遊技台
【課題】メダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消する。
【解決手段】遊技台に投入されたメダルが通過する通路の途中の部位において前記通路を開閉するシャッタ部材と14a、シャッタ部材14aが前記通路を開放する開位置と、シャッタ部材が前記通路を閉鎖する閉位置との間でシャッタ部材14aを移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、シャッタ部材14aの位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記駆動制御手段は、シャッタ部材14aが前記閉位置に位置するよう前記駆動手段を制御している場合に、前記位置検出手段の検出結果に基づきシャッタ部材14aが前記閉位置に位置していることが確認できない場合は、シャッタ部材14aを前記開位置側へ移動させる制御と前記閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行う。
【解決手段】遊技台に投入されたメダルが通過する通路の途中の部位において前記通路を開閉するシャッタ部材と14a、シャッタ部材14aが前記通路を開放する開位置と、シャッタ部材が前記通路を閉鎖する閉位置との間でシャッタ部材14aを移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、シャッタ部材14aの位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記駆動制御手段は、シャッタ部材14aが前記閉位置に位置するよう前記駆動手段を制御している場合に、前記位置検出手段の検出結果に基づきシャッタ部材14aが前記閉位置に位置していることが確認できない場合は、シャッタ部材14aを前記開位置側へ移動させる制御と前記閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメダルを投入して遊技を行う遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンのようにメダルを投入して遊技を行い、遊技結果に応じてメダルの払い出しを受ける遊技台では、投入口から投入されてメダル通路を通過するメダルをメダル検出センサで検出し、メダル投入の受け付けを行うようにしている。そこで、メダル通路への器具の挿入等によって、メダル検出センサを誤作動させる不正行為の被害があり、様々な対策が提案されている。例えば、特許文献1には、メダル通路の途中部位において、メダル通路を開閉する開閉機構を設けたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−55198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、メダル通路を開閉する開閉機構を設けた場合、開閉機構によるメダル通路の閉鎖時にメダルが挟み込まれる場合がある。この場合、メダル投入が受け付けられずに遊技者に違和感を与えたり、メダル通路を詰まらせる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、メダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、遊技台に投入されたメダルが通過する通路の途中の部位において前記通路を開閉するシャッタ部材と、前記シャッタ部材が前記通路を開放する開位置と、前記シャッタ部材が前記通路を閉鎖する閉位置との間で前記シャッタ部材を移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、前記シャッタ部材の位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記駆動制御手段は、前記シャッタ部材が前記閉位置に位置するよう前記駆動手段を制御している場合に、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認できない場合は、前記シャッタ部材を前記開位置側へ移動させる制御と前記閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行うことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図。
【図2】スロットマシン100の制御部の回路ブロック図。
【図3】(a)は各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図、(b)はスロットマシン100の入賞役の種類の説明図。
【図4】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図5】メダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20の組立状態を示す斜視図。
【図6】メダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20の分解斜視図。
【図7】通路シャッタ装置10の分解斜視図。
【図8】(a)は通路シャッタ装置10の平面図、(b)は通路シャッタ装置10の背面面図。
【図9】(a)は通路シャッタ装置10の右側面図、(b)は通路シャッタ装置10の左側面図。
【図10】(a)及び(b)はシャッタ部材14及び位置検出センサ15の位置関係を示す斜視図。
【図11】(a)はシャッタ部材14が開位置にある場合、(b)はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示す通路シャッタ装置10の説明図。
【図12】(a)及び(b)はシャッタ部14aの形状の説明図。
【図13】(a)はメダル投入ブロック141の斜視図、(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す斜視図。
【図14】(a)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示すメダル投入ブロック141の底面図、(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す説明図。
【図15】メダルセレクタ20の分解斜視図。
【図16】(a)及び(b)は通路シャッタ装置10の制御内容を示すタイミングチャート。
【図17】(a)乃至(c)は通路シャッタ装置10の制御内容を示すタイミングチャート。
【図18】(a)乃至(c)は連続開閉制御の説明図、(d)は連続開閉制御時の駆動信号の他の例を示す信号波形図。
【図19】メダル投入受付時のシャッタ処理のフローチャート。
【図20】メダル投入受付時のシャッタ処理のフローチャート。
【図21】メダル投入受付時以外のシャッタ処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る遊技台について説明する。この遊技台は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段と、を備えたスロットマシンである。また、このスロットマシンは、メダルを投入するための投入口と、該投入口から投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタと、を備えたスロットマシンである。
【0010】
なお、本発明の実施形態に係る遊技台は、紙幣投入口に紙幣を投入し、ベットおよびスタート操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウトが選択された場合には、レシート発行機から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシンとすることもできる。
【0011】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0012】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0013】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0014】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0015】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0016】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0017】
メダル投入ブロック141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口141aを有する。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141aから実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141aに投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられた後述するメダルセレクタ20を通過し、正規メダルの選別がなされると共に、その通過が検出される。
【0018】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0019】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック141の投入口に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0020】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0024】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0025】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ。)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0027】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
【0028】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信等の割り込み処理を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
【0029】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0030】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、後述するメダルセレクタ20のセンサユニット22のメダル検出センサ、後述する通路シャッタ装置10のメダル検出センサ12及び位置検出センサ15、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0031】
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0032】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0033】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0034】
主制御部300には、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路321、通路シャッタ装置10に設けた電動アクチュエータを駆動する駆動回路322、メダルセレクタ20に設けた電動アクチュエータを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328、を設けている。
【0035】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0036】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0037】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0038】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0039】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0040】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0041】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157やシャッタ163の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
【0042】
<図柄配列>
図3(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0043】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0044】
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0045】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0046】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0047】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
【0048】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0049】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0050】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0051】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
【0052】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
【0053】
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0054】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0055】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0056】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
【0057】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0058】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
【0059】
<主制御部メイン処理>
図4を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図4に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0060】
電源投入が行われると、まず、S1で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0061】
S2ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。この処理ではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS3へ進む。
【0062】
S3では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S4では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役の内部当選フラグをONにする。S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0063】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させる。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した入賞役がある場合は、その入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0064】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0065】
S10では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0066】
<メダル投入ブロック、メダル通路シャッタ装置及びメダルセレクタ>
次に、前面扉102の背面に支持される、メダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20について説明する。図5はメダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20の組立状態を示す斜視図、図6はこれらの分解斜視図である。
【0067】
通路シャッタ装置10は、メダル投入口141aに投入されたメダルが通過するメダル通路への不正器具の挿入を防止することを目的としてメダル通路を開閉するシャッタ機構であり、本実施形態ではメダル通路の途中の部位であるメダル投入ブロック141とメダルセレクタ20との間の部位においてメダル通路を開閉する。通路シャッタ装置10は、メダルセレクタ20の正面側(スロットマシン100の正面側)に位置する。
【0068】
メダルセレクタ20はメダル通路を形成すると共に、正規のメダルと正規のメダルよりも小径の非正規メダルとの選別、メダルの投入受付期間外におけるメダルの返還、メダル投入数計数のための通過メダルの検出を行う。なお、上流側、下流側とはメダルが流れる方向を基準とし、メダル投入口141a側が上流側である。
【0069】
メダル投入口141aへ投入される正規のメダルは、メダル投入ブロック141及びメダルセレクタ20により形成されるメダル通路を通って図5及び図6では不図示のメダル払出装置180へ導かれる。
【0070】
メダル投入ブロック141の投入口へ投入されたメダルは、通路シャッタ装置10が閉鎖状態にある場合はメダルセレクタ20へ進入できずにその場で滞留する。一方、通路シャッタ装置10が開放状態にある場合はメダルセレクタ20へ進入する。そして、その内部で選別され、正規メダルはその通過が検出されると共にメダル払出装置180へ落下する。正規メダルよりも小径の非正規メダル等はメダルセレクタ20で選別されて図1に示したメダル払出口155へ排出(返還)される。
【0071】
<メダルセレクタ>
まず、図6及び図15を参照してメダルセレクタ20の構成について説明する。メダルセレクタ20は公知の構成のものであり、セレクタ本体21と、案内部材24と、カバー部材25と、取付部材26と、を備える。取付部材26側がスロットマシン100の正面側となる。
【0072】
セレクタ本体21は、メダル投入ブロック141を通過したメダルが導入される導入部21aと、セレクタ本体21からメダルが排出される排出口21bとを備え、導入部21aと排出口21bとの間のメダル通路としてメダルを転動させるレール部21cを備える。案内部材24はメダル通路の一方の側壁を形成すると共に、正規メダルよりも小径のメダルは案内せずにメダル通路から脱落させる(メダル払出口155へ返還)。カバー部材25は、セレクタ本体21の下部を覆う部材である。
【0073】
セレクタ本体21には、メダルブロッカ23を備える。メダルブロッカ23は、ブロッカ部材23aと、ブロッカ部材23aを付勢する電動アクチュエータ(本実施形態では電磁ソレノイド)とスプリング等を備え、メダルの投入受付期間中はブロッカ部材23aをメダル通路から退避させる一方、メダルの投入受付期間外はブロッカ部材23aをメダル通路に進入させて、メダルをメダル通路から脱落させる(メダル払出口155へ返還)。なお、メダルの投入受付期間は例えば図4のS2(メダル投入・スタート操作受付)の処理中であって、かつ、クレジットの上限数及び1回の最大ベット数のメダルが投入されていない場合とすることができる。
【0074】
セレクタ本体21には、また、排出口21bの近傍において、メダル通路を通過するメダルを検出する、メダル投入数計数用のセンサを備えたセンサユニット22が設けられている。本実施形態の場合、センサユニット22は、発光素子と受光素子とからなる光センサ(透過型フォトインタラプタ)をメダル通路の流れ方向に2つ備えた構成である場合を想定する。
【0075】
発光素子と受光素子とは、通路の両側に互いに対向するよう配置され、発光素子と受光素子との間をメダルが通過することにより発光素子からの光が遮断されて受光素子が受光しないことを利用してメダルの通過を検出する。また、2つの光センサを、メダルが正常に通過した場合は、上流側の光センサON→下流側の光センサON→上流側の光センサOFF→下流側の光センサOFFとなるように配置することで、その検出結果によりメダルが正常通過したか否かを判定する。
【0076】
取付部材26はセレクタ本体21を前面扉101の背面に固定するための部材であり、本実施形態の場合、メダル投入ブロック141及び通路シャッタ装置10も取付部材26を介して前面扉101の背面に固定される。
【0077】
<通路シャッタ装置>
次に、まず、図5乃至図12を参照して通路シャッタ装置10の構成について説明する。図7は通路シャッタ装置10の分解斜視図、図8(a)は通路シャッタ装置10の平面図、図8(b)は通路シャッタ装置10の背面図、図9(a)は通路シャッタ装置10の右側面図、図9(b)は通路シャッタ装置10の左側面図、図10(a)及び(b)はシャッタ部材14及び位置検出センサ15の位置関係を示す斜視図、図11(a)はシャッタ部材14が開位置にある場合、(b)はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示す通路シャッタ装置10の説明図、図12(a)及び(b)はシャッタ部14aの形状の説明図である。
【0078】
主に図7を参照して、通路シャッタ装置10は、ベース部材11と、ベース部材11に支持される、メダル検出センサ12、駆動機構13、シャッタ部材14及び位置検出センサ15と、を備える。
【0079】
ベース部材11は、その背面側に、メダル検出センサ12、駆動機構13、シャッタ部材14及び位置検出センサ15がそれぞれ取り付けられる取付部11a乃至11dを備える。
【0080】
主に図7及び図10を参照して、シャッタ部材14は全体として略L字型をなした金属製の部材であり、その先端のシャッタ部14aがメダル通路を開閉するシャッタとして機能する。シャッタ部材14は被検知部14bを備え、シャッタ部材14が開位置(シャッタ部14aがメダル通路を開放する位置)にある場合、被検知部14bは位置検出センサ15に検出され、シャッタ部材14が閉位置(シャッタ部14aがメダル通路を閉鎖する位置)にある場合、被検知部14bは位置検出センサ15に検出されない。よって、位置検出センサ15の検出結果によりシャッタ部材14が検出できる。なお、図8、図9はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示している。
【0081】
シャッタ部材14の下部には、取付部11dと係合するスリット14cが形成されている。シャッタ部材14はスリット14cと取付部11dとの係合によりベース部材11に支持され、かつ、この係合位置を中心として開位置と閉位置とで回動可能となっている。シャッタ部材14の最下部には、後述する弾性部材13bが係合する係合部14dが形成されている。
【0082】
主に図6、図7を参照して、駆動機構13は、シャッタ部材14を閉位置と開位置との間で移動させる機構であり、本実施形態の場合、電動アクチュエータ13aと、弾性部材13bと、を備えるが、他の構成も採用可能である。
【0083】
本実施形態の場合、電動アクチュエータ13aは電磁ソレノイドであり、通電時にシャッタ部材14を磁力で吸引することで付勢し、シャッタ部材14を閉位置→開位置に移動させる。弾性部材13bは本実施形態の場合、コイルスプリングであって、その一端がシャッタ部材14の係合部14dに、その他端がベース部材11に取り付けられ、シャッタ部材14を常時、開位置→閉位置に付勢する。
【0084】
しかして、互いに付勢方向が逆である電動アクチュエータ13aによる付勢と、弾性部材13bによる付勢と、によって、シャッタ部材14を開位置と閉位置との間で移動させることができる。なお、本実施形態では、電動アクチュエータ13aによって、シャッタ部材14を閉位置→開位置方向に付勢し、弾性部材13bにより開位置→閉位置方向に付勢する構成としたが、付勢方向を逆としてもよい。但し、シャッタ部材14は基本的には閉位置に位置させることから、本実施形態のように開位置に移動するときに電動アクチュエータ13aに通電する構成とした場合の方が省電力化を図れる。
【0085】
主に図7、図8を参照して、本実施形態のメダル検出センサ12は、メダル投入口141aからスロットマシン100に投入されたメダルを検出するためのセンサであって、発光素子12aと、発光素子12aに対向して配置された受光素子12bと、これらを収容し、これらの間にメダルが通過するスリット12cを形成するコの字状部分を含むケース部と、を備えた透過型フォトインタラプタである。なお、各図において発光素子12aと、受光素子12bとはケース部に内蔵されているため見えない。メダルがスリット12cを通過すると、発光素子12aから受光素子12bへの光の伝達が遮断されてメダルが検出されることになる。
【0086】
本実施形態の位置検出センサ15は、メダル検出センサ12と同様、発光素子15aと、発光素子15aに対向して配置された受光素子15bと、これらを収容し、これらの間にメダルが通過するスリット15cを形成するコの字状部分を含むケース部と、を備えた透過型フォトインタラプタである。なお、各図において発光素子15aと、受光素子15bとはケース部に内蔵されているため見えない。シャッタ部材14の被検知部14bがスリット15cに進入すると、発光素子15aから受光素子15bへの光の伝達が遮断されて被検知部14bが検出されることになる。
【0087】
次に、通路シャッタ装置10の動作について説明する。図11(a)はシャッタ部材14が開位置にある場合を示している。メダル検出センサ12でメダルが検出されると、電動アクチュエータ13aが通電されて磁力によりシャッタ部材14が吸引され、シャッタ部材14が開位置に位置する。弾性部材13bは、より伸長した状態にある。この開位置にある場合はシャッタ部14aは同図に示すようにメダル通路から退避した状態となる。また、被検知部14bが位置検出センサ13により検出されている。符号Pは位置検出センサ13の検知範囲を示している。電動アクチュエータ13aを非通電とすると、弾性部材13bの収縮により、図11(b)に示すようにシャッタ部材14が閉位置に移動することになる。この閉位置にある場合は同図に示すようにシャッタ部14aはメダル通路に進入した状態となる。また、被検知部14bが位置検出センサ13から脱して検出されない。
【0088】
シャッタ部14aは、メダル投入ブロック141とメダルセレクタ20との間の位置であるメダル通路の途中の部位にメダル通路の横断方向に進退してメダル通路を開閉する。図5はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示しており、シャッタ部14aがメダル通路を横断している。センサユニット22よりも上流側であれば、シャッタ部14が開閉するメダル通路の途中部位は同図の位置に限らないが、本実施形態の位置であれば、通路シャッタ装置10を備えない既存の設計のスロットマシンに不正対策として通路シャッタ装置10を後付け的に追加しやすいという利点がある。
【0089】
次に、図12を参照して、シャッタ部14aの形状について説明する。シャッタ部材14が閉位置にある場合にメダルが投入されると、メダルがシャッタ部14a上に乗った状態となる場合がある。この状態からシャッタ部材14aを開位置に移動する場合、シャッタ部14aが上側へ変位すると、そこに乗っているメダルを持ち上げることになるため、電動アクチュエータ13aとして、より大出力のものが必要となる。
【0090】
本実施形態では、シャッタ部14aの上側への変位を抑制するため、シャッタ部14aの形状、特にその上面をシャッタ部材14の回動中心と同心の円弧に沿うようにした。図12(a)はシャッタ部14aをその側方から見た図であり、円弧形状をなしているのが分かる。図12(b)は、その円弧形状の説明図であり、点Cはシャッタ部材14の回動中心(スリット14cと取付部11dとの係合位置)であり、破線円は点Cを中心とした仮想円である。点P1、点P2はシャッタ部14aの両端部(シャッタ部材14の回動方向の両端部)であり、仮想円上に位置している。点P1−点P2間のシャッタ部14aの形状(特に上面の形状)は仮想円に沿って湾曲した円弧状をなしている。
【0091】
シャッタ部14aがこのような形状を有しているため、シャッタ部14a上にメダルが乗っている場合において、シャッタ部材14を開位置へ回動しても、メダルの高さ方向の位置には変化がない。よって、メダルを持ち上げることにならず、電動アクチュエータ13aとして、より大出力のものが必要とならない。
【0092】
<メダル投入ブロック>
次に、図13及び図14を参照してメダル投入ブロック141の構成について説明する。図13(a)はメダル投入ブロック141の斜視図、図14(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す斜視図、図14(a)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示すメダル投入ブロック141の底面図、図14(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す説明図である。
【0093】
図13(a)を参照して、本実施形態の場合、メダル投入ブロック141は、メダル投入ブロック141を取付部材26に取り付けるための取付部141bと、メダル投入口141aに投入されたメダルの移動を案内する案内部1410と、を有している。案内部1410は、メダルを垂直姿勢のまま、その上下方向の移動を案内するものであって、上下方向に直交する2方向のメダルの移動をそれぞれ規制する規制壁1410a、1410bを有している。
【0094】
規制壁1410aは、メダル表裏面の法線方向におけるメダルの移動を規制するよう、正面側、背面側に一対設けられている。規制壁1410bは、メダルの径方向のおけるメダルの移動を規制するよう、両側部側に一対設けられている。
【0095】
本実施形態の場合、メダル検出センサ12のスリット12cは、メダル投入口141aの下方に位置するようメダル検出センサ12が配置され、案内部1410は、メダル検出センサ12のスリット12cに挿入される挿入部1411を有すると共に、規制壁1410aにはスリット1412が形成されている。図13(b)及び(c)並びに図14(a)は挿入部1411がメダル検出センサ12のスリット12cに挿入された状態を示す。
【0096】
本実施形態では、挿入部1411がスリット12cに挿入されているので、スリット12c内において挿入部1411によってメダルの移動が案内されると共に、メダルとメダル検出センサ12との間に挿入部1411が介在するので、メダルとメダル検出センサ12との衝突を防止することができる。
【0097】
また、挿入部1411を含む案内部1410は、メダルの上下方向の移動を案内するので汚れが案内部1410に堆積しにくく、汚れの堆積に起因するメダルの誤検知や故障を回避できる。更に、メダルの上下方向の移動を案内するので、途中で移動方向が左右に曲がる場合に比べて、メダルの姿勢が安定し易く、メダルとメダル検出センサ12との衝突をより確実に防止することができる。
【0098】
次に、図14(b)及び(c)を参照してメダル検出センサ12の検知範囲Pと、周囲の構成との位置関係について説明する。メダル検出センサ12の検知範囲Pは、スリット1412の範囲内に設定されている。したがって、案内部1410の存在により、メダルの検出が妨げられることはない。なお、スリット1412の幅Wはメダルの直径DM未満であるため、案内部1410がメダルの移動を案内するに際して、スリット1412の存在がその障害となることはない。
【0099】
検知範囲Pは、メダル投入口141aの最下部(線L1)からメダルの直径DM以上離間している。このように、メダル検出センサ12を、少なくとも投入口141aからメダルの直径DM分だけ離れた位置においてメダルの通過検出するよう配置することで、遊技者がメダル投入口141aに対して投入を完了した場合にのみメダルが検出され、中途半端に挿入された状態ではメダルが検出されないようにすることができる。
【0100】
なお、案内部1410はメダル投入口141aからスリット12cを超えて延在しているので、検知範囲Pがメダル投入口141aの最下部(線L1)からメダルの直径DM以上離間していても、案内部1410によって、メダル投入口141aからスリット12cに渡って確実にメダルの移動を案内することができる。
【0101】
また、検知範囲Pは、シャッタ部14aが進退するメダル通路の途中の部位から、メダル通路の上流側にメダルの直径DM分の範囲内に設定されている。このため、シャッタ部14aによりメダル通路が閉鎖されている状態で、シャッタ部14a上にメダルが乗っている場合、その存在をメダル検出センサ12によって確実に検出することができる。
【0102】
<シャッタの制御>
<概要>
次に、通路シャッタ装置10に関する処理、特に、メダルの投入受付期間における電動アクチュエータ13aの駆動制御例と、エラー判定の例について説明する。本実施形態の場合、電動アクチュエータ13aの駆動制御やエラー判定は主制御部300のCPU304が割り込み処理により行う。
【0103】
図16(a)及び(b)、図17(a)乃至(c)はメダルの投入受付期間における通路シャッタ装置10の制御内容を示すタイミングチャートである。まず、図16(a)を参照してシャッタ部材14の基本的な開閉制御内容を説明する。
【0104】
CPU304は、メダル検出センサ12の検出結果がOFF(メダル非検出)→ON(メダル検出)に変化したことを契機として、電動アクチュエータ13aに通電を開始する。
【0105】
電動アクチュエータ13aへの通電により、シャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動する。この移動は位置検出センサ15により検出される(位置検出センサ15がONでシャッタ部材14が開位置、OFFで閉位置)。電動アクチュエータ13aへの通電からシャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動するのに若干のタイムラグがあることから、位置検出センサ15の検出結果の変化は図16(a)に示すように電動アクチュエータ13aへの通電から若干のタイムラグがある。
【0106】
その後、メダル検出センサ12の検出結果がON→OFFに変化すると、メダルがメダル検出センサ12を通過したとみなせることから、メダルの投入数のカウント値を1つ加算すると共に、メダルがメダル検出センサ12からシャッタ部14aを通過するのに必要な開放規定時間(ここでは400ms)の経過後に非通電とする。これによりシャッタ部材14が開位置から閉位置へ移動する。
【0107】
開放規定時間は開制御タイマと称するタイマで管理する。開制御タイマは、割り込み周期毎にカウント値をカウントすることで計時するソフトウエアカウンタである。本実施形態では、計時すべき時間に対応した初期値を設定し、割り込み周期毎にカウント値を減算していく形態を想定している。特に説明しないが、CPU304の割り込み処理には、このようなカウンタをカウントする処理が含まれる。
【0108】
メダルの投入数のカウント値は、例えば、メダルセレクタ20のセンサユニット22が計数した数と照合することで、不正行為を含むエラーの発生の検出に役立てることができる。
【0109】
シャッタ部材14が長時間開位置に位置していることは不正行為の観点で好ましくない。よって、本実施形態ではシャッタ部材14が開位置に位置している時間を監視する。この時間の監視は、実開放タイマと称するタイマで管理する。実開放タイマは開制御タイマと同様のソフトウエアカウンタである。
【0110】
次に、図16(b)を参照して、メダルが連続投入された場合について説明する。本実施形態の場合、上記の通り、CPU304は、メダル検出センサ12の検出結果がOFF→ONに変化したことを契機として電動アクチュエータ13aに通電を開始するが、開放規定時間が経過する前に次のメダルが投入されてメダル検出センサ12の検出結果がOFF→ONに変化した場合は、計時を中止し、次にメダル検出センサ12の検出結果がOFF→ONに変化したことを契機として、開放規定時間を再び計時し直すこととしている。メダル投入1枚毎にシャッタ部材14を閉位置に移動しないことで、メダルの連続投入を円滑なものとすることができる。
【0111】
一方、この結果、開放規定時間を超えて電動アクチュエータ13aへの連続通電がなされてシャッタ部材14が長時間開位置のままとなる場合がある。そこで、メダル検出センサ12の検出結果がON→OFFに変化した時に、実開放タイマの計時結果から判断して、シャッタ部材14が連続開放規定時間(ここでは800ms)を超えて連続して開位置にある場合は、開制御タイマの計時結果が開放規定時間に達していなくても、図17(a)に示すように、電動アクチュエータ13aには非通電として、シャッタ部材14を閉位置に移動させる。そして、閉鎖規定時間(ここでは100ms)を経過するか、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されるまで、メダル検出センサ12の検出結果にかかわらず、電動アクチュエータ13aには非通電とする。この閉鎖規定時間の監視は、強制閉制御タイマと称するタイマで管理する。強制閉制御タイマも開制御タイマと同様のソフトウエアカウンタである。閉鎖規定時間は、通電→非通電への切替から、シャッタ部材14が閉位置に戻るのに必要な時間を確保すべく設定される。
【0112】
閉鎖規定時間を経過したにも関わらず、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されない場合は、シャッタ部14aがメダルや不正器具を挟みこんでいて、シャッタ部材14が閉位置に移動できないものと考えられる。
【0113】
そこで、本実施形態では、このようにシャッタ部材14が閉位置に位置するよう駆動機構13の電動アクチュエータ13aを制御している場合に、位置検出センサ15の検出結果に基づきシャッタ部材14が閉位置に位置していることが確認できない場合は、図17(c)に示すようにシャッタ部材14を開位置側へ移動させる制御と閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行う。位置検出センサ15の検出結果に基づきシャッタ部材14が閉位置に位置していることが確認できた場合は、図16(a)に示すように、メダル検出センサ12の検出結果がONであれば、電動アクチュエータ13aに通電を開始する。
【0114】
連続移動制御では、電動アクチュエータ13aの付勢力によりシャッタ部材14を開位置側へ移動させる第1制御と、弾性部材13bの付勢力によりシャッタ部材14を閉位置側へ移動させる第2制御とを交互に繰り返す。本実施形態では、第1制御は電動アクチュエータ13aへの通電を行う制御であり、通電時間は開制御タイマで管理する(ここでは1回につき5ms)。第2制御は電動アクチュエータ13aへの通電を行わない、非通電とする制御であり、非通電時間は強制閉制御タイマで管理する(ここでは1回につき100ms)。
【0115】
このような連続移動制御を行うことで、シャッタ部14aが連続的にメダル通路を開閉する。シャッタ部14aがメダルを挟みこんでいた場合には、図18(a)乃至(c)に示すように、シャッタ部14aが連続的にメダル通路を開閉することで、挟まれているメダルが徐々に落下して、最終的にメダルセレクタ20へ移動することになる。こうして本実施形態ではメダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消することができる。
【0116】
このような連続移動制御において、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出された場合は、連続移動制御を終了して、通常の制御に戻ることになる。連続移動制御中、メダルの挟み込みが解消された場合には、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されるよう、シャッタ部材14が閉位置に移動することが必要とされるが、開閉周期を速くすると、シャッタ部材14が閉位置に到達する前に開位置に戻ってしまう場合があり、メダルの挟み込みが解消された後も、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されない場合が想定される。
【0117】
そこで、本実施形態では、第2制御の実行時間は、シャッタ部材14が弾性部材13bの付勢により開位置から閉位置へ戻るのに要する時間よりも長い時間としている。詳細には、本実施形態の構成を備えた試験機で測定したところ、弾性部材13bの付勢により開位置から閉位置へ戻るのに要する時間が30ms〜50ms程度であったが、この時間を考慮して、本実施形態では、強制閉制御タイマの計時時間を100msとして十分に長くし、非通電時間を十分に長くする。こうすることで、メダルの挟み込みが解消された場合に、シャッタ部材14が確実に閉位置に戻るようにすることができる。
【0118】
また、メダルの挟み込みを解消するためには、シャッタ部材14が完全に開位置に移動する必要はなく、メダルを挟み力を弱めることができればよい。そこで、本実施形態では、シャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動するに要する時間を考慮して、閉制御タイマの計時時間を短くしている。詳細には、本実施形態の構成を備えた試験機で測定したところ、電動アクチュエータ13aへ通電を行うことによりシャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動するのに要する時間は12ms〜15ms程度であったが、この時間を考慮して、本実施形態では、閉制御タイマの計時時間を5msと短くし、通電時間を短くしている。こうすることで、シャッタ部14aのメダルを挟む力は、通常よりも弱められ、メダルが落下するようになる。
【0119】
同様の観点で、閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力(メダルを挟む力)は、メダルを挟んでいない場合にシャッタ部材14が閉位置へ戻れる範囲で、通常よりも弱められることが好ましい。本実施形態の場合、閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力は弾性部材13bの復元力により定まるが、電動アクチュエータ13aに対して、少し通電してやることで、シャッタ部14aの移動力を弱めることができる。
【0120】
図18(d)はその一例であり、図17(b)の例では第2制御は電動アクチュエータ13aへの通電を行わない、非通電とする制御としたが、図18(d)の例では第2制御においても、若干の通電を行っている。この通電により、電動アクチュエータ13aが若干の磁力を発揮してシャッタ部材14を開位置側へ吸引するので、閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力を弱めることができる。通電量は、弾性部材13bによるシャッタ部材14の閉位置への移動を妨げない範囲のものとする。
【0121】
なお、本実施形態の付勢方向とは逆に、電動アクチュエータ13aの付勢力によりシャッタ部材14を開位置→閉位置に付勢し、弾性部材13bの付勢力によりシャッタ部材14を閉位置→開位置に付勢する構成の場合も、連続移動制御は電動アクチュエータ13aへの通電、非通電を交互に行うことで可能であるが、上記の通り閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力(メダルを挟む力)を弱める場合は、通電時の通電量を通常よりも少なくすればよい。
【0122】
次に、シャッタ部14aに挟まれているのがメダルの場合は、上記の通り、連続移動制御によりこれを解消できるが、不正器具の場合は、通常、メダル通路に滞留したままで使用されるので、連続移動制御を行ってもメダル通路から脱することはなく、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されない。したがって、位置検出センサ15はシャッタ部材14が開位置に位置していることを検出したままの状態が継続する。
【0123】
そこで、このような場合も含めてエラーを判定すべく、本実施形態では、図17(c)に示すように、実開放タイマの計時結果から判断して、シャッタ部材14がエラー開放規定時間(ここでは1850ms)を超えて開位置にある場合はエラー処理を行う。エラー処理としては、遊技の中断、警報音の出力、ランプ等の発光、スロットマシンの設置島のランプの発光、ホールコンピュータへエラー情報(エラーがあったことと、そのスロットマシン等の情報)の送信等が挙げられる。こうして、本実施形態では、連続移動制御を行うことで、メダルの挟み込みの場合と、不正器具挿入の場合とを区別することができる。
【0124】
<処理例>
<メダルの投入受付期間における処理>
次に、上記の通路シャッタ装置10に関するCPU304の処理例について説明する。上記の通り、本実施形態では、電動アクチュエータ13aの駆動制御やエラー判定は主制御部300のCPU304が割り込み処理により行う。図19及び図20はメダルの投入受付期間における通路シャッタ装置10に関する割り込み処理例(シャッタ処理)を示すフローチャートである。
【0125】
S21では、位置検出センサ15の検出結果を取得して、シャッタ部材14が開位置にあるか否かを判定する。該当する場合はS22へ進み、該当しない場合はS30へ進む。S30では、シャッタ部材14が閉位置にあるので、強制閉制御タイマ及び開制御タイマをいずれも0に設定する。S31では実開放タイマによる計時を停止してS24へ進む。
【0126】
S22では、シャッタ部材14が開位置にあるので、閉位置から開位置に移動した直後か否かを判定すべく、実開放タイマによる計時を停止中かを判定する。該当する場合はS23へ進み、該当しない場合(閉位置から開位置に移動した直後ではない場合)はS24へ進む。
【0127】
S23では、実開放タイマによる計時を開始する。より具体的には、予め定めた初期値をカウント値として設定する。このカウント値は割り込み周期毎に減算されていく。他のタイマも同様の仕組みである。S24では実開放タイマによる計時時間が、エラー開放規定時間(1850ms)に達しているか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、エラー処理を行い、一単位の処理を終了する。該当しない場合はS25へ進む。
【0128】
S25では、メダル検出センサ12の検出結果を取得して、今回取得した検出結果と前回取得した検出結果とから、検出結果がON→OFFに変化したか否かを判定する。該当する場合はS26へ進み、該当しない場合はS33へ進む。S26ではメダルの投入枚数のカウント値を1つ加算する。S27では、実開放タイマによる計時時間が、連続開放規定時間(800ms)に達しているか否かを判定する。該当する場合はS29へ進み、該当しない場合はS28へ進む。
【0129】
S28では、実開放タイマによる計時時間が連続開放規定時間に達していないので、通常の制御(図16(a)、(b))とすべく、強制閉制御タイマに0、開制御タイマに400msに相当するカウント値を設定する。S28では、実開放タイマによる計時時間が連続開放規定時間に達しているので、シャッタ部材14を閉位置に強制的に移動する制御(図17(a)、(b))とすべく、強制閉制御タイマに100msに相当するカウント値を、開制御タイマに0を設定する。
【0130】
S33では、開制御タイマのカウント値が0か否かを判定する。0でない場合は、電動アクチュエータ13aへの通電を行うべく、S38へ進む。0の場合はS34へ進む。
【0131】
S34では強制閉制御タイマのカウント値が0か否かを判定する。0でない場合は、電動アクチュエータ13aに非通電とすべく、S39へ進む。0の場合はS35へ進む。
【0132】
S35では、メダル検出センサ12の検出結果を取得して、メダルを検出中か否かを判定する。該当する場合は、開制御タイマが0で、強制閉制御タイマが0で、かつ、メダル検出センサ12がメダルを検出した場合であり、シャッタ部材14を開位置に移動して、メダルを通過させる場合であるので、S38へ進んで電動アクチュエータ13aへの通電を行うべく、S38へ進む。該当しない場合はS36へ進む。
【0133】
S36では、位置検出センサ15の検出結果を取得して、シャッタ部材14が開位置にあるか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は、シャッタ部材14が閉位置にある場合であるので、非通電状態を維持すべく、S39へ進む。
【0134】
S37では、連続移動制御を行うべく、強制閉制御タイマに100ms、開制御タイマに5msに相当するカウント値を設定する。
【0135】
S38では電動アクチュエータ13aに通電し、S39では電動アクチュエータ13aに非通電とする。その後、一単位の処理を終了する。
【0136】
<メダルの投入受付期間外(非受付中)における処理>
本実施形態の場合、メダルの投入受付期間外においては、シャッタ部材14は常時閉位置のままとする。よって、開位置にある場合は、不正にこじ開けられている可能性があるとしてエラー処理とする。また、シャッタ部材14が閉位置にある場合も、メダル検出センサ12でメダルが検出された場合、閉じているシャッタ部14a上にメダルが乗ったままとなっていて、遊技者が気づいていないと想定されることから、エラー処理とする。
【0137】
図21はメダルの投入受付期間外における通路シャッタ装置10に関するCPU304の処理例(割り込み処理のシャッタ処理)である。
【0138】
S41では、位置検出センサ15の検出結果を取得して、シャッタ部材14が開位置にあるか否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合(閉位置にある場合)はS42へ進む。S42では、メダル検出センサ12の検出結果を取得して、メダルが検出されたか否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S43ではエラー処理を行う。処理の内容としては、上記のエラー処理の例と同様のものを挙げられる。
【技術分野】
【0001】
本発明はメダルを投入して遊技を行う遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンのようにメダルを投入して遊技を行い、遊技結果に応じてメダルの払い出しを受ける遊技台では、投入口から投入されてメダル通路を通過するメダルをメダル検出センサで検出し、メダル投入の受け付けを行うようにしている。そこで、メダル通路への器具の挿入等によって、メダル検出センサを誤作動させる不正行為の被害があり、様々な対策が提案されている。例えば、特許文献1には、メダル通路の途中部位において、メダル通路を開閉する開閉機構を設けたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−55198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、メダル通路を開閉する開閉機構を設けた場合、開閉機構によるメダル通路の閉鎖時にメダルが挟み込まれる場合がある。この場合、メダル投入が受け付けられずに遊技者に違和感を与えたり、メダル通路を詰まらせる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、メダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、遊技台に投入されたメダルが通過する通路の途中の部位において前記通路を開閉するシャッタ部材と、前記シャッタ部材が前記通路を開放する開位置と、前記シャッタ部材が前記通路を閉鎖する閉位置との間で前記シャッタ部材を移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、前記シャッタ部材の位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記駆動制御手段は、前記シャッタ部材が前記閉位置に位置するよう前記駆動手段を制御している場合に、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認できない場合は、前記シャッタ部材を前記開位置側へ移動させる制御と前記閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行うことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図。
【図2】スロットマシン100の制御部の回路ブロック図。
【図3】(a)は各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図、(b)はスロットマシン100の入賞役の種類の説明図。
【図4】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図5】メダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20の組立状態を示す斜視図。
【図6】メダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20の分解斜視図。
【図7】通路シャッタ装置10の分解斜視図。
【図8】(a)は通路シャッタ装置10の平面図、(b)は通路シャッタ装置10の背面面図。
【図9】(a)は通路シャッタ装置10の右側面図、(b)は通路シャッタ装置10の左側面図。
【図10】(a)及び(b)はシャッタ部材14及び位置検出センサ15の位置関係を示す斜視図。
【図11】(a)はシャッタ部材14が開位置にある場合、(b)はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示す通路シャッタ装置10の説明図。
【図12】(a)及び(b)はシャッタ部14aの形状の説明図。
【図13】(a)はメダル投入ブロック141の斜視図、(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す斜視図。
【図14】(a)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示すメダル投入ブロック141の底面図、(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す説明図。
【図15】メダルセレクタ20の分解斜視図。
【図16】(a)及び(b)は通路シャッタ装置10の制御内容を示すタイミングチャート。
【図17】(a)乃至(c)は通路シャッタ装置10の制御内容を示すタイミングチャート。
【図18】(a)乃至(c)は連続開閉制御の説明図、(d)は連続開閉制御時の駆動信号の他の例を示す信号波形図。
【図19】メダル投入受付時のシャッタ処理のフローチャート。
【図20】メダル投入受付時のシャッタ処理のフローチャート。
【図21】メダル投入受付時以外のシャッタ処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る遊技台について説明する。この遊技台は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段と、を備えたスロットマシンである。また、このスロットマシンは、メダルを投入するための投入口と、該投入口から投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタと、を備えたスロットマシンである。
【0010】
なお、本発明の実施形態に係る遊技台は、紙幣投入口に紙幣を投入し、ベットおよびスタート操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウトが選択された場合には、レシート発行機から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシンとすることもできる。
【0011】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0012】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0013】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0014】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0015】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0016】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0017】
メダル投入ブロック141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口141aを有する。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141aから実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141aに投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられた後述するメダルセレクタ20を通過し、正規メダルの選別がなされると共に、その通過が検出される。
【0018】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0019】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック141の投入口に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0020】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0024】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0025】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ。)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0027】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
【0028】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信等の割り込み処理を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
【0029】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0030】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、後述するメダルセレクタ20のセンサユニット22のメダル検出センサ、後述する通路シャッタ装置10のメダル検出センサ12及び位置検出センサ15、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0031】
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0032】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0033】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0034】
主制御部300には、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路321、通路シャッタ装置10に設けた電動アクチュエータを駆動する駆動回路322、メダルセレクタ20に設けた電動アクチュエータを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328、を設けている。
【0035】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0036】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0037】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0038】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0039】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0040】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0041】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157やシャッタ163の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
【0042】
<図柄配列>
図3(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0043】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0044】
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0045】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0046】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0047】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
【0048】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0049】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0050】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0051】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
【0052】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
【0053】
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0054】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0055】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0056】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
【0057】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0058】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
【0059】
<主制御部メイン処理>
図4を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図4に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0060】
電源投入が行われると、まず、S1で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0061】
S2ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。この処理ではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS3へ進む。
【0062】
S3では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S4では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役の内部当選フラグをONにする。S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0063】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させる。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した入賞役がある場合は、その入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0064】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0065】
S10では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0066】
<メダル投入ブロック、メダル通路シャッタ装置及びメダルセレクタ>
次に、前面扉102の背面に支持される、メダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20について説明する。図5はメダル投入ブロック141、通路シャッタ装置10及びメダルセレクタ20の組立状態を示す斜視図、図6はこれらの分解斜視図である。
【0067】
通路シャッタ装置10は、メダル投入口141aに投入されたメダルが通過するメダル通路への不正器具の挿入を防止することを目的としてメダル通路を開閉するシャッタ機構であり、本実施形態ではメダル通路の途中の部位であるメダル投入ブロック141とメダルセレクタ20との間の部位においてメダル通路を開閉する。通路シャッタ装置10は、メダルセレクタ20の正面側(スロットマシン100の正面側)に位置する。
【0068】
メダルセレクタ20はメダル通路を形成すると共に、正規のメダルと正規のメダルよりも小径の非正規メダルとの選別、メダルの投入受付期間外におけるメダルの返還、メダル投入数計数のための通過メダルの検出を行う。なお、上流側、下流側とはメダルが流れる方向を基準とし、メダル投入口141a側が上流側である。
【0069】
メダル投入口141aへ投入される正規のメダルは、メダル投入ブロック141及びメダルセレクタ20により形成されるメダル通路を通って図5及び図6では不図示のメダル払出装置180へ導かれる。
【0070】
メダル投入ブロック141の投入口へ投入されたメダルは、通路シャッタ装置10が閉鎖状態にある場合はメダルセレクタ20へ進入できずにその場で滞留する。一方、通路シャッタ装置10が開放状態にある場合はメダルセレクタ20へ進入する。そして、その内部で選別され、正規メダルはその通過が検出されると共にメダル払出装置180へ落下する。正規メダルよりも小径の非正規メダル等はメダルセレクタ20で選別されて図1に示したメダル払出口155へ排出(返還)される。
【0071】
<メダルセレクタ>
まず、図6及び図15を参照してメダルセレクタ20の構成について説明する。メダルセレクタ20は公知の構成のものであり、セレクタ本体21と、案内部材24と、カバー部材25と、取付部材26と、を備える。取付部材26側がスロットマシン100の正面側となる。
【0072】
セレクタ本体21は、メダル投入ブロック141を通過したメダルが導入される導入部21aと、セレクタ本体21からメダルが排出される排出口21bとを備え、導入部21aと排出口21bとの間のメダル通路としてメダルを転動させるレール部21cを備える。案内部材24はメダル通路の一方の側壁を形成すると共に、正規メダルよりも小径のメダルは案内せずにメダル通路から脱落させる(メダル払出口155へ返還)。カバー部材25は、セレクタ本体21の下部を覆う部材である。
【0073】
セレクタ本体21には、メダルブロッカ23を備える。メダルブロッカ23は、ブロッカ部材23aと、ブロッカ部材23aを付勢する電動アクチュエータ(本実施形態では電磁ソレノイド)とスプリング等を備え、メダルの投入受付期間中はブロッカ部材23aをメダル通路から退避させる一方、メダルの投入受付期間外はブロッカ部材23aをメダル通路に進入させて、メダルをメダル通路から脱落させる(メダル払出口155へ返還)。なお、メダルの投入受付期間は例えば図4のS2(メダル投入・スタート操作受付)の処理中であって、かつ、クレジットの上限数及び1回の最大ベット数のメダルが投入されていない場合とすることができる。
【0074】
セレクタ本体21には、また、排出口21bの近傍において、メダル通路を通過するメダルを検出する、メダル投入数計数用のセンサを備えたセンサユニット22が設けられている。本実施形態の場合、センサユニット22は、発光素子と受光素子とからなる光センサ(透過型フォトインタラプタ)をメダル通路の流れ方向に2つ備えた構成である場合を想定する。
【0075】
発光素子と受光素子とは、通路の両側に互いに対向するよう配置され、発光素子と受光素子との間をメダルが通過することにより発光素子からの光が遮断されて受光素子が受光しないことを利用してメダルの通過を検出する。また、2つの光センサを、メダルが正常に通過した場合は、上流側の光センサON→下流側の光センサON→上流側の光センサOFF→下流側の光センサOFFとなるように配置することで、その検出結果によりメダルが正常通過したか否かを判定する。
【0076】
取付部材26はセレクタ本体21を前面扉101の背面に固定するための部材であり、本実施形態の場合、メダル投入ブロック141及び通路シャッタ装置10も取付部材26を介して前面扉101の背面に固定される。
【0077】
<通路シャッタ装置>
次に、まず、図5乃至図12を参照して通路シャッタ装置10の構成について説明する。図7は通路シャッタ装置10の分解斜視図、図8(a)は通路シャッタ装置10の平面図、図8(b)は通路シャッタ装置10の背面図、図9(a)は通路シャッタ装置10の右側面図、図9(b)は通路シャッタ装置10の左側面図、図10(a)及び(b)はシャッタ部材14及び位置検出センサ15の位置関係を示す斜視図、図11(a)はシャッタ部材14が開位置にある場合、(b)はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示す通路シャッタ装置10の説明図、図12(a)及び(b)はシャッタ部14aの形状の説明図である。
【0078】
主に図7を参照して、通路シャッタ装置10は、ベース部材11と、ベース部材11に支持される、メダル検出センサ12、駆動機構13、シャッタ部材14及び位置検出センサ15と、を備える。
【0079】
ベース部材11は、その背面側に、メダル検出センサ12、駆動機構13、シャッタ部材14及び位置検出センサ15がそれぞれ取り付けられる取付部11a乃至11dを備える。
【0080】
主に図7及び図10を参照して、シャッタ部材14は全体として略L字型をなした金属製の部材であり、その先端のシャッタ部14aがメダル通路を開閉するシャッタとして機能する。シャッタ部材14は被検知部14bを備え、シャッタ部材14が開位置(シャッタ部14aがメダル通路を開放する位置)にある場合、被検知部14bは位置検出センサ15に検出され、シャッタ部材14が閉位置(シャッタ部14aがメダル通路を閉鎖する位置)にある場合、被検知部14bは位置検出センサ15に検出されない。よって、位置検出センサ15の検出結果によりシャッタ部材14が検出できる。なお、図8、図9はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示している。
【0081】
シャッタ部材14の下部には、取付部11dと係合するスリット14cが形成されている。シャッタ部材14はスリット14cと取付部11dとの係合によりベース部材11に支持され、かつ、この係合位置を中心として開位置と閉位置とで回動可能となっている。シャッタ部材14の最下部には、後述する弾性部材13bが係合する係合部14dが形成されている。
【0082】
主に図6、図7を参照して、駆動機構13は、シャッタ部材14を閉位置と開位置との間で移動させる機構であり、本実施形態の場合、電動アクチュエータ13aと、弾性部材13bと、を備えるが、他の構成も採用可能である。
【0083】
本実施形態の場合、電動アクチュエータ13aは電磁ソレノイドであり、通電時にシャッタ部材14を磁力で吸引することで付勢し、シャッタ部材14を閉位置→開位置に移動させる。弾性部材13bは本実施形態の場合、コイルスプリングであって、その一端がシャッタ部材14の係合部14dに、その他端がベース部材11に取り付けられ、シャッタ部材14を常時、開位置→閉位置に付勢する。
【0084】
しかして、互いに付勢方向が逆である電動アクチュエータ13aによる付勢と、弾性部材13bによる付勢と、によって、シャッタ部材14を開位置と閉位置との間で移動させることができる。なお、本実施形態では、電動アクチュエータ13aによって、シャッタ部材14を閉位置→開位置方向に付勢し、弾性部材13bにより開位置→閉位置方向に付勢する構成としたが、付勢方向を逆としてもよい。但し、シャッタ部材14は基本的には閉位置に位置させることから、本実施形態のように開位置に移動するときに電動アクチュエータ13aに通電する構成とした場合の方が省電力化を図れる。
【0085】
主に図7、図8を参照して、本実施形態のメダル検出センサ12は、メダル投入口141aからスロットマシン100に投入されたメダルを検出するためのセンサであって、発光素子12aと、発光素子12aに対向して配置された受光素子12bと、これらを収容し、これらの間にメダルが通過するスリット12cを形成するコの字状部分を含むケース部と、を備えた透過型フォトインタラプタである。なお、各図において発光素子12aと、受光素子12bとはケース部に内蔵されているため見えない。メダルがスリット12cを通過すると、発光素子12aから受光素子12bへの光の伝達が遮断されてメダルが検出されることになる。
【0086】
本実施形態の位置検出センサ15は、メダル検出センサ12と同様、発光素子15aと、発光素子15aに対向して配置された受光素子15bと、これらを収容し、これらの間にメダルが通過するスリット15cを形成するコの字状部分を含むケース部と、を備えた透過型フォトインタラプタである。なお、各図において発光素子15aと、受光素子15bとはケース部に内蔵されているため見えない。シャッタ部材14の被検知部14bがスリット15cに進入すると、発光素子15aから受光素子15bへの光の伝達が遮断されて被検知部14bが検出されることになる。
【0087】
次に、通路シャッタ装置10の動作について説明する。図11(a)はシャッタ部材14が開位置にある場合を示している。メダル検出センサ12でメダルが検出されると、電動アクチュエータ13aが通電されて磁力によりシャッタ部材14が吸引され、シャッタ部材14が開位置に位置する。弾性部材13bは、より伸長した状態にある。この開位置にある場合はシャッタ部14aは同図に示すようにメダル通路から退避した状態となる。また、被検知部14bが位置検出センサ13により検出されている。符号Pは位置検出センサ13の検知範囲を示している。電動アクチュエータ13aを非通電とすると、弾性部材13bの収縮により、図11(b)に示すようにシャッタ部材14が閉位置に移動することになる。この閉位置にある場合は同図に示すようにシャッタ部14aはメダル通路に進入した状態となる。また、被検知部14bが位置検出センサ13から脱して検出されない。
【0088】
シャッタ部14aは、メダル投入ブロック141とメダルセレクタ20との間の位置であるメダル通路の途中の部位にメダル通路の横断方向に進退してメダル通路を開閉する。図5はシャッタ部材14が閉位置にある場合を示しており、シャッタ部14aがメダル通路を横断している。センサユニット22よりも上流側であれば、シャッタ部14が開閉するメダル通路の途中部位は同図の位置に限らないが、本実施形態の位置であれば、通路シャッタ装置10を備えない既存の設計のスロットマシンに不正対策として通路シャッタ装置10を後付け的に追加しやすいという利点がある。
【0089】
次に、図12を参照して、シャッタ部14aの形状について説明する。シャッタ部材14が閉位置にある場合にメダルが投入されると、メダルがシャッタ部14a上に乗った状態となる場合がある。この状態からシャッタ部材14aを開位置に移動する場合、シャッタ部14aが上側へ変位すると、そこに乗っているメダルを持ち上げることになるため、電動アクチュエータ13aとして、より大出力のものが必要となる。
【0090】
本実施形態では、シャッタ部14aの上側への変位を抑制するため、シャッタ部14aの形状、特にその上面をシャッタ部材14の回動中心と同心の円弧に沿うようにした。図12(a)はシャッタ部14aをその側方から見た図であり、円弧形状をなしているのが分かる。図12(b)は、その円弧形状の説明図であり、点Cはシャッタ部材14の回動中心(スリット14cと取付部11dとの係合位置)であり、破線円は点Cを中心とした仮想円である。点P1、点P2はシャッタ部14aの両端部(シャッタ部材14の回動方向の両端部)であり、仮想円上に位置している。点P1−点P2間のシャッタ部14aの形状(特に上面の形状)は仮想円に沿って湾曲した円弧状をなしている。
【0091】
シャッタ部14aがこのような形状を有しているため、シャッタ部14a上にメダルが乗っている場合において、シャッタ部材14を開位置へ回動しても、メダルの高さ方向の位置には変化がない。よって、メダルを持ち上げることにならず、電動アクチュエータ13aとして、より大出力のものが必要とならない。
【0092】
<メダル投入ブロック>
次に、図13及び図14を参照してメダル投入ブロック141の構成について説明する。図13(a)はメダル投入ブロック141の斜視図、図14(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す斜視図、図14(a)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示すメダル投入ブロック141の底面図、図14(b)及び(c)はメダル投入ブロック141及びメダル検出センサ12の位置関係を示す説明図である。
【0093】
図13(a)を参照して、本実施形態の場合、メダル投入ブロック141は、メダル投入ブロック141を取付部材26に取り付けるための取付部141bと、メダル投入口141aに投入されたメダルの移動を案内する案内部1410と、を有している。案内部1410は、メダルを垂直姿勢のまま、その上下方向の移動を案内するものであって、上下方向に直交する2方向のメダルの移動をそれぞれ規制する規制壁1410a、1410bを有している。
【0094】
規制壁1410aは、メダル表裏面の法線方向におけるメダルの移動を規制するよう、正面側、背面側に一対設けられている。規制壁1410bは、メダルの径方向のおけるメダルの移動を規制するよう、両側部側に一対設けられている。
【0095】
本実施形態の場合、メダル検出センサ12のスリット12cは、メダル投入口141aの下方に位置するようメダル検出センサ12が配置され、案内部1410は、メダル検出センサ12のスリット12cに挿入される挿入部1411を有すると共に、規制壁1410aにはスリット1412が形成されている。図13(b)及び(c)並びに図14(a)は挿入部1411がメダル検出センサ12のスリット12cに挿入された状態を示す。
【0096】
本実施形態では、挿入部1411がスリット12cに挿入されているので、スリット12c内において挿入部1411によってメダルの移動が案内されると共に、メダルとメダル検出センサ12との間に挿入部1411が介在するので、メダルとメダル検出センサ12との衝突を防止することができる。
【0097】
また、挿入部1411を含む案内部1410は、メダルの上下方向の移動を案内するので汚れが案内部1410に堆積しにくく、汚れの堆積に起因するメダルの誤検知や故障を回避できる。更に、メダルの上下方向の移動を案内するので、途中で移動方向が左右に曲がる場合に比べて、メダルの姿勢が安定し易く、メダルとメダル検出センサ12との衝突をより確実に防止することができる。
【0098】
次に、図14(b)及び(c)を参照してメダル検出センサ12の検知範囲Pと、周囲の構成との位置関係について説明する。メダル検出センサ12の検知範囲Pは、スリット1412の範囲内に設定されている。したがって、案内部1410の存在により、メダルの検出が妨げられることはない。なお、スリット1412の幅Wはメダルの直径DM未満であるため、案内部1410がメダルの移動を案内するに際して、スリット1412の存在がその障害となることはない。
【0099】
検知範囲Pは、メダル投入口141aの最下部(線L1)からメダルの直径DM以上離間している。このように、メダル検出センサ12を、少なくとも投入口141aからメダルの直径DM分だけ離れた位置においてメダルの通過検出するよう配置することで、遊技者がメダル投入口141aに対して投入を完了した場合にのみメダルが検出され、中途半端に挿入された状態ではメダルが検出されないようにすることができる。
【0100】
なお、案内部1410はメダル投入口141aからスリット12cを超えて延在しているので、検知範囲Pがメダル投入口141aの最下部(線L1)からメダルの直径DM以上離間していても、案内部1410によって、メダル投入口141aからスリット12cに渡って確実にメダルの移動を案内することができる。
【0101】
また、検知範囲Pは、シャッタ部14aが進退するメダル通路の途中の部位から、メダル通路の上流側にメダルの直径DM分の範囲内に設定されている。このため、シャッタ部14aによりメダル通路が閉鎖されている状態で、シャッタ部14a上にメダルが乗っている場合、その存在をメダル検出センサ12によって確実に検出することができる。
【0102】
<シャッタの制御>
<概要>
次に、通路シャッタ装置10に関する処理、特に、メダルの投入受付期間における電動アクチュエータ13aの駆動制御例と、エラー判定の例について説明する。本実施形態の場合、電動アクチュエータ13aの駆動制御やエラー判定は主制御部300のCPU304が割り込み処理により行う。
【0103】
図16(a)及び(b)、図17(a)乃至(c)はメダルの投入受付期間における通路シャッタ装置10の制御内容を示すタイミングチャートである。まず、図16(a)を参照してシャッタ部材14の基本的な開閉制御内容を説明する。
【0104】
CPU304は、メダル検出センサ12の検出結果がOFF(メダル非検出)→ON(メダル検出)に変化したことを契機として、電動アクチュエータ13aに通電を開始する。
【0105】
電動アクチュエータ13aへの通電により、シャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動する。この移動は位置検出センサ15により検出される(位置検出センサ15がONでシャッタ部材14が開位置、OFFで閉位置)。電動アクチュエータ13aへの通電からシャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動するのに若干のタイムラグがあることから、位置検出センサ15の検出結果の変化は図16(a)に示すように電動アクチュエータ13aへの通電から若干のタイムラグがある。
【0106】
その後、メダル検出センサ12の検出結果がON→OFFに変化すると、メダルがメダル検出センサ12を通過したとみなせることから、メダルの投入数のカウント値を1つ加算すると共に、メダルがメダル検出センサ12からシャッタ部14aを通過するのに必要な開放規定時間(ここでは400ms)の経過後に非通電とする。これによりシャッタ部材14が開位置から閉位置へ移動する。
【0107】
開放規定時間は開制御タイマと称するタイマで管理する。開制御タイマは、割り込み周期毎にカウント値をカウントすることで計時するソフトウエアカウンタである。本実施形態では、計時すべき時間に対応した初期値を設定し、割り込み周期毎にカウント値を減算していく形態を想定している。特に説明しないが、CPU304の割り込み処理には、このようなカウンタをカウントする処理が含まれる。
【0108】
メダルの投入数のカウント値は、例えば、メダルセレクタ20のセンサユニット22が計数した数と照合することで、不正行為を含むエラーの発生の検出に役立てることができる。
【0109】
シャッタ部材14が長時間開位置に位置していることは不正行為の観点で好ましくない。よって、本実施形態ではシャッタ部材14が開位置に位置している時間を監視する。この時間の監視は、実開放タイマと称するタイマで管理する。実開放タイマは開制御タイマと同様のソフトウエアカウンタである。
【0110】
次に、図16(b)を参照して、メダルが連続投入された場合について説明する。本実施形態の場合、上記の通り、CPU304は、メダル検出センサ12の検出結果がOFF→ONに変化したことを契機として電動アクチュエータ13aに通電を開始するが、開放規定時間が経過する前に次のメダルが投入されてメダル検出センサ12の検出結果がOFF→ONに変化した場合は、計時を中止し、次にメダル検出センサ12の検出結果がOFF→ONに変化したことを契機として、開放規定時間を再び計時し直すこととしている。メダル投入1枚毎にシャッタ部材14を閉位置に移動しないことで、メダルの連続投入を円滑なものとすることができる。
【0111】
一方、この結果、開放規定時間を超えて電動アクチュエータ13aへの連続通電がなされてシャッタ部材14が長時間開位置のままとなる場合がある。そこで、メダル検出センサ12の検出結果がON→OFFに変化した時に、実開放タイマの計時結果から判断して、シャッタ部材14が連続開放規定時間(ここでは800ms)を超えて連続して開位置にある場合は、開制御タイマの計時結果が開放規定時間に達していなくても、図17(a)に示すように、電動アクチュエータ13aには非通電として、シャッタ部材14を閉位置に移動させる。そして、閉鎖規定時間(ここでは100ms)を経過するか、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されるまで、メダル検出センサ12の検出結果にかかわらず、電動アクチュエータ13aには非通電とする。この閉鎖規定時間の監視は、強制閉制御タイマと称するタイマで管理する。強制閉制御タイマも開制御タイマと同様のソフトウエアカウンタである。閉鎖規定時間は、通電→非通電への切替から、シャッタ部材14が閉位置に戻るのに必要な時間を確保すべく設定される。
【0112】
閉鎖規定時間を経過したにも関わらず、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されない場合は、シャッタ部14aがメダルや不正器具を挟みこんでいて、シャッタ部材14が閉位置に移動できないものと考えられる。
【0113】
そこで、本実施形態では、このようにシャッタ部材14が閉位置に位置するよう駆動機構13の電動アクチュエータ13aを制御している場合に、位置検出センサ15の検出結果に基づきシャッタ部材14が閉位置に位置していることが確認できない場合は、図17(c)に示すようにシャッタ部材14を開位置側へ移動させる制御と閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行う。位置検出センサ15の検出結果に基づきシャッタ部材14が閉位置に位置していることが確認できた場合は、図16(a)に示すように、メダル検出センサ12の検出結果がONであれば、電動アクチュエータ13aに通電を開始する。
【0114】
連続移動制御では、電動アクチュエータ13aの付勢力によりシャッタ部材14を開位置側へ移動させる第1制御と、弾性部材13bの付勢力によりシャッタ部材14を閉位置側へ移動させる第2制御とを交互に繰り返す。本実施形態では、第1制御は電動アクチュエータ13aへの通電を行う制御であり、通電時間は開制御タイマで管理する(ここでは1回につき5ms)。第2制御は電動アクチュエータ13aへの通電を行わない、非通電とする制御であり、非通電時間は強制閉制御タイマで管理する(ここでは1回につき100ms)。
【0115】
このような連続移動制御を行うことで、シャッタ部14aが連続的にメダル通路を開閉する。シャッタ部14aがメダルを挟みこんでいた場合には、図18(a)乃至(c)に示すように、シャッタ部14aが連続的にメダル通路を開閉することで、挟まれているメダルが徐々に落下して、最終的にメダルセレクタ20へ移動することになる。こうして本実施形態ではメダルの通路を開閉するにあたり、メダルの挟み込みを解消することができる。
【0116】
このような連続移動制御において、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出された場合は、連続移動制御を終了して、通常の制御に戻ることになる。連続移動制御中、メダルの挟み込みが解消された場合には、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されるよう、シャッタ部材14が閉位置に移動することが必要とされるが、開閉周期を速くすると、シャッタ部材14が閉位置に到達する前に開位置に戻ってしまう場合があり、メダルの挟み込みが解消された後も、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されない場合が想定される。
【0117】
そこで、本実施形態では、第2制御の実行時間は、シャッタ部材14が弾性部材13bの付勢により開位置から閉位置へ戻るのに要する時間よりも長い時間としている。詳細には、本実施形態の構成を備えた試験機で測定したところ、弾性部材13bの付勢により開位置から閉位置へ戻るのに要する時間が30ms〜50ms程度であったが、この時間を考慮して、本実施形態では、強制閉制御タイマの計時時間を100msとして十分に長くし、非通電時間を十分に長くする。こうすることで、メダルの挟み込みが解消された場合に、シャッタ部材14が確実に閉位置に戻るようにすることができる。
【0118】
また、メダルの挟み込みを解消するためには、シャッタ部材14が完全に開位置に移動する必要はなく、メダルを挟み力を弱めることができればよい。そこで、本実施形態では、シャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動するに要する時間を考慮して、閉制御タイマの計時時間を短くしている。詳細には、本実施形態の構成を備えた試験機で測定したところ、電動アクチュエータ13aへ通電を行うことによりシャッタ部材14が閉位置から開位置へ移動するのに要する時間は12ms〜15ms程度であったが、この時間を考慮して、本実施形態では、閉制御タイマの計時時間を5msと短くし、通電時間を短くしている。こうすることで、シャッタ部14aのメダルを挟む力は、通常よりも弱められ、メダルが落下するようになる。
【0119】
同様の観点で、閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力(メダルを挟む力)は、メダルを挟んでいない場合にシャッタ部材14が閉位置へ戻れる範囲で、通常よりも弱められることが好ましい。本実施形態の場合、閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力は弾性部材13bの復元力により定まるが、電動アクチュエータ13aに対して、少し通電してやることで、シャッタ部14aの移動力を弱めることができる。
【0120】
図18(d)はその一例であり、図17(b)の例では第2制御は電動アクチュエータ13aへの通電を行わない、非通電とする制御としたが、図18(d)の例では第2制御においても、若干の通電を行っている。この通電により、電動アクチュエータ13aが若干の磁力を発揮してシャッタ部材14を開位置側へ吸引するので、閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力を弱めることができる。通電量は、弾性部材13bによるシャッタ部材14の閉位置への移動を妨げない範囲のものとする。
【0121】
なお、本実施形態の付勢方向とは逆に、電動アクチュエータ13aの付勢力によりシャッタ部材14を開位置→閉位置に付勢し、弾性部材13bの付勢力によりシャッタ部材14を閉位置→開位置に付勢する構成の場合も、連続移動制御は電動アクチュエータ13aへの通電、非通電を交互に行うことで可能であるが、上記の通り閉位置への移動時におけるシャッタ部14aの移動力(メダルを挟む力)を弱める場合は、通電時の通電量を通常よりも少なくすればよい。
【0122】
次に、シャッタ部14aに挟まれているのがメダルの場合は、上記の通り、連続移動制御によりこれを解消できるが、不正器具の場合は、通常、メダル通路に滞留したままで使用されるので、連続移動制御を行ってもメダル通路から脱することはなく、位置検出センサ15によりシャッタ部材14が閉位置に移動したことが検出されない。したがって、位置検出センサ15はシャッタ部材14が開位置に位置していることを検出したままの状態が継続する。
【0123】
そこで、このような場合も含めてエラーを判定すべく、本実施形態では、図17(c)に示すように、実開放タイマの計時結果から判断して、シャッタ部材14がエラー開放規定時間(ここでは1850ms)を超えて開位置にある場合はエラー処理を行う。エラー処理としては、遊技の中断、警報音の出力、ランプ等の発光、スロットマシンの設置島のランプの発光、ホールコンピュータへエラー情報(エラーがあったことと、そのスロットマシン等の情報)の送信等が挙げられる。こうして、本実施形態では、連続移動制御を行うことで、メダルの挟み込みの場合と、不正器具挿入の場合とを区別することができる。
【0124】
<処理例>
<メダルの投入受付期間における処理>
次に、上記の通路シャッタ装置10に関するCPU304の処理例について説明する。上記の通り、本実施形態では、電動アクチュエータ13aの駆動制御やエラー判定は主制御部300のCPU304が割り込み処理により行う。図19及び図20はメダルの投入受付期間における通路シャッタ装置10に関する割り込み処理例(シャッタ処理)を示すフローチャートである。
【0125】
S21では、位置検出センサ15の検出結果を取得して、シャッタ部材14が開位置にあるか否かを判定する。該当する場合はS22へ進み、該当しない場合はS30へ進む。S30では、シャッタ部材14が閉位置にあるので、強制閉制御タイマ及び開制御タイマをいずれも0に設定する。S31では実開放タイマによる計時を停止してS24へ進む。
【0126】
S22では、シャッタ部材14が開位置にあるので、閉位置から開位置に移動した直後か否かを判定すべく、実開放タイマによる計時を停止中かを判定する。該当する場合はS23へ進み、該当しない場合(閉位置から開位置に移動した直後ではない場合)はS24へ進む。
【0127】
S23では、実開放タイマによる計時を開始する。より具体的には、予め定めた初期値をカウント値として設定する。このカウント値は割り込み周期毎に減算されていく。他のタイマも同様の仕組みである。S24では実開放タイマによる計時時間が、エラー開放規定時間(1850ms)に達しているか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、エラー処理を行い、一単位の処理を終了する。該当しない場合はS25へ進む。
【0128】
S25では、メダル検出センサ12の検出結果を取得して、今回取得した検出結果と前回取得した検出結果とから、検出結果がON→OFFに変化したか否かを判定する。該当する場合はS26へ進み、該当しない場合はS33へ進む。S26ではメダルの投入枚数のカウント値を1つ加算する。S27では、実開放タイマによる計時時間が、連続開放規定時間(800ms)に達しているか否かを判定する。該当する場合はS29へ進み、該当しない場合はS28へ進む。
【0129】
S28では、実開放タイマによる計時時間が連続開放規定時間に達していないので、通常の制御(図16(a)、(b))とすべく、強制閉制御タイマに0、開制御タイマに400msに相当するカウント値を設定する。S28では、実開放タイマによる計時時間が連続開放規定時間に達しているので、シャッタ部材14を閉位置に強制的に移動する制御(図17(a)、(b))とすべく、強制閉制御タイマに100msに相当するカウント値を、開制御タイマに0を設定する。
【0130】
S33では、開制御タイマのカウント値が0か否かを判定する。0でない場合は、電動アクチュエータ13aへの通電を行うべく、S38へ進む。0の場合はS34へ進む。
【0131】
S34では強制閉制御タイマのカウント値が0か否かを判定する。0でない場合は、電動アクチュエータ13aに非通電とすべく、S39へ進む。0の場合はS35へ進む。
【0132】
S35では、メダル検出センサ12の検出結果を取得して、メダルを検出中か否かを判定する。該当する場合は、開制御タイマが0で、強制閉制御タイマが0で、かつ、メダル検出センサ12がメダルを検出した場合であり、シャッタ部材14を開位置に移動して、メダルを通過させる場合であるので、S38へ進んで電動アクチュエータ13aへの通電を行うべく、S38へ進む。該当しない場合はS36へ進む。
【0133】
S36では、位置検出センサ15の検出結果を取得して、シャッタ部材14が開位置にあるか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は、シャッタ部材14が閉位置にある場合であるので、非通電状態を維持すべく、S39へ進む。
【0134】
S37では、連続移動制御を行うべく、強制閉制御タイマに100ms、開制御タイマに5msに相当するカウント値を設定する。
【0135】
S38では電動アクチュエータ13aに通電し、S39では電動アクチュエータ13aに非通電とする。その後、一単位の処理を終了する。
【0136】
<メダルの投入受付期間外(非受付中)における処理>
本実施形態の場合、メダルの投入受付期間外においては、シャッタ部材14は常時閉位置のままとする。よって、開位置にある場合は、不正にこじ開けられている可能性があるとしてエラー処理とする。また、シャッタ部材14が閉位置にある場合も、メダル検出センサ12でメダルが検出された場合、閉じているシャッタ部14a上にメダルが乗ったままとなっていて、遊技者が気づいていないと想定されることから、エラー処理とする。
【0137】
図21はメダルの投入受付期間外における通路シャッタ装置10に関するCPU304の処理例(割り込み処理のシャッタ処理)である。
【0138】
S41では、位置検出センサ15の検出結果を取得して、シャッタ部材14が開位置にあるか否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合(閉位置にある場合)はS42へ進む。S42では、メダル検出センサ12の検出結果を取得して、メダルが検出されたか否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S43ではエラー処理を行う。処理の内容としては、上記のエラー処理の例と同様のものを挙げられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に投入されたメダルが通過する通路の途中の部位において前記通路を開閉するシャッタ部材と、
前記シャッタ部材が前記通路を開放する開位置と、前記シャッタ部材が前記通路を閉鎖する閉位置との間で前記シャッタ部材を移動させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
前記シャッタ部材の位置を検出する位置検出手段と、
を備え、
前記駆動制御手段は、
前記シャッタ部材が前記閉位置に位置するよう前記駆動手段を制御している場合に、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認できない場合は、前記シャッタ部材を前記開位置側へ移動させる制御と前記閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記駆動制御手段が前記連続移動制御を開始した後、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認できない場合、エラー処理を実行するエラー処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記駆動制御手段は、
所定の条件が成立した場合に、前記開位置にある前記シャッタ部材を前記閉位置に位置させる閉制御を行い、かつ、
前記連続移動制御においては、前記閉制御の場合よりも前記シャッタ部材を前記開位置から閉位置へ移動させる移動力を弱めることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項4】
前記駆動手段は、
前記シャッタ部材を、前記閉位置側へ常時付勢する弾性部材と、
前記シャッタ部材を、前記開位置側へ付勢する付勢力を発揮する電動アクチュエータと、を備え、
前記駆動制御手段は、前記電動アクチュエータに対する通電制御を行い、かつ、前記連続移動制御では、
前記電動アクチュエータの付勢力により前記シャッタ部材を前記開位置側へ移動させる第1制御と、前記弾性部材の付勢力により前記シャッタ部材を前記閉位置側へ移動させる第2制御とを交互に繰り返し、
前記第2制御の実行時間は、前記シャッタ部材が前記弾性部材の付勢により前記開位置から前記閉位置へ戻るのに要する時間よりも長い時間であることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項5】
前記通路の前記途中の部位から、前記通路の上流側にメダルの直径分の範囲内において、メダルを検出するメダル検出手段と、
メダルの非受付中において、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認された場合、前記メダル検出手段によりメダルが検出された場合はエラー処理を実行し、メダルが検出されない場合は前記エラー処理を実行しないエラー処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項1】
遊技台に投入されたメダルが通過する通路の途中の部位において前記通路を開閉するシャッタ部材と、
前記シャッタ部材が前記通路を開放する開位置と、前記シャッタ部材が前記通路を閉鎖する閉位置との間で前記シャッタ部材を移動させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
前記シャッタ部材の位置を検出する位置検出手段と、
を備え、
前記駆動制御手段は、
前記シャッタ部材が前記閉位置に位置するよう前記駆動手段を制御している場合に、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認できない場合は、前記シャッタ部材を前記開位置側へ移動させる制御と前記閉位置側へ移動させる制御とを交互に繰り返す連続移動制御を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記駆動制御手段が前記連続移動制御を開始した後、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認できない場合、エラー処理を実行するエラー処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記駆動制御手段は、
所定の条件が成立した場合に、前記開位置にある前記シャッタ部材を前記閉位置に位置させる閉制御を行い、かつ、
前記連続移動制御においては、前記閉制御の場合よりも前記シャッタ部材を前記開位置から閉位置へ移動させる移動力を弱めることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項4】
前記駆動手段は、
前記シャッタ部材を、前記閉位置側へ常時付勢する弾性部材と、
前記シャッタ部材を、前記開位置側へ付勢する付勢力を発揮する電動アクチュエータと、を備え、
前記駆動制御手段は、前記電動アクチュエータに対する通電制御を行い、かつ、前記連続移動制御では、
前記電動アクチュエータの付勢力により前記シャッタ部材を前記開位置側へ移動させる第1制御と、前記弾性部材の付勢力により前記シャッタ部材を前記閉位置側へ移動させる第2制御とを交互に繰り返し、
前記第2制御の実行時間は、前記シャッタ部材が前記弾性部材の付勢により前記開位置から前記閉位置へ戻るのに要する時間よりも長い時間であることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項5】
前記通路の前記途中の部位から、前記通路の上流側にメダルの直径分の範囲内において、メダルを検出するメダル検出手段と、
メダルの非受付中において、前記位置検出手段の検出結果に基づき前記シャッタ部材が前記閉位置に位置していることが確認された場合、前記メダル検出手段によりメダルが検出された場合はエラー処理を実行し、メダルが検出されない場合は前記エラー処理を実行しないエラー処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図8】
【公開番号】特開2012−143460(P2012−143460A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5227(P2011−5227)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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