説明

遊技場の構造

【課題】本発明は、遊技者の遊技時における快適性を確保すると共に、遊技媒体を貯留した重量物たる貯留箱を強固に支持可能な遊技場の構造を提供することを目的とした。
【解決手段】遊技場の構造は、玉を用いて遊技可能なパチンコ機30が複数設置され、パチンコ機30から排出される玉を貯留可能な玉箱20を支持する支持部材1を備えている。支持部材1は、所定の間隔を空けて配される1対の張出棒部5を有し、張出棒部5によって玉箱20の把持部22を支持することができる。そして、玉箱20が張出棒部5に支持された状態で、パチンコ機30から排出される玉を玉箱20の貯留部21に貯留可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場の構造に関するものであり、特に遊技者の遊技時の快適性を確保できる遊技場の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技場においては、大当たりが当選すると、パチンコ機やスロット機等の遊技機から遊技球(以下、単に玉と言う)や遊技メダル(以下、単にメダルと言う)等の遊技媒体が払い出され、遊技者によってその遊技媒体が貯留箱に貯留される。特に、パチンコ機により玉が払い出される場合は、大当たり中に並行してその玉を貯留箱に移動させる必要がある。
【0003】
その理由としては、パチンコ機において大当たりが当選すると、玉はパチンコ機に設けられた受け皿に払い出されるが、パチンコ機の受け皿は、大当たりによって払い出される玉の一部しか貯留できないという構成が一般的とされているからである。即ち、遊技者は、大当たりによって払い出された玉のうち、少なくとも受け皿の許容量をオーバーした分の玉を、大当たり中に、遊技者自らが受け皿から貯留箱に移さなければならない。
【0004】
そのため、通常、パチンコ機等の遊技機を複数台並設して形成した遊技島においては、パチンコ機よりも下方に、貯留箱を載置できる載置棚(所謂膳板)が設けられ、載置棚に載置された貯留箱に、遊技機の受け皿から玉を落とし込むことが可能な構成とされている。これにより、遊技者は、遊技機から払い出された玉を、大当たり中であっても容易に貯留箱に移すことができる。
【0005】
ところで、遊技場における載置棚は、通常、床面から60〜65cm程度の高さの位置に設けられている。これは、遊技島に取り付けられたパチンコ機の高さを考慮すれば適した高さであるが、遊技者の遊技時の快適性を損なわせてしまう不満がある。即ち、遊技をする時間が長時間になれば、同一の姿勢を維持することに不快感を覚え、姿勢を変更したい衝動に駆られるが、図6に示すように、載置棚が障害となり物理的に姿勢(主に脚の姿勢)が変更できない場合がある。またこの問題は、単に遊技者の快適性が損なわれるということだけではなく、この快適性が損なわれることから不満が募り、この不満から来るストレスによって、遊技者の遊技場へのリピート率が低下し、遊技場の経営に大きな影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
そこで、特許文献1には、載置棚を必要に応じて収納可能とした遊技島設備が開示されている。即ち、特許文献1の遊技島設備は、遊技島本体の内部方向に、載置棚をスライドして収納可能な構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−216349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、遊技島本体に対して載置棚をスライドさせて、遊技島本体から最も張り出した状態にして貯留箱を支持するため、貯留箱の荷重により、載置棚あるいは載置棚をスライド可能に保持するスライド部が破損してしまう場合が懸念される。
【0009】
具体的には、特許文献1は、収納式の載置棚が遊技島本体から最も張り出した状態にして貯留箱を支持するため、遊技島本体に残った支持側端部でその貯留箱を支えることとなる。そのため、載置棚に貯留箱を載置した際に、貯留箱に貯留された玉の重みによって発生するモーメント力が載置棚の支持側端部に集中し、載置棚及び載置棚をスライド可能に保持するスライド部に対する負担が増す。即ち、特許文献1のようなスライド式の載置棚を採用した場合、載置棚及びそれをスライド可能に保持するスライド部に、従来技術よりも高い強度を付与しておかなければ、載置棚の支持部側が過度に撓んで遊技島本体内部に収納することができなくなったり、最悪の場合、載置棚が破壊されて、載置棚から貯留箱が落下して遊技者に怪我を負わせる問題が考えられる。
【0010】
そこで、本発明では、上記した問題に鑑み、遊技者の遊技時における快適性を確保すると共に、遊技媒体を貯留した重量物たる貯留箱を強固に支持可能な遊技場の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技媒体を用いて遊技可能な遊技機が1又は複数設置され、遊技機から排出される遊技媒体を貯留可能な貯留容器を支持する支持手段を備えた遊技場の構造であって、支持手段は、所定の間隔を空けて配されるもので、貯留容器は、遊技媒体が貯留される貯留部と、把持可能な把持部とを有し、貯留容器の把持部が支持手段に支持された状態で、遊技機から排出される遊技媒体を貯留部に貯留可能とされていることを特徴とする遊技場の構造である。
【0012】
本発明の遊技場の構造は、貯留容器を支持する支持手段が所定の間隔を空けて配されているため、大当たり中や、既に貯留された貯留容器内の遊技媒体を使用する時以外の時(以下、単に貯留容器を要さない時と言う)は、前記間隔の範囲内においては高さ方向の制限がなくなる。また、本発明では、貯留容器の把持部が支持手段に支持され、その状態で遊技機から排出される遊技媒体を貯留部で貯留可能とされているため、支持手段によって形成される所定の間隔は、主に遊技機の正面に位置することとなる。換言すれば、貯留容器を要さない時は、遊技者が遊技する際の正面に、高さ方向の制限がない遊技環境を形成することができる。
即ち、本発明によれば、貯留容器を要さない時に、脚の姿勢を容易に変更できる環境を提供できるため、遊技者の遊技時における快適性を確保することができる。また、本発明では、支持手段を所定の位置に強固に固定することができるため、重量物たる遊技媒体が貯留された貯留容器を支持する場合であっても、荷重による負担で支持手段が破損したり破壊されることが防止できる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、貯留容器の把持部を支持手段に支持させた状態において、把持部の一部を下方から持ち上げることが可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技場の構造である。
【0014】
かかる構成によれば、貯留容器の把持部を支持手段に支持させた状態において、把持部の一部を下方から持ち上げることが可能であるため、遊技媒体が貯留された貯留容器であっても、難なく持ち上げることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、支持手段は、棒状の部分によって貯留容器を支持する張出棒部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場の構造である。
【0016】
かかる構成によれば、支持手段が棒状の張出棒部を有し、その張出棒部で貯留容器を支持することができるため、高さ方向に制限がない領域を最大限に形成することが可能である。また、支持手段に要する材料費を減縮できるため、設備投資における費用を抑えることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、支持手段は、平面状の部分によって貯留容器を支持する張出平面部を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技場の構造である。
【0018】
かかる構成によれば、支持手段が平面状の張出平面部を有しているため、高さ方向に制限がない領域を確保しつつ、貯留容器以外の物品(例えば、清涼飲料水等)を載置できる載置部を提供することができる。即ち、本発明によれば、遊技者が遊技時に姿勢を容易に変更できる環境を提供できることに加えて、従来の載置棚(所謂膳板)と同様の機能を付与できるため、遊技者の快適性に対する満足度をさらに向上させることができる。
【0019】
本発明の遊技場の構造は、2以上の遊技機により複数の群が形成され、各群では、遊技機よりも下方に腰板が設けられるものであって、前記支持手段は、腰板に位置するように配されることが望ましい。(請求項5)
【発明の効果】
【0020】
本発明の遊技場の構造では、貯留容器を支持する支持手段が所定の間隔を空けて設けられているため、高さ方向に制限がない領域を確実に形成することができる。これにより、遊技の際に遊技者の姿勢変更が容易となり、遊技時の快適性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技場の構造を備えた遊技場の一部を概念的に示す斜視図である。
【図2】図1の支持部材を示す拡大斜視図である。
【図3】図1の支持部材を示す分解斜視図である。
【図4】図1の遊技島を示すA−A断面図である。
【図5】本実施形態に係る遊技場の構造を備えた遊技場で遊技した場合の状況を示す説明図である。
【図6】載置棚が設けられた遊技島を備えた遊技場で遊技した場合の状況を示す説明図である。
【図7】支持部材の変形例を示す分解斜視図である。
【図8】支持部材の別の変形例を遊技島に取り付けた状況を概念的に示す斜視図である。
【図9】図8の支持部材のB−B断面図である。
【図10】支持部材のさらに別の変形例を遊技島に取り付けた状況を概念的に示す斜視図である。
【図11】図10の支持部材のC−C断面図である。
【図12】収納式の支持部材を概念的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明を実施形態に係る遊技場の構造について説明する。
なお、特に断りがない限り、上下左右、前後方向の表現に関しては図1に示す遊技機30を正面視した際の方向を基準とする。
【0023】
本実施形態の遊技場の構造は、遊技場における主に複数の弾球遊技機(所謂パチンコ機)30を1つの群とした所謂遊技島31に適した構成であり、その遊技島31が複数配されて形成されている。そこで、以下の説明においては、理解を容易にするために、1つの遊技島31に注目して説明する。
【0024】
即ち、図1に示すように、遊技島31においては、所定台数分の遊技機取付部32が設けられており、その各遊技機取付部32に1台ずつパチンコ機30が設置されている。具体的には、遊技島31においては、所定の台数(本実施形態では各列5台ずつ)のパチンコ機30が2列(図1の正面に1列と背面(図示しない)に1列)に配され、各列にパチンコ機30が並設されている。そして、各パチンコ機30に対向する位置に遊技者が着座可能な椅子(図5)が1脚ずつ配置されている。
なお、遊技島31の内部においては、柱や梁などの構造体の他、各パチンコ機30に遊技媒体(以下、単に玉と言う)を搬送する玉搬送装置(図示しない)、各パチンコ機30から回収された玉が一時的に貯留される貯留タンク(図示しない)、回収された玉の汚れを除去し磨く玉研磨装置(図示しない)等のパチンコ機30を動作させる際に関連する機器が配されているが、本発明においては特に関係がないため説明を省略する。
【0025】
また、遊技島31の外部においては、内部構造を目隠しするように、外壁として化粧板等が設けられている。具体的には、化粧板は遊技機取付部32を除く箇所に設けられており、図4に示すように、遊技場の天井側から、天板34、幕板35、ランプ板36、腰板33、幅木37とされている。
【0026】
ところで、通常の遊技島においては、先にも説明したように、パチンコ機30よりも下方であって、並設されたパチンコ機30の全体に渡って貯留容器(玉箱)20を載置可能な載置棚51(図6)が設けられている。この載置棚51の底部の高さは、一般的に、遊技場の床面から60〜65cm程度とされている。そのため、この種の遊技島を備えた遊技場においては、この載置棚51によって、高さ方向に制限が課せられ、遊技者の遊技の際の脚の組み替え(以下、単に姿勢変更とも言う)等の障害となっていた。
【0027】
そこで、本実施形態においては、載置棚51に替えて、各パチンコ機30毎に1つの支持部材(支持手段)1を配する構成とした。即ち、支持部材1は、パチンコ機30よりも下方の位置であって、後述する1対の張出棒部5が所定の間隔を空けて配される構成とされている。
以下に、本実施形態の特徴的構成である支持部材1について、具体的に説明する。
【0028】
本実施形態における支持部材1は、遊技島31を構成する腰板33に位置するように配されており、図2に示すように、金属製の支持体2と、合成樹脂製の板状の化粧体3によって構成されている。
なお、腰板33は、図1、4に示すように、遊技機30よりも下方に設けられ、遊技島31の内部に配された機器等を目隠しする機能を有した板部材である。
【0029】
支持体2は、図3に示すように、実際に貯留容器(所謂玉箱)20を支持する1対の張出棒部5と、その1対の張出棒部5が一体的に接合された板状部6を有している。即ち、1つの支持体2において、板状部6に接合された張出棒部5は互いに所定の間隔を空けて配されている。
なお、玉箱20は、公知のそれとほぼ同様の構成であり、玉を貯留する貯留部21と、その貯留部21の外周部に一体的に設けられた把持部22と備えており、把持部22の大きさだけが異なる。即ち、把持部22の高さ(貯留部21の深さ方向の長さ)が、公知のそれより2〜3倍程に設定されている。換言すれば、把持部22の高さは、貯留部21の嵩の2/3倍以上に設定されている。
【0030】
また、ここで言う「所定の間隔」は、1対の張出棒部5同士の中心と中心の間隔を基準としても、外側面と外側面の間隔を基準としてもよい。要するに、1対の張出棒部5の間隔は、玉箱20の把持部22が支持されて、その間隔に貯留部21が収まる大きさであればいかなる大きさであっても構わない。
【0031】
張出棒部5は、断面形状が円形で、外径の大きさが1.5〜3.0cm程度に設定されている。即ち、本実施形態では、張出棒部5の外径の大きさは、張出棒部5に玉箱20の把持部22が載置された状態において、玉箱20を確実に支持し、且つ張出棒部5から把持部22の突端側(貯留部21を基準に外側)が逸脱する大きさとされている。これにより、玉箱20が支持された状態から持ち上げる際に、把持部22の下部から持ち上げることができるため、玉箱20に多量の玉が貯留された場合であっても移動が容易である。
また、張出棒部5は、板状部6からの張り出し長さが16〜20cm程度に設定されている。具体的には、遊技島31に取り付けた際に、張出棒部5の腰板33の表面からの張り出し長さが、玉箱20を支持し得る長さに設計されている。即ち、従来の遊技島における載置棚51の張り出し長さと同様、腰板33の表面からの張り出し長さが、ほぼ14〜15cm程度に設定されている。
【0032】
板状部6は、長方形状の金属板で、長手方向の長さが、前記した1対の張出棒部5の所定の間隔と、張出棒部5の外径を加算した数値よりも大きい長さに設定され、短手方向の長さが張出棒部5の外径よりも大きい長さに設定されている。そして、板状部6には、4隅近傍と、長手側縁部の近傍で長手方向中間部に部材厚方向に貫通したネジあるいはボルトが挿通される支持体貫通孔13が設けられている。
即ち、本実施形態では、板状部6に6つの支持体貫通孔13が設けられている。
【0033】
化粧体3は、板状体6と同程度の大きさで構成されており、部材厚方向に貫通した挿通孔15が設けられている。そして、その貫通孔15は、張出軸部5の外径とほぼ同じ径に設定されている。また、化粧体3は、板状部6の支持体貫通孔13と連通し得る位置に、支持体貫通孔13と同程度の大きさの化粧体貫通孔16が設けられている。
即ち、化粧体3には、張出棒部5が挿通される2つの挿通孔15と、ネジあるいはボルトが挿通される6つの化粧体貫通孔16が設けられている。
【0034】
次に、遊技島31に取り付けた支持部材1における各部材の位置関係について、具体的に説明する。
本実施形態では、支持部材1が遊技島31の腰板33の位置に配され、腰板33の平面に対してほぼ直交する方向に張り出すように固定されている。
ここで、腰板33には、図4に示すように、各遊技機30が位置する箇所の下方に、支持部材1の一対の張出棒部5が挿通される1対の腰板挿通孔19がそれぞれ設けられている。即ち、遊技島31における各支持部材1は、その1対の腰板挿通孔19が位置する箇所に配されている。
以下に、1対の腰板挿通孔19に配された1つの支持部材1に注目して説明する。
【0035】
支持部材1は、支持体2の一部が遊技島31の内部に位置し、支持体2の残部と化粧体3が遊技島31の外部に位置する。即ち、本実施形態では、支持体2においては、板状部6が遊技島31の内部に位置すると共に、張出棒部5が腰板貫通孔19を介して遊技島31の外部に位置し、化粧板3は挿通孔15に張出棒部5が挿通された状態で遊技島31の外部に位置する。そして、このとき、板状部6は腰板33の内部側の壁面と当接しており、化粧体3は腰板33の外部側の壁面と当接している。
そして、支持体2における板状部6の支持体貫通孔13と、化粧体3の化粧体貫通孔16とが連通した状態で、ボルト・ナット等の固定手段によって遊技島31に取り付けられている。
【0036】
以上のように、本実施形態の遊技場の構造によれば、遊技島31において、玉箱20を支持する支持部材1の1対の張出棒部5が所定の間隔を空けて配されているため、その間隔の範囲内においては、高さ方向の制限がない。即ち、本実施形態では、載置棚51に替えて、支持部材1を設けて遊技島31を形成したため、遊技者は大当たり以外の遊技時間においては、図5に示すように、比較的大柄な人物であっても、脚を組むなどの姿勢変更が可能となる。結果として、遊技中、遊技者が余計なストレスを感じることがなくなるため、遊技場におけるリピート率が低下することが防止される。
【0037】
上記実施形態では、張出棒部5の断面形状を円形にした構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、断面形状が正方形や長方形あるいはその他の矩形であっても構わない。
【0038】
上記実施形態では、予め張出棒部5の間隔を調整して板状部6に接合した支持部材1を用いた構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図7に示すように、1つの板状部42に対して1つの張出棒部43を接合した支持体41を備えた支持部材40であっても構わない。
また、遊技島31における並設されたパチンコ機30全体に渡る板状部に対して適宜の位置に張出棒部を接合した支持部材であっても構わない。
【0039】
上記実施形態では、棒状の部分(張出棒部5)によって玉箱20を支持する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば平面状の部分によって玉箱20を支持する構成であっても構わない。具体的には、図8に示すように、パチンコ機30同士に挟まれた位置に配された支持部材44は、図示しない板状部に金属製の平面状板体により形成された張出平面部46が接合された支持体45と、化粧体47を備えたものが挙げられる。この構成によれば、図9に示すように、張出平面部46によって玉箱20の把持部22を支持することができる。
さらに、張出平面部46においては、パチンコ機30が隣接する端部近傍で玉箱20が支持されるため、玉箱20が支持される以外の箇所を別の用途として利用することができる。即ち、遊技者が清涼飲料水や携帯等を載置する場所として提供することができるため、上記した実施形態の作用効果を確保しつつ、従来の遊技島に設けられた載置棚51と同様の機能を付与することができる。これにより、載置棚51を省略したことで発生し得る遊技者の不満を阻止することができる。
【0040】
ここで、前記構成により、張出平面部46で玉箱20を支持する場合、把持部22の下部が張出平面部46に密着して、持ち上げることが困難となることが懸念される。しかしながら、図8、9に示すように、張出平面部46における把持部22が載置される範囲の一部に、開口部52等を形成すれば把持部22の下部の一部が密着状態から解放されるため、玉箱20に多くの玉が貯留された場合であっても、持ち上げることを容易とすることができる。
また、支持部材は、棒状体や平面状板体で形成された支持体の他、図10に示すように、平面部49と曲面部50を組み合わせて形成された板部材で形成された張出平面部48を備えた支持部材53を用いても、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、この構成であれば、図11に示すように、平面部49の両端部に形成された曲面部50の端部側で玉箱20の把持部22を支持することができるため、玉箱20を持ち上げる際に有効的となる開口部を形成する必要がない。
【0041】
上記実施形態では、玉箱20が張出棒部5、43によって支持された状態あるいは張出平面部46によって支持された状態から、その玉箱20を移動させる場合を考慮して、玉箱20の把持部22の下部を把持できるように張出棒部5、42の径の大きさを工夫したり、張出平面部46、48に開口部52を形成する工夫をしたり、曲面部50で玉箱20を支持する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、遊技島において前記工夫を施さず、玉箱の把持部の中間当たりに開口部などを設けて、その開口部を把持して持ち上げる構成としても構わない。
【0042】
上記実施形態では、支持部材1が玉箱20を支持しているか否かに関わらず、張出棒部5の姿勢を変更できない構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図12に示すように、張出棒部の中途あるいは板状部自体に遊技場の床面に対してほぼ水平方向に回転可能なヒンジ部29を設け、玉箱20を支持する必要がない場合等に腰板33に当接するように収納可能な支持体54であっても構わない。なお、この構成を採用する場合は、玉箱20を支持する際に、張出棒部の姿勢を固定できる図示しないストッパーを設けることが望ましい。
【0043】
上記実施形態では、支持部材1の支持体2を遊技島31の内部側から配して張出棒部5が遊技島31の外部に露出させる構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、支持体2全体を遊技島31の外部に露出するように配して腰板33に固定する構成であっても構わない。
また、本実施形態では、支持体2の平面部6と、化粧体3とで腰板33を挟んで固定する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、遊技島31の内部あるいは外部に床面等に固定した何らかの固定手段を用意し、その固定手段に対して支持部材を固定する構成であっても構わない。
【0044】
上記実施形態では、遊技島31が複数の遊技機30が設置されて形成された構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、遊技島は1つの遊技機30により形成されても構わない。
【符号の説明】
【0045】
1、40、44、53 支持部材(支持手段)
2、41、45、54 支持体
3、47 化粧体
5、43 張出棒部
20 玉箱(貯留容器)
21 貯留部
22 把持部
30 パチンコ機(遊技機)
31 遊技島
33 腰板
46、48 張出平面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を用いて遊技可能な遊技機が1又は複数設置され、遊技機から排出される遊技媒体を貯留可能な貯留容器を支持する支持手段を備えた遊技場の構造であって、
支持手段は、所定の間隔を空けて配されるもので、
貯留容器は、遊技媒体が貯留される貯留部と、把持可能な把持部とを有し、
貯留容器の把持部が支持手段に支持された状態で、遊技機から排出される遊技媒体を貯留部に貯留可能とされていることを特徴とする遊技場の構造。
【請求項2】
貯留容器の把持部を支持手段に支持させた状態において、把持部の一部を下方から持ち上げることが可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技場の構造。
【請求項3】
支持手段は、棒状の部分によって貯留容器を支持する張出棒部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場の構造。
【請求項4】
支持手段は、平面状の部分によって貯留容器を支持する張出平面部を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技場の構造。
【請求項5】
2以上の遊技機により複数の群が形成され、
各群では、遊技機よりも下方に腰板が設けられるものであって、
前記支持手段は、腰板に位置するように配されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技場の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−110602(P2012−110602A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264224(P2010−264224)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】