振動検知装置3を留め具55の内部に設けることも可能である。
【0061】
例えば、図6に示したように、留め具55が、頂面55Cを有する頭部55Aと、頭部55Aのうち頂面55Cとは反対側の部位に一体的に形成されると共に頂面55Cと交差する方向に延在する軸部55Bとにより構成されており、その内部に(具体的には、頭部55Aおよび軸部55Bのいずれか一方に、または頭部55Aおよび軸部55Bの双方にまたがって)、振動発生部21、振動制御部22、(外部の情報処理装置からの制御信号を受信する)通信部23を設けることも可能である。ここで、振動発生部21は、軸部55Bの延在方向および軸部55Bの延在方向と交差する方向の少なくとも一方に振動するようになっていることが好ましい。このように留め具55をこのような構成とした場合には、例えば固定柱51の内部から固定柱51を振動させることができるので、固定柱51全体に大きな振動を与えることができ、ノイズの影響を低減するができる。
【0062】
また、例えば、図7に示したように、留め具55の内部に(具体的には、頭部55Aおよび軸部55Bのいずれか一方に、または頭部55Aおよび軸部55Bの双方にまたがって)、振動検知部31、信号処理部32、(外部の情報処理装置に電気信号を送信する)通信部33を設けることも可能である。ここで、振動検知部31は、軸部55Bの延在方向および軸部55Bの延在方向と交差する方向の少なくとも一方からの振動に応じた電気信号を出力するようになっていることが好ましい。このように留め具55をこのような構成とした場合には、例えば固定柱51の振動を固定柱51の内部で検知することができるので、固定柱51の振動を低損失で検知することができ、ノイズの影響を低減するができる。
【0063】
なお、上記図6、図7に示した留め具55を、図2に例示した部位だけでなく、任意の部位、例えば、固定柱51の上端部51A、中央部51B、下端部51C、節51D、節51Dの周囲51Eなどに設置する(埋め込む)ことが可能である。このようにした場合には、遊具5の様々な不良を様々な部位で容易に計測することが可能となる。
【0064】
また、振動発生装置2および振動検知装置3を独立して設けた場合には、振動発生装置2の代わりに、例えば固定柱51の表面を打撃することの可能な打撃装置9を用いることが可能となる。打撃装置9として、例えば、図8に示したようなハンマーを用いたり、例えば、図9に示したように、打撃球9Aと打撃開始スイッチ9Bを有する銃を用いることが可能となる。このとき、図8、図9に示したように、診断ベルト7のうち振動検知装置3との対向部位に開口部7Aを設けた場合には、その開口部7A内に露出した部分を狙って打撃装置9で打撃することが可能となるので、打撃する者ごとに打撃箇所がばらつくのを防止することができる。
【0065】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明の遊具診断システムについて説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、本発明の遊具診断システムの構成は、上記実施の形態等と同様の効果を得ることが可能な限りにおいて自由に変形可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊具診断システムの概略構成図である。
【図2】図1の遊具診断システムを遊具に適用したときの様子を表す外観図である。
【図3】図2の破線で囲まれた部分の拡大図である。
【図4】図2の固定柱について説明するための概念図である。
【図5】図1の遊具診断システムの動作について説明するための流れ図である。
【図6】留め具の一構成例について説明するための断面図である。
【図7】留め具の他の構成例について説明するための断面図である。
【図8】図1の振動発生装置の一変形例について説明するための概略図である。
【図9】図1の振動発生装置の他の変形例について説明するための概略図である。
【符号の説明】
【0067】
1…遊具診断システム、2,9…振動発生装置、3…振動検知装置、4…遊具診断装置、5…遊具、6…固定ベルト、7…診断ベルト、7A…開口部、8…ユーザ、21,31,43…通信部、22…振動制御部、23…振動発生部、32…信号処理部、33…振動検知部、41…制御部、42…記憶部、42A…遊具診断プログラム、42B…基準データ、44…表示部、45…入力部、50…椅子、51…固定柱、51A…上端部、51B…中央部、51C…下端部、51D…節、51D…節の周囲、52…梁、53,54…子梁、55…留め具、55A…頭部、55B…軸部、55C…頂面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の柱を少なくとも備えた遊具の前記柱の振動に応じた電気信号を出力する1または複数の振動検知装置と、
前記電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して前記柱の状態を診断し、その診断結果を出力する遊具診断装置と
を備えたことを特徴とする遊具診断システム。
【請求項2】
前記柱の表面および内部の少なくとも一方に接して配置する振動発生部と、前記振動発生部の振動を制御する振動制御部とを有する振動発生装置を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の遊具診断システム。
【請求項3】
前記振動制御部は、前記振動発生部の振動周波数を所定の周波数帯内で連続的にまたは飛び飛びに変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の遊具診断システム。
【請求項4】
前記振動発生部は、前記柱の端部、節、または節の周囲に接して配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の遊具診断システム。
【請求項5】
前記柱の表面および内部の少なくとも一方を打撃することの可能な打撃装置を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の遊具診断システム。
【請求項6】
前記打撃装置は、ハンマー、または剛体を放出可能な銃である
ことを特徴とする請求項5に記載の遊具診断システム。
【請求項7】
前記打撃装置は、前記柱の端部、節、または節の周囲を打撃する
ことを特徴とする請求項5に記載の遊具診断システム。
【請求項8】
前記基準データは、所定の安全基準を満たす柱から得られた計測データを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の遊具診断システム。
【請求項9】
前記診断結果は、前記柱の交換の要否についての情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の遊具診断システム。
【請求項10】
前記遊具診断装置は、前記計測データと前記基準データとの差分を導出し、導出した差分が所定の閾値を超える場合には、前記柱を交換する必要があると判断し、導出した差分が前記所定の閾値を超えない場合には、前記柱を交換する必要はないと判断する
ことを特徴とする請求項9に記載の遊具診断システム。
【請求項11】
前記遊具診断装置は、前記計測データを前記基準データで規格化し、規格化した後の計測データが所定の閾値を超える場合には、前記柱を交換する必要があると判断し、規格化した後の計測データが前記所定の閾値を超えない場合には、前記柱を交換する必要はないと判断する
ことを特徴とする請求項9に記載の遊具診断システム。
【請求項12】
1または複数の柱を少なくとも備えた遊具の診断方法であって、
入力された振動に応じた電気信号を出力する1または複数の振動検知装置を前記柱に接して配置したのち前記柱の所定の部位に振動を与え、前記柱のうち前記振動検知装置の配置された部位の振動に応じて前記振動検知装置から出力された電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して前記柱の状態を診断する
ことを特徴とする遊具診断方法。
【請求項13】
前記柱の表面および内部の少なくとも一方に振動発生装置を接して配置し、その振動発生装置を振動させることにより、前記柱の表面および内部の少なくとも一方に振動を与える
ことを特徴とする請求項12に記載の遊具診断方法。
【請求項14】
前記振動発生装置の振動周波数を前記所定の周波数帯内で連続的にまたは飛び飛びに変化させることにより、前記柱の表面および内部の少なくとも一方に振動を与える
ことを特徴とする請求項13に記載の遊具診断方法。
【請求項15】
前記柱の端部、節、または節の周囲に前記振動発生装置を接して配置し、その振動発生装置を振動させることにより、前記柱の端部、節、または節の周囲に振動を与える
ことを特徴とする請求項13に記載の遊具診断方法。
【請求項16】
前記柱の表面および内部の少なくとも一方を打撃装置で打撃することにより、前記柱の表面および内部の少なくとも一方に振動を与える
ことを特徴とする請求項12に記載の遊具診断方法。
【請求項17】
前記打撃装置は、ハンマー、または剛体を放出可能な銃である
ことを特徴とする請求項16に記載の遊具診断方法。
【請求項18】
前記柱の端部、節、または節の周囲を前記打撃装置で打撃することにより、前記端部、節、または節の周囲に振動を与える
ことを特徴とする請求項16に記載の遊具診断方法。
【請求項19】
前記基準データは、所定の安全基準を満たす柱から得られた計測データを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の遊具診断方法。
【請求項20】
前記計測データと前記基準データとの差分を導出し、導出した差分が所定の閾値を超える場合には、前記柱を交換する必要があると判断し、導出した差分が前記所定の閾値を超えない場合には、前記柱を交換する必要はないと判断する
ことを特徴とする請求項12に記載の遊具診断方法。
【請求項21】
前記計測データを前記基準データで規格化し、規格化した後の計測データが所定の閾値を超える場合には、前記柱を交換する必要があると判断し、規格化した後の計測データが前記所定の閾値を超えない場合には、前記柱を交換する必要はないと判断する
ことを特徴とする請求項12に記載の遊具診断方法。
【請求項22】
1または複数の柱を少なくとも備えた遊具の前記柱に接して配置された1または複数の振動検知装置から出力された前記柱の振動に応じた電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して前記柱の状態を診断し、その診断結果を出力する遊具診断部を備えた
ことを特徴とする遊具診断装置。
【請求項23】
1または複数の柱を少なくとも備えた遊具の前記柱に接して配置された1または複数の振動検知装置から出力された前記柱の振動に応じた電気信号の周波数分析を行い、これにより得られた計測データと、あらかじめ用意された基準データとを対比して前記柱の状態を診断する診断ステップと、
前記診断ステップでの診断結果を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする遊具診断プログラム。
【請求項24】
頂面を有する頭部と、
前記頭部のうち前記頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に前記頂面と交差する方向に延在する軸部と
を備え、
前記頭部および前記軸部のいずれか一方に、または前記頭部および前記軸部の双方にまたがって、当該軸部の延在方向および当該軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方に振動する振動発生部と、前記振動発生部の振動を制御する振動制御部と、前記振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信する受信部とを有する
ことを特徴とする留め具。
【請求項25】
頂面を有する頭部と、
前記頭部のうち前記頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に前記頂面と交差する方向に延在する軸部と
を備え、
前記頭部および前記軸部のいずれか一方に、または前記頭部および前記軸部の双方にまたがって、当該軸部の延在方向および当該軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方からの振動に応じた電気信号を出力する振動検知部と、前記振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置に送信する送信部とを有する
ことを特徴とする留め具。
【請求項26】
1または複数の柱と、
前記柱に固定された複数の留め具と
を備えた遊具であって、
前記複数の留め具のうち一の留め具は、
第1頂面を有する第1頭部と、
前記第1頭部のうち前記第1頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に前記第1頂面と交差する方向に延在する第1軸部と
を有し、
前記第1頭部および前記第1軸部のいずれか一方に、または前記第1頭部および前記第1軸部の双方にまたがって、当該第1軸部の延在方向および当該第1軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方に振動する振動発生部と、前記振動発生部の振動を制御する振動制御部と、前記振動制御部を制御する制御信号を外部の情報処理装置から受信する受信部とを有する
ことを特徴とする遊具。
【請求項27】
前記複数の留め具のうち他の留め具は、
第2頂面を有する第2頭部と、
前記第2頭部のうち前記第2頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に前記第2頂面と交差する方向に延在する第2軸部と
を有し、
前記第2頭部および前記第2軸部のいずれか一方に、または前記第2頭部および前記第2軸部の双方にまたがって、当該第2軸部の延在方向および当該第2軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方からの振動に応じた電気信号を出力する振動検知部と、前記振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置に送信する送信部とを有する
ことを特徴とする請求項26に記載の遊具。
【請求項28】
1または複数の柱と、
前記柱に固定された複数の留め具と
を備えた遊具であって、
前記複数の留め具のうち一の留め具は、
頂面を有する頭部と、
前記頭部のうち前記頂面とは反対側の部位に一体的に形成されると共に前記頂面と交差する方向に延在する軸部と
を備え、
前記頭部および前記軸部のいずれか一方に、または前記頭部および前記軸部の双方にまたがって、当該軸部の延在方向および当該軸部の延在方向と交差する方向の少なくとも一方からの振動に応じた電気信号を出力する振動検知部と、前記振動検知部から出力された電気信号を外部の情報処理装置に送信する送信部とを有する
ことを特徴とする遊具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−115581(P2009−115581A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288225(P2007−288225)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【出願人】(507367769)ビーエムイー株式会社 (3)
【出願人】(505229195)株式会社エコム (6)
【Fターム(参考)】