説明

遊技コンテンツ配信方法および遊技コンテンツ配信システム

【課題】 真に現時点における状況を撮影した映像であることを示すことにより、利用者の持つシステムの不正に対する不安を取り除くことが可能な遊技コンテンツ配信方法および遊技コンテンツ配信システムを提供する。
【解決手段】 実在する遊技機の遊技状況と共に、一般的に大衆が視聴可能な公営及び民営の放送局等が放送する放送映像が再生されている放送映像画面を一緒に映し込むことにより、撮影した映像が、真に現時点における遊技状況を撮影した映像であることを示すことができる。従って、利用者は、安心してシステムを利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実在するルーレット等の遊技機に対して遠隔地にいる利用者が、通信ネットワークを介して、リアルタイムに遊技に参加することができる遊技コンテンツ配信方法および遊技コンテンツ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ルーレット等の遊技機には、近年普及しているコンピュータ制御された遊技機と、コンピュータ制御を用いない遊技機とがある。コンピュータ制御された遊技機の場合、遊技の過程や結果をコンピュータに搭載されたソフトウェアのアルゴリズムにより決定することから、ソフトウェアが恣意的に結果を出力することができるため、遊技者にとってはアルゴリズムの不正に対する不安がある。そのため、遊技者は心理的に、最後には必ず負けると感じさせられる場合がある。また、コンピュータ相手では、ディーラーの映像は繰り返しのデジタル映像となることから、遊技者はディーラーの表情や癖を感じることができないため、味気なさを感じさせる原因ともなっている。
【0003】
さらにコンピュータにゲームソフトをインストールして遊技する場合は、単なるシミュレーションゲームであるため、実際の遊技場における臨場感に欠けるという欠点がある。また、コンピュータ制御を用いないルーレットゲームの場合、ルーレット近傍にディーラーが必要であり、大勢の遊技者が遊技するには遊技機の設置スペースが多く必要である。従来の遠隔ルーレットシステムには、カジノ等で行われている現実のゲームを見ながら、遠隔地でゲームに参加することができるシステムがある(例えば、特許文献1参照)。遊技者は、ゲームが行われている生のカジノの映像を通信ネットワークを介して視聴でき、現金やクレジットカードを用いて賭をすることができる。
【0004】
【特許文献1】特表2004−520089号公報(段落0010−0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方式では、予め撮影された不正な映像が配信された場合、ゲームの映像が真にリアルタイムな映像であるかどうかを遊技者が確認することができないため、遊技者にとってはシステムの不正に対する不安が存在する。
【0006】
そこで、本発明は、遊技者にとって不正に対する不安がなく、かつ遠隔地において臨場感ある遊技を楽しむことができ、遊技場経営者にとっては顧客の増加と収益向上を見込むことができる遊技コンテンツ配信方法および遊技コンテンツ配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による遊技コンテンツ配信方法は、放送映像表示手段が、放送中の映像を表示し、賭け内容情報受信手段が、賭けの対象として遊技機に決定される遊技結果を指定する賭け内容情報であって、賭け金の情報を含む賭け内容情報を、遊技参加者に使用される端末から通信ネットワークを介して受信し、遊技映像送信手段が、前記放送映像表示手段に表示された映像とランダムに遊技結果を決定する遊技機による遊技状況とを同時に撮影し、前記映像および前記遊技状況とを含む遊技映像を前記端末に送信し、没収払い戻し金額計算手段が、遊技機に決定された遊技結果および賭け内容情報に基づいて、遊技参加者から没収する金額または遊技参加者に払い戻す金額である没収払い戻し金額を計算し、結果送信手段が、通信ネットワークを介して端末に遊技結果および没収払い戻し金額の情報を送信することを特徴とする。そのような構成によれば、撮影した映像が、真に現時点における遊技状況を撮影した映像であることを示すことができる。
【0008】
遊技参加者に使用される端末が、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額の情報と、遊技映像送信手段が送信した遊技映像とを表示してもよい。
【0009】
管理手段が、各遊技参加者ごとに、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を管理し、管理手段が、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額を受信して遊技参加者に使用される端末に中継し、没収払い戻し金額を受信したときに、没収払い戻し金額に基づいて、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を更新してもよい。
【0010】
遊技可能時間判定手段が、遊技参加者が賭けを行うことができる遊技可能時間の決定操作に応じて、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であるか否かを判定し、賭け受付通知送信手段が、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であると判定される場合に、賭けへの参加を受け付けた旨の通知を、遊技参加者に使用される端末に送信してもよい。
【0011】
本発明による遊技コンテンツ配信システムは、ランダムに遊技結果を決定する遊技機によって決定される遊技結果を賭けの対象として指定する賭け内容情報であって、賭け金の情報を含む賭け内容情報を、遊技参加者に使用される端末から通信ネットワークを介して受信する賭け内容情報受信手段と、遊技機に決定された遊技結果および賭け内容情報に基づいて、遊技参加者から没収する金額または遊技参加者に払い戻す金額である没収払い戻し金額を計算する没収払い戻し金額計算手段と、通信ネットワークを介して端末に遊技結果および没収払い戻し金額の情報を送信する結果送信手段と、放送中の映像を表示する放送映像表示手段と、放送映像表示手段に表示された映像と遊技機による遊技状況とを同時に撮影し、映像および遊技状況とを含む遊技映像を端末に送信する遊技映像送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
遊技参加者に使用される端末を備え、端末は、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額の情報と、遊技映像送信手段が送信した遊技映像とを表示してもよい。
【0013】
各遊技参加者ごとに、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を管理する管理手段を備え、管理手段は、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額を受信して、遊技参加者に使用される端末に中継し、没収払い戻し金額を受領したときに、没収払い戻し金額に基づいて、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を更新してもよい。
【0014】
遊技参加者が賭けを行うことができる遊技可能時間の決定操作が行われる遊技可能時間決定操作手段と、決定操作に応じて、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であるか否かを判定する遊技可能時間判定手段と、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であると判定された場合に、賭けへの参加を受け付けた旨の通知を、遊技参加者に使用される端末に送信する賭け受付通知送信手段とを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ネットワークを介して、遠隔地においてリアルタイムにルーレット等の遊技を行う場合に、不正がなされることを心配することなく臨場感ある遊技を楽しむことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1による遊技コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すネットワーク配信システムは、ルーレット14と、ルータ15と、ネットワークカメラ11と、テレビジョンモニタ13と、テレビジョン受像機16と、端末遊技機21と、端末側ルータ22と、端末遊技機31と、端末側ルータ32とを備える。ルーレット14と端末遊技機21,23は、ルータ15、端末側ルータ22,32を介して通信ネットワーク10に接続されている。通信ネットワーク10は、例えばインターネットであるが、インターネットに限定されない。
【0017】
会社Aは、例えば実際のカジノなどを運営する組織であり、ルーレット14と、ルータ15と、ネットワークカメラ11と、テレビジョンモニタ13と、テレビジョン受像機16とを所有している。ディーラーは、会社Aに雇われ、ルーレット14およびルーレット14が備えるボタン17を操作する。
【0018】
図2は、ルーレット14の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ルーレット14は、ボタン17と、ルーレットホイール201と、CPU202と、記憶装置203と、入出力インタフェース(I/O)204とを備え、通信可能に接続されている。ルーレットホイール201は、数字が記載され赤又は黒に色分けされたスロット(図示せず。)に区切られており、ディーラー12によって回転される。
【0019】
ルーレットホイール201は各スロット上に玉の圧力に反応するセンサ(図示せず。)を備え、ルーレットの玉がいずれかのスロットに入った場合に、玉の圧力に反応するセンサがルーレットの玉が入ったスロットを感知し、ルーレットホイール201と接続されたCPU202がセンサの感知結果に基づいてルーレット14の遊技結果(ルーレット結果)を自動的に判定する。CPU202は、ルーレット結果を入出力インタフェース204を介してルータ15に出力する。入出力インタフェース204は、ルータ15を介して他の装置と情報を送受信する。
【0020】
CPU202は、ボタン17がディーラー12によって操作された場合に、遊技者が遊技可能な時間や遊技不可能な時間を示すトリガ信号を入出力インタフェース204を介してルータ15に出力する。また、CPU202は、遊技者23や遊技者33によって端末遊技機21や端末遊技機31に賭け内容が設定された時刻が遊技可能時間内であったかを判別する機能と、ルーレット結果に基づいて遊技者から没収する金額もしくは遊技者に支払う金額を計算する機能をもつ。賭け内容とは、賭けの対象(本例ではルーレットの数字や色)および賭け金を示す情報である。
【0021】
テレビジョン受像機16は、一般的に大衆が視聴可能な公営および民営の放送局等が放送する放送映像を受信し、テレビジョンモニタ13に表示する。ネットワークカメラ11は、ディーラー12によってルーレット14が操作される場面を撮影すると同時に、テレビジョンモニタ13に表示された映像を写し込み、映像および音声をリアルタイムにルータ15に出力する。
【0022】
ルータ15は、契約者である遊技場B社の端末側ルータ22および遊技場C社の端末側ルータ32に、ネットワーク10を介してネットワークカメラ11から出力された映像および音声をリアルタイムに送信する。また、ルータ15は、ルーレット14から出力されたルーレット結果、遊技可能時間、遊技不可時間を示すルーレット関連データを、ネットワーク10を介して端末側ルータ22および端末側ルータ32に送信する。ルータ15は、契約者に予め配布したIDやパスワードを用いて契約者を判別し、契約者のみと通信を行う。例えば、端末遊技機は予め定められたIDと共に情報を送信し、ルータ15はIDが付加されていない情報がルーレット14に送信された場合、その情報を遮断する。また、IDが付加された情報が送信された場合、その情報は通過させる。
【0023】
遊技場B社および遊技場C社は、例えば遊技場としてのゲームセンターなどを運営する組織であり、遊技場B社は端末遊技機21、端末側ルータ22を備え、遊技場C社は端末遊技機31、端末側ルータ32を備える。遊技者23、遊技者33は、それぞれ遊技場B社、遊技場C社に来店した客であり、それぞれ端末遊技機21、端末遊技機31で遊技を行う。
【0024】
端末遊技機21および端末遊技機31は、それぞれ、端末側ルータ22および端末側ルータ32が受信した遊技映像やルーレット結果をディスプレイ装置24等に表示することにより、ルーレット遊技機として機能する。また、端末遊技機21および端末遊技機31は、遊技者が入力した賭け内容をネットワーク10を介してルーレット14に送信する機能と、ルーレット14がルーレット結果に基づいて計算し送信した、遊技者から没収する金額もしくは遊技者に支払う金額を表示する機能を持つ。端末遊技機21および端末遊技機31は、賭け対象である色や数字を入力可能な操作部(図示せず。)とディスプレイ装置24とを備える。また、端末遊技機21および端末遊技機31は、プログラムに従って動作するマイクロプロセッサ(図示せず。)とそのプログラムを記憶する記憶装置(図示せず。)とを備える。マイクロプロセッサは、遊技可能時間に操作部を操作可能とし、遊技不可時間に操作部を操作不能に制御する。
【0025】
図3は、会社A、遊技場B社および遊技場C社の金銭授受を示す説明図である。図3に示すように、会社A、遊技場B社および遊技場C社はそれぞれ銀行と契約を行い口座を所有している。会社Aと遊技場B社、会社Aと遊技場C社は、それぞれ、例えば月極契約や年極契約等の契約を行う。遊技場B社契約銀行302の遊技場B社契約口座および遊技場C社契約銀行303の遊技場C社契約口座から、会社A契約銀行301の会社A契約口座へ、契約形態に基づいたデータ配信料金等が入金される。
【0026】
テレビジョン受像機16は放送映像を再生する装置であり、テレビジョンモニタ13はテレビジョン受像機16が再生した映像を画面に表示する装置である。従って、放送映像表示手段は、テレビジョン受像機16およびテレビジョンモニタ13によって実現される。ネットワークカメラ11は、映像を電気信号に変換して記録するビデオカメラであり、出力ケーブルを備え、接続された通信装置に撮影した映像を出力する。従って、遊技映像送信手段は、ネットワークカメラ11によって実現される。
【0027】
ルーレット14は、ランダムに遊技結果を決定する遊技機であり、遊技参加者が賭けを行うことができる遊技可能時間を決定する操作が行われるボタン17を備える。従って、遊技可能時間決定操作手段は、ボタン17によって実現される。
【0028】
ルーレット14は、以下に説明する処理を実行するためのプログラムを記憶装置203に記憶し、ルーレット14に内蔵されているCPU202が、そのプログラムに従って動作することによって、以下に説明する処理が実行される。また、ルーレット14には、ルータ15およびネットワーク10を介して通信を行うための入出力インタフェース204が内蔵されている。従って、没収払い戻し金額計算手段および遊技可能時間判定手段は、ルーレット14において、プログラムに従って動作するCPU202によって実現される。また、賭け内容情報受信手段、結果送信手段および賭け受付通知送信手段は、プログラムに従って動作するCPU202と入出力インタフェース204によって実現されている。
【0029】
ルータ15は、ルーレット14およびネットワークカメラ11と接続される。ルータ15は、通信機能を有する情報処理装置である。
【0030】
端末遊技機21および端末遊技機31は、数字や色を入力可能な操作部およびディスプレイ装置24を備え、以下に説明する処理を実行するためのプログラムを内蔵し、端末遊技機に内蔵されているマイクロプロセッサが、そのプログラムに従って動作することによって、以下に説明する処理が実行される。従って、遊技結果および没収払い戻し金額の情報と遊技映像送信手段が送信した遊技映像とを表示する手段は、プログラムに従って動作するマイクロプロセッサによって実現されている。
【0031】
次に、図面を参照して本実施の形態の動作について説明する。図4は、ルーレット14が賭け内容を受信する動作を示すフローチャートである。ルーレット14による遊技の開始時(ルーレットの開始時)にディーラー12はボタン17を設定する(ステップS401)。ボタン17が設定されると、ルーレット14のCPU202が端末遊技機21に遊技可能通知を送信し(ステップS402)、端末遊技機21は賭け可能状態となる。なお、本実施形態において、賭け可能状態では端末遊技機の操作が可能であり、賭け不可能状態では端末遊技機の操作が不可能となる。ディーラー12は、ボタン17の設定後、一定時間の経過を待ち(ステップS403)、図5に示すステップS501に移行する。遊技者によって端末遊技機21に賭け内容が入力され確定されると、端末遊技機21のマイクロプロセッサは、賭け内容が確定されたことを示す賭け内容確定通知を、ネットワーク10を介してルーレット14に送信する(ステップS404)。
【0032】
ルーレット14のCPU202は、端末遊技機21が送信した賭け内容確定通知を受信すると、遊技可能時間外であるか判別し(ステップS405)、遊技可能時間外ではない場合(NO)に、賭けを受け付けたことを示す賭け受付通知をネットワーク10を介して端末遊技機21に送信する(ステップS406)。端末遊技機21のマイクロプロセッサは、賭け受付通知を受信すると、賭けが確定したことを示す賭け確定を行う(ステップS407)。ステップS405において、ルーレット14のCPU202が遊技可能時間外であると判断した場合(YES)は、CPU202は賭け受付通知を送信せず、端末遊技機21のマイクロプロセッサは賭け確定を行わない。なお、遊技可能時間外であるか否かの判断は、時間外フラグを参照して行う。時間外フラグは、遊技可能時間か否かを示すフラグである。本例では、時間外フラグが設定されていれば遊技可能時間外と判断し、設定されていなければ遊技可能時間と判断する。なお、時間外フラグの設定は後述のステップS504で行われる。
【0033】
図5は、遊技可能時間終了時および払い戻し時の動作を示すフローチャートである。ディーラー12によってルーレットホイール201に玉が投入され(ステップS501)、賭けが締め切られた場合に、ボタン17の設定はディーラー12によって解除される(ステップS502)。ボタン17の設定が解除されると、ルーレット14のCPU202は端末遊技機21に遊技不可通知を送信し(ステップS503)、時間外フラグを設定する(ステップS504)。ルーレットの玉がいずれかのスロットに入り結果が決定すると、ルーレット14のCPU202は、センサ(図示せず。)の感知結果に基づきルーレット結果を自動的に判定しルーレット結果を端末遊技機21に送信するとともに、ルーレット結果および賭け内容に基づいて遊技者から没収する金額もしくは遊技者に払い戻す金額を計算し、計算結果を端末遊技機21に送信する(ステップS505)。以下、ルーレット結果に基づいて計算された遊技者から没収する金額もしくは遊技者に払い戻す金額を、没収払い戻し金額と表記する。
【0034】
端末遊技機21のマイクロプロセッサは、ルーレット14によって送信されたルーレット結果および没収払い戻し金額のデータを参照して、没収払い戻し金額をディスプレイ装置24に表示する(ステップS506)。ディーラー12はルーレット結果の確定後、一定時間の経過を待ち(ステップS507)、その後遊技の最初の動作である図4のステップS401に示すボタン17設定に戻ることにより、上記一連の処理を繰り返す。
【0035】
なお、図4および図5に示す例では、ディーラー12、ルーレット14、端末遊技機21の動作を示しているが、端末遊技機21は端末遊技機31であってもよい。
【0036】
ルーレット14による遊技の開始から営業終了までの間、ネットワークカメラ11は、ディーラー12によってルーレット14が操作される場面とテレビジョンモニタ13に表示された放送映像を撮影し、映像および音声をネットワーク10を介してリアルタイムに端末遊技機21に出力する。現時点で放送されている映像が表示されたテレビジョンモニタ13を共に映し込むことは、真に現時点において、ディーラー12によってルーレット14が操作されているということを示す。
【0037】
以上に説明したように、上記の実施の形態1によれば、遊技者は端末遊技機21に表示される実在するルーレット14の映像を見ることにより、リアルタイムに臨場感ある遊技を行うことができる。さらに、端末遊技機21に表示される映像は、ディーラー12が操作しているルーレット14と、ルーレット14の近くに設置されたテレビジョンモニタ13が、一緒に写っている映像である。テレビジョンモニタ13は一般的に大衆が視聴可能な公営および民営の放送局等が放送する放送映像を表示することから、遊技者は、テレビジョンモニタ13に表示されている映像が、現時点において放送されているものであることを確認することができる。従って、遊技者は、遠隔地においてもリアルタイムに実際のカジノの雰囲気を体験することができるとともに、ルーレット14が真に現時点において操作されていることを確認することができ、ルーレットの過程や結果についての不正を心配することなく遊技することができる。
【0038】
また、遊技場の経営者にとっては、不正を心配して遊技をためらっていた人を遊技者として取り込むことができることから、遊技場経営の収益向上につながるという効果がある。さらに遊技場経営者とデータ配信会社を分離独立した会社とすることが可能であり、分離独立した会社にすればデータ配信会社がルーレット結果を不正に操作する必要がなくなり、遊技者にとっての安心感を増すことができる。また、遊技場経営者はディーラーを雇う必要がなく、必要な端末遊技機数分の契約料金を会社Aに支払うことで、コストダウンを可能にするという効果がある。さらに、設置スペースを多く必要とするルーレット機能部分を設置する必要がないことから、設置スペースを小さくすることでコストダウンを可能にし、遊技機の設置可能箇所が増えることでビジネスチャンスを増やす効果がある。
【0039】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態2による遊技コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。図6に示すネットワーク配信システムは、ルーレット14と、ルータ15と、ネットワークカメラ11と、テレビジョンモニタ13と、テレビジョン受像機16と、ホストコンピュータ51と、ホスト側ルータ52と、パーソナルコンピュータ41とを備える。ルーレット14とホストコンピュータ51は、それぞれルータ15、ホスト側ルータ52を介して通信ネットワーク10(例えばインターネット等)に接続されている。
【0040】
会社Aは、例えば実際のカジノなどであり、ルーレット14と、ルータ15と、ネットワークカメラ11と、テレビジョンモニタ13と、テレビジョン受像機16とを所有している。ディーラーは、会社Aに雇われ、ルーレット14およびルーレット14が備えるボタン17を操作する。なお、ルーレット14の構成は、第1の実施の形態におけるルーレット14の構成(図2参照。)と同様である。
【0041】
テレビジョン受像機16は、一般的に大衆が視聴可能な公営および民営の放送局等が放送する放送映像を受信し、テレビジョンモニタ13に表示する。ネットワークカメラ11は、ディーラー12によってルーレット14が操作される場面を撮影すると同時に、テレビジョンモニタ13に表示された映像を写し込み、映像および音声をリアルタイムにルータ15に出力する。
【0042】
ルータ15は、契約者である個人Dのパーソナルコンピュータ41に、ネットワーク10を介してネットワークカメラ11から出力された映像および音声をリアルタイムに送信する。また、ルータ15は、ルーレット14が出力したルーレット結果を、ネットワーク10を介してホスト側ルータ52に送信する。ルータ15は、契約者に予め配布したIDやパスワードを用いて契約者を判別し、契約者のみと通信を行う。例えば、パーソナルコンピュータ41は予め定められたIDと共に情報を送信し、ルータ15はIDが付加されていない情報がルーレット14に送信された場合、その情報を遮断する。また、IDが付加された情報が送信された場合、その情報は通過させる。
【0043】
ネット遊技会社Fは、ホストコンピュータ51、ホスト側ルータ52を備える。ホスト側ルータ52は、ルータ15によって送信されたルーレット結果をホストコンピュータ51に出力する。
【0044】
ホストコンピュータ51は、以下に説明する処理を実行するためのプログラムを内蔵し、ホストコンピュータ51に内蔵されているマイクロプロセッサが、そのプログラムに従って動作することによって、以下に説明する処理が実行される。従って、管理手段は、プログラムに従って動作するマイクロプロセッサによって実現されている。
【0045】
ホストコンピュータ51は、ルーレット結果を、契約者である個人Dのパーソナルコンピュータ41に、ホスト側ルータ52およびネットワーク10を介して送信する。ホストコンピュータ51は、賭けの状況を管理する。すなわち、ホストコンピュータ51は各個人ごとに、個人が会社Aに没収される合計金額や会社Aが個人に支払う合計金額を管理し、これらの合計金額に変更があった場合、その合計金額を更新する。なお、ホストコンピュータ51は合計金額の情報を記憶する記憶装置(図示せず。)を備え、その記憶装置に記憶させた金額の情報を更新すればよい。
【0046】
パーソナルコンピュータ41には、ルーレット遊技機として機能するために必要なプログラムが予めインストールされている。パーソナルコンピュータ41は、ホスト側ルータ52が送信したルーレット結果をディスプレイ装置に表示することにより、ルーレット遊技機として機能する。また、パーソナルコンピュータ41は、遊技者42が入力した賭け内容をネットワーク10を介してホスト側ルータ52に送信する機能と、ホスト側ルータ52が送信した没収払い戻し金額を表示する機能を持つ。また、パーソナルコンピュータ41は、遊技可能時間に操作可能な状態に制御し、操作不可時間に操作不能な状態に制御する。
【0047】
図7および図8は、会社A、ネット遊技会社F、個人Dの金銭授受を示す説明図である。図7に示すように、会社A、ネット遊技会社F、個人Dはそれぞれ銀行と契約を行い口座を所有している。会社Aとネット遊技会社F、ネット遊技会社Fと個人Dは、それぞれ、例えば月極契約等の契約を行っている。個人D契約銀行701の個人D契約口座からネット遊技会社F契約銀行702のネット遊技会社F契約口座へ、契約形態に基づいたデータ配信料金等が入金される。また、ネット遊技会社F契約銀行702のネット遊技会社F契約口座から会社A契約銀行301の会社A契約口座へ、契約形態に基づいたデータ配信料金等が入金される。
【0048】
また、図8に示す例では、個人D契約銀行701の個人D契約口座からネット遊技会社F契約銀行702のネット遊技会社F契約口座と会社A契約銀行301の会社A契約口座へ、契約形態に基づいたデータ配信料金等が入金される。さらに、ネット遊技会社F契約銀行702のネット遊技会社F契約口座から会社A契約銀行301の会社A契約口座へ、契約形態に基づいたデータ配信料金等が入金される。
【0049】
次に、図面を参照して本実施の形態の動作について説明する。図9は、ルーレット14が賭け内容を受信する動作を示すフローチャートである。ルーレットの開始時にディーラー12はボタン17を設定する(ステップS901)。ボタン17が設定されると、ルーレット14のCPU202がパーソナルコンピュータ41に遊技可能通知を送信し(ステップS902)、パーソナルコンピュータ41は賭け可能状態となる。なお、本実施形態において、賭け可能状態では端末遊技機の操作が可能であり、賭け不可能状態では端末遊技機の操作が不可能となる。ディーラー12は、ボタン17の設定後、一定時間の経過を待ち(ステップS903)、図10に示すステップS1001に移行する。遊技者によってパーソナルコンピュータ41に賭け内容が入力され確定されると、パーソナルコンピュータ41は、賭け内容が確定されたことを示す賭け内容確定通知を、ネットワーク10を介してホストコンピュータ51に送信する(ステップS904)。ホストコンピュータ51はパーソナルコンピュータ41が送信した賭け内容確定通知を受信すると、ネットワーク10を介してルーレット14に送信する(ステップS905)。
【0050】
ルーレット14のCPU202は、ホストコンピュータ51が送信した賭け内容確定通知を受信すると、遊技可能時間外であるか判別し(ステップS906)、遊技可能時間外ではない場合(NO)に、賭けを受け付けたことを示す賭け受付通知をネットワーク10を介してホストコンピュータ51に送信する(ステップS907)。ホストコンピュータ51は、ルーレット14から賭け受付通知を受信すると、賭けを確定する旨の通知をネットワーク10を介してパーソナルコンピュータ41に送信する(ステップS908)。パーソナルコンピュータ41は、この通知を受信すると、賭けが確定したことを示す賭け確定を行う(ステップS909)。ステップS906において、ルーレット14が遊技可能時間外であると判断した場合(YES)は、ルーレット14は賭け受付通知を送信せず、ホストコンピュータ51およびパーソナルコンピュータ41は賭け確定を行わない。なお、遊技可能時間外であるか否かの判断は、第1の実施の形態と同様に時間外フラグを参照して行えばよい。
【0051】
図10は、遊技可能時間終了時および払い戻し時の動作を示すフローチャートである。ディーラー12によってルーレットホイール201に玉が投入され(ステップS1001)、賭けが締め切られた場合に、ボタン17の設定はディーラー12によって解除される(ステップS1002)。ボタン17の設定が解除されると、ルーレット14のCPU202はホストコンピュータ51に遊技不可通知を送信し(ステップS1003)、遊技可能時間外か否かを示す時間外フラグ設定を行う(ステップS1004)。ルーレットの玉がいずれかのスロットに入り結果が決定すると、ルーレット14は、ルーレット結果を自動的に判定しルーレット結果をホストコンピュータ51に送信するとともに、ルーレット結果および賭け内容に基づいて遊技者から没収する金額もしくは遊技者に払い戻す金額(没収払い戻し金額)を計算し、没収払い戻し金額の計算結果をホストコンピュータ51に送信する(ステップS1005)。
【0052】
ホストコンピュータ51は、ルーレット14によって送信されたルーレット結果および没収払い戻し金額のデータを、パーソナルコンピュータ41に送信する(ステップS1006)。また、ステップS1006において、ホストコンピュータ51は、没収払い戻し金額のデータに基づいて個人Dが会社Aに没収される合計金額や会社Aが個人Dに支払う合計金額を更新する。パーソナルコンピュータ41は、ホストコンピュータ51によって送信されたルーレット結果および没収払い戻し金額のデータを参照して、没収払い戻し金額をディスプレイ装置に表示する(ステップS1007)。ディーラー12はルーレット結果の確定後、一定時間の経過を待ち(ステップS1008)、その後遊技の最初の動作である図9のステップ901に示すボタン17設定に戻ることにより、上記一連の処理を繰り返す。
【0053】
ルーレットの開始から終了までの間、ネットワークカメラ11は、ディーラー12によってルーレット14が操作される場面とテレビジョンモニタ13に表示された放送映像を撮影し、映像および音声をネットワーク10を介してリアルタイムにパーソナルコンピュータ41に出力する。現時点で放送されている映像が表示されたテレビジョンモニタ13を共に映し込むことは、真に現時点において、ディーラー12によってルーレット14が操作されているということを示す。
【0054】
以上に説明したように、上記の実施の形態2によれば、実施の形態1による効果に加えて、ネット遊技会社Fは端末遊技機を設置する必要がなく、低い初期投資でネット遊技場を経営することができる。
【0055】
なお、上記の実施の形態1および実施の形態2では、遊技機としてルーレットを例示しているが、ルーレット以外のゲームであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、遠隔地においてリアルタイムに臨場感ある遊技を実施する場合に、遊技者にとって不正に対する不安のない遊技コンテンツ配信に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1による遊技コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1によるルーレットの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるデータ配信料金の入金経路の例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1のルーレットが賭け内容を受信する動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1の遊技可能時間終了時および払い戻し時の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2による遊技コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2によるデータ配信料金の入金経路の例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2によるデータ配信料金の入金経路の例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2のルーレットが賭け内容を受信する動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2の遊技可能時間終了時および払い戻し時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 ネットワーク
11 ネットワークカメラ
12 ディーラー
13 テレビジョンモニタ
14 ルーレット
15 ルータ
16 テレビジョン受像機
17 ボタン
21 端末遊技機
22 端末側ルータ
23 遊技者
31 端末遊技機
32 端末側ルータ
33 遊技者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送映像表示手段が、放送中の映像を表示し、
賭け内容情報受信手段が、賭けの対象として遊技機に決定される遊技結果を指定する賭け内容情報であって、賭け金の情報を含む賭け内容情報を、遊技参加者に使用される端末から通信ネットワークを介して受信し、
遊技映像送信手段が、前記放送映像表示手段に表示された映像とランダムに遊技結果を決定する遊技機による遊技状況とを同時に撮影し、前記映像および前記遊技状況とを含む遊技映像を前記端末に送信し、
没収払い戻し金額計算手段が、前記遊技機に決定された遊技結果および賭け内容情報に基づいて、遊技参加者から没収する金額または遊技参加者に払い戻す金額である没収払い戻し金額を計算し、
結果送信手段が、通信ネットワークを介して前記端末に遊技結果および没収払い戻し金額の情報を送信する
ことを特徴とする遊技コンテンツ配信方法。
【請求項2】
遊技参加者に使用される端末が、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額の情報と、遊技映像送信手段が送信した遊技映像とを表示する
請求項1に記載の遊技コンテンツ配信方法。
【請求項3】
管理手段が、各遊技参加者ごとに、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を管理し、
前記管理手段が、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額を受信して遊技参加者に使用される端末に中継し、前記没収払い戻し金額を受信したときに、前記没収払い戻し金額に基づいて、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を更新する
請求項1または請求項2に記載の遊技コンテンツ配信方法。
【請求項4】
遊技可能時間判定手段が、遊技参加者が賭けを行うことができる遊技可能時間の決定操作に応じて、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であるか否かを判定し、
賭け受付通知送信手段が、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であると判定される場合に、賭けへの参加を受け付けた旨の通知を、遊技参加者に使用される端末に送信する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の遊技コンテンツ配信方法。
【請求項5】
ランダムに遊技結果を決定する遊技機によって決定される遊技結果を賭けの対象として指定する賭け内容情報であって、賭け金の情報を含む賭け内容情報を、遊技参加者に使用される端末から通信ネットワークを介して受信する賭け内容情報受信手段と、
前記遊技機に決定された遊技結果および賭け内容情報に基づいて、遊技参加者から没収する金額または遊技参加者に払い戻す金額である没収払い戻し金額を計算する没収払い戻し金額計算手段と、
通信ネットワークを介して前記端末に遊技結果および没収払い戻し金額の情報を送信する結果送信手段と、
放送中の映像を表示する放送映像表示手段と、
前記放送映像表示手段に表示された映像と前記遊技機による遊技状況とを同時に撮影し、前記映像および前記遊技状況とを含む遊技映像を前記端末に送信する遊技映像送信手段とを備えた
ことを特徴とする遊技コンテンツ配信システム。
【請求項6】
遊技参加者に使用される端末を備え、
前記端末は、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額の情報と、遊技映像送信手段が送信した遊技映像とを表示する
請求項5に記載の遊技コンテンツ配信システム。
【請求項7】
各遊技参加者ごとに、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を管理する管理手段を備え、
前記管理手段は、結果送信手段が送信した遊技結果および没収払い戻し金額を受信して、遊技参加者に使用される端末に中継し、前記没収払い戻し金額を受領したときに、前記没収払い戻し金額に基づいて、遊技参加者から没収する合計金額または遊技参加者に払い戻す合計金額を更新する
請求項5または請求項6に記載の遊技コンテンツ配信システム。
【請求項8】
遊技参加者が賭けを行うことができる遊技可能時間の決定操作が行われる遊技可能時間決定操作手段と、
前記決定操作に応じて、賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であるか否かを判定する遊技可能時間判定手段と、
賭け内容情報の受信時刻が遊技可能時間内であると判定された場合に、賭けへの参加を受け付けた旨の通知を、遊技参加者に使用される端末に送信する賭け受付通知送信手段とを備えた
請求項5から請求項7のうちのいずれか1項に記載の遊技コンテンツ配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−163513(P2006−163513A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350065(P2004−350065)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】