説明

遊技台

【課題】弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関し、外部機器装置を利用した演出を行うことで遊技の興趣を向上する。
【解決手段】所定条件の成立を契機に、図柄を変動表示させてから図柄を導出する遊技演出を行い、当該遊技演出により導出した図柄が特定の図柄である場合に、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者に対して有利な特別遊技状態に移行する遊技台において、読み取った画像情報に応じた必要条件を報知する外部機器装置Mが読み取り可能な画像情報P1を特定条件の成立を契機に表示する表示手段208と、前記必要条件を遊技者が成立させた場合に、特別演出を実行する演出実行手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技台として、遊技盤の遊技領域に遊技球の落下の方向に変化を与える障害物や、遊技球が入賞可能な入賞口、始動口、可変入賞口などを設け、これらに遊技球が入賞すると賞球を払い出すなど遊技者に特典が与えられるようした弾球遊技機(パチンコ機)や、メダル(遊技媒体)を投入してスタートレバーを操作することでリールを回転させるとともに、内部抽選によって役を内部決定し、ストップボタンを操作することでリールを停止させたときに、図柄表示窓上に内部決定に応じて予め定められた図柄の組み合わせが表示されると役が成立し、メダルの払い出しを伴う役が成立した場合には、規定数のメダルを払い出すなど遊技者に特典が与えられるようした回胴遊技機(スロットマシン)等が知られている。
【0003】
これらの遊技台では、遊技の興趣を向上するために様々な演出が行われる(例えば、特許文献1および2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−200302号公報
【特許文献2】特許第4368929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1や2に記載された遊技台では、外部機器装置を利用した演出までは行われず、遊技台の中だけで完結した演出を行うことに止まっている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、外部機器装置を利用した演出を行うことで遊技の興趣を向上する遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決する本発明の遊技台は、所定条件の成立を契機に、図柄を変動表示させてから図柄を導出する遊技演出を行い、当該遊技演出により導出した図柄が特定の図柄である場合に、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者に対して有利な特別遊技状態に移行する遊技台において、
読み取った画像情報に応じた必要条件を報知する外部機器装置が読み取り可能な画像情報を特定条件の成立を契機に表示する表示手段と、
前記必要条件を遊技者が成立させた場合に、特別演出を実行する演出実行手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技台によれば、外部機器装置を利用した演出を行うことで遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】パチンコ機100を裏側から見た外観斜視図である。
【図3】遊技盤200を正面側(遊技者側)から見た略示正面図である。
【図4】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図5】(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものであり、(b)は装飾図柄の一例を示したものであり、(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。
【図6】(a)は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートであり、(b)は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図8】オリジナルモードを説明するための図である。
【図9】装飾図柄表示装置を用いた事前登録を説明するための図である。
【図10】装飾図柄表示装置を用いたオリジナルモードの終了を説明するための図である。
【図11】第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行する大当り中ミッション処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。
【図12】大当り連続系の特別演出を説明するための図である。
【図13】通常モード(非オリジナルモード)における特図A停止表示から大当り遊技終了までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【図14】オリジナルモードにおける特図A停止表示から大当り遊技終了までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【図15】第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行する大当り中ミッション処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。
【図16】第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行するサブ先読み処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化抽選テーブルAを示す図であり、(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化抽選テーブルBを示す図であり、(c)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている、赤色の保留表示が行われる際の画像表示抽選テーブルを示す図であり、(d)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている、青色の保留表示が行われる際の画像表示抽選テーブルを示す図である。
【図18】先読み系の特別演出を説明するための図である。
【図19】通常モード(非オリジナルモード)における特図A停止表示までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【図20】オリジナルモードにおいて、特図Aを停止表示する変動停止表示の1回前の変動停止表示までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【図21】図20に示す変動停止表示に続いて行われる、特図Aを停止表示する変動停止表示中の装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【図22】第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行する変動中特別演出処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。
【図23】(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている画像表示抽選3テーブルを示す図であり、(b)は、プレミア系の特別演出を説明するための図である。
【図24】図22に示す変動中特別演出処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。
【図25】通常モード(非オリジナルモード)において、全回転リーチが行われる変動停止表示(当該変動)中の装飾図柄表示装置208の画面を段階的に示す図である。
【図26】オリジナルモードにおいて、全回転リーチが行われる変動停止表示(当該変動)中の装飾図柄表示装置208の画面を段階的に示す図である。
【図27】本発明を適用可能なスロットマシンの一例を示す図である。
【図28】スロットマシンの通常モード(非オリジナルモード)における遊技を説明するための図である。
【図29】図28に示した通常モードでの遊技の続きを示す図である。
【図30】スロットマシンのオリジナルモードにおける遊技を説明するための図である。
【図31】図30に示したオリジナルモードでの遊技の続きを示す図である。
【図32】図31に示したオリジナルモードでの遊技の続きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0011】
パチンコ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
【0012】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
【0013】
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
【0014】
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
【0015】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与える演出ボタン136と、演出ボタン136に内蔵され、その演出ボタン136を発光させる演出ボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。さらに、十字キー141も備えている。
【0016】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
【0017】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
【0018】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
【0019】
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0020】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
【0021】
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
【0022】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
【0023】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
【0024】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【0025】
図3に示す遊技盤200はいわゆる右打ち機の遊技盤である。この遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。一般的に知られる右打ち機の遊技盤においては、遊技者の操作によって、遊技球を打ち出す強さを変化させることで、後述する普図始動口228および第2特図始動口232と、第1特図始動口230とに分けることができる。具体的には、遊技領域124に対し、遊技釘238等の配設により、第一特図始動口230が備えられた第1の領域(遊技領域における左側)を転動する遊技球は第2特図始動口232への入球が困難又は不可能に構成され、その逆に第2特図始動口232が備えられた第2の領域(遊技領域における右側)を転動する遊技球は第1特図始動口230への入球が困難又は不可能に構成されている。なお、本発明は、右打ち機の遊技盤を備えたパチンコ機100に限って適用されるものではなく、広く一般の遊技盤を備えたパチンコ機に適用することができる。
【0026】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
【0027】
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
【0028】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0029】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、報知手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
【0030】
なお、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214(報知手段)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(図柄表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、この実施形態では、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
【0031】
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(抽選処理等)の開始を保留することを意味する。
【0032】
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
【0033】
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
【0034】
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0035】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0036】
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第一の始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
【0037】
第2特図始動口232は、本実施形態では普図始動口228の下側に1つだけ配設している。すなわち、第2特図始動口232は、遊技盤200の右側に設けられている。この第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図始動口232への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0038】
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態(ここでは閉状態)およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態(ここでは開状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。なお、可変入賞口234における閉状態は必ずしも完全に閉塞した状態である必要はなく、少し開いていても、遊技級の入球が不可能あるいは困難な状態であればよい。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0039】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0040】
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0041】
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
【0042】
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
【0043】
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
【0044】
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0045】
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部と前腕部とからなり、肩の位置に上腕部を回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部を回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
【0046】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0047】
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は図柄表示手段の一例に相当する。
【0048】
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0049】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
【0050】
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0051】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0052】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0053】
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
【0054】
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
【0055】
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
【0056】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
【0057】
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
【0058】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
【0059】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0060】
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0061】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示す演出ボタン136の押下を検出する演出ボタン検出センサ426と、十字キー141の操作を検出する十字キーセンサ425と、各種センサからの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
【0062】
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
【0063】
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
【0064】
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0065】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0066】
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0067】
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
【0068】
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動停止表示と称することがある。この特図の変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
【0069】
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」の10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0070】
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、6種類の大当り図柄(「特図A」から「特図F」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄であり、「特図C」は2R特別大当り図柄であって、突然確変と称される。これらの図柄(特図A,C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」は15R大当り図柄であり、「特図D」は2R大当り図柄であって、突然時短と称される。特図Bまたは特図Dが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図E」は、隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄である。特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。特図Fが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
【0071】
ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、特図A、特図C、および特図Dに当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、特図B、特図D、および特図Fに当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
【0072】
また、特図A〜Dに当選すると、いずれも大当り遊技終了後、電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグも用意されており、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/101であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/101に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.3秒の電チュー開放期間が電サポ状態では1.7秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では3回開く(例えば、1.7秒開放することを3回繰り返し、開放と開放の間の閉鎖時間は1.6秒)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、特図Aおよび特図Cが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、特図Bおよび特図Dが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図E,特図F)に当選した場合には、大当たり遊技終了後に電サポ状態に移行しない。非電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が小サイズに維持される。一方、上述のごとく、電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態の一例に相当する。
【0073】
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Gは第1小当り図柄であり、特図Hは第2小当り図柄である。小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が所定回(例えば15回)作動し、その扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
【0074】
以上説明したように、大当り遊技および小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が1または複数回の開閉動作を行い、遊技者の有利度が相対的に高い状態になる。
【0075】
また、本実施形態では、ハズレ図柄も2種類用意されている。図5(a)に示す、特図Iは第1ハズレ図柄であり、特図Jは第2ハズレ図柄である。ハズレ図柄が停止表示されると、可変入賞口234の扉部材2341は開閉動作を行わず、遊技者の有利度が相対的に低い状態になる。なお、「特図I」と「特図J」以外のハズレ図柄(例えば、第3のハズレ図柄等)をさらに用意しておいてもよく、本実施形態ではハズレ図柄は複数種類の図柄を含むものである。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の当り制御状態(大当り制御状態および小当り制御状態)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度のハズレ制御状態とが用意され、パチンコ機100は当り制御状態(特別遊技状態)とハズレ制御状態(通常遊技状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300が行い、主制御部300は、制御状態移行手段の一例にも相当する。なお、小当り制御状態は、可変入賞口234の扉部材2341が開閉動作を行うものの、可変入賞口234への入球はほとんど期待することができないため、小当り制御状態を上記第1の有利度の制御状態(通常遊技状態)ととらえることもできる。
【0077】
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
【0078】
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否決定結果(抽選結果)を報知する報知手段である。
【0079】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」や15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。また、15R特別大当りである「特図A」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)が停止表示される。したがって、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ場合(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)には、この装飾図柄の組合せを見ただけでは、確変付きである15R特別大当りに当選したのか、確変なしである15R大当りに当選したのかは不明である。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾2−装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾3−装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”〜“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
【0080】
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
【0081】
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0082】
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
【0083】
<主制御部メイン処理>
次に、図6(a)を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
図4に示す主制御部300のRAM308には、特図1および特図2ごとに、大当り時特図決定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、大当り時特図決定用乱数カウンタ、小当り時特図決定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、小当り時特図決定用カウンタ、ハズレ時特図決定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、ハズレ時特図決定用乱数カウンタ、および特図タイマ番号決定用乱数カウンタの各カウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図1および特図2ごとに、保留数、大当り判定用乱数値、大当り時特図決定用乱数値、小当り時特図決定用乱数値、ハズレ時特図決定用乱数値、当否事前判定結果、特図事前判定結果、当否判定結果、特図決定結果、および特図タイマ決定結果それぞれが記憶される。さらにRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた特図の保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、特図1大当り判定用乱数値、大当り時特図1決定用乱数値、小当り時特図1決定用乱数値、およびハズレ時特図1決定用乱数値の4つの乱数値を1セットにしてこれら4つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。また、特図2の保留記憶部には、特図2大当り判定用乱数値、大当り時特図2決定用乱数値、小当り時特図2決定用乱数値、およびハズレ時特図2決定用乱数値の4つの乱数値を1セットにしてこれら4つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
【0085】
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0086】
ステップS101では、初期化処理を行う。この初期化処理では、まず、初期設定1として、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、およびWDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。次に、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する(以下、この処理をWDT処理と称する)。WDT処理に続いて、ステップS101の初期化処理では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源管理部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはWDT処理に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)には初期設定2を行う。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0087】
次いで、ステップS103では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。ここでの基本乱数初期値更新処理では、大当り時特図決定用乱数カウンタ、小当り時特図決定用乱数カウンタ、ハズレ時特図決定用乱数カウンタそれぞれの初期値を生成するための3つの初期値生成用カウンタを更新する。この基本乱数初期値更新処理の終了後にステップS105に進む。
【0088】
ステップS105では、演出乱数更新処理を行う。主制御部300のRAM308には、特図用および普図用それぞれのタイマ番号決定用乱数カウンタが設けられており、これらのカウンタはいずれも、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数値を生成する。ステップS105では、このカウンタの値を更新する。この演出乱数更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS103に戻る。
【0089】
主制御部300は、所定の周期(例えば4ms)ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS103およびS105の処理を繰り返し実行する。
【0090】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図6(b)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。図6(b)は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0091】
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。なお、このタイマ割込処理スタート時には、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避したり、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行ったりする。
【0092】
まず、ステップS201では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0093】
また、このステップS201では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0094】
基本乱数初期値更新処理(ステップS203)では、各種乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、続く基本乱数更新処理(ステップS205)では、各種乱数カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、例えば、大当り時特図1決定用乱数カウンタが1周するごとに、その生成用カウンタの値を、大当り時特図1決定用乱数カウンタにセットする。その他の乱数カウンタについても同様に処理する。
【0095】
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0096】
続いて、入賞判定処理(ステップS209)を行う。入賞判定処理(ステップS209)では、まず、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0097】
続いて、この入賞判定処理では、第1特図始動口230あるいは第2特図始動口232に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合に、所定の始動情報を記憶する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、大当り判定用乱数値、および各種の特図決定用乱数値を記憶する。大当り判定用乱数値は、図4に示す乱数値生成回路318の乱数値記憶用レジスタから取得した値を加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)である。一方、特図決定用乱数値は、RAM308に設けられた特図決定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられた特図決定用乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報導出手段の一例に相当する。各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図の保留記憶部は、第1特図始動口230あるいは第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の上限数(ここでは4個)まで記憶可能な始動情報記憶手段の一例に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を始動情報記憶手段としてもよいし、特図の保留記憶部および一時領域を始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図の保留数の値に1を加算し、特図の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。
【0098】
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では2)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に、始動情報である普図当選乱数値として記憶する。また、この入賞判定処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234への入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234への入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
【0099】
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば、それらの始動情報を記憶せずに、ステップS211に進む。
【0100】
また、この入賞判定処理(ステップS209)が終了すると先読み処理が呼び出される。この先読み処理では、まず、前回実行した先読み処理から保留数が増加しているか否かを判定する。すなわち、主制御部300のRAM308には、これまでの保留数(前回のタイマ割込処理終了時点での保留数であり、旧保留数と呼ぶものとする)も記憶されており、CPU304は、入賞判定処理(ステップS209)を経た今回の先読み処理を実行する時点の保留数と、旧保留数とを比較し、保留数が増加しているか否かを判定する。保留数が増加していなければ、始動情報を先読みせずにこの先読み処理は終了する。一方、保留数が増加していれば、RAM308に設けられた特図1の保留記憶部内の特図1大当り判定用乱数値の増加分を先読みするか、あるいは特図2の保留記憶部内の特図2大当り判定用乱数値の増加分を先読みする。ここでの先読みは、増加分だけを先読みしたが総てを先読みしてもよい。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の先読み処理では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果)を読むという意味で使用することがある。
【0101】
本実施形態のパチンコ機100では、大当りに当選する確率が相対的に低い特図低確率状態と、相対的に高い特図高確率状態のいずれか一方の制御状態にある。特図高確率状態であることは確率変動中と呼ばれる。主制御部300のRAM308には、確変フラグが用意されている。この確率変動グラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、確率変動グラグがオフに設定されていると、特図低確率状態である。
【0102】
主制御部300のROM306には、先読み処理で用いられる当否事前判定用テーブルが記憶されている。この当否事前判定用テーブルには、特図高確率状態と特図低確率状態とに分けて乱数範囲が規定されている。特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値の先読みが終了すると、今度は、先読みした特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、当否事前判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。すなわち、RAM308に用意された確変フラグを参照し、特図低確率状態の場合には、先読みした特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、所定の数値範囲であるときには、当否事前判定結果は「大当り」と事前判定し、それ以外であるときには、当否事前判定結果は「ハズレ」と事前判定する。なお、後述する特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)でも、当否事前判定用テーブルの内容と同じ内容の当否判定用テーブルを用いて特図変動遊技の当否判定を改めて行い、ここでの判定結果は、あくまで事前判定の結果である。
【0103】
当否事前判定結果が、「大当り」の場合には、RAM308に設けられた特図1の保留記憶部内の大当り時特図1決定用乱数値を先読みするか、あるいは特図2の保留記憶部内の大当り時特図2決定用乱数値を先読みする。当否事前判定結果が、「小当り」の場合には、RAM308に設けられた特図1の保留記憶部内の小当り時特図1決定用乱数値を先読みするか、あるいは特図2の保留記憶部内の小当り時特図2決定用乱数値を先読みする。当否事前判定結果が、「ハズレ」の場合には、RAM308に設けられた特図1の保留記憶部内のハズレ時特図1決定用乱数値を先読みするか、あるいは特図2の保留記憶部内のハズレ時特図2決定用乱数値を先読みする。主制御部300のROM306には、先読み処理で用いられる特図事前判定用テーブルも記憶されている。特図事前判定用テーブルには、図5(a)に示す10種類の停止図柄態様(「特図A」から「特図J」)それぞれに対応した乱数範囲が規定されており、先読みした特図決定用乱数値が、いずれの乱数範囲に属するかによって特図事前判定結果(図5(a)に示すいずれの停止図柄態様が停止表示されるのか)を得る。なお、ここでの特図の判定結果も、あくまで事前判定の結果であり、特図の停止図柄態様の判定も後述する特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)において改めて行われる。
【0104】
以上説明した始動情報の先読みや、先読みした始動情報を用いての事前判定は、後述する特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)が行われる前に実行されるものである。特図1大当り判定用乱数値および各種の特図1決定用乱数値を先読みする主制御部300が、第1始動情報先読み手段の一例に相当し、特図2大当り判定用乱数値および各種の特図2決定用乱数値を先読みする主制御部300が、第2始動情報先読み手段の一例に相当する。また、特図1大当り判定用乱数値と、各種の特図1決定用乱数値に基づく事前判定を行う主制御部300が、第1事前判定手段の一例に相当し、特図2大当り判定用乱数値と、各種の特図2決定用乱数値に基づく事前判定を行う主制御部300が、第2事前判定手段の一例に相当する。
【0105】
主制御部300のRAM308には、保留ごとの領域に区分けされた特図1用の先読み情報一時記憶部と、同じく保留ごとの領域に区分けされた特図2用の先読み情報一時記憶部が設けられている。特図事前判定結果を表す情報(特図を表す情報でもあり以下、先読み情報と称する)は、それらの先読み情報一時記憶部の、対応する保留の領域に格納される。
【0106】
なお、保留数が増加していなければ、先読み情報一時記憶部の、対応する保留の領域には「保留なし」という先読情報が記憶される。また、本実施形態の先読み処理では、大当り遊技中であった場合、および現在の制御状態が電サポ状態(時短フラグがオン状態)であった場合には、特図1の始動情報の先読みや事前判定は行わず、これらの場合には、先読みした特図1の始動情報に基づく停止図柄の事前判定が行われていないことを表す「未判定」情報を、先読み情報一時記憶部の、対応する保留の領域に記憶する。すなわち、一対の羽根部材2321が設けられていない始動口(状態が固定的な始動領域である第1特図始動口230)へ入球したことに基づいて、大当り遊技中および電サポ中に取得した始動情報に基づく事前判定は行われず、その事前判定結果の報知も行われない。こうすることによって、遊技者の公平性が担保される。なお、本実施形態では、始動情報自体の先読みも行わないが、先読みは行って事前判定およびその結果報知は行わない態様であってもよく、さらには、先読みおよび事前判定は行うが、事前判定結果の報知は行わない態様であってもよい。
【0107】
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、ステップS209の入賞判定処理に続いて普図関連処理を行う(ステップS211)。この普図関連処理では、まず、普図状態更新処理として、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0108】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における処理では、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)のいずれか一方の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、ここでの普図関連処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄およびハズレ図柄のいずれか一方の図柄態様の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば0.6秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を必ず設定する。この設定により、確定表示された当り図柄が所定期間、必ず停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。このようにして普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う主制御部300のCPU304が、図柄表示制御手段の一例に相当する。
【0109】
また、上記所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(本実施形態では6秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を必ず出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を必ず設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
【0110】
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0111】
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。
【0112】
続いて、この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0113】
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、以上説明したステップS211の普図関連処理に続いて特図関連処理(ステップS213)を行う。この特図関連処理では、まず最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行い、次いで、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う。特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
【0114】
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0115】
また、特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、2R特別大当たり図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第1ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)や小当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中および小当り遊技状態中(特別遊技状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)にする。
【0116】
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0117】
また、RAM308には、大当りフラグも用意されており、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、特図2変動遊技の開始時に大当りフラグがオンされている。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド入賞演出開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0118】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0119】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0120】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
【0121】
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中(特別遊技状態中)に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
【0122】
また、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する特図抽選処理で特図決定結果が「特図A」や「特図C」である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。また、特図決定結果が「特図E」である場合には確変フラグと時短フラグのうち確変フラグのみをオンに設定する。さらに、特図決定結果が「特図B」や「特図D」である場合には確変フラグと時短フラグのうち時短フラグのみをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。主制御部300のCPU304は、遊技球の、第2特図始動口232(可変始動領域)への進入のしやすさ(進入率)を制御した状態である進入率制御状態を、第1の進入率制御状態である非電サポ状態と第2の進入率制御状態である電サポ状態との間で変化させる進入率変化手段の一例に相当する。
【0123】
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
【0124】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、RAM308にはハズレフラグも用意されており、特図2変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
【0125】
特図2状態更新処理が終了すると、特図1状態更新処理を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0126】
以上説明した特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図関連抽選処理を行う。特図関連抽選処理では、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)が行われ、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)が行われる。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミング(所定の契機で開始した主制御部タイマ割込処理における入賞判定処理S209)で第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の結果報知よりも優先して行われ、抽選が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残っている状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく抽選の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく抽選の結果の報知よりも先に行われる。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が抽選手段(当否判定手段)の一例に相当する。
【0127】
特図2関連抽選処理では、抽選(当否判定)の実行、停止表示する特図の決定、およびタイマ番号の決定を行う。まず、所定条件を充足したか否かを判定する。すなわち、最初に、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。ここでは、第2特図表示装置214が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割り込み処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割り込み処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでの判定は、RAM308に設けた特図2の保留記憶部を参照し、特図2変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割り込み処理に戻り、1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになる。
【0128】
所定の当否判定条件が成立していれば、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(特図2大当り判定用乱数値、大当り時特図2決定用乱数値、小当り時特図2決定用乱数値、およびハズレ時特図2決定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を特図2の保留記憶部から取り出し、さらに特図2の保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を特図2の保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の特図2の保留記憶部から1セット分の乱数値(特図2大当り判定用乱数値、大当り時特図2決定用乱数値、小当り時特図2決定用乱数値、およびハズレ時特図2決定用乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300が、第2の始動情報取得手段の一例に相当する。
【0129】
次いで、当否判定処理を行う。主制御部300のROM306には、当否決定用テーブルも記憶されている。この当否決定用テーブルの内容は、先に説明した当否事前判定用テーブルの内容と同じである。この当否判定処理では、RAM308に用意された確変フラグを参照し、制御状態(特図低確率状態,特図高確率状態)に応じて、特図2大当り判定用乱数値が当否決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、当否決定結果として「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」を導出する。特図高確率状態では、特図低確率状態に比べて、大当りに当選する確率が高い。「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」を導出することが当否判定(抽選)に相当し、ここで当否判定処理を実行する主制御部30のCPU304が、抽選手段(当否判定手段)の一例に相当する。また、「大当り」は、特定の当否判定結果の一例に相当する。
【0130】
当否判定処理の実行が完了すると、特図の図柄決定処理へ進む。主制御部300のROM306には、特図決定用テーブルも記憶されている。この特図決定用テーブルの内容は、先に説明した特図事前判定用テーブルの内容と同じである。この特図の図柄決定処理では、当否決定結果が、「大当り」の場合には、大当り時特図2決定用乱数値が特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果を「特図A」〜「特図F」のいずれかに決定する。また、当否決定結果が、「小当り」の場合には、小当り時特図2決定用乱数値が特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果を「特図G」または「特図H」に決定する。さらに、当否決定結果が、「ハズレ」の場合には、ハズレ時特図2決定用乱数値が特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果を「特図I」または「特図J」に決定する。特図の図柄決定処理を実行する主制御部30のCPU304が、図柄決定手段の一例に相当する。
【0131】

特図の図柄決定処理に続いて変動時間決定処理において、特図の変動停止表示における変動表示期間を決定する。この変動時間決定処理では、RAM308に設けられたタイマ番号決定用乱数カウンタからタイマ番号決定用乱数を取得する。タイマ番号決定用乱数の取得タイミングは、特図変動開始直前のタイミングであるが、始動情報を取得するタイミングであってもよい。主制御部300のROM306には、タイマ番号決定用テーブルも記憶されている。このタイマ番号決定用テーブルには、タイマ番号と、そのタイマ番号に対応した乱数範囲が、特図決定結果ごとに規定されている。タイマ番号は、第2特図表示装置214あるいは第1特図表示装置212が、図柄の変動を開始してから当否判定の結果を表す停止図柄を表示するまでの時間、すなわち特図が変動表示する変動表時期間(特図変動時間)を表すものであるが、装飾図柄の変動表時期間としてもよい。
【0132】
本実施形態では、タイマとしてタイマ1〜8のタイマが用意されている。タイマ1は特図変動停止期間が2秒になり、超短縮された特図変動時間になることを表し、タイマ2は特図変動停止期間が5秒になり、短縮された特図変動時間になることを表す。なお、タイマ1あるいはタイマ2に決定されることを特図変短と称することがある。タイマ3は特図変動停止期間が10秒になり、タイマ7は特図変動停止期間が8秒になる。これらのタイマ3やタイマ7は、通常の特図変動時間(基準となる特図変動時間)になることを表し、タイマ3に基づく特図の変動を通常変動1と称し、タイマ7に基づく特図の変動を通常変動2と称する。タイマ1〜タイマ3およびタイマ7では図3に示す装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはリーチなしになる。
【0133】
タイマ4は特図変動停止期間が12秒になることを表し、タイマ4に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはノーマルリーチが選択される。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。タイマ5は特図変動停止期間が40秒になることを表し、タイマ6は特図変動停止期間が50秒になることを表す。タイマ5又は6に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチが選択される。スーパーリーチは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等)である。
【0134】
タイマ8は特図変動停止期間が60秒になることを表す。タイマ8に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは特殊変動が選択される。特殊変動には、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等が含まれ、本実施形態では、タイマ8に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンは全回転リーチが選択される。タイマ8が選択される確率は、他のタイマが選択される確率より極めて低く、この全回転リーチはプレミアリーチに相当する。
【0135】
なお、単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチと特殊変動を含んだ装飾図柄の変動パターンを意味する。
【0136】
このリーチは、特図関連処理における当否判定(本抽選)の結果が特定の当否判定結果(遊技者の有利度が高い所定の結果)になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知する予告演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。
【0137】
ここでの変動時間決定処理では、タイマ番号決定用テーブルを用いて、タイマ番号決定用乱数に基づいて、タイマ番号を決定する。すなわち、取得したタイマ番号決定用乱数が特図決定結果に対応したいずれの乱数範囲に属するかによってタイマ番号を決定する。このタイマ番号の決定にあたっては、タイマ番号決定用テーブルが、保留数に応じてタイマ番号を規定しているものであれば、タイマ番号決定用乱数の他、現在の特図2の保留数にも基づいて、タイマ番号を決定すればよい。
【0138】
以上説明した特図変動時間を表すタイマ番号は、RAM308の所定領域に格納される。
【0139】
なお、特図抽選関連処理が実行される前(例えば、上述の入賞判定処理S209)に、1または複数の期間情報であるタイマ番号を含む複数種類のタイマ選択テーブルから、特図事前判定結果に基づいて、あるいは所定の専用乱数抽選によって1種類のタイマ選択テーブルを選択しておき、ここでは、そのタイマ選択テーブルからタイマ番号を決定してもよい。ここでのタイマ番号の決定にあたっても、専用乱数(例えばタイマ番号決定用乱数)による抽選を行ってもよいし、抽選を行わなくともタイマ番号が一義的に既に決まっている態様であてもよい。また、この特図抽選関連処理においてタイマ選択テーブルを選択し、タイマ選択テーブルに基づいて装飾図柄の変動パターンを第1副制御部400に選択させてもよい。
【0140】
変動時間決定処理が完了すると、その他特図2関連抽選処理が行われ、特図2関連抽選処理は終了になる。
【0141】
続いて、特図関連処理では、特図1関連抽選処理を行う。この特図1関連抽選処理で行う各処理は、上述の特図2関連抽選処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。
【0142】
以上で、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理における特図関連処理(ステップS213)は終了し、コマンド設定送信処理(ステップS215)に進む。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0143】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、タイマ番号を表す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0144】
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、タイマ番号を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、特図決定結果を表す情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。ここにいう入賞演出開始コマンドは大当り遊技開始コマンドに相当する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。終了演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その終了演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に終了演出制御コマンドを送信する。終了演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208に大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示させ、大当り遊技が終了する。ここにいう終了演出開始コマンドは大当り遊技終了コマンドに相当する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、大入賞口開放コマンドのコマンドデータとして、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、大入賞口閉鎖コマンドのコマンドデータとして、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
【0145】
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の停止図柄を表す情報(特図事前判定結果)を設定する。
【0146】
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
【0147】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
【0148】
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0149】
次に、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS217)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、図4に示す情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0150】
ステップS219では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップS201において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。ここで設定したデバイス情報は基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信される。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
【0151】
ステップS219のデバイス監視処理が終了すると、図6(a)に示す主制御部メイン処理に復帰するが、復帰前には、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行う。また、復帰前に、低電圧信号がオンであるか否かを監視して、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行って、その後、主制御部メイン処理に復帰するようにしてもよい。
<第1副制御部400の処理>
図7を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
【0152】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0153】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0154】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0155】
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0156】
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0157】
ステップS311では、図1に示す演出ボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データを演出ボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
【0158】
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
【0159】
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0160】
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0161】
第1副制御部400のRAM408には、第2副制御部500に送信する制御コマンドを設定する送信領域が設けられている。S309で読み出した演出データの中等に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを送信領域に設定する処理を行い(ステップS319)、ステップS303へ戻る。
【0162】
次に、図7(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図7(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に設定し、このコマンド受信割込処理が終了する。
【0163】
次に、図7(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図7(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0164】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図7(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0165】
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。
【0166】
より具体的に説明すると、第2副制御部500のCPUは、最初に、画像データの転送指示を行う。ここでは、まず、VRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPUは、GPUのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROMの転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROMからVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。GPUは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROMからVRAMに転送する。その後、GPUは、転送終了割込信号をCPUに対して出力する。
【0167】
次いで、GPUからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPUは、VRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をGPUに指示する。GPUはアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、GPUからの転送終了割込信号が未入力の場合は、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0168】
続いて、描画指示を行う。この描画指示では、CPUは、GPUに画像の描画開始を指示する。GPUは、CPUの指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0169】
描画指示が行われると、画像の描画終了に基づくGPUからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が未入力の場合には、生成終了割込み信号が入力されるのを待ち、生成終了割込み信号が入力された場合には、RAMの所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタを、インクリメント(+1)して処理を終了する。
【0170】
以上説明したように、装飾図柄表示装置208は表示手段の一例に相当する。また、第1副制御部400および第2副制御部500を併せたものが、演出実行手段の一例に相当する。
【0171】
また、第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、遮蔽装置246の制御も実行する。
【0172】
続いて、本実施形態のパチンコ機100における特徴的な処理について説明する。本実施形態のパチンコ機100では、大当り連続系、先読み系、プレミア系といった3種類の演出が用意されている。これらの演出は、オリジナルモードで出現する演出である。ここにいうオリジナルモードは、事前登録を行った遊技者に限って提供されるモードである。
【0173】
図8は、オリジナルモードを説明するための図である。
【0174】
この図8には、図1に示すパチンコ機100と、遊技台製造メーカが運用するサーバSが示されている。サーバSとパチンコ機100は、通信ネットワークNを介して接続されている。ここでの通信ネットワークNは、インターネットであるが、TCP/IPプロトコルによって構築されたネットワークであってもよく、例えば、LAN(Local Area Network)であってもよい。したがって、サーバSとパチンコ機100は、室内においてLANケーブルで接続されたものであってもよい。この場合には、サーバ2は、パチンコ機100が設置されたホールのホールコンピュータであってもよい。さらに、パチンコ機100にサーバ機能を内蔵してもよい。
【0175】
また図8には、通信機能と画像読取機能をもった外部機器装置の一例としての携帯電話端末Mも示されている。図8に示す携帯電話端末Mは、カメラ機能を有するものである。さらに、この携帯電話端末Mは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)のプロトコルによりウェブページにアクセスすることができる通信端末である。なお、以下の説明でウェブページというときには、このHTTPのプロトコルに準拠したページをいう。図8に示す通信ネットワークNには、ここでは図示省略した携帯電話端末事業者等が提供するサーバ等も接続されており、サーバSと携帯電話端末Mは、この通信ネットワークNを介してデータの送受信を行うことができる。
【0176】
さらに図8には、スロットマシン1000も示されている。図8に示すスロットマシン1000もオリジナルモードが設定可能な遊技台である。
【0177】
オリジナルモードに設定された遊技台(100,1000)は、携帯電話端末Mが読み取り可能な画像情報を特定条件の成立を契機に表示する。画像情報を読み取った携帯電話端末Mでは、遊技台における必要条件が報知され、遊技者がその必要条件を成立させた場合には、遊技台において特別演出が実行される。
【0178】
図9は、装飾図柄表示装置を用いた事前登録を説明するための図である。
【0179】
オリジナルモードを設定するには、遊技するパチンコ機100ごとに事前登録を行う必要がある。また、同一のパチンコ機100であっても、日が異なれば、事前登録を再度行う必要がある。
【0180】
図9(a)は、パチンコ機100で遊技が開始される前のデモ中における装飾図柄表示装置208の画面を示す図である。デモ中には、オリジナルモード搭載機であることを表す表示として「演出ボタンを1回押してください。オリジナルモードの事前登録ができます」という文字表示がなされている。事前登録を行うか否かは遊技者の任意であり、事前登録を行う場合には、図1に示す演出ボタン136をデモ中に1回押せば、装飾図柄表示装置208の画面は事前登録画面に切り替わる。事前登録画面では、ユーザIDとパスワードを別々の画面で登録する。ユーザIDは、サーバ側のウェブページから発行され、一度取得すると、継続して使用することができる。一方、パスワードは、サーバ側のウェブページから事前登録の都度取得しておく必要がある。サーバ側のウェブページには、携帯電話端末からアクセスすることができる。
【0181】
図9(b)は、事前登録画面のうち、パスワードを登録する画面を示す図である。事前登録画面には、アルファベットと記号の一覧表が表示される。この一覧表の中を、図1に示す十字キー141を操作することで、カーソル208cが移動し、所望のアルファベットあるいは記号にカーソル208cを合わせて、演出ボタン136を1回押下すると、カーソル208cを合わせたアルファベットあるいは記号が入力される。
【0182】
図9(c)は、ユーザIDとパスワードの入力が完了した画面を示す図である。ユーザIDとパスワードの入力が完了すると、そのパチンコ機100での事前登録が済んだことになり、オリシナルモードが設定できるようになる。
【0183】
また、所定の外部サーバーからパスワードを取得することも可能である。例えば、遊技台製造メーカのホームページから2次元コードを携帯電話端末で読み取り、所定のURLへアクセスして、そこでユーザIDとパスワードを取得するようにしてもよい。
【0184】
一方、オリジナルモードを終了するには、デモ中に戻してから所定の操作を行う必要がる。
【0185】
図10は、装飾図柄表示装置を用いたオリジナルモードの終了を説明するための図である。
【0186】
特図の変動遊技が終了し、図10(a)に示すように装飾図柄表示装置208に装飾図柄の組み合わせが停止表示された後、所定時間が経過するとデモ中に移行する。図10(b)は、オリジナルモードが設定された状態でデモ中に移行したときの装飾図柄表示装置208の画面を示す図である。図10(b)に示す装飾図柄表示装置208におけるデモ中画面には、オリジナルモードを終了するには演出ボタン136を押す必要があることが表示されている。この表示がなされている状態で演出ボタン136が押下されると、図10(c)に示す画面に切り替わる。図10(c)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、登録画像情報Fが表示されるとともに、その登録画像情報Fを読み取って、オリジナルモード情報を更新する必要がある旨も表示されている。図10(c)に示す登録画像情報Fは2次元コードである。この2次元コードは、オリジナルモード情報を更新するウェブページのURLの情報と、今回オリジナルモードを設定してから終了するまでの遊技の履歴情報を含んでおり、通信機能をもった外部機器装置に読み取られるとその外部機器装置でそのURLが指定され、自動的にオリジナルモード情報が更新される。すなわち、ウェブページを管理しているサーバには、ユーザIDに対して、パスワードと遊技の履歴情報それぞれが対応付けられて記憶されており、オリジナルモード情報を更新するウェブページにアクセスすると、自動的にオリジナルモード情報が更新される。なお、サーバには、ユーザIDに対して、外部機器装置(例えば携帯電話端末)の個体識別番号も対応付けて記憶されていてもよい。オリジナルモード情報の更新が完了すると、図10(d)に示すように、装飾図柄表示装置208の画面には、オリジナルモードを終了するか否かを問い合わせるYES/NO表示がなされ、カーソル208Cを十字キー141によってYESまたはNOのいずれか一方に合わせてから演出ボタン136を押下すればよい。
【0187】
大当り連続系における特別演出は、オリジナルモードであっても、先読み系、プレミア系では実行されず、この大当り連続系に限って実行される演出である。大当り連続系の特別演出は、大当り中ミッション処理によって実行される。
【0188】
図11は、第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行する大当り中ミッション処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。
【0189】
上述のごとく、第1副制御部400には、主制御部300から大当り遊技開始コマンドに相当する入賞演出開始コマンドが送信されてくる。この入賞演出開始コマンドには、特図決定結果(特図の停止図柄)を表す情報が含まれている。図11に示す大当り中ミッション処理は、第1副制御部400が入賞演出開始コマンドを受信すると開始される処理である。大当り中ミッション処理では、まず、入賞演出開始コマンドに含まれている特図決定結果が15R特別大当り図柄である特図Aであるか否かを判定し(ステップS401)、特図Aでなければ大当り中ミッション処理は終了になる。一方、特図Aであると、オリジナルモードに設定されてからの15R特別大当りまたは15R大当りの総回数が所定回数であるか否か、すなわち出球が期待できる大当りの連チャン数が所定回数目(例えば、5回目、10回目、20回目、25回目等)であるか否かを判定し(ステップS403)、所定回数目の大当りでなければ大当り中ミッション処理は終了になり、所定回数目の大当りであればステップS405へ進む。第1副制御部400のCPU404は、特図決定結果が特図Aか特図Bであった時点から、大当りの連チャン数のカウントを開始し、入賞演出開始コマンドに、特図Aあるいは特図Bの特図決定結果が含まれているたびにカウンタを1ずつインクリメントする。なお、大当りの連チャン数のカウント値は、特図決定結果に、特図Aおよび特図B以外の大当り図柄の特図決定結果が含まれていても変化はなく、電サポ状態が切れた時点(非電サポ状態へ移行した時点)で0にリセットされる。第1副制御部400には、主制御部300から、制御状態を表す情報を含んだ制御コマンドが送信されてきており、第1副制御部400のCPU404は、普図低確率状態を表す情報を含んだ制御コマンドを受信すると、大当りの連チャン数のカウント値を0にリセットする。
【0190】
ステップS405では、まず、画像情報1を装飾図柄表示装置208に表示させるか否かを抽選を行い、抽選に当選すると、装飾図柄表示装置208には画像情報1が表示される。この画像情報1の表示タイミングは、大当り遊技開始時になる。
【0191】
図12は、大当り連続系の特別演出を説明するための図である。以下、大当り連続系の特別演出を特別演出1と称する。
【0192】
特別演出1を実行するにあたっては、特定条件と必要条件を充足する必要がある。特定条件では、上述したステップS401およびステップS403でともに肯定的な判定がなされることが条件になる。すなわち、確変付き15R大当り図柄が停止表示され、かつオリジナルモードに設定されてから所定回数目の15R系の大当りであることが条件になる。確変付き15R大当り図柄が停止表示されることを特定条件の一要件にすることで、特別演出の希少性が向上している。
【0193】
また、必要条件は、時期的要件と遊技者操作要件に分けられる。必要条件の時期的要件は、遊技者操作のタイミングであり、図12に示す特定条件No.1では、大当り遊技を開始してからの5ラウンド目になる。なお、必要条件の時期的要件は複数種類(例えば、4ラウンド目や10ラウンド目等)用意されているが、図12では図示省略されている。また、必要条件の遊技者操作要件も、複数種類用意されている。図12に示す特定条件No.1では、図1に示す演出ボタン136を5回以上操作すること、可変入賞口234の扉部材2341を最大開放時間、開放させること(アタッカーフルオープン)、演出ボタン136を3回だけ操作すること、右打ちして普図始動口228に球を通過させることの4種類が用意されている。なお、アタッカーフルオープンは、可変入賞口234へ所定球数入球する前に最大開放時間を経過させなければならないことから、遊技者は遊技球の打ち出しを止めればよい。
【0194】
以上説明した特定条件と必要条件の双方を充足することによって初めて実行される特別演出1としては、特定条件と必要条件の組み合わせに応じて複数種類用意されている。特定条件が充足されると、装飾図柄表示装置208には画像情報1が表示される。すなわち、確変付き15R大当り図柄が停止表示されたといった、大当り遊技(特別遊技状態)に関する条件の成立を契機に画像情報1が表示される。図12に示す画像Noは、この画像情報1の種別を示すものであり、画像Noに対応して乱数抽選用の数値範囲(乱数振り分け)が規定されている。画像情報1の種別や乱数抽選用の数値範囲は第1副制御部400のROM406に記憶されている。
【0195】
図11に示すステップS405では、専用乱数を取得し、図12に示す乱数抽選用の数値範囲(乱数振り分け)のいずれに、取得した専用乱数が属するかの抽選を行い、専用乱数が属する数値範囲に対応した画像Noの種別の画像情報1を、装飾図柄表示装置208に表示させるための制御コマンドを、RAM408に設けられた送信領域に設定する。ここで、画像情報1に応じた必要条件も決定され、決定された必要条件は第1副制御部400のCPU404によってRAM408に設定される。したがって、第1副制御部400のCPU404が、必要条件設定手段の一例に相当する。
【0196】
ここでの特別演出1は、大当り遊技の終了演出時(エンディング時)に通常では出現しないキャラクタが出現したり、次回大当りまでスピーカ120から特別な変動音が出力されたり、次回大当り変動で通常では出現しないキャラクタが出現したり等する。すなわち、特別演出1の実行タイミングは様々である。本実施形態では、種類の異なる必要条件ごとに用意された特別演出1を実行可能であり、複数種類の必要条件のうち遊技者が成立させた必要条件に対して用意された特別演出1を実行する。また、別の言い方をすれば、複数種類の必要条件ごとに用意された種類の異なる特別演出1を実行可能であり、複数種類の特別演出1のうち、遊技者が成立させた必要条件に対して用意された特別演出1を実行する。なお、特別演出1の実行は、遊技媒体(ここでは遊技球)の増減に関する利益とは無関係なものである。
【0197】
図13は、通常モード(非オリジナルモード)における特図A停止表示から大当り遊技終了までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【0198】
図13(a)には、ここでは不図示の第2特図表示装置214に特図Aが停止表示した時の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。図13(a)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ2”の一例である「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示されている。この例では、5回目の15R特別大当りまたは15R大当り(15R系大当り5連チャン目)に相当する。
【0199】
図13(b)には、大当り遊技が開始された時の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。図13(b)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、15R系大当り連チャン回数が5回目であることが表示されるとともに、通常キャラクタである主人公のキャラクタは表示されているが、画像情報1は非表示である。
【0200】
図13(c)には、5ラウンド目に突入した時の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。図13(c)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、5ラウンド目(5R)であることが表示されるとともに、通常キャラクタである主人公のキャラクタが表示されている。
【0201】
図13(d)には、大当り遊技が終了する際の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。図13(d)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、大当り遊技の終了演出として、通常キャラクタである副主人公のお姫様のキャラクタが表示され、特図高確率状態(確変状態)へ移行することが告知されている。
【0202】
図14は、オリジナルモードにおける特図A停止表示から大当り遊技終了までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【0203】
図14(a)にも、不図示の第2特図表示装置214に特図Aが停止表示した時の装飾図柄表示装置208の画面が示されているが、図13(a)に示す画面と何ら変わるところはない。ここでも、5回目の15R特別大当りまたは15R大当り(15R系大当り5連チャン目)に相当する。
【0204】
図14(b)には、大当り遊技が開始された時の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。オリジナルモードにおいて特定条件が充足されたことにより、図14(b)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、15R系大当り連チャン回数(5回目)および通常キャラクタである主人公のキャラクタの他、画像情報1P1が表示されるとともに、その画像情報1P1を読み取って、必要条件(ここではミッション情報)を入手する旨の指示も表示されている。図14(b)に示す画像情報1P1は図12に示す画像No.A1に相当する2次元コードである。この2次元コードは、必要条件を外部機器装置に表示させるウェブページのURLを表し、通信機能をもった外部機器装置に読み取られるとその外部機器装置でそのURLが指定される情報である。必要条件を外部機器装置に表示させるウェブページのURLは、ユーザIDごとに異なる一人のユーザ専用のURLであることが好ましい。図14(b)に示す画像情報1P1は、遊技者が見てもどのような情報かわからものであるが、例えば、図14(b)に示す二次元コードの下に「レアキャラが登場するよ」という、特別演出1の内容示唆する文字表示を加え、二次元コードにこの文字表示を加えたものを画像情報1として表示させてもよい。あるいは、必要条件(ここではミッション情報)を入手する旨の指示を、「画面のコードを撮影してミッション情報をゲットしてレアキャラを登場させよう」もといった、必要条件入手の指示の特別演出1の内容示唆を加えたものとし、二次元コードにこの説明文を加えたものを画像情報1として表示させてもよい。図14(x)には、通信機能と読取機能をもった外部機器装置の一例である携帯電話端末Mが示されている。図14(x)に示す携帯電話端末Mは、同図(b)に示す画像情報1P1を撮影して読み取り、インターネットを介して所定のウェブページにアクセスした結果のものであり、その画像表示画面m1には、必要条件(図1に示す演出ボタン136を5回以上操作すること)が表示されている。
【0205】
図14(c)には、5ラウンド目に突入した時の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。図14(c)に示す装飾図柄表示装置208の画面にも、図13(c)に示す画面と同様、5ラウンド目(5R)であることが表示されるとともに、通常キャラクタである主人公のキャラクタが表示されている。
【0206】
図14(d)には、大当り遊技が終了する際の装飾図柄表示装置208の画面が示されている。図14(d)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、大当り遊技の終了演出として、特図高確率状態(確変状態)へ移行することが告知されるとともに、図13(d)に示す、通常キャラクタである副主人公のお姫様のキャラクタに代えて、キャラクタAが表示されている。このように、オリジナルモードで特定条件と必要条件をともに充足すると、オリジナルモードに登録していない者には付与されない特典(ここでは、キャラクタAの出現)が付与される。
【0207】
以上、図14を用いて説明した大当り連続系の特別演出では、共通の必要条件(例えば、演出ボタン136を5回以上操作)を携帯電話端末Mに報知させる種類の異なる画像情報の中から選択された1種類の画像情報(例えば、画像No.A1の2次元コード)を装飾図柄表示装置208に表示させ、その共通の必要条件を遊技者が成立させた場合に、装飾図柄表示装置208に表示させた1種類の画像情報(画像No.A1の2次元コード)に対応した特別演出(キャラクタAの出現)が実行される。
【0208】
第1副制御部400には、主制御部300から現在のラウンド数を表す情報が含まれた制御コマンド(大入賞口開放コマンド等)が送信されてくる。第1副制御部400は、この制御コマンドを受信することで、現在が何ラウンド目であるか認識する。
【0209】
図11に示すステップS405の実行が終了すると、RAM408に設けられた有効期間設定フラグ1はオンに設定されているか否かを判定する(ステップS407)。この有効期間設定フラグ1がオンに設定されているラウンドが、必要条件が充足されるかを判定する判定ラウンドになる。なお、ここでは、このように所定のラウンドの間を必要条件充足の判定有効期間として取り扱っているが、第1副制御部400のタイマ処理によっても判定有効期間を管理することができ、判定有効期間は所定のラウンドの間に限られるものではない。有効期間設定フラグ1がオフに設定されていればステップS415へ進み、有効期間設定フラグ1がオンに設定されていれば、上記必要条件が充足されているか否かを判定する(ステップS409)。上述のごとく、この必要条件は、遊技者の操作によって充足される条件であり、必要条件が充足されていなければ、ステップS413へ進み、充足されていれば、RAM408に設けられた特別演出実行可能フラグ1をオンに設定する(ステップS411)。続く、ステップS413では、上記有効期間設定フラグ1をオフに設定し、ステップS415へ進む。ステップS415では、現在のラウンド数が最終ラウンド以外(ここでは15R以外)であるか否かを判定し、最終ラウンド以外であればステップS421へ進み、最終ラウンドあればステップS431へ進む。
【0210】
図15は、第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行する大当り中ミッション処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。
【0211】
図15(a)には、現在のラウンド数が最終ラウンド以外であった場合に実行される処理の流れが示されている。この図15(a)に示すステップS421では、現在のラウンドが必要条件タイミングラウンド(例えば、図14に示す例では5ラウンド目)であるか否かを判定する。すなわち必要条件の時期的要件を充足するためのタイミングであるか否かを判定し、必要条件タイミングラウンドでなければ、図11に示すステップS407へ戻る。一方、必要条件タイミングラウンドであれば、RAM408に用意された有効期間設定フラグ1をオンにセットし(ステップS423)、図11に示すステップS407へ戻る。有効期間設定フラグ1は、必要条件の時期的要件を充足するためのタイミングであることを表すフラグである。
【0212】
図15(b)には、現在のラウンド数が最終ラウンドであった場合に実行される処理の流れが示されている。この図15(b)に示すステップS431では、RAM408に用意された特別演出実行可能フラグ1がオンにセットされているか否かを判定し、オフにセットされていれば、大当り中ミッション処理は終了になる。特別演出実行可能フラグ1は、必要条件が充足されるとオンに設定されるフラグであり(図11に示すステップS411参照)、この特別演出実行可能フラグ1がオンにセットされていれば、特別演出1の実行契機であるか否かを判定する(ステップS433)。図12を用いて説明したように、特別演出1の実行タイミングは様々であり、ステップS433では、その実行タイミングにあるか否かを判定し、実行タイミングにあれば、特別演出1を実行する指示を行う(ステップS435)。例えば、装飾図柄表示装置208に通常では出現しないキャラクタを表示する場合には、装飾図柄表示装置208にそのキャラクタを表示させるための制御コマンドを、RAM408に設けられた送信領域に設定する。また、スピーカ120に特別な音を出力させる場合には、音源IC416にその旨を指示する。次いで、特別演出実行可能フラグ1をオフに設定し(ステップS437)、大当り中ミッション処理は終了になる。
【0213】
上述のごとく、本実施形態のパチンコ機100では、装飾図柄表示装置208に同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ場合には、この装飾図柄の組合せを見ただけでは、確変付きである15R特別大当りに当選したのか、確変なしである15R大当りに当選したのかは不明である。しかしながら、以上説明した大当り連続系では、特定条件の一要件として確変付きの特図Aが停止表示されたことを要件とし、15R特別大当りまたは15R大当りを図10に示すステップS403で判定する連チャンの対象にしているため、特図表示装置(212,214)に表示される特図Aが停止表示されたことがわからない遊技者や、それを見落とした遊技者でも、上記特定条件の一要件さえ知っていれば、すなわち、確変状態に限って2次元コードが表示されることを知っていれば、2次元コードの表示が、現在、確変状態であることの報知になる。
【0214】
続いて、先読み系の特別演出について詳述する。先読み系の特別演出は、第1副制御部400によるサブ先読み処理によって実行される。
【0215】
図16は、第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行するサブ先読み処理の流れを示すフローチャートである。
【0216】
上述のごとく、第1副制御部400には、主制御部300から特図保留増加コマンドが送信されてくる。この特図保留増加コマンドには、特図事前判定結果を表す情報が含まれている。図16に示すサブ先読み処理は、第1副制御部400が特図保留増加コマンドを受信すると開始される処理である。このサブ先読み処理では、まず、特図保留増加コマンドに含まれている特図事前判定結果が、15R特別大当り図柄である特図Aであるか否かを判定し(ステップS501)、特図Aでなければ今度は、15R大当り図柄である特図Bであるか否かを判定し(ステップS502)、特図Bでもなければ、先読み処理は終了になる。一方、特図Aであると、保留変化抽選テーブルAを用いた抽選を行い(ステップS503)、ステップS504へ進む。
【0217】
図17(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化抽選テーブルAを示す図である。
【0218】
本実施形態のパチンコ機100では、遊技者にとって有利な当否判定結果であることを遊技者に期待させる予告報知を行うか否かを決定し、予告報知を行う場合には、当否判定が行われる前に予告報知を行う。この予告報知は、装飾図柄表示装置208に表示する保留表示を用いて行われる。保留表示は、デフォルトでは青色の表示であるが、ステップS503における抽選結果によっては、赤色の表示として装飾図柄表示装置208に示される。遊技者からすると、青色の保留表示は予告報知を兼ねるものであるか否か不明であるが、赤色の保留表示は予告報知を兼ねたものであることがわかる。ステップS503では、まず、取り得る数値範囲が0〜99の専用乱数を取得する。図17(a)に示す保留変化抽選テーブルAには、赤色へ変化する数値範囲と、青色のまま変化しない数値範囲とが規定されている。赤色へ変化する当選確率は60%である。ステップS503では、次いで、図17(a)に示す保留変化抽選テーブルAに規定されたいずれの数値範囲に、取得した専用乱数が属するかを判定する。
【0219】
また、特図事前判定結果が特図Bであった場合には、保留変化抽選テーブルBを用いた抽選を行い(ステップS505)、ステップS508へ進む。
【0220】
図17(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化抽選テーブルBを示す図である。
【0221】
ステップS508では、まず、取り得る数値範囲が0〜99の専用乱数を取得する。図17(b)に示す保留変化抽選テーブルBにも、赤色へ変化する数値範囲と、青色のまま変化しない数値範囲とが規定されており、赤色へ変化する当選確率は30%であり、図17(a)に示す保留変化抽選テーブルAよりも低い。ステップS508では、次いで、図17(b)に示す保留変化抽選テーブルBに規定されたいずれの数値範囲に、取得した専用乱数が属するかを判定する。
【0222】
ステップS503における保留変化抽選テーブルAを用いた抽選に続いて行われるステップS504では、ステップS503の抽選結果に応じて画像表示抽選が行われる。
【0223】
図17(c)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている、赤色の保留表示が行われる際の画像表示抽選テーブルを示す図であり、図17(d)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている、青色の保留表示が行われる際の画像表示抽選テーブルを示す図である。
【0224】
ステップS504でも、まず、取り得る数値範囲が0〜99の専用乱数を取得する。図17(c)に示す画像表示抽選テーブルには、画像情報2を表示する数値範囲と、表示しない数値範囲とが規定されており、画像情報2を表示する方の当選確率は60%である。また、図17(d)に示す画像表示抽選テーブルにも、画像情報2を表示する数値範囲と、表示しない数値範囲とが規定されているが、画像情報2を表示する方の当選確率は95%と高く、図17(d)に示す画像表示抽選テーブルよりも高い。ステップS504では、次いで、画像表示抽選テーブルに規定されたいずれの数値範囲に、取得した専用乱数が属するかを判定する。
【0225】
図18は、先読み系の特別演出を説明するための図である。以下、先読み系の特別演出を特別演出2と称する。
【0226】
特別演出2を実行するにあたっても、特定条件と必要条件を充足する必要がある。特定条件は、上述したステップS501において肯定的な判定がなされ(特図事前判定結果として確変付き15R大当り図柄(特図A)が導出されたこと)、かつステップS504における抽選で画像表示することに当選することが条件になる。
【0227】
また、必要条件は、ここでも時期的要件と遊技者操作要件に分けられる。ここでの必要条件の時期的要件(必要条件タイミング2)は、図18に示す特定条件No.4では、特図Aを停止表示する変動停止表示の1回前の変動停止表示中か、あるいは特図Aを停止表示する変動停止表示中かに分かれる。また、必要条件の遊技者操作要件は、複数種類用意されている。図18に示す特定条件No.4では、図1に示す演出ボタン136を5回以上操作すること、右打ちして普図始動口228に球を通過させること、演出ボタン136を1回だけ操作することの4種類が用意されており、時期的要件と遊技者操作要件が組み合わさって必要条件が規定されている。
【0228】
以上説明した特定条件と必要条件の双方を充足することによって初めて実行される特別演出2としては、特定条件と必要条件の組み合わせに応じて複数種類用意されている。ここでの特別演出2は、特図Aを停止表示する変動停止表示で、大当りの確定告知が行われたり、通常では出現しないプレミアムキャラクタが出現したり、スピーカ120から特殊な変動音が出力されたり、ランプ(418)を用いた特殊な発光演出が行われたり等する。このように、必要条件の時期的要件は、大当り図柄が停止表示する図柄変動停止表示の1回前の図柄変動停止表示であるが、特別演出2が実行されるのは、大当り図柄が停止表示する図柄変動停止表示である。
【0229】
特定条件が充足されると、装飾図柄表示装置208には画像情報2が表示される。すなわち、特図事前判定結果として確変付き15R大当り図柄(特図A)が導出されることといった、図柄変動停止表示に関する条件の成立を契機に画像情報2が表示される。図18に示す画像Noは、この画像情報2の種別を示すものであり、画像Noに対応して乱数抽選用の数値範囲(乱数振り分け)が規定されているが、図18では、乱数抽選用の数値範囲は図示省略されている。画像情報2の種別や乱数抽選用の数値範囲も第1副制御部400のROM406に記憶されている。
【0230】
図16に示すステップS504に続いて実行されるステップS506では、ステップS504における画像表示の抽選に当選したか否かを判定し、ハズレであればステップS508へ進み、当選していればステップS507に進む。ステップS507では、専用乱数を取得し、図18で図示省略した乱数抽選用の数値範囲(乱数振り分け)のいずれに、取得した専用乱数が属するかの抽選を行い、専用乱数が属する数値範囲に対応した画像Noの種別の画像情報2を装飾図柄表示装置208に表示させるための制御コマンドを、RAM408に設けられた送信領域に設定する。
【0231】
図19は、通常モード(非オリジナルモード)における特図A停止表示までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【0232】
図19(a)には、装飾図柄の変動が行われている様子が示されている。図19(a)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、特図2の保留が3つあることが、一つの赤色の保留表示R1と、2つの青色の保留表示B1,B2で示されている。赤色の保留表示R1がなされていることで、予告報知が兼ねられている。赤色の保留表示R1の元になった始動情報を先読みして事前判定した特図事前判定結果は特図Aである。図19(a)に示す3つの保留表示のうち、始動情報取得のタイミングが遅い保留表示ほど右側に表示されている。すなわち、赤色の保留表示R1は最も新しい保留表示に相当する。特図の変動停止表示(保留消化)は、始動情報取得のタイミングが遅いものから先に行われる。同図(b)〜(d)それぞれでは、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示された様子が示され、保留表示が一つずつ減っている。同図(e)では、赤色の保留表示R1に基づく特図2の変動停止表示が開始され、装飾図柄表示装置208でも、装飾図柄の変動停止表示が開始されている。同図(f)では、装飾図柄表示装置208に、リーチ表示がなされ、通常キャラクである主人公のキャラクタが登場している。この例では、これまで一度も画像情報2は表示されていない。やがて、特図2が停止表示され、図(g)に装飾図柄表示装置208の画面には、図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ2”の一例である「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示されている。
【0233】
図20は、オリジナルモードにおいて、特図Aを停止表示する変動停止表示の1回前の変動停止表示までの装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図であり、図21は、図20に示す変動停止表示に続いて行われる、特図Aを停止表示する変動停止表示中の装飾図柄表示装置の画面を段階的に示す図である。
【0234】
図20(a)にも、装飾図柄の変動が行われている様子が示されており、この図20(a)に示す装飾図柄表示装置208の画面にも、特図2の保留が3つあることが、一つの赤色の保留表示R1と、2つの青色の保留表示B1,B2で示されている。ここでも、予告報知を兼ねる赤色の保留表示R1の元になった始動情報を先読みして事前判定した特図事前判定結果は特図Aである。さらに、図20(a)に示す装飾図柄表示装置208の画面では、主人公のキャラクタと、画像情報2P2が表示されるとともに、その画像情報2P2を読み取って、必要条件(ここではミッション情報)を入手する旨の指示も表示されている。図20(a)に示す画像情報2P2は図18に示す画像No.B2に相当する2次元コードである。この2次元コードも、必要条件を外部機器装置に表示させるウェブページのURLを表し、通信機能をもった外部機器装置に読み取られるとその外部機器装置でそのURLが指定される情報である。図20(x)には、通信機能と読取機能をもった外部機器装置の一例である携帯電話端末Mが示されている。図20(x)に示す携帯電話端末Mは、同図(a)に示す画像情報2P2を撮影して読み取り、インターネットを介して所定のウェブページにアクセスした結果のものであり、その画像表示画面m1には、必要条件(特図Aを停止表示する変動停止表示の1回前の変動停止表示中に図1に示す演出ボタン136を5回以上操作すること)が表示されている。同図(b)および(c)それぞれでは、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示された様子が示され、保留表示が一つずつ減っている。同図(c’)では、特図Aを停止表示する変動停止表示の1回前の変動停止表示、すなわち、予告報知を兼ねる赤色の保留表示R1に基づく変動停止表示の1回前の変動停止表示が開始され、遊技者は、この変動停止表示中(ミッション有効期間中に相当)に図1に示す演出ボタン136を5回以上操作する。やがて、同図(d)に示すように、ハズレの装飾図柄の組み合わせが停止表示され、図21(a)からは、特図Aを停止表示する変動停止表示が開始される。図21(b)では、装飾図柄表示装置208に、リーチ表示がなされ、通常キャラクである主人公のキャラクタに代えて、プレミアムキャラクタPRが表示され、同図(c)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、プレミアムキャラクタPRを背景画面にして、図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ2”の一例である「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示されている。
【0235】
以上説明した先読み系では、特定条件の一要件として特図事前判定結果が特図Aであること要件とするため、画像情報2(ここでは2次元コード)が表示されること自体が、15R特別大当りの予告報知(確変確定事前報知)に相当する。すなわち、画像情報は、所定の制御状態(例えば第2の確率制御状態)に移行すること、あるいは所定の抽選結果(当否判定結果)であることを事前に報知する予告報知としても機能する。このことは、オリジナルモード登録者の大きな特権になる。また、画像情報2が表示される前に、あるいは画像情報2が表示されなくても、赤色の保留表示が示されると、15R特別大当りか15R大当りの予告報知になる。さらに、赤色の保留表示は、15R特別大当りの予告報知(確変確定事前報知)になる画像情報2が表示される予告に相当する場合がある。さらに、保留表示が赤色に変更されなくても、画像情報2が表示されることもあり、15R特別大当りの予告報知(確変確定事前報知)として画像情報2が機能することを、オリジナルモード非登録にアピールして、オリジナルモードの特典を伝えることができる場合がある。なお、特定条件の一要件として特図事前判定結果が特図Aであること要件とすることに代えて、特図事前判定結果が非確変大当り図柄(例えば時短だけが付いた大当り図柄)でも要件にすることができる。
【0236】
次に、プレミア系の特別演出について詳述する。プレミア系の特別演出は、第1副制御部400による変動中特別演出処理によって実行される。なお、この変動中特別演出処理では、上述の大当り連続系や先読み系の処理の一部も合わせて実行されることがある。
【0237】
図22は、第1副制御部400がオリジナルモードにおいて実行する変動中特別演出処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。
【0238】
上述のごとく、第1副制御部400には、主制御部300から図柄変動開始コマンドが送信されてくる。この図柄変動開始コマンドには、タイマ番号を表す情報が含まれている。図22に示す変動中特別演出処理は、第1副制御部400が図柄変動開始コマンドを受信すると開始される処理である。この変動中特別演出処理では、まず、図柄変動開始コマンドに含まれているタイマ番号が、プレミアリーチが実行されるタイマ8である否かを判定し(ステップS601)、タイマ8、すなわちプレミアリーチでなければ、ステップS607に進む。一方、プレミアリーチが実行されるタイマ8であると、ステップS603において、まずは画像表示の抽選が行われる。なお、プレミアリーチが行われると、15R特別大当り図柄が必ず停止表示され、大当りになる。
【0239】
図23(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている画像表示抽選3テーブルを示す図である。
【0240】
ステップS603では、まず、取り得る数値範囲が0〜99の専用乱数を取得する。図23(a)に示す画像表示抽選3テーブルには、画像情報3を表示する数値範囲と、表示しない数値範囲とが規定されており、画像情報3を表示する方の当選確率は70%である。なお、ここでの抽選にハズレで画像情報3が非表示であっても、15R特別大当り図柄が停止表示される可能性は残る。ステップS603では、次いで、図23(a)に示す画像表示抽選3テーブルに規定されたいずれの数値範囲に、取得した専用乱数が属するかを判定し、画像表示の抽選を行う。
【0241】
図23(b)は、プレミア系の特別演出を説明するための図である。以下、プレミア系の特別演出を特別演出3と称する。
【0242】
特別演出3を実行するにあたっても、特定条件と必要条件を充足する必要がある。特定条件は、上述したステップS601において肯定的な判定がなされ(プレミアリーチが実行されること)、かつステップS603における抽選で画像表示することに当選することが条件になる。
【0243】
また、必要条件は、ここでも時期的要件と遊技者操作要件に分けられる。ここでの必要条件の時期的要件(必要条件タイミング3)は、図23(b)に示す特定条件No.6では、今回受信した図柄変動開始コマンドに基づく変動停止表示(当該変動)中になる。また、必要条件の遊技者操作要件は、複数種類用意されている。図23(b)に示す特定条件No.6では、図1に示す演出ボタン136を1回だけ操作すること、右打ちして普図始動口228に球を通過させることの2種類が用意されており、時期的要件と遊技者操作要件が組み合わさって必要条件が規定されている。
【0244】
以上説明した特定条件と必要条件の双方を充足することによって初めて実行される特別演出3としては、特定条件と必要条件の組み合わせに応じて複数種類用意されている。ここでの特別演出3は、全回転する装飾図柄が総て装飾7で変動したり、変動中に特別な背景画像を表示したり、スピーカ120から特殊な大当り確定音を出力したり、当該変動後、次回大当りまで特殊モードが設定されたり等する。
【0245】
なお、図12や図18や図23(b)を用いた説明では、画像情報は、特定条件と必要条件が共通していても、特別演出の内容ごとに一つずつ用意されているが、例えば、特定条件と必要条件が共通する組み合わせごとに一つの画像情報を表示するようにして、特別演出の内容は、必要条件充足の判定後に抽選によって決定してもよい。また、パチンコ機側で必要条件を予め決めておけば、予め決められた複数種類の必要条件の中からいずれの必要条件とするかは、図8に示すサーバS側で抽選によって決定するようにしてもよい。この場合には、パチンコ機側では、予め決めておいた必要条件総てについて充足したか否かの判定を行えばよい。
【0246】
特定条件が充足されると、装飾図柄表示装置208には画像情報3が表示される。すなわち、プレミアリーチが実行されることといった、図柄変動停止表示に関する条件の成立を契機に画像情報3が表示される。図23(b)に示す画像Noは、この画像情報3の種別を示すものであり、画像Noに対応して乱数抽選用の数値範囲(乱数振り分け)が規定されているが、図23(b)では、乱数抽選用の数値範囲は図示省略されている。画像情報3の種別や乱数抽選用の数値範囲も第1副制御部400のROM406に記憶されている。
【0247】
図22に示すステップS603では、画像表示の抽選を行った後に、画像表示することに当選したか否かを判定し、当選していなければ、この変動中特別演出処理は終了になる。一方、当選していれば、専用乱数を取得し、図23(b)で図示省略した乱数抽選用の数値範囲(乱数振り分け)のいずれに、取得した専用乱数が属するかの抽選を行い、専用乱数が属する数値範囲に対応した画像Noの種別の画像情報3を装飾図柄表示装置208に表示させるための制御コマンドを、RAM408に設けられた送信領域に設定する(ステップS605)。
【0248】
ステップS605に続いて実行されるステップS607では、図18に示す先読み系の必要条件タイミング2や図23(b)に示す必要条件タイミング3となる変動停止表示であるか否かを判定し、そうでなければステップS621へ進み、そうであればステップS609へ進む。第1副制御部400のRAM408には、必要条件タイミングに応じた有効期間の経過をカウントダウンするためのタイマも用意されており、ステップS609では、そのタイマに所定の値をセットし、ステップS611では、そのタイマの値を1減算する。次いで、ステップS613では、そのタイマの値が0になったか否かを判定し、0になるまでステップS611およびステップS613の処理を繰り返し、遊技者の操作期間を確保する。タイマの値が0になると、ステップS615で、必要条件は充足されたか否かを判定し、充足されていなければステップS621へ進み、充足されていれば、特別演出実行可能フラグ2又は3をオンにセットし(ステップS617)、それからステップS621へ進む。特別演出実行可能フラグ2も特別演出実行可能フラグ3も、RAM408に用意されたフラグであり、特別演出実行可能フラグ2がオンにセットされていると、先読み系の特別演出2が実行され、特別演出実行可能フラグ3がオンにセットされていると、プレミア系の特別演出3が実行される。なお、上述のごとく、先読み系の特別演出2は、特図Aを停止表示する変動停止表示中に行われる演出であるため、15R特別大当り図柄あるいは15R大当り図柄が必ず停止表示されるプレミア系と重複する場合がある。
【0249】
図24は、図22に示す変動中特別演出処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。
【0250】
図24に示すステップS621では、特別演出実行可能フラグ1〜3のいずれかのフラグがオンに設定されているか否かを判定する。ここで、大当り連続系の特別演出実行可能フラグ1がオンに設定されている場合とは、例えば、次回大当りまでスピーカ120から特別な変動音が出力される特別演出1が行われる場合等であり、先読み系の特別演出実行可能フラグ2がオンに設定されている場合とは、例えば、次回大当りまでスピーカ120から特別な変動音が出力される特別演出1が行われる場合等である。ここで、いずれのフラグもオンに設定されていなければ、この変動中特別演出処理は終了になる。一方、いずれかのフラグがオンに設定されていれば、オンされているフラグに対応した特別演出の実行契機であるか否かを判定し(ステップS623)、実行契機でなければ、この変動中特別演出処理は終了になる。反対に、実行契機であれば、オンされているフラグに対応した特別演出の実行を行い(ステップS625)、ステップS627へ進む。ステップS627では、ステップS625で実行した特別演出が、特定の特別演出か否かを判定する。ここにいう特定の特別演出とは、次回大当りになるまで続けられる特別演出(例えば、次回大当りまでスピーカ120から特別な変動音が出力される特別演出1や、次回大当りまで特殊モードが設定される特別演出3等)である。この特定の特別演出であれば、対応する特別演出実行可能フラグをオンに設定したまま変動中特別演出処理を終了するが、そうでなれば、対応する特別演出実行可能フラグをオフに設定して(ステップS629)から、この変動中特別演出処理を終了する。
【0251】
なお、大当り連続系の大当り中ミッション処理の流れを示す図11および図15のフロチャートや、先読み系のサブ先読み処理の流れを示す図16のフローチャートや、プレミア系の変動中特別演出処理の流れを示すここで説明した図22および図24のフロチャートはいずれも一例であり、特定条件や必要条件や特別演出の内容が変われば、各処理の流れも変わる。
【0252】
図25は、通常モード(非オリジナルモード)において、全回転リーチが行われる変動停止表示(当該変動)中の装飾図柄表示装置208の画面を段階的に示す図である。
【0253】
図25(a)には、装飾図柄の変動が開始された様子が示されており、同図(b)〜(c)には、全回転リーチが行われている様子が示されている。全回転リーチは、全ての図柄表示領域208a〜208cの装飾図柄を変動表示した後、15R特別大当りあるいは15R大当りとなる装飾図柄の組合せ(図5(b)に示す装飾図柄の組合せ1や2)を所定の回数だけ停止表示する演出を行った上で、15R特別大当りあるいは15R大当りとなる装飾図柄の組合せを停止表示する態様のリーチである。この例では、これまで一度も画像情報3は表示されていない。やがて、同図(d)に示すように、15R特別大当りとなる装飾図柄の組合せ(ここでは「装飾5−装飾5−装飾5」)が停止表示される。
【0254】
図26は、オリジナルモードにおいて、全回転リーチが行われる変動停止表示(当該変動)中の装飾図柄表示装置208の画面を段階的に示す図である。
【0255】
図26(a)にも、装飾図柄の変動が開始された様子が示されており、この図26(a)に示す装飾図柄表示装置208の画面には、主人公のキャラクタと、画像情報3P3が表示されるとともに、その画像情報2P3を読み取って、必要条件(ここではミッション情報)を入手する旨の指示も表示されている。図26(a)に示す画像情報3P3は図23(b)に示す画像No.C1に相当する2次元コードである。この2次元コードも、必要条件を外部機器装置に表示させるウェブページのURLを表し、通信機能をもった外部機器装置に読み取られるとその外部機器装置でそのURLが指定される情報である。図26(x)には、通信機能と読取機能をもった外部機器装置の一例である携帯電話端末Mが示されている。図26(x)に示す携帯電話端末Mは、同図(a)に示す画像情報3P3を撮影して読み取り、インターネットを介して所定のウェブページにアクセスした結果のものであり、その画像表示画面m1には、必要条件(図1に示す演出ボタン136を1回だけ操作すること)が表示されている。なお、携帯電話端末Mの画像表示画面m1には、特別演出の内容は示唆されないが、示唆してもよい。図26(b)および(c)それぞれでは、全回転リーチが行われている様子が示されているが、ここでの全回転リーチは、「装飾7−装飾7−装飾7」の組み合わせだけが、所定回数停止表示される。やがて、図26(d)に示すように、15R特別大当りとなる装飾図柄の組合せ(ここでは「装飾7−装飾7−装飾7」)が停止表示される。
【0256】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100は、外部機器装置を利用した演出を行うことで遊技の興趣を向上させることができる場合がある。すなわち、特別演出出現のための必要条件を取得することができるので、遊技の興趣が向上する場合がある。また、必要条件にタイミングと遊技者の操作方法のいずれかを含んでおくことで、通常の遊技者が偶発的に必要条件を達成してしまうことを抑制することができる場合がある。また、画像情報に特別演出の内容を示唆する情報を含めておくことで、特別演出の種類に応じて、必要条件を達成させるか否かを遊技者が選択可能になる。また、画像情報の表示自体に希少性を出すことで特別演出の価値を高めることが可能になる。また、遊技台は、複数種類の画像情報を予め記憶しておくことで、新たに画像情報を生成する必要がなくなり、さらには、遊技者の操作にバリエーションを持たせることが可能であり、難易度に差をつけることもできる場合がある。また、複数種類の特別演出に対して共通の必要条件を用意しておくことで、遊技の興趣をより向上させることができる場合がある。また、いわゆる大当り遊技中やビックボーナス等のボーナス中に画像情報を表示することで、大当り遊技中やボーナス中は一般的に演出時間が長いため、画像情報の表示から遊技者が必要条件の認識までの時間、及び必要条件に含まれる操作のタイミングまでの時間を確保することができる場合がある。また、ボーナスの内部当選状態や、先読みで未来の大当りを認識している状態で画像情報を表示し、複数の遊技演出をまたぐことで画像情報の表示から遊技者が必要条件の認識までの時間、及び必要条件に含まれる操作のタイミングまでの時間を確保することができる場合がある。また、特別遊技状態へ移行させるか否かの抽選結果と、特別演出を関連付けることができる場合がある。また、遊技台自体に画像情報ごとのアドレス(URL等)を管理させておいてもよく、例えば、必要条件の情報は単に識別できる情報のみを遊技台は所持している態様であってもよい。
【0257】
なお、これまで説明したいずれの特別演出も、必要条件が充足されなければ実行されることがない演出であったが、必要条件が充足されなくても、オリジナルモードに設定されていければ特別演出を実行する場合があってもよい。ただし、必要条件を遊技者が成立させない場合には、必要条件を遊技者が成立させた場合に比べて低確率で特別演出を実行する態様にすることが好ましい。さらに、通常モードでもごくまれに特別演出が出現するようにしておけば、通常の遊技者もレアな演出であることを体感できるゆえ、オリジナルモード利用者は特別演出を見やすいことを通常の遊技者に認識させることができる。その結果、通常遊技者のオリジナルモード利用率を向上させることができる場合がある。
【0258】
また、以上説明した実施形態のパチンコ機100は、特図が2種類あるものであったが、特図が1種類のものであってもよい。この場合には、上述の説明において「特図2」を単なる「特図」と読み替えて、特図2に関する処理と同じ処理が行われる。
【0259】
以上、本発明をパチンコ機(弾球遊技機)に適用させた例について詳細に説明したが、本発明の遊技台は、これに限るものではなく、例えば、メダルや遊技球(パチンコ球)を使用する回胴遊技機(スロットマシン)にも適用可能である。すなわち、本実施形態で説明したパチンコ機100は、ぱちんこ(1種+1種)であるが、他のぱちんこ(例えば、1種、2種、3種、1種+2種等)でもよく、スロット等(パロット、じゃん球)でもよい。
【0260】
図27は、本発明を適用可能なスロットマシンの一例を示す図である。
【0261】
本発明に係る遊技台は、図27に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタート操作子1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるためのストップ操作子1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備えたスロットマシン1000」にも好適である。演出手段1010には、表示手段(ここでは液晶表示装置1011)が備えられている。より具体的に説明すると、「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、所定数の遊技媒体の投入を条件に、前記複数のリールの回転開始を指示するスタート操作子1004と、スタート操作子1004の操作に基づいて、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、複数のリール1002それぞれに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させる複数のストップ操作子1006と、抽選手段の抽選結果及びストップ操作子1006の停止操作に基づいて、リールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段と、停止制御手段による停止制御により、表示窓1020上の予め定められた有効ライン1021上に停止表示された図柄組合せが、抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段と、判定手段による判定により、配当を伴う役に入賞した場合には、入賞した役に応じた数量の遊技媒体を配当として払い出す払出手段と、遊技に関する演出を行う演出手段1010とを備えたスロットマシン1000」にも好適である。
【0262】
以下、スロットマシン1000にオリジナルモードを適用させた例について説明する。
【0263】
まず、通常モード(非オリジナルモード)について説明する。
【0264】
図28は、スロットマシンの通常モード(非オリジナルモード)における遊技を説明するための図である。以降の図面では、表示窓1020と液晶表示装置1011との位置関係は無視して、両者(1020,1011)を示している。
【0265】
この例では、再遊技役(2ゲーム間、リプレイタイム(RT))とビッグボーナス(BB)の役に同時に内部当選したが、図28(a)に示すように、再遊技役に対応する図柄組み合わせである「スイカ−スイカ−スイカ」が有効ライン1021上に停止表示され、2ゲーム間、リプレイタイム(RT)になる。この図28(a)に示す液晶表示装置1011には、チャンスという文字表示がなされている。図28(a)を第1ゲームと称する。図28(b)には、第2ゲームの結果が示されている。この第2ゲームでは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組み合わせが有効ライン1021上に停止表示され、液晶表示装置1011には、通常キャラクタとともにボーナス確定の文字表示がなされている。
【0266】
図29は、図28に示した通常モードでの遊技の続きを示す図である。
【0267】
図29(a)には、第3ゲームの結果が示されている。この第3ゲームでも、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組み合わせが有効ライン1021上に停止表示され、液晶表示装置1011には、内部当選しているビッグボーナス(BB)の役に対応する図柄組み合わせが、「キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA」か、「セブン−セブン−セブン」のどちらかであることが告知されている。
【0268】
図29(b)には、第4ゲームの結果が示されている。この第4ゲームでは、リプレイタイム(RT)が終了し、遊技者は、まず「セブン−セブン−セブン」の図柄組み合わせを停止表示させようとして、ストップ操作子1006を操作したが、「セブン−セブン−セブン」の図柄組み合わせは有効ライン1021上に揃わず、中央のリールに施された「セブン」の図柄が表示窓1020よりも下方で停止した様子が示されている。
【0269】
そこで第5ゲームでは、遊技者は、「キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA」の図柄組み合わせを停止表示させようとして、ストップ操作子1006を操作し、図29(c)に示すように、「キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA」の図柄組み合わせが有効ライン1021上に揃い、ビックボーナス(BB)に入賞する。このように、通常モード(非オリジナルモード)では、内部当選しているビッグボーナス(BB)の役に対応する図柄組み合わせが、複数通り告知されるため、遊技者は、運が悪いと1ゲーム分余分にプレイしなければならない。なお、スロットマシンによっては、内部当選している対応する図柄組み合わせが、かなり遅れて告知されるものもある。
【0270】
図30は、スロットマシンのオリジナルモードにおける遊技を説明するための図である。
【0271】
この例でも、再遊技役(2ゲーム間、リプレイタイム(RT))とビッグボーナス(BB)の役に同時に内部当選したが、図28(a)に示すように、再遊技役に対応する図柄組み合わせである「スイカ−スイカ−スイカ」が有効ライン1021上に停止表示され、2ゲーム間、リプレイタイム(RT)になる。また、図30(a)では、所定の特定条件が充足され、液晶表示装置1011には、画像情報Pが表示されるとともに、その画像情報Pを読み取って、必要条件(ここではミッション情報)を入手する旨の指示も表示されている。ここでも、図30(a)を第1ゲームと称する。
【0272】
図30(b)には、通信機能と読取機能をもった外部機器装置の一例である携帯電話端末Mが示されている。図30(b)に示す携帯電話端末Mは、同図(a)に示す画像情報Pを撮影して読み取り、インターネットを介して所定のウェブページにアクセスした結果のものであり、その画像表示画面m1には、必要条件(操作条件の一種である、リールの第1停止を中リールにする押し順条件)が表示されている。
【0273】
図31は、図30に示したオリジナルモードでの遊技の続きを示す図である。
【0274】
図31(a)〜(b)には、第2ゲームの様子が示されている。この第2ゲームでは、第1停止を中リールにすることで、必要条件が充足され、液晶表示装置1011には、特別なキャラクタ(プレミアキャラクタ)とともに必要条件を充足した旨の文字表示(ミッション達成)が示されている。図31(b)には、第2ゲームの結果が示されており、図31(b)に示す液晶表示装置1011には、特別なキャラクタ(プレミアキャラクタ)とともにボーナス確定の文字表示が示されている。
【0275】
図32は、図31に示したオリジナルモードでの遊技の続きを示す図である。
【0276】
図32(a)には、第3ゲームの結果が示されている。この第3ゲームでは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組み合わせが有効ライン1021上に停止表示され、液晶表示装置1011には、特別なキャラクタ(プレミアキャラクタ)が表示されるとともに、内部当選しているビッグボーナス(BB)の役に対応する図柄組み合わせが、「キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA」であることが明確に告知されている。遊技者は、この告知を見て、第4ゲームでは、「キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA」の図柄組み合わせを停止表示させようとして、ストップ操作子1006を操作し、図32(b)に示すように、「キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA」の図柄組み合わせが有効ライン1021上に揃い、ビックボーナス(BB)に入賞する。オリジナルモードでは、内部当選しているビッグボーナス(BB)の役に対応する図柄組み合わせ明確に教えてくれるため、通常モードより1ゲーム分早く、ビックボーナス(BB)に入賞することができる。また、通常モードでは出現しない特別なキャラクタ(プレミアキャラクタ)も出現する。このように、この例では、オリジナルモードでは、内部当選しているビッグボーナス(BB)の役に対応する図柄組み合わせ明確に教えてくれる特典と特別なキャラクタが出現する特典の2種類の特典が付与されているが、1回の必要条件充足に対して1種類の特典しか付与しないようにしてもよいし、3種類以上の特典を付与するようにしてもよい。
【0277】
なお、ここで説明したスロットマシン1000における特別演出は、1ゲーム分早く、ビックボーナス(BB)に入賞することができるため、遊技媒体の増減に関する利益に一部関係するものであるとも見ることができる。珍しいキャラクタが出現するといった演出的のみの観点でなく、このように、遊技媒体の払い出し(出球)に関係する観点からの特別演出を行うことで、オリジナルモード非登録者に、オリジナルモードに登録した方が得するといった啓蒙効果が生じる場合がある。
【0278】
ここで、オリジナルモードについてのさらに詳しい説明を補足しておく。オリジナルモードは、遊技台で遊技する各遊技者の遊技履歴を保存し、履歴に応じて様々な特典を与えるためのモードとして活用することができる。マーケティング用語で言うところの「フリークエント・ショッパーズ・プログラム」の一つと言える。オリジナルモードに対応したサーバ側に、対応遊技台機種ごとに各遊技者の遊技履歴(日付・ゲーム数・大当りやボーナス回数等)や、各機種ごとに定められたミッション(特定の演出を見る、大当りやARTを規定回数以上連チャンさせる等)のクリア率、他のユーザと比較した順位などを保存しておき、遊技者はそれらの内容に応じて、携帯電話端末で利用することができる音楽コンテンツ(例えば、着信時に流れる音楽等)や画像コンテンツ(例えば、待ち受け画面等)などがダウンロードできるようにしてもよい。さらに、遊技台の演出内容をカスタマイズすることができるようにしてもよい。その他、登録ユーザを対象としたノベルティグッズのプレゼントや新機種発表会への招待などを抽選で行うようにしてもよい。
【0279】
なお、携帯電話端末等の外部機器装置から、所定の管理ページへアクセスして、ユーザIDとパスワードを入力すると、保存されている遊技履歴を外部機器装置で閲覧することができる。
【0280】
また、画像情報の一例である二次元コードは、必要条件や特別演出の情報を直接含んだものであっても、外部のサーバにアクセスするためのアドレス情報を表すものであってもよい。外部のサーバにアクセスするためのアドレス情報は、条件、演出別にアドレスが異なったり、パスワード(遊技者)ごとに異なったりしてもよい。必要条件を表す情報は、この二次元コードから読み取れる態様であってもよく、あるいはサーバ側から情報を取得するようになっていても良い。また、必要条件や特別演出は遊技台側で抽選する構成であっても良いし、遊技者ごとのURL内の情報に基づいて決定するようにしても良い。後者であれば、同じ必要条件や特別演出を連続させないことも可能になる。
【0281】
また、特定条件、必要条件、特別演出について、ここでもう一度、例示を行うと、特定条件は、大当りの連荘数、所定値以上の出球獲得、特定の図柄による大当り(単に確変図柄でも良いが、所定の図柄(例えば777限定)とか希少価値を付加した条件が好ましい)、特定の変動時間による大当り(出現率低のプレミアリーチ系)、特定の予告の出現(出現率低)など、達成が比較的困難なものが好ましい。必要条件は、タイミング的には、特定条件成立後の、大当り中、デモ中、変動中であり、操作要件的には、演出ボタン136等の操作子の操作回数、所定の入賞口への遊技球の入賞(特別感を出すために通常モードと発射強度を変えておくことが好ましい)、アタッカーフルオープン、満タンエラーなどがあげられる。特別演出は、大当り遊技中では、単に特別な画像、音声、発光、再抽選(昇格)や保留内連荘の特別演出など、本来であればまったく出現しなかったり、規制されていたりするものについて出現率が高くなるものがあげられる。また、変動中であれば、大当り(確変中は確変大当り)、特定の変動パターンの選択予告などがあげられる。デモ中であれば、単に特別な画像、音声、発光や、専用モードの選択などがあげられる。期間も1変動でなく、複数変動をまたいでも良い。また、上記組み合わせで時系列・内部判定等の矛盾がなければ適宜組み合わせたものを使用可能である。そして組み合わせ毎に画像情報を有する構成をとることができる。また、特別演出の発生時期がかぶって影響が出る場合はいずれか一方を優先すればよい。
【0282】
さらに、スロットマシンを意識して、特定条件、必要条件、特別演出について例示を行うと、特定条件は、ボーナス回数、所定数以上のメダル獲得、RTやARTの連荘数、特定のボーナス当選、フリーズ等のレア演出発生時があげられる。必要条件は、タイミング的には、特定条件成立後のボーナス中、デモ中、変動中などがあげられる。また、偶発性による必要条件の充足(ミッションクリア)を避けるためタイミングでは特定の変動(リール回転)に対する第一停止操作と第二停止操作の間など、通常の一遊技演出中に割り込む操作がより好ましい。必要条件の操作要件は、押し順、演出ボタンの操作、特定のボタン(停止ボタン、演出ボタン)の長押し、MAXベットボタンを使用せずに遊技媒体の手入れを行ったこと等があげられる。特別演出としては、ボーナスの種類に関する報知やボーナス中に特別な画像、音声、発光、ART等の特定遊技状態の確定告知を行うことや、次回ボーナスまでの音などの変化やオリジナルモードへの突入や、ホッパーエンプティ時のエラー報知音を特別にするなどがあげられる。
【0283】
また、パチンコ機100における先読み開始時の遊技演出で画像情報を表示し、先読み予告の最終変動までに必要条件を表示し、最終変動で大当りする態様であってもよい。すなわち、遊技球が始動領域に進入した場合に取得する始動情報に基づいて当否判定を行う当否判定手段を備えた遊技台において、前記当否判定手段による当否判定が行なわれた場合に特定の当否判定結果が導出されるか否かを、前記当否判定手段が当否判定を行うよりも前に先読みした前記始動情報に基づいて事前判定し、事前判定した結果に基づいて、該当否判定の結果に関する予告報知を、該当否判定手段が当否判定を行うよりも前に所定の確率で行う事前予告手段を備え、前記事前予告手段は、特定の当否判定結果を報知する特定の図柄変動停止表示を最後とする複数回の図柄変動停止表示にわたって予告報知を行い、該複数回の図柄変動停止表示において、まずは画像情報を表示し、該特定の図柄変動停止表示が開始される前までに前記必要条件が充足された場合には、該特定の図柄変動停止表示において特別演出を行うことを特徴とする遊技台であってもよい。
【0284】
また、必要条件は表示手段で直接報知しない態様であってもよい。
【0285】
さらに、表示手段による画像情報の表示自体が、特別演出実行の要件になっており、オリジナルモード登録者のみの特権になっている。
【0286】
また、必要条件を充足したときに、特別演出を抽選してもよい。こうすることで、画像情報のデータ量の増加を防ぎつつ特別演出にバリエーションを付与することができる場合っがる。
【0287】
また、特別遊技状態では、オリジナルモードが設定されているか否かに関わらず、画像情報を表示可能とし、遊技演出中(例えば、変動中、あるいは先読み時)には、オリジナルモードが設定されている場合に限って画像情報を表示するようにしてもよい。前者は、オリジナルモード非登録者に対する啓蒙効果が期待でき、後者は、画像情報の表示が確変大当りの予告となってしまうことを、オリジナルモード非登録者に対しては規制し、オリジナルモード登録者の特権にすることができる。
【0288】
また、先読み予告については保留球数を所定値以上の場合とすれば、画像情報の表示から必要条件充足のタイミングまでの時間を確保することができる。
【0289】
さらに、特別演出については必要条件充足後に抽選するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技台側の画像情報の記憶数を減らすことが可能な場合がある。また、画像情報についても、URLを指定してアクセスしたウェブページ上(サーバ側)で必要条件の抽選を行うようにしてもよい。
【0290】
以上の説明では、『所定条件の成立(例えば、所定の当否判定禁止条件の不成立かつ所定の当否判定条件の成立)を契機に、図柄を変動表示させてから図柄を導出する遊技演出(例えば、図柄変動停止表示)を行い、当該遊技演出により導出した図柄が特定の図柄である場合に、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者に対して有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行する遊技台において、読み取った画像情報に応じた必要条件(例えば、図12参照)を報知する外部機器装置(例えば、携帯電話端末M)が読み取り可能な画像情報(例えば、画像情報P1(二次元コード))を特定条件(例えば、図12参照)の成立を契機に表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、前記必要条件を遊技者が成立させた場合に、特別演出(例えば、図12参照)を実行する演出実行手段(例えば、第1副制御部400および第2副制御部500を併せたもの)とを有することを特徴とする遊技台。』についての説明がなされている。
【0291】
ここにいう必要条件は、この遊技台に対する遊技者の操作方法についての条件であってもよいし、あるいは遊技者の操作タイミングについての条件であってもよいし、両者であってもよい。
【0292】
また、スロットマシンに適用させた場合には、特別遊技状態は、小役の払出なども含む。また、所定条件の成立がレバーオンに相当し、遊技演出が3つのリールを停止させることに相当する。
【0293】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)が表示した画像情報(例えば、画像情報P1(二次元コード))に応じた必要条件を設定する必要条件設定手段(例えば、第1副制御部400のCPU404)を備え、前記必要条件設定手段は、前記必要条件として、この遊技台に対する遊技者の操作方法についての条件(例えば、図12に示す必要条件操作)および遊技者の操作タイミングの条件(例えば、図12に示す必要条件タイミング1)のうちの少なくともいずれか一方の条件を設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0294】
ここで、前記必要条件として、この遊技台に対する遊技者の操作方法についての条件および遊技者の操作タイミングの条件のうちの少なくともいずれか一方の条件を、遊技者が成立させたか否かを判定する必要条件判定手段を有するものであてもよい。
【0295】
また、前記画像情報は、前記必要条件を外部機器装置に表示させるウェブページのURLを表し、通信機能をもった外部機器装置に読み取られると該外部機器装置で該URLが指定される2次元コードを含む情報であってもよいし、外部機器装置に読み取られると該外部機器装置が通信しなくても該外部機器装置に前記必要条件を報知させる情報であってもよい。
【0296】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段は、前記画像情報として、前記特別演出の内容を示唆する画像(例えば、レアキャラが登場するよといった文字画像)を含む情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0297】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段は、前記特定条件として、前記遊技演出に関する所定条件(例えば、特図事前判定結果として確変付き15R大当り図柄(特図A)が導出されること、あるいはプレミアリーチが実行されることといった、図柄変動停止表示に関する条件および前記特別遊技状態に関する所定条件(例えば、確変付き15R大当り図柄が停止表示されたといった、大当り遊技(特別遊技状態)に関する条件)のうちのいずれか一方の条件が成立したことを契機に前記画像情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0298】
またこれまでの説明においては、『前記演出実行手段は、種類の異なる必要条件(例えば、図12に示す必要条件)ごとに用意された特別演出(例えば、図12に示す特別演出1)を実行可能であり、複数種類の必要条件のうち遊技者が成立させた必要条件に対して用意された特別演出を実行するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0299】
なお、ここにいう特別演出は、複数種類の必要条件で共通したものであってもよいし、種類の異なる必要条件ごとに相違するものであってもよい。
【0300】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段は、共通の必要条件(例えば、演出ボタン136を5回以上操作)を外部機器装置に報知させる種類の異なる画像情報の中から選択された1種類の画像情報(例えば、画像No.A1の2次元コード)を表示するものであり、前記演出実行手段は、前記共通の必要条件を遊技者が成立させた場合に、前記表示手段が表示した1種類の画像情報に対応した特別演出(例えば、エンディング時に通常では出現しないキャラクタが出現)を実行するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0301】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段は、前記画像情報を前記特別遊技状態中(例えば、大当り遊技中)に表示するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。例えば、大当り連続系における画像情報1の表示やプレミア系における画像情報3の表示があげられる。
【0302】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段が表示した画像情報に応じた必要条件を設定する必要条件設定手段(例えば、第1副制御部400のCPU404)を備え、前記必要条件設定手段は、前記必要条件として、前記特別遊技状態中(例えば、大当り遊技中)におけるこの遊技台に対する遊技者の操作タイミングの条件を設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。例えば、大当り連続系における必要条件やプレミア系における必要条件があげられる。
【0303】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段が表示した画像情報に応じた必要条件を設定する必要条件設定手段(例えば、第1副制御部400のCPU404)を備え、前記表示手段は、前記画像情報を前記遊技演出中(例えば、図柄変動停止表示)に表示するものであって、前記必要条件設定手段は、前記必要条件として、前記画像情報を表示した遊技演出よりも後に行われる所定の遊技演出中におけるこの遊技台に対する遊技者の操作タイミングの条件を設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。例えば、先読み系における画像情報2の表示や必要条件操作のタイミングがあげられる。
【0304】
またこれまでの説明においては、『前記特別遊技状態に移行させるか否かを抽選によって決定する抽選手段(例えば、主制御部300のCPU304)を備え、前記表示手段は、前記特別遊技状態へ移行させるか否かを前記抽選手段が決定した後に前記画像情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。例えば、先読み系における画像情報2の表示があげられる。
【0305】
またこれまでの説明においては、『前記演出実行手段は、前記必要条件を遊技者が成立させない場合に、該必要条件を遊技者が成立させた場合に比べて低確率で前記特別演出を実行するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0306】
またこれまでの説明においては、『前記表示手段は、前記画像情報として、前記必要条件が管理されている所定のサーバ(例えば、サーバS)にアクセス可能となる情報が含まれている情報(例えば、URLを表す情報)を表示するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
【0307】
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
【0308】
(付記1)
所定条件の成立を契機に図柄を変動表示させる遊技演出を行い、当該遊技演出により導出した図柄が特定の図柄である場合に、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者に対して有利な特別遊技状態に移行する遊技台において、
外部機器装置が読み取り可能な画像情報を表示する表示手段を備え、
特定条件の成立を契機に前記画像情報を表示するとともに、前記表示手段に表示される前記画像情報を読み取った前記外部機器装置によって報知される必要条件を遊技者が成立させた場合に、特別演出を実行することを特徴とする遊技台。
【0309】
ここにいう特別遊技状態とは、小役の払出なども含む。また、スロットマシンに適用させた場合には、所定条件の成立がレバーオンに相当し、遊技演出が3つのリールを停止させることに相当する。
【0310】
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記画像情報は、前記必要条件を達成する所定の有効期間(タイミング)及び遊技者の操作方法に関する情報のいずれかを含んで構成したことを特徴とする遊技台。
【0311】
(付記3)
付記1、2に記載の遊技台であって、
前記画像情報は、前記特別演出の内容を示唆する情報を含んで構成したことを特徴とする遊技台。
【0312】
(付記4)
付記1〜3に記載の遊技台であって、
前記遊技演出及び前記特別遊技状態に関する前記特定条件の成立を契機に前記画像情報を表示することを特徴とする遊技台。
【0313】
(付記5)
付記1〜4に記載の遊技台であって、
前記必要条件を複数有し、当該複数の必要条件の個々に対応して前記画像情報を複数備えてなり、
前記特定条件の成立を契機に1の前記画像情報を抽選することを特徴とする遊技台。
【0314】
(付記6)
付記1〜5に記載の遊技台であって、
前記特別演出を複数有し、
前記画像情報は前記必要条件が同じで前記特別演出が異なるパターンを当該特別演出の種類に応じて前記画像情報を複数備えてなり、前記特定条件の成立を契機に1の前記画像情報を抽選することを特徴とする遊技台。
【0315】
(付記7)
付記2〜6に記載の遊技台であって、
前記特別遊技状態中に前記画像情報の表示及び前記所定の有効期間の設定のいずれかを実行可能に構成することを特徴とする遊技台。
【0316】
(付記8)
付記2〜6に記載の遊技台であって、
前記遊技演出中に前記画像情報の表示を行うとともに、当該遊技演出以降の遊技演出中に前記所定の有効期間が設定されてなることを特徴とする遊技台。
【0317】
(付記9)
付記8に記載の遊技台であって、
前記特別遊技状態に移行するか否かを抽選する抽選手段を備え、
前記画像情報を表示するタイミングでは、前記抽選手段により前記所定の有効期間の設定される遊技演出以降の遊技演出の結果、前記特別遊技状態へ移行することが決定されていることを特徴とする遊技台。
【0318】
例えば、スロットマシンであれば、ボーナスの内部当選状態、パチンコ機であれば、先読み予告からの大当りであってもよい。
【0319】
(付記10)
付記1〜9に記載の遊技台であって、
前記必要条件を達成しない場合に前記必要条件を達成する場合と比して低確率で前記特別演出を実行可能に構成したことを特徴とする遊技台。
【0320】
(付記11)
付記1〜10に記載の遊技台であって、
前記画像情報は、記外部機器装置が読み取った当該画像情報により所定のサーバにアクセス可能となる情報が含まれるとともに、当該サーバに前記必要条件が管理されてなることを特徴とする遊技台。
【0321】
なお、以上説明した各実施形態やその変形例や付記の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の実施形態や変形例や付記に適用してもよい。
【0322】
(付記12)
遊技球が始動領域(例えば、第1特図始動口230,第2特図始動口232)に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段(例えば、乱数値生成回路318、RAM308に設けられた大当り時特図判定用乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたもの)と、
前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、RAM308に設けられた特図の保留記憶部)と、
前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段(例えば、特図関連抽選処理を実行する主制御部300)と、
前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みする始動情報先読手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報に基づいて該当否判定手段が特定の当否決定結果(例えば、大当りの当否決定結果)を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
前記事前判定手段による事前判定の結果に基づいて、前記当否判定手段が前記特定の当否決定結果を導出することを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に行なう事前予告手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたもの)と、
を備えた遊技台であってもよく、さらに、
前記始動領域は遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた第一の始動領域(例えば、第1特図始動口230)および第二の始動領域(例えば、第2特図始動口232)を含み、
前記始動情報記憶手段(例えば、RAM308)は、前記第一の始動領域に遊技球が進入した場合に、前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第一の始動情報記憶手段(例えば、特図1の保留記憶部)と、前記第二の始動領域に遊技球が進入した場合に、前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第二の始動情報記憶手段(例えば、特図2の保留記憶部)と、を含み、
前記始動情報先読手段が、前記第一の始動情報記憶手段および前記第二の始動情報記憶手段のうちの少なくとも一方に記憶されている始動情報を前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に先読みすることを特徴とする遊技台であってもよい。
【0323】
ここで、前記当否判定手段、前記始動情報先読手段、および前記事前判定手段を有し、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御部300)と、
前記遊技制御手段からの指示信号に基づいて遊技の演出を制御する副制御手段(例えば、第1副制御部400)とを備えたものであってもよい。
【符号の説明】
【0324】
100 パチンコ機
208 装飾図柄表示装置
212 第1特図表示装置
214 第2特図表示装置
230 第1特図始動口
232 第2特図始動口
2321 羽根部材
234 可変入賞口
2341 扉部材
300 主制御部
304 CPU
306 ROM
308 RAM
400 第1副制御部
404 CPU
406 ROM
408 RAM
500 第2副制御部
600 払出制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立を契機に、図柄を変動表示させてから図柄を導出する遊技演出を行い、当該遊技演出により導出した図柄が特定の図柄である場合に、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者に対して有利な特別遊技状態に移行する遊技台において、
読み取った画像情報に応じた必要条件を報知する外部機器装置が読み取り可能な画像情報を特定条件の成立を契機に表示する表示手段と、
前記必要条件を遊技者が成立させた場合に、特別演出を実行する演出実行手段とを有することを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1記載の遊技台であって、
前記表示手段が表示した画像情報に応じた必要条件を設定する必要条件設定手段を備え、
前記必要条件設定手段は、前記必要条件として、この遊技台に対する遊技者の操作方法についての条件および遊技者の操作タイミングの条件のうちの少なくともいずれか一方の条件を設定するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1又は2記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記画像情報として、前記特別演出の内容を示唆する画像を含む情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記特定条件として、前記遊技演出に関する所定条件および前記特別遊技状態に関する所定条件のうちのいずれか一方の条件が成立したこと契機に前記画像情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記演出実行手段は、種類の異なる必要条件ごとに用意された特別演出を実行可能であり、複数種類の必要条件のうち遊技者が成立させた必要条件に対して用意された特別演出を実行するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1から5のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記表示手段は、共通の必要条件を外部機器装置に報知させる種類の異なる画像情報の中から選択された1種類の画像情報を表示するものであり、
前記演出実行手段は、前記共通の必要条件を遊技者が成立させた場合に、前記表示手段が表示した1種類の画像情報に対応した特別演出を実行するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項7】
請求項1から6のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記画像情報を前記特別遊技状態中に表示するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項8】
請求項1および3から7のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記表示手段が表示した画像情報に応じた必要条件を設定する必要条件設定手段を備え、
前記必要条件設定手段は、前記必要条件として、前記特別遊技状態中におけるこの遊技台に対する遊技者の操作タイミングの条件を設定するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項9】
請求項1および3から7のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記表示手段が表示した画像情報に応じた必要条件を設定する必要条件設定手段を備え、
前記表示手段は、前記画像情報を前記遊技演出中に表示するものであって、
前記必要条件設定手段は、前記必要条件として、前記画像情報を表示した遊技演出よりも後に行われる所定の遊技演出中におけるこの遊技台に対する遊技者の操作タイミングの条件を設定するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項10】
請求項1から6のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記特別遊技状態に移行させるか否かを抽選によって決定する抽選手段を備え、
前記表示手段は、前記特別遊技状態へ移行させるか否かを前記抽選手段が決定した後に前記画像情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項11】
請求項1から10のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記演出実行手段は、前記必要条件を遊技者が成立させない場合に、該必要条件を遊技者が成立させた場合に比べて低確率で前記特別演出を実行するものであることを特徴とする遊技台。
【請求項12】
請求項1から11のうちいずれか1項記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記画像情報として、前記必要条件が管理されている所定のサーバにアクセス可能となる情報が含まれている情報を表示するものであることを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図3】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−61276(P2012−61276A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210267(P2010−210267)
【出願日】平成22年9月18日(2010.9.18)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】