説明

遊技台

【課題】複数の特定オブジェクトを表示する際の処理負荷を低減することができるとともに、複数の特定オブジェクトの挙動データを作成する際の作業負担を軽減することができる遊技台を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、画像を表示する画像表示手段と、仮想3次元空間内に3Dオブジェクトを配置してシーンデータを生成し、生成したシーンデータから画像表示手段に表示する画像を生成する画像表示制御手段と、を備え、画像表示制御手段は、3Dオブジェクトのうち、パーティクルに対しては、所定の演算により算出された移動経路情報を含む設定情報に基づいて、仮想3次元空間内の挙動を決定するとともに、パーティクルのインスタンスを使用することにより、パーティクルの各点をインスタンス化された特定オブジェクトに置き換えて表示するパーティクル表示処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴式遊技機(スロット機)に代表される遊技台に関し、特に遊技台の画像表示技術に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2003−117153号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明に係る遊技台は、その一態様として、画像を少なくとも表示可能な画像表示手段と、仮想座標内にオブジェクトを配置して前記画像表示手段に表示する画像を少なくとも生成可能な画像表示制御手段と、を備えた遊技台であって、前記画像表示制御手段は、第一の制御を少なくとも実行可能であり、前記画像表示制御手段は、第二の制御を少なくとも実行可能であり、前記画像表示制御手段は、第三の制御を少なくとも実行可能であり、前記画像表示制御手段は、第四の制御を少なくとも実行可能であり、前記第一の制御は、第一のオブジェクトの前記仮想座標内における移動経路を算出するものであり、前記第二の制御は、前記第一のオブジェクトを第二のオブジェクトに置き換えるものであり、前記第三の制御は、前記第二のオブジェクトを前記仮想座標内で動作するものであり、前記第四の制御は、前記第二のオブジェクト及び第三のオブジェクトのうちの少なくともいずれか一方のオブジェクトの動作を新たに決定するものであり、前記第四の制御は、前記第二のオブジェクトが前記第三のオブジェクトと衝突したと判定された場合、前記決定をするものである、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の外観を示す斜視図(正面側から見た斜視図)である。
【図2】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の遊技盤を正面から見た略示正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の外観を示す斜視図(背面側から見た斜視図)である。
【図4】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の特図表示装置、装飾図柄表示装置、普図表示装置が停止表示する特図および普図の種類を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の主制御部及び払出制御部の回路構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の副制御部の回路構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の主制御部のROMが記憶しているデータテーブルの一例である。
【図8】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の主制御部メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の主制御部タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の副制御部400の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の副制御部500の処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の副制御部の表示制御処理を示すフローチャートである。
【図13】図14とともに、本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例1)の概要を説明する図である。
【図14】図13とともに、本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例1)の概要を説明する図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例2)の概要を説明する図である。
【図16】図17とともに、本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例3)の概要を説明する図である。
【図17】図16とともに、本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例3)の概要を説明する図である。
【図18】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例4)の概要を説明する図である。
【図19】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例5)の概要を説明する図である。
【図20】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例6)の概要を説明する図である。
【図21】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例7)の概要を説明する図である。
【図22】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例8)の概要を説明する図である。
【図23】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例9)の概要を説明する図である。
【図24】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例10)の概要を説明する図である。
【図25】本発明の一実施形態に係るパチンコ機のパーティクル演出(実施例11)の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。本発明の実施形態においては、本発明を遊技台の一例であるパチンコ機に適用した場合について説明している。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0006】
パチンコ機100は、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154からなる扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。
【0007】
扉部材156の下方には、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
【0008】
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
【0009】
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
【0010】
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0011】
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
【0012】
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図4(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
【0013】
普図表示装置112は、普図(図4(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図4(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
【0014】
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0015】
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
【0016】
一般入賞口122は、本実施形態では遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0017】
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
【0018】
第1特図始動口126は、本実施形態では遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0019】
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0020】
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0021】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
【0022】
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
【0023】
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
【0024】
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
【0025】
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出した遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口126の上方である演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出するものである。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
【0026】
遮蔽手段250は、格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、装飾図柄表示装置110および前面ステージ234の間に配設する。左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置110の表示の全てを視認可能である。また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左右扉250a、250bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置110を全く視認不可にしてもよい。
【0027】
また、装飾図柄表示装置110の右側には腕の形状をした可動物260が配置されている。可動物260は、肘から上の上腕部260aと、肘から下の前腕部260bとから構成され、それぞれが可動するようになっている。本実施形態では、装飾図柄表示装置110の表示画像の内容と連動させて、前腕部260bが肘を支点に上方に可動するようになっている。すなわち、前腕部260bが可動することにより、前腕部260bが装飾表示装置110の一部を遮蔽することが可能である。
【0028】
図3は、パチンコ機100を背面側から見た外観斜視図である。
【0029】
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク152と、この球タンク152の下方に位置し、球タンク152の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置154に導くためのタンクレール153とを配設している。
【0030】
払出装置154は、筒状の部材からなり、その内部には、スプロケット157と払出センサ158とを備えている。
【0031】
スプロケット157は、モータによって回転可能に構成されており、タンクレール153を通過して払出装置154内に落下した球を一時的に滞留させると共に、モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を払出装置154の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0032】
払出センサ158は、スプロケット157が送り出した球の通過を検知するためのセンサであり、球が通過しているときにオンの信号を出力し、球が通過していないときはオフの信号を出力する。なお、この払出センサ158を通過した球は、図示しない球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した貯留皿144に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0033】
払出装置154の左側には、後述する主制御部300を構成する主基板161と、後述する副制御部400を構成するサブ基板164とを配設している。また、これら主基板161やサブ基板164の下方には、後述する発射制御部600を構成する発射基板166と、後述する電源管理部650を構成する電源基板162と、後述する払出制御部550を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインターフェース部163とを配設している。
<図柄の種類>
次に、図4(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
【0034】
図4(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施形態の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0035】
図4(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施形態では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施形態では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
【0036】
図4(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0037】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400及び500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
【0038】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0039】
また、基本回路302には、水晶発信器314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ120等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
【0040】
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0041】
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0042】
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
【0043】
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御し、払出センサ158が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、CRインタフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
【0044】
払出制御部550は、払出制御部550の全体を制御する基本回路560を備えており、この基本回路560には、CPU562と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM564と、一時的にデータを記憶するためのRAM566と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O568と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ570を搭載している。この基本回路560のCPU562は、水晶発信器572が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0045】
また、基本回路560には、払出センサを含む各種センサ554が出力する信号を受信し、基本回路560に出力するためのセンサ回路574と、各種ランプ558の表示制御を行うための表示回路576と、払出装置552のモータを制御するモータ制御回路578と、が接続されている。
【0046】
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
【0047】
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<副制御部>
次に、図6を用いて、パチンコ機100の副制御部400および500について説明する。副制御部400は、主に装飾図柄表示装置110の表示制御を介して遊技台の演出制御を行うもの、副制御部500は、主に演出用駆動装置やランプ類の制御を行うものである。副制御部400と副制御部500は、副制御部400の行う演出制御に応じてI/O410及びI/O510を介して相互に通信を行う。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンドなどに応じて、P−ROM406に格納された制御プログラムや各種データに基づき副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0048】
副制御部400のCPU404は、副制御部400から送信された各種制御データを入力I/O410を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて各種演算処理を行い装飾図柄表示装置110の表示を制御する。CPU404には、さらに、不図示のバスを介して、P−ROM406、RAM408、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)431、VRAM433が接続されている。P−ROM406は、副制御部400全体を制御するためのプログラムや演出用のデータ等を記憶する記憶手段の1つである。RAM408は、CPU404で処理されるプログラムのワークエリアを有し、演出用のデータ等を一時的に記憶する記憶手段の1つである。VDP431は、装飾図柄表示装置110に表示する画像を生成するプロセッサ(GPU、ビデオチップ等とも言う)である。VRAM433は、装飾図柄表示装置110に出力する画像を生成するためのワークエリアが設定された記憶手段の1つである。
【0049】
VDP431には、VRAM433が接続されると共に、不図示のスケーラおよびトランスミッタを介して、装飾図柄表示装置110が接続されている。スケーラは、VDP431が生成した画像を装飾図柄表示装置110の画素数に合わせて拡大するものであり、トランスミッタは、デジタル画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換して装飾図柄表示装置110に出力するものである。なお、装飾図柄表示装置110には、CPU404によって装飾図柄表示装置110の表示画面の輝度調整を可能とするための輝度調整信号が入力されている。
【0050】
VRAM433は2つのフレームバッファを含む複数の記憶領域から構成され、このうち一方のフレームバッファの内容を装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110で表示させている間に他方のフレームバッファに対してVDP431が描画を行う。
1フレームの表示期間はT1=1/30秒(約33.3ms)であるものとし、VDP431はその半分の1/60秒ごとに副制御部400のCPU404に対してVsync割り込み信号を送信する。この表示同期制御は、VDP431の内蔵タイマーによって制御される。
【0051】
本実施形態では、仮想3次元空間内で立体的な3次元オブジェクト(3Dオブジェクト)が移動または変形(動作)する様子を表現した3次元動画(3D動画)を、演出において装飾図柄表示装置110に表示する。この3Dオブジェクトのデータは、3Dオブジェクトの表面の性状(色彩や模様等)を設定するテクスチャデータや、3Dオブジェクトの基本的な動作を設定したモーションデータ等と共に副制御部400のP−ROM406に予め記憶されている。
【0052】
3Dオブジェクトは、本実施形態では、3Dポリゴンモデルを用いている。ポリゴン(polygon)とは「多角形」という意味であり、3Dオブジェクトは、複数の多角形要素であるポリゴンを組み合わせることによって構成されている。換言すれば、3Dオブジェクトは、多角形のポリゴンに分割された多面体として構成されている。3Dオブジェクトでは、一般に三角形のポリゴンが使用されることが多いが、場合によっては、四角形や六角形等の三角形以外の多角形からなるポリゴンも使用される。
【0053】
3Dポリゴンモデルは、頂点、法線、カラー、α値、マテリアル、ライト、およびテクスチャ等の項目からなるオブジェクトデータによって表される。頂点は、3Dポリゴンモデルを構成するポリゴンの各頂点の座標である。法線は、各頂点が持つ属性であり、光が反射する方向を設定している。マテリアルは、法線と同様に頂点が持つ属性であり、光の反射や自己発光等、また、密度、弾性係数、摩擦係数等の物性値を設定している。ライトは、仮想的な光源を設定するものであり、例えば光源の向きと色を設定している。カラーはポリゴン固有の色を設定するもので、ライトやテクスチャから得られた色と演算することで色を決定します。α値は、ポリゴンの透明度を設定するものである。テクスチャは、マッピングによりポリゴンの表面に貼りつけられる木目や布地、大理石など、質感を表現する色や模様などのパターンや絵をいう。
【0054】
副制御部400のCPU404は、主制御部300から送信されたコマンド等に基づいて、3D動画を生成するための演算処理を行う。この演算処理では、まず、受信したコマンドに基づいて、必要とするオブジェクトデータ、モーションデータ、テクスチャ画像データ、および背景画像データ等をP−ROM406から読出し、RAM408およびVRAM433のワークエリアに転送する。そして、3Dオブジェクトデータを仮想3次元空間に配置設定する処理を行う。この処理では、受信したコマンド等に基づいて、仮想3次元空間内に設定した座標系(ワールド座標系)におけるオブジェクトの位置や回転角度(方向)を設定し、3Dオブジェクトを仮想3次元空間内の所定の位置に配置する。このとき、予めローカル座標系で設定された3Dオブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点座標は、必要に応じてワールド座標系の座標に変換される。3Dオブジェクトは、予めワールド座標系で備えるようにしてもよい。そして、受信したコマンドおよびモーションデータ等に基づいて、3D動画の1フレーム(本実施形態の3D動画では、1秒間に30フレームを使用する)ごとに3Dオブジェクトを動作させる(各ポリゴンの頂点座標を変更する)動作処理を行う。この動作処理では、必要に応じて物理シミュレーションを行うが、動作処理の詳細については後述する。
【0055】
CPU404は、演算処理においてさらに、仮想3次元空間における光源の位置および方向、ならびに視点の位置および方向等を1フレームごとに設定すると共に、テクスチャを3Dオブジェクトに貼り付けるテクスチャマッピングやクリッピング等の処理を行う。テクスチャマッピングは、主として、予め用意されたテクスチャに設定された座標(UV座標)を3Dオブジェクトに設定された座標(UV座標)に対応させてマッピングするUVマッピングによって行うが、テクスチャを3Dオブジェクトの表面へ投影させる投影マッピングによって、反射、透過などの表現を行うことができる。これは金属、ガラス、水面などの表現に利用される。また、ライトから投影マッピングを作成することでライトから見えない部分、つまり陰のテクスチャを作成し、3Dオブジェクトへ投影することで陰マッピング(シャドウ・マッピング)を行うことができる。クリッピングは、設定された視点の視野から外れたポリゴンの頂点を除去する処理である。
【0056】
上記演算処理の結果、1フレームごとに、複数種類の3Dオブジェクトそれぞれの位置や形状等が設定されたシーンデータが生成される。シーンデータは、VRAM433の所定の領域に記憶される。
【0057】
副制御部400のVDP431は、VRAM433に記憶されたシーンデータを読み出し、VRAM433のワークエリアを使用してレンダリングを行う。レンダリングとは、シーンデータから、装飾図柄表示装置110に表示する2次元の画像を生成する処理のことであり、具体的には、VDP431に設定された所定数(例えば、800×600)の画素ごとに色情報を設定することである。レンダリングにおいては、Zバッファ法やスキャンライン法等によって陰面消去を行う。また、レンダリングにおいては、3Dオブジェクトの曲面部分に陰影を付けるシェーディングや、3Dオブジェクトの輪郭等のギザギザ(ジャギー)を滑らかにするアンチエイリアシングといった処理を行う。生成された2次元の画像データは、スケーラによって拡大された後に、トランスミッタを介して装飾図柄表示装置110に出力される。
【0058】
なお、CPU404が実行する演算処理におけるテクスチャマッピング、クリッピング、および視点基準の座標への座標変換の各処理を、レンダリングの際にVDP431に行わせるようにしてもよい。さらに、CPU404が実行する演算処理の全てをVDP431に行わせるようにしてもよい。すなわち、CPU404およびVDP431の処理内容の分担は、両者の特性や処理能力、または処理するデータ量(例えば、3Dオブジェクトのポリゴン数)等に応じて適宜に設定すればよい。
【0059】
また、副制御部400は、装飾図柄表示装置110の表示領域の一部、ないし全部を遮蔽したり、露出させたりする演出用の各種役物を駆動するステッピングモータやソレノイドなどのシャッタデバイス424を駆動するモータ制御回路426を有する。シャッタデバイス424のシャッタの現在位置などの情報はセンサ出力検出回路430を介して検出する。
また、基本回路402は、スピーカ416(及び不図示のアンプ)の制御を行うための音源IC418と接続されるとともに、チャンスボタン146の操作を検出し、演出制御中、チャンスボタン146の操作に応じてチャンスボタン用ランプ146aの点灯/消灯(あるいは点滅など)を制御するとともに、必要であれば装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の表示を変更する制御も行う。
また、副制御部400には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する、図示しない起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けており、CPU404は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、演出制御を開始する。
【0060】
副制御部500は、P−ROM506に格納された制御プログラムや各種データに基づき副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502には、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。この基本回路502のCPU504は、水晶発信器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、副制御部500は、演出用の各種役物を駆動するステッピングモータやソレノイドなどの各種演出用駆動装置524(例えば、腕の形状をした可動物260)を駆動する演出用駆動装置制御回路526を有する。
さらに、副制御部500には、シリアル通信制御回路530を設けており、このシリアル通信制御回路530は、それぞれシリアル通信駆動回路541、571を内蔵する遊技盤用ランプ基板540、及び遊技台枠用ランプ基板570と通信し、これにより、主に遊技盤側に設けられる各種ランプ561、主に遊技台枠側に設けられる各種ランプ562の点灯/消灯(点滅)を制御することができる。
【0061】
副制御部400及び500の動作に必要な電源電圧は電源管理部650を介して供給される。
<主制御部のデータテーブル>
次に、図7を用いて、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。なお、同図(a)は大当たり判定テーブルの一例を、同図(b)は高確率状態移行判定テーブルの一例を、同図(c)はタイマ番号決定テーブルの一例を、それぞれ示した図である。
【0062】
図7(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している情報(以下、単に「遊技情報」と称する。)の種類と、第1特図始動口126に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データ(第1特図始動口用抽選データ)と、第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データ(第2特図始動口用抽選データ)と、を対応付けて記憶したデータテーブルである。主制御部300の基本回路302は、これらの情報を用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち「大当たり判定」を行う。なお、「遊技情報」は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報等を含むが、以下、これらを単に「低確率状態」および「高確率状態」と称する。また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
【0063】
第1特図始動口用抽選データは、第1特図始動口126に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。なお、本実施形態では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における第1特図始動口用抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における第1特図始動口用抽選データが示す数値範囲は30001〜31310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
【0064】
第2特図始動口用抽選データは、第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値が20001〜20187であるときには、特図変動遊技の当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が20001〜20187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。なお、本実施形態では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における第2特図始動口用抽選データが示す数値範囲は20001〜20187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における第2特図始動口用抽選データが示す数値範囲は40001〜41310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
【0065】
図7(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
【0066】
主制御部300の基本回路302は、この高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。例えば、取得した特図乱数値(乱数値については後述する)が64〜127の数値である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特図変動遊技の終了後に特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に特別大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、取得した特図乱数値が64〜127の数値以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオフに設定するという)。なお、本実施形態では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの移行判定乱数の範囲は64〜127(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
【0067】
図7(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。主制御部300の基本回路302は、これらの情報と、上記の大当たり判定結果(後述する大当たりフラグの値)および後述するタイマ乱数の値に基づいて、タイマ番号を決定する。なお、本実施形態では、特図タイマ乱数値(乱数値については後述する)の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上記の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒、リーチなし)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は250/65536である。一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ、ノーマルリーチ(再変動))を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒、全回転リーチ)を選択する確率は3000/65536である。
<主制御部メイン処理>
次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0068】
主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
【0069】
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDTへの初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDTに、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
【0070】
ステップS102では、WDTのリセットを行い、WDTによる時間計測を再始動する。
【0071】
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、主制御部300に設けられた電圧監視回路336が、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
【0072】
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0073】
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)にはステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
【0074】
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
【0075】
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割り込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
【0076】
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。
【0077】
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
【0078】
ステップS109では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0079】
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図9を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
【0081】
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0082】
ステップS202では、WDTのカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0083】
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述のガラス枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施形態では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0084】
また、ステップS203では、上述の前々回検出信号記領域、前回検出信号記領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)への入球、または普図始動口124の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口122への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
【0085】
ステップS204およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS108で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
【0086】
ステップS206では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0087】
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0088】
ステップS208では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0089】
ステップS209では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、および可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
【0090】
ステップS210では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0091】
ステップS211では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
【0092】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図4(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図4(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
【0093】
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0094】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0095】
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
【0096】
ステップS212では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0097】
ステップS213では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
【0098】
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図4(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0099】
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0100】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0101】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0102】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0103】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS214に移行するようにしている。
【0104】
ステップS214では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の図7(a)の大当たり判定テーブル、同図(b)の高確率状態移行判定テーブル、同図(c)のタイマ番号決定テーブルなどを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、図7(a)に示す大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することを、大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0105】
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。また、第2特図始動口128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
【0106】
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS209で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、図7(b)に示す移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
【0107】
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含む図7(c)に示すタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
【0108】
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS207のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(例えば5回)のタイマ割込処理の実行ごと(例えば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
【0109】
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0110】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口126への入賞の有無、第2特図始動口128への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。
【0111】
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ420・スピーカ416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ420・スピーカ416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0112】
ステップS216では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0113】
ステップS217では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS210)で設定した出力予定情報を、I/O310の出力ポートに設定する。
【0114】
ステップS218では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS219に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS220に進む。
【0115】
ステップS219では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
【0116】
ステップS220では、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
【0117】
<副制御部(400)メイン処理>
まず、図10(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路402のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてP−ROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化などを行う。また、ステップS301では、後述のVsync変数を0にリセットする。
【0118】
ステップS302では、主制御部300から送信された演出コマンドを入力するコマンド入力処理(後述の図10(b))を行う。
ステップS303では、RAM408などに割り当てたVsync変数が2以上か否かを判定する。前述のように、VDP431は、1フレーム区間に相当する所定時間T1=1/30s(約33.3ms)のその半分の1/60秒ごとに副制御部400のCPU404に対してVsync割り込み信号を送信するが、このVsync変数は、図10(g)のVsync割り込み処理によって1ずつインクリメントされる。
即ち、図10(g)のVsync割り込み処理に示すように、VDP431からのVsync割り込みが発生すると、CPU404はステップS901において、Vsync変数を1、インクリメントする。
従って、ステップS303においてVsync変数≧2であるか否かを判定することは、1フレーム区間に相当する所定時間T1=1/30sに相当する時間が経過したか否かの判定と同等である。ステップS303が否定された場合にはステップS302に戻り、コマンド入力処理を繰り返す。ステップS303が肯定された場合、即ち、1フレーム区間T1=1/30sに相当する時間が経過した場合には、ステップS304以降において、1フレーム区間で実行すべき演出制御を行う。
【0119】
まず、ステップS304では、Vsync変数を0にリセットする。
【0120】
ステップS305では、主制御部300から送信された演出コマンドに従って、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の表示、スピーカ416、シャッタデバイス424、各種ランプ(561、562)などを制御するための演出データを更新する。
【0121】
ステップS306では、演出データに基づき音源IC418及びスピーカ416を制御し、音出力処理を行う。
【0122】
ステップS307では、入賞、さらに抽選状態に応じて制御される装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の表示状態に応じてチャンスボタン146の操作状態を検出し、チャンスボタン用ランプ146aをチャンスボタン146の操作状態に適した点灯/消灯(点滅)状態に制御する。
【0123】
ステップS308では、入賞、さらに抽選状態に応じて制御される装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の表示状態に同期して、モータ制御回路426及びセンサ出力検出回路430を用いてシャッタデバイス424を動作させる。
【0124】
ステップS309では、主制御部300から送信された演出コマンドに従って、副制御部500において各種演出用駆動装置524、ランプ561、562などを駆動するための制御コマンドを送信する。
さらにステップS310において、VDP431、VRAM433、CG−ROM506を用いた後述の表示制御処理(図12)を実行し、ステップS302に復帰する。副制御部400のCPU404は、後述するストローブ処理、チャンスボタン割り込み処理、Vsync割り込み処理、による中断を除いて、以後、上記の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図10(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
【0125】
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
【0126】
図10(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図10(c)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理などを行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理などである。その他の処理は、ここでは割愛する。
【0127】
図10(c)のステップS501の変動パターン選択処理では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、及びタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、あらかじめP−ROM406などに用意した変動番号選択テーブル、及び図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施形態では変動番号及び仮停止図柄・停止図柄の組合せなど)を選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
【0128】
具体的には、副制御部400は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を変動決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている変動決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、大当たりフラグの状態に基づいて、あらかじめ用意した大当たりフラグがオン(大当たり当選)、及び大当たりフラグがオフ(大当たり不当選)の場合に用いるいずれか一方の変動番号テーブルを参照すると共に、タイマ番号、確変フラグ、取得した変動決定用乱数値に基づいて、対応する変動番号を選択し、選択した変動番号をRAM408に設けている変動番号記憶領域に記憶する。
【0129】
次に、副制御部400は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を図柄決定用乱数値として取得し、RAM408に設けている図柄決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、変動番号、取得した図柄決定用乱数値に基づいて仮停止図柄の組合せ、及び停止図柄の組合せをRAM408に設けたそれぞれの図柄記憶領域に記憶して処理を終了する。
【0130】
図10(d)のステップS601の図柄停止処理では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域の3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図10(e)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力した演出コマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図10(f)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0131】
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路380によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。チャンスボタン割り込み処理のステップS801では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<Vsync割り込み処理>
上述のように、VDP431からのVsync割り込みが発生すると、図10(g)に示すように、CPU404はステップS901において、Vsync変数を1、インクリメントする。
<副制御部(500)メイン処理>
次に、図11を用いて、副制御部500のCPU504が実行する副制御部メイン処理について説明する。
副制御部400の場合と同様、リセット信号を入力した副制御部500の基本回路502のCPU504は、リセット割り込みによりリセットスタートしてP−ROM506に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS1001で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化などを行う。
ステップS1002では、副制御部400が送信(図10(a)のステップS309)する演出コマンドを検出する。副制御部400からの演出コマンドを受信した場合には、当該コマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。そして、ステップS1003及びS1004において、受信した演出コマンドに基づく演出制御を行う。
ステップS1003では、上記コマンド記憶領域に記憶した演出コマンドに基づき、シリアル通信制御回路530、遊技盤用ランプ基板540、及び遊技台枠用ランプ基板570を介して遊技盤用ランプ561、遊技台枠用ランプ562の点灯/消灯(点滅)を制御する。
【0132】
ステップS1004では、上記コマンド記憶領域に記憶した演出コマンドに基づき、演出用駆動装置制御回路526を介して演出用の各種役物を駆動するステッピングモータやソレノイドなどの各種演出用駆動装置524を駆動する。本実施形態では、可動物260を駆動させる。
<副制御部400(CPU)表示制御処理>
次に、図12(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する表示制御処理について説明する。図12(a)は、図10(a)のステップS310の表示制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。なお、図12のステップS1101〜ステップS1113の処理は、装飾図柄表示装置110に画像を表示するための1フレームのシーンデータを生成する処理である。
【0133】
ステップS1101では、装飾図柄表示装置110に表示する表示情報の生成予定があるか否かを判定する。表示情報の生成予定がある場合には、ステップS1102に進み、表示情報の生成予定がない場合には、表示制御処理を終了する。
【0134】
ステップS1102では、パーティクルを用いた表示情報の生成予定があるか否かを判定する。パーティクルを用いた表示情報の生成予定がある場合には、ステップS1103に進み、パーティクルを用いた表示情報の生成予定がない場合には、ステップS1105に進む。ここで、パーティクルとは、一般的に微粒子の集合体、例えば、飛び散る火花や水滴、舞い上がる粉末や火の粉などを画像表示するための粒子・斑点をモデル化したものであり、本実施形態では、パーティクルによって後述する特定オブジェクトの群集表現を行い、確率モデルでその動き・形状を処理する(具体的には、物理シミュレーションを行ってパーティクルの動きを自動的に計算する)。
【0135】
ステップS1103では、エミッタ(粒子発生オブジェクト)から発生させるパーティクルの発生量を決定する。例えば、大当たり判定の結果や演出データの選択結果に基づいて、パーティクルの発生量を決定してもよい。また、遊技者の遊技操作(例えば、チャンスボタン146押下)に応じて、パーティクルの発生量を調整してもよい。
【0136】
ステップS1104では、当該フレームで発生させるパーティクルの設定情報を決定する。ここで、設定情報とは、初期位置、移動方向、速度、加速度、回転角度、大きさ、色、物理特性、寿命などである。
【0137】
ステップS1105では、過去のフレームで発生したパーティクルの設定情報を更新する。
【0138】
ステップS1106では、すべてのパーティクル(過去に発生したパーティクル、当該フレームで発生したパーティクル)について、物理シミュレーションの式に基づいて、パーティクルの設定情報(例えば、位置情報など)を更新する。ここで、物理シミュレーションとは、風、重力、流体、摩擦、爆発などの自然現象に関するシミュレーションをいう。なお、寿命が0の場合には、パーティクルを消滅させる。
【0139】
ステップS1107では、当該フレームでパーティクル以外に発生させるオブジェクトの設定情報を決定する。ここで、パーティクル以外のオブジェクトの設定情報とは、初期位置、移動方向、速度、加速度、回転角度、大きさ、色、物理特性、寿命、動作情報(アニメーション情報)である。
【0140】
ステップS1108では、過去のフレームで発生したパーティクル以外のオブジェクトがある場合には、このパーティクル以外のオブジェクトの設定情報を更新する。なお、寿命が0の場合には、当該オブジェクトを消滅させる。
【0141】
ステップS1109では、オブジェクト同士の衝突判定を行い、衝突がある場合には、衝突する各オブジェクトの設定情報を更新する。例えば、衝突して、いずれか一方のオブジェクトを移動させる場合には、移動するオブジェクトの設定情報を更新する。例えば、オブジェクトの位置、移動方向、速度、加速度、色、形状などの設定情報を更新する。
【0142】
ステップS1110では、仮想3次元空間内に各オブジェクトを配置する。すなわち、パーティクル及びパーティクル以外のオブジェクトそれぞれを仮想3次元空間内の所定の位置に配置する。なお、オブジェクトには、カメラやライトも含まれる。
【0143】
ステップS1111では、オブジェクトの中にパーティクルが存在する場合には、ステップS1112に進み、パーティクルが存在しない場合には、ステップS1113に進む。
【0144】
ステップS1112では、生成したパーティクルに特定オブジェクトを反映する。すなわち、パーティクルのインスタンスを使って、パーティクルの各点をインスタンス化された特定オブジェクトに置き換える。ここで、特定オブジェクトの具体例に関しては、詳しくは後述する演出例で説明するが、例えば、魚オブジェクト、図柄人オブジェクト、拳オブジェクト、流星オブジェクトなどである。なお、本実施形態では、パーティクルをインスタンス化したオブジェクトを特定オブジェクトと称し、特定オブジェクト以外のオブジェクトを特別オブジェクトと称する場合がある。
【0145】
ステップS1113では、仮想3次元空間に構築された特定オブジェクト及びそれ以外のオブジェクトに関する表示情報を制御コマンドとしてVDP431に送信する。また、必要に応じて、描画指示に関する情報も制御コマンドとしてVDP431に送信する。
<副制御部400(VDP)表示制御処理>
次に、図10(b)を用いて、副制御部400のVDP431が実行する表示制御処理について説明する。同図は、副制御部400のVDP431が実行する表示制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。副制御部400のVDP431が実行する表示制御処理は、VDP431がCPU404により送信された制御コマンドを受信することにより、制御コマンドに応じた表示制御処理を行う。
【0146】
ステップS1201では、頂点処理を行う。具体的には、ワールド座標変換、視点座標変換、陰線陰面処理、クリッピング処理、透視投影変換、光源処理等のジオメトリ処理、スクリーン座標変換を行う。
【0147】
ステップS1202では、ピクセル処理を行う。具体的には、マッピング(テクスチャマッピング、バンプマッピングなど)、色データ設定/変更、半透明合成、アンチエイリアスを行う。
【0148】
ステップS1203では、装飾図柄表示装置110に表示するための描画処理を行う。
<パーティクルを用いた演出例>
次に、図13〜図25を参照して、上述した副制御部400(CPU)表示制御処理(図12(a)参照)及び副制御部400(VDP)表示制御処理(図12(b)参照)により実行されるパーティクルを用いた演出(以下、パーティクル演出という)の具体例について説明する。
(実施例1)
図13及び図14は、実施例1のパーティクル演出の概要を示す図である。なお、以下の実施例(実施例1〜11)においては、仮想3次元空間V内の方向を、図13に示すように視点位置Eの位置を基準とした方向を用いて説明する(例えば、視点位置Eに近づく方向を前、視点位置Eから遠ざかる方向を後とする)。また、以下の実施例(実施例1〜11)においては、視点位置Eから見た3D画像が装飾図柄表示装置110に表示される。
【0149】
実施例1のパーティクル演出においては、図13(a)に示すように、仮想3次元空間Vの右側面に配置されたエミッタEからパーティクルPを発生させ、発生させたパーティクルPを、発生地点から蛇行させつつ右側から左側に移動する移動経路Rに沿って移動させるようになっている。そして、実施例1においては、3種類の魚オブジェクトを特定オブジェクトPOとしており、3種類の特定オブジェクトPOをパーティクルPに反映するようになっている。この3種類の特定オブジェクトPOは、図13(b)に示すように、形状が同一でアニメーションパターンが異なる特定オブジェクトPOである。それぞれのアニメーションパターンは、3パターンの画像データから構成されており、この3パターンの画像データを順次繰り返し表示することにより(例えば、現フレームで画像データA1を表示し、次フレームで画像データA2を表示し、次々フレームで画像データA3を表示し、次々々フレームで画像データA1を表示する等)、魚の泳ぐ動作を表示するようになっている。
【0150】
本実施例では、大当たり判定の結果に基づいて、パーティクルPの発生量、発生位置、及びどのパーティクルPにどの魚オブジェクト(特定オブジェクトPO)を反映させるか(どのパーティクルPに3種類のうちのいずれの魚オブジェクトを反映させるか)を決定するようになっている。勿論、他の抽選結果に基づいてもよく、例えば、演出データの抽選結果に基づいてもよい。
【0151】
図14は、パーティクルPに魚オブジェクト(特定オブジェクトPO)を反映させたときの画像表示例である。図14に示すように、視点位置Sからの画像では、多数の魚が右側から左側に向かって泳ぐ画像が表示されることとなる。
【0152】
実施例1においては、このような画像データを遊技の進行に応じて、リアルタイムに生成する。すなわち、図12(a)の表示制御処理で示したように、1フレームごとに、パーティクルの設定情報を更新して、3D画像を生成する。本実施形態ではこのように1フレームごとにリアルタイムに設定情報を更新して、3D画像を生成するが、これとは別に、まとめて全フレーム分の3D画像を予め生成し、1フレーム区間(1/30s)ごとに生成した3D画像を表示するようにしてもよい。
(実施例2)
図15は、実施例2のパーティクル演出の概要を示す図である。
【0153】
実施例2のパーティクル演出は、実施例1のパーティクル演出に登場するオブジェクトに特別オブジェクトSOを加えた演出となっている。具体的には、サメオブジェクトを特別オブジェクトSOとして仮想3次元空間Vに配置し、特別オブジェクトSOと特定オブジェクトの衝突判定処理を行い、衝突が生じた場合には、衝突する特定オブジェクトPO(魚オブジェクト)の移動経路Rを変更するようになっている。ここで、特別オブジェクトSOと特定オブジェクトの衝突判定処理とは、特別オブジェクトSOの位置情報(例えば、原点(中心点や接地点など)の座標、表面(ポリゴンの頂点)の座標など)と、特定オブジェクトPOの位置情報に基づいて、衝突を検知する処理であり、位置情報が一致したときに衝突を検知するようにしてもよいし、特別オブジェクトSOの位置と特定オブジェクトPOの位置との距離が予め定めた距離以内であるときに衝突を検知するようにしてもよい。
【0154】
衝突判定処理の結果、図15(b)に示すように、視点位置Sからの画像では、サメに衝突しそうな魚は方向を変えて泳ぐ画像が表示されることとなる。
【0155】
また、本実施例では、サメオブジェクト(特別オブジェクトSO)を移動させる設定としているが、静止させるようにしてもよい。また、遊技者の操作ボタンの操作(例えば、チャンスボタン146の操作)により、サメオブジェクトの挙動を制御するようにしてもよい。例えば、移動させたり、動作(アニメーション)を変えたり、テクスチャ(色や形など)を変化させたりしてもよい。
(実施例3)
図16及び図17は、実施例3のパーティクル演出の概要を示す図である。実施例3のパーティクル演出は、装飾図柄が7図柄でリーチ状態となったときのリーチ演出である。
【0156】
実施例3のパーティクル演出においては、図16(a)に示すように、仮想3次元空間Vの背面に配置されたエミッタEからパーティクルPを発生させ、発生させたパーティクルPを、発生地点から仮想3次元空間Vの前方の一点まで移動する移動経路Rに沿って移動させるようになっている。そして、実施例3においては、図17に示すように、4種類の図柄人オブジェクトを特定オブジェクトPOとしており、4種類の特定オブジェクトPOをパーティクルPに反映するようになっている。この4種類の特定オブジェクトPOにおいて、AとC、BとDは、形状が異なり(図柄が異なる)、アニメーションパターンが同一なオブジェクトであり、AとD、BとCは、形状もアニメーションパターンも異なるオブジェクトである。4種類の特定オブジェクトPOは、それぞれ、衝突なし時の2パターンと衝突あり時の2パターンのアニメーションパターンを備えており、衝突なし時には、衝突なし時の2パターンの画像データを順次繰り返し表示することにより(例えば、現フレームで画像データA1を表示し、次フレームで画像データA2を表示し、次々フレームで画像データA1を表示する等)、図柄人が前進する動作を表示し、また、衝突時には、衝突あり時の2パターンの画像データを順次繰り返し表示することにより(例えば、現フレームで画像データA3を表示し、次フレームで画像データA4を表示し、次々フレームで画像データA3を表示する等)、図柄人が飛び上がる、倒れるなどの動作を表示するようになっている。
【0157】
本実施例では、図16(a)及び(b)に示すように、仮想3次元空間VにパーティクルPを配置し、配置したパーティクルPに図柄人オブジェクト(衝突なし時のアニメーションパターンの特定オブジェクトPO)を反映させて、移動させる。そして、人オブジェクト(特別オブジェクトSO)が刀を振り回す動作をしているときに、図柄人オブジェクト(衝突なし時の特定オブジェクトPO)と衝突すると、図柄人オブジェクトを衝突あり時の2パターンのアニメーションパターンに切り替えるとともに、図柄人オブジェクト(衝突あり時のアニメーションパターンの特定オブジェクトPO)の移動経路を変更して表示する。
【0158】
なお、図16及び図17に示した図柄人オブジェクトは、6及び8を示す装飾図柄を胴体としていたが、これ以外の数値を示す装飾図柄を胴体とした図柄人オブジェクトであってもよいのは勿論である。また、本実施例では、衝突時に動作情報(アニメーション情報)を変更する例を示したが、これに限らず、動作情報以外の設定情報を変更してもよい。
(実施例4)
図18は、実施例4のパーティクル演出の概要を示す図である。
【0159】
実施例4のパーティクル演出は、実施例3のパーティクル演出に床オブジェクト(特別オブジェクトSO)を加えて、可動物260の動作を伴う演出となっている。詳しくは、透明な床オブジェクトを特別オブジェクトSOとして仮想3次元空間Vの表示領域外下方に配置し、可動物260と床オブジェクト(特別オブジェクトSO)を連動して動作するようになっている。すなわち、実体である可動物260の前腕部260bが表示領域外下方において上昇すると、仮想3次元空間V内の床オブジェクト(特別オブジェクトSO)は、可動物260の移動に連動して上昇し、上昇した床オブジェクト(特別オブジェクトSO)と図柄人オブジェクト(特定オブジェクトPO)との衝突が生じた場合には、図柄人オブジェクトを衝突あり時のアニメーションパターンに切り替えるとともに、図柄人オブジェクト(衝突あり時のアニメーションパターンの特定オブジェクトPO)の移動経路を上方に変更して表示する。この結果、前腕部260bが上昇移動して、装飾図柄表示装置110に表示されていた地面を叩くような動作をすると、遊技者は、装飾図柄表示装置110を介して、図柄人が上に飛ばされたような画像表示を見ることができる。
【0160】
なお、本実施例においては、床オブジェクトを透明としたが、床オブジェクトは透明でなくてもよい。
(実施例5)
図19は、実施例5のパーティクル演出の概要を示す図である。
【0161】
実施例5のパーティクル演出は、実施例4の床オブジェクトを円柱オブジェクトに代えるとともに、その配置位置を変更して、略同一の演出を行うようになっている。詳しくは、横たわった透明な円柱オブジェクト(特別オブジェクトSO)の底面を前腕部260bの拳位置に配置し、円柱オブジェクトSOと前腕部260bとを連動させて動作させるようにしている。すなわち、実体である可動物260の前腕部260bが表示領域と重なる範囲まで上昇すると、仮想3次元空間V内の円柱オブジェクト(特別オブジェクトSO)も、可動物260の移動に連動して上昇し、上昇した円柱オブジェクト(特別オブジェクトSO)と図柄人オブジェクト(特別オブジェクト)との衝突が生じるので、図柄人オブジェクトを衝突あり時のアニメーションパターンに切り替えるとともに、図柄人オブジェクト(衝突あり時のアニメーションパターンの特定オブジェクトPO)の移動経路を上方に変更して表示する。この結果、前腕部260bが上昇移動して、装飾図柄表示装置110に表示されている図柄人を直接叩くような動作をすると、遊技者は、装飾図柄表示装置110を介して、図柄人が前腕部260bによって上方に飛ばされたような画像表示を見ることができる。
(実施例6)
図20は、実施例6のパーティクル演出の概要を示す図である。実施例6のパーティクル演出は、装飾図柄が7図柄でリーチ状態となったときのリーチ演出である。
【0162】
実施例6のパーティクル演出においては、図20に示すように、仮想3次元空間Vの後方から前方に向けて移動するパーティクルPが所定の数値の形状を形作るとともに、パーティクルPに虫オブジェクト(特定オブジェクトPO)を反映している。その結果、遊技者は、例えば、虫が6、7、8の数値の形状を保ったまま、人に向かって移動する画像を見ることができる。
【0163】
なお、本実施例においては、パーティクルによって形作られるものを数字の形状としたが、これ以外のものの形状でもよく、例えば、文字、記号、図形、造形物などの形状としてもよい。
(実施例7)
図21は、実施例7のパーティクル演出の概要を示す図である。実施例7のパーティクル演出は、装飾図柄が7図柄でリーチ状態となったときのリーチ演出である。
【0164】
実施例7のパーティクル演出においては、仮想3次元空間Vの後方から前方に向けて移動するパーティクルPを一平面上に格子状に配置するとともに、パーティクルPに装飾図柄を示す図柄オブジェクト(特定オブジェクトPO)を反映しているので、図柄オブジェクトの壁が人オブジェクトに向かって移動するようになっている。このような状態において、人オブジェクト(特別オブジェクトSO)が刀を振り回して発生させる衝撃波オブジェクト(特別オブジェクトSO)が図柄オブジェクト(特定オブジェクトPO)と衝突すると、衝突部分の図柄オブジェクト(特定オブジェクトPO)が消滅するので、遊技者は、図柄の壁の穴から、その背後に配置された大図柄(残りの1つの装飾図柄)を見ることができる。
(実施例8)
図22は、実施例8のパーティクル演出の概要を示す図である。
【0165】
実施例8のパーティクル演出においては、仮想3次元空間Vの右方に配置された壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)が右方から左方に向かって移動するとともに、仮想3次元空間Vの左方に配置された人オブジェクト(特別オブジェクトSO)が拳を突き出す動作をすると、拳オブジェクト(特定オブジェクトPO)が拳の位置から右方向に向けて飛び出し、飛び出した拳オブジェクト(特定オブジェクトPO)が壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)に衝突すると、拳オブジェクト(特定オブジェクトPO)は消滅するようになっている。そして、壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)に衝突した回数が所定の閾値(例えば、所定の時間に所定の回数)以上の場合には、壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)は右方向に移動するようになっている。なお、本実施例においては、拳オブジェクト(特定オブジェクトPO)の発射回数は、遊技者の遊技操作(例えば、チャンスボタン146の操作)の回数に比例している。すなわち、実施例8におけるパーティクルの発生量は、遊技者の遊技操作の操作量に依存している。
【0166】
従って、実施例8のパーティクル演出が実行されたときには、遊技者は、壁が人に向かって迫ってくる画像を見るとともに、遊技者がこのパーティクル演出に参加して、チャンスボタン146を数多く連打すれば、遊技者は、迫ってくる壁を人から遠ざける画像を見ることができる。
(実施例9)
図23は、実施例9のパーティクル演出の概要を示す図である。
【0167】
実施例9のパーティクル演出は、実施例8のパーティクル演出に加えて、右扉250bが透明な壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)の動きに連動して移動するようになっている。すなわち、拳オブジェクト(特定オブジェクトPO)が壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)に衝突した回数が所定の閾値以上の場合には、壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)が右方向に移動するとともに、装飾図柄表示装置110を遮蔽していた右扉250bが、壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)の移動に合わせて、壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)の位置まで移動する。この結果、実施例9のパーティクル演出が実行されたときには、遊技者は、右扉250bが人に向かって迫ってくる演出を見るとともに、遊技者がこのパーティクル演出に参加して、チャンスボタン146を数多く連打すれば、遊技者は、迫ってくる右扉250bを人から遠ざける演出を見ることができる。
【0168】
なお、本実施例の壁オブジェクト(特別オブジェクトSO)は透明であるが、非透明であってもよい。
(実施例10)
図24は、実施例10のパーティクル演出の概要を示す図である。
【0169】
実施例10のパーティクル演出においては、図24に示すように、仮想3次元空間Vの後方から前方に向けて移動するパーティクルPに流星オブジェクト(特定オブジェクトPO)を反映している。そして、パーティクルPの発生量、すなわち、流星オブジェクトPOの数が多いと、遊技者にとって有利な状態である可能性が高い(例えば、大当たりの確率が高い)ことを示すようになっている。
(実施例11)
図25は、実施例11のパーティクル演出の概要を示す図である。なお、実施例11のパーティクル演出は、パチンコ機ではなく、スロットマシンの演出に適用した場合を示している。
【0170】
実施例11のパーティクル演出においては、図25に示すように、仮想3次元空間Vの後方から前方に向けて移動するパーティクルPに流星オブジェクト(特定オブジェクトPO)を反映している。そして、パーティクルPの形状、すなわち、流星オブジェクトPOの形状により入賞役の抽選結果を示唆するようになっている。例えば、図25(a)は、流星オブジェクトPOが「R」の形状をしているので、リプレイの役に当選していること、図25(b)は、流星オブジェクトPOが「チェリー」の形状をしているので、チェリーの役に当選していること、図25(c)は、流星オブジェクトPOが「ベル」の形状をしているので、ベルの役に当選していること、図25(d)は、流星オブジェクトPOが「スイカ」の形状をしているので、スイカの役に当選していること、図25(e)は、流星オブジェクトPOが「7」の形状をしているので、BB(ビッグボーナス)の役に当選していることを示唆している。
【0171】
すなわち、パーティクル演出を「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御をリール停止制御手段と、停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かを判定する判定手段と、図柄組合せの停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払い出す払出制御手段と、を備えたスロットマシン」に適用してもよく、パーティクル演出の実行契機を遊技操作(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、遊技媒体投入操作など)に対応付けてもよい。
【0172】
以上述べたように、本実施形態に係るパチンコ機100によれば、3D動画を装飾図柄表示装置110に表示する演出において、パーティクルのインスタンスを使用して、パーティクルの各点をインスタンス化された特定オブジェクトに置き換えて3D動画を生成するので、複数の特定オブジェクトを表示する際の処理負荷を低減することができるとともに、複数の特定オブジェクトの挙動データを作成する際の作業負担を軽減することができる。すなわち、パーティクルのインスタンス化を行わない場合には、複数の特定オブジェクトの一つ一つに対して、データを複製して特定オブジェクトの数だけ実データを具備しなければならないが、パーティクルのインスタンス化の場合には、元データを参照するだけでよいので、データ容量を低減することができるとともに、処理負荷を軽減できるものである。
【0173】
すなわち、従来の遊技台では、複数個の図柄を表示可能な表示装置を備え、表示装置の図柄が予め定めた特定図柄の組み合わせである特定態様になった場合に、遊技者に有利な遊技状態を発生させるようにしている。そして、このような遊技台の画像表示技術としては、時間経過に応じて位置や動作を指定された3次元オブジェクトを仮想空間内に生成して動画像を表示する遊技台が開示されている(例えば、特開2003−117153号公報)が、複数の3次元オブジェクトを同時に表示する場合には、処理負荷が増大するとともに、各3次元オブジェクトの位置や動作を指定したデータを作成するための作業負担も増大するという問題がある。本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、複数の特定オブジェクトを表示する際の処理負荷を低減することができるとともに、複数の特定オブジェクトの挙動データを作成する際の作業負担を軽減することができるものである。
【0174】
以上から、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100)は、例えば、画像を表示する画像表示手段(例えば、装飾図柄表示装置110)と、仮想3次元空間内に3Dオブジェクトを配置してシーンデータを生成し、生成したシーンデータから前記画像表示手段に表示する画像を生成する画像表示制御手段(例えば、制御部400、制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記画像表示制御手段は、前記3Dオブジェクトのうち、パーティクルに対しては、所定の演算(例えば、物理シミュレーションなど)により算出された移動経路情報を含む設定情報(例えば、発生量、位置、移動方向、速度、加速度、大きさ、色、寿命など)に基づいて、前記仮想3次元空間内の挙動を決定し、前記パーティクルのインスタンス化を行い、前記パーティクルの各点をインスタンス化された特定オブジェクト(例えば、魚オブジェクト、図柄人オブジェクト、拳オブジェクトなど)に置き換えて表示するパーティクル表示処理を行うように構成される。
【0175】
この遊技台によれば、複数のパーティクルに特定オブジェクトを反映(インスタンス)するため、仮想空間内に特定オブジェクトを複数コピーする場合と比べて、画像表示制御手段の処理負荷を軽減させることができる場合がある。また、複数のパーティクルの移動経路情報は、所定の演算に基づいて同時に求められるため、複数の移動経路情報を別個独立に演算して求める場合と比べてデータ作成時間を短縮できる場合がある。さらに、所定の演算によって同時に求められた所定情報に基づいて複数の特定オブジェクトが挙動するため、興趣を向上させる現実的な表現が可能となる場合がある。
【0176】
また、上述した構成において、好適には、前記特定オブジェクトは、時間経過に応じた動作情報(例えば、アニメーションパターン情報)を含む設定情報を有するように構成される。
【0177】
この構成においては、特定オブジェクトがアニメーションを行うため、より興趣を向上させる現実的な表現が可能となる場合がある。また、パーティクルに特定オブジェクトをインスタンスするので、特定オブジェクトがアニメーションを行っても画像表示制御手段の処理負荷の増大を軽減させることができる場合がある。
【0178】
また、好適には、前記特定オブジェクトは、形状が異なる複数種類のオブジェクトから構成される。
【0179】
この構成においては、形状が異なる複数のオブジェクトが設定情報に基づいて挙動するため、より興趣を向上させる現実的な表現が可能となる場合がある。
【0180】
また、好適には、前記形状が異なる複数種類のオブジェクトは、前記設定情報(例え場、動作情報)が同一である。
【0181】
この構成においては、同じ設定情報に基づいて形状が異なる複数種類のオブジェクトを挙動させることができるため、データ容量を低減させることができると共に演出を多彩にすることができる場合がある。
【0182】
また、好適には、前記特定オブジェクトは、それぞれ形状は同一であるが、前記設定情報(例えば、動作情報)は異なる複数種類のオブジェクトから構成される。
【0183】
この構成においては、異なる設定情報に基づいて形状が同じ複数種類のオブジェクトを挙動させることができるため、データ容量を低減させることができると共に演出を多彩にすることができる場合がある。
【0184】
また、好適には、前記画像表示制御手段は、所定の抽選結果(例えば、大当たり抽選の結果、演出抽選の結果など)に基づいて、前記パーティクルの発生量及び発生位置の決定と、前記パーティクルに前記複数種類のオブジェクトのうちのいずれを反映させるかの決定と、を行うように構成される。
【0185】
この構成においては、所定の抽選結果に基づいて、パーティクルの発生量及び発生位置の決定と、パーティクルに複数種類のオブジェクトのうちの何れを反映させるかの決定と、を行うため、演出を多彩にすることができる場合がある。
【0186】
この場合、前記画像表示制御手段は、前記所定の抽選結果が遊技者に有利な結果であった場合と遊技者に不利な結果であった場合とで前記決定を異ならせることが好ましい。
【0187】
この構成においては、遊技者に有利な結果の時と不利な結果の時とで演出内容を異なるため、遊技者は、演出内容を視認することで抽選結果を予想して楽しむことができる場合がある。
【0188】
また、好適には、前記特定オブジェクトの表示態様は、遊技結果を示唆する表示態様(例えば、装飾図柄など)の少なくとも一部を構成する。
【0189】
この構成においては、特定オブジェクトに基づいて遊技者は遊技結果を視認することができる場合がある。また、遊技結果が表示されるまでに多彩な演出を行うことができ、遊技者の興趣を向上させることができる場合がある。
【0190】
また、好適には、前記画像表示制御手段は、遊技の進行に応じてフレームごとに前記設定情報を生成するように構成される。
【0191】
この構成においては、設定情報を遊技の進行に応じてフレームごとに生成するため、リアルタイムに変化する画像表示を提供することができる場合がある。
【0192】
また、好適には、前記画像表示制御手段は、前記3Dオブジェクトの特別オブジェクト(例えば、サメオブジェクト、人オブジェクト、床オブジェクトなど)と前記特定オブジェクトの衝突検知に基づいて、前記特定オブジェクトの設定情報を変更するように構成される。
【0193】
この構成においては、特別オブジェクトと前記特定オブジェクトの衝突検知に基づいて特定オブジェクトの設定情報を変更するため、オブジェクト同士の衝突事象を考慮した特定オブジェクトの挙動を表示でき、遊技者の興趣を向上させることができる場合がある。
【0194】
また、好適には、前記画像表示制御手段は、予め定められた規則又は遊技者による遊技操作(例えば、チャンスボタン146押下など)に応じて、前記特別オブジェクトの挙動を制御するように構成される。
【0195】
この構成においては、特別オブジェクトが予め定められた規則又は遊技者による遊技操作に応じて挙動するため、特定オブジェクトの挙動をより多彩にすることができる場合がある。また、遊技操作に応じて特別オブジェクトが挙動する場合には、遊技者の操作が特定オブジェクトの挙動に変化を与えることができるため、遊技者の興趣を向上させることができる場合がある。
【0196】
また、好適には、前記画像表示手段の近傍に配置された可動物(例えば、可動物260)と、前記可動物の動作を制御する可動物制御手段(例えば、副制御部400、500)と、をさらに備え、前記可動物制御手段は、前記特別オブジェクトの位置情報に基づいて、前記可動物の動作を制御するように構成される。
【0197】
この構成においては、特別オブジェクトの挙動に応じて可動物が可動するため、より多彩な表現が可能となる場合がある。
【0198】
この場合、好適には、前記特別オブジェクトは透明であるように構成される。
【0199】
この構成においては、特別オブジェクトが透明であるため、特別オブジェクトの位置を考慮した挙動を特定オブジェクトにさせた場合、可動物の動作によって特定オブジェクトが挙動したように遊技者に見せることができ、遊技者の興趣を向上させることができる場合がある。
【0200】
また、好適には、前記画像表示制御手段は、前記特別オブジェクトと前記特定オブジェクトの衝突回数に基づいて、前記特別オブジェクトの位置情報を変更するように構成される。
【0201】
この構成においては、特別オブジェクトと特定オブジェクトの衝突回数に基づいて特別オブジェクトの位置を変更するため、より多彩な表現が可能となる場合がある。
【0202】
また、好適には、遊技者の遊技操作を検知する遊技操作検知手段(例えば、スロットマシンにおけるスタートレバー、ストップボタン、ベットボタンなど)をさらに備え、前記画像表示制御手段は、遊技操作検知手段が遊技操作を検知することに基づいて、前記パーティクル表示処理を行うように構成される。
【0203】
この構成においては、遊技操作の検知に応じて、複数の特定オブジェクトが挙動する表示を行うことができる場合がある。
【0204】
また、好適には、遊技媒体を検知する遊技媒体検知手段(例えば、第1始動口126、第2始動口128など)をさらに備え、前記画像表示制御手段は、前記遊技媒体検知手段が遊技媒体を検知することに基づいて、前記パーティクル表示処理を行うように構成される。
【0205】
この構成においては、遊技媒体の検知に応じて複数の特定オブジェクトが挙動する表示を行うことができる場合がある。
【0206】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0207】
100 パチンコ機
110 装飾図柄表示装置
260 可動物
V 仮想3次元空間
P パーティクル
E エミッタ
R 移動経路
S 視点位置
PO 特定オブジェクト
SO 特別オブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を少なくとも表示可能な画像表示手段と、
仮想座標内にオブジェクトを配置して前記画像表示手段に表示する画像を少なくとも生成可能な画像表示制御手段と、
を備えた遊技台であって、
前記画像表示制御手段は、第一の制御を少なくとも実行可能であり、
前記画像表示制御手段は、第二の制御を少なくとも実行可能であり、
前記画像表示制御手段は、第三の制御を少なくとも実行可能であり、
前記画像表示制御手段は、第四の制御を少なくとも実行可能であり、
前記第一の制御は、第一のオブジェクトの前記仮想座標内における移動経路を算出するものであり、
前記第二の制御は、前記第一のオブジェクトを第二のオブジェクトに置き換えるものであり、
前記第三の制御は、前記第二のオブジェクトを前記仮想座標内で動作するものであり、
前記第四の制御は、前記第二のオブジェクト及び第三のオブジェクトのうちの少なくともいずれか一方のオブジェクトの動作を新たに決定するものであり、
前記第四の制御は、前記第二のオブジェクトが前記第三のオブジェクトと衝突したと判定された場合、前記決定をするものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1記載の遊技台であって、
前記第一の制御は、複数の前記第一のオブジェクトの前記仮想座標内における移動経路を算出するものであり、
前記第二の制御は、前記複数の前記第一のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトを、前記第二のオブジェクトに置き換えるものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項2記載の遊技台であって、
前記第二のオブジェクトは、形状が異なる複数種類の前記第二のオブジェクトから構成されたものであることを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記第一のオブジェクトは、パーティクルであることを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−34884(P2013−34884A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224805(P2012−224805)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2008−147689(P2008−147689)の分割
【原出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】