説明

遊技台用取付装置

【課題】既存の木製の島に直接装着することが可能になり、しかも、遊戯台の勾配調整が極めて容易に行える遊戯台用取付装置を提供する。
【解決手段】開口枠Rの上部開口縁R1上に設置される固定枠10を設ける。該固定枠10の内部に重合されると共に、固定された固定枠10に対して前後にスライド自在に連結されたスライド枠20を設ける。開口枠Rの内側に装着した遊戯台P上端部の前側面と後側面とを挟着保持する挟着杆35、38を有する固定機構30をスライド枠20に装着する。該スライド枠20を前後に移動せしめる勾配調整機構40を固定枠10に装着する。勾配調整機構40と揺動機構50とで遊戯台Pの盤面の勾配を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ台等の遊戯台を島に装着する遊戯台用取付装置に係り、特に、既存の島に装着している遊戯台の交換作業及び交換した遊戯台の勾配調整に好適な遊戯台用取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当発明者は、パチンコ台の装着作業や取付け後のパチンコ台の勾配の調整を容易ならしめるパチンコ台取付装置を先に発明している(特許文献1)。この発明では、パチンコ台の装着作業及び取り外し作業が極めて容易になり、しかも、取付後のパチンコ台の盤面の勾配を調整する際に、熟練した技術を要せずとも合理的で効果的な調整ができるようにしている。先のパチンコ台取付装置によると、島と称する台装着用の構築物の開口窓部に着脱自在に装着する特定寸法の台装着枠体を新たに構成したもので、この台装着枠体を島の開口窓部に装着し、次に、この台装着枠体の内部にパチンコ台等の遊技台を取り付け、台装着枠体の上端部に設けたクランプレバーの操作によって、遊技台と台装着枠体とが一体になるように圧着固定する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3275162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の先の発明により、パチンコ台の取り付け作業や取付け後のパチンコ台の勾配の微調整が極めて容易に行えるようになっている。ところが、先の発明は、島に設けられた開口窓部に着脱自在に装着する台装着枠体を用いてパチンコ台を取り付けるものである。そのため、先の発明が使用可能な島は、この台装着枠体を装着できる島に限定されている。すなわち、既存の島は、大工工事によって構築される木製の島が使用されているため、島の開口窓部は、個々の寸法にばらつきが生じており、パチンコ台を装着する作業も大工仕事で調整する必要がある。そのため、既存の木製の島に形成された開口窓部に特許文献1のような特定寸法の台装着枠体を装着することは困難である。そこで、先の発明は、特定寸法の台装着枠体を装着することが可能な金属製の島に装着するものであり、既存の木製の島に直接装着することはできなかった。
【0005】
そこで、本発明は先の発明を改良すべく創出されたもので、台装着枠体を使用せず、既存の木製の島に直接装着することが可能になり、しかも、遊戯台の勾配調整が極めて容易に行える遊戯台用取付装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、遊戯台Pを装着する島Qの開口枠Rに該遊戯台Pを着脱自在に装着する遊戯台用取付装置において、開口枠Rの上部に設置される固定枠10を設け、該固定枠10に連結され前後に移動するスライド枠20が設けられ、開口枠Rの内側に装着した遊戯台Pの上端部P1の前面がわと後面がわとを挟着保持する挟着杆35、38を備えた固定機構30がスライド枠20に装着されると共に、該スライド枠20を前後に移動せしめる勾配調整機構40を固定枠10に装着し、遊戯台Pを挟着固定した固定機構30ごとスライド枠20を前後に移動せしめる勾配調整機構40と、開口枠Rの下部に設置され、遊戯台Pの下端部P2を前後揺動自在に支持する揺動機構50とで遊戯台Pの盤面の勾配を調整するように構成したことにある。
【0007】
第2の手段の前記固定機構30は、前記スライド枠20内に横長の駆動杆体33が水平に設置され、該駆動杆体33に固着されたナット状の固定材32にボルト状の駆動軸31を回動自在に連結し、該駆動軸31の回転で駆動杆体23が前後に水平移動するように設けられた駆動手段30Aと、駆動杆体33に連動する揺動用クランク34を介して水平位置から垂直位置の範囲内で揺動し遊戯台Pの上端部P1後側面に圧着せしめる前記挟着杆35を備えた揺動挟着手段30Bと、駆動杆体33に連動する移動用クランク37を介して上下に移動し遊戯台Pの上端部P1前面がわに係止せしめる前記挟着杆38を備えた上下移動手段30Cと、で構成され、駆動体30Aの駆動軸31に連結された電動ドライバーSの駆動力により、揺動挟着手段30Bの挟着爪35と上下移動手段30Cの挟着爪38とを同時に稼動させて前記遊戯台Pの上端部の前面がわと後側面とを挟着保持するように構成したものである。
【0008】
第3の手段の前記勾配調整機構40は、前記固定枠10に回動自在に軸止されたボルト状の移動軸体41を備え、該移動軸体41を前記スライド枠20に固定されたナット状の固定環体42に回動自在に連結し、該移動軸体41の回転でスライド枠20を前後に移動させることで、前記固定機構30に固定された前記遊戯台Pの傾斜を調整するように構成している。
【0009】
第4の手段の前記揺動機構50は、前記開口枠Rの下部開口縁R2上に設置する固定台51と、該固定台51上に前後揺動自在に設置され前記遊戯台Pの下端部P2を支持する揺動台52と、該揺動台52上の遊戯台Pを揺動台52に着脱自在に固定する固定手段60とを備えている。
【0010】
第5の手段の前記固定手段60は、前記揺動台52の後面がわから遊戯台Pの内部に挿入する支持基盤61を備え、該支持基盤61に、垂直から水平方向に揺動せしめる操作レバー62と、該操作レバー62に連動して前記揺動台52の前面がわで水平から垂直方向に揺動して前記遊戯台Pの下端部P2を係止する係止爪63とを設けると共に、操作レバー62に連動する平行リンク体64を介して遊戯台Pの後側面を押圧固定せしめる固定体65を設けたことにある。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の構成により、開口枠Rの上部に設置される固定枠10を設け、この固定枠10に前後移動するスライド枠20を連結する構成であるから、既存の島の開口窓部の寸法にばらつきが生じていても、開口枠Rの上部に固定枠10を固定することで使用可能になる。この結果、従来のように開口枠Rに特定寸法の台装着枠体を装着する必要はなくなった。しかも、遊戯台Pを挟着固定した固定機構30ごとスライド枠20を前後に移動せしめる該勾配調整機構40と、開口枠Rの下部開口縁R2上に設置し、遊戯台Pの下端部を前後揺動自在に支持する揺動機構50とで遊戯台Pの盤面の勾配を調整するように構成したことにより、遊戯台の勾配調整が極めて容易に行えるものである。
【0012】
請求項2によると、駆動体30Aの駆動軸31に連結された電動ドライバーSの駆動力により、揺動挟着手段30Bの挟着爪35と上下移動手段30Cの挟着爪38とを同時に稼動させて遊戯台Pの上端部P1の前側面と後側面とを挟着保持するように構成しているので、遊戯台Pの固定作業に従来のような大工仕事は必要なくなり、電動ドライバーSのみの使用により、誰でも容易に遊戯台Pを装着することが可能になった。
【0013】
請求項3の如く、勾配調整機構40の移動軸体41の回転でスライド枠20を前後に移動させることで、固定機構30に固定された前記遊戯台Pの傾斜を調整するように構成しているので、遊戯台Pの傾斜角度を調整する作業が容易になり、しかも、傾斜角度を精密に調整することができる。
【0014】
請求項4のように、前記開口枠Rの下部開口縁R2上に設置する固定台51と、該固定台51上に前後揺動自在に設置され前記遊戯台Pを支持する揺動台52とを備えた揺動機構50により既存の島Qの下部開口縁R2に、遊戯台Pを揺動自在に支持することができる。
【0015】
請求項5のごとき固定手段60により、垂直から水平方向に揺動せしめる操作レバー62を一度操作するだけで、遊戯台Pの下端部を係止する係止爪63と、遊戯台Pの後側面を押圧固定せしめる固定体65とが連動するので、遊戯台Pを確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(イ)は本発明の装着状態を示す概略断面図、(ロ)は従来の島の装着状態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の固定枠を開口枠の上部開口縁上に設置する状態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の固定枠とスライド枠との内部を示す要部平面図である。
【図4】本発明のスライド枠に固定された固定機構を示す概略側断面図である。
【図5】本発明の固定機構の駆動手段を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の固定機構の揺動挟着手段を示し、(イ)は挟着状態、(ロ)は開放状態示す概略側面図である。
【図7】本発明の固定機構の上下移動手段を示し、(イ)は挟着状態、(ロ)は開放状態示す概略側面図である。
【図8】本発明の固定枠とスライド枠に固定された勾配調整機構を示す概略側断面図である。
【図9】本発明の揺動機構の動きを示す要部側断面図である。
【図10】本発明の揺動機構を開口枠の下部開口縁上に設置する状態を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の固定手段の開放状態を示す要部平面図である。
【図12】本発明の固定手段の固定状態を示す要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によると、既存の木製の島に直接装着することが可能になり、しかも、遊戯台の勾配調整が極めて容易に行えるなど当初の目的を達成した。
【実施例】
【0018】
本発明は、既存の島Qに遊戯台Pを取り付ける際に使用するもので、基本構成として、固定枠10、スライド枠20、固定機構30、勾配調整機構40、揺動機構50を備えている。そして、従来の木製の島Qにおいて(図1(ロ)参照)、開口枠Rの上部に固定枠10乃至勾配調整機構40を装着し、下部に揺動機構50を装着するものである(図1(イ)参照)。
【0019】
固定枠10は、開口枠Rの上部に設置するように設けたものである(図2参照)。図示例では開口枠Rの上部開口縁R1の上に沿って固定枠10を設置しているが、開口枠Rの上部開口縁R1を取り外し、該上部開口縁R1の代わりに固定枠10を設置することも可能である。一方、スライド枠20は、該固定枠10の内部に重合されると共に、固定された固定枠10に対して前後にスライドするように連結されている(図4参照)。
【0020】
図示例では、断面L字形状の固定枠10を上部開口縁R1上にネジ止めする。一方、固定枠10と相対向する断面L字形状のスライド枠20を固定枠10内に重ねると共に、固定枠10とスライド枠20とを伸縮自在な平行リンク状の固定装置1にて連結している(図8参照)。この固定装置1は、開閉自在な左右一対の固定杆体1Aを、固定枠10とスライド枠20とにそれぞれ固定し、左右の固定杆体1Aを連結杆1Bで連結している。この固定装置1により、固定枠10に対するスライド枠20の位置がスライド自在に調整可能になっている(図3参照)。
【0021】
固定機構30は、スライド枠20に装着されている。すなわち、この固定機構30は、開口枠Rの内側に装着した遊戯台P上端部P1の前面がわと後面がわとを挟着保持する挟着杆35、38を備えた機構であり、駆動手段30Aの駆動力に連動して、揺動挟着手段30Bと上下移動手段30Cとが同時に稼動する(図5参照)。
【0022】
駆動手段30Aは、電動ドライバーS等の回転力にて揺動挟着手段30Bと上下移動手段30Cとを稼動させる(図5参照)。図示の駆動手段30Aは、駆動軸31、固定材32、駆動杆体33にて構成されている(図4参照)。すなわち、駆動杆体33は、スライド枠20内に水平に設置された横長の部材である(図5参照)。この駆動杆体33にナット状の固定材32を固着し、更に、この固定材32にボルト状の駆動軸31を回動自在に連結している。駆動軸31の端部はスライド枠20に回動自在に軸止され(図3参照)、電動ドライバーS等の回転力で駆動軸31を回転させると、駆動杆体23が前後に水平移動するように設けている(図4参照)。
【0023】
図示例では、動力の伝達方向を逆向きに伝達する2対のベベルギヤ2Aを備えた方向変換装置2を使用している(図5参照)。この方向変換装置2を使用することで、遊戯台Pの表側の、どの位置からでも電動ドライバーSを差し込んで駆動軸31に接続し、駆動手段30Aを稼動させることができる。また、方向変換装置2を使用せず、遊戯台Pの表側から直接駆動軸31を回転させることも可能である。
【0024】
揺動挟着手段30Bは、遊戯台Pの上端部P1後側面を押圧して挟着せしめる挟着杆35を備えている(図6参照)。この挟着杆35は、前後に水平移動する駆動杆体33と共に前後に移動する揺動用クランク34に連動するもので、水平位置から垂直位置の範囲で揺動するように構成している。図示の挟着杆35は、駆動杆体33が前進すると揺動用クランク34の固定軸34Bを始点として挟着杆35が垂直状態になり、遊戯台Pの上端部P1後側面を圧着する(図6(イ)参照)。また、駆動杆体33が後退すると挟着杆35が水平方向に移動して遊戯台Pの上端部P1が開放されるものである(図6(ロ)参照)。更に、この挟着杆35に微調整用のボルトを装着することで、遊戯台Pの上端部P1後側面を圧着する圧力を任意に調整することが可能になる(図2参照)。
【0025】
また、挟着杆35の先端部は、図6(イ)に示すごとく、遊戯台P上端部P1の後側面に係止する他、遊戯台Pの構成によっては、遊戯台P上端部P1を圧着したり、遊戯台P上端部P1に形成された隙間等に係止したりするなど、挟着杆35の係止手段は任意に変更することができる。このように、揺動挟着手段30Bは、図示例に限らず、遊戯台Pの上端部P1後側面を係止可能な手段を適宜選択することができる。
【0026】
上下移動手段30Cは、遊戯台Pの上端部P1前側面に係止せしめる挟着杆38を備えている。この挟着杆38は、駆動杆体33に連動する移動用クランク37を介して上下に移動する(図7参照)。図示例では、揺動用クランク34から移動用クランク37に連結杆36を連結し、揺動用クランク34の前後移動に伴ってこの連結杆36が前後に移動する(図5参照)。このとき、揺動用クランク34には、略鉤形状のスライド溝34Aが形成されており、このスライド溝34A内で連結杆36が前進すると、揺動用クランク34と共に、挟着杆38が下降し、遊戯台Pの上端部P1の前側面に係止する(図7(イ)参照)。また、スライド溝34A内で連結杆36が後退すると、揺動用クランク34と共に、挟着杆38が上降し、遊戯台Pの上端部P1の前側面から離脱する(図7(ロ)参照)。開口枠Rの上部開口縁R1に固定枠10を設置した場合は、上部開口縁R1に挟着杆38が上下するための貫通孔R3を開穿している(図7参照)。
【0027】
また、この移動用クランク37の構成を他のクランク機構又は歯車機構等に変更し、遊戯台P上端部P1の前面がわで揺動する挟着杆38を備えることも可能である(図示せず)。例えば、挟着杆38は、垂直状態と水平状態とに揺動することで挟着杆38の先端部が上下に移動するように設けることが可能である。この場合、垂直時の挟着杆38が遊戯台Pの上端部P1を係止し、この挟着杆38が水平になると遊戯台Pが開放されるものである。また、挟着杆38の先端部は、図7(イ)に示すごとく、遊戯台P上端部P1の前側面に係止する他、遊戯台Pの構成によっては、遊戯台P上端部P1を圧着したり、遊戯台P上端部P1に形成された隙間等に係止したりするなど、係止手段は任意に変更することができる。このように、上下移動手段30Cも図示例に限らず、遊戯台Pの上端部P1前面がわを係止可能な従来の手段からを適宜選択することができる。
【0028】
このような固定機構30によると、電動ドライバーS等にて駆動体30Aの駆動軸31を回転させることで、揺動挟着手段30Bの挟着爪35と上下移動手段30Cの挟着爪38とが同時に稼動し、遊戯台Pの上端部P1の前側面と後側面とを挟着保持するものである(図1(イ)参照)。
【0029】
勾配調整機構40は、遊戯台Pの上端部P1を挟着固定した固定機構30ごと、スライド枠20を前後に移動させる機構である(図8参照)。この勾配調整機構40は、移動軸体41と固定環体42とを備えている。この移動軸体41は、固定枠10に回動自在に軸止されたボルト状の部材であり、一方、固定環体42は、スライド枠20に固定されたナット状の部材である。そして、移動軸体41を固定環体42に回動自在に連結し、移動軸体41を回転させると、スライド枠20が前後に移動すると共に、スライド枠20に装着した固定機構30も前後に移動する。この結果、遊戯台Pの盤面の勾配が調整されるように構成している。図示例では、電動ドライバーSにて移動軸体41を回転させるために、前記固定機構30にて使用した方向変換装置2と同じ機構の方向変換装置3を使用している(図2参照)。また、管理者のみが勾配調整機構40を使用できるようにするため、鍵付ドライバーのみが、移動軸体41に連結可能となる構成を採用することができる。
【0030】
揺動機構50は、開口枠Rの下部開口縁R2上に設置する機構で、遊戯台Pの下端部P2を前後揺動自在に支持する機構である(図9参照)。この揺動機構50は、開口枠Rの下部開口縁R2上に設置する固定台51と、該固定台51上に前後揺動自在に設置され前記遊戯台Pを支持する揺動台52とによって、遊戯台Pの下端部P2を前後揺動自在に支持するものである。
【0031】
図示の固定台51は、開口枠Rの下部開口縁R2上に固定する皿状の部材であり、更に、図示の揺動台52は、固定台51を施蓋する蓋状のプレートにて形成されている。そして、固定台51と揺動台52との間に揺動支持体53を配設し、揺動台52の上に固定した遊戯台Pの下端部が前後に揺動するように構成している(図9参照)。
【0032】
更に、揺動機構50には、揺動台52上の遊戯台Pを揺動台52に着脱自在に固定する固定手段60を備えている(図10参照)。この固定手段60は、揺動台52の前面がわで水平から垂直方向に揺動して前記遊戯台Pの下端部P2を係止する係止爪63と、遊戯台Pの後側面を押圧固定せしめる固定体65とで構成されている。
【0033】
これら係止爪63と固定体65とは、垂直から水平方向に揺動せしめる操作レバー62に連動するように構成している。図示例の操作レバー62は、遊戯台Pの後面内部に挿入する支持基盤61の後がわに装着している(図10参照)。この操作レバー62から揺動台52の内部を貫通して遊戯台Pの前面がわに至る揺動杆62Aを設け、該揺動杆62Aに係止爪63を連結している(図11参照)。また、この揺動杆62Aには、クランク軸62Bが設けられており、このクランク軸62Bに連動するクランクバー62Cが、もう一つの係止爪63にリンクし、これら左右一対の係止爪63が同時に揺動する(図11参照)。
【0034】
一方、固定体65は、操作レバー62に連動する平行リンク体64の両端部に設けられたクランプ状を成している(図12参照)。そして、垂直状態の操作レバー62を水平に倒すと、平行リンク体64に連動する固定体65が作動して遊戯台Pの下端部後側面を押圧するものである。図示例では、固定体65に微調整用のボルトを装着しており、このボルトの長さを調整することで、遊戯台Pの下端部後側面を押圧する圧力を任意に調整することが可能になる。
【0035】
平行リンク体64は支持基盤61の内部に装着されている。支持基盤61は、遊戯台Pの後面内部に挿入する部材で、遊戯台Pの下端部P2より上の空間部に、この支持基盤61を後方から挿入することで、遊戯台Pの固定を確実にするものである(図1参照)。また、操作レバー62と平行リンク体64との間に別のクランク体66を介してあり、操作レバー62を水平に倒したときに、このクランク体66の作用によって、操作レバー62がはずれないように構成している(図12参照)。尚、揺動機構50も図示例に限られるものではなく、遊戯台Pの下端部を支持して前後に揺動する構成であれば良いものである。
【0036】
本発明の使用方法は次のとおりである。開口枠Rの下部開口縁R2上に設置された揺動機構50の揺動台52に遊戯台Pの下端部P2を載置し、上端部P1を上部開口縁R1の内側に挿入する(図1(イ)参照)。次に、操作レバー62の操作で係止爪63と固定体65とが遊戯台Pの下端部P2を固定する。更に、遊戯台Pの上端部P1側では、電動ドライバーSを駆動軸31に接続してこれを回転させることで、上下移動手段20Bと揺動挟着手段20Cとが稼動して前後の挟着杆35、38が、遊戯台Pの上端部P1を挟着固定するものである。そして、開口枠R内に固定した遊戯台Pの勾配を調整する場合は、移動軸体41に電動ドライバーSを接続し、該移動軸体41を回転させてスライド枠20を前後に移動させることで、遊戯台Pの盤面の角度を調整するものである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は図示例に限定されるものではなく、固定枠10やスライド枠20の形状及び、固定機構30や勾配調整機構40、揺動機構50の各構成などは、本発明の要旨を変更しない範囲で自由に設計変更することができる。
【符号の説明】
【0038】
P 遊戯台
P1 上端部
P2 下端部
Q 島
R 開口枠
R1 上部開口縁
R2 下部開口縁
S 電動ドライバー
1 固定装置
1A 固定杆体
1B 連結杆
2 支持腕
2A ベベルギヤ
3 方向変換装置
3A ベベルギヤ
4 鍵付ドライバー
10 固定枠
20 スライド枠
30 固定機構
30A 駆動手段
30B 揺動挟着手段
30C 上下移動手段
31 駆動軸
32 固定材
33 駆動杆体
34 揺動用クランク
35 挟着杆
36 連結杆
37 上下用クランク
38 挟着杆
40 勾配調整機構
41 移動軸体
42 固定環体
50 揺動機構
51 固定台
52 揺動台
53 揺動支持体
60 固定手段
61 支持基盤
62 操作レバー
63 係止爪
64 平行リンク体
65 固定体
66 クランク体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯台を装着する島の開口枠に該遊戯台を着脱自在に装着する遊戯台用取付装置において、開口枠の上部に設置される固定枠を設け、該固定枠に連結され前後に移動するスライド枠が設けられ、
開口枠の内側に装着した遊戯台上端部の前面がわと後面がわとを挟着保持する挟着杆を備えた固定機構がスライド枠に装着されると共に、
該スライド枠を前後に移動せしめる勾配調整機構を固定枠に装着し、遊戯台を挟着固定した固定機構ごとスライド枠を前後に移動せしめる勾配調整機構と、
開口枠の下部に設置され、遊戯台の下端部を前後揺動自在に支持する揺動機構とで遊戯台の盤面の勾配を調整するように構成したことを特徴とする遊戯台用取付装置。
【請求項2】
前記固定機構は、前記スライド枠内に横長の駆動杆体が水平に設置され、該駆動杆体に固着されたナット状の固定材にボルト状の駆動軸を回動自在に連結し、該駆動軸の回転で駆動杆体が前後に水平移動するように設けられた駆動手段と、
駆動杆体に連動する揺動用クランクを介して水平位置から垂直位置の範囲内で揺動し遊戯台の上端部後面がわに圧着せしめる前記挟着杆を備えた揺動挟着手段と、
駆動杆体に連動する移動用クランクを介して上下に移動し遊戯台の上端部前面がわに係止せしめる前記挟着杆を備えた上下移動手段と、で構成され、
駆動体の駆動軸に連結された電動ドライバーの駆動力により、揺動挟着手段の挟着爪と上下移動手段の挟着爪とを同時に稼動させて前記遊戯台の上端部の前面がわと後面がわとを挟着保持するように構成した請求項1記載の遊戯台用取付装置。
【請求項3】
前記勾配調整機構は、前記固定枠に回動自在に軸止されたボルト状の移動軸体を備え、該移動軸体を前記スライド枠に固定されたナット状の固定環体に回動自在に連結し、該移動軸体の回転でスライド枠を前後に移動させることで、前記固定機構に固定された前記遊戯台の傾斜を調整するように構成した請求項1記載の遊戯台用取付装置。
【請求項4】
前記揺動機構は、前記開口枠の下部開口縁上に設置する固定台と、該固定台上に前後揺動自在に設置され前記遊戯台の下端部を支持する揺動台と、該揺動台上の遊戯台を揺動台に着脱自在に固定する固定手段とを備えた請求項1記載の遊戯台用取付装置。
【請求項5】
前記固定手段は、前記揺動台の後面がわから遊戯台の内部に挿入する支持基盤を備え、該支持基盤に、垂直から水平方向に揺動せしめる操作レバーと、該操作レバーに連動して前記揺動台の前面がわで水平から垂直方向に揺動して前記遊戯台の下端部を係止する係止爪とを設けると共に、操作レバーに連動する平行リンク体を介して遊戯台の後側面を押圧固定せしめる固定体を設けた請求項4記載の遊戯台用取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−125316(P2012−125316A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277657(P2010−277657)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【特許番号】特許第4822147号(P4822147)
【特許公報発行日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(595117459)
【Fターム(参考)】