説明

遊技システム及び分割有価価値返却処理方法

【課題】分割された分割有価価値を円滑かつ効率的に返却することができる遊技システム及び分割有価価値返却処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】分割先カードが所在する台間カード処理機10で分割玉数の全部又は一部を返却する持玉返却操作がなされた場合に、カード管理装置40で管理するカード情報40e内の分割先カードのカードIDに対応する持玉数から返却玉数を減算処理するとともに、分割元カードのカードIDを特定して該分割元カードのカードIDに対応する持玉数に返却玉数を加算処理し、更新後の持玉数を分割元カードが所在する台間カード処理機10に通知して持玉数を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分割元記録媒体に対応付けられた有価価値の一部をなす分割有価価値を該有価価値から分割処理して分割先記録媒体に対応付け、分割元記録媒体並びに分割先記録媒体を用いた複数の遊技客による有価価値の共有を可能にする遊技システム及び分割有価価値返却処理方法に関し、特に、分割された分割有価価値を円滑かつ効率的に返却することができる遊技システム及び分割有価価値返却処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店などの遊技店には、パチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す台間カード処理機が遊技機に併設される事が多い。遊技客は、この台間カード処理機に現金を投入することで、遊技媒体の貸し出しを受けることができるとともに、この台間カード処理機で貯遊技媒体の引出操作を行うことで、再プレイを行うことができる。
【0003】
最近では、かかる台間カード処理機に対して遊技媒体数を計数する計数部を設け、この台間カード処理機の計数部で計数した遊技媒体数を持玉数としてカードIDに対応づけて台間カード処理機並びにカード管理装置で管理するとともに、遊技客が台間カード処理機で持玉払出操作を行うことで、かかる持玉数を所定数ずつ払い出す各台計数機付き台間カード処理機が普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種の各台計数機付き台間カード処理機を用いる際に、一人の遊技客が獲得した持玉数を複数人で共有する技術が知られている。例えば、特許文献2には、所定の分割発行操作が行われると、分割元カードに対応づけられた持玉数の一部を分割した分割先カードを発行することで、一人の遊技客が獲得した持玉数を複数人で共有する技術が開示されている。
【0005】
また、この特許文献2には、遊技店において共有遊技が禁止されている場合に、分割先カードを所持する遊技客が分割された持玉数全てを分割元カードに返却する点が記載されている。このため、この特許文献2を用いると、一人の遊技客が獲得した持玉数を分割するだけではなく、共有遊技が禁止されている場合に分割された持玉数を返却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−229111号公報
【特許文献2】特開2010−119756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2のものは、あくまでも遊技店での共有遊技が禁止されている場合を前提としてなされたものであるため、分割された全ての持玉数を一括返却することしかできず、遊技客間の持玉数の返却を円滑に行うことができない。
【0008】
この点を具体的に説明すると、かかる持玉数は金銭と同様に景品交換可能な有価価値であるため、持玉共有を許可されている遊技店で遊技する場合であっても、持玉数を借りた遊技客は貸し主に対して持玉数を返却するのが通常である。特に、持玉数を借りた遊技客は、自身が現在保有する持玉数を考慮して、借りた持玉数の全部又は一部を返却することが望まれる。例えば、遊技を通じて持玉数が大幅に増加した場合には借りた持玉数の全てを一括返却し、持玉数がやや増加した場合には借りた持玉数の一部を返却することが望まれる。
【0009】
以上のことから、一人の遊技客が獲得した持玉数を分割して持玉共有を行う場合に、いかにして持玉数を円滑かつ効率的に返却可能にするかが重要な課題となっている。かかる課題は、持玉数を共有する場合のみならず、貸玉、貯玉、プリペイド価値等の他の有価価値を共有する場合にも同様に生ずる課題である。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、持玉、貸玉、貯玉、プリペイド価値等の有価価値を複数人で共有する場合に、分割された分割有価価値を円滑かつ効率的に返却することができる遊技システム及び分割有価価値返却処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、分割元記録媒体に対応付けられた有価価値の一部をなす分割有価価値を該有価価値から分割処理して分割先記録媒体に対応付け、前記分割元記録媒体並びに分割先記録媒体を用いた複数の遊技客による有価価値の共有を可能にする遊技システムであって、遊技店内に配設される端末装置は、前記分割先記録媒体に対応付けられた有価価値のうち前記分割元記録媒体への返却対象となる前記分割有価価値の一部をなす返却有価価値を指定した返却操作を受け付ける返却操作受付手段を備え、複数の記録媒体に対応付けられた有価価値を管理する管理装置は、前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報、前記分割有価価値並びに前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報を対応付けた分割情報を記憶する分割情報記憶手段と、前記返却操作受付手段により返却操作を受け付けた場合に、前記分割情報記憶手段に記憶した分割情報に基づいて前記返却有価価値の返却対象となる分割元記録媒体の識別情報を特定し、前記分割先記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値から前記返却有価価値を減算処理するとともに、前記分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に前記返却有価価値を加算処理して、該返却有価価値の返却制御を行う返却制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記端末装置は、前記分割先記録媒体を受け入れた状態で前記返却操作受付手段により返却操作を受け付ける場合に、前記管理装置から該分割先記録媒体の識別情報に対応する分割有価価値を取得する分割有価価値取得手段と、前記分割有価価値取得手段により取得された分割有価価値を所定の表示部に表示制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理装置は、前記返却制御手段により前記分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に前記返却有価価値が加算処理された場合に、前記分割元記録媒体が所在する端末装置を検索する検索手段と、前記検索手段により検索された端末装置に対して加算処理後の有価価値を通知する有価価値通知手段とをさらに備え、前記分割元記録媒体が所在する端末装置は、前記管理装置から加算処理後の有価価値の通知を受け付けた場合に、前記分割元記録媒体に対応付けた有価価値を更新する有価価値更新手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記分割元記録媒体が所在する端末装置は、前記管理装置から加算処理後の有価価値の通知を受け付けた場合に、前記返却有価価値が返却された旨を所定の表示部に表示制御する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記管理装置は、前記返却操作受付手段により返却操作を受け付けた場合に、前記分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記返却制御手段は、前記判定手段により前記分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したと判定された場合に、前記分割元記録媒体に対応付けて遊技店に預け入れられた貯有価価値に前記返却有価価値を加算処理することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記判定手段は、所定の精算機による前記分割元記録媒体の精算処理又は所定の景品交換装置による前記分割元記録媒体の景品交換処理がなされた場合に、該分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したと判定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、分割元記録媒体に対応付けられた有価価値の一部をなす分割有価価値を該有価価値から分割処理して分割先記録媒体に対応付け、前記分割元記録媒体並びに分割先記録媒体を用いた複数の遊技客による有価価値の共有を可能にする遊技システムの分割有価価値返却処理方法であって、前記分割先記録媒体に対応付けられた有価価値のうち前記分割元記録媒体への返却対象となる前記分割有価価値の一部をなす返却有価価値を指定した返却操作を受け付ける返却操作受付工程と、前記返却操作受付工程により返却操作を受け付けた場合に、前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報、前記分割有価価値並びに前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報を対応付けた分割情報に基づいて前記返却有価価値の返却対象となる分割元記録媒体の識別情報を特定し、前記分割先記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値から前記返却有価価値を減算処理するとともに、前記分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に前記返却有価価値を加算処理して、該返却有価価値の返却制御を行う返却制御工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、遊技店内に配設される端末装置が、分割先記録媒体に対応付けられた有価価値のうち分割元記録媒体への返却対象となる分割有価価値の一部をなす返却有価価値を指定した返却操作を受け付けると、複数の記録媒体に対応付けられた有価価値を管理する管理装置は、分割先記録媒体を一意に識別する識別情報、分割有価価値並びに分割先記録媒体を一意に識別する識別情報を対応付けた分割情報に基づいて返却有価価値の返却対象となる分割元記録媒体の識別情報を特定し、分割先記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値から返却有価価値を減算処理するとともに、分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に返却有価価値を加算処理して、該返却有価価値の返却制御を行うよう構成したので、分割された分割有価価値を円滑かつ効率的に返却することができる。
【0019】
また、本発明によれば、端末装置が、分割先記録媒体を受け入れた状態で返却操作を受け付ける場合に、管理装置から該分割先記録媒体の識別情報に対応する分割有価価値を取得し、取得した分割有価価値を所定の表示部に表示制御するよう構成したので、遊技客は、現時点で借りている分割有価価値を把握したうえで、返却する返却有価価値を指定することができる。
【0020】
また、本発明によれば、管理装置は、分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に返却有価価値が加算処理された場合に、分割元記録媒体が所在する端末装置を検索し、検索した端末装置に対して加算処理後の有価価値を通知し、分割元記録媒体が所在する端末装置は、管理装置から加算処理後の有価価値の通知を受け付けた場合に、分割元記録媒体に対応付けた有価価値を更新するよう構成したので、分割元の遊技客は、返却された有価価値を利用して遊技を行うことができる。
【0021】
また、本発明によれば、分割元記録媒体が所在する端末装置は、管理装置から加算処理後の有価価値の通知を受け付けた場合に、返却有価価値が返却された旨を所定の表示部に表示制御するよう構成したので、分割元の遊技客は有価価値の返却を受けた旨を効率良く把握することができる。
【0022】
また、本発明によれば、管理装置は、返却操作を受け付けた場合に、分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したか否かを判定し、分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したと判定された場合に、分割元記録媒体に対応付けて遊技店に預け入れられた貯有価価値に返却有価価値を加算処理するよう構成したので、例えば遊技店に会員登録された会員等の遊技客の場合には、該遊技客が遊技を終了した場合であっても、返却有価価値を返却することができる。
【0023】
また、本発明によれば、所定の精算機による分割元記録媒体の精算処理又は所定の景品交換装置による分割元記録媒体の景品交換処理がなされた場合に、該分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したと判定するよう構成したので、遊技客が遊技を終了したか否かを効率良く判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本実施例に係る遊技媒体処理システム及び分割持玉返却処理方法の概念を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した台間カード処理機の外観構成を示す図である。
【図4】図4は、図3に示したカードユニット部の概略図である。
【図5】図5は、図1に示した台間カード処理機及びカード管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、図5に示したカード情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、図5に示した台間カード処理機及びカード管理装置による持玉分割処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、持玉分割操作の一例を示す図である。
【図9】図9は、図5に示した持玉を返却する側の台間カード処理機による持玉返却処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、図5に示したカード管理装置による持玉返却制御手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図5に示した持玉が返却される側の台間カード処理機による持玉返却処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、持玉返却操作の一例を示す図である。
【図13】図13は、持玉返却された場合の結果表示並びに精算機又は景品管理装置での持玉返却操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技システム及び分割有価価値返却処理方法の好適な実施例を詳細に説明する。以下では、記録媒体がカードであり、このカードに関連付けられる持玉を分割対象とするとともに、台間カード処理機を用いて持玉返却を行う場合を中心に説明することとする。
【実施例】
【0026】
まず、本実施例に係る遊技媒体処理システム及び分割持玉返却処理方法の概念について説明する。図1は、本実施例に係る遊技媒体処理システム及び分割持玉返却処理方法の概念を説明するための説明図である。ここでは、分割元カードに対応付けられた持玉数を分割処理して分割先カードに例えば2000玉を対応付けた後に、この分割先カードを譲渡された第三者が遊技を通じて合計5000玉を獲得し、この5000玉のうちの1000玉を分割元カードに返却処理する場合を示すこととする。また、分割元カードに対応付けられた持玉数を分割処理した際に、カード管理装置40のカード情報40e内に分割元カードのカードID、分割玉数及び分割先カードのカードIDが対応付けて記憶されているものとする。
【0027】
図1に示すように、分割先カードを用いて遊技を行う遊技客は、自身が遊技する遊技機20に併設された台間カード処理機10の表示操作部13に対して持玉返却操作を行う。具体的には、例えば返却玉数1000玉を入力して確定ボタンを押下操作する。これにより、分割先カードのカードIDとともに返却玉数1000玉がカード管理装置40に通知される。
【0028】
一方、この返却玉数1000玉を受信したカード管理装置40は、カード情報40e内の分割先カードのカードIDに対応する持玉数から返却玉数1000玉を減算処理する。ここでは、持玉数5000玉から返却玉数1000玉を減算処理して持玉数が4000玉となった状況を示している。
【0029】
また、カード管理装置40は、分割先カードのカードIDを用いてカード情報40eを検索して分割元カードのカードIDを特定し、特定した分割元カードのカードIDに対応する持玉数に返却玉数1000玉を加算処理する。ここでは、持玉数4000玉に返却玉数1000玉を加算処理して持玉数が5000玉となった状況を示している。
【0030】
さらに、カード管理装置40は、台間カード処理機10を一意に特定する識別情報と該台間カード処理機10内に所在するカードのカードIDとを対応づけたカード管理テーブルを参照して分割元カードが所在する台間カード処理機10を特定し、特定した台間カード処理機10に対して更新後の持玉数5000玉を通知する。これにより、分割元カードが所在する台間カード処理機10の持玉数表示部18aには「5000玉」が表示されるとともに、該台間カード処理機10の表示操作部13には、分割玉数の一部である返却玉数1000玉の返却を受けて持玉数が5000玉となり、残りの分割玉数が1000玉である旨が表示される。
【0031】
上記一連の処理を行うことにより、分割先カードに対応付けられた持玉数の一部を分割元カードに返却することができ、持玉分割によって持玉数を譲り渡した遊技客が返却玉数を用いた遊技若しくは景品交換を行うことができる。特に、「借りた物は返す」と言う遊技客間のコンセンサスに適合するサービスを提供することが可能となる。
【0032】
次に、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技媒体処理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、複数の島端計数機60と、精算機70と、景品管理装置80とが通信回線90を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線90に接続されている。
【0033】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
【0034】
この台間カード処理機10には、あらかじめ複数枚のカードが収納されており、遊技客が遊技を終えてカード返却ボタン21aを押下操作すると、該カード1にプリペイド価値並びに持玉数を関連付けた後に返却される。具体的には、このプリペイド価値及び持玉数がカード1内の記憶部に書き込まれるとともに、カード管理装置40で管理されるカード情報40eの内容が更新される。また、カード1を受け入れたならば、該カード1のカードIDを読み取って該カードIDに対応するプリペイド価値並びに持玉数をカード管理装置40から取得し、取得したプリペイド価値並びに持玉数に基づいてパチンコ玉の貸出処理並びに持玉の投出処理を行う。なお、カード1自体にプリペイド価値並びに持玉数を書き込んだ理由は主にオフライン運用を考慮したためであり、通常運用ではカード管理装置40で管理されるカード情報40eが正として取り扱われる。
【0035】
また、この台間カード処理機10は、カード管理装置40から取得した持玉数10dを記憶部10cに記憶する。持玉の払出操作が行われた場合には、かかる記憶部10c内の持玉数10dが減算処理されるとともに、カード管理装置40内のカード情報40eに記憶した持玉数も減算処理される。同様に、持玉の計数処理が行われた場合には、かかる記憶部10c内の持玉数10dが加算処理されるとともに、カード管理装置40内のカード情報40eに記憶した持玉数も加算処理される。このように、本実施例では、カード管理装置40内のカード情報40eに記憶した持玉数と、台間カード処理機10の記憶部10c内の持玉数10dがリアルタイムで整合性が取られる場合を示している。
【0036】
また、この台間カード処理機10は、持玉が存在する状況下で持玉の分割玉数を入力する持玉分割操作が行われると、該持玉数から分割玉数を差し引いた値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割玉数を関連付けた分割先カードを排出する。このため、遊技客は、先に排出された分割元カードを再度台間カード処理機10に挿入して遊技を継続できるとともに、分割先カードを第三者に渡して持玉共有を行うことができる。
【0037】
また、この台間カード処理機10は、分割玉数全部若しくは分割玉数の一部の持玉を返却する持玉返却操作が行われた場合に、分割先カードのカードID及び返却玉数をカード管理装置40に通知することで、返却玉数を分割元カードに返却する返却依頼を行う。また、台間カード処理機10は、分割玉数の全部又は一部が返却された場合に、持玉数が更新されるとともに、分割玉数の全部又は一部が返却された旨を表示する。かかる分割玉数の返却処理については、以下で具体的に説明する。
【0038】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カード1のプリペイド価値及び持玉数等をカード情報40eとして管理する管理装置である。なお、その詳細な説明は後述するが、かかるカード情報40eには、プリペイド価値及び持玉数だけではなく、分割玉数、分割元カードID、分割先カードIDからなる分割データが含まれる。
【0039】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。なお、本実施例では貯玉の分割処理についての説明を省略するが、持玉分割処理と同様に行うことができる。
【0040】
島端計数機60は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、計数値をカード1に関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機70は、紙幣挿入部42に挿入された各種紙幣のプリペイド価値が関連付けられたカード1が挿入されると、このプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。景品管理装置80は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。
【0041】
次に、図1に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図1に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
【0042】
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカード1を受け付けるカードユニット部15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
【0043】
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10eにより表示制御される。
【0044】
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量が増えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。
【0045】
次に、図3に示した台間カード処理機10のカードユニット部15について、さらに詳細に説明する。図4は、図3に示したカードユニット部15の概略図である。同図(a)には、カードユニット部15を前面側(同図のZ軸の負方向)からみた概略前面図を示し、同図(b)には、カードユニット部15を側面側(同図のYZ平面で切断しX軸の正方向)からみた概略側断面図を示している。
【0046】
同図(b)に示したように、カードユニット部15は、カード搬送部15aと、リーダライタ部15bと、収納部15dとを備えている。また、リーダライタ部15bは、アンテナ部15cを有する。このリーダライタ部15bは、図5に示したR/W部10aと同一のものである。なお、カードユニット部15が取り扱うカードは、ICチップを内蔵するいわゆるICカードであり、あらかじめカードIDが記録されるとともに、持玉数、プリペイド価値などのデータが記録されている。そして、持玉数やプリペイド価値は、カード管理装置40のカード情報40eに記憶される。
【0047】
カード搬送部15aは、遊技店の会員に対して発行される会員カードや一般カードが挿入された場合に、カードを同図のZ軸の正方向へと搬送する。また、カードを排出する場合には、カードを同図のZ軸の負方向へと搬送する。
【0048】
リーダライタ部15bは、カードとのデータ送受信を行うアンテナ部15cを有している。また、リーダライタ部15bは、かかるデータ送受信に際して、カードをアンテナ部15c上に保持する。したがって、台間カード処理機10が、カードに関連付けられた持玉数を分割する場合には、かかるリーダライタ部15bの位置までカードを搬送する必要がある。
【0049】
収納部15dは、遊技店の非会員である一般客に主に利用されるいわゆる一般カードの収納領域である。所定枚数の一般カードが、遊技店の開店前にあらかじめ収納部15dに収納される。また、持玉データが関連付けられた一般カードが挿入口から挿入された場合には、リーダライタ部15bにて持玉データを読み取って関連付けを解消する。関連付けが解消された一般カードは、収納部15dへ収納される。なお、台間カード処理機10が持玉の分割処理を行う場合には、収納部15dに収納された所定枚数の一般カードのうち、常に最上位に位置する一般カードがリーダライタ部15bの位置に搬送されることになる。
【0050】
次に、図1に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成について説明する。図5は、図1に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0051】
同図に示すように、台間カード処理機10は、R/W部10aと、通信I/F部10bと、記憶部10cと、制御部10eとを有する。この制御部10eには、表示操作部13、計数部17及び持玉数表示部18aが接続されている。
【0052】
R/W部10aは、受け入れたカード1へのデータの読み書きを行う処理部である。具体的には、カード1が挿入された場合には、該カード1のカードID、プリペイド価値及び持玉数を読み込んで制御部10eに出力する。カード1を返却する場合には、このカード1にプリペイド価値及び持玉数を書き込む処理を行う。なお、カード1にプリペイド価値及び持玉数を書き込む理由は、カード管理装置40との通信が途絶した状況下でもオフライン運用を可能にするためである。なお、カード1を受け入れた場合には、該カード1のカードIDと台間カード処理機10を一意に識別する号機番号とをカード管理装置40に通知して、カード情報40eの号機番号の欄に該台間カード処理機10の号機番号が書き込まれる。同様に、カード1を排出する場合には、該カード1のカードIDと台間カード処理機10の号機番号とをカード管理装置40に通知して、カード情報40eの号機番号の欄がクリアされる。
【0053】
通信I/F部10bは、カード管理装置40とデータ通信を行うためのインタフェース部である。記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技客が保持する持玉を示す持玉数10dを記憶する。
【0054】
制御部10eは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、持玉管理部10f、持玉分割処理部10g、持玉返却処理部10h及び払出処理部10iを有する。持玉管理部10fは、記憶部10cに記憶した持玉数10dを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。具体的には、新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数に加算処理するとともに、カード管理装置40に計数値を通知して持玉数の加算要求を行う。持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数から減算処理するとともに、カード管理装置40に払い出し数を通知して持玉数の減算要求を行う。カード1を返却する場合には、カード管理装置40に対して持玉数を通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40eの更新指示を行う。なお、持玉管理部10fは、返却玉数によって加算更新された持玉数をカード管理装置40から受け取ったならば、記憶部10cに記憶した持玉数10dを更新するとともに、分割玉数の全部又は一部が返却された旨を表示操作部13に表示制御する。
【0055】
持玉分割処理部10gは、持玉の分割処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13を介して持玉を分割する持玉分割操作を受け付けたならば、持玉数10dから分割玉数を減算した値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割玉数を関連付けた分割先カードを排出する処理を行う。なお、持玉分割処理の詳細な説明については後述する。
【0056】
持玉返却処理部10hは、持玉分割された分割玉数の全部又は一部の返却処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13を介して分割玉数の全部又は一部を返却する持玉返却操作を受け付けたならば、自装置に挿入されている分割先カードのカードIDと返却玉数をカード管理装置40に通知する。
【0057】
払出処理部10iは、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カード1にプリペイド価値があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。なお、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出することになる。
【0058】
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40fとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
【0059】
図6に示すように、この記憶部40dには、カードID、プリペイド価値、持玉数、分割データ、カード処理済フラグ及び号機番号が対応づけたカード情報40eが記憶されている。この分割データは、持玉分割が実行された場合のリンク関係を示すデータであり、分割元カードのカードID、分割先カードのカードID及び分割玉数からなる。
【0060】
カード処理済フラグは、精算機70による精算処理又は景品管理装置80による景品交換処理がなされたか否かを示すフラグであり、精算処理又は景品交換処理がなされるまでは未処理を示す「0」となり、精算処理又は景品交換処理が行われたならば処理済みを示す「1」となる。なお、このカード処理済フラグは閉店処理時又は開店処理時に「0」に初期化される。このため、かかるカード処理済フラグを参照すれば、遊技客による遊技が終了したか否かを判定することができる。号機番号は、台間カード処理機10を一意に識別する号機番号である。このため、かかる号機番号を参照すれば、カード1がどの台間カード処理機10に存在するかを判定することができる。
【0061】
図6は、カードID「00001」の持玉数「5000玉」のうちの「2000玉」がカードID「00002」に持玉分割され、カードID「00001」の持玉数が「3000玉」となり、カードID「00002」の持玉数が「2000玉」となった状況を示している。かかる持玉分割が実行されると、図6に示すように、分割玉数「2000玉」及び分割先カードID「00002」がカードID「00001」に対応づけられ、分割元カードID「00001」がカードID「00002」に対応づけられることになる。
【0062】
また、カードID「00001」及び「00002」のカードは、ともにカード処理済みフラグが「0」であるため、精算機70による精算処理又は景品管理装置80による景品交換処理がなされていない状況を示している。さらに、カードID「00001」のカードは、号機番号「100」の台間カード処理機10に存在し、カードID「00002」のカードは、号機番号「120」の台間カード処理機10に存在する状況を示している。
【0063】
制御部40fは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40g及び持玉返却制御部40hを有する。カード情報管理部40gは、記憶部40dに記憶したカード情報40eを用いて各カードの持玉数やプリペイド価値を管理する。
【0064】
持玉返却制御部40hは、持玉分割された分割玉数の全部又は一部を分割元カードに返却制御する制御部である。具体的には、台間カード処理機10から分割先カードのカードID及び返却玉数を受け取ったならば、カード情報40eの該カードIDの持玉数から返却玉数を減算処理する。また、分割先カードのカードIDを用いてカード情報40eを検索して分割元カードのカードIDを特定し、カード情報40eの該カードIDの持玉数に返却玉数を加算処理する。その後、この分割元カードのカードIDが所在する台間カード処理機10の号機番号を特定し、特定した台間カード処理機10に対して更新後の持玉数を通知する。
【0065】
なお、分割元カードのカードIDのカード処理済フラグが「1」である場合には、分割元カードを所持する遊技客が遊技を終了したものとみなして、返却玉数の加算処理は行わない。かかる場合には、該分割元カードのカードIDと返却玉数を会員管理装置50に通知し、該カードIDに対応する貯玉に返却玉数を加算するよう依頼する。
【0066】
次に、図5に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40による持玉分割処理手順について説明する。図7は、図5に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40による持玉分割処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、カード1に持玉が関連付けられているものとする。
【0067】
図7に示すように、台間カード処理機10は、遊技客による持玉分割操作を受け付ける(ステップS101)。具体的には、図8(a)に示すように、「情報参照」、「貯玉」、「持玉分割」、「持玉返却」の処理を選択するメニュー画面を表示し、「持玉分割」が選択されたならば、図8(b)に示した「分割玉数」を入力する入力画面を表示する。そして、テンキーを用いて分割玉数を入力して確定キーが押下操作されたならば、図8(c)に示した分割結果確認画面を表示する。
【0068】
かかる持玉分割操作が行われると、現持玉数10d(A)と分割玉数(B)から分割後の分割元カードの持玉数(C)が「C=A−B」の算定式により算定され(ステップS102)、分割元カードのカードID、持玉数(C)、分割玉数(B)及び分割先カードのカードIDをカード管理装置40に通知する(ステップS103)。
【0069】
カード管理装置40は、これらのデータの受信待ちの状態にあり(ステップS104;No)、分割元カードのカードID、持玉数(C)、分割玉数(B)及び分割先カードのカードIDを受信したならば(ステップS104;Yes)、記憶部40dに記憶したカード情報40eを更新する(ステップS105)。
【0070】
台間カード処理機10は、分割元カードにプリペイドカード残高とともに持玉数(C)を書き込み(ステップS106)、分割元カードを排出した後(ステップS107)、分割先カードのカードID、持玉数(B)及び分割先カードのカードIDをカード管理装置40に通知する(ステップS108)。
【0071】
カード管理装置40は、これらのデータの受信待ちの状態にあり(ステップS109;No)、分割先カードのカードID、持玉数(B)及び分割先カードのカードIDを受信したならば(ステップS109;Yes)、記憶部40dに記憶したカード情報40eを更新する(ステップS110)。そして、台間カード処理機10は、分割先カードに持玉数(C)を書き込み(ステップS111)、分割先カードを排出する(ステップS112)。なお、分割元カードを排出せずに、分割先カードのみ排出するようにしても良い。
【0072】
上記一連の処理を行うことにより、持玉数の一部である分割玉数を分割先カードに対応付けて排出するとともに、持玉分割に関するリンク情報を意味する分割データをカード管理装置40のカード情報40eに登録することができる。ここで、本実施例は、持玉分割後の持玉返却にその特徴があるため、持玉分割の処理は他の要領で実施することができる。ただし、持玉返却を可能にする際に利用される持玉分割に関するリンク情報は保持する必要がある。
【0073】
次に、図5に示した持玉を返却する側の台間カード処理機10による持玉返却処理手順について説明する。図9は、図5に示した持玉を返却する側の台間カード処理機10による持玉返却処理手順を示すフローチャートである。
【0074】
図9に示すように、図12(a)に示したように台間カード処理機10の表示操作部13に表示した持玉返却ボタンが押下操作されたならば(ステップS201)、カード管理装置40に対して分割先カードのカードIDを送信して、持玉分割時の分割玉数の問い合わせを行う(ステップS202)。カード管理装置40は、分割先カードのカードIDによりカード情報40eを検索して分割玉数を特定し、特定した分割玉数を返信する。
【0075】
その後、台間カード処理機10が分割玉数を受信したならば(ステップS203;Yes)、図12(b)に示すように表示操作部13に分割玉数を表示するとともに(ステップS204)、返却玉数の選択メニュー画面を表示する。ここでは、テンキーで返却玉数を直接入力する「玉数指定」、返却玉数を分割玉数全数とする「全数返却」又は最低価格の特殊景品に交換できない端数を返却する「端数返却」を選択可能とする場合を示している。
【0076】
そして、「全数返却」が選択された場合には(ステップS205;Yes)、図12(d)に示すように分割玉数全てを返却玉数とする(ステップS206)。また、「端数返却」が選択された場合には(ステップS205;No、ステップS207;Yes)、図12(e)に示すように持玉数を125玉で除算した剰余を返却玉数とする(ステップS208)。ここでは、1玉が4円で特殊景品に交換され、最低の特殊景品の金額が500円である場合を想定したため、500÷4=125玉で除算を行っている。なお、図12(e)の場合は返却玉数が0玉とされるが、例えば持玉数が4056玉である場合には、56玉が返却玉数となる。
【0077】
また、「玉数指定」が選択された場合には(ステップS205;No、ステップS207;No)、図12(c)に示すようにテンキーを用いて入力された玉数が返却玉数となる(ステップS209)。図12(c)では、テンキー上で「1000玉」が入力された場合を示している。
【0078】
このようにして、返却玉数が入力されたならば、分割先カードのカードID及び返却玉数をカード管理装置40に通知する(ステップS210)。そして、かかる通知を受けたカード管理装置40から減算指示を受け付けたならば(ステップS211;Yes)、記憶部10cに記憶した持玉数10dから返却玉数を減算し(ステップS212)、返却完了を表示操作部13に表示する(ステップS213)。
【0079】
次に、図5に示したカード管理装置による持玉返却制御手順について説明する。図10は、図5に示したカード管理装置による持玉返却制御手順を示すフローチャートである。図10に示すように、カード管理装置40は、台間カード処理機10から分割先カードのカードIDと返却玉数を受け付けたならば(ステップS301;Yes)、カード情報40eを検索する(ステップS302)。
【0080】
その結果、カード情報40eの分割先カードのカードIDの分割データの欄に分割元カードのカードIDが設定されていない場合には(ステップS303;No)、分割先カードが所在する台間カード処理機10に対して返却中止を通知する(ステップS304)。適正な返却処理を行えないためである。
【0081】
これに対して、カード情報40eの分割先カードのカードIDの分割データの欄に分割元カードのカードIDが設定されている場合には(ステップS303;Yes)、分割元カードが処理済みであるか否かを判定する(ステップS304)。具体的には、カード情報40eの分割元カードのカードIDに対応するカード処理済フラグが「0」である場合には未処理であると判定し、カード処理済フラグが「1」である場合には処理済みであると判定する。
【0082】
その結果、分割元カードが処理済みであると判定された場合には(ステップS304;Yes)、分割元カードの精算処理又は景品交換処理を終えたことを意味するため、分割元カードのカードID及び返却玉数を会員管理装置50に通知して該返却玉数を貯玉として加算するよう指示する(ステップS306)。ただし、貯玉加算できるのは分割元カードが会員カードである場合である。分割元カードが一般カードであれば、返却処理ができないので返却処理NGを報知し、処理を終了する。
【0083】
一方、分割元カードが未処理であると判定された場合には(ステップS304;No)、カード情報40eを更新する(ステップS309)。具体的には、分割先カードのカードIDに対応する持玉数から返却玉数を減算処理するとともに、分割データを辿って分割元カードのカードIDを特定し、特定したカードIDの持玉数に返却玉数を加算処理する。その後、カード情報40eを用いて分割先カードが所在する台間カード処理機10の号機番号を特定し、特定した分割先カードが所在する台間カード処理機10に更新後の持玉数を通知する(ステップS310)。また、分割先カードが所在する台間カード処理機10に持玉数の減算指示を行う(ステップS311)。
【0084】
次に、図5に示した持玉を返却された側の台間カード処理機10による持玉返却処理手順について説明する。図11は、図5に示した持玉を返却された側の台間カード処理機10による持玉返却処理手順を示すフローチャートである。
【0085】
図11に示すように、この台間カード処理機10が、カード管理装置40から返却玉数が加算された新たな持玉数を受信したならば(ステップS401;Yes)、装置内部の記憶部10cに記憶した持玉数10dを更新した後(ステップS402)、図13(a)に示すように持玉返却結果を表示する(ステップS403)。図13(a)では、「分割玉数の返却を受けました」と言うメッセージとともに、返却玉数が1000玉、残数が1000玉、持玉数が5000玉である旨を表示している。
【0086】
上述してきたように、本実施例では、分割先カードが所在する台間カード処理機10で分割玉数の全部又は一部を返却する持玉返却操作がなされた場合に、カード管理装置40で管理するカード情報40e内の分割先カードのカードIDに対応する持玉数から返却玉数を減算処理するとともに、分割元カードのカードIDを特定して該分割元カードのカードIDに対応する持玉数に返却玉数を加算処理し、更新後の持玉数を分割元カードが所在する台間カード処理機10に通知して持玉数を更新するよう構成したので、分割先カードに対応付けられた持玉数の一部を分割元カードに返却することができ、持玉分割によって持玉数を譲り渡した遊技客が返却玉数を用いた遊技若しくは景品交換を行うことができる。特に、「借りた物は返す」と言う遊技客間のコンセンサスに適合するサービスを提供することが可能となる。
【0087】
なお、本実施例では、台間カード処理機10を用いて持玉返却を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、精算機70、景品管理装置80、島端計数機60若しくは遊技店に配設された他の装置を用いて持玉返却を行うこともできる。例えば、精算機70で持玉返却を行う場合には、該精算機70に分割先カードが挿入された時点でカード管理装置40に分割玉数の存在の有無を確認し、図13(b)に示すように「未返却の分割玉数があります」と表示することができる。そして、返却ボタンが押下操作されたならば、図12に示した表示内容と同様の表示を精算機70の表示部に行えば良い。同様に、景品管理装置80を用いて持玉返却を行う場合も、図13(c)に示すように「未返却の分割玉数があります」と表示する。そして、返却ボタンが押下操作されたならば、図12に示した表示内容と同様の表示を精算機70の表示部に行えば良い。
【0088】
また、本実施例では、カード管理装置40で管理する持玉数をリアルタイムで更新する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、台間カード処理機10に持玉数を通知した時点で台間カード処理機10の記憶部10cに記憶した持玉数10dを正とし、カード管理装置40のカード情報40eのカードIDに対応する持玉数を「0」にする運用を行う場合には、返却玉数を分割元カードが所在する台間カード処理機10に通知して、該台間カード処理機10上で持玉数に返却玉数を加算処理させれば良い。
【0089】
また、本実施例では、持玉を分割処理及び合算処理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯玉やプリペイド価値等の有価価値を分割処理及び返却処理する場合に適用することもできる。さらに、本実施例では、台間カード処理機10からノズルを介して持玉を払い出す場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機10から遊技機に対して払出指示を行い、遊技機20の内部からパチンコ玉を払い出す場合に適用することもできる。
【0090】
また、本実施例では、カード管理装置40と会員管理装置50を別装置とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置40と会員管理装置50を一体化した場合に適用することもできる。
【0091】
また、いわゆるダブルサンドと呼ばれる台間カード処理機(CRユニット)と各台計数機が分離されたものの場合は、計数機能、持玉分割機能、持玉返却機能を、貸出機能を持つ台間カード処理機(CRユニット)とは別体の装置に持たせても良い。
【0092】
また、分割玉数、分割元カードIDをカード管理装置40で記憶するだけではなく、分割先カード自体に記憶するようにしても良い。また、分割元カード自体にも記憶するようにしても良い。
【0093】
また、分割玉数の返却は、分割元カードが台間カード処理機10内になくても店舗内に存在することが分かっていれば、返却可能としても良い。具体的には、持玉数或いはプリペイド価値がある状態で台間カード処理機10から排出されたが、未だ景品交換処理或いはプリペイド価値の精算処理が行われていなければ、返却操作を実行しても良い。或いは、分割元カードが景品管理装置60又は精算機70で読み取られた時に返却操作を行うようにしても良い。その場合は、景品管理装置60又は精算機70で返却を受けた旨を報知する。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のように、本発明に係る遊技システム及び分割有価価値返却処理方法は、分割された分割有価価値を円滑かつ効率的に返却する場合に適している。
【符号の説明】
【0095】
1 カード
10 台間カード処理機
10a R/W部
10b 通信I/F部
10c 記憶部
10d 持玉数
10e 制御部
10f 持玉管理部
10g 持玉分割処理部
10h 持玉返却処理部
10i 払出処理部
11 状態表示部
12 紙幣挿入部
13 表示操作部
14 ノズル
15 カードユニット部
15a カード搬送部
15b リーダライタ部
15c アンテナ部
15d 収納部
16 携帯読取部
17 計数部
18 持玉貯留部
18a 持玉数表示部
20 遊技機
21 上皿
21a カード返却ボタン
22 下皿
30 島コントローラ
40 カード管理装置
40a 入力部
40b 表示部
40c 通信I/F部
40d 記憶部
40e カード情報
40f 制御部
40g カード情報管理部
40h 持玉返却制御部
50 会員管理装置
60 島端計数機
70 精算機
80 景品管理装置
90 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割元記録媒体に対応付けられた有価価値の一部をなす分割有価価値を該有価価値から分割処理して分割先記録媒体に対応付け、前記分割元記録媒体並びに分割先記録媒体を用いた複数の遊技客による有価価値の共有を可能にする遊技システムであって、
遊技店内に配設される端末装置は、
前記分割先記録媒体に対応付けられた有価価値のうち前記分割元記録媒体への返却対象となる前記分割有価価値の一部をなす返却有価価値を指定した返却操作を受け付ける返却操作受付手段を備え、
複数の記録媒体に対応付けられた有価価値を管理する管理装置は、
前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報、前記分割有価価値並びに前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報を対応付けた分割情報を記憶する分割情報記憶手段と、
前記返却操作受付手段により返却操作を受け付けた場合に、前記分割情報記憶手段に記憶した分割情報に基づいて前記返却有価価値の返却対象となる分割元記録媒体の識別情報を特定し、前記分割先記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値から前記返却有価価値を減算処理するとともに、前記分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に前記返却有価価値を加算処理して、該返却有価価値の返却制御を行う返却制御手段とを備えた
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記分割先記録媒体を受け入れた状態で前記返却操作受付手段により返却操作を受け付ける場合に、前記管理装置から該分割先記録媒体の識別情報に対応する分割有価価値を取得する分割有価価値取得手段と、
前記分割有価価値取得手段により取得された分割有価価値を所定の表示部に表示制御する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記返却制御手段により前記分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に前記返却有価価値が加算処理された場合に、前記分割元記録媒体が所在する端末装置を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された端末装置に対して加算処理後の有価価値を通知する有価価値通知手段とをさらに備え、
前記分割元記録媒体が所在する端末装置は、
前記管理装置から加算処理後の有価価値の通知を受け付けた場合に、前記分割元記録媒体に対応付けた有価価値を更新する有価価値更新手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記分割元記録媒体が所在する端末装置は、
前記管理装置から加算処理後の有価価値の通知を受け付けた場合に、前記返却有価価値が返却された旨を所定の表示部に表示制御する表示制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記返却操作受付手段により返却操作を受け付けた場合に、前記分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記返却制御手段は、
前記判定手段により前記分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したと判定された場合に、前記分割元記録媒体に対応付けて遊技店に預け入れられた貯有価価値に前記返却有価価値を加算処理する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項6】
前記判定手段は、所定の精算機による前記分割元記録媒体の精算処理又は所定の景品交換装置による前記分割元記録媒体の景品交換処理がなされた場合に、該分割元記録媒体を所有する遊技客が遊技を終了したと判定することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項7】
分割元記録媒体に対応付けられた有価価値の一部をなす分割有価価値を該有価価値から分割処理して分割先記録媒体に対応付け、前記分割元記録媒体並びに分割先記録媒体を用いた複数の遊技客による有価価値の共有を可能にする遊技システムの分割有価価値返却処理方法であって、
前記分割先記録媒体に対応付けられた有価価値のうち前記分割元記録媒体への返却対象となる前記分割有価価値の一部をなす返却有価価値を指定した返却操作を受け付ける返却操作受付工程と、
前記返却操作受付工程により返却操作を受け付けた場合に、前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報、前記分割有価価値並びに前記分割先記録媒体を一意に識別する識別情報を対応付けた分割情報に基づいて前記返却有価価値の返却対象となる分割元記録媒体の識別情報を特定し、前記分割先記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値から前記返却有価価値を減算処理するとともに、前記分割元記録媒体の識別情報に対応付けられた有価価値に前記返却有価価値を加算処理して、該返却有価価値の返却制御を行う返却制御工程と
を含んだことを特徴とする分割有価価値返却処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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