説明

遊技システム及び不正検知方法

【課題】封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することを課題とする。
【解決手段】封入式遊技機20が持玉数データ22aを記憶部22に記憶して所定の時間間隔で台間カード処理機10に定期的に通知し、台間カード処理機10は封入式遊技機20により定期的に通知される持玉数に基づいて持玉数の上限値を算定する。そして、台間カード処理機10は、遊技客によりカード返却ボタン18の押下操作がなされた際に封入式遊技機20が台間カード処理機10に送信した持玉数と上限値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、カードの排出制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機の機外にパチンコ玉等の遊技媒体を投出しない遊技機(以下、「封入式遊技機」と言う)の持玉数を管理する場合に、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することができる遊技システム及び不正検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店には、一般的に遊技機の機外にパチンコ玉等の遊技媒体を投出する遊技機(以下、「開放式遊技機」と言う)が配設されてきたが、最近になって、他店からの持込玉や異なる貸出レート間の持込玉の問題が顕在化してきたため、かかる持込玉が発生しない封入式遊技機が注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、遊技客がパチンコ玉に触れない構造とし、パチンコ玉が入賞すると該入賞分のパチンコ玉数を持玉数に加算し、入賞しない打込玉分のパチンコ玉数を持玉数から減算する封入式遊技機が開示されている。
【0004】
この封入式遊技機を遊技店に配設する場合には、各台計数機付きの開放式遊技機を配設する場合と同様に、カード等の記録媒体に関する処理等を行う各台装置が各封入式遊技機に併設され、該各台装置において、貨幣及びカードの受け入れ、プリペイド価値を用いた遊技媒体の貸出処理等を行うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−233635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に代表される封入式遊技機を配設する場合には、開放式遊技機を配設する場合よりも一層の不正対策が重要となる。電子的に遊技媒体数を不正に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から偽の遊技媒体数を各台装置に送信する不正が考えられるためである。
【0007】
すなわち、開放式遊技機のように現物の遊技媒体の授受を前提とする場合には、持ち込むことができる遊技媒体数に自ずと限界があるが、封入式遊技機が管理する持玉数が電子的に偽造された場合には、遊技店に多大の損害をもたらす可能性がある。
【0008】
このため、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正をいかに防止するかが重要な課題となっている。なお、上記封入式遊技機には、パチンコ玉を遊技機に封入した封入式パチンコ機だけではなく、現物のメダルを使用せずにクレジットと呼ばれる電子メダルを用いた遊技を可能とするパチスロ機も含まれ、かかるパチスロ機の場合にも同様の課題が生ずる。
【0009】
また、封入式遊技機は、打込玉数及び賞玉数を計数する際の誤差が開放式遊技機に比して非常に小さい。このため、封入式遊技機では、打込玉数や賞玉数の計数値を厳密に監視する必要がある。ただし、過度に少量の誤差で不正が発生した可能性があると判断すると、誤判定も含めて不正発生の判断が多発し、遊技店の営業に支障をきたしてしまう。特に、不正が発生した可能性があると判断した場合にカードの取り出しを禁止するよう構成したならば、遊技が続行できなくなるため、より慎重な対応が求められる。
【0010】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するためになされたものであって、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することができる遊技システム及び不正検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムであって、前記封入式遊技機は、自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を記憶する遊技媒体数特定情報記憶手段と、所定の記録媒体返却操作を受け付けた場合に、前記遊技媒体数特定情報記憶手段に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に対して通知する遊技媒体数特定情報通知手段とを備え、前記各台装置は、前記封入式遊技機から遊技媒体数特定情報を受信した場合に、該遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記封入式遊技機は、自機に対して打ち込まれた打込遊技媒体数及び入賞に伴って遊技客に供給される賞遊技媒体数を特定可能な遊技情報を前記各台装置に対して通知する遊技情報通知手段をさらに備え、前記各台装置は、少なくとも前記封入式遊技機に対して貸し出された貸遊技媒体数及び前記封入式遊技機から通知された遊技情報が示す打込遊技媒体数及び賞遊技媒体数を用いてしきい値を算定するしきい値算定手段と、所定のカード返却操作に応答して前記封入式遊技機から通知された遊技媒体数特定情報と、前記しきい値算定手段により算定されたしきい値を比較し、当該比較の結果に基づいて前記遊技媒体数特定情報を関連付けた記録媒体の排出制御を行う制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムであって、前記封入式遊技機は、自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を記憶する遊技媒体数特定情報記憶手段と、前記遊技媒体数特定情報記憶手段に記憶した遊技媒体数特定情報を所定の時間間隔で前記各台装置に定期的に通知する第1の通知手段と所定の記録媒体返却操作がなされた際に、前記遊技媒体数特定情報記憶手段に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に通知する第2の通知手段とを備え、前記各台装置は、前記第1の通知手段による通知を受け付けた場合に、遊技媒体数特定情報の上限値を算定する算定手段と、前記第2の通知手段による通知を受け付けた場合に、前記上限値と前記遊技媒体数特定情報が示す値との比較により前記第2の通知手段により通知された遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記算定手段は前記封入式遊技機と前記各台装置との間の通信時間間隔に関する情報、又は当該情報と前記封入式遊技機の遊技性能に関する情報に基づいて、前記上限値を算定することを特徴とする。
【0015】
遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムの不正検出方法であって、前記封入式遊技機が、自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を遊技媒体数特定情報記憶部に格納する格納工程と、所定の記録媒体返却操作を受け付けた場合に、前記遊技媒体数特定情報記憶部に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に対して通知する遊技媒体数特定情報通知工程と、前記各台装置が、前記封入式遊技機から遊技媒体数特定情報を受信した場合に、該遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断工程とを含んだことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムの不正検知方法であって、前記封入式遊技機が、自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を遊技媒体数特定情報記憶部に格納する格納工程と、前記遊技媒体数特定情報記憶部に記憶した遊技媒体数特定情報を所定の時間間隔で前記各台装置に定期的に通知する第1の通知工程と前記封入式遊技機が、所定の記録媒体返却操作がなされた際に、前記遊技媒体数特定情報記憶部に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に通知する第2の通知工程と、前記各台装置が、前記第1の通知工程による通知を受け付けた場合に、遊技媒体数特定情報の上限値を算定する算定工程と、前記各台装置が、前記第2の通知工程による通知を受け付けた場合に、前記上限値と前記遊技媒体数特定情報が示す値との比較により前記第2の通知工程により通知された遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、封入式遊技機は、遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を記憶し、所定の記録媒体返却操作を受け付けた場合に、遊技媒体数特定情報を各台装置に対して通知し、前記各台装置は、封入式遊技機から遊技媒体数特定情報を受信した場合に、該遊技媒体数特定情報の整合性を判断するよう構成したので、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することが可能となる。
【0018】
また、本発明によれば、封入式遊技機は、遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を記憶し、遊技媒体数特定情報を所定の時間間隔で各台装置に定期的に通知するとともに、所定の記録媒体返却操作がなされた際に、遊技媒体数特定情報を各台装置に通知し、各台装置は、定期的な通知を受け付けた場合に、遊技媒体数特定情報の上限値を算定し、所定の記録媒体返却操作がなされた際の通知を受け付けた場合に、上限値と遊技媒体数特定情報が示す値とを比較により遊技媒体数特定情報の整合性を判断するよう構成したので、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した台間カード処理機の外観構成を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した台間カード処理機及び封入式遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1に示した台間カード処理機及び封入式遊技機の動作の具体例について説明するための説明図である(その1)。
【図5】図5は、図1に示した台間カード処理機及び封入式遊技機の動作の具体例について説明するための説明図である(その2)。
【図6】図6は、図1に示した封入式遊技機の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1に示した台間カード処理機の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例2に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【図9】図9は、図8に示した台間カード処理機及び封入式遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、図8に示した台間カード処理機及び封入式遊技機の動作の具体例について説明するための説明図である。
【図11】図11は、図8に示した封入式遊技機の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図8に示した台間カード処理機の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技システム及び不正検知方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1では、台間カード処理機が封入式遊技機から定期的に受信した持玉数に基づいて不正の有無を判定する場合を示し、実施例2では、台間カード処理機が封入式遊技機により出力された打込玉信号(アウト信号)及び賞玉信号(セーフ信号)を取得して不正の有無の判定に用いる場合を示すこととする。
【実施例1】
【0021】
まず、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、複数の封入式遊技機20と、各封入式遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、精算機60と、景品管理装置70とが通信回線90を介して接続されている。
【0022】
封入式遊技機20は、装置内部に封入されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。この封入式遊技機20は、台間カード処理機10が玉貸し処理を行った場合に持玉数を加算し、持玉が存在する範囲で、遊技領域にパチンコ玉を打ち込むことができる。また、打ち込んだパチンコ玉が入賞したならば、入賞したパチンコ玉数を持玉数に加算する。
【0023】
封入式遊技機20は、遊技中に定期的に持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、台間カード処理機10から玉返却指示を受け付けた場合には、持玉数を台間カード処理機10に通知したうえで、持玉数を零にクリアする。
【0024】
台間カード処理機10は、プリペイド価値の管理、パチンコ玉の貸し出し、カード返却処理、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶するととともに、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応する持玉数を封入式遊技機20に加算させる。
【0025】
また、台間カード処理機10は、カードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値を記憶するとともに、該カードに関連付けられた持玉数を封入式遊技機20の持玉数に加算させる。そして、カード返却操作を受け付けたならば、台間カード処理機10は、封入式遊技機20に対して玉返却指示を送信して封入式遊技機20から持玉数の通知を受け、封入式遊技機20から通知された持玉数並びに台間カード処理機10に記憶していたプリペイド価値をカードに関連付けて排出する処理を行う。
【0026】
さらに、台間カード処理機10は、封入式遊技機20により定期的に通知された持玉数に基づいて、封入式遊技機20から次に通知される持玉数の上限値を算定する。台間カード処理機10は、玉返却指示に基づいて封入式遊技機20から通知された持玉数を上限値と比較して持玉数の整合性を判定したうえで、カードの排出を行う。
【0027】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の封入式遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。
【0028】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカードデータを更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置70からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置70に対して通知する。さらに、精算機60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するプリペイド価値を精算機60に対して通知する。
【0029】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0030】
精算機60は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0031】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置70には、カードのカードIDを読み取るリーダライタ及び特殊景品を払い出す装特殊景品払出装置が接続されている。景品管理装置70は、リーダライタが一般カード又は会員カードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
【0032】
次に、図1に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図2は、図1に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される封入式遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
【0033】
図2に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉数データが記憶されたカードを受け付けるカード挿入口14とが設けられている。
【0034】
また、封入式遊技機20には、封入されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込む際に使用するハンドル21と、プリペイド価値の残数を表示するプリペイド価値表示部15と、持玉数を表示する持玉数表示部16と、プリペイド価値から持玉への移行を指示するための玉貸しボタン17と、カード返却を指示するためのカード返却ボタン18とが設けられている。その詳細な説明は後述するが、このプリペイド価値表示部15及びカード返却ボタン18は、封入式遊技機20の前面に設けられており、台間カード処理機10の制御部に直結されている。
【0035】
次に、図1に示した台間カード処理機10及び封入式遊技機120の内部構成について説明する。図3は、台間カード処理機10及び封入式遊技機20の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、台間カード処理機10は、表示操作部13と、R/W部10aと、紙幣搬送部10bと、通信I/F部10cと、記憶部10eと、制御部10fとを有する。
【0036】
R/W部10aは、カード挿入口14に挿入されたカードに記憶されたカードID、持玉数データ及びプリペイド価値データを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14に挿入されたカードは、このR/W部10aを経て図示しないカード収納部に収納される。
【0037】
紙幣搬送部10bは、紙幣挿入口12から挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。通信I/F部10cは、封入式遊技機20及び通信回線90との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
【0038】
記憶部10eは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、カードID10e1、プリペイド価値データ10e2及び上限値10e3を記憶する。カードID10e1は、R/W部10aで読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14にカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でR/W部10aにより読み取られたカードIDによりカードID10e1が更新される。また、カード挿入口14から図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でR/W部10aにより読み取られたカードIDによりカードID10e1が更新される。プリペイド価値データ10e2は、遊技客の現時点のプリペイド価値の残数であり、紙幣又はカードの投入により加算され、持玉数への移行により減算される。
【0039】
上限値10e3は、玉返却指示に基づいて封入式遊技機20から通知された持玉数との比較に用いるしきい値である。具体的には、上限値10e3の値を「A」、前回封入式遊技機20より通知された持玉数を「B」、封入式遊技機20による定期通知の時間間隔を「Δt分」、パチンコ玉の1分当たりの発射回数を「C」、Δt間で遊技客が獲得可能な最大玉数を「D」、誤差を「X」とした場合に、
A=B−C×Δt+D+X
の算定式によって求められる。
【0040】
最大玉数Dの値は、例えば封入式遊技機20内に自己の性能を記憶する記憶部があり、この記憶部から、接続時あるいは電源ON時に情報の送信を受けて設定することができる。また、封入式遊技機20から、封入式遊技機20の機種を表す信号を受信し、この機種情報に基づいてホールコンピュータ等の上位の管理装置に最大玉数Dの値を問い合わせる処理によっても設定することができる。この場合、上位の管理装置には、機種に応じて最大玉数Dを対応づけたテーブルを記憶する記憶部があり、このテーブルは、遊技機メーカーからのオンライン送信情報あるいはホール従業員の入力操作により設定される。
【0041】
誤差Xは、営業の状態等に応じて可変設定入力することができる値であり、従業員の入力操作等により設定される。また、B−C×Δt+Dの値に一定比率(例えば5〜10%)を乗じた値とし、この比率を可変とすることもできる。このことにより、誤差を値の大きさにより適正な値に保つことができる。
【0042】
また、レート変更を行う場合には、許容誤差値としてのXをレートにより変更する構成としてもよい。この場合は、レート変更部からの変更信号に応じてXの値が変更されるように構成する。
【0043】
制御部10fは、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部10f1、紙幣処理部10f2、カード処理部10f3、上限値算定部10f4、比較制御部10f5及びレート変更部10f7を有する。また、この制御部10fには、プリペイド価値表示部15及びカード返却ボタン18が直結されている。
【0044】
データ管理部10f1は、記憶部10eに記憶したプリペイド価値データ10e2を用いて、プリペイド価値を管理する。このデータ管理部10f1は、紙幣挿入口12に紙幣が挿入されると、この紙幣分に相当するプリペイド価値をプリペイド価値データ10e2に加算する。同様に、データ管理部10f1は、カード挿入口14にカードが挿入されると、このカードに関連付けられたプリペイド価値をプリペイド価値データ10e2に加算する。また、カードID10e1をカード管理装置40に送信し、該カードIDに対応する持玉数をカード管理装置40から受け取って、封入式遊技機20に通知し、持玉数に加算させる。
【0045】
データ管理部10f1は、封入式遊技機20の玉貸しボタン17が押下操作されると、プリペイド価値データ10e2を所定数(例えば、10度数)減算し、対応する数の持玉数を追加するよう封入式遊技機20に通知する。
【0046】
また、カード返却ボタン18が押下操作されたならば、データ管理部10f1は、封入式遊技機20が記憶する持玉数データ22aを取得し、該持玉数データ22aが示す持玉数並びにカードID10e1をカード管理装置40に送信してカードデータ更新依頼を行う。その後、データ管理部10f1は、封入式遊技機20に対して持玉数データ22aを零にクリアするよう指示する。
【0047】
紙幣処理部10f2は、紙幣挿入口12から受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種識別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。紙幣処理部10f2は、受け付けた紙幣が真正な紙幣であると識別した場合には、金種に対応する価値をデータ管理部10f1に通知し、プリペイド価値の加算を行わせる。
【0048】
カード処理部10f3は、カード挿入口14からカードを受け付けたならば、R/W部10aによりカードID及びプリペイド価値を読み取らせる。そして、このカードID10e1を記憶部10eに格納し、プリペイド価値をプリペイド価値データ10e2に加算する。また、カード処理部10f3は、カード返却ボタン18が押下操作され、データ管理部10f1によりカード管理装置40のカードデータが更新された後に、プリペイド価値データ10e2をカードに書き込んでカード挿入口14から排出する。
【0049】
上限値算定部10f4は、封入式遊技機20が定期的に通知する持玉数を受信する度に、上述した算定式により上限値10e3を算定し、記憶部10eに格納することで上限値10e3を更新する。なお、封入式遊技機20による定期通知の時間間隔は、一例として封入式遊技機20の当たりの最大継続時間(例えば、4分)とする。また、パチンコ玉の1分当たりの発射回数は、一例として毎分100回である。定期通知の時間間隔で遊技客が獲得可能な最大玉数は、封入式遊技機20の機種及び設定により定まる。
【0050】
比較制御部10f5は、持玉返却指示に基づいて封入式遊技機20から通知された持玉数について整合性を判定する。まず、受信した持玉数にかかる信号の様式(フォーマット)が予め定められたものと一致するかどうかを判定する。この様式は、封入式遊技機20との接続時または電源ON時において信号の送受信により決定されており、開始データ、終了データ、信号長等が定められている。様式が適合していれば、次に、受信した持玉数データが正当であるかどうか、例えばチェックサム等が整合しているかどうかを判定する。さらに、比較制御部10f5は、玉返却指示に基づいて封入式遊技機20から通知された持玉数が上限値を超える場合に、不正が発生したものと判定し、エラー処理を行う。エラー処理は、カード排出を禁止するロック制御、店員用端末に対する報知などを含むことができる。
【0051】
この比較制御部10f5による整合性の判定は、遊技媒体数関連情報の整合性を判断する整合性判定手段として働くものである。また、ここでは複数の要素により判定を行っているが、このうちの1つの要素により整合性を判定するものも含まれる。
【0052】
レート変更部10f7は、パチンコ玉の貸出レートを変更する処理部である。具体的には、レート変更部10f7は、表示操作部13に選択可能な貸出レートを表示制御し、遊技客による表示操作部13に対するレート選択操作を検知して、パチンコ玉の貸出レートとする。
【0053】
なお、本実施例1では、説明の便宜上、「複数のレートの中から遊技客が望む所望のレートを選択する場合」について説明するが、「複数の遊技種の中から遊技客が望む所望の遊技種を選択する場合」に適用することもできる。この「遊技種」とは、レートが同一であっても交換率やプレミアの付与率が異なる場合など、運営上遊技に用いる遊技媒体を相互に分別して扱うべきものと定められている種別である。つまり、たとえ同一レートであっても複数の遊技種が存在し得る。
【0054】
封入式遊技機20は、通信I/F部24、玉貸しボタン17、持玉数表示部16、タイマ25、記憶部22、制御部23、記憶部28、制御部27を有する。通信I/F部24は、台間カード処理機10との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
【0055】
玉貸しボタン17及び持玉数表示部16は、封入式遊技機20の制御部23と接続されている。玉貸しボタン17が押下操作されると、制御部23は台間カード処理機10に対して玉貸し要求を送信する。台間カード処理機10は、制御部23から玉貸し要求を受信したならば、プリペイド価値を減算して対応する数の持玉数を追加するよう封入式遊技機20に通知する。制御部23は、台間カード処理機10からの通知を受けて記憶部22に記憶された持玉数データ22aを加算する。持玉数表示部16は、記憶部22に記憶された持玉数データ22aが示す持玉数を表示する。
【0056】
プリペイド価値表示部15は、封入式遊技機20の前面に設けられており、台間カード処理機10の制御部10fに直結している。プリペイド価値表示部15は、台間カード処理機10の記憶部10eに記憶されたプリペイド価値データ10e2の残度数を表示する。タイマ25は、制御部23の制御の下に計時開始時点からの経過時間を計時するタイマである。
【0057】
封入式遊技機20の記憶部22及び記憶部28は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部22は、持玉数データ22aを記憶する。持玉数データ22aは、遊技客の現時点の持玉数であり、パチンコ玉を遊技領域に打ち出した場合に減算され、入賞により加算される。記憶部28は、遊技管理データ23bを記憶する。遊技管理データ23bは、遊技機20の遊技処理の管理に使用するデータである。
【0058】
制御部27は、遊技機20を全体制御する制御部であり、記憶部28及び制御部23と接続し、遊技制御部24aを有する。遊技制御部24aは、封入されたパチンコを用いた遊技を制御する。
【0059】
制御部23は、持玉管理部23b、定期通知部23c及び終了時通知部23dを有する。持玉管理部23bは、持玉数データ22aを管理する。具体的には、持玉管理部23bは、台間カード処理機10から持玉に追加する玉数の通知を受けたならば、通知された玉数を加算して持玉数データ22aを更新する。また、持玉管理部23bは、遊技制御部24aが遊技領域にパチンコ玉を打ち出す度に持玉数を減算し、パチンコ玉が入賞した場合に入賞に応じた持玉数を加算して持玉数データ22aを更新する。
【0060】
定期通知部23cは、遊技開始時にタイマ25に計時を開始させ、遊技開始から所定時間が経過する度に持玉数を台間カード処理機10に通知する。終了時通知部23dは、台間カード処理機10から玉返却指示を受け付けた場合に持玉数を台間カード処理機10に通知したうえで、持玉数データ22aを零にクリアする。
【0061】
次に、台間カード処理機10及び封入式遊技機20の動作の具体例について説明する。図4及び図5は、台間カード処理機10及び封入式遊技機20の動作の具体例について説明するための説明図である。
【0062】
図4(a)は、プリペイド価値からの玉貸しによって遊技を開始する状態を示している。遊技開始時に玉貸しボタン17を押下操作すると、125玉が貸し出され、封入式遊技機20の持玉数表示部16には「125」が表示される。また、上限値算定部10f4は、持玉数「125」から上限値を算定し、算定結果である「2525」を記憶部10eに上限値10e3として格納する。
【0063】
図4(b)に示したように、封入式遊技機20が遊技処理を行うと、持玉数が更新される。図4(b)では、持玉数表示部16に「250」が表示されている。図4(c)に示したように、封入式遊技機20は定期的に持玉数を台間カード処理機10に通知する。図4(c)では、封入式遊技機20は持玉数「250」を台間カード処理機10に通知している。上限値算定部10f4は、封入式遊技機20より通知された持玉数「250」から上限値を算定し、算定結果である「2650」に上限値10e3の値を更新する。
【0064】
そして、カード返却ボタン18が押下操作されると、図5(d)に示したように、封入式遊技機20の終了時通知部23dは、持玉数を台間カード処理機10に通知する。台間カード処理機10の比較制御部10f5は、通知された持玉数「1200」と上限値10e3の値「2650」とを比較する。
【0065】
図5(d)に示した例では、通知された持玉数「1200」は上限値10e3の値「2650」以下であるので、図5(e1)に示すようにカードが排出され、封入式遊技機20が管理する持玉数並びに台間カード処理機10が管理する上限値10e3は零にクリアされる。
【0066】
一方、通知された持玉数が上限値10e3の値を超えているならば、図5(e2)に示ように、比較制御部10f5は、カードの排出を抑止し、エラー報知を行う。図5(e2)は、不正な処理により、封入式遊技機20の持玉数が「20000」となり、上限値10e3の値「2650」を超えた場合を示している。
【0067】
次に、図1に示した封入式遊技機20の処理手順について説明する。図6は、図1に示した封入式遊技機20の処理手順を示すフローチャートである。まず、封入式遊技機20は、遊技が開始されると、持玉数データ22aを生成する(ステップS101)。
【0068】
ステップS101の後、遊技制御部23aは遊技処理を行って(ステップS102)、持玉数データ22aを更新する(ステップS103)。持玉数データ22aを更新後、定期通知部23cは、タイマ25の計時結果を参照して定期通知のタイミングであるか否かを判定する(ステップS104)。
【0069】
定期通知のタイミングであるならば(ステップS104;Yes)、定期通知部23cは、持玉数データ22aを記憶部22から読み出して、持玉数を台間カード処理機10に通知する(ステップS105)。
【0070】
ステップS105の終了後又は定期通知のタイミングでは無い場合(ステップS104;No)には、持玉管理部23bは、台間カード処理機10から持玉返却指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。
【0071】
台間カード処理機10から持玉返却指示を受け付けていなければ(ステップS106;No)、ステップS102に移行する。一方、台間カード処理機10から持玉返却指示を受け付けたならば(ステップS106;Yes)、終了時通知部23dが持玉数データ22aを記憶部22から読み出して、持玉数を台間カード処理機10に通知し(ステップS107)、持玉数データ22aを零にクリアして(ステップS108)、処理を終了する。
【0072】
次に、図1に示した台間カード処理機10の処理手順について説明する。図7は、図1に示した台間カード処理機10の処理手順を示すフローチャートである。まず、台間カード処理機10は、封入式遊技機20による遊技の開始後、封入式遊技機20から持玉数の定期通知を受信したか否かを判定する(ステップS201)。
【0073】
封入式遊技機20から持玉数の定期通知を受信したならば(ステップS201;Yes)、封入式遊技機20から受信した持玉数に基づいて上限値算定部10f4が上限値10e3を算定し(ステップS202)、記憶部10eの上限値10e3を更新する(ステップS203)。
【0074】
ステップS203の後若しくは封入式遊技機20から持玉数の定期通知を受信していない場合(ステップS201;No)には、データ管理部10f1は、カード返却ボタン18の押下操作が行われたかを判定する(ステップS204)。
【0075】
カード返却ボタン18の押下操作が行われていなければ(ステップS204;No)、台間カード処理機10はステップS201に移行する。一方、カード返却ボタン18の押下操作が行われたならば(ステップS204;Yes)、データ管理部10f1は、封入式遊技機20に持玉返却指示を送信し(ステップS205)、封入式遊技機20から持玉数を受信する(ステップS206)。
【0076】
比較制御部10f5は、記憶部10eから上限値10e3を読み出し、封入式遊技機20から受信した持玉数と上限値10e3とを比較する(ステップS207)。封入式遊技機20から受信した持玉数が上限値10e3以下であるならば(ステップS207;No)、カード処理部10f3は、カード返却処理(ステップS208)を行って、処理を終了する。具体的には、カード処理部10f3は、封入式遊技機20より受信した持玉数並びに記憶部10eより読み出したプリペイド価値データ10e2をカードに関連付けて、カードを排出する。
【0077】
一方、封入式遊技機20から受信した持玉数が上限値10e3を超えているならば(ステップS207;Yes)、比較制御部10f5は、エラー処理(ステップS209)を行って、処理を終了する。具体的には、比較制御部10f5は、カードの排出を抑止し、店員用端末などにエラーの報知を行う。
【0078】
上述してきたように、本実施例1では、封入式遊技機20が持玉数データ22aを記憶部22に記憶して所定の時間間隔で台間カード処理機10に定期的に通知し、台間カード処理機10は封入式遊技機20により定期的に通知される持玉数に基づいて持玉数の上限値を算定する。そして、台間カード処理機10は、遊技客によりカード返却ボタン18の押下操作がなされた際に封入式遊技機20が台間カード処理機10に送信した持玉数と上限値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、カードの排出制御を行うよう構成したので、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することができる。
【0079】
なお、本実施例1では、持玉返却指示に基づいて通知された持玉数と上限値10e3とを比較する場合について説明したが、定期通知によって通知された持玉数を上限値10e3と比較するようにしてもよい。このように遊技中に定期的に比較することで、不正な操作や障害発生により持玉数に異常が発生した場合に速やかに異常発生を検知することができる。
【0080】
また、本実施例1では、定期通知によって持玉数が通知される度に上限値10e3を算定して記憶部10eに記憶する構成を例示したが、記憶部10eには通知された持玉数そのものを記憶させ、比較制御部10f5による比較を行うタイミングで記憶部10eに記憶した前回の持玉数から上限値を算定するように構成してもよい。
【0081】
また、前回の定期通知から持玉返却指示に基づく通知までの時間間隔が所定値未満である場合には、前回の定期通知により通知された持玉数と持玉返却指示に基づいて通知された持玉数とを比較するようにしてもよい。さらに、前回の定期通知から持玉返却指示に基づく通知までの時間間隔を用いて上限値を算定してもよい。この場合、上限値10e3の値を「A」、前回封入試機遊技機20より通知された持玉数を「B」、前回の定期通知から持玉返却指示に基づく通知までの時間間隔を「T分」、パチンコ玉の1分当たりの発射回数を「C」、Δt間で遊技客が獲得可能な最大玉数を「D」、誤差を「X」とすると、
A=B−C×T+D+X
の算定式によって上限値を求めることとなる。
【実施例2】
【0082】
ところで、上記実施例1では、台間カード処理機が封入式遊技機から定期的に受信した持玉数に基づいて不正の有無を判定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施例2では、台間カード処理機が封入式遊技機により出力された打込玉信号及び賞玉信号を取得して不正の有無の判定に用いる場合を示すこととする。
【0083】
まず、本実施例2に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図8は、本実施例2に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技システムは、複数の封入式遊技機120と、各封入式遊技機120にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機110と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、精算機60と、景品管理装置70と、ホールコンピュータ80とが通信回線90を介して接続されている。なお、実施例1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
封入式遊技機120は、装置内部に封入されたパチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。この封入式遊技機120は、台間カード処理機110が玉貸し処理を行った場合に持玉数を加算し、持玉が存在する範囲で、遊技領域にパチンコ玉を打ち込むことができる。また、打ち込んだパチンコ玉が入賞したならば、入賞したパチンコ玉数を持玉数に加算する。
【0085】
封入式遊技機120は、遊技領域に打ち込んだパチンコ玉の数量を示す打込玉信号をホールコンピュータ80に送信するとともに、入賞により得られた賞玉の数量を示す賞玉信号をホールコンピュータ80に送信する。打込玉信号及び賞玉信号は所定玉数(例えば10玉)毎に1パルスのパルス信号として送信される。
【0086】
台間カード処理機110は、プリペイド価値の管理、パチンコ玉の貸し出し、カード返却処理、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機110は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶するととともに、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応する持玉数を封入式遊技機120に加算させる。台間カード処理機110は、玉貸し操作によって貸し出した玉数を示す貸玉信号をホールコンピュータ80に送信する。貸玉信号は所定玉数(例えば10玉)毎に1パルスのパルス信号として送信される。
【0087】
また、台間カード処理機110は、カードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値を記憶するとともに、該カードに関連付けられた持玉数を封入式遊技機120の持玉数に加算させる。そして、カード返却操作を受け付けたならば、台間カード処理機110は、封入式遊技機120に対して玉返却指示を送信して封入式遊技機120から持玉数の通知を受け、封入式遊技機120から通知された持玉数並びに台間カード処理機110に記憶していたプリペイド価値をカードに関連付けて排出する処理を行う。
【0088】
さらに、台間カード処理機110は、封入式遊技機120が送信する打込玉信号及び賞玉信号を受信し、打込玉信号及び賞玉信号用いて、玉返却指示に基づいて封入式遊技機20から通知される持玉数と比較するしきい値を算定する。台間カード処理機110は、玉返却指示に基づいて封入式遊技機120から持玉数が通知されたならば、しきい値と比較して持玉数の整合性を判定したうえで、カードの排出を行う。
【0089】
ホールコンピュータ80は、封入式遊技機120から受信した打込玉信号及び賞玉信号と、台間カード処理機110から受信した貸玉信号とを用いて、遊技店における遊技機の利用情報を収集・管理する装置である。ホールコンピュータ80は、収集した遊技機の利用情報を用いて、売上算定や誤差判定などを行って、遊技機がどのように利用されているかを分析することができる。
【0090】
次に、図8に示した台間カード処理機110及び封入式遊技機120の内部構成について説明する。図9は、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の内部構成を示すブロック図である。図9に示した台間カード処理機110の内部構成は、図3に示した台間カード処理機10の内部構成と比較すると、パルス発生部10dをさらに備え、記憶部10eが上限値10e3に替えてしきい値10e4を記憶し、制御部10fが上限値算定部10f4に替えてしきい値算定部10f6を有する点が異なる。また、図9に示した封入式遊技機120の内部構成は、図3に示した封入式遊技機20の内部構成と比較すると、タイマ25を有さず、パルス発生部26を有し、制御部23が定期通知部23cを有さない点が異なる。その他の構成及び動作は、図3に示した内部構成と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
台間カード処理機110のパルス発生部10dは、データ管理部10f1がプリペイド価値データ10e2を所定数(例えば、10度数)減算し、対応する数の持玉数を追加するよう封入式遊技機20に通知したならば、所定数(例えば、10玉)毎に1パルスの貸玉信号を生成し、ホールコンピュータ80に送信する。
【0092】
記憶部10eが記憶するしきい値10e4は、玉返却指示に基づいて封入式遊技機120から通知された持玉数との比較に用いるしきい値である。具体的には、しきち値10e4の値を「A」、カードが挿入された場合の元の持玉数を「B」、貸玉の合計を「C」、打込玉数の合計を「D」、賞玉数の合計を「E」、誤差を「X」とした場合に、
A=B+C−D+E+X
の算定式により求められる。なお、元の持玉数「B」は、現金遊技の場合は0となる。
【0093】
しきい値算定部10f6は、封入式遊技機120が送信した打込玉信号及び賞玉信号を受信して打込玉数の合計並びに賞玉数の合計を求め、上述した算定式によりしきい値10e4を算定し、記憶部10eに格納することでしきい値10e4を更新する。
【0094】
従って、比較制御部10f5は、持玉返却指示に基づいて封入式遊技機120から通知された持玉数と、しきい値10e4と比較して持玉数の整合性を判定することとなる。比較結果に対する処理については、実施例1と同様である。
【0095】
封入式遊技機120のパルス発生部26は、遊技領域に設けたセンサを用いて賞玉数を求め、10玉毎に1パルスの賞玉信号を送信する。同様に、パルス発生部26は、打込玉数について10玉毎に1パルスの打込玉信号を送信する。
【0096】
制御部23は、定期通知部23cを有さないため、定期的な持玉数の通知は行わず、台間カード処理機110から持玉返却指示を受け付けた場合に終了時通知部23dによる持玉数の通知を行うこととなる。
【0097】
次に、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の動作の具体例について説明する。図10は、台間カード処理機110及び封入式遊技機120の動作の具体例について説明するための説明図である。
【0098】
図10(a)は、プリペイド価値からの玉貸しによって遊技を開始する状態を示している。遊技開始時に玉貸しボタン17を押下操作すると、125玉が貸し出され、封入式遊技機20の持玉数表示部16には「125」が表示される。また、しきい値算定部10f6は、持玉数「125」からしきい値を算定し、算定結果である「175」を記憶部10eにしきい値10e4として格納する。
【0099】
図10(b)に示したように、封入式遊技機20が遊技処理を行うと、持玉数が更新される。図10(b)では、持玉数表示部16に「250」が表示されている。遊技処理によって発生した打込玉数及び賞玉数は、その都度遊技情報として台間カード処理機110に通知される。しきい値算定部10f6は、封入式遊技機20より通知された遊技情報からしきい値を算定し、算定結果である「300」にしきい値10e4の値を更新する。なお、遊技情報は、具体的には打込玉信号及び賞玉信号を含む。
【0100】
そして、カード返却ボタン18が押下操作されると、図10(d)に示したように、封入式遊技機120の終了時通知部23dは、持玉数を台間カード処理機110に通知する。台間カード処理機110の比較制御部10f5は、通知された持玉数「1200」としきい値10e4の値「1250」とを比較する。比較結果に対する処理は、図5に示した場合と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0101】
次に、図8に示した封入式遊技機120の処理手順について説明する。図11は、図8に示した封入式遊技機120の処理手順を示すフローチャートである。まず、封入式遊技機120は、遊技が開始されると、持玉数データ22aを生成する(ステップS301)。
【0102】
ステップS301の後、遊技制御部23aは遊技処理を行って(ステップS302)、持玉数データ22aを更新する(ステップS304)とともに、遊技情報を台間カード処理機110に通知する(ステップS304)。
【0103】
ステップS304の終了後、持玉管理部23bは、台間カード処理機110から持玉返却指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS305)。台間カード処理機110から持玉返却指示を受け付けていなければ(ステップS305;No)、ステップS302に移行する。一方、台間カード処理機110から持玉返却指示を受け付けたならば(ステップS305;Yes)、終了時通知部23dが持玉数データ22aを記憶部22から読み出して、持玉数を台間カード処理機110に通知し(ステップS306)、持玉数データ22aを零にクリアして(ステップS307)、処理を終了する。
【0104】
次に、図8に示した台間カード処理機110の処理手順について説明する。図12は、図8に示した台間カード処理機110の処理手順を示すフローチャートである。まず、台間カード処理機110は、封入式遊技機120による遊技の開始後、封入式遊技機120から遊技情報を受信したか否かを判定する(ステップS401)。
【0105】
封入式遊技機120から遊技情報を受信したならば(ステップS401;Yes)、封入式遊技機20から受信した遊技情報に基づいてしきい値算定部10f6がしきい値10e4を算定し(ステップS402)、記憶部10eのしきい値10e4を更新する(ステップS403)。
【0106】
ステップS403の後若しくは封入式遊技機120から遊技情報を受信していない場合(ステップS401;No)には、データ管理部10f1は、カード返却ボタン18の押下操作が行われたかを判定する(ステップS404)。
【0107】
カード返却ボタン18の押下操作が行われていなければ(ステップS404;No)、台間カード処理機110はステップS401に移行する。一方、カード返却ボタン18の押下操作が行われたならば(ステップS404;Yes)、データ管理部10f1は、封入式遊技機120に持玉返却指示を送信し(ステップS405)、封入式遊技機120から持玉数を受信する(ステップS406)。
【0108】
比較制御部10f5は、記憶部10eからしきい値10e4を読み出し、封入式遊技機20から受信した持玉数としきい値10e4とを比較する(ステップS407)。封入式遊技機120から受信した持玉数がしきい値10e4以下であるならば(ステップS407;No)、カード処理部10f3は、カード返却処理(ステップS408)を行って、処理を終了する。
【0109】
一方、封入式遊技機120から受信した持玉数がしきい値10e4を超えているならば(ステップS407;Yes)、比較制御部10f5は、エラー処理(ステップS409)を行って、処理を終了する。
【0110】
上述してきたように、本実施例2では、封入式遊技機120に対して打ち込まれた打込玉数及び入賞に伴って遊技客に供給される賞玉数を特定可能な遊技情報を台間カード処理機110に通知し、台間カード処理機110が貸玉数と遊技情報が示す打込玉数及び賞玉数とを用いてしきい値を算定し、カード返却操作に応答して封入式遊技機120から通知された持玉数がしきい値を超える場合に、不正が発生したものと判定するよう構成したので、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知することができる。
【0111】
なお、本発明は上記実施例1及び2により限定されるものではなく、構成及び動作を適宜変更して実施可能である。例えば、台間カード処理機が封入式遊技機から打込玉数及び賞玉数を取得するとともに、定期的に持玉数の通知を受け、打込玉数及び賞玉数を用いて算定した持玉数と、定期通知により通知された持玉数とを比較するように構成してもよい。
【0112】
また、持玉数に対する比較判定とエラー処理のうち一方又は双方をカード管理装置など他の装置が行うようにしてもよい。さらに、遊技中に持玉数の異常を検知した場合には、遊技の提供を停止してもよいし、遊技は継続させて報知のみを行うようにしてもよい。
【0113】
また、上記実施例1及び2では、台間カード処理機と封入式遊技機とが別体である場合の構成について説明したが、台間カード処理機と封入式遊技機とは必ずしも物理的に別の装置である必要はなく、物理的に一体化した装置内の台間カード処理機に相当する機能をもった制御部と封入式遊技機に相当する機能を持った制御部との通信であっても適用できる。
【0114】
また、封入式遊技機において、入賞口への入賞を検知するためのセンサの有効/無効を制御する場合には、このセンサの制御にかかる情報を受信して賞遊技媒体数の正当性や、整合性の判定に用いても良い。例えば、大当り(遊技機における抽選当選)時にのみ開閉する入賞口のセンサを、開放時のみ有効とするようにしておき、無効である場合の賞遊技媒体数の増加を整合性なしとして判定する制御などが考えられる。
【0115】
また、上記実施例1及び2では、封入式遊技機が、遊技制御を行う制御部並びに遊技に関するデータを記憶する記憶部と、持玉管理を行う制御部並びに持玉数を記憶する記憶部とをそれぞれ設ける構成を例示したが、遊技制御及び持玉管理を行う制御部を遊技に関するデータ及び持玉数を記憶する記憶部に接続した構成で実施することとしても良い。
【0116】
また、上記実施例1及び2では、カードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末などを用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、台間カード処理機10に設けられたリーダライタ(R/W)に当該携帯端末を翳すことにより、ICチップとR/Wとの非接触通信により当該携帯端末と関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を取得することができる。
【0117】
また、上述の実施例1及び2では、封入式遊技機として遊技球を用いるパチンコ遊技機を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、封入式遊技機が遊技球を用いる回胴式遊技機および遊技メダルを用いる回胴式遊技機であっても適用することができる。つまり、回胴式遊技機においては、上記実施例における特定の遊技領域を遊技球が通過したことによる「入賞」の信号に代えて、複数の回胴上の図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせがライン上に揃ったことによる「入賞」の信号を各台間カード処理機10が受信して処理を行うことで構成が実現できる。
【0118】
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明に係る遊技システム及び不正検知方法は、封入式遊技機内で管理された持玉数を電子的に増加させる不正や、封入式遊技機に成りすました機器から各台装置に対して偽の持玉数を通知する不正を効率良く検知する場合に適している。
【符号の説明】
【0120】
10、110 台間カード処理機
10a R/W部
10b 紙幣搬送部
10c 通信I/F部
10d パルス発生部
10e 記憶部
10e1 カードID
10e2 プリペイド価値データ
10e3 上限値
10f 制御部
10f1 データ管理部
10f2 紙幣処理部
10f3 カード処理部
10f4 上限値算定部
10f5 比較制御部
10f6 しきい値算定部
10f7 レート変更部
11 状態表示部
12 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 カード挿入口
15 プリペイド価値表示部
16 持玉数表示部
17 玉貸しボタン
18 カード返却ボタン
20 封入式遊技機
21 ハンドル
22、28 記憶部
22a 持玉数データ
22b 遊技管理データ
23、27 制御部
23a 遊技制御部
23b 持玉管理部
23c 定期通知部
23d 終了時通知部
24 通信I/F部
25 タイマ
26 パルス発生部
30 島コントローラ
40 カード管理装置
50 会員管理装置
60 精算機
70 景品管理装置
80 ホールコンピュータ
90 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムであって、
前記封入式遊技機は、
自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を記憶する遊技媒体数特定情報記憶手段と、
所定の記録媒体返却操作を受け付けた場合に、前記遊技媒体数特定情報記憶手段に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に対して通知する遊技媒体数特定情報通知手段とを備え、
前記各台装置は、
前記封入式遊技機から遊技媒体数特定情報を受信した場合に、該遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断手段を備えた
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記封入式遊技機は、
自機に対して打ち込まれた打込遊技媒体数及び入賞に伴って遊技客に供給される賞遊技媒体数を特定可能な遊技情報を前記各台装置に対して通知する遊技情報通知手段をさらに備え、
前記各台装置は、
少なくとも前記封入式遊技機に対して貸し出された貸遊技媒体数及び前記封入式遊技機から通知された遊技情報が示す打込遊技媒体数及び賞遊技媒体数を用いてしきい値を算定するしきい値算定手段と、
所定のカード返却操作に応答して前記封入式遊技機から通知された遊技媒体数特定情報と、前記しきい値算定手段により算定されたしきい値を比較し、当該比較の結果に基づいて前記遊技媒体数特定情報を関連付けた記録媒体の排出制御を行う制御手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムであって、
前記封入式遊技機は、
自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を記憶する遊技媒体数特定情報記憶手段と、
前記遊技媒体数特定情報記憶手段に記憶した遊技媒体数特定情報を所定の時間間隔で前記各台装置に定期的に通知する第1の通知手段と
所定の記録媒体返却操作がなされた際に、前記遊技媒体数特定情報記憶手段に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に通知する第2の通知手段とを備え、
前記各台装置は、
前記第1の通知手段による通知を受け付けた場合に、遊技媒体数特定情報の上限値を算定する算定手段と、
前記第2の通知手段による通知を受け付けた場合に、前記上限値と前記遊技媒体数特定情報が示す値との比較により前記第2の通知手段により通知された遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断手段とを備えた
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項4】
前記算定手段は前記封入式遊技機と前記各台装置との間の通信時間間隔に関する情報、又は当該情報と前記封入式遊技機の遊技性能に関する情報に基づいて、前記上限値を算定することを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムの不正検出方法であって、
前記封入式遊技機が、自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を遊技媒体数特定情報記憶部に格納する格納工程と、
所定の記録媒体返却操作を受け付けた場合に、前記遊技媒体数特定情報記憶部に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に対して通知する遊技媒体数特定情報通知工程と、
前記各台装置が、前記封入式遊技機から遊技媒体数特定情報を受信した場合に、該遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断工程と
を含んだことを特徴とする不正検知方法。
【請求項6】
遊技媒体の取り出しが制限される封入式遊技機と、前記封入式遊技機に併設され記録媒体の処理を行う各台装置とを通信可能に接続した遊技システムの不正検知方法であって、
前記封入式遊技機が、自機の遊技に供することができる遊技媒体の数を特定する遊技媒体数特定情報を遊技媒体数特定情報記憶部に格納する格納工程と、
前記遊技媒体数特定情報記憶部に記憶した遊技媒体数特定情報を所定の時間間隔で前記各台装置に定期的に通知する第1の通知工程と
前記封入式遊技機が、所定の記録媒体返却操作がなされた際に、前記遊技媒体数特定情報記憶部に記憶した遊技媒体数特定情報を前記各台装置に通知する第2の通知工程と、
前記各台装置が、前記第1の通知工程による通知を受け付けた場合に、遊技媒体数特定情報の上限値を算定する算定工程と、
前記各台装置が、前記第2の通知工程による通知を受け付けた場合に、前記上限値と前記遊技媒体数特定情報が示す値との比較により前記第2の通知工程により通知された遊技媒体数特定情報の整合性を判断する整合性判断工程と
を含んだことを特徴とする不正検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−34643(P2013−34643A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172802(P2011−172802)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】