説明

遊戯玩具及び遊戯玩具セット

【課題】 コイン型の収納ケースの中から玩具が飛び出して変形する遊戯玩具を提供する。
【解決手段】 変形玩具1は、互いに回動可能に接続された複数の構成部材と各接続部に配置された弾性部材とからなる変形ユニット10と、変形ユニット10を挿入可能な開口部及び収容可能な収容空間とを備える円盤形状のケース部5と、を備え、複数の構成部材は収容空間に収容可能な大きさの円板形状に折り畳まれる構成とされ、弾性部材は複数の構成部材を折畳状態から展開状態へと付勢するように配置され、複数の構成部材を弾性部材の弾性力に抗して折り畳み、折畳状態の変形ユニット10をケース部5の開口部から収容空間に収容することで変形ユニット10がケース部5によって円板形状に維持され、変形ユニット10が収容空間から外部に出たとき、開放された弾性部材の弾性力によって複数の構成部材が回動展開してキャラクタ形状に変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形ユニットが着脱可能に収容されたコイン型の遊戯玩具及び当該コイン型の遊戯玩具を複数備えた遊戯玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、玩具の形状を変化させて楽しむ種々の変形玩具が提供されており、変形玩具に関しての様々な提案もなされている。例えば、特開2007−215898号公報(特許文献1)では、球体形状の玩具を所定の位置に磁性体が組み込まれた平面状で転がすと、玩具が磁性体上に到達したときに球形状から所定のキャラクタ形状に変形する玩具の提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−215898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々な変形可能な遊戯玩具が提供されており、その遊戯方法も様々である。本発明は、従来から提案されている変形可能な遊戯玩具とは異なる形態の遊戯玩具と、当該遊戯玩具を複数用いて新しい趣向の遊戯方法が可能な遊戯玩具セットと、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊戯玩具は、互いに回動可能に接続された複数の構成部材と前記回動可能な接続部に配置された弾性部材とによって構成される変形ユニットと、前記変形ユニットを収容可能な収容空間と前記変形ユニットの出入りが可能な大きさに形成された開口部とを少なくとも有する円盤形状に構成され、前記変形ユニットが前記収容空間に着脱可能に装着される構成のケース部と、を備え、前記複数の構成部材は折り畳まれたとき前記収容空間に収容される大きさの円板形状に折り畳まれる構成とされ、前記弾性部材は前記複数の構成部材を前記円板に折り畳まれた状態から展開させる方向に付勢するように配置されており、前記複数の構成部材を前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に折り畳み、折り畳まれた前記変形ユニットを前記ケース部の前記開口部から前記収容空間に収容することによって、前記変形ユニットが前記ケース部の内壁によって前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に維持され、前記変形ユニットが収容された前記ケース部が遊戯具を構成し、前記変形ユニットが収容空間から放出されたとき、開放された前記弾性部材の付勢力によって前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状からキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の遊戯玩具において、前記ケース部は、前記開口部を側面に備えるとともにケース部内に収容された前記変形ユニットを押し出すための押し出し操作孔をさらに側面に備え、前記押し出し操作孔は前記開口部に対向する位置に前記開口部より小さく形成されており、前記押し出し操作孔から前記変形ユニットに対し押し出す操作が行われたとき、開放された前記弾性部材の付勢力によって前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状からキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする。
【0007】
なお、本発明の遊戯玩具において、前記ケース部が、前記開口部を下面に備え、該開口部は、前記円板形状に折り畳まれた前記複数の構成部材によって構成される前記変形ユニットを装着可能な大きさに形成されており、前記折り畳まれた前記変形ユニットに上方から装着することによって前記収容空間内に前記変形ユニットを収容可能とされ、前記ケース部に衝撃が加わったとき前記収容空間から前記変形ユニットが飛び出し、開放された前記弾性部材の付勢力によって前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状からキャラクタ形状に変形する構成とされることもある。
【0008】
そして、本発明の遊戯玩具は、収容空間を備えた円盤形状に構成され、側面に第1の孔と第2の孔を備えたケース部と、前記円盤形状の上面又は底面と並行な方向に互いに回動可能に接続され上方からみて円形又は円弧を含む形状に形成され側面からみて前記収容空間に収容可能な厚さに形成された複数の構成部材と、前記回動可能な接続部に配置された前記構成部材間を回動方向に付勢する弾性部材とによって構成される変形ユニットと、を備え、前記複数の構成部材は前記円盤形状の上面又は底面と並行な回動方向に前記弾性部材の弾性力に抗して行う複数回の回動操作を含む手順に従って折り畳まれたとき前記収容空間に収容される大きさの円板形状に折り畳まれる構成に作られており、前記弾性部材は前記複数の構成部材を前記円板に折り畳まれた状態から互いに回動して展開させる方向に付勢するように配置されており、前記第1の孔は、前記円板形状に折り畳まれた複数の構成部材によって構成される前記変形ユニットを装着可能な大きさに形成されており、前記第2の孔は前記第1の孔に対向する位置に前記第1の孔より小さく形成されており、前記複数の構成部材を前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に折り畳み、折り畳まれた前記変形ユニットを前記第1の孔から前記収容空間に着脱可能に収容することによって、前記変形ユニットが前記ケース部の内壁によって前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に維持され、前記変形ユニットが収容された前記ケース部が遊戯具を構成するものであり、前記第2の孔から前記変形ユニットに対し押し出す操作が行われたとき、開放された前記弾性部材の付勢力によって一斉に前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状から前記円盤形状の上面又は底面と並行な面に展開されたキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の遊戯玩具は、前記円盤形状のケース部の上面又は底面に対して垂直方向に回動する少なくとも一つの構成部材をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の遊戯玩具において、前記構成部材及び前記弾性部材は、前記ケース部から飛び出して展開した第1展開状態と、第1展開状態からさらに展開した第2展開状態と、の2段階に展開可能なように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の遊戯玩具において、前記ケース部はコインを模した厚肉円盤形状とされ、少なくとも円盤形状の上面はコインを模した紋様が印刷あるいは刻印されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の遊戯玩具セットは、上述したいずれかの遊戯玩具の複数を一組とし、それぞれが指で弾くことで移動可能な大きさに構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、変形ユニットとこれを放出可能に収容する円盤形状のケース部によって構成される遊戯玩具とすることで携帯し易くし、変形ユニットを収容した状態のケース部自体を遊戯具とするゲームを行うことを可能にするとともに、変形ユニットをケース部から飛び出させることでさらに新たな趣向のゲームの展開を可能にする。
【0014】
さらに、ケース部の外形をコイン型とすることにより携帯し易く、また、世界中の子供たちがコインをみたことあるため親しみやすく、さらに、コインの中からキャラクタが飛び出すという面白さを備えているため、遊戯者に今までにない新たな楽しみを提供できる新たな趣向を有した遊戯玩具を提供できることとなる。さらに各国のコインを模した紋様を印刷しあるいは刻印することで、子供たちの収集意欲を募らせる遊びも可能にする。
【0015】
本発明の遊戯玩具を構成する変形ユニット(飛び出し部)は、互いに回動可能に接続された複数の構成部材(展開したときキャラクタの構成要素となるように形成されている)を回動可能な接続部に配置された弾性部材の弾性力に抗して所定の手順に従って組み立てる構成とし、円盤形状のケース部に収容したとき弾性部材によって付勢した状態がケース部の内壁によって維持される折畳状態に収納しておき、所定のタイミングでケース内から変形ユニットを外方に押し出すことにより新しい趣向の遊戯玩具を提供できる。そして、外観をコインを模した形状、紋様にすることにより、コインからキャラクタが登場するというこれまでにない新たな趣向を有した玩具を提供できる。
【0016】
また、ケース部の1側面に折畳状態の変形ユニットを装着可能な大きさの開口部を設けるとともに、この開口部と対向する側面位置にこの開口部よりも小さい押し出し操作孔を、折畳状態に収容された変形ユニットが抜け落ちない大きさで、かつ指あるいは操作棒で変形ユニットを押す操作が可能な大きさに、形成することにより、折畳状態の変形ユニットを開口部から容易に収容空間内に装着できるとともに、装着された変形ユニットを押し出し操作孔から容易に外に押し出すことができるため、使い勝手の良く、今までにない新たな趣向を有した遊戯玩具を提供できることとなる。
【0017】
さらに、前記遊戯玩具の複数個を一組として提供することにより、新たなコイン遊びを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る遊戯玩具におけるケース部と変形ユニット(飛び出し部)の展開状態を示す斜視図である。
【図2】上記遊戯玩具の変形ユニットの展開状態を示す平面図である。
【図3】上記遊戯玩具の変形ユニットの展開状態を示す背面斜視図である。
【図4】上記遊戯玩具の変形ユニットの折畳状態を示す一部を破断した平面図である。
【図5】上記遊戯玩具の動作説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る他の遊戯玩具の展開状態を示す斜視図である。
【図7】上記他の遊戯玩具が有する変形ユニットの折畳状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る別の遊戯玩具の展開状態を示す斜視図である。
【図9】上記別の遊戯玩具が有する変形ユニットの折畳状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係るさらに異なる遊戯玩具の展開状態及び動作を説明する説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係るさらに別の遊戯玩具の展開状態を示す斜視図である。
【図12】上記さらに別の遊戯玩具が有する変形ユニットの折畳状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る遊戯玩具の他のケース部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。図1は、本発明の1実施形態における遊戯玩具1を構成するケース部5と、ケース部5から放出され展開状態となった変形ユニット10の正面斜視図である。図2は、変形ユニット10の平面図であり、図3は、変形ユニット10の背面斜視図である。
【0020】
本実施形態における遊戯玩具1は、収容空間を備えたケース部5(ケースユニット)と、折り畳まれた状態でこのケース部5の収容空間内に格納され、ケース部5内でこの折畳状態が維持される変形ユニット10と、によって構成される。そして、折畳状態の変形ユニット10が収容空間内に装着されたケース部5は、それ自体が遊戯具としていろいろなゲームに供することができるコイン形状の構成となっている。また、変形ユニット10をケース部5から放出させる操作を行うと、図1に示すように変形ユニット10は、各構成部材が互いに回動展開しながらケース部5の収容空間から外方に飛び出す。さらに、変形ユニット展開状態となった変形ユニット10は、回動展開した各構成部材によって怪獣キャラクタを模した形状に変形する。すなわち、この遊戯玩具1は、変形ユニット10が収容されたケース部5を用いた遊戯と、放出操作によってケース部5から変形ユニット10を放出させる遊戯と、を楽しむことができ、新たな趣向のゲームに供されるものである。
【0021】
ケース部5は、中空の円盤形状をなしており、内部に変形ユニット10を収容する収容空間を備え、側面に第1の孔6と第2の孔7を備えている。第1の孔6は、円板形状に折り畳まれた変形ユニット10の装着(出し入れ)が可能な大きさに形成されており、収容空間に対する開口部を構成する。言い換えると、第1の孔6は、その側面側の両端面6a,6b間を繋ぐ直線がケース部5の中心に近く、且つ、開口側からみて中心を超えないように形成されている。第2の孔7は、ケース部5の収容空間に収容された変形ユニット10を第1の孔6から外側に押し出すのに用いる押し出し操作孔であり、後述する変形ユニット10のケース係合部41g,42gが係合される部位でもある。この第2の孔7は、ケース部5の側面における第1の孔6と対向する位置に、第1の孔6よりも小さく、指又は操作棒で変形ユニット10に押圧力を加えることができる程度の大きさに形成されている。なお、ケース部5の大きさは、特に限定されないが一例をあげると、直径が約40mm、高さが約14mm、厚み(上面板や下面板、側面板の厚み)が約2.5mm程に形成されている。
【0022】
変形ユニット10は、互いに回動可能に接続された複数の構成部材と、各構成部材が互いに回動可能に接続された位置に装着された複数の弾性部材と、から構成されている。この複数の構成部材は、折り畳まれたときケース部5の収容空間に収容される大きさの略円板形状に折り畳まれる構成とされている。また、弾性部材は、複数の構成部材を円板に折り畳まれた状態から展開させる方向に付勢するように配置されている。そして、複数の構成部材を弾性部材の弾性力に抗して円板形状に折り畳み、折畳状態の変形ユニット10をケース部5の第1の孔6から収容空間内に収容することで、変形ユニット10がケース部5の内壁の上面、底面や側面によって弾性部材の弾性力に抗して円板形状に維持されている。なお、変形ユニット10は、展開状態で怪獣等のキャラクタ形状をなしている。
【0023】
次に、この変形ユニット10の具体的な構成について述べる。なお、以下の説明において、図1におけるケース部5の第1の孔6が位置する方向を前方、第2の孔7が位置する方向を後方とし、変形ユニット10の背部分が位置する方向を上方(上面)、腹部分が位置する方向を下方(底面)とする。変形ユニット10は、図1乃至図3に示すように、展開状態において鳥の怪獣(又は、鳥の恐竜)を模した形状とされており、胴部23と、胴部23の前端近傍に回動可能に接続された頭部21と、胴部23の両側に平面方向(ケース部5の上面又は底面と平行な方向)に回動可能に接続された翼部25と、胴部23の後端に平面方向に回動可能に接続された尾27と、から構成されている。
【0024】
胴部23は、図2に示されるように、扇形の胴体板31と、胴体板31における扇形の中心点近傍に位置する側面部分(胴体板31の後方に位置する側面部分)から後方に延設された後方突出板32と、が一体形成されてなる。また、胴体板31と後方突出板32の境界部分の両脇には、鳥の足を模した足33が形成されている。胴体板31は、上面に頭部21が収納される頭部収納穴31aを備えており、頭部収納穴31aの前端部分には、頭部21が回動自在に軸着される頭部軸支部31bが形成されている。また、胴体板31は、図3に示されるように、円弧の両端近傍部分の側面が切り欠かれて翼部25の連結板41e,42eが回動可能に挿入される開口とされた翼部接続溝31dを備え、翼部25が連結板41e,42e部分で胴体板に対し回動可能に軸着されている。
【0025】
後方突出板32は、胴体板31との接続部分の両側方に、変形ユニット10を折り畳むときに後述する羽43,44や尾27が当接する曲面形状の誘導壁32aを備え、後端の側面に尾27が回動自在に軸着される尾部連結溝32bを備えている。また、後方突出板32は、胴体板31の厚みよりも薄く形成され、足33は、後方突出板32の厚みよりもさらに薄く形成されている。
【0026】
頭部21は、胴部23の前端に軸着されて胴部23の前方に突出するように上方に回動可能、すなわち、円盤形状のケース部5の上面又は底面に対して垂直方向に回動可能とされている。この頭部21は、胴部23に一端が回動可能に軸着される首部材35と、首部材35の他端に回動可能に軸着される頭部材37と、を備えてなる。
【0027】
そして、首部材35は、胴体板31の頭部軸支部31bに軸着され、軸に第1ねじりバネ61が巻装されて首部材35が胴部23から起き上がる方向、すなわち、上方に向かって第1ねじりバネ61の弾性力(バネ力)により付勢されている。また、頭部材37は、嘴や目等の顔のパーツを備えてなり、首部材35に軸着され、軸に第2ねじりバネ62が巻装されて頭部材37が首部材35から起き上がる方向に第2ねじりバネ62の弾性力によって付勢されている。すなわち、頭部21は、胴部23に対して起き上がる方向に弾性体(第1ねじりバネ61、第2ねじりバネ62)の弾性力で付勢され、弾性力に抗して折り畳むことにより胴体板31の頭部収納穴31aに収納可能である。また、開放すると首部材35及び頭部材37が弾性体の弾性力によって頭部収納穴31aから上前方に展開するものである。
【0028】
尾27は、鳥の尾羽を模して形成されており、胴部23の後方突出板32の尾部連結溝32b内で後方突出板32の上面及び底面に回動可能に軸着されている。
【0029】
翼部25は、胴部23に対して左右対称に構成されており、胴部23に回動可能に軸着された扇形の第1翼部主板41及び第2翼部主板42と、第1翼部主板41及び第2翼部主板42に回動可能に軸着された第1羽43及び第2羽44と、からなる。
【0030】
第1翼部主板41及び第2翼部主板42は、扇形板の中心点部分から円弧の近傍までを平面方向に刳り貫いて中空に形成された中空部41a,42aを備え、円弧の一端近傍であって半径側(直線部分)の側面には外方に突出する連結板41e,42eを備え、この連結板41e,42eによって胴体板31に回動可能に軸着されている。また、第1翼部主板41及び第2翼部主板42は、円弧部分の側面であって胴部23との連結部分の近傍に、手指を模した突出部である手41b,42bを備え、円弧部分における手41b,42bが形成された側とは反対側の端部に、半径部分を延長するように外方に向かって突出するケース係合部41g,42gを備えている。このケース係合部41g,42gは、変形ユニット10を折り畳んでケース部5内に収容したときに第2の孔7に係合される部位であるとともに、第1翼部主板41及び第2翼部主板42が回動可能に軸着される部位である。
【0031】
このケース係合部41g,42gは、第1翼部主板41及び第2翼部主板42の半径部分の延長線上に位置する半径側直線部41h,42hと、この半径側直線部41h,42hと平行に第1翼部主板41及び第2翼部主板42の円弧部分から突出する円弧側直線部41i,42iと、半径側直線部41h,42hと円弧側直線部41i,42iの端部を連結する円弧部41j,42jと、から形成されている。また、ケース係合部41g,42gは、半径側直線部41h,42hから円弧部41j,42jの一部までを開口に形成され、円弧側直線部41i,42iの長さがケース部5の厚みと略同一に形成されている。
【0032】
そして、各翼部主板41,42は、連結板41e,42eの先端近傍が胴体板31の翼部接続溝31d内に挿入された状態で、連結板41e,42eの先端近傍が胴体板31の上下面に回動可能に軸着されることで胴部23に接続されている。さらに、胴体板31と軸着された軸に、夫々第3ねじりバネ63及び第4ねじりバネ64が巻装されて開方向、すなわち、胴部23から離れて翼が開く左右方向に各弾性体(63,64)の弾性力によって付勢されている。第1羽43及び第2羽44は、翼部主板41,42のケース係合部41g,42g内で上下面に軸着されており、軸に夫々第5ねじりバネ65及び第6ねじりバネ66が巻装されることにより開方向に付勢されている。
【0033】
このように翼部25は、胴部23に対して両翼が開く方向に各弾性体の弾性力によって付勢されており、翼部25を折り畳む場合には羽43,44を第5ねじりバネ65及び第6ねじりバネ66の弾性力に抗して翼部主板41,42の中空部41a,42a内に折り畳み、次に、翼部主板41,42を弾性力に抗して胴部23に向けて折り畳むことにより、図4に示すように、胴体板31と2つの翼部主板41,42(3つの扇状の板)によって円板形状に折り畳むことができる。このとき中空部41a,42a内に胴部23の後方突出板32や足33、尾27が収納された状態となる。また、折畳状態から開放すると、ねじりバネ63〜66の弾性力によって翼部主板41,42及び羽43,44が開方向に回動し、図1乃至図3に示したように胴部23の両側に翼が広がった状態となる。
【0034】
次に、変形ユニット10の折畳状態について述べる。折畳状態の変形ユニット10は、図4に示したように、夫々円弧形状の胴体板31と、第1及び第2翼部主板41,42と、が夫々の軸に巻装された第3及び第4ねじりバネ63,64の弾性力に抗して折り畳まれることで円板形状をなしている。このとき第1及び第2翼部主板41,42の中空部41a,42a内では、尾27が図4における右側(第2翼部主板42側)に回動(左回転)して、足33の上方で胴部23の後方突出板32の誘導壁32aに当接している。また、第2羽44は、第2翼部主板42の中空部42a内において尾27と中空部42aの円弧部分との間に位置しており、第6ねじりバネ66の弾性力によって尾27を誘導壁32aに押しつけた状態となっている。さらに、第1羽43は、第1翼部主板41の中空部41a内に収納されて足33の上方に位置しており、第5ねじりバネ65の弾性力によって先端が後方突出板32の左側の誘導壁32aに当接するまで回動している。また、左右のケース係合部41g,42gは、半径側直線部41h,42hが合わさった状態であり、円弧側直線部41i,42iと円弧部41j,42jとで一つの突出部を形成している。
【0035】
また、頭部21の首部材35及び頭部材37は、それぞれの第1及び第2ねじりバネ61,62の弾性力に抗して折り畳まれ、胴体板31の頭部収納穴31a内に収納されている。なお、折畳状態における変形ユニット10の大きさは、ケース部5の収容空間に収容できる大きさであり、具体的には、ケース係合部41g,42gの円弧部41i,42iから折畳状態における変形ユニット10の中心を介した胴体板31の円弧部までの距離(図4におけるd1)が、特に限定されないが、約40mm、手41bの後方近傍から中心を介した手42bの後方近傍までの距離(図4におけるd2)が約35mm、高さが約8mmに形成されている。
【0036】
そして、この折畳状態の変形ユニット10は、第1羽43や第2羽44、尾27を翼部主板41,42の内側に収納した状態で両翼部主板41,42を両側から押さえ込み、さらに、頭部収納孔31a内に収納された頭部21を上方から押さえ込むことで弾性力に抗して折畳状態を維持することができ、夫々を開放した場合には展開状態へと変形するものである。
【0037】
折畳状態の変形ユニット10は、複数の構成部材を複数の弾性部材の弾性力に抗して行う複数回の回動操作を含む手順に従って折り畳んだ後、ケース部5の第1の孔6から収容空間内に各翼部主板41,42のケース係合部41g,42g側から挿入し、図5(a)に示すように、手41b(42b)がケース部5の端面6a(6b)に当接するまで押し込むことでケース部5内に収容することができる。このときケース係合部41g,42gがケース部5の第2の孔7の内側に係合されており、円弧側直線部41i,42iが第2の孔7の両側端面に係止している。これにより、ケース係合部41g,42gが第2の孔7によって閉じられた状態となるため、折畳状態の変形ユニット10が複数の弾性体の弾性力に抗して折畳状態のまま維持されることとなる。
【0038】
ケース部5内に収容状態の変形ユニット10は、ケース部5の第2の孔7からケース係合部41g,42gを第1の孔6側に押し出し、ケース係合部41g,42gと第2の孔7との係合状態を解除することによりケース部5から飛び出させることができる。すなわち、ケース部5の第2の孔7から変形ユニット10のケース係合部41g,42gが外れた場合、変形ユニット10の中心が第1の孔6の両端面6a,6b間を繋ぐ直線よりも外側に位置することとなるため、図5(b)に示すように、翼部25がケース部5内で展開を開始し、翼部25にかかる付勢力(展開しようとする力)がケース部5の側面を押す力となって、図5(c)に示すように、変形ユニット10が展開しながら前方に勢いよく飛び出すこととなる。
【0039】
このように、本実施形態の遊戯玩具1は、複数の構成部材が回動可能に接続され、所定の接続部分に弾性体が装着されてなる変形ユニット10と、収容空間を有したケース部5と、から構成される。そして、遊戯玩具1は、変形ユニット10を折り畳みケース部5内に収容することでコイン形状の玩具となる。また、変形ユニット10をケース部5内に収容した状態で、第2の孔7から変形ユニット10を外方に変形ユニット押し出し、ケース部5内から変形ユニット10を展開させながら飛び出させることにより飛び出し玩具となる。すなわち、本実施形態の遊戯玩具は、コイン形状の玩具として遊戯が可能であるとともに、飛び出し玩具としても遊戯が可能な、新たな趣向を有した玩具である。以下、遊戯玩具としての異なる実施形態をいくつか述べる。
【0040】
図6は、本発明による他の遊戯玩具100の展開状態を示す斜視図であり、図7は、この遊戯玩具100を構成する変形ユニット110の折畳状態を示す平面図である。遊戯玩具100は、図6及び図7に示すように、上述した遊戯玩具1と同様に、第1の孔106及び第2の孔107を備えたケース部105と、変形ユニット110と、から構成される。ケース部105は、上記のものと同一であるため説明は省略する。変形ユニット110は、展開状態において騎士(ナイト)を模した形状とされており、胴体と頭が一体となった胴体板111と、胴体板111の両側に平面方向に回動可能な状態で軸着された右腕部115及び左腕部116と、を備える。
【0041】
胴体板111は、扇形の下面板111aと、下面板111aの円弧部分から垂直に立ち上がる円弧壁111bと、下面板111aと平行であって、円弧壁111bの上端辺に垂直に取り付けられた上面板111cと、からなり、下面板111a、上面板111c及び円弧壁111bに囲まれた空間を有した略扇形の板である。また、上面板111cは、図7に示したように、変形ユニット110を円板状に折り畳んだときの中心となる位置に、騎士の頭部125を備えている。また、下面板111bにおいて扇形を形成する2つの半径部分(扇型の中心部から円弧の両端に延在する直線部分)には、鎧の一部を模した象形物126,127が外方に突出するように形成されている。
【0042】
右腕部115は、胴体板111と同様に空間を有した略扇形の板であって、ナイトの右腕を保護する鎧を模した形状の右主板131と、右主板131に回動可能に軸着された右手133と、から構成され、右手133が刀135を握った状態で刀135と一体に形成されている。そして、右手133の回動軸には、ねじりバネが巻装されており、弾性力によって開方向(右主板131の内側から前方に回動する方向)に付勢されている。また、右主板131は、円弧形状の下面板131bと、下面の円弧部分から垂直に立ち上がる円弧壁131cと、円弧壁131cの上端辺から下面板131bと対向するように設けられた上面板131dと、からなり、右主板131の内側から外方突出するように形成された人間の右腕を模した連結棒138を備えている。そして、右主板131は、連結棒138によって胴体板111に接続されており、連結棒138の一端が胴体板111内に軸着され、軸に図示しないねじりバネが巻装されることによって胴体板111から離れる方向に付勢されている。
【0043】
また、右主板131の上面板131dは、折畳状態のときに胴体板111の頭125と係合する位置に切り欠き部が形成されている。そして、右主板131は、連結棒138が胴体板111の円弧部分を形成する側面板に当接するまで回動可能とされており、展開状態では、胴体板111よりも前方に展開した状態となる。
【0044】
左腕部116は、右主板131と同様に空間を有した略扇形の板であって、ナイトの左腕を保護する鎧を模した形状の左主板141により構成される。この左主板141は、左主板141の内側から外方突出するように形成された連結棒143によって胴体板111に連結されており、連結棒143の一端が胴体板111内に軸着され、軸にねじりバネが巻装されて胴体板111から離れる方向に付勢されている。また、左主板141には、左手145が形成されている。そして、左主板141は、連結棒143が胴体板111の円弧壁111bに入り込んだ状態となるまで回動可能とされており、展開状態では、胴体板111よりも後方に展開した状態となる。なお、左主板141の上面も右主板131と同様に、折畳状態のときに胴体板111の頭125と係合する位置に切り欠き部が形成されている。
【0045】
なお、右主板131及び左主板141は、円弧壁の一端に、上述した遊戯玩具1の変形ユニット10に形成されたケース係合部41g,42gと同様のケース係合部131a,141aを備えている。
【0046】
そして、変形ユニット110の展開状態では、胴体板111よりも前方に右腕部115が位置し、左腕部116が胴体板111の後側に位置することにより、まるでナイトが刀を前方の敵に向けて構えているような外観となる。すなわち、図1乃至図3に示した遊戯玩具1の変形ユニット10は、展開状態において胴部23に対して翼部25が左右対称に広がった形状とされているが、本遊戯玩具100における変形ユニット110は、展開状態において胴体板111に対して右腕部115及び左腕部116が非対称に広がった状態となる。
【0047】
また、変形ユニット110の折畳状態では、図7に示すように、右主板131及び左主板141が弾性体(ねじりバネ)の弾性力に抗して胴体板111に近接するように回動しており、胴体板111と右主板131と左主板141とで円板形状をなしている。また、右主板131と左主板141の上面に形成された切り欠き部が、胴体板111の頭125の周縁と係合している。さらに、折畳状態における右主板131の内側には、図示しないが、右手133(刀135も含めて)が弾性力に抗して回動させられた状態で収納されており、さらに、胴体板111から突出する象形物126や左主板141に形成された左手145も収納されている。また、折畳状態における左主板141の内側には、胴体板111から突出する象形物127が収納されている。
【0048】
この変形ユニット110も、上述した変形ユニット10と同様に折畳状態にすることでケース部105内に収容可能とされ、収容状態では第2の孔107にケース係合部131a,141aが係合している。また、収容状態においてケース部105の第2の孔107から変形ユニット110を前方に押し出し、第2の孔107に係合されたケース係合部131a,141aの係合状態を解除すると、右腕部115と左腕部116に付加された弾性力によって変形ユニット10が展開しながらケース部105から前方に飛び出す。また、変形ユニット10がケース部105から飛び出すときには、両腕部115,116の展開する量の差、すなわち、左腕部116の方が展開する量が大きいために上方から見た場合に右回転しながら前方に飛び出すこととなる。このように、この変形ユニット110は、上述した真っ直ぐに飛び出す変形ユニット10と異なり、回転しながら前方に飛び出すものである。
【0049】
本発明によるさらに別の遊戯玩具200について述べる。図8は、別の遊戯玩具200の展開状態を示す斜視図であり、図9は、この遊戯玩具200が備える変形ユニット210の折畳状態を示す平面図である。この遊戯玩具200も、図8に示すように、第1の孔206及び第2の孔207を備えたケース部205と、変形ユニット210と、から構成される。変形ユニット210は、展開状態において亀の怪獣を模した形状に形成されており、胴体板221と、胴体板221の前端近傍に上下方向に回動可能に接続された頭部211と、胴体板221に平面方向に回動可能に接続された前足部215と、胴体板221の後端に平面方向に回動可能に接続された尾217と、から構成されている。
【0050】
胴体板221は、前端に位置し前方に向かって湾曲する前湾曲部221aと、前湾曲部221aの両端部から後方に向かって延在し、内側に向かって湾曲した内側湾曲部221b,221cと、内側湾曲部221b,221cの後端から後方内側に向かって斜めに形成された斜線部221d,221eと、斜線部221d,221eの後端を連結する後直線部221fと、から構成されている。また、胴体板221の上面には、頭部211が収納される頭部収納穴221gが形成されており、前湾曲部221aの側面は内側に刳り貫かれて、後述する前足部215の連結棒244,245が収納される連結棒収納溝221hとして形成されている。さらに、胴体板221の後直線部221fの側面には、図示しないが開口部が形成され、胴体板221の内側湾曲部221b,221cには、外方に向かって突出する足223,224が形成されている。
【0051】
前足部215は、2枚の前足主板241,242と、この前足主板241,242と胴体板221を連結する連結棒244,245と、を備える。2枚の前足主板241,242は、中空に形成された略半円板であり、直線部分(円弧の両端を繋ぐ複数の直線で形成される部分)の側面が開口とされ、連結棒244,245によって平面方向に回動可能に胴体板221に接続されている。また、前足主板241,242は、胴体板221よりも厚みを有して形成されており、胴体板221を内部空間内に挿入可能である。連結棒244,245は、一端が胴体板221の連結棒収納溝221h内で回動可能に軸着され、他端が前足主板241,242の内部空間内で軸着されている。そして、各軸にはねじりバネが巻装されており、連結棒244,245及び前足主板241,242を開方向に付勢している。
【0052】
また、前足主板241,242の半円における中央部分には、折畳状態のときに頭部材233と係合する切欠きが形成され、さらに、この切欠きから前方には首部材231と係合する切欠きが形成されている。また、前足主板241,242の自由端部分には、上述した遊戯玩具1,100と同様にケース係合部241a,242aが形成されている。
【0053】
頭部211は、胴体板221の頭部収納穴221gの前端近傍に回動可能に連結された首部材231と、首部材231の他端に回動可能に連結された頭部材233と、を備える。また、各軸にはねじりバネが巻装されて平面から起き上がる方向に首部材231及び頭部材233を付勢している。そして、頭部211は、弾性力に抗して折り畳むことで胴体板221の頭部収納穴221gに収納された状態となり、開放するとバネの弾性力によって頭部収納穴221gから前上方に展開するものである。
【0054】
尾217は、亀の尻尾を模した尾217を備えており、胴体板221の後直線部221fの開口部に回動可能に軸着されている。
【0055】
そして、この変形ユニット210は、頭部211を弾性体の弾性力に抗して胴体板221の頭部収納穴221gに収納し、前足主板241,242を弾性体の弾性力に抗して折り畳むことにより図9に示すように円板形状に折り畳むことができ、前足主板241,242内に胴体板221及び尾217が収納された状態となる。すなわち、上述した各変形ユニット10,110では、3枚の扇形の板が組み合わされることで折畳状態が円板形状となっていたが、この変形ユニット210は、2枚の半円板が組み合わされることで折畳状態が円板形状をなすこととなる。
【0056】
この変形ユニット210も上述した実施例と同様に、折畳状態でケース部205の第1の孔206からケース部205内に収容可能であり、収容状態では第2の孔207にケース係合部241a,242aが係合している。そして、収容状態の変形ユニット210は、第2の孔207から変形ユニット210を前方に押し出し、ケース係合部241a,242aと第2の孔207との係合状態を解除すると、前足部215にかかる付勢力によって展開しながら前方に飛び出すものである。
【0057】
次に、本発明のさらに異なる遊戯玩具300について述べる。図10は、この遊戯玩具300の動作を説明する説明図である。図10に示すように、遊戯玩具300も、第1の孔306及び第2の孔307を備えたケース部305と、変形ユニット310と、から構成されるが、変形ユニット310がケース部305から飛び出すときに展開する第1展開状態310aと、飛び出した後に解除ボタン309が所定の物体に当たることによりさらに展開する第2展開状態310bと、の2段階の展開が可能なことを特徴とする。
【0058】
この遊戯玩具300は、略円板形状とされた胴体板313と、胴体板313の後端近傍に平面方向に回動可能に接続された2本の足315,316と、胴体板313の前端部分に上下方向に回動可能に接続された攻撃板317と、から構成される。
【0059】
胴体板313は、上面に怪獣の顔を模した象形物313aが上方に突出するように形成されており、後端側面部分にはケース係合部313bが後方に突出するように形成されている。また、2本の足315,316は、断面をコの字状とする円弧形状に形成され、胴体板313の後端近傍に軸着されており、軸に弾性体としてのねじりバネが巻装されて開方向に付勢されている。この2本の足315,316は、弾性体の弾性力に抗して胴体板313の側面に近接するように折り畳むことができ、折り畳んだ状態では、足315,316の内側に胴体板313の側面が入り込んだ状態となる。
【0060】
攻撃板317は、円形の板であり、胴体板313の前端近傍に上下方向に回動可能に軸着され、軸にねじりバネが巻装されて開方向に付勢されている。また、胴体板313は、攻撃板317を閉じた状態で保持するための保持機構を備えており、前端の側面にこの保持機構における保持状態を解除するための解除ボタン309が形成されている。
【0061】
この変形ユニット310は、全てを折り畳んだ状態では円板形状をなし、第1展開状態310aでは、足315,316のみが回動して胴体板313の後方両側に広がった状態となる。また、第2展開状態310bでは、足315,316に加えて攻撃板317が胴体板313の前方に回動した状態となる。
【0062】
そして、変形ユニット310は、折畳状態でケース部5の収容空間に収容可能であり、収容状態では、胴体板313のケース係合部313bがケース部5の第2の孔307に係合した状態となる。また、収容状態のときに変形ユニット310を第2の孔307から前方に向けて押し出すと、足315,316がねじりバネの弾性力によって回動し、ケース部5から前方に飛び出してくることとなる。また、変形ユニット310がケース部5から飛び出し、解除ボタン309が所定の物体に当たると、保持機構が解除されて攻撃板317が前方に勢いよく回動することとなる。
【0063】
本発明によるさらに別の遊戯玩具400について述べる。図11は、遊戯玩具400の展開状態を示す斜視図であり、図12は、遊戯玩具400が備える変形ユニット410の折畳状態を示す平面図である。本遊戯玩具400も、図11に示すように、第1の孔406及び第2の孔407を備えたケース部405と、変形ユニット410と、から構成されるが、変形ユニット410が展開状態において2つのキャラクタである第1本体410aと第2本体410bとに分裂することを特徴とする。
【0064】
第1本体410aは、展開状態において蟹を模した怪獣の形状に形成されており、半円板状の甲羅部材411と、甲羅部材411に回動可能に接続された2本の鋏413,414と、を備える。甲羅部材411は、円弧部分の側面が開口とされ、半径部分の側面には蟹の目や足等のパーツが形成されている。また、甲羅部材411の後端側面には、ケース部405の第2の孔407に係合するケース係合部411aが形成されている。
【0065】
鋏413,414は、夫々が対称形状であり、甲羅部材411における半径と円弧部分が交差する位置に軸着された腕部413a,414aと、腕部413a,414aの他端に軸着された円弧状の鋏部413b,414bと、からなる。また、各軸にはねじりバネが巻装されており、鋏413,414は弾性力によって開方向に付勢されている。そして、鋏413,414は、まず鋏部413b,414bを弾性力に抗して回動させて腕部413a,414aと鋏部413b,414bを近接させた後、腕部413a,414aを弾性力に抗して回動させて甲羅部材411の開口部分に収納することで折り畳まれる。
【0066】
第2本体410bは、蛸を模した怪獣の形状に形成されており、半円板状の胴体433と、胴体433の上部に回動可能に接続された頭部材431と、胴体433に回動可能に接続された2本の足435,436と、を備える。胴体433は、上面に頭部収納穴31aを備え、半径部分が開口とされている。
【0067】
頭部材431は、胴体433の頭部収納穴433aの側面に回動可能に軸着されており、軸にねじりバネが連結されて弾性力によって胴体433の円弧部分中心から突出する方向に付勢されている。そして、頭部材431は、弾性力に抗して回動させることにより胴体433の頭部収納穴433aに折り畳むことが可能とされている。また、頭部材431は、図示しないが、折畳状態のときに第1本体410aと係止し、展開状態では係止状態が解除される係止機構を備えている。
【0068】
足435,436は、吸盤等を備えた蛸の足を模した部材であり、円弧状に形成され、胴体433の円弧部分と半径部分の交差部分に回動可能に軸着され、軸にねじりバネが連結されて弾性力によって開方向に付勢されている。そして、足435,436は、弾性力に抗して回動させることにより胴体433の側面の開口部分に収納可能とされている。
【0069】
そして、第1本体410a及び第2本体410bは、図12に示すように、夫々のパーツを折り畳んだ状態で半径部分を合わせることにより円板形状に折り畳むことができ、折り畳んだ状態では、第2本体410bの頭部材431が備える係止機構によって第1本体410aと第2本体410bが連結した状態となっている。そして、この折畳状態の変形ユニット410は、ケース部405の第1の孔406からケース部405内に収納することで各弾性体の弾性力に抗して円板形状が保持されることとなる。このとき、頭部材431も弾性力に抗して折り畳まれた状態となるため、ケース部405内では、第1本体410aと第2本体410bとの連結状態も維持されることとなる。
【0070】
ケース部405内に収容された状態で第2の孔407から変形ユニット410を前方に押し出すと、第1本体410aの鋏413,414が弾性力によって回動するため、変形ユニット410が前方に飛び出し、第2本体410bがケース部405の外に飛び出すと、頭部材431が展開することにより第1本体410aと第2本体410bとの連結状態が解除され、第2本体410bの足435,436の付勢力により、第1本体410aと第2本体410bが分裂した状態となる。
【0071】
次に、このような構成とされた遊戯玩具1,100,200,300,400の遊戯方法の例を述べる。遊戯者のそれぞれが変形ユニットを収納した遊戯玩具の一組を保持し、遊戯玩具のそれぞれがゲームにおける遊戯具として使用される。例えば、ケース部の上面を攻撃用の面、下面を守備用の面とする。このケース部には、収納された変形ユニットのキャラクタの名称と持っている攻撃スキルが攻撃用の面に記載され、守備用の面には所定の色のシールが貼付されているものとする。
【0072】
そして、2人乃至4人の遊戯者が一組の、例えば3つの、遊戯玩具を夫々用意し、自分の陣地に守備用の面を表にして並べる。このとき、守備用の面の色は、各遊戯者毎に統一されているものとする。次に、順番に遊戯玩具を他の遊戯者の遊戯玩具に向けて指等ではじき、遊戯玩具同士がぶつかった場合には攻撃開始とする。攻撃が開始されるとぶつかった相互の遊戯玩具を裏返して攻撃用の面を表にする。このとき、攻撃スキルに例えば「2回攻撃」と記載されていた場合には2回連続で攻撃をすることができ、攻撃スキルに「先制攻撃」と記載されていれば先に攻撃できるものとする。
【0073】
そして、先に攻撃ができる遊戯者が相手の遊戯玩具をフィールドの外に押し出すように変形ユニットを相手の遊戯玩具に向けて飛び出させ、もし、相手の遊戯玩具が飛び出した変形ユニットによって飛ばされてフィールドの外に押し出された場合、押し出された側の遊戯玩具は使用不可とする。
【0074】
このような順序で各遊戯者が順番に攻撃を繰り返し、相手の遊戯玩具を全てフィールドの外に押し出すまで遊戯を行い、最終的に全ての敵をフィールドの外に押し出した遊戯者が勝ちとする。このように本実施形態における遊戯玩具(飛び出し玩具)は、陣取りゲームの駒として遊戯が可能である。すなわち、本実施形態における遊戯玩具は、従来から存在する陣取りゲームにケース部の中から変形ユニットが飛び出し、飛び出した玩具によって敵の駒を外に押し出すという新たな楽しみを追加して遊戯が可能となり、今までにない趣向の遊戯玩具を提供できることとなる。そして、上述したような遊戯玩具の複数を一組とし、指で弾いて遊ぶための遊戯玩具セットとして提供することもできる。なお、遊戯玩具の遊戯方法としてはこの遊戯方法に限定されるものではなく、ケース部の表面はあくまでコインを模したものとしてもよい。
【0075】
また、上述したように第1の孔と第2の孔を有したケース部に限定されず、他のケース部を備えた遊戯玩具とすることもできる。例えば、図13に示すように、円盤の下面に変形ユニットを収容する収容空間(及び開口部)である円形穴508を有したケース部505を用いることもできる。このケース部505は、折畳状態の変形ユニットに被せることで変形ユニットの折畳状態を維持し、かつ、変形ユニットを保持することができる。
【0076】
このようなケース部505を備えた遊戯玩具は、複数の遊戯者がコイン(硬貨)を回転させるように夫々の遊戯玩具を回転させ、遊戯玩具をぶつけ合って遊ぶといった遊戯ができる。具体的には、回転した遊戯玩具がぶつかり合うことにより、ケース部505の収容空間から変形ユニットが飛び出し、飛び出した変形ユニット同士がさらにぶつかり合って最終的に変形ユニットが裏返った遊戯者が負け、あるいは、上に乗った遊戯者が勝ちといったような遊戯方法が可能となる。すなわち、古典的なコインをぶつけ合って遊ぶという遊戯に新たな趣向を追加した遊戯が可能となる。
【0077】
このように本実施形態の遊戯玩具は、コイン型のケース部から変形ユニットが変形しながら飛び出すという構成を有していることにより、従来から存在するコインを用いたゲームに新たな趣向を追加して遊戯が可能となる。
【0078】
そして、本実施形態によれば、コイン形状であるため持ち運びが容易であり、複数の遊戯者で遊戯し合う場合に互いに遊戯玩具を持ち合うのに非常に便利であり、また、世界中の誰にとっても身近なコイン形状であるため、誰にでも親しみやすい玩具を提供できることとなる。
【0079】
また、円板状に折り畳まれた状態から弾性体によって複数の構成部材が回動展開し、展開状態へと変形する構成であれば展開状態の形状がどのようなキャラクタ形状であってもよいため、変形ユニットを様々な種類のキャラクタで構成することにより、需要者にキャラクタを集めるという楽しみを提供できることとなる。
【0080】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変形することがなければ様々な設計変更が可能である。例えばケース部の上面及び又は底面に、コインを模した紋様を印刷あるいは刻印し、折畳状態の変形ユニットをケース部内に収容した状態では、まるで本物のコインのような外観に形成する構成としてもよい。また、上面及び又は底面の模様を変更するための着せ替え用の板を備え、着せ替え用の板を変更することでケース部5の外観を変更可能に構成しても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 遊戯玩具
5 ケース部 6 第1の孔
6a 端面 6b 端面
7 第2の孔
10 変形ユニット 21 頭部
23 胴部 25 翼部
27 尾 31 胴体板
31a 頭部収納穴 31b 頭部軸支部
31d 翼部接続溝 32 後方突出板
32a 誘導壁 32b 尾部連結溝
33 足 35 首部材
37 頭部材 41 翼部主板
41a 中空部 41b 手
41g ケース係合部 41e 連結板
41h 半径側直線部 41i 円弧側直線部
41j 円弧部 42 翼部主板
42a 中空部 42b 手
42g ケース係合部 42e 連結板
42h 半径側直線部 42i 円弧側直線部
42j 円弧部 43 第1羽
44 第2羽 61 第1ねじりバネ
62 第2ねじりバネ 63 第3ねじりバネ
64 第4ねじりバネ 65 第5ねじりバネ
66 第6ねじりバネ
100 遊戯玩具
105 ケース部 106 第1の孔
107 第2の孔 110 変形ユニット
111 胴体板 111a 下面板
111b 円弧壁 111c 上面板
115 右腕部
116 左腕部 125 頭
126 象形物 127 象形物
131 右主板 131a ケース係合部
131b 下面板 131c 円弧壁
131d 上面板
133 右手 135 刀
138 連結棒 141 左主板
141a ケース係合部 143 連結棒
145 左手
200 遊戯玩具
205 ケース部 206 第1の孔
207 第2の孔 210 変形ユニット
211 頭部 215 前足部
217 尾 221 胴体板
221a 前湾曲部 221b 内側湾曲部
221C 内側湾曲部 221d 斜線部
221e 斜線部 221f 後直線部
221g 頭部収納穴 221h 連結棒収納溝
223 足 224 足
231 首部材
233 頭部材 241 前足主板
241a ケース係合部 242 前足主板
242a ケース係合部 244 連結棒
245 連結棒
300 遊戯玩具
305 ケース部 306 第1の孔
307 第2の孔 309 解除ボタン
310 変形ユニット 310a 第1展開状態
310b 第2展開状態 313 胴体板
313a 象形物 313b ケース係合部
315 足 316 足
317 攻撃板
400 遊戯玩具
405 ケース部 406 第1の孔
407 第2の孔 410 変形ユニット
410a 第1本体 410b 第2本体
411 甲羅部材 411a ケース係合部
413 鋏 413a 腕部
413b 鋏部 414 鋏
414a 腕部 414b 鋏部
431 頭部材 433 胴体
433a 頭部収納穴 435 足
436 足
505 ケース部 508 円形穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに回動可能に接続された複数の構成部材と前記回動可能な接続部に配置された弾性部材とによって構成される変形ユニットと、
前記変形ユニットを収容可能な収容空間と前記変形ユニットの出入りが可能な大きさに形成された開口部とを少なくとも有する円盤形状に構成され、前記変形ユニットが前記収容空間に着脱可能に装着される構成のケース部と、
を備え、
前記複数の構成部材は折り畳まれたとき前記収容空間に収容される大きさの円板形状に折り畳まれる構成とされ、前記弾性部材は前記複数の構成部材を前記円板に折り畳まれた状態から展開させる方向に付勢するように配置されており、
前記複数の構成部材を前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に折り畳み、折り畳まれた前記変形ユニットを前記ケース部の前記開口部から前記収容空間に収容することによって、前記変形ユニットが前記ケース部の内壁によって前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に維持され、前記変形ユニットが収容された前記ケース部が遊戯具を構成し、
前記変形ユニットが収容空間から放出されたとき、開放された前記弾性部材の付勢力によって前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状からキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする遊戯玩具。
【請求項2】
前記ケース部は、前記開口部を側面に備えるとともにケース部内に収容された前記変形ユニットを押し出すための押し出し操作孔をさらに側面に備え、
前記押し出し操作孔は前記開口部に対向する位置に前記開口部より小さく形成されており、
前記押し出し操作孔から前記変形ユニットに対し押し出す操作が行われたとき、開放された前記弾性部材の付勢力によって前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状からキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする請求項1に記載の変形玩具。
【請求項3】
前記ケース部は、前記開口部を下面に備え、該開口部は、前記円板形状に折り畳まれた前記複数の構成部材によって構成される前記変形ユニットを装着可能な大きさに形成されており、前記折り畳まれた前記変形ユニットを前記ケース部の下側から装着することによって前記収容空間内に前記変形ユニットを収容する構成であり、
前記ケース部に衝撃が加わったとき前記収容空間から前記変形ユニットが飛び出し、開放された前記弾性部材の付勢力によって前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状からキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする請求項1に記載の変形玩具。
【請求項4】
収容空間を備えた円盤形状に構成され、側面に第1の孔と第2の孔を備えたケース部と、
前記円盤形状の上面又は底面と並行な方向に互いに回動可能に接続され上方からみて円形又は円弧を含む形状に形成され側面からみて前記収容空間に収容可能な厚さに形成された複数の構成部材と、前記回動可能な接続部に配置された前記構成部材間を回動方向に付勢する弾性部材とによって構成される変形ユニットと、
を備え、
前記複数の構成部材は前記円盤形状の上面又は底面と並行な回動方向に前記弾性部材の弾性力に抗して行う複数回の回動操作を含む手順に従って折り畳まれたとき前記収容空間に収容される大きさの円板形状に折り畳まれる構成に作られており、前記弾性部材は前記複数の構成部材を前記円板に折り畳まれた状態から互いに回動して展開させる方向に付勢するように配置されており、
前記第1の孔は、前記円板形状に折り畳まれた複数の構成部材によって構成される前記変形ユニットを装着可能な大きさに形成されており、前記第2の孔は前記第1の孔に対向する位置に前記第1の孔より小さく形成されており、
前記複数の構成部材を前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に折り畳み、折り畳まれた前記変形ユニットを前記第1の孔から前記収容空間に着脱可能に収容することによって、前記変形ユニットが前記ケース部の内壁によって前記弾性部材の弾性力に抗して円板形状に維持され、前記変形ユニットが収容された前記ケース部が遊戯具を構成するものであり、
前記第2の孔から前記変形ユニットに対し押し出す操作が行われたとき、開放された前記弾性部材の付勢力によって一斉に前記複数の構成部材が互いに回動展開し前記円板形状から前記円盤形状の上面又は底面と並行な面に展開されたキャラクタ形状に変形する構成とされたことを特徴とする遊戯玩具。
【請求項5】
前記円盤形状のケース部の上面又は底面に対して垂直方向に回動する少なくとも一つの構成部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の遊戯玩具。
【請求項6】
前記構成部材及び前記弾性部材は、前記ケース部から飛び出して展開した第1展開状態と、第1展開状態からさらに展開した第2展開状態と、の2段階に展開可能なように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の遊戯玩具。
【請求項7】
前記ケース部は、コインを模した厚肉円盤形状とされ、少なくとも円盤形状の上面はコインを模した紋様が印刷あるいは刻印されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の遊戯玩具。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の遊戯玩具の複数を一組とし、それぞれが指で弾くことで移動可能な大きさに構成されていることを特徴とする遊戯玩具セット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−81199(P2012−81199A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231888(P2010−231888)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【Fターム(参考)】