説明

遊技台用台間機

【課題】台間機本体が台間機ホルダから外された状態においても台間機アドレスの設定・変更が可能なアドレス設定装置を備えた遊技台用台間機を提案すること。
【解決手段】遊技台用台間機6では、台間機本体20を、台間機ホルダ10に固定された固定側ユニット30と、台間機ホルダ10に着脱可能な着脱側ユニット50から構成し、固定側ユニット30に、台間機電源ユニット32と共に台間機制御器33およびアドレス設定装置を搭載してある。着脱側ユニット50が保守点検などのために取り外されている状態においても、台間機ホルダ10に固定されている固定側ユニット30のアドレス入力部としてのテンキー群38と、アドレス設定・変更機能およびアドレスメモリを備えた台間機制御器33から構成されるアドレス設定装置によって、台間機アドレスの設定・変更が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ玉などの遊技媒体の貸し出しを行う遊技台用台間機に関するものである。さらに詳しくは、各遊技台用台間機の設置場所を識別するための固有の台間機アドレスを設定するアドレス設定装置を備えた遊技台用台間機の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技店においては、遊技台に隣接配置されている遊技台用台間機のそれぞれに固有の台間機アドレスを付与して、LANなどの通信回線網を介して、管理コンピュータにより各遊技台用台間機の設置場所を特定して、これらを集中管理している。遊技台用台間機に台間機アドレスを付与するために、遊技台用台間機にはアドレス設定用のロータリスイッチなどの機械的スイッチが台間機アドレスの桁数に対応する個数分取り付けられており、各桁のロータリスイッチをドライバなどにより回して、台間機アドレスを設定している。このようなロータリスイッチが配列されたアドレス設定部は、遊技者などが不正にアクセスできないように、一般に遊技台用台間機の奥の部分に配置されている。したがって、設置されている台間機アドレスの確認や、その再設定のための作業が面倒である。
【0003】
そこで、従来においては、下記の特許文献1に開示されているように、遊技台用台間機の前面パネルに配列されている操作ボタンを操作することにより、台間機アドレスを設定可能なアドレス設定装置が提案されている。また、下記の特許文献2には、アドレス設定用のアドレスデータ発信器を用いて光通信により各遊技台用台間機に対して台間機アドレスの設定および変更を行うことのできるアドレス設定装置が提案されている。
【0004】
ここで、遊技台用台間機において、内蔵されている紙幣識別機、硬貨識別機などは、紙幣、硬貨の搬送機構、選別機構などの機械的な駆動部分を備えており、紙幣詰まり、硬貨詰まり等に対処できるように、簡単な操作によって取り外せることが望ましい。このような観点から、遊技台用台間機は、一般に、遊技島取付枠に固定された台間機ホルダと、ここに前側から着脱可能な状態で差込固定された台間機本体から構成され、ロック機構を解除することにより、台間機電源ユニットが取り付けられている台間機ホルダの側から、台間機本体を簡単に外せるようになっている。
【0005】
この構造の遊技台用台間機では、台間機ホルダの側に通信用の中継器が取り付けられており、台間機本体を台間機ホルダに差し込み固定した後に、台間機本体と台間機ホルダ側の中継器との配線接続作業が行われる。これにより、台間機本体に搭載されている台間機制御器と外部との間の通信が可能になり、また、台間機ホルダ側の台間機電源ユニットから台間機本体側への給電が可能になる。特許文献3、4には、このような遊技台用台間機が開示されている。
【特許文献1】特開平09−313722号公報
【特許文献2】特開2005−34527号公報
【特許文献3】特開2002−11238号公報
【特許文献4】特開2005−342236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、このような着脱式の台間機本体を備えた遊技台用台間機において、特許文献1、2に記載のアドレス設定装置を用いて台間機アドレスを設定・変更するためには、台間機本体が台間機ホルダに装着されていることが必要である。すなわち、台間機本体の側にアドレス入力用の操作ボタン、あるいはアドレス受信器が備わっている。また、これらに駆動電力を供給する台間機電源ユニットは台間機ホルダの側に搭載されている。したがって、台間機本体を台間機ホルダから取り外した状態では台間機アドレスの設定あるいは変更ができない。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、台間機本体が台間機ホルダから外された状態においても台間機アドレスの設定および変更を行うことのできるアドレス設定装置を備えた遊技台用台間機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の遊技台用台間機は、
遊技島枠などに固定される台間機ホルダと、
この台間機ホルダに固定されている固定ユニット、および当該台間機ホルダに対して前方から着脱可能な状態で差し込み固定されている着脱側ユニットからなる台間機本体とを有し、
前記固定ユニットには、台間機電源ユニットと、この台間機電源ユニットから駆動電力が供給される台間機制御器と、前記台間機電源ユニットから駆動電力が供給されると共に前記台間機制御器の制御の下に台間機アドレスの設定および変更動作を行うアドレス設定装置とが搭載されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の遊技台用台間機では、台間機本体を、台間機ホルダに固定された固定側ユニットと、台間機ホルダに着脱可能な着脱側ユニットから構成し、固定側ユニットに、台間機電源ユニットと共に台間機制御器およびアドレス設定装置を搭載してある。したがって、着脱側ユニットが保守点検などのために取り外されている状態においても、台間機ホルダに固定されているアドレス設定装置を用いて台間機アドレスの設定および変更を行うことができる。
【0010】
ここで、前記台間機アドレス設定装置は、台間機アドレスを記憶保持するアドレスメモリと、このアドレスメモリに記憶保持される台間機アドレスの入力および変更を行うために、前記固定ユニットの前面に取り付けた前面パネルに配置したアドレス入力部と、このアドレス入力部を介して入力された台間機アドレスを前記アドレスメモリに記憶保持する処理動作、当該台間機アドレスにより前記アドレスメモリの記憶内容を変更する処理動作を行う制御部とを備えた構成とすることができる。
【0011】
この場合、前記制御部を、前記台間機制御器の制御機能により実現し、前記アドレスメモリとして、前記台間機制御器に備わっているメモリの一部の領域を利用することができる。このようにすれば、台間機アドレスの設定・変更用の制御部や、台間機アドレスを記憶保持するための専用のメモリを配置する必要が無い。
【0012】
また、前記アドレス入力部としては、前記前面パネルに配置されたテンキーを用いて台間機アドレスを入力するものを採用することができる。この代わりに、前記アドレス入力部として、前記前面パネルに配置した受光窓を介して、光通信により台間機アドレスデータを受け取るアドレスデータ受信器を用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の遊技台用台間機では、遊技島取付枠に取り付けた台間機ホルダに装着される台間機本体を、台間機ホルダに固定された固定側ユニットと、台間機ホルダに着脱可能に装着された着脱側ユニットとに分け、固定側ユニットに、台間機電源ユニットと共に、台間機制御器およびアドレス設定装置を搭載してある。したがって、着脱側ユニットが台間機ホルダから取り外された状態においても台間機アドレスの設定および変更を行うことができる。また、台間機制御器の内蔵メモリを利用することにより、台間機アドレスを記憶保持するための専用のメモリも不要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して本発明を適用した遊技台用台間機を備えた遊技システムを説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1に係る遊技システムを示す部分正面図である。本実施の形態に係る遊技システム1の基本的な構成は一般的なものであり、遊技島2を構成するための遊技島取付枠3と、この遊技島取付枠3に沿って取り付けられた複数の遊技ユニット4とを有している。各遊技ユニット4は、パチンコ台やスロット台などの遊技台5と、遊技台5の左側に隣接配置されている遊技台用台間機6とを備えている。遊技台用台間機6は、隣接配置されている遊技台5でのプレイに用いるパチンコ玉、メダルなどの遊技媒体の貸し出しを行うためのものである。各遊技台用台間機6は、LANなどの不図示の通信回線網を経由して遊技店の管理コンピュータなどの上位機器に対して双方向通信可能な状態で接続されている。
【0016】
図2(a)、(b)および(c)は台間機6の正面図、側面図および裏面図である。また、図3は台間機ホルダから台間機本体の上側の着脱側ユニットを引き抜いた状態を示す側面図であり、図4は台間機の内部構造を示す説明図である。
【0017】
これらの図を参照して説明すると、台間機6は、台間機ホルダ10と台間機本体20から構成されており、台間機ホルダ10は遊技島取付枠3に固定されている。台間機本体20は、下側の固定側ユニット30と上側の着脱側ユニット50を備えており、上側の着脱側ユニット50は台間機ホルダ10に対して前方から水平に差し込み可能であり、ロック機構70によって台間機ホルダ10から引き抜き不可の状態に保持されている。これに対して、下側の固定側ユニット30は上側の着脱側ユニット50が引き抜かれた状態においてのみ、台間機ホルダ10から取り外し可能な状態で、台間機ホルダ10に固定されている。
【0018】
台間機ホルダ10は、垂直に延びる前方に開口しているコの字状断面の縦枠11と、この縦枠11の上端から前方に水平に延び、下方に開口しているコの字状断面の上側水平ガイド枠12と、縦枠11の下端から前方に水平に延び、上方に開口しているコの字状断面の下側水平ガイド枠13を備えている。
【0019】
台間機本体20の下側の固定側ユニット30は、上下に細長い偏平な直方体形状をしたユニットケース31を備え、この内部には、下側には台間機電源ユニット32が配置され、上側には台間機制御器33が配置されている。台間機電源ユニット32には電源ケーブル34を介して外部から電力が供給される。また、ユニットケース31の内部において台間機電源ユニット32と台間機制御器33の間に配置した電源ケーブル35を介して台間機制御器33の側に駆動電力が供給されるようになっている。
【0020】
ユニットケース31の前面には下側前面パネル36が取り付けられている。本例の下側前面パネル36には、その上側から、液晶表示部37、テンキー群38、非接触型ICカードの読み取り部39が配置されている。これらの各部から引き出された配線37a、38a、39aが、それぞれ、台間機制御器33の側の入出力端子に接続されている。
【0021】
台間機制御器33の背面には、通信ポート40、41、外部通信用のコネクタ42などが配置されており、これらの各部は、台間機ホルダ10の縦枠11の背板部分11aに形成されている開口部11bから背面側に露出している。これらの通信ポート40、41、コネクタ42には外部から引き込まれた通信用のケーブル(図示せず)が接続される。
【0022】
また、固定側ユニット30内の台間機制御器33からは通信用および給電用のケーブル45が引き出されている。このケーブル45は、ユニットケース31の上端面の後ろ側の縁から上方に引き出されている。台間機ホルダ10における固定側ユニット30の真上の部位には、ケーブル接続用のホルダ側コネクタ46が前向き姿勢で取り付けられている。
【0023】
ここで、ユニットケース31の背面における上下の端部には、その一方の側縁から背面側に向けてフック43、44が突出している。台間機ホルダ10の縦枠11の背板部分11aには、これらのフック43、44を通すことのできる長さのスリット11c、11dが形成されている。固定側ユニット30は、一対のフック43、44をスリット11c、11dに通した後に下方に落とすことにより、その下面が台間機ホルダ10の下側水平ガイド枠13に乗る。この状態では、フック43、44がスリット11c、11dの下側縁部分に当り、固定側ユニット30を台間機ホルダ10から外すことができない。
【0024】
次に、上側の着脱側ユニット50も、上下に細長い偏平なユニットケース51を備えている。本例では、この内部に、上側から紙幣処理機52およびICコイン(コイン状IC記憶媒体)処理機53が配置されている。下側のICコイン処理機53の制御基板54からは、通信用および給電用のケーブル55が引き出されている。また、制御基板54と上側の紙幣処理機52の制御基板56の間も通信用および給電用のケーブル57によって接続されている。
【0025】
ここで、ユニットケース51の背面側の下端部は前方に窪んでおり、この部分には、後向きの姿勢でユニット側コネクタ58が取り付けられている。このユニット側コネクタ58にケーブル55が接続されている。
【0026】
ユニットケース51の前面には上側前面パネル59が取り付けられており、この上側前面パネル59には、その上側から紙幣入口60、多機能ランプ61、およびICコイン入口62およびICコイン出口63が配置されている。ICコイン出口63の下側部分は、着脱側ユニット50を引き出すための引き手64となっている。
【0027】
着脱側ユニット50は、台間機ホルダ10の上側水平ガイド枠12と、下側に装着されている固定側ユニット30の上端面に取り付けた水平ガイド枠47の間に、前方から差し込み可能であり、これらに案内されて、その背面が台間機ホルダ10の縦枠11の背板部分11aに当る位置まで押し込むことが可能となっている。
【0028】
台間機ホルダ10の側には、ホルダ側コネクタ46が前向き姿勢で取り付けられている。着脱側ユニット50の背面に取り付けた後向きのユニット側コネクタ58は、着脱側ユニット50を台間機ホルダ10に押し込むと、ホルダ側コネクタ46に差し込まれる位置に配置されている。これらのコネクタ46、58によって、着脱側ユニット50を差し込むと、コネクタ46にコネクタ58が差し込まれて接続状態になり、着脱側ユニット50を引き抜くと、コネクタ58がコネクタ46から引き抜かれるプラグイン方式のコネクタ接続機構が構成されている。
【0029】
次に、台間機ホルダ10に差し込まれた着脱側ユニット50を引き抜き不可の状態にロックしているロック機構70を説明する。ロック機構70は、台間機ホルダ10の縦枠11の背板部分11aの背面に固定したケース71を備え、このケース71には、上下方向にスライド可能な状態で前方に水平に突出しているフック72が配置されている。フック72は、引張りコイルばね73によって常に下方に引張られている。フック72にはケーブル74の後端が接続されている。ケーブル74はシース75に覆われた状態で、台間機ホルダ10の背面側からその上側を通って、前側の所定位置の所まで引き出されている。ケーブル74を引くと、フック72が上方にスライドし、ケーブル74を離すと、フック72は再び下側に戻る。
【0030】
着脱側ユニット50のユニットケース51の背面には、フック72を通すことのできるスリット76が形成されている。着脱側ユニット50を台間機ホルダ10に差し込む際には、スリット76の下端縁がフック72を押し上げながら、着脱側ユニット50が差し込まれる。着脱側ユニット50が完全に差し込まれると、フック72がスリット76の下端縁を乗り越えて、その前側に移動し、引張りコイルばね73のばね力によって下方にスライドする。これにより、着脱側ユニット50が引き抜き不可の状態にロックされる。
【0031】
このように、本例の遊技台用台間機6では、その台間機本体20が上下に分割され、上側の着脱側ユニット50はケーブル74を引くという簡単な操作によって、台間機ホルダ10から前方に引き抜くことが可能であり、着脱可能な状態で台間機ホルダ10に取り付けられている。これに対して、下側の固定側ユニット30を台間機ホルダ10から外すためには、まず、上側の着脱側ユニット50を引き抜き、次に、隣接配置されている遊技台の扉を開けて、当該固定側ユニット30の背面側に手を回して、電源ケーブル34、通信用のケーブルなどを外し、しかる後に、当該固定側ユニット30を持ち上げて上下のフック43、44を台間機ホルダ10の側から外す必要がある。したがって、実質的に台間機ホルダ10に固定されている。
【0032】
ここで、この構成の遊技台用台間機6において、その固定側ユニット30の台間機制御器33は、当該遊技台用台間機6に付与される台間機アドレスの設定および変更を行うアドレス設定機能を備えており、その内蔵メモリの一部の領域が台間機アドレスの記憶領域(アドレスメモリ)として利用される。また、下側前面パネル36に配置されているテンキー群38は、台間機アドレスを入力するためのアドレス入力部として機能する。
【0033】
したがって、台間機本体20の着脱側ユニット50が保守点検などのために引き抜かれている状態においても、固定側ユニット30の前面に取り付けられている下側前面パネル36に配置されているテンキー群38を用いて、台間機アドレスの設定あるいは変更を行うことができる。
【0034】
また、アドレス設定装置として独立した装置を配置する必要はなく、台間機制御器33の制御機能にアドレス設定機能を持たせ、台間機制御器33の内蔵メモリの一部の領域を台間機アドレスを記憶するためのアドレスメモリとして利用することができる。よって、設置場所、コスト高を招くことなく、アドレス設定装置を組み込むことができる。
【0035】
なお、本例の遊技台用台間機6によれば、次のような作用効果が得られる。まず、着脱側ユニット50には、機械的な駆動部分を含む紙幣処理機52およびICコイン処理機53が搭載されている。したがって、紙幣詰まりが発生した場合、ICコイン詰まりが発生した場合などにおいては、その回復作業を簡単に行うことができる。
【0036】
また、固定側ユニット30には台間機電源ユニット32および台間機制御器33が搭載されている。固定されている台間機制御器33の背面から直接に外部通信用のケーブルを引き出して外部機器に接続でき、台間機ホルダ10に通信用の中継器を配置する必要がない。また、台間機制御器33と上側の着脱側ユニット50との間の通信用および給電用のケーブル45、55の接続機構は、ホルダ側コネクタ46とユニット側コネクタ58からなる小型で単純な構造のもので済む。したがって、従来のように台間機ホルダに通信用の大きな中継器を配置してある場合に比べて、台間機6の小型化、低コスト化に有利である。
【0037】
これに加えて、固定側ユニット30の内部に、台間機電源ユニット32および台間機制御器33が配置されているので、台間機電源ユニット32から引き出される電源ケーブル35を、ユニット外に引き出す必要がない。よって、電源ケーブル35を引き回すためのスペースを台間機6の背面側に確保する必要がない。また、周辺の電子機器に電磁障害が発生しないように電源ケーブル35などをシールドすることも簡単である。したがって、これらの点からも、台間機の小型化、低コスト化に有利である。
【0038】
なお、本例では、着脱側ユニット50に紙幣処理機52およびICコイン処理機53が搭載されている。硬貨処理機、カード状記憶媒体処理機が備わっている場合には、これらを着脱側ユニット50に搭載すればよい。換言すると、台間機6における機械的な駆動部分を含む部位を着脱側ユニット50に搭載すればよい。また、固定側ユニット30を下側に配置してあるが、これを上側に配置し、着脱側ユニット50を下側に配置することも可能である。
【0039】
(実施の形態2)
次に、図5は本発明を適用した実施の形態2に係る遊技台用台間機を示す概略構成図である。この図に示す遊技台用台間機の基本構成は上記の遊技台用台間機6と同一である。異なる点は、光通信により台間機アドレスの設定・変更を行うアドレス設定装置が組み込まれていることである。したがって、図1〜4に示す遊技システムの各部と対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0040】
本例の遊技台用台間機100も、遊技島枠(図示せず)に取り付けられた台間機ホルダ10と、台間機本体20とを有し、台間機本体20は、台間機ホルダ10に固定した下側の固定側ユニット30と、台間機ホルダ10に対して前方から着脱可能に差し込み固定されている着脱側ユニット50から構成されている。
【0041】
固定側ユニット30の前面に取り付けた下側前面パネル36には、透光性の光通信用の受光窓101が配置されている。この受光窓101を目掛けて、アドレス設定装置の構成部品である携帯型のアドレスデータ発信器110から光通信により台間機アドレスデータを送信すると、送信した台間機アドレスが当該遊技台用台間機100の台間機アドレスとして設定されるようになっている。
【0042】
下側前面パネル36の受光窓101の背面側に、光学式のアドレスデータ受信器102が配置されている。アドレスデータ受信器102は、アドレスデータ発信器110からのアドレスデータを受光窓101を介して受光する。受光した台間機アドレスデータは、台間機制御器33の内蔵メモリの一部に展開したアドレスメモリ103に記憶保持される。アドレスメモリ103は不揮発性メモリであるEEPROMやSRAMから構成されており、電源がオフされても設定された台間機アドレスが保持される。また、アドレスメモリ103に台間機アドレスが保持されている状態において、アドレスデータ受信器102が新たなアドレスデータを受信した場合には、その受信した台間機アドレスデータによってアドレスメモリ103の記憶内容が更新可能となっている。また、このような台間機アドレスの設定・変更処理機能を備えた制御部104が台間機制御器33の制御機能として備わっている。
【0043】
このように、本例では、遊技台用台間機100の固定側ユニット30に搭載されている制御部104、アドレスデータ受信器102、および、アドレスメモリ103と、携帯型のアドレスデータ発信器110とによって、遊技台用台間機100のアドレス設定装置120が構成される。
【0044】
この構成の遊技台用台間機100においても上記の遊技台用台間機6と同様な作用効果が得られる。
【0045】
これに加えて、本例のアドレス設定装置120を用いれば、携帯型のアドレスデータ発信器110により、各遊技台用台間機100の台間機アドレスの設定および変更を、遠隔操作により行うことができる。したがって、各遊技台用台間機100に台間機アドレス設定用のスイッチなどを配置する必要がなく、また、極めて簡単に台間機アドレスの設定あるいは変更を行うことができる。また、このような無線通信は光通信などにより廉価、かつ簡単な構成により実現できるという利点もある。
【0046】
なお、本例では光通信により台間機アドレスを設定しているが、所定周波数の電波により台間機アドレスを送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を適用した実施の形態1に係る遊技台用台間機を備えた遊技システムを示す部分正面図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は台間機の正面図、側面図および裏面図である。
【図3】台間機ホルダから台間機本体の上側の着脱側ユニットを引き抜いた状態を示す側面図である。
【図4】台間機の内部構造を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した実施の形態2に係る遊技台用台間機を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1 遊技システム
2 遊技島
3 遊技島取付枠
4 遊技ユニット
5 遊技台
6 台間機
10 台間機ホルダ
11 縦枠
11a 背板部分
12 上側水平ガイド枠
13 下側水平ガイド枠
20 台間機本体
30 固定側ユニット
32 台間機電源ユニット
33 台間機制御器(制御部およびアドレスメモリ)
34 電源ケーブル
35 電源ケーブル
36 下側前面パネル
38 テンキー群(アドレス入力部)
42 外部通信用のコネクタ
43、44 フック
45 ケーブル
46 ホルダ側コネクタ
50 着脱側ユニット
52 紙幣処理機
53 ICコイン処理機
55 ケーブル
58 ユニット側コネクタ
70 ロック機構
100 遊技台用台間機
101 受光窓
102 アドレスデータ受信器
103 アドレスメモリ
104 制御部
110 アドレスデータ発信器
120 アドレス設定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技島枠などに固定される台間機ホルダと、
この台間機ホルダに固定されている固定ユニット、および当該台間機ホルダに対して前方から着脱可能な状態で差し込み固定されている着脱式ユニットからなる台間機本体とを有し、
前記固定ユニットには、台間機電源ユニットと、この台間機電源ユニットから駆動電力が供給される台間機制御器と、前記台間機電源ユニットから駆動電力が供給されると共に前記台間機制御器の制御の下に台間機アドレスの設定および変更動作を行うアドレス設定装置とが搭載されている遊技台用台間機。
【請求項2】
請求項1において、
前記アドレス設定装置は、
台間機アドレスを記憶保持するアドレスメモリと、
このアドレスメモリに記憶保持される台間機アドレスの入力および変更を行うために、前記固定ユニットの前面に取り付けた前面パネルに配置したアドレス入力部と、
このアドレス入力部を介して入力された台間機アドレスを前記アドレスメモリに記憶保持する処理動作、当該台間機アドレスにより前記アドレスメモリの記憶内容を変更する処理動作を行う制御部とを備えていることを特徴とする遊技台用台間機。
【請求項3】
請求項2において、
前記制御部は、前記台間機制御器の制御機能の一部として備わっており、
前記アドレスメモリは、前記台間機制御器に備わっているメモリの一部の領域であることを特徴とする遊技台用台間機。
【請求項4】
請求項3において、
前記アドレス入力部は、前記前面パネルに配置されたテンキーを用いて台間機アドレスを入力するものであることを特徴とする遊技台用台間機。
【請求項5】
請求項3において、
前記アドレス入力部は、前記前面パネルに配置した受光窓を介して、光通信により台間機アドレスデータを受け取るアドレスデータ受信器であることを特徴とする遊技台用台間機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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