説明

遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置及び方法

【課題】検査に時間がかかることがなく、費用も低減できる遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置を提供する。
【解決手段】勾配のある軌条1を自重によって走行する移動体4に、軌条1の厚さを測定する厚さ計7、移動体4の走行距離を測定する距離計30を搭載する。厚さ計7が測定した厚さのデータ、及び距離計30が測定した走行距離のデータを演算装置35により信号処理し、遊戯施設の軌条1の厚さの摩耗量が所定未満であるかを評価する。移動体2を自重によって走行させながら厚さデータ及び距離データを得ることができるので、移動体2が軌条1を走行し終わるまでの短い時間で検査を終了することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェットコースターの軌条又はウォータースライダの滑走路の肉厚を測定するための厚さ測定装置に関する。また本発明は、測定対象物の肉厚を測定する厚さ計に関する。
【背景技術】
【0002】
ジェットコースターの軌条は繰り返しの使用により摩耗する。軌条がひどく摩耗すると、事故を招くおそれが生ずる。ジェットコースターの事故を完全に防ぐためには、ジェットコースターの車輪だけでなく、軌条の摩耗も点検する必要がある。遊戯施設の検査基準(JISA1701)には、軌条、走路、水路の厚さを定期に(例えば1年に1回)測定検査し、軌条の摩耗量を当初厚さの15%以下、走路、水路の摩耗量を当初厚さの10%以下に管理することが定められている。
【0003】
従来のジェットコースターの軌条の検査方法は以下のように行われていた。まず、ジェットコースターの軌条に合わせて足場を組んだり、高所作業車を入れたりする。そして、足場や高所作業車に乗り上がり、汎用の超音波センサを人手で軌条に押し付け、軌条の厚さを測定していた。この作業はジェットコースターの営業が終了した夜間に行われる。ジェットコースターの軌条は高い位置にあったり、急激に曲がったりして、様々な形状をしている。このため、軌条の厚さを測定するにあたり、足場や高所作業車が必要になる。
【0004】
なお、特許文献1には、ジェットコースターの軌条ではないものの、鉄道の線路の左右一対のレールが基準位置に対して変位しているか否かを検知する軌道検測車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−241322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のジェットコースターの軌条の検査方法にあっては、数kmの軌条の全長を検査するのに数メートルごとの粗い精度でも数カ月を要していた。しかも、足場や高所作業車が必要になったり、天候、気温、照明等の環境の影響を受けたりするので、高額な検査費用も必要であった。
【0007】
ジェットコースターの軌条だけでなく、ウォータースライダの滑走路も長年の使用により摩耗する。遊戯施設のウォータースライダの滑走路の摩耗を検査するにあたっても同様な問題が生じていた。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を解決し、検査に時間がかかることがなく、検査費用も低減できる遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
さらに本発明の他の目的は、ジェットコースターの軌条やウォータースライダの滑走路の厚みを測定するのに適する廉価な測定対象物の厚さ計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ジェットコースターの軌条又はウォータースライダの滑走路の肉厚を測定する遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置であって、勾配のある軌条又は滑走路を自重によって走行する移動体に搭載され、前記軌条又は前記滑走路の厚さを測定する厚さ計と、前記移動体に搭載され、前記移動体の走行距離を測定する距離計と、前記厚さ計が測定した厚さのデータ、及び前記距離計が測定した走行距離のデータを信号処理する演算装置と、を備える遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置である。
【0011】
本発明の他の態様は、測定対象物の肉厚を測定する測定対象物の厚さ計であって、前記測定対象物の表面を滑るそりと、前記測定対象物に接触することのないように前記そりに取り付けられる超音波センサと、前記そりを前記測定対象物の表面に押し付ける付勢手段と、前記そりと前記測定対象物との間に液体を供給するためのポンプと、を備える測定対象物の厚さ計である。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の一態様によれば、移動体を走行させながら厚さデータ及び距離データを得ることができるので、軌条又は滑走路の全長を移動体が走行し終わるまでの短い時間で検査を終了することができる。しかも、ジェットコースターの軌条やウォータースライダの滑走路は40度以上の急勾配になることもある。急勾配の軌条又は滑走路を自走する台車を製造するのは困難であるし、製造できたとしても極めて高価なものになる。軌条又は滑走路を自重によって走行する営業用の車両、補修専用の車両等の移動体に厚さ計及び距離計を搭載することで、測定装置全体のコストを抑えることができる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、超音波センサを測定対象物に直接接触させるのではなく、そりの上に載せることにより、超音波センサが摩耗するのを防止することができる。さらに、付勢手段によってそりを測定対象物に押し付け、そりと測定対象物との間に液体を供給することにより、そりと測定対象物との間の摩擦を低減できると共に、測定対象物の厚さを正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ジェットコースターの軌条を示す断面図
【図2】そり方式の厚さ計を示す図(図中(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は(b)のb−b線断面図を示す)
【図3】タイヤ方式の厚さ計を示す図(図中(a)は断面図を示し、(b)は側面図を示す)
【図4】レールの表面及び裏面で反射するエコーの概念図
【図5】パーソナルコンピュータによって創出される軌条長さと肉厚との関係を示すグラフ
【図6】本発明の一実施形態の測定装置の全体構成図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本発明の遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置を説明する。図1は遊戯施設のジェットコースター用の軌条としての左右一対のレール1の断面図を示す。レール1の断面形状は、例えば丸形又は四角形に形成される。左右一対のレール1はレール1を支持する略Y字形の架台に固定され、レール1の位置は架台によって決定される。架台2は、鉄板等からなり、レール1の長手方向に多数設けられる。多数の架台2は地面上に建てられた支柱に支えられる。ジェットコースターのレール1は屋内に設置されることも屋外に設置されることもある。
【0016】
この左右一対のレール1上を移動体としての営業用の車両、補修専用の車両等の車両4が走行する。車両4は自走するためのエンジン、モータ等の駆動装置を有することはなく、勾配のあるレール1を自重のみによって走行する。レール1の始めには、これらの車両4を一番高いところに持ち上げるキャタピラー方式又はチェーン方式の持ち上げ装置が設置される。一番高いところまで持ち上げられた車両4は、その後自重によってレール1の終わりまで走行する。車両4がレール1の終わりまで走行すると、ディスクブレーキ等の外部ブレーキが車両4に作用し、車両4にブレーキをかける。
【0017】
車両4には、一本のレール1に対して例えば三つの車輪5a,5b,5cが取り付けられる。車輪には、車両4が走行するための走行用車輪5a、揺れ止めガイド車輪5b、及び走行用車輪5aがレール1から浮き上がるのを防止する走行案内車輪5cがある。車輪5a,5b,5cの外周部はゴム製等である。レール1と車輪5a,5b,5cとは金属接触することなく、金属製のレール1の上を車輪5a,5b,5cが転がる。車輪5b,5cはスプリングを介してレール1に押し付けられる構造で、車輪5a,5b,5cがレール1に密着するように配慮されている。レール1には急カーブもあるので、車輪5a,5b,5cがレール1上を滑ることもある。左右のレール1それぞれの、車輪5a,5b,5cとの接触部でレール1が摩耗する。
【0018】
車両4には、乗客が座る椅子が設けられる。車両4の形式として一般的なのは、座席シート形式、車両型、船型等である。
【0019】
測定装置の一式は、車両4に搭載される。レール1の摩耗劣化が想定される箇所のレール1の厚さが、超音波センサによって連続的に測定される。車両4はレール1上を例えば百km/hに近い高速で走行する。車両4が高速に移動してもレール1の摩耗が想定される箇所の厚さを正確に測定するために超音波センサが用いられる。超音波の伝播速度は高速であり、エコーが反射して戻ってくるまでの時間が極めて短いという特徴がある。一チャンネルの超音波センサを使用して走行毎にセンサの設置場所を変更する方法や、多チャンネルの超音波センサを使用して数回に分けて測定する方法や、多チャンネルの超音波センサを使用して一度に全箇所を測定する方法が採用される。この実施形態では、左右のレール1それぞれの、車輪5a,5b,5cとの三つの接触点に対応する位置に、例えば三つの超音波センサが設置され、一度に六ヶ所を同時に測定する。
【0020】
図2は、厚さ計の一例としてのそり方式の厚さ計7を示す。厚さ計7は、車両4に取り付け治具を介して取り付けられる。車両4が急峻なカーブや、登り・下り等してもレール1の厚さを精度良く測定できるように、厚さ計7のそり10は付勢手段としてのコイルスプリング8によってレール1に押し付けられる。
【0021】
そり10は、移動方向の両端部が上側(レール1から離間する側)に湾曲する板状に形成される。そり10の材料は、ポリペンコPEEK等の樹脂又は鋼板(ステンレス等)である。樹脂を使用すると、超音波が減衰するのを防止することができる。樹脂の中でも特にポリペンコPEEKを使用すると、耐摩耗性も向上させることができる。鋼板を使用すると、樹脂に比べて超音波が減衰し易くなるものの、格段に耐摩耗性を向上させることができる。鋼板の肉厚を薄くすることにより、超音波の減衰性を改善することができる。鋼板では、ステンレス鋼を使用するのが、耐食性が良く、肉厚を薄くすることができ、好ましい。
【0022】
そり10には、そり10に対して直交する例えば二本の平行な支持棒9が取り付けられる。車両4には取付け治具を介してブラケット11が取り付けられる。二本の支持棒9はその長さ方向にスライド可能にブラケット11に組み付けられる。支持棒9には、弾性手段としてのコイルスプリング8が巻かれる。コイルスプリング8はブラケット11とそり10との間に介在され、そり10をレール1の表面に押し付ける。またコイルスプリング8は、レール1からそり10に働く衝撃を緩和する役割も持つ。コイルスプリング8の強度は、車両4が高速度で走行してもデータを取れる硬さに設定される。
【0023】
そり10には、上下方向に貫通する孔12が空けられる。この孔12には、ポンプに繋がる配管13が接続される。ポンプから配管13を経由して供給される水は、流路となるそり10の孔12を通過して、そり10とレール1との間に供給される。なお、この例では、そり10に対して直角に孔12を空けているが、高速走行を考慮して孔12を斜めに空けてもよい。
【0024】
そり10とレール1との間に薄い水の皮膜を形成することにより、摩擦を低減でき、またそり10とレール1との間に超音波を確実に伝播することができる。水が途切れ、そり10とレール1との間に空気が介在するようになると、超音波の伝播も途切れる。水の替わりに高粘土の油を使用すると、超音波をより高速度で伝播させることができる。ただし、油が地上や歩行者の上に落ちるのを防止するために、水を使用するのが望ましい。そり10には、水を拭き取ったり、掻き落とすワイパー(図示せず)が取り付けられてもよい。
【0025】
そり10に水を供給するポンプ14、水を貯留するタンク15は、車両4に搭載される(図6参照)。ポンプ14には、細いチューブ状の配管でも水を供給できるよう、例えばDCバッテリーで作動するギヤポンプが用いられる。タンク15には、車両4が急カーブを曲がったときにも空気をかませずに水を供給できるようにフロート式のサクションが用いられるのが望ましい。タンクの水面に浮かしたフロートから水を吸うことで、車両4が斜めになっても水を吸うことができる。
【0026】
そり10の上には、超音波センサ18が載せられる。超音波センサ18には、例えば周波数5MHz、口径10φ程度の市販のものを用いることができる。超音波センサ18の口径を大きくすることにより、より多くの超音波を出すことができるので、精度のいいデータが得られる。超音波センサ18のケーブル19は後述する超音波探傷装置に接続される。
【0027】
上述したように、超音波センサ18はレール1の表面を滑るそり10の上に載せられる。超音波センサ18をレール1に直接接触させていないので、超音波センサ18が摩耗するのを防止することができる。繰り返しの使用によってそり10が摩耗したときは、そり10を交換すればよい。ただし、超音波を伝播させるためには、超音波センサ18をそり10を介してレール1に接触させなければならない。このため、そり10をレール1の表面に押し付けるコイルスプリング8が設けられ、そり10とレール1との間に水の薄膜が形成される。
【0028】
図3は、厚さ計の他の例として、タイヤ方式の厚さ計を示す。タイヤ方式の厚さ計21においては、レール1の上をタイヤ22が回転しながらレール1の厚さを連続的に測定する。ゴム製又は樹脂製のタイヤ22はレール1の表面を転がる。タイヤ22は固定軸23にベアリング24を介して回転可能に支持される。タイヤ22内には油等の液体が充満されていて、液体が漏れ出ないように固定軸23の周囲にはシール25が巻かれている。タイヤ22内には半円形の台座26が設けられる。この台座26は固定軸23に結合され、タイヤ22が回転しても静止した状態を保つ。台座26には超音波センサ27が取り付けられる。超音波センサ27のケーブル28は固定軸23の通し穴23aを介して外部に露出する。
【0029】
固定軸23は取付け治具を介して車両4に取り付けられる。また、この固定軸23は、図示しないコイルスプリング等の付勢手段によってレール1に付勢される。レール1上を車両4が走行すると、レール1に押し付けられるタイヤ22はレール1上を転がる。タイヤ22の内部に配置される超音波センサ27は、タイヤ22内と一緒に回転することなく、固定軸23に対して静止した状態でレール1上を移動する。
【0030】
超音波センサ27から伝播する超音波はタイヤ22の内表面I1、レール1の表面S1及びレール1の裏面B1で反射する。図4に示すように、レール1の表面から反射するエコーS1及びレール1の裏面B1から反射するエコーを検知することでレール1の厚さを測定することができる。超音波センサ27は、エコー高さを一定に保つように自動探傷感度制御(AGC)される。
【0031】
車両4の走行距離は、距離計としてのロータリーエンコーダ30(図6参照)により測定される。ロータリーエンコーダ30は車両4に搭載される、ロータリーエンコーダ30には、例えばローラ(図示せず)が取り付けられる。ローラはスプリングによってレール1に押し付けられる。車両4がレール1上を走行すると、ローラが回転してロータリーエンコーダが回転する。ロータリーエンコーダは1回転で数百から数千パルスを出力する。例えば200パルス/回転で、ローラの外周が100mmであれば、100/200=0.5mm/パルスとなるので、走行距離が0.5mmで1パルス出力する。
【0032】
図6は、測定装置31の全体の構成図を示す。車両4に搭載されるのは、厚さ測定用の超音波センサ18,27と超音波探傷装置32、走行距離を測定するロータリーエンコーダ30、超音波センサ18,27で走行しながら測定するための水タンク15、超音波センサ18,27の測定箇所に水を供給するポンプ14、ポンプ14に接続される配管(ホース等)、測定したデータを要求する速度や方法で信号処理する信号処理装置(図示せず)、得られた測定値を保存するメモリ34、測定装置を駆動する電源(バッテリー33)、必要によっては測定値を無線通信する無線装置である。これらの機器を車両4に搭載する。
【0033】
測定装置31を搭載した状態で走行が開始されれば、ロータリーエンコーダ30の走行距離によってあらかじめ設定された(サンプリング条件の変更も可能)プログラムによってレール1の長さ毎に測定点のレール1の厚さデータが得られ、データはメモリ34に記憶される。
【0034】
ロータリーエンコーダ30によってレール1の厚さ測定が実行されるため、車両4の走行が停止すればそれまでの測定値がメモリ34に保存されている。通常の走行はスタート位置で走行が開始され終点で走行が停止する。測定が車両4に搭載された測定装置31で行われるため、無人で測定が可能である。
【0035】
車両4は測定を完了した終点で停止している。演算装置としてのパーソナルコンピュータ35を持参してメモリ34のデータを無線通信、有線通信等によりパーソナルコンピュータ35に移す。パーソナルコンピュータ35に取り込んだ測定データは、測定月日、時間、測定位置毎に保存される。パーソナルコンピュータ35には、データ評価ソフトが組み込まれていて、測定値(摩耗度)の傾向管理や良否判定管理、寿命予測や更新補修計画等を行う。
【0036】
図5に示すように、パーソナルコンピュータは、データ評価ソフトによりデータを信号処理し、減肉厚部を評価するためにレール1の長さと肉厚の関係を創出する。創出されたレール1の長さと肉厚の関係はプリンタ等の出力装置に出力される。さらにパーソナルコンピュータは、劣化摩耗程度の傾向管理、摩耗の良否の判定、及び保存等を行う。必要に応じて、異常部位のズームアップ拡大機能(走行距離の横軸を拡大する機能)、急激なノイズに影響されずに良好なデータを得るための加算平均処理機能、データ検索機能を持っていてもよい。ロータリーエンコーダの時間当たりの回転数から速度チャートも合わせて出力してもよい。例えば走行距離1mmの部分だけ急激にレール1の摩耗が大きくなることは基本的にありえない。走行距離10mmあたり10回のデータを測定し、加算平均処理することで、急激なノイズに影響された誤診を防ぐことができる。
【0037】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。数ヶ月かかっていた従来の測定方法に比べて通常の車両4の走行時間である数分間で測定することができる。摩耗劣化の判定や傾向管理が誰でも容易に短時間でできる。安価に測定ができる。従来はレール1の摩耗劣化の測定が多大な人力と日数、特殊作業車、労務費を要する作業であったが、他の部位の点検診断に集中できる。天候に左右されにくい。夜間でも測定できる。従来は人力作業であり夜間照明を要した。データベースをパーソナルコンピュータ35で管理でき、摩耗劣化の管理が容易にできる。そり方式の厚さ計7により汎用の超音波センサ18が使用できる。そり方式の厚さ計7は、メンテナンスが容易であり、タイヤ方式の厚さ計21に比べて安価である。
【0038】
なお、本発明はジェットコースターのレール1の厚さを測定するのに限られることはなく、ウォータースライダの滑走路の厚さを測定するのに適用することもできる。また、本発明の厚さ計は、遊戯施設の軌条又は滑走路に限られることはなく、測定対象物に対して超音波センサを滑らせながら測定する厚さ計に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…レール(軌条)
4…車両(移動体)
8…コイルスプリング(付勢手段)
12…孔
14…ポンプ
18,27…超音波センサ
22…タイヤ
23…固定軸
30…ロータリーエンコーダ(距離計)
31…測定装置
35…パーソナルコンピュータ(演算装置)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェットコースターの軌条又はウォータースライダの滑走路の肉厚を測定する遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置であって、
勾配のある軌条又は滑走路を自重によって走行する移動体に搭載され、前記軌条又は前記滑走路の厚さを測定する厚さ計と、
前記移動体に搭載され、前記移動体の走行距離を測定する距離計と、
前記厚さ計が測定した厚さのデータ、及び前記距離計が測定した走行距離のデータを信号処理する演算装置と、を備える遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置。
【請求項2】
前記厚さ計は、前記距離計が測定した前記軌条又は前記滑走路の所定の長さ毎に前記軌条又は前記滑走路の厚さを測定することを特徴とする請求項1に記載の遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置。
【請求項3】
前記厚さ計は、
前記移動体に取り付けられ、前記軌条又は前記滑走路の表面を滑るそりと、
前記軌条又は前記滑走路に接触することのないように前記そりに取り付けられる超音波センサと、
前記そりを前記軌条又は前記滑走路の表面に押し付ける付勢手段と、
前記そりと前記軌条又は前記滑走路との間に液体を供給するためのポンプと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置。
【請求項4】
前記厚さ計は、
前記移動体に取り付けられる固定軸と、
前記固定軸に回転可能に支持され、前記軌条又は前記滑走路の表面を転がるタイヤと、
液体が充満された前記タイヤ内に配置されると共に前記固定軸に取り付けられる超音波センサと、
前記タイヤを前記軌条又は前記滑走路の表面に押し付ける付勢手段と、を備える請求項1又は2に記載の遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置。
【請求項5】
前記距離計は、ロータリーエンコーダであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定装置。
【請求項6】
ジェットコースターの軌条又はウォータースライダの滑走路の肉厚を測定する遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定方法であって、
勾配のある軌条又は滑走路を自重によって走行する移動体に、前記軌条又は前記滑走路の厚さを測定する厚さ計、及び前記移動体の走行距離を測定する距離計を搭載し、
前記厚さ計が測定した厚さのデータ、及び前記距離計が測定した走行距離のデータを演算装置によって信号処理する遊戯施設の軌条又は滑走路の厚さ測定方法。
【請求項7】
測定対象物の肉厚を測定する測定対象物の厚さ計であって、
前記測定対象物の表面を滑るそりと、
前記測定対象物に接触することのないように前記そりに取り付けられる超音波センサと、
前記そりを前記測定対象物の表面に押し付ける付勢手段と、
前記そりと前記測定対象物との間に液体を供給するためのポンプと、を備える測定対象物の厚さ計。
【請求項8】
前記そりには、液体の流路になる孔が空けられ、該孔を介して前記そりと測定対象物との間に液体が供給されることを特徴とする請求項7に記載の測定対象物の厚さ計。
【請求項9】
前記そりの材料は、樹脂又は鋼板であることを特徴とする請求項7又は8に記載の測定対象物の厚さ計。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−21967(P2011−21967A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166500(P2009−166500)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000200334)JFEメカニカル株式会社 (48)
【Fターム(参考)】