説明

遊技システム

【課題】従来の遊技機とは異なる効果的な演出を行うことができ、その演出内容を遊技店等が制御できる遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技場システム1は、遊技球を循環供給して遊技を実行する封入式のパチンコ機2と、CRユニット3と、CRユニット3と通信ネットワーク6を介して接続された装飾情報管理サーバ48とを備え、CRユニット3はパチンコ機2の前面に設けられたタッチ液晶モジュール20を備え、装飾情報管理サーバ48は、CRユニット3が表示演出に用いる装飾用情報を所定の契機によりCRユニット3に送信し、CRユニット3は、遊技球を模した遊技球画像をタッチ液晶モジュール20に表示させて表示演出を行い、装飾情報管理サーバ48から装飾用情報を受信した場合に、タッチ液晶モジュール20に表示する遊技球画像に装飾用情報に基づく装飾を加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機を備えた遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やパチスロ機等の遊技機は、遊技媒体の投入に応じて遊技を開始し、入賞時や特賞(以下、「大当たり」と言う)の当選時には遊技媒体の払い出しを行うとともに、視覚的・聴覚的な遊技演出を行う(例えば、特許文献1参照)。また、遊技機の中には、大当たり発生を通知する大当たり信号を出力するものがあり、この信号に基づいて、遊技機の遊技演出に連動して周辺機器がランプの点灯や音声出力する演出を行うものもあった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−113209号公報
【特許文献2】特開平10−165569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、遊技機の演出を担う装置は、遊技機本体や遊技機の周囲の限られたスペースに配置せざるを得ないため、演出態様が制限される傾向があった。さらに、遊技演出の内容は各遊技機の遊技状態に対応したものとなっており、演出の内容を、例えば遊技機が設置された遊技店側が制御する方法は無かった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技者に対して従来の遊技機とは異なる効果的な演出を行うことができ、その演出内容を遊技店等が制御できる遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技機であって、遊技に使用可能な使用可能媒体数を記憶し、この使用可能媒体数を減算しながら前記遊技媒体を循環供給して遊技を実行する封入式の遊技機と、対価の提供と引き換えに前記遊技機の前記使用可能媒体数を加算させる遊技媒体貸出装置と、前記遊技媒体貸出装置と通信ネットワークを介して接続された装飾制御装置とを備え、前記遊技媒体貸出装置は、前記装飾制御装置から送信される情報を受信する受信部と、前記遊技機の前面に設けられた表示部と、前記遊技機から入力される情報に基づいて前記表示部に表示演出を行わせる表示制御部とを備え、前記装飾制御装置は、前記遊技媒体貸出装置が表示演出に用いる装飾用情報を前記遊技媒体貸出装置に送信し、前記遊技媒体貸出装置の前記表示制御部は、前記遊技媒体を模した遊技媒体画像を前記表示部に表示させて表示演出を行い、前記受信部によって前記装飾用情報を受信した場合には、受信した前記装飾用情報に基づいて前記遊技媒体画像に装飾を加え、前記表示部に表示することを特徴とする。
【0006】
上記遊技システムにおいて、前記装飾用情報は、前記遊技媒体の画像に重ねて表示される文字または記号もしくは画像を示す情報であり、前記表示制御部は、前記遊技媒体画像に前記装飾用情報に含まれる文字または記号もしくは画像を重ねた画像を生成し、この新たに生成した画像を前記表示部に表示してもよい。
また、上記遊技システムにおいて、前記装飾用情報は、前記遊技媒体画像の表示色、表示サイズ、複数の前記遊技媒体画像を同時に表示する場合の位置関係のいずれかを指定する情報であってもよく、この場合に、前記表示制御部は、前記装飾用情報により指定された表示色、表示サイズ、或いは複数の前記遊技媒体画像の位置関係に従って、前記遊技媒体画像を前記表示部に表示してもよい。
また、前記表示制御部は、前記遊技機または前記遊技媒体貸出装置が設置された遊技店のマークやロゴ等を前記遊技媒体画像に重ねる装飾を施して、前記表示部に表示してもよく、前記遊技媒体貸出装置が前記遊技媒体を貸し出したときの貸出単価を前記遊技媒体画像に重ねる装飾を施してもよい。
また、上記遊技システムにおいて、前記装飾制御装置は、所定の契機に従って前記遊技媒体貸出装置に前記装飾用情報を送信し、この前記装飾用情報を受信した前記遊技媒体貸出装置が前記遊技媒体画像を装飾して表示する構成としてもよい。
さらに、上記遊技場システムにおいて、前記装飾制御装置は遊技者に対応付けて前記装飾用情報を記憶し、前記遊技媒体貸出装置は前記遊技機で遊技中の遊技者を特定した場合に、前記装飾制御装置に対して遊技者を特定する情報を送信し、前記装飾制御装置は前記遊技媒体貸出装置から受信した情報により特定される遊技者に対応する前記装飾用情報を、前記遊技媒体貸出装置に送信する構成としてもよい。
【0007】
また本発明は、上記遊技システムにおいて、前記表示制御部は、装飾の状態が異なる複数の前記遊技媒体画像を同時に前記表示部に表示可能であることを特徴とする。
この構成において、前記装飾制御装置は、前記遊技媒体貸出装置に対して互いに異なる複数の前記装飾用情報を送信し、前記表示制御部は、前記受信部によって前記装飾制御装置から受信した複数の前記装飾用情報に基づき装飾を加えた複数種類の前記遊技媒体画像を、各種類の前記遊技媒体画像の数が予め指定された割合となるように前記表示部に同時に表示してもよい。
【0008】
また本発明は、上記遊技システムにおいて、前記遊技機は、前記遊技媒体を使用した遊技において所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行って抽選結果に応じた前記遊技媒体の払い出しを行い、払い出される前記遊技媒体の数に対応して前記使用可能媒体数を加算し、前記表示制御部は、前記遊技機の払出または前記遊技媒体貸出装置によって前記使用可能媒体数が加算された場合に、加算された数に対応する前記遊技媒体画像を新たに前記表示部に表示し、新たに表示する前記遊技媒体画像に対して、前記受信部によって前記装飾制御装置から受信した複数の前記装飾用情報のいずれかを選択して装飾を加えることを特徴とする。
この構成において、前記表示制御部は、前記遊技媒体貸出装置により前記使用可能媒体数が加算された場合に前記表示部に表示させる前記遊技媒体画像と、前記遊技機の払出により前記使用可能媒体数が加算された場合に前記表示部に表示させる前記遊技媒体画像とに対し、互いに異なる装飾を加えて表示する構成としてもよい。
また、上記構成において、前記表示制御部は、必ずしも前記使用可能媒体数の加算分の前記遊技媒体画像を新たに表示するものに限定されず、加算された前記使用可能媒体数に対応する前記遊技媒体画像の一部のみを新たに前記表示部に表示する構成としてもよい。例えば、前記表示部の表示領域のサイズや解像度の制限により、または視認性を良好に保つために前記表示部に表示する前記遊技媒体画像の数を制限する場合等に、前記使用可能媒体数の加算分に対応する数の前記遊技媒体画像の全てを表示せず、その一部のみを新たに表示してもよい。
このように前記使用可能媒体数の加算分全ての前記遊技媒体画像を新たに表示しない場合に、前記遊技媒体貸出装置は、前記使用可能媒体数の加算分数のうち対応する前記遊技媒体画像が新たに表示されなかった数を、未表示数として記憶してもよい。さらに、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置の前記表示制御部は、前記遊技機の遊技の実行に伴い前記使用可能媒体数が減算されると、減算された数に対応する数の前記遊技媒体画像を前記表示部から消去してもよい。ここで、前記遊技媒体貸出装置は、未表示数を記憶している場合には、前記使用可能媒体数の減算数だけ未表示数を減算する。未表示数がゼロにならない間は前記表示部に表示中の前記遊技媒体画像を消去せず、前記使用可能媒体数の減算数が未表示数を超える場合には、その超過分の数だけ前記遊技媒体画像を消去する構成としてもよい。
【0009】
また、本発明は、上記構成において、前記表示制御部は、前記遊技機の遊技の実行に伴い前記使用可能媒体数が減算されると、減算された数に対応する数の前記遊技媒体画像を前記表示部から消去し、前記遊技機が実行した遊技により前記遊技媒体が払い出された場合に、当該払出を生じさせた遊技に伴って前記表示部から消去された前記遊技媒体画像の装飾状態を特定する装飾状態判定部を備えることを特徴とする。
この構成において、前記表示制御部は、前記遊技機が実行した遊技により前記遊技媒体が払い出され、払い出された数に応じて前記遊技媒体画像を新たに前記表示部に表示させる際に、この新たに表示する前記遊技媒体画像を、前記装飾状態判定部が特定した装飾状態と同じ装飾状態にする構成としてもよい。
また、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置は、前記装飾状態判定部により特定した前記遊技媒体画像の装飾状態及び当該抽選により払い出された前記遊技媒体の数のいずれかを含む当選情報を、外部の装置に通知する構成としてもよい。
また本発明は、上記遊技システムにおいて、前記装飾制御装置は、前記遊技媒体貸出装置に対して前記装飾用情報の切り換えタイミングを指示する切換指示情報を送信し、複数の前記遊技媒体貸出装置が、前記受信部によって前記装飾制御装置から受信した切換指示情報に従って、前記表示部に表示中の前記遊技媒体画像の装飾状態を一斉に切り換えることを特徴とする。
また、上記遊技システムにおいて、前記表示制御部は、前記遊技媒体画像とともに遊技に係る遊技情報を前記表示部に表示してもよい。遊技情報は、例えば、前記遊技機により遊技に使用された遊技媒体数、遊技における当選結果、当選により獲得された賞遊技媒体等の遊技結果およびその統計的情報が挙げられるが、遊戯中の遊技者に関する情報を含めてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技機の前面に設けられた表示部に遊技媒体を模した遊技媒体画像を表示して演出を行うので、従来の遊技機が演出に使用しなかった遊技機の前のスペースを利用し、装飾を施した遊技媒体画像を表示して効果的な演出を行うことができる。さらに、遊技媒体貸出装置が遊技媒体画像に施す装飾を装飾制御装置によって制御可能なため、演出内容を遊技店等が制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技場システムの全体構成を示す図である。
【図2】遊技システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】遊技球貸出装置の機能的構成を示す図である。
【図4】液晶表示部における表示態様を示す説明図である。
【図5】遊技球表示演出画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技場システム1の全体構成を示す図である。
遊技場システム1は、遊技球を遊技媒体に使用するパチンコ機2を設置した遊技場に設けられるシステムであり、複数台のパチンコ機2及びCR(Card Reader)ユニット(遊技媒体貸出装置)3と、精算機4と、管理コンピュータ群5とを備え、CRユニット3、精算機4及び管理コンピュータ群5のそれぞれが通信ネットワーク6に互いに通信可能に接続されている。
パチンコ機2は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機2は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体22を購入、或いは、プリペイド媒体22に現金をチャージし、該プリペイド媒体22の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機であり、パチンコ機2と、当該パチンコ機2と通信可能に接続され、プリペイド媒体22を読み取る上記CRユニット3とを備えて遊技システム7が構成され、パチンコ機2は、CRユニット3との通信により所定条件が満足された事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
【0013】
パチンコ機2は、遊技盤(ゲージ盤)8の前面に前面ガラス9を設け、該前面ガラス9を通じて遊技盤8の遊技領域を視認可能に構成したパチンコ機本体10を備えている。遊技盤8の遊技領域には、遊技球通過時に賞球が得られる始動口11や入賞口12、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー)13と、これら始動口11、入賞口12及び大入賞口13のいずれにも入賞しなかった遊技球(いわゆるアウト玉)を遊技領域から遊技盤8の裏側に導いて回収する回収口14と、多数の障害釘15と、始動口11への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する図柄表示ユニットとしての遊技機液晶表示器16とが設けられている。
パチンコ機本体10の正面には、遊技球の貸出(貸し玉、玉貸)操作用の玉貸ボタン38A、プリペイド媒体22の返却(遊技終了の指示)操作用の遊技終了ボタン38B、遊技機液晶表示器16での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン38C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体10の右下には、遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル17が設けられている。遊技球発射ハンドル17の操作に伴って発射された遊技球が始動口11を通過したことを契機にパチンコ機2は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器16に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機2は、大入賞口13を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
【0014】
ここで、このパチンコ機2は、所定個数(例えば25個)の遊技球をパチンコ機本体10に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体10の中で循環利用する封入球式の遊技機として構成されている。具体的には、パチンコ機2は、遊技盤8に発射され、入賞口12等に入賞した遊技球(いわゆるセーフ玉)及び回収口14に回収された遊技球(いわゆるアウト玉)をそれぞれ遊技盤8の裏側に回収し、発射位置に還流する循環流路(図示せず)を有し、当該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返して遊技領域に発射することで遊技を行うように構成されている。封入球式のパチンコ機2においては、パチンコ機本体10の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体10の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体10の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、かかる上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス9の下)には、タッチ液晶モジュール20が設けられている。
タッチ液晶モジュール20は、パチンコ機本体10の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、後に詳述するが、CRユニット3の操作部及び表示部として機能する。
【0015】
遊技場においては、複数のパチンコ機2が並べて島設備に取り付けられる。従来、島設備の内部には遊技機に対して遊技球を供給および回収する玉供給設備が設置され、遊技機の下方に遊技球を流して回収する設備を収容するため、島設備の下部は遊技機とほぼ面一に化粧パネルで覆われた構成となっていた。ところが、封入球式の遊技機であるパチンコ機2を設けた場合、玉供給設備が不要なため、島設備の下部に設備用の空間を確保する必要がない。このため、パチンコ機2の下方を開放した構成として、パチンコ機2の下に遊技者の足を入れる空間を設けることができる。これにより、例えば、遊技者が車椅子に乗ったまま遊技を行うことができ、様々な人が快適に遊技可能な環境を実現できる。また、封入球式の遊技機は外部との遊技球の出入りがないため、開口部が少なく、遊技球による騒音(流動音及び衝突音)が外部に漏れにくい。このため、従来の遊技機を設置した場合に比べて騒音を低減できる。加えて、多量の遊技球を流動させる玉供給設備を使わないため遊技球の騒音が大幅に低減され、この騒音低下に伴って音声演出やBGMの音量を小さくして、遊技環境の静音化を図ることもできる。
【0016】
CRユニット3は、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体22の残価値がゼロでない事を条件に、玉貸ボタン38Aの操作に応じてパチンコ機2に遊技球の貸出指示信号を出力する。プリペイド媒体22の残価値は、管理コンピュータ群5(より正確には後述するプリペイドシステム管理コンピュータ42)に管理されており、CRユニット3は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群5との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体22の残価値を減じる処理を行う。なお、CRユニット3は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。このように、プリペイドシステム管理コンピュータ42が管理するプリペイド媒体22の残価値が減少する分を対価として、CRユニット3がパチンコ機2に対して玉貸を実行し、パチンコ機2の遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aが加算される。
【0017】
プリペイド媒体22にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン22A及びカード型の会員カード22Bが用いられている。会員カード22Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン22Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体22には、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群5により管理されている。
【0018】
このCRユニット3は、プリペイド媒体22の発行機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口39、ICコイン22Aを投入するコイン投入口23、ICコイン22Aを排出するコイン排出口24、会員カード22Bを挿入する会員カード挿入口25が設けられている。
CRユニット3は、紙幣挿入口39に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群5と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体22に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット3は、プリペイド媒体22として会員カード22Bが挿入されている場合には、会員カード22Bの残価値を管理する管理コンピュータ群5に対し、会員カード22Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード22Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード22Bが挿入されていない場合には、CRユニット3は、新規にICコイン22Aを発行するとともに、ICコイン22Aの残価値を管理する管理コンピュータ群5に対し、このICコイン22Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード22Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体22としてのICコイン22Aが新規に発行される。
【0019】
CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール20に表示し、玉貸ボタン38Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール20に表示する。また、CRユニット3は、遊技終了ボタン38Bが操作されたときには、プリペイド媒体22を排出するとともに、プリペイド媒体22の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群5に送信し、これにより、CRユニット3から排出されたときのプリペイド媒体22の最終的な残価値が管理コンピュータ群5に記録される。
精算機4は、プリペイド媒体22の残価値を精算する装置であり、この精算機4には、ICコイン22Aのコイン投入口26及び会員カード22Bのカード挿入口27が設けられている。精算機4は、プリペイド媒体22が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群5に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機4は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群5に通知し、管理コンピュータ群5が、そのプリペイド媒体22の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
【0020】
この遊技場システム1においては、パチンコ機2ごとにデータ表示器28を備えている。データ表示器28は、対応するパチンコ機2の過去営業日の大当たり情報や、当日の大当たり回数、前回大当たりからの図柄変動回数(当落抽選回数)といった遊技情報を表示する表示パネル29を有する。かかる遊技情報は、CRユニット3から入力されて表示される。またデータ表示器28には、表示パネル29の他にも、遊技場のホールスタッフを呼び出す呼出ボタン30や、パチンコ機2の大当たり状態や確率変動遊技状態、時短遊技状態等の所定の遊技状態を報知するランプ31等が設けられている。かかる呼出ボタン30は、パチンコ機2に設けたタッチ液晶モジュール20にもタッチ操作ボタンとして設けられている。また、この呼出ボタン30を、CRユニット3本体に設ける構成とすることも可能である。データ表示器28に設けられた呼出ボタン30、タッチ液晶モジュール20のタッチ操作ボタンとして設けられた呼出ボタン、或いはCRユニット3本体に設けられた呼出ボタンのいずれかが操作された場合、かかる操作がCRユニット3にタッチ液晶モジュール20から出力され、CRユニット3からデータ表示器28にランプ31の点灯指示が出力されて当該ランプ31が点灯するとともに、上記管理コンピュータ群5に対してコール情報がパチンコ機2の識別情報(例えば台番号)と一緒に通知される。
【0021】
管理コンピュータ群5は、ホールコンピュータ40と、顧客管理サーバ41と、プリペイドシステム管理コンピュータ42と、持玉管理サーバ43と、遊技結果管理サーバ46と、装飾情報管理サーバ48とを備えている。
ホールコンピュータ40は、各パチンコ機2での差玉数やエラー状況、大当たり回数等の遊技情報を中枢的に管理するコンピュータであり、パチンコ機2の遊技情報をCRユニット3から通信ネットワーク6を介して取得して管理する。
【0022】
顧客管理サーバ41は、会員登録した顧客を管理するコンピュータであり、顧客の氏名や年齢、性別、職業、携帯電話番号、会員番号、サービス利用のための暗証番号、会員カード22Bの識別情報、顧客が遊技場に預けている再遊技可能な遊技媒体数(いわゆる貯玉数)、遊技履歴に係る情報を管理する。CRユニット3は、会員カード22Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール20に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード22Bの識別情報の正当性を顧客管理サーバ41に問い合わせる。CRユニット3は、これらの正当性が顧客管理サーバ41によって認められた場合に、当該顧客管理サーバ41から貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール20に表示する。またCRユニット3は貯玉が使用されるごとに顧客管理サーバ41に貯玉使用数を送信し、これにより顧客管理サーバ41が当該顧客の貯玉数を減算更新する。また、顧客の持玉を貯玉に変える指示が図示せぬ景品カウンター等に設置したコンピュータ等から顧客管理サーバ41に入力された場合に、顧客管理サーバ41が当該顧客の貯玉数を加算更新する。
【0023】
装飾情報管理サーバ48は、後述するようにCRユニット3がタッチ液晶モジュール20における表示演出に使用する装飾用情報を記憶する。この装飾用情報は、遊技球貸出装置63が遊技球表示演出モードを実行して、遊技球の外観を模した遊技球画像をタッチ液晶モジュール20に表示する場合に、遊技球画像に装飾を加えるための情報である。この装飾用情報は、具体的には、遊技球画像に重ねて文字や記号を表示する場合に使用する文字・記号のデータ、遊技球画像に別の画像を重ねて表示する場合に使用する画像データ、遊技球画像の表示色を指定する表示色データ、タッチ液晶モジュール20に表示される遊技球画像の一部にのみ装飾を施す場合の、装飾する遊技球画像の選択方法や装飾される遊技球画像の割合を指定するデータ、一部の遊技球画像に対して他の遊技球画像とは異なる装飾を施す場合の各装飾に対応する遊技球画像の割合を指定するデータ等である。装飾情報管理サーバ48は、顧客管理サーバ41が管理する会員番号に対応付けて、複数の画像データを記憶することもできる。この場合、装飾情報管理サーバ48は、一部または全部の会員番号について、会員番号毎に異なる画像データを記憶する。これらの画像データは、CRユニット3からの要求に応じて読み出され、通信ネットワーク6を介して装飾情報管理サーバ48からCRユニット3へ送信される。この画像データとしては、特定の模様等であってもよいが、会員がタッチ液晶モジュール20の操作によって、複数のキャラクターの画像から選択したキャラクター画像、或いは、選択したキャラクター画像を編集した、いわゆるアバターと呼ばれる会員固有のキャラクター画像であってもよい。
【0024】
プリペイドシステム管理コンピュータ42は、プリペイド媒体22としてのICコイン22A及び会員カード22Bの各識別情報と残価値を対応付けて記憶し、これらの残価値を管理するコンピュータである。CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されたときには、当該プリペイド媒体22の識別情報に対応する残価値をプリペイドシステム管理コンピュータ42に問い合わせ、応答により得られた残価値をタッチ液晶モジュール20に度数表示する。
プリペイド媒体22の残価値は、CRユニット3でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイドシステム管理コンピュータ42は、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット3が残価値をプリペイド媒体22にチャージした場合には、プリペイドシステム管理コンピュータ42は、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。玉貸ボタン38Aの操作に応じてCRユニット3が玉貸を行った場合には、プリペイドシステム管理コンピュータ42は、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体22の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイドシステム管理コンピュータ42には、上述した精算機4が通信ネットワーク6を介して接続されており、精算機4は、プリペイド媒体22が投入された場合には、精算機4がプリペイド媒体22の残価値をプリペイドシステム管理コンピュータ42に問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
【0025】
持玉管理サーバ43は、遊技者の持玉数を管理するコンピュータである。具体的には、持玉管理サーバ43は、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体22の識別情報とともに通信ネットワーク6を介してCRユニット3から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されたときには、当該プリペイド媒体22の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバ43に問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール20に表示する。このときCRユニット3は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタンをタッチ液晶モジュール20に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機2に出力するとともに、持玉管理サーバ43に対してプリペイド媒体22の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバ43は、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体22の持玉数を減算更新する。また、CRユニット3は、プリペイド媒体22の排出時には、持玉管理サーバ43に対してプリペイド媒体22の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバ43に記録される。
【0026】
遊技結果管理サーバ46は、遊技者がパチンコ機2で遊技を終了した後、その一回の遊技の遊技結果として、差玉の情報をCRユニット3から取得して格納する。すなわち、遊技結果管理サーバ46は、パチンコ機2において遊技が終了すると、遊技者が使用していたICコイン22Aまたは会員カード22Bの各識別情報と、CRユニット3に接続されたパチンコ機2の機種名、遊技開始日時、遊技終了日時、貸玉数、賞球数、アウト玉数、ファウル玉数及び遊技終了後も持玉数とを対応付けてCRユニット3から取得し、差玉数を算出して、ICコイン22A及び会員カード22Bの各識別情報に対応付けて記憶する。ここで、CRユニット3が貸玉数、賞球数、アウト玉数、ファウル玉数及び持玉数から差玉を算出し、算出した差玉数を遊技結果管理サーバ46に送信してもよい。遊技開始日時はプリペイド媒体22をCRユニット3に投入した日時を指し、遊技終了日時は顧客によりプリペイド媒体22の排出が指示された日時を指す。
遊技結果管理サーバ46は、機種ごとや日付ごとに差玉数に基づくランク付けを行い、ランキングの情報をCRユニット3に送信することもできる。この場合、遊技結果管理サーバ46は、会員登録した顧客のみに対するサービスとするため、会員カード22BがCRユニット3に投入された場合の差玉数のみを抽出して集計し、ランク付けを行ってもよい。
【0027】
なお、管理コンピュータ群5が、管理目的に応じて上記の他のコンピュータを備えても良いし、幾つかのコンピュータ或いはサーバの機能を1台のコンピュータ或いはサーバで構成しても良いことは勿論である。
【0028】
この遊技場システム1においては、遊技者が持玉を景品や貯玉に交換可能になされている。すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品や貯玉に交換した場合、当該景品カウンターのコンピュータから持玉を交換した旨が、プリペイド媒体22の識別情報とともに持玉管理サーバ43に入力され、持玉管理サーバ43がプリペイド媒体22の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。なお、持玉を貯玉に交換するときには、顧客管理サーバ41に、貯玉数がプリペイド媒体22の識別情報とともに送信され、管理されている貯玉数が加算更新される。また遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード22Bが持玉管理サーバ43に記録されている場合に、当該持玉管理サーバ43が顧客管理サーバ41に記録を転送し、当該顧客管理サーバ41が管理する会員カード22Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
【0029】
図2は、遊技システム7の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機2は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板53及び払出制御基板54と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板51及び発射制御基板52とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板53は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する回路を備えた基板である。具体的には、パチンコ機2は、始動口11、入賞口12及び大入賞口13のそれぞれに遊技球の入賞を検知する入賞検知センサ55を備え、検知信号が遊技機メイン基板53に出力される。遊技機メイン基板53は、始動口11、入賞口12及び大入賞口13ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部53Aを備え、入賞口への入賞が検知されるごとに、当該入賞口に応じた数の賞球の払い出しを指示する賞球払出指示信号を払出制御基板54に出力し、また遊技盤8に賞球数別に設けた賞球通知灯56を点灯する。
【0030】
また遊技機メイン基板53は、始動口11への入賞の検知を契機として特賞の当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)59に表示する。図柄表示部59は、遊技盤8に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部59では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板53が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板53は、遊技機液晶表示器16や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動時間(当落抽選結果の表示タイミング)等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板51に出力する。
【0031】
払出制御基板54は、遊技球の払出及び発射を管理するものである。このパチンコ機2は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機2の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。
すなわち、払出制御基板54は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aを備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板52に出力する。払出制御基板54は、CRユニット3から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球数の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算する。
【0032】
また、払出制御基板54には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、回収口14に回収されたアウト玉を検知するアウト玉検知センサ57、発射後遊技領域に到達しなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサ58、及び、発射された遊技球を検知する1或いは複数の発射球検知センサ64(図示例では1つ)のそれぞれの検知信号が入力される。そして、払出制御基板54は、遊技機メイン基板53から賞球払出指示信号を受けるごと、ファウル玉が検知されるごと、及びCRユニット3から貸出指示信号のいずれかが入力されるごとに発射可能玉数を加算更新し、また発射球検知センサ65の検知信号が入力されるごとに発射可能玉数を減算更新することで発射可能玉数を(すなわち遊技者の持玉数)を管理し、また、この発射可能玉数を遊技盤8に設けた玉数表示灯60に常時表示する。
なお、アウト玉検知センサ57及びファウル玉検知センサ58の出力を遊技機メイン基板53に入力し、当該遊技機メイン基板53から払出制御基板54に出力する構成としても良い。
上記発射制御基板52は、発射許可信号が払出制御基板54から入力されている事を条件に、遊技球発射ハンドル17の操作に応じて遊技球を遊技領域に向けて発射するとともに、遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板54に出力する。
【0033】
演出用サブ基板51は、遊技機メイン基板53の演出指示信号に基づいて、遊技機液晶表示器16や図示せぬ音源、台枠ランプを制御して、当落抽選結果に応じた遊技演出を行う回路を搭載した基板であり、遊技機メイン基板53に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板53の当落抽選結果に影響を及ぼす事がないように構成されている。
遊技演出について、遊技機液晶表示器16での表示演出を例にして説明すると、遊技機液晶表示器16では、図柄表示部59の図柄変動に合わせて図柄(装飾図柄とも呼ばれる)を変動表示し、また大当たり発生時には大当たり遊技の進行に合わせて画像を表示するなどして表示演出を行う。図柄の変動開始から大当たり発生までの間に行われる代表的な表示演出としては、予告演出及びリーチ演出があり大当たり発生時には大当たり演出が行われる。予告演出とは、リーチや大当たりなどの特定の状態に至るまでの前兆となる演出を指し、またリーチ演出とは、主に大当たりの前段階に発生する演出である。これら予告演出及びリーチ演出のそれぞれには、複数種類の演出パターンが予め容易されている。例えばリーチ演出においては、いわゆる複数種類のノーマルリーチや複数種類のスーパーリーチが予め容易され、リーチ演出実行時には、いずれか1のリーチ演出パターンが用いられる。そして、予告演出及びリーチ演出ごとに、演出パターンを適宜選択して組み合わせることで、図柄変動中の単調さを緩和させている。
【0034】
このとき、予告演出及びリーチ演出で使用される演出パターンは、遊技機メイン基板53の抽選によって決定される。予告演出及びリーチ演出の各演出パターンには、特賞(大当たり)当選時や外れ時のそれぞれで、出現率が設けられている。例えば、演出パターンの出現率を、当選時に高くし外れ時には低く設定することで、この演出パターン発生時の大当たりの期待値が高くなり、当該演出パターン発生により遊技者に大当たり発生の期待感を持たせられる。
演出用サブ基板51は、各表示演出に用いる画像データを記憶する演出データ記憶部51Aを備え、遊技機メイン基板53の演出指示信号及び演出の進行に合わせて画像データを演出データ記憶部51Aから順次読み出し、この画像データに基づく画像信号を遊技機液晶表示器16に出力して、遊技機液晶表示器16に表示させる。
【0035】
またパチンコ機2は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板61、貸出装置接続基板62を備え、さらに、上述したタッチ液晶モジュール20が組み込まれている。
外部端子板61は、大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部59での図柄の変動停止を示す図柄停止信号、賞球数を示す賞球信号、アウト玉検知を示すアウト玉信号、ファウル玉検知を示すファウル玉信号等の各種信号をパチンコ機2から周辺機器に出力するための端子板である。周辺機器にあっては、大当たり信号及び図柄変動停止信号を取得することで、大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数を特定でき、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板54とは別に差玉を求めることができる。本実施形態では、外部端子板61がCRユニット3に接続されており、当該CRユニット3は、払出制御基板54の遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aとは別に、差玉に基づいて持玉数を管理している。
【0036】
貸出装置接続基板62は、CRユニット3と接続するための基板であり、貸出装置接続基板62を介してCRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)が出力され、また、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号がパチンコ機2からCRユニット3に入力される。
タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3により制御されて当該CRユニット3の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット3が遊技媒体貸出装置の装置本体に相当し、タッチ液晶モジュール20が遊技媒体貸出装置の表示部及び操作部に相当し、これらによって遊技球貸出装置63が構成される。
【0037】
図3は、遊技球貸出装置63の機能的構成を示す図である。
CRユニット3は、メイン基板80と、ICコイン22Aを読み書きするコインR/W81と、会員カード22Bを読み書きするカードR/W82と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール20に表示するワンセグ受信回路83と、例えば携帯電話機等の赤外線通信対応機器との間で赤外線通信してデータを送受する赤外線通信回路84と、パチンコ機2側とデータ送受可能に接続される遊技機側外部入出力接続基板85と、通信ネットワーク6及びデータ表示器28とデータ送受可能に接続されるホール側外部入出力接続基板86とを備えている。
【0038】
メイン基板80は、各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87を備え、上記ICコイン22A及び会員カード22Bのデータの読み書き、通信ネットワーク6を介した管理コンピュータ群5とのデータの送受等の制御、パチンコ機2に対する玉貸制御の他、遊技中におけるプリペイド媒体22の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、メイン制御汎用CPU87は、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを用いて、プリペイド残価値記憶部88、貸出装置管理持玉数記憶部89、再プレイ可能玉数記憶部90、遊技機管理残玉数記憶部91、払出可能持玉数記憶部93、及び遊技結果記憶部94として機能する。
プリペイド残価値記憶部88は、プリペイド媒体22の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体22の投入時、或いは発行時にプリペイドシステム管理コンピュータ42から取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
貸出装置管理持玉数記憶部89は、CRユニット3がパチンコ機2から受信した各種信号に基づいて遊技者の持玉数(以下、「貸出装置管理持玉数」と言う)を算出し記憶するものである。すなわち、CRユニット3は、遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算し、またアウト玉信号に基づいて貸出装置管理持玉数を減算更新し、さらにファウル玉信号及び賞球信号に基づいて貸出装置管理持玉数を加算更新する。この貸出装置管理持玉数は、図2に示すように、タッチ液晶モジュール20にリアルタイムに表示される。
【0039】
パチンコ機2においても、上述の通り、払出制御基板54が持玉数を計数しており、この計数値が遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aに記憶される。パチンコ機2が管理している遊技機管理残玉数(遊技機管理発射可能玉数)は、発射制御基板52から遊技球発射を示す信号を受けるごとに減算更新されるのに対し、CRユニット3が管理している貸出装置管理持玉数は、アウト玉の検知信号に基づいて減算更新されるため、貸出装置管理持玉数の減算更新タイミングが遊技機管理残玉数よりも遅くなる。そこで、遊技終了ボタン38Bの操作に伴って持玉数を持玉管理サーバ43に通知する際には、CRユニット3はパチンコ機2から発射可能玉数を取得して上記遊技機管理残玉数記憶部91に記憶し、この発射可能玉数を持玉管理サーバ43に通知することで、正確な持玉数を記録することとしている。遊技終了ボタン38Bの操作時には、この発射可能玉数もタッチ液晶モジュール20に表示される。
【0040】
また、CRユニット3では、持玉管理サーバ43からCRユニット3が取得した遊技者の持玉のうち、持玉の払出操作が行われる毎に、持玉の一部がパチンコ機2における発射可能玉数に加算され、払い出されていない持玉の数は払出可能持玉数として払出可能持玉数記憶部93に記憶される。持玉の払出操作が行われる毎に、貸出装置管理持玉数が加算される一方で、払出可能持玉数記憶部93の払出可能持玉数が減算される。この払出可能持玉数は、図2に示すようにリアルタイムでタッチ液晶モジュール20に表示される。
【0041】
さらに、プリペイド媒体22が投入されてパチンコ機2の遊技が開始されると、遊技開始日時が遊技結果記憶部94に記憶され、その後にパチンコ機2へ出力される貸出(払出)指示信号に基づいて貸玉数または払出玉数が遊技結果記憶部94に記憶され、外部端子板61を介して入力されるパチンコ機2の外部出力信号に基づき、遊技中の賞球数、アウト玉数及びファウル玉数が遊技結果記憶部94に記憶される。また、遊技終了ボタン38Bの操作により遊技終了が指示されると、遊技終了日時が遊技結果記憶部94に記憶される。つまり、遊技結果記憶部94には、遊技者がプリペイド媒体22を投入して遊技を開始してからの遊技の記録に係る情報が格納され、この情報は遊技中に随時更新される。そして、遊技結果記憶部94に記憶された情報は、遊技終了ボタン38Bの操作により遊技終了が指示された場合に、遊技中にCRユニット3に投入されていたICコイン22Aまたは会員カード22Bの識別情報とともに、遊技結果管理サーバ46へ送信される。
なお、遊技結果記憶部94には遊技開始・終了日時および差玉のみを記憶する構成としてもよく、この場合、メイン制御汎用CPU87は、プリペイド媒体22が挿入されてから遊技終了が指示されるまでの間、差玉を随時算出して遊技結果記憶部94に記憶し、或いは、遊技中の貸玉数、払出玉数、賞球数、アウト玉数及びファウル玉数を記憶しておいて遊技終了ボタン38Bの操作を契機として差玉を算出する。
【0042】
再プレイ可能玉数記憶部90は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード22Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、顧客管理サーバ41から取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、タッチ液晶モジュール20に再プレイ可能玉数として表示され、遊技終了ボタン38Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部90に記憶されている貯玉数が顧客管理サーバ41に送信されて記録される。
【0043】
また、CRユニット3は、タッチ液晶モジュール20の表示画面を制御する表示演出制御部92を備え、この表示演出制御部92によって遊技者への情報提供や遊技中の持玉数に応じた演出を行う機能を有し、表示中にタッチ液晶モジュール20に対してタッチ操作が行われた場合には、この操作を検出して対応する動作を実行する。
タッチ液晶モジュール20は、図3に示すように、液晶パネル70及びタッチパネル71を含むタッチ操作可能な液晶表示部72と、液晶表示部72を制御する操作表示制御基板73と、演出用サブ基板51との接続インターフェースであるサブ基板I/F74と、CRユニット3との接続インターフェースであるCRユニットI/F75とを備えている。
さらに操作表示制御基板73は、液晶表示部72を中枢的に制御する操作表示制御部78と、操作表示制御部78の制御にしたがって液晶パネル70を駆動する液晶駆動部76と、タッチパネル71のタッチ操作を検出して操作表示制御部78に出力するタッチパネル駆動部77とを備えている。
【0044】
このタッチ液晶モジュール20には、CRユニットI/F75を介して、CRユニット3から液晶表示部72の表示画像を制御する画像表示制御信号Sgが入力されており、操作表示制御部78は、この画像表示制御信号Sgに基づいて液晶パネル70に画像を表示する。また、液晶表示部72に対するタッチ操作は、操作表示制御部78からCRユニットI/F75を介してCRユニット3にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット3にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール20は、パチンコ機2に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット3によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット3に出力されており、CRユニット3の表示部及び操作部として構成されている。
【0045】
ここで、この遊技球貸出装置63は、図2に示すように、液晶表示部72にプリペイド残価値、再プレイ可能玉数、貸出装置管理持玉数、払出可能持玉数、及び、発射可能玉数等の数値データを表示するとともに、実際の遊技球を模した遊技球画像を液晶表示部72により表示させる遊技球表示演出モードを実行する。また、遊技球貸出装置63は、図示はしないが、パチンコ機2の遊技方法やCRユニット3の操作方法を案内する画像や文字、或いは交換可能な景品の画像等を表示する待機表示モードを実行することも可能である。遊技球貸出装置63は、例えば、CRユニット3にプリペイド媒体22が投入されていて遊技可能な状態では遊技球表示演出モードを実行し、プリペイド媒体22が投入されていない遊技待ち状態において待機表示モードを実行する。
【0046】
図4は、遊技球表示演出モードで液晶表示部72に表示される表示態様を示す説明図である。図4(A)及び(B)はそれぞれ装飾された遊技球画像の表示態様の例を示し、図4(C)は遊技球画像を移動表示する表示態様の例を示す。
遊技球表示演出モードでは、図4(A)に示すように、パチンコ機2の遊技盤8で遊技に使用される遊技球の外観を模した遊技球画像101が表示される。遊技球画像101には装飾を施すことができ、例えば、文字、記号、画像等を遊技球画像101に重ねて表示する装飾や、遊技球画像101の表示色を変える装飾が挙げられる。
図4(A)に示す例では、遊技球画像101に、文字からなるロゴマーク103を重ねることで装飾を施し、遊技球画像105が生成される。ロゴマーク103は、文字を図示のように配置した画像データであってもよいし、文字データ(テキストデータ)と、フォント、文字サイズ、文字装飾(太字、白抜き等)の種類等を指定する情報とを含んで構成されてもよい。また、図4(B)に示すように、同じ遊技球画像101に別のロゴマーク107を重ねれば遊技球画像109を生成することも可能である。
【0047】
図4(A)、(B)に示す遊技球画像105、109は、遊技球の立体モデルにロゴマーク103、107をテクスチャとして貼り付けるテクスチャマッピングの手法で生成される。このため、ロゴマーク103、107は遊技球の表面の特定の位置に配置され、例えば図4(C)に示すように遊技球画像105が転がる様子を表示する場合、ロゴの位置及び角度が、実際に球体を転がした場合と同様に変化する。図4(C)には遊技球画像105が、ロゴマークが横方向に回転しながら移動する例、およびロゴマークが縦方向に回転しながら移動する例を示している。図4(C)に示す例ではロゴマークの位置および形状が変化しており、遊技球の光沢の位置等を含め、実際の遊技球の3次元的な動きを模している。また、図示はしないが、遊技球画像105を、斜め方向に回転しながら移動するよう表示することも可能である。これにより、実物の遊技球によく似た、リアリティのある遊技球画像をタッチ液晶モジュール20に表示でき、高い演出効果が期待できる。
【0048】
図5(A)、(B)は、タッチ液晶モジュール20に表示される遊技球表示演出画面の例を示す図である。図5(A)、(B)に示す遊技球表示演出画面200は、画面最上部に遊技店の店名、ロゴ等を表示する店名表示部201、及びこのタッチ液晶モジュール20が設けられたパチンコ機2の台番号を表示する台番号表示部202が配置されている。また、遊技球表示演出画面200には、遊技データ表示部203、プレイ可能玉数表示部204、プリペイド残価値表示部210、会員固有画像表示部211、ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213が配置されている。
遊技データ表示部203には、パチンコ機2の遊技の履歴が表示され、例えば大当り回数、確変回数、スタート回数、大当り確率が表示される。遊技データ表示部203に表示される情報は、CRユニット3が、パチンコ機2が入力する外部出力信号に基づいて集計したデータや、CRユニット3が遊技結果管理サーバ46から取得したデータが表示される。プレイ可能玉数表示部204には、貸出装置管理持玉数記憶部89が記憶する貸出装置管理持玉数がプレイ可能玉数として表示される。プリペイド残価値表示部210には、プリペイド残価値記憶部88に記憶されているプリペイド残価値が、CRユニット3に設定されている遊技球の貸出単価及び1回の貸出操作当りの払出玉数とともに金額表示され、会員固有画像表示部211には、会員カード22Bから読み取った会員番号に基づいて、CRユニット3が顧客管理サーバ41または装飾情報管理サーバ48から取得した会員固有の画像(アバター等)が表示される。
【0049】
ハンドル状態表示部212、及び、ハンドル操作ゲージ213は、パチンコ機2が備える遊技球発射ハンドル17(図1)の操作量を視覚的に表示するもので、ハンドル状態表示部212はハンドルのイラストであって遊技球発射ハンドル17の操作量(回転角)に応じて色が変わり、ハンドル操作ゲージ213は遊技球発射ハンドル17の操作量を直線状のゲージで表示する。
【0050】
遊技球表示演出画面200の下部には、一般的なパチンコ機の上皿を模した球画像表示部220が配置されている。球画像表示部220は、その全体が遊技球を貯留する上皿の外観の画像であり、一端にはパチンコ機2が賞球を払い出す際に遊技球が放出される球払出口221が配置され、中央には球払出口221から排出された遊技球を貯留する球貯留部222が配置され、他端にはパチンコ機2に対して遊技球を供給する球供給口223が配置されている。パチンコ機2が賞球の払出を行い、賞球数を示す外部出力信号を出力すると、表示演出制御部92は、球払出口221から賞球数分の遊技球画像105を出現させる。このとき、球払出口221の下方に配置された賞球数表示部225には、払い出された賞球数がその都度表示される。出現した遊技球画像105は球貯留部222に移動して、配列される。
また、CRユニット3においてプリペイド媒体22の残価値に基づき貸玉が行われた場合には、新たに貸し出された遊技球の数と同数の遊技球画像105が、球払出口221から出現する。この場合、メイン制御汎用CPU87は貸出単価に基づいてプリペイド残価値記憶部88が記憶するプリペイド残価値を減算するとともに、プリペイド残価値表示部210の表示を更新する。また、貸玉数に応じて、貸出装置管理持玉数記憶部89が記憶する貸出装置管理持玉数を増加させ、プレイ可能玉数表示部204の表示を更新する。
さらに、CRユニット3においては、払出可能持玉数記憶部93が記憶する持ち玉をパチンコ機2に払い出して遊技に使用することも可能である。この場合、CRユニット3のメイン制御汎用CPU87は、払出可能持玉数記憶部93が記憶する持ち玉数を減算する一方、同数の遊技球画像を表示演出制御部92の制御により球払出口221から出現させる。また、プレイ可能玉数表示部204の表示を更新する。再プレイ可能玉数記憶部90が記憶する貯玉についても同様に、パチンコ機2に払い出された場合には同数の遊技球画像が球払出口221から出現する。
球貯留部222に表示されている遊技球画像105は、パチンコ機2が遊技球を発射する毎に1個ずつ球供給口223に吸い込まれるように移動され、画面上から消去される。メイン制御汎用CPU87は、画面上から遊技球画像105を消去するのに合わせて、貸出装置管理持玉数記憶部89が記憶する貸出装置管理持玉数を減算する。このため、球貯留部222に表示されている遊技球画像105の数は、貸出装置管理持玉数記憶部89が記憶する貸出装置管理持玉数に一致し、上述のように貸出装置管理持玉数の減算更新タイミングが遊技機管理残玉数よりも遅くなるものの、この若干の時間的なずれを考慮すれば、遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aに記憶された遊技機管理発射可能玉数と一致する。
【0051】
ところで、球貯留部222のサイズや表示解像度により、球貯留部222に表示可能な遊技球画像105の数には限度がある。また、球貯留部222に表示する遊技球画像105の数を制限することで、球貯留部222をより見やすい表示状態に保つことも可能である。従って、メイン制御汎用CPU87は、貸出装置管理持玉数が加算された場合に、加算された数と同数の遊技球画像105を球貯留部222に表示させない制御を行う。この場合、メイン制御汎用CPU87は、貸出装置管理持玉数の加算分より少ない数の遊技球画像105を球貯留部222に表示させ、或いは、球貯留部222に新たな遊技球画像105を表示させない。その一方で、メイン制御汎用CPU87は、貸出装置管理持玉数の増加分と新たに表示された遊技球画像105の数の差、すなわち、表示されなかった遊技球画像105の数を、未表示玉数として、貸出装置管理持玉数記憶部89等の記憶領域に記憶する。
図5(A)及び(B)の例ではプレイ可能玉が120玉であるが、球貯留部222に表示可能な遊技球画像105の数が120玉より少ない場合、球貯留部222には表示可能な遊技球画像105だけが表示され、貸出装置管理持玉数のうち表示しきれない玉数が未表示玉数として記憶される。
【0052】
貸出装置管理持玉数が減算された場合、メイン制御汎用CPU87は、上述したように球貯留部222に表示中の遊技球画像105を消去する前に、未表示玉数を参照する。未表示玉数がゼロでない場合には、貸出装置管理持玉数の減算数だけ未表示玉数を減算し、その一方で、球貯留部222の遊技球画像105を消去しない。そして減算により未表示玉数がゼロになる場合は、貸出装置管理持玉数の減算数と未表示玉数との差に相当する遊技球画像105を球貯留部222から消去する。この制御により、貸出装置管理持玉数の加算時に球貯留部222に表示されなかった遊技球画像105の数が、貸出装置管理持玉数の減算時に消去される遊技球画像105の数に反映されるので、球貯留部222に同時に表示できる遊技球画像105の数が制限されていても、遊技球画像105の数が実際の貸出装置管理持玉数の増減と乖離しない。従って、遊技者の実感に合った表示を行い、遊技球表示演出画面200の表示をよりリアルにすることができる。
【0053】
タッチ液晶モジュール20はタッチパネル71を備えているため、タッチ液晶モジュール20の表面に遊技者が手を触れると、この操作がタッチパネル駆動部77により検出され、操作位置を示す信号が遊技機側外部入出力接続基板85を介してメイン制御汎用CPU87に入力される。メイン制御汎用CPU87は、タッチ液晶モジュール20に対する遊技者の接触操作を検出し、球画像表示部220に表示された遊技球画像105を移動させるような操作が行われたと判別した場合には、この操作位置及び移動方向に沿って遊技球画像105の表示位置を移動させる。すなわち、遊技者が球画像表示部220に触れ、触れたまま接触位置を移動させると、この移動に追従して遊技球画像105が移動する。この動作では複数の遊技球画像105をまとめて移動させることも可能である。
球画像表示部220において遊技球画像105を移動させる際に、表示演出制御部92は、実際の遊技球が転がる状態と同様に、遊技球画像105を3次元的に回転させながら移動させる。この回転により、遊技球画像105のロゴマーク103が回転し、このようにリアリティのある表示がなされることで、高い演出効果が期待できる。
また、遊技球表示演出画面200には、タッチ液晶モジュール20へのタッチ操作を契機として、遊技当日に遊技者が獲得した持玉数、すなわち払出可能持玉数記憶部93に記憶されている数と、貯玉数すなわち再プレイ可能玉数記憶部90が記憶する再プレイ可能玉数とを分けて表示可能である。この場合、遊技球表示演出画面200には、図5(B)に示すように持ち玉数を表示する当日持ち玉数表示部205と、貯玉数を表示する貯玉数表示部206とが表示される。
【0054】
メイン制御汎用CPU87は、遊技球表示演出画面200を表示する前に、ホール側外部入出力接続基板86を介して装飾情報管理サーバ48にアクセスして最新の装飾用情報を要求する。この要求に応じて、装飾情報管理サーバ48が装飾用情報を送信すると、メイン制御汎用CPU87は、送信された装飾用情報をホール側外部入出力接続基板86(通信部)によって受信し、表示演出制御部92の機能によって、受信した最新の装飾用情報に基づいて遊技球画像を装飾して液晶表示部72に表示する。
【0055】
また、遊技球表示演出画面200の表示中も、メイン制御汎用CPU87は随時、装飾情報管理サーバ48にアクセスして、最新の装飾用情報を要求する。ここで、メイン制御汎用CPU87の要求に応じて装飾情報管理サーバ48から送信される装飾用情報が、現在表示中の遊技球画像の装飾に使用した装飾用情報とは異なる場合、メイン制御汎用CPU87は、表示中の遊技球画像を、新しい装飾用情報に基づいて装飾した遊技球画像に切り替えて、液晶表示部72の表示を更新する。
装飾情報管理サーバ48は図示しない操作部の操作またはホールコンピュータ40の制御に従って動作するため、パチンコ機2が設置された遊技店の従業員等が、装飾情報管理サーバ48またはホールコンピュータ40を操作して、装飾情報管理サーバ48が遊技球貸出装置63へ送信する装飾用情報を更新することができる。そして、装飾情報管理サーバ48が送信する装飾用情報を更新すると、複数の遊技球貸出装置63が液晶表示部72に表示する遊技球画像の装飾を更新できる。
このように、遊技場システム1では、装飾情報管理サーバ48が遊技球貸出装置63に送信する装飾用情報を更新し、各遊技球貸出装置63が順次、更新された装飾用情報を受信して液晶表示部72の表示を更新する構成となっており、短時間で全ての遊技球貸出装置63における遊技球画像の表示演出を更新できる。上記のように、遊技店の従業員等が、装飾情報管理サーバ48またはホールコンピュータ40を操作して、装飾情報管理サーバ48が更新後の装飾用情報を送信するタイミングや、送信を開始する条件を設定することも可能である。例えば、遊技場システム1を構成するパチンコ機2のうち遊技中のパチンコ機2の割合が設定値を超えたとき、遊技店のサービスタイムなど予め設定された時刻に達したとき、いずれかのパチンコ機2で大当たりが発生したとき等が挙げられる。このように、装飾情報管理サーバ48が、指定された送信のタイミングや条件の成立等の所定の契機に従って、遊技球貸出装置63に装飾用情報を送信すれば、この装飾用情報を受信したCRユニット3が上記所定の契機で遊技球画像を装飾し、或いは装飾を更新して表示する。
【0056】
また、装飾情報管理サーバ48が遊技球貸出装置63に対して、表示を更新するタイミングを指定する情報を送信し、この情報に従って、メイン制御汎用CPU87が、指定されたタイミングで液晶表示部72に表示中の遊技球画像の装飾を更新する構成とすることもできる。この場合、遊技場システム1の複数の遊技球貸出装置63により、一斉に、液晶表示部72の表示演出を更新できる。装飾情報管理サーバ48が送信する情報は、時刻により表示を更新するタイミングを指定する情報であってもよく、その他の方法でタイミングを指定する情報でもよい。
【0057】
装飾情報管理サーバ48は、遊技場システム1に接続された全ての遊技球貸出装置63に対して同じ装飾用情報を送信することも可能であるし、台番号等により遊技球貸出装置63を識別して、異なる装飾用情報を異なる遊技球貸出装置63に送信することも可能である。これにより、例えば、遊技球画像に装飾として、遊技球の貸出単価を示す数字を重ねて表示させる場合、装飾情報管理サーバ48が、各遊技球貸出装置63の遊技球の貸出単価に合わせた装飾用情報を、個々の遊技球貸出装置63に送信することが考えられる。
【0058】
装飾情報管理サーバ48は、一台の遊技球貸出装置63に対して複数の異なる装飾用情報を送信することが可能である。この場合、遊技球貸出装置63のメイン制御汎用CPU87は、ホール側外部入出力接続基板86により受信した複数の装飾用情報に基づき、遊技球画像を装飾して表示する。例えば、各装飾用情報に基づいて装飾した複数種類の遊技球画像を混在させて、或いは装飾の種類毎に並べて、同時に球画像表示部220に表示する。
また、例えば、装飾情報管理サーバ48が、複数の装飾用情報とともに、各装飾用情報をもとに装飾する遊技球画像の数の割合(比)を示す情報を遊技球貸出装置63に送信する場合、メイン制御汎用CPU87は、受信した情報で示される割合で遊技球画像に装飾を施して液晶表示部72に表示する。すなわち、装飾情報管理サーバ48が、装飾用情報A、Bと、装飾用情報Aで装飾する遊技球画像の数と装飾用情報Bで装飾する遊技球画像の数との割合を80:20にするよう指示する情報とを遊技球貸出装置63に送信すると、メイン制御汎用CPU87は、球画像表示部220に表示する遊技球画像のうち80%を装飾用情報Aで装飾し、20%の遊技球画像を装飾用情報Bで装飾して、これらの遊技球画像を液晶表示部72に表示する。さらにこの場合、メイン制御汎用CPU87は、球払出口221から遊技球画像を出現させる毎に、その遊技球画像の装飾に装飾用情報A、Bのどちらを用いるかを、装飾情報管理サーバ48から受信した情報によって指定された割合に従って決定し、球画像表示部220に表示中の遊技球画像が、概ね指定された割合となるようにする。
【0059】
さらにまた、装飾情報管理サーバ48は、複数の装飾用情報とともに、各装飾用情報をランダムに選択して用いるよう指示する情報を遊技球貸出装置63に送信することができる。この場合、表示演出制御部92は、受信した情報に従い、球画像表示部220の球払出口221から遊技球画像を出現させる毎に、例えば乱数を使用して使用する装飾用情報をランダムに選択し、選択した装飾用情報に基づいて遊技球画像を装飾して表示する。
【0060】
装飾情報管理サーバ48は、上述のように遊技者に対応付けて装飾用情報を記憶することもできる。このため、遊技球貸出装置63が会員カード22Bから会員番号を読み取り、この会員番号をもとに顧客管理サーバ41に問い合わせてパチンコ機2で遊技中の遊技者を特定して、この遊技者を特定する情報を装飾情報管理サーバ48に送信すると、装飾情報管理サーバ48が、受信した情報により特定される遊技者に対応する装飾用情報を、遊技球貸出装置63に送信する構成とすることができる。この場合、球画像表示部220において、その遊技者に固有の装飾を施した遊技球画像を表示したり、その遊技者が自ら選択し設定した遊技球画像を表示したりできる。また、遊技者を特定する情報を受信した装飾情報管理サーバ48が、その遊技者の貯玉数や持ち玉数を取得し、貯玉数や持ち玉数に応じた装飾用情報を遊技球貸出装置63に送信してもよい。
【0061】
メイン制御汎用CPU87は、装飾情報管理サーバ48から受信した装飾用情報を複数記憶し、メイン制御汎用CPU87が主体的に装飾用情報を切り換えて、遊技球表示演出画面200の表示を更新することも可能である。具体的には、メイン制御汎用CPU87が接続されたパチンコ機2の大当り発生時に、表示中の全ての遊技球画像の装飾(ロゴマーク、表示色など)を別の装飾に変更する態様、賞球の数に応じて球画像表示部220に表示中の遊技球画像の装飾を一時的に変更する態様、貸出装置管理持玉数の残数が所定数より少なくなった場合、または所定数より多くなった場合に、球画像表示部220に表示中の遊技球画像の装飾を変更する態様などがある。
【0062】
また、メイン制御汎用CPU87は、CRユニット3が玉貸を行ってパチンコ機2の発射可能玉数が加算された場合に、球画像表示部220に新たな遊技球画像を表示する。パチンコ機2が賞球を払い出した場合も同様である。ここで、メイン制御汎用CPU87は、玉貸により球払出口221から出現させた遊技球画像と、賞球獲得により出現させた遊技球画像とに、互いに異なる装飾を施すことができる。
上述のように、メイン制御汎用CPU87は、パチンコ機2が遊技球を発射して発射可能玉数が減算される毎に、球貯留部222に表示中の遊技球画像を1個ずつ球供給口223に吸い込まれるように消去する。ここで、メイン制御汎用CPU87は、消去される遊技球画像の装飾を特定することも可能である。
【0063】
メイン制御汎用CPU87は、遊技球画像を球供給口223で1個ずつ消去する際に、消去する遊技球画像の装飾の有無、用いた装飾用情報、装飾の種類等を検出し、一時的に記憶する。ここで記憶された装飾を、そのときパチンコ機2が発射した遊技球に対応する装飾とすれば、遊技球が入賞して賞球が払い出された場合に、この賞球をもたらしたスタート入賞球に対応する装飾を決定できる。
ところで、遊技盤8における遊技球の振る舞いは様々であり、遊技球が発射順に入賞するとは限らない。また、封入球式のパチンコ機2内で循環供給される遊技球は、遊技の公正の観点から均質な物となっている。このため、パチンコ機2において個々の遊技球を識別し、その遊技球の由来や属性を区分することはできないから、スタート入賞球に対応する装飾を厳密に確定することは困難である。しかしながら、遊技球の発射から入賞までの平均的な時間をもとに、メイン制御汎用CPU87が入賞を示す信号を検出した時点から遡って、スタート入賞球に対応する遊技球が球供給口223で消去されたタイミングを推定し、この遊技球の装飾を特定することは可能である。
【0064】
この場合、メイン制御汎用CPU87は、賞球数と装飾の種類とを対応付けて集計することができ、これを演出や遊技店のサービスに生かすことができる。例えば、特定の装飾が施された遊技球で得られた賞球数が所定値を超えた場合に、CRユニット3がタッチ液晶モジュール20における表示を行ったり、ホールコンピュータ40に対して台番号と会員番号とともに信号を送信したりすることで、遊技店の店員に報知をすることが考えられる。この場合、遊技店の店員から遊技者に飲食物や景品を提供する等、独自性の高いサービスを行える。また、玉貸された遊技球で獲得した賞球と、賞球を遊技に使って獲得した賞球とを異なる装飾で球画像表示部220に表示すれば、遊技者に対して遊技の成績を視覚的に示すことができ、遊技者の興趣を高めることが期待できる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
遊技場システム1は、遊技に使用可能な発射可能玉数を記憶し、この発射可能玉数を減算しながら遊技球を循環供給して遊技を実行する封入式のパチンコ機2と、対価の提供と引き換えにパチンコ機2の発射可能玉数を加算させる遊技球貸出装置63と、遊技球貸出装置63と通信ネットワーク6を介して接続された装飾情報管理サーバ48とを備え、遊技球貸出装置63は、装飾情報管理サーバ48から送信される情報を受信するホール側外部入出力接続基板86と、パチンコ機2の前面に設けられたタッチ液晶モジュール20と、パチンコ機2から入力される情報に基づいてタッチ液晶モジュール20に表示演出を行わせるメイン制御汎用CPU87とを備え、装飾情報管理サーバ48は、遊技球貸出装置63が表示演出に用いる装飾用情報を遊技球貸出装置63に送信し、遊技球貸出装置63のメイン制御汎用CPU87は、遊技球を模した遊技球画像をタッチ液晶モジュール20に表示させて表示演出を行い、ホール側外部入出力接続基板86によって装飾用情報を受信した場合には、受信した装飾用情報に基づいて遊技球画像に装飾を加え、タッチ液晶モジュール20に表示する。封入式のパチンコ機2では遊技球を手にとることができないが、遊技場システム1は、上皿を模した球画像表示部220を液晶表示部72に表示し、球貯留部222に、パチンコ機2の発射可能玉数にほぼ一致する数の遊技球画像を表示するので、遊技者からよく見える位置に配置した液晶表示部72を用いて、リアルで効果的な表示演出を行える。この表示演出に使用する装飾用情報を装飾情報管理サーバ48によって制御できるので、遊技店側が表示演出を制御し、例えば遊技店内の複数の遊技球貸出装置63の表示演出をまとめて制御することも可能となる。
さらに、遊技球画像に店名のロゴを重ねる等の装飾を施すことによって、実際の遊技球により近い遊技球画像を表示できるほか、遊技球貸出装置63は装飾の状態が異なる複数の遊技球画像を同時にタッチ液晶モジュール20に表示可能であるため、実際の上皿を有するパチンコ機では不可能な、遊技球の色分け表示等の効果的な表示演出を実現できる。
【0066】
装飾用情報は、例えば、遊技球の画像に重ねて表示される文字または記号もしくは画像を示す情報であり、表示演出制御部92は、遊技球画像に装飾用情報に含まれる文字または記号もしくは画像を重ねた画像を生成し、この新たに生成した画像をタッチ液晶モジュール20に表示する。例えば、表示演出制御部92は、CRユニット3が遊技球を貸し出したときの貸出単価や店名のロゴを遊技球画像に重ねる装飾を施したり、遊技球画像の表示色を、装飾しない場合の基本色である銀色から、赤、青、緑、金色等に変化させたりする。遊技球の外観を模した遊技球画像は遊技者の興味を強く惹くので、遊技球画像に装飾をすることで、遊技者は確実に装飾に気づく。このため、店名や遊技球の貸出単価等の情報を、装飾により遊技者に情報を確実に知らせることができる。
【0067】
また、装飾用情報として、遊技球画像の表示色、表示サイズ、複数の遊技球画像を同時に表示する場合の位置関係のいずれかを指定する情報を含んでもよく、この場合、表示演出制御部92は、装飾用情報により指定された表示色、表示サイズ、或いは複数の遊技球画像の位置関係に従って、遊技球画像をタッチ液晶モジュール20に表示してもよい。この場合には、タッチ液晶モジュール20における表示サイズや色の変化により装飾を施すことができ、複数の遊技球画像の配置により演出を行うこともできる。
【0068】
ここで、メイン制御汎用CPU87は、遊技球貸出装置63の貸玉により発射可能玉数が加算される際に表示される遊技球画像と、賞球の払出により表示される遊技球画像とを、互いに異なる装飾を加えて、例えば違う色で表示することもできる。
【0069】
また、装飾情報管理サーバ48が、所定の契機に従って遊技球貸出装置63に装飾用情報を送信すれば、遊技球貸出装置63が、遊技店側が制御するタイミングで、或いは遊技店側が定めた条件が成立したときに、液晶表示部72に表示される遊技球画像の装飾を更新する構成も可能である。より具体的には、装飾情報管理サーバ48の制御により、複数の遊技球貸出装置63が表示中の遊技球画像の装飾状態を一斉に切り換える構成も実現できる。この場合、遊技店側が表示演出の更新のタイミングを制御できる。より詳細に表示演出を制御できるという利点もある。
さらに、装飾情報管理サーバ48が遊技者に対応付けて装飾用情報を記憶し、遊技球貸出装置63がパチンコ機2で遊技中の遊技者を特定する構成とすれば、液晶表示部72に、遊技者に対応する装飾を施した遊技球画像を表示できる。
【0070】
パチンコ機2の遊技の進行において所定の払出条件の成立に応じて賞球が発生し、CRユニット3に賞球数が通知された場合に、メイン制御汎用CPU87は、賞球数に相当する数の装飾された遊技球画像を球画像表示部220の球払出口221から出現させ、パチンコ機2が遊技球を発射して発射可能玉数が減算される毎に、メイン制御汎用CPU87は1個ずつ球供給口223から遊技球画像を消去する。これにより、通常のパチンコ機が備えている上皿と、この上皿に溜まった遊技球の様子をリアルに再現した表示演出により、興趣性の向上を図るとともに、パチンコ機2の遊技の進行と、賞球の獲得状態とを遊技者に認識させることができる。ここで、メイン制御汎用CPU87は、新たに球貯留部222に表示する遊技球画像に、装飾情報管理サーバ48から受信した複数の装飾用情報のいずれかを選択して装飾を加えることもできる。
そして、装飾情報管理サーバ48が、遊技球貸出装置63に対して互いに異なる複数の装飾用情報を送信した場合に、メイン制御汎用CPU87が、装飾情報管理サーバ48から受信した複数の装飾用情報に基づき装飾を加えた複数種類の遊技球画像を、各種類の遊技球画像の数が予め指定された割合となるようにタッチ液晶モジュール20に同時に表示してもよく、異なる装飾を施された複数種類の遊技球画像を、美観や興趣性が高まるような割合で混在させて表示できるので、表示演出のデザイン性の向上と、より一層の興趣性の向上を図ることができる。
【0071】
さらに、パチンコ機2が実行する抽選において当選し、賞球が発生した場合に、メイン制御汎用CPU87は、この賞球を発生させるスタート入賞球となった遊技球に対応する遊技球画像の装飾状態を特定できるので、例えば、スタート入賞球に対応する遊技球画像の装飾と賞球に対応する遊技球画像の装飾とを関連づけることにより、パチンコ機2の入賞とタッチ液晶モジュール20における表示とを連動させ、より興趣に富む表示演出を行える。例えば、CRユニット3が、特定した装飾及び賞球数を示す情報を、通信ネットワーク6を介して外部の装置に通知し、これらの装置によって集計し、この集計に基づくサービスの提供を行うことも可能となる。
【0072】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、メイン制御汎用CPU87が、CRユニット3にプリペイド媒体22が投入されていない間、例えばプリペイド媒体22が投入される前や遊技終了ボタン38Bにより遊技終了が指示された後に、遊技球表示演出画面200を表示してもよい。この場合、貸出装置管理持玉数はゼロであるため球画像表示部220には遊技球画像が表示されないが、その後にプリペイド媒体22が投入され、遊技球の貸出が行われた際に、貸し出された遊技球の数に対応する遊技球画像を球払出口221から出現させてもよい。また、遊技終了ボタン38Bにより遊技終了が指示された場合に、貸出装置管理持玉数をゼロにするのと同時に、球貯留部222の遊技球画像を、球貯留部222の中央部で1個または複数個ずつ消去してもよい。
また、上記実施形態では、1個の発射可能玉数に対して1つの遊技球画像を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複数の遊技球に対し1つの遊技球画像を対応させて表示してもよく、反対に1つの遊技球に複数の遊技球画像を対応させてもよい。また、発射可能玉数とは無関係に所定数の遊技球画像を表示してもよい。この場合に、発射可能玉数とは無関係に表示される遊技球画像を、タッチパネル71へのタッチ操作で操作し、パチンコ機2の遊技とは独立したゲームを実行してもよい。
また上述した実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ機2を例示したが、これに限らず、遊技媒体の投入を条件に、所定の抽選契機成立時に当落抽選を行う遊技機であれば、任意の遊技機に本発明を適用することができる。かかる遊技機には、例えば、遊技メダルを遊技媒体に使用し、遊技メダルの投入を条件に、操作レバーが操作された時に当落抽選を行うパチスロ機などが挙げられる。この場合には、本発明の遊技媒体貸出装置が遊技メダルをパチスロ機に貸し出す遊技メダル貸出装置に適用される。
【符号の説明】
【0073】
1 遊技場システム
2 パチンコ機(遊技機)
3 CRユニット
4 精算機
5 管理コンピュータ群
7 遊技システム
10 パチンコ機本体
16 遊技機液晶表示器
20 タッチ液晶モジュール(表示部)
22 プリペイド媒体(価値媒体)
22A ICコイン
22B 会員カード
40 ホールコンピュータ
41 顧客管理サーバ
42 プリペイドシステム管理コンピュータ
43 持玉管理サーバ
46 遊技結果管理サーバ
48 装飾情報管理サーバ(装飾制御装置)
51 演出用サブ基板
53 遊技機メイン基板
61 外部端子板
62 貸出装置接続基板
63 遊技球貸出装置(遊技媒体貸出装置)
70 液晶パネル
71 タッチパネル
72 液晶表示部
73 操作表示制御基板
78 操作表示制御部
84 赤外線通信回路
87 メイン制御汎用CPU(装飾状態判定部)
88 プリペイド残価値記憶部
89 貸出装置管理持玉数記憶部
90 再プレイ可能玉数記憶部
91 遊技機管理残玉数記憶部
92 表示演出制御部(表示制御部)
93 払出可能持玉数記憶部
94 遊技結果記憶部
101、105、109 遊技球画像
103、107 ロゴマーク
200 遊技球表示演出画面
220 球画像表示部
221 球払出口
222 球貯留部
223 球供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技機であって、遊技に使用可能な使用可能媒体数を記憶し、この使用可能媒体数を減算しながら前記遊技媒体を循環供給して遊技を実行する封入式の遊技機と、対価の提供と引き換えに前記遊技機の前記使用可能媒体数を加算させる遊技媒体貸出装置と、前記遊技媒体貸出装置と通信ネットワークを介して接続された装飾制御装置とを備え、
前記遊技媒体貸出装置は、前記装飾制御装置から送信される情報を受信する受信部と、前記遊技機の前面に設けられた表示部と、前記遊技機から入力される情報に基づいて前記表示部に表示演出を行わせる表示制御部とを備え、
前記装飾制御装置は、前記遊技媒体貸出装置が表示演出に用いる装飾用情報を前記遊技媒体貸出装置に送信し、
前記遊技媒体貸出装置の前記表示制御部は、前記遊技媒体を模した遊技媒体画像を前記表示部に表示させて表示演出を行い、前記受信部によって前記装飾用情報を受信した場合には、受信した前記装飾用情報に基づいて前記遊技媒体画像に装飾を加え、前記表示部に表示することを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、装飾の状態が異なる複数の前記遊技媒体画像を同時に前記表示部に表示可能であることを特徴とする請求項1記載の遊技システム。
【請求項3】
前記装飾制御装置は、前記遊技媒体貸出装置に対して互いに異なる複数の前記装飾用情報を送信し、
前記表示制御部は、前記受信部によって前記装飾制御装置から受信した複数の前記装飾用情報に基づき装飾を加えた複数種類の前記遊技媒体画像を、各種類の前記遊技媒体画像の数が予め指定された割合となるように前記表示部に同時に表示することを特徴とする請求項2記載の遊技システム。
【請求項4】
前記遊技機は、前記遊技媒体を使用した遊技において所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行って抽選結果に応じた前記遊技媒体の払い出しを行い、払い出される前記遊技媒体の数に対応して前記使用可能媒体数を加算し、
前記表示制御部は、前記遊技機の払出または前記遊技媒体貸出装置によって前記使用可能媒体数が加算された場合に、加算された数に対応する前記遊技媒体画像を新たに前記表示部に表示し、
新たに表示する前記遊技媒体画像に対して、前記受信部によって前記装飾制御装置から受信した複数の前記装飾用情報のいずれかを選択して装飾を加えることを特徴とする請求項2または3記載の遊技システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記遊技機の遊技の実行に伴い前記使用可能媒体数が減算されると、減算された数に対応する数の前記遊技媒体画像を前記表示部から消去し、
前記遊技機が実行した遊技により前記遊技媒体が払い出された場合に、当該払出を生じさせた遊技に伴って前記表示部から消去された前記遊技媒体画像の装飾状態を特定する装飾状態判定部を備えることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の遊技システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記遊技機が実行した遊技により前記遊技媒体が払い出され、払い出された数に応じて前記遊技媒体画像を新たに前記表示部に表示させる際に、この新たに表示する前記遊技媒体画像を、前記装飾状態判定部が特定した装飾状態と同じ装飾状態にすることを特徴とする請求項5記載の遊技システム。
【請求項7】
前記装飾制御装置は、前記遊技媒体貸出装置に対して前記装飾用情報の切り換えタイミングを指示する切換指示情報を送信し、
複数の前記遊技媒体貸出装置が、前記受信部によって前記装飾制御装置から受信した切換指示情報に従って、前記表示部に表示中の前記遊技媒体画像の装飾状態を一斉に切り換えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の遊技システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate