説明

遊技場システム

【課題】 不正計数が看過されるのを防ぐとともに、その不正計数を確実に発見する。
【解決手段】 遊技媒体計数機10は、遊技媒体が投入されるホッパ11と、遊技媒体の数量を計数する計数部13と、記録媒体を発行する記録媒体発行部15と、計数信号と記録媒体特定情報を撮像装置20へ送信する送信部16とを有し、撮像装置20は、ホッパ11を撮像する第一撮像部21と、計数信号の示す計数値に応じて第一撮像部21に撮像を実行させる撮像制御部23と、ホッパ11の画像データと記録媒体特定情報とを関連付けて出力するデータ送信部24とを有し、景品交換装置は、記録媒体特定情報を取得する取得部と、記録媒体特定情報に関連付けられたホッパ11の画像を表示する表示部34とを有した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機を備えた遊技場システムに関し、特に、遊技媒体計数機で発生した不正計数を確実に発見する遊技場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技場には、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機とともに、この遊技機での遊技により獲得されたパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機が設置されている。
遊技媒体計数機は、通常、上方に向かって開口したホッパに遊技媒体を流し込むことで、ホッパの底部開口から遊技媒体計数機の内部に遊技媒体が流入し、この流入した遊技媒体が内部のセンサにより検出されて、遊技媒体の数量をカウントする装置である。
【0003】
ところで、遊技媒体計数機においては、遊技媒体をホッパに投入せず、パルス発生器などを用いてカウント数を不正に増加させ、そのカウント数をチケットに印字させて発行させる不正行為が行われることがあった。
この不正行為では、パルス発生器から遊技媒体計数機に特殊な電波を送ってカウント数を不正に増加させ、そのカウント数が1000〜3000程度になるとチケットを発行させていた。そして、そのチケットを複数枚発行させると、これらを仲間に配り、仲間は、そのチケットを景品カウンタに持っていって景品と交換していた。また、そのチケットが盗難に遭ったり紛失したりした場合は、そのチケットを取得した者が景品交換していた。
【0004】
このような不正行為は、放置しておくと、遊技店の損失が増大し、ひいては営業に支障をきたす結果となる。そこで、その不正行為を発見するための技術が提案されている。
例えば、遊技媒体計数機にカメラを取り付け、撮像したデータを景品交換装置に送信し、景品交換装置にて撮像画像を表示し、遊技媒体計数機を遠隔操作する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術によれば、景品交換装置にて遊技媒体計数機を監視できるので、遊技媒体計数機で発生した不正行為を発見できる。
【0005】
また、遊技媒体計数機などにカメラを設けて、従業員が監視室で不正が無いか監視する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
この技術によれば、監視室にて従業員が監視するので、遊技媒体計数機で発生した不正行為を見つけ出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−087538号公報
【特許文献2】特開平8−280911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各特許文献に記載の技術においては、次のような問題があった。
特許文献1に記載の技術は、遊技媒体計数機での不正計数を発見できるが、遊技者が遊技媒体計数機と景品交換装置にほぼ同時に来た場合に景品交換を優先してしまうため、監視がおろそかになってしまうという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術は、監視室で従業員が遊技媒体計数機を監視しているが、遊技場には、遊技媒体計数機だけでなく、通路や景品カウンタなど多くの箇所にカメラが設置されている。そして、監視室では、それら多数のカメラで撮像された映像を多数のモニタのそれぞれに表示しているため、従業員が不正を見落とすおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、監視がおろそかになったり、不正を見落としたりするなどして、不正計数が看過されるのを防ぐとともに、その不正計数を確実に発見可能とする遊技場システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の遊技場システムは、遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機と、この遊技媒体計数機の近傍に設けられた撮像装置と、景品交換に関する処理を実行する景品交換装置とを備え、遊技媒体計数機は、上方に開口した形状を有して、遊技媒体が投入されるホッパと、投入された遊技媒体の数量を計数する計数部と、計数値の増加にともなって計数信号を撮像装置へ送信する計数信号送信部と、計数値を取得可能な情報を記録する記録媒体に該記録媒体を特定する記録媒体特定情報を記録して発行する記録媒体発行部と、記録媒体特定情報を撮像装置へ送信する特定情報送信部とを有し、撮像装置は、遊技媒体計数機のホッパを撮像し、この撮像したホッパの画像データを計数機画像データとして生成する第一撮像部と、計数信号の示す計数値に応じて第一撮像部に撮像を実行させる撮像制御部と、計数機画像データと記録媒体特定情報とを関連付けて出力するデータ送信部とを有し、景品交換装置は、記録媒体に記録されている記録媒体特定情報を取得する取得部と、取得された記録媒体特定情報に関連付けられた計数機画像データにもとづくホッパの画像を表示する表示部とを有した構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技場システムによれば、遊技媒体計数機での計数値に応じて遊技媒体計数機のホッパが撮像され、この撮像画像が景品交換装置に表示されるため、不正計数を容易かつ確実に発見できる。
また、景品交換装置に表示されたホッパ画像を確認することで不正計数を容易に発見できるので、監視がおろそかになったり、不正を見落としたりするなどして、不正計数が看過されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における遊技場システムの構成を示すブロック図である。
【図2】遊技媒体計数機の構成を示す側面内部概略図である。
【図3】遊技媒体計数機、撮像装置、計数実施者の位置関係を示す外観図である。
【図4】撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図5】撮像装置データベースの構成を示す図表である。
【図6】景品交換装置の構成を示すブロック図である。
【図7】景品交換装置、認証装置、景品交換依頼者の位置関係を示す外観図である。
【図8】認証装置の構成を示すブロック図である。
【図9】不正計数判定処理のうち、遊技媒体計数機と撮像装置との間で実行される処理手順を示す動作手順図である。
【図10】不正計数判定処理のうち、撮像装置、認証装置、景品交換装置の間で実行される処理手順を示す動作手順図である。
【図11】計数機撮像処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】撮像回数判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】顔画像認証処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】(a)は、撮像装置で撮像された遊技媒体計数機のホッパ画像、(b)は、認証装置でコマ落としされた後のホッパ画像、(c)は、景品交換装置の表示部で表示されたホッパ画像をそれぞれ示す図である。
【図15】計数機画像データコマ落とし処理の実行手順を示すフローチャートである。
【図16】計数機画像データコマ落とし処理の他の実行手順を示すフローチャートである。
【図17】遊技場システムの他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技場システムの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
[遊技場システム]
まず、本発明の遊技場システムの実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の遊技場システムの構成を示す概略図である。
図1に示すように、遊技場システム1aは、遊技媒体計数機10(10−1〜10−n)と、撮像装置20(20−1〜20−n)と、景品交換装置30(30−1〜30−n)と、認証装置40(40−1〜40−n)と、会員サーバ50とを備えている。
【0015】
ここで、遊技媒体計数機10は、図2に示すように、ホッパ11と、流路12と、計数部13と、記憶部14と、チケット発行部15と、通信部16と、表示部17と、制御部18とを有している。
ホッパ11は、上方に向かって漏斗状に開口した形状を有する、遊技媒体の投入口である。このホッパ11の底部には流入口11−1が形成されており、流路12と連通している。
流路12は、ホッパ11に投入された遊技媒体が流入口11−1に流入した後に通る中空通路である。
【0016】
計数部13は、流路12を流れる遊技媒体の数量を計数する。この計数部13には、近接センサとカウント部(いずれも図示せず)が設けられている。近接センサは、流路12を通過する遊技媒体を一個ずつ検出し、検出信号を出力する。カウント部は、検出信号を入力し、この検出信号にもとづいて遊技媒体の数量を計数値としてカウントする。
記憶部14は、遊技媒体計数機10が実行する処理に関するプログラムや所定のデータを記憶する。所定のデータには、例えば、計数部13における計数結果、該遊技媒体計数機10を特定する計数機番号、チケットの発行番号、チケットの発行時刻などが含まれる。なお、これら計数結果、計数機番号、チケット発行番号、チケット発行時刻を総称して「計数情報」というものとする。
【0017】
チケット発行部15は、計数情報をバーコード化し、このバーコードや他の情報を所定の用紙に印字し、これをチケットとして排出する。バーコード化される計数情報には、例えば、計数結果、計数機番号、チケット発行番号などがある。また、チケットに文字や数字などで印字される情報には、例えば、遊技店の店名、計数情報の全部又は一部などがある。このチケット発行部15におけるチケット発行処理は、チケット発行ボタン15−1が押されたときに実行される。
なお、本実施形態においては、計数結果を含む計数情報をバーコード化してチケットに印字(記録)することとしているが、これに限るものではなく、計数結果を取得可能な情報、例えば、計数結果に関連付けられたIDを計数情報に含めてバーコード化しチケットに印字することもできる。また、そのIDである数列や文字列をチケットに印刷し、景品カウンタの従業員がその印刷されたIDを見て、景品交換装置30のキーボード(図示せず)を操作して入力するようにすることもできる。
【0018】
また、チケットは、計数部13で計数された結果が記録されることから、「記録媒体」としての機能を有している。ただし、記録媒体は、チケットに限るものではなく、例えば、磁気カードやICカードなどでもよい。
さらに、チケット発行番号は、記録媒体であるチケットを特定する情報であることから、「記録媒体特定情報」を構成する。
また、チケット発行部15は、記録媒体であるチケットを発行することから、「記録媒体発行部」としての機能を有している。
【0019】
通信部16は、計数情報や所定の信号を撮像装置20に送信する。所定の信号には、例えば、計数値が増加したことを示す計数パルス信号、計数の開始を示す計数開始信号、計数の終了を示す計数終了信号などがある。これらのうち、計数パルス信号は、計数部13でカウント数が「1」増加すると1パルス出力される信号である。計数開始信号は、一回の計数において最初に出力された計数パルス信号である。計数終了信号は、チケット発行ボタン15−1が押されたときに出力される信号である。
なお、計数パルス信号は、計数値の増加にともなって出力される信号であるため、「計数信号」に相当する。
また、通信部16は、計数パルス信号(計数信号)を撮像装置20へ送信することから、「計数信号送信部」としての機能を有している。
さらに、通信部16は、計数情報に含まれるチケット発行番号を撮像装置20へ送信することから、「特定情報送信部」としての機能を有している。
【0020】
表示部17は、計数結果などを表示する。
制御部18は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶部14に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、遊技媒体計数機10の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、遊技媒体計数機10の有する各種機能を実行・制御する。
この制御部18が実行する処理については、後記の「不正計数判定方法」にて詳述する。
なお、制御部18は、計時部18−1を有している。計時部18−1は、現在の時刻を測定する。これにより、チケットの発行時刻などを特定できる。
また、本実施形態の遊技媒体計数機10は、遊技媒体のうちパチンコ玉の数量を計数するパチンコ玉計数機を想定しているが、これに限るものではなく、メダルの数量を計数するメダル計数機であってもよい。
【0021】
撮像装置20は、図3に示すように、遊技媒体計数機10の近傍(例えば、上方)に設けられており、遊技媒体計数機10のホッパ11や計数実施者の顔を撮像する装置である。ここで、計数実施者とは、遊技媒体計数機10に遊技媒体を投入して計数を行わせている遊技者をいう。
この撮像装置20は、図3、図4に示すように、第一撮像部21と、第二撮像部22と、撮像制御部23と、通信部24と、記憶部25と、制御部26とを有している。
第一撮像部21は、遊技媒体計数機10の上面、特にホッパ11を含む範囲を撮像し、この撮像した画像データを計数機画像データとして生成する。この計数機画像データは、記憶部25に記憶される。
【0022】
第二撮像部22は、計数実施者の顔を撮像し、この撮像した画像データを顔画像データとして生成する。この顔画像データは、記憶部25に記憶される。
また、第二撮像部22は、計数実施者の顔の位置を特定するための顔認識機能を有している。顔認識機能は、デジタルカメラなどで採用されている従来公知の顔認識機能を用いることができる。
なお、計数実施者の顔の位置は、その計数実施者の身長や立ち位置によって変わるため、第二撮像部22は、パン、チルト、ズームの機能を有していることが望ましい。
【0023】
撮像制御部23は、遊技媒体計数機10から計数開始信号が送られてくると、第一撮像部21を制御して遊技媒体計数機10のホッパ11を撮像させるとともに、第二撮像部22を制御して計数実施者の顔を撮像させる。
ここで、第一撮像部21による撮像は、遊技媒体計数機10で遊技媒体が所定数計数されるごとに行われる。この撮像制御については、後記の「計数機撮像処理」で詳述する。
また、第二撮像部22による撮像は、一回の計数における撮像回数が、一回であってもよく、複数回であってもよい。
【0024】
通信部24は、遊技媒体計数機10や認証装置40に接続されており、これらとの間で所定のデータや信号の送受信を行う。具体的には、例えば、遊技媒体計数機10から送信されてきた計数パルス信号、計数開始信号、計数終了信号、計数情報などを受信する。また、通信部24は、認証装置40へ計数管理情報(後述)などを送信する。
【0025】
記憶部25は、撮像装置20が実行する処理に関するプログラムを記憶する。
また、記憶部25は、撮像装置データベースを記憶する。撮像装置データベースは、図5に示すように、チケット発行番号、計数機番号、チケット発行時刻、計数値(計数結果)、顔画像データ、計数機画像データ、撮像回数、計数時間などを項目として構成されている。
ここで、チケット発行番号、計数機番号、チケット発行時刻、計数値は、遊技媒体計数機10から送信されてきた計数情報に含まれているデータである。
顔画像データは、第二撮像部22で撮像された計数実施者の顔の画像データである。
計数機画像データは、第一撮像部21で撮像された遊技媒体計数機10のホッパ11の画像データである。
撮像回数は、第一撮像部21が遊技媒体計数機10のホッパ11を撮像した回数を示す。
計数時間は、一回の計数に要した時間を示す。
【0026】
なお、撮像装置データベースを構成するこれらのデータを「計数管理情報」というものとする。
また、計数管理情報を構成する各データは、チケット発行番号をキーとして関連付けられている。このため、チケット発行番号を特定することで、このチケット発行番号に関連付けられた各データを特定し抽出することができる。
【0027】
制御部26は、記憶部25に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、撮像装置20の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、撮像装置20の有する各種機能を実行・制御する。
【0028】
景品交換装置30は、遊技場の景品カウンタに設置されており、景品交換に関する処理を実行する。
この景品交換装置30は、図6に示すように、スキャナ31と、通信部32と、記憶部33と、表示部34と、制御部35とを有している。
【0029】
スキャナ31は、チケットに印字されているバーコードを読み取り、この読み取ったバーコードの示す情報を読取データとして制御部35へ送る。
通信部32は、認証装置40に接続されており、所定のデータや信号を送受信する。
記憶部33は、景品交換装置30が実行する処理に関するプログラムやデータを記憶する。
【0030】
表示部34は、所定の画面、例えば、遊技媒体計数機10のホッパ画像を表示する画面、計数実施者や景品交換依頼者の顔画像を表示する画面、警告画面などを表示する。
制御部35は、景品交換装置30の構成各部を制御して、景品交換装置30の有する各種機能を実行する。
また、制御部35は、スキャナ31からの読取データを記憶部33に記憶させる。
なお、景品交換装置30は、図6に示す構成の他、図7に示すように、暗証番号を入力するための暗証番号用テンキー、会員カードから所定のデータを読み取るカードリーダ、所定のデータを印字出力するプリンタなどを備えることもできる。
【0031】
認証装置40は、図7に示すように、景品交換装置30の近傍(例えば、上方など)に設けられており、景品交換を行うために景品カウンタに来た遊技者(景品交換依頼者)の顔を撮像するとともに、遊技媒体計数機10での計数に不正があったか否かを判定する装置である。
この認証装置40は、図8に示すように、撮像部41と、撮像制御部42と、通信部43と、記憶部44と、画像比較部45と、制御部46とを有している。
撮像部41は、景品交換依頼者の顔を撮像し、この撮像した画像データを顔画像データとして生成する。この顔画像データは、記憶部44に記憶される。
撮像制御部42は、景品交換装置30から読取データを受信すると、撮像部41を制御して、景品交換依頼者の顔の撮像を実行させる。
【0032】
通信部43は、撮像装置20や景品交換装置30に接続されており、これらとの間で所定のデータや信号を送受信する。
記憶部44は、認証装置40が実行する処理に関するプログラムや所定のデータを記憶する。所定のデータには、例えば、撮像装置20から送信されてきた計数管理情報や、撮像部41で撮像により生成された景品交換依頼者の顔画像データなどがある。
【0033】
画像比較部45は、計数実施者の顔画像データにもとづく顔画像と、景品交換依頼者の顔画像データにもとづく顔画像とを比較照合する。そして、比較照合の結果から、それら計数実施者と景品交換依頼者とが同一人物であるか、あるいは、別人であるかを判断する。
なお、顔画像の比較照合には、従来公知の技術を用いることができる。具体的には、例えば、特開平6−259534「人物認証装置」や、特開2000−331167「顔画像照合方法及び装置」などの公報に記載された技術を用いて実現することができる。
また、画像比較部45における顔認証処理については、後記の「顔画像認証処理」にて詳述する。
【0034】
制御部46は、認証装置40の構成各部を制御して、認証装置40の有する各種機能を実行する。
この制御部46が実行する処理については、後記の「不正計数判定方法」にて詳述する。
【0035】
会員サーバ50は、会員に関するデータや貯玉に関するデータを記憶・管理する。
【0036】
なお、遊技場システム1aが導入された遊技場には、図1に示す各装置の他、例えば、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機や、遊技媒体を遊技者に貸出す貸出機などが設置されている。また、同遊技場には、例えば、遊技機や会員に関する情報を閲覧可能に表示する遊技データ表示装置など、遊技に関する各種装置を設置することができる。
また、本実施形態においては、遊技媒体計数機10、撮像装置20、景品交換装置30、認証装置40、会員サーバ50、その他遊技場システム1aに接続可能な装置や機器を、「遊技装置」というものとする。
【0037】
[不正計数判定方法]
次に、本実施形態の遊技場システムが実行する不正計数判定方法について、図面を参照して説明する。
なお、ここでは、不正計数判定方法を、次の五つの処理に分けて説明する。
(1)不正計数判定処理
(2)計数機撮像処理
(3)撮像回数判定処理
(4)顔画像認証処理
(5)計数機画像データコマ落とし処理
【0038】
(1)不正計数判定処理
不正計数判定処理は、遊技媒体計数機10における計数が正常に行われたものか、あるいは不正に行われたものか(不正行為が発生したか否か)を判断するために実行される処理である。
この不正計数判定処理では、撮像回数の判定と顔画像の比較認証という二つの判定方法を用いることにより、遊技媒体計数機10における不正計数の発生の有無を判断している。
【0039】
この不正計数判定処理について、図9、図10を参照して説明する。
図9は、不正計数判定処理のうち、遊技媒体計数機10と撮像装置20において実行される処理の流れを示す動作手順図、図10は、不正計数判定処理のうち、撮像装置20と認証装置40と景品交換装置30において実行される処理の流れを示す動作手順図である。
【0040】
遊技媒体計数機10は、計数実施者がホッパ11に投入した遊技媒体を計数部13の近接センサ(図示せず)で検出すると(図9のステップ10)、カウント部(図示せず)にて計数を開始するとともに(ステップ11)、通信部16から撮像装置20へ計数開始信号を送信する(ステップ12)。
なお、遊技媒体計数機10は、近接センサが遊技媒体を検出し、カウント部がカウント数を「1」増加させたときに、計数パルス信号を1パルス出力する。つまり、通信部16は、計数パルス信号として、カウント数と同数のパルス信号を出力する。
そして、計数開始信号は、一回の計数で出力された計数パルス信号のうち、一番目に出力されたパルスをいう。例えば、計数パルス信号が所定時間以上出力されず、その後に出力されたときに、このパルスを計数開始信号とすることができる。
【0041】
撮像装置20の通信部24が計数開始信号を受信すると(ステップ13)、制御部26は、計数時間の計測を開始する(ステップ14)。
また、撮像制御部23は、第二撮像部22を制御して、計数実施者の顔を撮像する(ステップ15)。これにより、計数実施者の顔画像データが取得される。
さらに、撮像装置20は、計数機撮像処理を実行する(ステップ16)。これにより、遊技媒体計数機10のホッパ11を撮像した画像のデータ(計数機画像データ)と、その撮像回数が取得される。なお、計数機撮像処理については、後記の「(2)計数機撮像処理」にて詳述する。
【0042】
遊技媒体計数機10に投入された遊技媒体のすべてが、近接センサにより検出され、カウント部でカウントされると、計数が終了する(ステップ17)。
そして、計数実施者により、遊技媒体計数機10のチケット発行ボタン15−1が押されると(チケット発行操作の検出、ステップ18)、通信部16を介して撮像装置20へ計数終了信号が送信される(ステップ19)。
撮像装置20の通信部24が計数終了信号を受信すると(ステップ20)、制御部26は、計数時間の計測を終了する(ステップ21)。
【0043】
また、チケット発行ボタン15−1が押されたことにともない、チケット発行部15にてチケットに計数結果等が印字され、このチケットが発行される(ステップ22)。
さらに、計数結果を含む計数情報が、通信部16を介して撮像装置20へ送信される(ステップ23)。なお、ここで計数情報として送信されるデータには、計数結果、チケット発行番号、計数機番号、チケット発行時刻などがある。
【0044】
撮像装置20の通信部24が計数情報を受信すると、制御部26は、計数情報に、顔画像データ、計数機画像データ、撮像回数、計数時間を関連付け、計数管理情報として記憶部25の撮像装置データベースに記憶させる(ステップ24)。
【0045】
チケット発行部15で発行されたチケットを受け取った遊技者は、景品カウンタへ行き、店員にチケットを渡す。
店員は、チケットを受け取ると、景品交換装置30のスキャナ31にチケットをかざす。
スキャナ31は、チケットからバーコードを読み取ると(図10のステップ30)、そのバーコードに示されたデータ(計数機番号、計数結果、チケット発行番号など)を読取データとして制御部35へ送信する。
なお、スキャナ31は、記録媒体であるチケットから、記録媒体特定情報であるチケット発行番号を取得することから、「取得部」としての機能を有している。
また、チケット発行番号の取得は、本実施形態においては、チケットに印字されたバーコードを読み込むことで実現しているが、これに限るものではなく、例えば、景品交換装置30のキーボード(図示せず)にチケット発行番号を手入力することや、ICカードに内蔵されたICチップから非接触でチケット発行番号を読み取ることなどによっても実現できる。
【0046】
制御部35は、読取データを記憶部33に記憶させるとともに、その読取データを、通信部32を介して認証装置40へ送信する(ステップ31)。
認証装置40の通信部43が読取データを受信すると、制御部46は、その読取データを記憶部44に記憶させる(ステップ32)。
【0047】
また、通信部43での読取データの受信にともない、撮像制御部42は、撮像部41を制御して、景品交換依頼者の顔を撮像する(ステップ33)。
そして、制御部46は、チケット発行番号を含むデータ送信要求を、通信部43を介して撮像装置20へ送信する(ステップ34)。
撮像装置20の通信部24がデータ送信要求を受信すると(ステップ35)、制御部26は、記憶部25に記憶された撮像装置データベースの中から、データ送信要求に含まれたチケット発行番号と同じチケット発行番号を検索し、この検索でヒットしたチケット発行番号に関連付けられている計数管理情報の全部又は一部を抽出し、通信部24を介して認証装置40へ送信する(ステップ36)。なお、ここで抽出及び送信される計数管理情報には、少なくともチケット発行番号、計数結果、顔画像データ、計数機画像データ、撮像回数が含まれる。
また、通信部24は、計数機画像データとチケット発行番号とを認証装置40へ送信することから、「データ送信部」としての機能を有している。
さらに、通信部24は、顔画像データを認証装置40へ送信することから、「顔画像送信部」としての機能を有している。
【0048】
認証装置40の通信部43が撮像装置20から送信されてきた計数管理情報を受信すると、制御部46は、その計数管理情報に景品交換依頼者の顔画像データを関連付けて記憶部44に記憶させる(ステップ37)。
なお、通信部43は、計数結果と計数機画像データとを撮像装置20から受信することから、「受信部」としての機能を有している。
【0049】
また、認証装置40の制御部46は、計数機画像データコマ落とし処理を実行する(ステップ38)。この計数機画像データコマ落とし処理については、後記の「(5)計数機画像データコマ落とし処理」にて詳述する。
そして、制御部46は、通信部43を介して景品交換装置30へ、計数機画像データを送信する(ステップ39)。
【0050】
景品交換装置30の通信部32が計数機画像データを受信すると(ステップ40)、表示部34は、その計数機画像データにもとづく遊技媒体計数機10の画像を表示する(ステップ41)。
このように、景品交換装置30における計数機画像の表示により、実際に遊技媒体が遊技媒体計数機10のホッパ11に投入されたか否かが表示されるので、景品カウンタの従業員は、その計数機画像を見ただけで、不正計数が発生したか否かを確認できる。
なお、ステップ40における計数機画像データの送信に際して、計数実施者や景品交換依頼者の顔画像データを景品交換装置30へ送信することもできる。そして、景品交換装置30の表示部34は、計数機画像データにもとづくホッパ画像とともに(あるいは、ホッパ画像とは別に)、顔画像データにもとづく計数実施者や景品交換依頼者の顔画像を表示することができる。
【0051】
また、認証装置40は、遊技媒体計数機10で行われた計数が正常に行われたものか、あるいは、不正に行われたものかを判定する(ステップ42)。この判定には、撮像回数判定処理(ステップ42−1)と、顔画像認証処理(ステップ42−2)がある。
これらのうち、撮像回数判定処理(ステップ42−1)については、後記の「(3)撮像回数判定処理」で、顔画像認証処理(ステップ42−2)については、後記の「(4)顔画像認証処理」で、それぞれ詳述する。
なお、撮像回数判定処理と顔画像認証処理の実行順序は、本実施形態においては、図10に示す順序とするが、これに限るものではなく、任意に決めることができる。
【0052】
撮像回数判定処理又は顔画像認証処理の一方又は双方において、不正計数が発生したものと判定されたときは、認証装置40の制御部46は、判定結果異常信号を通信部43を介して景品交換装置30へ送信する(ステップ43)。
景品交換装置30の通信部32が判定結果異常信号を受信すると(ステップ44)、表示部34は、その判定結果異常信号にもとづく警告画面を表示する(ステップ45)。
【0053】
この警告画面は、不正計数が発生したことがわかるような態様で表示される。
例えば、警告画面に、「計数不正発生!」、「ゴト師の可能性あり!」、「不正計数!要注意!」、「遊技媒体計数機のホッパが撮像されませんでした!」、「ホッパの画像が存在しません!」などの警告メッセージを表示することができる。
また、警告画面には、撮像回数の推測値と、実際の撮像回数とを並べて表示することができる。この場合、実際の撮像回数は、「0回」と表示されるか、あるいは、撮像回数の推測値よりも小さい数で表示される。
さらに、警告画面には、計数実施者の顔画像と景品交換依頼者の顔画像とを並べて表示することができる。この場合、計数実施者と景品交換依頼者がそれぞれ別人の顔画像で表示される。
警告画面をこれらのような態様とすることにより、景品カウンタの従業員は、その警告画面を確認することで、不正計数が発生したことを認識できる。
なお、警告画面は、従業員に注意を促すために、赤色や黄色などの目立つ色を多用したり、注目すべき箇所を点滅表示又は拡大表示にしたりすることができる。
【0054】
一方、遊技媒体計数機10で行われた計数が正常に行われたものと判定されたときは、認証装置40から景品交換装置30へ判定結果正常信号が送信される(ステップ46)。
景品交換装置30の通信部32が計数正常信号を受信すると(ステップ47)、表示部34は、遊技媒体計数機10での計数が正常に行われたことを示す計数正常表示画面を表示することができる(ステップ48)。
この計数正常表示画面は、例えば、「計数正常」、「A12の計数機、異常なし」、「景品交換・許可」などのメッセージを表示する態様とすることができる。
【0055】
そして、景品交換装置30は、景品交換処理を実行する(ステップ49)。
次いで、制御部35は、読取データに含まれていたチケット発行番号を含むデータ削除要求信号を、通信部32を介して認証装置40と撮像装置20へ送信する(ステップ50)。
認証装置40の通信部43がデータ削除要求信号を受信すると(ステップ51)、制御部46は、記憶部44に記憶されているデータのうち、そのチケット発行番号に関連付けられたデータを削除する(ステップ52)。
また、撮像装置20の通信部24がデータ削除要求信号を受信すると(ステップ53)、制御部26は、記憶部25に記憶されているデータのうち、そのチケット発行番号に関連付けられたデータを削除する(ステップ54)。
このように、判定処理が終了したデータを削除することにより、データベースの空き容量を増やして、記憶部25、33の負担を軽減することができる。
【0056】
(2)計数機撮像処理
計数機撮像処理は、計数値や計数速度に応じて、遊技媒体計数機10のホッパ11の撮像を制御する処理である。具体的には、所定数の計数値ごとに撮像を行なう処理と、計数速度が所定速度以上のときは撮像しない処理が含まれる。
この計数機撮像処理について、図11を参照して説明する。
同図は、計数機撮像処理の処理手順を示す動作手順図である。
【0057】
遊技媒体計数機10の制御部18は、近接センサでの遊技媒体の検出により計数値が増えるたびに、通信部16を介して撮像装置20に、計数パルス信号を送信する。
撮像装置20の通信部24は、遊技媒体計数機10から送信されてきた計数パルス信号を受信する(ステップ60)。制御部26は、その計数パルス信号にもとづいて、計数値を算出する(ステップ61)。そして、制御部26は、計数値が所定数(例えば、1000玉)に達したか否かを判断する(ステップ62)。
【0058】
判断の結果、計数値が所定数に達していないときは、制御部26は、続いて計数パルス信号が受信されたか否かを判断する(ステップ63)。
判断の結果、計数パルス信号が受信されたときは、ステップ61以降の処理を繰り返す。
一方、計数パルス信号が一定時間受信されなかったときは、制御部26は、最初の計数パルスを受信してから最後の計数パルスを受信するまでにかかった時間を算出し(図9のステップ14、ステップ21)、計数速度を求める(図11のステップ64)。
ここで、計数速度は、単位時間あたりのパルス数(計数値)を示す。すなわち、計数値を計数時間で除算して得られた商が計数速度となる。ただし、計数速度は、一の遊技媒体が計数される速さで示すこともできる。この場合は、計数時間を計数値で除算して得られた商が計数速度となる。
【0059】
次いで、制御部26は、記憶部25から閾値を取り出し、その求めた計数速度が閾値(所定速度)以下か否かを判断する(ステップ65)。なお、閾値は、任意の値に設定することができる。
判断の結果、計数速度が所定速度以下であるときは、今回の計数が正常に行われたものと判断し、撮像制御部23は、第一撮像部21を制御して、遊技媒体計数機10のホッパ11を撮像させる(ステップ66)。これにより、計数機画像データが取得される。そして、制御部26は、計数パルスのカウント値をクリアする(ステップ67)。さらに、撮像回数と撮像データを記憶部25に記憶させて(ステップ68)、計数機撮像処理を終了する。
【0060】
一方、ステップ65における判断の結果、計数速度が所定速度以上であるときは、今回の計数が異常であると判断し、第一撮像部21による遊技媒体計数機10の撮像は行わない(撮像の中止、ステップ69)。つまり、計数機画像データは取得されない。そして、制御部26は、計数パルスのカウント値をクリアする(ステップ70)。さらに、撮像回数と撮像データを記憶部に記憶させて(ステップ68)、計数機撮像処理を終了する。
【0061】
また、ステップ62における判断の結果、計数値が所定数に達したときは、次いで、制御部26は、この所定数に達するまでにかかった時間を算出し、計数速度を求める(ステップ71)。そして、制御部26は、記憶部25から閾値を取り出し、その求めた計数速度が閾値(所定速度)以下か否かを判断する(ステップ72)。
判断の結果、計数速度が所定速度以下であり、今回の計数が正常に行われたものと判断したときは、撮像制御部23は、第一撮像部21を制御して、遊技媒体計数機10のホッパ11を撮像させる(ステップ73)。これにより、計数機画像データが取得される。そして、制御部26は、計数パルスのカウント値をクリアする(ステップ74)。さらに、計数パルス信号の受信があるときは(ステップ75)、ステップ61以降の処理を繰り返す。一方、受信がないときは、撮像回数と撮像データを記憶部25に記憶させる(ステップ68)。
【0062】
また、ステップ72における判断の結果、計数速度が所定速度以上であり、今回の計数が異常であると判断したときは、第一撮像部21による遊技媒体計数機10の撮像は行わない(撮像の中止、ステップ76)。つまり、計数機画像データは取得されない。そして、制御部26は、計数パルスのカウント値をクリアする(ステップ77)。さらに、計数パルス信号の受信があるときは(ステップ75)、ステップ61以降の処理を繰り返す。一方、受信がないときは、撮像回数と撮像データを記憶部25に記憶させる(ステップ68)。
【0063】
このような計数機撮像処理を実行することにより、遊技媒体計数機10での計数が正常に行われたときに該遊技媒体計数機10を撮像し、不正計数が発生したときは、該遊技媒体計数機10を撮像しないようにすることができる。具体的には、計数速度が閾値以下のときには、計数が正常に行われたものと判断して、遊技媒体計数機10を撮像する。一方、計数速度が閾値以上のときには、計数が不正に行われたものと判断して、遊技媒体計数機10を撮像しない。これにより、後者の場合は、景品交換装置30に計数機画像データが送信されず、遊技媒体計数機10の画像が表示されないので、景品カウンタにいる従業員は、不正計数が発生したものと判断することができる。
【0064】
また、遊技媒体計数機10の撮像を、所定の計数値ごとに行うことができる。これにより、景品交換装置30では、遊技媒体計数機10のホッパ11の中で遊技媒体が減っていく様子を表示画面に写し出すことができる。このため、従業員は、計数が正常に行われたことを知ることができる。
さらに、計数値が所定値に満たない場合でも、計数が正常に行われたときは、遊技媒体計数機10の撮像を行うようにすることができる(ステップ63のNo以降の処理)。この場合、ステップ66の「計数機撮像」が一回しか実行されず、計数機画像が一枚だけとなるが、従業員は、その計数機画像が表示された景品交換装置30の表示部34を視認することで、計数が正常に行われたことを知ることができる。
なお、本実施形態においては、ホッパ11を撮像するタイミングを所定玉数ごと(例えば、1000玉ごと)としているが、これに限るものではなく、例えば、計数開始信号の受信直後にホッパ11を撮像することもできる。このようにすれば、計数結果の多少に関係なく、ホッパ11内に遊技媒体が存在する様子を撮像できるため、このホッパ11の画像を景品交換装置30の表示部34に表示することで、不正計数の発生の有無を判断できる。
【0065】
(3)撮像回数判定処理
撮像回数判定処理(ステップ42−1)は、計数結果を用いて撮像回数を推測し、実際の撮像回数が推測した撮像回数と一致していないときに、不正計数が発生したものと判定するものである。
この撮像回数判定処理について、図12を参照して説明する。
【0066】
認証装置40の制御部46は、記憶部44から計数結果を取り出す(ステップ80)。次いで、制御部46は、その計数結果を所定数で除算して商を求める。ここで、所定数とは、撮像のタイミングとなる計数値(図11のステップ62で用いられる計数値)である。
続いて、制御部46は、その得られた商を、撮像回数の推測値とする(推測値の算出、ステップ81)。推測値とは、計数が正常に行われた場合に、撮像装置20が遊技媒体計数機10を撮像する回数として推測される数をいう。例えば、計数結果が12849玉であり、所定数が1000玉であるときは、商が12となり、この12が撮像回数の推測値となる。
【0067】
そして、制御部46は、記憶部44から撮像回数を実際の撮像回数として取り出し(ステップ82)、推測値と比較する(ステップ83)。
比較の結果、実際の撮像回数が推測値と一致しているときは、制御部46は、遊技媒体計数機10で行われた計数が正常に行われたものであると判定する(ステップ84)。一方、実際の撮像回数が推測値と一致していないときは、制御部46は、遊技媒体計数機10で行われた計数が不正に行われたものと判定する(ステップ85)。
【0068】
この撮像回数判定処理を実行することにより、遊技媒体計数機10で行われた計数が正常に行われたものか、あるいは、不正に行われたものかを判定できる。その理由は、次による。
すなわち、図11に示す計数機撮像処理において、計数速度が閾値以下であるときは、遊技媒体計数機10のホッパ11の撮像を行うようにしている(ステップ72、ステップ73)。そして、計数値が所定数に達するごとに、ホッパ11の撮像を行っている(ステップ62)。つまり、計数値に比例して撮像回数が多くなる。よって、計数結果を所定数で除算して得られた商が、ホッパ11を撮像した回数となる。
【0069】
これに対し、計数速度が閾値以上であるときは、ホッパ11の撮像を行わないようにしている(ステップ72、ステップ76)。ここで、計数速度が閾値以上であるときは、つまりパルス発生器を用いて不正行為が行われたときである。そして、この場合には、ホッパ11の撮像を行わないため、撮像回数は、0となる。よって、この撮像回数は、計数結果を所定数で除算して得られた商よりも小さい値となることから、不正行為を発見できる。
なお、認証装置40の制御部46は、実際の撮像回数や計数結果にもとづく撮像回数の推測値などを用いて不正計数の発生の有無を判定することから、「撮像回数判定部」としての機能を有している。
【0070】
(4)顔画像認証処理
顔画像認証処理(ステップ42−2)は、計数実施者の顔画像と景品交換依頼者の顔画像とを比較認証し、同一人物であると判断できるときは、計数が正常に行われたものと判定し、一方、別人であると判断できるときは、計数が不正に行われたものと判定するものである。
この顔画像認証処理について、図13を参照して説明する。
【0071】
認証装置40の画像比較部45は、記憶部44に記憶されたデータベースの中から、同一のチケット発行番号に関連付けられている計数実施者の顔画像データと景品交換依頼者の顔画像データとを取り出す(ステップ90)。そして、これら顔画像データにもとづく顔画像同士を比較して、計数実施者と景品交換依頼者が同一人物か否かを判断する(顔画像認証、ステップ91)。
判断の結果、判定結果が同一人物であるときは(ステップ92のYes)、計数が正常に行われたものと判定する(ステップ93)。
一方、同一人物でないときは(ステップ92のNo)、計数が不正に行われたものと判定する(ステップ94)。
【0072】
この顔画像認証処理を実行することにより、遊技媒体計数機10で行われた計数が正常に行われたものか、あるいは、不正に行われたものかを判定できる。その理由は、次による。
パルス発生器などを用いて不正を行う者には仲間がおり、遊技媒体計数機10から発行された複数枚のチケットは、その仲間に配られる。仲間は、そのチケットを景品カウンタに持っていき景品と交換する。つまり、遊技媒体計数機10でパルス発生器によりカウント数を上げる者と、景品カウンタで景品交換する者とは別人であることが多い。このような不正行為の特質を利用したのが顔画像認証処理による不正計数の判定である。
【0073】
すなわち、顔画像を用いた認証により計数実施者と景品交換依頼者とが別人であると判断できるときは、前述の特質に合致するので、不正計数が発生したものと判定できる。一方、顔画像を用いた認証により計数実施者と景品交換依頼者とが同一人物であると判断できるときは、計数や景品交換を正当に行っているものと判定できる。
なお、認証装置40の制御部46は、顔画像を用いて不正計数の発生の有無を判定することから、「顔画像判定部」としての機能を有している。
【0074】
(5)計数機画像データコマ落とし処理
計数機画像データコマ落とし処理は、複数枚ある計数機画像の中から何枚かを選択して景品交換装置30へ送信し表示させる処理である。景品交換装置30では、遊技媒体計数機10に投入された遊技媒体が計数にともない正常に減っていく様子がわかればよいので、計数機画像を何十枚も表示する必要がない。また、閉店に近くなると景品カウンタが混雑するので、計数機画像を簡潔に表示するのが望ましい。そこで、複数枚ある計数機画像の中から何枚かをコマ落としし、残りの計数機画像を景品交換装置30の表示画面に表示させることで、簡潔かつ確実に、計数が正常に行われたことを従業員に伝えるものである。
この計数機画像データコマ落とし処理について、図14、図15を参照して説明する。図14は、計数機画像データコマ落とし処理の実行によりコマ落としされる計数機画像データの変遷を示す図、図15は、計数機画像データコマ落とし処理の実行手順を示すフローチャートである。
【0075】
認証装置40の記憶部44は、複数の計数機画像データを記憶している。例えば、図14(a)に示すように、(1/11)から(11/11)までの11枚分の計数機画像データを記憶しているものとする。
制御部46は、記憶部44から撮像回数を取り出す(図15のステップ100)。そして、この撮像回数が所定数以上(例えば、10回以上)か否かを判断する(ステップ101)。
【0076】
判断の結果、撮像回数が所定数以上であるときは、制御部46は、第一番目と、中間と、最終の計数機画像データを抽出する(ステップ102)。これら抽出された計数機画像データを、図14(b)に示す。
そして、それら抽出した計数機画像データを加工撮像データとして記憶部44に記憶させる(ステップ103)。
一方、撮像回数が所定値未満であるときは、ステップ102及びステップ103の処理は、実行しない。
【0077】
その後、制御部46は、加工撮像データ(ステップ102及びステップ103の処理を実行していないときは、チケット発行番号に関連付けられた計数機画像データのすべて)を、通信部43を介して景品交換装置30へ送信する(図10のステップ39)。
景品交換装置30の通信部32が加工撮像データを受信すると(ステップ40)、表示部34は、その加工撮像データにもとづく計数機画像を表示する(ステップ41)。この計数機画像を表示した表示部34を、図14(c)に示す。
【0078】
この計数機画像データコマ落とし処理を実行することにより、撮像回数が多い場合には、計数機画像を減らして景品交換装置30の表示部34に表示させることができる。これにより、景品カウンタの従業員は、その計数機画像を見ることで、不正計数の発生の有無を認識できる。
【0079】
なお、閉店間際は、景品交換装置30が混雑するので、景品交換の時間を短縮するために、コマ落とし処理を実行する。すなわち、図16に示すように、遊技場システム1aが導入された遊技場の営業時間の残り時間が所定時間よりも短くなったときに(閉店まで所定時間を切ったとき、ステップ110)、認証装置40の制御部45が、複数の計数機画像データのうち、第一番目と、中間と、最終の計数機画像データを抽出し(ステップ111)、それら抽出した計数機画像データを加工撮像データとして記憶部42に記憶させる(ステップ112)。
これにより、すべての計数機画像データが三枚分の画像データに集約され、これが景品交換装置30の表示部34に表示されるので、従業員による計数機画像の視認作業の容易となり、景品交換の時間を短縮させることができる。
【0080】
なお、認証装置40の制御部46は、景品交換装置30の表示部34に表示させるホッパ11の画像の数を決定することから、「表示画像制御部」としての機能を有している。
また、計数機画像データコマ落とし処理は、撮像装置20の第一撮像部21で撮像されたホッパ11の画像の数よりも少ない数で、該ホッパ11の画像を景品交換装置30の表示部34に表示させる処理であることから、「表示枚数制限処理」に相当する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態の遊技場システムによれば、遊技媒体計数機における不正計数の発生の有無を、認証装置が自動的に判定するため、その不正計数を確実に発見できる。
また、計数値に応じて撮像された画像を用いて不正計数の発生の有無を判定することから、その不正計数の発生を確実に見つけ出すことができる。
【0082】
さらに、景品交換装置において、顔画像だけでなく、遊技媒体計数機のホッパ画像も表示されるため、このホッパに遊技媒体が流されたか否かを容易に確認でき、不正計数を早期に発見できる。
しかも、景品交換が行われるたびに景品交換装置にホッパ画像が表示され、このホッパ画像を確認することで不正計数を容易に発見できるので、監視がおろそかになったり、不正を見落としたりするなどして、不正計数が看過されるのを防ぐことができる。
【0083】
また、撮像回数にもとづく判定と顔画像認証にもとづく判定の複数の判定を用いて不正計数の発生の有無を判定するので、その発生の有無を確実に突き止めることができる。
加えて、認証装置が不正を発見するため、従業員の監視負担を軽減できる。
【0084】
以上、本発明の遊技場システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、遊技媒体計数機、撮像装置、景品交換装置、認証装置をそれぞれ複数設けた構成としているが、複数に限るものではなく、一台ずつ、あるいは任意の数だけ設けることができる。
【0085】
また、上述した実施形態においては、撮像装置を遊技媒体計数機ごとに設けてあるが、これに限るものではなく、複数の遊技媒体計数機ごとに撮像装置を設けることもできる。
さらに、上述した実施形態においては、認証装置を景品交換装置ごとに設けてあるが、これに限るものではなく、複数の景品交換装置ごとに認証装置を設けることもできる。
【0086】
また、認証装置の有する機能の全部又は一部を景品交換装置にもたせることもできる。ここで、認証装置の機能の全部を景品交換装置が有した場合、認証装置は、省略することができる。
さらに、上述した実施形態においては、認証装置40が顔画像認証処理(ステップ42−2)を実行しているが、これに限るものではなく、図17に示すように、遊技場システム1bに認証サーバ60を設け、この認証サーバ60に顔画像認証処理を実行させることもできる。
【0087】
加えて、上述した実施形態においては、パルス発生器を用いた不正行為を不正計数としているが、不正計数は、パルス発生器を用いた場合に限るものではなく、例えば、遊技媒体計数機に搭載されたRAMに記憶されているプログラムやデータの改ざん、遊技媒体計数機から撮像装置へ送信される計数情報の改ざん、チケットに印字されたバーコードの改ざん、チケットの偽造なども不正計数に含めることができる。
具体的には、例えば、遊技媒体計数機のROMを入手して、記憶されているプログラムを解析し、このプログラムを改ざんして再び書き込む行為が考えられる。ここで、書き込まれるプログラムの内容としては、不正行為者が所持するパルス発生器から信号を受信し、その後にチケット発行ボタンが押されると、カウント数の10倍の数を計数結果としてチケットに印字して発行し、その計数結果とチケット発行番号を景品交換装置へ直接送信するようにすることが考えられる。この場合、景品交換装置では、受信したチケット発行番号とチケットから読み取ったチケット発行番号が一致し、さらに、計数結果も一致するので、正常であると判断し、実際の獲得玉数の10倍の玉数で景品交換を行ってしまう。この不正に対して、本発明を実施すると、撮像装置では、計数結果の1/10のパルス数の計数パルス信号が受信されるため、遊技媒体計数機のホッパの撮像回数が、計数結果にもとづく推測値に比べて少なくなる。例えば、計数パルス信号が1200パルスであるとすると、撮像回数は1回となる(閾値が1000の場合)。一方、計数結果は10倍の12000玉となり、推測値が12回となる。認証装置でそれらを比較すると、撮像回数の推測値が実際の撮像回数よりも多いと判断されることから、計数不正が発生したものと判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、遊技媒体計数機における不正計数の発見に関する発明であるため、遊技媒体計数機を備えたシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1a、1b 遊技場システム
10 遊技媒体計数機
20 撮像装置
30 景品交換装置
40 認証装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機と、
この遊技媒体計数機の近傍に設けられた撮像装置と、
景品交換に関する処理を実行する景品交換装置とを備え、
前記遊技媒体計数機は、
上方に開口した形状を有して、前記遊技媒体が投入されるホッパと、
投入された前記遊技媒体の数量を計数する計数部と、
計数値の増加にともなって計数信号を前記撮像装置へ送信する計数信号送信部と、
前記計数値を取得可能な情報を記録する記録媒体に該記録媒体を特定する記録媒体特定情報を記録して発行する記録媒体発行部と、
前記記録媒体特定情報を前記撮像装置へ送信する特定情報送信部とを有し、
前記撮像装置は、
前記遊技媒体計数機の前記ホッパを撮像し、この撮像した前記ホッパの画像データを計数機画像データとして生成する第一撮像部と、
前記計数信号の示す計数値に応じて前記第一撮像部に前記撮像を実行させる撮像制御部と、
前記計数機画像データと前記記録媒体特定情報とを関連付けて出力するデータ送信部とを有し、
前記景品交換装置は、
前記記録媒体に記録されている前記記録媒体特定情報を取得する取得部と、
取得された記録媒体特定情報に関連付けられた計数機画像データにもとづく前記ホッパの画像を表示する表示部とを有した
ことを特徴とする遊技場システム。
【請求項2】
前記景品交換装置は、前記表示部に表示させる前記ホッパの画像の数を決定する表示画像制御部を有し、
前記撮像装置の前記第一撮像部が、前記遊技媒体計数機における一回の計数で、前記ホッパを複数回撮像して、前記ホッパの画像を複数取得したときに、前記表示画像制御部は、前記第一撮像部で撮像された前記ホッパの画像の数よりも少ない数で、該ホッパの画像を前記表示部に表示させる表示枚数制限処理を実行する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場システム。
【請求項3】
前記表示画像制御部は、
前記遊技媒体計数機における一回の計数で前記第一撮像部にて撮像された前記ホッパの画像の数が所定数よりも多いとき、又は、該遊技場システムが導入された遊技場の営業時間の残り時間が所定時間よりも短くなったときに、前記表示枚数制限処理を実行する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技場システム。
【請求項4】
前記遊技媒体計数機にて不正計数が発生したか否かを判定する認証装置を備え、
この認証装置は、
前記遊技媒体計数機の前記計数部で計数された結果と、前記計数機画像データとを受信する受信部と、
前記計数結果にもとづいて、前記撮像装置が前記遊技媒体計数機のホッパを撮像する回数の推測値を算出し、前記計数機画像データにもとづく実際の撮像回数と前記算出した推測値とを比較し、前記実際の撮像回数より前記推測値の方が多いときに不正計数が発生したものと判定する撮像回数判定部とを有し、
前記景品交換装置の前記表示部は、前記認証装置での判定結果を所定の態様で表示する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技場システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記遊技媒体計数機の前記計数部で実行された計数の速度が閾値よりも速いときには、前記遊技媒体計数機の前記ホッパの撮像を中止し、
前記認証装置の前記撮像回数判定部は、前記撮像装置における実際の撮像回数を0回とし、この実際の撮像回数と前記推測値とを比較し、前記実際の撮像回数より前記推測値の方が多いために不正計数が発生したものと判定する
ことを特徴とする請求項4記載の遊技場システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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