説明

遊技台

【課題】エラーの種類に応じてエラー解除方法を異ならせることにより、不正行為に起因する可能性が高い不正エラーを簡単に発見、認識することができる遊技台を提供する。
【解決手段】スロットマシンは、第1の判定パターンに該当する通常エラーと、第1の判定パターンとは異なり、不正行為に起因する可能性が第1の判定パターンよりも高い第2の判定パターンに該当する不正エラーのそれぞれを検知可能なエラー検知手段と、エラー検知手段がエラーを検知したことに基づいて遊技の状態をエラー状態に設定するエラー状態設定手段と、第1のエラー解除方法により、通常エラーの検知に伴うエラー状態を解除し、第1のエラー解除方法とは異なる第2のエラー解除方法により、不正エラーの検知に伴うエラー状態を解除するエラー状態解除手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技台(例えば、スロットマシン)は、メダルを投入してスタートレバーを操作することでリールを回転させるとともに、内部抽選によって役を内部決定し、ストップボタンを操作することでリールを停止させた時に、図柄表示窓上に内部決定に応じて予め定められた図柄の組合せが表示されると役が成立し、メダルの払い出しを伴う役が成立した場合には、規定数のメダルが払い出されるように構成されている。
【0003】
このような遊技台は、メダル投入口から投入されたメダルを正確に検出し、メダル枚数を計数するメダルセレクタや、入賞した役に対応する枚数のメダルを払い出すための払出装置を備えている。昨今、このメダルセレクタや払出装置に対して不正器具を用いた行為、例えば、メダル投入の検知のためのセンサを誤検出させて不正にメダルを搾取する行為や、役の成立に関係なく払出装置を誤作動させて不正にメダルを搾取する行為が目立ってきている。
【0004】
このような不正行為に対しては、不正エラーを検出して、報知するスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特許第3899087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
メダルセレクタや払出装置におけるエラーには、上述した不正行為に起因する可能性が高い不正エラーと、通常に起こり得るメダル詰まりやメダル不足等の通常エラーとが存在するが、従来においては、エラー解除の方法は、エラーの種類によらず一律であるという問題があった。すなわち、遊技店の店員は、不正エラーでも通常エラーでも、決まりきった簡単なエラー解除操作によりエラー状態を解除してしまうという問題があった。また、エラー解除操作が容易であるゆえ、不正行為の可能性が高いエラーが発生していることに気がつかないという問題もあった。
【0007】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、エラーの種類に応じてエラー解除方法を異ならせることにより、不正行為に起因する可能性が高い不正エラーを簡単に発見、認識することができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、次のように構成される。
【0009】
本発明に係る遊技台は、その一態様として、エラーを検知するエラー検知手段と、前記エラー検知手段がエラーを検知したことに基づいて、遊技の状態をエラー状態に設定するエラー状態設定手段と、前記エラー検知手段が検知したエラーの種類に応じて異なったエラー解除方法により、前記エラー状態設定手段が設定したエラー状態を解除するエラー状態解除手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様においては、検知したエラーの種類に応じて異なったエラー解除方法によりエラー状態を解除するので、一律に固定的なエラー解除方法とは異なり、エラーの種類に応じた柔軟なエラー解除方法を設定することができ、エラーの種類を簡単に発見かつ認識することができる。
【0011】
なお、エラーとは通常とは異なる異常を指し、エラー状態とは、通常状態とは異なる異常状態であって、遊技の進行が不能動化することを指す。エラー状態は、遊技進行不能動化状態とも言う。
【0012】
この場合、前記エラー検知手段は、第1の判定パターンに該当する通常エラーと、前記第1の判定パターンとは異なり、不正行為に起因する可能性が前記第1の判定パターンよりも高い第2の判定パターンに該当する不正エラーのそれぞれを検知可能であり、前記エラー状態解除手段は、第1のエラー解除方法により、前記通常エラーの検知に伴うエラー状態を解除する第1のエラー状態解除手段と、第1のエラー解除方法とは異なる第2のエラー解除方法により、前記不正エラーの検知に伴うエラー状態を解除する第2のエラー状態解除手段と、を有することを特徴とする。これにより、通常エラーよりも不正行為に起因する可能性の高い不正エラーを認識することができるので、不正エラーを見落としたり、不正エラーを安易にエラー解除してしまうことはない。
【0013】
ここで、上述の第1の判定パターンとは、通常起こり得るメダル詰まりやメダル不足等が発生したか否かを判定するパターンで、不正行為の可能性よりも遊技の進行上、一定の頻度で生じる判定パターンを指す。この第1の判定パターンに該当するエラーを通常エラーという。また、第2の判定パターンとは、前記第1の判定パターンとは異なり、通常起こり得る通常エラーとは異なる判定パターンによりエラーの発生を判定し、不正行為の可能性が通常エラーよりも高いエラーを不正エラーという。本来、リールが停止し、役が入賞して遊技媒体などを払い出す払出処理が行われる。この払出処理中に遊技媒体を払い出すことになるが、その払出処理が行われるタイミング以外(例えば、リール回転中、投入受付中などで遊技媒体の払出があった場合などが不正エラーに該当する。
【0014】
また、前記第2のエラー解除方法は、前記第1のエラー解除方法よりも、前記エラー状態を解除するための解除条件が多く設定されていることを特徴とする。これにより、不正エラーを伴うエラー状態を解除するには、通常エラーを伴うエラー状態を解除するよりも、手間がかかるので、不正エラーをより確実に発見かつ認識することができる。
【0015】
また、前記第1のエラー解除方法は、第1のエラー解除操作で構成され、前記第2のエラー解除方法は、前記第1のエラー解除操作とは異なる第2のエラー解除操作と、前記第2のエラー解除操作後の予め定めた待機時間の経過と、で構成されていることを特徴とする。これにより、不正エラーを伴うエラー状態を解除するには、解除操作とともに待機時間の経過を必要とし、通常エラーを解除するときよりも、エラー解除する手間がかかるので、不正行為に対する抑止力にもなる。
【0016】
また、遊技の進行に関する処理を実行する主制御部に電気的に接続され、エラー解除操作を検知する第1の解除操作検知手段と、各種の情報を報知するため処理を実行する副制御部に電気的に接続され、エラー解除操作を検知する第2の解除操作検知手段と、を備え、前記第1のエラー解除操作は、前記第1の解除操作検知手段が検知するエラー解除操作であり、前記第2のエラー解除操作は、前記第1の解除操作検知手段及び前記第2の解除操作検知手段のそれぞれが検知するエラー解除操作であることを特徴とする。これにより、通常エラーを伴うエラー状態を解除するには1つの解除操作検知手段が検知するエラー解除操作を行い、不正エラーを伴うエラー状態を解除するには、2つの解除操作検知手段が検知するエラー解除操作を行う必要があるので、不正エラーが発生していることをより明確に認識することができる。
【0017】
また、前記第1のエラー解除操作及び前記第2のエラー解除操作は、ともに同一の被操作部に対する操作であるとともに、前記第2のエラー解除操作は、前記第1のエラー解除操作よりも操作量が多く、前記第1の解除操作検知手段及び前記第2の解除操作検知手段は、前記操作量を検出することにより、それぞれのエラー解除操作を検知することを特徴とする。これにより、同一の被操作部に対する同一パターンの操作により、通常エラーと不正エラーの双方を解除することが可能なので、簡単なエラー解除操作で2種類のエラーを解除することができる。
【0018】
また、前記第1のエラー状態解除手段は、前記第1の解除操作検知手段によるエラー解除操作の検知に基づいて、前記主制御部におけるエラー状態及び前記副制御部におけるエラー状態の双方を解除し、前記第2のエラー状態解除手段は、前記第1の解除操作検知手段によるエラー解除操作の検知に基づいて、前記主制御部におけるエラー状態を解除するとともに、前記第2の解除操作検知手段によるエラー解除操作の検知に基づいて、前記副制御部におけるエラー状態を解除することを特徴とする。これにより、通常エラーを伴うエラー状態を解除するときは、1つのエラー解除操作で2つのエラー状態を解除できるが、不正エラーを伴うエラー状態を解除するときは、2つのエラー解除操作で2つのエラー状態を解除するので、不正エラーが発生していることをより明確に認識することができる。
【0019】
また、前記エラー状態解除手段は、前記エラー検知手段が、前記副制御部のみが検知可能なエラーを検知した場合には、前記第1のエラー解除方法及び前記第2のエラー解除方法のいずれとも異なる前記第3のエラー解除方法により、エラー状態を解除し、前記第3のエラー解除方法は、前記第2の解除操作検知手段が検知するエラー解除操作で構成されていることを特徴とする。これにより、主制御部が不法な主制御部に置換されるようなエラーが発生したとしても、当該エラーの検知に伴うエラー状態を異なったエラー解除方法により解除することができるので、当該エラーが発生していることをより明確に認識することができる。
【0020】
また、本発明に係る遊技台は、別の一態様として、複数種類の図柄が施され、回転可能な複数のリールと、前記複数のリールの回転開始を指示するスタートスイッチと、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、前記抽選手段の抽選結果及び前記ストップスイッチの停止操作に基づいて、前記リールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記複数のリールにより表示された図柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した役の図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段と、入賞した前記役に基づいて遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、第1の判定パターンに該当する通常エラーと、前記第1の判定パターンとは異なり、不正行為に起因する可能性が前記第1の判定パターンよりも高い第2の判定パターンに該当する不正エラーのそれぞれを検知可能なエラー検知手段と、前記エラー検知手段がエラーを検知したことに基づいて、遊技の状態をエラー状態に設定するエラー状態設定手段と、第1のエラー解除方法により、前記通常エラーの検知に伴うエラー状態を解除し、第1のエラー解除方法とは異なる第2のエラー解除方法により、前記不正エラーの検知に伴うエラー状態を解除するエラー状態解除手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の別の一態様においては、検知したエラーが通常エラーか不正エラーかに応じてエラー解除方法が異なるので、不正行為に起因する可能性が高い不正エラーを簡単に発見かつ認識することができる。
【0022】
この場合、前記第1のエラー解除方法は、第1のエラー解除操作で構成され、前記第2のエラー解除方法は、前記第1のエラー解除操作とは異なる第2のエラー解除操作と、前記第2のエラー解除操作後の予め定めた待機時間の経過と、で構成されていることを特徴とする。これにより、不正エラーを伴うエラー状態を解除するには、解除操作とともに待機時間の経過を必要とし、通常エラーを解除するときよりも、エラー解除する手間がかかるので、不正行為に対する抑止力にもなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の遊技台によれば、エラーの種類に応じてエラー解除方法を異ならせているのでエラー解除方法に基づいて、通常エラーよりも不正行為に起因する可能性の高い不正エラーを簡単に発見及び認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0025】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0026】
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0027】
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
【0028】
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0029】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
【0030】
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
【0031】
メダル投入ボタン(ベットボタン)130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
【0032】
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
【0033】
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
【0034】
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用している。
【0035】
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれている。
【0036】
<筐体内部の構成>
次に、スロットマシン100の筐体内部の構成について簡単に説明する。図2は、スロットマシン100の前面扉102を開放した状態の斜視図である。本体101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
【0037】
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、本体101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102が本体101に閉じられた状態で前面扉102に取付られた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
【0038】
本体101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、本体101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
【0039】
また、図示を省略した電源ボックスは、本体101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
【0040】
さらに、本体101の内部下方には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設されている。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体181と、払出装置本体181にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク182とで構成されており、投光部と受光部からなる光学式の2つのメダル払出センサ1および2(以下、2つのメダル払出センサ1および2を「メダル払出センサ326」と総称する場合がある。図5参照)を設けている。詳しくは、メダル払出センサ1および2は、ホッパー180のメダル排出口近傍に設けてあり、スロットマシン100は、これらメダル払出センサ1および2の各々の検出結果や、検出結果の組合せに基づいて、メダルの払い出しに異常があるか否かを判断する。なお、メダル払出センサ326による異常検出処理については後述する。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
【0041】
また、前記主制御基板及びリール110〜112の側方、すなわち向って左側の側板には、副制御部400を構成する電気部品を実装した副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
【0042】
一方、本体101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置190、この演出装置190を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク182に案内する通路267を備えている。
【0043】
メダルセレクタ170は、メダル投入口134の裏側近傍に配設されており、投光部と受光部からなる光学式の4つのメダル投入センサ1〜4(以下、4つのメダル投入センサ1〜4を「メダル投入センサ320」と総称する場合がある。図5参照)を設けて、メダル投入口134からメダルが正常に投入されたか否か、メダル投入口134から投入されるメダルが正規なメダルであるか否かなどを判断するようになっている。詳しくは、メダル投入センサ1および2は、メダルセレクタ170のメダル投入側に並べて設けてあり、スロットマシン100は、これらメダル投入センサ1および2の各々の検出結果や、検出結果の組合せに基づいて、メダルが正常に投入されたか否かなどを判断する。メダル投入センサ3は、メダルセレクタ170のメダル排出側に設けてあり、スロットマシン100は、このメダル投入センサ3の検出結果に基づいてメダルセレクタ170からメダルが正常に排出されたか否かを判断する。メダル投入センサ4は、メダル投入口134と、メダルセレクタ170のメダル投入側との間に設けてあり、スロットマシン100は、このメダル投入センサ4の検出結果に基づいてメダルセレクタ170にメダルが正常に投入されたか否かを判断する。なお、メダル投入センサ320による異常検出処理については後述する。
【0044】
また、前面扉102の裏側右下方には、前面扉102を本体101に固定するための係止部102aが設けられており、この係止部102aを係止して前面扉102をロックする本体101側のロック部材には、前面扉102が開放しているか閉鎖しているかを判断するための扉センサ329(図5参照)が設けられている。ドアキー孔140に鍵を差し込んで右周りに回動させると、前面扉102は開放し、左周りに回動させると、連動してエラー解除センサ328、エラー解除センサ428に検知片が移動する。これにより、エラー時には、鍵を用いて、前面扉102の開放や、エラー解除を行っている。なお、エラー解除センサ328は、遊技進行に関する処理を実行する主制御部300に電気的に接続されたエラー解除センサであり、エラー解除センサ428は、演出に関する処理を実行する副制御部400に電気的に接続されたエラー解除センサである。エラー解除センサ328、エラー解除センサ428の構成及びエラー解除の操作方法については、詳しくは後述する。
【0045】
さらに、本体101内部には、設定変更の操作を行うための設定キー(図示省略)と、この設定キーによる操作を検出するための設定キーセンサ(図示省略)が設けられている。
【0046】
<エラー解除センサ>
図3は、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428の構成、並びにエラー解除の操作方法を示す概要図であり、図4は、エラー解除操作と各エラー解除センサの検知/非検知の関係を示すタイムチャートである。
【0047】
本実施形態のスロットマシン100においては、図3に示すように、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428は、前面扉102の裏側右下方の離間した近傍位置に設置されている。そして、ドアキー孔140に鍵を差して左回りに回動させるという1つの操作により、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428のそれぞれを動作させるようになっている。なお、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428は、投光部と受光部からなる光学式センサであり、投光部から出射した光を検知片が遮光することにより検知片の移動(解除操作)を検知するようになっている。
【0048】
より詳しくは、図3(a)に示すように、ドアキー孔140に鍵を差した状態(鍵を回動させていない状態)においては、検知片はエラー解除センサ328及びエラー解除センサ428の上方に位置し、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428はオフ状態(エラー解除操作を検知していない状態)である(図4(a)参照)。
【0049】
次に、図3(b)に示すように、ドアキー孔140に差した鍵を少し左回りに回動させた状態(例えば、鍵を差した状態から略20〜40度回動させた状態)においては、検知片はエラー解除センサ328の検知位置に位置するとともに、エラー解除センサ428の上方に位置しているので、エラー解除センサ328はオン状態(エラー解除操作を検知している状態)である一方、エラー解除センサ428はオフ状態(エラー解除操作を検知していない状態)である(図4(b)参照)。
【0050】
次に、図3(c)に示すように、ドアキー孔140に差した鍵を図3(b)の状態からさらに左回りに回動させた状態(例えば、鍵を差した状態から略60〜80度回動させた状態)においては、検知片はエラー解除センサ328及びエラー解除センサ428の検知位置にそれぞれ位置しているので、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428はそれぞれオン状態(エラー解除操作を検知している状態)である(図4(c)参照)。
【0051】
このように本実施形態においては、2つのエラー解除センサを用いて、複数の異なったエラー解除操作を行うことが可能であり(例えば、上述した図3(b)の状態や図3(c)の状態)、詳しくは後述するが、検知したエラーの種類(不正行為に起因する可能性が高い不正エラーか、不正行為に起因しない通常エラーか)に応じたエラー解除操作を行うことにより、エラー状態を解除できるようになっている。すなわち、本実施形態においては、一律に固定的なエラー解除操作を行うのではなく、エラーの種類に応じたエラー解除操作をしないとエラー状態を解除できないようになっている。
【0052】
なお、本実施形態においては、エラー解除操作を簡単にするために(鍵を回動させるという一連の操作で複数の異なったエラー解除操作を実行できる構成にするために)、図3に示すように、2つのエラー解除センサを近傍位置に設置したが、2つのエラー解除センサの構成はこれに限定されるものではなく、例えば、2つのエラー解除センサを近傍に配置せず、物理的に全く異なった場所にそれぞれを配置するようにしてもよい。この場合には、2つの異なった操作を行うことにより、それぞれのエラー解除センサを動作させるようにしてもよい。筐体内の全く異なった場所に近傍に配置されていなくてもよい。この場合には、一連の操作ではなく、異なった操作をそれぞれ行うことにより(例えば、2つの鍵を有し、それぞれの鍵を回動することにより)、それぞれのエラー解除操作を実行するものである。
【0053】
<制御部>
次に、図5および図6を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
【0054】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御、すなわち、演出に関する処理を実行する副制御部400と、によって構成されている。
【0055】
<主制御部>
まず、図5を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
【0056】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0057】
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0058】
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327、エラー解除センサ328、及び扉センサ329の状態を検出し、各センサを監視している。
【0059】
メダル投入センサ320は、メダル投入口141の内部の通路に設置されており、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。エラー解除センサ328は、ドアキー孔140に鍵が差し込まれて、左周りに回動することにより、エラー状態を解除するための検知片を検知するためのセンサである。扉センサ329は、扉の開放を検知するためのセンサであり、扉の開放を検知した場合にその旨を音、液晶などの制御をしている副制御部400に伝えて、音声や映像により扉が開放している旨を報知するようになっている。
【0060】
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
【0061】
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0062】
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパーのモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)、及び後述する外部集中端子板450が接続されている。
【0063】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
【0064】
CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
【0065】
<副制御部>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
【0066】
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
【0067】
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0068】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
【0069】
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、RAM413に記憶されている情報を初期化するリセットスイッチ422、及びエラー解除スイッチ428が接続されている。エラー解除センサ428は、ドアキー孔140に鍵が差し込まれて、左周りに回動することにより、エラー状態を解除するための検知片を検知するためのセンサである。
【0070】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
【0071】
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉163を制御する制御部である。
【0072】
<外部装置との接続>
図7は、スロットマシン100と、スロットマシン100に接続される情報提供端子板500と、情報提供端子板500に接続される情報収集装置550の構成を示した概略構成図である。
【0073】
スロットマシン100の主制御部300は、主基板300aとモータ駆動基板300bの2つの基板を備える。そして、これら2つの基板を、メダルの投入枚数を「メダル投入信号」として伝達するための信号線と、メダルの払出枚数を「メダル払出信号」として伝達するための信号線と、遊技の状態(RB作動中、BB作動中など)を「外部信号1〜4」として伝達するための信号線からなる6本のパラレル信号線や、複数種類の遊技情報を1つの「状態複合信号(以下、「セキュリティ信号」と称する場合がある)」として伝達する1本のシリアル信号線などにより接続する。詳細は後述するが、シリアル信号線によって伝達する「状態複合信号」は、「ドア開放信号」と、「設定変更信号」と、「投入エラー信号」と、「払出エラー信号」と、「電源信号(予備信号)」の5種類の信号を含んで構成する。
【0074】
主制御部300の主基板300aには、上述のメダル投入センサ320や扉センサ329を接続するほか、電源基板460との間に、スロットマシン100の各遊技装置に供給する電源電圧の低下を検知するための電圧低下信号を伝達する電圧低下信号線を接続する。
【0075】
スロットマシン100はさらに外部集中端子板450を備える。そして、この外部集中端子板450と、主制御部300のモータ駆動基板300bを6本のパラレル信号線と1本のシリアル信号線で接続すると共に、外部集中端子板450に入力するパラレル信号とシリアル信号をスロットマシン100の外部に出力可能に構成する。これにより、外部集中端子板450を、遊技店などに設置される情報提供端子板500に接続することで、スロットマシン100の遊技情報を各種信号として外部に出力することを可能としている。
【0076】
外部集中端子板450に接続される情報提供端子板500は、さらに、遊技店などに設置される情報収集装置(例えば、ホールコンピュータ)550の情報受信装置550aに接続される。これら情報提供端子板500と情報受信装置550aは、上述の6本のパラレル信号線やリレーコモン線のほか、情報提供端子板500に入力する状態複合信号に基づいて生成されるドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、電源信号(予備信号)を伝達するための5本のパラレル信号線で接続される。情報提供端子板500は、外部集中端子板450から入力する状態複合信号(シリアル信号)をパルス変換回路やドライブ回路によりドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、電源信号からなるパラレル信号に変換して、情報収集装置550の情報受信装置550aに出力する。
【0077】
<外部集中端子板の内部回路構成>
図8は、外部集中端子板450の内部回路構成を示した図である。外部集中端子板450は、信号入力回路452と、信号伝達回路454と、信号出力回路456からなる。信号入力回路452(例えば、コネクタ)は10個の入力端子1〜10を備え、入力端子1にはモータ駆動基板300bのシリアル信号線を、入力端子2〜7にはモータ駆動基板300bのパラレル信号線を、入力端子8〜10には+24v電源をそれぞれ接続する。信号伝達回路454は、発光ダイオード454aや、電磁コイルと機械式スイッチを有するリレー454bなどを備える。信号出力回路456(例えば、コネクタ)は8個の出力端子1〜8を備え、出力端子6には(後述する)情報提供端子板500のリレーコモン信号線を、出力端子1〜5、7には情報提供端子板500のパラレル信号線を、出力端子8には情報提供端子板500のシリアル信号線をそれぞれ接続する。
【0078】
信号入力回路452の入力端子1〜7にローレベルの信号が入力すると、発光ダイオード454aが点灯すると共に、リレー454bの電磁コイルが作動して機械式スイッチをオン状態(閉状態)にする。これにより、外部集中端子板450は、オン状態となったリレー454bに対応する信号出力回路456の出力端子1〜5、7、8からローレベルの信号を出力する。一方、信号入力回路452の入力端子1〜7にハイレベルの信号が入力すると、発光ダイオード454aが消灯すると共に、リレー454bの電磁コイルの作動が停止して機械式スイッチをオフ状態(開状態)にする。これにより、外部集中端子板450は、オフ状態となったリレー454bに対応する信号出力回路456の出力端子1〜5、7、8からリレーコモン信号線によって供給されるハイレベルの信号を出力する。
【0079】
<状態複合信号>
次に、図9(a)、(b)を用いて、上述した状態複合信号の出力基本パターンについて説明する。なお、同図(a)は状態複合信号の出力基本パターンを示したタイムチャートであり、同図(b)は、状態複合信号に含まれるエラー情報D1〜D5に対応する信号の名称、論理を示した図である。
【0080】
状態複合信号の作成(後述する集中端子板信号設定処理)においては、同図(a)に示すように、最初に未送信レベル(この例ではローレベル)の状態複合信号を、基本パルス幅の時間(この例では20ms)分だけ反転してスタートレベル(この例ではハイレベル)の信号(スタートビット信号)を形成する。次に、エラー情報D1〜D5に対応する信号として、基本パルス幅の時間(20ms)分のオンレベル(この例ではハイレベル)またはオフレベル(この例ではローレベル)の信号を5つ形成する。最後に、未送信レベルと同一レベル(この例ではローレベル)の信号を基本パルス幅の時間(20ms)分だけ保持してストップレベルの信号(ストップビット信号)を形成した後、状態複合信号を未送信レベル(この例ではローレベル)に設定する。
【0081】
本実施形態では、同図(b)に示すように、エラー情報D1に対応する信号としてドア開放信号を、エラー情報D2に対応する信号として設定変更信号を、エラー情報D3に対応する信号として投入エラー信号を、エラー情報D4に対応する信号としてホッパー信号払出エラー信号を、エラー情報D5に対応する信号として電源信号(予備信号)を、この順序で出力する。
【0082】
ドア開放信号は、前面扉102が開放しているか閉鎖しているかを示す信号であり、入力ポート監視処理において扉センサ329により前面扉102の開放を検出した場合(開放中信号を検出した場合)に、オンレベル(例えばハイレベル)に設定し、入力ポート監視処理において扉センサ329により前面扉102の閉鎖を検出した場合(閉鎖中信号を検出した場合)に、オンレベルとの識別が可能なオフレベル(例えばローレベル)に設定する。
【0083】
設定変更信号は、設定変更中(または設定値の確認中)であるか否かを示す信号であり、設定変更処理の開始時(後述する設定変更処理)、または設定値の確認開始時(後述する遊技メダル投入処理)にオンレベルに設定し、設定変更処理の終了時、または設定値の確認終了時にオフレベルに設定する。
【0084】
投入エラー信号は、メダルセレクタ170の状態が異常であるか否かを示す信号であり、メダル投入センサ320によりメダルセレクタ170の異常を検出した場合(例えば、後述する遊技メダル投入異常1〜4のいずれかを検出した場合)にオンレベルに設定し、入力ポート監視処理においてメダル投入センサ320によりメダルセレクタ170の異常を検出しなかった場合(例えば、遊技メダル投入異常1〜4のいずれも検出しなかった場合)にオフレベルに設定する。
【0085】
払出エラー信号は、ホッパー180の状態が異常であるか否かを示す信号であり、メダル払出センサ326によりホッパー180の異常を検出した場合(例えば、後述する遊技メダル払出異常1〜3のいずれかを検出した場合)にオンレベルに設定し、メダル払出センサ326によりホッパー180の異常を検出しなかった場合(例えば、遊技メダル払出異常1〜3のいずれも検出しなかった場合)にオフレベルに設定する。
【0086】
予備信号は、予備的に使用する信号であり、本実施形態では、スロットマシン100の電源がオンであるか否かを示す信号である電源信号として使用する。電圧低下信号がオフの場合(電源がオンの場合)にオンレベルに設定し、電圧低下信号がオンの場合(電源がオフの場合)にオフレベルに設定する。なお、予備信号は他の用途に使用することもでき、例えば、スタートレバー信号、精算信号、リール未停止信号として使用することができる。
【0087】
<図柄配列>
図10(a)は、各リール110〜112に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110〜112には、複数種類の図柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。コマとは1つの図柄が配設される領域の単位である。図柄表示窓113には、21コマの内の3コマ分が表示される。
【0088】
図10(a)の左端に示した番号0〜20は、リール上のどの位置のコマに各図柄が配置されているか、すなわち、配置番号(各コマを識別するための識別子であり、リールの回転位置はこの配置番号で管理される)である。この配置番号と図柄とは1対1で対応しており、例えば、左リール110の番号0のコマにはベル図柄、中リール111の番号1のコマにはリプレイ図柄、右リール112の番号2のコマにはスイカ図柄が、それぞれ配置されている。なお、図柄に関しては図10(a)に示した図柄に限定されず、ある図柄と他の図柄とを識別可能な識別子であれば如何なるものも採用でき、数字、英字、図形、イラスト等が採用可能である。
【0089】
<入賞役の種類>
次に、図10(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、及び各入賞役の作動または払出を示す図である。
【0090】
本実施形態の入賞役には、ビッグボーナス(BB1〜BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。
【0091】
尚、本実施形態において、「入賞役」とは、メダルの配当がある役(チェリー、スイカ、ベル)の他、メダルの配当がない作動役(BB1〜2、RB、再遊技)を含む意味である。従って、本実施形態における「入賞」には、作動役の図柄組合せが有効化された入賞ライン上に表示された場合も含み、例えば、再遊技(リプレイ)入賞、BB入賞とした場合には、リプレイの図柄組合せ、BBの図柄組合せが有効化された入賞ライン上に表示されることを意味する。
【0092】
「ビッグボーナス(BB1〜BB2)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、本実施形態ではBB1〜BB2についてフラグ持越しを行う。すなわち、BB1〜BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1〜BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1〜BB2に内部当選中とする。
【0093】
ここで、入賞役の内部抽選について概説すると、内部抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜65535)はあらかじめいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に当選やはずれが対応付けられている(例えば、0〜35はBB1、36〜71はBB2、…、17180〜63535ははずれなど)。これらの情報は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。なお、内部当選の状態はRAM313に記憶領域が設定されている内部当選フラグのON、OFFにより管理される。内部当選フラグは、フラグ持ち越しの対象となる場合を除き、1回の遊技に限って有効となり、その遊技が終了するとOFFとなる。
【0094】
内部当選確率の設定は、一般に所定の出玉率の範囲内になるように設定されており、遊技店の営業に合わせて設定1から設定6までの6段階に設定できるようになっている。すなわち、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値である。そして、内部抽選処理の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合に、内部当選した入賞役に対応する図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に停止する可能性がある。
【0095】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、RB1が「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、本実施形態ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
【0096】
「小役(チェリー、スイカ、ベル))」(以下、単に、チェリー、スイカ、ベルともいう)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は、同図に示す通り、チェリーが4枚、スイカが12枚、ベルが8枚である。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0097】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により、次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、である。
【0098】
なお、入賞役の種類は、図10(b)に示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0099】
スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技(BB内部当選時、RB内部当選時含む)と、BB遊技、RB遊技に大別され、遊技状態毎に、上述の入賞役が採用されている。なお、BB遊技及びRB遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な状態である。ここでいう「有利」とは、例えば、遊技に用いるメダルなどの遊技媒体の獲得が総じて期待できる獲得期待度や、遊技に用いるメダルなどの遊技媒体の使用量が少なくて済む度合いなどを意味する。なお、本実施形態では、BB遊技は、入賞により獲得したメダル数が予め定めた枚数(例えば、465枚)に達した場合に遊技を終了し、RB遊技は、予め定めた回数(例えば、12回)の遊技を行うか、予め定めた回数(例えば、8回)の入賞により遊技を終了する。
【0100】
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。同じ条件について複数種類のリール停止制御データが設定されている場合には抽選によりいずれかを選択することになる。選択の条件には、少なくともその遊技における内部抽選結果が含まれる。その他、ボーナスのフラグ持ち越しの有無も選択の条件に含まれる。
【0101】
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数の範囲(ここでは最大5コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止制御データは主制御部300のROM312に格納されている。各リール停止制御データは、所定の入賞役の絵柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の絵柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
【0102】
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の絵柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で絵柄組合せが揃わない場合もある。
【0103】
禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の絵柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
【0104】
<遊技の基本的制御>
<メイン処理>
次に、図11を用いて、遊技の基本的制御である主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、ステップS110〜ステップS118の処理を繰り返し実行する。
【0106】
スロットマシン100に電源が投入されると、主制御部300は、まず、ステップS101において、初期設定1を行う。この初期設定1では、スタックポインタの初期設定、ウォッチドッグタイマ(WDT)の初期設定などの初期化処理を実行する。
【0107】
次に、ステップS102においてWDTをリスタートした後、ステップS103では、電源基板460が出力する電圧低下信号がオンであるか否か、すなわち、スロットマシン100に所定の電圧が供給されているか否かを判断する。そして、電圧低下信号がオンである場合(スロットマシン100に所定の電圧が供給されていない場合)にはステップS102に戻り、電圧低下信号がオフである場合(スロットマシン100に所定の電圧が供給されている場合)にはステップS104に進む。
【0108】
ステップS104の初期設定2では、RAM313の初期化や、割込み設定などの初期化処理を実行した後、ステップS105に進む。
【0109】
ステップS105では、設定キーセンサの状態に基づいて設定キーを受け付けているか否かを判断する。そして、設定キーを受け付けている場合にはステップS106の設定変更処理に進み、設定キーを受け付けていない場合にはステップS107に進む。
【0110】
ステップS106では、設定変更処理を行う。この設定変更処理では、最初に、機能限定ウェイトの設定を解除すると共に、割込み許可の設定を行った後、設定値の変更を行う。
【0111】
ステップS107では、電断前(電源の遮断前)の状態に復帰するか否かを判断する。そして、電断前の状態に復帰する場合にはステップS108に進み、そうでない場合にはステップS110に進む。
【0112】
ステップS108では、(後述する)タイマ割込み処理において割込み機能を所定時間ウェイトさせるべく、機能限定ウェイトの設定を行った後(RAM313の所定記憶領域に機能限定中であることを示す情報を記憶した後)、ステップS109では、スタックポインタに、電断時に記憶したスタックポインタを再設定するなど、復電時の処理を行って処理を終了する。
【0113】
ステップS110では、遊技メダル投入処理を行う。この遊技メダル投入処理では、機能限定ウェイトの設定を解除すると共に、割込み許可の設定を行った後、メダル投入に関する処理を行う。詳しくは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
【0114】
ステップS111では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバーセンサ321の状態に基づいてスタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。
【0115】
ステップS112では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
【0116】
ステップS113では、ステップS112で取得した乱数値と、ROM312に格納した入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。
【0117】
ステップS114では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始する。この際、ステップS113の内部抽選の結果等に基づき、リール110〜112の停止位置を規定したリール停止制御データを選択する。
【0118】
ステップS115では、ストップボタンセンサ322の状態に基づいてストップボタン137〜139が操作されたか否かのチェックを行い、ストップボタン137〜139が操作されたと判断した場合は、ステップS114で選択したリール停止制御データに基づいて、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止する。そして、インデックスセンサ325の状態に基づいて全リール110〜112が停止したか否かを判定し、全リール110〜112が停止した場合にはステップS216に進み、そうでない場合にはストップボタン137〜139が操作され全リール110〜112が停止するのを待つ。
【0119】
ステップS116では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した全リール110〜112の図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した役またはフラグ持越し中の役に対応する図柄組合せが揃った(表示された)場合にその役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。
【0120】
ステップS117では、遊技メダル払出処理を行う。詳細は後述するが、このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの役に入賞していれば、その役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0121】
ステップS118では、遊技を終了するための制御や、遊技状態を移行するための制御を行う。例えば、BB入賞やRB入賞の場合に次回からBB遊技またはRB遊技が開始できるように準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるように準備する。
【0122】
以上により1遊技が終了し、以降、ステップS110〜ステップS118の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0123】
<遊技メダル払出処理>
次に、図12を用いて、遊技メダル払出処理について説明する。図12は、図11のステップS117の遊技メダル払出処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0124】
ステップS201では、役の入賞があったか否かを判定する。いずれかの役の入賞があったときは、ステップS202に進み、役の入賞がなかったときには、処理を終了する。
【0125】
ステップS202では、入賞した役に対応する払出枚数をセットし、次いで、ステップS203では、ホッパー180を駆動して、セットされた払出枚数のメダルを払い出す。例えば、チェリーに入賞した場合には、4枚がセットされ、4枚のメダルが払い出される。
【0126】
ステップS204では、セットされた払出枚数のメダルの払い出しが完了したか否かを判定する。セットされた払出枚数のメダルの払い出しが完了したときは、処理を終了し、セットされた払出枚数のメダルの払い出しがまだ完了していないときは、ステップS205に進む。
【0127】
ステップS205では、メダル払出センサ326の検知が所定期間ないか否かを判定する。メダル払出センサ326の検知が所定期間ないとき、すなわち、メダル払出が完了していないにも関わらず、ホッパー180のメダルタンク182にメダルがないときは、ステップS206に進み、そうでないときは、ステップS204に戻る。
【0128】
ステップS206では、ホッパー180の駆動を停止して、次いで、ステップS207では、ホッパー180にメダルがないことを示すホッパエンプティコマンドを副制御部400に送信する。
【0129】
ステップS208では、通常エラー設定処理を実行する。詳細は後述するが、この通常エラー設定処理では、通常エラー(不正行為に起因しないエラー)に基づいて、遊技状態をエラー状態に設定する処理であり、検出したエラーの内容を7SEG表示器341(具体的には、遊技回数表示器126)に表示するとともに、エラー解除の処理があった場合には、エラー状態を解除する。
【0130】
<タイマ割込み処理>
次に、図13を用いて、主制御部300のCPU310が実行するタイマ割込み処理について説明する。なお、同図はタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0131】
CPU310は、所定の周期(本実施例では約1.504msに1回)でタイマ割込みを発生させるハードウェアタイマを備えており、タイマ割込み処理を、タイマ割込みを契機として所定の周期で実行する。
【0132】
ステップS301では、CPU310の各レジスタをスタックに退避する。
【0133】
ステップS302では、入力ポートの値を取得して、各種センサの状態を検出する。より具体的には、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル払出センサ326、エラー解除センサ328、扉センサ329などの複数のセンサが出力する信号を入力し、これら複数のセンサからの出力がそれぞれオンかオフかを判定する。
【0134】
ステップS303では、割込み機能が限定中であるか否か、すなわち、上記メイン処理において機能限定ウェイトを設定しているか否か(RAM313の所定記憶領域に機能限定中であることを示す情報を記憶しているか否か)を判断する。そして、割込み機能が限定中である場合(機能限定ウェイトを設定している場合)にはステップS304〜ステップS308の処理を行うことなくステップS309に進み、割込み機能が限定中でない場合(機能限定ウェイトを設定していない場合)にはステップS304に進む。
【0135】
ステップS304では、遊技メダル投入受付処理を行う。詳細は後述するが、この遊技メダル投入受付処理では、現在の遊技状態や、一遊技に必要な規定メダル数などに基づいて、遊技メダルの投入に関する処理を行う。
【0136】
ステップS305では、リール110〜112の回転制御や停止制御などのリール制御処理を行い、次いで、ステップS306では、その他の処理を行う。
【0137】
ステップS307では、遊技ランプ340(上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156など)に出力するデータの更新を行う。
【0138】
ステップS308では、常時エラー監視処理を行う。詳細は後述するが、この常時エラー監視処理では、上記ステップS302で検出したメダル投入センサ320やメダル払出センサ326などの状態に基づいて、メダル投入やメダル払出などに関するエラーの監視と、エラーの検出情報の更新を行う。
【0139】
ステップS309では、集中端子板信号設定処理を行う。詳細は後述するが、この集中端子板信号設定処理では、RAM313に記憶したセキュリティ状態情報などに基づいて状態複合信号を生成し、シリアル出力する。また、RAM313に記憶したメダル投入情報などに基づいてメダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1〜4を生成し、パラレル出力する。
【0140】
ステップS310では、7SEG表示器341に出力するデータの設定を行い、次いで、ステップS311では、リールモータ駆動部330やホッパーモータ駆動部331などに出力するデータの設定を行う。
【0141】
ステップS312では、副制御部400に制御コマンドを出力し、ステップS313では、RAM313に記憶している各種のカウンタタイマを更新する。
【0142】
ステップS314では、電源基板460が出力する電圧低下信号がオンであるか否か、すなわち、スロットマシン100に所定の電圧が供給されているか否かを判断する。そして、電圧低下信号がオンである場合(スロットマシン100に所定の電圧が供給されていない場合)にはステップS317に進み、電圧低下信号がオフである場合(スロットマシン100に所定の電圧が供給されている場合)にはステップS315に進む。
【0143】
ステップS315では、ステップS301で退避したレジスタを復帰し、ステップS316では、割込みを許可する設定を行う。
【0144】
ステップS317〜ステップS320では、電断処理を行う。より詳しくは、ステップS317では、現在のスタックポインタを保存し、ステップS318では、電源ステータスを「電断」に更新する。また、ステップS319では、RAM313に記憶した値を用いてチェックサムを計算・設定し、ステップS320では、RAM313の書き込みを禁止に設定した後、無限ループとなる。
【0145】
<遊技メダル投入受付処理>
次に、図14を用いて、遊技メダル投入受付処理について説明する。図14は、図13のステップS304の遊技メダル投入受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0146】
ステップS401では、上述の入力ポート監視処理(ステップS302)で検出したスタートレバーセンサ321のオン/オフ情報に基づいて、スタートレバー135の操作を受け付けたか否かを判定する。そして、スタートレバー135の操作を受け付けた場合にはステップS402に進み、スタートレバー135の操作を受け付けていない場合にはステップS403に進む。
【0147】
ステップS402では、遊技台の外部(例えば遊技店の島)に設けた報知装置(図示省略)の報知パターンに合わせた態様で、予備信号(電源信号)を出力する。すなわち、RAM313に記憶したセキュリティ状態情報のビットのうち、エラー情報D5(予備信号)に対応するビットをONにし、セキュリティ状態情報に基づいて予備信号(状態複合信号)を出力する。例えば、スタートレバー135が遊技者によって押下操作されたときには報知装置が備えるランプを所定時間(例えば500ms)点灯させるという報知パターンの場合には、スロットマシン100は、オンレベルの予備信号(電源信号)を出力し、所定時間(500ms)が経過するのを監視し、所定時間が経過した場合にオフレベルの予備信号(電源信号)を出力する。
【0148】
ステップS403では、セレクタ受付処理を行う。詳細は後述するが、このセレクタ受付処理では、上述の入力ポート監視処理(ステップS302)で検出したメダル投入センサ320の状態に基づいて、メダルセレクタ170のエラーの監視と、エラーの検出情報の更新を行う。
【0149】
ステップS404では、その他の処理を行った後、処理を終了する。
【0150】
<セレクタ受付処理>
次に、図15を用いて、セレクタ受付処理について説明する。図15は、図14のステップS403のセレクタ受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0151】
ステップS501では、メダルセレクタ170のセンサ波形を確認し、次いで、ステップS502では、センサ波形に異常があるか無いかを判定する。具体的な一例としては、投入されたメダルがメダル投入センサ1および2を正常に通過するときにメダル投入センサ1および2から出力される波形のパターンと、実際にメダル投入センサ1および2から出力された波形のパターンとを比較し、両者が異なる場合には、投入されたメダルがメダル投入センサ1および2を正常に通過しなかった(遊技メダル投入異常2)と判定する。なお、ステップS502でセンサ波形に異常があった場合にはエラーと判定するが、本実施形態においては、このエラーは不正行為に起因する可能性が高い不正エラーではなく、通常エラーである。そして、波形に異常がある場合にはステップS503に進み、波形に異常が無い場合にはステップS506に進む。
【0152】
ステップS503では、エラーの情報(上述した例では、遊技メダル投入異常2を示す情報)を示すエラーコマンドを副制御部400に送信する。
【0153】
ステップS504では、RAM313に設けたエラー検知情報にエラーの情報(上述した例では、遊技メダル投入異常2を示す情報)を設定する。
【0154】
ステップS505では、通常エラー設定処理を実行する。詳細は後述するが、この通常エラー設定処理では、通常エラー(不正行為に起因しないエラー)に基づいて、遊技状態をエラー状態に設定する処理であり、検出したエラーの内容を7SEG表示器341(具体的には、遊技回数表示器126)に表示するとともに、エラー解除の処理があった場合には、エラー状態を解除する。
【0155】
ステップS506では、メダル通過の監視を行い、次いで、ステップS507では、メダルの不正投入があったか否かを判定する。具体的な一例としては、メダルの正常通過後にメダル投入センサ3の信号の立ち上がりが検出され、以降5枚のメダルが正常通過したときにおいて、投入センサ3の立ち下りが一度もない場合に不正投入(遊技メダル投入異常4)と判定する。そして、メダルの不正投入があった場合にはステップS508に進み、メダルの不正投入がなかった場合には処理を終了する。
【0156】
ステップS508では、エラーの情報(上述した例では、遊技メダル投入異常4を示す情報)を示す不正投入エラーコマンド(不正エラーコマンドの一種)を副制御部400に送信する。なお、本実施形態では、エラーを大別して、不正行為に起因する可能性が高い不正エラーと、不正行為に起因しない通常エラーに分類しており、不正エラーを検知した場合には不正エラーコマンド、通常エラーを検知した場合にはエラーコマンドを副制御部400に送信するようになっている。不正エラーコマンドには、例えば、上述した、メダル投入に関する不正エラーを示す不正投入エラーコマンドやメダル払出に関する不正エラーを示す不正払出エラーコマンドなどが存在する。
【0157】
ステップS509では、RAM313に設けたエラー検知情報にエラーの情報(上述した例では、遊技メダル投入異常4を示す情報)を設定する。
【0158】
ステップS510では、特別エラー設定処理を実行する。詳細は後述するが、この特別エラー設定処理では、不正エラー(不正行為に起因する可能性が高いエラー)に基づいて、遊技状態をエラー状態に設定する処理であり、検出したエラーの内容を7SEG表示器341(具体的には、遊技回数表示器126)に表示するとともに、エラー解除の処理があった場合には、所定の条件成立をもってエラー状態を解除する。
【0159】
なお、メダルセレクタ170のエラー検出の方法やエラーの情報は上述した例に限定されない。図16は、本実施形態において、スロットマシン100で生じ得るエラーの種類と、エラー発生時の表示と、エラーの状態と、エラーの解除方法の一例を示した図である。
【0160】
例えば、本実施形態では、メダル投入センサ1により、投入されたメダルが滞留していることを検出した場合に遊技メダル投入異常1を設定し、メダル投入処理中以外にメダル投入センサ1または2のいずれかがオンになった場合に遊技メダル投入異常3を設定するように構成している。
【0161】
また、メダル投入センサ320によってメダルなどがメダルセレクタ170に滞留したことを検出した場合には、上述のエラー検知情報に遊技メダル投入異常1を示す情報を設定するとともに、遊技回数表示器126に「P00」というエラーコードを表示してエラーが発生したことを外部に報知する。また、遊技メダル投入異常1の解除は、メダルセレクタ170の遊技メダル詰まり等をチェックした後、リセットスイッチ(図示省略)を押すか、ドアキー140を左に回すことによって行う。
【0162】
本実施形態では、これら複数種類のエラーのうち、遊技メダル投入異常1〜4、遊技メダル払出異常1〜3、オーバーフロー異常を状態複合信号(セキュリティ信号)として出力し、RAM不良、表示異常については出力を行わない。また、本実施形態では、図16に示す遊技メダル投入異常3〜4、及び遊技メダル払出異常3を不正エラーと定義している。
【0163】
<常時エラー監視処理>
次に、図17を用いて、常時エラー監視処理について説明する。なお、図17は、図13のステップS308の常時エラー監視処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0164】
ステップS601では、ホッパー180の作動中以外にメダルの払出を検出したか否か、すなわち、メダルの不正な払出を検出したか否かを判定する。具体的な一例としては、メダル払出中(例えば、図11のステップS117の遊技メダル払出処理の実行中)以外に払出センサ1または2のいずれかがオンになった場合にはメダルの不正な払出を検出した(遊技メダル払出異常3)と判定する。そして、メダルの不正な払出を検出した場合にはステップS602に進み、メダルの不正な払出を検出しなかった場合にはステップS604に進む。
【0165】
ステップS602では、エラーの情報(上述した例では、遊技メダル払出異常3を示す情報)を示す不正払出エラーコマンド(不正エラーコマンドの一種)を副制御部400に送信する。
【0166】
ステップS603では、RAM313に設けたエラー検知情報にエラーの情報(上述した例では、遊技メダル払出異常3を示す情報)を設定し、ステップS607に進む。
【0167】
ステップS604では、メダル投入を一時的に阻止するメダルブロッカ(図示省略)が閉状態(メダル投入を阻止する位置にある)にも関わらずメダルの投入を検出したか否かを判定する。具体的な一例としては、メダルブロッカを閉状態に制御しているときにメダル投入センサ1または2のいずれかがオンになった場合にメダルの不正投入(遊技メダル投入異常3)であると判定する。そして、メダルの不正投入を検出した場合にはステップS605に進み、メダルの不正投入を検出していない場合には処理を終了する。
【0168】
ステップS605では、エラーの情報(上述した例では、遊技メダル投入異常3を示す情報)を示す不正投入エラーコマンド(不正エラーコマンドの一種)を副制御部400に送信する。
【0169】
ステップS606では、RAM313に設けたエラー検知情報にエラーの情報(上述した例では、遊技メダル投入異常3を示す情報)を設定する。
【0170】
ステップS607では、特別エラー設定処理を実行する。詳細は後述するが、この特別エラー設定処理では、不正エラー(不正行為に起因する可能性が高いエラー)に基づいて、遊技状態をエラー状態に設定する処理であり、検出したエラーの内容を7SEG表示器341(具体的には、遊技回数表示器126)に表示するとともに、エラー解除の処理があった場合には、所定の条件成立をもってエラー状態を解除する。
【0171】
なお、メダルセレクタ170のエラー検出の方法やホッパー180のエラー検出の方法、及びエラーの情報は上述した例に限定されない。本実施形態において、スロットマシン100で生じ得るエラーの種類と、エラー発生時の表示と、エラーの状態と、エラーの解除方法の一例は、上述した図16に示した通りである。例えば、本実施形態では、図16に示すように、ホッパー180の駆動時にメダル払出センサ1および2がオフのままで一定時間メダルの払出が無い場合に遊技メダル払出異常1を設定し、ホッパー180の駆動時にメダル払出センサ1および2がオンのままでメダルが滞留している場合に遊技メダル払出異常2を設定し、メダル払出中以外に払出センサ1または2のいずれかがオンになった場合、または、主制御部300とホッパー180を接続する信号線が抜かれたことを検出した場合に遊技メダル払出異常3を設定する。
【0172】
<集中端子板信号設定処理>
次に、図18を用いて、集中端子板信号設定処理について説明する。なお、図18は、図13のステップS309の集中端子板信号設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0173】
ステップS701では、検知したエラー情報に対応したセキュリティ状態情報を作成する。詳しくは、RAM313に設けたエラー検知情報に設定されたエラーの情報に基づいて、RAM313に記憶したセキュリティ状態情報のビットのうち、エラー情報に対応するビットをONにする。例えば、不正投入に関する不正エラーを検知した場合には、エラー情報D3(投入エラー信号)に対応するビットをONにする。また、不正払出に関する不正エラーを検知した場合には、エラー信号D4(払出エラー信号)に対応するビットをONにする。
【0174】
ステップS702では、セキュリティ状態情報の値をCPUの出力ポートに対応付けした(I/Oマッピングした)記憶領域に書き込み、次いで、ステップS703では、セキュリティ情報の当該ビットに対応するオンレベルまたはオフレベルの信号を、外部集中端子板450のシリアル信号線を介してスロットマシン100の外部に出力する。この結果、エラーに関する情報は外部装置に出力される。
【0175】
<通常エラー設定処理>
次に、図19を用いて、通常エラー設定処理について説明する。図19は、図12のステップS208、図15のステップS505の通常エラー設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0176】
ステップS801では、RAM313に設けた遊技状態に関する情報を、エラー状態に設定し、次いで、ステップS802では、RAM313に設けたエラー検知情報の内容に基づいて、エラーの種類を確認する(例えば、遊技メダル投入異常1や遊技メダル払出異常2など)。
【0177】
ステップS803では、エラーの種類に応じて、エラーの内容を一意に識別可能なエラーコードを遊技回数表示器126に表示する。例えば、図16に示すように、エラー検知情報が「遊技メダル投入異常1」であるときは、遊技回数表示器126に「P00」というエラーコードを表示して、外部に対してエラーが発生したこと及びエラーの種類を報知する。
【0178】
ステップS804では、エラー解除センサ328の検知があったか否かを判定する。エラー解除センサ328の検知があったとき、すなわち、遊技店の店員等により主制御部300に対するエラー解除がなされたとき(図3(b)に示す状態のとき)には、ステップS805に進み、エラー解除センサ328の検知がないときは、ステップS804を繰り返す。
【0179】
ステップS805では、主制御部300に対するエラー解除を示すエラー解除コマンドを副制御部400に送信する。
【0180】
ステップS806では、エラー状態に設定された遊技状態に関する情報をクリアする。
【0181】
このように、主制御部300において通常エラーを検知した場合には、主制御部300に対するエラー解除操作(エラー解除センサ328の検知)により、遊技状態をエラー状態から通常の遊技状態に回復させる。
【0182】
<特別エラー設定処理>
次に、図20を用いて、特別エラー設定処理について説明する。なお、図20は、図15のステップS510、図17のステップS607の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0183】
ステップS901では、RAM313に設けた遊技状態に関する情報を、エラー状態に設定し、次いで、ステップS902では、RAM313に設けたエラー検知情報の内容に基づいて、エラーの種類を確認する(例えば、遊技メダル投入異常3や遊技メダル払出異常3など)。
【0184】
ステップS903では、エラーの種類に応じて、エラーの内容を一意に識別可能なエラーコードを遊技回数表示器126に表示する。例えば、図16に示すように、エラー検知情報が「遊技メダル投入異常3」であるときは、遊技回数表示器126に「P02」というエラーコードを表示して、外部に対してエラーが発生したこと及びエラーの種類を報知する。
【0185】
ステップS904では、エラー解除センサ328の検知があったか否かを判定する。エラー解除センサ328の検知があったとき、すなわち、遊技店の店員等により主制御部300に対するエラー解除がなされたとき(図3(b)に示す状態のとき)には、ステップS905に進み、エラー解除センサ328の検知がないときは、ステップS904を繰り返す。
【0186】
ステップS905では、主制御部300に対するエラー解除を示すエラー解除コマンドを副制御部400に送信する。
【0187】
ステップS906では、エラー解除をするための待機時間を設定し、次いで、ステップS907では、設定した待機時間が経過したか否かを判定する。待機時間が経過したときは、ステップS908に進み、待機時間が経過していないときは、ステップS907を繰り返す。
【0188】
ステップS908では、エラー状態に設定された遊技状態に関する情報をクリアする。
【0189】
このように、主制御部300において不正エラーを検知した場合には、主制御部300に対するエラー解除操作(エラー解除センサ328の検知)だけでなく、予め定められた待機時間を経過しないと、遊技状態をエラー状態から通常の遊技状態に回復させることはできない。
【0190】
<副制御部の処理>
副制御部400の処理について説明する。図21(a)は副制御部400のCPU410が実行するメイン処理のフローチャートである。
【0191】
まず、ステップS1001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0192】
ステップS1002では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。
【0193】
ステップS1003では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
【0194】
ステップS1004では、ステップS1003で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。副制御部400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがある場合は、ステップS1005へ進み、副制御部400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがない場合は、ステップS1006へ進む。
【0195】
ステップS1005では、副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。
【0196】
ステップS1006では、ステップS1003で更新した演出データの中に扉・液晶画面制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。扉・液晶画面制御部500に送信する制御コマンドがある場合は、ステップS1007へ進み、扉・液晶画面制御部500に送信する制御コマンドがない場合は、ステップS1002へ戻る。
【0197】
ステップS1007では、扉・液晶画面制御部500に制御コマンドを送信してステップS1002へ戻る。
【0198】
次に、図21(b)を用いて、副制御部400のコマンド入力処理について説明する。図21(b)は、図21(a)のステップS1002のコマンド入力処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0199】
ステップS1101では、RAM413に設けたコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。コマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されている場合はステップS1102へ進み、そうでない場合はステップS1101へ戻る。
【0200】
ステップS1102では、コマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、制御コマンドに応じた処理を実行する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
【0201】
ステップS1103では、コマンド順序判定処理を行う。詳細は後述するが、このコマンド順序判定処理は、主制御部300から受信した制御コマンドの順序が適正であるか否かを判定する処理であり、検出したエラーの内容を、演出デバイスを介して報知するとともに、エラー解除の処理があった場合には、エラー状態を解除する。なお、このコマンド順序判定処理は、主制御部300で検知できないエラー(例えば、不正なROM312に置換されたなどの不正行為に起因する不正エラー)を副制御部400が検知する処理である。
【0202】
次に、図21(c)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明する。このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
【0203】
ストローブ割込み処理のステップS1201では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド格納エリアに記憶する。
【0204】
次に、図21(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。副制御部400は所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。なお、副制御部400は汎用タイマの設定(10ms)としており、S1301ではこの汎用タイマの更新を行う。
【0205】
<エラーコマンド受信時処理>
次に、図22を用いて、エラーコマンド受信時処理について説明する。なお、図22は、エラーコマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。エラーコマンド受信時処理は、図21(b)のコマンド入力処理のステップS1102において、エラーコマンドまたは不正エラーコマンドがコマンド格納エリアに格納されている場合に実行される処理である。
【0206】
ステップS1401では、受信した制御コマンドが不正エラーコマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドが不正エラーコマンドである場合には、ステップS1402に進み、不正エラーコマンドでない場合、すなわち、エラーコマンドである場合には、ステップS1404に進む。
【0207】
ステップS1402では、受信した制御コマンドが不正エラーコマンドであるので、不正エラーの種別に応じた演出データの設定処理を行う。例えば、不正エラーが不正投入エラーの場合には、不正投入エラー用の演出データの設定を行い、不正エラーが不正払出エラーの場合には、不正払出エラー用の演出データの設定を行う。これにより、不正エラーの種別に応じた演出が演出デバイス(例えば、液晶表示装置157)を介して実行される。
【0208】
ステップS1403では、エラー解除センサ428の検知があったか否かを判定する。エラー解除センサ428の検知があったとき、すなわち、遊技店の店員等により副制御部400に対するエラー解除がなされたとき(図3(c)に示す状態のとき)には、ステップS1406に進み、エラー解除センサ428の検知がないときは、ステップS1403を繰り返す。
【0209】
ステップS1404では、受信した制御コマンドがエラーコマンドであるので、エラー用の演出データの設定処理を行う。これにより、エラー用の演出が演出デバイス(例えば、液晶表示装置157)を介して実行される。
【0210】
ステップS1405では、エラー解除コマンドを受信したか否かを判定する。エラー解除コマンドを受信したとき、すなわち、遊技店の店員等により主制御部300に対するエラー解除がなされたとき(図3(b)に示す状態のとき)には、ステップS1406に進み、エラー解除コマンドを受信していないとき、ステップS1405を繰り返す。
【0211】
ステップS1406では、実行中の不正エラーまたはエラーの演出を終了して、通常の演出に復帰するための処理を行う。
【0212】
このように、不正エラーコマンドを受信した場合には、演出デバイスを介して不正エラーの発生を報知する演出を実行するとともに、副制御部400に対するエラー解除操作があって(エラー解除センサ428の検知があって)、通常の演出に復帰する。一方、エラーコマンドを受信した場合には、演出デバイスを介して通常エラーの発生を報知する演出を実行するとともに、エラー解除コマンドを受信して(エラー解除センサ328の検知があって)、通常の演出に復帰する(副制御部400に対するエラー解除操作は必要ない)。
【0213】
以上、主制御部300で検知したエラーのエラー解除方法についてまとめると、通常エラーの場合には、エラー解除センサ328の検知のみで主制御部300におけるエラー状態及びエラー表示、並びに副制御部400におけるエラー表示(エラー状態)を解除するが(図19及び図22参照)、不正エラーの場合には、エラー解除センサ328の検知及び待機時間経過で主制御部300におけるエラー状態及びエラー表示を解除するとともに、エラー解除センサ428の検知により、副制御部400におけるエラー表示(エラー状態)を解除する。このように、本実施形態においては、検知したエラーの種類により、エラー解除方法が異なっている。より詳しくは、不正エラーによるエラー状態を解除するエラー解除方法は、通常エラーによるエラー状態を解除するエラー解除方法よりも、操作手間がかかるとともに解除条件も多く設けられている。この結果、遊技店の店員は不正エラーの発生を簡単に発見かつ認識することができるので、従来のように、不正エラーを簡単に解除したり、不正エラーの発生に気がつかないという事態はない。
【0214】
図23は、主制御部300で検知したエラーのエラー解除方法をエラーの種類別に示した表である。図23に示すように、不正投入または不正払出エラーの場合、具体的には、遊技メダル投入異常3、遊技メダル投入異常4、及び遊技メダル払出異常3の場合には、エラー解除センサ328及びエラー解除センサ428の検知がそれぞれオンになって(図3(c)に示す状態になって)、エラー状態が解除されるようになっている。一方、投入または払出に関する通常エラーの場合、具体的には、遊技メダル投入異常1、遊技メダル投入異常2、遊技メダル払出異常1、遊技メダル払出異常2の場合には、エラー解除センサ328の検知がオンになって、エラー状態が解除されるようになっている。
【0215】
<コマンド順序判定処理>
次に、図24を用いて、コマンド順序判定処理について説明する。なお、図24は、図21(b)のステップS1103のコマンド順序判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0216】
ステップS1501では、主制御部300から受信した制御コマンドの順序を判定し、次いで、ステップS1502では、受信した制御コマンドの順序が不適正であると判断したときは、ステップS1503に進み、受信した制御コマンドの順序が適正であると判断したときは、処理を終了する。例えば、一遊技の工程において、スタートレバー操作コマンド→ストップボタン操作コマンド→メダル払出コマンドというコマンド受信順序が守られていないとき(スタートレバー操作コマンドの次にメダル払出コマンドを受信するなど)などは、受信した制御コマンドの順序が不適正であると判断する。
【0217】
ステップS1503では、エラー用の演出データの設定処理を行う。これにより、エラー用の演出が演出デバイス(例えば、液晶表示装置157)を介して実行される。
【0218】
ステップS1504では、エラー解除センサ428の検知があったか否かを判定する。エラー解除センサ428の検知があったとき、すなわち、遊技店の店員等により副制御部400に対するエラー解除がなされたときには、ステップS1505に進み、エラー解除センサ428の検知がないときは、ステップS1504を繰り返す。
【0219】
ステップS1505では、実行中のエラーの演出を終了して、通常の演出に復帰するための処理を行う。
【0220】
このように副制御部400だけが検知可能なエラー(主制御部300では検知できないエラー)を検知したときには、演出デバイスを介してエラーの発生を報知する演出を実行するとともに、副制御部400に対するエラー解除操作があって(エラー解除センサ428の検知があって)、通常の演出に復帰する。
【0221】
<タイムチャート>
以上、述べたことをまとめて、スロットマシン100の主制御部300が通常エラー及び不正エラーを検知した場合のエラー解除処理について説明する。図25は、通常エラーの場合のエラー検知及びエラー解除のタイミングを示したタイミングチャート、図26は不正エラーの場合のエラー検知及びエラー解除のタイミングを示したタイミングチャートである。
【0222】
図25に示すように、主制御部300が通常エラーを検知すると、まず、主制御部300は、副制御部400に対してエラーコマンドを送信するとともに、主制御部300をエラー状態に設定し、遊技回数表示器126を介してエラー表示を行う。これにより、副制御部400は、液晶表示装置157を介してエラー表示を行う。
【0223】
次いで、主制御部300に対するエラー解除操作を行うと(図3(b)参照:エラー解除センサ328がオン状態)、主制御部300におけるエラー状態は解除され、遊技回数表示器126を介して行っていたエラー表示を中止する。また、主制御部300はエラー解除コマンドを副制御部400に送信するので、これにより、副制御部400は液晶表示装置157を介して行っていたエラー表示を中止する。
【0224】
なお、主制御部300は、エラーを検知した時点にてセキュリティ信号を外部装置(ホールコンピュータなど)に対して出力し(セキュリティ信号をオンにする)、エラー解除操作があった時点にて、セキュリティ信号の出力を中止する(セキュリティ信号をオフにする)。これにより、外部装置はスロットマシン100において通常エラーが発生していることを把握することができる。
【0225】
これに対して、図26に示すように、主制御部300が不正エラーを検知すると、まず、主制御部300は、副制御部400に対して不正エラーコマンドを送信するとともに、主制御部300をエラー状態に設定し、遊技回数表示器126を介してエラー表示を行う。これにより、副制御部400は、液晶表示装置157を介してエラー表示を行う。
【0226】
次いで、主制御部300に対するエラー解除操作を行うと(図3(b)参照:エラー解除センサ328がオン状態)、予め定めた待機時間の経過を待って、主制御部300におけるエラー状態は解除され、遊技回数表示器126を介して行っていたエラー表示を中止する。
【0227】
次いで、副制御部400に対するエラー解除操作を行うと(図3(c)参照:エラー解除センサ428がオン状態)、液晶表示装置157を介して行っていたエラー表示を中止する。
【0228】
なお、主制御部300は、エラーを検知した時点にてセキュリティ信号を外部装置(ホールコンピュータなど)に対して出力し(セキュリティ信号をオンにする)、エラー解除操作があった時点にて、セキュリティ信号の出力を中止する(セキュリティ信号をオフにする)。これにより、外部装置はスロットマシン100において不正エラーが発生していることを把握することができる。
【0229】
また、図26に示す一例は、主制御部300のエラー状態が解除された後に、副制御部400に対するエラー解除操作を行う場合であったが、主制御部300がエラー状態のときに副制御部400に対するエラー解除操作を行う場合もあり得る(例えば、待機時間が非常に長く設定してあるような場合)。図27はこのような場合のエラー検知及びエラー解除のタイミングを示したタイミングチャートである。
【0230】
図27に示すように、主制御部300が通常エラーを検知すると、まず、主制御部300は、副制御部400に対してエラーコマンドを送信するとともに、主制御部300をエラー状態に設定し、遊技回数表示器126を介してエラー表示を行う。これにより、副制御部400は、液晶表示装置157を介してエラー表示を行う。
【0231】
次いで、主制御部300に対するエラー解除操作を行うと(図3(b)参照:エラー解除センサ328がオン状態)、予め定めた待機時間の経過を待って、主制御部300におけるエラー状態は解除され、遊技回数表示器126を介して行っていたエラー表示を中止する。
【0232】
そして、主制御部300がエラー状態(待機状態)であるときに、副制御部400に対するエラー解除操作を行っても(図3(c)参照:エラー解除センサ428がオン状態)、副制御部400は、液晶表示装置157を介して行っていたエラー表示を継続し、主制御部300のエラー状態(待機状態)が終了した時点において液晶表示装置157を介して行っていたエラー表示を中止する。このように、液晶表示装置157におけるエラー表示中止のタイミングを副制御部400に対するエラー解除操作に合わせるのではなく、主制御部300におけるエラー状態解除に合わせるようにしてもよい。
【0233】
以上、述べたように本実施形態のスロットマシン100によれば、エラーの種類に応じてエラー解除方法を異ならせているので、エラー解除方法に基づいて、不正行為に起因する可能性が高い不正エラーを簡単に発見及び認識することができる。
【0234】
すなわち、主制御部300において通常エラーを検知した場合には、主制御部300に対するエラー解除操作(エラー解除センサ328の検知)により、主制御部300におけるエラー状態及びエラー表示を解除して、通常の遊技状態に回復させるとともに、副制御部400におけるエラー表示(エラー状態)を解除する。
【0235】
一方、主制御部300において不正エラーを検知した場合には、主制御部300に対するエラー解除操作(エラー解除センサ328の検知)だけでなく、予め定められた待機時間を経過しないと、主制御部300におけるエラー状態及びエラー表示を解除できず、通常の遊技状態に回復させることができない。また、副制御部400に対するエラー解除操作(エラー解除センサ428の検知)により、副制御部400におけるエラー表示(エラー状態)副制御部400におけるエラー表示(エラー状態)を解除する。
【0236】
さらには、副制御部400だけが検知可能なエラー(主制御部300では検知できないエラー)を検知したときには、副制御部400に対するエラー解除操作があって(エラー解除センサ428の検知があって)、エラー表示(エラー状態)を解除する。
【0237】
このように本実施形態のスロットマシン100におけるエラー解除方法は、従来のように一律に固定的な方法ではないので、不正エラーを解除するには、通常エラーの場合とは異なるエラー解除方法を行わないと、エラー状態を解除することができないという効果がある。そのため、不正エラーを簡単に解除したり、不正エラーの発生に気がつかないという不具合を解消することができる。
【0238】
なお、上記実施形態において不正エラーによるエラー状態を解除する場合には、通常エラーによるエラー状態を解除する場合よりも、多くの解除条件(例えば、解除操作の操作量が多かったり(回動する角度が大きい)、待機時間を要したりすること)を必要としたが、上記実施形態で述べた以外の解除条件であってもよいのは勿論である。例えば、複数の工程を必要とする解除操作を行わないと、不正エラーによるエラー状態を解除できないようにしてもよい。
【0239】
また、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシン、すなわち、「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、複数のリールの回転を指示するためのスタートスイッチと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるためのストップスイッチと、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選手段)と、抽選手段の抽選結果及びストップスイッチの停止操作に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の複数のリールにより表示された図柄の組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定手段)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段と、を備えたスロットマシン」に対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ遊技機などにも適用可能である。
【0240】
ここで、本発明が適用されるパチンコ遊技機としては、リール(回転体)などの可動体を有し、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、始動口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置で図柄を変動させた後に図柄を停止表示し、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ遊技機が一例として挙げられる。
【0241】
このようなパチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置により、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄;例えば、777など)を表示し、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口を、例えば、所定の時間または所定の回数、開放させ続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。また、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄)が、確率変動を伴う大当たり図柄(確変図柄)である場合には、次に大当たりとなる確率を高く設定するため、遊技者にとってさらに有利な状態が実現される。
【0242】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0243】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの前面扉を開放した状態の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのエラー解除センサの構成、及びエラー解除の操作方法を示す概要図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのエラー解除操作とエラー解除センサの検知の関係を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンと、スロットマシンに接続される情報提供端子板と、情報提供端子板に接続される情報収集装置の構成を示した概略構成図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外部集中端子板の内部回路構成を示した図である。
【図9】(a)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの状態複合信号の出力基本パターンを示したタイムチャートである。(b)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの状態複合信号に含まれるエラー信号の種類を示す図である。
【図10】(a)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールに施される図柄の配列を示す図である。(b)本発明の一実施形態に係るスロットマシンにおける入賞役の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、及び各入賞役の作動または払出を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS117の遊技メダル払出処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS304の遊技メダル投入受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS403のセレクタ受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態に係るスロットマシンで発生するエラーの種類と、エラー発生時の表示と、エラー状態と、エラー解除方法の一例を示した表である。
【図17】図13のステップS308の常時エラー監視処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図18】図13のステップS309の集中端子板信号設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図12のステップS208、図15のステップS505の通常エラー設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図20】図15のステップS510、図17のステップS607の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図21】(a)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部のメイン処理の流れを示すフローチャートである。(b)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部のコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。(c)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部のストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。(d)本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部のエラーコマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部で検知したエラーのエラー解除方法をエラーの種類別に示した表である。
【図24】図21(b)のステップS1103のコマンド順序判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部が通常エラーを検知した場合のエラー検知及びエラー解除のタイミングを示したタイミングチャートである。
【図26】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部が不正エラーを検知した場合のエラー検知及びエラー解除のタイミングを示したタイミングチャートである。
【図27】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部が不正エラーを検知した場合のエラー検知及びエラー解除のタイミングの変形例を示したタイミングチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラーを検知するエラー検知手段と、
前記エラー検知手段がエラーを検知したことに基づいて、遊技の状態をエラー状態に設定するエラー状態設定手段と、
前記エラー検知手段が検知したエラーの種類に応じて異なったエラー解除方法により、前記エラー状態設定手段が設定したエラー状態を解除するエラー状態解除手段と、
を有することを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記エラー検知手段は、第1の判定パターンに該当する通常エラーと、前記第1の判定パターンとは異なり、不正行為に起因する可能性が前記第1の判定パターンよりも高い第2の判定パターンに該当する不正エラーのそれぞれを検知可能であり、
前記エラー状態解除手段は、
第1のエラー解除方法により、前記通常エラーの検知に伴うエラー状態を解除する第1のエラー状態解除手段と、
第1のエラー解除方法とは異なる第2のエラー解除方法により、前記不正エラーの検知に伴うエラー状態を解除する第2のエラー状態解除手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記第2のエラー解除方法は、前記第1のエラー解除方法よりも、前記エラー状態を解除するための解除条件が多く設定されていることを特徴とする請求項2記載の遊技台。
【請求項4】
前記第1のエラー解除方法は、第1のエラー解除操作で構成され、
前記第2のエラー解除方法は、前記第1のエラー解除操作とは異なる第2のエラー解除操作と、前記第2のエラー解除操作後の予め定めた待機時間の経過と、で構成されていることを特徴とする請求項3記載の遊技台。
【請求項5】
遊技の進行に関する処理を実行する主制御部に電気的に接続され、エラー解除操作を検知する第1の解除操作検知手段と、
各種の情報を報知するため処理を実行する副制御部に電気的に接続され、エラー解除操作を検知する第2の解除操作検知手段と、を備え、
前記第1のエラー解除操作は、前記第1の解除操作検知手段が検知するエラー解除操作であり、
前記第2のエラー解除操作は、前記第1の解除操作検知手段及び前記第2の解除操作検知手段のそれぞれが検知するエラー解除操作であることを特徴とする請求項4記載の遊技台。
【請求項6】
前記第1のエラー解除操作及び前記第2のエラー解除操作は、ともに同一の被操作部に対する操作であるとともに、前記第2のエラー解除操作は、前記第1のエラー解除操作よりも操作量が多く、
前記第1の解除操作検知手段及び前記第2の解除操作検知手段は、前記操作量を検出することにより、それぞれのエラー解除操作を検知することを特徴とする請求項5記載の遊技台。
【請求項7】
前記第1のエラー状態解除手段は、
前記第1の解除操作検知手段によるエラー解除操作の検知に基づいて、前記主制御部におけるエラー状態及び前記副制御部におけるエラー状態の双方を解除し、
前記第2のエラー状態解除手段は、
前記第1の解除操作検知手段によるエラー解除操作の検知に基づいて、前記主制御部におけるエラー状態を解除するとともに、前記第2の解除操作検知手段によるエラー解除操作の検知に基づいて、前記副制御部におけるエラー状態を解除することを特徴とする請求項5又は6記載の遊技台。
【請求項8】
前記エラー状態解除手段は、
前記エラー検知手段が、前記副制御部のみが検知可能なエラーを検知した場合には、前記第1のエラー解除方法及び前記第2のエラー解除方法のいずれとも異なる前記第3のエラー解除方法により、エラー状態を解除し、
前記第3のエラー解除方法は、
前記第2の解除操作検知手段が検知するエラー解除操作で構成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の遊技台。
【請求項9】
複数種類の図柄が施され、回転可能な複数のリールと、
前記複数のリールの回転開始を指示するスタートスイッチと、
予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、
前記抽選手段の抽選結果及び前記ストップスイッチの停止操作に基づいて、前記リールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記複数のリールにより表示された図柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した役の図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段と、
入賞した前記役に基づいて遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、
第1の判定パターンに該当する通常エラーと、前記第1の判定パターンとは異なり、不正行為に起因する可能性が前記第1の判定パターンよりも高い第2の判定パターンに該当する不正エラーのそれぞれを検知可能なエラー検知手段と、
前記エラー検知手段がエラーを検知したことに基づいて、遊技の状態をエラー状態に設定するエラー状態設定手段と、
第1のエラー解除方法により、前記通常エラーの検知に伴うエラー状態を解除し、第1のエラー解除方法とは異なる第2のエラー解除方法により、前記不正エラーの検知に伴うエラー状態を解除するエラー状態解除手段と、
を有することを特徴とする遊技台。
【請求項10】
前記第1のエラー解除方法は、第1のエラー解除操作で構成され、
前記第2のエラー解除方法は、前記第1のエラー解除操作とは異なる第2のエラー解除操作と、前記第2のエラー解除操作後の予め定めた待機時間の経過と、で構成されていることを特徴とする請求項9記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−125488(P2009−125488A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306361(P2007−306361)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】