説明

遊技台

【課題】直径30mmのメダルと、直径25mmのメダルとが存在する。メダルの種類が異なると、遊技台のメダルの通路幅に対してメダルが大きくて、メダルが投入できなかったり、逆に、通路幅に対してメダルが小さくて、正規のメダルが不正なメダルとして有効に受け付けられない場合がある。したがって、メダルの通路の形成に関わる部品については、メダルの種類に応じて複数用意しておき、使用されるメダルの種類に応じて、メダルの通路の形成に関わる部品の種類を選択して使用することが必要となる。
【解決手段】遊技台に投入されるメダルの通路を形成するメダル通路形成部を備えた遊技台において、前記メダル通路形成部が、前記通路の通路幅を変更可能な通路幅変更部を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスロットマシン等の遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンのようにメダルを投入して遊技を行い、遊技結果に応じてメダルの払出しを受ける遊技台では、メダルの投入口を形成するメダル投入ブロックや、正規のメダルを選別するメダルセレクタといった、メダルの通路を形成する構成を有している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここで、遊技に使用するメダルの種類が異なる場合がある。例えば、現在では、直径30mmのメダルと、直径25mmのメダルとが存在する。メダルの種類が異なると、遊技台のメダルの通路幅に対してメダルが大きくて、メダルが投入できなかったり、逆に、通路幅に対してメダルが小さくて、正規のメダルが不正なメダルとして有効に受け付けられない場合がある。したがって、メダルの通路の形成に関わる部品については、メダルの種類に応じて複数用意しておき、使用されるメダルの種類に応じて、メダルの通路の形成に関わる部品の種類を選択して使用することが必要となる。
【0004】
【特許文献1】特開2001―17611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、メダルの通路の形成に関わる部品の全てをメダルの種類毎に用意しておくと、遊技台の組立てやメンテナンスの際の部品選択が煩雑となり、部品の取り違いといったミスも生じやすい。
【0006】
以上のような問題点に鑑み、本発明の目的は、メダルの種類に応じた、メダルの通路を形成する部品の種類を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、遊技台に投入されるメダルの通路を形成するメダル通路形成部を備えた遊技台において、前記メダル通路形成部が、前記通路の通路幅を変更可能な通路幅変更部を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、メダルの種類に応じた、メダルの通路を形成する部品の種類を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0010】
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0011】
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0012】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
【0013】
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、後述するメダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
【0014】
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口を形成する部材である。詳細は後述する。本実施形態では、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134から実際のメダルを投入することもできる。
【0015】
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
【0016】
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155より受皿210に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
【0017】
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、受け皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、液晶表示装置を含み、各種の情報が表示される。
【0018】
<メダル投入ブロック>
図4(a)はメダル投入ブロック134及びこれに装着された可変通路幅機構10の斜視図、(b)はメダル投入ブロック134及び可変通路幅機構10の分解斜視図である。
【0019】
上述したとおり、遊技に使用されるメダルは、その種類(大きさ)が異なる場合があり、例えば、直径25mmのメダルと、直径30mmのメダルとがある。そこで、本実施形態ではメダル投入ブロック134に、メダルの通路の通路幅を変更可能な通路幅変更部として、可動機構である可変通路幅機構10を設けている。
【0020】
メダル投入ブロック134は、スロットマシン100へ投入されるメダルの投入口134aと、投入口134aから後述するメダルセレクタにメダルを案内する案内通路部を構成する案内板134b、134cと、を備え、メダルの通路を形成する部品の1つである。投入口134aは、直径30mmのメダルが投入可能な開口面積を有する(したがって、直径25mmのメダルも投入可能である。)。
【0021】
案内板134b及び134cは、スロットマシン100の奥行き方向に離間して配置され、投入されたメダルの上下方向の移動、すなわち、投入口134aから下方へ流れるメダルの移動を案内する。案内板134b及び134cの左右側部は開放されている。
【0022】
可変通路幅機構10は、案内板134b及び134cに設けられている。可変通路幅機構10は、一対の可動部材11と、板状の一対のフレーム12と、各可動部材11毎の軸13及びスプリング14と、を有している。
【0023】
可動部材11は、軸13回りに回動自在に設けられており、案内板134b及び134c間に、その開放された左右側部から進入可能な厚さを有している。フレーム12は、スロットマシン100の奥行き方向に離間して配置され、案内板134b及び134cを挟み込むようにしてこれらに固定されると共に、その両端部において軸13を固定している。軸13は、その軸方向が奥行き方向に設定され、可動部材11は、通路幅の幅方向(左右方向)と直交する軸回りに可動するようにしている。
【0024】
軸13は、その正面側の端部がフレーム12から突出しており、ここにスプリング14が装填されている。スプリング14の一端は、フレーム12に係止され、他端は可動部材11に係止されている。
【0025】
図5は可変通路幅機構10の動作説明図である。同図左に示すように、第1の状態(直径30mmのメダル対応時)では、各可動部材11が案内板134b及び134c間に進入しない位置にある。一方、同図右に示すように、当接部材1が、可動部材11の下方からその外方側面側に当接すると、その付勢によりスプリング14の付勢に抗して可動部材11が回動し、各可動部材11が案内板134b及び134c間に進入した第2の状態(直径25mmのメダル対応時)になる。この第2の状態では、各可動部材11が案内板134b及び134c間に進入することにより、通路幅が狭められることになる。本実施形態では、当接部材1は後述するメダルセレクタに設けられる。
【0026】
<メダルセレクタ>
スロットマシン100にはメダル投入ブロック134から投入されるメダルが通過する通路を形成する部品の1つであると共に、正規のメダルを選別するメダルセレクタが設けられている。図6(a)はメダルセレクタ20の分解斜視図、図8はメダルセレクタ20におけるメダルの通過態様を示す図である。このメダルセレクタ20は基本的に公知のメダルセレクタと同様の構成のものであり、簡単に説明すると、メダルセレクタ20は、本体部21と、本体部21と着脱可能なガイド部材22と、本体部21の下部に着脱可能なカバー部材23と、を備え、固定部材24を介して前面扉102の裏面に取り付けられる。
【0027】
本体部21はガイド板部21aを備えており、ガイド部材22を本体部21に取り付けた状態では、ガイド部材22のガイド板部22aとガイド板部21aとが隙間を置いて対向して配置されてメダルの通路の入口となる受け入れ部が形成される。図8に示すようにメダルはまず、この受け入れ部を通過する(同図のA参照)。本体部21には、メダルの通路幅を規定する規定部材として、断面L字型の下側のガイドレール部21bと上側のガイドレール部21cとが設けられており、投入されたメダルは図8に示すようにこれらのガイドレール部21b及び21cに沿ってメダルセレクタ20内を転動して通過する。ガイド部材22には、メダルの通路に直交する方向に回動可能なガイド片22bが設けられ、通過するメダルの側面に当接してメダルがガイド部材22側へ傾倒しないようにメダルを案内する。
【0028】
ガイドレール部21cは通過するメダルの上端の僅かな範囲を案内するように設定されており、正規のメダルよりも小さな偽のメダルが通過しようとすると、図6のBの位置でガイドレール部21cに案内されずに脱落することになる。一方、本体部21にはメダルの通路に直交する方向に回動可能な可動片21dが設けられている。そして、メダル詰まりが生じた場合にはメダル返却ボタン133を押圧することで、可動片21dがメダル通路側へ回動して詰まったメダルがメダルセレクタ20から脱落することになる。また、本体部21には、メダルの通路に直交する方向に回動可能なメダルブロッカ21eと、メダルブロッカ21eに回動力を付勢する電磁ソレノイド21fが設けられており、スタートレバー135の操作後等のメダルの投入が行われない状態では図6のCの位置をメダルが通過できないようにメダルブロッカ21eを返却状態(メダルブロッカ21eがメダルの通路に突出してメダル通路が閉じられた状態)とする。
【0029】
一方、本体部21のメダルの通路の下流端にはセンサユニット21gが配置されている。図6(b)に示すようにセンサユニット21gは2つのメダル投入センサ320a及び320b(総称する時は単にメダル投入センサ320という。)が内蔵されている。メダル投入センサ320は光学式のセンサであり、図6(c)に示すように受光素子と発光素子とを備え、これらの間をメダルが通過し(図8のDの位置を参照)、発光素子からの光が遮断されることでメダルの通過を検出する。図6(b)及び図8に示すように、メダル投入センサ320a及び320bはメダルの通路に沿って配置されており、メダル投入センサ320aが通路の上流側に、メダル投入センサ320bが通路の下流側に配設されている。なお、本実施形態ではメダル投入センサ320を2組設けているが、これに限られず、一つでもよいし3以上設けてもよい。
【0030】
さて、このような構成からなるメダルセレクタ20では、図8に示すようにメダル投入ブロック134から投入されたメダルは受け入れ部をまず通過し(同図A)、ガイドレール部21b及び21cに案内されてメダルセレクタ20内を転動していく(同図B乃至D)。この際、正規のメダルよりも小さい偽のメダルは、上述した作用により選別されて脱落し、メダル払出口155へ至り、遊技者に返却されることになる。正規のメダルは同図のDの位置においてメダル投入センサ320により通過が検出され、その後、固定部材24のレール部24aに案内されてメダル払出装置へ落下することになる。
【0031】
次に、本実施形態では図7に示すように、タイプIとタイプIIのメダルセレクタを用意し、使用されるメダルの種類に応じていずれかを選択的に装着する。タイプIは、例えば、直径25mmのメダル用であり、タイプIIは、直径30mmのメダル用である。
【0032】
タイプIとタイプIIとは、メダルの直径に併せてメダルの通路の通路幅の設定が異なる。また、タイプIには、ガイド板部21aの左右両端部に当接部材1が設けられている。したがって、タイプIのメダルセレクタ20をスロットマシン100に装着する際、装着済みのメダル投入ブロック134の下方から上方へ移動しながら装着すると、当接部材1が可動部材11の外方側面側に当接し、装着による付勢によって、可変通路幅機構10の可動部材11を上記第2の状態へ回動させる。こうして、メダル投入ブロック134の通路幅が直径25mmのメダル用に設定される。
【0033】
一方、タイプIIのメダルセレクタ20には、当接部材1が設けられていないため、これをスロットマシン100に装着しても、可変通路幅機構10の可動部材11は上記第1の状態のままである。こうして、メダル投入ブロック134の通路幅が直径25mmのメダル用に設定される。
【0034】
このように本実施形態では、可変通路幅機構10を設けたことで、メダルの種類に関わらず、同じメダル投入ブロック134を利用でき、メダルの種類毎にメダル投入ブロック134を別々に用意する必要がなく、メダルの種類に応じた、メダルの通路を形成する部品の種類を低減することができる。また、可変通路幅機構10は、スロットマシン100へのタイプIのメダルセレクタ20の装着に付勢されて通路幅を変更するので、通路幅の変更作業を簡易なものとすることができる。
【0035】
<制御部>
次に、図2及び図3を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
【0036】
<主制御部>
まず、図2を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0037】
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0038】
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
【0039】
スタートレバーセンサ321はスタートレバー132の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン133乃至135のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。
【0040】
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための払出装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)、電磁ソレノイド21fが接続されている。
【0041】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
【0042】
<副制御部>
次に、図3を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0043】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
【0044】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出装置制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
【0045】
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ210、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、演出装置制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部500は、図1の演出装置600を制御する制御部である。
【0046】
<遊技の基本的制御>
図9は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この遊技処理について説明する。電源投入が行われると、まず、S101で主制御部300を初期化する初期処理が実行される。S102では、遊技開始処理を行う。ここでは、メダル投入に関する処理と、スタートレバー135による遊技の開始に関する処理を行う。詳細は後述する。
【0047】
S103では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。S104では、S103で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。
【0048】
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)ごと、に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理でも採用される。
【0049】
S104では、内部抽選の後、リール停止制御テーブルを選択する処理を行う。これは、各リールの停止操作に対する制御を選択する処理である。ここで、リール110乃至112の停止制御について簡単に説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御テーブルに基づき行う。リール停止制御テーブルは主制御部300のROM312に格納されている。リール停止制御テーブルは、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役の「ベル」に内部当選していない場合、「ベル」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「ベル」に内部当選している場合には、ベルの絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
【0050】
S105では、全リール110乃至112の回転を開始させる。その後、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能となる。S106ではリールの停止制御を行う。ここでは、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139対応するいずれかのリールをS104で選択したリール停止制御テーブルに従って停止させる。全リール110乃至112が停止するとS107へ進む。
【0051】
S107では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。S108では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。S109では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、その後S102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0052】
<遊技開始処理>
図10を参照してS102の遊技開始処理について説明する。図10はS102の遊技開始処理を示すフローチャートである。S111では規定枚数を設定する。規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。規定枚数は、スロットマシン100の遊技の仕様によるが、例えば、通常遊技の場合は3枚に設定され、RBゲーム等においては1枚に設定される。S112では割り込みステータスをメダル投入処理中へ設定する。割り込みステータスとは、割り込み処理で実行すべき処理の内容を示す情報である。割り込み処理で実行される内容は複数種類あり、S112の設定により、その後実行される割り込み処理ではメダル投入処理中の内容のものが選択されることになる。
【0053】
S113ではメダル投入異常か否かが判定され、該当する場合はS118へ進み、そうでない場合はS114へ進む。メダル投入異常か否かは、後述する割り込み処理においてメダル投入異常が設定されたか否かに依存する。S114では、投入されたメダルの枚数が1枚以上か否かを判定する。該当する場合はS115へ進み、そうでない場合はS113へ戻る。S115ではスタートレバー135が操作されたか否かを判定する。該当する場合はS116へ進み、そうでない場合はS113へ戻る。S116では5本の入賞ライン114のうち今回の遊技で有効な入賞ライン数を設定する。上述した通り、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、規定枚数が1枚の場合はメダル1枚の投入で、例えば中段の水平入賞ラインが有効となる。
【0054】
S117では割り込みステータスをメダル投入処理中から、次のステータスへ設定する。これにより割り込み処理においてメダル投入処理中の内容の処理の実行が終了することになる。S118ではエラー処理を行う。エラー処理の内容は種々選択できるがここでは遊技回数表示器126に所定のエラーコードを表示させ、遊技を中断する。この状態はスロットマシン100に設けられたリセットスイッチが操作されると解除される。なお、エラー処理の内容はこれに限られず、例えば、警報を発したり、或いは、ホールコンピュータにエラーが生じたことを示す情報を送信する、といったことが挙げられる。
【0055】
<割り込み処理>
次に、図11(a)を参照して上述した割り込み処理の詳細について説明する。S121ではCPU310の各レジスタの情報をRAM313に退避する等の処理(現在処理中のデータの一時保存)を行う。S122では、入力インターフェース360のポートの値を取得し、RAM313の所定のエリアに保存する。図11(b)は入力インターフェース360のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示す図である。図2を参照して説明した通り、入力インターフェース360にはメダル投入センサ320等が接続されており、メダル投入センサ320aの検出結果はビットD0に、メダル投入センサ320bの検出結果はビットD1に、それぞれ割り当てられている。以下、各ポートの値のうち、メダル投入センサ320の検出結果を示すビットD0及びD1の値をメダルセレクタ状態ともいう。なお、RAM313の上記所定のエリアには複数回分のポートの値が保存され、S122では今回取得したポートの値を最も古いポートの値に上書きされる。
【0056】
S123では現在の割り込みステータスがメダル投入処理中か否かを判定する。メダル投入処理中の場合はS125へ進み、後述する遊技メダル投入受付処理を実行する。そうでない場合はS124へ進み、現在の割り込みステータスに応じた処理を実行する。S126ではS121で退避した各レジスタの情報を復帰する等の処理を行い、1単位の割り込み処理が終了する。
【0057】
<遊技メダル投入受付処理>
次に、図11(c)を参照してS125の遊技メダル投入受付処理について説明する。S131ではメダルセレクタ処理を行う。処理の詳細は後述する。S132ではその他の処理を行う。ここでは、例えば、精算ボタン132の受付処理やメダル投入ボタン130、131の受付処理等を行う。
【0058】
<メダルセレクタ処理>
次に、図12を参照してS131のメダルセレクタ処理について説明する。S141ではRAM313に保存してある前回のメダルセレクタ状態を取得する。S142ではRAM313に保存してある今回のメダルセレクタ状態を取得する。S143ではメダルブロッカ21eが返却状態か否かを判定する。該当する場合は処理を終了し、そうでない場合はS144へ進む。S144ではS141で取得した前回のメダルセレクタ状態とS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とを比較し、メダルセレクタ状態に変化があったか否かを判定する。変化があった場合はS145へ進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0059】
S145では正常通過判定データを取得する。正常通過判定データとは、投入されたメダルが正常にメダルセレクタ20を通過しているか否かを判定するためのデータでありROM312に格納される。これを図14を参照して説明する。図13はメダルが正常にメダルセレクタ20を通過した場合における、各メダル投入センサ320a、320bの検出結果の変化を示している。同図の状態ST1はメダル投入センサ320をメダルが通過していない状態を示しており、いずれのメダル投入センサ320a、320bも非検出状態となっている。同図の状態ST2ではメダル投入センサ320aが検出状態となっているがメダル投入センサ320bは非検出状態となっている。メダル投入センサ320aと320bは、相対的にメダル投入センサ320aが通路の上流側に配置されているため、同図の状態ST2に示すようにメダルの通過はまずメダル投入センサ320aで検出される。
【0060】
同図の状態ST3ではいずれのメダル投入センサ320a、320bも検出状態となっている。これは、メダルがメダル投入センサ320a、320bの双方を通過中であることを示す。同図の状態ST4ではメダル投入センサ320aが非検出状態となり、メダル投入センサ320bは検出状態のままとなっている。これは、メダルがメダル投入センサ320aを通過したが、メダル投入センサ320bを通過中であることを示す。同図の状態ST4の後、再び、状態ST1に戻る。
【0061】
このように本実施形態では、メダル投入センサ320aと320bは、相対的にメダル投入センサ320aが通路の上流側に配置されているため、メダルが正常に通過した場合、メダル投入センサ320の検出結果、つまり、メダルセレクタ状態は、ST1→ST2→ST3→ST4→ST1...と推移する。そして、正常通過判定データは各状態ST1〜ST4の場合のメダルセレクタ状態の値からなるデータであり、前回の処理において状態ST1であった場合には今回のS145の処理で状態ST2のデータが取得され、前回の処理において状態ST2であった場合には今回のS145の処理でST3のデータが取得される、といった具合に、各状態ST1〜ST4のデータを循環的に取得していく。
【0062】
図12に戻り、S146ではS142で取得した今回のメダルセレクタ状態とS145で取得した正常通過判定データとを比較して、正常通過中であるか否かを判定する。正常通過中の場合はS148へ進み、そうでない場合はS147へ進む。ここでは、例えば、S142で取得した今回のメダルセレクタ状態が図14に示す状態ST2であり、S145で取得した正常通過判定データで取得した正常通過判定データが図13に示す状態ST2である場合には、正常通過と判定される。逆に、S142で取得した今回のメダルセレクタ状態が図13に示す状態ST3であり、S145で取得した正常通過判定データで取得した正常通過判定データが図13に示す状態ST2である場合には、メダルの通過が状態ST2の状態を経ずに行われたことになり、何らかの異常があったとして正常通過中でないと判定される。
【0063】
S147ではメダル投入異常を設定する。この設定が行われると、図10のS113でメダル投入異常と判定されてS118のエラー処理が行われることになる。S148ではメダルが正常に通過を完了したか否かを判定する。正常に通過を完了した場合とは、図13の状態ST4から状態ST1へ移行した場合である。該当する場合はS149へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S149ではメダルの投入枚数が図10のS111で設定した規定枚数よりも少ないか否かを判定する。該当する場合はS151へ進み、ベット枚数として投入されたメダルを加算する。該当しない場合はS150へ進み、貯留枚数がその最大数である50よりも小さいか否かを判定する。該当する場合はS151へ進み、スロットマシン100に電子的に貯留されるクレジットのメダルとして投入されたメダルを加算する。該当しない場合は処理を終了する。以上によりメダルセレクタ処理が終了する。なお、S151のメダルの加算は、S149からの場合はベット枚数カウンタにより、また、S150からの場合は貯留枚数カウンタにより行われる。ベット枚数カウンタ及び貯留枚数カウンタは、RAM313の所定のエリア上に各カウント値が記憶され、各カウント値を更新することでベット枚数、貯留枚数をカウントするソフトウエアカウンタである。ベット枚数カウンタは1回の遊技の終了時にクリアされる。
【0064】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、可変通路幅機構10の可動部材11が、通路幅の幅方向と直交する軸13回りに可動する例を説明したが、通路幅の幅方向と平行な軸回りに可動するように構成してもよい。図14は本実施形態におけるメダル投入ブロック134’及び可変通路幅機構10’の説明図である。
【0065】
メダル投入ブロック134’はメダル投入ブロック134の案内板134cに代えて案内板134c’を採用したものであり、他の構成はメダル投入ブロック134と同じである。案内板134c’は、左右側部に切り欠きを有しており、全体として略T字型をなしている。
【0066】
可変通路幅機構10’は、案内板134b及び134cに設けられており、一対の可動部材11’と、各可動部材11’毎の軸15及び軸受け16並びにスプリング17と、を有している。軸13は、その軸方向が通路幅の幅方向と平行な方向(左右方向)に設定され、各可動部材11’の左右の外側側面に固定されている。軸受け16は軸15を回転自在に支持しており、可動部材11’は、通路幅の幅方向と平行な軸回りに可動するようにしている。各スプリング17の一端は、各可動部材11’の背面に固定され、図14の左に示すように、各可動部材11’を後傾させるように各可動部材11’を付勢する。スプリング17の他端及び軸受け16は、不図示のブラケットを介して前面扉102に固定される。可動部材11’は、案内板134b及び134c’間に、案内板134c’の切り欠き部分から進入可能な位置に配置されている。
【0067】
図14の左に示すように、第1の状態(直径30mmのメダル対応時)では、各可動部材11’が後傾して案内板134b及び134c’間に進入しない位置にある。一方、当接部材2が、可動部材11’の下部背面に当接して、その正面側に押圧すると、その付勢によりスプリング17の付勢に抗して可動部材11’が回動して直立し、同図右に示すように各可動部材11が案内板134b及び134c間に進入した第2の状態(直径25mmのメダル対応時)になる。この第2の状態では、各可動部材11’が、案内板134b及び134c間に進入することにより、通路幅が狭められることになる。
【0068】
当接部材2は、当接部材1と同様にタイプIのメダルセレクタ20のガイド板部21aの左右両端部に設けられ、タイプIIのメダルセレクタ20には設けられない。タイプIのメダルセレクタ20をスロットマシン100に装着する際、装着済みのメダル投入ブロック134’の背後から正面側へ移動しながら装着すると、当接部材2が可動部材11’の下部背面に当接し、装着による付勢によって、可変通路幅機構10’の可動部材11’を上記第2の状態へ回動させる。こうして、メダル投入ブロック134’の通路幅が直径25mmのメダル用に設定される。
【0069】
一方、タイプIIのメダルセレクタ20には、当接部材2が設けられていないため、これをスロットマシン100に装着しても、可変通路幅機構10’の可動部材11’は上記第1の状態のままである。こうして、メダル投入ブロック134’の通路幅が直径25mmのメダル用に設定される。
【0070】
このように本実施形態においても、可変通路幅機構10’を設けたことで、メダルの種類に関わらず、同じメダル投入ブロック134’を利用でき、メダルの種類毎にメダル投入ブロック134’を別々に用意する必要がなく、メダルの種類に応じた、メダルの通路を形成する部品の種類を低減することができる。また、可変通路幅機構10’は、スロットマシン100へのタイプIのメダルセレクタ20の装着に付勢されて通路幅を変更するので、通路幅の変更作業を簡易なものとすることができる。
【0071】
<第3実施形態>
上記第1及び第2実施形態では、メダル投入ブロック134、134’にメダルの通路の通路幅を変更可能な通路幅変更部(可変通路幅機構10、10’)を設けたが、メダルセレクタ20に設けてもよい。図15は、メダルセレクタ20の本体部21に代わる、可変通路幅機構を設けた本体部21’の説明図である。
【0072】
本実施形態の本体部21’は、メダルの通路幅を規定する規定部材である、上端の断面がL字型の下側のガイドレール部21b’と上側のガイドレール部21cとが設けられており、ガイドレール部21b’は、上下に移動可能に設けている。詳細には、ガイドレール部21b’は、案内孔212が設けられており、案内孔212には、本体部21’の正面板21hに設けた軸21h’が挿通している。軸21h’は、ガイドレール部21b’の脱落を防止する。
【0073】
ガイドレール部21b’は、その案内孔212に軸21h’が挿入されていることで、正面板21に対して上下にスライド可能になっている。ガイドレール部21b’の上部にはスプリング213の下端が固定されている。スプリング213の上端は、例えば、上記の固定部材24に固定される。スプリング213は、ガイドレール部21b’を上方に付勢する。
【0074】
ガイドレール部21b’は、位置決め孔211を有している。位置決め孔211は、その上部で幅広、下部に行くに従って幅狭となっている。位置決め孔211には、軸214a又は214bのいずれかが選択的に挿入される。軸214aは、その先端が球状で、かつ、軸方向でその直径が変化しない構成である一方、軸214bは、その先端が軸214aと同径の球状で、根元側にかけて、その直径が徐々に拡大する円錐形状をなしている。
【0075】
軸214a、214bは、そのいずれかが例えば上記の固定部材24に固定され、固定部材24からその背面側に突出する。固定部材24は、軸214aを設けたものと軸214bを設けたものとで、2種類用意する。いずれの場合も、軸214a及び214bの軸心の位置は同じである(図15の二点鎖線参照)。なお、正面板21hには、軸214aおよび214bが通過する不図示の孔が設けられており、この孔の直径は、軸214bが通過可能な大きさに設定されて軸214aも通過可能とする。
【0076】
係る構成からなる本体部21’は、軸214aが設けられた固定部材24に装着される場合には、図15の左に示すように、ガイドレール部21b’は上昇した上昇位置にあり、ガイドレール部21b’とガイドレール部21cとの幅は相対的に狭くなる(直径25mmのメダル対応時)。一方、本体部21’が、軸214bが設けられた固定部材24に装着される場合には、図15の右に示すように、ガイドレール部21b’は降下した降下位置にあり、ガイドレール部21b’とガイドレール部21cとの幅は相対的に広くなる(直径30mmのメダル対応時)。
【0077】
より詳細には、軸214aが挿通した場合、スプリング213の付勢により軸214aが位置決め孔211の下端部に位置した状態となる。つまり、位置決め孔211の下端部の幅は軸214aの直径に併せて設定されている。一方、軸214bが挿通した場合、軸214bが位置決め孔211の上端部に位置した状態となる。つまり、位置決め孔211の上端部の幅は軸214bの直径に併せて設定されている。軸214bを位置決め孔211に差し込むと、軸214bが円錐形状をなしており、かつ、位置決め孔211が、その上部で幅広、下部に行くに従って幅狭となっているため、軸214bを位置決め孔211に差し込むにしたがって、位置決め孔211との摺接箇所において軸214bの径が大きくなっていき、スプリング213の付勢に抗してガイドレール部21b’に下向きの移動力を付与する。この結果、軸214bの挿入を完了すると、ガイドレール部21b’が降下して上記の位置(図15右)に至る。
【0078】
しかして、上記の通り、軸214a及び214bの軸心の位置は同じであるため、メダルセレクタ20をスロットマシン100に装着する際、装着済みの固定部材24の背面側から正面側へメダルセレクタ20を移動しながら装着すると、固定部材24に軸214aを設けた場合には、軸214aが位置決め孔211に差し込まれて、ガイドレール部21b’が図15の左に示す上昇位置に位置する一方、固定部材24に軸214bを設けた場合には、軸214bが位置決め孔211に差し込まれて、その差込の過程でメダルセレクタ20の装着に伴う付勢によって、ガイドレール部21b’が降下し、最終的に図15の右に示す降下位置に位置することになる。
【0079】
このように本実施形態においては、メダルセレクタ20に可変通路幅機構を設けたことで、メダルの種類に関わらず、同じメダルセレクタ20を利用でき、メダルの種類毎にメダルセレクタ20を別々に用意する必要がなく、メダルの種類に応じた、メダルの通路を形成する部品の種類を低減することができる。なお、固定部材24は、軸214aを有するものと軸215bとを有するものとで2種類用意する必要がある。
【0080】
また、固定部材24に軸214bを設けた場合には、スロットマシン100へのメダルセレクタ20の装着に付勢されて通路幅が変更するので、通路幅の変更作業を簡易なものとすることができる。
【0081】
<第4実施形態>
上記第1及び第2実施形態では、メダル投入ブロック134、134’に案内板134b、134c又は134c’を設けて案内通路部を一体に構成したが、これに相当する構成を分離し、メダル投入ブロック134、134’にはメダルの投入口134aのみを形成する構成としてもよい。
【0082】
図16は、本実施形態におけるメダル投入ブロック134”の外観図、及び、案内通路部ユニット3a及び3bの外観図である。メダル投入ブロック134”は、メダルの投入口134aを有しているが、案内板134b、134c又は134c’は有していない。投入口134aは、直径30mmのメダルが投入可能な開口面積を有する(したがって、直径25mmのメダルも投入可能である。)。
【0083】
案内通路部ユニット3a及び3bはいずれも角形筒状をなし、その内部にメダルが上下方向に通過する空間を有している。但し、案内通路部ユニット3aは、その内部の通路の通路幅が相対的に狭くなっており、直径25mmのメダルに対応するものとなっている。一方、案内通路部ユニット3bは、その内部の通路の通路幅が相対的に広くなっており、直径30mmのメダルに対応するものとなっている。
【0084】
このように、メダル投入ブロック134”とは別に案内通路部ユニット3a及び3b
を用意することにより、メダル投入ブロック134”を、メダルの種類に関わらず、同じメダル投入ブロック134”を利用できる。案内通路部ユニット3a及び3bは、メダルセレクタ20に固定しておくことができる。
【0085】
図17は、上記のタイプIとタイプIIのメダルセレクタ20に、それぞれ案内通路部3a及び3bに固定した態様を示し、タイプIのメダルセレクタ20には、案内通路部ユニット3aを取り付け、タイプIIのメダルセレクタ20には、案内通路部ユニット3bを取り付けている。いずれの場合も、案内通路部ユニット3a及び3bはガイド板部21a上に取り付けている。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。
【図2】主制御部300の回路ブロック図である。
【図3】副制御部400の回路ブロック図である。
【図4】(a)はメダル投入ブロック134及びこれに装着された可変通路幅機構10の斜視図、(b)はメダル投入ブロック134及び可変通路幅機構10の分解斜視図である。
【図5】可変通路幅機構10の動作説明図である。
【図6】(a)はメダルセレクタ20の分解斜視図、(b)はセンサユニット21gの外観斜視図、(c)はセンサ320の構成及びメダルの検知態様を示す断面図である。
【図7】2種類のメダルセレクタ20の外観図である。
【図8】メダルセレクタ20におけるメダルの通過態様を示す図である。
【図9】スロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。
【図10】S102の遊技開始処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)は割り込み処理を示すフローチャート、(b)は入力インターフェース360のポートの各ビット(8ビット)の割り当てを示す図、(c)はS125の遊技メダル投入受付処理を示すフローチャートである。
【図12】S131のメダルセレクタ処理を示すフローチャートである。
【図13】メダルが正常にメダルセレクタ20を通過した場合における、各メダル投入センサ320a、320bの検出結果の変化を示す図である。
【図14】メダル投入ブロック134’及び可変通路幅機構10’の説明図である。
【図15】メダルセレクタ20の本体部21に代わる、可変通路幅機構を設けた本体部21’の説明図である。
【図16】メダル投入ブロック134”の外観図、及び、案内通路部ユニット3a及び3bの外観図である。
【図17】タイプIとタイプIIのメダルセレクタ20に、それぞれ案内通路部3a及び3bに固定した態様を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
100 スロットマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に投入されるメダルの通路を形成するメダル通路形成部を備えた遊技台において、
前記メダル通路形成部が、
前記通路の通路幅を変更可能な通路幅変更部を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記通路幅変更部は、
前記メダル通路形成部を構成する複数の部品のいずれかの前記遊技台への装着に付勢されて、前記通路幅を変更する可動機構を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記メダル通路形成部が、
正規のメダルを選別するためのメダルセレクタと、
メダルの投入口と、前記投入口から前記メダルセレクタにメダルを案内する案内通路部と、を備えたメダル投入ブロックと、を備え、
前記通路幅変更部が、
前記案内通路部に設けられ、該案内通路部の通路幅を規定する一対の可動部材であり、
前記メダルセレクタが、
当該メダルセレクタを前記遊技台に装着することにより前記可動部材に当接して前記可動部材を移動させる当接部を有する第1のメダルセレクタと、
前記当接部を有しない第2のメダルセレクタと、
のいずれかが選択的に前記遊技台に装着されることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項4】
前記案内通路部が、メダルの上下方向の移動を案内し、
前記可動部材が、前記通路幅の幅方向と直交する軸回りに可動することを特徴とする請求項3に記載の遊技台。
【請求項5】
前記案内通路部が、メダルの上下方向の移動を案内し、
前記可動部材が、前記通路幅の幅方向と平行な軸回りに可動することを特徴とする請求項3に記載の遊技台。
【請求項6】
前記メダル通路形成部が、
前記通路幅を規定する第1及び第2の規定部材を有し、正規のメダルを選別するためのメダルセレクタを備え、
前記通路幅変更部が、
いずれか一方が前記通路幅が変更するように移動可能に設けた、前記第1及び第2の規定部材であることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項7】
前記遊技台は、複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する入賞判定手段と、を備え、前記入賞判定の判定結果に基づいてメダルを払い出す遊技台であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−112466(P2009−112466A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287804(P2007−287804)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】