説明

遊技台

【課題】検知手段による検知結果に基づいた処理において、制御部が誤った処理を実行しない遊技台を提供する。
【解決手段】検知信号を出力する検知手段と、電圧を監視する電圧監視手段とを備え、電圧監視手段により通常処理信号が出力されている場合、検知対象移動信号により通常検知処理を実行し、電圧監視手段により通常処理信号が出力されている場合、異常電圧信号により異常検知処理を実行し、電圧監視手段により電断処理信号が出力されている場合、検知対象移動信号により、通常検知処理を実行せず、電圧監視手段により電断処理信号が出力されている場合、検知対象移動信号により異常検知処理を行わないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ機)やパチンコ機などに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機に代表される遊技台がある。このような遊技台では、検知手段である球検知センサの配線に断線や、配線コネクタの外れがあると、球検知センサにより球の通過信号を受け取ることが出来なくなる。すると、遊技者がそのまま遊技を継続した場合、たとえばスタートチャッカに球を通過させたのにもかかわらず抽選を得られないなどの不利益を被ることとなる。
【0003】
これに関し、特許文献1には、断線等を判定し、断線に対応する処理を行うことが出来る遊技機の開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−173602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のような従来の遊技台では、球検知センサに供給されている電圧変化によって球通過/非通過を判定可能な構成としているので、断線等の異常がないにもかかわらず、遊技自体に電源断操作があった場合に、電圧変化に伴う電断等の異常信号が出力され、電断処理を実行開始前の制御部が異常信号を受け取り、それに基づく処理を行ってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、検知手段による検知結果に基づいた処理において、制御部が誤った処理を実行しないようにした遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の目的を達成するために、検知信号を出力する検知手段と、電圧を監視する電圧監視手段と、を備えた遊技台であって、前記検知手段は、検知対象の移動により変化可能な第一の電圧値が第一の範囲の値である場合に、第一の信号を少なくとも出力可能なものとし、前記検知手段は、前記第一の電圧値が第二の範囲の値である場合に、第二の信号を少なくとも出力可能なものとし、前記第一の信号は、検知対象移動信号であり、前記第二の信号は、異常電圧信号であり、前記電圧監視手段は、第二の電圧値が第三の範囲の値である場合に、第三の信号を少なくとも出力可能なものとし、前記電圧監視手段は、前記第二の電圧値が第四の範囲の値である場合に、第四の信号を少なくとも出力可能なものとし、前記第三の信号は、通常処理信号であり、前記第四の信号は、電断処理信号であり、前記電圧監視手段により前記第三の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第一の信号により、通常検知処理を少なくとも実行し、前記電圧監視手段により前記第三の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第二の信号により、異常検知処理を少なくとも実行し、前記電圧監視手段により前記第四の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第一の信号により、前記通常検知処理を少なくとも実行せず、前記電圧監視手段により前記第四の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第二の信号により、前記異常検知処理を少なくとも実行しない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検知手段による検知結果に基づいた処理において、制御部が誤った処理を実行しないようにした遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パチンコ機1000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】遊技盤1102を正面から見た略示正面図である。
【図3】パチンコ機1000の制御部の回路ブロック図である。
【図4】(a)は特図の停止表示態様の一例を、(b)は装飾図柄の一例を、(c)は普図の停止表示態様の一例を、それぞれ示した図である。
【図5】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】同図は主制御部タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は副制御部1400のメイン処理の流れを示すフローチャートであり、(b)はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートであり、(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートであり、(e)はストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートであり、(f)はチャンスボタン割込み処理の流れを示すフローチャートであり、(g)は副制御部変数更新割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施例1における、図6のステップS1417に示したデバイス監視処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】(a)は図7(b)ステップS1602に示したコマンド処理のフローチャートであり、図9(b)はスイッチ異常時の報知の一例を示す図である。
【図10】実施例1において、(a)は入力ポート0に割り当てられた信号を示す表図であり、(b)は入力ポート1に割り当てられた信号を示す表図である。
【図11】球通過監視回路1320を有する集積回路装置1352の特性であって、電源電圧に対する入力電圧と閾値との関係を示すグラフである。
【図12】球通過監視回路を構成する集積回路装置、電源監視回路を構成する集積回路装置および入力ポート0を構成する集積回路装置の接続構成の一例を示す回路図である。
【図13】(a)は電源電圧と各信号との関係を示すタイムチャートであり、(b)は、各信号のレベルと判定する状態との関係を示す表図である。
【図14】実施例1のセンサ異常の判定において、払出制御部に係る構成を示すブロック図である。
【図15】実施例1の構成を示すブロック図である。
【図16】実施例2における、図6のステップS1417に示したデバイス監視処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】実施例2の構成を示すブロック図である。
【図18】実施例2において、(a)は入力ポート0に割り当てられた信号を示す表図であり、(b)は入力ポート1に割り当てられた信号を示す表図である。
【図19】実施例2における、信号のレベルと判定する状態との関係を示す表図である。
【図20】スロットマシン5100の外観斜視図である。
【図21】主制御部5300の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
【0011】
<全体構成>
まず、図1および2を用いて、パチンコ機1000の全体構成について説明する。なお、図1はパチンコ機1000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0012】
パチンコ機1000は、ガラス製または樹脂製の透明板部材1152および透明部材保持枠(ガラス枠)1154からなる扉部材1156の奥側に視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)1102を備えている。
【0013】
また、発射杆1138および発射槌1140の下方には、発射杆1138を制御して遊技領域1104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル1148を配設していると共に、貯留皿1144の下方には、貯留皿1144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿1150を設けている。
【0014】
図2は、遊技盤1102を正面から見た略示正面図である。遊技盤1102には、外レール1106と内レール1108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域1104を区画形成している。
【0015】
遊技盤1102の略中央には、演出装置1200を配設している。この演出装置1200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置1110を配設し、その下方に、普通図柄表示装置1112と、特別図柄表示装置1114と、普通図柄保留ランプ1116と、特別図柄保留ランプ1118と、高確中ランプ1120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0016】
装飾図柄表示装置1110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成している。この装飾図柄表示装置1110は、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110b、右図柄表示領域1110cおよび演出表示領域1110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110bおよび左図柄表示領域1110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域1110a、1110b、1110c、1110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
【0017】
普図表示装置1112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置1114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
【0018】
普図保留ランプ1116は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ1118は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ1120は、遊技状態が高確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率よりも高く設定した遊技状態)であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率に設定した遊技状態)から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0019】
遊技領域1104には、一般入賞口1122と、普図始動口1124と、第1特図始動口1126と、第2特図始動口1128と、可変入賞口1130を配設している。一般入賞口1122は、本実施例では遊技盤1102に複数配設しており、この一般入賞口1122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1122に入賞した場合)、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として貯留皿1144に排出する。貯留皿1144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1122に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0020】
普図始動口1124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤1102の左側に1つ配設している。普図始動口1124を通過した球は一般入賞口1122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機1000は、普図表示装置1112による普図変動遊技を開始する。
【0021】
第1特図始動口1126は、本実施例では遊技盤1102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として貯留皿1144に排出するとともに、特図表示装置1114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口1126に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0022】
第2特図始動口1128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口1126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿1144に排出するとともに、特図表示装置1114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1128に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0023】
可変入賞口1130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤1102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置1114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(たとえば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(たとえば15回)で開閉する。可変入賞口1130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1552を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として貯留皿1144に排出する。なお、可変入賞口1130に入球した球は、パチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0024】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1132や、遊技釘1134を複数個、配設していると共に、内レール1108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1000の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口1136を設けている。
【0025】
このパチンコ機1000は、遊技者が貯留皿1144に貯留している球を発射レール1142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル1148の操作量に応じた強度で発射モータ1602を駆動し、発射杆1138および発射槌1140によって外レール1106、内レール1108を通過させて遊技領域1104に打ち出す。そして、遊技領域1104の上部に到達した球は、打球方向変換部材1132や遊技釘1134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1122、可変入賞口1130)や始動口(第1特図始動口1126、第2特図始動口1128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1124を通過するのみでアウト口1136に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機1000の演出装置1200について説明する。
【0026】
演出装置1200の前面側には、ワープ装置1230および全面ステージ1234を配設し、演出装置1200の背面側には、装飾図柄表示装置1110および遮蔽手段1250を配設している。すなわち、演出装置1200において、装飾図柄表示装置1110および遮蔽手段1250は、ワープ装置1230およびステージの後方に位置することとなる。
【0027】
ワープ装置1230は、演出装置1200の左上方に設けた入球口1232に入った遊技球を演出装置1200の前面下方の前面ステージ1234に排出し、さらに、前面ステージ1234に排出した遊技球が前面ステージ1234の中央部後方に設けた第2の入球口1236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口1126の上方である演出装置1200の下部中央に設けた排出口1238から第1特図始動口1126に向けて排出するものである。この排出口1238から排出した遊技球は特図始動口1126に入球しやすくなっている。
【0028】
遮蔽手段1250は、格子状の左扉1250aおよび右扉1250bからなり、装飾図柄表示装置1110および前面ステージ1234の間に配設する。左扉1250aおよび右扉1250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉1250aおよび右扉1250bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段1250は、左右扉1250a、1250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置1110を視認し難いように遮蔽する。左右扉1250a、1250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置1110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置1110の表示の全てを視認可能である。また、左右扉1250a、1250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、たとえば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左右扉1250a、1250bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置1110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置1110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置1110を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図3を用いて、このパチンコ機1000の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0029】
パチンコ機1000の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部1400と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1600と、パチンコ機1000に供給される電源を制御する電源管理部1650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1000の主制御部1300について説明する。
【0030】
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発振器1314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0031】
また、基本回路1302には、水晶発振器1314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口1130の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ1318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1316および基本回路1302に出力するための球通過監視回路1320と、透明部材保持枠(ガラス枠)1154の開閉状態を検出するセンサを含む各種センサ1319と、特図表示装置1114の表示制御を行うための表示回路1322と、普図表示装置1112の表示制御を行うための表示回路1324と、各種状態表示部1326(普図保留ランプ1116、特図保留ランプ1118、高確中ランプ1120等)の表示制御を行うための表示回路1328と、第2特図始動口1128や可変入賞口1130等を開閉駆動する各種ソレノイド1330を制御するためのソレノイド回路1332を接続している。
【0032】
なお、第1特図始動口1126に球が入賞したことを球検出センサ1318が検出した場合には、球通過監視回路1320は球を検出したことを示す信号を基本回路1302に出力し、そのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、第2特図始動口1128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、球通過監視回路1320は球を検出したことを示す信号を基本回路1302に出力し、そのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口1128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0033】
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1334を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1652にパチンコ機1000の遊技情報(たとえば、遊技状態)を出力する。
【0034】
また、主制御部1300には、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1336を設けており、この電圧監視回路1336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。この電圧監視回路1336は、電断処理を事項するために電圧値を監視する電断処理用の電圧監視回路である(詳細は後述する)。
【0035】
また、主制御部1300には、電圧監視回路1336のほかに、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1337を設けた。この電圧監視回路1337は、各種センサ1318が出力する信号に基づいた処理を電圧低下が発生した場合に制限するために電圧値を監視するセンサ処理制限用の電圧監視回路である(詳細は後述する)。この電圧監視回路1337は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を超えた場合に正常電圧信号を出力し、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を下回った場合に電圧が低下したことを示す異常電圧信号を基本回路1302に出力する。この電圧監視回路1337が監視する所定電圧(本実施例では9.258v)は、電圧監視回路1336が監視する所定電圧(本実施例では9v)よりも高く、電圧低下が発生した場合に、電圧監視回路1336が監視する所定電圧(本実施例では9v)に達する前に各種センサ1318が出力する信号に基づいた処理の実行を可能としている。つまり、電圧監視回路1337が監視する所定電圧(本実施例では9.258v)は、電圧監視回路1336が監視する所定電圧(本実施例では9v)に基づいて設定されている。
【0036】
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0037】
また、主制御部1300は、副制御部1400にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部1550にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部1400および払出制御部1550との通信を可能としている。なお、主制御部1300と副制御部1400および払出制御部1550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は副制御部1400および払出制御部1550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部1400および払出制御部1550からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部1400>
次に、パチンコ機1000の副制御部1400について説明する。
【0038】
副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発振器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0039】
また、基本回路1402には、スピーカ1416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1418と、各種ランプ1420の制御を行うための表示回路1422と、演出装置1200の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置1424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路1426と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)1110の制御を行うための副制御部1500と、チャンスボタン1146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路1380を接続している。
<副制御部1500>
次に、同図を用いて、パチンコ機1000の副制御部1500について説明する。
【0040】
副制御部1500のCPUは、副制御部1400から送信された各種制御データを入力インターフェースおよびバスを介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて各種演算処理を行い装飾図柄表示装置1110の表示を制御する。副制御部1500のCPUには、バスを介して、ROM、RAM、VDP、VRAMが接続されている。
【0041】
ROMは、副制御部1500全体を制御するためのプログラムや演出用のデータ等を記憶する記憶手段の1つである。RAMは、CPUで処理されるプログラムのワークエリアを有し、演出用のデータ等を一時的に記憶する記憶手段の1つである。VDPは、装飾図柄表示装置1110に表示する画像を生成するプロセッサ(GPU、ビデオチップ等とも言う)である。VRAMは、装飾図柄表示装置1110に出力する画像を生成するためのワークエリアが設定された記憶手段の1つである。
【0042】
VDPには、VRAMが接続されると共に、スケーラおよびトランスミッタを介して、装飾図柄表示装置1110が接続されている。スケーラは、VDPが生成した画像を装飾図柄表示装置1110の画素数に合わせて拡大するものであり、トランスミッタは、デジタル画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換して装飾図柄表示装置1110に出力するものである。なお、装飾図柄表示装置1110には、CPUによって装飾図柄表示装置1110の表示画面の輝度調整を可能とするための輝度調整信号が入力されている。
【0043】
本実施例では、仮想3次元空間内で立体的な3次元オブジェクト(3Dオブジェクト)が移動または変形(動作)する様子を表現した3次元動画(3D動画)を、演出において装飾図柄表示装置1110に表示する。この3Dオブジェクトのデータは、3Dオブジェクトの表面の性状(色彩や模様等)を設定するテクスチャデータや、3Dオブジェクトの基本的な動作を設定したモーションデータ等と共に副制御部1500のROMに予め記憶されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機1000の払出制御部1550、発射制御部1600、電源管理部1650について説明する。
【0044】
払出制御部1550は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1552を制御すると共に、払出センサ1554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インターフェース部1556を介して、パチンコ機1000とは別体で設けられたカードユニット1654との通信を行う。
【0045】
発射制御部1600は、払出制御部1550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル1148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル1148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1138および発射槌1140を駆動する発射モータ1602の制御や、貯留皿1144から発射レール1142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
【0046】
電源管理部1650は、パチンコ機1000に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、副制御部1400等の各制御部や払出装置1552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部1650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(たとえば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(たとえば10日間)電源を供給するための蓄電回路(たとえばコンデンサ)を備えている。
<図柄の種類>
次に、図4(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置1114、装飾図柄表示装置1110、普図表示装置1112が停止表示する図柄の種類について説明する。
【0047】
図4(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図5」の3種類がある。第1特図始動口1126または第2特図始動口1128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置1114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図5」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0048】
図4(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。「装飾1」〜「装飾10」は、それぞれ数字の「1」〜「9」、「0」から構成されている。
【0049】
本実施例では、第1特図始動口1126または第2特図始動口1128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置1110の左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110b、右図柄表示領域1110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域1110a〜cに、大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、「装飾2−装飾2−装飾2」))で、装飾図柄の停止表示をし、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、「装飾1−装飾1−装飾1」))で、装飾図柄の停止表示をする。
【0050】
なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域1110a〜cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
【0051】
図4(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口1124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置1112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<主制御部メイン処理>
次に、図5を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割込みによりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
【0053】
ステップS1301では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込みマスクの設定、I/Oポート1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDT1313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
【0054】
ステップS1302では、WDT1313のカウンタの値をクリアし、WDT1313による時間計測を再始動する。
【0055】
ステップS1303では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1336が、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS1302に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1304に進む。
【0056】
ステップS1304では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ1312に設定する処理、I/O1310の所定のポート(たとえば試験用出力ポート、副制御部1400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM1308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0057】
ステップS1305では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部1300の基本回路1302を初期状態にする場合)にはステップS1307に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1307に進む。
【0058】
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員等が操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1307に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM1308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1307に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM1308の所定の領域(たとえば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(たとえば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(たとえば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS1306に進み、チェックサムの結果が特定の値(たとえば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1000を初期状態にすべくステップS1307に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1307に進む。
【0059】
ステップS1306では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM1308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM1308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込み許可の設定を行う。以降、CPU1304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1000は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS1308、ステップS1309内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
【0060】
ステップS1307では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM1308の全ての記憶領域の初期化等を行う。
【0061】
ステップS1308では、割込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。たとえば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM1308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込み許可の設定を行ってステップS1309に進む。
【0062】
ステップS1309では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0063】
主制御部1300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込み処理を行っている間を除いて、ステップS1308およびS1309の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込み処理>
次に、図6を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
主制御部1300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割込み信号を発生するカウンタタイマ1312を備えており、このタイマ割込み信号を契機として主制御部タイマ割込み処理を所定の周期で開始する。
【0065】
ステップS1401では、タイマ割込みスタート処理を行う。このタイマ割込みスタート処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理等を行う。
【0066】
ステップS1402では、WDT1313のカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0067】
ステップS1403では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポート0および入力ポート1を介して、上述の各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口1130の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ1318の検出信号や、上述の透明部材保持枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサを含む各種センサ1319の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1318、1319ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施例では、たとえば球検出センサについて説明すると、前々回のタイマ割込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0068】
また、ステップS1403では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口1122、可変入賞口1130)や始動口(第1特図始動口1126、第2特図始動口1128)への入球、または普図始動口1124の通過があったと判定する。たとえば、一般入賞口1122への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口1122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口1122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口1122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
【0069】
ステップS1404およびステップS1405では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS1308で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部1300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。たとえば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。たとえば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM1308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(たとえば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM1308に設けている。
【0070】
ステップS1406では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部1300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
【0071】
ステップS1407では、タイマ更新処理を行う。詳細は後述するが、このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置1112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置1114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間等を計時するためのタイマ等を含む各種タイマを更新する。
【0072】
ステップS1408では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口1122、第1、第2特図始動口1126、1128、および可変入賞口1130)に入賞(入球)があった場合に、RAM1308に入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0073】
また、ステップS1409では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口1126、1128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路1316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM1308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口1124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM1308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口1126、1128、普図始動口1124、または可変入賞口1130の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口1126、1128、普図始動口1124、および可変入賞口1130の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
【0074】
ステップS1410では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部1550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0075】
ステップS1411では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。たとえば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
【0076】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図4(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図4(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(たとえば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
【0077】
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(たとえば2秒間)、第2特図始動口1128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0078】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(たとえば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0079】
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1412に移行するようにしている。
【0080】
ステップS1412では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口1128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM1308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置1112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM1308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM1308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0081】
ステップS1413では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。たとえば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
【0082】
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置1114に図4(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置1114に図4(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図4(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(たとえば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS1415)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0083】
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(たとえば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM1308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1415)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0084】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(たとえば29秒間、または可変入賞口1130に所定球数(たとえば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口1130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1415)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0085】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(たとえば1.5秒間)可変入賞口1130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1415)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0086】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(たとえば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(たとえば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM1308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1415)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
【0087】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1414に移行するようにしている。
【0088】
ステップS1414では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口1130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、大当たり判定テーブル、高確率状態移行判定テーブル、タイマ番号決定テーブル等を使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS1403で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM1308に設定することを、大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM1308に設定することを、大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM1308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0089】
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口1126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。また、第2特図始動口1128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
【0090】
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS1409で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM1308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを、確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを、確変フラグをオフに設定するという)。たとえば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
【0091】
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM1308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS1415)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
【0092】
たとえば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。たとえば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS1407のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(たとえば5回)のタイマ割込み処理の実行ごと(たとえば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
【0093】
ステップS1415では、コマンド設定送信処理を行う(詳細は後述する)。なお、副制御部1400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示す等コマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0094】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号等を示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値等を含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値等を含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数等を含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口1126への入賞の有無、第2特図始動口1128への入賞の有無、可変入賞口1130への入賞の有無等を含む。
【0095】
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM1308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置1110・各種ランプ1420・スピーカ1416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置1110・各種ランプ1420・スピーカ1416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数等を示す情報を設定する。副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0096】
ステップS1416では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1334を介してパチンコ機1000とは別体の情報入力回路1652に出力する。
【0097】
ステップS1417では、デバイス監視処理を行う(詳しくは図8に示す)。このデバイス監視処理では、ステップS1403において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無や、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口1130の内部に設けた球検出センサのエラー状態等を監視し、透明部材枠開放エラー、前枠開放エラー、下皿満タンエラー、または球検出センサエラー等を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無、球検出センサエラーの有無等を示すデバイス情報を設定する。
【0098】
また、各種ソレノイド1330を駆動して第2特図始動口1128や、可変入賞口1130の開閉を制御したり、表示回路1322、1324、1328を介して普図表示装置1112、特図表示装置1114、各種状態表示部1326等に出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定したりする。また、払出要求数送信処理(ステップS1410)で設定した出力予定情報を、出力ポート1310を介して副制御部1400に出力する。
【0099】
ステップS1418では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1336が、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS1420に進み、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1419に進む。
【0100】
ステップS1419では、タイマ割込みエンド処理を行う。このタイマ割込みエンド処理では、ステップS1401で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込み許可の設定等を行う。
【0101】
ステップS1420では、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部1400の処理>
次に、図7(a)〜(g)を用いて、副制御部1400の処理について説明する。同図(a)は、副制御部1400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
副制御部1400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路1402のCPU1404は、リセット割込みによりリセットスタートしてROM1406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS1501で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
【0103】
ステップS1502では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
【0104】
ステップS1503では、I/O410の出力ポートを介して副制御部1500にコマンドを出力する。
【0105】
ステップS1504では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS1505に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS1502に進む。
【0106】
ステップS1505では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
【0107】
ステップS1506では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置1110、遮蔽手段1250、スピーカ1416、各種ランプ1420および演出装置1200の演出用可動体等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
【0108】
ステップS1506では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS1503の処理で副制御部1500に出力するコマンド(たとえば左に装飾7を停止することを指示するコマンドや遮蔽手段を動作させるコマンド等)をRAM1408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS1507、S1508、S1509によるスピーカ1416、各種ランプ1420、および演出用可動体等を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、たとえばチャンスボタン1146を用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
【0109】
ステップS1507では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS1506で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ1416に出力する音声データをI/O1410の出力ポートに設定し、スピーカ1416の出力制御を音源IC1418に行わせる。
【0110】
ステップS1508では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS1506で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ1420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O1410の出力ポートに設定し、各種ランプ1420の点灯や消灯の制御を表示回路1422に行わせる。
【0111】
ステップS1509では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS1506で取得した演出用可動体等の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O1410の出力ポートに設定し、演出用可動体等を駆動する各種演出用駆動装置1424の制御を演出用駆動回路1426に行わせる。
副制御部1400は、後述するストローブ割込み処理、チャンスボタン割込み処理、または副制御部タイマ割込み処理による中断を除いて、以降、ステップS1502〜S1504の処理を繰り返し実行する。
【0112】
次に、図7(b)を用いて、上述の副制御部1400のメイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS1502)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
【0113】
ステップS1601では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS1602に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部1400のメイン処理に復帰する。ステップS1602のコマンド処理については図9に後述する。
【0114】
図7(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。図7(b)のステップS1602(より詳細には図9のS2302)では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図7(c)に示す変動パターン選択処理(たとえば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。たとえば、大当たり中に可変入賞口1130の開放制御を開始するたびに主制御部1300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口1130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
【0115】
変動パターン選択処理のステップS1701では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM1408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、変動番号選択テーブル、図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施例では変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ等)を選択し、これをRAM1408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
【0116】
図柄停止処理のステップS1801では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置1110の左、中、右図柄表示領域1110a〜cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口1130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM1408の記憶領域に記憶する。
【0117】
次に、図7(e)を用いて、副制御部1400のストローブ割込み処理について説明する。同図は、ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0118】
このストローブ割込み処理は、副制御部1400が、主制御部1300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS1901では、主制御部1300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
【0119】
次に、図7(f)を用いて、副制御部1400のチャンスボタン割込み処理について説明する。同図は、チャンスボタン割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0120】
このチャンスボタン割込み処理は、副制御部1400がチャンスボタン検出回路1428によってチャンスボタン1146の操作を検出した場合に実行する処理である。
【0121】
チャンスボタン割込み処理のステップS2001では、RAM1408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン1146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
【0122】
次に、図7(g)を用いて、副制御部1400のCPU1404によって実行する変数更新割込み処理について説明する。同図は、副制御部変数更新割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0123】
副制御部1400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、変数更新割込み処理を所定の周期で実行する。変数更新割込み処理のステップS2101では、RAM1408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1504において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0124】
<<実施例1>>
次に、図8を用いて、図6のステップS1417に示したデバイス監視処理の詳細について説明する。
【0125】
このデバイス監視処理は、主制御部1300において、I/O1310の入力ポート0および入力ポート1への入力に基づいて、パチンコ機1000の各種デバイスの監視を行い、その状態に応じたコマンドを送信する。
【0126】
ここで、各種信号が入力ポートへどのように割り当てられているかを、図10を参照して説明する。図10(a)は入力ポート0に割り当てられた信号を示す表図であり、図10(b)は入力ポート1に割り当てられた信号を示す表図である。
【0127】
主制御部1300の基本回路1302に含まれるI/O1310は、入力ポート0および入力ポート1を有している。
【0128】
入力ポート0には、各種センサ(球系)1318が接続され、図10(a)に示すように、始動口スイッチ信号、カウントスイッチ信号、ゲートスイッチ信号、入賞口スイッチ信号、スイッチ動作確認信号、電源確認信号が入力される。
【0129】
スイッチ動作確認信号は、近接スイッチである各所に配置された球検出スイッチ(各種センサ(球系)1318)からの信号が正常であるか異常であるかの判別結果の信号であり、球通過監視回路1320を有する集積回路装置1352(図15参照)内の短絡監視回路1320a(図15参照)や断線監視回路1320b(図15参照)から出力される。
【0130】
図11は、集積回路装置1352の特性であって、電源電圧に対する入力電圧と閾値との関係を示すグラフである。
【0131】
近接スイッチの短絡や断線時には、この近接スイッチからの電圧が電源電圧に応じて変化するので、この変化によって近接スイッチの短絡や断線を判別することができる。集積回路装置1352は、この判別ができる閾値を設定した特性を有するように設計されたものであり、その特性が図11に示すグラフである。
【0132】
集積回路装置1352は、図15に示すように、球通過監視回路1320、短絡監視回路1320aおよび断線監視回路1320bを有し、近接スイッチである各種センサ(球系)1318からの電圧を入力される。集積回路装置1352は、この入力電圧を、図11に示した閾値にあてはめて、その結果をスイッチ動作確認信号として出力する。
【0133】
スイッチ動作確認信号は、近接スイッチである各種センサ(球系)1318が短絡や断線といった異常の場合には異常信号(H信号)となり、異常ではない場合には正常信号(L信号)となる。
【0134】
電源確認信号は、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1337(集積回路装置1353(図15参照)の構成要素である)から出力される信号であり、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を超えた場合に正常電圧信号(L信号)となり、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を下回った場合に電圧が低下したことを示す異常電圧信号(H信号)となる。
【0135】
一方、入力ポート1には、各種センサ(枠系)1319が接続され、図10(b)に示すように、ガラス枠スイッチ信号、内枠スイッチ信号、下受け皿満タンスイッチ信号、RAMクリアスイッチ信号、電源監視信号が入力される。
【0136】
電源監視信号は、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1336から出力される信号であり、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)を超えた場合に正常電圧信号(L信号)となり、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)を下回った場合に電圧が低下したことを示す異常電圧信号(H信号)となる。
【0137】
図8において、まず、ステップS2201〜S2203では、入力ポート1についての処理を行う。すなわち、I/O1310の入力ポート1によって各種センサ(枠系)1319による検出結果を得て(S2201)、現在の状態を更新する(S2202)。たとえば、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無等を監視し、透明部材枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラー等を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無等を示すデバイス情報を設定する。その後、この設定した情報についてのコマンドを送信する(S2203)。
【0138】
続いて、ステップS2204〜S2208では入力ポート0についての処理を行う。まず、各種センサ(球系)1318からの信号等(図10(a)参照)が入力されたI/O1310の入力ポート0のレベルを取得する(S2204)。
【0139】
次に、ステップ(S2204)で取得した入力ポート0の各信号のうちの電源確認信号の判定を行う(S2205)。この判定では、電源確認信号に対応する入力ポートがH信号(異常電圧信号)であれば「ON」設定する。そうでなければ「OFF」とする。
【0140】
ステップ(S2206)では、ステップ(S2205)で設定した電源確認信号の「ON」/「OFF」を確認し、「OFF」すなわち電源電圧が所定値(本実施例では9.258v)を超えた正常電圧である場合には、入力ポート0のそれぞれについての処理を行う。すなわち、I/O1310の入力ポート0によって各種センサ(球系)1318による検出結果を得て、現在の状態を更新し(S2207)、それに応じたコマンドを送信する(S2208)。たとえば、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口1130の内部に設けた球検出センサのエラー状態等を監視し、球検出センサエラー等を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、球検出センサエラーの有無等を示すデバイス情報を設定する。
【0141】
すなわち、入力ポート0のうちスイッチ動作確認信号に対応するポートがH信号である場合には、断線や短絡といった近接スイッチの異常であると判断し、その異常に対応して従来通りの処理を行う。たとえば、このスイッチ異常の旨の情報はコマンドにより副制御部1400に伝えられる。
【0142】
スイッチ動作確認信号に対応するポートがL信号である場合には、近接スイッチに異常はなく、正常な球通過検知として、それに対応した処理を実行する。
【0143】
たとえば、各種ソレノイド1330を駆動して第2特図始動口1128や、可変入賞口1130の開閉を制御したり、表示回路1322、1324、1328を介して普図表示装置1112、特図表示装置1114、各種状態表示部1326等に出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定したりする。また、払出要求数送信処理(ステップS1410)で設定した出力予定情報を、出力ポート1310を介して副制御部1400に出力する。
【0144】
なお、ステップ(S2206)において、ステップ(S2205)で設定した電源確認信号が、「ON」すなわち電源電圧が所定値(本実施例では9.258v)を下回った異常電圧である場合には、入力ポート0の情報を更新せずに処理を終了する。すなわち、この場合、入力ポート0のレベルに対応する処理を実行しない。したがって、スイッチ動作確認信号の確認を行うこともない。
【0145】
次に、図9を用いて、図7(b)のステップS1602に示したコマンド処理の詳細について説明する。図9(a)はコマンド処理のフローチャートであり、図9(b)はスイッチ異常時の報知の一例を示す図である。
【0146】
このコマンド処理は、副制御部1400において、主制御部1300から受け取ったコマンドに応じた処理を実行するものである。
【0147】
ステップ(S2301)では、主制御部1300からの通知により近接スイッチである球検出センサの異常が現在発生しているか否かを判定する。スイッチ異常がなければ、そのまま今回のコマンドに応じた処理にジャンプ(S2302)して、それぞれの処理を実行する。
【0148】
一方、ステップ(S2301)においてセンサ異常が生じていると判定した場合には、スイッチ異常報知の設定を行って(S2303)処理を終了する。副制御部1400は、ステップ(S2303)の設定に基づき、たとえば図9(b)に示すように、左図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110bおよび右図柄表示領域1110cを用いて、スイッチ異常の旨(「エラー発生!!」)を表示することによって報知する。なお、本実施例の場合、主制御部1300ではエラーと判断しつつも遊技を継続可能としている。
【0149】
図12は、球通過監視回路を構成する集積回路装置、電源監視回路を構成する集積回路装置および入力ポート0を構成する集積回路装置の接続構成の一例を示す回路図である。
【0150】
球通過監視回路1320を構成する集積回路装置1352には、近接スイッチである各種センサ(球系)1318からの信号が入力され、図11に示した特性の閾値に基づいた信号を入力ポート0の集積回路装置1351に出力する。
【0151】
また、電源監視回路1337を構成する集積回路装置1353には、電源管理部1650からの電源電圧が接続され、その電圧値に応じ、電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を超えた場合に正常電圧信号を入力ポート0の集積回路装置1351に出力し、電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を下回った場合に電圧が低下したことを示す異常電圧信号を入力ポート0の集積回路装置1351に出力する。
【0152】
図13(a)は電源電圧と各信号との関係を示すタイムチャートであり、図13(b)は、各信号のレベルと判定する状態との関係を示す表図である。
【0153】
本実施例によれば、図13(a)に示すように、本来DC12Vであるべき電源電圧が変動し、9.258Vを下回ると、電源確認信号はH信号となり、スイッチ動作確認信号のレベルに応じた処理をスキップする。スイッチ動作確認信号は電源電圧が9Vを下回るとエラー検出の信頼性を失うが、このときにはすでに電源電圧が9.258Vを下回り、スイッチ動作確認信号のチェックを行わない。このため、本実施例によれば、エラー検出の誤判定を回避することができる。
【0154】
また、図13(b)を参照してわかるように、本実施例では、電源確認信号がH信号のときにはスイッチ動作確認信号にかかわらずに電源OFF処理と判定し、電源確認信号がL信号のときにのみ、スイッチ動作確認信号のH/Lに応じた判定をし、その処理を実行する。
【0155】
図14は、本実施例のセンサ異常の判定において、払出制御部に係る構成を示すブロック図である。
【0156】
図14に示すように、本実施例では、電圧監視回路1337を主制御部1300にのみ設け、この電圧監視回路1337による監視結果(電源電圧が所定値(本実施例では9.258v)を超えているか、下回っているかの情報、たとえば電源確認信号)が、基本回路1302を介して、払出制御部1550の基本回路1551に送信される。
【0157】
払出制御部1550の基本回路1551では、受信した電源電圧の監視結果に基づき、電源電圧が所定値(本実施例では9.258v)を超えている場合には、近接スイッチである払出センサ1554からの信号を、球通過監視回路1520を含む集積回路装置で監視して出力されたスイッチ動作確認信号に応じたセンサ異常判定を行ってその結果に応じた処理を行い、電源電圧が所定値(本実施例では9.258v)を下回っている場合には、近接スイッチである払出センサ1554からの信号を、球通過監視回路1520を含む集積回路装置で監視して出力されたスイッチ動作確認信号の確認をせず、このスイッチ動作確認信号に応じた処理を行わない。
【0158】
図15は本実施例の構成を示すブロック図である。
【0159】
球通過監視回路1320を構成する集積回路装置1352は、短絡監視回路1320aおよび断線監視回路1320bを含む。この集積回路装置1352には、近接スイッチである各種センサ(球系)1318からの信号が入力され、図11に示した特性の閾値に基づいた信号をスイッチ動作確認信号として入力ポート0の集積回路装置1351に出力する。
【0160】
また、電源監視回路1337を構成する集積回路装置1353には、電源管理部1650からの電源電圧が接続され、その電圧値に応じ、電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を超えた場合に正常電圧信号を電源確認信号として入力ポート0の集積回路装置1351に出力し、電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を下回った場合に電圧が低下したことを示す異常電圧信号を電源確認信号として入力ポート0の集積回路装置1351に出力する。
【0161】
CPU1304は、入力ポート0の集積回路装置1351のチップセレクトに信号出力することによって、入力ポート0入力された各信号を読み込み、その読み込んだ各信号に基づき、図6や図8に示した処理を行う。
【0162】
<<実施例2>>
次に実施例2の説明を行う。この実施例2は、図6のステップS1417に示したデバイス監視処理の変形例である。図16を用いて、実施例2における、図6のステップS1417に示したデバイス監視処理の詳細について説明する。
【0163】
このデバイス監視処理は、主制御部1300において、I/O1310の入力ポート0および入力ポート1への入力に基づいて、パチンコ機1000の各種デバイスの監視を行い、その状態に応じたコマンドを送信する。
【0164】
ここで、各種信号が入力ポートへどのように割り当てられているかを、図18を参照して説明する。図18(a)は入力ポート0に割り当てられた信号を示す表図であり、図18(b)は入力ポート1に割り当てられた信号を示す表図である。
【0165】
主制御部1300の基本回路1302に含まれるI/O1310は、入力ポート0および入力ポート1を有している。
【0166】
入力ポート0には、各種センサ(球系)1318が接続され、図10(a)に示すように、始動口スイッチ信号、カウントスイッチ信号、ゲートスイッチ信号、入賞口スイッチ信号、スイッチ確認信号が入力される。
【0167】
スイッチ確認信号は、実施例1のスイッチ動作確認信号および電源確認信号から生成する信号である。このスイッチ確認信号の生成について図17を参照して説明する。
【0168】
図17(a)は実施例2の構成を示すブロック図である。この構成は、スイッチ動作確認信号と電源確認信号との論理積を生成してこの論理積をスイッチ確認信号として出力する、AND回路である集積回路装置1354を有する点で、実施例1(図15参照)と異なる。
【0169】
また、図17(b)は、集積回路装置(IC)1352の出力すなわち集積回路装置(IC)1354の入力と、集積回路装置(IC)1353の出力すなわち集積回路装置(IC)1354の入力と、集積回路装置(IC)1354の出力と、の関係を示す真理値表である。
【0170】
球通過監視回路1320を構成する集積回路装置1352は、短絡監視回路1320aおよび断線監視回路1320bを含む。この集積回路装置1352には、近接スイッチである各種センサ(球系)1318からの信号が入力され、図11に示した特性の閾値に基づいた信号すなわちスイッチ動作確認信号を、AND回路を構成する集積回路装置1354に出力する。
【0171】
また、電源監視回路1337を構成する集積回路装置1353には、電源管理部1650からの電源電圧が接続され、その電圧値に応じ、電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を超えた場合に正常電圧信号すなわち電源確認信号を、AND回路を構成する集積回路装置1354に出力し、電圧値が所定の値(本実施例では9.258v)を下回った場合に電圧が低下したことを示す異常電圧信号すなわち電源確認信号を、AND回路を構成する集積回路装置1354に出力する。
【0172】
また、AND回路を構成する集積回路装置1354は、入力されたスイッチ動作確認信号と電源確認信号との論理積を生成し、スイッチ確認信号として入力ポート0の集積回路装置1351に出力する。
【0173】
CPU1304は、入力ポート0の集積回路装置1351のチップセレクトに信号出力することによって、入力ポート0入力された各信号を読み込み、その読み込んだ各信号に基づき、図6や図16に示した処理を行う。
【0174】
図18(b)の入力ポート1については、図10(b)に示した実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0175】
実施例1では、図8のステップ(S2205、S2206)において電源確認信号の状態に基づいて入力ポート0に対する処理を行うか否かを決定するようにしたが、実施例2では、入力ポート0に、スイッチ動作確認信号と電源確認信号との論理積であるスイッチ確認信号が入力されるので、図8のステップ(S2205、S2206)に相当する判定が不要である。すなわち、実施例1では図8のステップ(S2205、S2206)(ソフトウェア)で行った処理に相当する処理を、実施例2ではAND回路を構成する集積回路装置1354(ハードウエア)で実現している。
【0176】
図16において、まず、ステップS2401では、入力ポート1についての処理を行う。すなわち、I/O1310の入力ポート1によって各種センサ(枠系)1319による検出結果を得て、現在の状態を更新する(S2402)。たとえば、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無等を監視し、透明部材枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラー等を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無等を示すデバイス情報を設定する。その後、この設定した情報についてのコマンドを送信する(S2403)。
【0177】
続いて、ステップS2404では入力ポート0についての処理を行う。まず、各種センサ(球系)1318からの信号等(図18(a)参照)が入力されたI/O1310の入力ポート0のレベルを取得する(S2404)。
【0178】
次に、入力ポート0のそれぞれについての処理を行う。すなわち、I/O1310の入力ポート0によって各種センサ(球系)1318による検出結果を得て、現在の状態を更新し(S2405)、それに応じたコマンドを送信する(S2406)。たとえば、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口1130の内部に設けた球検出センサのエラー状態等を監視し、球検出センサエラー等を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、球検出センサエラーの有無等を示すデバイス情報を設定する。
【0179】
図19は、スイッチ確認信号のレベルと判定する状態との関係を示す表図である。
【0180】
図19を参照してわかるように、本実施例では、入力ポート0のうちスイッチ確認信号に対応するポートがH信号である場合には、断線や短絡といった近接スイッチの異常であると判断し、その異常に対応して従来通りの処理を行う。たとえば、このスイッチ異常の旨の情報はコマンドにより副制御部1400に伝えられる。
【0181】
なお、上記実施例においては、所定の入賞口を有する遊技盤をさらに備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与える構成としたパチンコ機の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンなどにも適用可能である。以下、スロットマシンの一例について説明する。
【0182】
<全体構成>
まず、図20を用いて、スロットマシン5100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン5100の外観斜視図を示したものである。
【0183】
スロットマシン5100は、略箱状の本体5101と、この本体5101の前面開口部に取り付けられた前面扉5102とを有して構成されている。スロットマシン5100の本体5101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール5110、中リール5111、右リール5112)収納され、スロットマシン5100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール5110乃至5112が構成されている。リール5110乃至5112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓5113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール5110乃至5112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。
【0184】
また、図柄表示窓5113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
【0185】
さらに、スロットマシン5100内部において各々のリール5110乃至5112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン5114上に表示されるようにリール5110乃至5112を停止させる。
【0186】
入賞ライン表示ランプ5120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン5100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン5114のうち、たとえば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン5114の数については5本に限定されるものではない。
【0187】
スタートランプ5121は、リール5110乃至5112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ5122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ5123は、内部抽選において、特定の入賞役(たとえば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ5124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器5125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器5126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器5127は、スロットマシン5100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ5128は、演出用のランプである。
【0188】
メダル投入ボタン5130、5131は、スロットマシン5100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。この例では、メダル投入ボタン5130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン5131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口5134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン5130又は5131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口5134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン5132は、スロットマシン5100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口5155よりメダル受皿5156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン5133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
【0189】
スタートレバー5135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口5134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー5135を操作すると、これを契機としてリール5110乃至5112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン5137乃至5139は、スタートレバー5135の操作によって回転を開始したリール5110乃至5112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール5110乃至5112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン5137乃至5139を操作すると対応するいずれかのリール5110乃至5112が停止することになる。
【0190】
ドアキー孔5140は、スロットマシン5100の前面扉5102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口5155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿5156は、メダル払出口5155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿5156は、本実施例では発光可能な受皿を採用している。
【0191】
上部ランプ5150、サイドランプ5151、中央ランプ5152、腰部ランプ5153、下部ランプ5154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置5190は、たとえば開閉自在な扉装置(シャッター)5163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置5190には、たとえば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔5160は、スロットマシン5100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル5162には、スロットマシン5100を装飾するための図柄が描かれる。扉装置(シャッター)5163は検知片を金属片で形成し、この検知片の移動をセンサで検知する。実施例1および2の各種センサ1318は、球の通過を検知する目的で設けたが、スロットマシン5100では開閉自在な扉装置(シャッター)5163の位置検出に用いる。
【0192】
<制御部>
次に、図21を用いて、このスロットマシン5100の主制御部5300の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は主制御部5300の回路ブロック図を示したものである。
【0193】
スロットマシン5100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部5300と、主制御部5300が送信したコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部5400とからなる。
【0194】
主制御部5300は、主制御部5300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU5310や、CPU5310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路5314は、水晶発振器5311が発振したクロックを分周してCPU5310に供給する回路である。たとえば、水晶発振器5311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU5310は、クロック補正回路5314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0195】
また、CPU5310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路5315を、バスを介して接続している。CPU5310は、電源が投入されると、データバスを介してROM5312の所定エリアに格納した分周用のデータをタイマ回路5315に送信する。タイマ回路5315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU5310に送信する。CPU5310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。たとえば、CPU5310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路5315の分周値を1/256、ROM5312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0196】
さらに、CPU5310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM5312や、一時的なデータを保存するためのRAM5313を接続している。なお、これらのROM5312やRAM5313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部5においても同様である。
【0197】
また、CPU5310には、外部の信号を受信するための入力インターフェース5360を接続し、割込み時間ごとに入力インターフェース5360を介して、メダル投入センサ5320、スタートレバーセンサ5321、ストップボタンセンサ5322、メダル投入ボタンセンサ5323、精算スイッチセンサ5324、メダル払出センサ5326の状態を検出し、各センサを監視している。
【0198】
スタートレバーセンサ5321はスタートレバー5135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ5322はストップボタン5137〜5139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ5323はメダル投入ボタン5130、5131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ5324は、精算ボタン5132に設けており、精算ボタン5132が一回押されると、貯留しているメダル及びベットしているメダルを精算して払い出すことになる。
【0199】
CPU5310には、さらに、入力インターフェース5361、出力インターフェース5370、5371を、アドレスデコード回路5350を介してアドレスバスに接続している。CPU5310は、これらのインターフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インターフェース5361には、インデックスセンサ5325を接続しており、インデックスセンサ5325は、リール5110〜5112に設けた遮光片が通過するたびにハイレベルになる。CPU5310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インターフェース5370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部5330と、ホッパー5172のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部5331と、遊技ランプ5340(入賞ライン表示ランプ5120、スタートランプ5121、再遊技ランプ5122、告知ランプ5123、メダル投入ランプ5124等)と、7セグメント(SEG)表示器5341(払出枚数表示器5125、遊技回数表示器5126、貯留枚数表示器5127等)と、後述する外部集中端子板5450を接続している。
【0200】
また、CPU5310には、水晶発振器5316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路5318と、このカウンタ回路5318が生成するハードウェア乱数を取得・保持するラッチ回路5317を接続している。
【0201】
また、CPU5310のデータバスには、副制御部5400にコマンドを送信するための出力インターフェース5371を接続している。主制御部5300と副制御部5400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部5300は副制御部5400へコマンドを送信するが、副制御部5400から主制御部5300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
【0202】
このような、「複数種類の図柄が施された複数のリールと、複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、複数のリールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、この抽選手段の判定結果とストップスイッチの操作に基づいて、リールを停止させるリール停止制御手段と、停止時の複数のリールにより表示された図柄の組合せが抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かによって、当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えるスロットマシン」に本発明を適用してもよい。
【0203】
<付記>
なお、以上説明した本発明は、
1. 検知信号を出力する検知手段と、
電圧を監視する電圧監視手段と、
を備えた遊技台であって、
前記検知手段は、検知対象の移動により変化可能な第一の電圧値が第一の範囲の値である場合に、第一の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記検知手段は、前記第一の電圧値が第二の範囲の値である場合に、第二の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記第一の信号は、検知対象移動信号であり、
前記第二の信号は、異常電圧信号であり、
前記電圧監視手段は、第二の電圧値が第三の範囲の値である場合に、第三の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記電圧監視手段は、前記第二の電圧値が第四の範囲の値である場合に、第四の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記第三の信号は、通常処理信号であり、
前記第四の信号は、電断処理信号であり、
前記電圧監視手段により前記第三の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第一の信号により、通常検知処理を少なくとも実行し、
前記電圧監視手段により前記第三の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第二の信号により、異常検知処理を少なくとも実行し、
前記電圧監視手段により前記第四の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第一の信号により、前記通常検知処理を少なくとも実行せず、
前記電圧監視手段により前記第四の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第二の信号により、前記異常検知処理を少なくとも実行しない、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
検知手段による検知結果に基づいた処理において、制御部が誤った処理を実行しないようにした遊技台を提供することができる。
【0204】
また、本発明は、
2. 1.に記載の遊技台であって、
前記検知手段は、前記第一の電圧値が第五の範囲の値である場合に、第五の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記第五の信号は、検知対象非移動信号であり、
前記第二の範囲の値は、前記第一の電圧値によって決定される第一の値を超える範囲の値であり、
前記第二の範囲の値は、前記第一の電圧値によって決定される第二の値を超えない範囲の値であり、
前記第一の範囲の値は、前記第一の値と前記第二の値との間の値であり、
前記第五の範囲の値は、前記第一の値と前記第二の値との間の値である、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
異常範囲に挟まれた範囲内で、球通過あり、球通過なしの信号を出力することができる場合がある。
【0205】
また、本発明は、
3. 1.または2.に記載の遊技台であって、
異常発生報知を実行する報知手段を備え、
前記異常電圧処理は、前記報知手段により前記異常発生報知を実行させる処理を含む、
ことを特徴とする遊技台とした。
【0206】
また、本発明は、
4. 1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機であり、
前記検知対象は、ぱちんこ球である、
ことを特徴とする遊技台、とした。
【0207】
また、本発明は、
5. 1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記第一の電圧値は、前記第二の電圧値と同電圧値である、
ことを特徴とする遊技台、とした。
【0208】
また、本発明は、
6. 1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記検知手段は、インターフェースを含むものである、
ことを特徴とする遊技台、とした。
【0209】
以上、本発明の実施例を説明したが、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明に係る遊技台は、スロットマシンやパチンコ機などに代表される遊技台に適用することができる。
【符号の説明】
【0211】
1000 パチンコ機
1102 遊技盤
1104 遊技領域
1110 液晶表示装置
1112 普図表示装置
1114 特図表示装置
1122 一般入賞口
1124 普図始動口
1126 第1特図始動口
1128 第2特図始動口
1130 可変入賞口
1148 操作ハンドル
1161 主制御基板
1162 電源基板
1165 払出基板
1166 発射基板
1300 主制御部
1302 基本回路
1304 CPU
1306 ROM
1308 RAM
1310 I/O
1312 カウンタタイマ
1400 副制御部
1500 副制御部
1550 払出制御部
1552 払出装置
1600 発射制御部
1604 球送り装置
1650 電源管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知信号を出力する検知手段と、
電圧を監視する電圧監視手段と、
を備えた遊技台であって、
前記検知手段は、検知対象の移動により変化可能な第一の電圧値が第一の範囲の値である場合に、第一の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記検知手段は、前記第一の電圧値が第二の範囲の値である場合に、第二の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記第一の信号は、検知対象移動信号であり、
前記第二の信号は、異常電圧信号であり、
前記電圧監視手段は、第二の電圧値が第三の範囲の値である場合に、第三の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記電圧監視手段は、前記第二の電圧値が第四の範囲の値である場合に、第四の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記第三の信号は、通常処理信号であり、
前記第四の信号は、電断処理信号であり、
前記電圧監視手段により前記第三の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第一の信号により、通常検知処理を少なくとも実行し、
前記電圧監視手段により前記第三の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第二の信号により、異常検知処理を少なくとも実行し、
前記電圧監視手段により前記第四の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第一の信号により、前記通常検知処理を少なくとも実行せず、
前記電圧監視手段により前記第四の信号が出力されている場合に、前記検知手段により出力された前記第二の信号により、前記異常検知処理を少なくとも実行しない、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記検知手段は、前記第一の電圧値が第五の範囲の値である場合に、第五の信号を少なくとも出力可能なものとし、
前記第五の信号は、検知対象非移動信号であり、
前記第二の範囲の値は、前記第一の電圧値によって決定される第一の値を超える範囲の値であり、
前記第二の範囲の値は、前記第一の電圧値によって決定される第二の値を超えない範囲の値であり、
前記第一の範囲の値は、前記第一の値と前記第二の値との間の値であり、
前記第五の範囲の値は、前記第一の値と前記第二の値との間の値である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
異常発生報知を実行する報知手段を備え、
前記異常電圧処理は、前記報知手段により前記異常発生報知を実行させる処理を含む、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機であり、
前記検知対象は、ぱちんこ球である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記第一の電圧値は、前記第二の電圧値と同電圧値である、ことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記検知手段は、インターフェースを含むものである、ことを特徴とする遊技台。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−63321(P2013−63321A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272369(P2012−272369)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2008−195289(P2008−195289)の分割
【原出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】